JP2008267333A - オイルポンプ - Google Patents

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JP2008267333A JP2007114012A JP2007114012A JP2008267333A JP 2008267333 A JP2008267333 A JP 2008267333A JP 2007114012 A JP2007114012 A JP 2007114012A JP 2007114012 A JP2007114012 A JP 2007114012A JP 2008267333 A JP2008267333 A JP 2008267333A
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Abstract

【課題】高温状態時のリーク量の増大や低温状態時の摩擦抵抗の増大を抑制してポンプ効率の低下を抑制することのできるオイルポンプを提供する。
【解決手段】ポンプハウジング6の内部にカムリング2とアウター、インナーロータ3,4が設けられている可逆式オイルポンプ1は、前記ポンプハウジングを形成する第1、第2ハウジング6a,6bの対向する各内側面6c,6dと前記アウター、インナーロータの両外側面3b,3cと4b,4cとの間に微少なサイドクリアランス11が形成されている。また、前記アウター、インナーロータは、インバー材で形成された前記カムリングよりも線膨張係数の大きな焼結金属で形成されている。温度変化により前記サイドクリアランス11の大きさを変化させることにより、リーク量の増大や摩擦抵抗の増大を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両のパワーステアリング装置のアシスト用油圧パワーシリンダに油圧を供給するオイルポンプの改良に関する。
この種の従来のオイルポンプとしては、例えば以下の特許文献1に記載されているものが知られている。
概略を説明すれば、特許文献1に記載のオイルポンプは、円筒状に形成されたカムリングと、該カムリングの内周面に設けられたアウターロータと、該アウターロータの内周面に、このアウタリングと噛み合うインナーロータと、前記カムリングの軸方向一方側に設けられた第1ハウジングと、前記カムリングの軸方向他方側に設けられた第2ハウジングと、少なくとも前記第1ハウジングまたは前記第2ハウジングに形成され、前記インナーロータと前記アウターロータとの間に形成されるポンプ室のうちこれら前記インナーロータと前記アウターロータの回転に伴い前記ポンプ室の容積が増大する吸入領域に開口する吸入ポートと、ポンプ室の容積が減少する吐出領域に開口する吐出ポートと、を備えている。
前記カムリングは、前記アウターロータおよび前記インナーロータよりも巾厚さがわずかに大きく形成されており、内周側には前記アウターロータおよび前記インナーロータを収容しながら、第1ハウジングと第2ハウジングに狭持状態に固定されている。
また、前記アウターロータおよび前記インナーロータの各両側面と、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの対向内面との間には、サイドクリアランスが形成されている。
そして、前記カムリングと前記アウターロータおよび前記インナーロータは、温度変化による前記サイドクリアランス量が変化することを避けるために同等の線膨張係数を有する金属材料によって形成されている。
特開2005−47296号公報(図2、図3)
しかしながら、前記従来のオイルポンプにおけるカムリングとアウターロータおよびインナーロータは、前述のように同等の線膨張係数を有する金属材料により形成されていることから、温度変化によるサイドクリアランス量が大きく変化することはないものの、高温状態では作動油の粘性抵抗が小さくなるため、前記サイドクリアランスからの作動油のリーク量が増加してしまうおそれがある。
