JP2003501033A - 分泌されるα−ヘリックスタンパク質−31 - Google Patents

分泌されるα−ヘリックスタンパク質−31

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JP2003501033A JP2001500770A JP2001500770A JP2003501033A JP 2003501033 A JP2003501033 A JP 2003501033A JP 2001500770 A JP2001500770 A JP 2001500770A JP 2001500770 A JP2001500770 A JP 2001500770A JP 2003501033 A JP2003501033 A JP 2003501033A
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シー. コンクリン,ダレル
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ザイモジェネティクス,インコーポレイティド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳類分泌されたαヘリックスタンパク質−31(zalpha 31)のポリヌクレオチド及びポリペプチドに関する。それらをコードするポリペプチド及びポリヌクレオチドは、新規の4−ヘリックス束サイトカインであり、そして免疫系の機能を調節するために使用さえ得る。本発明はまた、zalpha 31ポリペプチドに対する抗体も包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景: ホルモン及びポリペプチド増殖因子は、多細胞生物の細胞の増殖、維持、生存
性及び分化を制御する。それらの拡散性分子は、細胞のお互いの連絡を可能し、
そして細胞、及び器官の形成、そして損傷された組織の修復及び再性に関して作
用する。ホルモン及び成長因子の例は、ステロイドホルモン(例えば、テストス
テロン)、副甲状腺ホルモン、卵胞刺激ホルモン、インターロイキン、血小板由
来の成長因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、顆粒球−マクロファージコロニ
ー刺激因子(GM−CSF)、エリトロポエチン(EPO)及びカルシトニンを包含する
【0002】 ホルモン及び成長因子は、受容体に結合することによって細胞代謝に影響を及
ぼす。受容体は、細胞内のシグナル化経路、例えば第2メッセンジャーシステム
に結合される内在性膜タンパク質であり得る。他の種類の受容体は、可溶性分子
、例えば転写因子である。
【0003】 サイトカイン、すなわち細胞の増殖、維持、生存性又は分化を促進する分子が
、特に興味の対象である。サイトカインの例は、赤血球細胞の成長を刺激するエ
リトロポエチン(EPO);巨核球系の細胞の成長を刺激するトロンボポエチン(T
PO);及び好中球の成長を刺激する顆粒球−刺激因子(G−CSF)を包含する。そ
れらのサイトカインは、貧血を有する患者における正常な血液細胞レベルの回復
、又は癌のための化学療法の受容において有用である。それらのサイトカインの
例示されたインビボ活性は、他のサイトカイン、サイトカインアゴニスト及びサ
イトカインアンタゴニストの莫大な臨床学的可能性及びそれらの必要性を示す。
本発明は、新規ポリペプチド、及び関連する組成物及び方法を提供することによ
り、それらの必要性と取り組む。本発明のそれらの及び他の観点は、本発明の次
の特定の記載に基づいて明らかに成るであろう。
【0004】 発明の特定の記載: 本明細書に引用されるすべての文献の教示は、それらのすべてを引用により本
明細書に組み込まれる。 本発明を詳細に記載する前、次の用語を定義することで本発明の理解を助ける
ことができる:
【0005】 “親和性標識”とは、第2ポリペプチドの精製又は検出を提供し、又は基質へ
の第2ポリペプチドの結合のための部位を供給するために、第2ポリペプチドに
結合され得るポリペプチドセグメントを示すために本明細書において使用される
。主に、抗体又は、他の特異的結合剤が利用できるいずれかのペプチド又はタン
パク質が親和性標識として使用され得る。
【0006】 親和性標識は、ポリ−ヒスチジン系、すなわちプロテインA (Nilsson など.,
EMBO J. 4: 1075, 1985; Nilsson など., Methods Enzymol. 198: 3, 1991)
, グルタチオンS トランスフェラーゼ(Smits and Johnson, Gene 67; 31, 19
88), Glu-Glu親和性標識 (Grussenmeyerなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA
82: 7952-4, 1985), 物質P、すなわちFlagTM ペプチド(Hoppなど., Biotec
hnology 6: 1204-1210, 1988)、ストレプタビジン結合ペプチド、又は他の抗原
性エピトープ又は結合ドメインを包含する。
【0007】 一般的に、Ford など., Protein Expression and Purification 2:95-107,
1991を参照のこと。親和性標識をコードするDNAは、商品供給者(例えばPharma
cia Biotech, Piscataway, NJ; Eastman Kodak, New Heven, CT; New England B
iolabs, Beverly, MA)から入手できる。
【0008】 用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の
遺伝子の二者択一形のいずれかを示すために、本明細書において使用される。対
立遺伝子変異は、突然変異を通して天然では生じ、そして集団内の表現型多型現
象をもたらすことができる。遺伝子突然変異は、サイレントであり(コードされ
たポリペプチドにおいて変化がない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポ
リペプチドをコードすることができる。用語、対立遺伝子変異体はまた、遺伝子
の対立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質を示すために本明細書におい
て使用される。
【0009】 用語“アミノ−末端”及び“カルボキシル−末端”とは、ポリペプチド内の位
置を示すために本明細書において使用される。その情況が可能である場合、それ
らの用語は、接近性又は相対的位置を示すためにポリペプチドの特定の配列又は
一部に関して使用される。例えば、ポリペプチド内の対象配列のカルボキシル末
端側に位置する一定の配列は、その対象配列のカルボキシル末端に隣接して位置
するが、しかし完全なポリペプチドのカルボキシル末端では必ずしも必要ではな
い。
【0010】 “脈管形成”とは、単独で又は1又は複数の追加の化合物と共に作用する、存
在する血管からの新規血管の形成を刺激する化合物の能力を示す。脈管形成活性
は、内皮細胞活性化、内皮細胞によるプロテアーゼ分泌の刺激、内皮細胞移動、
毛細管新芽形成及び内皮細胞増殖として測定できる。
【0011】 用語“相補体/抗−相補体対”とは、適切な条件下で、非共有的に会合される
安定した対を形成する非同一性成分を示す。例えば、ビオチン及びアビジン(又
はストレプタビジン)は、相補体/抗−相補体対の基本型メンバーである。他の
典型的な相補体/抗−相補体対は、受容体/リガンド対、抗体/抗原(又はハプ
テン又はエピトープ)対、センス/アンチセンス ポリヌクレオチド対、及び同
様のものを包含する。相補体/抗−相補体対の続く解離が所望される場合、その
相補体/抗−相補体対は好ましくは、<109-1の結合親和性を有する。
【0012】 用語“ポリヌクレオチド分子の相補体”とは、相補的塩基配列、及び対照配列
に比較して逆の配向を有するポリペプチド分子である。例えば、配列5’ ATGCAC
GGG 3’ は、5’ CCCGTGCAT 3’に対して相補的である。 用語“contig ”とは、他のポリヌクレオチドに対する一連の連続した同一の
又は相補的な配列を有するポリヌクレオチドを示す。連続した配列とは、ポリヌ
クレオチドの全体において、又はその一部に沿って、一定の長さのポリヌクレオ
チド配列を“オーバーラップ”すると言われる。例えば、ポリヌクレオチド配列
5’-ATGGAGCTT-3’ に対する代表的なcontig とは、5’-AGCTTgagt-3’及び3’-
tcgacTACC-5’である。
【0013】 用語“縮重ヌクレオチド配列”とは、1又は複数の縮重コドンを含むヌクレオ
チドの配列(ポリペプチドをコードする対照ポリヌクレオチドに比較して)を示
す。縮重コドンは、ヌクレオチドの異なったトリプレットを含むが、しかし同じ
アミノ酸残基をコードする(すなわち、GAU及びGACトリプレットはそれぞれAsp
をコードする)。
【0014】 用語“発現ベクター”とは、その転写を提供する追加のセグメントに作用可能
に連結される興味あるポリペプチドをコードするセグメントを含んで成る線状又
は環状DNA分子を示すために使用される。そのような追加のセグメントは、プロ
モーター及びターミネーター配列及び複製の1又は複数の起点、1又は複数の選
択マーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、及び同様のものを包含す
る。発現ベクターは一般的に、プラスミド又はウィルスDNAから誘導され、又は
両者の要素を含むことができる。
【0015】 用語“単離された”とは、ポリヌクレオチドに適用される場合、ポリヌクレオ
チドがその天然の遺伝的環境から除去され、そして従って、他の無関係な又は所
望しないコード配列を有さず、そして遺伝子的に構築されたタンパク質生成シス
テム内での使用のために適切な形で存在することを示す。そのような単離された
分子は、それらの天然の環境から分離され、そしてcDNA及びゲノム クローンを
含む分子である。本発明の単離されたDNA分子は、通常関係しない他の遺伝子を
含まないが、しかし天然において存在する5’及び3’ 未翻訳領域、例えばプロ
モーター及びターミネーターを含むことができる。関連する領域の同定は、当業
者に明らかであろう(例えば、Dynan and Tijan, Nature 316: 774―78, 1985を
参照のこと)。
【0016】 “単離された”ポリペプチド又はタンパク質は、その生来の環境以外の条件、
例えば血液及び動物組織とは別の条件下で見出されるポリペプチド又はタンパク
質である。好ましい形においては、単離されたポリペプチドは、他のポリペプチ
ド、特に動物起源の他のポリペプチドを実質的に含まない。高く精製された形、
すなわち95%以上の純度、より好ましくは99%以上の純度でポリペプチドを
供給することが好ましい。この情況下で使用される場合、用語“単離された”と
は、他の物理的形、例えばダイマー形又は他のグリコシル化された又は誘導体化
された形での同じポリペプチドの存在を排除しない。
【0017】 “作用可能に連結された”とは、DNAセグメントに適用される場合、前記セグ
メントが、それらの意図された目的のために協力して機能し、例えば転写がプロ
モーターにおいて開始し、そしてコードセグメントを通してターミネーターに進
行するよう配列されることを示す。 用語“オルト体(orthology)”とは、異なった種からのポリペプチド又はタ
ンパク質の機能的相対物である、1つの種から得られるポリペプチド又はタンパ
ク質を示す。オルト体間の配列の差異は、特定化の結果である。 “パラ体(paralogs)”とは、生物によって製造される、異なっているが,し
かし構造的に関連するタンパク質である。パラ体は、遺伝子重複を通して生じる
と思われる。例えば、α−グロビン、β−グロビン及びミオグロビンは、お互い
パラ体である。
【0018】 “ポリヌクレオチド”は、5’末端から3’末端に読み取られるデオキシリボヌ
クレオチド又はリボヌクレオチド塩基の一本鎖又は二本鎖ポリマーである。ポリ
ヌクレオチドは、RNA及びDNAを包含し、そして天然源から単離され、インビトロ
で合成され、又は天然及び合成分子の組み合わせから調製され得る。ポリヌクレ
オチドのサイズは、塩基対(略語“bp”)、ヌクレオチド(“nt”)、又はキロ塩
基(“kb”)として表される。
【0019】 ここで、後者の2つの用語は、一本鎖又は二本鎖であるポリヌクレオチドを記
載する。この用語が二本鎖分子に適用される場合、それは全体の長さを示すため
に使用され、そして用語、“塩基対”に等しいことが理解されるであろう。二本
鎖ポリヌクレオチドの二本の鎖は長さにおいてわずかに異なり、そしてその末端
が酵素分解の結果として異なることは、当業者により理解されており;従って、
二本鎖ポリヌクレオチド分子内のすべてのヌクレオチドは一対に成り得ない。
【0020】 “ポリペプチド”は、天然において生成されても又は合成的に生成されてもい
ずれにせよ、ペプチド結合により連結されるアミノ酸残基のポリマーである。約
10個以下のアミノ酸残基のポリペプチドが、通常“ポリペプチド”として言及
される。 用語“プロモーター”とは、RNA ポリメラーゼの結合及び転写の開始を提供す
るDNA配列を含む遺伝子の部分を示すために本明細書において使用される。プロ
モーター配列は通常、遺伝子の5’ 非コード領域に見出されるが、しかし必ずし
もそうではない。
【0021】 用語“タンパク質”は、1又は複数のポリペプチド鎖を含んで成る高分子であ
る。タンパク質はまた、非ペプチド成分、例えば炭水化物基を含むことができる
。炭水化物及び他の非ペプチド置換基は、タンパク質が生成される細胞により付
加され、そして細胞型により変化するであろう。タンパク質は、それらのアミノ
酸主鎖により本明細書において定義され;置換基、例えば炭水化物基は一般的に
、特定されないが、しかしそれにもかかわらず、存在することができる。
【0022】 用語“受容体”は、生物活性分子(すなわち“リガンド”)に結合し、そして細
胞上のリガンドの効果を仲介する細胞関連タンパク質を示す。膜結合受容体は、
細胞外リガンド結合ドメイン、及び典型的には、シグナルトランスダクションに
関与する細胞内エフェクタードメインを含んで成る多ペプチド構造により特徴づ
けられる。受容体へのリガンドの結合は、細胞におけるエフェクタードメインと
他の分子との間の相互作用を引き起こす受容体におけるコンホメーション変化を
もたらす。
【0023】 この相互作用は、細胞の代謝の変更を誘導する。受容体−リガンド相互作用に
連結される代謝現象は、遺伝子転写、リン酸化、脱リン酸化、AMP生成の上昇、
細胞カルシュウムの代謝、膜脂質の代謝、細胞付着、イノシトール脂質の加水分
解、及びリン脂質の加水分解を包含する。一般的に、受容体は、膜結合され、シ
トソール性又は核性であり;モノマー(例えば甲状腺刺激ホルモン受容体、β−
アドレナリン性受容体)、又はマルチマー(例えばPDGF受容体、成長ホルモン受容
体、IL−3受容体、GM―CSF受容体、G−CSF受容体、エリトロポイエチン受容体
及びIL―6受容体)であり得る。
【0024】 用語“分泌シグナル配列”とは、それが合成される細胞の分泌路を通してより
大きなポリペプチドを、より大きなポリペプチドの成分として方向ずけるポリペ
プチド(“分泌ペプチド”)をコードするDNA配列を示す。前記のより大きなポ
リペプチドは、分泌路を通しての移動の間、分泌ペプチドを除去するために通常
分解される。
【0025】 用語“スプライス変異体”とは、遺伝子から転写されるRNAの二者択一の形を
示すために、本明細書において使用される。スプライス変異は、転写されたRNA
分子内の、又は通常低いが、別々に転写されたRNA分子間の二者択一のスプライ
シング部位の使用を通して天然において生じ、そして同じ遺伝子から転写される
いくつかのmRNAをもたらすことができる。スプライス変異体は、変更されたアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語スプライス変異
体はまた、遺伝子から転写されるmRNAのスプライス変異体によりコードされるタ
ンパク質を示すために本明細書において使用される。
【0026】 不正確な分析方法(例えば、ゲル電気泳動)により決定されるポリマーの分子
量及び長さは、おおよその値であることが理解されるであろう。そのような値が
“約”X又は“おおよそ”Xとして表される場合、その言及されたXの値は、正確
には±10%であることが理解されるであろう。
【0027】 本発明は、新規サイトカインポリペプチド/タンパク質を提供する。“αヘリ
ックスタンパク質−31”(この後、“zalpha 31”として言及される)と称する
新規サイトカインが、発見され、そして4−ヘリックス−束のサイトカイン(例
えば、エリトロポイエチン、トロンボポイエチン、G−CSF、IL−2、IL−2、レ
プチン及び成長ホルモン)の特徴的なポリペプチド及びポリヌクレオチド特徴の
存在によりサイトカインであることが同定された。
【0028】 zalpha 31ポリペプチドの配列は、その対応するポリヌクレオチド配列を含む
と思われる単一のクローンから得られた。そのような配列について調査され得る
ライブラリーは、心臓、脳、甲状腺、肝臓、脊髄、副腎、精巣、マクロファージ
、リンパ球、活性化された免疫細胞及び同様のものを包含する。
【0029】 代表的なzalpha 31コードのDNAのヌクレオチド配列は、配列番号1に記載され
、そしてその推定される142個のアミノ酸配列は、配列番号2に記載される。全
体として、zalpha 31ポリペプチド(配列番号2)は、十分な長さのポリペプチ
ドセグメント(配列番号2の残基1(Met)〜残基142(Arg))を表す。zalpha
31のドメイン及び構造特徴はさらに下記に記載される。
【0030】 配列番号1のDNA配列によりコードされるzalpha 31ポリペプチドの分析は、19
個のアミノ酸残基(配列番号2の残基1(Met)〜残基19(Asp))の推定される
シグナルペプチド、及び122個のアミノ酸の成熟ポリペプチド(配列番号2の残
基20(Asp)〜残基142(Arg))を含んで成る142個のアミノ酸(配列番号2)を
コードする読み取り枠を示した。
【0031】 一般的に、サイトカインは4個のαヘリックス構造を有することが予測され、
ここでヘリックスA, C及びDがリガンド−受容体相互作用において最も重要であ
り、そしてそのファミリーメンバーの中で、それらがより高く保存される。zalp
ha 31におけるヘリックスA−Dは、配列番号2のアミノ酸37(Ile)〜132(Leu)
を含んで成る生物学的活性の受容体−結合ドメインを定義する。成熟zalpha 31
ポリペプチドは、約14,009ドルトンのグリコシル化されていない分子量を有する
。配列番号2野さらなる分析は、4個の両親媒性α−ヘリックス領域、すなわち
下記ヘリックスA, B, C及びDの存在を示す:
【0032】 1)“ヘリックスA”(配列番号2のアミノ酸37(Ile)〜51(Tyr)に対応す
る); 2)“ヘリックスB”(配列番号2のアミノ酸65(Leu)〜79(Glu)に対応す
る); 3)“ヘリックスC”(配列番号2のアミノ酸87(Ile)〜101(Leu)に対応す
る);及び 4)“ヘリックスD”(配列番号2のアミノ酸118(Leu)〜132(Leu)に対応
する)。
【0033】 他方では、ヘリックスAは、配列番号2のアミノ酸26(Ala)〜40(Leu)に対
応し;そしてヘリックスBは、配列番号2のアミノ酸59(Leu)〜73(Thr)に対
応することができる。zalpha 31におけるヘリックスA−Dは、配列番号2のアミ
ノ酸26(Ala)〜132(Leu)を含んで成る延長された、生物学的活性の受容体−
結合ドメインを定義することができる。
【0034】 個々のヘリックスは、一般的に親水性であるアミノ酸残基を有する外部領域、
及び一般的に疎水性アミノ酸残基を含む内部に位置する領域を含む。ヘリックス
の外部上に位置するアミノ酸残基は、受容体結合のために決定的であると思われ
、そして電荷においてほとんど同一である1つの残基を除いて、他のアミノ酸残
基に変更されるべきではない。ヘリックスの内部に位置するアミノ酸残基は、い
ずれかの疎水性アミノ酸残基に変更され得る。
【0035】 ヘリックスAにおいては、配列番号2のアミノ酸残基37, 40, 41, 44, 48及び5
1がヘリックスAの内部の方に位置し、そして配列番号2のアミノ酸残基38, 39,
42, 43, 45, 46,49及び50はヘリックスAの外部部分上に位置する。 ヘリックスにおいては、配列番号2のアミノ酸残基65, 68, 69, 72, 75, 76及
び79がヘリックスAの内部の方に位置し、そして配列番号2のアミノ酸残基66, 6
7, 70, 71, 73, 74, 77及び78はヘリックスBの外部部分上に位置する。
【0036】 ヘリックスCにおいては、配列番号2のアミノ酸残基87, 90, 91, 94, 97, 98
及び101がヘリックスAの内部の方に位置し、そして配列番号2のアミノ酸残基88
, 89, 92, 95, 96, 99及び100はヘリックスCの外部部分上に位置する。 ヘリックスDにおいては、配列番号2のアミノ酸残基118, 121, 122, 125, 128
, 129及び132がヘリックスAの内部の方に位置し、そして配列番号2のアミノ酸
残基119, 120, 123, 124, 126, 127, 130及び131はヘリックスDの外部部分上に
位置する。
【0037】 ヘリックス1〜4は、下記式: Asp20−{16}−H1−{13}−H2−{7}−H3−{16}−H4−{9}−Arg142 [式中、Asp20は、成熟ポリペプチドの開始残基(配列番号2に示されるような)
であり; Arg142は、成熟ポリペプチドの最終残基(配列番号2に示されるような)であ
り;
【0038】 H番号は、上記に開示される特定のヘリックスを示し(例えば、H1はヘリック
スAであり、H2はヘリックスBであり、等)、そして {数}は、モチーフ間のアミノ酸残基のおおよその数(±2個の残基)を表す
]により表される配置において、N−末端からC−末端の方に一定の間隔離れて存
在する。 上記に記載されるzalpha 31ポリペプチド領域、ドメイン、モチーフ、残基及
び配列は、配列番号1に示される。
【0039】 4−ヘリックス束サイトカインはまた、それらの成分ヘリックスの長さにより
分類される。“長い−ヘリックス”形のサイトカインは一般的に、24〜30個の残
基のヘリックスから成り、そしてIL-6、繊毛好中球因子(CNTF)、白血病阻害因
子(LIF)及びヒト成長ホルモン(hGH)を包含する。“短い−ヘリックス”形の
サイトカインは一般的に、18〜21個の残基のヘリックスから成り、そしてIL−2,
IL-4及びGM-CSFを包含する。Zalpha 31は、短い−ヘリックス形のサイトカイン
グループの新規メンバーであると思われる。CNTF及びIL-6を用いての研究は、CN
TFヘリックスがIL-6における相当のヘリックスにより交換され得、キメラにCTNF
−結合性質を付与することを示した。
【0040】 従って、4−ヘリカルサイトカインの機能的ドメインが配列同一性に関係なく
、構造的相同性に基づいて決定され、そしてキメラにおいて機能的に組み込みを
維持することができると思われる(Kallenなど., J. Biol. Chem. 274: 11859-1
1867, 1999)。従って、zalpha 31のヘリカルドメインは、受容体結合特異性を
決定し、そして調節するために他の短い−ヘリックス形のサイトカインを有する
キメラ融合分子を調製するために有用であろう。ヘリックスA及び/又はヘリック
スDにより構築された融合タンパク質、及び他の短い形のサイトカイン、IL-2, I
L-4, IL-15及びGM-CSFからのヘリカル及びループドメインを結合する融合タンパ
ク質が特に興味の対象である。Zalpha 31Il-2, IL-4, IL-15及びGM-CSFのための
A, B, C及びD, 並びにループA/B, B/C及びC/Dを含んで成るアミノ酸残基が表1
に示される。
【0041】
【表1】
【0042】 ポリヌクレオチド: 本発明はまた、ポリヌクレオチド分子、例えば本明細書に開示されるzalpha 3
1ポリペプチドをコードするDNA及びRNA分子を提供する。当業者は、遺伝子コー
ドの縮重の観点から、相当の配列変動がそれらのポリヌクレオチド分子間で可能
であることを容易に認識するであろう。配列番号3は、配列番号2のzalpha 31
ポリペプチドをコードするすべてのDNAを包含する縮重DNA配列である。当業者は
また、配列番号3の変性配列がUとTとを置換することによって、配列番号2をコ
ードするすべてのRNA配列も供給することを理解するであろう。
【0043】 従って、配列番号3のヌクレオチド1−426を含んで成るzalpha 31ポリペプチ
ド−コードのポリヌクレオチド及びそれらのRNA相当物は、本発明により包含さ
れる。表2は、縮重ヌクレオチド位置を示すために、配列番号3内に使用される
1文字コードを示す。“解”は、コード文字により示されるヌクレオチドである
。“相補体”とは、相補的ヌクレオチドのためのコードを示す。例えば、コード
YはC又はTのいずれかを示し、そしてその相補体RはA又はGを示し、AはTに対して
相補的であり、そしてGはCに対して相補的である。
【0044】
【表2】
【0045】 与えられたアミノ酸のためのすべての可能なコドンを包含する配列番号3に使
用される縮重コドンが表3に示される。
【表3】
【0046】 当業者は、いくらかのあいまいさが、個々のアミノ酸をコードするすべての可
能なコドンの代表である縮重コドンの決定において導入されることを理解するで
あろう。例えば、セリン(WSN)のための縮重コドンは、ある環境下で、アルギ
ニン(AGR)をコードすることができ、そしてアルギニン(MGN)のための縮重コ
ドンは、ある環境下で、セリン(AGY)をコードすることができる。類似する関
係が、フェニルアラニン及びロイシンをコードするコドン間に存在する。従って
、縮重配列により包含されるいくつかのポリヌクレオチドは、変異体アミノ酸配
列をコードすることができるが、しかし当業者は、配列番号2のアミノ酸配列へ
の参照によりそのような変異体配列を容易に同定することができる。変異体配列
は、本明細書に記載のようにして官能性について容易に試験され得る。
【0047】 当業者はまた、異なった種が“選択的コドン使用法”を示すことも理解するで
あろう。一般的には、Grantham,など., Nuc. Acids Res. 8: 1893−912, 1980;
Haas, など., Curr. Biol. 6: 315−24, 1996; Wain−Hobson、など.,Gene 1
3:355−64,1981;Grosjean and Fiera,Gene 18:199−209、1982;Holm,N
uc.Acids Res.14:3075−87、1986;Ikemura,J.Mol.Biol.158:573−97
,1982を参照のこと。
【0048】 本明細書において使用される場合、用語、“選択的コドン使用法”又は“選択
的コドン”とは、一定の種の細胞に最も頻繁に使用され、従って個々のアミノ酸
をコードする可能なコドンの1又は少数の代表を好むタンパク質翻訳コドンを言
及する技術的用語である(表3を参照のこと)。例えば、アミノ酸トレオニン(Th
r)は、ACA、ACC、ACG、又はACTによりコードされるが、しかし哺乳類細胞にお
いては、ACCが最も通常に使用されるコドンであり;他の種においては、例えば
昆虫細胞、酵母、ウィルス又は細菌においては、異なったThrコドンが好ましい
【0049】 特定の種のための選択的コドンは、当業界において知られている種々の方法に
より、本発明のポリヌクレオチド中に導入され得る。例えば、組換えDNA中への
選択的コドン配列の導入は、特定の細胞型又は種内でタンパク質の翻訳により効
果的にすることによって、そのタンパク質の生成を増強する。従って、配列番号
3に開示される縮重コドン配列は、当業界において通常使用され、そして本明細
書において開示される種々の細胞型及び種においてポリペプチドの発現を最適化
するための鋳型として作用する。選択コドンを含む配列は、種々の種における発
現について試験され、そして本明細書に開示される官能性について試験され得る
【0050】 本発明の好ましい態様においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号
1又はそれに対して相補的な配列の類似するサイズの領域に対して、緊縮条件下
でハイブリダイズするであろう。一般的に、緊縮条件は、定義されたイオン強度
及びpHで、特定の配列のための熱溶融点(Tm)よりも約5℃低くあるよう選択さ
れる。Tmは、標的配列の50%が好ましく適合されたプローブに対してハイブリダ
イズする温度(定義されたイオン強度及びpH下で)である。
【0051】 Tmを計算するための多くの等式は当業界において知られており、そして種々の
長さのDNA、RNA及びDNA−RNAハイブリッド及びポリヌクレオチドプローブ配列に
対して特異的である(例えば、Sambrook など., Molecular Cloning: A Laborat
ory Manual, Second Edition (Cold Spring Harbor Press 1988); Ausubel な
ど., (eds.), Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley and Sons
, Inc. 1987); Berger and Kimmel (eds.), Guide to Molecular Cloning Techn
iques, (Academic Press, Inc. 1987); 及びWetmur, Crit. Rev. Biochem. Mol.
