JP2003503043A - グラム陰性細菌のペプチドグリカン結合リポタンパク質の脂質化された形態の製造 - Google Patents

グラム陰性細菌のペプチドグリカン結合リポタンパク質の脂質化された形態の製造

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Abstract

(57)【要約】 グラム陰性細菌のペプチドグリカン結合タンパク質(PAL)の脂質化された形態の発現が、厳重に調節されるプロモーターを含有するプラスミドの使用によって成し遂げられる。そのようなプラスミドで細菌宿主細胞を形質転換、形質導入またはトランスフェクションする。次に、脂質化された組換えPALが発現されるような条件下で宿主細胞を培養する。脂質化された組換えPALは、グラム陰性細菌に対して免疫するために哺乳動物宿主に投与される抗原性組成物中に含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、グラム陰性細菌のペプチドグリカン結合タンパク質の脂質化された
形態の発現及び抗原性組成物におけるこの組換えの脂質化されたタンパク質の使
用に関する。
【0002】 発明の背景 グラム陰性細菌の細胞壁は、ペプチドグリカンとして知られている架橋された
成分を含有する。多数のグラム陰性細菌は、ペプチドグリカンに共有結合的に結
合しているタンパク質を生産する。そのようなタンパク質はペプチドグリカン結
合リポタンパク質(PAL)と呼ばれる。PALは、レジオネラ・ニューモフィ
ラ(Legionella pneumophila)(参考文献一覧表記載1)、エシェリキア・コリ
(Escherichia coli)(2)、ヘモフィルス・デュクレイ(Haemophilus ducrey
i)(3)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)(4)、
シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)(5)、ブルセラ・アボルツス
(Brucella abortus)(6)、シュードモナス・アエルギノーザ(Pseudomonas
aeruginosa)、クレブシエラ・エアロゲネス(Klebsiella aerogenes)、セラチ
ア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、プロテウス・ブルガリス(Prote
us Vulgaris)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)(7
)、アクチノバシラス・プレウロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumon
iae)(8)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)(9)、クラミ
ジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)(10)及びクラミジア・トラコ
マチス(Chlamydia trachomatis)(11)を包含する多数のグラム陰性細菌に
おけるtol遺伝子座の一部として存在する。
【0003】 他のPAL含有細菌は、ヘモフィルス・インフルエンゼ(H. influenzae)細
菌である。ヘモフィルス・インフルエンゼ細菌は2群に分類される。既知の莢膜
を有する株は、基準抗血清と莢膜との血清学反応により型が決定される。a−f
型が同定されている。基準抗血清のいずれとも反応することができない株は、型
が決定できないとして知られている。
【0004】 ヘモフィルス・インフルエンゼb型(Hib)は、米国における新生児髄膜炎
及び他の侵襲性感染の最もよくある原因である(12)。小児期髄膜炎の主要な
発生は1〜5歳の年齢の間に起こる。Hibによる髄膜炎の症例の60%は、2
歳未満の子どもにおいて起こる(12)。
【0005】 型の決定できないヘモフィルス・インフルエンゼ(NTHi)は、成人におけ
る肺炎、菌血症、髄膜炎、産褥性敗血症及び急性熱性気管気管支炎を包含する多
数の疾患を引き起こすグラム陰性生物体である(13)。NTHiは、幼い子ど
もにおいて見られる中耳炎の全ての症例の20〜40%を引き起こすことが報告
されている(14,15,16)。感染は長く持続する免疫を与えないので、子
どもは同じ生物体による複数の感染を体験する可能性がある。中耳炎の慢性また
は反復発生に対する現在の治療には、抗生物質の投与及び内耳に入れるためのチ
ューブの挿入が包含される。NTHi株はまた、副鼻腔炎の主要な原因としても
結びつけられている(17)。さらに、NTHiは新生児敗血症を引き起こす。
【0006】 現在の莢膜に基づく抗原性組成物はNTHiに対して効果がない。これらの細
菌の表面は非常に抗原性的に多様であることが示されており、主要な外膜タンパ
ク質、P1及びP2は特に多様である(18,19)。ヒトにおいて、血清殺菌
性抗体の存在は、感受性NTHi株により引き起こされる中耳炎からの防御と相
関関係があることが報告されている(20)。
【0007】 NTHiに対する抗原性組成物における含有物の候補は、アミノ酸レベルで非
常に保存され、表面にさらされ(特に、外膜タンパク質)、殺菌性抗体を引き出
し、そして全ての単離株に存在すべきである。以前の研究により、NTHiのP
6(PBOMP−1及びHiPALとしても知られている)(21)タンパク質
はこれらの規準の全てを満たすことが示されている。精製された天然のタンパク
質は、殺菌性抗体を引き出すことが示されており(22,23,24,25)、
そして抗原性的に保存されている(22,23,26,27)。
【0008】 P6遺伝子の遺伝子配列の評価により、それが耳のNTHi単離株間で非常に
保存されており、従ってタンパク質配列もまた非常に保存されていることが示さ
れている。天然のP6は、アミノ末端のシステインで脂質で修飾されているリポ
タンパク質、より詳細にはPALである。このタンパク質は、ヘモフィルス・イ
ンフルエンゼにおいて比較的少量(全外膜タンパク質の1%未満)で存在し、天
然の生物体からの有用な量の精製をかなり困難にしている。従って、抗原性組成
物における成分としてのさらなる開発にはP6の組換えバージョンが必要とされ
る。
【0009】 いくつかの研究所は、脂質化されたrP6をエシェリキア・コリにおいて大量
に発現することができなかった(28,29)。結果として、エシェリキア・コ
リにおいてP6を発現する初期の組換え構築物は、このタンパク質の脂質化され
ていないバージョンのみを発現することができた。これらのグループは、ヘモフ
ィルス・インフルエンゼから精製された脂質化されたP6タンパク質はエシェリ
キア・コリから精製された脂質化されていないrP6より免疫原性であるが、脂
質化されたP6を発現するDNAベクターを工学設計することは難しい(28,
29);すなわち、ヘモフィルス・インフルエンゼにより発現される天然のP6
の低いレベルよりよくないと報告した。
【0010】 脂質化されたrP6を発現しようとする以前の試みは、trc、taq、la
c及びPL−C1857のような、厳重な転写調節下にないプロモーターに頼っ
た。このいくぶん漏れやすい転写は、脂質化されたタンパク質の低レベルの発現
に寄与するエシェリキア・コリに対する微妙な作用を引き起こすと理論化した。
実験的証拠により、タンパク質のN末端に脂質を付加するシグナルペプチダーゼ
IIの能力は、プロセシングされたP6の低収量の原因ではないことが示された
(データは示さない)。
【0011】 ヘモフィルス・インフルエンゼのP6タンパク質はヘモフィルス疾患に対する
抗原性組成物における含有物の主要な候補であるが(20,23,24,25,