そこで、高温状態での前記作動油のリーク量を減少させるために、前記サイドクリアランスを小さくすることも考えられるが、低温状態においても前記サイドクリアランスは小さい状態となっているため、かかるサイドクリアランスに流入した低温状態における作動油の大きな粘性抵抗によって、ポンプ回転摩擦力が増大してしまい、この結果ポンプ効率の低下を招くおそれがある。
本発明は、前述した従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、カムリングの線膨張係数よりもアウターロータとインナーロータの線膨張係数を大きくして、温度変化によって積極的にサイドクリアランス量を変化させることにより、ポンプ効率の低下を抑制することを目的としている。
本発明は、前記従来の実情に鑑みて案出されたもので、請求項1に記載の発明は、前記カムリングの内周面に摺動可能に設けられ、内周面に内歯が形成されたアウターロータと、前記アウターロータの内周側に設けられ、外周側に前記アウターロータの内歯と噛み合う外歯が形成されたインナーロータと、前記カムリングの軸方向一方側に設けられた第1ハウジングと、前記カムリングの軸方向他方側に設けられた第2ハウジングと、少なくとも前記第1ハウジングまたは第2ハウジングに形成され、前記インナーロータとアウターロータとの間に形成したポンプ室のうちこれらインナーロータとアウターロータの回転に伴い前記ポンプ室の容積が増大する吸入領域に開口する吸入ポートと、少なくとも前記第1ハウジングまたは第2ハウジングに形成され、前記インナーロータとアウターロータとの間に形成したポンプ室のうちこれらインナーロータとアウターロータの回転に伴い前記ポンプ室の容積が減少する吐出領域に開口する吐出ポートと、を備え、前記アウターロータとインナーロータを、前記カムリングよりも大きな線膨張係数の材料で形成したことを特徴としている。
本発明では、カムリングの内周面に設けられたアウターロータとインナーロータは、温度が上昇すると前記カムリングよりも大きく膨張することから、高温状態では前記アウターロータとインナーロータの両側面と、該両側面に対向した第1ハウジングと第2ハウジングの対向内面との間に形成したサイドクリアランスが小さくなる。一方、温度が低下すると前記アウターロータとインナーロータは、前記カムリングよりも大きく収縮することから、低温状態では前記サイドクリアランスが大きくなる。
したがって、高温状態における前記作動油のリーク量の増大は、前記サイドクリアランスを小さくすることで抑制することができる。また、低温状態における摩擦抵抗の増大は前記サイドクリアランスを大きくすることで抑制することができる。このとき、前記サイドクリアランスを大きくすることによる前記作動油のリーク量は、粘性抵抗が大きくなっているため、著しく増加することはない。これにより、温度変化によるポンプ効率の低下を抑制できる。
請求項2に記載の発明は、前記カムリングの材料をインバー材またはスーパーインバー材によって形成し、前記アウターロータとインナーロータの材料を燒結金属によって形成したことを特徴としている。
この発明によれば、カムリングをFe−36%Ni合金である、いわゆるインバー材、または36.5%Niに5%Coを加えた合金である、いわゆるスーパーインバー材にて形成することにより、温度上昇により前記アウターロータが膨張しても、前記カムリングの膨張はきわめて小さいため、前記カムリングとアウターロータとのクリアランスを維持することができる。
したがって、前記アウターロータとカムリングとのかじりの発生を防止できる。
請求項3に記載の発明は、前記第1ハウジングまたは前記第2ハウジングに、前記カムリングの内周面と前記アウターロータの外周面との間の外周クリアランスのポンプ最大容積を有する閉じ込み部に位置する部位に油圧を導入する圧力導入手段を形成したことを特徴としている。
この発明によれば、圧力導入手段を設けることにより、前記カムリングにおける前記アウターロータに対向する内周面と、前記アウターロータにおける前記カムリングに対向する外周面との間に形成される外周クリアランスに前記作動油を積極的に導くようにしたため、前記アウターロータの閉じ込み部を中心として周辺部を含む部位をインナーロータ側へ押し付ける力が増加する。