Biol. 26:227 (1990)を参照のこと)。
【0052】 配列分析ソフトウェア、例えばOLIGO6.0(LSR; Long Lake, MN)及びPrimer P
remier 4.0 (Premier Biosoft International; Palo Alto, CA), 並びにインタ
ーネット上のサイトが所定の配列を分析し、そして使用者の定義された基準に基
づいてTmを計算するための手段を入手できる。そのようなプログラムはまた、定
義された条件下で所定の配置を分析し、そして適切なプローブ配列を同定するこ
とができる。典型的には、50以上の塩基対の長いポリヌクレオチド配列のハイブ
リダイゼーションは、計算されたTmよりも約20〜25℃低い温度で行われる。50以
下の塩基対の小さなプローブに関しては、ハイブリダイゼーションは典型的には
、Tm又はそれよりも5〜10℃以下で行われる。
【0053】 これは、DNA−DNA及びDNA−RNAハイブリッドに関して、最大速度のハイブリダ
イゼーションを可能にする。低い温度でのより高い程度の緊縮性は、緩衝溶液に
おける個々の1%ホルムアミドに関して、約1℃ハイブリッドのTmを低めるホル
ムアミドの添加により達成され得る。適切な緊縮ハイブリダイゼーション条件は
、約40〜50%のホルムアミド、約6×までのSSC、約5×のDenhardt’s溶液、0
〜約10%のデキストラン硫酸及び約10〜20μg/mlの変性された市販のキャリヤー
DNAを含んで成る溶液において約42℃での5時間〜一晩インキュベーションに等
しい。
【0054】 一般的に、そのような緊縮条件は、20〜70℃の温度及び6×までのSSC及び0
〜50%のホルムアミドを含むハイブリダイゼーション緩衝液を包含し;次にハイ
ブリダイゼーションに続いて、約2×までのSSCによるフィルターの洗浄を伴う
。例えば、適切な洗浄緊縮性は、0.1×のSSC〜2×のSSC, 0.1%のSDS, 55℃〜6
5℃の温度に等しい。異なった程度の緊縮性が、標的配列に対する最大の特異的
結合を達成するためには、ハイブリダイゼーション及び洗浄の間に使用され得る
【0055】 典型的には、ハイブリダイゼーションに続く洗浄は、ハイブリダイズされた複
合対からハイブリダイズされていないポリヌクレオチドプローブを除去するため
に、高い程度の緊縮性で行われる。緊縮ハイブリダイゼーション及び洗浄条件は
、プローブの長さに依存し、Tm,ハイブリダイゼーション及び使用される洗浄溶
液において影響され、そして通常 当業者により実験的に決定される。
【0056】 前で示されたように、本発明の単離されたポリヌクレオチドは、DNA及びRNAを
包含する。DNA及びRNAを調製するための方法は、当業界において良く知られてい
る。一般的には、RNAは、多量のマウスzalpha 31 RNAを生成する組織又は細胞か
ら単離される。そのような組織及び細胞は、ノザンブロット(Thomas, Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 77: 5201, 1980)により同定され、そして下記に論じられ
る。
【0057】 全RNAは、グアニジウムHCl抽出、続くCsClグラジエントにおける遠心分離によ
る単離により調製され得る(Chirgwinなど.,Biochemistry 18:52−94, 1979)。
ポリ(A)+ RNAは、Aviv and Leder (Proc.Natl. Acad. Sci.USA 69: 1408−14
12, 1972 )の方法を用いて全RNAから調製される。相補的DNA(cDNA)は、既知の
方法を用いて、ポリ(A)+ RNAから調製される。他方では、ゲノムDNAが単離さ
れ得る。次に、zalpha 31ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、例え
ばハイブリダイゼーション又はポリメラーゼ鎖反応(PCR)により同定され、そ
して単離される。
【0058】 Zalpha 31をコードする十分な長さのクローンは、従来のクローニング方法に
より得られる。相補的DNA(cDNA)クローンが好ましいが、但し、いくつかの用
途(例えば、トランスジェニック動物における発現)に関しては、ゲノムクロー
ンを使用し、又は少なくとも1つのゲノムイントロンを含むようcDNAクローンを
修飾することが好ましい。cDNA及びゲノムクローンを調製するための方法は、よ
く知られており、そして当業者のレベルの範囲内であり、そしてライブラリーを
プローブし又は感作するために、本明細書に開示される配列又はその一部の使用
を包含する。発現ライブラリーは、zalpha 31、受容体フラグメント、又は他の
特定の結合パートナーに対する抗体によりプローブされ得る。
【0059】 本発明のポリヌクレオチドはまた、DNA合成機械を用いても合成され得る。化
学的に合成された二本鎖DNAがDNA又はDNAフラグメントの合成のために必要とさ
れる場合、個々の相補的鎖が、当業界において知られているホスホラミジット方
法により別々に製造される。短い遺伝子(60〜80bp)の生成は技術的に直接的で
あり、そして相補的鎖の合成及び続いて、それらのアニーリングにより達成され
得る。しかしながら、より長い遺伝子(300bp以上)の生成に関しては、特定の
工程が通常使用される。例えば、合成DNA(二本鎖)が、20〜100個の長さのヌク
レオチドである一本鎖フラグメントから調整形でアセンブルされる。
【0060】 合成DNAを構築するための1つの方法は、1組のオーバーラップする相補的オ
リゴヌクレオチドの生成を包含する。DNAの個々の内部部分は、隣接する部分を
正確に有する塩基対に企画される相補的3’及び5’末端延長を有する。DNAが
アセンブルされた後、その工程は、2本鎖の主鎖に沿ってニックを連結すること
によって完結される。タンパク質コード配列の他に、クローニングベクターの制
限エンドヌクレアーゼ部位中への挿入を促進する末端配列を有する合成DNAが企
画され得る。
【0061】 十分な大きさのDNAを調製するためのもう1つの手段は、当業界において知ら
れている。例えば、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology, Principl
es & Applications of Recombinant DNA, (ASM Press, Washington, D.C. 1994)
; Itakura など., Annu.Rev. Biochem. 53: 323-56, 1984及びClimie など., Pr
oc. Natl. Acad. Sa. USA 87: 633-7, 1990を参照のこと。
【0062】 本発明はさらに、他の種(オルト体)からの相対物リガンド及びポリヌクレオ
チドを供給する。これらの種は、哺乳類、鳥類、両性類、ハ虫類、魚類、昆虫及
び他の脊椎及び無脊椎動物種を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
特に興味あるものは、他の哺乳類種、例えばネズミ、ブタ、羊、ウシ、犬、ネコ
、馬及び他の霊長類ポリペプチドからのzalpha 31ポリペプチドである。ヒトzal
pha 31ポリペプチドのオルト体は、従来のクローニング技法と組合して、本発明
により供給される情報及び組成物を用いてクローン化され得る。例えば、cDNA
は、zalpha 31を発現する組織又は細胞型から得られるmRNAを用いてクローン化
され得る。mRNAの適切な源は、本明細書に開示される配列から企画されたプロ
ーブによりノザン ブロットをプローブすることによって同定され得る。
【0063】 次に、ライブラリーが陽性の組織又は細胞系のmRNAから調製される。次に、z
alpha 31−コードのcDNAが種々の方法、例えば完全な又は部分的なヒトcDNAに
より、又は前記開示される配列に基づく1又は複数の変性プローブにより、プロ
ーブすることによって単離され得る。cDNAはまた、本明細書に開示される代表
的なヒトzalpha 31配列から企画されたプライマーを用いて、PCR(Mullis, アメ
リカ特許第4,683,202号)を用いてもクローン化され得る。さらなる方法におい
ては、cDNAライブラリーが宿主細胞を形質転換し、又はトランスフェクトする
ために使用され、そして興味あるcDNAの発現がマウスzalpha 31ポリペプチドに
対する抗体により検出され得る。類似する技法がまた、ゲノム クローンの単離
に適用され得る。
【0064】 当業者は、配列番号1に開示される配列がヒトzalpha 31の単一の対立遺伝子
を表し、そして対立遺伝子変動及び交互のスプライシングが生じることが予測さ
れることを認識するであろう。この配列の対立遺伝子変異体は、標準の方法に従
って、異なった個人からのcDNA又はゲノムライブラリーをプローブすることによ
ってクローン化され得る。配列番号1に示されるDNA配列の対立遺伝子変異体、
例えばサイレント突然変異を含むそれらの変異体及び突然変異がアミノ酸配列変
更をもたらすそれらの変異体は、配列番号2の対立遺伝子変異体であるタンパク
質と同じように、本発明の範囲内である。
【0065】 Zalpha 31ポリペプチドの性質を保持する、もう1つのスプライスされたmRNA
から生成されるcDNAは、そのようなcDNA及びmRNAによりコードされるポリペプチ
ドと同じように、本発明の範囲内に包含される。それらの配列の対立遺伝子変異
体及びスプライス変異体は、当業界において知られている標準の方法に従って、
異なった個人又は組織からのcDNA又はゲノムライブラリーをプローブすることに
よってクローン化され得る。
【0066】 本発明はまた、配列番号2のポリペプチド、及びそれらのオルト体に対して実
質的に類似する単離されたzalpha 31ポリペプチドも提供する。用語“実質的に
類似する”とは、配列番号2に示される配列又はそれらのオルト体に対して、少
なくとも70%、及びより好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有するポリペ
プチドを示すために本明細書において使用される。そのようなポリペプチドは、
より好ましくは、配列番号2、又はそのオルト体に対して、少なくとも 90%、
及び最も好ましくは95%又はそれ以上同一であろう。%配列同一性は、従来の方
法により決定される。例えば、Altschulなど., Bull. Math. Bio. 48 : 603−61
6, 1986及びhenikoff and Henikoff, Pruc.Natl. Acad. Sci. USA 89 :10915−1
0919, 1992を参照のこと。手短に言及するば、2種のアミノ酸配列が、10のギャ
ップ開始ペナルティー、1のギャップ拡張ペナルティー、及び表4(アミノ酸は
標準の1文字コードにより示される)に示されるようなHenikoff and Henikoff
(前記)の“blosum 62”評点マトリックスを用いて、その整合評点を最適化す
るために整合される。次に、%同一性が次のようにして計算される:
【0067】
【数1】
【0068】
【表4】
【0069】 ポリヌクレオチド分子の配列同一性は、上記に開示されるような割合を用いて
、類似する方法により決定される。 当業者は、2種のアミノ酸配列を整列するために多くの確立されたアルゴリズ
ムが存在することを理解している。Pearson and Lipmanの“FASTA”類似性調査
アルゴリズムは、本明細書に開示されるアミノ酸配列及び推定上の変異体zalpha
31のアミノ酸配列により共有される同一性のレベルを試験するための適切なタ
ンパク質整列方法である。前記FASTAアルゴリズムは、Pearson and Lipman, Pro
c. Nat’l Acad. Sci. USA 85: 2444 (1988), 及びPearson, Meth. Enzymol. 18
3: 63 (1990) により記載される。
【0070】 手短には、FASTAがまず、問題の配列(例えば、配列番号2)及び保存性アミ
ノ酸置換、挿入又は欠失を考慮しないで、最高密度の同一性(ktup変数が1であ
る場合)又は対の同一性(ktup=2である場合)のいずれかを有する試験配列に
より共有される領域を同定することによって配列を特徴づける。次に、最高密度
の同一性を有する10の領域が、アミノ酸置換マトリックスを用いて、すべての対
合されたアミノ酸の類似性を比較することによって再評価され、そして前記領域
の末端が、最高の評点に寄与するそれらの残基のみを含むよう“整えられる”。
【0071】 “カットオフ”値(配列の長さ及びktup値に基づいて予定された式により計算
される)よりも高い評点を有するいくつかの領域が存在する場合、その整えられ
た初期領域が、その領域がギャップとのおおよその一列配列を形成するために結
合され得るかどうかを決定するために試験される。最終的に、2種のアミノ酸配
列の最高評点領域が、アミノ酸挿入及び欠失を可能にする、Needleman-Wunsch
アルゴリズム(Needleman and winsch, J. Mol. Biol. 48: 444, 1970; Sellers
, SIAM J. Appl. Math. 26: 787, 1974)の変法を用いて整列される。
【0072】 FASTA 分析のための例示的なパラメーターは次のものである:ktup=1、ギャ
ップ開始ペナルティー=10、ギャップ拡張ペナルティー=1及び置換マトリック
ス=BLOSUM62。それらのパラメーターは、Appendix 2 of Pearson, 1990 (前記)
に説明されるように、評点マトリックスを調節することによってFASTAプログラ
ム中に導入され得る。
【0073】 FASTAはまた、上記に開示されるような割合を用いて、核酸分子の配列同一性
を決定するためにも使用され得る。ヌクレオチド配列比較のためには、ktup値は
、誤りとして設定される他のパラメーターを伴って、1〜6、好ましくは3〜6
、最も好ましくは3であり得る。
【0074】 BLOSUM62表(表4)は、関連するタンパク質の500以上のグループの高く保存
された領域を表す、タンパク質配列セグメントの約2,000の局部の複数整列に由
来するアミノ酸置換マトリックスである[Henikoff and Henikoff, Proc. Nat’
l Acad. Sci. USA 89: 10915 (1992) ]。従って、BLOSUM62置換頻度は、本発明
のアミノ酸配列中に導入され得る保存性アミノ酸置換を定義するために使用され
得る。
【0075】 化学的性質に基づいてのみアミノ酸置換を企画することが可能であるが(上記
のように)、用語“保存性アミノ酸置換”とは、−1よりも大きなBLOSUM62値に
より表される置換を言及する。例えば、アミノ酸置換は、その置換が0,1,2
又は3のBLOSUM62値により特徴づけられる場合、保存性である。このシステムに
よれば、好ましい保存性アミノ酸置換は、少なくとも1(例えば、1,2又は3
)のBLOSUM62値により特徴づけられ、ところがより好ましくは保存性置換は、少
なくとも2(例えば、2又は3)のBLOSUM62値により特徴づけられる。
【0076】 本発明は、配列番号3のアミノ酸配列に比較して、1又は複数の保存性アミノ
酸変化を有するポリペプチドをコードする核酸配列を包含する。BLOSUM62表は、
関連するタンパク質の500以上のグループの高く保存された領域を表す、タンパ
ク質配列セグメントの約2,000の局部の複数整列に由来するアミノ酸置換マトリ
ックスである[Henikoff and Henikoff, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 89: 109
15 (1992) ]。従って、BLOSUM62置換頻度は、本発明のアミノ酸配列中に導入さ
れ得る保存性アミノ酸置換を定義するために使用され得る。本明細書において使
用される場合、用語“保存性アミノ酸置換”とは、−1よりも大きなBLOSUM62値
により表される置換を言及する。
【0077】 例えば、アミノ酸置換は、その置換が0,1,2又は3のBLOSUM62値により特
徴づけられる場合、保存性である。好ましい保存性アミノ酸置換は、少なくとも
1(例えば、1,2又は3)のBLOSUM62値により特徴づけられ、ところがより好
ましくは保存性置換は、少なくとも2(例えば、2又は3)のBLOSUM62値により
特徴づけられる。従って、本発明は、配列番号3に対して、少なくとも90%、好
ましくは95%、及び最も好ましくは99%同一であり、そして哺乳類において抗体
生成を刺激することができるそれらのポリペプチドを包含し、そして前記抗体は
配列番号3の生来の配列を結合することができる。
【0078】 変異体zalpha 31ポリペプチド又は実質的に相同のzalpha 31ポリペプチドは、
1又は複数のアミノ酸置換、欠失又は付加を有するものとして特徴づけられる。
それらの変化は、好ましくは、保存性アミノ酸置換(表5を参照のこと)及びタ
ンパク質及びポリペプチドの折りたたみ又は活性に実質的に影響を及ぼさない他
の置換;小さな欠失、典型的には1〜約30個のアミノ酸の欠失;及び小さなアミ
ノ−又はカルボキシル−末端の延長、例えばアミノ−末端メチオニン残基、約20
〜25個までの残基の小さなリンカーペプチドの延長、又は親和性標識の延長であ
る。
【0079】 従って、本発明は、配列番号2のその対応する領域に対して、少なくとも90%
、好ましくは少なくとも95%、及びより好ましくは99%又はそれ以上の同一性を
有する配列を含んで成る、約30〜約175個のアミノ酸残基のポリペプチドを包含
する。親和性標識を含んで成るポリペプチドはさらに、zalpha 31ポリペプチド
と親和性標識との間にタンパク質分解部位を含む。好ましいそのような部位は、
トロンビン分解部位及び第Xa因子分解部位を含む。
【0080】
【表5】
【0081】 本発明はさらに、種々の他のポリペプチド融合体、及び1又は複数のポリペプ
チド融合体を含んで成る関連するマルチマータンパク質を提供する。例えば、マ
ウスzalpha 31ポリペプチドは、アメリカ特許第5,155,027号及び第5,567,584号
に開示されるようなダイマータンパク質への融合として調製され得る。それに関
しての好ましいダイマータンパク質は、免疫グロブリン不変領域ドメインを包含
する。免疫グロブリン−zalpha 31ポリペプチド融合体は、種々のマルチマーzal
pha 31類似体を生成するために、遺伝子的に構築された細胞において発現され得
る。補助ドメインは、特定の細胞、組織又は高分子(例えば、コラーゲン)に対
してそれらを標的化するためにzalpha 31ポリペプチドに融合され得る。
【0082】 例えば、zalpha 31ポリペプチド又はタンパク質は、標的細胞の表面上の受容
体に対して特異的に結合するリガンドにzalpha 31ポリペプチドを融合すること
によって、予定された細胞型に標的化される。この場合、ポリペプチド又はタン
パク質は、治療又は診断目的のために標的化され得る。zalpha 31ポリペプチド
は、複数の成分、例えば精製のための親和性標識及び標的化ドメインに融合され
得る。ポリペプチド融合はまた、特にドメイン間に、1又は複数の切断部位を含
むことができる。Tuanなど., Connective Tissue Research 34: 1-9, 1996を参
照のこと。
【0083】 本発明のタンパク質はまた、天然に存在しないアミノ酸残基を含んで成る。天
然に存在しないアミノ酸は、トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタプロ
リン、シス−4−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N
−メチルグリシン、アロ−トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシ
ステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミ
ン、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−及び4−
メチルプロリン、3,3−ジメチルプロリン、tert−ロイシン、ノルバリン、2
−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニ
ン、及び4−フルオロフェニルアラニンを包含する。
【0084】 天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質中に導入するためのいくつかの方
法が当業界において知られている。例えばナンセンス突然変異が化学的にアミノ
アシル化されたサプレッサーtRNAを用いて抑制されるインビトロシステムが使用
され得る。
【0085】 アミノ酸を合成し、そしてtRNAをアミノアシル化するための方法は、当業者
において知られている。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及び翻訳は
、E.コリS30抽出物及び市販の酵素及び他の試薬の含んで成る細胞フリーシステ
ムにおいて実施される。タンパク質は、クロマトグラフィーにより精製される。
例えば、Rovertsonなど., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; Ellman など.,
Meth. Enzymol. 202: 301,1991; Chung など., Science 259: 806−09, 1993;
及びChungなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10145−49, 1993を参照のこ
と。
【0086】 第2の方法においては、翻訳は、突然変異誘発されたmRNA及び化学的にアミノ
アミル化されたサプレッサ−tRNAのマイクロインジェクションによりアフリカ
ツメガエル卵母細胞において行われる( Turcatti など., J. Biol. Chem. 271:
1991−98, 1996 )。 第3の方法においては、E.コリ細胞が、置換される予定で
ある天然のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の不在下で及び所望する天然
に存在しないアミノ酸(例えば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニル
アラニン、4−アザフェニルアラニン又は4−フルオロフェニルアラニン)の存
在下で培養される。
【0087】 天然に存在しないアミノ酸は、その天然の相対物の代わりにタンパク質中に導
入される。Koide など., Biochem. 33: 7470−46, 1994を参照のこと。天然に存
在するアミノ酸残基は、インビトロ化学的に修飾により天然に存在しない種に転
換され得る。化学的修飾は、置換の範囲をさらに拡張するために特定部位の突然
変異誘発と組み合わされ得る(Wynn and Richards,Protein Sci. 2: 395−403,
1993)。
【0088】 限定された数の非保存性アミノ酸、遺伝子コードによりコードされないアミノ
酸、天然に存在しないアミノ酸、及び不自然なアミノ酸が、zalpha 31アミノ酸
により置換され得る。
【0089】 本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸は、当業界において知られている
方法、例えば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発により同
定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081−1085, 1989; Bassな
ど., Proc. Natl. Scad. Sci. USA 88: 4498−502, 1991)。後者の技法におい
ては、単一のアラニン突然変異が分子中のあらゆる残基で導入され、そして得ら
れる変異体分子が、前記分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定す
るために、下記に開示されるようして、生物学的活性について試験される。
【0090】 また、Hiltonなど., J. Biol. Chem. 271: 4699−5708, 1996を参照のこと。
リガンド−受容体相互作用の部位はまた、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異
に関して、核磁気共鳴、結晶学、電子回折又は光親和性ラベリングのような技法
により決定され得る。例えば、de Vos など.,Science 255: 306−312, 1992; Sm
ith など., J. Mol. Biol. 224: 899−904, 1992; Wlodaver など., FEBS Lett.