30,31)、ヘモフィルス・インフルエンゼから利用できる比較的少量のため
にこのタンパク質の組換え発現を必須にしている。脂質化されたP6タンパク質
を意味のある量で発現しようとする以前の努力は失敗している(28,29)。
従って、研究者は、脂質化されていないP6の複数の形態の発現及び精製に集中
している。
【0012】 脂質化されていないrP6により引き起こされる抗体反応は生物学的に機能性
であり、髄膜炎から乳児ラットを防御すること(28)及び殺菌性抗体を引き出
すこと(28,29)ができたが、脂質化された天然のP6により引き出される
ものより低い規模のものであった(28)。
【0013】 従って、グラム陰性細菌の脂質化されたPALを発現する宿主細胞−発現ベク
ター系を構築する必要性がある。特に、脂質化されたrP6を発現する宿主細胞
−発現ベクター系を構築する必要性があり、次にこれをヘモフィルス・インフル
エンゼに対する抗原性組成物に含むことができる。
【0014】 本発明の要約 従って、細菌宿主細胞においてグラム陰性細菌の脂質化されたPALを発現す
ることができる遺伝子構築物を開発することが本発明の目的である。
【0015】 細菌宿主細胞、特にエシェリキア・コリにおいて脂質化されたrP6を発現す
ることができる遺伝子構築物を開発することが本発明の特定の目的である。
【0016】 ヘモフィルス・インフルエンゼにより引き起こされる疾患を防ぐために哺乳動
物に投与する抗原性組成物にこの脂質化されたrP6を含むことは本発明のさら
なる目的である。
【0017】 以下に説明するような本発明のこれら及び他の目的は、発現ベクターにおける
厳重に調節されるプロモーターの使用によってPALの脂質化された形態を細菌
細胞でクローニング及び発現することにより達成される。
【0018】 本発明は、発現ベクターにおけるそのようなプロモーターの使用によって組換
えヘモフィルス・インフルエンゼP6タンパク質の脂質化された形態を細菌細胞
でクローニング及び発現することによって例示される。
【0019】 詳細には、脂質化された組換えP6の発現のために、アラビノース誘導性プロ
モーターまたはT7プロモーターを含有するプラスミドを構築し、ここで、該プ
ロモーターはP6タンパク質をコードするDNA配列を含んでなる単離され精製
されたDNA配列に操作可能に連結され、そして該プロモーターの制御下で、該
DNA配列は脂質化された形態で発現される。
【0020】 次に、細菌宿主細胞をそのようなプラスミドで形質転換、形質導入またはトラ
ンスフェクションし、次いで宿主細胞による脂質化されたrP6の発現を可能に
する条件下で培養する。
【0021】 本発明の別の態様として、脂質化されたrP6は、b型及び型の決定できない
ヘモフィルス・インフルエンゼの両方を包含する全ての病原性ヘモフィルス・イ
ンフルエンゼに対する抗原性組成物における免疫原として用いられる。
【0022】 精製した場合に、組換えタンパク質は、いくつかの規準により脂質化されてい
ることが示され、そして最も重要なことには、以前に用いられたP6の脂質化さ
れていない形態よりさらに免疫原性である。
【0023】 シグナルペプチダーゼIIによるアミノ末端のシステインの脂質修飾は、タン
パク質をそれらの脂質化されていない形態より免疫原性にすることが示されてい
る(28,29,32)。これらの形態は、脂質化されたP6に対する免疫原性
及び抗原性関連について評価されている。全て、天然の脂質化されたタンパク質
に比較した場合に減少した免疫原性を示している。
【0024】 これによりヒトを免疫するためにかなり低い用量を使用することができ、従っ
て、脂質化されたrP6を抗原性組成物における含有物のより商業上実用的な候
補にする。これらの増加した力価により、より低いP6タンパク質用量をヒトに
おいて使用することができ、これはこのタンパク質の製造における費用の節約を
与える。
【0025】 単離され精製された脂質化されたrP6タンパク質は、哺乳動物宿主における
防御免疫応答を引き出す抗原性組成物を調製するために用いられる。抗原性組成
物は、1またはそれ以上のアジュバント、希釈剤または担体をさらに含んでなる
ことができる。そのようなアジュバントの例には、水酸化アルミニウム、リン酸
アルミニウム、StimulonTM QS−21、MPLTM、IL−12及びコ
レラ毒素が包含される。抗原性組成物は、ヘモフィルス・インフルエンゼにより
引き起こされる疾患に対して宿主を防御するために十分な免疫原性量で哺乳動物
宿主に投与される。
【0026】 発明の詳細な記述 脂質化されたrP6のような、脂質化されたPALの使用可能な量を発現する
ことにおいて認められた困難を克服するために、厳重に調節されるプロモーター
並びに細胞質及び細胞周辺プロテアーゼを欠いている宿主株の使用を伴う方法を
考案した。
【0027】 脂質化されたP6タンパク質を商業的使用のために意味のある量で発現しよう
とする以前の失敗した努力は全て、プロモーター配列を変えること及び/または
シグナルペプチダーゼIIにより認識されるシグナル配列に変化をもたらすこと
に頼った。
【0028】 以下に説明するように、T7プロモーター(プラスミドpPX4019−実施
例1)及びアラビノース誘導性プロモーター(プラスミドpPX4020−実施
例2)の制御下でP6をコードするpal遺伝子を含有するプラスミドを構築し
た。代表的な細菌株及び培地を実施例3において記述する。P6特異的モノクロ
ーナル抗体でのウェスタンブロット分析、シグナル配列がないことを示したSD
S−PAGEゲル上での大きさによる分類及びクーマシー染色したゲルにおける
発現レベルの目視により決定した場合に、pPX4019及びpPX4020は
両方とも、試験したエシェリキア・コリ株において脂質化されたP6タンパク質
を発現する(実施例4及び図参照)。
【0029】 プラスミドpPX4020は、エシェリキア・コリ株BL21及びBLRにお
いて増加したレベルのrP6タンパク質発現を示し、株BLRにおいて最高レベ
ルであった。それ故、プラスミドpPX4020をさらなる研究のために選択し
た。脂質化されたrP6を発現するエシェリキア・コリのより大量の増殖を宿主
株BLRにおいて行った。後の実験は全てこの宿主−ベクター系を利用した。
【0030】 好ましい態様として本明細書に記述するプラスミド構築物(pPX4020)
は、いくつかの独特な特徴を有するアラビノース誘導性プロモーター系を用いる
:それは厳重に調節され、そしてアラビノースが全く存在せず、いくらかのグル
コースが存在する場合にほとんど完全に不活性である。それはまた、増加するア
ラビノースを培養培地に加えるにつれて増加する誘導レベルを示す点においても
調整可能である。非常にプロテアーゼ欠損性で組換え欠損性であるエシェリキア
・コリのBLR株と組み合わせたこれらの因子は、脂質化されたP6タンパク質
の有意な発現を与える。
【0031】 脂質化されたrP6のバッチ規模精製は、分画遠心分離、分画洗剤抽出及び陰
イオン交換クロマトグラフィーを含む(実施例4参照)。
【0032】 しかしながら、抗原性組成物における含有物の実用的候補となるためには、発
現した脂質化されたrP6は、容易に大規模にできる方法により精製されなけれ
ばならない。ダイアフィルトレーションは、大規模精製に適当な方法である。脂
質化されたrP6はペプチドグリカンとしっかりと結合しているので脂質化され
たrP6を抽出するためのダイアフィルトレーション工程は複雑である。
【0033】 実施例5において記述するように、脂質化されたrP6の可溶化は、ヘモフィ
ルスから得られる天然のタンパク質(Hi−P6)(33)とほとんど同じよう
に分画洗剤抽出により成し遂げられたが、遠心分離の代わりに接線フロー(tang
ential flow)ダイアフィルトレーションを用いた。ドデシルマルトシド、デオ
キシコール酸塩、ZwittergentTM 3−08、3−12及び3−14