したがって、前記アウターロータの内歯とインナーロータの外歯とのシール性が向上するため、前記アウターロータの内周側とインナーロータの外周側との間に形成されたポンプ室のリークの発生を抑制するだけでなく、最大容積を有する前記閉じ込み部における吐出側から吸入側への前記作動油の流入も抑制できる。
請求項4に記載の発明は、前記カムリングの内周側に、前記圧力導入手段と連通する凹部を形成したことを特徴としている。
この発明によれば、カムリングの内周面に凹部を設けたことにより、高温状態のように前記外周クリアランスが小さい状態においても、圧力導入手段を介して外周クリアランスへ作動油を十分に供給することができるため、アウターロータをインナーロータへ確実に押し付けることができる。
請求項5に記載の発明は、前記圧力導入手段を、前記吐出ポートと前記カムリングとアウターロータとの間のクリアランスとを接続する溝によって形成したことを特徴としている。
この発明によれば、溝加工をすることで圧力導入手段を設けることができるので、加工作業が容易になり、コストの高騰を抑えることができる。
請求項6に記載の発明は、前記カムリングを前記第1ハウジングと第2ハウジングに対して位置決めするピン部材を設け、前記ピン部材を、前記閉じ込み部側とその反対側に一対設け、最小のポンプ容積を有する噛み合い部とを結ぶ直線上に配置され、前記カムリングの前記噛み合い部側に形成され、前記ピン部材を収容するピン孔の外径をこのピン部材の外径とほぼ同一に設定し、前記カムリングの前記閉じ込み部側に形成されて、前記ピン部材を収容するピン孔を、前記直線の方向に長い長孔状に形成したことを特徴としている。
この発明によれば、カムリングの線膨張係数が第1ハウジングと第2ハウジングの線膨張係数より小さく、また温度変化により変化する量が微少であるため、前記カムリングの噛み合い部側に位置する部位が、前記第1ハウジングと第2ハウジングの膨張に追従するようになる。一方、閉じ込み部側は前記噛み合い部側へ追従する影響を受けて、長孔方向に沿って前記噛み合い部側へ引っ張られる状態となる。
この結果、温度が上昇するほど前記カムリングは前記閉じ込み部方向に移動するようになるため、前記アウターロータの閉じ込み部側を中心として前記アウターロータの外周面を噛み合い部側へ押し付けるようになる。
したがって、温度が上昇するほど前記噛み合い部のシール性を高くすることができるため、閉じ込み部のリークを防止できる。
請求項7に記載の発明は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを、前記カムリングや前記アウターロータと前記インナーロータよりも大きい線膨張係数の材料で形成したことを特徴としている。
この発明によれば、温度が上昇するほど第1ハウジングと第2ハウジングはカムリングやアウターロータまたはインナーロータよりも大きく膨張するため、前記カムリングは前記請求項6の状態よりもさらに噛み合い部側に引っ張られることとなる。
したがって、高温状態における閉じ込み部のシール性をさらに高めることができるため、より確実に前記閉じ込み部のリークを防止できる。
以下、本発明にかかるオイルポンプを車両のパワーステアリング装置に適用した実施形態を図面に基づいて詳述する。
前記パワーステアリング装置の概略を説明すると、ステアリングホイールに連繋された操舵機構であるラック・ピニオン機構に連繋された油圧パワーシリンダと、該油圧パワーシリンダ内の両油圧室に作動油圧を給排する油圧回路とから構成されている。
前記油圧回路は、各一端部が前記各油圧室に接続された一対の第1、第2通路と、該両通路に選択的に油圧を給排する可逆式のオイルポンプ1と、前記第1、第2通路の途中にそれぞれ接続されて、各下流端がリザーバタンク9に連通した第1、第2排出通路と、を備えている。
前記第1、第2通路は、各他端部が前記オイルポンプ1の後述する各吐出口(各吸入口)に接続されている。
また、前記第1、第2通路の上流側には、吸入通路である一対の補償通路がそれぞれ設けられており、この各補償通路はリザーバタンク9と連通している。
