JP2003524415A - サイトカインzcyto18 - Google Patents

サイトカインzcyto18

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JP2003524415A JP2001546920A JP2001546920A JP2003524415A JP 2003524415 A JP2003524415 A JP 2003524415A JP 2001546920 A JP2001546920 A JP 2001546920A JP 2001546920 A JP2001546920 A JP 2001546920A JP 2003524415 A JP2003524415 A JP 2003524415A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はZCYTO18ポリヌクレオチド及びポリペプチド分子に関する。ZCYTO18は、新規サイトカインである。ポリペプチドは、インビトロ及びインビボで、造血細胞の増殖及び/又は成長を刺激するための方法内で使用され得る。本発明はまた、タンパク質の生成方法、そのタンパク質の使用、及びそのタンパク質に対する抗体も包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景: ホルモン及びポリペプチド増殖因子は、多細胞生物の細胞の増殖及び分化を制
御する。それらの拡散性分子は、細胞のお互いの連絡を可能し、そして細胞、及
び器官の形成、そして損傷された組織の修復に関して作用する。ホルモン及び成
長因子の例は、ステロイドホルモン(例えば、テストステロン)、副甲状腺ホル
モン、卵胞刺激ホルモン、インターロイキン、血小板由来の成長因子(PDGF)、
上皮成長因子(EGF)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、
エリトロポエチン(EPO)及びカルシトニンを包含する。
【0002】 ホルモン及び成長因子は、受容体に結合することによって細胞代謝に影響を及
ぼす。受容体は、細胞内のシグナル化経路、例えば第2メッセンジャーシステム
に結合される内在性膜タンパク質であり得る。他の種類の受容体は、可溶性分子
、例えば転写因子である。
【0003】 サイトカインは一般的に、造血系の細胞の増殖又は分化を刺激し、又は身体の
免疫及び炎症応答に関係している。造血に影響を及ぼすサイトカインの例は、赤
血球細胞の成長を刺激するエリトロポエチン(EPO);巨核球系の細胞の成長を
刺激するトロンボポエチン(TPO);及び好中球の成長を刺激する顆粒球−刺激
因子(G−CSF)である。それらのサイトカインは、貧血、血小板減少症及び好中
球減少症を有する患者における正常な血液細胞レベルの回復、又は癌のための化
学療法の受容において有用である。
【0004】 インターロイキンは、免疫学的応答、例えば炎症を仲介するサイトカインのフ
ァミリーである。インターロイキンは、広範囲の種類の炎症病理学を仲介する。
免疫応答の中枢は、多くのサイトカイン及び抗原に対する適合できる免疫性を生
成するT細胞である。T細胞により生成されるサイトカインは、タイプ1及びタイ
プ2として分類されて来た(Kelso, A. Immun. Cell Biol. 76: 300-317, 1998
)。
【0005】 タイプ1サイトカインは、IL−2、IFN−γ、LT−αを包含し、そして炎症応
答、ウィルス免疫性、細胞内寄生体免疫性及び同種移植拒絶に包含される。タイ
プ2サイトカインは、IL-4, IL-5, IL-6, IL-10及びIL-13を包含し、そして体液
性応答、寄生虫免疫性及びアレルギー応答に関与する。タイプ1とタイプ2との
間の共有されるサイトカインは、IL-3, GM-CSF及びTNF−αを包含する。T細胞集
団を生成するタイプ1及びタイプ2が異なった型の炎症組織中に選択的に移動す
ることを示すある証拠が存在する。
【0006】 成熟T細胞は、例えばサイトカイン、生化学的シグナル分子、又はT細胞集団の
運命にさらに影響を及ぼす受容体を生成するために、抗原又は他の刺激物により
活性化され得る。 B細胞は、補助細胞機能、例えばサイトカインの生成を行うために、それらの
細胞表面上の受容体、例えばB細胞受容体及び他の補助分子を通して活性化され
得る。
【0007】 天然のキラー(NK)細胞は、T細胞及びB細胞と共に、共通する前駆体細胞を有
し、そして免疫監視において役割を演じる。15%までの血液リンパ球を含んで成
るNK細胞は、抗原受容体を発現せず、そして従って、標的細胞への結合のために
、必要なら、MHC認識を使用しない。インビボで、NK細胞は、活性化を必要とす
ると思われるが、しかしながら、インビトロで、NK細胞は、活性化を伴なわない
で、いくつかのタイプの腫瘍細胞を殺害することが示されている。
【0008】 サイトカインファミリーの例示されたインビボ活性は、他のサイトカイン、サ
イトカインアゴニスト及びサイトカインアンタゴニストの莫大な臨床学的可能性
及びそれらの必要性を説明する。本発明は、造血細胞を包含する多くの細胞型を
刺激し、そして炎症応答及び腫瘍細胞増殖に関係する新規サイトカイン、並びに
関連する組成物及び方法を提供することにより、それらの必要性と取り組む。
【0009】 発明の記載: 本発明は、本明細書における教授から当業者に明らかになるべきであるそれら
の及び他の用途のためにそのようなポリペプチドを提供する。 1つの観点においては、本発明は、(a)配列番号3のアミノ酸番号23(Pro
)〜アミノ酸番号167(Ile)に示されるようなアミノ酸配列;(b)配列番号3
のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号167(Ile)に示されるようなアミノ酸
配列;及び(c)配列番号2のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号179(Ile
)に示されるようなアミノ酸配列から成る群からのアミノ酸配列に対して少なく
とも90%同一であるアミノ酸残基の配列を含んで成るサイトカインポリペプチド
をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供し、ここで細胞により生成され
る前記ポリペプチドが、zcytor11(配列番号19)を含んで成るポリペプチドのた
めの受容体を発現する細胞の増殖を誘発し、又はK562細胞における細胞毒性を誘
発することを特徴とする。
【0010】 1つの態様においては、前記ポリヌクレオチドは、(a)配列番号1のヌクレ
オチド123〜ヌクレオチド557に示されるようなポリヌクレオチド配列;(b)配
列番号1のヌクレオチド57〜ヌクレオチド557に示されるようなポリヌクレオチ
ド配列;(c)配列番号1のヌクレオチド21〜ヌクレオチド557に示されるよう
なヌクレオチド配列;及び(d)上記(a)、(b)又は(c)に対して相補的
なポリヌクレオチド配列から成る群から選択される。もう1つの態様においては
、前記単離されたポリヌクレオチドは、配列番号4のヌクレオチド1〜ヌクレオ
チド501を含んで成る。
【0011】 もう1つの態様においては、前記単離されたポリヌクレオチは、(a)配列番
号3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)に示されるようなアミ
ノ酸配列;(b)配列番号3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号167(Ile
)に示されるようなアミノ酸配列;及び(c)配列番号2のアミノ酸番号1(Me
t)〜アミノ酸番号179(Ile)に示されるようなアミノ酸配列の群からのアミノ
酸残基の配列から成る群から選択されたアミノ酸残基の配列を含んで成るサイト
カインポリペプチドをコードする。
【0012】 第2の観点においては、本発明は、次の作用可能に連結された要素:転写プロ
モーター;配列番号3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)に示
されるようなサイトカインポリペプチドをコードするDNAセグメント;及び転写
ターミネーターを含んで成る発現ベクターを提供し、ここで前記プロモーターが
前記DNAセグメントに作用可能に連結され、そして前記DNAセグメントが前記転写
ターミネーターに作用可能に連結されることを特徴とする。1つの態様において
は、上記に開示される発現ベクターは、前記DNAセグメントに作用可能に連結さ
れる分泌シグナル配列をさらに含んで成る。
【0013】 第3の観点においては、本発明は、上記に開示される発現ベクターを含んで成
る培養される細胞提供し、ここで前記細胞は、前記DNAセグメントによりコード
されるポリペプチドを発現する。
【0014】 第4の観点においては、本発明は、融合タンパク質をコードするDNA構造体を
提供し、前記DNA構造体は(a)配列番号3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸
番号21(Ala)に示されるようなアミノ酸配列;(b)配列番号3のアミノ酸番
号41(Thr)〜アミノ酸番号53(Leu)に示されるようなアミノ酸配列;(c)配
列番号3のアミノ酸番号80(Met)〜アミノ酸番号91(Val)に示されるようなア
ミノ酸配列;(d)配列番号3のアミノ酸配列103(Gln)〜アミノ酸番号116(A
rg)に示されるようなアミノ酸配列;(e)配列番号3のアミノ酸番号149(Ile
)〜アミノ酸番号162(Leu)に示されるようなアミノ酸配列;及び(f)配列番
号3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)に示されるようなアミ
ノ酸配列の群から選択されたアミノ酸残基の配列を含んで成るポリペプチドをコ
ードする第1DNAセグメント;及び追加のポリペプチドをコードする少なくとも
1つの他のDNAセグメントを含んで成り、ここで、前記第1及び他のDNAセグメン
トが読み取り枠を整合して連結され;そして前記第1及び他のDNAゼグメントが
前記融合タンパク質をコードする。
【0015】 もう1つの観点においては、本発明は、次の作用可能に連結された要素:転写
プロモーター;上記に開示されるような融合タンパク質をコードするDNA構造体
;及び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターを提供し、ここで前記プロ
モーターが前記DNA構造体に作用可能に連結され、そして前記DNA構造体が前記転
写ターミネーターに作用可能的に連結されることを特徴とする。
【0016】 もう1つの観点においては、本発明は、上記に開示されるような発現ベクター
を含んで成る培養された細胞を提供し、ここで前記DNA構造体によりコードされ
るポリペプチドを発現する。 もう1つの観点においては、本発明は、上記に開示されるような細胞を培養し
;そして前記細胞により生成されるポリペプチドを単離することを含んで成る、
融合タンパク質の生成方法に関する。
【0017】 もう1つの観点においては、本発明は、(a)配列番号3のアミノ酸番号23(
Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)に示されるようなアミノ酸配列;(b)配列番
号3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号167(Ile)に示されるようなアミ
ノ酸配列;及び(c)配列番号2のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号179(
Ile)に示されるようなアミノ酸配列から成る群からのアミノ酸配列に対して少
なくとも90%同一であるアミノ酸残基の配列を含んで成る単離されたサイトカイ
ンポリペプチドを提供し、ここで細胞により生成される前記ポリペプチドが、zc
ytor11(配列番号19)を含んで成るポリペプチドのための受容体を発現する細胞
の増殖を誘発し、又はK562細胞における細胞毒性を誘発することを特徴とする。
【0018】 1つの態様においては、前記単離されたポリペプチドは、(a)配列番号3の
アミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)に示されるようなアミノ酸配
列;(b)配列番号3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号167(Ile)に示
されるようなアミノ酸配列;及び(c)配列番号2のアミノ酸番号1(Met)〜
アミノ酸番号179(Ile)に示されるようなアミノ酸配列の群から選択されたアミ
ノ酸残基の配列を含んで成る。 1つの観点においては、本発明は、上記に開示される細胞を培養し;そして前
記細胞により生成されるポリペプチドを単離することを含んで成る、サイトカイ
ンポリペプチドの生成方法を提供する。
【0019】 もう1つの観点においては、本発明は、(a)配列番号3のアミノ酸番号23(
Gly)〜アミノ酸番号779(Thr)におけるアミノ酸の連続配列に対して少なくと
も90%同一である、30〜144個のアミノ酸から成るポリペプチド;(b)請求項1
3記載のポリペプチド;(c)配列番号3のアミノ酸番号29(Arg)〜アミノ酸番
号34(Asn)のアミノ酸配列から成るポリペプチド;(d)配列番号3のアミノ
酸番号121(His)〜アミノ酸番号126(Asp)のアミノ酸配列から成るポリペプチ
ド;(e)配列番号3のアミノ酸番号134(Gln)〜アミノ酸番号139(Thr)のア
ミノ酸配列から成るポリペプチド;(f)配列番号3のアミノ酸番号137(Lys)
〜アミノ酸番号142(Lys)のアミノ酸配列から成る2ポリペプチド;(g)配列
番号3のアミノ酸番号145(Glu)〜アミノ酸番号150(Lys)のアミノ酸配列から
成るポリペプチド;(h)アミノ酸番号41(Thr)〜アミノ酸番号53(Leu)の配
列番号3のアミノ酸配列から成るポリペプチド;(i)配列番号3のアミノ酸番
号80(Met)〜アミノ酸番号91(Val)のアミノ酸配列から成るポリペプチド;(
j)配列番号3のアミノ酸番号103(Met)〜アミノ酸番号116(Arg)のアミノ酸
配列から成るポリペプチド;(k)配列番号3のアミノ酸番号149(Ile)〜アミ
ノ酸番号162(Leu)のアミノ酸配列から成るポリペプチドの群から選択されたポ
リペプチドにより動物を接種し、ここで前記ポリペプチドが、抗体を生成するた
めに動物において免疫応答を誘発し;そして前記動物から抗体を単離することを
含んで成る、ポリペプチドに対する抗体の生成方法を提供する。
【0020】 もう1つの観点においては、本発明は、配列番号2又は3のポリペプチドに結
合する、上記に開示される方法により生成される抗体を提供する。1つの態様に
おいては、前記抗体は、モノクローナル抗体である。もう1つの観点においては
、本発明は、上記に開示されるポリペプチドに対して特異的に結合する抗体を提
供する。
【0021】 もう1つの観点においては、本発明は、ZCYTO18−刺激された細胞経路に応答
性である細胞を培養し;上記に開示される方法によりポリペプチドを生成し;試
験サンプルの存在及び不在下で、前記細胞に前記ポリペプチドを暴露し;生物学
的又は生化学アッセイにより、前記試験サンプルの存在及び不在下でのポリペプ
チドの応答のレベルを比較し;そして前記試験サンプルにおけるZCYTO18活性の
アンタゴニストの存在を、前記比較から決定することを含んで成る、試験サンプ
ルにおけるZCYTO18タンパク質活性のアンタゴニストの存在を検出するための方
法を提供する。
【0022】 もう1つの観点においては、本発明は、ZCYTO18−刺激された細胞経路に応答
性である細胞を培養し;試験サンプルを添加し;生物学的又は生化学アッセイに
より、前記試験サンプルの存在及び不在下での応答のレベルを比較し;そして前
記試験サンプルにおけるZCYTO18活性のアゴニストの存在を、前記比較から決定
することを含んで成る、試験サンプルにおけるZCYTO18タンパク質活性のアゴニ
ストの存在を検出するための方法を提供する。
【0023】 もう1つの観点においては、本発明は、患者から遺伝子サンプルを得;前記遺
伝子サンプルを、配列番号1の少なくとも14個の連続ヌクレオチド又は配列番号
1の補体を含んで成るポリヌクレオチドと共に、前記ポリヌクレオチドが相補的
ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズするであろう条件下でインキュベ
ートすることによって、第1反応生成物を生成し;前記第1反応生成物を明視化
し;そして野生型患者からの対照反応生成物に、前記第1反応生成物を比較し、
ここで前記第1反応生成物と前記対照反応生成物との間の差異が患者における遺
伝子異常性の表示であることを特徴とする、患者における遺伝子異常性の検出方
法を提供する。
【0024】 もう1つの観点においては、本発明は、患者から組織又は生物学的サンプルを
得;前記組織又は生物学的サンプルを、上記に開示される抗体と共に、前記抗体
が前記組織又は生物学的サンプルにおけるその相補的ポリペプチドに対して結合
する条件下でインキュベートし;前記組織又は生物学的サンプルにおいて結合さ
れる抗体を明視化し;そして正常な対照組織又は生物学的サンプルに、前記患者
からの組織又は生物学的サンプルにおいて結合される抗体のレベルを比較し、こ
こで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は生物
学的サンプルに結合される抗体のレベルの上昇又は低下が患者における癌の表示
であることを特徴とする、患者における癌の検出方法を提供する。
【0025】 もう1つの観点においては、本発明は、患者から組織又は生物学的サンプルを
得;配列番号1の少なくとも14個の連続したヌクレオチド又は配列番号1の補体
を含んで成るポリヌクレオチドをラベリングし;それと共に、前記組織又は生物
学的サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列に対して
ハイブリダイズするであろう条件下でインキュベートし;前記組織又は生物学的
サンプルにおける前記ラベルされたポリヌクレオチドを明視化し;正常な対照組
織又は生物学的サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サンプルにおける
ラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションのレベルを比較し、ここ
で前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は生物学
的サンプルへのラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションの上昇又
は低下が患者における癌の表示であることを特徴とする、患者における癌の検出
方法を提供する。
【0026】 もう1つの観点においては、本発明は、患者から癌細胞を含む組織又は生成物
学的サンプルをエクスビボで得るか、又は癌細胞をインビボで同定し;上記に開
示される方法によりポリペプチドを生成し;前記ポリペプチドを、医薬的に許容
できるビークルにおいて配合し;そして前記患者に投与するか、又は前記ポリペ
プチドに対して前記癌細胞を暴露し、ここで前記ポリペプチドが前記細胞を殺害
する、癌細胞の殺害方法を提供する。1つの胎教においては、前記ポリペプチド
はさらに、毒素に接合される。
【0027】 もう1つの観点においては、本発明は、上記に開示される方法によりポリペプ
チドを生成し;医薬的に許容できるビークル中、前記ポリペプチドを、前記患者
又は損傷された組織に投与し、ここで前記ポリペプチドが、前記患者又は損傷さ
れた組織における血小板のレベルを高める、患者又は損傷された組織において血
小板を高めるための方法を提供する。
【0028】 もう1つの観点においては、本発明は、患者から組織又は生物学的サンプルを
得;前記組織又は生物学的サンプルを、上記に開示される抗体と共に、前記抗体
が前記組織又は生物学的サンプルにおけるその相補的ポリペプチドに対して結合
する条件下でインキュベートし;前記組織又は生物学的サンプルにおいて結合さ
れる抗体を明視化し;そして正常な対照組織又は生物学的サンプルに、前記患者
からの組織又は生物学的サンプルにおいて結合される抗体のレベルを比較し、こ
こで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は生物
学的サンプルに結合される抗体のレベルの上昇が患者における炎症の表示である
ことを特徴とする、患者における炎症の検出方法を提供する。
【0029】 もう1つの観点においては、本発明は、患者から組織又は生物学的サンプルを
得;配列番号1の少なくとも14個の連続したヌクレオチド又は配列番号1の補体
を含んで成るポリヌクレオチドをラベリングし;それと共に、前記組織又は生物
学的サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列に対して
ハイブリダイズするであろう条件下でインキュベートし;前記組織又は生物学的
サンプルにおける前記ラベルされたポリヌクレオチドを明視化し;正常な対照組
織又は生物学的サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サンプルにおける
ラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションのレベルを比較し、ここ
で前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は生物学
的サンプルへのラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションの上昇が
患者における炎症の表示であることを特徴、患者における炎症の検出方法を提供
する。
【0030】 本発明のそれらの及び他の観点が、本発明の次の特定の記載に基づいて明確に
成るであろう。 本発明を詳細に記載する前、次の用語を定義することで本発明の理解を助ける
ことができる:
【0031】 “親和性標識”とは、第2ポリペプチドの精製又は検出を提供し、又は基質へ
の第2ポリペプチドの結合のための部位を供給するために、第2ポリペプチドに
結合され得るポリペプチドセグメントを示すために本明細書において使用される
。主に、抗体又は、他の特異的結合剤が利用できるいずれかのペプチド又はタン
パク質が親和性標識として使用され得る。
【0032】 親和性標識は、ポリ−ヒスチジン系、すなわちプロテインA (Nilsson など.,
EMBO J. 4: 1075, 1985; Nilsson など., Methods Enzymol. 198: 3, 1991)
, グルタチオンS トランスフェラーゼ(Smits and Johnson, Gene 67; 31, 19
88), Glu-Glu親和性標識 (Grussenmeyerなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA
82: 7952-4, 1985), 物質P、すなわちFlagTM ペプチド(Hoppなど., Biotec
hnology 6: 1204-1210, 1988)、ストレプタビジン結合ペプチド、又は他の抗原
性エピトープ又は結合ドメインを包含する。一般的に、Ford など., Protein E
xpression and Purification 2:95-107, 1991を参照のこと。親和性標識をコ
ードするDNAは、商品供給者(例えばPharmacia Biotech, Piscataway, NJ; East
man Kodak, New Heven, CT; New England Biolabs, Beverly, MA)から入手でき
る。
【0033】 用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の
遺伝子の二者択一形のいずれかを示すために、本明細書において使用される。対
立遺伝子変異は、突然変異を通して天然では生じ、そして集団内の表現型多型現
象をもたらすことができる。遺伝子突然変異は、サイレントであり(コードされ
たポリペプチドにおいて変化がない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポ
リペプチドをコードすることができる。用語、対立遺伝子変異体はまた、遺伝子
の対立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質を示すために本明細書におい
て使用される。
【0034】 用語“アミノ−末端”及び“カルボキシル−末端”とは、ポリペプチド内の位
置を示すために本明細書において使用される。その情況が可能である場合、それ
らの用語は、接近性又は相対的位置を示すためにポリペプチドの特定の配列又は
一部に関して使用される。例えば、ポリペプチド内の対象配列のカルボキシル末
端側に位置する一定の配列は、その対象配列のカルボキシル末端に隣接して位置
するが、しかし完全なポリペプチドのカルボキシル末端では必ずしも必要ではな
い。
【0035】 用語“相補体/抗−相補体対”とは、適切な条件下で、非共有的に会合される
安定した対を形成する非同一性成分を示す。例えば、ビオチン及びアビジン(又
はストレプタビジン)は、相補体/抗−相補体対の基本型メンバーである。他の
典型的な相補体/抗−相補体対は、受容体/リガンド対、抗体/抗原(又はハプ
テン又はエピトープ)対、センス/アンチセンス ポリヌクレオチド対、及び同
様のものを包含する。相補体/抗−相補体対の続く解離が所望される場合、その
相補体/抗−相補体対は好ましくは、<109-1の結合親和性を有する。
【0036】 用語“ポリヌクレオチド分子の相補体”とは、相補的塩基配列、及び対照配列
に比較して逆の配向を有するポリペプチド分子である。例えば、配列5’ ATGCAC
GGG 3’ は、5’ CCCGTGCAT 3’に対して相補的である。 用語“コンチグ(contig )”とは、他のポリヌクレオチドに対する一連の連
続した同一の又は相補的な配列を有するポリヌクレオチドを示す。連続した配列
とは、ポリヌクレオチドの全体において、又はその一部に沿って、一定の長さの
ポリヌクレオチド配列を“オーバーラップ”すると言われる。
【0037】 用語“縮重ヌクレオチド配列”とは、1又は複数の縮重コドンを含むヌクレオ
チドの配列(ポリペプチドをコードする対照ポリヌクレオチドに比較して)を示
す。縮重コドンは、ヌクレオチドの異なったトリプレットを含むが、しかし同じ
アミノ酸残基をコードする(すなわち、GAU及びGACトリプレットはそれぞれAsp
をコードする)。
【0038】 用語“発現ベクター”とは、その転写を提供する追加のセグメントに作用可能
に連結される興味あるポリペプチドをコードするセグメントを含んで成る線状又
は環状DNA分子を示すために使用される。そのような追加のセグメントは、プロ
モーター及びターミネーター配列及び複製の1又は複数の起点、1又は複数の選
択マーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、及び同様のものを包含す
る。発現ベクターは一般的に、プラスミド又はウィルスDNAから誘導され、又は
両者の要素を含むことができる。
【0039】 用語“単離された”とは、ポリヌクレオチドに適用される場合、ポリヌクレオ
チドがその天然の遺伝的環境から除去され、そして従って、他の無関係な又は所
望しないコード配列を有さず、そして遺伝子的に構築されたタンパク質生成シス
テム内での使用のために適切な形で存在することを示す。そのような単離された
分子は、それらの天然の環境から分離され、そしてcDNA及びゲノム クローンを
含む分子である。本発明の単離されたDNA分子は、通常関係しない他の遺伝子を
含まないが、しかし天然において存在する5’及び3’ 未翻訳領域、例えばプロ
モーター及びターミネーターを含むことができる。関連する領域の同定は、当業
者に明らかであろう(例えば、Dynan and Tijan, Nature 316: 774―78, 1985を
参照のこと)。
【0040】 “単離された”ポリペプチド又はタンパク質は、その生来の環境以外の条件、
例えば血液及び動物組織とは別の条件下で見出されるポリペプチド又はタンパク
質である。好ましい形においては、単離されたポリペプチドは、他のポリペプチ
ド、特に動物起源の他のポリペプチドを実質的に含まない。高く精製された形、
すなわち95%以上の純度、より好ましくは99%以上の純度でポリペプチドを
供給することが好ましい。この情況下で使用される場合、用語“単離された”と
は、他の物理的形、例えばダイマー形又は他のグリコシル化された又は誘導体化
された形での同じポリペプチドの存在を排除しない。
【0041】 “作用可能に連結された”とは、DNAセグメントに適用される場合、前記セグ
メントが、それらの意図された目的のために協力して機能し、例えば転写がプロ
モーターにおいて開始し、そしてコードセグメントを通してターミネーターに進
行するよう配列されることを示す。 用語“オルト体(orthology)”とは、異なった種からのポリペプチド又はタ
ンパク質の機能的相対物である、1つの種から得られるポリペプチド又はタンパ
ク質を示す。オルト体間の配列の差異は、特定化の結果である。 “パラ体(paralogs)”とは、生物によって製造される、異なっているが,し
かし構造的に関連するタンパク質である。パラ体は、遺伝子重複を通して生じる
と思われる。例えば、α−グロビン、β−グロビン及びミオグロビンは、お互い
パラ体である。
【0042】 “ポリヌクレオチド”は、5’末端から3’末端に読み取られるデオキシリボヌ
クレオチド又はリボヌクレオチド塩基の一本鎖又は二本鎖ポリマーである。ポリ
ヌクレオチドは、RNA及びDNAを包含し、そして天然源から単離され、インビトロ
で合成され、又は天然及び合成分子の組み合わせから調製され得る。ポリヌクレ
オチドのサイズは、塩基対(略語“bp”)、ヌクレオチド(“nt”)、又はキロ塩
基(“kb”)として表される。
【0043】 ここで、後者の2つの用語は、一本鎖又は二本鎖であるポリヌクレオチドを記
載する。この用語が二本鎖分子に適用される場合、それは全体の長さを示すため
に使用され、そして用語、“塩基対”に等しいことが理解されるであろう。二本
鎖ポリヌクレオチドの二本の鎖は長さにおいてわずかに異なり、そしてその末端
が酵素分解の結果として異なることは、当業者により理解されており;従って、
二本鎖ポリヌクレオチド分子内のすべてのヌクレオチドは一対に成り得ない。
【0044】 “ポリペプチド”は、天然において生成されても又は合成的に生成されてもい
ずれにせよ、ペプチド結合により連結されるアミノ酸残基のポリマーである。約
10個以下のアミノ酸残基のポリペプチドが、通常“ポリペプチド”として言及
される。
【0045】 “プローブ及び/又はプライマー”とは、本明細書において使用される場合、R
NA又はDNAであり得る。DNAはcDNA又はゲノムDNAのいずれかであり得る。ポリヌ
クレオチドプローブ及びプレイマーは、一本鎖又は二本鎖DNA又はRNA、一般的に
合成オリゴヌクレオチドであるが、しかしクローン化されたcDNA又はゲノム配列
又はその補体から生成され得る。分析用プローブは一般的に、少なくとも20個の
長さのヌクレオチドであるが、但し幾分短いプローブ(14〜17個のヌクレオチド
)が使用され得る。PCRプライマーは、少なくとも5個の長さのヌクレオチド、
好ましくは15又はそれ以上のnt、よりも好ましくは20〜30のntである。
【0046】 短いポリヌクレオチドは、遺伝子の小さな領域が分析のために標的化される場
合に使用され得る。遺伝子の全体的な分析のためには、ポリヌクレオチドは、全
エキソン又はそれ以上を含んで成る。プローブは、検出できるシグナルを供給す
るために、当業界において良く知られている技法を用いて多くの源、例えばMole
cular Probe, Inc., Eugene, OR及びAmersham Corp., Arlington Heights, ILか
ら市販されている、酵素、放射性核種、蛍光団、化学ルミネセンス、常磁性粒子
及び同様のものによりラベルされ得る。
【0047】 用語“プロモーター”とは、RNA ポリメラーゼの結合及び転写の開始を提供す
るDNA配列を含む遺伝子の部分を示すために本明細書において使用される。プロ
モーター配列は通常、遺伝子の5’ 非コード領域に見出されるが、しかし必ずし
もそうではない。
【0048】 用語“タンパク質”は、1又は複数のポリペプチド鎖を含んで成る高分子であ
る。タンパク質はまた、非ペプチド成分、例えば炭水化物基を含むことができる
。炭水化物及び他の非ペプチド置換基は、タンパク質が生成される細胞により付
加され、そして細胞型により変化するであろう。タンパク質は、それらのアミノ
酸主鎖により本明細書において定義され;置換基、例えば炭水化物基は一般的に
、特定されないが、しかしそれにもかかわらず、存在することができる。
【0049】 用語“受容体”は、生物活性分子(すなわち“リガンド”)に結合し、そして細
胞上のリガンドの効果を仲介する細胞関連タンパク質を示す。膜結合受容体は、
細胞外リガンド結合ドメイン、及び典型的には、シグナルトランスダクションに
関与する細胞内エフェクタードメインを含んで成る多ペプチド構造により特徴づ
けられる。受容体へのリガンドの結合は、細胞におけるエフェクタードメインと
他の分子との間の相互作用を引き起こす受容体におけるコンホメーション変化を
もたらす。この相互作用は、細胞の代謝の変更を誘導する。
【0050】 受容体−リガンド相互作用に連結される代謝現象は、遺伝子転写、リン酸化、
脱リン酸化、AMP生成の上昇、細胞カルシュウムの代謝、膜脂質の代謝、細胞付
着、イノシトール脂質の加水分解、及びリン脂質の加水分解を包含する。一般的
に、受容体は、膜結合され、シトソール性又は核性であり;モノマー(例えば甲
状腺刺激ホルモン受容体、β−アドレナリン性受容体)、又はマルチマー(例えば
PDGF受容体、成長ホルモン受容体、IL−3受容体、GM―CSF受容体、G−CSF受容
体、エリトロポイエチン受容体及びIL―6受容体)であり得る。
【0051】 用語“分泌シグナル配列”とは、それが合成される細胞の分泌路を通してより
大きなポリペプチドを、より大きなポリペプチドの成分として方向ずけるポリペ
プチド(“分泌ペプチド”)をコードするDNA配列を示す。前記のより大きなポ
リペプチドは、分泌路を通しての移動の間、分泌ペプチドを除去するために通常
分解される。
【0052】 用語“スプライス変異体”とは、遺伝子から転写されるRNAの二者択一の形を
示すために、本明細書において使用される。スプライス変異は、転写されたRNA
分子内の、又は通常低いが、別々に転写されたRNA分子間の二者択一のスプライ
シング部位の使用を通して天然において生じ、そして同じ遺伝子から転写される
いくつかのmRNAをもたらすことができる。スプライス変異体は、変更されたアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語スプライス変異
体はまた、遺伝子から転写されるmRNAのスプライス変異体によりコードされるタ
ンパク質を示すために本明細書において使用される。
【0053】 不正確な分析方法(例えば、ゲル電気泳動)により決定されるポリマーの分子
量及び長さは、おおよその値であることが理解されるであろう。そのような値が
“約”X又は“おおよそ”Xとして表される場合、その言及されたXの値は、正確
には±10%であることが理解されるであろう。 本明細書に引用されるすべての文献はそれらのすべてを引用により組み込まれ
る。
【0054】 本発明は、4−ヘリカル―束のサイトカインの構造を有するタンパク質をコー
ドする新規DNA配列の発現に一部、基づかれている。クローニングの工程及び本
明細書に記載される発現研究を通して、新規リガンドポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチド配列が同定されて来た。ZCYTO18と称するこのポリペプチドリ
ガンドは、T−細胞cDNA及び混合されたリンパ球反応(MLR)cDNAから単離され、
そしてCD3のために選択された、活性化されたヒト末梢血液細胞(hPBC)におい
て発現される。CD3はリンパ起原の細胞、特にT細胞に対してユニークである細胞
表面マーカーである。ノザン及びRT―PCR分析に基づけば、ZCYTO18ポリヌクレオ
チドは、T−細胞、活性化されたT−及びB−細胞、及びリンパ組織において発現
される。ヒトZCYTO18ヌクレオチド配列は、配列番号1として表される。
【0055】 配列番号1の分析は、それから翻訳されるZCYTO18サイトカインポリペプチド
のための2個の可能な開始メチオニン残基が存在することを示す。それらの2個
の推定されるZCYTO18ポリペプチドアミノ酸配列は、配列番号2(配列番号1に
おけるヌクレオチド21で開始Metを有する179個のアミノ酸のポリペプチド)及び
配列番号3(配列番号1におけるヌクレオチド57で開始Metを有する167個のアミ
ノ酸のポリペプチド)で示される。それらの両配列はZCYTO18ポリペプチドをコ
ードするが、IL−10及び他のサイトカインに対するZCYTO18配列の類似性及び強
いシグナル配列の存在に基づけば、配列番号3は、十分に官能的な分泌されるサ
イトカインポリペプチドをコードする。
【0056】 配列番号3で表されるような推定されるアミノ酸配列の配列分析は、22個のア
ミノ酸残基の分泌シグナル配列(配列番号3のアミノ酸残基1(Met)〜21(Ala
))を含む167個のアミノ酸のポリヌクレオチド、及び146個のアミノ酸(配列番
号3のアミノ酸残基22(Ala)〜167(Ile))の成熟ポリペプチドを示し、N−末
端配列は、成熟が配列番号3の残基22(Ala)又は配列番号2の34(Ala)で開始
することを示す。
【0057】 一般的に、4−αヘリックス構造を有することが予測され、ここで第1及び第
4のヘリックスがリガンド−受容体相互作用において最も重要である。前記第1
及び第4のヘリックスは、そのファミリーのメンバー間でより高く保存される。
配列番号3に示されるヒトZCYTO18アミノ酸配列に関しては、ヒトZCYTO18、ヒト
IL-10, ヒトzcyto10(WO US98/25228号)及びヒトMDA7(Genbank Accession No
.Q13007)アミノ酸配列の一列整列は、配列番号3において示されるように、ZCYT
O18ヘリックスAはアミノ酸残基41(Thr)−53(Leu)により定義され;ヘリックスB
はアミノ酸残基80(Met)−91(Val)により定義され;ヘリックスCはアミノ酸残基1
03(Met)−116(Arg)により定義され;そしてヘリックスDはアミノ酸残基149(Ile)
−162(Leu)により定義されることを示す。
【0058】 構造分析は、A/Bループが長く、B/Cループが短く、そしてC/Dループが長いこ
とを示す。このループ構造は、アップ−アップ−ダウン−ダウンヘリカル構成を
もたらす。4個のシステイン残基が、IL−10と配列番号3のアミノ酸残基8,28
,77及び120に対応するZCYTO18との間に保存される。一致したシステイン配置は
、4−ヘリカル−束構造のさらなる確認である。
【0059】 本明細書に記載されるZCYTO18ポリペプチド領域、ドメイン、モチーフ、残基
及び配列をコードするその対応するポリヌクレオチドは、配列番号1に示される
通りである。さらに、本明細書に記載される、その対応するZCYTO18ポリペプチ
ド領域、ドメイン、モチーフ、残基及び配列はまた、配列番号2に示される通り
である。
【0060】 4−ヘリカル束サイトカインはまた、それらの成分ヘリックスの長さにより分
類される。“長い−ヘリックス”形のサイトカインは一般的に、24〜30個の残基
のヘリックスから成り、そしてIL-6、繊毛好中球因子(CNTF)、白血病阻害因子
(LIF)及びヒト成長ホルモン(hGH)を包含する。“短い−ヘリックス”形のサ
イトカインは一般的に、18〜21個の残基のヘリックスから成り、そしてIL−2, I
L-4及びGM-CSFを包含する。ZCYTO18は、短い−ヘリックス形のサイトカイングル
ープの新規メンバーであると思われる。CNTF及びIL-6を用いての研究は、CNTFヘ
リックスがIL-6における相当のヘリックスにより交換され得、キメラにCTNF−結
合性質を付与することを示した。
【0061】 従って、4−ヘリカルサイトカインの機能的ドメインが配列同一性に関係なく
、構造的相同性に基づいて決定され、そしてキメラにおいて機能的に組み込みを
維持することができると思われる(Kallenなど., J. Biol. Chem. 274: 11859-1
1867, 1999)。類似する方法を用いれば、ZCYTO18における受容体結合特異性を
付与する推定上の領域は、残基53−60、残基85−91、残基121−140を包含する、
配列番号3のアミノ酸残基の領域を含んで成る。それらの領域は、特に、受容体
結合特異性を決定し、そして調整するために、他の短−ヘリックス形サイトカイ
ンを有するキメラ分子を調製するために有用であろう。
【0062】 出願に続いて、ZCYTO18は、IL−TIFとして文献において注釈されている。さら
に、zcytor16(配列番号32及び配列番号33)、zcytor11(配列番号18及び配列番
号19)(所有されているアメリカ特許第5,965,704号)及びCRF2−4(Genbank受
託番号Z17227号)を含んで成るZCYTO18のための受容体が同定されている。さら
に、いくつかのZCYTO18応答性細胞系(Dumontierなど., J. Immunol. 164: 1814
-1819, 2000; Dumoutier, L. など., Proc. Natl. Acad. Sci. 97: 10144-10149
, 2000; Xie MHなど., J. Biol. Chem. 275: 31335-31339, 2000; Kotenko SVな
ど., JBC in Press)、及びZCYTO18受容体サブユニットzcytor11を発現するそれ
らの細胞系は同定されている。
【0063】 さらに、所有されるzcytor16受容体は、ZCYTO18を結合し、そしてその活性を
弱めることが示されており(配列番号3);マウスIL−TIF(ZCYTO18)配列は、
Dumontierなど., J. Immunol. 164:1814-1819, 2000に示されており、そして独
立してクローン化され、そこにおいてマウスZCYTO18として命名され、そして配
列番号37で示され、そして対応するペプチド配列が配列番号38で示される。
【0064】 さらに、所有されるzcytor11(アメリカ特許第5,965,704号)及びCRF2−4受容
体はまた、ZCYTO18を結合する(WIPO公開WO00/24758号;Dumontierなど., J. Im
munol. 164; 1814-1819, 2000; Spencer, SDなど., J. Exp. Med. 187: 571-578
, 1998; Gibbs, VC and Pennica Gene 186; 97-101, 1997 (CRF2-4 cDNA); Xie,
MHなど., J. Biol. Chem. 275; 31335-31339, 2000; 及びKotenko, SVなど., J
. Biol. Chem. manuscript in press M007837200を参照のこと)。さらに、IL−
10β受容体は、ZCYTO18のための受容体として包含され得、そしてCRF2−4と同じ
意味を有すると思われる(Dumoutier, L. など., Proc. Natl. Acad. Sci. 97:
10144-10149, 2000; Liu Y. など., J. Immunol. 152: 1821-1829, 1994 (IL-10
R cDNA))。それらの受容体は、ZCYTO18に関して、本明細書において論じられる
【0065】 本発明はまた、ポリヌクレオチド分子、例えば本明細書に開示されるZCYTO18
ポリペプチドをコードするDNA及びRNA分子を提供する。当業者は、遺伝子コード
の縮重の観点から、相当の配列変動がそれらのポリヌクレオチド分子間で可能で
あることを容易に認識するであろう。配列番号4は、配列番号3のZCYTO18ポリ
ペプチドをコードするすべてのDNAを包含する縮重DNA配列である。当業者はまた
、配列番号4の変性配列がUとTとを置換することによって、それぞれ、配列番号
3をコードするすべてのRNA配列も供給することを理解するであろう。
【0066】 従って、配列番号4のヌクレオチド1又は66−501及びそれらのRNA相当物は、
本発明により包含される。第1表は、縮重ヌクレオチド位置を示すために、配列
番号4内に使用される1文字コードを示す。“解”は、コード文字により示され
るヌクレオチドである。“相補体”とは、相補的ヌクレオチドのためのコードを
示す。例えば、コードYはC又はTのいずれかを示し、そしてその補体RはA又はGを
示し、AはTに対して相補的であり、そしてGはCに対して相補的である。
【0067】
【表1】 与えられたアミノ酸のためのすべての可能なコドンを包含する配列番号4に使
用される縮重コドンが第2表に示される。
【0068】
【表2】
【0069】 当業者は、いくらかのあいまいさが、個々のアミノ酸をコードするすべての可
能なコドンの代表である縮重コドンの決定において導入されることを理解するで
あろう。例えば、セリン(WSN)のための縮重コドンは、ある環境下で、アルギ
ニン(AGR)をコードすることができ、そしてアルギニン(MGN)のための縮重コ
ドンは、ある環境下で、セリン(AGY)をコードすることができる。類似する関
係が、フェニルアラニン及びロイシンをコードするコドン間に存在する。従って
、縮重配列により包含されるいくつかのポリヌクレオチドは、変異体アミノ酸配
列をコードすることができるが、しかし当業者は、配列番号3のアミノ酸配列へ
の参照によりそのような変異体配列を容易に同定することができる。変異体配列
は、本明細書に記載のようにして官能性について容易に試験され得る。
【0070】 当業者はまた、異なった種が“選択的コドン使用法”を示すことも理解するで
あろう。一般的には、Grantham,など., Nuc. Acids Res. 8: 1893−912, 1980;
Haas, など., Curr. Biol. 6: 315−24, 1996; Wain−Hobson、など.,Gene 1
3:355−64,1981;Grosjean and Fiera,Gene 18:199−209、1982;Holm,N
uc.Acids Res.14:3075−87、1986;Ikemura,J.Mol.Biol.158:573−97
,1982を参照のこと。本明細書において使用される場合、用語、“選択的コドン
使用法”又は“選択的コドン”とは、一定の種の細胞に最も頻繁に使用され、従
って個々のアミノ酸をコードする可能なコドンの1又は少数の代表を好むタンパ
ク質翻訳コドンを言及する技術的用語である(第2表を参照のこと)。
【0071】 例えば、アミノ酸トレオニン(Thr)は、ACA、ACC、ACG、又はACTによりコー
