JP2003500456A - 角質細胞増殖因子−2製剤 - Google Patents

角質細胞増殖因子−2製剤

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、角質細胞増殖因子−2(KGF−2)およびその誘導体の液体および凍結乾燥形態に関する。本発明はさらに、治療目的の使用、たとえば、創傷の治癒を促進するためのKGF−2の製剤に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、角質細胞増殖因子−2(KGF−2)およびその誘導体の液体およ
び凍結乾燥調合物に関する。本発明はさらに、柔組織の増殖および再生を必要と
する適応症において治療用途に用いることのできるKGF−2調合物、とりわけ
局所および注射調合物に関する。
【0002】 (背景技術) 繊維芽細胞増殖因子ファミリーは、柔組織の増殖および再生に関与する増殖因
子の大きなファミリーとして登場してきた。このファミリーは、現在のところ、
幾つかの成員を含み、これらはタンパク質レベルで種々の程度の相同性を示し、
また一つの例外を除いて類似の広いマイトジェンスペクトルを有する、すなわち
、中胚葉および神経外胚葉起源の種々の細胞の増殖を促進し、および/または血
管形成を促進する。
【0003】 KGFはもともと、配列ホモロジーまたは因子精製およびクローニングにより
FGFファミリーの一員として同定された。角質細胞増殖因子(KGF)は、培
養したマウスの角質細胞株からマイトジェンとして単離された(Rubin, J. S.ら
、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 802-806 (1989))。FGFファミリーの他
の成員と異なり、間充織由来の細胞に対する活性はほとんど有しないが、上皮細
胞の増殖を刺激する。角質細胞増殖因子は皮膚および胎児の肺に由来する繊維芽
細胞により産生される(Rubinら(1989))。角質細胞増殖因子のmRNAは、成
人の腎臓、結腸および腸骨では発現されるが、脳または肺では発現されないこと
がわかっている(Finch, P. W.ら、Science 245: 752-755 (1989))。KGFは
、FGFタンパク質ファミリー内で保存された領域を呈示する。KGFはFGF
−2レセプターと高親和性で結合する。
【0004】 創傷治癒が損なわれることは、重要な罹患源であって、被裂、吻合の破損(an
astomotic breakdown)および治癒しない創傷などの合併症を起こす結果となる
。通常の個体では、創傷治癒は併発症を伴うことなく達成される。対照的に、治
癒の障害は、糖尿病、感染、免疫抑制、肥満および栄養不良などの幾つかの状態
と関係している(Cruse, P. J.およびFoord, R., Arch. Surg. 107: 206 (1973)
; Schrock, T. R.ら、Ann. Surg. 177: 513 (1973); Poole, G. U., Jr., Surge
ry 97: 631 (1985); Irvin, G. L.ら、Am. Surg. 51: 418 (1985))。 創傷の修復は複雑な相互作用および生物学的プロセスの結果である。通常の創
傷治癒では3つの相が記載されている:急性の炎症相、細胞外マトリックスおよ
びコラーゲン合成、および再建(remodeling)である(Peacock, E. E., Jr., W
ound Repair, 第2版、WB Saunders、フィラデルフィア(1984))。このプロセス
は、創傷部位での角質細胞、繊維芽細胞および炎症細胞の相互作用が関与してい
る。
【0005】 (発明の開示) (発明が解決しようとする技術的課題) 柔組織の増殖および再生を促進および亢進することができるポリペプチドを、
(1)長期の貯蔵期間にわたって安定であり、(2)該ポリペプチドの薬理活性
または有効性を増大させ、および/または(3)治療計画において該ポリペプチ
ドの適用または投与を容易にする医薬組成物に調合することが望ましい。
【0006】 (その解決方法) 本発明は、KGF−2およびその欠失変異体または点変異体または置換変異体
(以下、「KGF−2ポリペプチド」という)の液体および凍結乾燥調合物に関
する。本発明はさらに、たとえば、創傷治癒において、または粘液球症(mucocy
tis)または炎症性腸疾患の治療において、柔組織の増殖または再生を促進また
は亢進するためのKGF−2ポリペプチドのかかる調合物の使用に関する。本発
明の好ましい調合物は、KGF−2の新規な変異体を用い、一つの態様において
本明細書においてKGF2−Δ33と称する欠失変異体を用いる。該調合物に用
いる併用成分は、(1)KGF−2ポリペプチドに貯蔵安定性を付与し、(2)
該治療組成物の柔組織治癒活性をさらに促進し、および/または(3)特定の治
療目的のための適用および投与を容易にしながら、活性形のKGF−2ポリペプ
チドを提供する。
【0007】 本発明の第一の側面は、KGF−2ポリペプチドおよびpH約5.0〜約8.0
で緩衝能を有する緩衝液を含む調合物に関する。有用な緩衝液としては、リン酸
緩衝液、酢酸緩衝液、アコニット酸緩衝液、コハク酸緩衝液、リンゴ酸緩衝液、
炭酸緩衝液およびクエン酸緩衝液が挙げられるが、クエン酸緩衝液が好ましい。 本発明の第二の側面は、KGF−2ポリペプチド、凍結乾燥バルク剤(bulkin
g agent)およびpH約5.0〜約8.0で緩衝能を有する緩衝液を含む調合物に
関する。有用な緩衝液としては、リン酸緩衝液、アコニット酸緩衝液、コハク酸
緩衝液、リンゴ酸緩衝液、炭酸緩衝液およびクエン酸緩衝液が挙げられるが、ク
エン酸緩衝液が好ましい。
【0008】 本発明の第三の側面は、KGF−2ポリペプチド、およびKGF−2ポリペプ
チドを安定化しうるチオール含有化合物、好ましくはモノチオグリセロールを含
む調合物に関する。この調合物は、好ましくはpH約5.0〜約8.0で緩衝能を
有する緩衝液を含む。この調合物はまた、1またはそれ以上の抗酸化剤および/
または1またはそれ以上の金属キレート化剤を含んでいてよい。 本発明の第四の側面は、KGF−2ポリペプチド、緩衝液、およびある所定の
温度で調合物をゲル化させる高分子量化合物を含む調合物に関する。好ましい高
分子量化合物は、PluronicまたはPoloxamerポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレンブロックコポリマーである。該ポリペプチドに安定性を付与するため、
モノチオグリセロールなどのチオール含有化合物を調合物に含ませることができ
る。
【0009】 本発明の第五の側面は、KGF−2ポリペプチド、緩衝液、および増粘剤を含
む調合物に関する。増粘剤は、調合物の粘度を増大させるために用いる。好まし
い増粘剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロ
ース(HEC)、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトロ
ソル(Natrosol)およびカルボマー(Carbomers)である。
【0010】 さらに、本発明の調合物はまた、金属キレート化剤、抗酸化剤またはチオール
含有化合物、たとえば、アスコルビン酸エステル、モノチオグリセロール、シス
テイン、トコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソール、硫酸ナトリウム、重
亜硫酸ナトリウムおよびメタ亜硫酸ナトリウム(sodium metasulfite)、および
保存剤、たとえば、m−クレゾール、フェノール、クロロブタン、クロロブタノ
ール、ベンジルアルコール、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを含んでい
てよい。抗菌保存剤はKGF−2調合物の安定性を低減させる。驚くべきことに
、メチルパラベンとプロピルパラベンとの組み合せが、KGF−2調合物に使用
するのに適していることがわかった。本発明の調合物はまた、バイアルの上部空
間に窒素ブランケットオーバーレイ(nitrogen blanket overlay)を有していて
よい。さらに、本発明の調合物は、ヘリウム、アルゴンまたは窒素を用いて調合
物緩衝液を除去すること(purging the formulation buffer)を含む。
【0011】 KGF−2は表皮角質細胞の増殖は刺激するが、繊維芽細胞などの間充織細胞
の増殖は刺激しない。従って、「KGF−2タンパク質様活性を有するポリペプ
チド」とは、下記の角質細胞増殖アッセイにおいてKGF−2活性を示し、FG
Fレセプターイソ型1-iiibおよび2-iiibに結合するポリペプチドを含む。 本発明は、KGF−2ポリペプチドの医薬調合物および動物医薬調合物に関す
る。本明細書においてKGF−2ポリペプチドは、図1(配列番号:2)のポリ
ペプチドまたは寄託してあるcDNAによりコードされるポリペプチドを参照し
て定義され、図1(配列番号:2)のポリペプチドまたは寄託してあるcDNA
によりコードされるポリペプチドの断片、誘導体およびアナログであって本質的
に親ポリペプチドと同じ生物学的機能を保持しているものを包含する。本発明に
用いるポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然のポリペプチドまたは合成ポ
リペプチドであってよいが、組換えポリペプチドが好ましい。
【0012】 KGF−2ポリペプチドは、4.5またはそれ以下のpH、または約8を超え
るpHでは不十分な活性および安定性しか示さないことがわかっている。本発明
者らは、KGF−2ポリペプチドが酸化し、沈殿することを見出した。これらポ
リペプチドは、治療目的のために調合物にしようとすると難題を提示する。物理
化学的特性および生物学的活性を維持するため、KGF−2ポリペプチドは、抗
酸化剤、たとえば酸素捕捉化合物、および/またはタンパク質安定化剤、たとえ
ばチオール含有化合物、および/または金属キレート化剤、たとえばEDTAと
ともに調合することができる。本明細書において安定化とは、所定の期間にわた
ってKGF−2ポリペプチドの物理化学的特性および実質的な生物学的活性の両
者を維持することをいう。 本発明による調合物は、ゲル、増粘溶液、溶液および凍結乾燥形態を含む。調
合物はまた本明細書において「医薬組成物」または「組成物」とも称する。
【0013】注射用調合物 液体調合物 本発明の第一の側面は、KGF−2ポリペプチド、およびpH約5.0〜8.0
、さらに好ましくはpH5.5〜6.5、最も好ましくはpH6.2で緩衝能を有
する緩衝液を含む液体調合物に関する。有用な緩衝液としては、リン酸、酢酸、
アコニット酸、クエン酸、グルタル酸、リンゴ酸、コハク酸および炭酸に由来す
る緩衝液が挙げられる。典型的に用いられるのは、上記酸の一つのアルカリまた
はアルカリ土類塩である。さらに好ましくは、緩衝液は酢酸塩またはクエン酸塩
、最も好ましくはクエン酸塩であろう。たとえば、調合物は、緩衝量のクエン酸
またはその薬理学的に許容しうる塩をKGF−2Δ33と水中で混合することに
より生成する組成物を包含する。調合物はまた、緩衝量の酢酸またはその薬理学
的に許容しうる塩をKGF−2Δ33と水中で混合することにより生成する組成
物を包含する。好ましい緩衝液濃度は、約5mM〜約50mMである。最も好ま
しくは、酢酸緩衝液は約20mMの濃度を有し、クエン酸緩衝液は約10mM〜
約20mMであろう。
【0014】 調合物はまた、NaCl、グリシン、ショ糖またはマンニトールまたはそれら
の組み合せを等張化剤(tonicifier)として約0mM〜約150mM、好ましく
は10〜約150mM、最も好ましくは約125mMの濃度にて、および金属キ
レート化剤、たとえばEDTAを約0mM〜約10mM、最も好ましくは約1m
Mの濃度にて含んでいてよい。さらに、本発明の液体調合物はまた、(a)安定
化量の抗酸化剤、たとえばアスコルビン酸および/または(b)タンパク質安定
化量のチオール化合物、たとえばモノチオグリセロール(MTG)の1またはそ
れ以上を含んでいてよい。理論に縛られることを意図するものではないが、MT
Gなどのチオール化合物はKGF−ポリペプチドに存在する遊離のスルフヒドリ
ル基を保護する働きをすると考えられる。液体調合物の貯蔵条件は、一般に約2
℃〜約8℃である。あるいは、貯蔵条件は−20℃またはそれ以下である。最も
好ましくは貯蔵条件は約−20℃である。KGF−2液体調合物を凍結状態で維
持することは該ポリペプチドに対して酸化量を制限し、このことが安定なポリペ
プチド調合物という結果をもたらす。
【0015】 好ましくは、液体調合物は、 (1)治療学的有効量のKGF−2ポリペプチド; (2)pH約5.0〜約8.0で緩衝能を有する緩衝液の有効量; (3)薬理学的に許容しうる希釈剤;および (4)任意に下記成分の1またはそれ以上: (a)等張化剤としてのNaCl、グリシン、ショ糖またはマンニトールまた
はそれらの組み合せ、 (b)キレート化剤、 (c)安定化量の抗酸化剤、および (d)安定化量のタンパク質安定化剤 を含む。 KGF−2ポリペプチドは溶液中に保持するのが好ましい。
【0016】 本発明の組成物は、上記成分を好ましくは本明細書に記載した濃度および比率
にて混合することにより製造する。 液体調合物に用いることのできる抗酸化剤としては、重硫酸ナトリウム、シス
テイン、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、トコフェロール、およびブチル化
ヒドロキシアニソールが挙げられる。さらに、液体調合物に用いることのできる
安定化剤はまた、システイン、メチオニンおよびチオグリセロールなどのチオー
ル類を含む。使用できるキレート化剤としては、エチレンジアミン四酢酸(ED
TA)、またはジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)が挙げられ、EDTA
が好ましい。 抗酸化剤またはチオール類を含む本発明の調合物は、KGF−2ポリペプチド
の安定性を増大させることができる。このことは、一層長期の貯蔵寿命を有する
医薬製品とすることを可能とする。
【0017】 さらに、本発明の調合物は、1またはそれ以上の保存剤、たとえば、ベンジル
アルコールを好ましくは約0.5%〜約1.5%の濃度、最も好ましくは約0.9
%の濃度にて、クロロブタノールを好ましくは約0.01%〜約1%の濃度、最
も好ましくは約0.5%の濃度にて、メチルパラベンを好ましくは約0.1〜約0
.2%の濃度、最も好ましくは約0.18%の濃度にて、プロピルパラベンを好ま
しくは約0.01%〜約0.05%の濃度、最も好ましくは約0.02%の濃度に
て、m−クレゾールを好ましくは約0.1〜約1%の濃度、最も好ましくは約0.
3%の濃度にて、および/またはフェノールを好ましくは約0.1%〜約1%の
濃度、最も好ましくは約0.5%の濃度で含んでいてよい。特に好ましいのはメ
チルパラベンとプロピルパラベンとを一緒に用いることであり、メチルパラベン
を約0.1〜約0.2%の濃度で、プロピルパラベンを約0.10%〜約0.05%
の濃度で用いる。最も好ましいのはメチルパラベンとプロピルパラベンとの組み
合せであり、メチルパラベンを0.18%の濃度で、プロピルパラベンを0.02
%の濃度で用いる。
【0018】 さらに好ましい液体調合物は、 (1)約0.02〜約40mg/ml(w/v)、さらに好ましくは約0.05〜約
30mg/ml(w/v)、さらに一層好ましくは約0.1〜約20mg/ml(w
/v)、もっと一層好ましくは約10mg/ml(w/v)、最も好ましくは約0.
2〜4mg/mlの濃度範囲のKGF−2ポリペプチド; (2)約5mM〜約50mM、好ましくは約5mM〜約30mMの濃度範囲でp
H約5.0〜約8.0にて緩衝能を有する緩衝液;および (3)組成物を所定の容量とする、薬理学的に許容しうる希釈剤、好ましくは水
を含む。
【0019】 本発明の調合物に有用な緩衝液としては、酢酸、アコニット酸、クエン酸、グ
ルタル酸、リンゴ酸、コハク酸、リン酸および炭酸に由来する緩衝液が挙げられ
る。典型的に用いられるのは、上記酸の一つのアルカリまたはアルカリ土類塩で
ある。酢酸およびクエン酸緩衝液、たとえば、酢酸または薬理学的に許容しうる
その塩、またはクエン酸または薬理学的に許容しうるその塩が好ましい。溶液調
合物の好ましいpH範囲は、pH約5.0〜約8.0、好ましくはpH5.5〜6.
5、最も好ましくはpH6.2である。酢酸ナトリウムまたはクエン酸ナトリウ
ムが好ましい緩衝液であり、クエン酸ナトリウムが最も好ましい。
【0020】 上記溶液にはまた、 (4)約0.1mM〜約10mM、さらに好ましくは約1mMの濃度範囲のキレ
ート化剤、たとえばEDTA; (5)約0.01mM〜約150mM、さらに好ましくは約125mMの濃度範
囲のNaCl、グリシン、ショ糖またはマンニトールまたはそれらの組み合せな
どの等張化剤 を加えるのが好ましい。
【0021】 場合により、液体調合物はまた、以下よりなる群から選ばれた化合物をタンパ
ク質安定化量で含んでいてよい: (a)約0.5%〜約2%w/vのグリセロール、 (b)約0.1%〜約1%w/vのメチオニン、または (c)約0.1%〜約2%w/vのモノチオグリセロール。
【0022】 本発明のこの側面の好ましい態様は、 (1)約0.02〜約40mg/ml(w/v)、さらに好ましくは約0.1〜約2
0mg/ml、最も好ましくは約0.2〜4mg/mlの濃度のKGF−2ポリ
ペプチド; (2)10mMのクエン酸ナトリウムまたは20mMの酢酸ナトリウム; (3)125mMのNaCl; (4)1mMのEDTA;および (5)希釈剤としての水 を混合することにより生成する組成物を包含する。
【0023】 さらに好ましくは、溶液調合物は、 (1)約0.2〜4mg/mlのKGF−2ポリペプチド; (2)20mMの酢酸ナトリウム; (3)125mMのNaCl; (4)1mMのEDTA;および (5)希釈剤としての水 を混合することにより生成する組成物を包含し、その際、該溶液はpH約6.2
であり、約−20℃で貯蔵する。
【0024】 最も好ましくは、溶液調合物は、 (1)約1.0mg/mlのKGF−2ポリペプチド; (2)20mMのクエン酸塩、pH5〜5.5;および (3)0.01%のポリソルベート80 を混合することにより生成する組成物を包含する。 該溶液はまた、約7%のショ糖かまたは2%のグリシンと0.5%のショ糖と
の組み合せのいずれかを含むのが好ましい。
【0025】 別の態様として、溶液調合物は、 (1)約1.0mg/mlのKGF−2ポリペプチド; (2)20mMのクエン酸塩、pH5〜5.5; (3)1mMのEDTA;および (4)0.01%のポリソルベート80 を混合することにより生成する組成物を包含する。 該溶液はまた、約7%のショ糖かまたは2%のグリシンと0.5%のショ糖と
の組み合せのいずれかをも含むのが好ましい。
【0026】 本発明者らは、KGF−2ポリペプチドが容易に酸化し、溶液から凝集および
沈降することを見出した。KGF−2の酸化は生物学的活性を破壊するものでは
ないが、生成物の酸化の程度を制限することは一層安定な生成物に導く。本発明
者らは、液体調合物があまりにも低いpHにあるとKGF−2ポリペプチドはそ
の生物学的活性を失うことを観察した。さらに、溶液のpHがKGF−2のpI
に近づくにつれて該タンパク質は溶液から沈降するであろう。それゆえ、本発明
者らは、液体調合物はpH約6.0〜約7.0の範囲に維持すべきであり、約6.