前記オイルポンプ1は、図2に示すように、縦型に配置されて、ポンプ作用を司るトロコイド型のポンプ要素5と、該ポンプ要素5を正逆回転駆動させる図外の電動モータとから構成されている。
前記ポンプ要素5は、図2及び図3に示すように、ポンプハウジング6の内部にボルトによってロケートピン23によって固定されて、該ポンプハウジング6の一部を構成するカムリング2と、外周面がカムリング2の内周面2aに回転摺動自在に保持されて、内周側に複数の内歯3dが形成されたアウターロータ3と、該アウターロータ3の内側に配置されて、外周側に前記各内歯3dに噛合する外歯4dを有するインナーロータ4と、前記ポンプハウジング6内を貫通配置されて、前記インナーロータ4が中央孔4aを介して結合された駆動軸7などから構成されている。
前記ポンプハウジング6は、図2に示すように、前記インナーロータ4やアウターロータ3などのポンプ要素5を内部に共同して収容した第1ハウジング6a及び第2ハウジング6bとから主として構成されている。
前記第1ハウジング6aは、図2及び図4に示すように、肉厚なブロック状に形成されていて、上側面6cにはA−A直線上に一対のピン挿通孔15,15が設けられている。このピン挿通孔15,15は、該ピン挿通孔15,15に挿入されるロケートピン23と同径の孔となっている。前記ピン挿通孔15,15の内周側には、A−A直線に対し対称に配置されたボルト挿通孔16が設けられていて、このボルト挿通孔16は、ボルトの径よりも大きく設定されている。
また、前記ボルト挿通孔16の内部に駆動軸7を挟んで対向配置されたほぼ三日月状の一対の吐出ポート(吸入ポート)17,18が形成されている。
前記吐出ポート(吸入ポート)17,18の外周端部には、図4及び図5に示すように圧力導入手段が形成されている。この圧力導入手段は、前記吐出ポート(吸入ポート)17,18の外周端部より直線状に延出した溝8,8によって形成されて、先端部8a,8aが後述する外周クリアランス12に連通している。また、第1ハウジング6aには、前記吐出ポート(吸入ポート)17,18に連通する前記第1、第2通路の開口端19,20が形成されている。
前記第2ハウジング6bは、前記第1ハウジング6aに対して前端軸方向から図外の複数のボルトによってロケートピン23によって位置決めされつつ固定されている。また、図示しないが、前記カムリング2の一側面2bと接触する対向面6dには前記第1ハウジング6aと対向する位置に第1ハウジング6aと同形状のピン挿通孔とボルト挿通孔及びほぼ三日月状の吸入ポート(吐出ポート)と圧力導入手段としての溝が設けられている。
前記カムリング2は、図2及び図3に示すように、円環リング状に形成されており、内周面2aが楕円形状に形成されている。また、内周側にはA−A直線上に一対配置されたピン挿通孔13,13aが設けられており、このピン挿通孔13,13aは、一方のピン挿通孔13がこのピン挿通孔13に挿入されるロケートピン23と同径の孔であり、他方のピン挿通孔13aがロケートピン23と同径であり、且つ前記A−A直線上に延出した長孔となっている。また、A−A直線に対し対称に配置されたボルト挿通孔14が形成されており、このボルト挿通孔14は、ボルト径よりも大きい径となっている。
前記第1ハウジング6aと第2ハウジング6bの対向する内側面6c,6dと、前記インナーロータ3とアウターロータ4の両外側面3b,3cと4b,4cとの間に、図1及び図3に示すように、微少なサイドクリアランス11が形成され、前記カムリング2の内周面2aとアウターロータ3の外周面3aとの間に外周クリアランス12が形成されている。この外周クリアランス12は、前記A−A直線上の部位が最小巾に形成されている。つまり、前記カムリング2の内周面2aが横方向に長い楕円状に形成されているため、前記サイドクリアランス12は、図3の図中横方向の巾bよりも、前記図中上下方向の巾aの方が小さく形成されている。
前記駆動軸7は、前記電動モータによって正逆回転制御されるようになっており、この電動モータは、図外の電子コントローラから出力される制御電流によって前記駆動軸7を回転、停止及び正逆回転するようになっている。