309: 59−64, 1992を参照のこと。
【0091】 構造統合性の維持に対して決定的である領域又はドメイン内に存在するアミノ
酸残基の決定が行われ得る。それらの領域内で、多かれ少なかれ、変化に耐性で
あり、そして分子の全体的な三次構造を維持するであろう特定の残基を決定する
ことができる。配列構造を分析するための方法は、高いアミノ酸又はヌクレオチ
ド同一性を有する複数配列の一列整列、及び利用できるソフトウェアー(例えば
、the Insight II(商標)viewer and hmology modeling tools; MSI, San Dirg
o, CA)、二次構造性質、二元パターン、相補的パッケージング及び埋もれた極
性相互作用を用いてのコンピューター分析を包含するが、但しそれらだけには限
定されない(Barton, Current Opin. Struct. Biol. 5:372-376, 1995及びCorde
sなど., Current Opin. Struct. Biol. 6: 3-10, 1996)。一般的に、分子への
修飾を企画するか又は特定のフラグメントを同定する場合、構造の決定は、修飾
された分子の活性を評価することによって付随されるであろう。
【0092】 アミノ酸配列の変更が、生物学的活性に対して必須である高次構造体の破壊を
最少にするためにzalpha 31ポリペプチドにおいて行われる。例えば、zalpha 31
ポリペプチドが1又は複数のヘリックスを含む場合、アミノ酸残基の変更が、分
子のヘリックス幾何学的及び他の成分を破壊しないよう行われ、ここでコンホメ
ーションの変化が、いくらかの決定的な機能、例えば分子の、その結合パートナ
ー、例えばA及びDヘリックス、すなわち配列番号2の残基44, 47及び135への結
合を妨害する。アミノ酸配列の変更の効果は、例えば上記に開示されるようなコ
ンピューターモデルにより予測され得、又は結晶構造の分析により決定され得る
(例えば、Lapthornなど., Nat. Struct. Biol. 2: 266-268, 1995)。
【0093】 当業界において良く知られている他の技法は、標準の分子(例えば、生来のタ
ンパク質)と変異体タンパク質の折りたたみを比較する。例えば、変異体及び標
準の分子におけるシステインパターンの比較が行われ得る。質量分光及び還元及
びアルキル化を用いての化学的修飾は、ジスルフィド結合に関連するか又はその
ような関連を有さないシステイン残基を決定するための方法を提供する(Beanな
ど., Anal. Biochem. 201: 216-226, 1992; Gray, Protein Sci. 2: 1732-1748,
1993: 及びPattersonなど., Anal. Chem. 66: 3727-3732, 1994)。
【0094】 一般的に、修飾された分子が標準の分子と同じジスルフィド結合パターンを有
さない場合、折りたたみが影響を及ぼされると思われる。折りたたみを測定する
ためのもう1つの良く知られており、且つ許容できる方法は、円ニ色性(CD)で
ある。修飾された分子及び標準の分子により生成されるCDスペクトルの測定及び
比較は、通常のことである(Johnson, Protein 7:205-214, 1990)。結晶学は、
折りたたみ及び構造を分析するためのもう1つの良く知られた方法である。核磁
気共鳴(NMR)、消化ペプチドマッピング及びエピトープマッピングはまた、タ
ンパク質とポリペプチドとの間の折りたたみ及び構造的類似性を分析するための
既知方法でもある(Schaananなど., Science 257: 961-964, 1992)。
【0095】 配列番号2に示されるようなzalpha 31タンパク質配列のHopp/Woods親水性プ
ロフィールが生成され得る(Hoppなど.,Proc Natl. Acad. Sci. 78: 3828, 19
81; Hopp, J. Immun. Meth. 88: 1-18, 1986及びTriquierなど., Protein Engin
eering 11: 153-169, 1998)。前記プロフィールは、スライドする6−残基窓(
sliding six-residue window)に基づかれている。埋もれたG, S及びT残基及び
暴露されたH, Y及びW残基は無視された。例えば、zalpha 31においては、親水性
領域は、(1)配列番号2のアミノ酸残基14(Asp)〜19(Asp);(2)配列
番号2のアミノ酸残基26(Ala)〜31(Glu);(3)配列番号2のアミノ酸残基
27(Glu)〜32(Pro);(4)配列番号2のアミノ酸残基136(Tyr)〜141(Lys
);及び(5)配列番号2のアミノ残基137(Lys)〜142(Arg)を包含する。
【0096】 当業者は、親水性又は疎水性が、全体的な構造及び生物学的プロフィールを破
壊しないよう、zalpha 31ポリペプチドのアミノ酸配列における修飾を企画する
場合、考慮されるであろうことを認識するであろう。Val, Leu及びIleから成る
群、又はMet, Gly, Ser, Ala, Tyr及びTrpから成る群から選択された疎水性残基
の置換が特に興味の対象である。例えば、置換に耐性の残基は、配列番号2に示
されるような残基を包含する。しかしながら、システイン残基は、置換に対して
比較的耐性であろう。
【0097】 必須アミノ酸の正体はまた、zalpha 31による、他のサイトカインファミリー
メンバー間の配列類似性の分析から推定され得る。前に記載された“FASTA”分
析のような方法を用いて、高い類似性の領域が、タンパク質ファミリー内に同定
され、そして保存された領域のためのアミノ酸配列を分析するために使用される
。構造に基づいて変異体zalpha 31ポリヌクレオチドを同定するためのもう1つの
アプローチは、可能性ある変異体ポリヌクレオチドをコードする核酸分子が、上
記で論じられたように、配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイ
ブリダイズできるかどうかを決定することである。
【0098】 本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸を同定する他の方法は、当業界に
おいて知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発又はアラニン走査突然
変異誘発である(Cunningham and Wells. Science 244: 1081 (1989);Bass な
ど., Pro. Nat. Acad. Sci. USA 88: 4498 (1991); Coombs and Gorey, “Site-
Directed Mutagenesis and Protein Engineering”, in Proteins. Aualysis an
d Design, Angeletti (ed.), P. 259-311 (Academic Press, Inc. 1998))。後
者の技法においては、単一のアラニン突然変異が分子におけるあらゆる残基で導
入され、そして得られる変異体分子が、分子の活性に対して決定的であるアミノ
酸残基を同定するために、下記に開示されるように、生物学的又は生化学的活性
について試験される。また、Hiltonなど., J. Biol. Chem. 271: 4699 (1996)
を参照のこと。
【0099】 本発明はまた、zalpha 31ポリペプチドの機能的フラグメント、又はそのよう
な機能的フラグメントをコードする核酸分子を包含する。本明細書において定義
される“機能的”zalpha 31又はそのフラグメントは、その増殖又は分化活性に
より、特殊化された細胞機能を誘発し、又は阻害するその能力により、又は可溶
性又は固定された抗−zalpha 31抗体、又はzalpha 31受容体のいずれかに特異的
に結合するその能力により特徴づけられる。前に本明細書において記載されたよ
うに、zalpha 31は、配列番号2に示されるようなヘリックスA(アミノ酸残基37
−51)、ヘリックスB(アミノ酸残基65−79)、ヘリックスC(アミノ酸残基87−
101)、及びヘリックスD(アミノ酸残基118−132)を含んで成る4−ヘリックス
−束構造により特徴づけられる。
【0100】 従って、本発明はさらに、(a)上記に記載される1又は複数のヘリックスを
含んで成るポリペプチド分子;及び(b)1又は複数のそれらのヘリックスを含
んで成る機能的フラグメントを包含する融合タンパク質を提供する。融合タンパ
ク質の他のポリペプチド部分は、4−ヘリックス−束サイトカイン、例えばIL−
15,IL−2、IL−4及びGM−CSFにより、又は融合タンパク質の分泌を促進する非
生来の及び/又は関連のない分泌シグナルペプチドにより寄与され得る。
【0101】 核酸分子の通常の欠失分析は、zalpha 31ポリペプチドをコードする核酸分子
の機能的フラグメントを得るために行われ得る。例示されるように、配列番号1
のヌクレオチド配列又はそのフラグメントを有するDNA分子は、一連の欠失を得
るためにBal31ヌクレアーゼにより消化され得る。次に、それらのDNAフラグメン
トが正しい読み取り枠を整合して発現ベクター中に挿入され、そして発現された
ポリペプチドが単離され、そしてzalpha 31活性について、又は抗−zalpha 31抗
体又はzalpha 31受容体を結合する能力について試験される。エキソヌクレアー
ゼ消化のための1つの方法は、欠失を導入するためにオリゴヌクレオチド−指図
された突然変異誘発を使用し、又は所望するzalpha 31フラグメントの生成を特
定するために停止コドンを使用することである。他方では、zalpha 31ポリヌク
レオチドの特定のフラグメントは、ポリメラーゼ鎖反応を用いて合成され得る。
【0102】 機能的ドメインを同定するための標準の方法は、当業者に良く知られている。
例えば、インターフェロンのいずれかの又は両末端での切断に対する研究が、Ho
risberger and Di Marco, pharmac. Ther. 66: 507 (1995) により要約されてい
る。さらに、タンパク質の機能的分析のための標準技法は、例えばTreulterなど
., Molec. Gen. Genet. 240: 113 (1993), Content など., “Expression and p
reliminary deletion analysisi of the 42 kDa 2-5A synthetase induced by h
uman interferon”, in Biological Interferon Systems, Proceedings of ISIR
-TNO Meeting on Interferon Systems, Cantell (ed.), Pages 65-72 (Nijhoff
1987), Herschman, “The EGF Enzyme”, in Cortrol of Animal Cell Prolifer
ation, Vol. 1, Boynton など., (eds.) pages 169-199 (Academic Press 1985)
, Counailleau など., J. Biol. Chem. 270: 29270 (1995); Fukunaga など., J
. Biol. Chem. 270: 25291 (1995); Yamaguchi など., Biochem. Pharmacol. 50
: 1295 (1995); 及びMeiselなど., Plant Molec. Biol. 30: 1 (1996)により記
載される。
【0103】 複数アミノ酸置換は、突然変異誘発及びスクリーニングの既知方法、例えばRe
idhaar−Olson and Sauer (science 241: 53−57, 1988)又はBowie and Sauer
( Proc. Natl. Acad. Sci. USA86:2152−2156,1989 )により開示される方法を
用いて行われ、そして試験される。手短に言及すれば、それらの著者は、ポリペ
プチドにおける複数の位置を同時ランダム化し、機能的ポリペプチドをスクリー
ンし、そして次に個々の位置での可能な置換の範囲を決定するために、突然変異
誘発されたポリペプチドを配列決定するための方法を開示する。使用され得る他
の方法は、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 30 : 10832−10837
,1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号; Huse, WIPO公開WO 92/062
04号)、及び領域−指図された突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46 : 14
5, 1986; Ner など., DNA 7 : 127, 1988 )を包含する。
【0104】 開示されるマウスzalpha 31 DNA及びポリペプチド配列の変異体は、Stemmer,
Nature 370 : 389−91, 1994, Stemmer, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 1074
7−51, 1994及びWIPO公開WI97/20078により開示されるように、DNA シャフリ
ングを通して生成され得る。手短に言及すれば、変異体DNA分子が、ランダムに
導入された点突然変異をもたらす、親DNAのランダム断片化、続く、PCRを用いて
のアセンブリーによるインビトロ相同組換えにより生成される。この技法は、前
記工程中に追加の変動性を導入するために、親DNAのファミリー、例えば異なっ
た種からの対立遺伝子変異体又はDNAを用いて改良され得る。所望する活性の選
択又はスクリーニング、突然変異誘発及びアッセイの続くさらなる相互作用が、
有害な変化に対して同時に選択しながら、所望する突然変異について選択するこ
とによって、配列の急速な“進化”を提供する。
【0105】 本明細書に開示されるような突然変異誘発方法は、宿主細胞におけるクローン
化された突然変異誘発されたポリペプチドの活性を検出するために高処理量の自
動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る。これに関する好ましいアッ
セイは、下記に記載される、細胞増殖アッセイ及びバイオセンサー−に基づくリ
ガンド−結合アッセイを包含する。活性ポリペプチドをコードする突然変異誘発
されたDNA分子が、宿主細胞から回収され、そしてすぐに、近代的装置を用いて
配列され得る。それらの方法は、興味あるポリペプチドにおける個々のアミノ酸
残基の重要性の急速な決定を可能にし、そして未知の構造のポリペプチドに適用
され得る。
【0106】 さらに、本発明のタンパク質(又はそのポリペプチドフラグメント)は、多機
能分子を提供するために、他の生物活性分子、特に他のサイトカインに連結され
得る。例えば、zalpha 31からの1又は複数のヘリックスは、それらの生物学的
性質、又は生成の効率を増強するために他のサイトカインに連結され得る。
【0107】 従って、本発明は、zalpha 31の1又は複数のヘリックスを含んで成るセグメ
ントがもう1つのポリペプチドに融合されている一連の新規ハイブリッド分子を
提供する。融合は好ましくは、組換え生成システムでのキメラ分子の発現を可能
にするためにDNAレベルでスプライシングすることによって行われる。次に、そ
の得られる分子は、改良された溶解性、改良された安定性、延長されたクリアラ
ンス半減期、改良された発現及び分泌レベル、及び薬物動力学のような性質につ
いてアッセイされる。そのようなハイブリッド分子はさらに、成分タンパク質又
はポリペプチド間に追加のアミノ酸残基(例えば、ポリペプチドリンカー)を含
むことができる。
【0108】 本明細書において論じられる方法を用いて、当業者は、配列番号2,4又は6
の、又は野生型zalpha 31タンパク質の性質を保持する種々のポリペプチドフラ
グメント又は変異体を同定することができ、そして/又は調製することができる
。いずれかのzalpha 31ポリペプチド、例えば変異体及び融合タンパク質に関し
て、当業者は、上記表2及び3に示される情報を用いて、その変異体をコードす
る十分に縮重したポリヌクレオチド配列を容易に生成することができる。
【0109】 タンパク質生成: 本発明のzalpha 31ポリペプチド、例えば十分な長さのポリペプチド、生物学
的に活性のフラグメント及び融合ポリペプチドは、従来の技法に従って、遺伝的
に構築された宿主細胞において生成され得る。適切な宿主細胞は、外因性DNAに
より形質転換又はトランスフェクトされ得、そして培養において増殖され得るそ
れらの細胞型であり、そして細菌、菌類細胞、及び培養された高等真核細胞を包
含する。
【0110】 真核細胞、特に多細胞生物の培養された細胞が好ましい。クローン化されたDN
A分子を操作し、そして種々の宿主細胞中に外因性DNAを導入するための技法は次
の文献に開示される:Sambrool など., Molecular Cloning : A Laboratory Man
ual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N
Y, 1989, 及びAusubel など., eds., Current Protocol in Molecular Biology,
John Wiley and Sons, Ins., NY, 1987。
【0111】 一般的に、本発明のzalpha 31ポリペプチドをコードするDNA配列は、その発現
のために必要とされる他の遺伝子的要素、例えば一般的に、発現ベクター内の転
写プロモーター及びターミネーターに作用可能に連結される。ベクターはまた、
通常、1又は複数の選択マーカー及び1又は複数の複製の起点を含むであろうが
、しかし当業者は、一定のシステム内で、選択マーカーが別のベクター上に供給
され得、そして外因性DNAの複製が宿主細胞ゲノム中への組み込みにより供給さ
れ得ることを認識するであろう。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー
、ベクター及び要素の選択は、当業者のレベルの範囲内の通常のことである。多
くのそのような要素は文献に記載されており、そして商業的供給者を通して入手
できる。
【0112】 Zalpha 31ポリペプチドを、宿主細胞の分泌路中に方向づけるためには、分泌
シグナル配列(又は、シグナル配列、リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列
としても知られている)が、発現ベクターに供給される。分泌シグナル配列は、
zalpha 31の配列であり得、又はもう1つの分泌されたタンパク質(例えばt−PA
)に由来し、又は新たに合成され得る。
【0113】 分泌シグナル配列は、zalpha 31 DNA配列に作用可能に連結され、すなわち2
つの配列は正しく読み取り枠を整合して連結され、そして宿主細胞の分泌経路中
に新しく合成されたポリヌクレオチドを方向づけるように配置される。分泌シグ
ナル配列は通常、興味あるポリペプチドをコードするDNA配列の5’ 側に位置す
るが、但し一定の分泌シグナル配列は、興味あるDNA配列の他の場所に位置する
こともできる(例えば、Welchなど.,アメリカ特許第5,037,743号;Hollandなど.
, アメリカ特許第5,143,830号を参照のこと)。
【0114】 他方では、本発明のポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は、分泌路中に
他のポリペプチドを方向づけるために使用される。本発明はそのような融合ポリ
ペプチドを提供する。シグナル融合ポリペプチドが製造され得、ここで配列番号
2のアミノ酸1(Met)〜アミノ酸19(Asp)のシグナルペプチドをコードする分
泌シグナル配列が当業界において知られている方法及び本明細書に開示される方
法を用いて、ポリペプチドをコードするもう1つのDNAセグメントに作用可能に
連結されている。
【0115】 本発明の融合ポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は好ましくは、分泌路
中い追加のペプチドを方向づけるためにその追加のペプチドにアミノ末端的に融
合される。そのような構造体は、当業界において知られている多くの用途を有す
る。例えば、それらの新規の分泌シグナル配列融合構造体は通常分泌されないタ
ンパク質の活性成分の分泌を方向づけることができる。そのような融合は、分泌
路を通してペプチドを方向づけるためにインビボ又はインビトロで使用され得る
【0116】 培養された哺乳類細胞または、本発明内の適切な宿主である。外因性DNAを 、
哺乳類宿主細胞中に導入するための方法は、リン酸カルシュウム−仲介トランス
フェクション(Wiglerなど., Cell 14 : 725, 1978; Corsaro and Pearson, Som
atic Cell Genetics 7 :603, 1981; Graham など., Virology 52; 456, 1973),
エレクトロポレーション( Neumann など., EMBO J. 1: 841−845, 1982 ); DEAE
−デキストラン仲介トランスフェクション(Ausubel など., 前記)、及びリポ
ソーム−仲介トランスフェクション(Hawley −Nelson など., Focus 15: 73, 1
993; Ciccarone など.,Focus 15: 80, 1993 )を包含する。
【0117】 培養された哺乳類細胞における組換えポリペプチドの生成は、例えばlevinson
など., アメリカ特許第4,713,339 号; Hagen など., アメリカ特許第4,784,950
号; Palmiter など., アメリカ特許第 4,579,821 号; 及びRingold, アメリカ
特許第 4,656,134 号により開示される。培養された適切な哺乳類細胞は、COS−
1(ATCC No. CRL 165)、COS−7(ATCC No. CRL 1651)、BHK(ATCC No. CRL 16
32)、BHK 570 (ATCC No. CRL 10314 )、293(ATCC No. CRL 1573 ; Graham
など., J. Gen. Viro. 36: 59−72, 1977 )、及びチャイニーズ ハムスター卵
巣(例えば CHO−K1; ATCC No. CCL61 )細胞系を包含する。
【0118】 追加の適切な細胞系は当業界において知られており、そして公的な寄託所、例
えば American Type Culture Collection,Manassas,VAから入手できる。一般的
に、強い転写プロモーター、例えばSV−40 又はサイトメガロウィルスからのプ
ロモーターが好ましい。例えば、アメリカ特許第4,956,288 号を参照のこと。他
の適切なプロモーターは、メタロチオネイン遺伝子からのプロモーター(アメリ
カ特許 4,579,821 号及び第 4,601,978 号)、アデノウィルス主要後期プロモー
ターを包含する。
【0119】 薬物選択は一般的に、外来性DNAが挿入されている、培養された哺乳類細胞を
選択するために使用される。そのような細胞は通常、“トランスフェクタント”
として言及される。選択剤の存在下で培養され、そしてそれらの子孫に興味ある
遺伝子を伝達することができる細胞は、“適切なトランスフェクタント”として
言及される。好ましい選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性をコ
ードする遺伝子である。
【0120】 選択は、ネオマイシン型薬物、例えばG−418又は同様のもの存在下で実施され
る。“増幅”として言及される方法である選択システムは、興味ある遺伝子の発
現レベルを高めるためにも使用される。増幅は、低レベルの選択剤の存在下でト
ランスフェクタントを培養し、そして次に、導入された遺伝子の生成物を高レベ
ルで生成する細胞を選択するために選択剤の量を高めることによって実施される
。好ましい増幅可能選択マーカーは、メトトレキセートに対する耐性を付与する
ジヒドロ葉酸レダクターゼである。
【0121】 他の耐薬物性遺伝子(例えば、ヒグロマイシン耐性、複数薬物耐性、ピューロ
マイシン アセチルトランスフェラーゼ)もまた、使用され得る。変更された表
現型を導入する他のマーカー、例えば緑色蛍光タンパク質、又は細胞表面タンパ
ク質、例えばCD4, CD8,クラスI MHC、胎盤アルカリホスファターゼが、FACS分
類又は磁気ビース分離技法のような手段により、トランスフェクトされていない
細胞とトランスフェクトされた細胞とを分類するために使用され得る。
【0122】 他の高等真核細胞、例えば植物細胞、昆虫細胞、及び鳥類細胞もまた、宿主と
して使用され得る。植物細胞において遺伝子を発現するためのベクターとしての
アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes )の使用は、Sin
karなど.、J. Biosci. ( Bangalore ) 11: 47−58, 1987 により再考されている
。昆虫細胞の形質転換、及びそこにおける外来性ポリペプチドの生成は、Guarin
o など.,アメリカ特許第5,162,222号;及びWIPO公開WO94/06463号により公開さ
れる。昆虫細胞は、オートグラファ・カリホルニカ( Autographa californica
)核多角体病ウィルス(AcNPV)に通常由来する組換えバキュロウィルスにより
感染され得る。
【0123】 King, L. A. and Possee, R.D., The Baculovirus Exprossion System: A Lab
oratory Guide, London, Chapman & Hall; O’Reilly, D. R. ., Baculovirus E
xpression Vector: A Laboratory Manual, New York, Oxford University Press
., 1994; 及びRichardson, C. D., Ed., Baculovirus Expression Protocols. M
ethods in Molecular Biology, Totowa, NJ, Humana Press, 1995を参照のこと
。組換えバキュロウィルスを製造するための第2の方法は、Luckow ( Luckow, V
A, など., J. Virol 67: 4566−79, 1993 ) により記載されるトランスポゾンに
基づくシステムを利用する。このシステムは、Bac−to−BacTMキット(Life Te
chnologies, Rockville, MD)として市販されている。
【0124】 このシステムは、“bacmid” と呼ばれる大きなプラスミドとして、E.コリに
維持されるバキュロウィルスゲノム中に、zalpha 31ポリペプチドをコードするD
NAを移動せしめるために、Tn7トランスポゾンを含むトランスファーベクター、p
FastBacI TM (Life Technologies )を利用する。pFastBaclTM トランスファーベ
クターは、興味ある遺伝子、この場合、zalpha 31の発現を誘導するためにAcNPV
ポリヒドリンプロモーターを使用する。
【0125】 しかしながら、pFastBaclTMは相当の程度まで修飾され得る。前記ポリヒドリ
ンプロモーターは、除去され、そしてバキュロウィルス感染において早めに発現
され、そして分泌されたタンパク質を発現するために好都合であることが知られ
ているバキュロウィルス塩基性タンパク質プロモーター(また、Pcor, p6.9又は
MPプロモーターとしても知られている)により置換され得る。Hill−Perkins, M
.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990; Bonning, B.C. な
ど., J. Gen. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk, G. D., and Rapop
ort, B., J. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。
【0126】 そのようなトランスファーベクター構造体においては、塩基性タンパク質プロ
モーターの短いか又は長いバージョンが使用され得る。さらに、昆虫タンパク質
に由来する分泌シグナル配列により天然のzalpha 31分泌シグナル配列を置換し
ているトランスファーベクターが構成さえ得る。例えば、エクジステロイド・グ
ルコシルトランスフェラーゼ(EGT)、ミツバチMelittin (Invitrogen, Carlsba
d, CA) 又はバキュロウィルスgp67(PharMingem, San Diego, CA)は、生来の分
泌シグナル配列を置換するために、構造体に使用され得る。
【0127】 さらに、トランスファーベクターは発現されたzalpha 31ポリペプチドのC−又
はN−末端でエピトープ標識、例えばGlu−Glu エピトープ標識をコードするDNA
とのイン−フレーム融合体を含むことができる(Grussenmeyer, T. など., Peoc
. Natl. Acad. Sci. 82: 7952−6, 1985)。当業界において知られている技法を
用いて、zalpha 31を含むトランスファーベクターにより、E.コリが形質転換さ
れ、そして組換えバキュロウィルスの表示である断続的lacZ遺伝子を含むbacmid
a についてスクリーンされる。
【0128】 組換えバキュロウィルスゲノムを含むbacmid DNA が、通常の技法を用いて単
離され、そしてスポドプテラ・フルギペルダ( Spodoptera frugiperda )細胞
、例えばSf9 細胞をトランスフェクトするために使用される。Zalpha 31を発現
する組換えウィルスが結果的に生成される。組換えウィルス ストックは、当業
者において通常使用される方法により製造される。
【0129】 組換えウィルスは、宿主細胞、典型的には、アワヨトウの幼虫、スポドプテラ
・フルギペルダに由来する細胞系を感染せしめるために使用される。一般的には
、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology: Principles and Applicati
on of Recombinant DNA, ASM Prss, Washington, D.C., 1994を参照のこと。も
う1つの適切な細胞系は、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)に由来するH
igh FiveOTM細胞系(Invitrogen)である(アメリカ特許第5,300,435号)。市販の
血清フリー培地が、細胞を増殖し、そして維持するために使用される。
【0130】 適切な培地は、Sf9細胞のためには、SF900IITM (Life Technologies),又はEST
921TM(Expression Systems); 及びT. ni 細胞のためには、Ex−CellO405TM
JRH Biosciences, Lenza, KS)又はExpress FiveOTM(Life Technologies )であ
る。細胞は、約2〜5×105個の細胞〜1〜2×106個の細胞の接種密度から
増殖され、この時点で、組換えウィルスストックが、0.1〜10,より典型的にはほ
ぼ3の感染の多重度(MCI)で添加される。使用される方法は一般的に、入手で
きる実験用マニュアルに記載されている(King, L. A. and Possee, R. D., 前
記; O’Reilly, D. R. など., 前記;Richardson, C. D., 前記)。上清液から
のzalpha 31ポリペプチドの続く精製は、本明細書に記載される方法を用いて達
成され得る。
【0131】 菌類細胞、例えば酵母細胞はまた、本発明内で使用され得る。これに関して、
特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevi
siae), ピチア・パストリス(Pichia pastoris)及びピチア・メタノリカ(pich
ia methanolica) を包含する。外因性DNAによりS. セレビシアエ細胞を形質転
換し、そしてそれから組換えポリペプチドを生成するための方法は、例えばKawa
saki, アメリカ特許第4,599,311号;Kawasaki など., アメリカ特許第4,931,373
号;Brake, アメリカ特許第4,870,008号;Welchなど., アメリカ特許第5,037,74
3号;及びMurray など., アメリカ特許第4,845,075号により開示される。
【0132】 形質転換された細胞は、選択マーカー、通常、耐薬物性、又は、特定の栄養物
(例えばロイシン)の不在下で増殖する能力により決定される表現型により選択
される。サッカロミセス・セレビシアエへの使用のための好ましいベクターシス
テムは、グルコース含有培地における増殖により形質転換された細胞の選択を可
能にする、Kawasaki など. (アメリカ特許第4,931,373号)により開示されるPOT
1ベクターシステムである。酵母への使用のための適切なプロモーター及びター
ミネーターは、解糖酵素遺伝子(例えば、Kawasaki, アメリカ特許第4,599,311
号;Kingsmanなど., アメリカ特許第4,615,974号;及びBitter, アメリカ特許第
4,977,092 号を参照のこと)及びアルコール デヒドロゲナーゼ遺伝子からのも
のを包含する。
【0133】 また、アメリカ特許第4,990,446 号;第5,063,154号;第5,139,936 号;及び
第4,661,454号を参照のこと。他の酵素、例えばハンセヌラ・ポリモルファ(Han
senula polymorpha)、シゾサッカロミセス・ポンベ( Schizosaccharomyces po
mbe )、クルイベリミセス・ラクチス( Kluyveromyces lactis )、クルイベリ
ミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis )、ウスチラゴ・マイジス(Us
tilago maydis )、ピチア・パストリス( Pichia pastoris )、ピチア・メタ
ノリカ(Pichia methanolica)、ピチア・グイレルモンジ( Pichia guillermon
dii )、及びカンジタ・マルトサ(Candida maltosa )のための形質転換システ
ムは、当業界において知られている。
【0134】 例えば、Gleeson など., J. Gen. Microbiol. 132: 3459−3465, 1986 及びCr
egg, アメリカ特許第4,882,279 号を参照のこと。アスペルギラス細胞は、Mckni
ght など.,アメリカ特許第4,935,349号の方法に従って使用され得る。アクレモ
ニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum)を形質転換するための方法は
、Sumino ., アメリカ特許第5,162,228号により開示される。ニューロスポラ(N
eurospora)を形質転換するための方法は、Lambowitz, アメリカ特許第4,486,53
3号により開示される。
【0135】 組換えタンパク質の生成のための宿主としてのピチア・メタノリカの使用は、
WIPO公開WO97/17450, WO97/17451、WO98/02536及びWO98/02565に開示される
。P.メタノリカの形質転換に使用するためのDNA分子は通常、形質転換の前、好
ましくは線状化される、二本鎖の環状プラスミドとして調製されるであろう。P.
メタノリカにおけるポリペプチド生成のためには、プラスミドにおけるプロモー
ター及びターミネーターは、P.メタノリカ遺伝子、例えばP.メタノリカ アルコ
ール利用遺伝子(AUG1又はAUG2)のものであることが好ましい。他の有用なプ
ロモーターは、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ギ酸デヒドロゲナー
ゼ(FMD)、及びカタラーゼ(CAT)遺伝子のものを包含する。
【0136】 宿主染色体中へのDNAの組み込みを促進するためには、宿主DNA配列を両端に有
するプラスミドの完全な発現セグメントを有することが好ましい。ピチア メタ
ノリカへの使用のための好ましい選択マーカーは、アデニンの不在下でade2宿主
細胞の増殖を可能にする、ホスホリボシル−5−アミノイミダゾールカルボキシ
ラーゼ(AIRC; EC. 4.1.1.21)をコードするP.メタノリカADE2遺伝子である。メ
タノールの使用を最少にすることが所望される大規模産業方法のためには、両メ
タノール利用遺伝子(AUG1及びAUG2)が欠失されている宿主細胞を使用するこ
とが好ましい。分泌されたタンパク質の生成のためには、液胞プロテアーゼ遺伝
子(PEP4及びPRB1)を欠いている宿主細胞が好ましい。
【0137】 エレクトロポレーションが、P.メタノリカ細胞中への、興味あるポリペプチド
をコードするDNAを含むプラスミドの導入を促進するために使用される。2.5〜4.