ドされるが、しかし哺乳類細胞においては、ACCが最も通常に使用されるコドン
であり;他の種においては、例えば昆虫細胞、酵母、ウィルス又は細菌において
は、異なったThrコドンが好ましい。特定の種のための選択的コドンは、当業界
において知られている種々の方法により、本発明のポリヌクレオチド中に導入さ
れ得る。
【0072】 例えば、組換えDNA中への選択的コドン配列の導入は、特定の細胞型又は種内
でタンパク質の翻訳により効果的にすることによって、そのタンパク質の生成を
増強する。従って、配列番号4に開示される縮重コドン配列は、当業界において
通常使用され、そして本明細書において開示される種々の細胞型及び種において
ポリペプチドの発現を最適化するための鋳型として作用する。選択コドンを含む
配列は、種々の種における発現について試験され、そして本明細書に開示される
官能性について試験され得る。
【0073】 前で示されたように、本発明の単離されたポリヌクレオチドは、DNA及びRNAを
包含する。DNA及びRNAを調製するための方法は、当業界において良く知られてい
る。一般的には、RNAは、多量のZCYTO18 RNAを生成する組織又は細胞から単離さ
れる。そのような組織及び細胞は、ノザンブロット(Thomas, Proc. Natl. Acad
. Sci. USA 77: 5201, 1980)、逆転写酵素PCR(RT−PCR)、又は標的細胞又は組
織上の活性についての種々の細胞型からのならし培地のスクリーニングにより同
定される。
【0074】 前記活性、又はRNA生成細胞又は組織が同定されると、全RNAは、グアニジウム HCl抽出、続くCsClグラジエントにおける遠心分離による単離により調製され
得る(Chirgwinなど.,Biochemistry 18:52−94, 1979)。ポリ(A)+ RNAは、A
viv and Leder (Proc.Natl. Acad. Sci.USA 69: 1408−1412, 1972 )の方法を用
いて全RNAから調製される。相補的DNA(cDNA)は、既知の方法を用いて、ポリ(A
+ RNAから調製される。他方では、ゲノムDNAが単離され得る。次に、ZCYTO18
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、例えばハイブリダイゼーション
又はポリメラーゼ鎖反応により同定され、そして単離される。
【0075】 ZCYTO18をコードする十分な長さのクローンは、従来のクローニング方法によ
り得られる。相補的DNA(cDNA)クローンが好ましいが、但し、いくつかの用途
(例えば、トランスジェニック動物における発現)に関しては、ゲノムクローン
を使用し、又は少なくとも1つのゲノムイントロンを含むようcDNAクローンを修
飾することが好ましい。cDNA及びゲノムクローンを調製するための方法は、よく
知られており、そして当業者のレベルの範囲内であり、そしてライブラリーをプ
ローブし又は感作するために、本明細書に開示される配列又はその一部の使用を
包含する。発現ライブラリーは、ZCYTO18フラグメントに対する抗体、受容体フ
ラグメント、又は他の特定の結合パートナーによりプローブされ得る。
【0076】 本明細書に開示されるZCYTO18ポリヌクレオチド配列はまた、ZCYTO18遺伝子の
5’非コード領域をクローン化するためにプローブ又はプライマーとしても使用
され得る。ノザンブロット及びRT−PCRによるZCYTO18について観察される組織−
特異的発現の観点においては(例2及び3を参照のこと)、この遺伝子領域は、
造血−及びリンパ球−特異的発現を提供することが予測される。従ってZCYTO18
遺伝子からのプロモーター要素は、例えばトランスジェニック動物、又は遺伝子
療法により処理された動物における異種遺伝子の組織−特異的発現を方向づける
ために使用され得る。5’側フランキング配列のクローニングはまた、アメリカ
特許第5,641,670号に開示されるように、“遺伝子活性化”によるZCYTO18タンパ
ク質の生成を促進する。
【0077】 手短に言及すれば、細胞における内因性ZCYTO18遺伝子の発現が、ZCYTO18遺伝
子中に、少なくとも1つの標的化配列、調節配列、エキソン、及びスプライスド
ナー部位を含んで成るDNA構造体を導入することによって変更される。前記標的
化配列は、内因性ZCYTO18遺伝子座による前記構造体の相同組換えを可能にし、
それにより、前記構造体内の配列が内因性ZCYTO18コード配列と操作可能的に連
結されるようになる、zalpha11リガンド5’非コード配列である。この場合、内
因性ZCYTO18プロモーターが、増強された組織−特異的又は他方では、調節され
た発現を提供するために、他の調節配列により置換され得るか又はそれにより補
充され得る。
【0078】 本発明はさらに、他の種(オルト体)からの相対物リガンド及びポリヌクレオ
チドを供給する。これらの種は、哺乳類、鳥類、両性類、ハ虫類、魚類、昆虫及
び他の脊椎及び無脊椎動物種を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
特に興味あるものは、他の哺乳類種、例えばネズミ、ブタ、羊、ウシ、犬、ネコ
、馬及び他の霊長類リガンドからのZCYTO18ポリペプチドである。ヒトZCYTO18ポ
リペプチドのオルト体は、従来のクローニング技法と組合して、本発明により供
給される情報及び組成物を用いてクローン化され得る。
【0079】 例えば、cDNAは、ZCYTO18を発現する組織又は細胞型から得られるmRNAを用
いてクローン化され得る。mRNAの適切な源は、本明細書に開示される配列から
企画されたプローブによりノザン ブロットをプローブすることによって同定さ
れ得る。次に、ライブラリーが陽性の組織又は細胞系のmRNAから調製される。
次に、ZCYTO18ポリペプチドコードのcDNAが種々の方法、例えば完全な又は部分
的なヒトcDNAにより、又は前記開示される配列に基づく1又は複数の変性プロ
ーブにより、プローブすることによって単離され得る。
【0080】 cDNAはまた、本明細書に開示される代表的なヒトZCYTO18ポリペプチド配列か
ら企画されたプライマーを用いて、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)(Mullis, アメ
リカ特許第4,683,202号)を用いてもクローン化され得る。さらなる方法におい
ては、cDNAライブラリーが宿主細胞を形質転換し、又はトランスフェクトする
ために使用され、そして興味あるcDNAの発現がZCYTO18ポリペプチドに対する抗
体により検出され得る。類似する技法がまた、ゲノム クローンの単離に適用さ
れ得る。例5は、ZCYTO18オルト体がマウスゲノムDNAに存在することを示す。
【0081】 ヒトZCYTO18のマウスオルト体についてのポリヌクレオチド配列は、同定され
ており、そして配列番号37で示されており、そしてその対応するアミノ酸配列は
、配列番号38で示される。配列番号37のDNA配列によりコードされるマウスZCYTO
18ポリペプチドの分析は、33個のアミノ酸残基(配列番号38の残基1(Met)〜
残基33(Ala))の推定される分泌シグナルペプチド及び146個のアミノ酸(配列
番号38の残基34(Leu)〜残基179(val))の成熟ポリペプチドを含んで成る179
個のアミノ酸をコードする読み取り枠を示した。
【0082】 ZCYTO18ヘリックスルAは、配列番号38のアミノ酸残基53〜65により定義され;
ヘリックスBは配列番号38のアミノ酸残基92〜103により定義され;ヘリックスC
は配列番号38のアミノ酸残基115〜124により定義され;そしてヘリックスDは配
列番号38のアミノ酸残基161〜174により定義される。マウスZCYTO18における4
個の保存されたシステイン残基は、配列番号38のアミノ酸残基20, 40, 89及び13
2に対応するヒト配列により保存される。さらに、マウス配列においては、他の
出発メチオニン残基が、配列番号38に示されるような位置8及び13で存在するが
、しかし残基33(Ala)の後のシグナルペプチド切断が上記のように146個のアミ
ノ酸成熟配列をもたらす。
【0083】 マウスZCYTO18についての成熟配列は、ヒト配列におけるAla22(配列番号3に
示されるような)に対応する、Leu34(配列番号38に示されるような)で開始す
る。配列番号3及び配列番号38に対応する全アミノ酸配列にわたって、マウス及
びヒト配列間に約78%の同一性が存在する。上記の%同一性は、Ktup=1、ギャ
ップ開放ペナルティー=12、ギャップ延長ペナルティー=2及び置換マトリック
ス=BLOSUM62、並びにデフォールとして設定される他のFASTAパラメーターを有
するFASTAプログラムを用いて決定された。上記に記載されるマウスZCYTO18ポリ
ペプチド領域、ドメイン、モチーフ、残基及び配列をコードする、その対応する
ポリヌクレオチドは、配列番号37に示される通りである。
【0084】 当業者は、配列番号1に開示される配列がヒトZCYTO18の単一の対立遺伝子を
表し、そして対立遺伝子変動及び交互のスプライシングが生じることが予測され
ることを認識するであろう。この配列の対立遺伝子変異体は、標準の方法に従っ
て、異なった個人からのcDNA又はゲノムライブラリーをプローブすることによっ
てクローン化され得る。配列番号1に示されるDNA配列の対立遺伝子変異体、例
えばサイレント突然変異を含むそれらの変異体及び突然変異がアミノ酸配列変更
をもたらすそれらの変異体は、配列番号3の対立遺伝子変異体であるタンパク質
と同じように、本発明の範囲内である。
【0085】 ZCYTO18ポリペプチドの性質を保持する、もう1つのスプライスされたmRNAか
ら生成されるcDNAは、そのようなcDNA及びmRNAによりコードされるポリペプチド
と同じように、本発明の範囲内に包含される。それらの配列の対立遺伝子変異体
及びスプライス変異体は、当業界において知られている標準の方法に従って、異
なった個人又は組織からのcDNA又はゲノムライブラリーをプローブすることによ
ってクローン化され得る。
【0086】 さらに、ZCYTO18のゲノム構造は、配列番号1のcDNA配列、及び配列番号3又
は2の翻訳されたアミノ酸と、前記遺伝子が含まれるゲノムDNA(例えば、Genba
nk受託番号AC007458号)とを比較することによって、当業者により容易に決定さ
れる。例えば、そのような分析は、本明細書に記載されるように、FASTAを用い
て容易に行われ得る。ゲノムDNAの領域におけるイントロン及びエキソン連結が
、ZCYTO18遺伝子のために決定され得る。従って、本発明は、ヒトゲノムDNAに位
置するようなZCYTO18遺伝子を包含する。ZCYTO18ゲノムDNA(Genbank受託番号AC
007458号)の一部を含むヒトゲノムDNAのフラグメントの注釈に基づけば、ZCYTO
18は、染色体12の12q15領域に位置する。
【0087】 本発明の好ましい態様においては、単離されたZCYTO18−コードの核酸分子は
、緊縮条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子、配列番号1
のヌクレオチド87〜587のヌクレオチド配列を有する核酸分子、又は配列番号1
に対して相補的なヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリダイズすること
ができる。一般的に、緊縮条件は、定義されたイオン強度及びpHで、特定の配列
のための熱溶融点(Tm)よりも約5℃低くなるよう選択される。Tmは、標的配列
の50%が好ましく適合されたプローブにハイブリダイズする温度(定義されたイ
オン強度及びpH下で)である。
【0088】 1対の核酸分子、例えばDNA-DNA, RNA-RNA及びDNA-RNAは、ヌクレオチド配列
がいくらかの程度の相補性を有する場合、ハイブリダイズすることができる。ハ
イブリッド二重ヘリックスにおけるミスマッチ塩基対を許容できるが、しかしハ
イブリッドの安定性はミスマッチの程度により影響される。ミスマッチハイブリ
ッドのTmは、1〜1.5%の塩基対ミスマッチごとに1℃低下する。ハイブリダイ
ゼーション条件の緊縮性の変更は、ハイブリッドに存在するであろうミスマッチ
の程度に対する制御を可能にする。緊縮性の程度は、ハイブリダイゼーション温
度が上昇し、そしてハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度が低下するにつ
れて、上昇する。
【0089】 緊縮ハイブリダイゼーション条件は、ハイブリッドの熱溶融点(Tm)よりも約
5〜25℃低い温度、及び1MまでのNa+を有するハイブリダイゼーション緩衝液を
包含する。より低い温度でのより高い温度の緊縮性は、緩衝溶液における個々の
1%ホルムアミドについて約1℃、ハイブリッドのTmを低めるホルムアミドの添
加により達成され得る。一般的に、そのような緊縮条件は、20〜70℃の温度、及
び6×SSC及び0〜50%のホルムアミドを含むハイブリッド緩衝液を包含する。
高い程度の緊縮性は、40〜70℃の温度で及び4×SSC及び0〜50%のホルムアミ
ドを有するハイブリダイゼーション緩衝液により達成され得る。
【0090】 高い緊縮条件は典型的には、42〜70℃の温度、及び1×SSC及び0〜50%のホ
ルムアミドを有するハイブリダイゼーション緩衝液を包含する。異なった程度の
緊縮液が、標的配列への最大の特異的結合を達成するために、ハイブリダイゼー
ション、及び洗浄の間、使用され得る。典型的には、ハイブリダイゼーションに
続く洗浄は、ハイブリダイズされた複合体からハイブリダイズされていないポリ
ヌクレオチドプローブを除去するために、上昇する程度の緊縮性で行われる。
【0091】 上記条件は、ガイドとして作用することを意味し、そしてそれは特定のポリペ
プチドハイブリッドとの使用のためのそれらの条件を適合するために、十分に当
業者の能力の範囲内である。特定の標的配列についてのTmは、標的配列の50%が
完全に適合されたプローブ配列にハイブリダイズするであろう温度(定義された
条件下での)である。Tmに影響を及ぼすそれらの条件は、ポリヌクレオチドプロ
ーブのサイズ及び塩基対含有率、ハイブリダイゼーション溶液のイオン温度、及
びハイブリダイゼーション溶液における不安定化剤の存在を包含する。
【0092】 Tmを計算するための多くの等式は当業界において知られており、そして種々の
長さのDNA、RNA及びDNA−RNAハイブリッド及びポリヌクレオチドプローブ配列に
対して特異的である(例えば、Sambrook など., Molecular Cloning: A Laborat
ory Manual, Second Edition (Cold Spring Harbor Press 1988); Ausubel な
ど., (eds.), Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley and Sons
, Inc. 1987); Berger and Kimmel (eds.), Guide to Molecular Cloning Techn
iques, (Academic Press, Inc. 1987); 及びWetmur, Crit. Rev. Biochem. Mol.
Biol. 26:227 (1990)を参照のこと)。
【0093】 配列分析ソフトウェア、例えばOLIGO6.0(LSR; Long Lake, MN)及びPrimer P
remier 4.0 (Premier Biosoft International; Palo Alto, CA), 並びにインタ
ーネット上のサイトが所定の配列を分析し、そして使用者の定義された基準に基
づいてTmを計算するための手段を入手できる。そのようなプログラムはまた、定
義された条件下で所定の配置を分析し、そして適切なプローブ配列を同定するこ
とができる。典型的には、50以上の塩基対の長いポリヌクレオチド配列のハイブ
リダイゼーションは、計算されたTmよりも約20〜25℃低い温度で行われる。50以
下の塩基対の小さなプローブに関しては、ハイブリダイゼーションは典型的には
、Tm又はそれよりも5〜10℃以下で行われる。これは、DNA−DNA及びDNA−RNAハ
イブリッドに関して、最大速度のハイブリダイゼーションを可能にする。
【0094】 ヌクレオチド配列の長さは、ハイブリッド形成の速度及び安定性に影響を及ぼ
す。小さなプローブ配列、すなわち50個以下の塩基対は、相補的配列との平衡化
にすばやく達するが、しかし安定したハイブリッドは形成されない。インキュベ
ーション時間(およそ分〜時)が、ハイブリッド形成を達成するために使用され
得る。より長いプローブ配列はよりゆっくりと平衡化するが、しかし低い温度で
さえ、より安定した複合体を形成する。インキュベーションは、一晩又はそれ以
上の間、進行せしめられる。一般的に、インキュベーションは、計算されたコッ
ト時間の3倍に等しい期間、行われ得る。コット時間、すなわちポリヌクレオチ
ド配列が再会合するのにかかる時間は、当業界において知られている方法により
、特定の配列について計算され得る。
【0095】 ポリヌクレオチド配列の塩基対組成が、ハイブリッド複合体の熱安定性をもた
らし、それにより、ハイブリダイゼーション温度の選択及びハイブリダイゼーシ
ョン緩衝液のイオン強度に影響を及ぼす。A−T対は、塩化ナトリウムを含む水溶
液においてG−C対よりも低い安定性である。従って、G−C含有率が高いほど、ハ
イブリッドはより安定する。配列内のG及びC残基の平等な分布がまた、ハイブリ
ッド安定性に正に寄与する。さらに、塩基対組成は、所定の配列のTmを変えるた
めに操作され得る。例えば5−メチルデオキシシヂンは、デオキシシスチジンよ
り置換され得、そして5−ブロモデオキシウリジンは、デオキシシチジンにより
置換され得、そして5−ブロモデオキシウリジンはTmを高めるためにチミジンに
より置換され、そして7−デアズ−2’−デオキシグアノシンは、Tmに対する依
存性を低めるためにグアノシンにより置換され得る。
【0096】 ハイブリダイゼーション緩衝液のイオン濃度はまた、ハイブッリドの安定性に
影響お及ぼす。ハイブリダイゼーション緩衝液は一般的にブロッキング剤、例え
ばDenhardt溶液(Sigma Chemical Co., St. Louis, Mo.)、変性されたサケ精子
DNA、粉乳(BLOTTO)、ヘパリン又はSDS、及びNa+源、例えばSSC(1×SSC:0.1
5:NのNaCl、15mMのクエン酸ナトリウム)又はSSPE(1×SSPE:1.8MのNaCl、10
mMのNaH2PO4、1mMのEDTA、pH7.7)を含む。緩衝液のイオン濃度を低めることに
よって、ハイブッリドの安定性が高められる。
【0097】 典型的には、ハイブリダイゼーション緩衝液は、10mM〜1MのNa+を含む。不安
定剤又は変性剤、例えば、ホルムアミド、テトラアルキルアンモニウム塩、グア
ニジウムカチオン又はチオシアネートカチオンのハイブリダイゼーション溶液へ
の添加が、ハイブリッドのTmを変更するであろう。典型的には、ホルムアミドが
、より便利で且つ低い温度でのインキュベーションの実施を可能にするために、
50%までの濃度で使用される。ホルムアミドはまた、RNAプローブを用いる場合
、非特異的バッググラウンドを低めるためにも作用する。
【0098】 例示のように、変異体ZCYTO18ポリペプチドをコードする核酸分子が、配列番
号1のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子により、50%ホル
ムアミド、5×SSC(1×SSC;0.15Mの塩化ナトリウム及びクエン酸ナトリウム)
、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt’s 溶液(100×Denhardt’
s 溶液:2%(w/v)のFicoll 400, 2% (w/v)のポリビニルピロリドン及び2%
(w/v)のウシ血清アルブミン)、10%の硫酸デキストラン及び20μg/mlの変
性され、剪断されたサケ精子DNAを含んで成る溶液において、42℃で一晩ハイ
ブリダイズされ得る。
【0099】 当業者は、それらのハイブリダイゼーション条件の変動性を考慮することがで
きる。例えば、ハイブリダイゼーション混合物は、ホルムアミドを含まない溶液
において、高度で、例えば約65℃でインキュベートされ得る。さらに、予備混
合されたハイブリダイゼーション溶液が入手でき(例えば、CLONTECH Laborator
ies, Inc. からのEXPRESSHYB Hybridization Solution),そしてハイブリダイ
ゼーションは製造業者の説明書に従って行われ得る。
【0100】 ハイブリダイゼーションに続いて、核酸分子は、緊縮条件下で、又は高い緊縮
条件下で、ハイブリダイズされなかった核酸分子を除去するために洗浄され得る
。典型的な緊縮洗浄条件は、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む0.5×
〜2×SSC溶液による55〜65%での洗浄を包含する。すなわち、変異体ZCYTO
18ポリペプチドをコードする核酸分子は、緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌク
レオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、ここで前
記洗浄緊縮性は、55〜65℃での、0.1%SDSを含む0.5×〜2×SSC溶液、例えば5
5℃での、0.1%SDSを含む0.5×SSC溶液、又は65℃での0.1%SDSを含む2×SSC
溶液に等しい。当業者は、例えば洗浄溶液におけるSSCをSSPEにより置換するこ
とによって同等の条件を容易に製造することができる。
【0101】 典型的な高い緊縮洗浄条件は、50〜65℃での0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)を含む0.1×〜0.2×SSCの溶液による洗浄を包含する。換言すれば、変異体Z
CYTO18ポリペプチドをコードする核酸分子は、高い緊縮洗浄条件下で、配列番号
1のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、
ここで前記洗浄緊縮性は、50〜65℃での、0.1%SDSを含む0.1×〜0.2×SSC溶
液、例えば50℃での、0.1%SDSを含む0.1×SSC溶液、又は65℃での0.1%SDSを
含む0.2×SSC溶液に等しい。
【0102】 本発明はまた、配列番号3のポリペプチド又はそれらのオルト体に対して実質
的に類似する配列同一性を有する単離されたZCYTO18ポリペプチドも提供する。
用語“実質的に類似する配列同一性”とは、配列番号3で示される配列又はそれ
らのオルト体に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少な
くとも95%、又は少なくとも95%以上の配列同一性を有するポリペプチドを示す
ために本明細書において使用される。
【0103】 本発明はまた、配列番号3のアミノ酸残基1−167又は23−167の配列、又は配
列番号2のアミノ酸残基1−179又は35−179の配列に対して少なくとも70%、少
なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも95%以上の配
列同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドも包含する。本発明は
さらに、そのようなポリペプチドをコードする核酸分子も包含する。%同一性を
決定するための方法は、下記に記載される。
【0104】 本発明はまた、2種の次の基準を用いて同定され得る変異体ZCYTO18核酸分子
を企画する:上記記載のような、配列番号3のアミノ酸配列とコードされたポリ
ペプチドとの間の類似性の決定、及びハイブリダイゼーションアッセイ。そのよ
うなZCYTO18変異体は、(1)55〜65℃での0.1%SDSを含む0.5×〜2×SSC溶液
に等しい緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列(又はその補体)を
有する核酸分子とハイブリダイズし、そして(2)配列番号3のアミノ酸配列に
対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は9
5%以上の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子を包含する。
【0105】 他方では、ZCYTO18変異体は、(1)50〜65℃での0.1%SDSを含む0.1×〜0.2
×SSC溶液に等しい、高い緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列(
又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、そして(2)配列番号3
のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少
なくとも95%又は95%以上の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸
分子として特徴づけられ得る。
【0106】 %配列同一性は、従来の方法により決定される。例えば、Altschulなど., Bul
l. Math. Bio. 48 : 603−616, 1986及びhenikoff and Henikoff, Pruc.Natl. A
cad. Sci. USA 89 :10915−10919, 1992を参照のこと。手短に言及するば、2種
のアミノ酸配列が、10のギャップ開始ペナルティー、1のギャップ拡張ペナルテ
ィー、及び第3表(アミノ酸は標準の1文字コードにより示される)に示される
ようなHenikoff and Henikoff (前記)の“blosum 62”評点マトリックスを用
いて、その整合評点を最適化するために整合される。次に、%同一性が次のよう
にして計算される:
【0107】
【数1】
【0108】
【表3】
【0109】 当業者は、2種のアミノ酸配列を整列するために多くの確立されたアルゴリズ
ムが存在することを理解している。Pearson and Lipmanの“FASTA”類似性調査
アルゴリズムは、本明細書に開示されるアミノ酸配列及び推定上の変異体ZCYTO1
8のアミノ酸配列により共有される同一性のレベルを試験するための適切なタン
パク質整列方法である。前記FASTAアルゴリズムは、Pearson and Lipman, Proc.
Nat’l Acad. Sci. USA 85: 2444 (1988), 及びPearson, Meth. Enzymol. 183:
63 (1990) により記載される。
【0110】 手短には、FASTAがまず、問題の配列(例えば、配列番号3)及び保存性アミ
ノ酸置換、挿入又は欠失を考慮しないで、最高密度の同一性(ktup変数が1であ
る場合)又は対の同一性(ktup=2である場合)のいずれかを有する試験配列に
より共有される領域を同定することによって配列を特徴づける。次に、最高密度
の同一性を有する10の領域が、アミノ酸置換マトリックスを用いて、すべての対
合されたアミノ酸の類似性を比較することによって再評価され、そして前記領域
の末端が、最高の評点に寄与するそれらの残基のみを含むよう“整えられる”。
【0111】 “カットオフ”値(配列の長さ及びktup値に基づいて予定された式により計算
される)よりも高い評点を有するいくつかの領域が存在する場合、その整えられ
た初期領域が、その領域がギャップとのおおよその一列配列を形成するために結
合され得るかどうかを決定するために試験される。最終的に、2種のアミノ酸配
列の最高評点領域が、アミノ酸挿入及び欠失を可能にする、Needleman-Wunsch
アルゴリズム(Needleman and winsch, J. Mol. Biol. 48: 444, 1970; Sellers
, SIAM J. Appl. Math. 26: 787, 1974)の変法を用いて整列される。
【0112】 FASTA 分析のための例示的なパラメーターは次のものである:ktup=1、ギャ
ップ開始ペナルティー=10、ギャップ拡張ペナルティー=1及び置換マトリック
ス=BLOSUM62。それらのパラメーターは、Appendix 2 of Pearson, 1990 (前記)
に説明されるように、評点マトリックスを調節することによってFASTAプログラ
ム中に導入され得る。
【0113】 FASTAはまた、上記に開示されるような割合を用いて、核酸分子の配列同一性
を決定するためにも使用され得る。ヌクレオチド配列比較のためには、ktup値は
、誤りとして設定される他のパラメーターを伴って、1〜6、好ましくは4〜6
であり得る。
【0114】 変異体ZCYTO18ポリペプチド及び実質的に類似する配列同一性は、1又は複数
のアミノ酸置換、欠失又は付加を有するものとして特徴づけられる。それらの変
化は、好ましくは、保存性アミノ酸置換(第4表を参照のこと)及びタンパク質
及びポリペプチドの折りたたみ又は活性に実質的に影響を及ぼさない他の置換;
小さな欠失、典型的には1〜約30個のアミノ酸の欠失;及び小さなアミノ−又は
カルボキシル−末端の延長、例えばアミノ−末端メチオニン残基、約20〜25個ま
での残基の小さなリンカーペプチドの延長、又は親和性標識の延長である。
【0115】 従って、本発明は、配列番号3のその対応する領域に対して、少なくとも70%
、好ましくは少なくとも90%、およびより好ましくは95%又はそれ以上の同一性
を有する配列を含んでなる、約110〜180個のアミノ酸残基のポリペプチドを包含
する。親和性標識を含んで成るポリペプチドはさらに、ZCYTO18ポリペプチドと
親和性標識との間にタンパク質分解部位を含む。好ましいそのような部位は、ト
ロンビン分解部位及び第Xa因子分解部位を含む。
【0116】
【表4】
【0117】 構造統合性の維持に対して決定的である領域又はドメインを含んで成るアミノ
酸残基の決定が行われ得る。それらの領域内で、多かれ少なかれ、変化に耐性で
あり、そして分子の全体的な三次構造を維持するであろう特定の残基を決定する
ことができる。配列構造を分析するための方法は、高いアミノ酸又はヌクレオチ
ド同一性を有する複数配列の一列整列、二次構造性質、二元パターン、相補的パ
ッケージング及び埋もれた極性相互作用を包含するが、但しそれらだけには限定
されない(Barton, Current Opin. Struct. Biol. 5:372-376, 1995及びCordes
など., Current Opin. Struct. Biol. 6: 3-10, 1996)。一般的に、分子への修
飾を企画するか又は特定のフラグメントを同定する場合、構造の決定は、修飾さ
れた分子の活性を評価することによって付随されるであろう。
【0118】 アミノ酸配列の変更が、生物学的活性に対して必須である高次構造体の破壊を
最少にするためにZCYTO18ポリペプチドにおいて行われる。例えば、ZCYTO18ポリ
ペプチドが1又は複数のヘリックスを含む場合、アミノ酸残基の変更が、分子の
ヘリックス幾何学的及び他の成分を破壊しないよう行われ、ここでコンホメーシ
ョンの変化が、いくらかの決定的な機能、例えば活性部位、又は分子の、その結
合パートナーへの結合を妨害する。アミノ酸配列の変更の効果は、例えば上記に
開示されるようなコンピューターモデルにより予測され得、又は結晶構造の分析
により決定され得る(例えば、Lapthornなど., Nat. Struct. Biol. 2: 266-268
, 1995)。
【0119】 当業界において良く知られている他の技法は、標準の分子(例えば、生来のタ
ンパク質)と変異体タンパク質の折りたたみを比較する。例えば、変異体及び標
準の分子におけるシステインパターンの比較が行われ得る。質量分光及び還元及
びアルキル化を用いての化学的修飾は、ジスルフィド結合に関連するか又はその
ような関連を有さないシステイン残基を決定するための方法を提供する(Beanな
ど., Anal. Biochem. 201: 216-226, 1992; Gray, Protein Sci. 2: 1732-1748,
1993: 及びPattersonなど., Anal. Chem. 66: 3727-3732, 1994)。一般的に、
修飾された分子が標準の分子と同じシステインパターンを有さない場合、折りた
たみが影響を及ぼされると思われる。
【0120】 折りたたみを測定するためのもう1つの良く知られており、且つ許容できる方
法は、円ニ色性(CD)である。修飾された分子及び標準の分子により生成される
CDスペクトルの測定及び比較は、通常のことである(Johnson, Protein 7:205-2
14, 1990)。結晶学は、折りたたみ及び構造を分析するためのもう1つの良く知
られた方法である。核磁気共鳴(NMR)、消化ペプチドマッピング及びエピトー
プマッピングはまた、タンパク質とポリペプチドとの間の折りたたみ及び構造的
類似性を分析するための既知方法でもある(Schaananなど., Science 257: 961-
964, 1992)。
【0121】 配列番号3に示されるようなZCYTO18タンパク質配列のHopp/Woods親水性プロ
フィールが生成され得る(Hoppなど.,Proc Natl. Acad. Sci. 78: 3828, 1981
; Hopp, J. Immun. Meth. 88: 1-18, 1986及びTriquierなど., Protein Enginee
ring 11: 153-169, 1998)。前記プロフィールは、スライドする6−残基窓(sl
iding six-residue window)に基づかれている。埋もれたG, S及びT残基及び暴
露されたH, Y及びW残基は無視された。
【0122】 例えば、ZCYTO18においては、親水性領域は、(1)配列番号3のアミノ酸番
号29(Arg)〜アミノ酸番号34(Asn);(2)配列番号3のアミノ酸番号121(H
is)〜アミノ酸番号126(Asp);(3)配列番号3のアミノ酸番号134(Gln)〜
アミノ酸番号139(Thr);(4)配列番号3のアミノ酸番号137(Lys)〜アミノ
酸番号142(Lys);及び(5)配列番号2のアミノ酸番号145(Glu)〜アミノ酸
番号150(Lys)を包含する。
【0123】 当業者は、親水性又は疎水性が、全体的な構造及び生物学的プロフィールを破
壊しないよう、ZCYTO18ポリペプチドのアミノ酸配列における修飾を企画する場
合、考慮されるであろうことを認識するであろう。Val, Leu及びIleから成る群
、又はMet, Gly, Ser, Ala, Tyr及びTrpから成る群から選択された疎水性残基の
置換が特に興味の対象である。例えば、置換に耐性の残基は、配列番号3に示さ
れるような残基を包含する。配列番号3の位置8, 27, 77及び120でのシステイ
ン残基は、置換に対して比較的耐性ではないであろう。
【0124】 必須アミノ酸の正体はまた、ZCYTO18による、IL-10, zcyto10及びMDA7とZCYTO
18との間の配列類似性の分析から推定され得る。前に記載された“FASTA”分析
のような方法を用いて、高い類似性の領域が、タンパク質ファミリー内に同定さ
れ、そして保存された領域のためのアミノ酸配列を分析するために使用される。
構造に基づいて変異体ZCYTO18オリゴヌクレオチドを同定するためのもう1つのア
プローチは、可能性ある変異体ZCYTO18遺伝子をコードする核酸分子が、上記で
論じられたように、配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリ
ダイズできるかどうかを決定することである。
【0125】 本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸を同定する他の方法は、当業界に
おいて知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発又はアラニン走査突然
変異誘発である(Cunningham and Wells. Science 244: 1081 (1989);Bass な
ど., Pro. Nat. Acad. Sci. USA 88: 4498 (1991); Coombs and Gorey, “Site-
Directed Mutagenesis and Protein Engineering”, in Proteins. Aualysis an
d Design, Angeletti (ed.), P. 259-311 (Academic Press, Inc. 1998))。後
者の技法においては、単一のアラニン突然変異が分子におけるあらゆる残基で導
入され、そして得られる変異体分子が、分子の活性に対して決定的であるアミノ
酸残基を同定するために、下記に開示されるように、生物学的又は生化学的活性
について試験される。また、Hiltonなど., J. Biol. Chem. 271: 4699 (1996)
を参照のこと。
【0126】 本発明はまた、ZCYTO18ポリペプチドの機能的フラグメント及びそのような機
能的フラグメントをコードする核酸分子を包含する。本明細書に定義されるよう
に、“機能的” ZCYTO18又はフラグメントは、その増殖又は分化活性により、特
殊化された細胞機能を誘発し、又は阻害するその能力により、又は抗−ZCYTO18
抗体又はZCYTO18受容体(可溶性であるか又は固定されている)に対して特異的
に結合するその能力により特徴づけられる。本明細書においてこれまでに記載さ
れたように、ZCYTO18は、配列番号2に示されるように、ヘリックスA(アミノ酸
残基41−53)、ヘリックスB(アミノ酸残基80−91)、ヘリックスC(アミノ酸10
3−116)及びヘリックスD(アミノ酸残基149−162)を含んで成る4−ヘリカル
−束構造により特徴づけられる。
【0127】 従って、本発明はさらに、(a)上記に記載される1又は複数のヘリックスを
含んで成るポリペプチド分子;及び(b)1又は複数のそれらのヘリックスを含
んで成る機能的フラグメントを包含する融合タンパク質を提供する。融合タンパ
ク質の他のポリペプチド部分は、もう1つの4−ヘリカル−束サイトカイン、例
えばIL-10, zcyto10,MDA7,IL−15,IL−2,IL−4及びGM-CSFにより、又は融
合タンパク質の分泌を促進する、非生来の及び/又は関連しない分泌シグナルペ
プチドにより寄与され得る。
【0128】 核酸分子の通常の欠失分析は、ZCYTO18ポリペプチドをコードする核酸分子の
機能的フラグメントを得るために行われ得る。例示されるように、配列番号1の
ヌクレオチド配列又はそのフラグメントを有するDNA分子は、一連の欠失を得る
ためにBal3 Tヌクレアーゼにより消化され得る。次に、それらのDNAフラグメン
トが正しい読み取り枠を整合して発現ベクター中に挿入され、そして発現された
ポリペプチドが単離され、そしてZCYTO18について、又はZCYTO18抗体又はZCYTO1
8受容体を結合する能力について試験される。エキソヌクレアーゼ消化のための1
つの方法は、欠失を導入するためにオリゴヌクレオチド−指図された突然変異誘
発を使用し、又は所望するZCYTO18フラグメントの生成を特定するために停止コ
ドンを使用することである。他方では、ZCYTO18遺伝子の特定のフラグメントは
、ポリメラーゼ鎖反応を用いて合成され得る。
【0129】 機能的ドメインを同定するための標準の方法は、当業者に良く知られている。
例えば、インターフェロンのいずれかの又は両末端での切断に対する研究が、Ho
risberger and Di Marco, pharmac. Ther. 66: 507 (1995) により要約されてい
る。さらに、タンパク質の機能的分析のための標準技法は、例えばTreulterなど
., Molec. Gen. Genet. 240: 113 (1993), Content など., “Expression and p
reliminary deletion analysisi of the 42 kDa 2-5A synthetase induced by h
uman interferon”, in Biological Interferon Systems, Proceedings of ISIR
-TNO Meeting on Interferon Systems, Cantell (ed.), Pages 65-72 (Nijhoff
1987), Herschman, “The EGF Enzyme”, in Cortrol of Animal Cell Prolifer
ation, Vol. 1, Boynton など., (eds.) pages 169-199 (Academic Press 1985)
, Counailleau など., J. Biol. Chem. 270: 29270 (1995); Fukunaga など., J
. Biol. Chem. 270: 25291 (1995); Yamaguchi など., Biochem. Pharmacol. 50
: 1295 (1995); 及びMeiselなど., Plant Molec. Biol. 30: 1 (1996)により記
載される。
【0130】 複数アミノ酸置換は、突然変異誘発及びスクリーニングの既知方法、例えばRe
idhaar−Olson and Sauer (science 241: 53−57, 1988)又はBowie and Sauer
( Proc. Natl. Acad. Sci. USA86:2152−2156,1989 )により開示される方法を
用いて行われ、そして試験される。手短に言及すれば、それらの著者は、ポリペ
プチドにおける複数の位置を同時ランダム化し、機能的ポリペプチドをスクリー
ンし、そして次に個々の位置での可能な置換の範囲を決定するために、突然変異
誘発されたポリペプチドを配列決定するための方法を開示する。使用され得る他
の方法は、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 30 : 10832−10837
,1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号; Huse, WIPO公開WO 92/062
04号)、及び領域−指図された突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46 : 14
5, 1986; Ner など., DNA 7 : 127, 1988 )を包含する。
【0131】 開示されるZCYTO18ヌクレオチド及びポリペプチド配列の変異体は、Stemmer,
Nature 370 : 389−91, 1994, Stemmer, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 1074
7−51, 1994及びWIPO公開WI97/20078により開示されるように、DNA シャフリ
ングを通して生成され得る。手短に言及すれば、変異体DNA分子が、ランダムに
導入された点突然変異をもたらす、親DNAのランダム断片化、続く、PCRを用いて
のアセンブリーによるインビトロ相同組換えにより生成される。この技法は、前
記工程中に追加の変動性を導入するために、親DNAのファミリー、例えば異なっ
た種からの対立遺伝子変異体又はDNAを用いて改良され得る。所望する活性の選
択又はスクリーニング、突然変異誘発及びアッセイの続くさらなる相互作用が、
有害な変化に対して同時に選択しながら、所望する突然変異について選択するこ
とによって、配列の急速な“進化”を提供する。
【0132】 本明細書に開示されるような突然変異誘発方法は、宿主細胞におけるクローン
化された突然変異誘発されたポリペプチドの活性を検出するために高処理量の自
動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る。生物学的に活性のポリペプ
チド又は抗−ZCYTO18抗体又は可溶性ZCYTO18受容体と結合するポリペプチドをコ
ードする突然変異誘発されたDNA分子が、宿主細胞から回収され、そしてすぐに
、近代的装置を用いて配列され得る。それらの方法は、興味あるポリペプチドに
おける個々のアミノ酸残基の重要性の急速な決定を可能にし、そして未知の構造
のポリペプチドに適用され得る。
【0133】 さらに、本発明のタンパク質(又はそのポリペプチドフラグメント)は、多機
能分子を供給するために、他の生物活性分子、特に他のサイトカインに連結され
得る。例えば,ZCYTO18からの1又は複数のヘリックスが、それらの生物学的性
質又は生成の効率を高めるために、他のサイトカインに連結され得る。
【0134】 従って、本発明は、ZCYTO18の1又は複数のヘリックスを含んで成るセグメン
トが他のポリペプチドに融合されている一連の新規ハイブリッド分子を提供する
。融合は好ましくは、組換え生成システムにおけるキメラ分子の発現を可能にす
るためにDNAレベルをスプライシングすることにより行われる。次に、その得ら
れる分子は、改良された溶解性、改良された安定性、延長されたクリアランス半
減期、改良された発現及び分泌レベル、及び薬物力学についてアッセイされる。
そのようなハイブリッド分子はさらに、成分タンパク質又はポリペプチド間に追
加のアミノ酸残基(例えば、ポリペプチドリンカー)を含んで成る。
【0135】 天然に存在しないアミノ酸は、トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタ
プロリン、シス−4−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン
、N−メチルグリシン、アロ−トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチ
ルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグル
タミン、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−及び
4−メチルプロリン、3,3−ジメチルプロリン、tert−ロイシン、ノルバリン
、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルア
ラニン、及び4−フルオロフェニルアラニンを包含する。天然に存在しないアミ
ノ酸残基をタンパク質中に導入するためのいくつかの方法が当業界において知ら
れている。
【0136】 例えばナンセンス突然変異が化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNA
を用いて抑制されるインビトロシステムが使用され得る。アミノ酸を合成し、そ
してtRNAをアミノアシル化するための方法は、当業者において知られている。
ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及び翻訳は、E.コリS30抽出物及び
市販の酵素及び他の試薬の含んで成る細胞フリーシステムにおいて実施される。
タンパク質は、クロマトグラフィーにより精製される。例えば、Rovertsonなど.