2のpHがKGF−2ポリペプチドを安定化するうえで最適であると決定した。
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、クエン酸緩衝液がとりわけKGF−2
ポリペプチドを安定化させると決定した。
【0027】 pH約6.0〜6.2を有するクエン酸緩衝液の使用はKGF−2ポリペプチド
の凝集が低減し安定性の増大した液体調合物をもたらすが、該液体ポリペプチド
調合物は依然としてKGF−2ポリペプチドの酸化および沈降を受ける。それゆ
え、本発明者らは、以下に記載する凍結乾燥した調合物を開発した。
【0028】凍結乾燥調合物 本発明の第二の側面は、KGF−2ポリペプチド、およびpH約5.0〜約8.
0、さらに好ましくはpH5.5〜6.5、最も好ましくはpH6.2で緩衝能を
有する緩衝液を含むKGF−2ポリペプチドの凍結乾燥調合物に関する。有用な
緩衝液としては、リン酸、アコニット酸、クエン酸、グルタル酸、リンゴ酸、コ
ハク酸および炭酸に由来する緩衝液が挙げられる。典型的に用いられるのは、上
記酸の一つのアルカリまたはアルカリ土類塩である。さらに好ましくは、緩衝液
はリン酸またはクエン酸、最も好ましくはクエン酸であろう。たとえば、調合物
は、緩衝量のクエン酸またはその薬理学的に許容しうる塩をKGF−2Δ33と
水中で混合することにより生成する組成物を包含する。好ましい緩衝液濃度は、
約5mM〜約50mMであり、より好ましくは約10mMである。最も好ましく
は、クエン酸緩衝液を約10mMの濃度で加える。また、調合物は、等張化剤と
してのNaClを約0mM〜約150mM、最も好ましくは約20mMの濃度に
て、および金属キレート化剤、たとえばEDTAを約0mM〜約10mM、最も
好ましくは約1mMの濃度にて含んでいてよい。
【0029】 さらに、バルク剤/低温保護剤(cryoprotectants)、たとえば、ショ糖、グ
リシン、マンニトール、トレハロースまたは他の薬理学的に許容しうるバルク剤
が調合物中に含まれる。使用するバルク剤の量は、溶液が等張となるような範囲
であり、約2%〜約10%w/vの範囲である。好ましい濃度は以下のとおりで
ある:5%マンニトール、7%ショ糖、8%トレハロース、または2%グリシン
+0.5%ショ糖。さらに好ましくは、ショ糖またはショ糖/グリシン混合物を
用いる。さらに、本発明の凍結乾燥調合物はまた、(a)安定化量の抗酸化剤、
たとえばアスコルビン酸または(b)安定化量のチオール化合物、たとえばモノ
チオグリセロールの1またはそれ以上を含んでいてよい。凍結乾燥調合物の貯蔵
条件は、一般に約2℃〜約25℃である。さらに好ましくは、貯蔵条件は約2℃
またはそれ以下〜約8℃である。
【0030】 KGF−2ポリペプチドは、最初の溶液中で約0.02mg/ml〜約10m
g/mlのタンパク質濃度にて凍結乾燥する。 最初の凍結乾燥溶液は、(KGF−2ポリペプチドに加えて) (1)約5mM〜約20mMの濃度範囲の有効量のクエン酸または薬理学的に許
容しうるその塩、好ましくはクエン酸ナトリウム、 (2)約0mM〜約125mMの濃度範囲のNaCl、 (3)約0mM〜約10mMの濃度範囲のEDTA、 (4)約2%w/v〜約15%w/vの濃度のショ糖、マンニトール、グリシン
またはトレハロースの1またはそれ以上またはそれらの混合物、および (5)水 を含むのが好ましい。凍結乾燥緩衝液の好ましいpH範囲は、約5.5〜約8.0
、好ましくはpH約6.2である。 さらに好ましくは、凍結乾燥緩衝液は、10mMのクエン酸ナトリウム、20
mMの塩化ナトリウム、1mMのEDTA二ナトリウム、pH6.2、および7
%ショ糖を含む。
【0031】 凍結乾燥KGF−2ポリペプチド調合物は、約290mOsmの等張条件を維
持するように滅菌水中で再構成する。KGF−2ポリペプチドの再構成は、(a
)約0.01%〜約2%w/vのモノチオグリセロール、(b)約0.01%〜約
2%w/vのアスコルビン酸、(c)約0.01%〜約2%w/vのメチオニン
または(d)それらの混合物を含む安定化量の抗酸化剤を任意に含む滅菌水中で
行うことができる。
【0032】 本発明は、安定なKGF−2ポリペプチド調合物を生成する凍結乾燥サイクル
を包含する。凍結乾燥サイクルは、最初の乾燥相の際にKGF−2ポリペプチド
生成物をその崩壊温度以下に保持するように設計する。さらに、水分含量を5%
未満、より好ましくは2%未満となるようにする。そのようなプロトコールは、
特定のタンパク質について個々に決定しなければならない。本発明によるKGF
−2ショ糖含有凍結乾燥調合物のための凍結乾燥サイクルの一例は以下のように
決定された:
【0033】
【0034】 本発明によるKGF−2凍結乾燥調合物のための凍結乾燥サイクルの他の例は
以下のように決定された:
【0035】 本発明の凍結乾燥調合物は、予期しないほどに増大した安定性を提供する。実
際、本発明の凍結乾燥KGF−2調合物は、45℃までの温度にて少なくとも9
ヶ月間、生物学的に安定である(図4)。逆相HPLCは、本発明の凍結乾燥K
GF−2調合物が45℃またはそれ以下、75%の相対湿度で8ヶ月までその物
理化学的特性を保持したことを示した。このような高温度でこのように長期にわ
たって安定であることはタンパク質にとって極めて異例のことである。
【0036】増粘調合物およびゲル調合物 本発明の第三の側面は、KGF−2ポリペプチドの増粘調合物およびゲル調合
物に関する。(1)増粘剤: 増粘剤を上記液体調合物に加えて、得られる調合物の粘度を増大させることが
できる。粘度の増加した調合物は、制御した放出、創傷の形状への付着または流
出の防止が重要である局所適用には有益である。そのような増粘調合物は、創傷
の治癒などの局所的な使用、皮膚疾患を治療するため、またはKGF−2医薬組
成物の局所適用によって治療し得る他の使用のために用いる。
【0037】 増粘剤は、粘度を約50〜約10,000センチポイズ(cps)、さらに好
ましくは約50〜約1,000cps、および最も好ましくは約200〜約30
0cpsに上げることができなければならない。粘度は回転紡錘粘度計を用いて
測定する。増粘剤の最も好ましい濃度は、0〜5%(w/w)である。増粘した
溶液は、常に液体の状態であろう。
【0038】 適当な増粘剤の例としては、これに限られるものではないが、水溶性のエーテ
ル化セルロースおよびカルボマー(アリルスクロースかまたはペンタエリトリト
ールのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸の高分子量ポリマー)が挙げられ
る。エーテル化セルロースの例は当該技術分野でよく知られており(USPに列
挙されている)、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびア
ルキルヒドロキシアルキルセルロース、たとえば、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースなどが挙げられる。別の態様において、局所ゲルまたは切開(inci
sional)ゲルは、分子量が約50,000〜約700,000のセルロース誘導体
を約0〜約20重量%含んでいてよい。好ましい態様において、セルロース誘導
体は約2重量%〜約8重量%で含まれ、約80,000〜約240,000の範囲
の分子量を有する。好ましいセルロース誘導体はヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシエ
チルセルロースである。
【0039】 増粘剤を上記で詳記した注射用調合物に加える場合には、最適の安定性のため
に塩および緩衝剤を加えるかまたは調合物から除去してよい。たとえば、クエン
酸塩の濃度を増大させてよい。クエン酸塩の好ましい濃度は、たとえば、約10
mM〜約500mMのクエン酸塩、さらに好ましくは約10mM〜約50mMの
クエン酸塩、最も好ましくは約10mM〜約20mMのクエン酸塩である。さら
に、凍結乾燥調合物においてショ糖の量を約0%〜約5%ショ糖の範囲まで減ら
してよい。 増粘剤は本発明の液体調合物に直接加え、ついで凍結乾燥してよい。別のやり
方として、その中に増粘剤を溶解した適当な希釈剤、最も好ましくは水を加える
ことにより、本発明による凍結乾燥調合物を再構成してよい。そのような増粘剤
調合物は、スプレーにより投与できるであろう。
【0040】 本発明による好ましい増粘KGF−2ポリペプチド溶液の一例は、 (1)局所的有効量のKGFポリペプチド、好ましくはKGF−2Δ33; (2)約10mM〜約500mMのクエン酸ナトリウム緩衝液; (3)約0.01〜約150mMのNaCl; (4)約0.75〜約1.27mM、好ましくは約1mMのEDTA; (5)約0.1%〜約7%のショ糖または約2.0%のグリシンと約0.5%のシ
ョ糖との組み合せ; (6)約0.75〜約1.5%(w/w)のカルボキシメチルセルロースまたは約
0.5〜約1.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは約0.25〜約
0.75%のヒドロキシエチルセルロースまたは約0〜1%のカルボマーまたは
これらの組み合わせ を混合することにより生成した生成物を包含する。 そのような調合物のpHは、最も好ましくはpH6.2である。
【0041】(2)ゲル化剤: 本発明の他の側面は、KGF−2ポリペプチドのゲル調合物に関する。ゲル化
剤を本発明の注射用調合物に加え、室温では液体のままであるが皮膚の表面(約
37℃)に適用したときに固化する調合物を提供することができる。そのような
調合物は、制御した放出、創傷の形状への付着または流出の防止が重要である局
所適用には有用である。そのようなゲル調合物は、創傷の治癒などの局所的な使
用、皮膚疾患を治療するため、またはKGF−2医薬組成物の局所適用によって
治療し得る他の使用のために用いる。
【0042】 本発明によるKGF−2ポリペプチドのゲル調合物は、 (1)局所的有効量のKGFポリペプチド; (2)緩衝液; (3)薬理学的に許容しうる希釈剤、好ましくは水;および (4)ゲル形成高分子量化合物 を含む。
【0043】 本発明のゲル調合物の粘度は、室温で約1〜約10,000cps、最も好ま
しくは室温で約20〜約100cpsの範囲であってよい。粘度は回転紡錘粘度
計を用いて測定する。 本発明に用いることのできるゲル形成高分子量化合物は、典型的に、粘性の水
溶液を生成しうる水溶性ポリマー、または粘性の溶液を生成することができ皮膚
との接触によりゲル化しうる非水溶性で水膨潤性のポリマー(たとえば、コラー
ゲン)である。
【0044】 有用なゲル形成高分子量化合物は、ビニルポリマー、ポリオキシエチレン−ポ
リオキシプロピレンコポリマー、多糖、タンパク質、ポリ(エチレンオキシド)
、アクリルアミドポリマー、およびその誘導体および/またはその塩から選ばれ
てよい。創傷の治癒に用いる医薬ゲル調合物を製造するのに用いることのできる
他の化合物は、米国特許第5,427,778号(その全体を参照のため本明細書
中に引用する)に見出すことができる。
【0045】 有用なビニルポリマー(または置換ポリエチレン)としては、ポリアクリル酸
、ポリメタクリル酸、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコールが挙げ
られる。有用な多糖としては、セルロース誘導体、グリコサミノグリカン、寒天
、ペクチン、アルギン酸、デキストラン、デンプン(α−アミロースまたはアミ
ロペクチン)、およびキトサンが挙げられる。有用なグリコサミノグリカンとし
ては、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン−4−硫酸、ヘパラン硫
酸およびヘパリンが挙げられる。グリコサミノグリカンは、創傷治癒を促進する
ため、他のゲル形成ポリマー、たとえば、コラーゲン、ゼラチンまたはフィブロ
ネクチンとともに用いる。アクリルアミドポリマーは、ポリアクリルアミドまた
はポリメタクリルアミドであってよい。
【0046】 好ましい高分子量ゲル形成化合物は、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピ
レンブロックコポリマー、とりわけ取引においてPLURONIC(BASF)またはPOLAXAME
RS(BASF)として表示されるブロックコポリマーである。 一つの態様において、本発明のゲルは、平均分子量が約500〜50,000
のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを約10〜約
60重量%含んでいてよい。さらに好ましい態様において、本発明のゲルは、1
,000〜15,000の範囲の分子量のブロックコポリマーを約14〜約18重
量%含んでいてよい。本発明の好ましいブロックコポリマーは、Pluronic F108
およびPluronic F127である。
【0047】 ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(Pluronicま
たはPoloxamer)は局所用ドラッグデリバリーシステムに使用するのに大きな可
能性を持っている。なぜなら、それは逆の熱的ゲル化の挙動を示し、良好な薬物
放出特性を有し、さらに毒性も低いからである。ゲルは溶液を温めると形成され
る。それゆえ、このゲルは室温では低粘性の水溶液であるが、哺乳動物の体に接
触し体温により温められると溶液がゲル化するにつれ粘度は上昇する。Pluronic
ゲルは、たとえば創傷や局所投与が望まれるその他の部位へのKGF−2ポリペ
プチドの徐放に用いることができる。KGF−2ポリペプチドは液体状態でPlur
onicと混合し、創傷に適用することができる。ゲル化が起こることにより該ポリ
ペプチドが創傷に放出される速度が有効に低減され、それによって該ポリペプチ
ドと創傷部位との間の長期にわたる接触が可能となる。そのようなゲル調合物を
使用する利益としては、創傷に水分を保持すること、および創傷や該化合物を適
用できる他の部位に形状的にフィッティングする医薬化合物とすることができる
ことが挙げられる。
【0048】 本発明によるKGF−2ポリペプチドのための好ましいゲル調合物は、クエン
酸緩衝液およびPluronicを含む。該調合物は、所定量のクエン酸または薬理学的
に許容しうるその塩を含んでいてよい。 本発明によるゲル調合物はまた、キレート化剤、安定化量の抗酸化剤またはチ
オール類をも含んでいてよい。ゲル調合物は、Pluronicなどの高分子量化合物、
または水溶性のエーテル化セルロースなどを、ゲル化を引き起こす量にて含んで
いるであろう。本発明によるゲル調合物において、KGF−2ポリペプチドは約
0.01mg/ml〜約10mg/mlの濃度で含まれるのが好ましい。
【0049】 好ましくは、ゲル調合物は、 (1)0.01mg/ml〜約10mg/mlの最終計算濃度のKGF−2ポリ
ペプチド、好ましくはKGF−2Δ33ポリペプチド; (2)有効量の緩衝液; (3)約10〜約60重量%、さらに好ましくは約14〜約18重量%の、平均
分子量が約500〜50,000のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
ブロックコポリマー;および (4)薬理学的に許容しうる希釈剤、好ましくは水 を混合することにより製造する。
【0050】 他の好ましいゲル調合物は、 (1)薬理学的活性量のKGF−2ポリペプチド; (2)約10mM〜約500mMのクエン酸ナトリウム; (3)約0.01mM〜約150mMのNaCl; (4)約1mMのEDTA; (5)約0.1%〜約7%のショ糖または約2.0%のグリシンおよび約0.5%
のショ糖; (6)約14%〜約18%のPluronic F127;および (7)水 を含み、その際、該調合物はpH約6.2にある。
【0051】 最も好ましくは、ゲル調合物は、 (1)約0.01mg/ml〜約10mg/ml(w/v)、さらに好ましくは
約0.1mg/ml〜約3mg/ml、最も好ましくは約0.2mg/mlの範囲
の濃度のKGF−2ポリペプチド、好ましくはKGF−2Δ33; (2)約5mM〜約20mMの濃度範囲のクエン酸ナトリウム; (3)約10%〜約25%(w/v)、好ましくは約15〜約25、最も好まし
くは約16%のPluronic 127またはPoloxamer 407; (4)約6.7%〜約7.3%のショ糖、好ましくは約7%のショ糖または約2.
0%のグリシンおよび約0.5%のショ糖;および (5)所定量とする水 を含む。
【0052】 ゲル調合物はさらに、下記の1またはそれ以上を任意に含んでいてよい: (6)約0.1mM〜約10mMの濃度範囲のEDTA、 (7)約0.01mM〜約125mMの濃度範囲のNaCl。 ゲル調合物の好ましいpH範囲は、pH約5.0〜約8.0、好ましくはpH6.