5kV/cm,好ましくは約3.75kV/cmの電場の強さ、及び1〜40m秒、最も好ましくは約
20m秒の時定数(t)を有する、指数的に減衰する、パルスされた電場を用いて、
エレクトロポレーションによりP.メタノリカ細胞を形質転換することが好ましい
【0138】 原核宿主細胞、例えば細菌E.コリ、バシラス及び他の属の菌株はまた、本発明
において有用な宿主細胞である。それらの宿主を形質転換し、そしてそこにクロ
ーン化される外来性DNA配列を発現するための技法は、当業界において良く知ら
れている(例えば、Sambrookなど., 前記を参照のこと)。細菌、例えばE.コリ
においてzalpha 31ポリペプチドを発現する場合、そのポリペプチドは、典型的
には不溶性顆粒として細胞質に保持され得、又は細菌の分泌配列により細胞周辺
腔に向けられ得る。前者の場合、細胞は溶解され、そして顆粒が回収され、そし
て例えばグアニジンイソチオシアネート又はウレアを用いて変性される。
【0139】 次に、変性されたポリペプチドが再生され、そして例えばウレア、及び還元さ
れた及び酸化されたグルタチオンの組み合わせの溶液に対する透析、続く緩衝溶
液に対する透析により、前記変成体を希釈することによってニ量体化され得る。
後者の場合、ポリペプチドは、細胞周辺腔の内容物を開放するために細胞を破壊
し(例えば、音波処理又は浸透ショックにより)、そしてタンパク質を回収する
ことによって、細胞周辺腔から可溶性及び機能性形で回収され、それにより、変
性及び再生のための必要性を回避することができる。
【0140】 形質転換され又はトランスフェクトされた宿主細胞は、選択された宿主細胞の
増殖のために必要とされる栄養物及び他の成分を含む培養培地において、従来の
方法に従って培養される。種々の適切な培地、例えば定義された培地及び複合培
地は、当業界において知られており、そして一般的には、炭素源、窒素源、必須
アミノ酸、ビタミン及び鉱物を含む。培地はまた、必要とされる場合、成長因子
又は血清のような成分も含むことができる。増殖培地は一般的に、外因的に付加
されたDNAを含む細胞を、例えば発現ベクター上に担持される選択マーカーによ
り補足され、又は宿主細胞中に同時トランスフェクトされる必須栄養物における
薬物選択又は栄養欠乏により選択するであろう。
【0141】 P.メタノリカ細胞は適切な炭素源、窒素源及び微量栄養物を含んでなる培地に
おいて、約25℃〜35℃の温度で培養される。液体培養物は、従来の手段、例
えば小さなフラスコの振盪又は発酵器のスパージングにより十分なエアレーショ
ンを提供される。P.メタノリカのための好ましい培養培地は、YEPD(2%D−グ
ルコース、2%のBactoTMペプトン(Difco Laboratories, Detroit, MI), 1%の
BactoTM 酵母抽出物(Difco Laboratories), 0.004%のアデニン及び0.006%の
L−ロイシン)である。
【0142】 本発明のもう1つの態様は、本発明のzalpha 31ポリペプチドのエピトープ−担
持部分を含んで成るペプチド又はポリペプチドを提供する。このポリペプチド部
分のエピトープは、本発明のポリペプチドの免疫原性又は抗原性エピトープであ
る。抗体が結合することができるタンパク質の領域は、“抗原性エピトープ”と
して定義される。例えば、Geysen, H. M. など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA
81: 3998-4002 (1984) を参照のこと。
【0143】 抗原性エピトープ(すなわち、抗体が結合できるタンパク質又は分子の領域を
含む)を担持するペプチド又はポリペプチドの選択に関しては、タンパク質配列
の一部を模倣する比較的短い合成ペプチドが部分的に模倣されたタンパク質と反
応する抗血清を通常、誘発できることは、当業界において良く知られている。Su
tcliffe, J. G. など., Science 219: 660-666 (1983) を参照のこと。
【0144】 タンパク質反応性血清を誘発できるペプチドは、しばしばタンパク質の一次配
列で表され、1組の単純な化学規則により特徴づけられ得、そして損なわれてい
ないタンパク質の免疫優性領域(すなわち、免疫原性エピトープ)にも、又はア
ミノ又はカルボキシル末端にも制限されない。極端に疎水性であるペプチド及び
6個又はそれよりも少ない残基のペプチドは、一般的に、模倣されたタンパク質
に結合する抗体の誘発において無効果であり;より長い可溶性ペプチド、特にプ
ロリン残基を含むそれらのペプチドが通常、効果的である。
【0145】 従って、本発明の抗原性エピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは、本
発明のポリペプチドに対して特異的に結合する抗体、例えばモノクローナル抗体
を生ぜしめるために有用である。本発明の抗原性エピトープ−担持のペプチド又
はポリペプチドは、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列内に含まれる、少なく
とも9個、好ましくは15〜約30個のアミノ酸配列を含む。しかしながら、本発明
のポリペプチドの全アミノ酸配列の30〜50個のアミノ酸、又は全アミノ酸までの
いずれかの長さのアミノ酸を含む、本発明ののアミノ酸配列の大きな部分を含ん
で成るペプチド又はポリペプチドはまた、タンパク質と反応する抗体を誘発する
ためにも有用である。
【0146】 好ましくは、エピトープ担持のペプチドのアミノ酸配列は、水性溶媒における
実質的な溶解性を提供するよう選択され(すなわち、配列は比較的親水性の残基
を含み、そして疎水性残基は好ましくは回避される);そしてプロリン残基を含
む配列が特に好ましい。配列列挙に示されるポリペプチドのすべては、本発明に
従って使用されるべき抗原性エピトープを含むが、しかしながら特別に企画され
た抗原性エピトープは、例えば(1)配列番号2のアミノ酸残基11(Thr)〜20
(Asp);(2)配列番号2のアミノ酸残基60(Ser)〜64(Lys);(3)配列
番号2のアミノ酸残基88(Ser)〜96(Gln);(4)配列番号2のアミノ酸残基
127(Ala)〜135(Lys);及び(5)配列番号2のアミノ酸残基127(Ala)〜13
9(Leu)を含んで成る、Jameson-Wolfプロットから推定されるペプチドを包含す
る。
【0147】 タンパク質単離: 本発明のポリペプチドを80%以上の純度、より好ましくは90%以上の純度、さ
らに好ましくは95%以上の純度に精製することが好ましく、そして汚染性高分子
、特に他のタンパク質及び核酸に対して、99.9%以上の純度であり、そして感染
性及び発熱性剤を有さない医薬的に純粋な状態が特に好ましい。好ましくは、精
製されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に動物起源の他のポリペプチド
を実質的に有さない。
【0148】 発現された組換えzalpha 31ポリペプチド(又はキメラzalpha 31ポリペプチド
)は、分別及び/又は従来の精製方法及び媒体を用いて精製され得る。硫酸アン
モニウム沈殿及び酸又はカオトロピック剤抽出は、サンプルの分別のために使用
される。典型的な精製段階は、ヒドロキシアパタイト、サイズ排除、FPLC及び逆
相高性能液体クロマトグラフィーを包含する。適切なクロマトグラフィー用媒体
は、誘導体化されたデキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミ
ド、特別なシリカ及び同様のものを包含する。PEI、DEAE、QAE及びQ誘導体が好
ましい。
【0149】 典型的なクロマトグラフィー用媒体は、フェニル、ブチル又はオクチル基によ
り誘導体化されたもの、例えばフェニル−Sepharose FF(pharmacia),Toyopearl
ブチル650(Toso Haas, Montgomeryville, PA)、オクチル−Sepharrose (Pharm
acia)及び同様のもの;又はポリアクリル樹脂、例えばAmberchrom CG71 (Toso H
aas)及び同様のものを包含する。適切な固体支持体は、ガラスビーズ、シリカ基
材の樹脂、セルロース樹脂、アガロースビーズ、架橋されたアガロースビーズ、
ポリスチレンビーズ、架橋されたポリアクリルアミド樹脂及びそれらが使用され
る条件下で不溶性である同様のものを包含する。それらの支持体は、アミノ基、
カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基及び/又は炭水化物成分に
よるタンパク質の結合を可能にする反応性基より変性され得る。
【0150】 カップリング化学物質の例は、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイ
ミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性化及び
カルボジイミド カップリング化学物質のためのカルボキシル及びアミノ誘導体
を包含する。それらの及び他の固体媒体は当業界において良く知られており、そ
して広く使用されており、そして商業的供給者から入手できる。支持媒体にリガ
ンド又は受容体ポリペプチドを結合するための方法は当業界において良く知られ
ている。特定方法の選択は、通常のことであり、そして選択された支持体の性質
により一部決定される。例えば、Affinity Chromatograpy: Principles & Metho
ds, Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988を参照のこと。
【0151】 本発明のポリペプチドは、それらの構造及び生物学的性質の活用により単離さ
れ得る。例えば、固定された金属イオン吸着(IMAC)クロマトグラフィーが、ヒ
スチジンに富んでいるタンパク質、及びポリヒスチジン標識を含んでなるそれら
のタンパク質を精製するために使用され得る。手短に言及すれば、ゲルがまず、
二価金属イオンにより荷電され、キレートが形成される( Sulkowski, Trends in
Biochem. 3: 1−7, 1985)。ヒスチジンに富んでいるタンパク質が、使用される
金属イオンに依存して、異なった親和性を有するこのマトリックスに吸着され、
そして競争溶出、pHの低下、又は強いキレート化剤の使用により溶出されるで
あろう。
【0152】 他の精製方法は、レクチン親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマト
グラフィーによるグリコシル化されたタンパク質の精製を包含する(Methods in
Enzymol., Vol. 182, “Guide to Protein Purification”, M. Deutscher, (
ed.), Acad. Press, San Diego, 1990, pp. 529−39)。本発明のさらなる態様
においては、興味あるポリペプチド、及び親和性標識(例えばマルトース−結合
タンパク質、FLAG標識、Glu-Gku標識、免疫グロブリンドメイン)の融合体が、
精製を促進するために構成され得る。
【0153】 さらに、当業界において記載される方法を用いて、ポリペプチド融合体又はハ
イブリッドzalpha 31タンパク質が、本発明のzalpha 31の領域又はドメインを用
いて構成される(Sambrook など., 前記;Altschul など., 前記;Picard, Cur.
Opin. Biology, 5: 511-5, 1994及びそれらにおける引例)。それらの方法は、
興味あるポリペプチドにおける大きなドメイン又は領域の生物学的重要性の決定
を可能にする。そのようなハイブリッドは、反応運動学、結合を変更し、基質特
異性を抑制し、又は拡張し、又はポリペプチドの組織及び細胞局在性を変更し、
そして未知の構造のポリペプチドに適用される。
【0154】 融合タンパク質は、その融合タンパク質の個々の成分を調製し、そしてそれら
を化学的に接合することによって、当業者に知られている方法により調製され得
る。他方では、正しく読み取り枠を整合して融合タンパク質の両成分をコードす
るポリヌクレオチドは、既知の技法を用いて生成され、そして本明細書に記載さ
れる方法により発現され得る。例えば、生物学的機能を付与するドメインの一部
又はすべてが、本発明のzalpha 31と、もう1つのファミリーメンバー、例えばI
L-2、IL-4、又はGM-CSF、又は他の4−ヘリックス束サイトカインファミリーメ
ンバーからのその機能的に同等のドメインとの間で交換され得る。
【0155】 そのようなドメインは次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されな
い:分泌シグナル配列;ヘリックスA〜D、保存され、そして有意なドメイン、又
はこのファミリーにおける領域。そのような融合タンパク質は、構成される融合
体に依存して、本発明のポリペプチド又は他の既知のファミリータンパク質と同
じか又は類似する生物学的機能プロフィールを有することが予測される。さらに
、そのような融合タンパク質は、本明細書に開示されるように、他の性質も示す
ことができる。
【0156】 本明細書において論じられる方法を用いて、当業者は、配列番号2の残基1〜
142又は20〜142に対して実質的に類似する配列同一性を有する種々のポリペプチ
ド、又はそれらの機能的フラグメント及び融合体を同定し、そして/又は調製す
ることができ、ここでそのようなポリペプチド、又はそのフラグメント又は融合
体は、野生型タンパク質の性質、例えば、増殖、分化を刺激し、特殊化された細
胞機能を誘発し、又は細胞又はzalpha 31受容体又は抗−zalpha 31抗体を結合す
る能力を保持する。
【0157】 標準の分子生物学及びクローニング技法が、zalpha 31ポリペプチドと、それ
らが融合されるそれらのポリペプチドとの間の同等のドメインを交換するために
使用され得る。一般的に、興味あるドメイン、例えばzalpha 31ヘリックスA〜D
、又は本明細書に記載されるモチーフをコードするDNAセグメントが、追加のポ
リペプチドをコードする少なくとも1つの他のDNAセグメントに読み取り枠を接
合して作用可能に結合され、そして本明細書に記載されるように、適切な発現ベ
クター中に挿入される。
【0158】 一般的に、DNA構造体は、ポリペプチドのその対応する領域をコードするいく
つかのDNAセグメントが、完全な融合タンパク質又はその機能的部分をコードす
る単一の構造体を製造するために読み取り枠を整合して、作用可能に連結される
ように、製造される。例えば、DNA構造体は、N−末端からC−末端側に、シグナ
ルポリペプチド、続いて成熟ポリペプチドを含んで成る融合タンパク質をコード
し;又は、DNA構造体は、N−末端からC−末端側に、シグナルポリペプチド、続
いてヘリックスA、ヘリックスB、ヘリックスC、ヘリックスD、又はもう1つのタ
ンパク質からの同等の領域により交換されるものを含んで成る融合タンパク質を
コードする。そのような融合タンパク質は、本明細書に記載されるように、発現
され、単離され、そして活性についてアッセイされ得る。
【0159】 Zalpha 31ポリペプチド又はそのフラグメントはまた、化学的合成を通して調
製され得る。Zalpha 31ポリペプチドはモノマー又はマルチマーであり得;グリ
コシル化されても又はグリコシル化されなくても良く;ペルギレ−ト化されても
又はペルギレ−トされなくても良く;そして開始メチオニンアミノ酸残基を含ん
でも又は含まなくても良い。
【0160】 本発明のポリペプチドはまた、排除固相合成、部分固相合成、フラグメント縮
重又は従来の溶液合成により合成され得る。ポリペプチドを合成するための方法
は、当業界において良く知られている。例えば、Merrifield, J. Am. Chem. Soc
. 85: 2149, 1963; Kaiserなど., Anal. Biochem. 34: 585,1970を参照のこと。
固体支持体上での所望するペプチドの完全な合成の後、ペプチド−樹脂は、その
樹脂からポリペプチドを分解する試薬と共に存在し、そしてほとんどの側鎖保護
基を除去する。そのような方法は、当業界において十分に確立されている。本発
明の分子の活性は、シグナルトランスダクション、Ig結合又はcAMPモジュレーシ
オンを側定する種々のアッセイを用いて測定され得る。そのようなアッセイは、
当業界において良く知られている。一般的な文献については、Nihei, Y., 前記
;及びRindisbacher, L., など., 前記を参照のこと。
【0161】 アッセイ: 本発明の分子の活性は、種々のアッセイを用いて測定され得る。精巣における
ステロイド生成、精子形成、視床下部におけるLH及びFSH生成及びGnRHの変化が
特に興味あることである。
【0162】 本発明のタンパク質は、例えば、精子生成の上昇、甲状腺、副腎、リンパ、炎
症、脾臓、血液又は骨疾患の処理において有用であり、そして培養された細胞を
用いてインビトロで、又は適切な動物モデルに本発明の分子を投与することによ
ってインビボで測定され得る。例えば、zalpha 31ポリペプチドの分泌された形
を発現する宿主細胞は、アルギン酸塩環境下で包埋され、そして受容体動物中に
注入(移植)され得る。アルギネート−ポリ−L−リシン微小封入、透過性膜封
入及び拡散チャンバーは、トランスフェクトされた哺乳類細胞又は一次哺乳類細
胞を捕獲するための手段として記載されている。
【0163】 それらのタイプの非免疫原性“封入”は、微小環境への栄養物ノトランスファ
ーを可能にしそして又は、捕獲された細胞により分泌され又は開放されるタンパ
ク質及び他の高分子の受容体動物への拡散を可能にする。最も重要なことには、
カプセル又は微小環境は、受容体動物の免疫応答から外来性の包埋された細胞を
マスクし、そして遮断する。そのような微小環境は、注入される細胞の寿命を、
数時間又は数日(裸細胞)から数週間(包埋された細胞)まで拡張することがで
きる。アルギン酸塩糸は、包埋された細胞を生成するための単純且つ迅速な手段
を提供する。
【0164】 アルギン酸塩糸を生成するために必要とされる材料は、当業者に知られている
。製造されると、そのアルギン酸塩糸は、インビトロで、及びその糸を用いて得
られるデータに基づいて、インビボで、比較的強く且つ耐久性がある。そのアル
ギン酸塩糸は容易に操作でき、そしてその方法論は多くの調製のために評価でき
る。典型的な方法においては、3%のアルギン酸塩が、無菌水において調製され
、そして滅菌濾過される。アルギン酸塩糸の調製の直前、アルギン酸塩溶液が再
び濾過される。約50%の細胞懸濁液(1ml当たり約5×105個〜約5×107
の細胞を含む)が3%アルギン酸塩溶液と共に混合される。
【0165】 1mlのアルギン酸塩/細胞懸濁液が、約15分間にわたって、 100mMの滅菌
濾過されたCacl2 溶液中に押し出され、“糸(Thread)”が形成される。次に、
押し出された糸は、50mMのCacl2の溶液に移され、そして次に25mMのCacl2の溶液
に移される。次に、糸が、脱イオン水によりすすがれ、その後、ポリ−L−リシ
ンの0.01%溶液においてインキュベートすることによって糸を被覆する。最後に
、糸は乳酸塩化されたリンガー溶液によりすすがれ、そして注射器(針のない)
中に溶液から抜き取られる。次に大きな孔の針がその注射器につけられ、そして
糸が最少量の乳酸塩化されたリンガー溶液において受容体中の腹腔内注入される
【0166】 本発明のタンパク質をアッセイするための他のインビボアプローチは、ウィル
ス供給システムを包含する。この目的のための典型的なウィルスは、アデノウィ
ルス、ヘルペスウィルス、ワクシニアウィルス及びアデノ関連ウィルス(AAV)
を包含する。アデノウィルス、すなわち二本鎖DNAウィルスは現在、異種拡散の
供給のための最も研究されている遺伝子トランスファーベクターである(T. C.
Becker など., Meth. Cell Bio. 43: 161−89, 1994; 及びJ. T. Douglas and D
.T. Curiel, Science & Medicine 4: 44−53, 1997 を参照のこと)。
【0167】 アデノウィルスシステムは次のいくつかの利点を付与する:( i )アデノウ
ィルスは比較的大きなDNA挿入体を適応せしめることができ;( ii )高い力価
に増殖され得;( iii )広範囲の哺乳類細胞型を感染せしめ;そして( iv )
多数の異なったプロモーター、例えば偏在する、組織特異的、及び調節可能なプ
ロモーターと共に使用され得る。また、アデノウィルスは血流において安定して
いるので、それらは静脈内注射により投与され得る。
【0168】 アデノウィルスゲノムの一部が欠失されているアデノウィルスを用いて、直接
的な結合により又は同時トランスフェクトされたプラスミドとの相同組換えによ
り、ウィルスDNA中に組み込まれ得る。典型的なシステムにおいては、必須E1遺
伝子がウィルスベクターから欠失され、そしてウィルスは、E1遺伝子が宿主細
胞(ヒト293細胞系が典型である)により供給されなければ、複製しないであろ
う。損なわれていない動物に静脈内投与される場合、アデノウィルスは主に、肝
臓を標的化する。
【0169】 アデノウィルス供給システムがE1遺伝子欠失を有する場合、ウィルスは宿主
細胞において複製することができない。しかしながら、宿主の組織(例えば、肝
臓)は、異種タンパク質を発現し、そしてプロセッシングするのであろう(そし
て、分泌シグナル配列が存在する場合、分泌する)。分泌されたタンパク質は高
く血管化された肝臓において循環に入り、そして感染された動物に対する効果が
決定され得る。
【0170】 さらに、ウィルス遺伝子の種々の欠失を含むアデノウィルスベクターは、その
ベクターに対する免疫応答を低めるか又は排除するために使用され得る。そのよ
うなアデノウィルスは、E1−欠失され、そしてさらに、E2A又はE4の欠失を含む
(Luskyなど., J. Virol. 72: 2022 (1998); Raper など., Human Gene Therapy
9: 671 (1998))。さらに、E2bの欠失はまた、免疫応答を低めることが報告さ
れている(Amalfitanoなど., J. Virol. 72:926 (1998))。さらに、完全なアデ
ノウィルスゲノムを欠失することによって、異種DNAの非常に大きな挿入体が収
容され得る。すべてのウィルス遺伝子が欠失されている、いわゆる“不活性(gu
tless)”アデノウィルスの生成は、異種DNAの大きな挿入体の挿入のために特に
好都合である(Yeh and Perricaudet, FASEB J. 11: 615 (1997) を参照のこと
)。
【0171】 アデノウィルスシステムはまた、インビトロでのタンパク質生成のためにも使
用され得る。アデノウィルス感染された非−293細胞を、その細胞が急速に分裂
しないような条件下で培養することによって、前記細胞は長時間、タンパク質を
生成することができる。例えば、BHK細胞は、細胞工場において集密性まで増殖
され、次に興味ある分泌されたタンパク質をコードするアデノウィルスベクター
に暴露される。次に、細胞が、有意な細胞分裂を伴わないで、感染された細胞の
数週間の生存を可能にする血清フリー条件下で増殖せしめられる。
【0172】 他方では、アデノウィルスベクター感染された293S細胞が、有意な量のタンパ
ク質を生成するために、比較的高い細胞密度で、付着細胞として、又は懸濁培養
において増殖せしめられ得る( Garnier など., Cytotechnol. 15: 145−55, 19
94 を参照のこと)。いずれかのプロトコールにより、発現され、分泌された異
種タンパク質が、細胞における発現されたタンパク質の素因に依存して、細胞培
養物上清液、溶解物又は、膜画分から反復して単離され得る。感染された293S
細胞生成プロトコールにおいては、分泌されていないタンパク質が効果的に得ら
れる。
【0173】 本発明の分子の活性は、細胞の増殖及び/又はその細胞への結合を側定する種
々のアッセイを用いて測定され得る。Zalpha 31−依存性細胞における変化が特
に興味の対象である。Zalpha 31−依存性である構築され得るべき適切な細胞系
は、IL-3−依存性BaF3細胞系(Palacios and Steinmetz, Cell 41: 727-734, 19
85; Mathey-Prevot など., Mol. Cell. Biol. 6: 4133-4135, 1986)、FDC−P1
(Hapel など., Blood 64: 786-790, 1984)及びMO7e(Kissなど., Leukemia 7:
235-240, 1993)を包含する。
【0174】 しかしながら、他の成長因子−依存性細胞系、例えばFDC-P1(Hapel など., B
lood64: 786-790, 1984 )及びMO7e(Kissなど., Leukemia7: 235-240, 1993)
が、この目的のために適切である。成長因子−依存性細胞系は、公開された方法
(例えば、Greenbergerなど., Leukemia Res. 8: 363-375, 1984; Dexterなど.,
in Baum など., Eds., Expermental Hematology Toda, 8th ann. Mtg. Int. So
c. Exp. Hematol. 1979, 145-156, 1980)に従って確立され得る。
【0175】 本発明のタンパク質は、造血機能及び免疫機能の関連する恒常性の細胞の特殊
化された細胞機能の増殖、活性化、分化及び/又は誘発又は阻害を刺激するため
に有用である。特に、zalpha 31ポリペピチドは、造血系の細胞、例えばT細胞、
B細胞、NK細胞、樹状細胞、単球及びマクロファージ、並びに上皮細胞(但し、
それらだけには限定されない)の特殊化された細胞機能の増殖、活性化、分化、
誘発又は阻害を刺激するために有用である。造血細胞の増殖及び/又は分化は、
培養された細胞を用いてインビトロで、又は本発明の分子を適切な動物モデル中
に投与することによって、インビトロで測定され得る。細胞増殖又は分化を測定
するアッセイは、当業者において良く知られている。
【0176】 たとえば、増殖を測定するアッセイは、次のようなアッセイを包含する:中性
赤色素に対する化学感受性(Caranaugh など., Investigational New Drags 8:
347-354, 1990; 引用により本明細書に組み込まれる)、放射性ラベルされたヌ
クレオチドの組み込み(CooK など., Analytical Biochem. 179: 1-7, 1989; 引
用により本明細書に組み込まれる)、増殖する細胞のDNAへの5-ブロモー2’-
デオキシウリジン(BrdU)の組み込み(Porstmann など., J. Immunol. Methods
82: 169-179, 1985; 引用により本明細書に組み込まれる)、及びテトラゾリウ
ム塩の使用(Mosmann, J. Immunol. Methods 65: 55-63, 1983; Alley など., C
ancer Res. 48: 589-601, 198; Marshall など., Growth Reg. 5: 69-84, 1995;
及びScudiero など., Cancer Res. 48: 4827-4833, 1988; すべては引用により
本明書に組み込まれる)。
【0177】 分化を測定するアッセイは、たとえば組織の段階−特異的発現に関連する細胞
表面マーカー、酵素活性、官能的活性、又は形態変化の測定を包含する(Watt,
FASEB 5: 281-284, 1991; Francis, Differentiation 57 : 63-75, 1994; Raes,
Adv. Anim. Cell Biol. Technol. Bioprocesses, 1i61-171, 1989; すべては引
用により本明細書に組み込まれる)。
【0178】 リガンドとして、zalpha 31ポリペプチドの活性が、受容体結合及び続く生理
学的細胞応答に関連する、細胞外酸性化速度又はプロトン排泄を測定する、珪素
に基づくバイオセンサーのマイクロフィジオメーターにより測定され得る。典型
的な装置は、Molecular Devices, Sunnyvale, CAにより製造されるCytosensorTM マイクロフィジオメーターである。種々の細胞応答、例えば細胞増殖、イオン
輸送、エネルギー生成、炎症応答、調節及び受容体活性化及び同様のものが、こ
の方法により測定され得る。例えば、McConnell, H.M.など., Science 257:190
6-1912, 1992; Pitchford, S. など., Meth. Enzymol. 228: 84-108, 1997: Ari
milli, S. など., J. Immunol. Meth. 212: 49-59, 1998; Van Liefde, I. など
., Eur. J. Pharmacol. 346: 87-95, 1998を参照のこと。
【0179】 マイクロフィジオメーターは、付着性又は非付着性真核又は原核細胞をアッセ
イするために使用され得る。時間にわたって細胞培地における細胞外酸性化の変
化を測定することによって、マイクロフィジオメーターは、種々の刺激、例えば
zalpha 31ポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストに対する細胞応答を直
接的に測定する。好ましくは、マイクロフィジオメーターは、zalpha 31ポリペ
プチドに応答しない対照の真核細胞に比較して、zalpha 31−応答性真核細胞の
応答を測定するために使用される。
【0180】 Zalpha 31−応答性真核細胞は、zalpha 31に対して応答性である細胞を創造す
るか、又は天然においてzalpha 31に対して応答性である細胞、例えば小腸、PBL
、又は骨髄組織に由来する細胞を創造する、zalpha 31がトランスフェクトされ
ている細胞を包含する。zalpha 31に暴露されていない対照に比較して、zalpha
31に暴露されている細胞の応答における細胞外酸性化の上昇又は低下により測定
される差異が、zalpha 31−調節された細胞応答の直接的に測定である。さらに
、そのようなzalpha 31−調節された応答は、種々の刺激下でアッセイされ得る
【0181】 マイクロフィジオメーターを用いれば、zalpha 31ポリペプチドに対する応答
性の細胞を供給し、前記細胞の第1部分を試験化合物の不在下で培養し、前記細
胞の第2部分を試験化合物の存在下で培養し、そして前記細胞の第1部分に比較
して、前記細胞の第2部分の細胞応答の上昇又は低下の変化を検出することを含
んでなる、zalpha 31ポリペプチドのアゴニストを同定するための方法が提供さ
れる。細胞応答の変化は、測定できる変化の細胞外酸性化割合として示される。
さらに、zalpha 31ポリペプチドの存在及び試験化合物の不在下での前記細胞の
第3部分の培養が、zalpha 31−応答性細胞のための陽性対照として、及びzalph
a 31ポリペプチドのアゴニスト活性と試験化合物のその活性とを比較するための
対照として使用され得る。
【0182】 さらに、マイクロフィジオメーターを用いれば、zalpha 31ポリペプチドに対
する応答性の細胞を供給し、前記細胞の第1部分をzalpha 31の存在下で及び試
験化合物の不在下で培養し、前記細胞の第2部分をzalpha 31の存在下で及び試
験化合物の存在下で培養し、そして前記細胞の第1部分に比較して、前記細胞の
第2部分の細胞応答の上昇又は低下の変化を検出することを含んでなる、zalpha
31ポリペプチドのアンタゴニストを同定するための方法が提供される。細胞応
答の変化は、測定できる変化の細胞外酸性化割合として示される。zalpha 31ポ
リペプチドのためのアンタゴニスト及びアゴニストは、この方法を用いて急速に
同定され得る。
【0183】 さらに、zalpha 31は、zalpha 31により刺激された経路に対して応答する、細
胞、組織又は細胞系を同定するために使用され得る。上記マイクロフィジオメー
ターは、リガンド−応答細胞、例えば本発明のzalpha 31に対する応答性の細胞
を同定するために使用され得る。細胞は、zalpha 31ポリペプチドの存在又は不
在下で培養され得る。Zalpha 31の存在下で細胞外酸性化の測定できる変化を誘
発するそれらの細胞は、zalpha 31に対して応答性である。そのような細胞系は
、上記のようなzalpha 31ポリペプチドのアンタゴニスト及びアゴニストを同定
するために使用され得る。
【0184】 アンタゴニストはまた、リガンド−受容体相互作用の部位を特徴づけるための
研究試薬として有用である。また、前立腺癌についての処理のためにも有用であ
る。Zalpha 31活性のインヒビター(zalpha 31アンタゴニスト)は、抗−zalpha
31抗体、及び可溶性zalpha 31受容体、並びに他のペプチド及び非ペプチド剤(
例えば、リボザイム)を包含する。
【0185】 zalpha 31はまた、その活性のインヒビター(アンタゴニスト)を同定するた
めにも使用され得る。試験化合物は、zalpha 31の活性を阻害する化合物を同定
するために、本明細書に開示されるアッセイに添加される。本明細書に開示され
るそれらのアッセイの他に、サンプルは、受容体結合を測定するよう企画された
種々のアッセイ内のzalpha 31活性の阻害、又はzalpha 31−依存性細胞応答の刺
激/阻害について試験され得る。例えばzalpha 31−応答性細胞系は、zalpha 31
−刺激された細胞経路に応答するレポーター遺伝子構造体によりトランスフェク
トされ得る。
【0186】 このタイプのレポーター遺伝子構造体は、当業界において知られており、そし
て一般的に、アッセイできるタンパク質、例えばルシフェラーゼをコードする遺
伝子に作用可能に連結されるzalpha 31−DNA応答要素を含むであろう。DNA応答
要素は、サイクリックAMP応答要素(CRE)、ホルモン応答要素(HRE)、インス
リン応答要素(IRE)(Nasrin など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 5273−
7, 1990)及び血清応答要素(SRE)(Shaw など., Cell 56: 563−72, 1989)を
包含するが、但しそれらだけには限定されない。サイクリックAMP応答要素は、R
oestler など., J. Biol. Chem. 263 (19): 9063−6, 1988及びHabener, Molec.