, J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; Ellman など., Meth. Enzymol. 202: 30
1,1991; Chung など., Science 259: 806−09, 1993; 及びChungなど., Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 90: 10145−49, 1993を参照のこと。
【0137】 第2の方法においては、翻訳は、突然変異誘発されたmRNA及び化学的にアミノ
アミル化されたサプレッサ−tRNAのマイクロインジェクションによりアフリカ
ツメガエル卵母細胞において行われる( Turcatti など., J. Biol. Chem. 271:
1991−98, 1996 )。 第3の方法においては、E.コリ細胞が、置換される予定で
ある天然のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の不在下で及び所望する天然
に存在しないアミノ酸(例えば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニル
アラニン、4−アザフェニルアラニン又は4−フルオロフェニルアラニン)の存
在下で培養される。
【0138】 天然に存在しないアミノ酸は、その天然の相対物の代わりにタンパク質中に導
入される。Koide など., Biochem. 33: 7470−46, 1994を参照のこと。天然に存
在するアミノ酸残基は、インビトロ化学的に修飾により天然に存在しない種に転
換され得る。化学的修飾は、置換の範囲をさらに拡張するために特定部位の突然
変異誘発と組み合わされ得る(Wynn and Richards,Protein Sci. 2: 395−403,
1993)。 限定された数の非保存性アミノ酸、遺伝子コードによりコードされないアミノ
酸、天然に存在しないアミノ酸、及び不自然なアミノ酸が、ZCYTO18アミノ酸に
より置換され得る。
【0139】 本発明はまた、本明細書に記載されるZCYTO18ポリペプチドのエピトープ−担
持の部分を含んで成るポリペプチドフラグメント又はペプチドも提供する。その
ようなフラグメント又はペプチドは、完全なタンパク質が免疫原として使用され
る場合、抗体応答を誘発するタンパク質の一部である“免疫原性エピトープを含
んで成る。免疫原性エピトープ−担持のペプチドは、標準方法を用いて同定され
得る。(例えば、Geysenなど., Proc. Natl. Acad Sci. USA81: 3988, 1983を参
照のこと)。
【0140】 対照的に、ポリペプチドフラグメント又はペプチドは、抗体が特異的に結合す
ることができるタンパク質分子の領域である“抗原性エピトープ”を含んで成る
。一定のエピトープは、線状又は連続した範囲のアミノ酸から成り、そしてその
ようなエピトープの抗原性は、変性剤により破壊されない。タンパク質のエピト
ープを模倣する比較的短い合成ペプチドがタンパク質に対する抗体の生成を刺激
するために使用され得ることは、当業界において知られている(例えば、Sutcli
ffeなど., Science 219: 660, 1983を参照のこと)。従って、本発明の抗原性エ
ピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは、本明細書に記載されるポリペプ
チドと結合する抗体を生ぜしめるために有用である。Hopp/Woods親水性プロフィ
ールは、最も抗原性の可能性を有する領域を決定するために使用され得る(Hopp
など., 1981, 前記;及びHopp、1986、前記)。
【0141】 ZCYTO18おいては、それらの領域は、(1)配列番号3のアミノ酸番号29(Arg
)〜アミノ酸番号34(Asn);(2)配列番号3のアミノ酸番号121(His)〜ア
ミノ酸番号126(Asp);(3)配列番号3のアミノ酸番号134(Gln)〜アミノ酸
番号139(Thr);(4)配列番号3のアミノ酸番号137(Lys)〜アミノ酸番号14
2(Lys);及び(5)配列番号2のアミノ酸番号145(Glu)〜アミノ酸番号150
(Lys)を包含する。さらに、DNASTAR Protean プログラム(DNASTAR、Inc.,
Madison, WI)を用いて、Jameson-Wolfプロットにより推定されるようなZCYTO18
抗原エピトープが、好ましい抗原として作用し、そして当業者により容易に決定
される。
【0142】 抗原性エピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは好ましくは、配列番号
3の少なくとも4〜10個のアミノ酸、少なくとも10〜15個のアミノ酸、又は約15
〜約30個のアミノ酸を含む。そのようなエピトープ−担持のペプチド及びポリペ
プチドは、本明細書に記載されるように、ZCYTO18ポリペプチドのフラグメント
化又は化学的ペプチド合成により生成され得る。さらに、エピトープは、ランダ
ムペプチドライブラリーのファージ表示により選択され得る(例えば、Lane and
Stephen, Curr. Opin. Immunol. 5: 268, 1993, 及びCortese など., Curr. Op
in. Biotechnol. 7: 616, 1996を参照のこと)。
【0143】 エピトープを含んで成る小さなペプチドからエピトープを同定し、そして抗体
を生成するための標準の方法は、例えばMole, “Epitope Mapping,” in Method
s in Molecular Biology, Vol. 10, Manson (ed.), Pages 105-16 (The Humana
Press, Inc., 1992), Price, “Production and Characterization of Syntheti
c Peptide-Derived Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Production, En
gineering, and Clinical Application, Ritter and Ladyman (eds.), page 60-
84 (Cambridge University Press 1995), 及びColigan など. (eds.), Current
Protocols in Immunology, pages 9.3.1-9.3.5 and pages 9.4.1-9.4.11 (John
Wiley & Sons, 1997)により記載される。
【0144】 変異体ZCYTO18ポリヌクレオチドの特定のヌクレオチド配列にもかかわらず、
そのポリヌクレオチドは、その増殖又は分化活性、特殊化された細胞機能を誘発
するか又は阻害する能力、又は抗−ZCYTO18抗体又はZCYTO18受容体に対して特異
的に結合する能力に特徴づけられるポリペプチドをコードする。より特定には、
変異体ZCYTO18ポリヌクレオチドは、配列番号3に示されるようなポリペプチド
の活性の少なくとも50%及び好ましくは、70%, 80%又は90%以上の活性を示す
ポリヌクレオチドをコードするであろう。 変異体及び融合タンパク質を包含するいずれかのZCYTO18ポリペプチドに関し
ては、当業者は、上記表1及び2に示される情報を用いて、その変異体をコード
する、十分な縮重ポリヌクレオチド配列を容易に生成することができる。
【0145】 本発明はさらに、種々の他のポリペプチド融合体(及びい又は複数のポリペプ
チド融合体を含んで成る関連するマルチマータンパク質)を提供する。例えば、
ZCYTO18ポリペプチドは、アメリカ特許第5,155,027号及び第5,567,584号に開示
されるようなダイマータンパク質への融合として調製され得る。それに関しての
好ましいダイマータンパク質は、免疫グロブリン不変領域ドメインを包含する。
免疫グロブリン−ZCYTO18ポリペプチド融合体は、(種々のマルチマーZCYTO18類
似体を生成するために)、遺伝子的に構築された細胞において発現され得る。補
助ドメインは、特定の細胞、組織又は高分子に対してそれらを標的化するために
ZCYTO18ポリペプチドに融合され得る。
【0146】 例えば、ZCYTO18ポリペプチド又はタンパク質が、標的細胞の表面上の受容体
又は受容体に特異的に結合するリガンドにZCYTO18ポリペプチドを融合せしめる
ことによって、予定された細胞型に標的化され得る。この場合、ポリペプチド及
びタンパク質は、治療又は診断目的のために標的化され得る。ZCYTO18ポリペプ
チドは、複数の成分、例えば精製のための親和性標識及び標的化ドメインに融合
され得る。ポリペプチド融合はまた、特にドメイン間に、1又は複数の切断部位
を含むことができる。Tuanなど., Connective Tissue Research 34: 1-9, 1996
を参照のこと。
【0147】 本明細書において論じられた方法を用いて、当業者は、配列番号3の残基1-16
7又は23-167に対して実質的に類似する配列同一性を有する種々のポリペプチド
、又はその機能的フラグメント及び融合体を同定し、そして/又は調製すること
ができ、ここでそのようなポリペプチド、又はフラグメント又は融合体は野生型
タンパク質の性質、例えば増殖、分化を刺激し、特殊化された細胞機能を誘発し
、又はZCYTO18受容体又はZCYTO18抗体を結合する能力を保持する。
【0148】 本発明のZCYTO18ポリペプチド、例えば十分な長さのポリペプチド、機能的フ
ラグメント及び融合ポリペプチドは、従来の技法に従って、遺伝的に構築された
宿主細胞において生成され得る。適切な宿主細胞は、外因性DNAにより形質転換
又はトランスフェクトされ得、そして培養において増殖され得るそれらの細胞型
であり、そして細菌、菌類細胞、及び培養された高等真核細胞を包含する。真核
細胞、特に多細胞生物の培養された細胞が好ましい。
【0149】 クローン化されたDNA分子を操作し、そして種々の宿主細胞中に外因性DNAを導
入するための技法は次の文献に開示される:Sambrool など., Molecular Clonin
g : A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, C
old Spring Harbor, NY, 1989, 及びAusubel など., eds., Current Protocol i
n Molecular Biology, John Wiley and Sons, Ins., NY, 1987。
【0150】 一般的に、本発明のZCYTO18ポリペプチドをコードするDNA配列は、その発現の
ために必要とされる他の遺伝子的要素、例えば一般的に、発現ベクター内の転写
プロモーター及びターミネーターに操作可能的に連結される。ベクターはまた、
通常、1又は複数の選択マーカー及び1又は複数の複製の起点を含むであろうが
、しかし当業者は、一定のシステム内で、選択マーカーが別のベクター上に供給
され得、そして外因性DNAの複製が宿主細胞ゲノム中への組み込みにより供給さ
れ得ることを認識するであろう。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー
、ベクター及び要素の選択は、当業者のレベルの範囲内の通常のことである。多
くのそのような要素は文献に記載されており、そして商業的供給者を通して入手
できる。
【0151】 ZCYTO18ポリペプチドを、宿主細胞の分泌路中に方向づけるためには、分泌シ
グナル配列(又は、シグナル配列、リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列と
しても知られている)が、発現ベクターに供給される。分泌シグナル配列は、ZC
YTO18の配列であり得、又はもう1つの分泌されたタンパク質(例えばt−PA )
に由来し、又は新たに合成され得る。分泌シグナル配列は、ZCYTO18DNA配列に操
作可能的に連結され、すなわち2つの配列は正しく読み取り枠を整合して連結さ
れ、そして宿主細胞の分泌経路中に新しく合成されたポリヌクレオチドを方向づ
けるように配置される。分泌シグナル配列は通常、興味あるポリペプチドをコー
ドするDNA配列の5’ 側に位置するが、但し一定の分泌シグナル配列は、興味あ
るDNA配列の他の場所に位置することもできる(例えば、Welchなど.,アメリカ特
許第5,037,743号;Hollandなど., アメリカ特許第5,143,830号を参照のこと)。
【0152】 他方では、本発明のポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は、分泌路中に
他のポリペプチドを方向づけるために使用される。本発明はそのような融合ポリ
ペプチドを提供する。シグナル融合ポリペプチドが製造され得、ここで配列番号
3のアミノ酸残基1(Met)−21(Ala)に由来する分泌シグナル配列が当業界に
おいて知られている方法及び本明細書に開示される方法を用いて、もう1つのポ
リペプチドをコードするDNA配列に作用可能的に連結されている。
【0153】 本発明の融合ポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は好ましくは、分泌路
中い追加のペプチドを方向づけるためにその追加のペプチドにアミノ末端的に融
合される。そのような構造体は、当業界において知られている多くの用途を有す
る。例えば、それらの新規の分泌シグナル配列融合構造体は通常分泌されないタ
ンパク質の活性成分、例えば受容体の分泌を方向づけることができる。そのよう
な融合は、分泌路を通してペプチドを方向づけるためにインビボ又はインビトロ
で使用され得る。
【0154】 培養された哺乳類細胞または、本発明内の適切な宿主である。外因性DNAを 、
哺乳類宿主細胞中に導入するための方法は、リン酸カルシュウム−仲介トランス
フェクション(Wiglerなど., Cell 14 : 725, 1978; Corsaro and Pearson, Som
atic Cell Genetics 7 :603, 1981; Graham など., Virology 52; 456, 1973),
エレクトロポレーション( Neumann など., EMBO J. 1: 841−845, 1982 ); DEAE
−デキストラン仲介トランスフェクション(Ausubel など., 前記)、及びリポ
ソーム−仲介トランスフェクション(Hawley −Nelson など., Focus 15: 73, 1
993; Ciccarone など.,Focus 15: 80, 1993 )を包含する。
【0155】 培養された哺乳類細胞における組換えポリペプチドの生成は、例えばlevinson
など., アメリカ特許第4,713,339 号; Hagen など., アメリカ特許第4,784,950
号; Palmiter など., アメリカ特許第 4,579,821 号; 及びRingold, アメリカ
特許第 4,656,134 号により開示される。培養された適切な哺乳類細胞は、COS−
1(ATCC No. CRL 165)、COS−7(ATCC No. CRL 1651)、BHK(ATCC No. CRL 16
32)、BHK 570 (ATCC No. CRL 10314 )、293(ATCC No. CRL 1573 ; Graham
など., J. Gen. Viro. 36: 59−72, 1977 )、及びチャイニーズ ハムスター卵
巣(例えば CHO−K1; ATCC No. CCL61 )細胞系を包含する。
【0156】 追加の適切な細胞系は当業界において知られており、そして公的な寄託所、例
えば American Type Culture Collection,Manassas,VAから入手できる。一般的
に、強い転写プロモーター、例えばSV−40 又はサイトメガロウィルスからのプ
ロモーターが好ましい。例えば、アメリカ特許第4,956,288 号を参照のこと。他
の適切なプロモーターは、メタロチオネイン遺伝子からのプロモーター(アメリ
カ特許 4,579,821 号及び第 4,601,978 号)、アデノウィルス主要後期プロモー
ターを包含する。
【0157】 薬物選択は一般的に、外来性DNAが挿入されている、培養された哺乳類細胞を
選択するために使用される。そのような細胞は通常、“トランスフェクタント”
として言及される。選択剤の存在下で培養され、そしてそれらの子孫に興味ある
遺伝子を伝達することができる細胞は、“適切なトランスフェクタント”として
言及される。好ましい選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性をコ
ードする遺伝子である。選択は、ネオマイシン型薬物、例えばG−418又は同様の
もの存在下で実施される。“増幅”として言及される方法である選択システムは
、興味ある遺伝子の発現レベルを高めるためにも使用される。
【0158】 増幅は、低レベルの選択剤の存在下でトランスフェクタントを培養し、そして
次に、導入された遺伝子の生成物を高レベルで生成する細胞を選択するために選
択剤の量を高めることによって実施される。好ましい増幅可能選択マーカーは、
メトトレキセートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼである。他
の耐薬物性遺伝子(例えば、ヒグロマイシン耐性、複数薬物耐性、ピューロマイ
シン アセチルトランスフェラーゼ)もまた、使用され得る。変更された表現型
を導入する他のマーカー、例えば緑色蛍光タンパク質、又は細胞表面タンパク質
、例えばCD4, CD8,クラスI MHC、胎盤アルカリホスファターゼが、FACS分類又
は磁気ビース分離技法のような手段により、トランスフェクトされていない細胞
とトランスフェクトされた細胞とを分類するために使用され得る。
【0159】 他の高等真核細胞、例えば植物細胞、昆虫細胞、及び鳥類細胞もまた、宿主と
して使用され得る。植物細胞において遺伝子を発現するためのベクターとしての
アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes )の使用は、Sin
karなど.、J. Biosci. ( Bangalore ) 11: 47−58, 1987 により再考されている
。昆虫細胞の形質転換、及びそこにおける外来性ポリペプチドの生成は、Guarin
o など.,アメリカ特許第5,162,222号;及びWIPO公開WO94/06463号により公開さ
れる。
【0160】 昆虫細胞は、オートグラファ・カリホルニカ( Autographa californica )核
多角体病ウィルス(AcNPV)に通常由来する組換えバキュロウィルスにより感染
され得る。King, L. A. and Possee, R.D., The Baculovirus Exprossion Syste
m: A Laboratory Guide, London, Chapman & Hall; O’Reilly, D. R. ., Bacul
ovirus Expression Vector: A Laboratory Manual, New York, Oxford Universi
ty Press., 1994; 及びRichardson, C. D., Ed., Baculovirus Expression Prot
ocols. Methods in Molecular Biology, Totowa, NJ, Humana Press, 1995を参
照のこと。
【0161】 組換えバキュロウィルスを製造するための第2の方法は、Luckow ( Luckow, V
A, など., J. Virol 67: 4566−79, 1993 ) により記載されるトランスポゾンに
基づくシステムを利用する。このシステムは、Bac−to−BacTMキット(Life Te
chnologies, Rockville, MD)として市販されている。このシステムは、“bacm
id” と呼ばれる大きなプラスミドとして、E.コリに維持されるバキュロウィル
スゲノム中に、ZCYTO18ポリペプチドをコードするDNAを移動せしめるために、Tn
7トランスポゾンを含むトランスファーベクター、pFastBacI TM (Life Technolo
gies )を利用する。pFastBaclTM トランスファーベクターは、興味ある遺伝子、
この場合、ZCYTO18の発現を誘導するためにAcNPVポリヒドリンプロモーターを使
用する。
【0162】 しかしながら、pFastBaclTMは相当の程度まで修飾され得る。前記ポリヒドリ
ンプロモーターは、除去され、そしてバキュロウィルス感染において早めに発現
され、そして分泌されたタンパク質を発現するために好都合であることが知られ
ているバキュロウィルス塩基性タンパク質プロモーター(また、Pcor, p6.9又は
MPプロモーターとしても知られている)により置換され得る。Hill−Perkins, M
.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990; Bonning, B.C. な
ど., J. Gen. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk, G. D., and Rapop
ort, B., J. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。
【0163】 そのようなトランスファーベクター構造体においては、塩基性タンパク質プロ
モーターの短いか又は長いバージョンが使用され得る。さらに、昆虫タンパク質
に由来する分泌シグナル配列により天然のZCYTO18分泌シグナル配列を置換して
いるトランスファーベクターが構成さえ得る。例えば、エクジステロイド・グル
コシルトランスフェラーゼ(EGT)、ミツバチMelittin (Invitrogen, Carlsbad,
CA) 又はバキュロウィルスgp67(PharMingem, San Diego, CA)は、生来の分泌
シグナル配列を置換するために、構造体に使用され得る。
【0164】 さらに、トランスファーベクターは発現されたZCYTO18ポリペプチドのC−又は
N−末端でエピトープ標識、例えばGlu−Glu エピトープ標識をコードするDNAと
のイン−フレーム融合体を含むことができる(Grussenmeyer, T. など., Peoc.
Natl. Acad. Sci. 82: 7952−6, 1985)。当業界において知られている技法を用
いて、ZCYTO18を含むトランスファーベクターにより、E.コリが形質転換され、
そして組換えバキュロウィルスの表示である断続的lacZ遺伝子を含むbacmida に
ついてスクリーンされる。組換えバキュロウィルスゲノムを含むbacmid DNA が
、通常の技法を用いて単離され、そしてスポドプテラ・フルギペルダ( Spodopt
era frugiperda )細胞、例えばSf9 細胞をトランスフェクトするために使用さ
れる。ZCYTO18を発現する組換えウィルスが結果的に生成される。組換えウィル
ス ストックは、当業者において通常使用される方法により製造される。
【0165】 組換えウィルスは、宿主細胞、典型的には、アワヨトウの幼虫、スポドプテラ
・フルギペルダに由来する細胞系を感染せしめるために使用される。一般的には
、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology: Principles and Applicati
on of Recombinant DNA, ASM Prss, Washington, D.C., 1994を参照のこと。も
う1つの適切な細胞系は、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)に由来するH
igh FiveOTM細胞系(Invitrogen)である(アメリカ特許第5,300,435号)。市販の
血清フリー培地が、細胞を増殖し、そして維持するために使用される。適切な培
地は、Sf9細胞のためには、SF900IITM (Life Technologies),又はEST 921TM(Ex
pression Systems); 及びT. ni 細胞のためには、Ex−CellO405TM(JRH Biosci
ences, Lenza, KS)又はExpress FiveOTM(Life Technologies )である。
【0166】 細胞は、約2〜5×105個の細胞1〜2×106個の細胞の接種密度から増殖され、こ
の時点で、組換えウィルスストックが、0.1〜10、より典型的にはほぼ3の感染
の多重度(MCI)で添加される。使用される方法は一般的に、入手できる実験用
マニュアルに記載されている(King, L. A. and Possee, R. D., 前記; O’Reil
ly, D. R. など., 前記;Richardson, C. D., 前記)。上清液からのZCYTO18ポ
リペプチドの続く精製は、本明細書に記載される方法を用いて達成され得る。
【0167】 菌類細胞、例えば酵母細胞はまた、本発明内で使用され得る。これに関して、
特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevi
siae), ピチア・パストリス(Pichia pastoris)及びピチア・メタノリカ(pich
ia methanolica) を包含する。外因性DNAによりS. セレビシアエ細胞を形質転
換し、そしてそれから組換えポリペプチドを生成するための方法は、例えばKawa
saki, アメリカ特許第4,599,311号;Kawasaki など., アメリカ特許第4,931,373
号;Brake, アメリカ特許第4,870,008号;Welchなど., アメリカ特許第5,037,74
3号;及びMurray など., アメリカ特許第4,845,075号により開示される。
【0168】 形質転換された細胞は、選択マーカー、通常、耐薬物性、又は、特定の栄養物
(例えばロイシン)の不在下で増殖する能力により決定される表現型により選択
される。サッカロミセス・セレビシアエへの使用のための好ましいベクターシス
テムは、グルコース含有培地における増殖により形質転換された細胞の選択を可
能にする、Kawasaki など. (アメリカ特許第4,931,373号)により開示されるPOT
1ベクターシステムである。酵母への使用のための適切なプロモーター及びター
ミネーターは、解糖酵素遺伝子(例えば、Kawasaki, アメリカ特許第4,599,311
号;Kingsmanなど., アメリカ特許第4,615,974号;及びBitter, アメリカ特許第
4,977,092 号を参照のこと)及びアルコール デヒドロゲナーゼ遺伝子からのも
のを包含する。
【0169】 また、アメリカ特許第4,990,446 号;第5,063,154号;第5,139,936 号;及び
第4,661,454号を参照のこと。他の酵素、例えばハンセヌラ・ポリモルファ(Han
senula polymorpha)、シゾサッカロミセス・ポンベ( Schizosaccharomyces po
mbe )、クルイベリミセス・ラクチス( Kluyveromyces lactis )、クルイベリ
ミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis )、ウスチラゴ・マイジス(Us
tilago maydis )、ピチア・パストリス( Pichia pastoris )、ピチア・メタ
ノリカ(Pichia methanolica)、ピチア・グイレルモンジ( Pichia guillermon
dii )、及びカンジタ・マルトサ(Candida maltosa )のための形質転換システ
ムは、当業界において知られている。
【0170】 例えば、Gleeson など., J. Gen. Microbiol. 132: 3459−3465, 1986 及びCr
egg, アメリカ特許第4,882,279 号を参照のこと。アスペルギラス細胞は、Mckni
ght など.,アメリカ特許第4,935,349号の方法に従って使用され得る。アクレモ
ニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum)を形質転換するための方法は
、Sumino ., アメリカ特許第5,162,228号により開示される。ニューロスポラ(N
eurospora)を形質転換するための方法は、Lambowitz, アメリカ特許第4,486,53
3号により開示される。
【0171】 組換えタンパク質の生成のための宿主としてのピチア・メタノリカの使用は、
WIPO公開WO97/17450, WO97/17451、WO98/02536及びWO98/02565に開示される
。P.メタノリカの形質転換に使用するためのDNA分子は通常、形質転換の前、好
ましくは線状化される、二本鎖の環状プラスミドとして調製されるであろう。P.
メタノリカにおけるポリペプチド生成のためには、プラスミドにおけるプロモー
ター及びターミネーターは、P.メタノリカ遺伝子、例えばP.メタノリカ アルコ
ール利用遺伝子(AUG1又はAUG2)のものであることが好ましい。他の有用なプ
ロモーターは、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ギ酸デヒドロゲナー
ゼ(FMD)、及びカタラーゼ(CAT)遺伝子のものを包含する。
【0172】 宿主染色体中へのDNAの組み込みを促進するためには、宿主DNA配列を両端に有
するプラスミドの完全な発現セグメントを有することが好ましい。ピチア メタ
ノリカへの使用のための好ましい選択マーカーは、アデニンの不在下でade2宿主
細胞の増殖を可能にする、ホスホリボシル−5−アミノイミダゾールカルボキシ
ラーゼ(AIRC; EC. 4.1.1.21)をコードするP.メタノリカADE2遺伝子である。メ
タノールの使用を最少にすることが所望される大規模産業方法のためには、両メ
タノール利用遺伝子(AUG1及びAUG2)が欠失されている宿主細胞を使用するこ
とが好ましい。
【0173】 分泌されたタンパク質の生成のためには、液胞プロテアーゼ遺伝子(PEP4及
びPRB1)を欠いている宿主細胞が好ましい。エレクトロポレーションが、P.メ
タノリカ細胞中への、興味あるポリペプチドをコードするDNAを含むプラスミド
の導入を促進するために使用される。2.5〜4.5kV/cm,好ましくは約3.75kV/cmの
電場の強さ、及び1〜40m秒、最も好ましくは約20m秒の時定数(t)を有する、指
数的に減衰する、パルスされた電場を用いて、エレクトロポレーションによりP.
メタノリカ細胞を形質転換することが好ましい。
【0174】 原核宿主細胞、例えば細菌E.コリ、バシラス及び他の属の菌株はまた、本発明
において有用な宿主細胞である。それらの宿主を形質転換し、そしてそこにクロ
ーン化される外来性DNA配列を発現するための技法は、当業界において良く知ら
れている(例えば、Sambrookなど., 前記を参照のこと)。細菌、例えばE.コリ
においてZCYTO18ポリペプチドを発現する場合、そのポリペプチドは、典型的に
は不溶性顆粒として細胞質に保持され得、又は細菌の分泌配列により細胞周辺腔
に向けられ得る。前者の場合、細胞は溶解され、そして顆粒が回収され、そして
例えばグアニジンイソチオシアネート又はウレアを用いて変性される。
【0175】 次に、変性されたポリペプチドが再生され、そして例えばウレア、及び還元さ
れた及び酸化されたグルタチオンの組み合わせの溶液に対する透析、続く緩衝溶
液に対する透析により、前記変成体を希釈することによってニ量体化され得る。
後者の場合、ポリペプチドは、細胞周辺腔の内容物を開放するために細胞を破壊
し(例えば、音波処理又は浸透ショックにより)、そしてタンパク質を回収する
ことによって、細胞周辺腔から可溶性及び機能性形で回収され、それにより、変
性及び再生のための必要性を回避することができる。
【0176】 形質転換され又はトランスフェクトされた宿主細胞は、選択された宿主細胞の
増殖のために必要とされる栄養物及び他の成分を含む培養培地において、従来の
方法に従って培養される。種々の適切な培地、例えば定義された培地及び複合培
地は、当業界において知られており、そして一般的には、炭素源、窒素源、必須
アミノ酸、ビタミン及び鉱物を含む。培地はまた、必要とされる場合、成長因子
又は血清のような成分も含むことができる。増殖培地は一般的に、外因的に付加
されたDNAを含む細胞を、例えば発現ベクター上に担持される選択マーカーによ
り補足され、又は宿主細胞中に同時トランスフェクトされる必須栄養物における
薬物選択又は栄養欠乏により選択するであろう。
【0177】 P.メタノリカ細胞は適切な炭素源、窒素源及び微量栄養物を含んでなる培地に
おいて、約25℃〜35℃の温度で培養される。液体培養物は、従来の手段、例
えば小さなフラスコの振盪又は発酵器のスパージングにより十分なエアレーショ
ンを提供される。P.メタノリカのための好ましい培養培地は、YEPD(2%D−グ
ルコース、2%のBactoTMペプトン(Difco Laboratories, Detroit, MI), 1%の
BactoTM 酵母抽出物(Difco Laboratories), 0.004%のアデニン及び0.006%の
L−ロイシン)である。
【0178】 本発明のポリペプチドを80%以上の純度、より好ましくは90%以上の純度、さ
らに好ましくは95%以上の純度に精製することが好ましく、そして汚染性高分子
、特に他のタンパク質及び核酸に対して、99.9%以上の純度であり、そして感染
性及び発熱性剤を有さない医薬的に純粋な状態が特に好ましい。好ましくは、精
製されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に動物起源の他のポリペプチド
を実質的に有さない。
【0179】 発現された組換え体ZCYTO18ポリペプチド(又はキメラZCYTO18ポリペプチド)
は、分別及び/又は従来の精製方法及び媒体を用いて精製され得る。硫酸アンモ
ニウム沈殿及び酸又はカオトロピック剤抽出は、サンプルの分別のために使用さ
れる。典型的な精製段階は、ヒドロキシアパタイト、サイズ排除、FPLC及び逆相
高性能液体クロマトグラフィーを包含する。適切なクロマトグラフィー用媒体は
、誘導体化されたデキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド
、特別なシリカ及び同様のものを包含する。PEI、DEAE、QAE及びQ誘導体が好ま
しい。
【0180】 典型的なクロマトグラフィー用媒体は、フェニル、ブチル又はオクチル基によ
り誘導体化されたもの、例えばフェニル−Sepharose FF(pharmacia),Toyopearl
ブチル650(Toso Haas, Montgomeryville, PA)、オクチル−Sepharrose (Pharm
acia)及び同様のもの;又はポリアクリル樹脂、例えばAmberchrom CG71 (Toso H
aas)及び同様のものを包含する。適切な固体支持体は、ガラスビーズ、シリカ基
材の樹脂、セルロース樹脂、アガロースビーズ、架橋されたアガロースビーズ、
ポリスチレンビーズ、架橋されたポリアクリルアミド樹脂及びそれらが使用され
る条件下で不溶性である同様のものを包含する。それらの支持体は、アミノ基、
カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基及び/又は炭水化物成分に
よるタンパク質の結合を可能にする反応性基より変性され得る。
【0181】 カップリング化学物質の例は、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイ
ミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性化及び
カルボジイミド カップリング化学物質のためのカルボキシル及びアミノ誘導体
を包含する。それらの及び他の固体媒体は当業界において良く知られており、そ
して広く使用されており、そして商業的供給者から入手できる。支持媒体にリガ
ンド又は受容体ポリペプチドを結合するための方法は当業界において良く知られ
ている。特定方法の選択は、通常のことであり、そして選択された支持体の性質
により一部決定される。例えば、Affinity Chromatograpy: Principles & Metho
ds, Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988を参照のこと。
【0182】 本発明のポリペプチドは、アニオン及びカチオン交換クロマトグラフィー、サ
イズ排除、及び親和性クロマトグラフィーを包含する方法の組み合わせより単離
され得る。例えば、固定された金属イオン吸着(IMAC)クロマトグラフィーが、
ヒスチジンに富んでいるタンパク質、及びポリヒスチジン標識を含んでなるそれ
らのタンパク質を精製するために使用され得る。手短に言及すれば、ゲルがまず
、二価金属イオンにより荷電され、キレートが形成される( Sulkowski, Trends
in Biochem. 3: 1−7, 1985)。
【0183】 ヒスチジンに富んでいるタンパク質が、使用される金属イオンに依存して、異
なった親和性を有するこのマトリックスに吸着され、そして競争溶出、pHの低
下、又は強いキレート化剤の使用により溶出されるであろう。他の精製方法は、
レクチン親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーによるグ
リコシル化されたタンパク質の精製を包含する(Methods in Enzymol., Vol. 18
2, “Guide to Protein Purification”, M. Deutscher, ( ed.), Acad. Press,
San Diego, 1990, pp. 529−39)。本発明のさらなる態様においては、興味あ
るポリペプチド、及び親和性標識(例えばマルトース−結合タンパク質、FLAG標
識、Glu-Gku標識、免疫グロブリンドメイン)の融合体が、精製を促進するため
に構成され得る。
【0184】 さらに、当業界において記載される方法を用いて、ポリペプチド融合体又はハ
イブリッドZCYTO18タンパク質が、他のヒトサイトカインファミリータンパク質
(例えば、インターロイキン又はGM-CSF)、又は異種タンパク質と組合して、本
発明のzalpha11リガンドの領域又はドメインを用いて構成される(Sambrook な
ど., 前記;Altschul など., 前記;Picard, Cur. Opin. Biology, 5: 511-5, 1
994及びそれらにおける引例)。それらの方法は、興味あるポリペプチドにおけ
る大きなドメイン又は領域の生物学的重要性の決定を可能にする。そのようなハ
イブリッドは、反応運動学、結合を変更し、基質特異性を抑制し、又は拡張し、
又はポリペプチドの組織及び細胞局在性を変更し、そして未知の構造のポリペプ
チドに適用される。
【0185】 融合タンパク質は、その融合タンパク質の個々の成分を調製し、そしてそれら
を化学的に接合することによって、当業者に知られている方法により調製され得
る。他方では、正しく読み取り枠を整合して融合タンパク質の両成分をコードす
るポリヌクレオチドは、既知の技法を用いて生成され、そして本明細書に記載さ
れる方法により発現され得る。例えば、生物学的機能を付与するヘリックスの一
部又はすべてが、本発明のZCYTO18と、もう1つのファミリーメンバー、例えばI
L-10、 zcyto10、 MDA7、 IL-15、IL-2、IL-4、又はGM-CSFからのその機能的に
同等のヘリックスとの間で交換され得る。
【0186】 そのような成分は次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:
分泌シグナル配列;ヘリックスA、B、C、D及び4−ヘリカル−束サイトカイン。
そのような融合タンパク質は、構成される融合体に依存して、本発明のポリペプ
チド又は他の既知の4−ヘリカル−束サイトカインファミリータンパク質と同じ
か又は類似する生物学的機能プロフィールを有することが予測される。さらに、
そのような融合タンパク質は、本明細書に開示されるように、他の性質も示すこ
とができる。
【0187】 標準の分子生物学及びクローニング技法が、ZCYTO18ポリペプチドと、それら
が融合されるそれらのポリペプチドとの間の同等のドメインを交換するために使
用され得る。一般的に、興味あるドメイン、例えばZCYTO18ヘリックスA〜D、又
は本明細書に記載される他のドメインをコードするDNAセグメントが、追加のポ
リペプチド(例えば、他のサイトカイン、例えばIL-10、 zcyto10、 MDA7又は同
様のものからのドメイン又は領域)をコードする少なくとも1つの他のDNAセグ
メントに読み取り枠を接合して作用可能的に結合され、そして本明細書に記載さ
れるように、適切な発現ベクター中に挿入される。
【0188】 一般的に、DNA構造体は、ポリペプチドのその対応する領域をコードするいく
つかのDNAセグメントが、完全な融合タンパク質又はその機能的部分をコードす
る単一の構造体を製造するために読み取り枠を整合して、作用可能的に連結され
るように、製造される。例えばDNA構造体は、N−末端からC−末端側に、単一の
ポリペプチドを含んで成る融合タンパク質、続いて、ヘリックスA、ヘリックスB
、ヘリックスC、ヘリックスD、又は例えばもう1つの4−ヘリカル−束サイトカ
インファミリータンパク質からの同等の領域により交換されるような上記のいず
れかを含む成熟4−ヘリカル−束サイトカイン融合タンパク質をコードする。
【0189】 そのような融合タンパク質は、本明細書に記載されるように、発現され、単離
され、そして活性についてアッセイされ得る。さらに、そのような融合タンパク
質は、本明細書に記載されるように、抗−ZCYTO18抗体を生成するために動物を
接種するために使用される、ZCYTO18ポリペプチドのフラグメントを発現し、そ
して分泌するために使用され得る。例えば、分泌シグナル配列は、本明細書に記
載されるように、精製され得るZCYTO18ポリペプチドのフラグメント分泌し、そ
して本明細書に記載されるように、抗−ZCYTO18抗体を生成するために動物中に
接種されるべき抗原として作用すせしめるために、ヘリックスA, B, C又はD又は
それらの組み合わせ(例えば、ヘリックスA-B, B-C, C-D, A-D, B-D又はZCYTO18
ポリペプチドフラグメントを含んで成る、作用可能に連結されたポリペプチド)
に作用可能的に連結され得る。
【0190】 ZCYTO18ポリペプチド又はそのフラグメントはまた、化学的合成を通して調製
され得る。ZCYTO18ポリペプチドはモノマー又はマルチマーであり得;グリコシ
ル化されても又はグリコシル化されなくても良く;ペルギレ−ト化されても又は
ペルギレ−トされなくても良く;そして開始メチオニンアミノ酸残基を含んでも
又は含まなくても良い、例えば、ポリペプチドは、Merrifield, J. Am. Chem. S
OC. 85: 2149, 1963により記載されるように、固相ペプチド合成により調製され
得る。
【0191】 本発明の分子の活性は、ZCYTO18受容体を発現する細胞の増殖及び/又はその細
胞への結合を側定する種々のアッセイを用いて測定され得る。ZCYTO18−依存性
細胞における変化が特に興味の対象である。zalpha11リガンド−依存性であ
る構築され得るべき適切な細胞系は、IL-3−依存性BaF3細胞系(Palacios and S
teinmetz, Cell 41: 727-734, 1985; Mathey-Prevot など., Mol. Cell. Biol.