2であり、得られるゲル調合物は等張でなければならない。
【0053】(3)他の安定化剤: 本発明の上記調合物はすべて、抗酸化剤、金属キレート化剤、チオール含有化
合物および他の一般的な安定化剤から利益を受ける。そのような安定化剤の例と
しては、これらに限られるものではないが、以下のものが挙げられる: (a)約0.5%〜約2%w/vのグリセロール、 (b)約0.1%〜約1%w/vのメチオニン、 (c)約0.1%〜約2%w/vのモノチオグリセロール、 (d)約1mM〜約10mMのEDTA、 (e)約0.01%〜約2%w/vのアスコルビン酸、 (f)0.003%〜約0.02%w/vのポリソルベート80、 (g)0.001%〜約0.05%w/vのポリソルベート20、 (h)好ましくは約0.5%〜約2.5%、最も好ましくは約1.7%の濃度のア
ルギニン、 (i)ヘパリンまたはヘパリンアナログ(負に荷電したもの)、 (j)好ましくは約0.5%〜約0.05%の濃度のデキストラン硫酸、 (k)シクロデキストリンまたは硫酸化シクロデキストリン、 (l)アニオンまたはポリアニオン種(ヘパリンアナログ)、 (m)好ましくは10%の濃度のリジン、 (n)好ましくは約2〜約10%の濃度のヒドロキシプロピル−β−シクロデキ
ストリン、 (o)好ましくは約0.1%〜約10%、最も好ましくは約1%の濃度の硫酸化
β−シクロデキストリン、または (l)以上の組み合わせ。
【0054】KGF−2ポリペプチドの投与 本発明のKGF−2ポリペプチド調合物には、医薬組成物において有用である
ことが知られている適当な製剤学的希釈剤を用いてよい。そのような希釈剤とし
ては、これらに限られるものではないが、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース
、水、グリセロール、エタノールおよびそれらの組み合わせが挙げられる。調合
物は投与方法に適合したものでなければならない。好ましくは、医薬組成物は、
本発明に従って上記のように調合されるであろう。水が好ましい希釈剤である。
【0055】 KGF−2活性を有するポリペプチドは、1またはそれ以上の薬理学的に許容
しうる賦形剤とともに医薬組成物として投与することができる。ヒト患者に投与
する場合には、本発明の医薬組成物の1日の全使用量は、担当医により妥当な医
学的判断に基づいて決定されるであろう。ある特定の患者に対して有効な特定の
治療学的有効量は、達成されるべき応答のタイプおよび程度;他の薬剤の使用の
有無を含む特定の組成;患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食事
;投与時間、投与経路、および該組成物の排泄速度;処置の期間;特定の組成物
と組み合わせてまたは同時に使用する薬剤(化学療法剤など);および医学分野
でよく知られた同様の因子を含む種々の因子に依存するであろう。当該技術分野
で知られた適当な調合物は、Remington's Pharmaceutical Sciences(最新版)
、マックパブリッシングカンパニー、イーストン、ペンシルベニアに記載されて
いる。従って、本発明の目的のためのKGF−2の「有効量」は、以上のことを
考慮して決定される。
【0056】 本発明の医薬組成物は、経口、直腸経由、局所、静脈内、腹腔内、筋肉内、関
節内、皮下、鼻内、吸入、眼内または皮内経路などの都合のよい仕方で投与して
よい。非経口および局所送達が好ましい投与経路である。本明細書において「非
経口」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および
注入を含む投与法をいう。
【0057】 本発明の医薬組成物は、特定の適応症の治療および/または予防に有効な量に
て投与する。たいていの場合、KGF−2の投与量は、投与経路や徴候等を考慮
に入れて1日当たり約1μg/kg体重〜約30μg/kg体重である。しかし
ながら、投与量は0.001μg/kgもの低投与量であってよい。たとえば、
局所投与の特定の場合では、1cm当たり約0.01μg〜9mgの投与量を
投与するのが好ましい。鼻内および眼内投与の場合は、約0.001μg/mg
〜約10mg/ml、さらに好ましくは約0.05mg/ml〜約4mg/ml
の投与量を投与するのが好ましい。
【0058】 一般的な問題として、非経口的に投与するKGF−2ポリペプチドの薬理学的
に有効な全量は、患者の体重当たり約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の
範囲であろうが、上記のようにこの範囲は治療における裁量に委ねられるであろ
う。連続的に投与する場合には、KGF−2ポリペプチドは一般に、1日当たり
1〜4回の注射かまたはたとえばミニポンプを用いた連続的な皮下注入のいずれ
かにより、約1μg/kg/時〜約50μg/kg/時の投与速度にて投与する
。静脈内バッグ溶液またはボトル溶液を用いることもできる。 線溶系に影響を及ぼすKGF−2ポリペプチド処置のコースは、所定の最小日
数以上(マウスの場合は7日)続けるならば最適であると思われる。変化を観察
するのに要する処置期間の長さおよび応答を生じるための処置後の間隔は、所望
の効果に依存して変わると思われる。
【0059】 非経口投与の場合は、一つの態様において、KGF−2ポリペプチドを所望の
純度にて単位注射剤型(液剤、懸濁剤、または乳濁剤)中に、薬理学的に許容し
うる担体、すなわち使用した投与量および濃度において受容者に非毒性であり調
合物の他の配合成分と両立しうるものと混合することにより調合する。たとえば
、調合物は、酸化剤やポリペプチドにとって有害であることが知られている他の
化合物を含まないのが好ましい。
【0060】 一般に、調合物は、KGF−2ポリペプチドを液体担体または細分した固体担
体または両者と均一かつ完全に接触させることにより調製する。ついで、必要な
ら生成物を所望の調合物に成形する。好ましくは担体は非経口担体であり、さら
に好ましくは受容者の血液と等張な溶液である。そのような担体ビヒクルの例と
しては、水、食塩水、リンゲル液、およびデキストロース溶液が挙げられる。非
水性のビヒクル、たとえば、固定油やオレイン酸エチルなどもリポソームと同様
に有用である。当該技術分野で知られた適当な調合物は、Remington's Pharmace
utical Sciences(最新版)、マックパブリッシングカンパニー、イーストン、
ペンシルベニアに見出すことができる。
【0061】 KGF−2ポリペプチドはまた、動物およびヒトにおいて涙腺の障害、疾患お
よび病理を治療するために液剤、滴剤、または増粘液剤、ゲル剤として眼に投与
することができる。 KGF−2ポリペプチドはまた、動物およびヒトにおいて鼻粘膜および副鼻腔
上皮の疾患、傷害および病理を治療するために滴剤としてまたはスプレーの形態
で鼻粘膜に鼻内投与することができる。
【0062】 一般に、調合物は、KGF−2ポリペプチドを液体担体または細分した固体担
体または両者と均一かつ完全に接触させることにより調製する。ついで、必要な
ら生成物を所望の調合物に成形する。好ましくは担体は非経口担体であり、さら
に好ましくは受容者の血液と等張な溶液である。そのような担体ビヒクルの例と
しては、水、食塩水、リンゲル液、およびデキストロース溶液が挙げられる。非
水性のビヒクル、たとえば、固定油やオレイン酸エチルなどもリポソームと同様
に用いることができる。当該技術分野で知られた適当な調合物は、Remington's
Pharmaceutical Sciences(最新版)、マックパブリッシングカンパニー、イー
ストン、ペンシルベニアに見出すことができる。
【0063】 担体はまた、等張性および化学的安定性を高める物質などの適当な添加剤を少
量含んでいてよい。そのような物質は、使用した投与量および濃度において受容
者に非毒性であり、緩衝液、たとえば、リン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、お
よび他の有機酸またはその塩;抗酸化剤、たとえば、アスコルビン酸;低分子量
(約10残基未満)ポリペプチド、たとえば、ポリアルギニンまたはトリペプチ
ド;タンパク質、たとえば、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン
;親水性ポリマー、たとえば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、たとえば、グ
リシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、またはアルギニン;単糖、二糖、およ
びセルロースまたはその誘導体、グルコース、マンノース、またはデキストラン
を含む他の炭水化物;キレート化剤、たとえば、EDTA;糖アルコール、たと
えば、マンニトールまたはソルビトール;対イオン、たとえば、ナトリウム;お
よび/または非イオン性界面活性剤、たとえば、ポリソルベート、ポリオキサマ
ー、またはPEGを含む。
【0064】 KGF−2は、典型的に、そのようなビヒクル中で約0.01μg/ml〜5
0mg/ml、好ましくは0.01μg/ml〜10mg/mlの濃度にて、約
5〜約8のpH、好ましくは約6〜約7、最も好ましくはpH約6.2で調合さ
れる。上記賦形剤、担体、または安定化剤のいずれかの使用の結果、KGF−2
塩が生成されるであろうことは理解されるであろう。 治療目的の投与に使用するKGF−2は滅菌してよい。滅菌は滅菌濾過膜(た
とえば、0.2ミクロン膜)で濾過することにより容易に行うことができる。治
療用KGF−2組成物は、滅菌アクセスポートを有する容器、たとえば、静脈内
溶液バッグまたは皮下注射針を通すことのできる栓を有するバイアル中に入れて
よい。
【0065】 KGF−2は、通常、単回または多回投与容器、たとえば、密封したアンプル
またはバイアル中に水溶液または再構成用の凍結乾燥調合物として貯蔵されるで
あろう。凍結乾燥調合物の例として、3ml容バイアルに1mlの滅菌濾過した
1%(w/v)KGF−2水溶液を充填し、得られた混合物を凍結乾燥する。注
入溶液は、凍結乾燥したKGF−2を注射用水(Water-for-Injection)(1種
またはそれ以上の抗酸化剤を含んでいてよい)を用いて再構成することにより調
製する。 投薬は、たとえばRIA法によって決定されるように、前以て決定した血中濃
度のKGF−2活性が達成されるように患者に特異的な仕方で取り決めることが
できる。それゆえ、患者の投薬は、RIAにより測定されるように50〜100
0ng/ml、好ましくは150〜500ng/mlの次数で常に血中レベルが
達成されるように調節してよい。
【0066】 KGF−2はまた、徐放系により適切に投与される。徐放組成物の適当な例と
しては、成型製品、たとえばフィルム、またはマイクロカプセルの形態の半透過
性ポリマーマトリックスが挙げられる。徐放マトリックスは、ポリラクチド(米
国特許第3,773,919号、EP58,481号)、L−グルタミン酸とガン
マ−エチル−L−グルタメート(U. Sidmanら、Biopolymers 22: 547-556 (1983
))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(R. Langerら、J. Biomed. Mater. Res. 15: 167-277 (1981)、およびR. Langer, Chem. Tech. 12: 98-105 (1982))、エチレンビニルアセテート(R. Langerら、上掲)またはポリD−(
−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)を含む。徐放KGF−2組成物
はまた、リポソームに捕獲したKGF−2を含む。KGF−2を含有するリポソ
ームは、自体公知の方法:DE3,218,121;Epsteinら、Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 82: 3688-3692 (1985);Hwangら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77
: 4030-4034 (1980);EP52,322;EP36,676:EP88,046;
EP143,949;EP142,641;日本特許出願第83−118008号
;米国特許第4,485,045号および同第4,544,545号;およびEP1
02,324により調製される。通常、リポソームは小さな(約200〜800
オングストローム)単層のものであって、脂質含量は約30モルパーセントコレ
ステロール以上であるが、選択した比率は最適のKGF−2療法のために調節す
る。
【0067】 本発明はまた、本発明の医薬組成物の成分の1またはそれ以上を充填した1ま
たはそれ以上の容器を含む医薬パックまたはキットをも提供する。そのような容
器には、医薬製品または生物学的製品の製造、使用または販売を取り締まる政府
部局により指令された形態の通知であって、ヒトの投与のための製造、使用また
は販売の該部局による許可を反映するものを添付することができる。さらに、本
発明のポリペプチド、アゴニストおよびアンタゴニストは、他の治療用化合物と
ともに用いることができる。
【0068】 本発明者らが本発明の調合法に従って調製したKGF−2ポリペプチドの生物
学的活性および安定性を調べたところ、驚くべきことに、モノチオグリセロール
の使用がKGF−2ポリペプチドを安定化させ、創傷の治癒に際してKGF−2
ポリペプチドに対して強化剤として振舞うことが見出された。モノチオグリセロ
ールの強化作用のための最適の濃度範囲は、0.1%〜2%w/vであった。
【0069】KGF−2ポリペプチド KGF−2は上皮細胞および表皮の角質細胞の増殖は刺激するが、繊維芽細胞
などの間充織細胞の増殖は刺激しない。それゆえ、「KGF−2タンパク質様活
性を有するポリペプチド」には、以下および米国特許出願第08/910,87
5号に示す角質細胞増殖アッセイにおいてKGF−2活性を示し、FGFレセプ
ターのイソ型である1-iiibおよび2-iiibに結合しうるポリペプチドが含まれる。
活性の程度はKGF−2タンパク質と同一である必要はないが、「KGF−2タ
ンパク質様活性を有するポリペプチド」はKGF−2タンパク質と比べて実質的
に同様の活性を示すのが好ましい(すなわち、候補ポリペプチドは、参照KGF
−2タンパク質よりも高い活性を示すか、または参照KGF−2タンパク質の活
性の約1/10以上、好ましくは約1/2以上の活性を示す)。
【0070】 本発明の調合物に使用するKGF−2ポリペプチドは、N末端メチオニンを有
していても有していなくてもよいが、好ましくは該ポリペプチドはN末端メチオ
ニンを欠失しているであろう。 KGF−2cDNAクローンは、1994年12月16日にアメリカン・タイ
プ・カルチャー・コレクション、特許寄託、10801ユニバーシティー・ブー
ルバール、マナサス、バージニア20110−2209にATCC受託番号75
977として寄託してある。さらに、発現ベクターpHE4−5中に挿入したK
GF−2Δ33をコードするcDNAは、ATCCに1998年1月9日にAT
CC受託番号209575として寄託してある。
【0071】 図1(配列番号:2)に示すポリペプチドまたは寄託したcDNAによりコー
ドされるポリペプチドに言及するときの「断片」、「誘導体」および「アナログ
」なる語は、該ポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性を保持した
ポリペプチドを意味する。それゆえ、アナログには、プロタンパク質部分の開裂
により活性化されて活性な成熟ポリペプチドを生成するプロタンパク質が含まれ
る。 本発明のポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然のポリペプチドまたは合
成ポリペプチドであってよいが、組換えポリペプチドが好ましい。
【0072】 図1(配列番号:2)に示すポリペプチドまたは寄託したcDNAによりコー
ドされるポリペプチドの断片、誘導体またはアナログは、(i)1またはそれ以
上のアミノ酸残基が保存的または非保存的アミノ酸残基(好ましくは保存的アミ
ノ酸残基)により置換され、そのような置換アミノ酸残基が遺伝子コードにより
コードされているかまたはコードされていないものであるもの、または(ii)1
またはそれ以上のアミノ酸残基が置換基を含むものであるもの、または(iii)
成熟ポリペプチドが、該ポリペプチドの半減期を長くする化合物(たとえば、ポ
リエチレングリコール)などの他の化合物に融合しているものであるもの、また
は(iv)成熟ポリペプチドに、リーダー配列や分泌配列や該成熟ポリペプチドま
たはプロタンパク質配列の精製に用いる配列などの別のアミノ酸が融合している
ものであるものであってよい。そのような断片、誘導体およびアナログは、本明
細書の教示から当業者の範囲内であると思われる。
【0073】 「ペプチド」および「オリゴペプチド」なる語は(一般に認識されているよう
に)同義であり、ペプチド結合により連結された少なくとも2つのアミノ酸から
なる鎖を示すものとして、文脈に応じて相互に入れ替えて用いることができる。
「ポリペプチド」なる語は、本明細書において10を超えるアミノ酸残基を含む
鎖に対して用いる。本明細書においてオリゴペプチドおよびポリペプチドの式お
よび配列はすべて、左から右へ、アミノ末端からカルボキシ末端の方向に記載す
る。
【0074】 KGF−2ポリペプチドの幾つかのアミノ酸配列は、該タンパク質の構造およ
び機能に有意の影響を及ぼすことなく変化させ得ることが当該技術分野で認識さ
れるであろう。そのような配列の差異を想定すると、該タンパク質上に活性を決
定する重要な領域が存在するであろうことを銘記すべきである。一般に、同様の
機能を果たす残基を用いることを条件として、三次元構造を形成する残基は置換
可能である。他の例において、変化が該タンパク質中の重要でない領域に起こる
場合には残基の種類は全く重要でない。
【0075】 本発明のポリペプチドは単離形態にあるのが好ましい。「単離したポリペプチ
ド」とは、天然環境から取り出したポリペプチドを意図する。それゆえ、組換え
宿主細胞内で産生されおよび/または含まれるポリペプチドは、本発明の目的の
ためには単離されたと考えられる。組換え宿主細胞または天然源から部分的また
は実質的に精製したポリペプチドも意図される。
【0076】 本発明の医薬調合物は、配列番号:2のKGF−2ポリペプチド(とりわけ、
成熟ポリペプチド)およびその欠失変異体、並びに配列番号:2のポリペプチド
およびその欠失変異体に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、9
8%、99%の類似性(さらに好ましくは、少なくとも90%、95%、96%
、97%、98%、99%の同一性)を有するポリペプチドを含み、また、その
ようなポリペプチドの部分をも含み、ポリペプチドのそのような部分(以下に記
載するような欠失変異体など)は一般に少なくとも30アミノ酸、さらに好まし
くは少なくとも50アミノ酸を含む。
【0077】 当該技術分野で知られているように、2つのポリペプチドの間の「類似性」は
、一方のポリペプチドのアミノ酸配列およびそれを保存的にアミノ酸置換した配
列を第二のポリペプチドの配列と比較することにより決定する。 2つのポリペプチドの「類似%」とは、Bestfitプログラム(Wisconsin Seque
nce Analysis Package, Version 8 for Unix, Genetics Computer Group、ユニ
バーシティー・リサーチ・パーク、575サイエンス・ドライブ、マジソン、ウ
イスコンシン53711)および類似性を決定するための不履行セッティング(
default settings)を用いて2つのポリペプチドのアミノ酸配列を比較すること
により得られる類似性のスコアを意図する。Bestfitは、2つの配列間の最大の
類似性のセグメントを見出すため、SmithおよびWatermanのローカルホモロジー
アルゴリズム(local homology algorithm)(Advances in Applied Mathematics
2: 482-489, 1981)を採用している。
【0078】 たとえば、KGF−2ポリペプチドの参照配列に対して少なくとも95%の「
同一性」のアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、KGF−2ポリペプチドの
参照アミノ酸配列の各100アミノ酸当たり5アミノ酸までの変化を該ポリペプ
チド配列が含む他は、該ポリペプチドのアミノ酸配列が該参照配列と同一である
ことを意味する。言い換えれば、参照アミノ酸配列に対して少なくとも95%の
同一性のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るには、該参照配列中の5%ま
でのアミノ酸残基を欠失または他のアミノ酸で置換してよく、または該参照配列
中の全アミノ酸残基の5%までの数のアミノ酸を該参照配列中に挿入してよい。
参照配列中のこれら変更は、参照配列のアミノ末端またはカルボキシ末端の位置
にて、またはこれら末端位置の間のいずれかの部位で、参照配列の残基中に個々
ばらばらにかまたは参照配列内の1またはそれ以上の連続したグループ中に散在
して生じてよい。
【0079】 実際問題としては、特定のポリペプチドがたとえば図1(配列番号:2)に示
すアミノ酸配列または寄託したcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配
列に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の
同一性を有するか否かの決定は、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Anal
ysis Package, Version 8 for Unix, Genetics Computer Group、ユニバーシテ
ィー・リサーチ・パーク、575サイエンス・ドライブ、マジソン、ウイスコン
シン53711)などの公知のコンピュータープログラムを用いて常法通り行え
る。特定の配列が本発明による参照配列に対してたとえば95%の同一性を有す
るか否かを決定するためにBestfitや他の配列アラインメントプログラムを用い
る場合には、パラメーターのセッティングはもちろん、同一性のパーセントの計
算が参照アミノ酸配列の全長にわたって行われ、参照配列中のアミノ酸残基の全
数の5%までのホモロジーギャップが可能となるようにして行う。
【0080】 本発明のタンパク質は、天然に存在するものであるか、組換えにより製造した
ものであってよく、または当該技術分野で知られた方法を用いて化学的に合成す
ることができる(たとえば、Creighton, 1983, Proteins: Structures and Mole
cular Principles, W. H. Freeman & Co., ニューヨークおよびHunkapiller, M.