Endocrinol. 4 (8): 1087−94, 1990に再考される。
【0187】 ホルモン応答要素は、Beato, Cell 56: 335−44l, 1989に再考される。候補体
化合物、溶液、混合物又は抽出物は、レポーター遺伝子発現のzalpha 31刺激の
低下により明らかなように、標的細胞に対するzalpha 31の活性を阻害する能力
について試験される。このタイプのアッセイは、細胞−表面受容体に結合するza
lpha 31を直接的にブロックする化合物、及びこの受容体−リガンド結合に続く
細胞経路における工程をブロックする化合物を検出するであろう。
【0188】 他方では、化合物又は他のサンプルが、検出できるラベル(例えば125I、 ビ
オチン、ホースラディシュ ペルオキシダーゼ、FITC、及び同様のもの)により
標識されるzalpha 31を用いて、受容体へのzalpha 31結合の直接的なブロッキン
グについて試験され得る。このタイプのアッセイにおいては、受容体へのラベル
されたzalpha 31の結合を阻害する試験サンプルの能力は、二次アッセイを通し
て確かめられ得る阻害活性の表示である。結合アッセイ内に使用される受容体は
、細胞受容体、又は単離され、固定された受容体であり得る。
【0189】 Zalpha 31ポリペプチドは、免疫グロブリンH鎖不変領域、典型的には2つの不
変領域ドメインを含み、そして可変領域を欠いているFcフラグメントとの融合体
として発現され得る。そのような融合体を調製するための方法は、アメリカ特許
第5,155,027号及び第5,567,584号に開示される。そのような融合体は典型的には
、マルチマー分子として分泌され、ここで前記分子においては、Fc部分はお互い
にジスルフィド結合され、そして2つの非Igポリペプチドはお互いに接近して配
列されている。このタイプの融合体は、リガンドを精製するために使用され得る
。アッセイへの使用のためには、キメラは、Fc領域を通して支持体に結合され、
そしてELISA形に使用される。
【0190】 Zalpha 31リガンド−結合ポリペプチドはまた、リガンドの精製のためにも使
用される。znssp2ポリペプチドは、固体支持体、例えばアガロース、架橋された
アガロース、ガラス、セルロース樹脂、シリカ基材の樹脂、ポリスチレン、架橋
されたポリアクリルアミド又は使用の条件下で安定している同様の材料のビーズ
上に固定される。
【0191】 固体支持体にポリペプチドを結合するための方法は、当業界において知られて
おり、そしてアミン化学、臭化シアノゲン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミ
ド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化及びヒドラジド活性化を包
含する。得られる媒体は一般的に、カラムの形で形状化され、そしてリガンドを
含む流体が、受容体ポリペプチドへのリガンドの結合を可能にするために、カラ
ムに1又は複数回、通される。次に、リガンドが、塩濃度の変化、カオトロピッ
ク剤(グアニジンHCl)、又はリガンド−受容体結合を破壊するpHを用いて溶出
される。
【0192】 リガンド−結合受容体(又は抗体、補体/抗補体対の1つのメンバー)、又はそ
の結合フラグメント、及び市販のバイオセンサー装置(BIAcore, Pharmacia Bio
sensor, Piscataway, NJ)を用いるアッセイシステムが、好都合には、使用され
得る。そのような受容体、抗体、補体/抗補体対のメンバー、又はフラグメント
は、受容体チップの表面上に固定される。この装置の使用は、Karlsson, J. Imm
unol. Methods 145: 229−40, 1991 及びCunningham and Wells, J. Mol.Biol.
234: 554−63,1993により開示される。
【0193】 受容体、抗体、メンバー又はフラグメントは、アミン又はスルフヒドリル化学
を用いて、流動細胞内の金フィルムに結合されるデキストラン繊維に共有結合さ
れる。試験サンプルが細胞に通される。リガンド、エピトープ又は補体/抗補体
対の反対のメンバーがサンプルに存在する場合、それは、それぞれ固定された受
容体、抗体又はメンバーに結合し、金フィルムの表面のプラズモン共鳴の変化と
して検出される、媒体の屈折率の変化を引き起こす。このシステムは、オン−及
びオフ−速度の決定を可能にし、これから、結合親和性が計算され、そして結合
の化学量の評価が可能にされる。
【0194】 リガンド−結合受容体ポリペプチドはまた当業界において知られている他のア
ッセイシステム内でも使用され得る。そのようなシステムは、結合親和性の決定
のためのスカチャード分析(Scatchard, Ann. NY. Acad. Sci. 51:660−72, 194
9)及び熱量測定アッセイ(Cunningham など., Science 253: 545−48, 1991; C
unningham など., Science 245: 821−25, 1991)を包含する。
【0195】 Zalpha 31ポリペプチドはまた、zalpha 31エピトープ、ペプチド又はポリペプ
チドに特異的に結合する抗体を調製するためにも使用され得る。Zalpha 31ポリ
ペプチド又はそのフラグメントは、動物を接種し、そして免疫応答を誘発するた
めの剤(免疫原)として作用する。当業者は、抗原性エピトープ担持のポリペプチ
ドがzalpha 31ポリペプチド(例えば、配列番号2)の少なくとも6、好ましく
は少なくとも9及びより好ましくは少なくとも15〜約30個の連続したアミノ酸残
基を含むことを認識するであろう。Zalpha 31ポリペプチドの大きな部分、すな
わちアミノ酸配列の30〜100個の残基〜その全体の長さの残基を含んでなるポリ
ペプチドが含まれる。
【0196】 抗原又は免疫原エピトープはまた、本明細書に記載されるように、結合された
標識、アジュバンド及びキャリヤーを含むことができる。適切な抗原は、配列番
号2のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号142(Arg)によりコードされる成
熟zalpha 31ポリペプチド、又は連続した9〜122個のそのアミノ酸フラグメント
を含む。他の適切な抗原は、本明細書に開示されるように、αヘリックスドメイ
ン、細胞外ドメイン、モチーフ、領域、エピトープ、等を包含する。抗原として
使用するための好ましいペプチドは、親水性ペプチド、例えば疎水性プロットか
ら、当業者により推定されるそれらのペプチドである。Zalpha 31親水性ペプチ
ドは、例えば埋もれたG、S及びT、及び暴露されたH、Y及びW残基が無視される、
スライド性6−残基鏡に基づいて、Hopp/Woods親水性プロフィールから決定され
る、それらの予測される6個のアミノ酸抗原性エピトープから成る群から選択さ
れたアミノ酸配列を含んで成るペプチドを包含する。
【0197】 例えば、zalpha 31においては、適切な親水性領域は、 (1)配列番号2のアミノ酸残基14(Asp)〜19(Asp); (2)配列番号2のアミノ酸残基26(Ala)〜31(Glu); (3)配列番号2のアミノ酸残基27(Glu)〜32(Pro); (4)配列番号2のアミノ酸残基136(Tyr)〜141(Lys);及び (5)配列番号2のアミノ酸残基137(Lys)〜142(Arg)を包含する。
【0198】 適切な親水性ペプチドはまた、Jameson-Wolfプロットから推定されるそれらの
抗原性エピトープも包含し、そして (1)配列番号2のアミノ酸残基11(Thr)〜20(Asp); (2)配列番号2のアミノ酸残基60(Ser)〜64(Lys); (3)配列番号2のアミノ酸残基88(Ser)〜96(Gln); (4)配列番号2のアミノ酸残基127(Als)〜135(Lys);及び (5)配列番号2のアミノ酸残基127(Ala)〜139(Leu)を包含する。
【0199】 それらの抗原による動物の接種により生成される免疫応答からの抗体は、本明
細書に記載のようにして単離され、そして精製され得る。ポリクローナル及びモ
ノクローナル抗体を調製し、そして単離するための方法は、当業界において良く
知られている。例えば、Current Protocols in Immunology, Cooligan, など.,
(eds.), National Institutes of Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995;
Sambrook など., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition,
Cold Spring Harbor, NY, 1989; 及びHurrell, J.G.R., Ed., Monoclonal Hybri
doma Antibodies: Techniques and Applications, CRC Press, Inc., Boca Rato
n, FL, 1982 を参照のこと。
【0200】 当業者に明らかなように、ポリクローナル抗体は、種々の温血動物、例えば馬
、ウシ、ヤギ、羊、犬、鶏、ウサギ、マウス、及びラットを、zalpha 31ポリペ
プチド又はそのフラグメントにより接種することにより生成され得る。Zalpha 3
1ポリペプチドの免疫性は、アジュバント、例えばミヨウバン(水酸化アルミニ
ュウム)又はフロイント完全又は不完全アジュバントの使用により高められ得る
【0201】 免疫化のために有用なポリペプチドはまた、免疫グロブリン ポリペプチド又
はマルトース結合タンパク質との融合体ポリペプチド、例えばzalpha 31又はそ
の一部の融合体を包含する。ポリペプチド免疫原は、十分な長さの分子又はその
一部であり得る。ポリペプチド部分が“ハプテン−様”である場合、そのような
部分は、免疫化のために、高分子キャリヤー(例えば、カサガイヘモシアニン(
KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)又は破傷風トキソイド)に都合良く連結又は
結合され得る。
【0202】 本明細書で使用される場合、用語“抗体”とは、ポリクローナル抗体、親和性
精製されたポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及び抗原結合フラグメント
、例えばF(ab’)2及びFabタンパク質分解性フラグメントを包含する。遺伝子的
に構築された損なわれていない抗体又はフラグメント、例えばキメラ抗体、Fvフ
ラグメント、一本鎖抗体及び同様のもの、並びに合成抗原結合ペプチド及びポリ
ペプチドもまた包含される。非ヒト抗体は、ヒト骨格及び不変領域上に非ヒトCD
Rのみを移植することによって、又は完全な非ヒト可変ドメインを組み込むこと
によって(任意には、暴露された残基の置換によってヒト−様表面によりそれら
のドメインを“おおう(cloaking)”ことによって;ここで結果物は“張り合わ
された”抗体である)、ヒト適合され得る。
【0203】 多くの場合、ヒト適合された抗体は、正しい結合特性を増強するために、ヒト
可変領域骨格ドメイン内に非ヒト残基を保持することができる。ヒト適合化抗体
を通して、生物学的半減期が高められ、そしてヒトへの投与に基づく有害な免疫
反応の可能性が低められる。さらに、ヒト抗体は、WIPO公開WO98/24893号に開示
されるように、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むよう構築されたトランスジェニ
ック非−ヒト動物において生成される。好ましくは、それらの動物における内因
性免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えにより不活性化されるか又は排除される
【0204】 抗体は、1)それらが限界レベルの結合活性を示す場合、及び2)それらが関
連するポリペプチド分子と有意に交差反応しない場合、特異的に結合すると考え
られる。限界レベルの結合は、本明細書における抗−zalpha 31抗体が対照(非
−zalpha 31)ポリペプチドへの結合親和性よりも少なくとも10倍高い親和性を
伴って、zalpha 31ポリペプチド、ペプチド又はエピトープに結合するかどうか
決定される。好ましくは、抗体は、106M-1又はそれ以上、好ましくは107M-1又は
それ以上、より好ましくは108M-1又はそれ以上、及び最も好ましくは109M-1又は
それ以上の結合親和性(Ka)を示す。抗体の結合親和性は、例えばScatchard 分
析(Scatchard, G., Ann. NY Acad. Sci. 51: 660-672, 1949)を用いて、当業
者によって容易に決定され得る。
【0205】 抗−zalpha 31抗体は関連するポリペプチド分子と有意に交差反応しないかど
うかは、例えば、標準のウェスターンブロット分析を用いて、zalpha 31ポリペ
プチドであるが、しかし知られていない関連するポリペプチドを検出する抗体に
より示される(Ausubel など., 前記)。既知の関連するポリペプチドの例は、
従来技術に開示されているそれらのもの、例えば既知のオルト体及びパラ体、及
びタンパク質ファミリーの類似する既知メンバー(例えば、他の4−ヘリックス
束サイトカイン)である。スクリーニングはまた、非ヒトzalpha 31及びzalpha
31変異体ポチペプチドを用いて行われ得る。さらに、抗体は、zalpha 31ポリペ
プチドに対して特異的に結合する集団を単離するために、既知の関連するポリペ
プチドに“対してスクリーンされ得る”。
【0206】 例えば、zalpha 31に対して生ぜしめられた抗体は不溶性マトリックスに付着
される関連するポリペプチドに吸着され;zalpha 31に対して特異的な抗体は適
切な緩衝液条件下で前記マトリックスを通して流れるであろう。スクリーニング
は、既知の溶接に関連するポリペプチドに対して交差反応しないポリクローナル
及びモノクローナル抗体の単離を可能にする(Antibodies: A Laboratory Manua
l, Harlow and Lane (eds.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988; Cu
rrent Protocols in Immunology, Cooligan, など. (eds.), National Institut
es of Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995)。
【0207】 特異的抗体のスクリーニング及び単離は当業界において当業界において良く知
られている。Fundamental Immunology, Paul (eds.), Raven Press, 1993; Getz
offなど., Adv.in Immunol. 43: 1-98, 1988; Monoclonal Antibodies: Princip
les and Practice, Goding, J.W. (eds.), Academic Press Ltd., 1996; Benjam
in など., Ann. Rev. Immunol. 2: 67-101, 1984を参照のこと。特異的に結合す
る抗−zalpha 31抗体は、当業界において知られており、そして下記に開示され
る多くの方法により検出され得る。
【0208】 当業者に知られている種々のアッセイがzalpha 31タンパク質又はペプチドに
特異的に結合する抗体を検出するために使用され得る。典型的なアッセイは、An
tibodies: A Laboratory Manual, Harlow and lane (Eds.), Cold Speing Harbo
r Laboratory Press, 1988 に詳細に記載されている。そのようなアッセイの代
表的な例は次のものを包含する:同時免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ、ラ
ジオイムノ沈殿、酵素結合の免疫吸着アッセイ(ELISA)、ドットブロット又は
ウェスターンブロットアッセイ、阻害又は競争アッセイ。及びサンドイッチアッ
セイ。さらに、野生型対変異体のzalpha 31タンパク質又はペプチドに結合する
抗体がスクリーンされ得る。
【0209】 本明細書において有用な抗体を生成するか又は選択するための他の技法は、イ
ンビトロで、zalpha 31タンパク質又はペプチドにリンパ球を暴露し、そしてフ
ァージ又は類似するベクターにおける抗体表示ライブラリーを選択すること(例
えば、固定された又はラベルされたzalpha 31タンパク質又はペプチドの作用を
通して)を包含する。可能性あるzalpha 31ポリペプチド結合ドメインを有する
ポリペプチドをコードする遺伝子は、ファージ(ファージ表示)又は細菌、例え
ばE.コリ上に表示されるランダムペプチドライブラリーをスクリーニングする
ことによって得られる。
【0210】 前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、多くの手段、例えばラン
ダム突然変異誘発及びランダムポリヌクレオチド合成を通して得られる。それら
のランダムペプチド表示ライブラリーは、タンパク質又はポリペプチドであり得
る既知の標的物、例えばリガンド又は受容体、生物学的又は合成高分子、又は有
機又は無機物質と相互作用するペプチドについてスクリーンするために使用され
得る。
【0211】 そのようなランダム ペプチド表示ライブラリーを創造し、そしてスクリーニ
ングするための技法は、当業界において知られており(Ladner など., アメリカ
特許第5,223,409 号; Ladner など., アメリカ特許第4,946,778 号; Ladner な
ど., アメリカ特許第5,403,484 号及びLadner など., アメリカ特許第5,571,698
号、及びKayなど., Phage Display of Peputides and Proteins (Academic Pre
ss, Inc. 1996))、そしてランダムペプチド表示ライブラリー及びそのようなラ
イブラリーをスクリーニングするためのキットは、例えばClontech (Palo Alto,
CA), Invitrogen Inc. (San Diego, CA), New England Biolabs, Inc. (Beverl
y, MA) 及びPharmacia LKB Biotechnology Inc. (Piccataway, MJ) から市販さ
れている。
【0212】 ランダムペプチド表示ライブラリーは、zalpha 31に結合するタンパク質を同
定するために、本明細書に開示されるzalpha 31配列を用いてスクリーンされ得
る。zalpha 31ポリペプチドと相互作用するそれらの“結合ポリペプチド”は、
細胞を標識するために;親和性精製により相同体ポリペプチドを単離するために
使用され得る;それらは薬物、トキシン、放射性核種及び同様のものに直接的に
または間接的に接合され得る。それらの結合ポリペプチドはまた、分析方法に、
例えば発現ライブラリーをスクリーニングし、そして活性を中和するために、例
えばリガンドと受容体又は受容体に結合するウィルスとの間の相互作用を阻止し
するためにも使用され得る。
【0213】 結合ポリペプチドはまた、zalpha 31ポリペプチドの循環レベルを決定するた
めに;根本的な病理学又は疾病のマーカーとして可溶性zalpha 31ポリペプチド
を検出し又は定量化するために、診断アッセイにも使用され得る。それらの結合
ポリペプチドはまた、zalpha 31結合及びシグナル トランスダクションをイン
ビトロ及びインビボで阻止するために、zalpha 31“アンタゴニス”として使用
することができる。それらの抗−zalpha 31結合ポリペプチドは、zalpha 31活性
又はタンパク質を阻害するために有用である。
【0214】 Zalpha 31に対する抗体は、zalpha 31を発現する細胞を標識するために;アフ
ィニティー精製によりzalpha 31を単離するために;zalpha 31ポリペプチドの循
環レベルを決定するための診断アッセイのために;根本的な病理学のマーカーと
して可溶性zalpha 31を検出し又は定量化するために;FACS を使用する分析方法
において、発現ライブラリーをスクリーニングするために;抗-インディオタイ
プ抗体を生成するために;及びインビトロ及びインビボでzalpha 31活性を阻止
するための中和抗体又はアンタゴニスとして使用され得る。
【0215】 適切な直接的標識又はラベルは、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビ
ター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子及び同様のものを包含し;間
接的な標識又はラベルは、中間体としてのビオチン−アビジン又は他の補体/抗
−補体対の使用を特徴とする。本発明書における抗体及び結合タンパク質はまた
、薬物、トキシン、放射性核種、及び同様のものに直接的に又は間接的に接合さ
れ得、そしてそれらの接合体はインビボ診断又は治療用途のために使用され得る
。さらに、zalpha 31又はそのフラグメントに対する抗体は、アッセイ、例えば
当業界において知られているウェスターンブロット又は他のアッセイにおいて、
変性されたzalpha 31又はそのフラグメントを検出するためにインビトロで使用
され得る。
【0216】 生物活性接合体: 本明細書における抗体又はポリペプチドはまた、薬剤、トキシン、放射性核種
及び同様のものに直接的に又は間接的に接合され得、そしてそれらの接合体は、
インビボ診断又は治療用途のために使用される。例えば、本発明のポリペプチド
又は抗体は、対応する抗−相補的分子(例えば、それぞれ受容体又は抗原)を発
現する組織又は器官を同定し、又は処理するために使用され得る。より特定には
、zalpha 31ポリペプチド又は抗−zalpha 31抗体、又はその生物活性フラグメン
ト又は一部が、検出可能な又は細胞毒性の分子に連結され、そして抗―相補性分
子を発現する細胞、組織又は器官を有する哺乳類に供給され得る。
【0217】 適切な検出可能分子は、ポリペプチド又は抗体に直接的に又は間接的に結合さ
れ得、そして放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光マーカー、
化学発光マーカー、磁気粒子、及び同様のものを包含する。適切な細胞毒性分子
は、ポリペプチド又は抗体に直接的に又は間接的に結合され得、そして細菌又は
植物毒性(例えば、ジフテリア毒素、プソイドモナシス内毒素、リシン、アブリ
ン及び同様のもの)、及び治療用放射性核種、例えばI−131、レニウム−188又
はイットニウム−90(ポリペプチド又は抗体に直接的に結合されるか、又はキレ
−ト成分により間接的に結合される)を包含する。
【0218】 ポリペプチド又は抗体はまた、細胞毒性薬物、例えばアドリアマイシンに結合
され得る。検出可能又は細胞毒性分子の間接的な結合に関しては、検出可能又は
細胞毒性分子は相補的/抗相補的対のメンバーにより結合され得、ここで他のメ
ンバーはポリペプチド又は抗体部分に結合される。それらの目的のためには、ビ
オチン/ストレプタビジンが典型的な相補的/抗相補的対である。
【0219】 もう1つの態様においては、ポリペプチド−毒素融合タンパク質又は抗体−毒
素融合タンパク質は、標的化された細胞又は組織阻害又は除去(例えば、癌細胞
又は組織を処理するために)のために使用され得る。他方では、ポリペプチドが
複数の機能ドメイン(すなわち、活性化ドメイン又はリガンド結合ドメイン、及
び標的化ドメイン)を有する場合、標的化ドメインのみを包含する融合タンパク
質は、検出可能分子、細胞毒性分子又は相補的分子を、興味ある細胞又は組織型
に向けるために適切である。ドメインのみの融合タンパク質が相補的分子を含む
場合、抗−相補的分子は検出可能又は細胞毒性分子に接合され得る。従って、そ
のようなドメイン−相補的分子融合タンパク質は、一般的抗−相補的−検出可能
/細胞毒性分子接合体のための一般的標的化ビークルを表す。
【0220】 もう1つの態様においては、zalpha 31−サイトカイン融合タンパク質又は抗
体−サイトカイン融合タンパク質は、zalpha 31ポリペプチド又は抗−zalpha 31
抗体が過剰増殖性血液、又は骨髄細胞を標的化する場合、標的組織(例えば、血
液、骨髄癌)のインビボ殺害を増強するために使用され得る(一般的には、Horn
ickなど., Blood 89: 4437-4447, 1997を参照のこと)。記載される融合タンパ
ク質は、作用の所望する部位へのサイトカインの標的化を可能にし、それにより
、サイトカインの高められた局部濃度を提供する。
【0221】 適切なzalpha 31ポリペプチド又は抗−zalpha 31抗体は、所望しない細胞又は
組織(例えば、腫瘍又は白血病)を標的化し、そして融合されたサイトカインは
エフェクター細胞による改良された標的細胞溶解を仲介する。例えば、この目的
のための適切なサイトカインは、インターロイキン−2及び顆粒球−マクロファ
ージコロニー刺激因子(GM−CSM)を包含する。
【0222】 さらにもう1つの態様においては、zalpha 31ポチペプチド又は抗−zalpha 31
抗体が血管細胞又は組織を標的化する場合、そのようなポリペプチド又は抗体は
、再狭窄を低めるために、放射性核種、及び特にβ線発光放射性核種により接合
され得る。そのような治療アプローチは、放射性治療を管理する臨床医にほとん
ど危険性を与えない。例えば、必要とされる放射線用量が供給されるまで、患者
のステント管中に配置されるイリジウム−192含浸されたリボンは、管における
低められた組織増殖、及びプラシーボリボンを受けた対照グループよりも大きな
管腔直径を示した。さらに、再血管形成及びステント血栓症は、処理グループに
おいて有意に低かった。類似する結果が、本明細書に記載されるように、放射性
核種を含む生物活性接合体の標的化により予測される。
【0223】 本明細書に記載される生物活性ポリペプチド又は抗体接合体は、静脈内、動脈
内又は管内供給され得、又は作用の意図された部位に局部的に導入され得る。 本発明の分子は、精子形成、ステロイド形成、精巣分化、及び視床下部−下垂
体−生殖腺軸、甲状腺、心臓及び副腎機能の調節に関与する受容体を同定し、そ
して単離するために使用され得る。例えば、本発明のタンパク質及びペプチドが
カラム上に固定され、そして膜調製物がそのカラム上に通される(Immobilized
Affinity Ligand Techniques, Hermanson など., eds., Academic Press, San D
iego, CA, 1992, pp.195-202)。
【0224】 タンパク質及びペプチドがまた、放射性ラベルされ(Methods in Enzymol., v
ol. 182, “Guide to Protein Purification”, M. Deutscher, ed., Acad. Pre
ss, San Diego, 1990, 721-737)、又は光親和性ラベルされ(Brunner など., A
nn. Rev. Biochem. 62: 483-514, 1993及びFedan など., Biochem. Pharnacol.
33: 1176-1180, 1984)、そして特定の細胞−表面タンパク質が同定され得る。
【0225】 本発明の分子は、生殖システム、甲状腺、副腎、心臓及び免疫系の障害を試験
するために有用であろう。 zalpha 31は、推定上のシグナルペプチドリーダー配列及びαヘリックス構造
を有する新規ポリペプチドを表す。従って、この遺伝子は、それが4−ヘリック
スル束サイトカインファミリーのメンバーであることを示す二次構造を有する、
分泌されたポリペプチドをコードすることができる。他方では、このポリペプチ
ドは、他の生物学的機能に関連する他の活性、例えば酵素活性、細胞膜との会合
、又はキャリヤータンパク質としての機能を有することができる。
【0226】 ほとんどの4−ヘリックス束サイトカイン、及び活性化されたTリンパ球によ
り生成される他のタンパク質は、細胞分化、活性化、レクルートメント及び身体
を通しての細胞のホメオスタシスにおいて重要な生物学的役割を演じる。治療的
利用性は、免疫調節を必要とする疾病、例えば自己免疫疾患、例えばリウマチ様
関節炎、多発性硬化症、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス及び及び糖尿病
の処理を包含する。
【0227】 zalpha 31は、炎症の調節において重要であり、そして従って、リウマチ様関
節炎、ぜん息及びセプシスの処理において有用である。腫瘍形成に介在すること
にzalpha 31の役割が存在し、そして従って、癌の処理において有用である。zal
pha 31は、移植片拒絶を低めるために重要である免疫系の抑制において可能性あ
る治療剤であり得る。他方では、zalpha 31は、感染性疾病に対する免疫性を高
めることにおいて又はワクチンを改良することにおいて重要である免疫系を活性
化することができる。
【0228】 甲状腺機能不全及びいくつかの現在関連する治療は、インビボで骨に対する有
害な効果を誘発する。従って、本発明の甲状腺及び下垂体局在化が与えられる場
合、骨形成及び/又は吸収を測定するアッセイは、zalpha 31活性を評価するため
に重要なアッセイである。1つの例は、カルシトニン受容体を発現する細胞上に
選択的カルシトニン受容体活性を有する物質の急速な同定を可能にするアッセイ
システムである。
【0229】 カルシトニン受容体は、G−タンパク質受容体ファミリーのメンバーであり、
そしてアデニル酸シクラーゼの活性化を通してシグナルを形成導入し、細胞cAMP
レベルの上昇を導く(Linなど., Science 254: 1022-24,1911)。このアッセイ
システムは、カルシトニン受容体を刺激し、そしてシグナルトランスダクション
を開始できる他の分子を検出するための手段としてcAMPレベルを上昇する受容体
の能力を利用する。骨形成及び吸収を測定する他のアッセイは、頭蓋冠アッセイ
、QCT、及び骨芽細胞サイズおよび数を測定するアッセイを包含する。そのよう
なアッセイは、当業界において知られており、そして下記に論じられる。
【0230】 受容体活性化は、(1)アデニル酸シクラーゼ活性化の測定により(Salomon
など., Anal. Biochem. 58: 541-48, 1974; Alvarez and Daniels, Anal. Bioch
em. 187: 98-103, 1990);(2)従来のラジオイムノアッセイ方法を用いての
細胞内cAMPレベルの変化の測定により(Steiner など., J. Biol. Chem. 247; 1
106-13, 1972; Harper and Brooker, J. Cyc. Nucl. Res. 1: 206-18, 1975);
又は(3)cAMPシンチレーション近似アッセイ(SPA)方法(Amersham Corp., A
rlington Heights, IL)の使用を通して検出され得る。それらの方法は、敏感性
及び正確性を提供するが、それらは、アッセイの前、相当のサンプル処理を包含
し、時間の浪費であり、放射性同位体の使用を包含し、そして大規模なスクリー
ニングアッセイのためには厄介である。
【0231】 他のアッセイシステムは、アメリカ特許第5,622,839号、第5,674,689号、及び
第5,674,981号に記載のように、カルシトニン受容体を発現する細胞において高
められたcAMPレベルの結果としてcAMP応答要素(CRE)−ルシフェラーゼレポー
ター遺伝子の発現を誘発できるポリペプチドの選択を包含するが、しかしカルシ
トニン受容体発現を欠いている細胞においてはそうではない。
【0232】 十分に確立された動物モデルが、カルシトニン受容体と相互作用するzalpha 3
1ポリペプチド、アゴニスト又はアンタゴニストのインビボ効能を試験するため
に利用できる。さらに、それらのモデルは、カルシトニン受容体を通してよりも
他の骨に対するzalpha 31の効果を試験するために使用され得る。例えば、低カ
ルシウム血症のラットモデルが、血清カルシウムに対する効果を決定するために
使用され得、そして卵巣摘出されたラット又はマウスはオステオポローシスのた
めのモデル系として使用され得る。
【0233】 それらのモデル及びヒトにおいて、エストロゲン欠失の初期段階の間、見出さ
れる骨の変化は性質的に類似する。カルシトニンは、卵巣摘出された女性及びラ
ットにおいて骨の欠失の防止のための効果的剤であることが示されている(Mazz
uoliなど., Calcif. Tissue Int. 47: 209-14, 1990; Wronskなど., Endocrinol
ogy 129: 2246-50, 1991)。高い用量のエストロゲンは、卵巣摘出されたマウス
モデルにおいて骨吸収を阻害し、そして骨形成を刺激することが示されている(
Bainなど., J. Bone Miner. Res. 8:435-42, 1993)。
【0234】 従って、カルシトニン受容体と相互作用し又は骨に対して他の効果を付与する
本発明の生物学的活性のzalpha 31ポリペプチド、アゴニスト又はアンタゴニス
トは、カルシトニンが有用である治療用途への使用のために好都合であるよう企
画される。そのような用途は、オステオポローシス、Peget病、上皮小体亢進症
、骨軟化症、幼児の特発性低カルシウム血症及び他の状態においてである。追加
の用途は、急性膵炎及び胃腸障害の処理における胃分泌を阻害するためであり、
そして特に、骨の見た目の鎮痛剤としての使用である。
【0235】 骨形成速度の変化を測定するためのインビボアッセイは、骨組織学(Recker,
R. eds. Gone Histomorphometry: Techniques and Interpretation Boca Raton:
CRC Press, Inc., 1983を参照のこと)及び定量的に計算された断層撮影法(QC
T; Ferretti, J. Bone 17: 353S-364S, 1995; Orphanoludakis など., Investig
. Radiol. Radiol. 14: 122-130, 1979; 及びDurandなど., Medical Physics 19
: 569-573, 1992)の実施を包含する。骨形成における変化を測定するための典
型的なエクソビボアッセイは、頭蓋冠アッセイ(Gowenなど., J. Immunol. 136:
2478-2482, 1986)、又は吸収頭蓋冠アッセイ(Linkhart, T. A. and Mohan, S
., Endocrinology 125: 1484-1491, 1989)である。
【0236】 さらに、本発明のポリペプチドは、炎症を改善するそれらの能力についてアッ
セイされ、そして使用され得る。Zalpha 31の前炎症及び抗炎症性質を決定する
ための方法は、当業界において知られており、そして本明細書において論じられ
る。例えば、cAMP生成の抑制は、抗−炎症効果の表示である(Nihei, Y., など.
