JP2002541849A - 血管内皮細胞増殖因子変異体とその用途 - Google Patents

血管内皮細胞増殖因子変異体とその用途

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも天然VEGF配列中に1つのアミノ酸変異、及びKDRレセプター又はFLT−1レセプターのどちらかに対して選択的結合親和性を有するVEGF変異体を提供する。また、VEGF変異体を作製する方法及びVEGF変異体を使用する方法が提供されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)変異体、該変異体を調製する方法
、さらに該変異体を利用した方法、組成物及びアッセイに関する。特に本発明は
、天然VEGFのものとは異なるVEGFレセプター、KDR及びFLT−1に
対する結合親和性特性を有するVEGF変異体に関する。 (発明の背景) 脈管系の2つの主要な細胞構成要素は内皮及び平滑筋細胞である。内皮細胞
は全血管の内部表面の内張りを形成し、血液と組織の間の非血栓形成性界面を構
成する。加えて、内皮細胞は新しい毛細血管や血管の発育のために重要な成分で
ある。よって、内皮細胞は、腫瘍増殖及び転移並びに種々の非新生物疾病又は疾
患に随伴した、脈管形成または新血管形成の間に増殖する。
【0002】 天然に生じる種々のポリペプチドは内皮細胞の増殖を誘発することが報告され
ている。これらのポリペプチドには、塩基性および酸性の線維芽細胞増殖因子(
FGF)、Burgess及びMaciag、Annual Rev.Biochem., 58:575(1989)、血小
板由来内皮細胞増殖因子(PD−ECGF)、Ishikawa等, Nature、338:557(1
989)、並びに血管内皮増殖因子(VEGF)、Leung等, Science 246:1306(19
89);Ferrara及びHenzel、Biochem.Biophys.Res.Commun.161:851(1989)
;Tischer等, Biochem.Biophys.Res.Commun., 165:1198(1989);Ferrara
等, PCT公開特許第WO 90/13649号(1990年11月15日公開)がある。 VEGFは最初、ウシ下垂体小胞または星状小胞細胞で条件づけた培地中で同
定された。生化学分析によって、ウシVEGFは二量体タンパク質であって、見
かけの分子量は約45,000ダルトンであり、血管内皮細胞に対して明白な細胞分裂
誘発性特異性を有していることが示されている。ウシVEGFをコードするDN
Aは、ハイブリッド形成プローブとしてタンパク質のアミノ末端アミノ酸配列に
基づくオリゴヌクレオチドを使用して、該細胞から調製したcDNAライブラリ
ーをスクリーニングして単離された。
【0003】 ヒトVEGFは、ウシVEGF cDNAをハイブリッド形成プローブとして
使用して、ヒト細胞から調製したcDNAライブラリーを先ずスクリーニングす
ることにより得られた。こうして同定された1つのcDNAは、ウシVEGFと
95%より高いの相同性を有する165アミノ酸のタンパク質をコードし;この
165アミノ酸タンパク質は一般にヒトVEGF(hVEGF)又はVEGF 65 と称されている。ヒトVEGFの細胞分裂促進活性は、哺乳動物宿主細胞中
でヒトVEGF cDNAを発現することによって確認された。ヒトVEGF c
DNAでトランスフェクションした細胞で条件づけた培地は毛細血管内皮細胞の
増殖を促進したが、コントロール細胞では促進しなかった。[Leung等, Science
246:1306(1989)]。 血管内皮細胞成増殖因子は、後の治療用途のために天然の原料から単離及び精
製することができるが、濾胞細胞の該タンパク質の比較的低胃濃度と、努力と経
験の両方の点からしてコストの高いVEGF回収は、商業的に無益に提供されて
いた。従って、クローン化と組換えDNA技術を用いたVEGFの発現のための
更なる努力が試みられた。[例えばLaboratory Investigation, 72:615(1995)、
及びこの中で引用される文献を参照]。
【0004】 VEGFは、過剰な組織成長のない状態において血管内皮細胞での選択的活性
が重要である状態、例えば糖尿病性潰瘍及び皮下創傷のような損傷から生じる血
管損傷のある症状を治療するのに対して有用であることが報告されている。VE
GF、血管(動脈及び静脈)内皮細胞増殖因子は、傷ついた細胞を修復すること
ができ、脈管形成と称されるプロセス、さらに新しい管の形成を促進することが
できる、血管新生と称されるプロセス。[例えば、Ferrara等, Endocrinol. Rev.