ら、Nature 310: 105-111 (1984)を参照)。たとえば、本発明のKGF−2ポリ
ペプチドの断片に対応するペプチドはペプチド合成機を用いて合成できる。さら
に、所望であれば、非古典的なアミノ酸または化学的なアミノ酸アナログをKG
F−2ポリペプチド配列中に置換または付加として挿入することができる。
【0081】 非古典的なアミノ酸としては、これらに限られるものではないが、一般的なア
ミノ酸のD−異性体、2,4−ジアミノ酪酸、α−アミノイソ酪酸、4−アミノ
酪酸、Abu、2−アミノ酪酸、γ−Abu、ε−Ahx、6−アミノヘキサン
酸、Aib、2−アミノイソ酪酸、3−アミノプロピオン酸、オルニチン、ノル
ロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシ
トルリン、システイン酸、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、フェニル
グリシン、シクロヘキシルアラニン、β−アラニン、フルオロ−アミノ酸、デザ
イナー(designer)アミノ酸、たとえばβ−メチルアミノ酸、Ca−メチルアミ
ノ酸、Na−メチルアミノ酸、および一般にアミノ酸アナログが挙げられる。さ
らに、アミノ酸はD(右旋性)またはL(左旋性)であってよい。
【0082】 天然に存在しない変異体は当該技術分野で知られた突然変異誘発法を用いて製
造でき、該方法としては、これらに限られるものではないが、オリゴヌクレオチ
ド媒体突然変異誘発法、アラニンスキャニング、PCR突然変異誘発法、部位特
異的突然変異誘発法(たとえば、Carterら, Nucl. Acids Res. 13: 4331 (1986)
;およびZollerら、Nucl. Acids Res. 10: 6487 (1982)を参照)、カセット突然
変異誘発法(たとえば、Wellsら、Gene 34: 315 (1985)を参照)、制限選択突然
変異誘発法(たとえば、Wellsら、Philos. Trans. R. Soc. London Ser A 317:
415 (1986)を参照)が挙げられる。
【0083】 本発明はさらに、翻訳の際にまたは翻訳後に、たとえば糖付加、アセチル化、
リン酸化、アミド化、公知の保護基による誘導体化、タンパク質加水分解的開裂
、抗体分子または他の細胞リガンドへの結合などにより識別しうるように修飾し
たKGF−2ポリペプチドを包含する。多数の化学的修飾のいずれも、臭化シア
ン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBH
よる特異的な化学開裂、アセチル化、ホルミル化、酸化、還元、ツニカマイシン
の存在下での代謝的合成などを含む(これらに限られるものでない)公知の方法
により行うことができる。
【0084】 本発明によって包含されるさらなる翻訳後修飾としては、たとえば、N−結合
またはO−結合した炭水化物鎖、N−末端またはC−末端のプロセシング、アミ
ノ酸骨格への化学的残基の付加、N−結合またはO−結合した炭水化物鎖の化学
的修飾、および原核宿主細胞発現の結果としてのN−末端メチオニン残基の付加
または欠失が挙げられる。ポリペプチドはまた、酵素標識、蛍光標識、同位体標
識またはアフィニティー標識などの検出しうる標識で修飾してタンパク質の検出
および単離を可能とすることができる。
【0085】 本発明によってさらに提供されるのは、ポリペプチドの増大した溶解性、安定
性および循環時間、または低減した免疫原性(米国特許第4,179,337号を
参照)などの付加的な利点を提供するKGF−2の化学的に修飾した誘導体であ
る。誘導体化のための化学的残基は、水溶性ポリマー、たとえばポリエチレング
リコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カルボキシ
メチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコールなどから選択できる。
ポリペプチドの修飾は、分子内のランダムな位置、または分子内の前以て決定し
た位置で行うことができ、1、2またはそれ以上の化学的残基の結合を含む。
【0086】 ポリマーはいかなる分子量であってもよく、分枝していても分枝していなくて
もよい。ポリエチレングリコールの場合、好ましい分子量は、取扱いおよび製造
を容易にするため約1kDa〜約100kDa(「約」なる語は、ポリエチレン
グリコールの調製物において幾つかの分子は言及した分子量以上であり、別の分
子は該分子量未満であることを示す)の間である。所望の治療プロフィル(たと
えば、所望の徐放期間、生物学的な活性がある場合はその作用、取扱いの容易さ
、抗原性の程度または欠失、治療用タンパク質またはアナログに対するポリエチ
レングリコールの他の知られた作用)に依存して他のサイズを用いることができ
る。
【0087】 たとえば、ポリエチレングリコールは、約200、500、1000、150
0、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000
、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、
9000、9500、10,000、10,500、11,000、11,500、
12,000、12,500、13,000、13,500、14,000、14,5
00、15,000、15,500、16,000、16,500、17,000、
17,500、18,000、18,500、19,000、19,500、20,0
00、25,000、30,000、35,000、40,000、50,000、
55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,0
00、85,000、90,000、95,000、または100,000kDaの
分子量を有していてよい。
【0088】 上記に記載したように、ポリエチレングリコールは分枝した構造を有していて
よい。分枝したポリエチレングリコールは、たとえば米国特許第5,643,57
5号;Morpurgoら、Appl. Biochem. Biotechnol. 56: 59-72 (1996); Vorobjev
ら、Nucleosides Nucleotides 18: 2745-2750 (1999);およびCalicetiら、Bioc
onjug. Chem. 10: 638-646 (1999)(これらの各開示を参照のため本明細書に引
用する)に記載されている。
【0089】 ポリエチレングリコール分子(または他の化学的残基)のタンパク質への結合
は、該タンパク質の機能性ドメインまたは抗原性ドメインに及ぼす影響を考慮し
て行わなければならない。たとえば、EP0401384(参照のため本明細書
に引用する)(G−CSFへのPEGのカップリング)に記載されているものな
どの当業者に利用できる多くの結合方法が存在し、Malikら、Exp. Hematol. 20:
1028-1035 (1992)(トレシルクロライドを用いたGM−CSFのペギル化(peg
ylation)を報告)をも参照のこと。たとえば、ポリエチレングリコールは遊離
のアミノ基またはカルボキシル基などの反応性の基を介してアミノ酸残基により
共有結合させることができる。反応性の基とは、活性化したポリエチレングリコ
ール分子を結合させる基である。遊離のアミノ基を有するアミノ酸残基としては
、リジン残基およびN−末端アミノ酸残基が挙げられる;遊離のカルボキシル基
を有するアミノ酸残基としては、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基および
C−末端アミノ酸残基が挙げられる。スルフヒドリル基もまた、ポリエチレング
リコール分子を結合させるための反応性の基として用いることができる。治療目
的のために好ましいのは、アミノ基での結合、たとえばN−末端またはリジン基
での結合である。
【0090】 上記で示唆しように、ポリエチレングリコールは多くのアミノ酸残基のいずれ
かに結合させることによりタンパク質に結合させることができる。たとえば、ポ
リエチレングリコールは、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸
またはシステイン残基への共有結合によりタンパク質に結合させることができる
。1またはそれ以上の反応化学を用い、ポリエチレングリコールをタンパク質の
特定のアミノ酸残基(たとえば、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸またはシステイン)またはタンパク質のアミノ酸残基のうちの1を超える
種類のもの(たとえば、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、
システインおよびそれらの組み合せ)に結合させることができる。
【0091】 N−末端で化学的に修飾したタンパク質が特に望まれることがあるかもしれな
い。本発明の組成物の例示としてポリエチレングリコールを用いると、様々なポ
リエチレングリコール分子(分子量、分枝の有無など)から、反応混合物中での
タンパク質(またはペプチド)に対するポリエチレングリコール分子の比率、行
うべきペギル化反応の種類、および選択したN−末端ペギル化タンパク質を得る
方法を選択することができる。N−末端ペギル化調製物を得る(すなわち、他の
モノペギル化されたものから必要に応じてこの調製物を分離する)方法は、ペギ
ル化したタンパク質分子の集団からN−末端がペギル化されたものを精製するこ
とによるものであってよい。N−末端修飾にて化学的に修飾した選択的なタンパ
ク質は、特定のタンパク質の誘導体化において利用できる異なる種類の(リジン
対N−末端)一次アミノ基の異なる反応性を利用する還元的アルキル化によって
達成できる。適当な反応条件下、N−末端でのタンパク質の実質的に選択的な誘
導体化がカルボニル基含有ポリマーを用いて達成できる。
【0092】 上記に記載したように、本発明のタンパク質のペギル化は多くの手段により達
成できる。たとえば、ポリエチレングリコールを該タンパク質に直接または介入
リンカーにより結合できる。ポリエチレングリコールをタンパク質に結合させる
ためのリンカーを用いない系が、Delgadoら、Crit. Rev. Thera. Drug Carrier
Sys. 9: 249-304 (1992); Francisら、Intern. J. of Hematol. 68: 1-18 (1998
); 米国特許第4,002,531号;米国特許第5,349,052号;WO95
/06058;およびWO98/32466(これらの各開示を参照のため本明
細書に引用する)に記載されている。
【0093】 ポリエチレングリコールを介入リンカーなしでタンパク質のアミノ酸残基に直
接結合させるための一つの系ではトレシル化したMPEGを用い、該MPEGは
トレシルクロライド(ClSOCHCF)を用いてモノメトキシポリエチ
レングリコール(MPEG)を修飾することにより製造する。タンパク質をトレ
シル化MPEGと反応させるとポリエチレングリコールは該タンパク質のアミン
基に直接結合する。それゆえ、本発明は、本発明のタンパク質を2,2,2−トリ
フルオロエタンスルホニル基を有するポリエチレングリコール分子と反応させる
ことにより製造したタンパク質−ポリエチレングリコールコンジュゲートを包含
する。
【0094】 ポリエチレングリコールはまた、多くの種々の介入リンカーを用いてタンパク
質に結合させることができる。たとえば、米国特許第5,612,460号(その
全開示を参照のため本明細書に引用する)はポリエチレングリコールをタンパク
質に連結するためのウレタンリンカーを開示している。ポリエチレングリコール
がタンパク質にリンカーによって結合したタンパク質−ポリエチレングリコール
コンジュゲートはまた、タンパク質をMPEG−スクシンイミジルスクシネート
、1,1’−カルボニルジイミダゾールで活性化したMPEG、MPEG−2,4
,5−トリクロロフェニルカーボネート、MPEG−p−ニトロフェノールカー
ボネート、および種々のMPEG−コハク酸誘導体などなどの化合物と反応させ
ることによって製造できる。ポリエチレングリコールをタンパク質に結合させる
ための多くのさらなるポリエチレングリコール誘導体および反応化学がWO98
/32466(その全体を参照のため本明細書に引用する)に記載されている。
本明細書に記載した反応化学を用いて製造したペギル化タンパク質生成物は本発
明の範囲に包含される。
【0095】 本発明の各タンパク質に結合するポリエチレングリコール残基の数(すなわち
、置換の程度)もまた様々であってよい。たとえば、本発明のペギル化タンパク
質は、平均して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、17
、20、またはそれ以上のポリエチレングリコール分子に結合してよい。同様に
、置換の平均程度は、1−3、2−4、3−5、4−6、5−7、6−8、7−
9、8−10、9−11、10−12、11−13、12−14、13−15、
14−16、15−17、16−18、17−19、または18−20のポリエ
チレングリコール残基/タンパク質分子の範囲であってよい。置換の程度を決定
する方法は、たとえばDelgadoら、Crit. Rev. Thera. Drug Carrier Sys. 9: 24
9-304 (1992)で検討されている。
【0096】KGF−2欠失変異体 天然のKGF−2は水性状態において相対的に不安定であり、処理および貯蔵
の間に化学的および物理的な分解を受けて生物学的活性の喪失という結果となる
。天然のKGF−2はまた、水溶液中では上昇温度で凝集しやすく、酸性条件下
では不活化される。
【0097】 特に好ましいKGF−2ポリペプチドは、以下に示す欠失変異体である(番号
付けはタンパク質の第一のアミノ酸(Met)から開始): Thr(残基36)−−Ser(残基208) Cys(37)−−Ser(208) Gln(38)−−Ser(208) Ala(39)−−Ser(208) Leu(40)−−Ser(208) Gly(41)−−Ser(208) Gln(42)−−Ser(208) Asp(43)−−Ser(208) Met(44)−−Ser(208) Val(45)−−Ser(208) Ser(46)−−Ser(208) Pro(47)−−Ser(208) Glu(48)−−Ser(208) Ala(49)−−Ser(208) Thr(50)−−Ser(208) Asn(51)−−Ser(208) Ser(52)−−Ser(208) Ser(53)−−Ser(208) Ser(54)−−Ser(208) Ser(55)−−Ser(208) Ser(56)−−Ser(208) Phe(57)−−Ser(208) Ser(59)−−Ser(208) Ser(62)−−Ser(208) Ala(63)−−Ser(208) Gly(64)−−Ser(208) Arg(65)−−Ser(208) Val(67)−−Ser(208) Ser(69)−−Ser(208) Val(77)−−Ser(208) Arg(80)−−Ser(208)
【0098】 Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−His(207) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Val(206) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Val(205) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Met(204) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Pro(203) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Leu(202) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Phe(201) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−His(200) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Ala(199) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Ser(198) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Thr(197) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Asn(196) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Lys(195) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Arg(194) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Arg(193) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Thr(192) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Lys(191) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Arg(188) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Arg(187) Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−−Lys(183)
【0099】 好ましい態様としては、N末端欠失Ala(63)−−Ser(208)(K
GF−2Δ28)およびSer(69)−−Ser(208)(KGF−2Δ3
3)が挙げられる。他の好ましいN末端およびC末端欠失変異体としては、Al
a(39)−−Ser(208);Pro(47)−−Ser(208);Va
l(77)−−Ser(208);Glu(93)−−Ser(208);Gl
u(104)−−Ser(208);Val(123)−−Ser(208);
およびGly(138)−−Ser(208)が挙げられる。他の好ましいC末
端欠失変異体としては、Met(1)、Thr(36)またはCys(37)−
−Lys(153)が挙げられる。
【0100】 さらに本発明に含まれるのは、N末端とC末端の両方でアミノ酸が欠失した欠
失変異体である。そのような変異体には、上記N末端欠失変異体とC末端欠失変
異体とのあらゆる組み合わせが含まれ、たとえば、Ala(39)−−His(
200);Met(44)−−Arg(193)、Ala(63)−−Lys(