のような洗剤を全て試験し、0.2−1%(w/v)の範囲で使用した場合に脂
質化されたrP6を抽出するために許容できると判明した。脂質化されたrP6
はまた、65℃でホウ酸ナトリウムバッファー、pH 9.5中で可溶化するこ
ともできた。洗剤選択の柔軟性は、脂質化されたrP6を抽出するためにZwi
ttergentTM 3−12の使用を可能にした。従って、Zwitterg
entTM 3−12の選択は、複数成分抗原性組成物を製造するために必要とさ
れる成分の数をできる限り少なくする。天然のHi P6は可溶化後に本質的に
純粋な形態で得られるが、組換えタンパク質はいくつかのエシェリキア・コリタ
ンパク質と一緒に可溶化される。これらのタンパク質の相対量を変えることがで
き、ある場合には最終抽出において使用する洗剤の選択によりほとんど除くこと
ができる。脂質化されたrP6は、陰イオン交換クロマトグラフィーによりあら
ゆる残っているエシェリキア・コリタンパク質から分離される(実施例6参照)
【0034】 PALを抽出するこの方法は、清澄化及び抽出工程を1ユニット操作に合わせ
る。ただ一つの連続的ダイアフィルトレーション工程で生成物は細胞から抽出さ
れ、そしてそれは細胞残渣から分離される。さらに、PALは半精製状態で抽出
され、これは後のプロセシング工程を簡単にする。最後に、この工程は、唯一の
必要条件が膜の表面積を細胞の量と比例して増やすことであるので、非常に基準
化できる(scalable)。この抽出工程は、大規模抽出における使用には好ましくな
い方法である遠心分離の使用を回避する。抽出後に、脂質化されたrP6は通常
の技術により精製される。
【0035】 脂質化されたrP6の分析は、予想されるように、リポタンパク質としての組
換えタンパク質の特性化と一致した。MALDI−TOF質量分光法により決定
した場合の分子の大きさは、精製された組換えタンパク質がそのアミノ酸配列の
みから予想されるより大きいことを示す(実施例7参照)。表1に詳述するアミ
ノ酸分析(実施例8参照)と合わせて、タンパク質の大きさは、シグナル配列が
取り除かれており、タンパク質が成熟形態であることを示す。また、アミノ末端
のアミノ酸分析により示されるように(実施例9参照)、ブロックされたアミノ
末端の存在は、末端のシステイン残基の修飾が起こっていることも示す。総合す
れば、これらの結果は、エシェリキア・コリにより認識されプロセシングされて
脂質化されたP6をもたらすことが示されている(23)シグナル配列が取り除
かれていること及びここで精製された組換えP6がそのアミノ末端で脂質化され
ていることを示す。
【0036】 以前の研究者等は、天然に存在するNTHi感染後のP6に対する抗体レベル
が疾患発生率と逆の相関関係を有することを示しており(34,35,36)、
P6に対する高い力価の製造をこの抗原を用いるあらゆる免疫プログラムの目標
にしている。天然の脂質化されたP6タンパク質は非常に少量(外膜タンパク質
の1%未満)で存在し(33)、これは商業的に実用的な量の精製を最大でも不
確かなものにする。
【0037】 以前に発現された脂質化されていないrP6より優れている脂質で修飾された
rP6の重要な利点は、脂質修飾と関連する高められた免疫原性である。脂質化
されていないrP6は生物学的に活性の抗体を引き出すことができるが、これは
天然の脂質化されたタンパク質より免疫原性が低いことが2つの報告により示さ
れている(28,29)。
【0038】 それに反して、以下の表2−4に示す動物免疫原性データ(実施例10及び1
1参照)は、組換えP6の脂質修飾がマウスモデルにおいてもこの抗原の免疫原
性を高めることを示す。6週で相乗平均抗体力価(GMT)の2−logまでの
増加が完全に有意であり、rP6タンパク質の脂質化された形態を抗原性組成物
における含有物の実用的候補にする。これは、脂質化されたrP6が、試験した
他の抗原により引き起こされる免疫応答を妨げなかったというこれらの実験にお
ける結果により増進される。
【0039】 総合すれば、これらのデータは、脂質化されたrP6がヘモフィルス・インフ
ルエンゼに対する抗原性組成物における含有物のために実用的であるという考え
を裏付ける。NTHiからの脂質化されたrP6を用いて以下に例示するが、H
ibからの脂質化されたrP6もまた本発明の抗原性組成物における含有物に適
している。
【0040】 実施例1−3に詳述するものに加えて本発明の抗原性組成物において使用する
脂質化されたrP6タンパク質を発現させるために様々な細菌宿主細胞−ベクタ
ー系が使用に適している。
【0041】 これらの発現系は、組換えの脂質化されたPALをコードする遺伝子を厳重に
調節されるプロモーターの制御下に配置する。特定の条件下で、これらのプロモ
ーターは組換えPAL mRNAの生産をダウンレギュレーションするように働
き、その結果として、組換えの脂質化されたPALの生産による宿主細胞に対す
るあらゆる有害な作用を軽減する(37)。次に、この厳重な調節は、宿主細胞
における最大にした組換えの脂質化されたPAL発現を与えるために特定の条件
下で取り除くことができる。
【0042】 (他の制御要素と一緒であることができる)これらの厳重に調節されるプロモ
ーターには、アラビノース誘導性プロモーター(38)、nutL/N抗転写終
結機能(39,40)またはMu C(41)による制御下であるように改変す
ることができるT7プロモーター、抗ターミネーターと組み合わせたPLプロモ
ーター(42)、SP6 RNAポリメラーゼ及びSP6プロモーター(43)
、コリシンプロモーター(44)、tetAプロモーター/オペレーター(45
)、ラムノース及びリン酸プロモーター(46)、LacR/O、tetR/O
及びAraCI1−12調節要素(47)、並びに反転可能な(invertible)プ
ロモーター(48)が包含されるが、これらに限定されるものではない。
【0043】 ベクター系は、使用する宿主細胞と適合する。適当な宿主細胞には、プラスミ
ドDNA、コスミドDNAまたはバクテリオファージDNAで通常の技術により
形質転換、トランスフェクションまたは形質導入される細菌が包含される。細菌
宿主の例には、エシェリキア・コリ、バシラス・ズブチリス(B. subtilis)、
サルモネラ(Salmonella)及びシゲラ(Shigella)が包含される。
【0044】 そのようなベクターを構築するために、厳重な転写制御下のプロモーターを含
有するプラスミドベクター中にpal DNAを挿入し、そしてプラスミドベク
ターを細菌宿主細胞中に挿入した場合に宿主細胞によりpal DNAを発現で
きるように、他の制御要素をベクター内の特定の部位に連結する。
【0045】 使用する宿主細胞−ベクター系により、プラスミドを形質転換、形質導入また
はトランスフェクションによって宿主細胞中に導入する。次に、宿主細胞による
脂質化されたrP6タンパク質の発現を可能にする条件下で宿主細胞を培養する
。アラビノース誘導性プロモーターを有するプラスミドを含有する宿主細胞はL
−アラビノースで誘導し、一方、T7プロモーターを有するプラスミドを含有す
る宿主細胞はIPTGで誘導する。
【0046】 脂質化されたPALは、対応する細菌により引き起こされる疾患に対する防御
を哺乳動物に与える抗原性組成物の製造において有用である。例えば、脂質化さ
れたrP6タンパク質は、ヘモフィルス・インフルエンゼにより引き起こされる
疾患に対する防御を哺乳動物に与える抗原性組成物の製造において有用である。
【0047】 これらの抗原性組成物は、脂質化されたrP6タンパク質のような、単離され
精製された脂質化されたPALを含んでなり、ここで、抗原性組成物は哺乳動物
宿主において防御免疫応答を引き出す。多価の抗原性組成物は、脂質化されたr