, 18:4-25(1997)参照]。 VEGFは、選択的RNAスプライシングから生じる多重ホモ二量体型(モノ
マー当たり121、165、189及び206のアミノ酸)として様々な組織に
おいて発現される。VEGF121はヘパリンに結合しない可溶性分裂促進因子
である;VEGFの長い型は連続的により高い親和性をもってヘパリンに結合す
る。VEGFのヘパリン結合型は、プラスミンによりカルボキシ末端で切断でき
、VEGFの拡散性型を放出する。プラスミン切断後に同定されたカルボキシ末
端ペプチドのアミノ酸配列はArg110−Ala111である。アミノ末端「
コア」タンパク質である、ホモ二量体として単離されるVEGF(1−110)は
、中和モノクローナル抗体(例えば4.6.1及び3.2E3.1.1と呼ばれ
る抗体)、及びFLT−1並びにKDRレセプター可溶型と、無傷のVEGF
65ホモ二量体と比較して同様の親和性で結合する。
【0005】 VEGFは、KDR(キナーゼドメイン領域)とFLT-1(FMS様チロシ
ンキナーゼ)レセプターへの結合のそれぞれの原因である2つの部位を含む。こ
れらのレセプターは内皮(血管)細胞上にのみ存在すると考えられている。例えば
外傷等のために細胞に酸素が欠乏した細胞のVEGF産生が増加し、従って、生
物学的反応を生じるシグナル伝達経路のトリガーのために各レセプターVEGF
を結合させる。例えば、該レセプターに対するVEGFの結合は、血管透過性を
増大させ、細胞が分割され拡大されて新しい血管経路を形成する−つまり脈管形
成と血管新生。[例えば、Malavaud等, Cardiovascular Research, 36:276-281(1
997)参照]。KDRレセプターを通じたVEGF誘発性シグナル伝達は、VEG
Fの分裂促進効果、及びおそらくは広範囲のVEGFの血管新生活性の原因であ
ると報告されている。[Waltenberger等, J. Biol. Chem., 269:26988-26995(199
4)]。しかしながら、FLT−1の生物学的役割はよくわかっていない。
【0006】 レセプター結合に関与するVEGFタンパク質の部位又は領域は、同定され、
近接した位置にあることがわかっている。[Weismann等, Cell, 28:695-704(1997
); Muller等, Proc. Natl. Acad. Sci., 94:7192-7197(1997); Muller等, Struc
ture, 5:1325-1338(1997); Fuh等, J. Biol. Chem., 273:11197-11204(1998)参
照]。KDRレセプターは、主にVEGFの82の部位にアルギニン(Arg又
はR)、84の位置にリジン(Lys又はK)、及び86の位置にヒスチジン(
His又はH)を含むループの部分を通じてVEGFを結合することが分かって
いる。FLT−1レセプターは、主に63の位置にアスパラギン酸(Asp又は
D)、64の位置にグルタミン酸(Glu又はE)、及び67の位置にグルタミ
ン酸(Glu又はE)を含むループの位置を通じてVEGFを結合することが分
かっている。[Keyt等, J. Biol. Chem., 271:5638-5646(1996)]。VEGFの結
晶構造とVEGFのKDR結合部位の機能的マッピングに基づき、VEGFは、
分子の末端に位置する2つの対称的な結合部位を用いてKDRレセプターと結合
することが更に分かった。それぞれの部位は、VEGF二量体の両サブユニット
由来の残基からなる、結合のための2つの「ホットスポット」で構成されている
。[上掲のMuller等]。これらの2つの結合決定基は、トランスフォーミング成長
因子β2(TGF−β)及び血小板由来増殖因子(PDGF)で保存されている
短い3重のβシート構造上の優性なホットスポットにある。
【0007】 その他のものではない、1つのレセプターと選択的に結合する特定のVEGF
関連分子が同定されている。分子、PlGFは、VEGFのPDGF様ドメイン
と53%の同一性で共有している。PlGFは、高い親和性を有するFlt−1
を結合するが、KDRと反応すことができないことが明らかである。文献に記載
されているように、PlGFは内皮細胞の細胞分裂活性において重大な可変性が