153)、Ser(69)−−Lys(153)等が挙げられる。そのような組
み合わせは、当業者に知られた組換え法を用いて調製できる。
【0101】 それゆえ、本発明の医薬調合物に使用するのに好ましいKGFポリペプチドは
、図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の38個のN末端アミノ酸残基を
欠失しているが(すなわち、少なくともMet(1)−Gln(38)の欠失)
最初の147個のN末端アミノ酸残基までは欠失していない他は図1(配列番号
:2)に示すアミノ酸配列を含むものを含む、N−末端欠失変異体を包含する。
別の態様において、本発明の調合物は、図1(配列番号:2)に示す少なくとも
最初の38個のN末端アミノ酸残基を欠失しているが(すなわち、少なくともM
et(1)−Gln(38)の欠失)最初の137個のN末端アミノ酸残基まで
は欠失していないであろう欠失を有する変異体を含む。別の態様において、本発
明の調合物は、図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の46個のN末端ア
ミノ酸残基を欠失しているが最初の137個のN末端アミノ酸残基までは欠失し
ていないであろう欠失を有する変異体を含む。別の態様において、本発明の調合
物は、図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の62個のN末端アミノ酸残
基を欠失しているが最初の137個のN末端アミノ酸残基までは欠失していない
であろう欠失を有する変異体を含む。
【0102】 別の態様において、本発明の調合物は、図1(配列番号:2)に示す少なくと
も最初の68個のN末端アミノ酸残基を欠失しているが最初の137個のN末端
アミノ酸残基までは欠失していないであろう欠失を有する変異体を含む。別の態
様において、本発明の調合物は、図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の
76個のN末端アミノ酸残基を欠失しているが最初の137個のN末端アミノ酸
残基までは欠失していないであろう欠失を有する変異体を含む。別の態様におい
て、本発明の調合物は、図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の92個の
N末端アミノ酸残基を欠失しているが最初の137個のN末端アミノ酸残基まで
は欠失していないであろう欠失を有する変異体を含む。別の態様において、本発
明の調合物は、図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の103個のN末端
アミノ酸残基を欠失しているが最初の137個のN末端アミノ酸残基までは欠失
していないであろう欠失を有する変異体を含む。別の態様において、本発明の調
合物は、図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の122個のN末端アミノ
酸残基を欠失しているが最初の137個のN末端アミノ酸残基までは欠失してい
ないであろう欠失を有する変異体を含む。
【0103】 上記N末端欠失変異体の範囲を有するKGF−2変異体を含む調合物に加えて
、本発明はまた、上記範囲のすべての組み合わせ、たとえば、図1(配列番号:
2)に示す少なくとも最初の62個のN末端アミノ酸残基だが最初の68個のN
末端アミノ酸残基を超えない欠失;図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初
の62個のN末端アミノ酸残基だが最初の76個のN末端アミノ酸残基を超えな
い欠失;図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の62個のN末端アミノ酸
残基だが最初の92個のN末端アミノ酸残基を超えない欠失;図1(配列番号:
2)に示す少なくとも最初の62個のN末端アミノ酸残基だが最初の103個の
N末端アミノ酸残基を超えない欠失;図1(配列番号:2)に示す少なくとも最
初の68個のN末端アミノ酸残基だが最初の76個のN末端アミノ酸残基を超え
ない欠失;図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の68個のN末端アミノ
酸残基だが最初の92個のN末端アミノ酸残基を超えない欠失;図1(配列番号
:2)に示す少なくとも最初の68個のN末端アミノ酸残基だが最初の103個
のN末端アミノ酸残基を超えない欠失;図1(配列番号:2)に示す少なくとも
最初の46個のN末端アミノ酸残基だが最初の62個のN末端アミノ酸残基を超
えない欠失;図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の46個のN末端アミ
ノ酸残基だが最初の68個のN末端アミノ酸残基を超えない欠失;図1(配列番
号:2)に示す少なくとも最初の46個のN末端アミノ酸残基だが最初の76個
のN末端アミノ酸残基を超えない欠失;等を有する調合物に関する。
【0104】 他の態様において、C末端欠失変異体を含む調合物が本発明により提供される
。好ましくは、該C末端欠失変異体のN末端アミノ酸残基は、図1(配列番号:
2)のアミノ酸残基1(Met)、36(Thr)または37(Cys)である
。そのような変異体を含む調合物としては、図1(配列番号:2)に示す少なく
とも最後のC末端アミノ酸残基(Ser(208))を欠失しているが最後の5
5個のC末端アミノ酸残基(すなわち、アミノ酸残基Glu(154)−Ser
(208)の欠失)までは欠失していない他は図1(配列番号:2)に示すアミ
ノ酸配列を含むものを包含する。別の態様において、本発明の調合物は、図1(
配列番号:2)に示す少なくとも最後のC末端アミノ酸残基を欠失しているが最
後の65個のC末端アミノ酸残基までは欠失していないであろう欠失を有する変
異体を含む。別の態様において、本発明の調合物は、図1(配列番号:2)に示
す少なくとも10個のC末端アミノ酸残基を欠失しているが最後の55個のC末
端アミノ酸残基までは欠失していないであろう欠失を有する変異体を含む。
【0105】 別の態様において、本発明の調合物は、図1(配列番号:2)に示す少なくと
も20個のC末端アミノ酸残基を欠失しているが最後の55個のC末端アミノ酸
残基までは欠失していないであろう欠失を有する変異体を含む。別の態様におい
て、本発明の調合物は、図1(配列番号:2)に示す少なくとも30個のC末端
アミノ酸残基を欠失しているが最後の55個のC末端アミノ酸残基までは欠失し
ていないであろう欠失を有する変異体を含む。別の態様において、本発明の調合
物は、図1(配列番号:2)に示す少なくとも40個のC末端アミノ酸残基を欠
失しているが最後の55個のC末端アミノ酸残基までは欠失していないであろう
欠失を有する変異体を含む。別の態様において、本発明の調合物は、図1(配列
番号:2)に示す少なくとも50個のC末端アミノ酸残基を欠失しているが最後
の55個のC末端アミノ酸残基までは欠失していないであろう欠失を有する変異
体を含む。
【0106】 上記C末端欠失変異体の範囲を有するKGF−2変異体を含む調合物に加えて
、本発明はまた、上記範囲のすべての組み合わせ、たとえば、図1(配列番号:
2)に示す少なくとも最後のC末端アミノ酸残基だが最後の10個のC末端アミ
ノ酸残基を超えない欠失;図1(配列番号:2)に示す少なくとも最後のC末端
アミノ酸残基だが最後の20個のC末端アミノ酸残基を超えない欠失;図1(配
列番号:2)に示す少なくとも最後のC末端アミノ酸残基だが最後の30個のC
末端アミノ酸残基を超えない欠失;図1(配列番号:2)に示す少なくとも最後
のC末端アミノ酸残基だが最後の40個のC末端アミノ酸残基を超えない欠失;
図1(配列番号:2)に示す少なくとも最後の10個のC末端アミノ酸残基だが
最後の20個のC末端アミノ酸残基を超えない欠失;図1(配列番号:2)に示
す少なくとも最後の10個のC末端アミノ酸残基だが最後の30個のC末端アミ
ノ酸残基を超えない欠失;図1(配列番号:2)に示す少なくとも最後の10個
のC末端アミノ酸残基だが最後の40個のC末端アミノ酸残基を超えない欠失;
図1(配列番号:2)に示す少なくとも最後の20個のC末端アミノ酸残基だが
最後の30個のC末端アミノ酸残基を超えない欠失;等を有する調合物に関する
【0107】 さらに他の態様において、KGF−2ポリペプチドは、N末端残基およびC末
端残基の両方でアミノ酸が欠失した欠失変異体であってよい。そのような変異体
は、上記N末端欠失変異体とC末端欠失変異体とのすべての組み合わせを包含す
る。そのような変異体としては、図1(配列番号:2)に示す少なくとも最初の
46個のN末端アミノ酸残基を欠失しているが最初の137個のN末端アミノ酸
残基までは欠失しておらず、かつ少なくとも最後のC末端アミノ酸残基を欠失し
ているが最後の55個のC末端アミノ酸残基までは欠失していない他は図1(配
列番号:2)に示すアミノ酸配列を含むものを包含する。別の態様において、欠
失は、図1(配列番号:2)の少なくとも最初の62個、68個、76個、92
個、103個または122個のN末端アミノ酸残基だが最初の137個のN末端
アミノ酸残基を超えない欠失および図1の少なくとも最後の10個、20個、3
0個、40個、または50個のC末端アミノ酸残基だが最後の55個のC末端ア
ミノ酸残基を超えない欠失を含んでいてよい。さらに、上記範囲の全ての組み合
せが包含される。
【0108】KGF−2置換変異体 有用なKGF−2ポリペプチドにはアミノ酸置換を有するものが含まれる。天
然の成熟KGF−2は44個の荷電残基を含み、そのうち32個は正の荷電を有
している。そのような残基のタンパク質の三次元構造中での位置に依存して、こ
れらクラスター(塊)を作った残基の1またはそれ以上を負の荷電または中性の
荷電を有するアミノ酸で置換することは隣接する残基との静電的相互作用を変化
させ、タンパク質の安定性の増大および凝集の低減を達成するのに有用である。
タンパク質の凝集は活性の喪失をきたすのみならず、医薬調合物を調製する際に
問題となる。なぜなら、そのような凝集は免疫原性であり得るからである(Pinc
kardら、Clin. Exp. Immunol. 2: 331-340 (1967), Robbinsら、Diabetes 36: 8
38-845 (1987), Clelandら、Crit. Rev. Therapeutic Drug Carrier Systems 10
: 307-377 (1993))。いかなる修飾であろうと、タンパク質分子の三次元構造内
での電荷の反発を最小にすることを考慮しなければならない。それゆえ、特に興
味のもたれるのは、荷電アミノ酸を他の荷電アミノ酸および中性または負に荷電
したアミノ酸と置換することである。後者の置換では正の荷電の減少したタンパ
ク質となり、KGF−2の特性が改善される。そのような改善には、天然のKG
F−2タンパク質と比較してアナログの安定性が高くなり凝集が低減することが
含まれる。 アミノ酸の置換はまた、細胞表面レセプターへの結合の選択性をも変化させ得
る。Ostadeら、Nature 361: 266-268 (1993)は、2つの知られたTNFレセプタ
ーの一方のみへのTNFアルファの結合となるある種のTNFアルファ変異体を
記載している。
【0109】 KGF−2分子は、天然の変異かまたはヒトによる操作のいずれかにより、1
またはそれ以上のアミノ酸の置換、欠失または付加を含んでいてよい。幾つかの
好ましい変異体の例としては:Ala(49)Gln、Asn(51)Ala、
Ser(54)Val、Ala(63)Pro、Gly(64)Glu、Val
(67)Thr、Trp(79)Val、Arg(80)Lys、Lys(87
)Arg、Tyr(88)Trp、Phe(89)Tyr、Lys(91)Ar
g、Ser(99)Lys、Lys(102)Gln、Lys103(Glu)
、Glu(104)Met、Asn(105)Lys、Pro(107)Asn
、Ser(109)Asn、Leu(111)Met、Thr(114)Arg
、Glu(117)Ala、Val(120)Ile、Val(123)Ile
、Ala(125)Gly、Ile(126)Val、Asn(127)Glu
、Asn(127)Gln、Tyr(130)Phe、Met(134)Thr
、Lys(136)Glu、Lys(137)Glu、Gly(142)Ala
、Ser(143)Lys、Phe(146)Ser、Asn(148)Glu
、Lys(151)Asn、Leu(152)Phe、Glu(154)Gly
、Glu(154)Asp、Arg(155)Leu、Glu(157)Leu
、Gly(160)His、Phe(167)Ala、Asn(168)Lys
、Gln(170)Thr、Arg(174)Gly、Tyr(177)Phe
、Gly(182)Gln、Ala(185)Val、Ala(185)Leu
、Ala(185)Ile、Arg(187)Gln(190)Lys、Lys
(195)Glu、Thr(197)Lys、Ser(198)Thr、Arg
(194)Glu、Arg(194)Gln、Lys(191)Glu、Lys
(191)Gln、Arg(188)Glu、Arg(188)Gln、Lys
(183)Gluが挙げられる。
【0110】 上記表示において、たとえば、Ala(49)Glnは、図1(配列番号:2
)の位置49のAlaがGlnで置換されていることを意味する。 変化は、タンパク質の折り畳みや活性に有意の影響を及ぼさない保存的なアミ
ノ酸置換などのように最小の性質のものであるのが好ましい。当業者に知られた
保存的なアミノ酸置換の例は以下に挙げるとおりである: 芳香族アミノ酸:フェニルアラニン トリプトファン チロシン 疎水性アミノ酸:ロイシン イソロイシン バリン 極性アミノ酸: グルタミン アスパラギン 塩基性アミノ酸:アルギニン リジン ヒスチジン 酸性アミノ酸: アスパラギン酸 グルタミン酸 小さなアミノ酸:アラニン セリン トレオニン メチオニン グリシン
【0111】 もちろん、当業者が行うことのできるアミノ酸置換の数は、上記のものを含む
多くの因子に依存する。一般的にいって、所定のKGF−2ポリペプチドの置換
数は、目的に依存して50、40、30、20、10、5、または3を超えない
であろう。たとえば、安定性を改善するため、所定数の置換をKGF−2のC末
端で行うことができる。
【0112】 KGF−2中のアミノ酸で機能にとって本質的なものの同定は、部位特異的突
然変異誘発やアラニンスキャニング突然変異誘発などの当該技術分野でよく知ら
れた方法により行うことができる(CunninghamおよびWells, Science 244: 1081
-1085 (1989))。後者の方法は、分子中の各残基に単一のアラニン変異を導入す
るものである。ついで、得られた変異体分子をレセプター結合性やインビトロお
よびインビボ増殖活性などの生物学的活性について試験する。(たとえば、実施
例1を参照)。リガンド−レセプター結合に重要な部位はまた、結晶化、核磁気
共鳴または光親和性標識などの構造分析によっても決定できる(たとえば、Smit
hら、J. Mol. Biol. 224: 899-904 (1992);およびde Vosら、Science, 255: 306
-312 (1992)を参照)。
【0113】 他の有用なKGFポリペプチドは、アミノ酸位置37および106および15
0のシステインの代わりにセリンの置換を有するポリペプチドを含む。奇数のシ
ステインは、少なくとも一つのシステイン残基がタンパク質の所望でない三次元
構造をとることを引き起こし得る分子間架橋または結合に利用されることを意味
する。1またはそれ以上のシステインがセリンまたはたとえばアラニンによって
置換された新規なKGF−2タンパク質は、一般に可溶性で正しく折り畳まれた
タンパク質として高収率で精製される。理論に拘泥されることを意図するもので
はないが、位置106のシステイン残基が機能にとって重要であると思われる。
このシステイン残基は他のすべてのFGFファミリーの成員のなかでも高度に保
存されている。
【0114】 さらなるKGF−2ポリペプチドが、1995年2月14日に出願したPCT
/US95/01790、1995年6月5日に出願した米国特許出願第08/
461,195号、1996年8月13日に出願した同第08/696,135号
、1996年8月13日に出願した同第60/023,852号、1997年2
月28日に出願した同第60/039,045号、1997年5月23日に出願
した同第08/862,432号、1997年8月13日に出願した同第60/
055,561号、1997年8月13日に出願した同第08/910,875号
、1998年2月13日に出願した同第09/023,082号、1999年7
月1日に出願した同第09/345,373号、1999年7月2日に出願した
同第60/142,343号、1999年7月14日に出願した同第60/14
3,648号、1999年7月15日に出願した同第60/144,024号、1
999年8月12日に出願した同第60/148,628号、1999年9月2
4日に出願した同第60/149,935号、1999年11月3日に出願した
同第60/163,375号、1999年12月22日に出願した同第60/1
71,677号、および2000年4月19日に出願した同第60/198,32
2号に記載されている。
【0115】KGF−2ポリペプチド組成物の治療学的使用 本発明のポリペプチドは、角質細胞の成長および増殖を刺激する。従って、本
発明の組成物は、創傷の治癒を目的として上皮細胞の増殖および基底角質細胞を
刺激するため、および毛髪の毛包産生の刺激および真皮創傷の治癒のために用い
ることができる。これら創傷は表面的な性質のものであってよいが、深部のもの
で皮膚の真皮および上皮の損傷が関わるものであってもよい。 KGF−2は多くの疾患および状態を治療するのに有用である。たとえば、K
GF−2は、種々の創傷治癒モデルにおいてインビトロおよびインビボで活性で
ある。1997年8月13日に出願された米国特許出願第08/910,875
号および1998年2月13日に出願された同第09/023,082号を参照
【0116】 KGF−2を投与する個体は、通常の速度で創傷を治癒するかまたは治癒が損
なわれていてよい。治癒が損なわれていない個体に投与する場合には、KGF−
2は通常の治癒プロセスを促進するために投与する。治癒が損なわれた個体に投
与する場合には、KGF−2は、さもなければゆっくりとしか治癒しないかまた
は全く治癒しない創傷の治癒を容易にするために投与する。多くの苦痛や状態が
治癒力を損なう結果となりうる。これら苦痛および状態としては、糖尿病(たと
えば、II型糖尿病)、ステロイド剤および非ステロイド剤の両者での治療、およ
び虚血性の遮断阻害または傷害が挙げられる。
【0117】 多くの増殖因子が治癒の損なわれた個体において創傷治癒を促進することが示
されている。これら増殖因子としては、成長ホルモン放出因子、血小板由来増殖