, Arch. Dermatol. Res., 287: 546-552, 1995)。cAMPの抑制、及びケラチノサ
イトにおけるIFN−rにより誘発されるICAM及びHLA−Drの阻害が、炎症の阻害を
評価するために使用され得る。他方では、cAMP生成の増強、及びこのシステムに
おけるICAM及びHLA−Drの誘発は、タンパク質の前炎症性効果の測定であり得る
【0237】 zalpha 31は同様に、インビボで示されるように(例8)、類似する炎症効果
を示すことができ、そしてそれが発現される組織、及び他の組織においてそれら
の効果を発揮する。例えば、zalpha 31は、結腸において発現され、この組織に
おける治癒の促進において有用であり、又は抗−細菌又は抗−ウィルス効果を示
す。さらに、zalpha 31又はそのアンタゴニストは、炎症性腸疾患、憩室炎、腸
の手術の間及び後で炎症及び同様のものの処理において有用である。
【0238】 さらに、甲状腺において発現されるzalpha 31は、甲状腺の外部の組織、例え
ば心臓、脳、肝臓、腎臓及び同様のものにおける創傷−治癒又は抗微生物又は抗
ウィルス作用を有することができる。さらに、zalpha 31ポリペプチド及びzalph
a 31抗体は、メラノーマ、炎症性腸疾患、憩室炎、ぜん息、骨髄炎症疾患(PID
)、乾癬、関節炎、再灌流虚血症、及び他の炎症性疾患の診断において有用であ
る。さらに、zalpha 31又はそのアンタゴニストは、心筋炎、アテローム硬化症
、骨髄炎症疾患(PID)、乾癬、関節炎、湿疹、硬皮症及び他の炎症性疾患の処
理において有用である。
【0239】 zalpha 31ポリペプチド又はそのアゴニスト又はアンタゴニストは、炎症性疾
患、例えば喘息及び関節炎に使用され得る。例えば、zalpha 31が前炎症性アン
タゴニストである場合、それは、リンパ球の移動が損傷を及ぼす、ぜん息の治療
又は他の抗−炎症性治療において価値がある。さらに、zalpha 31は、肺機能、
例えば気管支拡張、組織弾性、肺感染及び損傷におけるリンパ球の回復において
重要な役割を演じることができる。
【0240】 肺細胞におけるzalpha 31の活性を評価するためのアッセイは、次の文献に論
じられている:Laberge, S. など., Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 17: 193-
202, 1997; Rumsaeny, V. など., J. Immunol., 159: 2940-2910, 1997; 及びSc
hluesener, H.J.など., J. Neurosci. Res. 44: 606-611, 1996。 Zalpha 31又
はそのアゴニスト又はアンタゴニスの前炎症性及び抗炎症性性質を決定するため
の方法は当業界において知られている。さらに、当業界において知られており、
そして本明細書に開示される他の分子生物、免疫学及び生化学的技法が、zalpha
31活性を決定し、そしてアゴニスト及びアンタゴニストを単離するために使用
され得る。
【0241】 zalpha 31についてのノザンブロック(例2)は遺伝子の相対的偏在分布を示
すが、電子ノザンは非常に有益である。入手できるESTデータベースの大きなサ
イズは、データにおける遺伝子、例えばzalpha 31の発生率がそれぞれのライブ
ラリーに見出される発現レベルを示唆するよう存在する(すなわち、まれに調節
された遺伝子はほとんどのライブラリーにおいて過少表示され、ところが非常に
豊富な又は誘発性遺伝子は高いコピー数を有する)。
【0242】 zalpha 31についてのデーターは、B−細胞(扁桃)、及び単球/マクロファー
ジ/樹状突起系のそれらの細胞において(“正常な”誘発されていない状態にお
ける偏在性分布と一致する)及び特に前炎症性刺激、例えばPMA、TNF又はLPSに
よる処理に続いて有力である高い誘発性の遺伝子を示す。この結論は、次の組織
における予測される頻度よりも高い頻度でのその存在に基づかれる:胚中央のB
細胞(扁桃)ライブラリー、他発性硬化症病変;刺激されたTHP−1細胞(前−
単球系);及び末梢血液樹状突起細胞(刺激されている)。前記遺伝子はまた、
T−細胞系(刺激されている)及び末梢血液単核細胞(刺激されている)、胎児
肝臓CD34+前駆体細胞、及び炎症現象に関連する傾向を示す変形性関節症患者か
らの軟膏つにも見出された。
【0243】 さらに、神経起源の組織(正常及び疾病)及び分化された細胞系(ニューロン
)のライブラリーに見出されるお有意な数のESTが存在した。疾病関連性は、多
発性硬化症、ハンチントン病、グリオーシス、多星状細胞腫、脳腫瘍(例えば、
副腎腫)、及び脊髄/リンパ腫に関して明らかにされ、ここでそれらのzalpha 31
がそれらの疾病に関連する活性化された免疫応答に関連している。
【0244】 他の前炎症性サイトカインは、脳腫瘍により生成され、MS損傷に見出され、そ
して他の神経障害を示す(Fontana, A. など., J. Immunol. 132: 1837-1844, 1
984; Suarez, GA, など., Neurology 46: 559-561, 1996)。さらに、単一のサ
イトカインにおける異常性が、神経学的組織への免疫細胞浸潤を誘発することに
よって、神経学的疾病(Hanisch, UK. など., Synapse 24: 104-114, 1996; Sug
ita, Y など., J. Neuropathol. Exp. Neurol. 58: 480-488, 1999);又は神経
学的及び免疫疾患(Zhu, J. など., J. Neurol. Sci. 125: 132-137, 1994; Zhu
, J. など., J. Neurosci. Res. 54: 373-381, 1998)を誘導することができる
【0245】 さらに、zalpha 31のアンタゴニストは、抗−炎症剤であることが予測される
。アゴニスト及びアンタゴニストは、広範囲の神経疾患、例えばMS又はハンチン
トン病に対して有用であり、サイトカイン−放射性核種(又は類似物)は神経腫
瘍に対して有用である。さらに、zalpha 31は、その効果を発揮することにおい
て、間接的に又は他のサイトカインと組合して作用することができる。例えば、
インターフェロン、IL−1又はIL−2は、炎症成分が存在する疾病を悪化される
。種々のサイトカインの組合された効果を解離するか又は阻止するzalpha 31ア
ンタゴニストもまた有用である。
【0246】 さらに、下記で論じられるように、zalpha 31について染色体局在化部位で存
在する“神経学的疾病クラスター”であることが明白である。これは、zalpha 3
1ポリペプチド、ポリヌクレオチド又は抗体は、神経疾患のための診断約として
、又はそのような疾病に対する遺伝子感受性を決定するために使用され得る。
【0247】 本発明の分子は、心組織細胞、例えば心筋細胞又は筋芽細胞;骨格筋又は筋芽
細胞及び平滑筋;クロンドロサイト(chrondrocytes);内皮細胞;脂肪細胞及
び骨芽細胞のインビトロ増殖のために有用である。例えば、本明細書の分子は、
定義された細胞培養培地の成分として有用であり、そして細胞培養に通常使用さ
れる血清を置換するために、単独で又は他のサイトカイン及びホルモンと組合し
て使用され得る。本発明の分子は、培養物における筋細胞の増殖及び/又は進化
を特異的に促進することにおいて特に有用であり、そしてまた心筋細胞過形成及
び再生の研究において有用であることがわかっている。
【0248】 本発明のポリペプチド、核酸及び/又は抗体は、心筋梗塞、うっ血性心不全、
肥大型心筋症及び拡張型心筋症に関連する障害の処理に使用され得る。本発明の
分子はまた、心臓発作に続く梗塞サイズの制限、心臓移植後の回復の助力、冠状
側副循環を進行するために血管形成又は動脈内膜切除に続いての脈管形成及び創
傷治療の促進、眼における再血管形成、不良な循環、例えば糖尿病性の足の潰瘍
に関連する合併症、薬理学的方法を用いての冠状再灌流に続く発作、及び脈管形
成が有益である他の微候のために有用である。本発明の分子は、心筋新生及び/
又は過形成を誘発することによって、冠状側副進行を誘発することによって、又
は壊死性心筋部分の再造系を誘発することによって、心臓機能を改良するために
有用である。本発明のための他の治療用途は、骨格筋新生及び/又は過形成、腎
臓再生の誘発、及び/又は全身性及び肺高血圧症の処理を包含する。
【0249】 Zalpha 31により誘発された冠状側副進行は、慢性冠状閉塞のモデルを用いて
、ウサギ、イヌ又はブタにおいて測定される(Landauなど., Amer. Heart. J. 2
9: 924-931, 1994; Sellke など., Surgery 120 (2): 182-188, 1996; 及びLaza
rousなど., 1996, 前記)。発作を処理するためのzalpha 31の効能は、左右の頸
動脈閉塞を用いて、及び組織学的変化及び迷路パーフォーマンスを測定すること
によって、ラットにおいてインビボで試験される(Gageなど., Neurobiol. Agin
g 9: 645-655, 1988)。高血圧におけるzalpha 31の効能が、全身性高血圧に関
する自発的高血圧ラット(SHR)を用いて、インビボで試験される(Marcheなど.
, Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. Suppl. 1: S114-116, 1995)。
【0250】 さらに、甲状腺における高い発現に基づけば、zalpha 31ポリペプチドは、宿
主細胞(例えば、T−細胞)上のその受容体を通して特定のシグナル化によりウ
ィルス複製を阻害することによって抗ウィルス機能を示すことができる。Zalpha
31は、本明細書に開示されるように、免疫細胞増殖活性(例8を参照のこと)
を示すことができ、本明細書に開示されるように、この活性についてアッセイす
ることができ、そしてウィルス感染を攻撃するために、免疫系を刺激することが
できる。さらに、zalpha 31は、CD4又はもう1つのリンパ球受容体を結合するこ
とができ、そして例えば、ヒト免疫欠損ウィルス(HIV)又はヒトT−細胞リンパ
向性ウィルス(HTLV)に対して抗ウィルス効果を示すことができる。
【0251】 他方では、zalpha 31ポリペプチドは、ウィルス感染を阻止するために、ウィ
ルス受容体又は補助受容体と競争することができる。zalpha 31は、ウィルス感
染を防げるために、又は進行中のウィルス複製及び再感染を低めるために後天的
に与えられ得る(Gayowski, T. など., Transplantation 64; 422-426, 1997)
。従って、zalpha 31は、例えばウィルス性白血球(HTLV)、AIDS(HIV)、又は
例えば、ロタウィルス、カリチウィルス(例えば、Horwalk Agent)及び病原性
アデノウィルスの一定株により引き起こされる胃腸ウィルス感染のための抗ウィ
ルス治療剤として使用され得る。
【0252】 zalpha 31調節された直接的及び間接的炎症は、当業界における方法によりア
ッセイされ得る。例えば、Hamada, T. など., J. Exp. Med. 188: 539-548,199
8;及びLiu, L. など., J. Immunol. 161: 3064-3070, 1998を参照のこと。例え
ば,zalpha 31ポリペプチドの前炎症効果は、TranswellTM (Costar) を用いて、
アッセイにおいて間接的に試験され得、ここで内皮細胞が半透膜上にプレートさ
れ、そしてzalpha 31ポリペプチドがトランスウェルの下方チャンバーに存在し
、そしてCr51又は蛍光ラベルされた好中球(PMN)、リンパ球、HL60細胞、K562
細胞又は同様のものがトランスウェルの上方チャンバー上に添加される。
【0253】 zalpha 31ポリペプチドの存在下でのトランスウェルの下方チャンバーへのPMN
及び同様のもの移動(但し、その不在下(負の対照)では移動は存在しない)が
、PMNの直接的化学誘発物のzalpha 31ポリペプチドを示す。さらに、IL−8は、
正の対照としてこのアッセイにおいて使用される。炎症応答の間接的刺激物とし
てのzalpha 31を試験するために、類似する方法が使用され得る。例えば、実験
は上記のようにして設定され得、ここでトランスウェルの下方チャンバー上での
zalpha 31の存在の他に、線維芽細胞又は脂肪細胞がそこにプレートされる。
【0254】 この場合、PMNの移動を増強する因子を分泌するそれらの細胞の誘発におけるz
alpha 31ポリペプチドの効果、すなわち炎症が測定され得る。bFGFが間接的アッ
セイのための正の対照として使用され得る。zalpha 31ポリペプチドの抗−炎症
効果がまた、当業界において知られている類似するトランスウェルアッセイを用
いて、PMNの存在下で上方チャンバー上に添加される場合、測定され得る。
【0255】 本発明の分子の活性は、zalpha 31の甲状腺外活性の可能性ある効果に基づい
て、心臓細胞の再生又は過形成(すなわち、増殖)を測定する種々のアッセイを
用いて、測定され得る。本発明のポリペプチドにたぶん関連する追加の活性は、
直接的又は間接的に他の成長因子を通しての内皮細胞、心筋細胞、線維芽細胞、
骨格筋の増殖;内皮細胞、線維芽及び/又は食細胞のための走化性因子としての
作用;骨形成因子;及び間葉幹細胞及び前駆体集団を拡張するための因子を包含
する。
【0256】 増殖は、培養された心臓細胞を用いて、又は適切な動物モデルへの本発明の分
子の投与によりインビボで測定され得る。一般的に、増殖効果は、細胞数の上昇
として見られ、そしてアポプトーシスの阻害及び有糸分裂誘発の刺激を包含する
。それらのアッセイへの使用のための培養された細胞は、一次培養物からの心臓
線維芽細胞、心筋細胞、骨格筋細胞及びヒト臍静脈内皮細胞を包含する。適切な
確立された細胞系は次のものを包含する:NIH 3T3線維芽細胞(ATCC No. CRL-16
58)、 CHH−1サケ心臓細胞(ATCC No. CRL-1680)、H9c2ラット心臓筋芽細胞
(ATCC No. CRL-1446)、Shionogi乳癌細胞(Tanakaなど., Proc. Natl. Acad.
Sci 89: 8928-8932, 1992)、及びLNCap. FGC腺癌細胞(ATCC No. CRL-1740)。
細胞増殖を測定するアッセイは、当業者において良く知られている。
【0257】 たとえば、増殖を測定するアッセイは、次のようなアッセイを包含する:中性
赤色素に対する化学感受性(Caranaugh など., Investigational New Drags 8:
347-354, 1990)、放射性ラベルされたヌクレオチドの組み込み(CooK など., A
nalytical Biochem. 179: 1-7, 1989)、増殖する細胞のDNAへの5-ブロモー2
’-デオキシウリジン(BrdU)の組み込み(Porstmann など., J. Immunol. Meth
ods 82: 169-179, 1985)、及びテトラゾリウム塩の使用(Mosmann, J. Immunol
. Methods 65: 55-63, 1983; Alley など., Cancer Res. 48: 589-601, 198; Ma
rshall など., Growth Reg. 5: 69-84, 1995; 及びScudiero など., Cancer Res
. 48: 4827-4833, 1988)。
【0258】 分化は進行性で且つ動的な工程であり、多能性幹細胞で始まり、そして最終的
に分化された細胞で終結する。拘束なしに系統に再生することができる多能生幹
細胞は、細胞系統への拘束が行われる場合、失われる一組の分化マーカーを発現
する。前駆体細胞は、細胞が成熟に向かって細胞系統路を進行する場合に、発現
され続けることができても又はできなくても良い一組の分化マーカーを発現する
。成熟細胞により独占的に発現される分化マーカーは通常、機能的性質のもの、
例えば細胞生成物、細胞生成物を生成するための酵素、及び受容体である。細胞
集団の分化の段階は、細胞集団に存在するマーカーの同定によりモニターされる
【0259】 筋細胞、骨芽細胞、脂肪細胞、クロンドロサイト、腺維芽細胞及び網様細胞は
、通常の間葉幹細胞に起因すると思われる(Owenなど., Ciba Fdn. Symp. 136:
42-46, 1988)。間葉幹細胞のためのマーカーはまだ十分には同定されておらず
(Owenなど., J. of Cell Sci. 87: 731-738, 1987)、その結果、同定は、通常
、前駆体及び成熟細胞段階で行われる。初期段階心筋細胞前駆体細胞(しばしば
、心筋細胞幹細胞として言及される)の存在は、成人心臓組織において、推定さ
れているが、しかしまだ示されてはいない。本発明の新規ポリペプチドは、間葉
幹細胞及び心筋細胞前駆体細胞を、インビボ及びエクスビボの両者で単離するた
めの研究のために有用である。
【0260】 最終分化又は脱分化の方の経路に特定細胞型を刺激する因子が、通常の前駆体
又は幹細胞に起因する全細胞集団に影響を及ぼすことを示唆する証拠が存在する
。従って、本発明は、筋細胞、平滑筋細胞、骨芽細胞、脂肪細胞、クロンドロサ
イト、及び内皮細胞の増殖の刺激または阻害を包含する。本発明の分子は、心筋
細胞の増殖又は分化を刺激すると共に、脂肪細胞の増殖又は分化を、通常の前駆
体/幹細胞に対するそれらの効果により阻害することができる。従って、本発明
の分子は、軟骨肉腫、アテローム硬化症、再狭窄及び肥満症の阻害に使用できる
【0261】 分化を測定するアッセイは例えば、組織、酵素活性、機能的活性又は形態学的
変化の段階−特異的発現に関連する細胞−表面マーカーを測定することに包含す
る(Watt, FASEB, 5: 281-284, 1991; Francis, Differentiation 57: 63-75, 1
994; Raes, Adv. Anim. Cell Biol. Technol. Bioprocesses, 161-171, 1989;
すべては引用により本明細書に組み込まれる)。
【0262】 心臓再生又は過形成を評価するためのインビボアッセイは、本発明の分子によ
る新生児及び成熟ラットの処理を包含する。その動物の心臓機能は、心拍数、血
圧及び左心室機能を決定するための心臓出力として測定される。心臓機能低下又
は改良点を評価するための検死方法は次のものを包含する:高められた又は低め
られた心臓重量、核/細胞質体積、及び増殖する細胞核抗原(PCNA)対細胞質ア
クチンレベルを決定するための心臓組織学的切片の染色(Quainiなど., Circula
tion Res. 75: 1050-1963, 1994 及びReissなど., Proc. Natl. Acad. Sci. 93:
8630-8635, 1996)。
【0263】 本発明のタンパク質は、造血機能及び免疫機能の関連する恒常性の細胞の特殊
化された細胞機能の増殖、活性化、分化及び/又は誘発又は阻害を刺激するため
に有用である。特に、zalpha 31ポリペピチドは、造血系の細胞、例えばT細胞、
B細胞、NK細胞、樹状細胞、単球及びマクロファージ、並びに上皮細胞(但し、
それらだけには限定されない)の特殊化された細胞機能の増殖、活性化、分化、
誘発又は阻害を刺激するために有用である。造血細胞の増殖及び/又は分化は、
培養された細胞を用いてインビトロで、又は本発明の分子を適切な動物モデル中
に投与することによって、インビトロで測定され得る。
【0264】 細胞増殖又は分化を測定するアッセイは、当業者において良く知られている。
たとえば、増殖を測定するアッセイは、次のようなアッセイを包含する:中性赤
色素に対する化学感受性(Caranaugh など., Investigational New Drags 8: 34
7-354, 1990; 引用により本明細書に組み込まれる)、放射性ラベルされたヌク
レオチドの組み込み(CooK など., Analytical Biochem. 179: 1-7, 1989; 引用
により本明細書に組み込まれる)、増殖する細胞のDNAへの5-ブロモー2’-デ
オキシウリジン(BrdU)の組み込み(Porstmann など., J. Immunol. Methods 8
2: 169-179, 1985; 引用により本明細書に組み込まれる)、及びテトラゾリウム
塩の使用(Mosmann, J. Immunol. Methods 65: 55-63, 1983; Alley など., Can
cer Res. 48: 589-601, 198; Marshall など., Growth Reg. 5: 69-84, 1995;
及びScudiero など., Cancer Res. 48: 4827-4833, 1988; すべては引用により
本明書に組み込まれる)。
【0265】 分化を測定するアッセイは、たとえば組織の段階−特異的発現に関連する細胞
表面マーカー、酵素活性、官能的活性、又は形態変化の測定を包含する(Watt,
FASEB 5: 281-284, 1991; Francis, Differentiation 57 : 63-75, 1994; Raes,
Adv. Anim. Cell Biol. Technol. Bioprocesses, 1i61-171, 1989; すべては引
用により本明細書に組み込まれる)。他方では、zalpha 31ポリペプチド自体は
、組織の段階−特異的発現に関係する追加の細胞−表面又は分泌されたマーカー
として作用することができる。Zalpha 31ポリペプチドの直接的な測定、又はそ
れが分化する場合、組織における発現のその損失は、組織の分かのためのマーカ
ーとして作用することができる。
【0266】 同様に、zalpha 31ポリペプチドの直接的な測定、又は組織における発現のそ
の損失が、それらが腫瘍の進行を受けるにつれて、組織又は細胞において決定さ
れ得る。前癌又は癌状態における細胞の侵襲性及び運動性の上昇、又はzalpha 3
1の発現の獲得又は損失が、正常な組織に比較して、腫瘍進行における形質転換
、侵襲性及び転移についての診断として作用することができる。進行又は転移の
腫瘍段階の知識は、所定の個々の癌患者のために、最も適切な治療又は処理の攻
撃性を選択する上で医薬を助けるであろう。
【0267】 発現(mRNA又はタンパク質のいずれかの)の獲得及び損失を測定する方法は、
当業界において良く知られており、そして本明細書に記載されており、そしてza
lpha 31発現に適用され得る。例えば、細胞運動性を調節するポリペプチドの出
現又は消出が、前立腺癌の診断及び予後を助けるために使用され得る(Banyard,
J. and Zetter, B. R., Cancer and Metast. Rev. 17: 449-458, 1999)。細胞
運動性のエフェクターとして、発現のzalpha 31獲得又は損失がリンパ球、B−細
胞、上皮、造血及び他の癌についての診断分析として作用することができる。
【0268】 さらに、腫瘍進行及び転移に対するzalpha 31の活性及び効果が、インビボで
測定され得る。いくつかの同系マウスモデルが、腫瘍進行に対するポリペプチド
、化合物又は他の処理の影響を研究するために開発されて来た。それらのモデル
においては、培養継代された腫瘍細胞が、腫瘍ドナーと同じ株のマウス中に移植
される。細胞は、受容体マウスにおいて類似する特徴を有する腫瘍中に増殖し、
そして転移がまた、そのモデルのいくつかにおいて生じるであろう。本発明者の
研究のための適切な腫瘍モデルは、中でも、Lewis肺癌(ATCC No. CRL-1642)及
びB16黒色腫(ATCC No. Crl-6323)を包含する。それらは、インビトロで容易に
培養され、そして操作される、C57BL6マウスと同種の通常使用される腫瘍系であ
る。
【0269】 それらの細胞系のいずれかの移植に起因する腫瘍は、C57BL6マウスの肺に転移
することができる。Lewis肺癌モデルが最近、脈管形成のインヒビターを同定す
るためにマウスに使用されている(O’Reilly MS, など. Cell 79: 315-328, 19
94)。C57BL6/Jマウスが、組換えタンパク質、アゴニスト又はアンタゴニストの
毎日の注入、又は組換えアデノウィルスの1回の注入を通して、実験剤により処
理される。この処理に続いて3日で、105〜106個の細胞が背面の皮膚下に移植さ
れる。他方では、細胞自体が、タンパク質が全身的によりもむしろ腫瘍部位で又
は細胞内で合成されるよう、移植の前、組換えアデノウィルス、例えばzalpha 3
1を発現するアデノウィルスにより感染され得る。マウスは、通常5日以内に眼
に見える腫瘍を進行する。
【0270】 腫瘍が3週間までの間、増殖され、この間、それらは対照の処理グループにお
いて1500−1800mm3のサイズに達することができる。腫瘍サイズ及び体重が、そ
の実験を通して注意してモニターされる。殺害の時点で、腫瘍が、肺及び肝臓と
共に除去され、そして計量される。肺の重量が、転移性腫瘍負荷量と相互関係す
ることが示された。さらなる測定として、肺表面転移が計数される。切除された
腫瘍、肺及び肝臓が、当業界において知られており、そして本明細書に記載され
る方法を用いて、組織学的試験、免疫組織化学及び現場ハイブリダイゼーション
のために調製される。従って血管構造を回復し、そして転移を受ける腫瘍の能力
に対する、問題の発現されたポリペプチド、例えばzalpha 31の影響が評価され
得る。
【0271】 さらに、アデノウィルスとは別に、移植された細胞がzalpha 31により一時的
にトランスフェクトされ得る。安定したzalpha 31トランスフェクトの使用、及
びインビボでのzalpha 31発現を活性化する誘発性プロモーターの使用は、当業
界において知られており、そして転移のzalpha 31誘発を評価するためにこのシ
ステムに使用され得る。さらに、精製されたzalpha 31又はzalpha 31ならし培地
が、このマウスモデルに直接的に注入され、そして従って、このシステムに使用
される。一般的な文献については、O’Reilly MS, など. Cell 79: 315-328, 19
94, 及びRusciano D, など、Murine Models of Liver Metastasis, Invasion Me
tastasis 14: 349-361,1995を参照のこと。
【0272】 ヒト血液学的悪性に由来する腫瘍細胞の増殖及び散在に対するzalpha 31及び
その誘導体(接合体)の活性がまた、マウスの異種移植モデルにおいてインビボ
で測定され得る。ヒト腫瘍細胞が、集合的には、異種移植モデルとして言及され
る、ヒト腫瘍細胞が免疫欠損マウス中に移植されているいくつかのマウスモデル
が開発されている。Cattan, AR and Douglas, E Leuk. Res. 18: 513-22, 1994;
及びFlavell, DJ. Hematological Oncology 14: 67-82, 1996を参照のこと。疾
病モデルの特徴は、マウスに供給される細胞の型及び量により変化する。
【0273】 典型的には、腫瘍細胞は、急速に増殖し、そして血液において循環し、そして
多くの器官系に存在することが見出され得る。そのようなモデルにおいて試験す
るための適切な治療方法は、抗体誘発性毒性、リガンド−毒素接合体又は細胞い
基づく治療を包含する。養子免疫療法として通常言及される後者の方法は、ヒト
免疫系の成分(すなわち、リンパ球、NK細胞)による動物の処理を包含し、そし
てzalpha 31又は他の免疫調節剤と細胞とのエクスビボインキュベーションを包
含することができる。
【0274】 Zalpha 31ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、zalpha 31活性を高
め、又は阻害することが所望される遺伝子治療用途内で有用である。哺乳類が突
然変異誘発されたzalpha 31遺伝子を有するか、又はそれを欠いている場合、zal
pha 31遺伝子が哺乳類の細胞中に導入され得る。1つの態様においては、zalpha
31ポリペプチドをコードする遺伝子がウィルスベクターにおいてインビボで導入
される。そのようなベクターは、弱毒化された又は欠陥DNAウィルス、例えばヘ
ルペス単純ウィルス(HSV)、乳頭種ウィルス、エプスタイン−バールウィルス(EB
V)、アデノウィルス、アデノ関連ウィルス(AAV)及び同様のものを包含するが、
但しそれらだけには限定されない。
【0275】 ウィルス遺伝子を完全に又はほとんど完全に欠いている欠陥ウィルスが好まし
い。欠陥ウィルスは、細胞中への導入の後、感染性ではない。欠陥ウィルスベク
ターの使用は、ベクターが他の細胞を感染することを心配しないで、特定の局在
化された領域における細胞への投与を可能にする。特定のベクターの例は、次の
ものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:欠陥ヘルペスウィルス1
(HSV1)ベクター(Kaplitt など., Molc. Cell. Neurosci. 2: 320-30, 1991)、
弱毒化されたアデノウィルス ベクター、例えばStratford-Perricaudat など.