ある。[Maglione等, Proc. Natl. Acad. Sci.,88:9267-9271 (1991); Park等, J
. Biol. Chem., 269:25646-25654(1994); Sawano等, Cell Growth & Different
iation, 7:213-221(1996); Landgren等, Oncogene, 16:359-367(1998)]。 近年、Ogawa等は、哺乳動物VEGFと25%アミノ酸同一性を有するポリペ
プチド(VEGF−Eと呼ばれる)をコードする遺伝子を記載した。VEGF−
Eは、ヒツジやヤギ,まれにはヒトに感染し、一般に血管新生を伴う病変を生じ
るパラポックスウィルス群に属する、Orfウィルス(NZ−7株)の遺伝子で
同定された。発明者は、細胞増殖アッセイを実施し、VEGF−Eが、ヒトVE
GFとほとんど同程度にヒト臍静脈内皮細胞並びにラット肝臓類洞内皮細胞の成
長を促進することが報告された。結合研究も報告された。従来の実験は、一定量
125I標識したヒトVEGF又はVEGF−Eを持つKDRレセプター又は
FLT−1レセプターのどちらかを過剰発現する細胞をインキュベートし、次い
で増加した量の標識していないヒトVEGF又はVEGF−Eを加えることで実
施されてきた。発明者は、VEGF−EはFLT−1に比較してKDRレセプタ
ーと選択的に結合することを報告した。[Ogawa等, J. Biological Chem., 273:3
1273-31281(1998)]。
【0008】 Meyer等, EMBO J., 18: 363-374 (1999)にはまた、VEGF−Eと呼ばれるV
EGFファミリーののメンバーが同定されている。Meyer等によって報告された
VEGF−E分子はOrfウィルス株D1701の遺伝子で同定された。インビ
トロで、VEGF−Eは組織因子の放出を促進し、血管内皮細胞の増殖を促進す
ることが発見された。ウサギのインビボモデルにおいては、VEGF−Eはウサ
ギの角膜での血管新生を促進した。Meyer等により報告されたVEGF−E分子
の結合特性の分析は、任意のアッセイにおいて該分子がFLT−1レセプターに
比べてKDRレセプターと選択的に結合することを明らかにした。また、Wise等
, Proc. Natl. Acad. Sci., 96:3071-3076(1991)を参照。 Olofsson等, Proc. Natl. Acad. Sci., 95:11709-11714(1998)では、「VEG
F−B」と呼ばれるタンパク質は選択的にFLT−1と結合することが報告され
ている。発明者は、VEGF−EのAsp63、Asp64及びGlu67残基
がアラニン残基に変異する突然変異実験を開示した。VEGF−Bの突然変異体
の結合特性分析では、該突然変異体タンパク質がFLT−1との減少した親和性
を示すことを明らかにした。
【0009】 (発明の概要) 本出願人は、(天然VEGFアミノ酸配列と比較して)少なくとも1のアミノ
酸突然変異、特にアミノ酸位置17〜25及び/又は位置63〜65で、又はそ
の間で少なくとも1のアミノ酸突然変異を含むVEGF変異体を同定した。出願
人はまた、(天然VEGFアミノ酸配列と比較して)43、46、79、又は8
3の位置で少なくとも1のアミノ酸置換を含む、特に43、46、79、及び8
3の位置の各々でアラニンへのアミノ酸置換を含むVEGF変異体を同定した。
驚くべきことに、本出願人は、様々なVEGF変異体が、(天然VEGFに比べ
て)KDR及びFLT−1レセプターに関して改変された結合親和性を示し、更
にKDRレセプター又はFLT−1レセプターに対する選択的結合親和性を示す
ことを発見した。 本発明は、(天然VEGFアミノ酸配列と比較して)少なくとのも1のアミノ
酸残基を含み、KDRレセプターに対して選択的な結合親和性を有するVEGF
変異体を提供する。随意的には、少なくとも1のアミノ酸突然変異が天然VEG
Fポリペプチドのアミノ酸置換を構成する。 一実施態様では、本発明は、VEGFの17と25の位置で又はその間で、少
なくとも1のアミノ酸突然変異を含んでなるVEGF変異体を提供する。随意的
には、そのようなVEGF変異体は17と25の位置で又はその間でアミノ酸置