因子、および塩基性繊維芽細胞増殖因子が挙げられる。それゆえ、本発明は、1
またはそれ以上のさらなる増殖因子または創傷治癒を促進する他の薬剤とともに
KGF−2組成物を投与することをも包含する。 本発明の組成物はまた、通常の速度で治癒する個体および治癒の損なわれた個
体の両者において外科的手順により引き起こされた吻合その他の創傷の治癒をも
促進する。 本発明の組成物はまた、細胞、たとえば、筋肉細胞、神経組織を構成する細胞
、前立腺細胞、および肺細胞の分化を刺激するために用いることができる。
【0118】 本発明の組成物は、通常の個体および異常な創傷治癒を誘発する状態、たとえ
ば、尿毒症、栄養不良、ビタミン不足、肥満、感染、免疫抑制、およびステロイ
ド剤、放射線療法、および抗新生物剤および代謝拮抗物質による全身的治療に付
随する合併症にさらされた個体において、外科的創傷、切開創傷、真皮および上
皮の損傷を含む深部の創傷、眼組織の創傷、歯科組織の創傷、口腔創傷、糖尿病
性潰瘍、真皮の潰瘍、肘の潰瘍、動脈の潰瘍、静脈欝血性潰瘍、および熱または
冷の極端な温度への暴露、または化学物質への暴露の結果としての火傷を含む創
傷の創傷治癒を刺激するのに臨床的に有用である。本発明の組成物はまた、虚血
および虚血傷害に付随する障害、たとえば、静脈循環系復帰および/または不足
の傷害によって引き起こされる慢性の静脈足潰瘍(venous leg ulcers)の治癒
の促進のため;真皮の喪失後の真皮の再確立の促進のため;表皮の引っ張り強さ
および表皮の厚さを増加させるため;および皮膚移植片の創傷床への付着の増大
および創傷床からの再上皮形成の刺激のためにも有用である。
【0119】 KGF−2ポリペプチドの他の治療的用途としては、これに限られるものでは
ないが、火傷および皮膚欠損、たとえば乾癬や表皮水泡症などを治療する目的で
上皮細胞増殖および基底角質細胞を刺激することが挙げられる。KGF−2は、
皮膚移植片の創傷床への付着を増大させるため、および該創傷床からの再上皮形
成を刺激するために用いることができる。KGF−2はまた、放射線照射、化学
療法およびウイルス感染の結果生じる消化管毒性の副作用を低減するために用い
ることもできる。KGF−2は、肝臓、肺、腎臓、乳房、膵臓、胃、小腸、およ
び大腸の疾患および状態を治療するのに用いることができる。KGF−2は、炎
症性腸疾患、糖尿病、血小板減少症、低フィブリノーゲン血症、低アルブミン血
症、低グロブリン血症(hypoglobulinemia)、出血性膀胱炎、口内乾燥症、乾性
角結膜炎の治療に用いることができる。KGF−2は、唾液腺、涙腺の上皮細胞
を刺激するため、および副鼻腔の再上皮形成および鼻粘膜の増殖を刺激するため
に用いることができる。 本発明の組成物により治療しうる他の多くの適応症は、米国特許出願第08/
910,875号および同第09/023,082号(参照のため本明細書に引用
する)に記載してある。
【0120】 本発明は、KGF−2およびその欠失変異体の新規な液体および凍結乾燥調合
物に関する。本発明はさらに、KGF−2の調合物の治療目的の使用に関する。
本発明の調合物は活性なKGF−2ポリペプチドに優れた安定性を付与し、幾つ
かの場合には該ポリペプチドの創傷治癒活性を強化し劇的に増大させる。 本明細書において「個体」とは、動物、好ましくは哺乳動物(ヒトニザル(ap
es)、ウシ、ウマ、ブタ、イノシシ、ヒツジ、齧歯類、ヤギ、イヌ、ネコ、ニワ
トリ、サル、ウサギ、ケナガイタチ(ferrets)、クジラ、およびイルカなど)
を意味し、さらに好ましくはヒトを意味する。
【0121】 本発明の調合物に用いるKGF−2Δ33ポリペプチドは、N末端メチオニン
を有していても有していなくてもよいが、該ポリペプチドはN末端メチオニンを
欠いているのが好ましい。本発明のKGF−2ポリペプチド調合物の安定性は、
以下に記載する増殖アッセイにより決定される。 KGF−2の他の治療的用途は、1998年2月13日に出願した米国特許出
願第60/074,585号、1998年12月30日に出願した同第60/1
14,484号、および1999年2月12日に出願した同第09/248,99
8号(その全体を参照のため本明細書に引用する)に記載されている。
【0122】角質細胞増殖アッセイ 皮膚角質細胞は、皮膚の表皮に存在する細胞である。皮膚内での角質細胞の増
殖および拡張は創傷治癒の重要なプロセスである。それゆえ、角質細胞の増殖ア
ッセイは、角質細胞の増殖、従って創傷治癒を刺激するうえでのタンパク質活性
の価値ある指標である。 しかしながら、角質細胞をインビトロで増殖させるのは困難である。角質細胞
株はわずかしか存在しない。これら細胞株は、種々の細胞性および遺伝性の欠陥
を有する。細胞性の欠陥、たとえば基本的な増殖因子レセプターの喪失や基本的
な増殖因子の増殖への依存により本アッセイが錯綜することを避けるため、一次
皮膚角質細胞を本アッセイのために選択する。これら一次角質細胞はClonetics,
Inc.(サンジエゴ、カリフォルニア)から入手する。
【0123】 KGF−2ポリペプチドの生物学的活性は、繊維芽細胞増殖因子2iiibレセプ
ター(FGFR2iiib)をトランスフェクションしてあるマウスBaf3 2b細
胞を用いた細胞増殖アッセイにより決定することができる。細胞の増殖は、以下
に記載するように細胞を該タンパク質に暴露した後に[メチル−H]−チミジ
ンの導入により測定する。アッセイは、各ウエルに約22,000個のBaf3
2b細胞を入れた96ウエル組織培養クラスタープレート中で行う。細胞を種々
の濃度のKGF−2ポリペプチドに3回ずつ曝し、COインキュベーター中で
37℃にて48時間インキュベートする。ついで、標識チミジンを含む適当な量
の細胞培地を各ウエルに加え、インキュベーションをさらに5時間続ける。つい
で、細胞をセルハーベスターを用いて96ウエルフォーマットにてガラス繊維フ
ィルターマット上に回収する。フィルターマットを乾燥させ、各試料に導入され
た放射能をフラット−ベッド液体シンチレーションカウンターを用いてカウント
する。このようなアッセイ条件下において、KGF−2に暴露された細胞は、プ
ラセボ緩衝液の適当な希釈液かまたは単にリン酸緩衝食塩水のいずれかで処理し
た対照細胞と比較して増大した放射能の導入を示す。
【0124】 他の有用な角質細胞増殖アッセイは、Alamar Blueを用いるものである。Alama
r Blueは、培地に添加したときにミトコンドリアによって代謝される成育可能な
青色染料である。ついで、この染料は組織培養上澄み液中で赤変する。赤色染料
の量は、570nmと600nmとの間の光学密度の差異を読み取ることにより
直接定量できる。この読み取りは、細胞の活性および細胞数を反映する。
【0125】 正常な一次皮膚角質細胞(CC−0255、NHEK−Neoプールしたもの
)をClonetics, Inc.から購入する。これら細胞は継代2である。角質細胞を8
0%のコンフルエンシーに達するまで完全角質細胞増殖培地(CC−3001、
KGM;Clonetics, Inc.)中で増殖させる。細胞を製造業者の指示に従ってト
リプシン処理する。簡単に説明すると、細胞をハンクスの平衡塩類溶液で2回洗
浄する。2〜3mlのトリプシンを細胞に室温にて約3〜5分間加える。トリプ
シン中和溶液を加え、細胞を回収する。細胞を600×gにて室温で5分間回転
させ、前以て温めた培地を用いて1cm当たり3,000細胞にて新たなフラ
スコにプレーティングする。
【0126】 増殖アッセイのため、最外列を除いて完全培地中のコーニング平底96ウエル
プレートの各ウエル当たり1,000〜2,000個の角質細胞をプレーティング
する。外側のウエルには200μlの滅菌水を満たす。このことにより、ウエル
の温度および湿度の変動を最小限に保持することができる。細胞を37℃にて一
夜、5%COを用いて増殖させる。細胞を角質細胞基本培地(CC−3101
、KBM、Clonetics, Inc.)で2回洗浄し、100μlのKBMを各ウエルに
加える。24時間インキュベートする。増殖因子をKBMで系列希釈により希釈
し、100μlを各ウエルに加える。KGMを正の対照として、KBMを負の対
照として用いる。各濃度の時点について6つのウエルを用いる。2〜3日インキ
ュベートする。インキュベーションの終了時点で細胞をKBMで1回洗浄し、1
0%v/vのalamar Blueを培地中で前以て混合したKBMの100μlを加え
る。KGMの正の対照で培地の赤変が始まるまで6〜16時間インキュベートす
る。プレートをプレートリーダーに直接置くことにより、O.D.570nmマイ
ナスO.D.600nmを測定する。
【0127】KGF−2欠失変異体の構築 本発明の組成物に使用するのに有用な欠失変異体は以下のプロトコールにより
構築することができる。 欠失変異体の構築を、最適化KGF−2構築物を鋳型として用いてKGF−2
遺伝子の5'末端および3'末端から行った。欠失は、大腸菌での発現にマイナス
に影響するかもしれない遺伝子の領域に基づいて選択した。5'欠失に関しては
、以下に列挙したプライマーを5'プライマーとして用いた。これらプライマー
は、示した制限部位および開始メチオニンをコードするATGを含んでいる。K
GF−2(FGF−12)208アミノ酸3'HindIIIプライマーを3'プラ
イマーとして用いた。25サイクルのPCR増幅を標準条件を用いて行った。K
GF−2 36アミノ酸/208アミノ酸欠失変異体の生成物を5'部位について
はBspHI制限し、3'部位についてはHindIII制限し、BspHIおよび
HindIIIで消化したpQE60中にクローニングした。他のすべての生成物
は、5'制限酵素についてはNcoIで制限し、3'部位についてはHindIII
制限し、NcoIおよびHindIIIで消化したpQE60中にクローニングし
た。
【0128】 KGF−2(FGF−12)36アミノ酸/153アミノ酸および128アミ
ノ酸については、3'HindIIIを3'プライマーとして用い、FGF−12 3
6アミノ酸/208アミノ酸を5'プライマーとして用いた。FGF−12 62
アミノ酸/153アミノ酸、128アミノ酸については、3'HindIIIを3'
プライマーとして用い、FGF−12 62アミノ酸/208アミノ酸を5'プラ
イマーとして用いた。得られたクローンの命名は、欠失の結果得られるポリペプ
チドの最初と最後のアミノ酸を示している。たとえば、KGF−2 36アミノ
酸/153アミノ酸は、該欠失変異体の最初のアミノ酸がKGF−2のアミノ酸
36であり、最後のアミノ酸がアミノ酸153であることを示している。これら
KGF−2欠失変異体の構築もまた、米国特許出願第08/910,875号お
よび同第09/023,082号(参照のため本明細書中に引用する)に記載し
てある。さらに、以下に示すように、各変異体はN末端のメチオニンが付加して
いる。しかしながら、本発明による調合物に用いるKGF−2欠失ポリペプチド
はN末端メチオニンを有していても有していなくてもよく、該ポリペプチドはN
末端メチオニンを欠いているのが好ましいであろう。
【0129】 欠失プライマーの配列:FGF12 36アミノ酸/208アミノ酸: 5'BsphI GGACCCTCATGACCTGCCAGGCTCTGGGT
CAGGAC(配列番号:3)FGF12 63アミノ酸/208アミノ酸: 5'NcoI GGACAGCCATGGCTGGTCGTCACGTTCG(配
列番号:4)FGF12 77アミノ酸/208アミノ酸: 5'NcoI GGACAGCCATGGTTCGTTGGCGTAAACTG(
配列番号:5)FGF12 93アミノ酸/208アミノ酸: 5'NcoI GGACAGCCATGGAAAAAAACGGTAAAGTTT
C(配列番号:6)FGF12 104アミノ酸/208アミノ酸: 5'NcoI GGACCCCCATGGAGAACTGCCCGTAGAGC(
配列番号:7)FGF12 123アミノ酸/208アミノ酸: 5'NcoI GGACCCCCATGGTCAAAGCCATTAACAGCA
AC(配列番号:8)FGF12 138アミノ酸/208アミノ酸: 5'NcoI GGACCCCCATGGGGAAACTCTATGGCTCAA
AAG(配列番号:9)FGF12 3'HindIII: (上記すべての欠失クローンに使用) CTGCCCAAGCTTATTATGAGTGTACCACCATTGGAA
G(配列番号:10)FGF12 36アミノ酸/153アミノ酸: 5'BsphI(上記) 3'HindIII CTGCCCAAGCTTATTACTTCAGCTTACA
GTCATTGT(配列番号:11)FGF12 63アミノ酸/153アミノ酸: 5'NcoIおよび3'HindIII上記。
【0130】N末端欠失変異体KGF−2Δ33の構築 pQE6中でのKGF−2Δ33の構築 複製連鎖反応指向増幅および大腸菌タンパク質発現ベクターpQE6中へのK
GF−2Δ33のサブクローニングを行うため、KGF2の所望の領域に相補的
な2つのオリゴヌクレオチドプライマー(5952および19138)を以下の
塩基配列にて合成した。 プライマー5952:5'GCGGCACATGTCTTACAACCACCT
GCAGGGTG3'(配列番号:12) プライマー19138:5'GGGCCCAAGCTTATGAGTGTACC
ACCAT3'(配列番号:13)
【0131】 N末端プライマー(5952)の場合はAflIII制限部位を導入し、一方、
C末端プライマー(19138)の場合はHindIII制限部位を導入した。プ
ライマー5952はまたATG配列をKGF2コード領域に隣接しかつインフレ
ームにて含むことによってクローニング断片の大腸菌での翻訳を可能とし、一方
、プライマー19138は2つの停止コドン(大腸菌で優先的に用いられるもの
)をKGF2コード領域に隣接しかつインフレームにて含むことによって大腸菌
での正しい翻訳停止を確実にする。 複製連鎖反応は、当業者によく知られた標準的条件および鋳型として成熟KG
F−2(アミノ酸36〜208)のヌクレオチド配列を用いて行った。得られた
アンプリコン(amplicon)をAflIIIおよびHindIIIで消化し、NcoI/
HindIII消化したpQE6タンパク質発現ベクター中にサブクローニングし
た。
【0132】pHE1中でのKGF−2Δ33の構築 複製連鎖反応指向増幅および大腸菌発現ベクターpHE1中へのKGF−2Δ
33のサブクローニングを行うため、KGF2の所望の領域に相補的な2つのオ
リゴヌクレオチドプライマー(6153および6150)を以下の塩基配列にて
合成した。 プライマー6153:5'CCGGCGGATCCCATATGTCTTACA
ACCACCTGCAGG3'(配列番号:14) プライマー6150:5'CCGGCGGTACCTTATTATGAGTGT
ACCACCATTGG3'(配列番号:15)
【0133】 N末端プライマー(6153)の場合はNdeI制限部位を導入し、一方、C
末端プライマー(6150)の場合はAsp718制限部位を導入した。プライ
マー6153はまたATG配列をKGF2コード領域に隣接しかつインフレーム
にて含むことによってクローニング断片の大腸菌での翻訳を可能とし、一方、プ
ライマー6150は2つの停止コドン(大腸菌で優先的に用いられるもの)をK
GF2コード領域に隣接しかつインフレームにて含むことによって大腸菌での正
しい翻訳停止を確実にする。 複製連鎖反応は、当業者によく知られた標準的条件および鋳型として成熟KG
F−2(アミノ酸36〜208)のヌクレオチド配列を用いて行った。得られた
アンプリコンをNdeIおよびAsp718で消化し、NdeI/Asp718
消化したpHE1タンパク質発現ベクター中にサブクローニングした。
【0134】KGF−2Δ33のヌクレオチド配列 ATGTCTTACAACCACCTGCAGGGTGACGTTCGTTGG
CGTAAACTGTTCTCTTTCACCAAATACTTCCTGAAA
ATCGAAAA AAACGGTAAAGTTTCTGGGACCAAGAAGGAGAACTG
CCCGTACAGCATCCTGGAGATAACATCAGTAGAAAT
CGGAGTTG TTGCCGTCAAAGCCATTAACAGCAACTATTACTTAG
CCATGAACAAGAAGGGGAAACTCTATGGCTCAAA A
GAATTTAAC AATGACTGTAAGCTGAAGGAGAGGATAGAGGAAAAT
GGATACAATACCTATGCATCATTTAACTGGCAGCAT
AATGGGAG GCAAATGTATGTGGCATTGAATGGAAAAGGAGCTCC
AAGG AGAGGACAGAAAACACGAAGGAAAAACACCTCTGCT
CACTTTCTTCCAATGGTGGTACACTCATAA(配列番号:
16)
【0135】KGF−2Δ33のアミノ酸配列 MSYNHLQGDVRWRKLFSFTKYFLKIEKNGKVSGTKK
ENCPYSILEITSVEIGVVAVKAINSNYYLAMNKKGK
LYGSKEFNNDCKLKERIEENGYNTYASFNWQHNGRQ
MYVALNGKGAPRRGQKTRRKNTSAHFLPMVVHS(配列
番号:17)
【0136】B.最適化KGF−2Δ33ポリヌクレオチド配列の構築 大腸菌中でのKGF−2Δ33の発現レベルを増加させるため、全遺伝子のコ
ドンを大腸菌で最もしばしば用いられているものに適合させるべく最適化した。
KGF2Δ33を生成するのに利用した鋳型はN末端領域内でコドン最適化して
あったので、C末端アミノ酸(84〜208)を最適化する必要があった。
【0137】 まず、アミノ酸172〜208をコドン最適化してKGF2Δ33(s172
−208)を生成した。このことは、重複PCR戦略により達成した。オリゴヌ
クレオチドPM07およびPM08(アミノ酸172〜208に対応)を混合し
、70℃に加熱しついで37℃に冷却することにより一緒にアニールした。つい
で、アニールしたオリゴヌクレオチドを標準PCR反応(プライマーPM09お
よびPM10により指令される)に鋳型として用いた。当業者によく知られた標
準的な条件に従いかつ鋳型としてKGF2Δ33を用いた別のPCR反応におい
て、オリゴヌクレオチドPM05(KGF2のコード領域内のPstI部位と重
複している)およびPM11を用いてアミノ酸84〜172に対応するKGF2
の領域を増幅させた。
【0138】 第三のPCR反応において、第一のPCR反応の生成物(コドン最適化したア
ミノ酸172〜208に対応)と第二のPCR反応の生成物(コドンを最適化し
ていないアミノ酸84〜172に対応)とを混合し、オリゴヌクレオチドPM0
5およびPM10により指令された標準PCR反応の鋳型として用いた。得られ
たアンプリコンをPstI/HindIIIで消化し、PstI/HindIII消化
したpQE6KGF2Δ33中にサブクローニングして対応のコドン最適化して
いない領域を置換し、pQE6KGF2Δ33(s172−208)を生成した
【0139】 KGF2のコドン最適化を完成させるため、アミノ酸84〜172に対応する