P6を細菌性中耳炎の原因因子であるモラクセラ・カタラーリス(Moraxella ca
tarrhalis)のUspA2タンパク質(引用することにより本明細書に組み込ま
れるPCT国際出願第WO 98/28333号(49)に記述されている)及びヘモフィ
ルス・インフルエンゼの組換えの脂質化されたrP4タンパク質(タンパク質「
e」としても知られている)(引用することにより本明細書に組み込まれる米国
特許第5,601,831号(50)に記述されている)と合わせることによるような、
他のタンパク質を含むことにより提供される。
【0048】 脂質化されたrP6タンパク質のような、脂質化されたPALを含有する抗原
性組成物は、注入可能な液状溶液または懸濁液を調製するために常法で免疫学的
に許容しうる希釈剤または担体と混合することができる。そのような希釈剤また
は担体には、PBS、生理的食塩水、緩衝等張溶液、リポソーム及びISCOM
Sが包含されるが、これらに限定されるものではない。抗原性組成物により引き
出される抗体のレベルは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、Stim
ulonTM QS−21(Aquila Biopharmaceuticals, Inc., Framingham, MA)
、MPLTM(3−O−脱アシル化モノホスホリル脂質A;RIBI ImmunoChem Rese
arch, Inc., Hamilton, MT)、IL−12(Genentics Institute, Cambridge,
MA)、エシェリキア・コリの非耐熱性毒素及びコレラ毒素(野生型または突然変
異体形態のいずれか、例えば、PCT国際出願第WO 00/18434号(51)に従っ
て、アミノ酸位置29のグルタミン酸が別のアミノ酸、好ましくはヒスチジンで
置換されている)のようなある種のアジュバントを用いることにより高めること
ができる。
【0049】 本発明の抗原性組成物は、ヘモフィルス・インフルエンゼのようなグラム陰性
細菌により引き起こされる疾患に対する防御のための能動免疫応答を誘導するた
めに、ヒトへの皮下、皮内または筋肉内注入のような常法での注入、並びに経口
、粘膜、鼻内または膣投与により投与される。投与する投薬量は、当業者に既知
である手段により決定される。防御は、単一用量の抗原性組成物により与えられ
る可能性があり、または防御を維持するためのもっと後の時点でのブースター用
量に加えて、いくつかの用量の投与を必要とする可能性がある。
【0050】 本発明をよりよく理解できるように、以下の実施例を記載する。これらの実施
例は例証の目的のためだけであり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきで
はない。
【0051】 実施例 Sambrook et al.(52)に記述されているプロトコルに従って標準的な分子
生物学技術を利用する。
【0052】 実施例1 pal遺伝子及びT7プロモーターを含有するプラスミドpPX4019の構築 図1に表すように、型の決定できないヘモフィルス・インフルエンゼ株P86
0295の染色体からのPCR増幅により天然のリポタンパク質シグナルペプチ
ドを有するP6タンパク質をコードするpal遺伝子をクローン化した。遺伝子
の5’末端で開始コドンを含むNdeI制限部位(GGAGAAATCATAT AACAAATTTG)(配列番号:1)及び終止コドンの3’の領域にHi
ndIII部位(GGATCCTGTTTTTCAAGCTTAGAAATAC
TAAG)(配列番号:2)を生じる突然変異促進プライマーを用いて、pal
遺伝子を含有するPCRフラグメントをpCRII発現ベクター(Invitrogen,
Carlsbad, CA)にクローン化し、制限分析によりスクリーニングした。得られた
プラスミドは、P6のpal遺伝子を含有するNdeI/HindIIIフラグ
メント源として用い、これを発現ベクターpET27b(Novagen, Madison, WI
)のNdeI及びHindIII部位にクローン化した。この構築物の設計は、
P6の遺伝子をT7プロモーターの制御下に配置し、そしてベクター中の共通リ
ボソーム結合部位を利用する。最初のクローンは、制限分析により非許容エシェ
リキア・コリ宿主(DH5α)において同定した。単一のプラスミド単離株を選
択し、pPX4019として保存した。このプラスミドを用いて発現研究のため
に許容宿主株BL21(DE3,pLysS)(Novagen)を形質転換した。
【0053】 実施例2 pal遺伝子及びアラビノース誘導性プロモーターを含有するプラスミドpP X4020の構築 厳重に調節されるアラビノース誘導性プロモーター(38)の制御下にpal
遺伝子を配置する第二のP6タンパク質発現プラスミドを構築した。このプラス
ミドは、pal遺伝子及びpET27bからの共通リボソーム結合部位を含有す
るプラスミドpPX4019からのXbaI/HindIIIフラグメントを同
様に消化したプラスミドpBAD18−Cmにサブクローン化することにより作
製した(図1参照)。制限分析、続いて選択した候補に対する発現研究によりク
ローンをスクリーニングした。P6タンパク質を発現するpBAD18−Cm単
離株の一つをpPX4020と称した。
【0054】 実施例3 pPX4019及びpPX4020からの脂質化されたrP6の発現 異なる単離株、プラスミド構築物、エシェリキア・コリ宿主株及び誘導物質(
pPX4019にはIPTG、pPX4020にはL−アラビノース(Sigma Ch
emical Co., St. Louis, MO))の濃度を比較する定性発現研究は全て、比較の
ために一致したバックグラウンドを与えるように同様に実施した。単一のコロニ
ー単離株をHySoyTM培地、1%グルコース及びプラスミド選択のための適切
な抗生物質(pPX4019、15μg/mlカナマイシン;及びpPX402
0、15μg/mlクロラムフェニコール)中で37℃で一晩増やした。これら
の培養物をHySoyTM、1%グルコース及び抗生物質中でOD600=0.5に
希釈し、37℃でOD600=2−4まで増やし、誘導した。OD600=1.0に相
当するサンプルを誘導の直前の時点、誘導後2時間及び18時間で取った。これ
らのサンプルを遠心分離し、細胞ペレットを150μlのSDS−PAGEロー
ディングバッファー(ISS, Natick, MA)に再懸濁した。レーン当たり15μl
のサンプルを載せてクーマシーブルー染色した15% SDS−PAGEゲルか
ら比較を行った。プラスミドpPX4019から脂質化されたrP6を発現するために使用したエ シェリキア・コリ宿主細胞株: DH5α−φ80dlacZΔM15 Δ(lacZYA−argF)U169
deoR recAlendA1 hsdR17(rk -,mk +)phoA sup
E44λ- thi−1 gyrA96 relA1(Life Technologies, Rockvil
le, MD) BL21(DE3)−ompT lon hsdSB(rB -B -)gal dcm
(DE3)(Novagen)プラスミドpPX4020から脂質化されたrP6を発現するために使用したエ シェリキア・コリ宿主細胞株: DH5α−φ80dlacZΔM15 Δ(lacZYA−argF)U169
deoR recAlendA1 hsdR17(rk -,mk +)phoA sup
E44λ- thi−1 gyrA96 relA1(Life Technologies) BLR−ompT lon hsdSB(rB -B -)gal dcm Δ(srl−
recA)306::Tn10(tetr)(Novagen) BL21(DE3)−ompT lon hsdSB(rB -B -)gal dcm
(DE3)(Novagen)L−rP6を発現するエシェリキア・コリBLR(pPX4020)の増殖: 脂質化されたrP6を発現する組換えエシェリキア・コリ細胞を以下に記述す