(J. Clin. Invest. 90: 626-30, 1992) により記載されるベクター、及び欠陥ア
デノ−関連ウィルスベクター(Samulski など., J. Virol. 61: 3096-101, 1987
; Samulski など., J. Virol. 63: 3822-28,1989)。
【0276】 もう1つの態様においては、zalpha 31遺伝子は、次の文献に記載のようにして
、レトロウィルスベクターに導入され得る:Anderson など., アメリカ特許第5,
399,346号;Mann など., Cell 33: 153, 1983; Temin など., アメリカ特許第4,
650,764号;Temin など., アメリカ特許第4,980,289号;Markowitz など., J. V
irol. 62: 1120, 1988; Temin など., アメリカ特許第5,124,263 号;Dougherty
など., WIPO Publication WO95/07358 号;及びkuo など., Blood 82: 845-52,
1993。
【0277】 他方では、ベクターは、リポソームを用いてのインビボリポフェクションによ
り導入され得る。合成カチオン脂質が、マーカーをコードする遺伝子のインビボ
トランスフェクションのためのリポソームを調製するために使用され得る(Felg
ner など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7413-17, 1987; 及びMackey など
., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 8027-31, 1988)。インビボで特定の器官
中に外因遺伝子を導入するためへのリポフェクションの使用は、一定の実際的な
利点を有する。
【0278】 特定細胞へのリポソームの分子標的化は、1つの領域の利点を表す。特定細胞
へのトランスフェクションの方向づけが1つの領域の利点を表すことは明白であ
る。特定細胞型へのトランスフェクションの方向づけが、細胞異質性を有する組
織、例えば膵臓、肝臓、腎臓及び脳において特に好都合であることは明白である
。脂質は、標的化のために他の分子に科学的に得られる。標的化されたペプチド
、例えばホルモン又は神経伝達物質、及びタンパク質、例えば抗体又は非ペプチ
ド分子は、化学的にリポソームに結合され得る。
【0279】 身体から細胞を除去し、そして裸DNAプラスミドとしてベクターを導入し、そ
して次に、身体中に形質転換された細胞を再移植することは可能である。遺伝子
治療のための裸DNAベクターは、所望する宿主細胞中に、当業界において知られ
ている方法、例えばトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロ
インジェクション、トランスダクション、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸
カルシウム沈殿、遺伝子ガンの使用、又はDNAベクタートランスポーターの使用
により導入され得る(例えば、Wu など., J. Biol. Chem. 267: 963-7, 1992; W
u など., J. Biol. Chem. 263: 14621-24, 1988)。
【0280】 アンチセンス方法論は、zalpha 31遺伝子転写を阻害するために、例えば細胞
増殖をインビボで阻害するために使用され得る。Zalpha 31−コードポリヌクレ
オチドのセグメント(例えば、配列番号1に示されるようなポリヌクレオチド)
に対して相補的であるポリヌクレオチドは、zalpha 31−コードのmRNAに結合し
、そしてそのようなmRNAの翻訳を企画される。そのようなアンチセンスポリヌク
レオチドは、細胞培養物又は対象においてzalpha 31ポリペプチド−コードの遺
伝子の発現を阻害するために使用される。
【0281】 本発明はまた、診断に使用できるであろう試薬を提供する。例えば、zalpha 3
1 DNA又はRNAを含んで成るプローブ、又はその副配列は、zalpha 31遺伝子が染
色体10上に依存するかどうか、又は突然変異が生じたかどうかを決定するために
使用され得る。Zalpha 31は、染色体10の10q23-q24領域に位置する(例3を参照
のこと)。Zalpha 31遺伝子座での検出できる染色体異常型は、異数性、遺伝子
コピー数変化、挿入、欠失、制限部位変更及び転位を包含するが、但しそれらだ
けには限定されない。そのような異常性は、分子遺伝学的技法、例えば制限フラ
グメント長さ多型現象(RELP)分析、PCR技法を用いる短いタンデム反復体(STR
)分析、及び当業界において知られている他の遺伝子連鎖分析技法を用いること
によって、本発明のポリヌクレオチドを用いて検出され得る(Sambrookなど.,
前記;Ausubel など., 前記;Marian, Chest 108: 255-65, 1995)。
【0282】 遺伝子位置の正確な知識は、次のような多くの目的のために有用である:1)
配列が存在するコンティグの一部であるかどうかの決定及び種々の形、例えばYA
C, BAC又はcDNAクローンにおける追加の周囲遺伝子配列の獲得;2)同じ染色体
領域への結合を示す遺伝的な失病についての可能な候補体遺伝子の提供;及び3
)特定遺伝子が有する機能の決定を助けるモデル生物、例えばマウスの相互参照
【0283】 配列標識された部位(STS)はまた、染色体位置決定のために独立的に使用さ
れる。STSは、ヒトゲノムにおいてユニークであるDNA配列であり、そして特定の
染色体又は染色体の領域のための参照点として使用され得る。STSは、すべての
他のゲノム配列の存在下でこの部位を特異的に検出するためにポリメラーゼ鎖反
応に使用される一対のオリゴヌクレオチドプライマーにより定義される。
【0284】 STSは、DNA配列に単独で基づかれているので、それらは電子データベース、例
えばDatabase of Sequence Tagged Sites (dbSTS)、GenBank (National Center
for Biological Information, National Institutes of Health, Bethesda, MD,
http://www.ncbi.nlm.nih.gov)内に完全に記載され得、そしてそれらの短いゲノ
ムランドマークSTS配列内に含まれるマッピングデータにより、興味ある遺伝子
配列を調べられ得る。
【0285】 zalpha 31遺伝子は、染色体の10q23-q24領域に位置する。いくつかの疾病が、
ニューロン障害、脳腫瘍及び他の神経効果に関連するこの領域におけるクラスタ
ーでの遺伝子に関連する。例えば、ホスファターゼ及びテンシン相同体(PTEN;
脳腫瘍に連結される欠失;10q23.3)、Bannayan-Riley-Ruvalcaba症候群(10q23
)、グリオーム−不活性化されたロイシンに富んでいる遺伝子(LGI1;10q24)
;大頭症(10q23.3);部分癲癇(10q23.3−q24.1);幼児開始の旧小脳運動失
調(IOSCA;10q24);ウロフェイシャル(urofacial)症候群(Ochoa症候群)(
10q23−q24);及び常染色体優性痙性対麻痺9(10q23.3−q24.1)はすべて、染
色体10のこの領域に位置する。
【0286】 さらに、それらの疾病のいくつかは、大きな染色体転位、例えば染色体10の10
q23−q24領域における染色体欠失又は異質性の欠失に連結される。さらに、染色
体10の1つのコピーの欠失は、高い悪性のグリオームにおいて最も共通する遺伝
子現象であり、ここで特に10q23−26領域における染色体の第2コピーの少なく
ともいくつかの部分転位又は欠失が、約80%のグリア芽腫において示される(Bi
gner, S, and Vogelstein. B. Brain Path. 1: 12-18, 1990)。さらに、10q23
での異質性の欠失が、グリア芽腫の約70%に及び進行した前率腺癌の60%に(Li
, J. など., Science 275: 1943-1946, 1997)、並びに他の癌に存在する。
【0287】 さらに、有意な%(例えば、70%)の小児性T−細胞急性白血病が、10q24遺伝
子座内のトランスロケーションを付随する(Dube, ID. など., Blood 78: 2996-
3003, 1991)。zalpha 31遺伝子はまた、10q23−q24領域zalpha 31に位置するの
で、ポリヌクレオチドプローブが、ヒト疾病、例えばグリア芽腫、大脳症及びT
−細胞白血病、又は他の癌、神経又は免疫疾患に関連する染色体10q23−q24欠失
又はトランスロケーションを検出するために使用され得る。
【0288】 さらに、zalpha 31ポリヌクレオチドプローブは、染色体10の三染色体性に関
連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。例えば、スプリット
手/足奇形タイプ3(SHFM3)は、10q24−q25での三染色体性の結果であると思わ
れる(Nunes,ME. など., Hum. Molec. Genet. 4: 2165-2170, 1995)。zalpha
31遺伝子ままた、10q23−q24領域zalpha 31に位置するので、ポリヌクレオチド
プローブが、染色体10q23−q24獲得、又はそのようなヒト疾病に関連する三染色
体性を検出するために使用され得る。
【0289】 さらに、他の遺伝子座の中で、拡張型心筋症(10q21−q23)、10q24.1に位置
するFASリガンドに関連する自己免疫疾患、網膜G−タンパク質結合受容体に関連
する網膜炎色素沈着(10q23)、チトクロームP450-2C9 (CYP2C9) (10q24) のす
べては、ヒト疾病状態において出現し、そしてヒトゲノムのこの領域に位置する
。公的に入手できるWWWWサーバー(http://www3.ncbi.nlm.mih.gov/htbin-post/
Omim/getmap?chromosome=10q23-q24)に基づいて染色体10のこの領域について、
Online Mendellian Inheritance of Man (OMIM) 遺伝子地図及びそこにおける文
献を参照のこと。それらのすべては、zalpha 31遺伝子と同じ染色体領域への連
鎖を示す遺伝性疾病についての可能な候補体遺伝子として作用する。
【0290】 同様に、zalpha 31遺伝子座自体における欠陥又は過剰発現が、遺伝性ヒト疾
病状態をもたらすことができる。例えば、zalpha 31は、神経及び脳連坐、並び
にいくつかの腫瘍に関連する染色体領域に位置する。本明細書において論じられ
るように、zalpha 31についての有意な数のESTが、多発生硬化症、ハンチントン
病、グリオーシス、多星状細胞腫、脳腫瘍(例えば、副腎腫)及び脊髄W/リンパ
腫との疾病関連性を伴なって、神経起源のライブラリーに見出される。さらに、
前炎症性サイトカインが、脳腫瘍により生成され、MS病変に見出され、そして他
の神経障害を示す。
【0291】 本発明の分子、例えば本発明のポリペプチド、アンタゴニスト、アゴニスト、
ポリヌクレオチド及び抗体は、zalpha 31遺伝子欠失に関連する検出、診断予防
及び処理を助けるであろう。
【0292】 診断は、疾病の型及び適切な関連する治療の決定、又は遺伝的カウンセリング
における助力において医者を助けることができる。本発明の抗−zalpha 31抗体
、ポリヌクレオチド及びポリペプチドは、zalpha 31ポリペプチド、mRNA又は抗
−zalpha 31抗体の検出のために使用され、従って、マーカーとして作用し、そ
して当業界において知られており、そして本明細書に記載される方法を用いて、
本明細書に記載のようにして、遺伝病又は癌の検出のために直接的に使用され得
る。
【0293】 さらに、zalpha 31ポリヌクレオチドプローブは、染色体10q23-q24欠失及びヒ
ト疾病に関連するトランスロケーション、腫瘍の悪性進行に関与する他のトラン
スロケーション、又は悪性、又は他の癌、又は自然流産における染色体転位に関
与することが予測される他の10q23-q24突然変異に関連する異常性又は遺伝子型
を検出するために使用され得る。同様に、zalpha 31ポリヌクレオチドプローブ
は、ヒト疾病又は自然流産に関連する染色体10q23−q24三染色体性及び染色体欠
失に関連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。従って、zalp
ha 31ポリヌクレオチドプローブは、それらの欠陥に関連する異常性又は遺伝子
型を検出するために使用され得る。
【0294】 上記で論じられたように、zalpha 31遺伝子自体における欠陥が、遺伝性ヒト
疾病状態をもたらすことができる。本発明の分子は、例えば本発明のポリペプチ
ド、アンタゴニスト、アゴニスト、ポリヌクレオチド及び抗体は、zalpha 31遺
伝子欠陥に関連する検出、診断予防及び処理を助ける。さらに、zalpha 31ポリ
ヌクレオチドプローブは、zalpha 31染色体遺伝子座での疾病又は非疾病の個人
間での対立遺伝子差異を検出するために使用され得る。zalpha 31配列は、DNAプ
ロフィールにおける診断剤として使用され得る。
【0295】 一般的に、患者における遺伝子異常性又は異常型を検出するために、遺伝子連
鎖分析に使用される診断方法は、当業界において知られている。ほとんどの診断
方法は、 (i)潜在的に疾病の患者、疾病の患者又は劣性疾病対立遺伝子の可能性ある
非疾病キャリヤーから遺伝子サンプルを得; (ii)ZSMF16ポリヌクレオチドプローブと共に遺伝子サンプルをインキュベー
トすることにより(ここで、前記ポリヌクレオチドは、RFIP分析においては、相
補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするであろう)、又は適切なPCR反
応条件下でPCR反応において、センス及びアンチセンスプライマーと共に遺伝子
サンプルをインキュベートすることにより、第1反応生成物を生成し;
【0296】 (iii)前記第1反応生物を、電気泳動及び/又は他の既知方法により可視化し
、例えば、前記第1反応生成物を、ZSMF16ポリヌクレオチドプローブ(ここで、
前記ポリヌクレオチドは第1反応の相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイ
ズするであろう)により可視化し、そして (iV)正常又は対照の個人からの遺伝子サンプルの第2対照反応生成物と、前
記可視化された第1反応生成物とを比較する段階を含んで成る。
【0297】 第1反応生成物と対照反応生成物との間の差異は、疾病又は潜在的に疾病の患
者における遺伝子異常性の、又は非疾病患者についてのヘテロ接合性劣性キャリ
ヤー表現型の存在の、又は疾病患者からの腫瘍における遺伝子欠陥の存在の、又
は胎児又は移植前胚における遺伝子異常性の存在の表示である。例えば、制限フ
ラグメントパターン、PCR生成物の長さ、zalpha 31遺伝子座の反復性配列の長さ
、及び同様のもの差異は、遺伝子異常性、遺伝子異常型、又は正常な対照に比較
しての対立遺伝子差異の表示である。
【0298】 対照は、サンプルの試験及び利用性に依存して、影響されていないファミリー
メンバー又は無関係の個人からであり得る。本発明内への使用のための遺伝子サ
ンプルは、患者からのいずれかの組織又は他の生物学的サンプル、例えば血液、
唾液、精子、胚細胞、羊水及び同様のもの(但し、それらだけには限定されない
)から単離されたゲノムDNA、mRNA及びcDNAを包含する。ポリヌクレオチドプロ
ーブ又はプライマーは、RNA又はDNAであり得、そして配列番号1の一部、配列番
号1の補体、又はそれらのRNA同等物を含んで成る。ヒト疾病表現型ヘの遺伝子
連鎖分析を示すそのような方法は、当業界において良く知られている。
【0299】 診断における、PCRに基づく方法の参照のためには、一般的、次の文献を参照
のこと:Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana Pres
s, Inc. 1991), White (ed), PCR Protocols; Current Methods and Applicatio
ns (Humana Press, Inc, 1993), Cotter (ed), molecular Diagnosis of Cancer
(Humana Press, Inc. 1996), Hanausek and Walaszek (eds.), Tumor Marker P
rotocols。(Humana Press, Inc. 1998). Lo (ed), Clinical Application of PC
R (Humana Press, Inc. 1998), 及びMeltzer (ed), PCR in Bioanalysis (Human
a Press. Inc. 1998))。
【0300】 Zalpha 31遺伝子座に関連する突然変異は、直接的な突然変異分析のための標
準方法、例えば制限フラグメント長さ多型現象分析、RCR技法を用いての短いタ
ンデム反復体分析、増幅―無反応性突然変異システム分析、一本鎖コンホメーシ
ョン多型現象検出、RNアーゼ分解方法、変性グラジエントゲル電気泳動、蛍光−
助力のミスマッチ分析、及び当業界において知られている他の遺伝子分析技法を
用いることにより、本発明の核酸分子を用いて検出され得る(例えば、次の文献
を参照のこと
【0301】 :Mathew (ed), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana Press, In
c. 1991),Marian, Chest 108:255 (1995). Coleman and Tsongalis, molecular
Diagnostics (Human Press, Inc. 1996), Elles (ed.) Molecular Diagnosis of
Genetic Diseases (Humana Press. Inc. 1996), Landegren (ed.) Laboratory
Protocols for Mutation Detection (Oxford University Press 1996), Birren
など. (eds.) Genome Analysis Vol. 2: Detecting Genes (Cold Spring Harbor
Laboratory Press 1998). Dracopoli など. (eds.) Current Protocols in Hum
an Genetics (John Wiley & Sons 1998). 及びRichards and Ward, “Molecular
Diagnostic Testing,” in Preineiples of Molecular Medicine, pages 83-88
(Humana Press , luc. 1998)。
【0302】 突然変異についてのzalpha 31遺伝子の直接的な分析は、対象のゲノムDNAを用
いて行われ得る。例えば、末梢血液リンパ球から得られるゲノムDNAを増幅する
ための方法は、当業者に良く知られている(例えば、Dracopoliなど. (eds.), C
urrent Protocols in Human Genetics, p7.1.6-7.1.6 (John Wiley & Sons 1998
) を参照のこと。
【0303】 “トランスジェニックマウス”として言及される、zalpha 31遺伝子を発現す
るように構築されたマウス、及び“ノックアウトマウス”として言及される、za
lpha 31遺伝子機能の完全な不在を示すマウスがまた、生成され得る(Snouwaert
など., Science 257: 1083, 1992; Lowellなど., Nature 366: 740-742, 1993;
Capecchi, Science 244: 1288-1292, 1989; Palmiterなど., Annu. Rev. Genet.