KGF2の領域についてコドン最適化した合成遺伝子を重複オリゴヌクレオチド
を利用して作成した。4つのオリゴヌクレオチド(PM31、PM32、PM3
3およびPM34)を混合し、以下のPCRを7サイクル行った:94℃、30
秒;46.5℃、30秒;および72℃、30秒。
【0140】 ついで、プライマーPM35およびPM36により指令された第二のPCR反
応を、1μlの第一のPCR反応物を鋳型として用いて標準手順により行った。
ついで、得られたコドン最適化した遺伝子断片をPstI/SalIで消化し、
PstI/SalI消化したpQE6KGF2Δ33(s172−208)中に
サブクローニングして完全に最適化されたKGF2コード遺伝子であるpQE6
KGF2Δ33sを生成した。 別の大腸菌タンパク質発現ベクターを生成するため、pQE6KGF2Δ33
s上でプライマーPM102およびPM130を用いてKGF2Δ33sをPC
R増幅させた。得られたアンプリコンをNdeIおよびEcoRVで消化し、N
deIおよびAsp718(平滑末端化)で消化しておいたpHE1発現ベクタ
ー中にサブクローニングしてpHE1Δ33sを生成した。
【0141】 コドン最適化したKGF−2Δ33sの構築に用いたオリゴヌクレオチド配列
PM05 :CAACCACCTGCAGGGTGACG(配列番号:18)PM07 :AACGGTCGACAAATGTATGTGGCACTGAACG
GTAAAGGTGCTCCACGTCGTGGTCAGAAAACCCGTC
GTAAAAACACC(配列番号:19)PM08 :GGGCCCAAGCTTAAGAGTGTACCACCATTGG
CAGAAAGTGAGCAGAGGTGTTTTTACGACGGGTTTT
CTGACCACG(配列番号:20)PM09 :GCCACATACATTTGTCGACCGTT(配列番号:21
PM10 :GGGCCCAAGCTTAAGAGTG(配列番号:22)PM11 :GCCACATACATTTGTCGACCGTT(配列番号:23
PM31 :CTGCAGGGTGACGTTCGTTGGCGTAAACTGT
TCTCCTTCACCAAATACTTCCTGAAAATCGAAAAAA
ACGGTAAAGTTTCTGGTACCAAG(配列番号:24)
【0142】PM32 :AGCTTTAACAGCAACAACACCGATTTCAACG
GAGGTGATTTCCAGGATGGAGTACGGGCAGTTTTCT
TTCTTGGTACCAGAAACTTTACC(配列番号:25)PM33 :GGTGTTGTTGCTGTTAAAGCTATCAACTCCA
ACTACTACCTGGCTATGAACAAGAAAGGTAAACTGT
ACGGTTCCAAAGAATTTAACAAC(配列番号:26)PM34 :GTCGACCGTTGTGCTGCCAGTTGAAGGAAGC
GTAGGTGTTGTAACCGTTTTCTTCGATACGTTCTTT
CAGTTTACAGTCGTTGTTAAATTCTTTGGAACC(配列
番号:27)PM35 :GCGGCGTCGACCGTTGTGCTGCCAG(配列番号:
28)PM36 :GCGGCCTGCAGGGTGACGTTCGTTGG(配列番号
:29)PM102 :CCGGCGGATCCCATATGTCTTACAACCACC
TGCAGG(配列番号:30)PM130 :CGCGCGATATCTTATTAAGAGTGTACCACC
ATTG(配列番号:31)
【0143】KGF−2Δ33(s172−208)のヌクレオチド配列 : ATGTCTTACAACCACCTGCAGGGTGACGTTCGTTGG
CGTAAACTGTTCTCCTTCACCAAATACTTCCTGAAA
ATCGAAAAAAACGGTAAAGTTTCTGGTACCAAGAAA
GAAAACTGCCCGTACTCCATCCTGGAAATCACCTCC
GTTGAAATCGGTGTTGTTGCTGTTAAAGCTATCAAC
TCCAACTACTACCTGGCTATGAACAAGAAAGGTAAA
CTGTACGGTTCCAAAGAATTTAACAACGACTGTAAA
CTGAAAGAACGTATCGAAGAAAACGGTTACAACACC
TACGCTTCCTTCAACTGGCAGCACAACGGTCGACAA
ATGTATGTGGCACTGAACGGTAAAGGTGCTCCACGT
CGTGGTCAGAAAACCCGTCGTAAAAACACCTCTGCT
CACTTTCTGCCAATGGTGGTACACTCTTAA(配列番号:
32)
【0144】KGF−2Δ33(s172−208)のアミノ酸配列 : MSYNHLQGDVRWRKLFSFTKYFLKIEKNGKVSGTKK
ENCPYSILEITSVEIGVVAVKAINSNYYLAMNKKGK
LYGSKEFNNDCKLKERIEENGYNTYASFNWQHNGRQ
MYVALNGKGAPRRGQKTRRKNTSAHFLPMVVHS(配列
番号:33)
【0145】実施例 実施例1 KGF−2液体調合物 以下の成分を混合して液体KGF−2Δ33調合物(該調合物は液体であり、
−20℃で貯蔵する)を生成した。 2mg/mlのKGF−2Δ33ポリペプチド、 20mMの酢酸ナトリウム、 125mMの塩化ナトリウム、 1mMのEDTA、 水、pH6.2。 この調合物は、2〜8℃またはそれ以下での貯蔵条件で10ヶ月までそのイン
ビトロでの生物学的活性を保持した。10ヶ月目の生物学的活性を図3に示す。
この調合物は、またはそれ以下での貯蔵条件で11ヶ月までそのすべての物理化
学的特性を保持した。
【0146】 生物学的活性は以下の細胞増殖アッセイを用いて測定した。BaF3細胞を、
10%NBCS、10%WEHI細胞ならし培地、2mMグルタミン、600μ
g/mlのGENETICIN、1μlのβメルカプトエタノール/500ml増殖培地
、50単位のペニシリンおよび50μg/mlのストレプトマイシンを含むRP
MI1640培地中で常法通り増殖させ維持した(Ornitz, D., M.ら(1996)、
J. Biol. Chem. 271: 15292-15297)。細胞増殖アッセイのため、BaF3細胞
を遠心分離により回収し、基本培地(このものは増殖培地と同じ組成を有してい
るが、WEHIならし培地は含まず、1μg/mlのヘパリンを補足してあった
)で洗浄した。
【0147】 この操作の後、細胞を基本培地中に再浮遊させ、22,000細胞/180μ
lを96ウエル細胞培養クラスターディッシュのウエルにプレーティングした。
別の96ウエルプレートでKGF2の適当な希釈(必要な最終濃度よりも10×
高い)をPBS中で行い、上記細胞に200μlの最終容量にて加えた。細胞プ
レートを37℃、5%COインキュベーター中で36〜40時間インキュベー
トし、50μlの基本培地中の0.5μCiメチル−Hチミジンを各ウエルに
加えた。プレートをインキュベーター中でさらに5時間インキュベートし、Tomt
ec Harvester 96を用いてガラス繊維フィルター上で濾過することにより細胞を
回収した。導入されたチミジンをWallace βプレートシンチレーションカウンタ
ーでカウントした。
【0148】実施例2 KGF−2凍結乾燥調合物 以下の成分を混合してKGF−2Δ33凍結乾燥調合物を生成した。 10mg/mlのKGF−2Δ33、 10mMのクエン酸ナトリウム、 20mMの塩化ナトリウム、 1mMのEDTA、 7%w/vのショ糖、 水(凍結乾燥により除かれる) pH6.2 この調合物は、45℃またはそれ以下での貯蔵条件で9ヶ月までそのインビト
ロでの生物学的活性を保持した。9ヶ月目の生物学的活性を図4に示す。生物学
的活性の測定は実施例1に詳記した細胞増殖アッセイを用いて行った。逆相HP
LCは、この調合物が、45℃またはそれ以下の温度および75%の相対湿度で
8ヶ月までその物理化学的特性を保持したことを示した。
【0149】実施例3 増粘調合物中のKGF−2 以下の成分を混合してKGF−2Δ33増粘調合物を生成した。 2mg/mlのKGF−2Δ33、 10mMのクエン酸ナトリウム、 20mMの塩化ナトリウム、 1mMのEDTA、 7%w/vのショ糖、 1.25%のカルボキシメチルセルロース、 水 pH6.2。 この調合物は、KGF−2Δ33ポリペプチドをカルボキシメチルセルロース
溶液に加えて調製する。得られた調合物の粘度は、回転紡錘粘度計により測定し
たところ約250cpsであった。KGF−2ポリペプチドはカルボキシメチル
セルロースの存在下で生物学的活性を保持した。この調合物の生物学的活性を実
施例1に詳記した細胞増殖アッセイを用いてアッセイした。
【0150】実施例4 ゲル調合物中のKGF−2 以下の成分を混合してKGF−2Δ33ゲル調合物を生成した。 2mg/mlのKGF−2Δ33、 10mMのクエン酸ナトリウム、 20mMの塩化ナトリウム、 1mMのEDTA、 7%w/vのショ糖、 16%のPluronic F127、 水 pH6.2 KGF−2Δ33をPluronic溶液に約2℃〜約8℃にて加える。得られた溶液
の粘度は20℃で約50cpsであり、約37℃で固化した。KGF−2は、実
施例1に詳記した細胞増殖アッセイによって測定されるようにPluronic F127の
存在下で生物学的活性を保持した。
【0151】実施例5 モノチオグリセロールによるKGFの活性化 KGF−2Δ33タンパク質ストック調合物(0.1〜2.0mg/ml)をモ
ノチオグリセロール(MTG)とともにまたはMTGなしで調製した。 これらタンパク質調合物をpH7.2の1×リン酸緩衝食塩水(PBS)中で
希釈して細胞増殖アッセイに使用するのに必要な濃度を達成した。
【0152】細胞培養 BaF32b細胞を、10%NBCS、10%WEHI細胞ならし培地、2m
Mグルタミン、600μg/mlのGENETICIN、1μlのβメルカプトエタノー
ル/500ml増殖培地、50単位のペニシリンおよび50μg/mlのストレ
プトマイシンを含むRPMI1640培地中で常法通り増殖させ維持した(Orni
tz, D., M.ら(1996)、J. Biol. Chem. 271: 15292-15297)。
【0153】細胞増殖アッセイ 細胞増殖アッセイのため、BaF32b細胞を遠心分離により回収し、基本培
地(このものは増殖培地と同じ組成を有しているが、WEHIならし培地は含ま
ず、1μg/mlのヘパリンを補足してあった)で洗浄した。この操作の後、細
胞を基本培地中に再浮遊させ、22,000細胞/180μlを96ウエル細胞
培養クラスターディッシュのウエルにプレーティングした。別の96ウエルプレ
ートでKGF2の適当な希釈(必要な最終濃度よりも10×高い)をPBS中で
行い、上記細胞に200μlの最終容量にて加えた。細胞プレートを37℃、5
%COインキュベーター中で36〜40時間インキュベートし、50μlの基
本培地中の0.5μCiメチル−Hチミジンを各ウエルに加えた。プレートを
インキュベーター中でさらに5時間インキュベートし、Tomtec Harvester 96を
用いてガラス繊維フィルター上で濾過することにより細胞を回収した。導入され
たチミジンをWallace βプレートシンチレーションカウンターでカウントした。
【0154】結果 A.KGF−2活性に及ぼすMTG濃度の効果 異なる濃度のモノチオグリセロール(MTG)に暴露したKGF−2を用いて
細胞増殖アッセイを行った。対照の試料は賦形剤を含んでいなかった。MTGを
用いた場合、種々の濃度のMTGで観察されたKGF−2活性の刺激を図5に示
す。活性の増大は使用したMTGの濃度に依存して対照の10〜150%であっ
た。このような細胞増殖活性の促進は、この増殖因子ファミリーの他の成員では
観察されなかった。これら観察から、MTGによるKGF−2活性の刺激は極め
て特異的であると結論付けられた。結論 モノチオグリセロールはKGF−2のインビトロでの細胞増殖活性を特異的に
刺激するものと思われる。
【0155】実施例6 クエン酸塩を用いたKGF−2ゲル調合物 以下の成分を混合してKGF−2調合物(該調合物は室温で液体であり、皮膚
に適用するとその後ゲル化する)を生成した。 20mMのクエン酸ナトリウム、 125mMの塩化ナトリウム、 1mMのEDTA二ナトリウム、 17%のPluronic 127、pH6.0、 水。
【0156】実施例7 酢酸塩を用いたKGF−2ゲル調合物 以下の成分を混合してKGF−2調合物(該調合物は皮膚に適用するとゲル化
する)を生成した。 20mMの酢酸ナトリウム、 125mMの塩化ナトリウム、 1mMのEDTA、 17%のPluronic 127、pH6.0、 水。
【0157】実施例8 液体KGF−2調合物 KGF−2Δ33を維持する緩衝液としてのクエン酸ナトリウムの適切さを4
つの別々の調合物で3つのpH:pH5.0、pH5.5およびpH6.0にて評
定した。調合物 : A. KGF−2Δ33 1または2mg/ml 20mMのクエン酸ナトリウム、 125mMの塩化ナトリウム、 1mMのEDTA二ナトリウム、 水。 B. さらに1%グリセロールを含む他は「A」と同じ C. さらに0.05%メチオニンを含む他は「A」と同じ D. さらに1%モノチオグリセロールを含む他は「A」と同じ KGF−2Δ33の濃度は、上記すべての調合物において1および2mg/m
lであった。
【0158】 2.凍結乾燥調合物 KGF−2Δ33を3つのバルク剤:マンニトール、ショ糖およびトレハロー
スの一つの存在下で凍結乾燥した。調合物 : A. 10mMクエン酸ナトリウム、20mM塩化ナトリウム、1mM EDT
A二ナトリウムおよび4%マンニトール、pH6.0 B. 10mMクエン酸ナトリウム、20mM塩化ナトリウム、1mM EDT
A二ナトリウムおよび7%ショ糖、pH6.0 C. 10mMクエン酸ナトリウム、20mM塩化ナトリウム、1mM EDT
A二ナトリウムおよび8%トレハロース、pH6.0 KGF−2ポリペプチドの濃度は3mg/mlおよび8mg/mlであった。
評定パラメーターは、水での再構成前および後のRP−HPLC、SDS−PA
GE、外観であった。
【0159】 3.10mg/ml KGF−2凍結乾燥 調合物が10mg/mlのタンパク質の凍結乾燥を可能とするか否かを、再構
成後のタンパク質の安定性とともに評定した。調合物 : 10mMクエン酸ナトリウム、20mM塩化ナトリウム、1mM EDTA
二ナトリウムおよび4%マンニトール、pH6.0 凍結乾燥した生成物を水または1%モノチオグリセロールを含有する水で再構
成した。
【0160】実施例9 増粘剤の安定性 下記調合物を上記実施例の方法に従って調製する。構成1および2は凍結乾燥
したKGF−2のみである;構成3および4は凍結乾燥ケーキの一部として増粘
剤を含む;構成5〜8は液体希釈剤の一部として増粘剤を含む。
【0161】実施例10 慢性の創傷の治療にKGF−2を使用することには、医薬の複数の局所適用が
係わることが予想される。凍結乾燥した構成は、保存剤が存在しないために適用
毎に再構成するための医薬製品の別個のバイアルが必要となる。このことは、有
意な量の医薬を浪費することになるのみならず、各投与の際に多大の労力を要す
る製品調製物という結果となる。理想的には、KGF−2の市販の構成は多数の
適用に使用可能なKGF−2の単一のバイアルであろう。この構成の実施可能性
を検討するため、KGF−2と保存剤との適合性を調べた。
【0162】 保存剤はFDAによって承認された化合物のリストから選択した。選択した5
つの候補保存剤は、フィジシャンズ・デスク・レファレンス(Physicians Desk
Reference:PDR)での汎用性および生物薬剤学での先に刊行された研究に基
づいていた。調合物および剤型は最終的に承認されていないので、エラストマー
の終止部(elastomeric closure)またはpH6.2での安定性との適合性には最
初は強い強調は置かなかった。濃度は文献値並びにFDA/USPおよびBPガ
イドラインに基づいて選択した。下記表は、本試験で調べた5つの候補保存剤を
示す。
【0163】 1.「パラベン」は本実施例では0.18%メチルパラベンと0.02%プロピル
パラベンとして定義される。 保存剤を利用するには2つの基準が適合する必要がある。第一に、医薬製品と
の適合性および安定性が確立されなければならない。第二に、微生物に対する有
効性が確立されなければならない(USP<51>による)。本試験の目的は、
これら保存剤とのKGF−2の短期間の適合性を調べることであった。
【0164】材料および方法 調合物 全ての化学試薬はSpectrumから購入したものであり、USP/NFグレードま
たは同等のものであった。以下の一つを含む基礎調合緩衝液中にKGF−2をダ
イアフィルトレーションした:0.9%ベンジルアルコール、0.5%クロロブタ
ノール、0.5%フェノール、0.3%m−クレゾール、または0.18%メチル
パラベン+0.02%プロピルパラベン(「パラベン」)。ダイアフィルトレー
ションは、Biomax 10kDメンブレンを備えたAmiconスタード・セル(stirred-cel
l)で行った。手順は全て2〜8℃で行った。各ダイアフィルトレーションにつ
いて全部で5回の緩衝液の交換を行った。ダイアフィルトレーションの際の回収
は>90%であった。KGF−2を1.0mg/mLに希釈し、2mL容のSchot
t Purformバイアルに充填し(1.0mL)、Diakyo D-7771血清栓およびアルミ
ニウムクリンプシールで密封した。バイアルを−80℃、2〜8℃、および25
℃/60%相対湿度で貯蔵した。沈殿を有する調合物は、さらに分析する前に0
.2μmで濾過した。
【0165】外観 黒と白の背景に対する前方照明蛍光を用い、視覚検査を通常の倍率で行った。
SDS−PAGE 16%トリス−グリシンNovexゲルを用い、SDS−PAGEを非還元条件下
で行った。レーン当たり2μgのKGF−2をローディングした。ゲルを定常電
圧(125V)で約2時間泳動した。染色はDaiichi銀染色キットを製造業者の
指示に従って用いて行った。生物学的活性 KGF−2の生物学的活性は、繊維芽細胞増殖因子2iiibレセプターで安定に
トランスフェクションしておいたマウスリンパ細胞株Baf3 2bを用いて決
定する。活性は、KGF−2への暴露後の[メチル−H]チミジンの取り込み
によって測定される細胞増殖に基づく。
【0166】ディファレンシャルスキャニングカロリメトリー(DSC) 各調合物のDSCサーモグラムをCalorimetry Science Nano DSC(モデル51
00)で得た。スキャニングは加熱および冷却の両方向で1℃/分の割合で5℃
〜80℃にて行った。溶融温度(Tm)を熱的転移の頂点として測定した。冷却
方向ではいずれの試料においてもシグナルは認められず、変性は不可逆的なもの
であることを示していた。
【0167】RP−HPLC(濃度、純度、酸化パーセント) RP−HPLCを、Waters 996フォトダイオードアレイ検出器を備えたWaters 2690 Allianceシステムで行った。分離にはWaters Delta-Pak C18カラム(2.