るように発酵槽において増やした。以下の材料を含有する増殖培地を調製し、発
酵槽ではインサイチューで、そしてフラスコ増殖ではオートクレーブすることに
より滅菌した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】 溶液A及び鉱物溶液を含有する滅菌した培地を振盪フラスコ中に等分し、1リ
ットルの培地当たり20mlのMCGを加えた。クロラムフェニコールを50μ
g/mlまで加えた。開始培養物に凍結ストックから200−300μlのエシ
ェリキア・コリBLR(pPX4020)を接種した。通気しながら細胞を30
℃で16時間増やした。上記のように補足した増殖培地を含有する10リットル
の発酵槽に上記の培養物を約0.2のOD600まで接種した。
【0059】 発酵槽制御パラメーターを以下のように設定した:
【0060】
【表4】
【0061】 以下の溶液を試験パラメーターの制御のために使用し、使用の前に滅菌した:
必要に応じて泡制御のためのPPG−2000−200mL、増殖中のpH制御
のための40%水酸化アンモニウム−1L、持続した増殖のために−グルコース
の減少によりpHが上昇し始めた場合に供給するための50%グルコース−1L
、誘導中のpH制御のための4N酢酸−500mL、25%アラビノース溶液、
(250g/L)滅菌濾過した+1%グリセロール−250mL(前もってオー
トクレーブした)。アラビノース/グリセロール溶液は、最後のグルコース添加
後にグルコースの減少によりpHが上昇し始めた時に供給してタンパク質の生産
を誘導するために使用した。アラビノース溶液は、オートクレーブしたグリセロ
ールストックの添加前に濾過滅菌した。この溶液は、10Lの発酵には100m
Lのグリセロール及び400mLの25%アラビノース溶液を加えることにより
作った。最終発酵槽濃度は、10グラム/リットルのアラビノース及び10ml
/リットルのグリセロールを含有した。
【0062】 発酵槽の接種後に、必要に応じて消泡剤(PPG−2000)と一緒に、塩基
(水酸化ナトリウム)をpH制御のために必要に応じて加えた。純粋な酸素を8
00rpmで供給した。pHが7.0より上に上昇した場合、900mLの50
%グルコースを培養物に供給した。pHが7.1以上であった場合、さらに20
0mLの50%グルコース溶液を加えた。これらの条件は、約50のOD600
到達するまで続けた。
【0063】 約50のOD600に到達した後、pHが再び7.0より上に上昇すると、Lr
P6の発現を誘導するために500mLのアラビノース/グリセロール溶液を加
えた。この時点で、さらなるpH制御には酸を使用した。インキュベーションを
誘導後3時間続け、次に10mL/リットルの500mM EDTA溶液、pH
8の添加後に培養物を集めた。培養培地は、脂質化されたrP6の精製まで4℃
で保存した。
【0064】 実施例4 分画洗剤膜抽出による脂質化されたrP6のバッチ規模分析精製 pPX4020から発現した脂質化されたrP6のバッチを後の実験に利用し
、以下のように分画洗剤膜抽出により精製した: 1)エシェリキア・コリ膜画分の単離:発酵から得られた凍結細菌細胞ペレット
を融解し、凍結細胞ペレットの重量の5倍に等しいバッファーの容量で10mM
HEPES−NaOH、pH7.4、1mM Na2EDTAに懸濁した。細胞
懸濁液をMicrofluidics(Newton, MA)110−Yミクロ流動化装
置において均質化して細胞を溶解した。分画遠心分離(300,000 x gで
1時間)により細胞ライセートから膜を得た。溶解に使用した同じ容量のバッフ
ァーで膜を2回洗浄し、次にペレットとして凍結した。
【0065】 2)エシェリキア・コリ膜からの脂質化されたrP6の可溶化:Zlotnick et
al(33)及びGreen et al(22)により記述されたものと同様の分画洗剤抽
出を用いてエシェリキア・コリから脂質化されたP6を可溶化した。他に記載さ
れない限り、全ての抽出は室温で30分間実施した。全ての遠心分離は、異なっ
て記載されない限り、ローターの温度を10℃に制御してBeckman 45
Tiローターを用いて42,000rpmで1時間実施した。エシェリキア・コ
リ膜を10mM HEPES−NaOH、pH7.4、1mM MgCl2に懸濁
し、内膜成分を除くために1%(w/v)の最終濃度でTritonTM X−1
00(Calbiochem−Novabiochem International, San Diego, CA)で2回抽出し
た。得られた外膜ペレットを50mM TrisTM HCl、pH8、5mM N
2EDTAに懸濁し、これは脂質化されたrP6の可溶化の前にこの後のペレ
ットを懸濁するためにも使用した。次に外膜を1% ZwittergentTM
3−14で2回;1%ZwittergentTM 3−14及び0.5M NaC
lで2回;1% N−ラウリルサルコシン、Na塩で2回;1% Zwitter
gentTM 3−14で順次抽出した。これらの抽出後に得られた最終ペレット
を断続的に混合しながら10mM TrisTM HCl、pH8、1mM Na2
DTA中0.2% ZwittergentTM 3−12で55℃で45分間抽出
し、続いて少なくとも1時間遠心分離した。この最終抽出からの上清は脂質化さ
れたrP6を含有した。
【0066】 3)脂質化されたrP6の精製:上記のようにして得られた脂質化されたrP
6を含有する抽出物をDEAEファーストフロー(fast flow)樹脂(Amersham
Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)及び抽出に利用した同じ低イオン強度バ
ッファーを利用して陰イオン交換クロマトグラフィーによりさらに精製した。可
溶化した脂質化されたrP6を約20mLのベッド容量を有するDEAEファー
ストフローカラムに吸着させた。カラムを0−0.2M NaCl勾配で40分
にわたって展開し、0.2M NaClで20分のアイソクラチック溶出を続け
た。脂質化されたrP6は、展開のアイソクラチック相中に溶出した。他のタン
パク質の大部分はカラムに吸着したままであり、後で1M NaClで脱着させ
た。約100mgが200gの細胞から精製された。
【0067】 4)SDS−PAGE及びウェスタンブロットによる精製された脂質化された
rP6の特性化:精製された脂質化されたrP6の同質性をLaemmliバッ
ファー系におけるSDS−PAGE及びそれに続く染色したゲルのレーザーデン
シトメトリーにより評価した。粗抽出物及び陰イオン交換精製したプールの両方
から約10μgのLrP6を15% SDS−PAGEゲル上で分析した(53
)。ゲルをクーマシーブルーで染色し、レーザーデンシトメーターで走査した。
クーマシー染色したゲルのレーザーデンシトメトリー(図2A、レーン2)によ
り、プールした陰イオン交換画分における98%より大きい同質性の単一ピーク
が示され、脂質化されたrP6がほぼ同質まで精製されたことを示した。これら
のサンプルにおける脂質化されたrP6の同一性は、エシェリキア・コリの関連
タンパク質に反応しない(データは示さない)、ヘモフィルス・インフルエンゼ
P6に特異的なモノクローナル抗体と同質性を決定するために用いた同じサンプ
ルのウェスタンブロットとを反応させることにより確かめた。ウェスタンブロッ
ト分析の結果を図2Bに示す。脂質化されたrP6のバンドは、粗抽出物(レー
ン1)またはプールした画分(レーン2)のいずれにおいてもP6特異的モノク
ローナル抗体と反応する唯一のバンドであった。これは、精製されたタンパク質
が実際にP6であることを示した。いかなる分解産物も認められなかった。