6: 4133-4135, 1986)、FDC−P1(Hapel など., Blood 64: 786-790, 1984)及
びMO7e(Kissなど., Leukemia 7: 235-240, 1993)を包含する。
【0192】 成長因子−依存性細胞系は、公開された方法(例えば、Greenbergerなど., Le
ukemia Res. 8: 363-375, 1984; Dexterなど., in Baum など., Eds., Expermen
tal Hematology Toda, 8th ann. Mtg. Int. Soc. Exp. Hematol. 1979, 145-156
, 1980)に従って確立され得る。例えば、本明細書に記載されるように、ZCYTO1
8ヘテロダイマー受容体zcytor/CRF2−4を発現するBaF3細胞が、本発明のZCYTO1
8、ZCYTO18受容体結合フラグメント及びZCYTO18変異体の活性をアッセイするた
めに使用され得る。Zcytor11及びCRF2−4(ZCYTO18受容体)を同時発現するBaF
3安定細胞系は、IL−3を有さない培地においてZCYTO18タンパク質に対して用量
−依存性増殖応答を示す。
【0193】 本発明のタンパク質は、造血機能及び免疫機能の関連する恒常性の細胞の特殊
化された細胞機能の増殖、活性化、分化及び/又は誘発又は阻害を刺激するため
に有用である。特に、ZCYTO18ポリペピチドは、造血系の細胞、例えばT細胞、B
細胞、NK細胞、樹状細胞、単球及びマクロファージ(但し、それらだけには限定
されない)の特殊化された細胞機能の増殖、活性化、分化、誘発又は阻害を刺激
するために有用である。造血細胞の増殖及び/又は分化は、培養された細胞を用
いてインビトロで、又は本発明の分子を適切な動物モデル中に投与することによ
って、インビトロで測定され得る。細胞増殖又は分化を測定するアッセイは、当
業者において良く知られている。
【0194】 たとえば、増殖を測定するアッセイは、次のようなアッセイを包含する:中性
赤色素に対する化学感受性(Caranaugh など., Investigational New Drags 8:
347-354, 1990; 引用により本明細書に組み込まれる)、放射性ラベルされたヌ
クレオチドの組み込み(CooK など., Analytical Biochem. 179: 1-7, 1989; 引
用により本明細書に組み込まれる)、増殖する細胞のDNAへの5-ブロモー2’-
デオキシウリジン(BrdU)の組み込み(Porstmann など., J. Immunol. Methods
82: 169-179, 1985; 引用により本明細書に組み込まれる)、及びテトラゾリウ
ム塩の使用(Mosmann, J. Immunol. Methods 65: 55-63, 1983; Alley など., C
ancer Res. 48: 589-601, 198; Marshall など., Growth Reg. 5: 69-84, 1995;
及びScudiero など., Cancer Res. 48: 4827-4833, 1988; すべては引用により
本明書に組み込まれる)。
【0195】 分化を測定するアッセイは、たとえば組織の段階−特異的発現に関連する細胞
表面マーカー、酵素活性、官能的活性、又は形態変化の測定を包含する(Watt,
FASEB 5: 281-284, 1991; Francis, Differentiation 57 : 63-75, 1994; Raes,
Adv. Anim. Cell Biol. Technol. Bioprocesses, 1i61-171, 1989; すべては引
用により本明細書に組み込まれる)。
【0196】 IL−10は、他のサイトカインの生成を阻害し、活性化されたBリンパ球の増殖
及び分化を誘発し、HIV−1複製を阻害し、そしてγインターフェロンに対する
拮抗効果を示すサイトカインである。IL−10は、180度回転により関連する2種
のα−ヘリカルポリペプチド領域から形成されるダイマーとして存在するように
思える。例えば、Zdanovなど., Structure: 3(6): 591-601 (1996) を参照のこ
と。IL−10は、Th1 T−細胞応答を調節することができる、活性化されたTh2 T−
細胞、B−細胞、ケラチノサイト及び単球/マクロファージの生成物であることが
報告されている。
【0197】 そのような調節は、Th1 T−細胞によりサイトカイン合成を阻害することによ
って達成され得る。例えば、Husなど., Int, Immunol. 4: 563 (1992) 及びD’A
ndrea など., J. Exp. Med. 178: 1042 (1992) を参照のこと。IL−10はまた、
天然のキラー細胞及び単級/マクロファージによりサイトカイン合成を阻害する
ことが報告されている。例えば、Husなど., 上記及びFiorentinoなど., J. Immu
nol. 146: 3444 (1991) を参照のこと。さらに、IL−10は、インスリン依存性糖
尿病に応答して保護効果を有することが見出された。同様に、サイトカインはIL
−10とペプチド構造及びいくつかの配列類似性を共有するので、ZCYTO18は上記
に開示される活性を有することができ、そしてIL−10活性を評価するために使用
されるアッセイが、ZCYTO18活性をアッセイするために適用され得る。
【0198】 本発明の分子は、ウィルス供給システムを用いてインビボでアッセイされ得る
。この目的のための典型的なウィルスは、アデノウィルス、ヘルペスウィルス、
ワクシニアウィルス及びアデノ関連ウィルス(AAV)を包含する。アデノウィル
ス、すなわち二本鎖DNAウィルスは現在、異種拡散の供給のための最も研究され
ている遺伝子トランスファーベクターである(T. C. Becker など., Meth. Cell
Bio. 43: 161−89, 1994; 及びJ. T. Douglas and D.T. Curiel, Science & Me
dicine 4: 44−53, 1997 を参照のこと)。
【0199】 アデノウィルスシステムは次のいくつかの利点を付与する:( i )アデノウ
ィルスは比較的大きなDNA挿入体を適応せしめることができ;( ii )高い力価
に増殖され得;( iii )広範囲の哺乳類細胞型を感染せしめ;そして( iv )
多数の異なったプロモーター、例えば偏在する、組織特異的、及び調節可能なプ
ロモーターと共に使用され得る。また、アデノウィルスは血流において安定して
いるので、それらは静脈内注射により投与され得る。
【0200】 アデノウィルスゲノムの一部が欠失されているアデノウィルスを用いて、直接
的な結合により又は同時トランスフェクトされたプラスミドとの相同組換えによ
り、ウィルスDNA中に組み込まれ得る。典型的なシステムにおいては、必須E1遺
伝子がウィルスベクターから欠失され、そしてウィルスは、E1遺伝子が宿主細
胞(ヒト293細胞系が典型である)により供給されなければ、複製しないであろ
う。損なわれていない動物に静脈内投与される場合、アデノウィルスは主に、肝
臓を標的化する。
【0201】 アデノウィルス供給システムがE1遺伝子欠失を有する場合、ウィルスは宿主
細胞において複製することができない。しかしながら、宿主の組織(例えば、肝
臓)は、異種タンパク質を発現し、そしてプロセッシングするのであろう(そし
て、分泌シグナル配列が存在する場合、分泌する)。分泌されたタンパク質は高
く血管化された肝臓において循環に入り、そして感染された動物に対する効果が
決定され得る。
【0202】 さらに、ウィルス遺伝子の種々の欠失を含むアデノウィルスベクターは、その
ベクターに対する免疫応答を低めるか又は排除するために使用され得る。そのよ
うなアデノウィルスは、E1−欠失され、そしてさらに、E2A又はE4の欠失を含む
(Luskyなど., J. Virol. 72: 2022 (1998); Raper など., Human Gene Therapy
9: 671 (1998))。さらに、E2bの欠失はまた、免疫応答を低めることが報告さ
れている(Amalfitanoなど., J. Virol. 72:926 (1998))。さらに、完全なアデ
ノウィルスゲノムを欠失することによって、異種DNAの非常に大きな挿入体が収
容され得る。すべてのウィルス遺伝子が欠失されている、いわゆる“不活性(gu
tless)”アデノウィルスの生成は、異種DNAの大きな挿入体の挿入のために特に
好都合である(Yeh and Perricaudet, FASEB J. 11: 615 (1997) を参照のこと
)。
【0203】 アデノウィルスシステムはまた、インビトロでのタンパク質生成のためにも使
用され得る。アデノウィルス感染された細胞を、その細胞が急速に分裂しないよ
うな条件下で培養することによって、前記細胞は長時間、タンパク質を生成する
ことができる。例えば、BHK細胞は、細胞工場において集密性まで増殖され、次
に興味ある分泌されたタンパク質をコードするアデノウィルスベクターに暴露さ
れる。次に、細胞が、有意な細胞分裂を伴わないで、感染された細胞の数週間の
生存を可能にする血清フリー条件下で増殖せしめられる。
【0204】 他方では、アデノウィルスベクター感染された293S細胞が、有意な量のタンパ
ク質を生成するために、比較的高い細胞密度で、付着細胞として、又は懸濁培養
において増殖せしめられ得る( Garnier など., Cytotechnol. 15: 145−55, 19
94 を参照のこと)。いずれかのプロトコールにより、発現され、分泌された異
種タンパク質が、細胞における発現されたタンパク質の素因に依存して、細胞培
養物上清液、溶解物又は、膜画分から反復して単離され得る。感染された293S
細胞生成プロトコールにおいては、分泌されていないタンパク質が効果的に得ら
れる。
【0205】 ZCYTO18受容体に関して観察され組織分布の観点においては、アゴニスト(例
えば、天然のリガンド/基質/補因子/等)及びアンタゴニストは、インビトロ及
びインビボ用途において莫大な可能性を有する。ZCYTO18アゴニストとして同定
される化合物は、造血機能及び免疫機能の恒常性に関連する細胞の特殊化された
細胞機能の拡張、増殖、活性化、分化及び/又は誘発又は阻害を刺激するために
有用である。
【0206】 例えば、ZCYTO18及びアゴニスト化合物は、定義された細胞培養培地の成分と
して有用であり、そして細胞培養物において通常使用される血清を置換するため
に、単独で、又は他のサイトカインと組合して使用され得る。従って、アゴニス
トは、培養物におけるT-細胞、B-細胞、NK細胞、細胞毒性リンパ球、及びリンパ
球及び骨髄系の増殖及び/又は成長を特異的に促進することにおいて有用である
【0207】 アンタゴニストはまた、リガンド−受容体相互作用の部位を特徴づけるための
研究試薬として有用である。アンタゴニストは、造血機能の調節に関与する細胞
の拡張、増殖、活性化、及び/又は分化を阻害するために有用である。ZCYTO18活
性のインヒビター(ZCYTO18アンタゴニスト)は、抗−ZCYTO18抗体、及び可溶性
ZCYTO18受容体、並びに他のペプチド及び非ペプチド剤(例えば、リボザイム)
を包含する。
【0208】 ZCYTO18はまた、その活性のインヒビター(アンタゴニスト)を同定するため
にも使用され得る。試験化合物は、ZCYTO18の活性を阻害する化合物を同定する
ために、本明細書に開示されるアッセイに添加される。本明細書に開示されるそ
れらのアッセイの他に、サンプルは、受容体結合を測定するよう企画された種々
のアッセイ内のZCYTO18活性の阻害、ZCYTO18−依存性細胞応答の刺激/阻害、又
はZCYTO18受容体発現細胞の増殖について試験され得る。
【0209】 ZCYTO18ポリペプチドは、免疫グロブリンH鎖不変領域、典型的には2つの不変
領域ドメインを含み、そして可変領域を欠いているFcフラグメントとの融合体と
して発現され得る。そのような融合体を調製するための方法は、アメリカ特許第
5,155,027号及び第5,567,584号に開示される。そのような融合体は典型的には、
マルチマー分子として分泌され、ここで前記分子においては、Fc部分はお互いに
ジスルフィド結合され、そして2つの非Igポリペプチドはお互いに接近して配列
されている。
【0210】 このタイプの融合体は、ニ量体化のために、安定性及びインビボ半減期を高め
るために、リガンドを親和性精製するために、インビトロアッセイ手段又はアン
タゴニストとして使用され得る。アッセイへの使用のためには、キメラは、Fc領
域を通して支持体に結合され、そしてELISA形に使用される。Fc融合体は、異な
った薬物運動学及び変更された作用を有する好ましい治療用タンパク質を提供す
ることができる。
【0211】 リガンドの受容体−結合領域を含むポリペプチドはまた、受容体の精製のため
にも使用される。前記リガンドポリペプチドは、固体支持体、例えばアガロース
、架橋されたアガロース、ガラス、セルロース樹脂、シリカ基材の樹脂、ポリス
チレン、架橋されたポリアクリルアミド又は使用の条件下で安定している同様の
材料のビーズ上に固定される。
【0212】 固体支持体にポリペプチドを結合するための方法は、当業界において知られて
おり、そしてアミン化学、臭化シアノゲン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミ
ド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化及びヒドラジド活性化を包
含する。得られる媒体は一般的に、カラムの形で形状化され、そしてリガンドを
含む流体が、リガンドポリペプチドへの受容体の結合を可能にするために、カラ
ムに1又は複数回、通される。次に、受容体が、塩濃度の変化、カオトロピック
剤(MnCl2)、又はリガンド−受容体結合を破壊するpHを用いて溶出される。
【0213】 ZCYTO18ポリペプチド又はZCYTO18融合タンパク質が、ZCYTO18受容体を同定す
るために使用される。ラベルされたZCYTO18ポリペプチドを用いて、受容体を発
現する細胞は、蛍光免疫赤血球学又は免疫組織化学により同定される。ZCYTO18
ポリペプチドは、組織又は特定の細胞系上での受容体の分布の決定において、及
び受容体/リガンド生物学を洞察することにおいて有用である。
【0214】 インビボ又はインビトロで、例えば細胞系においてZCYTO18受容体を同定する
ための典型的な方法は、Feiner, L. など., Neuron 19: 539-545, 1997に記載の
ように、アルカリホスファターゼ(AP)の触媒ドメインに融合されるZCYTO18ポ
リペプチドを使用することである。そのようなAP融合体、及び標準のクローニン
グ技法により結合される、放射性ラベルされたZCYTO18、蛍光ラベルとのZCYTO18
融合体、及び本明細書に記載される他の物は、ZCYTO18受容体の明視化、同定及
びクローン化を当業者に可能にする。
【0215】 逆に言えば、ZCYTO18−結合ポリペプチドはまた、リガンドの精製のためにも
使用される。前記ポリペプチドは、固体支持体、例えばアガロース、架橋された
アガロース、ガラス、セルロース樹脂、シリカ基材の樹脂、ポリスチレン、架橋
されたポリアクリルアミド又は使用の条件下で安定している同様の材料のビーズ
上に固定される。
【0216】 固体支持体にポリペプチドを結合するための方法は、当業界において知られて
おり、そしてアミン化学、臭化シアノゲン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミ
ド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化及びヒドラジド活性化を包
含する。得られる媒体は一般的に、カラムの形で形状化され、そしてリガンドを
含む流体が、受容体ポリペプチドへのリガンドの結合を可能にするために、カラ
ムに1又は複数回、通される。次に、リガンドが、塩濃度の変化、カオトロピッ
ク剤(グアニジンHCl)、又はリガンド−受容体結合を破壊するpHを用いて溶出
される。
【0217】 リガンド−結合受容体(又は抗体、補体/抗補体対の1つのメンバー)、又はそ
の結合フラグメント、及び市販のバイオセンサー装置(BIAcore, Pharmacia Bio
sensor, Piscataway, NJ)を用いるアッセイシステムが、好都合には、使用され
得る。そのような受容体、抗体、補体/抗補体対のメンバー、又はフラグメント
は、受容体チップの表面上に固定される。この装置の使用は、Karlsson, J. Imm
unol. Methods 145: 229−40, 1991 及びCunningham and Wells, J. Mol.Biol.
234: 554−63,1993により開示される。受容体、抗体、メンバー又はフラグメン
トは、アミン又はスルフヒドリル化学を用いて、流動細胞内の金フィルムに結合
されるデキストラン繊維に共有結合される。
【0218】 試験サンプルが細胞に通される。リガンド、エピトープ又は補体/抗補体対の
反対のメンバーがサンプルに存在する場合、それは、それぞれ固定された受容体
、抗体又はメンバーに結合し、金フィルムの表面のプラズモン共鳴の変化として
検出される、媒体の屈折率の変化を引き起こす。このシステムは、オン−及びオ
フ−速度の決定を可能にし、これから、結合親和性が計算され、そして結合の化
学量の評価が可能にされる。他方では、リガンド/受容体結合は、SELDITM技術を
用いて分析され得る(Ciphergen, Inc., Palo Alto, CA)。
【0219】 リガンド−結合受容体ポリペプチドはまた当業界において知られている他のア
ッセイシステム内でも使用され得る。そのようなシステムは、結合親和性の決定
のためのスカチャード分析(Scatchard, Ann. NY. Acad. Sci. 51:660−72, 194
9)及び熱量測定アッセイ(Cunningham など., Science 253: 545−48, 1991;Cu
nningham など., Science 245: 821−25, 1991)を包含する。
【0220】 ZCYTO18ポリペプチドはまた、ZCYTO18エピトープ、ペプチド又はポリペプチド
に特異的に結合する抗体を調製するためにも使用され得る。ZCYTO18ポリペプチ
ド又はそのフラグメントは、動物を接種し、そして免疫応答を誘発するための剤
(免疫原)として作用する。当業者は、抗原性エピトープ担持のポリペプチドがZC
YTO18ポリペプチド(例えば、配列番号3)の少なくとも6、好ましくは少なく
とも9及びより好ましくは少なくとも15〜約30個の連続したアミノ酸残基を含む
ことを認識するであろう。ZCYTO18ポリペプチドの大きな部分、すなわちアミノ
酸配列の30〜10個の残基〜その全体の長さの残基を含んでなるポリペプチドが
含まれる。抗原又は免疫原エピトープはまた、本明細書に記載されるように、結
合された標識、アジュバンド及びキャリヤーを含むことができる。
【0221】 適切な抗原は、配列番号3のアミノ酸番号23〜アミノ酸番号167によりコード
されるZCYTO18ポリペプチド、又は連続した9〜144個又は30〜144個のそのアミ
ノ酸フラグメントを含む。他の適切な抗原は、本明細書に記載されるように、4
−ヘリカル−束構造のヘリックスを包含する。抗原として使用するための好まし
いペプチドは、親水性ペプチド、例えば本明細書に記載されるように、疎水性プ
ロットから当業者により予測されるそれらのものを包含する。
【0222】 例えば、適切な親水性ペプチドは、次のものを包含する:(1)配列番号3の
アミノ酸番号29(Arg)〜アミノ酸番号34(Asn);(2)配列番号3のアミノ酸
番号121(His)〜アミノ酸番号126(Asp);(3)配列番号3のアミノ酸番号13
4(Gln)〜アミノ酸番号139(Thr);(4)配列番号3のアミノ酸番号137(Lys
)〜アミノ酸番号142(Lys);及び(5)配列番号2のアミノ酸番号145(Glu)
〜アミノ酸番号150(Lys)。さらに、例えばDNASTAR Proteanプログラム(DNAS
TAR,Inc.,Madison, WI)を用いて、Jameson−Wolfにより推定されるように、ZC
YTO18抗原性エピトープは、好ましい抗原として作用し、そして当業者により容
易に決定される。
【0223】 それらの抗原(又は免疫原)による動物の接種により生成される免疫応答から
の抗体は、本明細書に記載のようにして単離され、そして精製され得る。ポリク
ローナル及びモノクローナル抗体を調製し、そして単離するための方法は、当業
界において良く知られている。例えば、Current Protocols in Immunology, Coo
ligan, など., (eds.), National Institutes of Health, John Wiley and Sons
, Inc., 1995; Sambrook など., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Se
cond Edition, Cold Spring Harbor, NY, 1989; 及びHurrell, J.G.R., Ed., Mo
noclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and Applications, CRC Press, I
nc., Boca Raton, FL, 1982 を参照のこと。
【0224】 当業者に明らかなように、ポリクローナル抗体は、種々の温血動物、例えば馬
、ウシ、ヤギ、羊、犬、鶏、ウサギ、マウス、及びラットをZCYTO18ポリペプチ
ド又はそのフラグメントにより接種することにより生成され得る。ZCYTO18ポリ
ペプチドの免疫性は、アジュバント、例えばミヨウバン(水酸化アルミニュウム
)又はフロイント完全又は不完全アジュバントの使用により高められ得る。免疫
化のために有用なポリペプチドはまた、免疫グロブリン ポリペプチド又はマル
トース結合タンパク質との融合体ポリペプチド、例えばZCYTO18又はその一部の
融合体を包含する。ポリペプチド免疫原は、十分な長さの分子又はその一部であ
り得る。ポリペプチド部分が“ハプテン−様”である場合、そのような部分は、
免疫化のために、高分子キャリヤー(例えば、カサガイヘモシアニン(KLH)、
ウシ血清アルブミン(BSA)又は破傷風トキソイド)に都合良く連結又は結合さ
れ得る。
【0225】 本明細書で使用される場合、用語“抗体”とは、ポリクローナル抗体、親和性
精製されたポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及び抗原結合フラグメント
、例えばF(ab’)2及びFabタンパク質分解性フラグメントを包含する。遺伝子的
に構築された損なわれていない抗体又はフラグメント、例えばキメラ抗体、Fvフ
ラグメント、一本鎖抗体及び同様のもの、並びに合成抗原結合ペプチド及びポリ
ペプチドもまた包含される。非ヒト抗体は、ヒト骨格及び不変領域上に非ヒトCD
Rのみを移植することによって、又は完全な非ヒト可変ドメインを組み込むこと
によって(任意には、暴露された残基の置換によってヒト−様表面によりそれら
のドメインを“おおう(cloaking)”ことによって;ここで結果物は“張り合わ
された”抗体である)、ヒト適合され得る。
【0226】 多くの場合、ヒト適合された抗体は、正しい結合特性を増強するために、ヒト
可変領域骨格ドメイン内に非ヒト残基を保持することができる。ヒト適合化抗体
を通して、生物学的半減期が高められ、そしてヒトへの投与に基づく有害な免疫
反応の可能性が低められる。さらに、ヒト抗体は、WIPO公開WO98/24893号に開示
されるように、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むよう構築されたトランスジェニ
ック非−ヒト動物において生成される。好ましくは、それらの動物における内因
性免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えにより不活性化されるか又は排除される
【0227】 抗体は、1)それらが限界レベルの結合活性を示す場合、及び2)それらが関
連するポリペプチド分子と有意に交差反応しない場合、特異的に結合すると考え
られる。限界レベルの結合は、本明細書における抗−ZCYTO18抗体が対照(非−Z
CYTO18)ポリペプチドへの結合親和性よりも少なくとも10倍高い親和性を伴って
、ZCYTO18ポリペプチド、ペプチド又はエピトープに結合するかどうか決定され
る。好ましくは、抗体は、106M-1又はそれ以上、好ましくは107M-1又はそれ以上
、より好ましくは108M-1又はそれ以上、及び最も好ましくは109M-1又はそれ以上
の結合親和性(Ka)を示す。抗体の結合親和性は、例えばScatchard 分析(Scat
chard, G., Ann. NY Acad. Sci. 51: 660-672, 1949)を用いて、当業者によっ
て容易に決定され得る。
【0228】 ZCYTO18抗体は関連するポリペプチド分子と有意に交差反応しないかどうかは
、例えば、標準のウェスターンブロット分析を用いてZCYTO18ポリペプチドであ
るが、しかし知られていない関連するポリペプチドを検出する抗体により示され
る(Ausubel など., 前記)。既知の関連するポリペプチドの例は、従来技術に
開示されているそれらのもの、例えば既知のオルト体及びパラ体、及びタンパク
質ファミリーの類似する既知メンバーである。スクリーニングはまた、非ヒトZC
YTO18及びzalpha11リガンド変異体ポチペプチドを用いて行われ得る。さらに、
抗体は、ZCYTO18ポリペプチドに対して特異的に結合する集団を単離するために
、既知の関連するポリペプチドに“対してスクリーンされ得る”。
【0229】 例えば、ZCYTO18に対して生ぜしめられた抗体は不溶性マトリックスに付着さ
れる関連するポリペプチドに吸着され;ZCYTO18に対して特異的な抗体は適切な
緩衝液条件下で前記マトリックスを通して流れるであろう。スクリーニングは、
既知の溶接に関連するポリペプチドに対して交差反応しないポリクローナル及び
モノクローナル抗体の単離を可能にする(Antibodies: A Laboratory Manual, H
arlow and Lane (eds.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988; Curren
t Protocols in Immunology, Cooligan, など. (eds.), National Institutes o
f Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995)。
【0230】 特異的抗体のスクリーニング及び単離は当業界において当業界において良く知
られている。Fundamental Immunology, Paul (eds.), Raven Press, 1993; Getz
offなど., Adv.in Immunol. 43: 1-98, 1988; Monoclonal Antibodies: Princip
les and Practice, Goding, J.W. (eds.), Academic Press Ltd., 1996; Benjam
in など., Ann. Rev. Immunol. 2: 67-101, 1984を参照のこと。特異的に結合す
る抗−ZCYTO18抗体は、当業界において知られており、そして下記に開示される
多くの方法により検出され得る。
【0231】 当業者に知られている種々のアッセイがZCYTO18タンパク質又はペプチドに特
異的に結合する抗体を検出するために使用され得る。典型的なアッセイは、Anti
bodies: A Laboratory Manual, Harlow and lane (Eds.), Cold Speing Harbor
Laboratory Press, 1988 に詳細に記載されている。そのようなアッセイの代表
的な例は次のものを包含する:同時免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ、ラジ
オイムノ沈殿、酵素結合の免疫吸着アッセイ(ELISA)、ドットブロット又はウ
ェスターンブロットアッセイ、阻害又は競争アッセイ。及びサンドイッチアッセ
イ。さらに、野生型対変異体のZCYTO18タンパク質又はペプチドに結合する抗体
がスクリーンされ得る。
【0232】 本明細書において有用な抗体を生成するか又は選択するための他の技法は、イ
ンビトロで、ZCYTO18タンパク質又はペプチドにリンパ球を暴露し、そしてファ
ージ又は類似するベクターにおける抗体表示ライブラリーを選択すること(例え
ば、固定された又はラベルされたZCYTO18タンパク質又はペプチドの作用を通し
て)を包含する。可能性あるZCYTO18ポリペプチド結合ドメインを有するポリペ
プチドをコードする遺伝子は、ファージ(ファージ表示)又は細菌、例えばE.
コリ上に表示されるランダムペプチドライブラリーをスクリーニングすることに
よって得られる。
【0233】 前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、多くの手段、例えばラン
ダム突然変異誘発及びランダムポリヌクレオチド合成を通して得られる。それら
のランダムペプチド表示ライブラリーは、タンパク質又はポリペプチドであり得
る既知の標的物、例えばリガンド又は受容体、生物学的又は合成高分子、又は有
機又は無機物質と相互作用するペプチドについてスクリーンするために使用され
得る。
【0234】 そのようなランダム ペプチド表示ライブラリーを創造し、そしてスクリーニ
ングするための技法は、当業界において知られており(Ladner など., アメリカ
特許第5,223,409 号; Ladner など., アメリカ特許第4,946,778 号; Ladner な
ど., アメリカ特許第5,403,484 号及びLadner など., アメリカ特許第5,571,698
号、及びKayなど., Phage Display of Peputides and Proteins (Academic Pre
ss, Inc. 1996))、そしてランダムペプチド表示ライブラリー及びそのようなラ
イブラリーをスクリーニングするためのキットは、例えばClontech (Palo Alto,
CA), Invitrogen Inc. (San Diego, CA), New England Biolabs, Inc. (Beverl
y, MA) 及びPharmacia LKB Biotechnology Inc. (Piccataway, MJ) から市販さ
れている。
【0235】 ランダムペプチド表示ライブラリーは、ZCYTO18に結合するタンパク質を同定
するために、本明細書に開示されるZCYTO18配列を用いてスクリーンされ得る。Z
CYTO18ポリペプチドと相互作用するそれらの“結合ポリペプチド”は、細胞を標
識するために;親和性精製により相同体ポリペプチドを単離するために使用され
得;それらは薬物、トキシン、放射性核種及び同様のものに直接的にまたは間接
的に接合され得る。それらの結合ポリペプチドはまた、分析方法に、例えば発現
ライブラリーをスクリーニングし、そして活性を中和するために、例えばリガン
ドと受容体又は受容体に結合するウィルスとの間の相互作用を阻止しするために
も使用され得る。
【0236】 結合ポリペプチドはまた、ZCYTO18ポリペプチドの循環レベルを決定するため
に;病理学又は疾病のマーカーとして可溶性ZCYTO18ポリペプチドを検出し又は
定量化するために、診断アッセイにも使用され得る。それらの結合ポリペプチド
はまた、ZCYTO18結合及びシグナル トランスダクションをインビトロ及びイン
ビボで阻止するために、ZCYTO18 “アンタゴニス”として使用することができる
。それらの抗−ZCYTO18結合ポリペプチドは、ZCYTO18活性又はタンパク質を阻害
するために有用である。
【0237】 ZCYTO18に対する抗体は、ZCYTO18を発現する細胞を標識するために;アフィニ
ティー精製によりZCYTO18を単離するために;ZCYTO18ポリペプチドの循環レベル
を決定するための診断アッセイのために;根本的な病理学のマーカーとして可溶
性ZCYTO18を検出し又は定量化するために;FACS を使用する分析方法において、
発現ライブラリーをスクリーニングするために;抗-インディオタイプ抗体を生
成するために;及びインビトロでZCYTO18活性を阻止するための中和抗体又はア
ンタゴニスとして使用され得る。適切な直接的標識又はラベルは、放射性核種、
酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒
子及び同様のものを包含し;間接的な標識又はラベルは、中間体としてのビオチ
ン−アビジン又は他の相補体/抗−相補体対の使用を特徴とする。
【0238】 本発明書における抗体及び結合タンパク質はまた、薬物、トキシン、放射性核
種、及び同様のものに直接的に又は間接的に接合され得、そしてそれらの接合体
はインビボ診断又は治療用途のために使用され得る。さらに、ZCYTO18又はその
フラグメントに対する抗体は、アッセイ、例えば当業界において知られているウ
ェスターンブロット又は他のアッセイにおいて、変性されたZCYTO18又はそのフ
ラグメントを検出するためにインビトロで使用され得る。
【0239】 本明細書における抗体又はポリペプチドはまた、薬剤、トキシン、放射性核種
及び同様のものに直接的に又は間接的に接合され得、そしてそれらの接合体は、
インビボ診断又は治療用途のために使用される。例えば、本発明のポリペプチド
又は抗体は、対応する抗−相補的分子(例えば、受容体又は抗原)を発現する組
織又は器官を同定し、又は処理するために使用され得る。より特定には、ZCYTO1
8ポリペプチド又は抗−ZCYTO18抗体、又はその生物活性フラグメント又は一部が
、検出可能な又は細胞毒性の分子に連結され、そして抗−相補的分子を発現する
細胞、組織又は器官を有する哺乳類に供給され得る。
【0240】 適切な検出可能分子は、ポリペプチド又は抗体に直接的に又は間接的に結合さ
れ得、そして放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光マーカー、
化学発光マーカー、磁気粒子、及び同様のものを包含する。適切な細胞毒性分子
は、ポリペプチド又は抗体に直接的に又は間接的に結合され得、そして細菌又は
植物毒性(例えば、ジフテリア毒素、プソイドモナシス内毒素、リシン、アブリ
ン及び同様のもの)、及び治療用放射性核種、例えばI−131、レニウム−188又
はイットニウム−90(ポリペプチド又は抗体に直接的に結合されるか、又はキレ
−ト成分により間接的に結合される)を包含する。
【0241】 ポリペプチド又は抗体はまた、細胞毒性薬物、例えばアドリアマイシンに結合
され得る。検出可能又は細胞毒性分子の間接的な結合に関しては、検出可能又は
細胞毒性分子は相補的/抗相補的対のメンバーにより結合され得、ここで他のメ
ンバーはポリペプチド又は抗体部分に結合される。それらの目的のためには、ビ
オチン/ストレプタビジンが典型的な相補的/抗相補的対である。
【0242】 もう1つの態様においては、ポリペプチド−毒素融合タンパク質又は抗体−毒
素融合タンパク質は、標的化された細胞又は組織阻害又は除去(例えば、癌細胞
又は組織を処理するために)のために使用され得る。他方では、ポリペプチドが
複数の機能ドメイン(すなわち、活性化ドメイン又はリガンド結合ドメイン、及
び標的化ドメイン)を有する場合、標的化ドメインのみを包含する融合タンパク
質は、検出可能分子、細胞毒性分子又は相補的分子を、興味ある細胞又は組織型
に向けるために適切である。
【0243】 ドメインのみの融合タンパク質が相補的分子を含む場合、抗−相補的分子は検
出可能又は細胞毒性分子に接合され得る。従って、そのようなドメイン−相補的
分子融合タンパク質は、一般的抗−相補的−検出可能/細胞毒性分子接合体のた
めの一般的標的化ビークルを表す。そのようなサイトカイン毒素融合タンパク質
は、標的組織のインビトロ殺害のために使用され得る。
【0244】 もう1つの態様においては、ZCYTO18−サイトカイン融合タンパク質又は抗体−
サイトカイン融合タンパク質は、ZCYTO18受容体が発現される場合、標的組織(
例えば、白血病、リンパ腫、肺癌、結腸癌、メラノーマ、膵臓癌、卵巣癌、血液
及び骨髄癌、又は他の癌)のインビボ殺害を増強するために使用され得る(一般
的には、Hornickなど., Blood 89: 4437-4447, 1997を参照のこと)。記載され
る融合タンパク質は、作用の所望する部位へのサイトカインの標的化を可能にし
、それにより、サイトカインの高められた局部濃度を提供する。
【0245】 適切なZCYTO18ポリペプチド又は抗−ZCYTO18抗体は、所望しない細胞又は組織
(例えば、腫瘍又は白血病)を標的化し、そして融合されたサイトカインはエフ
ェクター細胞による改良された標的細胞溶解を仲介する。例えば、この目的のた
めの適切なサイトカインは、インターロイキン−2及び顆粒球−マクロファージ
コロニー刺激因子(GM−CSM)を包含する。
【0246】 さらにもう1つの態様においては、ZCYTO18ポチペプチド又は抗−ZCYTO18抗体
が血管細胞又は組織を標的化する場合、そのようなポリペプチド又は抗体は、再
狭窄を低めるために、放射性核種、及び特にβ線放射性核種により接合され得る
。そのような治療アプローチは、放射性治療を管理する臨床医にほとんど危険性
を与えない。例えば、必要とされる放射線量が供給されるまで患者のステント管
中に配置される、イリジウム−192含浸されたリボンは、前記管における低めら
れた組織増殖、及びプラシーボリボンを受けた対照グループよりも大きな管腔直
径を示した。さらに、再血管化及びステント血栓症は、処理グループにおいて有
意に低かった。類似する結果が、本明細書に記載されるように、放射性核種を含
む生活性接合体の標的化により推定される。
【0247】 本明細書に記載される生活性ポリペプチド又は抗体接合体は、静脈内、動脈内
又は管内供給され得、又は作用の意図された部位に局部的に導入され得る。 ZCYTO18は、重要な免疫学的機能を有することが知られており、そして免疫系
において役割を演じる細胞を含む組織から単離される。ZCYTO18は、CD3+選択さ
れた、活性化された末梢血液細胞において発現る。これは、ZCYTO18発現が、T細
胞活性化の後、調節され、そして高められることを示している。さらに、本発明
のポリペプチドは、T-又はB-細胞、T-又はB-細胞前駆体、NK細胞又はNK前駆体の
増殖/拡張及び/又は分化された状態に対して効果を有する。さらに、ZCYTO18は
インビボでT細胞及びB細胞の増殖及び/又は分化に影響を及ぼす。
【0248】 造血前駆体の増殖を刺激し、そして成熟細胞を活性化する因子は一般的に知ら
れている。NK細胞は単独でIL-2に対して応答性であるが、しかし増殖及び活性化
は一般的に、追加の成長因子を必要とする。例えば、IL-7及びSteel因子(c−
キットリガンド)がNK前駆体のコロニー形成のために必要とされたことが示され
てる。IL-7及びSteel因子と組合してのIL-15+IL-2はより効果的であった(Mroz
ekなど., Blood 87:2640, 1996)。
【0249】 しかしながら、未確認のサイトカインが、NK細胞及び/又はNK前駆体の特定サ
ブユニットの増殖のために必要である(Robertson など., Blood 76: 2451-2438
, 1990)。ZCYTO18及びIL-15を含んで成る組成物は、NK前駆体及びNK細胞を刺激
し、そしてこの組成物は、これまで記載されて来た因子および因子の組み合わせ
よりもより効果的である。同様に、ZCYTO18を包含する因子のそのような組み合
わせはまた、他の造血及びリンパ細胞型、例えばT−細胞、B−細胞、マクロファ
ージ、樹状突樹細胞、及び同様のものにも影響を及ぼすことができる。
【0250】 ほとんどの4−ヘリックス束サイトカイン、及び活性化されたリンパ球により
生成される他のタンパク質は、身体を通して細胞の分化、活性化、レクルートメ
ント及び恒常性において重要な生物学的役割を演じる。治療有用性は、免疫調節
を必要とする疾病、例えば自己免疫疾患、例えばリウマチ様関節炎、多発生硬化
症、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス(SLE)及び糖尿病の処理を包含す
る。ZCYTO18は、炎症の調節において重要であり、そして従って、リウマチ様関
節炎、ぜん息、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、クローン症、膵炎及び敗血症の処
理において有用である。腫瘍細胞殺害の仲介においてZCYTO18の役割が存在し、
そして従って、癌、例えば卵巣癌、肺癌、メラノーマ及び結腸癌の処理において
有用である。ZCYTO18は、移植片拒絶を低めるために重要である免疫系の抑制に
おいて有効的な治療剤である。ZCYTO18は、移植片−対−宿主疾病の予防におい
て有用である。
【0251】 本発明のタンパク質はまた、エクスビボ、例えば自己由来の骨髄培養物におい
ても使用され得る。手短に言及すれば、骨髄が、化学治療又は器官移植の前、患
者から除去され、そして任意には、1又は複数の他のサイトカインと組合して、
ZCYTO18により処理される。次に、処理された骨髄が、骨髄の回復を早めるため
に化学治療の後、又は移植片−対−宿主疾病を抑制するために移植の後、患者に
戻される。さらに、本発明のタンパク質はまた、骨髄又は末梢血液前駆体(PBPC
)細胞のエクスビボ拡張のために使用され得る。
【0252】 処理の前、骨髄が、末梢循環中に初期前駆体細胞を解放するために、幹細胞因
子(SCF)により刺激され得る。それらの前駆体が、末梢血液から集められ、そ
して濃縮され、そして次に、培養において、任意には、1又は複数の他のサイト
カイン、例えばIL-10, zcyto10, MDA7, SCF, IL-2, IL-4, IL-7又はIL-15と組合
してZCYTO18により処理され、分化され、そして高密度リンパ球培養物中に増殖
され、次に、化学治療又は移植に続いて、患者に戻され得る。
【0253】 他方では、ZCYTO18は、感染性疾病に対する免疫性を高めることにおいて、免
疫無防備状態の患者、例えばHIV+患者の処理において、又はワクチンを改良す
ることにおいて重要である免疫系を活性化することができる。特に、T−細胞、B
−細胞、NK細胞及び同様のもの、又はそれらの前駆体のZCYTO18刺激又は拡張は
、ウィルス感染の処理において治療的価値を、及び抗−腫瘍因子として提供する
。NK細胞は転移性腫瘍細胞の排除において重要な役割を演じると思われ、そして
転移及び固形腫瘍を有する患者は、低められたレベルのNK細胞活性を有する(Wh
itesideなど., Curr. Top. Microbiol. Immunol. 230: 221-244, 1998)。
【0254】 ZCYTO18アデノウィルスを注射されたマウスのさらなる分析は、アルブミンレ
ベルが、対照のアデノウィルスを注射された動物に比較して低められ、そしてグ
ルコースレベルが有意に低められることを示す。しかしながら、肝臓酵素(ALT
及びAST)は、対照アデノウィルスを注射されたマウスに関して見られるそれら
の酵素レベルに類似する。ZCYTO18は特に、肝臓細胞機能を阻害するか又は変更
することができる。他方では、過剰のZCYTO18は、肝臓に対して悪影響を導くウ
ィルス感染の活動を補強する。従って、アンタゴニスト(抗体、ムテイン、可溶
性受容体)は、ウィルス疾患、特に肝臓を標的化するウィルス疾患、例えばB型
肝炎及びアデノウィルスを処理するために有用である。他の組織におけるウィル
ス性疾患、例えばウィルス性髄膜炎、及びHIV−関連疾病が、ZCYTO18に対するア
ンタゴニストにより処理され得る。
【0255】 ZCYTO18アデノウィルスを注射されたマウスは、体重の低下、移動性の損失及
び循環リンパ球の低下を示す。それらの変化は、敗血性ショック及び他の炎症状
態の間に見られるそれらの変化において典型的である。それらの効果は、ZCYTO1
8により直接的に、又は高いレベルの前炎症性サイトカイン、例えばIL−1,TNF
α及びIL−6の誘発により間接的に引き起こされ得る。ZCYTO18に対するアンタ
ゴニストは、敗血性ショック、成人呼吸困難症症候群、内毒血症及び髄膜炎を処
理するために有用である。ZCYTO18アンタゴニストから有益である他の疾病は、
出血性ショック、散在性血管内凝固障害、心筋虚血、ストローク、移植された器
官の拒絶、肺線維症、炎症性痛炎過敏症及び悪液質を包含する。
【0256】 ZCYTO18アデノウィルスを注射されたマウスは、低められた数の末梢白血球を
示す。これはたぶん、末梢リンパ球に対するZCYTO18の直接的な阻害効果である
。拮抗性ZCYTO18は、特にそれらが細菌、ウィルス又は寄生病原体を根絶するた
めに必要とされる場合、リンパ球維持及び増殖を促進することができる。従って
、拮抗性ZCYTO18は、次の疾病を有する患者のために有益であり得る:結核、原
因不明の線維性肺胞炎、肺炎、髄膜炎性疾患、AIDS、HIV−関連肺疾患、肝炎、
ウィルス性髄膜炎、マラリア及び赤痢(シゲラ・ダイセンテリアエ)。
【0257】 ZCYTO18のリンパ球阻害効果は、自己免疫を低めるために、及びリンパ腫瘍、
特に非−Hodgkin’sリンパ腫及びリンパ性白血病の増殖を阻害するために使用さ
れ得る。ZCYTO18はまた、器官移植患者のためのリンパ球を阻害し、そして移植
片受容を促進するために使用され得る。腎臓及び骨髄移植が、適切な表示であ得
る。
【0258】 ZCYTO18アデノウィルスを注射されたマウスは、有意に高められた数の血小板
を示す。血小板機能不全に関連する軽い出血性障害(MBD)は、血小板機能の多
くの先天性障害、例えばBernard−Soulier症候群(血小板GPIbの欠失)、Glanzm
ann’s血小板無力症(GOIIb及びGPIIIaの欠失)、先天性無フィブリノーゲン血
症(血漿及び血小板における減じられた又は不在レベルのフィブリノーゲン)及
びグレー血小板症候群(a−顆粒の不在)と同じように、比較的一般的である(B
achmann, Seminars in Hematology 17: 292-305, 1980)。さらに、血小板分泌
、貯蔵プール欠損、血小板アラキドン酸経路の異常性、血小板シクロオキシゲナ
ーゼ及びトロンボキサンシンセターゼの欠失、及び血小板活性化の欠失に関連す
る多くの障害が存在する(Rao and Holmsen, Seminars in Hematology 23: 102-
118, 1986により再考される)。
【0259】 本発明のタンパク質は、動物においてインビボで血小板及び好中球を高めるこ
とが示されており、そして血球減少症、例えば再生不良性貧血、骨髄形成異常症
候群、化学療法又は先天性血球減少症により誘発される症状の処理において、血
小板及び好中球のレベルを高めることが所望される場合いつでも、治療的に使用
され得る。タンパク質はまた、血小板減少症の処理において血小板生成を高める
ためにも有用である。血小板減少症は、その状態を生成するために単独で又は強
力して作用することができる種々のグループの疾病及び臨床学的状況に関連して
いる。低められた血小板計数は、例えば血小板生成の欠損、異常血小板分布、多
量の輸血による希釈損失、又は血小板の異常破壊に起因する。
【0260】 例えば、癌治療に使用される化学療法薬物は、骨髄における血小板前駆体の増
殖を抑制し、そしてその得られる血小板減少が化学療法を制限し、そして輸血を
必要とする。さらに、一定の悪性疾患が血小板生成及び血小板分布をそこなう。
悪性細胞を殺害するために使用される放射線療法はまた、血小板前駆体細胞も殺
害する。血小板減少症はまた、薬物、新生児同種免疫性又は血小板輸血同種免疫
性により誘発される種々の血小板自己疾患から発生する。
【0261】 本発明のタンパク質は、輸血の必要性を減じるか又は排除し、それによって、
血小板同種免疫性の発生を減じる。血小板の異常破壊は、(1)血管移植片又は
外傷組織における高められた血小板消費;又は(2)例えば薬物誘発された血小
板減少症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、自己免疫疾患、血液学的障害、
例えば白血病及びリンパ腫、又は骨髄に関与する転移性癌に関連する免疫機構に
起因することができる。本発明のタンパク質についての他の徴候は、再生不良性
貧血及び例えば化学療法又はAZTによるHIV感染の処理に起因する薬物−誘発され
た骨髄抑制を包含する。
【0262】 血小板減少症は、高められた出血、例えば鼻−経口領域又は胃腸管からの粘膜
出血、及び創傷、潰瘍又は注射部位からのにじみ出として表される。 医薬使用のためには、本発明のタンパク質は、従来の方法に従って、非経口、
特に静脈内又は皮下供給のために配合される。静脈内投与は、1〜数時間の典型
的な期間、ボーラス注射又は注入により行われるであろう。一般的に、医薬製剤
は、造血タンパク質を、医薬的に許容できるビークル、例えば塩溶液、緩衝溶液
、水中、5%デキストロース、又は同様のものと共にを含むであろう。製剤はさ
らに、1又は複数の賦形剤、保存剤、溶解剤、緩衝剤、バイアル表面上のタンパ
ク質損失を妨げるためのアルブミン、等を含むことができる。
【0263】 さらに、本発明の造血タンパク質は、他のサイトカイン、特に初期作用性サイ
トカイン、例えば幹細胞因子、IL-3, IL-6, IL-11又はGM-CSFと共に組合され得
る。そのような組み合わせ療法を用いる場合、サイトカインは単一の製剤におい
て組合され得るか、又は別々の薬剤において投与され得る。配合方法は、当業界
において良く知られており、そして例えば、Remington: The Science and Pract
ice of Pharmacy, Gennaro, ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th ed.