1×150mm、5μm、300Å)を用い、溶媒A(水中の0.1%TFA)
から溶媒B(アセトニトリル中の0.07%TFA)への一次勾配を用いた。濃
度の決定は、既知濃度の内部標準を用い、未知の全ピーク領域を標準曲線と相関
させることにより行った。典型的な標準クロマトグラムを以下に示す。2つの主
要なピークが分離され、完全なKGF−2のピークおよび酸化形態のKGF−2
として前以て同定した。酸化パーセントは全領域のうちの領域のパーセントとし
て報告してある。パーセント純度は、完全な形態および酸化形態の合計に寄与す
る領域パーセントである。
【0168】結果 クロロブタノールおよびパラベンはKGF−2と2〜8℃で見込みのある適合
性を示す。ベンジルアルコール、m−クレゾールおよびフェノールは、2〜8℃
で貯蔵したときにKGF−2の速やかな凝集を引き起こす。25℃で貯蔵したと
きには、全ての調合物の1週間の貯蔵後の外観は不良である。m−クレゾールお
よびフェノールの存在下で凍結乾燥/解凍条件に供したとき、KGF−2は溶液
から沈降する。 試験した全ての保存剤は、KGF−2の熱安定性に対してわずかな不安定化作
用を有する。溶融温度は、DSCにより測定したときに全ての保存剤の存在下で
約5℃の低下を示す。試験した保存剤のうちではパラベンが最も影響が小さい。
【0169】 KGF−2の比活性は、試験したいずれの保存剤の存在によっても影響を受け
なかった。25℃で貯蔵した調合物の全活性は6週間の貯蔵後にはKGF−2の
沈殿のために低下するが、クロロブタノール、パラベンおよびベンジルアルコー
ル調合物中の可溶性タンパク質はその比活性を保持した。 2〜8℃での貯蔵では、RP−HPLCでの測定によると全ての調合物は開始
濃度の10%以内で維持される。25℃で貯蔵した場合には、m−クレゾールま
たはフェノールを含有する調合物は最も迅速な沈殿速度を示した。試験した調合
物のうちでは、パラベンまたはクロロブタノールを含有する調合物が短期間の安
定性試験でKGF−2を溶液中に最大に保持する。
【0170】 ベンジルアルコールは、KGF−2の迅速な酸化を引き起こし、それに引き続
いて酸化形が継続して分解されていく。このことは、初期の高い酸化レベル(ダ
イアフィルトレーションの際に形成される)と、その後のさらなる酸化形へのゆ
っくりした転移によって示される。2〜8℃で貯蔵したとき、残りの調合物は1
ヶ月当たり約4%の匹敵しうる酸化速度を有する。25℃で貯蔵したときは、酸
化速度は1ヶ月当たり30〜40%に増大する。試験した調合物のうちでは、パ
ラベンを含有する調合物が最もゆっくりした酸化速度を有する。
【0171】 純度は、全クロマトグラフィー領域のうちでのパーセントとしてKGF−2の
主たる形態および酸化形態の合計として決定する。ベンジルアルコールまたはフ
ェノールを含有する調合物は、最初は低純度を示し、ついで上昇し、ついで徐々
に純度は失われていく。このことは、可溶性の凝集物に対応すると思われるクロ
マトグラフィーピークの0時点での急激な増大に対応している。沈殿の形成が続
くにつれて、このピークは消失し、その後、いずれの他のピーク領域にも増大は
認められない。25℃で貯蔵したとき、パラベンを含有する調合物が最高の純度
を保持する。 SDS−PAGEは、時点0および貯蔵6週間後にベンジルアルコール含有調
合物で二量体のバンドのわずかな増大を示す。わずかなレーンのストリーキング
(streaking)および二量体レベルの増大が、25℃で貯蔵した調合物で観察さ
れる。
【0172】結論 KGF−2は、試験した条件下ではベンジルアルコール、m−クレゾール、お
よびフェノールとは不適合である。これらの調合物では、凝集とそれに続く沈殿
が主たる分解経路であった。試験した保存剤のうちでは、メチル/プロピルパラ
ベンがKGF−2の短期安定性に対して最小の影響を有する。
【0173】実施例11 凍結乾燥調合物中のKGF−2 以下の成分を混合してKGF−2Δ33前混合調合物を生成した。 3.3mg/mlのKGF−2Δ33、 10mMのクエン酸ナトリウム、 20mMの塩化ナトリウム、 1mMのEDTA、 2%w/vのグリシン、 0.5%w/vのショ糖、 水(凍結乾燥により除かれる) pH6.2。 ついで、調合物を上記第二の凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥した。 この調合物は、25℃またはそれ以下での貯蔵条件で12ヶ月までそのインビ
トロでの生物学的活性を保持した。
【0174】実施例12 KGF−2局所調合物 以下の成分を混合して局所適用のためのKGF−2調合物を生成した。 1.0mg/mlのKGF−2Δ33、 0.46%のヒドロキシエチルセルロース(HEC) 7%のショ糖、 20mMのクエン酸ナトリウム、 20mMの塩化ナトリウム、 1mMのEDTA、 pH6.2。
【0175】 本発明は上記および実施例に特別に記載した以外の仕方でも実施しうることは
明らかであろう。 本発明の多くの修飾および変更が上記教示に照らして可能であり、それゆえ、
添付の特許請求の範囲に含まれる。 本明細書中に引用したすべての刊行物(特許、特許出願、週間記事、研究所の
マニュアル、書籍または他の書類を含む)の全開示が参照のために引用される。
【0176】 70.1 寄託した微生物または他の生物学的材料に関する表示 (PCT規則13の2) 受理官庁のみ使用 国際事務局のみ使用
【0177】 70.2 寄託した微生物または他の生物学的材料に関する表示 (PCT規則13の2) 受理官庁のみ使用 国際事務局のみ使用
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 KGF−2のcDNAおよびそれから導かれる対応アミノ酸配列
を示す。最初の35または36アミノ酸残基は、推定のリーダー配列を表す(下
線)。標準的な一文字略語をアミノ酸について用いている。シークエンシングの
不正確さは、ポリヌクレオチドの配列を決定しようとする際の一般的な問題であ
る。シークエンシングは、373自動DNAシークエンサー(Applied Biosyste
ms, Inc.)を用いて行った。シークエンシングの正確さは、97%以上正確であ
ると予測される(配列番号:1および2)。
【図2】 本発明のKGF−2ポリペプチドによる正常な一次表皮角質細胞
増殖の刺激を示す。(A)はKGF−2による正常な一次表皮角質細胞増殖の刺
激を示す。(B)は、KGF−2Δ33による正常な一次表皮角質細胞増殖の刺
激を示す。(C)は、KGF−2Δ28による正常な一次表皮角質細胞増殖の刺
激を示す。
【図3】 KGF−2Δ33液体調合物についての10ヶ月安定性の生物学
的活性の結果を示す。
【図4】 KGF−2Δ33凍結乾燥製剤についての9ヶ月安定性の生物学
的活性の結果を示す。
【図5】 KGF−2の生物学的活性に対するモノチオグリセロールの効果
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/12 A61K 47/14 47/14 47/18 47/18 47/20 47/20 47/22 47/22 47/26 47/26 47/32 47/32 47/34 47/34 47/36 47/36 47/38 47/38 47/40 47/40 47/42 47/42 A61P 17/02 A61P 17/02 43/00 105 43/00 105 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 アービンド・チョプラ アメリカ合衆国20878メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、ラムズデル・コート18番 (72)発明者 パービーン・コーシャル アメリカ合衆国20906メリーランド州シル バー・スプリング、チャペル・ヒル・ロー ド1704番 (72)発明者 トーマス・スピッツネイジェル アメリカ合衆国22180バージニア州ビエナ、 ストーンウォール・ドライブ8414番 (72)発明者 エドワード・アンズワース アメリカ合衆国20895メリーランド州ケン ジントン、グレンリッジ・ストリート4414 番 (72)発明者 ファザル・カーン アメリカ合衆国20878メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、ナンバー405、マホガニ ー・サークル15704番 Fターム(参考) 4C076 AA11 AA29 CC19 DD23D DD25Z DD26Z DD37 DD37R DD38D DD41Z DD45R DD49 DD51 DD51D DD55 DD67 DD67R EE06P EE10G EE13P EE20P EE26P EE30 EE30P EE32G EE36P EE37P EE39 EE41P EE42P EE43P EE49 FF04 FF13 FF14 FF17 FF51 4C084 AA03 BA01 BA21 DB52 MA16 MA44 ZA89 ZB21

Claims (78)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)約0.02〜約40mg/ml(w/v)の濃度範囲の
    KGF−2ポリペプチド; (b)約5mM〜約50mMの濃度範囲でpH約5.0〜約8.0の緩衝能を有す
    る緩衝液; (c)組成物を所定の容量とする、薬理学的に許容しうる希釈剤;および (d)m−クレゾール、クロロブタノール、およびメチルパラベンとプロピルパ
    ラベンとの混合物よりなる群から選ばれた保存剤; またはその反応生成物を含む医薬組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、 (a)約0mM〜約10mMの濃度範囲のキレート化剤;および (b)約0mM〜約150mMの濃度範囲の等張化剤 を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 該等張化剤が、NaCl、グリシン、ショ糖、マンニトール
    、およびそれらの混合物よりなる群から選ばれたものである、請求項2に記載の
    医薬組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、 (1)約0.5%〜約2%w/vのグリセロール、 (2)約0.1%〜約1%w/vのメチオニン、または (3)約0.1%〜約2%w/vのモノチオグリセロール の一つを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 該KGF−2ポリペプチドが約0.05〜約30mg/ml(
    w/v)の濃度範囲で含まれる、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 該KGF−2ポリペプチドが約0.1〜約20mg/ml(w
    /v)の濃度範囲で含まれる、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 該KGF−ポリペプチドが約0.2〜4mg/mlの濃度範
    囲で含まれる、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】 該KGF−2ポリペプチドがKGF−2−Δ33である、請
    求項1に記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 該希釈剤が水である、請求項1に記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 該キレート化剤が約1mMの濃度のEDTAであり、該等
    張化剤が約125mMの濃度で存在する、請求項2に記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】 該pHがpH約5.5〜約6.5である、請求項1に記載の
    医薬組成物。
  12. 【請求項12】 該pHがpH約6.0である、請求項11に記載の医薬組
    成物。
  13. 【請求項13】 該緩衝液が、リン酸、酢酸、アコニット酸、クエン酸、グ
    ルタル酸、リンゴ酸、コハク酸、炭酸、およびそのアルカリまたはアルカリ土類
    塩よりなる群から選ばれたものである、請求項1に記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】 該緩衝液が、リン酸塩、酢酸塩またはクエン酸塩である、
    請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 該緩衝液がクエン酸塩である、請求項13に記載の医薬組
    成物。
  16. 【請求項16】 該緩衝液が、約5mM〜約30mMの濃度範囲で含まれる
    、請求項1に記載の医薬組成物。
  17. 【請求項17】 該緩衝液が、約10mM〜約20mMの濃度範囲で含まれ
    るクエン酸塩である、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 【請求項18】 さらに安定化量の(a)抗酸化剤または(b)チオール化
    合物の1またはそれ以上を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  19. 【請求項19】 −20℃またはそれ以下の温度で保持される、請求項1に
    記載の医薬組成物。
  20. 【請求項20】 該KGF−2Δ33ポリペプチドが、N末端メチオニンを
    有するKGF−2Δ33ポリペプチド、N末端メチオニンを欠いたKGF−2Δ
    33ポリペプチド、およびその混合物よりなる群から選ばれたものである、請求
    項1に記載の医薬組成物。
  21. 【請求項21】 さらにバルク剤を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  22. 【請求項22】 該バルク剤が、ショ糖、グリシン、マンニトール、トレハ
    ロース、およびその混合物よりなる群から選ばれたものである、請求項21に記
    載の医薬組成物。
  23. 【請求項23】 該バルク剤が、ショ糖、またはショ糖とグリシンとの混合
    物である、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 【請求項24】 さらにバルク剤を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
  25. 【請求項25】 該バルク剤が約2%〜約10%w/vの濃度で含まれる、
    請求項22に記載の医薬組成物。
  26. 【請求項26】 該バルク剤が、5%のマンニトール、7%のショ糖、8%
    のトレハロース、または2%のグリシン+0.5%のショ糖である、請求項22
    に記載の医薬組成物。
  27. 【請求項27】 該pHがpH約6.2である、請求項21に記載の医薬組
    成物。
  28. 【請求項28】 該希釈剤が水である、請求項21に記載の医薬組成物。
  29. 【請求項29】 該緩衝液が、リン酸、酢酸、アコニット酸、クエン酸、グ
    ルタル酸、リンゴ酸、コハク酸、炭酸、およびそのアルカリまたはアルカリ土類
    塩よりなる群から選ばれたものである、請求項21に記載の医薬組成物。
  30. 【請求項30】 該緩衝液が、リン酸塩またはクエン酸塩である、請求項2
    9に記載の医薬組成物。
  31. 【請求項31】 該緩衝液がクエン酸塩である、請求項30に記載の医薬組
    成物。
  32. 【請求項32】 水の90%以上が凍結乾燥により除かれる、請求項28に
    記載の医薬組成物。
  33. 【請求項33】 約290mOsmの等張状態を維持するのに有効な所定量
    の滅菌水で再構成する、請求項32に記載の医薬組成物。
  34. 【請求項34】 該KGF−2ポリペプチドがKGF−2−Δ33である、
    請求項21に記載の医薬組成物。
  35. 【請求項35】 該KGF−2Δ33ポリペプチドが、N末端メチオニンを
    有するKGF−2Δ33ポリペプチド、N末端メチオニンを欠いたKGF−2Δ
    33ポリペプチド、およびその混合物よりなる群から選ばれたものである、請求
    項34に記載の医薬組成物。
  36. 【請求項36】 該緩衝液を約5mM〜約50mMの濃度で加える、請求項
    21に記載の医薬組成物。
  37. 【請求項37】 該緩衝液が、約10mMの濃度のクエン酸塩である、請求
    項36に記載の医薬組成物。
  38. 【請求項38】 さらに安定化量の(g)抗酸化剤または(h)チオール化
    合物の1またはそれ以上を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
  39. 【請求項39】 (a)約0.01%〜約2%w/vのモノチオグリセロー
    ル、(b)約0.01%〜約2%w/vのアスコルビン酸、(c)約0.01%〜
    約2%w/vのメチオニンまたは(d)それらの混合物を含む安定化量の抗酸化
    剤を含む滅菌水中で再構成する、請求項32に記載の医薬組成物。
  40. 【請求項40】 粘度を約50〜約10,000cpsに上昇させるのに有
    効な量の増粘剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  41. 【請求項41】 該増粘剤が粘度を約50〜約1,000cpsに上昇させ
    るのに有効な量で含まれる、請求項40に記載の医薬組成物。
  42. 【請求項42】 該増粘剤が粘度を約200〜約300cpsに上昇させる
    のに有効な量で含まれる、請求項41に記載の医薬組成物。
  43. 【請求項43】 該増粘剤が0〜5%(w/w)の濃度で含まれる、請求項
    40に記載の医薬組成物。
  44. 【請求項44】 該増粘剤が、水溶性のエーテル化セルロースまたはアリル
    スクロースかまたはペンタエリトリトールのアリルエーテルで架橋されたアクリ
    ル酸の高分子量ポリマーである、請求項40に記載の医薬組成物。
  45. 【請求項45】 該エーテル化セルロースが、アルキルセルロース、ヒドロ
    キシアルキルセルロース、カルボアルキルセルロースまたはアルキルヒドロキシ
    アルキルセルロースである、請求項44に記載の医薬組成物。
  46. 【請求項46】 該エーテル化セルロースが、メチルセルロース、ヒドロキ
    シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
    ルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースである、請求項40に記載の
    医薬組成物。
  47. 【請求項47】 該エーテル化セルロース誘導体が、分子量が約50,00
    0〜約700,000で、約0〜約20重量%の濃度で含まれる、請求項46に
    記載の医薬組成物。
  48. 【請求項48】 該エーテル化セルロース誘導体が、分子量が約80,00
    0〜約240,000で、約2重量%〜約8重量%の濃度で含まれる、請求項4
    7に記載の医薬組成物。
  49. 【請求項49】 該緩衝液が約10mM〜約50mMの濃度のクエン酸塩で
    ある、請求項42に記載の医薬組成物。
  50. 【請求項50】 該緩衝液が約10mM〜約20mMの濃度のクエン酸塩で
    ある、請求項49に記載の医薬組成物。
  51. 【請求項51】 該バルク剤が、約0.01%〜約5%ショ糖の濃度のショ
    糖である、請求項49に記載の医薬組成物。
  52. 【請求項52】 該増粘剤を液体調合物に直接加え、その後に凍結乾燥する
    、請求項51に記載の医薬組成物。
  53. 【請求項53】 増粘剤を溶解した適当な希釈剤を加えることにより該調合
    物を再構成することによって、凍結乾燥した調合物に該増粘剤を加える、請求項
    51に記載の医薬組成物。
  54. 【請求項54】 粘度を約50〜約10,000cpsに上昇させるのに有
    効な量の増粘剤をさらに含む、請求項21に記載の医薬組成物。
  55. 【請求項55】 室温での粘度を約0.1〜約10,000cpsに上昇させ
    るのに有効な量のゲル化剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  56. 【請求項56】 室温での粘度を約0.1〜約10,000cpsに上昇させ
    るのに有効な量のゲル化剤をさらに含む、請求項21に記載の医薬組成物。
  57. 【請求項57】 該ゲル化剤が、粘性の水溶液を生成しうる水溶性ポリマー
    、または粘性の溶液を生成することができる非水溶性で水膨潤性のポリマーであ
    る、請求項55に記載の医薬組成物。
  58. 【請求項58】 該ゲル化剤が、ビニルポリマー、ポリオキシエチレン−ポ
    リオキシプロピレンコポリマー、多糖、タンパク質、ポリ(エチレンオキシド)
    、アクリルアミドポリマーまたはその塩よりなる群から選ばれた高分子量ポリマ
    ーである、請求項57に記載の医薬組成物。
  59. 【請求項59】 該ゲル化剤が、(1)ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸
    、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、およびその塩およびエステル
    よりなる群から選ばれたビニルポリマー、または(2)セルロース誘導体、グリ
    コサミノグリカン、寒天、ペクチン、アルギン酸、デキストラン、α−アミロー
    ス、アミロペクチン、キトサン、およびその塩およびエステルよりなる群から選
    ばれた多糖である、請求項58に記載の医薬組成物。
  60. 【請求項60】 該ゲル化剤が、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロ
    イチン−4−硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリンおよびその塩およびエステルよりな
    る群から選ばれたグリコサミノグリカンである、請求項58に記載の医薬組成物
  61. 【請求項61】 該グリコサミノグリカンが、コラーゲン、ゼラチン、また
    はフィブロネクチンとともに含まれる、請求項60に記載の医薬組成物。
  62. 【請求項62】 該ゲル化剤が、ポリアクリルアミドまたはポリメタクリル
    アミドよりなる群から選ばれたアクリルアミドポリマーである、請求項58に記
    載の医薬組成物。
  63. 【請求項63】 該ゲル化剤がポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
    ブロックコポリマーである、請求項58に記載の医薬組成物。
  64. 【請求項64】 平均分子量が約500〜50,000のポリオキシエチレ
    ン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを約10〜約60重量%含む、請
    求項63に記載の医薬組成物。
  65. 【請求項65】 1,000〜15,000の範囲の分子量のポリオキシエチ
    レン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを約14〜約18重量%含む、
    請求項64に記載の医薬組成物。
  66. 【請求項66】 該KGF−2ポリペプチドが、約0.01mg/ml〜約
    10mg/mlの濃度で含まれる、請求項1に記載の医薬組成物。
  67. 【請求項67】 該KGF−2ポリペプチドが、Ala(63)−−Ser
    (208)(KGF−2Δ28)およびSer(69)−−Ser(208)(
    KGF−2Δ33)よりなる群から選ばれたN末端欠失体である、請求項1に記
    載の医薬組成物。
  68. 【請求項68】 該KGF−2ポリペプチドが、N末端メチオニンを有する
    もの、N末端メチオニンを欠くもの、またはそれらの混合物である、請求項67
    に記載の医薬組成物。
  69. 【請求項69】 該KGF−2ポリペプチドが、Ala(39)−−Ser
    (208);Pro(47)−−Ser(208);Val(77)−−Ser
    (208);Glu(93)−−Ser(208);Glu(104)−−Se
    r(208);Val(123)−−Ser(208);Gly(138)−−
    Ser(208);Met(1)、Thr(36);およびCys(37)−−
    Lys(153)よりなる群から選ばれたN末端またはC末端の欠失変異体であ
    る、請求項1に記載の医薬組成物。
  70. 【請求項70】 該KGF−2ポリペプチドが、N末端メチオニンを有する
    もの、N末端メチオニンを欠くもの、またはそれらの混合物である、請求項69
    に記載の医薬組成物。
  71. 【請求項71】 さらに、 (a)リジン; (b)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン;および (c)硫酸化β−シクロデキストリン またはそれらの組み合せの1つを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  72. 【請求項72】 該保存剤がメチルパラベンとプロピルパラベンとの混合物
    である、請求項1に記載の医薬組成物。
  73. 【請求項73】 0.18%のメチルパラベンおよび0.02%のプロピルパ
    ラベンを含む、請求項72に記載の医薬組成物。
  74. 【請求項74】 (a)約1.0mg/mlのKGF−2; (b)20mMのクエン酸、pH5〜5.5;および (c)0.01%のポリソルベート80 を含む医薬組成物。
  75. 【請求項75】 さらに1mMのEDTAを含む、請求項74に記載の医薬
    組成物。
  76. 【請求項76】 (a)約3.3mg/mlのKGF−2; (b)10mMのクエン酸ナトリウム; (c)20mMの塩化ナトリウム; (d)1mMのEDTA; (e)2%w/vのグリシン; (f)0.5%w/vのショ糖; (g)水;および (h)pH約6.2 またはその反応生成物を含む医薬組成物。
  77. 【請求項77】 90%以上の水が凍結乾燥により除かれる、請求項77に
    記載の医薬組成物。
  78. 【請求項78】 (a)約1.0mg/mlのKGF−2; (b)0.46%のヒドロキシエチルセルロース; (c)7%のショ糖; (d)20mMのクエン酸ナトリウム; (e)20mMの塩化ナトリウム; (f)1mMのEDTA;および (g)pH約6.2 またはその反応生成物を含む医薬組成物。
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