【0068】 実施例5 分画洗剤膜抽出を用いる脂質化されたrP6の大規模精製 脂質化されたrP6を発現するエシェリキア・コリ細胞の発酵培地を10mM EDTAに調整し、均質化の前に10%湿重量細胞/容量以下に希釈した。次
に細胞を高圧ミクロ流動化装置で溶解し、直交−フロー(cross-flow)膜濾過装
置を用いて一連のバッファーで室温でダイアフィルトレーションした。膜を通し
た可溶化したタンパク質の効率のよい大量輸送を与える最小膜面積は約0.00
2m2/g湿重量細胞であると決定された。膜の1000kD分子量カットオフ
等級未満のおおよその大きさの可溶化したタンパク質は透過物(permeate)と共
に通過し、一方、より大きい分子及び可溶化していないタンパク質は保持された
。ダイアフィルトレーション工程の順序は以下の通りであった: (1)透過物によって細胞内及び細胞外混入物を除くために、溶解した発酵培
地を保持物(retentate)の容量の3倍に等しい容量で10mM Hepes/1
mM EDTA/pH8.0(溶解バッファー)でダイアフィルトレーションし
た。
【0069】 (2)内膜タンパク質を可溶化して除くためにライセートを10mM Hep
es/1mM MgCl2/0.2% TritonTM X−100で3回ダイアフ
ィルトレーションした。Mg++イオンは外膜を安定させ、従って、外膜タンパク
質はTritonTM X−100の存在下で可溶化されなかった。
【0070】 (3)(脂質化されたrP6ではなく)外膜タンパク質を可溶化して除くため
にライセートを50mM TrisTM/5mM EDTA/0.2% Zwitt
ergentTM 3−14で3回ダイアフィルトレーションした。EDTAは工
程(2)からのMg++イオンを封鎖するため並びにタンパク質分解を防ぐために
役立つ。
【0071】 (4)さらなるタンパク質を可溶化して除くためにライセートを50mMTr
isTM/5mM EDTA/0.5M NaCl/0.2% Zwitterge
ntTM 3−14で3回ダイアフィルトレーションした。膜タンパク質と膜の間
のあらゆるイオン性相互作用を破壊するためにこの工程ではバッファーにNaC
lを加えた。この工程は脂質化されたrP6がPALであるので実施し、塩は膜
/外膜タンパク質複合体から(脂質化されたrP6ではなく)膜結合タンパク質
を除くために役立つ。保持物中のZwittergentTM濃度を下げるために
ダイアフィルトレーションを3保持物容量の50mM TrisTM/5mM ED
TAで続けた。
【0072】 (5)(脂質化されたrP6ではなく)さらなる膜結合タンパク質を除くため
にライセートを50mM TrisTM/5mM EDTA/0.2% サルコシル
で3回ダイアフィルトレーションし、次に保持物中のサルコシル濃度を下げるた
めに50mM TrisTM/5mM EDTAで3回ダイアフィルトレーションし
た。
【0073】 (6)(脂質化されたrP6ではなく)さらなる膜結合タンパク質を除くため
にライセートを10mM リン酸塩/0.2% ZwittergentTM 3−
12で3回ダイアフィルトレーションし、次に保持物中のZwittergen
TM 3−12濃度を下げるために10mMリン酸ナトリウムで3回ダイアフィ
ルトレーションした。
【0074】 (7)ライセートをその最初の容量の20%まで濃縮し、次に脂質化されたr
P6を可溶化するために55℃で10mMリン酸ナトリウム/0.2% Zwi
ttergentTM 3−12で3回ダイアフィルトレーションし、これを透過
物によって集めた。濃縮工程は、透過物中の脂質化されたrP6の濃度を上げる
ためにダイアフィルトレーションの前に実施した。保持物中のZwitterg
entTM 3−12濃度を下げるためにダイアフィルトレーションを55℃で1
0mMリン酸ナトリウムでさらに3保持物容量にわたって続けた。この加熱工程
は(上記の工程(4)におけるように)脂質化されたrP6がPALであるので
実施し、加熱は膜/膜タンパク質複合体から脂質化されたrP6を取り除くため
に役立つ。最後に、ダイアフィルトレーションを55℃で3保持物容量の10m
Mリン酸ナトリウムで終了した。
【0075】 ダイアフィルトレーション工程中、膜を通る圧力は約10psiで保ち、そし
て直交流速は約120−180lmhで保った。全てのダイアフィルトレーショ
ン工程は、脂質化されたrP6を可溶化するためにより高温で実施した最後の5
5℃抽出工程を除いて室温で実施した。透過物フラックスは30〜50lmhの
範囲であり、これは抽出工程が実用的であり且つ基準化できるために十分に高か
った。
【0076】 抽出中に、タンパク質の抽出に対する様々なダイアフィルトレーション工程の
結果を評価するためにSDS−PAGEによる分析用に様々な時点でサンプルを
取った。アルコールの添加によりサンプルを沈殿させ、遠心分離し、次にSDS
サンプル調製バッファー中に最初の容量の20%で再可溶化した。このサンプル
調製方法はサンプルを濃縮し、そしてサンプルのTritonTM X−100ま
たはZwittergentTM 3−12濃度を下げた。TritonTM X−1
00またはZwittergentTM 3−12は、サンプルへのSDSの結合
を妨げ、ゲル上のバンドの分解能を下げた。10μlの各サンプルをNovex
10%アクリルアミドゲル上に載せ、ゲルを125ボルトで60−90分間泳
動した。
【0077】 脂質化されたrP6の抽出工程中に透過物の流れから取ったサンプルの典型的
なSDS−PAGE分析を図2及び3に示す。脂質化されたrP6はこれらのゲ
ル上で15キロダルトン(kD)の所に泳動した。これらのゲルは、いくらかの
混入するタンパク質が溶解バッファー及び様々な洗剤を含有するバッファーでの
ダイアフィルトレーション中に除かれたことを示す。これらのダイアフィルトレ
ーション工程中に脂質化されたrP6の損失はほとんどなかった。55℃での最
後のZwittergentTM 3−12ダイアフィルトレーション工程中に、
脂質化されたrP6は部分的に精製された状態で抽出された。55℃で2回目の
ZwittergentTM 3−12ダイアフィルトレーション工程の最後で、
透過物の流れに脂質化されたrP6はほとんど存在しなかった。これは、可溶化
した脂質化されたrP6の大部分が透過物によって回収されたことを示唆した。
他の実験により、ダイアフィルトレーション工程の完了後に脂質化されたrP6
はほとんど保持物中に可溶化されずに残っていないことが示されている。Zwi
ttergentTM 3−12/55℃抽出物の15kDのバンドは、ウェスタ
ン分析により脂質化されたrP6であることが示された(データは示さない)。
【0078】 脂質化されたrP6の可溶化におけるZwittergentTM 3−12の
使用は、脂質化されたrP6に加えていくつかのタンパク質を含有する抽出物を
もたらした。この抽出物の同質性は、約78%の脂質化されたrP6であると決
定された(図2、パネルA、レーン1)。これは最初の可溶化では高度の同質性
であるが、可能であるならばLrP6をこれらのエシェリキア・コリタンパク質
から分離することが所望された。これを実施例6において記述するように実施し
た。
【0079】 実施例6 陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製された脂質化されたrP6のさら なる精製 陰イオン交換クロマトグラフィーは、脂質化されていないrP6を精製するた
めにうまく用いられているので、実施例5において記述した脂質化されたrP6
をさらに精製するために用いた。脂質化されたrP6は、典型的に0.1M N
aClで溶出するrP6よりしっかりとDEAE樹脂に吸着する。0.2% Z
wittergentTM中の脂質化されたrP6は、脱着が起こる前にバッファ
ー中0.2MのNaClを必要とした。エシェリキア・コリタンパク質は、脂質