, 1995に開示される。治療用量は、一般的に、0.1〜100μg/kg患者の体重/日、
好ましくは0.5〜20mg/kg/日の範囲であり、そして正確な用量は処理される病状
の性質及び重症度、患者の特徴、等を考慮して、許容できる標準に従って、臨床
医により決定される。
【0264】 用量の決定は、当業者のレベル内である。タンパク質は通常、化学療法又は骨
髄移植の後、28日間までにわたって、又は20,000/mm3以上、好ましくは50,000/m
m3以上の血小板計数が達成されるまで、投与されるであろう。より通常には、タ
ンパク質は、1週間又はそれ以下にわたって、しばしば1〜3日間、投与される
であろう。一般的に、ZCYTO18の治療的有効量とは、成熟細胞(例えば、血小板
又は好中球)の循環レベルの上昇として明らかであろう、リンパ又は骨髄前駆体
細胞の増殖及び/又は分化の臨床学的に有意な上昇をもたらすのに十分な量であ
る。
【0265】 従って、血小板障害の処理は、少なくとも20,000/mm3,好ましくは50,000/mm3 の血小板計数が達成されるまで続けられるであろう。本発明のタンパク質はまた
、他のサイトカイン、例えばIL-3, -6, 及び-11;幹細胞因子、エリトロポエチン
;G-CSF及びGM−GSFと組合して投与され得る。組み合わせ療法のレジメンにおい
ては、他のサイトカインの毎日の用量は一般的に次の通りである:EPO、150U/kg
;GM−CSF,5-15 lg/kg; IL-3, 1-5 lg/kg; 及びG-CSF, 1-25 lg/kg。例えば、E
POとの組み合わせ療法は、低EPOレベルの貧血患者において示される。
【0266】 本発明のタンパク質はまた、エクスビボ、例えば自己由来の骨髄培養又は肝臓
培養においても使用され得る。例えば、手短には、骨髄が、化学療法の前、患者
から除去され、そして任意には、1又は複数の他のサイトカインと組合して、ZC
YTO18により処理される。次に、処理された骨髄が、骨髄の再性を早めるために
、化学療法の後、患者に戻される。さらに、本発明のタンパク質はまた、骨髄又
は末梢血液前駆体(PBPC)細胞のエクスビボ拡張のためにも使用され得る。化学
療法処理の前、骨髄が末梢循環中に初期前駆体細胞を開放するために、幹細胞因
子(SCF)又はG−CSFにより刺激され得る。
【0267】 それらの前駆体は、末梢血液から集められ、そして濃縮され、そして次に、高
用量化学療法に従って、患者に戻され得る、高密度骨髄巨核球培養物中に分化し
、そして増殖するよう、1又は複数の他のサイトカイン、例えばSCF, G-CSF, IL
-3, GM-CSF, IL-6,又はIL-11(但し、それらだけには限定されない)と組み合し
て、ZCYTO18により、培養物において処理される。そのようなエクスビボ使用は
特に、全身性投与が患者により耐えられない場合に所望される。従って、本発明
は、哺乳類、例えばヒトにおける血小板及び好中球の生成を刺激するための方法
を提供する。
【0268】 本発明は、哺乳類、エクスビボ組織サンプル又は細胞培養物における血小板及
び好中球生成を刺激するための方法を提供する。前記方法は、(a)配列番号3
アミノ酸残基22〜167のアミノ酸の配列を含んで成るタンパク質;(b)(a)
の対立遺伝子変異体;及び(c)(a)又は(b)の種相同体から成る群から選
択された、治療的有効量の造血タンパク質(ここで、前記タンパク質は骨髄又は
リンパ前駆体の増殖又は分化、又は血小板の生成を刺激する)を、医薬的に許容
できるビークルと組合して、哺乳類、エクスビボ組織サンプル、又は細胞培養物
に投与することを含んで成る。
【0269】 さらに、血小板及び好中球の増加は、上記のような血液疾患を有するか、又は
化学療法を受ける患者においてのみならず、また、正常な条件下でさえ、創傷部
位で所望される。インビボで血小板レベルを高めるポリペプチド、例えばZCYTO1
8は、通常の切傷、熱傷、裂傷、擦過傷及び同様のものの治療を助けるために、
局部製剤、例えばゲル、メッシュ、湿布、液体及び同様のものに使用され得る。
さらに、そのような用途は、皮膚、筋肉又は同様のものの治療が内部的に、例え
ば手術の後でさえ、所望されるいずれかの場合ででも適用され得る。
【0270】 本発明のタンパク質はまた、造血細胞の分化及び進化のインビトロ研究のため
の、例えば細胞分化の機構の解明のための、及び成熟細胞の系統の決定のための
価値ある手段であり、そしてまた、細胞培養物における増殖剤として使用され得
る。
【0271】 分化は進行性で且つ動的な工程であり、多能性幹細胞で始まり、そして最終的
に分化された細胞で終結する。拘束なしに系統に再生することができる多能性幹
細胞は、細胞系統への拘束が行われる場合、失われる一組の分化マーカーを発現
する。前駆体細胞は、細胞が成熟に向かって細胞系統路を進行する場合、発現さ
れ続けることができても又はできなくても良い一組の分化マーカーを発現する。
成熟細胞により独占的に発現される分化マーカーは通常、機能的性質のもの、例
えば細胞生成物、細胞生成物を生成するための酵素、及び受容体である。
【0272】 細胞集団の分化の段階は、細胞集団に存在するマーカーの同定によりモニター
される。筋細胞、骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、線維芽細胞及び網様細胞は、
通常の間葉幹細胞に起因すると思われる(Owenなど., Ciba Fdn. Symp. 136: 42
-46, 1988)。間葉幹細胞のためのマーカーは十分には同定されておらず(Owen
など., J. of Cell Sci. 87: 731-738, 1987)、その結果、同定は通常、前駆体
及び成熟細胞段階で行われる。本発明の新規ポリペプチドは、間葉幹細胞及び筋
細胞又は他の前駆体細胞を、インビボ及びエクスビボの両者で単離する研究のた
めに有用であり得る。
【0273】 最終分化又は脱分化の方の経路に特定細胞型を刺激する因子が、通常の前駆体
又は幹細胞に起因する全細胞集団に影響を及ぼすことを示唆する証拠が存在する
。従って、本発明は、筋細胞、平滑筋細胞、骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、神
経及び内皮細胞の増殖を刺激するか又は阻害することを包含する。例えば、本発
明の分子は、心筋細胞の増殖又は分化を刺激しながら、それらの共通する前駆体
/幹細胞に対する効果により、脂肪細胞の増殖又は分化を阻害することができる
。従って、本発明の分子は、軟骨肉腫、アテローム硬化症、再狭窄及び肥満症の
阻害に使用できる。
【0274】 分化を測定するアッセイは、例えば、組織の段階−特異的発現、酸素活性、機
能的活性又は形態学的変化に関連する細胞マーカーを測定することを包含する(
Watt, FASEB,5:281-284, 1991; Francis, Differentiation 57: 63-75, 1994;
Raes, Adv. Anim. Cell Biol. Technol. Bioprocesses, 161-171, 1989; すべて
は、引用により本明細書に組み込まれる)。他方では、ZCYTO18ポリペプチド自
体は、組織の段階−特異的発現に関連する追加の細胞表面又は分泌されたマーカ
ーとして作用することができる。それ自体、ZCYTO18ポリペプチドの直接的な測
定、又は分化するにつれて、組織における発現のその損失が、組織の分化のため
のマーカーとして作用することができる。
【0275】 同様に、ZCYTO18ポリペプチドの直接的な測定、又は組織における発現のその
損失が、それらが腫瘍の進行を受けるにつれて、組織又は細胞において決定され
得る。前癌又は癌状態における細胞の侵襲性及び運動性の上昇、又はZCYTO18の
発現の獲得又は損失が、正常な組織に比較して、腫瘍進行における形質転換、侵
襲性及び転移についての診断として作用することができる。進行又は転移の腫瘍
段階の知識は、所定の個々の癌患者のために、最も適切な治療又は処理の攻撃性
を選択する上で医薬を助けるであろう。
【0276】 発現(mRNA又はタンパク質のいずれかの)の獲得及び損失を測定する方法は、
当業界において良く知られており、そして本明細書に記載されており、そしてZC
YTO18発現に適用され得る。例えば、細胞運動性を調節するポリペプチドの出現
又は消出が、前立腺癌の診断及び予後を助けるために使用され得る(Banyard, J
. and Zetter, B. R., Cancer and Metast. Rev. 17: 449-458, 1999)。細胞運
動性のエフェクターとして、発現のZCYTO18獲得又は損失が前立腺及び他の癌に
ついての診断分析として作用することができる。
【0277】 さらに、腫瘍進行及び転移に対するZCYTO18の活性及び効果が、インビボで測
定され得る。いくつかの同系マウスモデルが、腫瘍進行に対するポリペプチド、
化合物又は他の処理の影響を研究するために開発されて来た。それらのモデルに
おいては、培養継代された腫瘍細胞が、腫瘍ドナーと同じ株のマウス中に移植さ
れる。細胞は、受容体マウスにおいて類似する特徴を有する腫瘍中に増殖し、そ
して転移がまた、そのモデルのいくつかにおいて生じるであろう。本発明者の研
究のための適切な腫瘍モデルは、中でも、Lewis肺癌(ATCC No. CRL-1642)及び
B16黒色腫(ATCC No. Crl-6323)を包含する。
【0278】 それらは、インビトロで容易に培養され、そして操作される、C57BL6/Jマウス
と同種の通常使用される腫瘍系である。それらの細胞系のいずれかの移植に起因
する腫瘍は、C57BL6/Jマウスの肺に転移することができる。Lewis肺癌モデルが
最近、脈管形成のインヒビターを同定するためにマウスに使用されている(O’R
eilly MS, など. Cell 79: 315-328, 1994)。C57BL6/Jマウスが、組換えタンパ
ク質、アゴニスト又はアンタゴニストの毎日の注入、又は組換えアデノウィルス
の1回の注入を通して、実験剤により処理される。この処理に続いて3日で、10 5 〜106個の細胞が背面の皮膚下に移植される。
【0279】 他方では、細胞自体が、タンパク質が全身的によりもむしろ腫瘍部位で又は細
胞内で合成されるよう、移植の前、組換えアデノウィルス、例えばZCYTO18を発
現するアデノウィルスにより感染され得る。マウスは、通常5日以内に眼に見え
る腫瘍を進行する。腫瘍が3週間までの間、増殖され、この間、それらは対照の
処理グループにおいて1500−1800mm3のサイズに達することができる。腫瘍サイ
ズ及び体重が、その実験を通して注意してモニターされる。殺害の時点で、腫瘍
が、肺及び肝臓と共に除去され、そして計量される。肺の重量が、転移性腫瘍負
荷量と相互関係することが示された。
【0280】 さらなる測定として、肺表面転移が計数される。切除された腫瘍、肺及び肝臓
が、当業界において知られており、そして本明細書に記載される方法を用いて、
組織学的試験、免疫組織化学及び現場ハイブリダイゼーションのために調製され
る。従って血管構造を回復し、そして転移を受ける腫瘍の能力に対する、問題の
発現されたポリペプチド、例えばZCYTO18の影響が評価され得る。さらに、アデ
ノウィルスとは別に、移植された細胞がZCYTO18により一時的にトランスフェク
トされ得る。
【0281】 安定したZCYTO18ランスフェクトの使用、及びインビボでのZCYTO18発現を活性
化する誘発性プロモーターの使用は、当業界において知られており、そして転移
のZCYTO18誘発を評価するためにこのシステムに使用され得る。さらに、精製さ
れたZCYTO18又はZCYTO18ならし培地が、このマウスモデルに直接的に注入され、
そして従って、このシステムに使用される。一般的な文献については、O’Reill
y MS, など. Cell 79: 315-328, 1994, 及びRusciano D, など、Murine Models
of Liver Metastasis, Invasion Metastasis 14: 349-361,1995を参照のこと。
【0282】 ZCYTO18ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ZCYTO18活性を高め、
又は阻害することが所望される遺伝子治療用途内で有用である。哺乳類が突然変
異誘発されたZCYTO18遺伝子を有するか、又はそれを欠いている場合、ZCYTO18遺
伝子が哺乳類の細胞中に導入され得る。1つの態様においては、ZCYTO18ポリペプ
チドをコードする遺伝子がウィルスベクターにおいてインビボで導入される。そ
のようなベクターは、弱毒化された又は欠陥DNAウィルス、例えばヘルペス単純
ウィルス(HSV)、乳頭種ウィルス、エプスタイン−バールウィルス(EBV)、アデノ
ウィルス、アデノ関連ウィルス(AAV)及び同様のものを包含するが、但しそれら
だけには限定されない。
【0283】 ウィルス遺伝子を完全に又はほとんど完全に欠いている欠陥ウィルスが好まし
い。欠陥ウィルスは、細胞中への導入の後、感染性ではない。欠陥ウィルスベク
ターの使用は、ベクターが他の細胞を感染することを心配しないで、特定の局在
化された領域における細胞への投与を可能にする。特定のベクターの例は、次の
ものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:欠陥ヘルペスウィルス1
(HSV1)ベクター(Kaplitt など., Molc. Cell. Neurosci. 2: 320-30, 1991)、
弱毒化されたアデノウィルス ベクター、例えばStratford-Perricaudat など.
(J. Clin. Invest. 90: 626-30, 1992) により記載されるベクター、及び欠陥ア
デノ−関連ウィルスベクター(Samulski など., J. Virol. 61: 3096-101, 1987
; Samulski など., J. Virol. 63: 3822-28,1989)。
【0284】 もう1つの態様においては、ZCYTO18遺伝子は、次の文献に記載のようにして、
レトロウィルスベクターに導入され得る:Anderson など., アメリカ特許第5,39
9,346号;Mann など., Cell 33: 153, 1983; Temin など., アメリカ特許第4,65
0,764号;Temin など., アメリカ特許第4,980,289号;Markowitz など., J. Vir
ol. 62: 1120, 1988; Temin など., アメリカ特許第5,124,263 号;Dougherty
など., WIPO Publication WO95/07358 号;及びkuo など., Blood 82: 845-52,
1993。 他方では、ベクターは、リポソームを用いてのインビボリポフェクショ
ンにより導入され得る。合成カチオン脂質が、マーカーをコードする遺伝子のイ
ンビボトランスフェクションのためのリポソームを調製するために使用され得る
(Felgner など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7413-17, 1987; 及びMacke
y など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 8027-31, 1988)。
【0285】 インビボで特定の器官中に外因遺伝子を導入するためへのリポフェクションの
使用は、一定の実際的な利点を有する。特定細胞へのリポソームの分子標的化は
、1つの領域の利点を表す。特定細胞へのトランスフェクションの方向づけが1つ
の領域の利点を表すことは明白である。特定細胞型へのトランスフェクションの
方向づけが、細胞異質性を有する組織、例えば膵臓、肝臓、腎臓及び脳において
特に好都合であることは明白である。脂質は、標的化のために他の分子に科学的
に得られる。標的化されたペプチド、例えばホルモン又は神経伝達物質、及びタ
ンパク質、例えば抗体又は非ペプチド分子は、化学的にリポソームに結合され得
る。
【0286】 身体から細胞を除去し、そして裸DNAプラスミドとしてベクターを導入し、そ
して次に、身体中に形質転換された細胞を再移植することは可能である。遺伝子
治療のための裸DNAベクターは、所望する宿主細胞中に、当業界において知られ
ている方法、例えばトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロ
インジェクション、トランスダクション、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸
カルシウム沈殿、遺伝子ガンの使用、又はDNAベクタートランスポーターの使用
により導入され得る(例えば、Wu など., J. Biol. Chem. 267: 963-7, 1992; W
u など., J. Biol. Chem. 263: 14621-24, 1988)。
【0287】 アンチセンス方法論が、ZCYTO18遺伝子転写を阻害するために、例えば細胞増
殖をインビボで阻害するために使用され得る。ZCYTO18−コードポリヌクレオチ
ドのセグメント(例えば、配列番号1に示されるようなポリヌクレオチド)に対
して相補的であるポリヌクレオチドは、ZCYTO18−コードのmRNAに結合し、そし
てそのようなmRNAの翻訳を企画される。そのようなアンチセンスポリヌクレオチ
ドは、細胞培養物又は対象においてZCYTO18ポリペプチド−コードの遺伝子の発
現を阻害するために使用される。
【0288】 本発明はまた、診断用途に使用される試薬を提供する。例えば、ZCYTO18遺伝
子、すなわちZCYTO18 DNA又はRNA又はその副配列を含んで成るプローブは、ZCYT
O18遺伝子がヒト染色体、例えば染色体12上に存在するかどうか、又は突然変異
が生じたかどうかを決定するために使用され得る。ZCYTO18ゲノムDNA(Genbank
受託番号AC007458号)の一部を含むヒトゲノムDNAのフラグメントの注釈に基づ
けば、ZCYTO18は、染色体12の12q15領域に位置する。ZCYTO18遺伝子座での検出
できる染色体異常型は、異数性、遺伝子コピー数変化、異種性の損失(LOH)、
トランスロケーション、挿入、欠失、制限部位変更及び転位を包含するが、但し
それらだけには限定されない。
【0289】 それらの異常性は、コード配列内、イントロン内、又は上流のプロモーター及
び調節領域を包含するフランキング配列内で発生することができ、そしてコード
配列内での物理的変更、又は遺伝子発現レベルでの変化として明らかである。そ
のような異常性は、分子遺伝学的技法、例えば制限フラグメント長さ多型現象(
RELP)分析、PCR技法を用いる短いタンデム反復体(STR)分析、及び当業界にお
いて知られている他の遺伝子連鎖分析技法を用いることによって、本発明のポリ
ヌクレオチドを用いて検出され得る(Sambrookなど., 前記;Ausubel など., 前
記;Marian, Chest 108: 255-65, 1995)。
【0290】 遺伝子位置の正確な知識は、次のような多くの目的のために有用である:1)
配列が存在するコンティグの一部であるかどうかの決定及び種々の形、例えばYA
C, BAC又はcDNAクローンにおける追加の周囲遺伝子配列の獲得;2)同じ染色体
領域への結合を示す遺伝的な疾病についての可能な候補体遺伝子の提供;及び3
)特定遺伝子が有する機能の決定を助けるモデル生物、例えばマウスの相互参照
【0291】 ZCYTO18は、染色体12の12q15領域に位置する。もう1つのT細胞は、サイトカ
イン、すなわちこの遺伝子座(12q14)近くのインターフェロン−γ(IFN−γ)
地図を発現し、このことは、12q14-15遺伝子座がT−細胞により発現されたサイ
トカインのために重要な領域であることを示唆する。さらに、IFN−γにおける
突然変異は、免疫不全に関連する(例えば、Tzoneva, M. など., Clin. Genet.
33: 454-456, 1988を参照のこと)。ZCYTO18における突然変異は、たぶん、ヒト
疾病、例えば免疫不全、自己免疫疾患、リンパ細胞癌又は他の免疫機能不全を引
き起こす。
【0292】 さらに、ヒト疾病状態、例えば癌に関連するZCYTO18遺伝子座を位置決定する
いくつかの遺伝子が存在する。12q13-q15領域は、通常の分解点として12q15と共
に、種々の悪性及び良性固形腫瘍(例えば、唾液腺腫及び子宮平滑筋腫)に関連
する。さらに、高い移動性グループのタンパク質イソフォームI−C(HMGIC)が1
2q15を位置決定し、そして良性脂肪腫及び他の腫瘍に関与する。ZCYTO18が12q15
を位置決定するので、ZCYTO18機能の損失と腫瘍形成又は進行との間に関連性が
存在する。
【0293】 さらに、12q13-15におけるトランスロケーションは、軟質組織、多発性脂肪腫
症及び悪性ミクソイド脂肪肉腫において有力である。ZCYTO18ポリヌクレオチド
プローブは、それらの癌感受性マーカーに関連する異常性又は遺伝子型を検出す
るために使用され得る。12q15領域における突然変異に起因する癌についての多
くの証拠が存在し、そしてZCYTO18がまたこの染色体遺伝子座を位置決定するの
で、ZCYTO18における突然変異はまた、癌、例えばリンパ細胞癌又は他の腫瘍に
直接的に包含されるか又は関与する。
【0294】 診断は、疾病のタイプ及び適切な関連する治療の決定において医者を助けるこ
とができるか、又は遺伝的カウンセリングを助けることができる。それ自体、本
発明の抗−ZCYTO18抗体、ポリヌクレオチド及びポリペプチドは、ZCYTO18ポリペ
プチド、mRNA又は抗−ZCYTO18抗体の検出のために使用され、従って当業界にお
いて知られており、そして本明細書において記載される方法を用いて、本明細書
に記載されるようにして、遺伝的疾病又は癌の検出のためのマーカーとして作用
し、そしてそのために直接的に使用される。
【0295】 さらに、ZCYTO18ポリヌクレオチドプローブは、ヒト癌、例えば多発生性脂肪
腫瘍症及び悪性ミクソイド脂肪肉腫(上記)に関連する染色体12q15欠失及びト
ランスロケーション、又は悪性又は他の癌における染色体転位に関与することが
予測される、腫瘍の悪性進行又は他の12q15突然変異に関与する他のトランスロ
ケーションに関連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。同様
に、ZCYTO18ポリヌクレオチドプローブが、染色体12q15三染色体性、及びヒト疾
病又は自然流産に関連する染色体欠失に関連する異常性又は遺伝子型を検出する
ために使用され得る。
【0296】 さらに、他の遺伝子座の中で、肩甲上腕筋萎縮(12q13.3-q15)、コム多糖症
(12q14)、チトクロームCYP27B1における突然変異の結果としての偽ビタミンD
抵抗性くる病(12q14)及び他のものすべて、ヒト疾病状態においてそれら自体
明白であり、そしてヒトゲノムのこの領域を位置決定する。WWWサーバー(http:
//www3.ncbi.nlm.nih.gov/htbin-post/omim/getmap?chromosome=12q15)上の染
色体3の2の領域について、Online Mendellian Inheritance of Man (OMIM) 遺
伝子地図を参照のこと。それらのすべては、ZCYTO18遺伝子と同じ染色体領域へ
の連鎖を示す遺伝性疾病についての可能性ある候補体遺伝子として作用する。従
って、ZCYTO18ポリヌクレオチドプローブは、それらの欠失に関連する異常性又
は遺伝子型を検出するために使用され得る。
【0297】 上記で論じられるように、ZCYTO18遺伝子自体における欠陥は、遺伝性ヒト疾
病状態をもたらすことができる。本発明の分子、例えば本発明のポリペプチド、
アンタゴニスト、アゴニスト、ポリヌクレオチド及び抗体は、ZCYTO18遺伝子欠
陥に関連する疾病の検出、診断予防及び処理を助ける。さらに、ZCYTO18ポリペ
プチドプローブは、ZCYTO18染色体遺伝子座で、疾病又は非疾病の個人間での対
立遺伝子差異を検出するために使用され得る。それ自体、ZCYTO18配列は、法的
なDNAプロフィーリングにおける診断として使用され得る。
【0298】 一般的に、患者における遺伝子異常性又は異常型を検出するために遺伝子連鎖
分析に使用される診断方法は、当業界において知られている。分析用プローブは
一般的に、少なくとも20個の長さのntを有するが、但し幾分短いプローブも使用
され得る(例えば、14−17nt)。PCRプライマーは、少なくとも5個の長さのnt
、好ましくは15又はそれ以上の長さのnt、より好ましくは20−30個の長さのntで
ある。遺伝子又は染色体DNAの全体的な分析のために、ZCYTO18ポリヌクレオチド
プローブは、完全なエキソン又はそれ以上を含むことができる。エキソンは、ZC
YTO18配列(配列番号1)とZCYTO18についてのヒトゲノムDNA(Genbank受託番号
AC007458号)とを比較することによって、容易に決定される。
【0299】 一般的に、患者における遺伝子異常性又は異常型を検出するために遺伝子連鎖
分析に使用される診断方法は、当業界に知られている。ほとんどの診断方法は、
(i)潜在的に疾病の患者、疾病の患者又は劣性疾病対立遺伝子の可能性ある非
疾病キャリヤーから遺伝子サンプルを得;(ii)ZCYTO18ポリヌクレオチドプロ
ーブと共に遺伝子サンプルをインキュベートすることにより(ここで、前記ポリ
ヌクレオチドは、RFIP分析においては、相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリ
ダイズするであろう)、又は適切なPCR反応条件下でPCR反応において、センス及
びアンチセンスプライマーと共に遺伝子サンプルをインキュベートすることによ
り、第1反応生成物を生成し;
【0300】 (iii)前記第1反応生物を、電気泳動及び/又は他の既知方法により可視化し
、例えば、前記第1反応生成物を、ZCYTO18ポリヌクレオチドプローブ(ここで
、前記ポリヌクレオチドは第1反応の相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダ
イズするであろう)により可視化し、そして(iV)正常又は対照の個人からの遺
伝子サンプルの第2対照反応生成物と、前記可視化された第1反応生成物とを比
較する段階を含んで成る。
【0301】 第1反応生成物と対照反応生成物との間の差異は、疾病又は潜在的に疾病の患
者における遺伝子異常性の、又は非疾病患者についてのヘテロ接合性劣性キャリ
ヤー表現型の存在の、又は疾病患者からの腫瘍における遺伝子欠陥の存在の、又
は胎児又は移植前胚における遺伝子異常性の存在の表示である。例えば、制限フ
ラグメントパターン、PCR生成物の長さ、ZCYTO18遺伝子座の反復性配列の長さ、
及び同様のもの差異は、遺伝子異常性、遺伝子異常型、又は正常な対照に比較し
ての対立遺伝子差異の表示である。対照は、サンプルの試験及び利用性に依存し
て、影響されていないファミリーメンバー又は無関係の個人からであり得る。
【0302】 本発明内への使用のための遺伝子サンプルは、患者からのいずれかの組織又は
他の生物学的サンプル、例えば血液、唾液、精子、胚細胞、羊水及び同様のもの
(但し、それらだけには限定されない)から単離されたゲノムDNA、mRNA及びcDN
Aを包含する。ポリヌクレオチドプローブ又はプライマーは、RNA又はDNAであり
得、そして配列番号1の一部、配列番号1の補体、又はそれらのRNA同等物を含
んで成る。ヒト疾病表現型ヘの遺伝子連鎖分析を示すそのような方法は、当業界
において良く知られている。
【0303】 診断における、PCRに基づく方法の参照のためには、一般的、次の文献を参照
のこと:Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana Pres
s, Inc. 1991), White (ed), PCR Protocols; Current Methods and Applicatio
ns (Humana Press, Inc, 1993), Cotter (ed), molecular Diagnosis of Cancer
(Humana Press, Inc. 1996), Hanausek and Walaszek (eds.), Tumor Marker P
rotocols。(Humana Press, Inc. 1998). Lo (ed), Clinical Application of PC
R (Humana Press, Inc. 1998), 及びMeltzer (ed), PCR in Bioanalysis (Human
a Press. Inc. 1998))。
【0304】 ZCYTO18遺伝子座に関連する逸脱は、直接的名突然変異分析のための標準の方
法、例えば制限フラグメント長さ他型現象分析、PCR技法を用いる短いタンデム
反復体分析、増幅−不応性突然変異システム分析、一本鎖コンホメーション多型
現象検出、RNアーゼ切断方法、変性グラジエントゲル電気泳動、蛍光−助力のミ
スマッチ分析、及び当業界において知られている他の遺伝子分析により、本発明
の核酸分子を用いて検出され得る
【0305】 (例えば、Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana
Press. Inc. 1991), Marian, Chest 108:255 (1995), Coleman and Tsongalis,
Molecular Diagnositics (Human Press, Inc. 1996), Elles (ed.) Morecular
Diagnosis of Genetic Diseases (Humana Press, Inc. 1996), Landegren (ed.)