前記リザーバタンク9は、前記第2ハウジング6bやインナ、アウターロータ4,3などのポンプ要素5全体を覆う状態で第1ハウジング6aの前端部にボルトによって固定されていると共に、筒状上端部の上端開口がキャップ10によって閉塞されている。
また、図3に示すように、前記インナーロータ4とアウターロータ3の内外歯4d,3dの間に複数のポンプ室21が形成されていると共に、このポンプ室21におけるA−A直線上に位置する部位に、前記内外歯4d,3dの噛み合いが解けてポンプ室21内最大容積となる閉じ込み部24が形成され、この閉じ込み部24からA−A直線上に駆動軸7を挟んで対向配置され、前記内外歯4d,3dの噛み合う部位でポンプ最小容積となる噛み合い部25が形成される。
そして、前記カムリング2とアウターロータ3、インナーロータ4及びポンプハウジング6は、それぞれ異なった線膨張係数を有する材料にて形成さていれる。
すなわち、前記カムリング2は、線膨張係数がきわめて小さいFe−36%Ni合金である、いわゆるインバー材、または、36.5%Niに5%Coを加えた合金である、いわゆるスーパーインバー材によって形成されている。これに対して前記アウターロータ3及びインナーロータ4は、前記カムリング2よりも線膨張係数の大きな焼結金属によって形成されている。また、前記第1、第2ハウジング6a,6bは、線膨張係数の最も大きなアルミ系材料によって形成されている。
以下、本実施形態の作用について説明すると、まず、車両の直進走行中などで、運転者がステアリングホイールを中立状態に維持すると、電子コントローラから電動モータに対して制御電流が出力されず、ポンプ要素5が非作動状態になっている。
その後、ステアリングホイールを例えば右方向へ回転操作すると、電子コントローラからの制御電流によって電動モータが一方向へ回転してインナーロータ4及びアウターロータ3が例えば正転駆動される。
このポンプ作用によって第2通路19の作動油がオイルポンプ1の吸入ポート17から各ポンプ室21に供給され、ここで加圧されて他方の吐出ポート18から第1通路20内に吐出される。また、同時に、前記リザーバタンク9内の作動油が第1通路20及び第1油圧室に流入して不足分を補償する。
一方、かかる右方向の回転操作状態からステアリングホイールを元の状態に戻し、さらに左方向へ回転操作を行うと、前記電子コントローラによって前記電動モータを介してポンプ要素5を逆転させる。
このため、今度は、前述とは逆に、第1通路20側の作動油が第2通路19に吐出されると共に、リザーバタンク9内の作動油が補償通路を通って前述と同じくポンプ室21から第2通路19に吐出されて第2油圧室に供給される。
この正逆回転駆動により吐出された作動油は、高圧となっているため、吐出側となるポンプ室21より吐出される際、前記アウターロータ3の内歯3dを外周側へ押し出す力が働くようになる。このため、前記アウターロータ3の内歯3dと前記インナーロータ4の外歯4dとの間から作動油がリークしてしまい、閉じ込み部24における吐出側から吸入側へ作動油が流入する虞がある。
しかし、前述のように、前記吸入ポート(吐出ポート)17,18に形成された前記溝8,8によって、図3の矢印で示すように、外周クリアランス12に導入された吐出圧がアウターロータ3を駆動軸7方向へ押圧してインナーロータ4に押し付けることができる。つまり、ポンプ閉じ込み部24においてアウターロータ3の内歯3dの先端をインナーロータ4の外歯4dの先端に押し付ける。これによって、該両者4d,3d間のいわゆるチップクリアランスを十分に小さくすることができる。
したがって、ポンプ閉じ込み部24におけるシール性が向上して、ポンプ吐出効率が向上する。
また、前記溝8,8の構造が簡単であるから、その加工作業も容易になり、コストの高騰を抑制できる。
そして、前記正逆回転駆動に伴って前記ポンプ要素5が発熱し、ポンプハウジング6と該ポンプハウジング6に収容されるカムリング2とアウターロータ3およびインナーロータ4は、それぞれの線膨張係数によって膨張する。