化されたrP6が溶出された後まで陰イオン交換樹脂(DEAE)に吸着したま
まであった。
【0080】 0.2% ZwittergentTM 3−12で抽出され、精製された脂質化
されたrP6の同質性及び同一性を図2に示す。精製された脂質化されたrP6
の同質性は、98%より大きいと決定された(図2、パネルA、レーン2)。
【0081】 実施例7 MALDI−TOF質量スペクトル分析による分子量の決定 アラビノース誘導性プロモーターを有するpPX4020から発現した脂質化
されたrP6の分子量の正確な測定は、Finnigan Mat LasermatTM 2000線形(li
near)質量分析器(Finnigan Mat, Ltd., San Jose, CA)を用いてマトリックス
補助(Matrix Assisted)レーザー脱着/イオン化飛行時間(MALDI−TO
F)質量分光法により実施した。LasermatTMは、サンプルをイオン化するために
マトリックス補助レーザー脱着(54)の技術を、そして生成したイオンを分析
するために飛行時間を用いる。サンプルのイオン化を高めるためにサンプルを3
,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ−ケイ皮酸(シナピン酸(sinapinic acid)
)のマトリックスに包埋した。0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸を含有する
70%(v/v)アセトニトリル水に溶解した1μlのマトリックス(10mg
/ml)と5−10pmolの精製されたタンパク質を含有する1μlのサンプ
ルとを混合した。このサンプル及びマトリックス混合物の1μlをサンプルスラ
イド上に載せ、乾燥させ、そしてレーザーからのUV光の短いパルスにより照射
した。生成するタンパク質関連イオンは主に電荷状態z=+1[M+H]+及び
z=+2[M+2H]2+のものであるので、通常、タンパク質サンプルはこの方
法において比較的単純なスペクトルを生じる。分子量12,230.9のウシ心
臓からのシトクロムC(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)を外部検定に用
いた。
【0082】 使用したサンプル中の脂質化されたrP6の分子量は、15,078であると
決定された。予想される[M+H]+分子イオンに加えて、脂質化されたrP6
の[M+2H]2+分子イオンも認められた。N末端にトリパルミトイルシステイ
ン残基を含有するP6の理論分子量は15,024であり、そしてシグナルペプ
チダーゼIIによりプロセシングされていないP6の予測される分子量は16,
016.66であり、一方、シグナルペプチダーゼIIにより切断された脂質化
されていないP6の予測される分子量は14,234.66である。従って、こ
れらの結果は、エシェリキア・コリによるrP6の脂質化された形態の発現と一
致する。
【0083】 実施例8 アミノ酸組成分析 アミノ酸分析のための脂質化されたrP6のサンプルをガラス管において下へ
乾燥させ、続いて5%フェノール及び1% 2−メルカプトエタノールを含有す
る100μlの6N HClを用いて真空下で110℃で22時間加水分解した
。次にサンプルを真空下で乾燥させ、続いてサンプル希釈バッファーNa−S(
Beckman Instruments, Inc., Fullerton, CA)に再可溶化した。アミノ酸組成を
製造業者の説明書に従って3段階クエン酸Na勾配を用いてBeckmanモデ
ル6300アミノ酸分析器で決定した(55)。トレオニン及びセリン残基は、
破壊に関して補正しなかった。システイン及びトリプトファン残基は用いた方法
により決定されなかったので、14,132.4に等しい、システインを引いた
脂質化されていないrP6の理論分子量に基づいて脂質化されたrP6のモル当
たりの残基のモルとして結果を表した(脂質化されたrP6はTrpを含有しな
い)。結果を表1に示し、これは二重反復測定の平均を表す。結果は、pal遺
伝子のシグナル配列がエシェリキア・コリにより取り除かれているのと一致する
【0084】
【表5】
【0085】 実施例9 アミノ末端のアミノ酸配列分析 オンラインモデル120A PTH分析器(Applied Biosystems, Foster City
, CA)を備えたApplied Biosystemsモデル477Aタンパク
質/ペプチドシーケンサーを用いてアミノ末端のタンパク質配列分析を実施した
。各連続するアミノ末端の切断後に、生成するアニリノチアゾリノン誘導体を2
5%トリフルオロ酢酸で64℃で20分間処理することによってより安定なフェ
ニルチオヒダンチオン(PTH)誘導体に転化した。PTH誘導体は、Brow
nlee PTH C−18カラム(粒度5μm、2.1mm i.d.x22c
m l.;Applied Biosystems)を製造業者により開発された改変された2溶媒
勾配系と共に用いて逆相HPLCによりPTH分析器で分離し、同定した(56
)。
【0086】 脂質化されたrP6(400pmoles)をアミノ末端のアミノ酸配列分析
に供した場合に、いかなる配列データも得ることができなかった。これは、アミ
ノ末端のアミノ酸の第一級(または第二級)アミノ基が配列決定化学に利用でき
ない、すなわち、LrP6のアミノ末端の残基がブロックされていることを示唆
した。配列データを生成できないことがいかなる装置の不調のためでもないこと
を立証するために、次に、400pmolesの脂質化されたrP6及び200
pmolesのβ−ラクトグロブリンの混合物をアミノ末端の配列分析に供する
コントロール実験を実施した。β−ラクトグロブリンのアミノ末端の配列に相当
する単一の配列が得られ、これは脂質化されたrP6のアミノ末端の残基が本質
的にブロックされていることを裏付けた。
【0087】 実施例10 脂質化されていないrP6に比較した脂質化されたrP6の免疫原性 精製された脂質化された組換えP6及び脂質化されていない組換えP6(28
)の相対的な免疫原性をSwiss−Websterマウスにおいて比較した。
各5μg用量の各タンパク質を100μgのAlPO4及び50μgの3−O−
脱アシル化モノホスホリル脂質A(MPLTM)(Ribi Immunochemicals, Hamilt
on, MT)と混合し、マウスを0、4及び6週で皮下的に免疫するために用いた。
血液サンプルを0、4、6及び8週で取った。マウスの他の群は、脂質化されて
いないrP6または脂質化されたrP6のいずれか及び細菌性中耳炎の原因因子
であるモラクセラ・カタラーリスのUspA2タンパク質(49)及び組換えの
脂質化されたrP4(50)の混合物で免疫した。これらの混合物もまた上記の
ようにAlPO4及びMPLTMをアジュバントとした。
【0088】 マウスから得られた抗血清をP6、P4またはUspA2タンパク質のいずれ
かに対する抗体に関してELISAにより分析した。プールした血清または個々
の動物のいずれかについてELISA力価を決定し(22,28)、次に相乗平
均力価(GMT)を得た。結果を表2及び3に示す。
【0089】
【表6】
【0090】
【表7】
【0091】 脂質化されたrP6は、MPLTM及びAlPO4アジュバントと一緒に投与し
た場合に脂質化されていないrP6より少なくとも1 log免疫原性である。
rP4及びUspA2と合わせた場合に、いかなる抗原性の競合も認められなか
った。実際、脂質化されたrP6に対する応答は、脂質化されていないrP6に
対する応答より約1.5 logまで大きく増加した。
【0092】 UspA2及びrP4抗原に対する免疫応答の分析は、脂質化されたrP6の
添加が、脂質化されていないrP6の添加と比較した場合にこれらの抗原に対す
る免疫応答を改変しなかったことを示す。いずれの抗原も、脂質化されたrP4