, Laboratory Protocols for Mutation Detection (Oxford University Press 1
996), Burren など. (eds.), Genome Analysis, Vol. 2: Detecting Genes (Col
d Spring Habor Laboratory Press 1998), Dracopoli など. (eds.), Current P
rotocols in Human Genetics (John Wiley & Sons 1998), 及び
【0306】 Richards and Ward, “Molecular Diagnostic Testing,” in Principles of
Molecular Medicine, Pages 83-88 (Humana Presa. Inc. 1998) を参照のこと)
。突然変異についてのZCYTO18遺伝子の直接的な分析は、対象のゲノムDNAを用い
て行われ得る。末梢血液リンパ球から得られるゲノムDNAを増幅するための方法
は、当業者に良く知られている(例えば、Dracopoliなど. (eds.), Current Pro
tocols in Human Genetics, at page 7.1.6 to 7.1.7 (John Wiley & Sons 1998
) を参照のこと)。
【0307】 “トランスジェニックマウス”として言及される、ZCYTO18遺伝子を発現する
ように構築されたマウス、及び“ノックアウトマウス”として言及される、zalp
ha11リガンド遺伝子機能の完全な不在を示すマウスがまた、生成され得る(Snou
waertなど., Science 257: 1083, 1992; Lowellなど., Nature 366: 740-742, 1
993; Capecchi, Science 244: 1288-1292, 1989; Palmiterなど., Annu. Rev. G
enet. 20: 465-499, 1986)。例えば、偏在的に、又は組織−特異的又は組織−
制限されたプロモーター下でZCYTO18を過剰発現するトランスジェニックマウス
は、過剰発現が表現型を引き起こすかどうかを決定するために使用さえ得る。
【0308】 例えば、野生型ZCYTO18ポリペプチド、そのポリペプチドフラグメント又は変
異体の過剰発現は、正常な細胞工程を変更することができ、ZCYTO18発現が機能
的に適切であり、そしてZCYTO18、そのアゴニスト又はアンタゴニストのための
治療標的物を示すことができる組織を同定する表現型をもたらす。例えば、構築
する好ましいトランスジェニックマウスは、成熟ZCYTO18ポリペプチド (配列番
号3のアミノ酸残基23(Pro)−167(Ile))を過剰発現するものである。さらに
、そのような過剰発現は、ヒト疾病との類似性を示す表現型をもたらすことがで
きる。
【0309】 同様に、ノックアウトZCYTO18マウスは、ZCYTO18がインビボで絶対的に必要と
される場所を決定するために使用され得る。ノックアウトマウスの表現型は、ZC
YTO18アンタゴニスト、例えば本明細書に記載されるそれらのもののインビボ効
果を予測することができる。ヒト又はマウスZCYTO18cDNAは、ノックアウトマウ
スを生成するために使用される。それらのマウスは、ZCYTO18遺伝子及びそれに
よりコードされるタンパク質をインビボシステムにおいて研究するために使用さ
れ得、そして対応するヒト疾病のためのインビボモデルとして使用され得る。さ
らに、本明細書に記載される、ZCYTO18に対して向けられた、ZCYTO18アンチセン
スポリヌクレオチド又はリボザイムのトランスジェニックマウス発現がまた、上
記トランスジェニックマウスと同じようにして使用され得る。研究が、精製され
たZCYTO18タンパク質の投与により行われ得る。
【0310】 医薬使用のためには、本発明のタンパク質は、従来の方法に従って、非経口、
特に静脈内又は皮下供給のために配合される。静脈内投与は、1〜数時間の典型
的な期間、ボーラス注射又は注入により行われるであろう。一般的に、医薬製剤
は、ZCYTO18タンパク質を、医薬的に許容できるビークル、例えば塩溶液、緩衝
溶液、水中、5%デキストロース、又は同様のものと共にを含むであろう。製剤
はさらに、1又は複数の賦形剤、保存剤、溶解剤、緩衝剤、バイアル表面上のタ
ンパク質損失を妨げるためのアルブミン、等を含むことができる。
【0311】 配合方法は、当業界において良く知られており、そして例えば、Remington: T
he Science and Practice of Pharmacy, Gennaro, ed., Mack Publishing Co.,
Easton, PA, 19th ed., 1995に開示される。治療用量は、一般的に、0.1〜100μ
g/kg患者の体重/日、好ましくは0.5〜20mg/kg/日の範囲であり、そして正確な用
量は処理される病状の性質及び重症度、患者の特徴、等を考慮して、許容できる
標準に従って、臨床医により決定される。
【0312】 用量の決定は、当業者のレベル内である。タンパク質は、急性処理のために、
1週間又はそれ以下にわたって、しばしば1〜3日間にわたって投与され得、又
は慢性処理のためには、数ヶ月〜数年にわたって使用され得る。一般的に、ZCYT
O18の治療的有効量は、造血又は免疫機能における臨床学的に有意な変化を生成
するのに十分な量である。 本発明は、次の非制限的な例によりさらに例示される。
【0313】 実施例 実施例1ZCYTO18を同定し、クローン化するためのEST配列の利用 本発明のポリヌクレオチド及びポリペプチドをコードしている新規ZCYTO18は、
サイトカインファミリー内の保存モチーフに相同的な配列に関するES1データベ
ースに問い合わせすることでまず同定された。ヒトTリンパ細胞cDNAライブラリ
ー由来の一次発現配列タグ(EST)が同定された。
【0314】 EST(UNC4345486)の配列分析より最初の部分配列を得た。追加の5‘配列はノ
ーザン分析(実施例2、以下)からのPCRにより、およびヒト混合リンパ球反応(
MLR)cDNAを用いたPCRにてオリゴヌクレオチドZC25.840(配列番号5)およびZC2
5,841(配列番号6)を使用する別のPCRにより得たcDNA断片の配列分析から得た
。サーモサイクラーの条件は、下記実施例2に記載されている。えら得た1082bp
の完全長配列は配列番号1に開示されており、そして対応するアミノ酸配列は配
列番号2および配列番号3に示されている。完全長の新規サイトカインはZCYTO1
8と命名された。 実施例2Zcyto18の組織分布 ノーザンは、ヒトZCYTO18の組織分布を決定するために、クローンテック(Clo
ntech)(パロアルト(Palo Alto)、カリフォルニア(CA)州)製ヒトマルチプ
ル組織ブロット(MTN1、MTN2およびMTN3)を使い実施された。237bpのcDNAプロ
ーブはPCRを用い得た。オリゴヌクレオチドZC25,838(配列番号7)およびZC
25,839(配列番号8)をプライマーとして用いた。マラソン(Marathon)cDNAキ
ット(Clontech社製)およびプロトコルを用い自家調製されたマラソンcDNAを鋳
型に用いた。ヒトゲノムDNA(Clontech)に加え、次のヒト組織特異的cDNAも用
いた:リンパ節、骨髄、CD4+、CD8+、脾臓およびMLR。
【0315】 サーモサイクラー条件は次の通りであった:94℃2分間1サイクル;94℃15秒
間、62℃20秒間および72℃30秒間を35サイクル;72℃7分間1サイクル;以後4
℃に維持。正確な予想バンドサイズ(237bp)は、ゲノムDNA反応に加え、CD4+お
よびMLR反応の4%アガロースゲルに観察された。バンドは切り出され、そして
ゲル抽出キット(キアゲン(Qiagen)、チャトワース(Chatoworth)、カリフォ
ルニア州(CA))をメーカー指示通りに使用し精製された。cDNAはレディプライ
ム(Rediprime)IIDNA標識キット(アマシャム(Amersham)、アーリントンハイ
ツ(Arlington Hights)、イリノイ州(IL))をメーカー指示通りに使用し、
放射線標識された。
【0316】 プローブはNUCTRAPプッシュカラム(ソトラタジーンクローニングシス
テム(Stratagene Cloning Systems)、ラジョラ(La Jolla)、カリフォルニア
州(CA))を用い精製された。EXPRESSHYB(クローンテック(Clontech)、パロ
アルト(Palo Alto)、カリフォルニア州(CA))液はプレハイブリダイゼーシ
ョン用およびハイブリダイゼーション液として使用された。
【0317】 ハイブリダイゼーションは、2×106cpm/ml標識プローブを用い、55℃にて一晩
行われた。次にブロットは2×SSCおよび0.1%SDS中、室温にて洗浄され、続いて2
×SSCおよび0.1%SDSにより65℃にて洗浄され、さらに0.1×SSCおよび0.1%SDSに
より65℃にて洗浄された。ブロットはバイオマックス(Biomax)MSフィルム(コ
ダック(Kodak)、ロチェスター(Rochester)、ニューヨーク州(NY))に5日
間感光させた。転写シグナルは現像後MTNブロット上に観察された。
【0318】 8種類のハウスキーピング遺伝子に標準化された各種組織由来RNAを含むRNAマ
スタードットブロット(クローンテック)も上記同様にプローブ処理しハイブリ
ダイゼーションした。ゲノムDNAにシグナルが観察された。リンパ節に弱いシグ
ナルが、そして胎児肝臓、平滑筋および胎盤に非常に弱いシグナルが観察された
が、これらシグナルがバックグランドより有意に高いか否かは確定されなかった
【0319】 実施例3RT-PCRを用いたZCYTO18発現細胞の同定 特定のタイプのヒト細胞を単離し、RT-PCRを利用しZCYTO18発現についてスク
リーニングした。B細胞は、100μmナイロン製ストレーナー(ベクトンディッキ
ンソンバイオサイエンス(Becton Dickinson Bioscience)、フラクリンレイク
(Franklin Lake)、ニュージャージー(NJ))を通過させ機械的に破壊し、新
鮮ヒト扁桃より得た。B細胞懸濁液は、VarioMACS VS+磁性カラムおよびCD19マ
イクロビーズ(ミルテニルバイオテック(Miltenyi Biotec)、アーバン(Aubur
n)、カリフォルニア州(CA))をメーカー指示書通りに使用したポジティブ選
別により濃縮された。
【0320】 T細胞はヒトアフェレーシス血液サンプルより単離された。CD3+T細胞はCDマ
イクロビーズVarioMACSポジティブ選別により精製され、そして単球はVarioMACS
ネガティブ選別カラム(Miltenyi)をメーカー指示書通りに使用し精製された。
各集団からのサンプルは染色され、蛍光抗体セルソーティング(FACS)(ベクト
ンディッキンソン(Bectin Dickinson)、サンジョース(San Jose)、カリフォ
ルニア州(CA))分析装置により分析され、濃縮率および収率を決定した。CD19
+B細胞は約96%精製され、CD3+T細胞は約95%精製され、そして単球は約96%精製さ
れた。
【0321】 RNAは当業界標準的方法を用い、休止状態または活性状態のいずれかにある3
種類全ての細胞より調製された。RNAは上記カラム標本より直接、休止細胞から
単離された。CD19+およびCD3+細胞は、5ng/mlのPMA(カリビオケム(Calbiochem
)、ラジョラ(La Jolla)、カリフォルニア州(CA))およびイノマイシン0.5u
g/ml(カリビオケム(Calibiochem)を含むRPMI+10%FBS中に500、000細胞/mlの
割合で4時間および24時間培養することで活性化された。
【0322】 単球は10ng/mlのLPS(シグマ(Sigma)、セントルイス(St.Louis)、ミズリ
ー州(MO))および10ng/mlのrHIFN-g(R&D、ミネアポリス(Mineneapolis)、
ミネソタ州(MN))を含むRPMI+10%FBS中に24時間培養することで活性化された
。細胞は集められ、PBS中に洗浄された。RNAはRNeasy MidipreTMキット(キアゲ
ン(Qiagen)、バレンシア(Valencia)、カリフォルニア州(CA))をメーカー
指示書通りに用い細胞より調製され、第1鎖cDNA合成はSuperscriptIITMキット
(ギブコ(GIBCO)BRL、グランドアイランド(Grand Island)、ニューヨーク州
(NY))をメーカー指示書通りに使用し作成された。
【0323】 オリゴZC25,838(配列番号7)およびZC25,840(配列番号5)はPCR反応中に
用いられ、上記サンプルをZCYTO18メッセージに相当する473bp断片についてスク
リーニングした。PCR増幅はTa1ポリメラーゼ(BRL、グランドアイランド(Grand
Island)、ニューヨーク州(NY))および以下の反応条件を用い行われた:94℃1
5秒間、62℃20秒間、72℃30秒間を35サイクル;72℃7分間1サイクル;および
4℃浸漬。各容積50μlのうち5μlを0.9%のアガロース、0.5XTBEゲルに泳動し
、得られた産物を同定した。下の第5表に結果を示す。PCRマスターミックス産
物は、産物が無い場合には(-)、予想されたPCR産物が視認された場合には(+)、P
CR産物が多く存在する場合には(++)、そして最もシグナルが強い場合を(+++)と
等級付けされた。
【0324】
【表5】
【0325】 これらの結果は、ZCYTO18メッセージが休止状態のCD3+細胞に存在すること、
そして分裂促進物質による活性化により増加することを示している。さらに4時
間活性化されたヒトCD19+B細胞でも発現されていること、24時間活性化したB細
胞では減少していることも明らかにされた。
【0326】 実施例4活性化T細胞ライブラリー中のhZCYTO18メッセージの同定 A.CD3+選別ライブラリー構築に適したベクター CD3+選別ライブラリーの構築に適したベクターはpZP7NXであった。ZP7NXベク
ター以下の様にして事前に構築された:ベクターpZp7中のDHFR選択マーカーのコ
ーディング領域が、NcoIおよびPstI制限酵素(ベーリンガーマンハイム(Boehri
nger Mannheim))を用いたDNA消化により取り出された。消化したDNAは1%アガ
ロースゲルにかけられた後切り出され、キアゲンゲル抽出キット(キアゲン(Qi
agen))をメーカー指示書通りに使用してゲル精製された。
【0327】 Zeocin選択マーカーのコーディング域を示すDNA断片は、プライマーZC13,946
(配列番号9)およびZC13,945(配列番号10)と、鋳型としてpZeoSV2(+)を用
いたPCRにより増幅された。プライマーZC13,946(配列番号9)にはさらにPstI
およびBclI制限部位が、そしてZC13,945(配列番号10)にはNcoIおよびSfuI部位
が存在している。PCR断片はPstIおよびNcoI制限酵素で切断され、前記2酵素を
用いた切断とそれに続くゲル精製により調製されたpZP7ベクター内にクローン化
された。このベクターをpZP7Zと命名した。次にベクターpZP7ZをBclIとSfuI制限
酵素でDNA消化し、ゼオシン(Zeocin)コーディング域を取り出した。消化したDNA
を1%アガロースゲル上に泳動し、切り出し、ゲル精製し、同じ制限酵素(BclIと
SfuI)を用いpZem228より切り出したネオマイシンコーディング域のDNA断片に連
結した。
【0328】 この新規ベクターはpAP7Nと命名されたが、このベクターではDHFR選択マーカ
ーのコーディング領域はベクターpZem228由来のネオマイシン選択マーカーのコ
ーディング領域に置き換えられている。cDNAの効率的な指向型クローニングに好
適なベクターを作り出すためにXho1部位を含むスタッファー断片がpZP7Nに加え
られた。cDNA用ベクターを調製するため、20μgのpZP7NXを20単位のEcoRI(ライ
フテクノロジーズ(Life Technologies)ガイザーブルグ(Gaithersburg)、メリ
ーランド州(MD))および20単位のXho1(ベーリンガーマンハイム(Boehringer M
annheim)インディアナポリス(Indianapolis)、インディアナ州(IN)で5時間
、37度、次に68度15分間消化された。
【0329】 次に、消化体は0.8%の低融点アガロース1×TAEゲルで泳動し、ベクターから
スタッファーを分離した。ベクターのバンドを切り出し、“ベータアガロース”
(ニューイングランドバイオラブス(New England Biolabs)、バーバーリー(B
everly)、マサチューセッツ州(MA))でメーカー推奨に従い消化された。エタ
ノール沈殿後消化されたベクターは、下記CD3+選択cDNAライブラリーの連結を目
的として、水中に45ng/mlで懸濁された。
【0330】B.一次ヒト活性化CD3+選択細胞cDNAライブラリーの調製 イノマイシン/PMA中にて刺激された約1.5×108一次ヒトCD3+選択細胞は、37度
にて13時間培養した後遠心分離により単離された。全RNAはキアゲン社(バレン
シア(Valencia)、カリフォルニア州(CA))”RNeasy Midi”キットを使って、
細胞沈査より単離された。mRNAは225mgの全RNAよりCPG社(リンカンパーク、ニ
ュージャージ州(NJ))製“MPGmRNA精製キット”を使い単離された。3.4mgのm
RNAが単離され、以下の手順により2本鎖cDNAに変換された。
【0331】 刺激されたヒトCD3+選択細胞由来の第1鎖cDNAは次の様に合成された。0.34μ
g/μlの濃度のオリゴd(T)-選択ポリ(A)CD3+RNAを9μlおよびXhoI制限部位を含
む第1鎖プライマーZC18,698(配列番号11)1μg/μlと混合し、65℃で4分間加
熱した後氷上で冷却した。第1鎖cDNA合成は、第1鎖バッファー(5×SUPERSCRI
PT(商標)バッファー、ライフテクノロジーズ(Life Technologies)を9μl、
4μlの100mMジチオスレイトールおよびdATP、dGTP、dTTPおよび5-メチル-dCTP
を各10mM含むデオキシヌクレオチド3リン酸液(ファルマシアバイオテック社(
Pharmaica Biotech Inc.)をRNA-プライマー混合液に加え、開始した。
【0332】 反応混合液は45℃にて4分間インキュベーションされた後、8μlの200U/μl
のSUperscriptII(商標)、RNase H-逆転写酵素(ライフテクノロジーズ(Life
Technologies))が追加された。反応液は45℃にて45分間インキュベーションさ
れ、続いて2分ごとに1℃の割合で50℃までインキュベーション温度を上げてい
った。
【0333】 2次構造を変性させcDNAをさらに延長するため、反応液を次に70℃にて2分
間加熱してから4分間55℃まで下げ、その後2μlのSuperscriptIIを加えて更に
15分間インキュベーションし、続いて70℃まで1分/1℃の割合で温度を上げて
いった。2μgのグリコーゲンキャリアー、2.0M酢酸アンモニウムおよび2.5倍量
のエタノール存在下に2回沈殿を行った後、70%エタノール100μlを使った洗浄
を行い、cDNAから見取り込みヌクレオチドを取り除いた。cDNAは第2鎖合成に
使用するために、98μlの水に懸濁した。
【0334】 第2鎖合成は、第1鎖cDNAを使い、第2鎖合成の第1鎖プライミングを促進し
、結果としてDNAヘアピンを形成させる条件で実施された。第2鎖反応液は第1
鎖cDNA98μl、30μlの5×ポリメラーゼIバッファー(100mM Tris:HCl,
pH7.5、500mMのKCl、25mMのMgCl2、50mMの(NH4)2SO4、2μlの100mMジチオスレ
イトール、各デオキシヌクレオチド3リン酸を10mMづつ含む6μlの溶液、5μl
の5mMのb-NAD、3U/μlの大腸菌DNAリガーゼ(ニューイングランドバイオラブス
社(New England Biolabs Inc.))1μlおよび10U/μlの大腸菌DNAポリメラー
ゼI(ニューイングランドバイオラブス社(New England Biolabs Inc.))を含
んだ。
【0335】 反応液は室温にて混ぜ合わされ、そして室温にて2分間インキュベーションさ
れ、続いて3.8U/μlのRNaseH(ライフテクノロジーズ(Life Technologies))4
μlが加えられた。反応液は15℃にて2時間インキュベーションされた後、室温
で15分間インキュベーションされた。1MのTIRS、pH7.4を10μl反応液に加え、フ
ェノール/クロロフォルムで2回、クロロフォルムで1回抽出した後有機相を50
μlのTE(10mM TRIS pH7.4、1mM EDTA)で逆抽出し、その他水性物とプールし、
0.3M酢酸ナトリウム存在下にエタノール沈殿した。沈殿を100μlの70%エタノー
ルで洗浄した後、風乾し、40μlの水に懸濁した。
【0336】 ヘアピン構造の第1鎖DNAを大豆ヌクレアーゼで切断した。反応混合液は第2
鎖cDNA40μl、10×大豆ヌクレアーゼバッファー(ライフテクノロジーズ(Life
technologies)5μl、1×大豆ヌクレアーゼバッファー中に1U/μlに希釈され
た大豆ヌクレアーゼ(ファルマシアバイオテック社(Pharmacia Biotech Corp.
))を含んだ。反応液を37℃にて45分間インキュベーションした。反応は1MのTi
rs:HCl,pH7.4を添加して停止した後、上記同様に連続してフェノール/クロロフ
ォルムおよびクロロフォルム抽出を行った。抽出後、cDNAは0.3M酢酸ナトリウム
存在下にエタノール沈殿された。沈殿は100μlの70%エタノールで洗浄、風乾し
た後、38μlの水に懸濁された。
【0337】 懸濁されたcDNAはT4DNAポリメラーゼを用いブラントエンド処理された。38μl
の水に懸濁されたcDNAを12μlの5×T4DNAポリメラーゼバッファー(250mM Tris
:HCl、pH8.0、250mM KCl、25mM MgCl2)、2μlの0.1Mジチオスレイトール、各デ
オキシヌクレオチド3リン酸を10mM含む溶液6μl、および2μlの1U/μlのT4DNA
ポリメラーゼ(ベーリンガーマンハイム社(Boehringer Mannheim Corp.))と
混合した。15℃にて45分間インキュベーションした後、反応を30μlのTEを添加
し停止し、続いて上記同様に連続してフェノール/クロロフォルムおよびクロロ
フォルム抽出を行い、20μlのTEにて逆抽出した。DNAは2μlのPellet PaintTM(
ノバゲン(Novagen)キャリアーおよび0.3M酢酸ナトリウム存在下にエタノール沈
殿された後、11μlの水に懸濁された。
【0338】 EcoRIアダプターを上記cDNAの5’末端に連結し、発現ベクター内にクローニン
グできる様にした。11μlのcDNAと65pmole/μlのEcoRI半ホスホリル化アダプタ
ー(ファルマシアバイオテック社(Pharmacia Biotech Corp.))を、5μlの5×
リガーゼバッファー(ライフテクノロジーズ(Life Technologies)、2μlの10m
MATPおよび3μlの1U/μlT4DNAリガーゼ(ライフテクノロジーズ(Life Technolo
gies)、1μlの10×ライゲーションバッファー(プロメガ社(Promega Corp)、
9μlの水と混合した。1×バッファーによる追加希釈を行い、沈殿によるペレッ
トペイントを防止した。反応液は9時間かけ10℃から22℃に温度上昇した水槽中
でインキュベーションされ、その後25℃で45分間インキュベーションされた。反
応は68℃、15分間インキュベーションすることで終止された。
【0339】 cDNAの発現ベクター内への指向クローニングを容易にするため、cDNAはXhoIで
消化され、その結果5’EcoRI接着端および3’XhoI接着端を持つcDNAを得た。cD
NA3’端のXhoI制限部位はZC18698プライマーを用い事前に導入された。制限酵素
消化は、上記ライゲーション混合液35μl、10×Hバッファー(ベーリンガーマン
ハイム社(Boehringer Mannheim Corp.)、2mg/mlのBSA(バイオラブス社(Biol
abs、Corp)1μl、17μlの水および40U/μlのXhoI(ベーリンガーマンハイム(Bo
ehringer Mannhemi))1μlを含む反応混合液中に実施された。反応は68℃15分
間インキュベーションすることで終止され、続いて上記同様にエタノール沈殿、
洗浄乾燥され、30μlの水に懸濁された。
【0340】 懸濁されたcDNAは65℃に5分間加熱された後氷上にて冷却され、4μlの5×ゲ
ルローディング色素(リサーチジェネティクス社(Research Genetics Corp.)
)が加えられ、cDNAは0.8%低融点アガロース1×TAEゲル(SEA PLAQUE GTGTM低融
点アガロース:FMC社)にかけられ、電気泳動された。混入したアダプターおよ
び0.6Kbより短いcDNAをゲルから切り出した。電極を逆にし、溶解したアガロー
スを加えウエルを満たし、バッファーを交換しcDNAをレーンの出発点近くに濃縮
するまで電気泳動した。濃縮したcDNAを含むゲル領域を切り出し、微量遠心チュ
ーブに入れ、アガロースを65℃に15分間加熱し溶解した。
【0341】 サンプルを45℃に平衡化した後、2μlの1U/μlのBeta-アガロースI(バイオラ
ブス社(Biolabs、Inc)を加え、混合体を90分間、45℃にインキュベーションし
アガロースを消化した。インキュベーション後、1/10容積量の3M酢酸ナトリウム
をサンプルに加え、そして混合体を15分間氷上にてインキュベーションした。サ
ンプルを14,000×gで15分間、室温にて遠心分離し、未消化のアガロースを除き
、cDNAをエタノールで沈殿させ、70%エタノールで洗浄、風乾後に40μlの水に懸
濁した。ベクターに対するcDNAの最適比を決定するために、複数の連結体を組み
立て電気泳動した。
【0342】 簡単に述べると、2μlの5×T4リガーゼバッファー(ライフテクノロジーズ(L
ife Technologies))、10mMのATP1μl、EcoR1-Xho1で消化されたpZP7NX1μl、
0.25u/μl(ライフテクノロジーズ(Life Tehnologies)に希釈されたT4DNAリガ
ーゼ1llを水で10μlにしたもの、およびcDNA0.5、1、2、または3μlを別々に4
種類の連結体として混合し、22℃にて4時間、68℃で20分間インキュベーション
した後アセテート-エタノール沈殿し、洗浄、乾燥後10llに懸濁した。
【0343】 各連結体の1マクロリットルを40μlのDH10b ElectroMaxTMエレクトロコンペ
テント細菌(ライフテクノロジーズ(Life Technologies))内に、0.1cmキュベ
ット(バイオラッド(Biorad))と2.5KV、25IF、200オームにセットされたパル
スコントローラであるセットジーンパルサー(Genepulser)(バイオラッド(Bi
orad))を用いエレクトロポレーションされた。
【0344】 これらの細胞はすぐに1mlのSOCブロス(Manniatisら、上記)に懸濁され、続
いて500llの50%グリセロール-SOCに懸濁され保存液とした。これら“グリセロー
ル保存液”は複数に小分けされ、-70℃に凍結された。それぞれの小分け1つを
溶解し、100μg/mlのアンピシリンが添加されたLB-寒天培地に連続的に接種され
た。コロニー数は、pZP7NXベクターに対するCD3+cDNAの最適比が45ngに対し1μl
であること、そしてこの様な結合体が4.5百万個の一次コロニーを生ずることを
示した。
【0345】C.活性化T細胞ライブラリー内のZCYTO18メッセージのPCR同定 PCRはオリゴZC25,838(配列番号7)およびZC25,840(配列番号5)を用い実施
され、ZCYTO18クローンに対応する473bp産物の存在に関し、上記ライブラリーを
スクリーニングした。PCR僧服はTaqポリメラーゼ(BRL、グランドアイランド(G
rand Iland)ニューヨーク州(NY))を用い行われ、条件は次の通りである:94℃
15秒間、62℃20秒間、72℃30秒間を30サイクル、72℃7分間を1サイクル;およ
び4℃に浸漬。各50μlの反応容積から5μlを0.9%アガロース0.5×TBEゲルで泳
動し、得られた産物を同定した。下の第6表にその結果を示す。PCR産物は、産
物が無い場合には(-)、予想されたPCR産物が視認された場合には(+)、PCR産物が
多く存在する場合には(++)、そして最もシグナルが強い場合を(+++)と等級付け
された。
【0346】
【表6】 これらの結果は、活性化されたCD3+T細胞にZCYTO18cDNAクローンが、即ちメッ
セージが存在することを示している。
【0347】 実施例5サザンブロット分析 サザンブロット分析は、EVO哺乳動物群/EcoRIサザンブロット(クオンタムバイ
オテクノロジーズ社(Quantum Biotechnologies, Inc.)、モントリオール(Mon
treal)、カナダ(Canada))を用い実施し、オルトログ型ZCYTO18配列の存在を決
定した。ZCYTO18プローブは25ngの実施例2記載のZCYTO18断片を、Prime-ItIIラ
ンダムプライマー標識化キット(ストラタジーン(Stratagene)、ラジョラ(La
Jolla)、カリフォルニア州(CA))を用い標識し、作製した。ハイブリダイゼー
ションは、Expresshyb(クローンテック(Clontech))を須加って5×105cpm/ml
プローブと65℃一晩の条件で実施された。2×SSC、0.1%SDSを用い、45℃にて厳
密洗浄が行われた。ブロットは-80℃にて一晩X線フィルムに感光され、分析され
た。
【0348】 結果はヒトゲノムDNAサンプル中に約1kbの強いバンドを示すと同時に、マウス
ゲノムDNAについて約7および20kbの位置に弱いバンドがあることを示し、ZVYTO
18に関しマウス相同体と思われるものあることを提示した。マウスcDNA配列を標
準的方法を用いクローン化し配列番号37に示し、それに対応するポリペプチド配
列を配列番号38に示す。
【0349】 実施例6Zcyto18の局在染色体と位置 Zcyto18は市販版“スタンフォード(Stanford)G3放射ハイブリッドマッピングパ
ネル”(リサーチジェネティクス社(Research Genetics, Inc., ハウンツヴィ
ル(Huntsville)、アラバマ州(AL))を用い、第12染色体にマップされた。“
スタンフォードG3RHパネル”は、全ヒトゲノムの83放射ハイブリッドクローンそ
れぞれに由来するDNAと、2種類のコントロールDNA(RMドナーおよびA3レシピエ
ント)を含む。公開WWWサーバー(http://shgc-www.stanford.edu)でマーカー
および遺伝子の染色体局在を知ることができる。
【0350】 “スタンフォードG3RHパネル”を用いZyto18をマッピングするために、20μl
の反応液をPCRに対応した96ウエルマイクロタイタープレート(ストラタジーン
(Stratagene)、ラジョラ(La Jolla)、カリフォルニア(CA))に準備し、“ロ
ボサイクラーグラジエント96(RoboCycler Gradient 96)”サーマイルサイクラ
ー(ストラタジーン(Stratagene))中に用いた。85種類のPCR反応液はそれぞれ
2μlの10×KlenTaq PCR反応バッファー(クローンテックラボラトリーズ社(CLO
NTHEECH Laboratories, Inc.)、パロアルト(Palo Alto)、カリフォルニア州
(CA))、
【0351】 1.6μlのdNTPsmix(各2.5mM、パーキンエルマー(PERKIN-ELMER)、フォスタ
ーシティー(Foster City)、カリフォルニア州(CA))、1μlセンスプライマ
ー、ZC26,414(配列番号12)、1μlアンチセンスプライマー、ZC26,415(配列
番号13)、2μl“レディロード(RediLoad)”(リサーチジェネティクス社(Res
earch Genetics, Inc., ハウンツヴィル(Huntsville)、アラバマ州(AL))、0
.4μlの50×Advantage KlenTaqポリメラーゼミックス(クローンテックラボラト
リーズ社(Clontheech Laboratories, Inc.)、各ハイブリッドクローンまたは
コントロール由来のDNA25ng、合計容積20μlに必要な蒸留水より構成されている
【0352】 反応液には等量のミネラルオイルが重層され、密封される。PCRサイクラー条
件は次の通りである:94℃に於ける5分間変性の初期1サイクル、94℃45秒変性
、66℃45秒アニーリングおよび72℃1分15秒の伸長を35サイクルの後、72℃7分間
の最終伸長サイクル1回。反応物は2%アガロースゲル(EMサイエンス(Science
)、ギブスタウン(Gibbstown、NJ)を用いた電気泳動で分離され、エチジウムブ
ロマイド染色され視覚化された。
【0353】 結果は、LODスコア>12で第12染色体マーカーSHGC-17533とZcyto18は連鎖して
いること、およびマーカーとの距離が0cR_10000であることが示された。周辺遺
伝子およびマーカーを利用し、Zcyto18が12q14-q24.3染色体域内に位置付けられ
た。
【0354】 実施例7CEEタグ付きZCYTO18作製用構築体 オリゴヌクレオチドはコザック(Kozak)配列および停止コドンを除くZCYTO18の
コーディング域を含むPCR断片を作製するためにデザインされた。これらオリゴ
ヌクレオチドは、我々のC-末端Glu-Gluタグ付き(配列番号14)蛋白質の哺乳動
物発現用標準的ベクターであるpHZ200-CEEへのクローニングを容易にするために
5’末端にKpnI部位を、3’末端にBamHI部位を持つ様デザインされた。pHZ200ベ
クターはMT-1プロモーターを含む。
【0355】 PCR反応はTurbo Pfuポリメラーゼ(ストラタジーン(Stratagene))を用い実
施され、ZCYTO18cDNA断片が増幅された。約20ngのヒトZCYTO18ポリヌクレオチド
鋳型(配列番号1)およびオリゴヌクレオチドZC28590(配列番号16)とZC28580
(配列番号17)がPCR反応に用いられた。PCR反応条件は次の通りであった:95℃
5分間;95℃60秒、55℃60秒および72℃60秒を30サイクル;および72℃10分間;
その後4℃に維持。PCR産物はアガロースゲル電気泳動にて分離され、QiaQuick(
キアゲン(Qiagen)ゲル抽出キットを用い精製された。単離された約600bpのDNA
断片はKpnIおよびBamHI(ベーリンガーマンハイム(Boerhinger-Mannheim)で消
化され、ゲル精製された後事前にKpnIおよびBamHIで消化しておいたpHZ200-CEE
内に連結された。
【0356】 約1マイクロリッターの連結反応体は、メーカー指示書に従いDH10B ElectroM
axTMコンペテント細胞(ギブコ(Gibco)BRL、ガイザースブルグ(Gaithersburg
)、メリーランド州(MD))内にエレクトロポレーションされ、100μg/mlのアン
ピシリンを含むLPプレート上に接種され、一晩インキュベーションされた。コロ
ニーを拾い上げ、オリゴヌクレオチドZC28,590(配列番号16)およびZC28,580(
配列番号17)と、上記PCR条件を用いたPCRによりスクリーニングした。次にイン
サートを含むクローンを配列解析し、ZCYTO18インサートに誤りがないことを確
認した。配列分析で確認しながら、pHZ200-ZCYTO18-CEE構築体の最大調整を行っ
た。
【0357】 実施例8ZCYTO18-CEEポリペプチドのトランスフェクションと発現 BHK570細胞(ATCC番号、CRL-10314)を無血清(SF)DMEM培地(DMEM、ギブコ(G
ibco)/BRL 高グルコース)(ギブコ(Gibco)BRL、ガイザースブルグ(Gaithers
burg)、メリーランド州(MD))6.4ml中に、約1×106細胞/100mm培養皿の割合に接
種した。細胞は、メーカー指示書に従って無血清(SF)DMEM中にリポフェクチン(
LopofectinTM(ギブコ(Gibco)BRL)を使用し、上記(実施例7)ZCYTO18-CEEを
含む発現ベクターでトランスフェクションされた。
【0358】 細胞は37℃で約5時間インキュベーションされ、続いて10mlのDMEM/10%胎児ウ
シ血清(FBS)(ハイクローン(Hyclone)、ローガン(Logan)、ユタ州(UT))が
加えられた。プレートは37℃、5%CO2にて一晩インキュベーションされ、翌日DME
M/10%FBS培地を選択培地(1μMメトトレキセート(MTX)添加5%FBS/DMEM)に交換し
た。
【0359】 トランスフェクション後約7-10日目に、細胞またはコロニーのプールを機械的
にて5μM MTX入添加5%FCS/DMEMが1ml入った12ウエル型プレートに取り上げ、集
密状態まで増殖させた。次に細胞は10μMのMTXが添加された5%FCS/DMEM中に最低
14日間インキュベーションされた。陽性発現したクローナルなコロニーおよびプ
ールからのコンディショニング培地サンプルについて、SDS-PAGEおよびウエスタ
ン分析を用い発現レベルを試験した。高発現クローンのプールを取り上げ、細胞
が発現しているZCYTO18-CEEを精製するためのコンディショニング培地を大量に
得るため拡張した(実施例9)。
【0360】 実施例9BHK570細胞からのZCYTO18-CEEの精製 特に記載ない限り、全ての作業は4℃にて実施された。C-末端GluGlu(EE)タグ
(配列番号14)を含むZCYTO18ポリペプチドを精製するために、次の方法を用い
た。プロテアーゼ阻害剤液を、ZCYTO18-CEEを含む濃縮コンディショニング培地
(実施例8)に最終濃度が2.5mMエチレンジアミン4酢酸(EDTA、シグマケミカ
ル社(Sigma Chemical Co.)、セントルイス(St.Louis)、ミズリー州(MO))、0
.003mMロイペプチン(ベーリンガーマンハイム(BoehringerーMannheim)、イン
ディアナポリス(Indianapolis)、インディアナ州(IN)、0.001mMペプスタチン
(ベーリンガーマンハイム(BoehringerーMannheim))および0.4mM Pefabloc(
ベーリンガーマンハイム(BoehringerーMannheim))になるように加えた。
【0361】 抗EE G-セファロース(下記に従い調製)約100mlのカラムをウォーターズ(Wa
ters)AP-5、5cm×10cmガラスカラムに注ぎ入れた。カラムはフロー充填され、Bi
oCard Sprint(パーセプティブバイオシステムズ(PerSeptive BioSystems)、フ
ラミンガム(Framingham)、マサチューセッツ州(MA))を用いてリン酸緩衝化生
理食塩水(PBS)ph7.4で平衡化された。濃縮コンディショニング培地は0.2ミクロ
ン滅菌濾過、pHを7.4に調製されてから、約1ml/分の流速で一晩カラムに負荷さ
れた。
【0362】 カラムは10倍のカラム容積量(CVs)のリン酸緩衝化生理食塩水(PBS、pH7.4)
で洗浄され、次に0.1mg/mlのEEペプチド(アナスペック(Anaspec)、サンジョ
ーズ(San Jose)、カリフォルニア(CA))を含む200mlのPBSを用い5ml/分で溶出
された。使用したEEペプチドは配列EYMPME(配列番号13)を有している。全溶出
クロマトグラフィーについて5ml分画を採取し、280および215nMの吸光度をモニ
ターした:通過液および洗浄液のプールも集め、分析した。EE-ポリペプチドの
溶出ピーク分画を対象に、SDS-PAGE銀染色法および抗EE-HRP標識抗体を用いたウ
エスタンブロッティングにより標的蛋白質について分析した。関心のポリペペプ
チド溶出分画をプールし、10,000ダルトン分子量カットオフのメンブレンスピン
濃縮装置(ミリポア(Millipore)、ベドフォード(Bedford)、マサチューセッ
ツ州(MA)をメーカー指示書通りに使用し60mlから5.0mlに濃縮した。
【0363】 遊離型EEペプチドおおび混入した共精製蛋白質とZCYTO18-CEEポリペプチドを
分離するため、プールした濃縮分画をBioCard Sprintを用い1.0ml/分の流速でPB
Sと平衡化し、負荷された1.5×90cmセファデックス(Sephadex)S200(ファルマ
シア(Pharmacia)、ピスキャタウェイ(Piscataway)、ニュージャージー(NJ)
)カラムにかけ、サイズ排除クロマトグラフィーにかけた。全クロマトグラフィ
ーについて1.5ml分画を集め、280および215nMの吸光度をモニターした。
【0364】 この精製物質を最後に4mlのActiClean Etox(ステロジーン(Sterogene))カ
ラムにかけ残存するエンドトキシンを除去した。サンプルをPBSで平衡化した重
力カラムに4回通した後、カラムを3mlのPBSで1回洗浄し、これを“清浄化”サ
ンプルと一緒にプールした。この物質を次に0.2ミクロン無菌濾過を行い、小分
けするまで-80℃に保存した。
【0365】 ウエスタンブロット、クマシーブルーおよび銀染色したSDS-PAGEゲルでは、ZC
YTO18-CEEポリペプチドは2本のメジャーバンドと2本のマイナーバンドを示し
た。精製物質の蛋白質濃度はBCA分析(ピアス(Pierce)、ロックフォード(Roc
kford)、イリノイ州(IL))により決定され、蛋白質は小分けされ、標準的方法
により-80℃に保存された。ウエスタンブロット分析では、全てのバンドがウサ
ギ抗ZCYTO18-ペプチド抗体(実施例16)と免疫反応した。4本のバンドはZCYTO1
8ポリペプチドの異なる糖化型を示すと思われる。
【0366】 抗-EEセファロースを調製するために、100mlのベッドボリュームのプロテイン
Gセファロース(ファルマシア(Pharmacia)、ピスキャタウェイ(Piscataway)
、ニュージャージー(NJ))を、500mlのナルゲン(Nalgene)0.45ミクロンフィル
ターユニットを用い、0.02%のアジ化ナトリウムを含む100mlのPBSで3回洗浄し
た。ゲルは6.0倍量の200mMトリエタノールアミン、pH8.2(TEA、シグマ(Sigma)
、セントルイス(St.Louis)、ミズリー州(MO))で洗浄され、次に900mgの抗体
を含む等量のEE抗体液が加えられた。4℃にて一晩インキュベーションした後、
未結合抗体は樹脂を5倍量の上記の200mM TEAで洗浄することで除かれた。
【0367】 樹脂は2倍量のTEAに懸濁され、好適容器に移され、そしてTEAに溶解されたジ
メチルピミリミデート-2HCl(ピアス(Pierce)、ロックフォード(Rockford)
、イリノイ州(IL))がプロテインG-セファロースゲルの最終濃度が36mg/mlにな
るよう加えられた。ゲルは室温にて45分間振盪され、液体は上記フィルターユニ
ットを用い除かれた。次にゲルの非特異的部位は、10分間、室温にて5倍量の20
mMメタノールアミンの200mM TEA液と共にインキュベーションすることでブロッ
クされた。次にゲルは0.02%のアジ化ナトリウムを含む5倍量のPBSで洗浄され、
この溶液中に4℃にて保存された。
【0368】 実施例10タグ無しZCYTO18組換え体アデノウイルスの作製 ヒトZCYTO18(配列番号1;配列番号2)の蛋白質コーディング域は、FseIおよ
びAscI制限部位をそれぞれ5’および3’末端に加えたプライマーを用いたPCRに
より増幅された。PCRプライマーZC26665(配列番号20)およびZC26666(配列番
号21)はは以下のPCR反応に於いて完全長ZCYTO18cDNAを含むpINCY鋳型プラスミ
ドと共に用いられた:95℃5分間1サイクル、95℃0.5分間、58℃0.5分間および
72℃0.5分間を18サイクル;続いて72℃7分間;続いて4℃に浸漬。PCR反応産物
はTAEバッファー中、1.2%(低融解型)SeaPlaqueGTG(FMC、ロックランド(Rockl
and)、マイン州(ME))ゲルにかけられた。ZCYTO18PCR産物はゲルから切り出され
、ゲルスライスは70μ℃で融解され、等量のTris緩衝化フェノールで2回洗浄さ
れた後、EtOHで沈殿された。
【0369】 540bpのZCYTO18PCR産物はFseIおよびAscI酵素で消化された。cDNAは1%低融点S
eaPlaqueGTGTM(FMC、ロックランド(Rockland)、マイン州(ME))ゲル上に単離さ
れ、次にゲルより切り出され、ゲルスライスを70℃て融解してから等量のTris緩
衝化フェノールで2回抽出され、そしてEtOH沈殿された。DNAは10μlのH2Oに懸
濁された。
【0370】 ZCYTO18cDNAは改良型pAdTrac CMV(He, T-Cら、PNAS 95:2509-2514, 1998)のF
seI-AscI部位内にクローニングされた。この構築体はGFPマーカー遺伝子を含ん
でいる。GFP発現を駆動するCMPプロモーターは、SV40プロモーターに置き換えら
れ、そしてSV40ポリアデニレーションシグナルはヒト成長ホルモンポリアデニレ
ーションシグナルに置き換えられた。さらに、未変性ポリリンカーはFseI、EcoR
VおよびAscI部位に置き換えられた。この改良型pAdTrack CMVはpZyTrackと命
名された。連結反応はファーストリンク(Fast-Link)TMDNAライゲーション・ス
クリーニングキット(エピセントレテクノロジーズ(Epicentre Technologies)
、マジソン(Madison)、ウイスコンシン(WI))を用い行われた。
【0371】 ZCYTO18インサートを含むクローンは、標準のミニプレップ分析により同定さ
れた。クローン化されたZCYTO18のcDNAを配列分析し、PCR中に誤りが持ち込まれ
なかったこがを実証された。プラスミドを直線化するために、約5μgのpZyTra
ck ZCYTO18プラスミドをPmeIにて消化した。約1μgの直線化プラスミドを200ng
の超螺旋pAdEasy(Heら、上記)と共にBJ5183細胞内に形質転換した。この共形
質転換はバイオラッド(Bio-Rad)ジーンパルサー(Gene Pulser)を使用し、2.5
kV、200オーム、25mFaにて実施した。
【0372】 全ての共形質転換体を25μg/mlのカナマイシンを含む4枚のLBプレートに接種
した。最小コロニーを取り上げ、LB/カナマイシン中に拡大し、標準的ミニプレ
ップ法により組み換えアデノウイルスDNAを同定した。組換え体アデノウイルスD
NAをFseI-AscIにて消化し、ZCYTO18の存在を確認した。組換え体アデノウイルス
ミニプレップDNAは、DH10Bコンペテント細胞内に形質転換され、キット指示書通
りにキアゲンマキシプレップキットを使用してDNAを調製した。
【0373】組換え体DNAによる293a細胞のトランスフェクション 約5μgの組換え体アデノウイルスDNAを、20-30UのPacI(ニューイングランド
バイオラブス(New England Biolabs)を含む100μlの反応溶液中にて3時間、3
7℃でPacI酵素消化した。消化されたDNAは2回等量のフェノール/クロロフォル
ムで抽出され、エタノールで沈殿された。DNAのペレットは5μlの蒸留水に懸濁
された。その前日に接種し60-70%集密度まで増殖させたQBI-293A細胞のT25フラ
スコ(クオンタムバイオテクノロジーズ社(Quantum Biotechnologies, Inc.)