20: 465-499, 1986)。例えば、偏在的に、又は組織−特異的又は組織−制限さ
れたプロモーター下でzalpha 31を過剰発現するトランスジェニックマウスは、
過剰発現が表現型を引き起こすかどうかを決定するために使用さえ得る。
【0304】 例えば、野生型zalpha 31ポリペプチド、そのポリペプチドフラグメント又は
変異体の過剰発現は、正常な細胞工程を変更することができ、zalpha 31発現が
機能的に適切であり、そしてzalpha 31、そのアゴニスト又はアンタゴニストの
ための治療標的物を示すことができる組織を同定する表現型をもたらす。例えば
、構築する好ましいトランスジェニックマウスは、成熟zsig zalpha 31成熟ポ
リペプチド(配列番号2のアミノ酸残基20(Asp)−残基142(Arg))を過剰発現
するものである。さらに、そのような過剰発現は、ヒト疾病との類似性を示す表
現型をもたらすことができる。
【0305】 同様に、ノックアウトzalpha 31マウスは、zalpha 31がインビボで絶対的に必
要とされる場所を決定するために使用され得る。ノックアウトマウスの表現型は
zalpha 31アンタゴニスト、例えば本明細書に記載されるそれらのもののインビ
ボ効果を予測することができる。ヒトzalpha 31cDNAは、ノックアウトマウスを
生成するために使用される、ネズミzalpha 31 mRNA、cDNA及びゲノムDNAを単離
するためにしようされ得る。
【0306】 それらのマウスはzalpha 31遺伝子及びそれによりコードされるタンパク質を
インビボシステムにおいて研究するために使用され得、そして対応するヒト疾病
のためのインビボモデルとして使用され得る。さらに、本明細書に記載される、
zalpha 31に対して向けられた、zalpha 31アンチセンスポリヌクレオチド又はリ
ボザイムのトランスジェニックマウス発現がまた、上記トランスジェニックマウ
スと同じようにして使用され得る。
【0307】 医薬使用のためには、本発明のタンパク質は、従来の方法に従って、非経口、
特に静脈内又は皮下供給のために配合される。静脈内投与は、1〜数時間の典型
的な期間、ボーラス注射又は注入により行われるであろう。一般的に、医薬製剤
は、zalpha 31タンパク質を、医薬的に許容できるビークル、例えば塩溶液、緩
衝溶液、水中、5%デキストロース、又は同様のものと共にを含むであろう。製
剤はさらに、1又は複数の賦形剤、保存剤、溶解剤、緩衝剤、バイアル表面上の
タンパク質損失を妨げるためのアルブミン、等を含むことができる。
【0308】 配合方法は、当業界において良く知られており、そして例えば、Remington: T
he Science and Practice of Pharmacy, Gennaro, ed., Mack Publishing Co.,
Easton, PA, 19th ed., 1995に開示される。治療用量は、一般的に、0.1〜100μ
g/kg患者の体重/日、好ましくは0.5〜20mg/kg/日の範囲であり、そして正確な用
量は処理される病状の性質及び重症度、患者の特徴、等を考慮して、許容できる
標準に従って、臨床医により決定される。用量の決定は、当業者のレベル内であ
る。タンパク質は、急性処理のために、1週間又はそれ以下にわたって、しばし
ば1〜3日間にわたって投与され得、又は慢性処理のためには、数ヶ月〜数年に
わたって使用され得る。
【0309】 本発明は、次の非制限的な例によりさらに例示される。 実施例 例1十分な長さのzalpha 31を得るためにEST配列を用いてのzalpha 31の同
シグナル配列及びαヘリックスを用いての予測される十分な長さのアッセンブ
リーの翻訳されたDNAデータベースの走査は、5’EST配列(EST362610;Image Co
nsortium)を有するアセンブリーの同定をもたらした。
【0310】 EST配列の確認を、ESTに起因するcDNAの配列分析により行った。このcDNAはプ
ラスミドに含まれ、そしてこのクローンの完全な二本鎖配列を生成するために次
のプライマーを用いて配列決定された:ZC694(配列番号4)、ZC7625(配列番
号5)、ZC22487(配列番号6)、ZC22488(配列番号7)、ZC22249(配列番号
8)。EST362610配列(配列番号1)は、本明細書及び配列番号2に記載される
ように、十分な長さのタンパク質により企画されたzalpha 31をコードした。
【0311】 例2組織分布 ノザンブロット分析を、Human Multiple Tissue Blots (MTN1, MTN2及びMTN3)
及びMaster Dotブロット(Clontech, Palo Alto, CA)を用いて行った。cDNAプ
ローブを、PCRを用いて調製した。オリゴヌクレオチドZC22,230(配列番号9)
及びZC22,249(配列番号8)を、プライマーとして使用し、EST INC515639H2 (I
ncyte Pharmaceuticals, Palo Alto, CA) を企画した。鋳型は、製造業者の説明
書に従って実験室で製造されたヒト脳Marathon cDNA(Clontech)であった。
【0312】 PCRサーモサイクラー条件は次の通りであった:94℃で1.5分(1サイクル);
94℃で10秒、62℃で20秒、72℃で30秒(35サイクル);72℃で10分(1サイクル
);続いて4℃での維持。約500bpのプローブを、Gel Extraction キット(Qiag
en, Chatsworth, CA)を用いて、製造業者の説明書に従って精製した。プローブ
を、Rediprime II DNAラベリングキット(Amersham,Arlington Heights, IL)
を用いて、製造業者の説明書に従って放射性ラベルした。プローブを、NUCTRAP
プッシュカラム(Statagene Cloning Systems, La Jolla, CA)を用いて精製し
た。
【0313】 EXPRESSHYB(Clontech)溶液を、プレハイブリダイゼーションのために、及び
ノザンブロットのためのハイブリダイゼーション溶液として使用した。ハイブリ
ダイゼーションは、1.5×106cpm/mlのラベルされたプローブを用いて、55℃で一
晩、行われた。ブロットを、2×SSC及び0.1%のSDSにより室温で、次に2×SSC
及び0.1%のSDSにより65℃、続いて0.1×SSC及び0.1%SDSにより65℃で洗浄した
。2つの転写体サイズを、心臓、甲状腺、脊髄、副腎、脳及び精巣において最強
の発現を有する組織において、約1.35kb及び約2kbでブロット上で観察した。
【0314】 ドットブロットをまた、Human RNA Master BlotsTM (Clontech)を用いて行っ
た。ドットブロットのためのお方法及び条件は、上記に開示されるMultiple Tis
sue Blotsのためのものと同じである。ドットブロットは、すべての組織におい
てシグナルを示し、そして脳、肝臓及び心臓において最強であった。zalpha 31
についてのEST電子ノザンブロットデータは、それが、B−細胞(扁桃)及び単球
/マクロファージ/樹状突起系のそれらの細胞において(“正常”な誘発されてい
ない状態での遍在性分布と一致する)、及び特に、前炎症性刺激、例えばPMA、T
NF又はLPSによる処理に続いて有力である高い誘発性遺伝子であることを示す。
【0315】 この結論は、次の組織における予測される頻度よりも高い頻度でのその存在に
基づかれる:胚中央のB細胞(扁桃)ライブラリー、他発性硬化症病変;刺激さ
れたTHP−1細胞(前−単球系);及び末梢血液樹状突起細胞(刺激されている
)。前記遺伝子はまた、T−細胞系(刺激されている)及び末梢血液単核細胞(
刺激されている)、胎児肝臓CD34+前駆体細胞、及び炎症現象に関連する傾向を
示す変形性関節症患者からの軟膏つにも見出された。さらに、神経起源の組織(
正常及び疾病)及び分化された細胞系(ニューロン)のライブラリーに見出され
るお有意な数のESTが存在した。
【0316】 例3zalpha 31の染色体割り当て及び配置 zalpha 31を、市販の“Genebridge 4 Radiation Hybrid Hybrid(RH) Mapping
Panel” (Research Genetics, Inc., Huntsville, AL)を用いて、染色体10にマ
ッピングした。そのGeneBridge 4 RH Panelは、93の放射線ハイブリッドクロー
ンの個々からのDNA、及び2種の対照DNA(HFL ドナー及びA23受容体)を含む。
公開されているWWWサーバー(http://www-genome.wi.mit.edu/cgi-bin/contig/r
hmapper.pl)は、GeneBridge 4 Radiation Hybrid Panelにより構成されたヒト
ゲノムのWhitehead Institute/MT Center for Genome Research’s放射線ハイブ
リッド地図(“WICGR”放射線ハイブリッド地図)に関してのマッピングを可能
にする。
【0317】 GeneBridge 4RH Panelによるzalpha 31のマッピングのために、20μlの反応体
をPCRのために適合する96−ウェルマイクロタイタープレート(Stratagene, La
Jolla, CA)に提供し、そして”RoboCycler Gradien 96” 熱サイクラー(Strat
agene)において使用した。個々の95のPCR反応は、2μlの10×KlenTaq PCR反応
緩衝液(CLONTECH Laboratories, Inc.,Palo Alto, CA)、1.6μlのdNTP混合物
(それぞれ2.5mM、PERKIN-ELMER, Foster City, CA)、1μlのセンスプライマ
ー、ZC23,469 (配列番号10)、11μlのアンチセンスプライマー、ZC23,470 (配列
番号11)、2μlのRediLoad (Research Genetics, Inc.)、0.4μlの50×Advantag
e KlenTaq ポリメラーゼ混合物(Clontech Laboratories, Inc.)、25ng の個々
のハイブリッドクローン又は対照からのDNA、及び20μlの合計体積のための蒸留
水から構成された。
【0318】 反応を同量の鉱油により被覆し、そして密封した。PCRサイクラー条件は次の
通りであった:94℃で5分間の変性、初期の1サイクル、94℃で45秒間の変性、
58℃で45秒間のアニーリング及び72℃で15秒間の延長、35サイクル、続いて72℃
で7分間の延長、最終の1サイクル。反応を、2%アガロースゲル上で電気泳動
により分離し(EM Science, Gibbstown, NJ)、そして臭化エチジウムによる染
色により可視化した。 その結果は、zalpha 31が染色体10 WICGR放射線ハイブリッド地図上で骨格マ
ーカーWI−8488から0.90cR_3000に位置することを示した。周囲遺伝子/マーカー
の使用は、10q23−q24染色体領域におけるzalpha 31を位置決定する。
【0319】 例4標識されていないzalpha 31組換えアデノウィルスの生成 A.アデノウィルス発現のための発現ベクター構造体の生成: ヒトzalpha 31のタンパク質コード領域を、それぞれ5’及び3’末端でFseI及
びAscI制限部位を付加するプライマーを用いて、PCRにより増幅した。PCRプライ
マーZC23457(配列番号に)及びZC23458(配列番号13)を、次の通りに、PCR反
応において、十分な長さのヒトzalpha 31 cDNAを含む鋳型pT7T3Dと共に使用した
:95℃で5分、1サイクル;続いて95℃で0.5分、58℃で0.5分、及び72℃で0.5
分、15サイクル;続いて72℃で7分;続いて24℃でのソーキング。
【0320】 zalpha 31 PCR生成物を、ゲルから切除し、65℃で溶解し、2度フェノール抽
出し、そしてエタノール沈殿せしめた。次に、PCR生成物を、FseI−AscIにより
消化し、フェノール/クロロホルム抽出し、エタノール沈殿せしめ、そしてTE(
トリス/EDTA、pH8)において再水和化した。次に、429bpのzalpha 31フラグメン
トを、修飾されたpAdTrack CMV (He, T-C. など., PNAS 95: 2509-2514, 1998)
のFseI-AscI部位中に連結した。この構造体はまた、GFPマーカー遺伝子を含む。
GFP発現を駆動するCMVプロモーターを、SV40プロモーターにより置換し、そして
SV40ポリアデニル化シグナルを、ヒト成長ホルモンポリアデニル化シグナルによ
り置換した。
【0321】 さらに、生来のポリリンカーを、FseI, EcoRV及びAscI部位により置換した。p
AdTrack CMVのこの修飾された形を、pZyTrackと命名した。連結を、Fast-LinkTM DNA連結及びスクリーニングキット(Epicentre Technologies, Madison, WI)
を用いて行った。Zalpha 31 cDNAを含むクローンを、標準のminiprep方法により
同定した。プラスミドを線状化するために、約5μgのpZyTrack zalpha 31プラ
スミドを、PmeIにより消化した。約1μgの線状化されたプラスミド及び200ngの
スーパーコイルpAdEasy (He など., 前記) により、BJ5183細胞を同時形質転換
した。
【0322】 その同時形質転換は、Bio-Rad Gene Pulserを用いて、2.5kV、200オーム及び2
5mFaで行われた。全同時形質転換体を、25μg/nlのカナマイシンを含む4LBプレ
ート上にプレートした。最小のコロニーを採取し、そしてLB/カナマイシンにお
いて拡張し、そして組換えアデノウィルスDNAを標準のDNA miniprep方法により
同定した。FseI−AscIによる組換えアデノウィルスDNAの消化が、zalpha 31の存
在を確認した。組換えアデノウィルスminiprep DNAを用いて、DH10Bコンピテン
ト細胞を形質転換し、そしてDNAを、Qiagen maxi prepキットを用いて、そのキ
ットの説明書に従って調製した。
【0323】 B.組換えDNAによる293a細胞のトランスフェクション: 約5μgの組換えアデノウィルスDNAを、20〜30UのPacIを含む反応体積100μl
において、37℃で3時間、PacI酵素(New England Biolabs)により消化した。
消化されたDNAを、等体積のフェノール/クロロホルムにより2度、抽出し、そし
てエタノールにより沈殿した。DNAペレットを、5μlの蒸留水に再懸濁した。早
めに接種された、及び60−70%の集密性まで増殖されたQBI−293A細胞(Quantum
Biotechnologies, Inc. Montreal, Qc. Canada)のT25フラスコを、PacI消化さ
れたDNAによりトランスフェクトした。
【0324】 PacI−消化されたDNAを、無菌HBS(150mMのNaCl, 20mMのHEPES)により、50μ
lの合計体積まで希釈した。別々の管において、25μlのDOTAP(Boehringer Man
nheim, Img/ml)を、HBSにより100μlの合計体積まで希釈した。DNAをDOTAPに添
加し、ピペットにより上下することに軽く混合し、そして室温で15分間、放置し
た。培地を293A細胞から除去し、そして1mMのピルビン酸ナトリウム(GibcoBRL
)、0.1mMのMEM非必須アミノ酸(GibcoBRL)及び25mMのHEPES緩衝液(GibcoBRL
)を含む血清フリーのMEMalpha (GibcoBRL) 5mlにより洗浄した。
【0325】 5mlの血清フリーのMEMを、293A細胞に添加し、そして37℃で維持した。DNA/脂
肪混合物を、293A細胞のT25フラスコに添加し、軽く混合し、そして37℃で4時
間インキュベートした。4時間後、DNA/脂質混合物を含む培地を吸引し、そして
5%ウシ胎児血清を含む完全MEM 5mlにより置換した。トランスフェクトされた
細胞をフォーカス、すなわちウィルスプラークのGreen Fluorescent Protein (G
FP) 発現及び形成についてモニターした。
【0326】 組換えアデノウィルスDNAによる293A細胞のトランスフェクションの7日後、
細胞はGFPタンパク質を発現し、そしてフォーカスを形成し始めた。それらのフ
ォーカスは、ウィルス“プラーク”であり、そして粗ウィルス溶解物を、細胞ス
クラッパーを用いて、293A細胞のすべてを集めた。その溶解物を、50mlの円錐形
管に移した。細胞からウィルス粒子のほとんどを開放するために、凍結/融解(
3サイクル)を、ドライアイス/エタノール浴及び37℃の水浴において行った。
【0327】 C.組換えアデノウィルス(rAdV)の増幅: 粗溶解物を、増殖し(一次(1°)増殖)、zalpha 31 rAdV溶解物の研究用“
原液”を得た。ほぼ集密性(80〜90%)の293A細胞の10個の10cmプレートを、前
もって20時間前に設定し、200mlの粗rAdV溶解物を個々の10cmプレートに添加し
、そして48〜72時間モニターし、光顕微鏡下でCPE及び蛍光顕微鏡下でGFPの発現
を調べた。すべての293A細胞がCPE(細胞変性効果)を示す場合、この一次原液
溶解物を集め、そして凍結/融解サイクルを、粗rAdV溶解物下に記載のようにし
て行った。
【0328】 zalpha 31 rAdVの二次(2°)増殖を次の通りにして得た:293A細胞の20個の1
5cm組織培養皿を調製し、80〜90%の集密性の細胞を得た。20mlの5%MEM培地を
除く他のすべてを除去し、そして個々の皿を、300〜500mlの一次増幅されたrAdV
溶解物により接種した。48時間後、293A細胞をウィルス生成物から溶解し、そし
てこの溶解物を250mlのポリプロピレン遠心分離ボトル中に集め、そしてrAdVを
精製した。
【0329】 D.組換えアデノウィルスの精製: NP−40界面活性剤を、すべての細胞を溶解するために粗溶解物のボトルに添加
し、0.5%の最終濃度にした。ボトルを回転プラットフォーム上に10分間、配置
し、ボトルが落ちないようできるだけ早く撹拌した。残骸を20,000×Gでの15分
間の遠心分離によりペレット化した。上清液を250mlのポリカーボネート遠心分
離ボトルに移し、そして0.5体積の20%PEG8000/2.5MのNaCl溶液を添加した。ボ
トルを氷上で一晩、振盪した。ボトルを20,000×Gで15分間、遠心分離し、そし
て上清液を漂白溶液中に捨てた。回転マークのいずれか側のボトルの壁にそって
2本の垂直な線としての白色沈殿物は、沈殿されたウィルス/PEGである。
【0330】 滅菌された細胞スクラッパーを用いて、2本のボトルからの沈殿物を、2.5ml
のPBSに再懸濁した。ウィルス溶液を、2mlのマイクロ遠心分離管に配置し、そ
してマイクロ遠心分離器により14,000×Gで10分間、遠心分離し、追加の細胞残
骸を除去した。2mlのマイクロ遠心分離管からの上清液を、15mlのポリプロピレ
ンスナップキャップ管に移し、そして塩化セシウム(CsCl)により1.34g/mlの密
度に調節した。ウィルス溶液の体積を推定し、そして0.55g/mlのCsClを添加した
。CsClを溶解し、そしてこの溶液1mlを計量し、それは1.34gであった。
【0331】 その溶液を3.2mlのポリカーボネート厚壁遠心分離管(Beckman No. 362305)
に移し、そしてTLA−100.4ローターを備えたBeckman Optima TlXマイクロウルト
ラ遠心分離機により80,000rpm (348,000×G)で3〜4時間、25℃で回転せしめた
。ウィルスは白色バンドを形成した。広−口径ピペットチップを用いて、ウィル
スバンドを集めた。 グラジエントからのウィルスは、それが細胞に対して使用され得る前、除去さ
れるべきである多量のCsClを有する。Sephadex G-25M (Pharmacia) により前も
って充填されたPharmacia PD-10カラムを用いて、ウィルス調製物を脱塩した。
【0332】 カラムを20mlのPBSにより平衡化した。ウィルスを付加し、そしてカラム中に
通した。5mlのPBSをカラムに添加し、そして8〜10滴の画分を集めた。個々の画
分の1:50希釈溶液の光学密度を、分光計上で260nmで測定した。明白な吸光度
ピーク画分7〜12間に存在した。それらの画分をプールし、そして1:25希釈溶
液の光学密度(OD)を測定した。次の式を用いて、ODをウィルス濃度に転換した
:(260nmでのOD)(25)(1.1×1012)=ビリオン/ml。zalpha 31 rAdVの1:2
5希釈溶液のODは、0.059であり、これは3.0×1012個のビリオン/mlのウィルス濃
度を付与する。
【0333】 ウィルスを貯蔵するために、グリセロールを、15%の最終濃度になるまで、精
製されたウィルスに添加し、軽くではあるが、しかし効果的に混合し、そして−
80℃でアリコートで貯蔵した。
【0334】 E.50%CPE(TCID50)ウィルス滴定アッセイの組織培養感染用量: Quantum Biotechnologies, Inc. (Montreal, Qc. Canada) により開発された
プロトコールに従って、組換えウィルスの感染性を測定した。手短には、2個の
96−ウェル組織培養プレートを、アッセイされるべき個々の組換えウィルスのた
めの2%ウシ胎児血清を含むMEMにおいてウェル当たり1×104個の293A細胞によ
り接種した。24時間後、1×10-2〜1×10-14の個々のウィルスの10倍希釈溶液
を、2%ウシ胎児血清を含むMEMにおいて製造した。100μlの個々の希釈溶液を
、個々の20のウェルに配置した。37℃で5日後、ウェルを、細胞変性効果(CPE
)について、正又は負のいずれかで出読み取り、そして“プラーク形成単位/ml
”(PFU)についての値を計算する。
【0335】 使用されるTCID50の式は、上記Quantum Biotechnologies, Inc. による。力価
(T)を、使用されるウィルスが10-2〜10-14に希釈されているプレートから決定
し、そして感染の5日後に読み取った。個々の希釈度で、ウェルの合計数当たり
のCPEについての陽性ウェルの比(R)を決定する。
【0336】 希釈されていないウィルスサンプルの力価を計算するために、因子“F”=1
+d (S−0.5)(ここで、“S”は比(R)の合計であり;そして“d”は希釈シリ
ーズのLog10であり、例えば、“d”は10倍の希釈シリーズで1に等しい)を用い
た。希釈されていないサンプルの力価は、T=10(1+F)=TCID50/mlである。TCID5 0 /mlをpfu/mlに転換するために、0.7を、力価(T)についての計算において指数
から引き算する。 zalpha 31アデノウィルスは、1.3×1010pfu/mlの力価を有した。
【0337】 例5ヒトzalpha 31トランスジェニックマウスを生成するための構造体
A.MT−1プロモーターからヒトzalpha 31を発現するための構造体: zalpha 31コード領域(例4)を確認された配列を含む約10μgのZytrackベク
ターを、FseI及びAscIにより消化した。次に、ベクターをエタノール沈殿し、そ
してペレットをTEに再懸濁した。開放された429bpのzalpha 31フラグメントを、
1.2%のSeaPlaqueゲル上に前記消化されたベクターを付加し、そしてフラグメン
トを切除することによって単離した。DNAを、QiaQuick(Qiagen)ゲル抽出キッ
トを用いて精製した。
【0338】 次に、zalpha 31フラグメントを、FesI及びAscIにより前もって消化された本
発明の標準のトランスジェニックベクターpTG12-8中に連結した。トランスジェ
ニックマウスにおける興味ある遺伝子の発現のために消化されたpTG12-8プラス
ミドは、10kbのMT-1 5’DNA及び7kbのMT−1 3’DNAを端に有する発現カセット
を含む。発現カッセイトは、MT−1プロモーター、ラットインスリンIIイントロ
ン、所望するクローンの挿入のためのポリリンカー及びヒト成長ホルモンポリA
配列を含んで成る。
【0339】 約1μlの連結反応物を、製造業者の説明書に従って、DH10B ElectroMax(商
標)コンピテント細胞(GIBCO BRL, Gaithersburg, MD)中にエレクトロポレー
トし、100μg/mlのアンピシリンをLBプレート上にプレートし、そして37℃で一
晩インキュベートした。コロニーを採取し、そして100μg/mlのアンピシリンを
含むLB培地において増殖した。Miniprep DNAを、前記採取されたクローンから調
製し、そしてEcoRIによる制限消化及び続くアガロースゲル電気泳動によりzalph
a 31挿入体についてスクリーンした。正しいpTG12-8 zalpha 31構造体のMaxipre
pを行った。
【0340】 5’及び3’フランキング配列、MTプロモーター、ラットインスリンIIイントロ
ン、zalpha 31cDNA及びヒト成長ホルモンポリA配列を含むSalIフラグメントを、
本明細書に記載される標準の技法を用いて調製し、そして受精されたネズミ卵母
細胞中へのマイクロインジェクションのために使用した。トランスジェニックマ
ウスのマイクロインジェクション及び生成は、Hogan, B. など., Manipulating
the Mouse Embryo, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY, 1994 に記載される通りにして行われた。
【0341】 B.リンパ球−特異的EuLCKプロモーターからヒトzalpha 31を発現するために構造 : FseI及びAscIにより消化されたzalpha 31 DNAフラグメント(例5A)を、上記
のように、FseI及びAscIにより前もって消化されたpKFO51、すなわちリンパ球−
特異的トランスジェニックベクター中にクローン化した。pKFO51トランスジェニ
ックベクターは、p1026X(Iritani, B. M., など., EMBO J. 16: 7017-31, 1997
)に由来し、そしてT細胞−特異的lck近位プロモーター、B/T細胞−特異的免疫
グロブリンμH鎖エンハンサー、所望するクローンの挿入のためのポリリンカー
及び不活性成長ホルモンタンパク質(3’イントロン及びポリアデニル化シグナ
ルを供給する)をコードする突然変異誘発されたhGH遺伝子を含む。
【0342】 約1μlの個々の連結反応物をエレクトロポレートし、プレートし、クローン
を採取し、そして上記のようにして、制限消化にによりヒトzalpha 31挿入体に
ついてスクリーンした。pKFO51−zalpha 31の正しいクローンを、配列決定によ
り確認し、そしてこのクローンのmaxiprepを行った。lck近位プロモーター及び
免疫グロブリンμエンハンサー(EμLCK)、zalpha 31cDNA、及び突然変異誘発
されたhGH遺伝子を含むNotIフラグメントを調製し、受精されたネズミ卵母細胞
中へのマイクロインジェクションのために使用する。
【0343】 前述から、本発明の特定の態様が例示目的のために本明細書において記載され
て来たが、種々の修飾が本発明の範囲内で行われ得ることは、当業者に理解され
るであろう。
【配列表】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年5月21日(2001.5.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/21 4H045 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 M 33/53 33/566 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA25 AA40 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB02 FB03 FB07 4B024 AA01 AA11 BA21 CA04 EA02 FA02 HA12 4B063 QA18 QQ79 QR80 4B064 AG02 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 CA40 DA01 EA22 EA24 EA50 FA74

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号2の残基番号37(Ile)〜残基番号132(Leu
    )に示されるアミノ酸配列; (b)配列番号2の残基番号20(Asp)〜残基番号142(Arg)に示されるアミ
    ノ酸配列;及び (c)配列番号2の残基番号1(Met)〜残基番号142(Arg)に示されるアミ
    ノ酸配列; の群から選択されたアミノ酸残基の配列に対して少なくとも90%同一であるポ
    リペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 前記ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドが、
    下記式: Asp20−{16}−H1−{13}−H2−{7}−H3−{16}−H4−{9}−Arg142 [式中、Asp20は、配列番号2に示される残基20(Asp)であり; Arg142は、配列番号2に示される残基142(Arg)であり; H1は、“ヘリックスA”(配列番号2のアミノ酸37(Ile)〜51(Tyr)に対応
    する)であり; H2は、“ヘリックスB”(配列番号2のアミノ酸65(Leu)〜79(Glu)に対応
    する)であり; H3は、“ヘリックスC”(配列番号2のアミノ酸87(Ile)〜101(Leu)に対応
    する)であり; H4は、“ヘリックスD”(配列番号2のアミノ酸118(Leu)〜132(Leu)に対
    応する)であり;そして {数}は、モチーフ間のアミノ酸残基のおおよその数(±2個の残基)を表す
    ]により表される配置において、N−末端からC−末端の方に間隔をとって離れて
    存在する4個のαヘリックスをさらに含む請求項1記載の単離されたポリヌクレ
    オチド。
  3. 【請求項3】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号3のヌクレオチド1〜ヌ
    クレオチド426を含んで成る請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 (a)配列番号2の残基番号37(Ile)〜残基番号132(Leu
    )に示されるアミノ酸配列; (b)配列番号2の残基番号20(Asp)〜残基番号142(Arg)に示されるアミ
    ノ酸配列;及び (c)配列番号2の残基番号1(Met)〜残基番号142(Arg)に示されるアミ
    ノ酸配列; の群から選択されたアミノ酸残基の配列を含むポリペプチドをコードする請求
    項1記載の単離されたポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 次の作用可能に連結された要素: 転写プロモーター; 請求項1記載のポリペプチドをコードするDNAをセグメント;及び 転写ターミネーター; を含む発現ベクター。
  6. 【請求項6】 前記DNAセグメントに作用可能に連結された分泌シグナル配
    列をさらに含む請求項5記載の発現ベクター。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の発現ベクターが導入されており、前記DNAセ
    グメントによりコードされたポリペプチドを発現する培養された細胞。
  8. 【請求項8】 融合タンパク質をコードするDNA構造体であって、 (a)配列番号2の残基番号1(Met)〜残基番号19(Asp)のアミノ酸配列; (b)配列番号2の残基番号87(Ile)〜残基番号101(Leu)のアミノ酸配列
    ; (c)配列番号2の残基番号118(Leu)〜残基番号132(Leu)のアミノ酸配
    列; (d)配列番号2の残基番号37(Ile)〜残基番号132(Leu)のアミノ酸配列
    ;及び (e)配列番号2の残基番号20(Tyr)〜残基番号142(Leu)のアミノ酸配列
    ; の群から選択されたアミノ酸残基の配列を含むポリペプチドをコードする第1
    DNAセグメント;並びに 追加のポリペプチドをコードする少なくとも1つの他のDNAセグメントを含ん
    で成り、ここで前記第1及び他のDNAセグメントが読み取り柄を整合して連結さ
    れており;そして前記融合タンパク質をコードすることを特徴とするDNA構造体
  9. 【請求項9】 次の作用可能に連結された要素: (a)転写プロモーター; (b)請求項8記載の融合タンパク質をコードするDNA構造体;及び (c)転写ターミネーター; を含むベクターが導入されている宿主細胞を培養し;そして 前記DNAセグメントによりコードされるタンパク質を回収する; ことを含んで成る方法により生成される融合タンパク質。
  10. 【請求項10】 (a)配列番号2の残基番号37(Ile)〜残基番号132(Le
    u)に示されるアミノ酸配列; (b)配列番号2の残基番号20(Asp)〜残基番号142(Arg)に示されるアミ
    ノ酸配列;及び (c)配列番号2の残基番号1(Met)〜残基番号142(Arg)に示されるアミ
    ノ酸配列; の群から選択されたアミノ酸残基の配列に対して少なくとも90%同一である、
    アミノ酸残基の配列を含む単離されたポリペプチド。
  11. 【請求項11】 前記ポリペプチドが、下記式: Asp20−{16}−H1−{13}−H2−{7}−H3−{16}−H4−{9}−Arg142 [式中、Asp20は、成熟ポリペプチドの開始残基(配列番号2に示される)であり
    ; Arg142は、成熟ポリペプチドの最終残基(配列番号2に示される)であり; H1は、“ヘリックスA”(配列番号2のアミノ酸37(Ile)〜51(Tyr)に対応
    する)であり; H2は、“ヘリックスB”(配列番号2のアミノ酸65(Leu)〜79(Glu)に対応
    する)であり; H3は、“ヘリックスC”(配列番号2のアミノ酸87(Ile)〜101(Leu)に対応
    する)であり; H4は、“ヘリックスD”(配列番号2のアミノ酸118(Leu)〜132(Leu)に対
    応する)であり;そして {数}は、モチーフ間のアミノ酸残基のおおよその数(±2個の残基)を表す
    ]により表される配置において、N−末端からC−末端の方に間隔をおいて離れて
    存在する4個のαヘリックスをさらに含む請求項10記載の単離されたポリペプチ
    ド。
  12. 【請求項12】 (a)配列番号2の残基番号37(Ile)〜残基番号132(Le
    u)に示されるアミノ酸配列; (b)配列番号2の残基番号20(Asp)〜残基番号142(Arg)に示されるアミ
    ノ酸配列;及び (c)配列番号2の残基番号1(Met)〜残基番号142(Arg)に示されるアミ
    ノ酸配列; の群から選択されたアミノ酸残基の配列を含む請求項10記載の単離されたポリ
    ペプチド。
  13. 【請求項13】 zalpha31ポリペプチドの生成方法であって、 請求項7記載の細胞を培養し;そして 前記細胞により生成されるzalpha31ポリペプチドを単離する; ことを含んで成る方法。
  14. 【請求項14】 試験サンプルにおけるzalpha31タンパク質のアンタゴニス
    トの存在を検出するための方法であって、 zalpha31−刺激された細胞経路に対して応答性である細胞を培養し; 請求項13記載の方法によりzalpha31ポリペプチドを生成し; 試験サンプルの存在下及び不存在下で、前記細胞に前記zalpha31ポリペプチド
    を暴露し; 試験サンプルの存在下及び不存在下で、前記zalpha31ポリペプチドに対する応
    答性のレベルを、生物学的又は生化学的アッセイにより比較し;そして 前記比較から、試験サンプルにおけるzalpha31活性のアンタゴニストの存在を
    決定する; ことを含んで成る方法。
  15. 【請求項15】 試験サンプルにおけるzalpha31タンパク質活性のアゴニス
    トの存在を検出するための方法であって、 zalpha31−刺激された細胞経路に対して応答性である細胞を培養し; 試験サンプルを添加し; 試験サンプルの存在下及び不存在下で、応答性のレベルを、生物学的又は生化
    学的アッセイにより比較し;そして 前記比較から、試験サンプルにおけるzalpha31活性のアゴニストの存在を決定
    する; ことを含んで成る方法。
  16. 【請求項16】 zalpha31ポリペプチドに対する抗体の生成方法であって、 (a)請求項10又は12記載のポリペプチド; (b)配列番号2のアミノ酸番号87(Ile)〜101(Leu)を含むポリペプチド
    ; (c)配列番号2のアミノ酸番号118(Leu)〜132(Leu)を含むポリペプチド
    ; (d)配列番号2のアミノ酸番号14(Asp)〜19(Asp)を含むポリペプチド; (e)配列番号2のアミノ酸番号26(Ala)〜31(Glu)を含むポリペプチド; (f)配列番号2のアミノ酸番号27(Glu)〜32(Pro)を含むポリペプチド; (g)配列番号2のアミノ酸番号136(Tyr)〜141(Lys)を含むポリペプチド
    ; (h)配列番号2のアミノ酸番号137(Lys)〜142(Arg)を含むポリペプチド
    ; (i)配列番号2のアミノ酸番号127(Ala)〜135(Lys)を含むポリペプチド
    ;及び (j)配列番号2のアミノ酸番号127(Ala)〜139(Leu)を含むポリペプチド
    ; の群から選択されたポリペプチドを動物に接種し、ここで前記ポリペプチドが
    動物において免疫応答を誘発し、抗体を生成し;そして 前記動物から抗体を単離する; 段階を順に含んで成る方法。
  17. 【請求項17】 zalpha31ポリペプチドに対して特異的に結合する、請求項
    16記載の方法により生成される抗体。
  18. 【請求項18】 請求項10又は12記載のポリペプチドに対して特異的に結合
    する抗体。
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