つまり、前記アウターロータ3と、インナーロータ4とは、前記カムリング2より大きく膨張するため、高温状態では、サイドクリアランス11及び外周クリアランス12が小さくなる。
したがって、前記サイドクリアランス11が小さい状態にて前記正逆回転駆動が行われるが、ここで、前記サイドクリアランス11が温度上昇により変化せず、小さくならずに前記正逆回転駆動が行われると、作動油の粘性抵抗が低下することにより、前記ポンプ室内21より前記サイドクリアランス11へのリーク量が増加してしまうため、ポンプ容積効率が低下する虞があるが、前記サイドクリアランス11が小さくなることにより、前記正逆回転駆動による作動油の前記ポンプ室内21より前記サイドクリアランス11へのリーク量を抑制するため、ポンプ容積効率の低下を防止できる。
一方、前記外周クリアランス12が小さくなると、この外周クリアランス12に導く作動油の量が減少するため、前記アウターロータ3の内歯3dを前記インナーロータ4の外歯4dへ押し付ける力が低下する虞があるが、前記カムリング2に設けられた前記一対のピン挿通孔13,13aの一方側13aが長孔であるため、前記カムリング2は、温度上昇に伴って前記閉じ込み部24側に移動するようになる。
したがって、前記外周クリアランス12が小さい状態においても、前記アウターロータ3の内歯3dを前記インナーロータ4の外歯4dに押し付けることができるため、高温状態における前記閉じ込み部24におけるシール性が向上する。
一方、温度が低下すると、前記ポンプハウジング6とカムリング2およびアウターロータ3、インナーロータ4がそれぞれの線膨張係数によって収縮する。 つまり、前記アウターロータ3とインナーロータ4は、前記カムリング2よりも大きく収縮することとなる。
したがって、低温状態では前記サイドクリアランス11が大きくなるが、ここで、前記サイドクリアランス11が、前記高温状態のように小さい状態にて前記正逆回転駆動が行われると、作動油の粘性抵抗が増加していることにより、前記ポンプ要素5内における摩擦抵抗が増加して、ポンプ回転力を低下させるようになることから、ポンプのトルク効率が低下する虞があるが、前記サイドクリアランス11が大きくなることにより、前記ポンプ要素5内における摩擦抵抗の増加を抑制できるため、温度低下によるポンプ効率の低下を抑制することができる。
図6は本発明の第2の実施形態を示し、前記カムリング2の内周面2aに凹部22を形成したものである。この凹部22は、前記第1、第2ハウジング6a,6bに形成された前記溝8,8の先端部8a,8aと対向する部位から前記閉じ込み部24方向に、前記内周面2cに沿って円弧状に形成されている。つまり、前記凹部22により、前記外周クリアランス12の一部が大きい状態となっている。
したがって、高温状態のように前記外周クリアランス12が小さい状態においても、吐出された作動油を前記溝8,8を介して前記凹部22内へ導く形となることから、前記サイドクリアランス12へ十分に作動油を供給することができるため、アウターロータ3をインナーロータ4へ確実に押し付けることができる。
図7は、本発明の第3の実施形態を示し、前記圧力導入手段としての溝8,8の形状を変更したものであって、前記吐出ポート(吸入ポート)17,18の外周端部より前記外周クリアランス12方向へ円弧状に形成されており、先端部が前記外周クリアランス12に連通している。
前記溝8,8を円弧状にすることによって、アウターロータ3外周への流入角度がよりアウターロータ3接線方向に近づくため、圧力導入がスムーズに行え、より確実な効果を得ることが可能となる。
本発明は、前実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、前記吐出ポート(吸入ポート)17,18と溝8,8を前記第1ハウジング6aまたは第2ハウジング6bの一方に形成することも可能である。
さらに、パワーステアリング装置以外の機器類に適用することも可能である。