及びUspA2を一緒に混合した場合に見られる通常の免疫応答に対していかな
る影響ももたなかった。これは、これらの抗原の適合性を実証した。
【0093】 実施例11 マウス抗血清の殺菌活性 脂質化されたrP6及び脂質化されたrP6/rP4混合物に対して導かれる
抗血清の生物学的活性を、インビトロ殺菌アッセイを用いて実証した。このアッ
セイは、標的として型の決定できないヘモフィルス・インフルエンゼ株P861
454を用いて以前に記述されたように実施した(22,28)。結果を表4に
示す:
【0094】
【表8】
【0095】 結果は、脂質化されたrP6がこのアッセイにおいて生物学的に活性の抗体を
引き出すことを示した。絶対的な力価は脂質化された抗血清及び脂質化されてい
ない抗血清間で異ならなかったが、特に免疫前の血清はこのアッセイに使用した
補体源で高度の非特異的致死を示したので、これは抗血清がこのアッセイ系にお
いて最大限に殺菌性のためである可能性がある。脂質化されたrP6/rP4混
合物もまた、脂質化されていないrP6/rP4混合物で得られたものと同等の
力価で殺菌性抗体を引き出した。このアッセイでは抗−rP4抗体と抗−rP6
抗体の殺菌活性を区別することは可能でなかったが、ヘモフィルス抗原の混合物
が型の決定できないヘモフィルス・インフルエンゼに対する非常に殺菌性の抗血
清を引き出したことは明らかである。
【0096】
【表9】
【0097】
【表10】
【0098】
【表11】
【0099】
【表12】
【図面の簡単な説明】
【図1】 型の決定できないヘモフィルス・インフルエンゼ株P860295の染色体か
らのPCR増幅による天然のリポタンパク質シグナルペプチドを有するP6タン
パク質をコードするpal遺伝子のクローニングを示す。
【図2】 脂質化されたrP6の同質性及び同一性を示す。最初の抽出物(レーン1)及
び陰イオン交換で精製された脂質化されたrP6のプール(レーン2)における
約10μgの脂質化されたrP6を含有するサンプルを15% SDS−PAG
Eゲルに載せた。Sと明示するレーンは、Bio−Radからの事前に染色した
低分子量基準を含有する。図2Aは、クーマシー染色したゲルである。図2Bは
、同様のゲルのウェスタン免疫ブロットである。
【図3】 脂質化されたrP6の精製からの画分のSDS−PAGE分析を示す。脂質化さ
れたrP6の精製工程における段階のアリコートを4−20%勾配ゲル系上で電
気泳動した。レーン:1、溶解バッファーでのダイアフィルトレーションからの
透過物;2、TritonTM X−100でのダイアフィルトレーションからの
透過物;3、TrisTM バッファーでのダイアフィルトレーションからの透過
物;4、ZwittergentTM 3−14でのダイアフィルトレーションか
らの透過物;5、ZwittergentTM 3−14/0.5M NaClでの
ダイアフィルトレーションからの透過物;6、TrisTM バッファーでのダイ
アフィルトレーションからの透過物;7、サルコシルでのダイアフィルトレーシ
ョンからの透過物;8、Mark 12基準;9、TrisTM バッファーでのダ
イアフィルトレーションからの透過物;10、室温でZwittergentTM 3−12でのダイアフィルトレーションからの透過物;11、TrisTM バッ
ファーでのダイアフィルトレーションからの透過物;12、濃縮工程からの透過
物;13、55℃でZwittergentTM 3−12でのダイアフィルトレ
ーションからの透過物;14、55℃でTrisTM バッファーでのダイアフィ
ルトレーションからの透過物;15、55℃でZwittergentTM 3−
12でのダイアフィルトレーションからの透過物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 BA65 CA01 DA05 EA04 FA02 GA11 4B064 AG01 CA02 CA19 CC24 DA02 4B065 AA01X AA01Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 4C085 AA02 AA03 AA21 BA55 BB11 BB23 CC01 CC08 DD21 DD62 DD63 EE01 EE06 FF02 FF19

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厳重に調節されるプロモーターを含有するプラスミドであっ
    て、該プロモーターがグラム陰性細菌のペプチドグリカン結合リポタンパク質(
    PAL)をコードするDNA配列を含んでなる単離され精製されたDNA配列に
    操作可能に連結されたものであり、そして該プロモーターの制御下で、該DNA
    配列が脂質化された形態で発現されるものである、前記プラスミド。
  2. 【請求項2】 PALがヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus infl
    uenzae)(H. influenzae)のP6タンパク質である請求項1のプラスミド。
  3. 【請求項3】 プロモーターがアラビノース誘導性プロモーターまたはT7
    プロモーターである請求項2のプラスミド。
  4. 【請求項4】 プロモーターがアラビノース誘導性プロモーターである請求
    項3のプラスミド。
  5. 【請求項5】 プラスミドがpPX4020と命名される請求項4のプラス
    ミド。
  6. 【請求項6】 プロモーターがT7プロモーターである請求項3のプラスミ
    ド。
  7. 【請求項7】 プラスミドがpPX4019と命名される請求項6のプラス
    ミド。
  8. 【請求項8】 請求項1のプラスミドで形質転換、形質導入またはトランス
    フェクションした細菌宿主細胞。
  9. 【請求項9】 請求項1のプラスミドで細菌宿主細胞を形質転換、形質導入
    またはトランスフェクションすること及び宿主細胞による該脂質化された組換え
    PALの発現を可能にする条件下で宿主細胞を培養することを含んでなる、組換
    えの脂質化されたPALを製造する方法。
  10. 【請求項10】 PALがヘモフィルス・インフルエンゼのP6タンパク質
    である請求項9の方法
  11. 【請求項11】 哺乳動物宿主において防御免疫応答を引き出す、脂質化さ
    れた組換えPALを含んでなる抗原性組成物
  12. 【請求項12】 PALがヘモフィルス・インフルエンゼのP6タンパク質
    である請求項11の抗原性組成物。
  13. 【請求項13】 1またはそれ以上の希釈剤または担体をさらに含んでなる
    請求項11の抗原性組成物。
  14. 【請求項14】 少なくとも一つのアジュバントをさらに含んでなる請求項
    11の抗原性組成物。
  15. 【請求項15】 アジュバントが水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム
    、StimulonTM QS−21、3−O−脱アシル化モノホスホリル脂質A
    、IL−12、エシェリキア・コリ(E. coli)の非耐熱性毒素及び野生型また
    は突然変異体コレラ毒素の少なくとも一つよりなる群から選択される請求項14
    の抗原性組成物。
  16. 【請求項16】 請求項11の抗原性組成物の免疫原性量を哺乳動物宿主に
    投与することを含んでなるグラム陰性細菌に対して免疫する方法。
  17. 【請求項17】 グラム陰性細菌がヘモフィルス・インフルエンゼであり、
    そして抗原性組成物が脂質化されたrP6を含む請求項16の方法。
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