、モントリオール(Montreal)、カナダ(Canada))に、PacI消化DNAをトラン
スフェクションした。
【0374】 PacI-消化DNAは滅菌HBS(150mMのNaCl、20mMのHEPES)により総容積50μlまで
希釈された。別のチューブに25μlのDOTAP(ベーリンガーマンハイム(Boehring
er Mannheim)、1mg/ml)を総容積100μlになるようHBSで希釈した。DNAをDOTAP
に加え、ピペットを上下してゆっくり混合した後室温に15分間放置した。培地を
293A細胞から除き、1mMのピル敏酸ナトリウム(ギブコ(Gibco)BRL)、0.1mM MEM
非必須アミノ酸(ギブコ(Gibco)BRL)および25mM HEPESバッファー(ギブコ(Gib
co)BRL)を含む5mlの無血清MEMalpha(ギブコ(Gibco)BRL)で洗浄した。
【0375】 5mlの無血清MEMを293A細胞に加え、37℃に維持した。DNA/脂質混合体を293A細
胞のT25フラスコに滴下し加え、ゆっくり混合して37℃で4時間インキュベーシ
ョンした。4時間後DNA/脂質混合体を含む培地を吸引して除き、5%の胎児ウシ血
清を含む5mlの完全MEMと置き換えた。トランスフェクト細胞を緑色蛍光蛋白質(
GFP)の発現および細胞増殖巣、即ちウイルスプラークの形成についてモニター
した。
【0376】 組換え体アデノウイルスDNAによる293A細胞トランスフェクション後7日目に
、細胞はGFP蛋白質を発現し、細胞増殖巣の形成を開始した。これら細胞増殖巣
はウイルス性“プラーク”であり、293A細胞を全て集めるために細胞スクレーパ
ーを使って粗なウイルス溶解体を集めた。溶解体は50mlのコニカルチューブに移
された。細胞から大部分のウイルス粒子を放出させるために、ドライアイス/エ
タノール槽および37℃の水槽中で凍結/融解サイクルを3回繰り返した。
【0377】組換え体アデノウイルス(rAdV)の増幅 粗溶解体を増幅し(1次(1°)増幅)を行いzsig45rAdV溶解体の作業用“ス
トック”を得た。20時間前にほぼ集密化(80-90%)した293細胞の10cmのプレー
ト10枚を準備し、200mlの粗rAdV溶解体を各10cmプレートに加え、48時間から72
時間白色光下に顕微鏡を用いてCPEを、そして蛍光顕微鏡を用いGFPを調べた。全
ての293A細胞がCPE(細胞変性効果)を示した時点で、この1°ストック溶解体
を集め、粗rAdV溶解体の項で記した様に凍結/融解サイクルにかけた。
【0378】 Zsig46rAdVの二次(2°)増幅は次の様に行った:12枚の293A細胞の15cm組織
培養皿を、細胞集密度が80-90%になるよう準備した。20mlの5%MEM培地を除いた
全てを取り除いてから、各皿を300-500mlの1°増幅rAdv溶解体と一緒にインキ
ュベーションした。48時間後、293A細胞をウイルス産生物を溶解し取り出し、こ
の溶解体を250mlのポリプロピレン製遠心ボトルに集め、rAdVを精製した。
【0379】rAdV/cDNA精製 NP-40界面活性剤を最終濃度0.5%まで粗溶解体のボトルに加え、全ての細胞を
溶解した。ボトルを10分間回転するプラットフォーム上に置き、ボトルからこぼ
れない様にして可能な限り素早く攪拌した。分解物を20,000×G、15分間遠心分
離して沈殿させた。上清を250mlのポリカーボネート製遠心ボトルに移し、0.5容
積量の20%PEG8000/2.5M NaCl溶液を加えた。ボトルを一晩氷上で振盪した。ボト
ルを20,000×Gにて15分間遠心分離し、上清を漂白液内に捨てた。ボトルのスピ
ンマーク側の壁に沿った2本の垂直線白色の中にある沈殿が、ウイルス/PEG沈殿
である。無菌の細胞スクレーパーを用い、2本のボトルの沈殿を2.5mlのPBSに懸
濁した。
【0380】 ウイルス液を2mlの微量遠心チューブに入れ、微量遠心器を用い14,000×Gで10
分間遠心分離し、追加の細胞分解物を除いた。2mlの微量遠心チューブの上清を1
5mlのポリプロピレン製スナップキャップ付きチューブに移し、塩化セシウム(Cs
Cl)を使って比重を1.34g/mlに調整した。ウイルス液の容積を算定し、0.55g/ml
のCsClを加えた。CsClは溶解され、得られた液体1mlの重量は1.34gであった。こ
の溶液をポリカーボネート製肉厚壁遠心チューブ3.2ml(ベックマン(Beckman)
#362305)に移し、TLA-4100.4ローターを装備したベックマンオプティマ(Beckm
an Optima)TLX微量遠心分離装置にて、80,000rpm(348,00×G)25℃、3-4時間
遠心分離した。
【0381】 勾配より得たウイルスは大量のCsClを有しており、このCsClはウイルスを細胞
に使用する前に除かねばならない。セファデックスG-25M充填済みのファルマシ
ア(Pharmacia)PD-10カラムを用い、ウイルス標本を脱塩した。このカラムは20
mlのPBSにより平衡化された。ウイルスが加えられ、カラム内を通過させた。5ml
のPBSをカラムに加え、8-10滴の分画を集めた。各分画の1:50希釈液の光学密度
を分光光度計を用い260nmで測定した。明瞭な吸光度のピークが7-12分画に存在
した。これら分画をプールし、1:25希釈体の光学密度(OD)を測定した。次式を
用いODをウイルス濃度に変換した:(260nmのOD)(25)(1.1×1012)=ウイルス粒
子/ml。ZCYTO18rAdVの1:25希釈体のODは0.134であり、ウイルス濃度は3.7×101 2 ウイルス粒子/mlであった。
【0382】 ウイルスを保存するため、精製ウイルスに最終濃度15%のグリセロールを加え
、ゆっくりかつ効果的に混合し、小分けして-80℃に保存した。
【0383】組織培養感染用量50%CPE(TCID50)に於けるウイルス力価アッセイ クオンタムバイオテクノロジーズ社(Quantum Biotechnologies, Inc.)(モ
ントリオール(Montreal)、カナダ(Canada))によって開発されたプロトコー
ルに従い組換え体ウイルスの感染性を測定した。簡単に述べると、アッセイ対象
となる組換え体それぞれについて、2%の胎児ウシ血清を含むMEMの入った96ウエ
ル組織培養プレートに1×104293A細胞/ウエルの割合で293A細胞を接種した。24
時間後、各ウイルスの1×10-2ないし1×10-14の10倍希釈体を、2%胎児ウシ血清
を含むMEM中に作成した。各希釈体100μlを20個のウエルそれぞれに加えた。37
℃、5時間後、細胞を細胞変性作用(CPE)について陽性あるいは陰性判定し、“
プラーク形成単位/ml”(PFU)の値を計算する。
【0384】 使用したTCID50式は上記クオンタムバイオテクノロジーズ社(Quantum Biotec
hnologies, Inc.)に拠った。力価(T)は使用ウイルスを10-2ないし10-14に希釈
したプレートより決定され、感染8日後に読みとる。各希釈率について、ウエル
総数当たりのCPEについて陽性ウエルの割合が決定される。
【0385】 未希釈ウイルスサンプルの力価を計算するには:係数、“F”=1+d(S-0.5)であ
り:式中“S”は比(R)の合計であり;そして“d”は希釈系列のLog10であり、
例えば10倍希釈系列では“d”は1である。未希釈サンプルの力価はT=10(1+F)=T
CID50/mlである。TCID50/mlをpfu/mlに変換するには、力価(T)計算のべき指数か
ら0.7を引く。ZCYTO18アデノウイルスの力価は2.8×1011pfu/mlであった。
【0386】 実施例11ZCYTO18ポリペプチドのインビボ作用 マウス(メス、C57B1、8週齢:チャールスリバーラブス(Charles River Labs
)、キングソトン(Kingston)、ニューヨーク州(NY))を3群に分けた。0日目
、親またはZCYTO18アデノウイルス(実施例10)を、第1群(n=8)および第2群(n
=8)それぞれ尾静脈から投与し、ウサギはそれぞれ〜0.1ml容積中に〜1×1011
の粒子投与量を受け取った。第3群(n=8)は無処置であった。12日目にマウスの
体重測定と採血を行った。サンプルは全血球計算(CBC)と血清化学について分析
された。
【0387】 親アデノウイルス処置群に比べZCYTO18アデノウイルス投与群より得た血液サ
ンプルでは、好中球および血小板数の統計有意な増加が検知された。同様に12日
目のリンパ球数は、親アデノウイルス処置群に比べZCYTO18アデノウイルス投与
群では有意に減少し、そして値は21日目には正常レベルまで跳ね上がった。さら
にZCYTO18アデノウイルス処置マウスは体重が減少していたが、親アデノウイル
ス処置マウスでは体重は増加していた。血小板および好中球の増加、ならびに体
重減少はコントロール群に比べても有意であった。肝臓化学試験からは、グロブ
リンレベルの上昇とアルブミン濃度の減少が示されたが、これはIFN-αにより誘
導された炎症反応の観察結果に一致した。
【0388】 結果は、ZCYTO18が造血、即ち血液細胞のインビボ形成に影響することを示唆
した。ZCYTO18自体が、様々な血液前駆細胞、始原細胞または幹細胞に影響し、
結果として特定系列にある特定分化血液細胞を増加または減少させる生物学的活
性を有しているのだろう。例えばZCYTO18はリンパ球を減少させると考えられて
いるが、これはリンパ細胞になることが約束された始原細胞の阻害によるものだ
ろう。この見解はZCYTO18の骨髄幹細胞の増殖および/または成長に及ぼす阻害
作用(実施例23)に一致しており、ZCYTO18が貧血、感染、炎症および/または
免疫疾患に於いて、これら工程に関係する血液細胞に影響することで何らかの役
割を果たしているという考えを支持している。
【0389】 抗体または可溶性受容体拮抗体の様なZCYTO18に対す拮抗体は、これら疾患の
治療薬として利用できるだろう。またZCYTO18が直接末梢血液中または肝臓の様
なその他血管組織中の血小板の放出および生存に影響する可能性もある。即ち、
造血ループ(幹細胞の分化、増殖)を介して作用することに加え、zcyto18は末
梢血または幾つかの標的組織および臓器中の血小板および好中球の放出、安定化
、または消耗に直接影響するかもしれない。ZCYTO18はまた末梢血中の顆粒球数
にも影響する。骨髄外造血部位(例えば肝臓)もまたZCYTO18作用の標的である
【0390】 さらにマウスにZCYTO18アデノウイルスを用いたこれら実験は、ZCYTO18が過剰
発現すると好中球および血小板のインビボのレベルが増加することを示唆してい
る。好中球および血小板の増加はここに論ずる特定の治療応用には望ましいが、
これら細胞の慢性的増加または活性の上昇は心臓結果病にある役割を果たすだろ
う。抗体またはその可溶性受容体といったZCYTO18に対する拮抗体はこれら疾患
の治療薬として利用できるだろう。
【0391】 K562細胞に見られた見解(実施例12)と矛盾する様に思えるが、インビトロと
インビボである蛋白質の活性が異なることは良く観察される。この場合、全動物
系でのZCYTO18への反応に関与するその他要素(サイトカインおよび修飾遺伝子
といった)が存在すことが考えられる。しかし、これらデータは造血へのZCYTO1
8の関与を強く示唆している。即ち、ZCYTO18およびその受容体は炎症、免疫障害
、感染、貧血、血液癌およびその他癌等といった様々な障害の診断および治療の
好適治療薬/標的である。
【0392】 実施例12ZCYTO18は細胞障害性アッセイに於いてK-562細胞の成長を阻害 する K-562細胞(CRL-243、ATCC)は細胞障害性アッセイに好適な、極めて高感度の
インビトロ標的として広く受け入れられている。K-562芽細胞は多分化能の造血
性悪性細胞であり、赤血球、顆粒球および単球系の認識可能な前駆細胞に偶発的
に分化する(Lozzio, BBら、Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 166:546-550, 1981)
。K562細胞は96ウエル型組織培養クラスター(コースター(Costar))中、ピル
ビン酸塩および10%血清(ハイクローン(HyClone))が添加されたDMEM無フェノ
ール増殖培地(ライフテクノロジーズ(Life Technologies))に5,000細胞/ウ
エルの割合に接種された。翌日ヒト組換え体ZCYTO18(実施例19)、BSAコントロ
ールまたはレチノイン酸(K562細胞に対し細胞障害性であることが知られている
)が加えられた。
【0393】 72時間後、ミトコンドリア活性および細胞増殖のインジケーターとして広く用
いられている生体染色剤MTT(シグマ(Sigma)、セントルイス(St Louis)、ミズ
リー州(MO))を細胞に最終濃度0.5mg/mlになるよう加えた。MTTはミトコンドリ
ア脱水酵素により紫色のフォルマザン誘導体に転換される。4時間後、等量の酸
性イソプロパノール(0.04N HClの無水イソロパノール液)をウエルに加え、変
換されたMTTを可溶化した。570nmの吸光を測定し、650nmのバックグランドを差
し引いた。この実験条件では、吸光は細胞の生存率を反映している。第7表に示
す結果は%細胞障害性で表されている。
【0394】
【表7】
【0395】 この結果はZCYTO18が骨髄幹細胞に影響するらしいことを示している。骨髄幹
細胞は共通血液幹細胞の嬢細胞である。それらは赤血球、単球(または移動する
マクロファージ)、好中球、好塩基球、好酸球の前駆細胞である。K-562芽細胞
は赤血球、顆粒球および単球系列に分化することから、それらは骨髄幹細胞のモ
デルと考えられている。即ち結果はZCYTO18が前骨髄球腫瘍細胞株の増殖および
/または成長に対し阻害活性を持つことを示している。
【0396】 即ちZCYTO18は貧血、感染症、炎症、および/または免疫疾患に何らかの役割
を果たしているだろう。さらに抗体または可溶性受容体拮抗体の様なZCYTO18に
対する拮抗体は骨髄幹細胞に対するZCYTO18の活性遮断に、または貧血、感染、
炎症および/または免疫疾患といった疾患の治療薬として利用できるだろう。し
かしZCYTO18は腫瘍細胞に対し細胞障害性を示すことから、それは直接または抗
ガン剤としての他サイトカインと組み合わせ抗ガン剤として利用できる。
【0397】 実施例13ノーザンブロットおよびPCRを用いた組織パネル中のヒトzcytor1 6組織分布 A.ノーザンブロットおよびドットブロットを用いたヒトzcytor16組織分布 一般に認められているヒトzcytor16(配列番号32および配列番号33)(PCT国際
出願番号[#####])はZCYTO18の天然に発現された可溶性受容体拮抗体である。ノ
ーザンブロット分析は、ヒトマルチプル組織ノーザンブロット(Human Multiple
Tissue Northern Blots)I、II、III(クローンテック(Clontech))および自
家製U-937ノーザンブロットを用い実施された。U-937はヒト前単球芽細胞株であ
る。cDNAプローブはオリゴZC25,963(配列番号24)およびZC28,354(配列番号25
)を用い作製された。
【0398】 PCR条件は次の通りである:94℃1分間;94℃15秒間;60℃30秒間、72℃30秒
間を30サイクルおよび72℃5分間の最終伸長。364bp産物は、1%TBEゲル上にてゲ
ル電気泳動されゲル精製され、バンドをカミソリで切り出された。cDNAはQIAqui
ckゲル抽出キット(キアゲン(Qiagen))を用いアガロースから抽出された。この
断片94ngをランダムプライム標識システムであるRediprime II(アマシャム(Am
ersham))をメーカー指示に従い用い、32P-dCTPにより放射線標識した。未取り
込み放射活性は、Nuc-Trapカラム(ストラタジーン(Stratagene))をメーカー
指示書に従い用い取り除かれた。
【0399】 ブロットはExpressHyb(クローンテック(Clontech)中、65°にて3時間前ハイ
ブリダイゼーションされた。ブロットは1.0×106cpnn/mlの標識プローブ、0.1mg
/mlのサケ精子DNAおよび0.5μg/mlのヒトcot-1DNAを含むExpressHyb液中、65°
にて一晩ハイブリダイゼーションされた。ブロットは数回溶液を変えながら、室
温にて2×SSC、0.1%SDS中に洗浄され、その後0.1×SSC、0.1%SDSにて55°、30分
間2回洗浄された。約1.6kbおよび3.0kbの転写体が脾臓及び胎盤に検出されたが
、調べたその他組織には検知されなかった。U-937細胞株では同一サイズの転写
体に加え、約1.2kbの転写体も検出された。
【0400】B.PCRを用いた組織cDNAパネルでの組織分布 ヒト組織由来のcDNAのパネルを、PCRを用いてzcytor16発現についてスクリー
ニングした。パネルは自家調製されたものであり、下の第8表に示されている類
のマラソンcDNAと、各種正常および癌ヒト組織ならびに細胞株に由来する94種cD
NAサンプルを含んだ。cDNAは自家製ライブラリー、または自家製RNA標本、クロ
ーンテック(Clontech)RNAまたはインビトロゲン(Invitrogen)RNA由来のマラソ
ンcDNAである。マラソンcDNAはmarathon-ReadyTMキット(クローンテック(Clo
netech)、パロアルト(Palo Alto)、カリフォルニア州(CA))を用い作製され、
クラスリンプライマーZC21195(配列番号26)およびZC21196(配列番号27)を用
いQC試験された後、カルセリンバンドの強度に基づき希釈された。
【0401】 パネルサンプルの品質を確かめるために、3種類の品質管理(QC)試験を行っ
た;即ち(1)ライブラリーに使用されたRNAの品質を確認するために、個々のcDN
Aライブラリーのベクター配列に特異的であるベクターオリゴを使ったPCRにより
平均挿入体のサイズについて自家製cDNAを試験した;(2)パネルサンプル中のcD
NA濃度は、5’ベクターオリゴZC14,063(配列番号28)と3’アルファチューブリ
ン特異的オリゴプライマーZC17.574(配列番号29)または3’G3PDG特異的オリゴ
プライマーZC17,600(配列番号30)を使った標準的PCR法を用い完全長のアルフ
ァチューブリンまたはG3PDHcDNAを増幅することで標準化した;そして(3)サン
プルを配列分析にかけ、考え得るリボソームまたはミトコンドリアDNAの混入に
ついてチェックした。
【0402】 パネルはヒトゲノムDNA(クローンテック(Clontech)、パロアルト(Palo Alt
o)、カリフォルニア州(CA))陽性コントロールサンプルを含んだ96ウエル型に
準備された。各ウエルは約0.2-100pg/μlのcDNAを含んだ。PCR反応は、オリゴZC
25,963(配列番号24)とZC27,659(配列番号25)、Advantage 2 DNAポリメラー
ゼミックス(クローンテック(Clontech))およびRediload色素(リサーチジェ
ネティクス(Research Genetics, Inc)、ハンツビル(Huntsville)、アラバマ州
(AL))を用い準備された。
【0403】 増幅は次の様に行われた:94℃1分間;94℃20秒間、58℃30秒間、72°1分間
を30サイクル、続いて5分間、72°を1サイクル。PCR反応産物約10μlを2%アガ
ロースゲルを用いた標準的アガロースゲル電気泳動にかけた。いずれの組織また
は細胞株にも、推定DNA断片サイズそのものは観察されなかった。その後行ったz
cytor16発現を示す実験からは、このパネルの結果が陰性であったことは、使用
したプライマーが原因であるらしいことが示めされた。
【0404】
【表8】
【0405】
【表9】
【0406】 ヒト組織由来の別のcDNAパネルを、PCRを用いzcytor16発現についてスクリー
ニングした。このパネルは自家製であり、下の第9表に示す77種類のマラソンcD
NAおよび各種正常ならび癌性のヒト組織、そして細胞株由来のcDNAサンプルを含
んだ。PCR反応以外アッセイは上記と同じに実施された。PCR反応はオリゴZC25,9
63(配列番号24)およびZC25,964(配列番号31)、Advantage 2 DNAポリメラー
ゼミックス(クローンテック(Clontech))およびRediload色素(リサーチジェ
ネティクス社(Reseach Genetics, Inc.)、ハンツビル(Huntsville)、アラバマ
州(AL))を用い準備された。
【0407】 増幅は以下の様に実施された:94℃1分間を1サイクル、94℃10秒、60℃30秒お
よび72℃30秒を38サイクル;続いて72℃5分間1を1サイクル。正確な予想DNA断
片サイズは骨髄、胎児心臓、胎児腎臓、胎児筋肉、胎児皮膚、心臓、乳腺、胎盤
、唾液腺、平滑筋、小腸、脊髄、脾臓、腎臓、胎児脳、食道腫瘍、子宮腫瘍、胃
腫瘍、卵巣腫瘍、直腸腫瘍、肺腫瘍およびRPMI-1788(B-リンパ細胞株)に観察
された。試験されたパネル中のその他組織および細胞株について、zcytor16発現
は観察されなかった。
【0408】 zcytor16の発現パターンは特定の組織特異的腫瘍、例えば卵巣癌、胃癌、子宮
癌、直腸癌、肺癌および食道癌での発現を示しているが、この場合zcytor16は正
常組織では発現していないが腫瘍組織では発現している。当業者は本発明の天然
リガンド、CYTO18およびZCYTO18の受容体結合断片が生検、組織または組織サン
プル中の癌または癌組織、例えば卵巣癌、胃癌、子宮癌、直腸癌、肺癌および食
道癌組織の検出用診断薬として利用できることを認識するだろう。この様な本発
明の分子に関する診断への利用は当分野既知であり、ここに記載されている。
【0409】 さらにZCYTO18の受容体の一つであるzcytor16の発現パターンが特定の即位組
織および組織特異的腫瘍で発現を示すことから、天然リガンドであるZCYTO18を
含む結合パートナーは、生検、組織または組織サンプル中のZCYTO18受容体が発
現している特異組織(正常または異常)、癌または癌組織、例えば卵巣癌、胃癌
、子宮癌、直腸癌、肺癌および食道癌組織を検出するための診断薬としても利用
できる。
【0410】 IZCYTO18はさらにその受容体、例えばzcytor16およびzcytor11(一般的に米国
特許第5,965、704号に記載)が発現している、その他組織を標的化するのにも使
用できる。さらにこの様な結合パートナーに化学療法剤、毒性成分等を結合し、
腫瘍または疾患組織部位を狙った治療を行うことができる。この様な診断薬およ
び標的治療への利用は当分野既知であり、ここに記載されている。
【0411】 市販の1本鎖cDNAパネル(ヒト血液分画MTCパネル(Human Blood Fractions
MTC Panel)、クローンテック(Clontech)、パロアルト(Palo Alto)、カリフォル
ニア州(CA))も上記同様にアッセイされた。パネルには次のサンプルが含まれて
いた:単球、活性化単球、休止CD4+細胞、活性化CD4+細胞、休止CD8+細胞、活性
化CD8+細胞、休止CD14+細胞、休止CD19+細胞および活性化CD19+細胞。活性化CD4
+細胞および活性化CD19+細胞はzcytor16の発現を示したが、試験したその他の細
胞は休止CD4+細胞および休止CD19+細胞を含め上記抗原の発現を示さなかった。
【0412】
【表10】
【0413】
【表11】
【0414】C. RT-PCRを用いたヒト組織および細胞株RNAパネルでの組織分布 ヒト細胞株由来のRNAのパネルを、RT-PCRを利用しzcytor16発現についてスク
リーニングした。パネルは自家製であり、下の第10表〜第13表に示す各種正常お
よび癌性ヒト組織および細胞株に由来する84種類のRNAを含んだ。RNAは、自家製
または購入した組織および細胞株より、RNAeasyMidiまたはMiniキット(キアゲ
ン(Qiagen)、バレンシア(Valencia)、カリフォルニア州(CA))を使って得た。パ
ネルはサンプル当たり100ngのRNAを使い96ウエル形式に準備された。RT-PCR反応
は、オリゴZC25,963(配列番号24)およびZC25,964(配列番号31)、Rediload色
素およびSUPERSCRIPTワンステップRT-PCRシステム(ライフテクノロジーズ(Lif
e Technologies), ガイザースブルグ(Gaithersburg)、メリーランド州(MD)
)を用い準備された。
【0415】 増幅は次の様に実施された:55℃30分間1サイクル後に、94°15秒間、59°30
秒間、72°30秒間を40サイクル、続いて72°5分間の最終伸長で終了した。PCR反
応産物8ないし10μlを、4%アガロースゲルを利用した標準的なアガロースゲル電
気泳動にかけた。184bpsの予想通りのcDNA断片サイズが細胞株U-937、HL-60、AR
PE-19、HaCat#1、HaCat#2、HaCat#3およびHaCat#4;膀胱、乳ガン、癌近傍の正
常乳房、気管、結腸、潰瘍性大腸炎を起こした結腸、十二指腸、子宮内膜、食道
、胃-食道、心臓左心室、心室、回腸、腎臓、肺、リンパ節、リンパ腫、乳腺腫
、乳腺、卵巣癌、膵臓、耳下腺および皮膚、膵臓リンパ腫および小腸に観察され
た。このパネルの中にある試験された他組織および細胞株についてzcytor16の発
現は観察されなかった。
【0416】 Zcytor16は例えば食道、胃-食道、膵臓、十二指腸、回腸、結腸、小腸の様な
消化系;例えば乳腺、子宮内膜、乳房(癌組織近傍の)といった女性生殖器、お
よびリンパ節、皮膚、耳下腺、膀胱、気管、心室や腎臓といった正常組織中に、
PCRにより検出できる程度に発現されている。さらにZcytor16は、例えば乳腺腫
、卵巣癌、子宮癌、その他乳癌の様な女性生殖器に関係した腫瘍、そしてリンパ
腫、胃腫瘍および肺腫瘍の様なその他組織に関係する腫瘍といった複数のヒト腫
瘍に於いて、PCRにより検知できる程度発現されている。
【0417】 Zcytor16の発現は女性生殖臓器の正常組織、およびこれら臓器に関係した幾つ
かの腫瘍に見いだされる。この様にZCYTO18またはその受容体結合断片の様なzcy
tor16のリガンドは、zcytor16が過剰発現していると思われるこれら腫瘍に関す
るマーカーとして利用できる。zcytor16陽性の複数の癌は、内皮/上皮起源(乳
腺およびその他乳ガン)に関係している。従ってZCYTO18またはその受容体結合
断片の様なzcytor16のリガンドは消化系や女性生殖臓器の上皮組織(例えば内膜
組織、円柱上皮)ならびに上皮組織を含む癌の様な、上皮組織のマーカーとして
利用できる。
【0418】 さらに好適実施態様では、ZCYTO18またはその受容体結合断片は特定の組織特
異的腫瘍、特に正常組織ではzcytor16が発現されていないが腫瘍組織では発現さ
れている、例えば卵巣癌、胃癌、子宮癌、直腸癌、肺癌および食道癌の様な腫瘍
のマーカーとして利用できる。診断目的での本発明のポリヌクレオチド、ポリペ
プチドおよび抗体の使用は当分野既知であり、ここに記載されている。
【0419】
【表12】
【0420】
【表13】
【0421】
【表14】
【0422】
【表15】
【0423】
【表16】
【0424】 実施例14ノーザンブロットおよびPCRを用いた組織パネル中のヒトzcytor1 1組織分布 A.PCRを用いた組織パネル中のヒトzcytor11組織分布 ヒト組織由来のcDNAのパネルについて、PCRを用いzcytor16発現のスクリーニ
ングを行った。一般に認められるヒトzcyotr11(配列番号18、および配列番号19
)(米国特許第5,965、704号)はZCYTO18の受容体である。パネルは自家調製さ
れたものであり、上表9に示されているマラソンcDNAおよび各種正常ならび癌ヒ
ト組織そして細胞株に由来する94種類のcDNAサンプルを含んだ。使用した方法は
、PCR反応以外は実施例13に示した通りである。
【0425】 PCR反応は、オリゴZC14,666(配列番号22)とZC14,742(配列番号23)、Advan
tage 2 cDNAポリメラーゼミックス(クローンテック(Clontech))およびRedil
oad色素(リサーチジェネティクス(Research Genetics, Inc)、ハンツビル(H
untsville)、アラバマ州(AL))を用い準備された。増幅は次の様に行われた:9
4℃2分間1サイクル;94℃15秒間、51℃30秒間、72°30秒間を40サイクル、続い
て72℃7分間1サイクル。
【0426】 妥当な、予想通りのDNA断片サイズは膀胱、脳、子宮頸部、結腸、胎児脳、胎
児心臓、胎児腎臓、胎児肝臓、胎児肺、胎児皮膚、心臓、腎臓、肝臓、肺、メラ
ノーマ、卵巣、膵臓、胎盤、前立腺、直腸、唾液腺、小腸、精巣、胸腺、気管、
脊髄、甲状腺、肺腫瘍、卵巣腫瘍、直腸腫瘍および胃腫瘍に観察された。パネル
の中の試験された他の組織および細胞株についてZcytor11発現は観察されなかっ
た。
【0427】 市販の1本鎖cDNAパネル(ヒト血液分画MTCパネル(Human Blood Fractions M
TC Panel)、クローンテック(Clontec)、パロアルト(Palo Alto)、カリフォルニ
ア州(CA))についても上記同様にアッセイした。パネルは次のサンプルを含んだ
:単球、活性化単球、休止CD4+細胞、活性化CD4+細胞、休止CD8+細胞、活性化8+
細胞、休止CD14+細胞、休止CD19+細胞および活性化CD19+細胞。活性化CD8+細胞
および活性化CD19+細胞を除き、全てのサンプルがzcytor11の発現を示した。
【0428】B. RT-PCRを用いたヒト組織および細胞株RNAパネルに於けるZcytor11の組織分
ヒト細胞株由来のRNAのパネルを、RT-PCRを利用しzcytor11発現についてスク
リーニングした。パネルは自家製であり、表10-13に示す各種正常および癌性ヒ
ト組織および細胞株に由来する84種類のRNAを含んだ。RNAは、自家製または購入
した組織および細胞株より、RNAeasyMidiまたはMiniキット(キアゲン(Qiagen)
、バレンシア(Valencia)、カリフォルニア州(CA))を使い得た。パネルはサンプ
ル当たり100ngのRNAを使い、96ウエル形式に準備された。
【0429】 RT-PCR反応は、オリゴZC14,666(配列番号22)およびZC14,742(配列番号23)
、Rediload色素およびSUPERSCRIPTワンステップRT-PCRシステム(ライフテクノ
ロジーズ(Life Technologies), ガイザースブルグ(Gaithersburg)、メリー
ランド州(MD))を用い準備された。増幅は以下の如く実施された:50℃30分間
1サイクル後に、94°15秒間、52°30秒間、72°30秒間を45サイクル;続いて72
°7分間の最終伸長を行い終了した。8ないし10ulのPCR反応産物を、4%アガロー
スゲルを利用した標準的なアガロースゲル電気泳動にかけた。
【0430】 妥当な、予想通りのcDNA断片サイズが副腎、膀胱、乳房、気管、正常結腸、結
腸癌、十二指腸、子宮内膜、食道、胃癌、胃-食道癌、心室、回腸、正常腎臓、
腎臓癌、肝臓、肺、リンパ節、膵臓、耳下腺、皮膚、小腸、胃、甲状腺および子
宮で観察された、zcytor11の発現を示した細胞株はA-431、分化型CaCO2、DLD-1
、HBL-100、HCT-15、HepG2、HepG2+IL6、HuH7およびNHEK#1-4であった。このパ
ネルで試験されたその他の組織および細胞株についてzcytor11発現は観察されな
かった。
【0431】 さらにZCYTO18の受容体の一つであるzcytor11の発現パターンが特定の組織特
異性を示すことから、天然リガンドであるZCYTO18を含む結合パートナーもまた
、特異組織(正常または異常)、生検、組織または組織サンプル中、特にZCYTO1
8受容体が発現されているサンプル中の癌または癌組織を検出するための診断薬
として利用できる。ZCYTO18はまたその受容体、例えばzcytor16およびzcytor11
が発現されているその他組織を標的化するのにも利用できる。さらにこの様な結
合パートナーに化学療法剤、毒性分等を結合し、腫瘍または病気組織部位を狙っ
て治療することもできるだろう。この様な診断および標的治療への利用は当分野
既知であり、ここに記載されている。
【0432】 zcytor11(上記)およびzcytor16(実施例12および実施例15)の発現パターン
は、ZCYTO18の作用する、即ちZCYTO18拮抗体の標的組織および細胞を示している
。zcytor11は一般に次の3生理学的系に於いてzcytor16と重複し発現している:
即ち消化器系、女性生殖系、および免疫系である。さらに、受容体(zcytor11)
の発現パターンは、zcytor16の様なZCYTO18拮抗物質がヒトの病気の2分野、即
ち炎症(例えばIBD、クローン病、膵炎)および癌(例えば卵巣、結腸)の治療
に応用できることを示している。即ち、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチ
ドおよび抗体は、炎症およびZCYTO18とzcytor11受容体発現細胞との相互作用に
対し他サイトカインにより誘導された影響を拮抗するのに使用できる。
【0433】 さらにzcytor11の発現は、潰瘍性大腸炎組織、IL-6誘導されたHepG2肝臓細胞
株、活性化CD8+T細胞およびCD19+B細胞ではダウンレギュレーションされるか、
または無いと考えられている。しかしzcytor16は活性化CD19+B細胞(実施例12)
ではアップレギュレーションされているのに対し、zcytor11はzcytor19+細胞で
は休止CD19+細胞(上記)に比べダウンレギュレーションされていると思われる
。この例ではzcytor11およびzcyotr16の発現は逆関係にある。これらRT-PCR実験
は、CD19+末梢血細胞、Bリンパ細胞がZCYTO18の受容体、即ちzcytor11およびzcy
tor16を発現していることを示している。さらにB細胞は制御されたzcytor11およ
びzcytor16の発現を示す。
【0434】 有糸分裂促進剤で活性化されたBリンパ細胞ではzcytor11の発現は低下し、zcy
tor16の発現は増加する。これは典型的なフィードバック阻害であり、これがB細
胞おおび他細胞へのZCYTO18の活性を弱めているのだろう。可溶性zcytoR16はB細
胞に対するZCYTO18の効果を中和する拮抗物質として機能するだろう。これはB細
胞が重要な役割を果たしている病気、即ち全身性エリテマトーデス(SLE)、重症
筋無力症、免疫複合疾患を含む自己免疫疾患、およびZCYTO18により悪化するB細
胞癌の治療に有益であろう。同様にB細胞が病因となる自己免疫疾患、例えば多
発性硬化症、炎症性腸疾患(IBD)およびリューマチ関節炎もまたzcytor16治療の
対象となるだろう。
【0435】 zcytor16治療は、喘息、アレルギーおよびアトピー性皮膚炎を含むアトピー性
疾患に於けるB細胞のIgE産生を低下させるか、または阻害する上で有益でり、こ
れら病気ではIgE産生が病因となる。B細胞悪性腫瘍は上記“フィードバック阻害
”を消失しているだろう。zcytor16投与はZCYTO18シグナル発生の制御を回復し
、B細胞腫瘍の増殖を阻害するだろう。外科切除または化学療法後のzcytoR16投
与は、B細胞悪性腫瘍患者に於ける微細な残存病の治療に有益であろう。制御の
消失はzcytoR11の発現の維持または増加をもたらすだろう。その結果zcytoR11を
標的とする治療的モノクローナル抗体の標的が創り出される。
【0436】 実施例15インサイチューハイブリダイゼーションを用いたzcytor16発現細 胞の同定 特定ヒト組織を単離し、インサイチューハイブリダイゼーションを利用してzc
ytor16発現についてスクリーニングした。調整され切片作製され、インサイチュ
ーハイブリダイゼーションにかけられた各種ヒト組織には、軟骨、結腸、虫垂、
小腸、胎児肝臓、肺、リンパ節、リンパ腫、卵巣、膵臓、胎盤、前立腺、皮膚、
脾臓および胸腺が含まれる。組織は標準的技法により10%の緩衝化フォルマリン
で固定されてからパラフィン包埋された。組織は4ないし8ミクロンで切片にされ
た。組織は標準的方法(“Development of non-isotopic in situ hybridizatio
n”, The Laboratory of Experimental Pathology(LEP)内, NIEHS, Research Tr
iangle Park, NC;ウエブアドレス http://dir.niehs.nih.gov/dirlep/ish.html
)を用い準備された。
【0437】 簡単に述べると、組織切片はHistoClear(ナショナルダイアグノスティクス(N
ational Diagnostics)、アトランタ(Atlanta)、ジョージア州)を用い脱パラ
フィン処理され、続いてエタノールで脱水された。つぎにそれらはプロテネース
(Proteinase)K(50μg/ml)(ベーリンガーダイアグノスティクス(Boehringe
r Diagnostics)、インディアナポリス(Indianapolis)、インディアナ州(IN))
により、37℃、2ないし7分間消化された。この段階に続いて組織はアセチル化さ
れ、そして再水和処理された。
【0438】 インサイチュープローブの一つはヒトzcytor16配列(配列番号32のヌクレオチ
ド1-693)を対象にデザインされ、配列番号32を含むプラスミドより標準的方法
を用いて単離された。T3RNAポリメラーゼを用いアンチセンスプローブが作られ
た。プローブはインビトロ転写システム(In Vitro transcription System)(
プロメガ(Promega)、マジソン(Madison)、ウイスコンシン州(WI))をメーカー指
示書通りに使用し、ジゴキシゲニン(ベーリンガー(Boehringer))で標識された
。インサイチューハイブリダイゼーションはジゴキシゲニン標識zcytor16プロー
ブ(上記)を用い実施された。
【0439】 プローブはスライドに1ないし5pmol/mlの濃度で、12ないし16時間、62.5℃で
加えられた。続いてスライドは55℃で2×SSCと0.1×SSCで洗浄された。シグナル
はチラミドシグナル増幅(TSA)(TSA、インサイチューインダイレクトキット;
NEN)を使い増幅され、ベクターレッドサブストレートキット(Vector Red subs
trate kit)(ベクターラブ(Vector Lab))をメーカー指示書通りに使って視覚
化された。次にスライドはヘマトキシリン(ベクターラボラトリーズ(Vector L
aboratories)、バーリンガム(Burlingame)、カリフォルニア州(CA))で二重染色
された。
【0440】 試験した幾つかの組織でシグナルが観察された。リンパ節、プラズ細胞および
末梢組織中のその他単核細胞が強陽性であった。リンパ結節中の大部分の細胞は
陰性であった。リンパ腫サンプルでは、有糸分裂中の多核細胞で陽性シグナルが
観察された。脾臓では陽性シグナルは濾胞周辺部に散在する単核細胞に認められ
た。胸腺では陽性シグナルは皮質と髄質の両方の散在性単核細胞に認められた。
胎児肝臓では、強いシグナルが類洞空間中にある単核細胞の混合集団に観察され
た。肝細胞の亜集団も陽性と思われた。炎症を起こした虫垂では、バイエル板お
よび浸潤部位にある単核細胞が陽性であった。小腸では幾つかのプラズマ細胞と
神経節神経細胞が陽性であった。正常肺では、zcytor16は小葉上皮および間質組
織と血液中の単核細胞に発現していた。
【0441】 肺癌組織の場合は、大部分のプラズマ細胞およびリンパ系集合体周辺部にある
幾つかのその他単核細胞で強いシグナルが観察された。卵巣癌では、上皮細胞が
強陽性であった。単核細胞と思われる幾つかの間質細胞もまた陽性であった。正
常な卵巣にはシグナルは観察されなかった。正常膵臓および膵炎を起こした膵臓
のサンプルでは、いずれも隔膜内の腺房細胞と幾つかの単核細胞が陽性であった
。初期(8週)胎盤では、栄養芽細胞にシグナルが観察された。皮膚では、浅部
真皮内の炎症浸潤部にある幾つかの単核細胞が陽性であった。ケラチノ細胞も弱
陽性であった。前立腺癌では、間質組織内に散在する単核細胞が陽性であった。
【0442】 関節軟骨では、軟骨細胞が陽性であった。試験したその他組織については、正
常卵巣および結腸腺癌を含め陰性であった。 まとめると、インサイチューのデータはzcytor16に関する上記の発現データに
一致した。zcytor16の発現は主に単核細胞に観察され、上皮の一部亜集団もまた
陽性であった。これらの結果は、免疫細胞中に於けるzcytor16発現を確認し、そ
して炎症や自己免疫疾患または、例えば、これに限定されるものではないが、ZC
YTO18を含む前炎症性サイトカインが関係する他免疫機能での役割を指摘する。
さらにzcytor16の発現の検出は、例えば組織サンプル中の単核細胞のマーカーと
して用いることができる。
【0443】 zcytor16は正常組織(リンパ節、脾臓、胸腺、膵臓および胎児肝臓、肺)およ
異常組織(炎症を起こした虫垂、肺癌、卵巣癌、膵炎、炎症を起こした皮膚お
よび前立腺癌)を含む単核細胞に発現されている。リンパ節、小腸および肺癌中
のプラズマ細胞がzcytor16陽性であることは注目に値する。プラズマ細胞は抗体
合成を担当する免疫的に活性なリンパ細胞である。さらにZCYTO18は活性化T細胞
に発現されている。またzcytor16の発現は活性化された(休止状態ではない)CD
4+およびCD19+細胞にのみ検出される(実施例13)。従ってzcytor16は、単核白
血球の様な特定リンパ細胞、および活性化CD4+やCD19+の様な特定の活性化白血
球を単離する際のマーカーまたは標的として利用できる。
【0444】 さらに、活性化CD4+およびCD19+細胞の様な活性化免疫細胞でzcytor16が発現
されていることは、zcytor16が微生物や細胞破壊物の様な異物に対する体の防御
免疫反応に関係している可能性、および炎症および癌形成時の免疫反応に役割を
果たしている可能性を示している。
【0445】 またここに論ずる様に、肝細胞(内胚葉由来細胞)、肺小葉上皮(内胚葉由来
上皮)および卵巣癌上皮(中胚葉由来上皮)といった幾つかの上皮型組織は、zc
ytor16発現について陽性である。zcytor16の上皮での発現は、肝臓および肺では
炎症反応および/または癌状態によって変化する。従って、ZCYTOR18またはその
受容体結合断片の様なzcytor16に関するリガンドは、炎症または癌の結果として
これら組織に生じる変化をモニターするためのマーカーとして利用することがで
きる。
【0446】 さらにzcytor16のインサイチュー発現の分析は、正常卵巣上皮がzcytor16発現
について陰性であるのに対し卵巣癌上皮では強陽性であることを示しており、zc
ytor16のポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび抗体がここに記した様に、卵巣
癌および卵巣カルチノーマの診断および治療の診断マーカーおよび/または治療
標的として利用できることの更なる証拠を提供している。
【0447】 zcytor16はまた、膵臓(正常および膵炎組織)の腺房細胞、胎盤の栄養芽細胞
(外胚葉由来)、軟骨の軟骨細胞(中胚葉由来)および腸の神経節細胞(外胚葉
由来)の様なその他組織にも検出された。この様なことから、zcytor16はこれら
臓器の各細胞に於ける分化および/または正常機能に関係していると思われる。
従って、zcytor16の潜在的な利用法として、正常な代謝および妊娠の維持、骨形
成/恒常性そして小腸の生理学的機能等が挙げられる。
【0448】 実施例16huZCYTOR18抗ペプチド抗体 ポリクローナル抗ペプチド抗体は2匹のニュージーランド白色ウサギをペプチ
ドhuZCYTO18-1(配列番号34)またはhuZCYTOR18-2(配列番号35)またはhuZCYTO
18-3(配列番号36)で免疫して調整された。ペプチドはアプライドバイオシステ
ムズモデル431Aペプチド合成装置(アプライドバイオシステムズ社(Applied Bi
osystems Inc.)、フォスターシティー(Foster City)、カリフォルニア州(CA)
)をメーカー支持通りに使用し合成された。
【0449】 ペプチドhuZCYTO18-1、huZCYTO18-2およびhuZCYTO18-3は次にキャリアー蛋白
質であるマレイミド活性化スカシガイヘモシアニン(KLH)(ピアス(Pierce)
、ロックフォード(Rockford)、イリノイ州(IL))にシステイン残基を介して結
合された。各ウサギには最初200μgの標識蛋白質を含む完全フレンドアジュバン
ト(ピアス(Pierce)、ロックフォード(Rockford)、イリノイ州(IL))を腹
腔内(IP)注射し、続いて100μgの標識蛋白質を含む不完全フレンドアジュバン
トのブースターを3週毎にIP注射された。3回目のブースター注射後7ないし10
日目に、動物より採血し、血清を集めた。その後3週毎にウサギをブーストし採
血した。
【0450】 Zcytor18ペプチド-特異的ウサギ血清は、抗体標的として抗体作成に使用され
たペプチドを1μg/ml用いたELISAでチェックし、特性を分析した。2匹のウサギ
のhuZCYTO18-1(配列番号34)に対する血清は、それら特異的ペプチドに対し1:5
E6(1:5,000,000)希釈の力価を有している。
【0451】 huZCYTOR18-1ペプチド特異抗体は、1gのEPOXY-SEPHAROSE 6B当たり各ペプチド
10mgを用い、その後一晩PBS中に透析して調整されたEPOXY-SEPHAROSE 6Bペプチ
ドカラム(ファルマシアLKB(Pharmacia LKB))を用いウサギ血清より精製され
た。ペプチド特異的huZCYTOR18抗体は、抗体標的として用いた適当なペプチド1
μg/mlを用いたELISA力価チェックにより特性分析された。HuZCYTOR18-1ペプチ
ド特異抗体の検出下限値(LLD)は、その適切な抗体標的を用いたELISAによれば
500pg/mlであった。HuZCYTO18-1ペプチド特異抗体は、ウエスタンブロットによ
れば、完全長組換え体蛋白質(BV産生)を認識する。
【0452】 実施例17ヒトZCYTO18トランスジェニックプラスミドの構築 確認済みのヒトZCYTO18コーディング域の配列を含むZytrackベクター約10μg
をFseIおよびAscIで消化した。つぎにベクターをエタノール沈殿し、沈殿をTEに
懸濁した。放出された540bpのヒトZCYTO18断片は、消化ベクターを1.2%SeaPlaqu
eゲル上で泳動し、断片を切り出すことで単離された。DNAはQiaQuick(キアゲン
(Qiagen))ゲル抽出キットを用い精製された。
【0453】 次にヒトZCYTOR18断片は我々の標準的トランスジェニックプラスミドであり、
事前にFseIおよびAscIで消化しておいたpTG12-8内に連結された。トランスジェ
ニックマウス中に所望遺伝子を発現させるためにデザインされたPTG12-8プラス
ミドは、10kbのMT-15’DNAおよび7kbのMT-13’DNAに接した発現ベクターを含む
。この発現ベクターはMT-1プロモーター、ラットインシュリンIIイントロン、所
望クローンの挿入に適したポリリンカーおよびヒト成長ホルモンポリA配列を含
んでいる。
【0454】 約1マイクロリットルの連結反応体をメーカー支持通りにしてDH10B ElectroM
ax(商標)コンペテント細胞(ギブコ(GIBCO)BRL、ガイザースブルグ(Gaithe
rsburg)、メリーランド(MD)内にエレクトロポレーションし、100μg/mlのアン
ピシリンを含むLBプレートに接種し、37℃で一晩インキュベーションした。コロ
ニーを拾い上げ、100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地中で増殖させた。拾い
上げたクローンからミニプレップDNAを調製し、FseI/AscIにより制限消化しヒト
ZCYTO18インサートについてスクリーニングし、引き続いてアガロースゲル電気
泳動にかけた。正確なpTG12-8ヒトZCYTO18構築体の大規模調製を行った。
【0455】 5’および3’フランキング配列を含むSalI断片、MTプロモーター、ラットイン
シュリンIIイントロン、ヒトZCYTO18cDNAおよびヒト成長ホルモンポリA配列を調
製し、マウス受精卵内へのマイクロインジェクションに使用した。
【0456】 第2トランスジェニック構築体は、上記同様にしてヒトZCYTO18cDNAを含むFse
I/AscI断片をリンパ芽球特異的トランスジェニックベクターpKF501内にサブクロ
ーニングすることで作成された。PKF051トランスジェニックベクターはp1026X(
Iritani,B.M.,ら、EMBO J.16:7019-31, 1997)に由来し、T細胞特異的lck近位プ
ロモーター、B/T細胞特異的免疫グロブリンEμ重鎖エンハンサー、所望クローン
の挿入に適したポリリンカー、および不活性型成長ホルモン蛋白質をコードして
いる変異型hGH遺伝子(3’イントロンおよびポリアデニレーションシグナルを提
供する)を含んでいる。
【0457】 大規模調製されたDNAをNotIで消化し、そのlck近位プロモーター、免疫グロブ
リンEμエンハンサー、ヒトZCYTO18cDNAおよび変異型hGH遺伝子を含む断片を調
製し、マウス受精卵へのマイクロインジェクションに使用した。
【0458】マウスZCYTO18トランスジェニックプラスミドの構築 トランスジェニック構築体はマウスZCYTO18についても作成された。オリゴヌ
クレオチドはコンセンサスコザック配列および正確なマウスZCYTO18コーディン
グ域を含むPCR断片を作成する様デザインされた。これらオリゴヌクレオチドはZ
CYTO18を発現させるeuLCKプロモーターを含むリンパ芽球特異的トランスジェニ
ックベクターであるPKF051へのクローニングを容易にするため、5’端部のFseI
部位と3’端部のAscI部位で消化された。
【0459】 PCR反応は200ngのマウスZCYTO18鋳型(配列番号37)およびオリゴヌクレオチ
ドZC37,125(配列番号39)とZC37,126(配列番号40)を用い行われた。PCR反応
はAdvantageTM cDNAポリメラーゼ(クローンテック(Clontech))を次の条件で
用い行われた:95℃5分間;95℃60秒間、60℃60秒間、72℃90秒間を15サイクル
;および72℃7分間。PCR反応産物はアガロースゲル電気泳動で分離され、QiaQui
ck(キアゲン(Qiagen))ゲル抽出キットを用い精製された。単離された540bpのD
NA断片はFseIおよびAscI(ベーリンガーマンハイム(Boerhringer-Mannheim)で
消化され、エタノール沈殿した後上記に従いpKF051にクローン化された。PKF051
マウスZCYTO18の正確なクローンは配列分析により検証され、什器に従いこのク
ローンを大規模調製しインジェクションに供した。
【0460】 実施例18zCyto18-CEEのバキュロウイスル発現 昆虫細胞中にzCyto18-CEEポリペプチドを発現させるために、発現ベクターで
あるzCyto18-CEE/pZBV321を調製した。ZCyto18-CEE/pZBV321はC末端GLU-GLUタグ
(配列番号14)を持つzCyto18ポリペプチドを発現する様にデザインされた。こ
の構築体はシグナルペプチドを切り落とした後にzCyto18のN-末端アミノ酸配列
を決定するのに使用できる。
【0461】A.zCyto18-CEE/pZBV321の構築 5’および3’末端それぞれにBamHIおよびXbaI制限部位を含む561bpのzCyto18
断片は、zCyto18cDNAを含むプラスミドよりプライマーZC28,348(配列番号41)
およびZC28,345(配列番号42)を用いたPCR増幅により作成された。PCR反応条件
は以下の通りである:94℃5分間1サイクル;94℃90秒、60℃120秒および72℃18
0秒を35サイクル;72℃10分間を1サイクル;その後4℃に浸漬。断片はゲル電気
泳動(1%アガロース)により視覚化された。バンドを切り出し、次にQIAquickTM
ゲル抽出キット(キアゲン(Qiagen)、カタログ番号28704)を用い抽出された
。cDNAはBamHIおよびXbaIにより消化され、続いてベクターpZBV321に連結された
【0462】 PZBV321ベクターはpFastBac1TM(ライフテクノロジーズ(Life Technologies)
)発現ベクターを改良したもので、ポリへドロンプロモーターが除かれ後期活性
塩基性蛋白質プロモーターに交換されており、そしてGlu-Gluタグおよび停止シ
グナルに関するコーディング配列がマルチプルクローニング領域の3’末端に挿
入されている。制限消化されたzCyto18インサートを約68ナノグラムとそれに対
応するpZBV32Lベクター約100ngを一晩、16℃にて連結した。連結混合体を水で10
倍希釈し、2mmのギャップを持つエレクトロポレーションキュベット内にて、Ele
ctoMAXTMDH12sTM細胞(ライフテクノロジーズ(Life Technologies)、カタログ
番号18312-017)内に400オーム、2Vおよび25μF(BTX、モデルNo.620)にて希釈
連結混合液1fmolをエレクトロポレーションし、形質転換した。
【0463】 形質転換細胞は450μlのSOC培地(2%バクトトリプトン(Bacto Tryptone)、0.