本発明のオイルポンプの第1の実施形態を示すサイドクリアランスと外周クリアランスとを示す要部拡大図である。 本実施形態のオイルポンプの縦断面図である。 本実施形態のオイルポンプの作動室を示す正面図である。 本実施形態のオイルポンプのポートの形状を示す正面図である。 本実施形態のオイルポンプの圧力導入手段を示す拡大図である。 第2の実施形態を示す要部拡大図である。 第3の実施形態を示す要部拡大図である。
符号の説明
1…オイルポンプ
2…カムリング
2a…内周面
3…アウターロータ
3a…外周面
3d…内歯
4…インナーロータ
4d…外歯
6a…第1ハウジング
6b…第2ハウジング
8…溝(圧力導入手段)
12…外周クリアランス
13,13a…ピン挿通孔
17,18…吸入ポート(吐出ポート)
21…ポンプ室
22…凹部
23…ロケートピン(ピン部材)
24…閉じ込み部
25…噛み合い部

Claims (7)

  1. 円筒状に形成されたカムリングと、
    前記カムリングの内周面に摺動可能に設けられ、内周面に内歯が形成されたアウターロータと、
    前記アウターロータの内周側に設けられ、外周側に前記アウターロータの内歯と噛み合う外歯が形成されたインナーロータと、
    前記カムリングの軸方向一方側に設けられた第1ハウジングと、
    前記カムリングの軸方向他方側に設けられた第2ハウジングと、
    少なくとも前記第1ハウジングまたは第2ハウジングに形成され、前記インナーロータとアウターロータとの間に形成したポンプ室のうちこれらインナーロータとアウターロータの回転に伴い前記ポンプ室の容積が増大する吸入領域に開口する吸入ポートと、
    少なくとも前記第1ハウジングまたは第2ハウジングに形成され、前記インナーロータとアウターロータとの間に形成したポンプ室のうちこれらインナーロータとアウターロータの回転に伴い前記ポンプ室の容積が減少する吐出領域に開口する吐出ポートと、を備え、
    前記アウターロータとインナーロータを、前記カムリングよりも大きな線膨張係数の材料で形成したことを特徴とするオイルポンプ。
  2. 前記カムリングの材料を、インバー材またはスーパーインバー材によって形成し、前記アウターロータと前記インナーロータの材料を焼結金属で形成したことを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ。
  3. 前記第1ハウジングまたは前記第2ハウジングに、前記カムリングの内周面と前記アウターロータの外周面との間の外周クリアランスのポンプ最大容積を有する閉じ込み部に位置する部位に油圧を導入する圧力導入手段を形成したことを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ。
  4. 前記カムリングの内周側に、前記圧力導入手段と連通する凹部を形成したことを特徴とする請求項3に記載のオイルポンプ。
  5. 前記圧力導入手段を、前記吐出ポートと前記カムリングとアウターロータとの間のクリアランスとを接続する溝によって形成したことを特徴とする請求項3または4に記載のオイルポンプ。
  6. 前記カムリングを前記第1ハウジングと第2ハウジングに対して位置決めするピン部材を設け、
    前記ピン部材を、前記閉じ込み部側とその反対側に一対設け、最小のポンプ容積を有する噛み合い部とを結ぶ直線上に配置され、
    前記カムリングの前記噛み合い部側に形成され、前記ピン部材を収容するピン孔の外径をこのピン部材の外径とほぼ同一に設定し、
    前記カムリングの前記閉じ込み部側に形成され、前記ピン部材を収容するピン孔を、前記直線の方向に長い長孔状に形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のオイルポンプ。
  7. 前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを、前記カムリングや前記アウターロータと前記インナーロータよりも大きい線膨張係数の材料で形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のオイルポンプ。
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