5%バクト酵母抽出物、10mlの1M NaCl、1.5mMのKCl、10mMのMgCl2,10mMのMgSO4お
よび20mMのグルコース)で希釈され、その希釈液100μlを100μg/mlのアンピシリ
ンを含むLBプレートに加えた。クローンをPCRで分析し、2種類の陽性クローン
を選択して増殖させ、QIAprep(商標)スピンミニプレップキット(キアゲン(Q
iagen)、カタログ番号27106)を用いて精製した。各陽性クローン2μlを20μl
のDH10BacTMMax Efficienty(商標)コンペテント細胞(ギブコ(GIBCO)-BRLカ
タログ番号10361-012)内に、42℃のヒートブロック内にて熱ショックを加え形
質転換した。
【0464】 形質転換されたDH10BacTM細胞を980μlのSOC培地(2%バクトトリプトン、0.5%
バクト酵母抽出物、10mMの1M NaCl、1.5mMのKCl、10mMのMgCl2,10mMのMgSO4およ
び20mMのグルコース)で希釈し、100μlを50μg/mlのカナマイシン、7μg/mlゲ
ンタマイシン、10μg/mlのテトラサイクリン、40μg/mLのIPTGおよび200μg/mL
のBluo Galを含むルリア(Luria)寒天プレートに加えた。プレートは37℃にて4
8時間インキュベーションされた。色調選別を利用して、転移ウイルスDNAを持つ
細胞を特定した(“バクシミド”と称する)。分析にかけるために、該当する白
色のクローンを拾い上げた。コロニーはPCRで分析され、陽性コロニー(所望バ
クシミドを含む)を選別して増殖させ、QIAprep(商標)スピンミニプレップキ
ット(キアゲン(Qiagen)、カタログ番号27106)を用いて精製した。
【0465】 クローンは、プライマーZC447(配列番号43)およびZC976(配列番号44)を用
いたPCRによりバクシミド中の転移エレメントに対するプライマーを利用しDNAを
増幅することで、正確な挿入体についてスクリーニングを行った。PCR反応条件
は次の通りである:94℃5分間1サイクル;94℃60秒、50℃90秒および72℃180秒
を30サイクル;72℃10分間を1サイクル;続いて4℃に浸漬。PCR産物は挿入体の
サイズがチェックするために1%アガロースゲルにかけられた。正確な挿入体を持
った産物を用い、Spndoptera Frugiperda(Sf9)細胞をトランスフェクションした
【0466】B.トランスフェクション Sf9細胞はウエル当たり1×106細胞で6ウエルプレートに播き、1時間27°で
接着させた。5マイクロリットルのバクシミドDNAを100μlのSf-900II SFM(ラ
イフテクノロジーズ(Life Technologies))で希釈した。LipofectamineTM試薬
(ライフテクノロジーズ(Life Technologies)、カタログ番号18324-012)20μ
lを100μlのSf-900II SFMで希釈した。バクシミドDNAおよび脂質液をゆっくり混
合し、30-45分間、室温でインキュベーションした。
【0467】 細胞のウエル1つから培地を吸引し、細胞を2mlの新鮮Sf-900II SFM培地で1
回洗浄した。800マイクロリットルのSf-900II SFMを脂質-DNA混合液に加えた。
洗浄培地を吸引し、DNA-脂質混合液を細胞に加えた。細胞を27℃にて一晩インキ
ュベーションした。DNA-脂質混合液を吸引し、2mlのSf-900II培地を各プレート
に加えた。プレートを27℃、90%湿度で96時間インキュベーションした後ウイル
スが集められた。
【0468】C.増幅 Sf9細胞はウエル当たり1×106細胞で6ウエルプレートに播かれた。トランス
フェクションプレートから得た50μlのウイルスをウエル中に加え、27℃、90%湿
度で96時間インキュベーションした後、ウイルスが集められた。Sf9細胞を、125
ml振盪フラスコ中の50mlSf-900II SFM中で約1×106細胞/mlの密度まで増殖させ
た。次に細胞に上記プレートより得た100μlのウイルス保存液を感染させ、27℃
にて3日間インキュベーションした後ウイルスを集めた。
【0469】 実施例19Sf9細胞からのZCYTO18-CEEの精製 バキュロウイルス中に発現したC-末端Glu-Glu(EE)タグ(配列番号14)を含むz
Cyto18ポリペプチドの精製には以下の方法を用いた。zCyto18-CEEを発現するSf9
細胞(実施例18)由来のコンディショニング培地を0.22μmSteriflipTMフィルタ
ー(ミリポア(Millipore))を使って濾過し、それから培地50mL当たり1錠のCom
pleteTMプロテアーゼ阻害剤カクテルタブレット(ベーリンガー(Boehringer))
を加えた。濃縮コンディショニング培地の総標的蛋白質濃度は、SDS-PAGEおよび
抗EE抗体(自家製)に続いて抗mIgHRP標識抗体を用いるウエスタンブロットから
決定された。
【0470】 バッチ精製は、抗EE抗体で処理された250μlのプロテインGSepharose(商標)
4Fast Flow(ファルマシア(Pharmacia))(プロテインGSepharose/抗EEビーズ
)を40mLのSf9コンディショニング培地に加えることで達成された。ZCYTO18-CEE
を捕捉するため、培地-ビーズ混合体を一晩、4℃にて振盪した。ビーズはベッ
クマンGS6R遠心分離器で1000RPM、10分間遠心分離された。このビーズを以下の
手順で洗浄した(洗浄毎に遠心分離および吸引工程が実施された):1mLの細胞
溶解バッファー(150mM塩化ナトリウム、50mMTris pH8.0および1%NP-40)で1回
;1mLの細胞洗浄バッファー(650mM塩化ナトリウム、50mMTris pH8.0および1%NP
-40)で1回;1mLの細胞溶解バッファーで1回。次にビーズは500μlの細胞溶解
バッファー中に懸濁され、N-末端の配列分析にかけられた。
【0471】実施例20N-末端アミノ酸配列分析: アプライドバイオシステムズ製試薬を用い、標準的な自動化N-末端ポリペプチ
ド配列分析(エドマン分解)を行った。N-末端配列分析はモデル494蛋白質シー
クエンサーシステム(アプライドバイオシステムズ社(Applied Biosystems Inc
.)、フォスターシティー(Foster City)、カリフォルニア州(CA))を用い行わ
れた。データ分析は蛋白質配列分析用モデル610Aデータ分析システム(Model 61
0A Data Analysis System for Protein Sequencing)、バージョン2.1a(アプラ
イドバイオシステムズ(Applied Biosystems))を用いて行われた。
【0472】 精製ヒトZCYTO18-CEEサンプルは、プロテインGSepharose/抗EEビーズ(実施例
19)に捕捉された形で供給された。ビーズはNOvex SDS PAGEシステム(4-12%Bi
s-Tris MES NuPAGE;インビトロゲン(Invitrogen))をメーカー指示通りに使用
するSDS PAGEにかけるまえに、煮沸した水槽内に置かれた還元SDS PAGEサンプル
バッファー中に入れられた。
【0473】 ゲルはNovex PVDF膜(インビトロゲン(Invitrogen))にエレクトロトランス
ファーされ、標準的方法を用いクマシーブルー(シグマ(Sigma)、セントルイス
(St.Louis)、ミズリー州(MO))で染色された。対応する抗EEウエスタンブロッ
トを行い、N-末端蛋白質配列に関しZCYTO18バンドを同定した。マウス抗EEIgG H
RP標識抗体は自家調製された。分泌型ZCYTO18ポリペプチドのN-末端配列より、
配列番号3に示すZCYTO18前駆体配列の成熟が開始するシグナル配列の予定切断
場所が実証された。
【0474】実施例21CRF2-4受容体を発現するBaF3細胞(BaF3/CRF2-4細胞)およびCRF2-4
受容体をzcytor11受容体と同時発現するBaF3細胞(BaF3/CRF2-4/zcytor11細胞) の構築 完全長のCFR2-4受容体を発現するBaF3細胞を、下記CFR2-4発現ベクターを30μ
g用い構築した。CFR2-4受容体を発現するBaF3細胞はBaF3/CRF2-4細胞と命名され
た。これら細胞をコントロールに用い、さらに完全長zcytor11受容体(配列番号
18およおび配列番号19)(米国特許第5,965,704号)をトランスフェクションし
、これを用い以下示す様にしてZCYTO18活性に関するスクリーニング法を構築し
た。
【0475】A. CRF2-4受容体を発現するBaF3細胞の構築 完全長のCRF2-4のcDNA配列(ジーンバンク登録番号Z17227)をDaudi細胞株cD
NAライブラリーより単離し、続いて実施例6記載の様にして発現ベクターpZP7P
内にクローン化した。 マウス骨髄由来のインターロイキン3(IL-3)依存性前リンパ細胞株であるBaF
3(PalaciosとSteinmetz、Cell 41:727-734, 1985; Mathey-Prevotら、Mol. Cel l. Biol . 6: 4133-4135, 1986)は、10%の熱不活性化ウシ胎児血清、2ng/mlのマ
ウスIL-3(mIL-3)(R&D、ミネアポリス(Minneaplois)、ミネソタ州(MN))、2
mMのL-glutaMax-1TM(ギブコ(Gibco)/BRL)、1mMのピルビン酸ナトリウム(ギブコ
(Gibco)/BRL)およびPSN抗生物質(ギブコ(Gibco)/BRL)添加完全培地(RPMI
培地(JRHバイオサイエンス社(Bioscience Inc.)、レネクサ(Lenexa)、カン
サス州(KS)中に維持された。
【0476】 エレクトロポレーションにかける前に、CRF2-4/pZP7Pを調製し、Qiagen Maxi
Prepキット(キアゲン(Qiagen))をメーカー指示書に従い用い精製した。エレ
クトロポレーションに合わせ、BaF3細胞は一度無血清RPMI培地で洗浄され、次に
無血清RPMI培地中に107細胞/mlの細胞密度に懸濁された。1mlのBaF3細胞懸濁液
を30μgのCRF2-4/pZP7PプラスミドDNAと混合し、独立型使い捨て式エレクトロポ
レーションチャンバー(ギブコ(GIBCO)BRL)に移した。15分間室温でインキュベ
ーションした後、エレクトロポレーション装置(CELL-PORATORTM;ギブコ(GIBCO)
BRL)を使って細胞に2回連続ショック(800 lFad/300V.;1180 lFad/300V.)を加
えた。
【0477】 5分間の回復期間の後、エレクトロポレーションした細胞を50mlの完全培地に
移し、15-24時間(37℃、5%CO2)インキュベーター内に入れた。次に細胞を遠心
により落とし、2μg/mlのピューロマイシンを含む50mlの完全培地入りT-162フラ
スコ中に懸濁し、ピューロマイシン耐性プールを単離した。以後BaF3/CFR2-4細
胞を呼ぶトランスフェクションされたBaF3細胞細胞のプールを、下記方法により
シグナル発信能についてアッセイした。さらにこれら細胞を、以下記載の様にし
てzcytor11受容体でトランスフェクションした。
【0478】B. CRF2-4およびzcytor11受容体を発現するBaF3細胞の構築 完全長zcytor11受容体を発現するBaF3/CRF2-4細胞は、上記実施例21Aの様に、
30μgのzcytor11cDNA(配列番号18)を含む発現ベクターを用い構築された。回
収後トランスフェクタントを200μg/mlのゼオシン(zeocin)と2μg/mlのピューロ
マイシンを使い選別した。zcytor11受容体を発現しているBaF3/CRF2-4細胞はBaF
3/CRF2-4/zcytor11細胞と命名された。これら細胞をはZCYTO18活性のスクリーニ
ングに用いられた。
【0479】実施例22アラマーブルー(Alamar Blue)増幅アッセイを利用した、BaF3/CRF2 -4/zcytor11細胞を用いたZCYTO18活性スクリーニング A. アラマーブルー増殖アッセイを利用した、BaF3/CRF2-4/zcytor11細胞を用い たZCYTO18活性のスクリーニング 精製ZCYTO18-CEE(実施例9)を用い、以下記載の様に増殖活性の存在を試験し
た。 BaF3/CRF2-4/zcytor11細胞は遠心により落とされ、mIL-3を含まない上記実施
例21の完全培地(以後“無mIL-3培地”と呼ぶ)で洗浄された。細胞は3回遠心
および洗浄され、mIL-3は確実に除かれた。つぎに血球計算器を用い細胞数が測
定された。細胞は、ウエル当たり100μlの無mIL-3培地が加えられたウエルに500
0細胞の割合で、96ウエル形式に接種された。
【0480】 BaF3/CRF2-4/zcytor11細胞の増殖は、無mIL-3培地を用いて50、10、2、1、0.5
、0.25、0.13、0.06ng/ml濃度に希釈されたZCYTO18-CEE蛋白質を使ってアッセイ
された。希釈蛋白質100μlがBaF3/CRF2-4/zcytor11細胞に加えられた。合計アッ
セイ容積は200μLである。アッセイプレートは37℃、5%CO2にて3日間インキュ
ベーションされ、その時点でアラマーブルー(アキュメッド(Accumed)、シカゴ
(Chicago)、イリノイ州(IL)が20μl/ウエル加えられた。プレートは再度37℃
、5%CO2で24時間インキュベーションされた。アラマーブルーは生細胞の数に基
づき蛍光測定値を与え、従って陰性コントロールと比較した細胞増殖の直接測定
法である。プレートは再度37℃、5%CO2で24時間インキュベーションされた。
【0481】 プレートはSoftMaxTMProプログラムを使ったFmaxTMプレートリーダー(モレキ
ュラーデバイス(Molecular Devices)、サニーベール(Sunnyvale)、カリフォル
ニア州(CA))を用い、波長544(励起)と590(発光)で読み取られた。結果よ
り、ZCYTO18-CEEに対するBaF3/CRF2-4/zcytor11細胞の用量依存的増殖反応が確
認された。測定された反応は上限値50ng/mlでバックグランドの約15倍、そして
下限値0.06ng/mlでは2倍増殖反応が誘導された。野生型BaF3およびBaF3/CRF2-4
細胞はZCYTO18-CEEに反応し増殖することはなく、ZCYTO18がCRF2-4/zcytor11ヘ
テロ2量型受容体に特異的であることが示された。
【0482】 前記より、ここでは例示を目的として本発明の具体的実施態様が記載されてい
るが、発明の精神および範囲より逸脱することなく様々な変更が可能であること
が理解されるだろう。従って発明は添付請求項以外に限定されることはない。 本発明は、次の非制限的な例によりさらに例示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のヒトZCYTO18ポリペプチド(hZCYTO18)(配列番号3)及び
マウスZCYTO18ポリペプチド(mZCYTO18)(配列番号38)の複数の一列整列であ
る。図における“:”は、マウス配列とヒト配列との間で同一であるアミノ酸を
示し、そして図における“.”は、保存された置換であるアミノ酸を示す。全配
列にわたってのヒト及びマウス配列間に78.4%の同一性が存在する(168個のア
ミノ酸のオーバーラップ)。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/24 C12N 1/19 4H045 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12P 21/02 C12P 21/08 C12Q 1/02 C12N 15/00 A 1/68 5/00 A // C12P 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA, ZW (72)発明者 キンズボーゲル,ウェイン アメリカ合衆国,ワシントン 98115,シ アトル,トゥエンティーフォース アベニ ュ ノースイースト 6014 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA21 BA44 CA04 CA07 CA11 DA02 DA05 DA11 EA02 EA03 EA04 FA02 GA01 GA11 HA01 HA03 HA11 HA12 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ05 QQ42 QQ52 QR08 QR33 QR42 QR55 QR59 QR62 QR74 QR80 QR82 QS05 QS25 QS33 QS34 QS36 QX02 4B064 AG02 AG27 CA01 CA19 CA20 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA90X AA93Y AB01 AB02 BA01 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 BA01 BA08 BA21 BA23 CA53 DA01 NA14 ZA512 ZB262 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA01 DA76 EA28 EA50 FA72 FA74

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号1
    67(Ile)に示されるようなアミノ酸配列; (b)配列番号3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号167(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列;及び (c)配列番号2のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号179(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列; から成る群からのアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸残
    基の配列を含んで成るサイトカインポリペプチドをコードする単離されたポリヌ
    クレオチドであって、 ここで細胞により生成される前記ポリペプチドが、zcytor11(配列番号19)を
    含んで成るポリペプチドのための受容体を発現する細胞の増殖を誘発し、又はK5
    62細胞における細胞毒性を誘発することを特徴とする、単離されたポリヌクレオ
    チド。
  2. 【請求項2】 前記ポリヌクレオチドが、 (a)配列番号1に示されるヌクレオチド123〜ヌクレオチド557のようなポリ
    ヌクレオチド配列; (b)配列番号1に示されるヌクレオチド57〜ヌクレオチド557のようなポリ
    ヌクレオチド配列; (c)配列番号1に示されるヌクレオチド21〜ヌクレオチド557のようなヌク
    レオチド配列;及び (d)上記(a)、(b)又は(c)に対して相補的なポリヌクレオチド配列
    の群からである請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号4のヌクレオチド1〜ヌ
    クレオチド501を含んで成る請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 前記サイトカインポリペプチドが、 (a)配列番号3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列; (b)配列番号3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号167(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列;及び (c)配列番号2のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号179(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列; の群からのアミノ酸残基の配列を含んで成る請求項1記載の単離されたポリヌ
    クレオチド。
  5. 【請求項5】 次の作用可能に連結された要素: 転写プロモーター; 配列番号3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)に示されるよ
    うなサイトカインポリペプチドをコードするDNAセグメント;及び 転写ターミネーター; を含んで成り、ここで前記プロモーターが前記DNAセグメントに作用可能に連
    結され、そして前記DNAセグメントが前記転写ターミネーターに作用可能に連結
    されることを特徴とする発現ベクター。
  6. 【請求項6】 前記DNAセグメントに作用可能に連結される分泌シグナル配
    列をさらに含んで成る請求項5記載の発現ベクター。
  7. 【請求項7】 前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現
    する、請求項5記載の発現ベクターを含んで成る培養細胞。
  8. 【請求項8】 融合タンパク質をコードするDNA構造体であって、 (a)配列番号3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号21(Ala)に示され
    るようなアミノ酸配列; (b)配列番号3のアミノ酸番号41(Thr)〜アミノ酸番号53(Leu)に示され
    るようなアミノ酸配列; (c)配列番号3のアミノ酸番号80(Met)〜アミノ酸番号91(Val)に示され
    るようなアミノ酸配列; (d)配列番号3のアミノ酸配列103(Gln)〜アミノ酸番号116(Arg)に示さ
    れるようなアミノ酸配列; (e)配列番号3のアミノ酸番号149(Ile)〜アミノ酸番号162(Leu)に示さ
    れるようなアミノ酸配列;及び (f)配列番号3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列; の群からのアミノ酸残基の配列を含んで成るポリペプチドをコードする第1DN
    Aセグメント;並びに 追加のポリペプチドをコードする少なくとも1つの他のDNAセグメント; を含んで成り、ここで、前記第1及び他のDNAセグメントが読み取り枠を整合
    して連結され;そして前記第1及び他のDNAゼグメントが前記融合タンパク質を
    コードすることを特徴とするDNA構造体。
  9. 【請求項9】 次の作用可能に連結された要素: 転写プロモーター; 請求項8記載の融合タンパク質をコードするDNA構造体;及び 転写ターミネーター; を含んで成り、ここで前記プロモーターが前記DNA構造体に作用可能に連結さ
    れ、そして前記DNA構造体が前記転写ターミネーターに作用可能に連結されてい
    ることを特徴とする発現ベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の発現ベクターを含んで成る培養された細胞
    であって、前記DNA構造体によりコードされるポリペプチドを発現する細胞。
  11. 【請求項11】 融合タンパク質の生成方法であって、 請求項10記載の細胞を培養し;そして 前記細胞により生成されるポリペプチドを単離する; ことを含んで成る方法。
  12. 【請求項12】 (a)配列番号3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番
    号167(Ile)に示されるようなアミノ酸配列; (b)配列番号3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号167(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列;及び (c)配列番号2のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号179(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列; から成る群からのアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸残
    基の配列を含んで成る単離されたサイトカインポリペプチドであって、 ここで細胞により生成される前記ポリペプチドが、zcytor11(配列番号19)を
    含んで成るポリペプチドのための受容体を発現する細胞の増殖を誘発し、又はK5
    62細胞における細胞毒性を誘発することを特徴とする単離されたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 前記ポリペプチドが、 (a)配列番号3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列; (b)配列番号3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号167(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列;及び (c)配列番号2のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号179(Ile)に示さ
    れるようなアミノ酸配列; の群からアミノ酸残基の配列を含んで成る請求項12記載の単離されたポリペプ
    チド。
  14. 【請求項14】 サイトカインポリペプチドの生成方法であって、 請求項7記載の細胞を培養し;そして 前記細胞により生成されるポリペプチドを単離する; ことを含んで成る方法。
  15. 【請求項15】 ポリペプチドに対する抗体の生成方法であって、 (a)配列番号3のアミノ酸番号23(Gly)〜アミノ酸番号779(Thr)におけ
    るアミノ酸の連続配列に対して少なくとも90%同一である、30〜144個のアミノ
    酸から成るポリペプチド; (b)請求項13記載のポリペプチド; (c)配列番号3のアミノ酸番号29(Arg)〜アミノ酸番号34(Asn)のアミノ
    酸配列から成るポリペプチド; (d)配列番号3のアミノ酸番号121(His)〜アミノ酸番号126(Asp)のアミ
    ノ酸配列から成るポリペプチド; (e)配列番号3のアミノ酸番号134(Gln)〜アミノ酸番号139(Thr)のアミ
    ノ酸配列から成るポリペプチド; (f)配列番号3のアミノ酸番号137(Lys)〜アミノ酸番号142(Lys)のアミ
    ノ酸配列から成る2ポリペプチド; (g)配列番号3のアミノ酸番号145(Glu)〜アミノ酸番号150(Lys)のアミ
    ノ酸配列から成るポリペプチド; (h)配列番号3のアミノ酸番号41(Thr)〜アミノ酸番号53(Leu)のアミノ
    酸配列から成るポリペプチド; (i)配列番号3のアミノ酸番号80(Met)〜アミノ酸番号91(Val)のアミノ
    酸配列から成るポリペプチド; (j)配列番号3のアミノ酸番号103(Met)〜アミノ酸番号116(Arg)のアミ
    ノ酸配列から成るポリペプチド; (k)配列番号3のアミノ酸番号149(Ile)〜アミノ酸番号162(Leu)のアミ
    ノ酸配列から成るポリペプチド; の群からのポリペプチドにより動物を接種し、ここで前記ポリペプチドが、抗
    体を生成するために動物において免疫応答を誘発し;そして 前記動物から抗体を単離することを含んで成る方法。
  16. 【請求項16】 配列番号2又は3のポリペプチドに結合する、請求項15記
    載の方法により生成される抗体。
  17. 【請求項17】 前記抗体が、モノクローナル抗体である請求項16記載の抗
    体。
  18. 【請求項18】 請求項13記載のポリペプチドに対して特異的に結合する抗
    体。
  19. 【請求項19】 試験サンプルにおけるZCYTO18タンパク質活性のアンタゴ
    ニストの存在を検出するための方法であって、 ZCYTO18−刺激された細胞経路に応答性である細胞を培養し; 請求項14記載の方法によりポリペプチドを生成し; 試験サンプルの存在及び不在下で、前記細胞に前記ポリペプチドを暴露し; 生物学的又は生化学アッセイにより、前記試験サンプルの存在及び不在下での
    ポリペプチドの応答のレベルを比較し;そして 前記試験サンプルにおけるZCYTO18活性のアンタゴニストの存在を、前記比較
    から決定する; ことを含んで成る方法。
  20. 【請求項20】 試験サンプルにおけるZCYTO18タンパク質活性のアゴニス
    トの存在を検出するための方法であって、 ZCYTO18−刺激された細胞経路に応答性である細胞を培養し; 試験サンプルを添加し; 生物学的又は生化学アッセイにより、前記試験サンプルの存在及び不在下での
    応答のレベルを比較し;そして 前記試験サンプルにおけるZCYTO18活性のアゴニストの存在を、前記比較から
    決定する; ことを含んで成る方法。
  21. 【請求項21】 患者における遺伝子異常性の検出方法であって、 患者から遺伝子サンプルを得; 前記遺伝子サンプルを、配列番号1の少なくとも14個の連続ヌクレオチド又は
    配列番号1の補体を含んで成るポリヌクレオチドと共に、前記ポリヌクレオチド
    が相補的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズするであろう条件下でイ
    ンキュベートすることによって、第1反応生成物を生成し; 前記第1反応生成物を明視化し;そして 野生型患者からの対照反応生成物に、前記第1反応生成物を比較し; ここで前記第1反応生成物と前記対照反応生成物との間の差異が患者における
    遺伝子異常性の表示であることを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 患者における癌の検出方法であって、 患者から組織又は生物学的サンプルを得; 前記組織又は生物学的サンプルを、請求項18記載の抗体と共に、前記抗体が前
    記組織又は生物学的サンプルにおけるその相補的ポリペプチドに対して結合する
    条件下でインキュベートし; 前記組織又は生物学的サンプルにおいて結合される抗体を明視化し;そして 正常な対照組織又は生物学的サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サ
    ンプルにおいて結合される抗体のレベルを比較し; ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は
    生物学的サンプルに結合される抗体のレベルの上昇又は低下が患者における癌の
    表示であることを特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 患者における癌の検出方法であって、 患者から組織又は生物学的サンプルを得; 配列番号1の少なくとも14個の連続したヌクレオチド又は配列番号1の補体を
    含んで成るポリヌクレオチドをラベリングし; それと共に、前記組織又は生物学的サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補
    的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズするであろう条件下でインキュ
    ベートし; 前記組織又は生物学的サンプルにおける前記ラベルされたポリヌクレオチドを
    明視化し; 正常な対照組織又は生物学的サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サ
    ンプルにおけるラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションのレベル
    を比較し; ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は
    生物学的サンプルへのラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションの
    上昇又は低下が患者における癌の表示であることを特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 癌細胞の殺害方法であって、 患者から癌細胞を含む組織又は生成物学的サンプルをエクスビボで得るか、又
    は癌細胞をインビボで同定し; 請求項14記載の方法によりポリペプチドを生成し; 前記ポリペプチドを、医薬的に許容できるビークルにおいて配合し;そして 前記患者に投与するか、又は前記ポリペプチドに対して前記癌細胞を暴露し、 ここで前記ポリペプチドが前記細胞を殺害する方法。
  25. 【請求項25】 前記ポリペプチドがさらに、毒素に接合される請求項24記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 患者又は損傷された組織において血小板を高めるための方
    法であって、 請求項14記載の方法によりポリペプチドを生成し; 医薬的に許容できるビークル中、前記ポリペプチドを、前記患者又は損傷され
    た組織に投与し、ここで前記ポリペプチドが、前記患者又は損傷された組織にお
    ける血小板のレベルを高める方法。
  27. 【請求項27】 患者における炎症の検出方法であって、 患者から組織又は生物学的サンプルを得; 前記組織又は生物学的サンプルを、請求項18記載の抗体と共に、前記抗体が前
    記組織又は生物学的サンプルにおけるその相補的ポリペプチドに対して結合する
    条件下でインキュベートし; 前記組織又は生物学的サンプルにおいて結合される抗体を明視化し;そして 正常な対照組織又は生物学的サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サ
    ンプルにおいて結合される抗体のレベルを比較し;ここで前記正常な対照組織又
    は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は生物学的サンプルに結合される
    抗体のレベルの上昇が患者における炎症の表示であることを特徴とする方法。
  28. 【請求項28】 患者における炎症の検出方法であって、 患者から組織又は生物学的サンプルを得; 配列番号1の少なくとも14個の連続したヌクレオチド又は配列番号1の補体を
    含んで成るポリヌクレオチドをラベリングし; それと共に、前記組織又は生物学的サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補
    的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズするであろう条件下でインキュ
    ベートし; 前記組織又は生物学的サンプルにおける前記ラベルされたポリヌクレオチドを
    明視化し; 正常な対照組織又は生物学的サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サ
    ンプルにおけるラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションのレベル
    を比較し;ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、前記患者
    組織又は生物学的サンプルへのラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼー
    ションの上昇が患者における炎症の表示であることを特徴とする方法。
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