換を含んでいてもよい。特にアミノ酸置換は、F17I、M18E、Y21L、
Y21F、Q22R、Q22K、Q22E、Y25S、又はY25Iを含む。好
ましい実施態様では、該VEGF変異体は、VEGFの18及び/又は21の位
置で少なくとも1のアミノ酸置換を含いでいてもよく、位置18でメチオニンア
ミノ酸残基がグルタミン酸と置換され、及び/又は位置21でチロシンアミノ酸
残基はロイシンに置換されている。
【0010】 他の実施態様では、本発明は、VEGF63と66の位置で又はその間で、少
なくとも1のアミノ酸突然変異を含んでなるVEGF変異体を提供する。随意的
には、そのようなVEGF変異体は63と66の位置で又はその間でアミノ酸置
換を含んでいてもよい。特にアミノ酸置換は、D63S、G65M、G65A、
L66R、又はL66Tを含む。好ましいVEGF変異体は、VEGFの63、
65及び/又は66の位置で1又は複数のアミノ酸置換を有し、位置63でアミ
ノ酸残基アスパラギン酸がセリンと置換され、位置65でアミノ酸残基グリシン
がメチオニンと置換され、及び/又は位置66のアミノ酸残基ロイシンはアルギ
ニンに置換されている。 更に好ましくは、VEGF変異体は、VEGFの63、65及び/又は66の
位置での複合(つまり1以上の)アミノ酸突然変異、及び/又はVEGFの17
、18、21、22、及び/又は25の1又は複数の位置で1又は複数のアミノ
酸突然変異を含み得る。更により好ましくは、VEGF変異体は、位置18がグ
ルタミン酸と置換され、及び/又は位置21がロイシンと置換された、VEGF
の位置18及び/又は21での1又は複数のアミノ酸置換を含み、さらに位置6
3がセリンと置換され、位置65がメチオニンと置換され、及び/又は位置66
がアルギニンと置換された、VEGFの位置63、65及び/又は66での1又
は複数のアミノ酸置換を含む。最も好ましくは、VEGF変異体は、アミノ酸置
換の次の群:M18E、Y21L、Q22R、Y25S;D63S、G65M、
L66R;M18E、D63S、G65M、L66R;又はY21L、D63S
、G65M、L66Rの1つを含みうる。
【0011】 好ましい実施態様では、VEGF変異体は、本出願に記載される1又は複数の
アミノ酸置換を含むVEGF165アミノ酸配列を含んでなるポリペプチドであ
る。 VEGF配列の該位置で複合アミノ酸置換を含んでなる更に好ましいVEGF
変異体は、表2に示される。 更なる実施態様では、本発明は、FLT−1レセプターに対する選択的結合親
和性を有するVEGF変異体を提供し、該VEGF変異体は43、46、79又
は83の1又は複数の位置で1又は複数のアミノ酸突然変異を含みうる。好まし
くは、該FLT−1選択VEGF変異体は、VEGFの位置43、46、79及
び/又は83で(例えば1よりも多い)アミノ酸突然変異を含んでなりうる。さ
らにより好ましくは、該FLT−1選択VEGF変異体は、VEGFの位置43
、46、79及び/又は83で1又は複数のアラニンへのアミノ酸置換を含んで
なりうる。最も好ましくは、該FLT−1選択VEGF変異体は、アミノ酸置換
のセット:I43A、I46A、Q79A及び/又はI83Aを含んでなりうる
。 他の態様では、本発明は、ここで記載されるVEGF変異体をコードする単離
された核酸を提供する。また、本発明のVEGF変異体を発現することのできる
発現ベクター、該ベクターを含む宿主細胞、及びVEGF変異体を作成する条件
下で宿主細胞を培養することによるVEGF変異体の作成方法も提供される。 更なる実施態様では、本発明はVEGF変異体及び担体を含んでなる組成物を
提供する。随意的には、担体は、製薬的に許容可能な担体であり得る。 本発明は更に、脈管回路網の損傷、例えば血管の外科的切開、創傷、裂傷、穿
通、及び表面潰瘍のような脈管形成及び血管新生が所望される症状を治療する方
法を提供する。該方法において、VEGF変異体の有効量が、該症状を有する哺
乳動物に投与されうる。 また本発明は、インビトロのVEGF変異体を用いた診断方法を提供する。一
実施態様では、該方法は、KDR及び/又はFLT−1レセプターの存在又は非
存在を検知するために、VEGF変異体を用いた細胞又は組織のアッセイを含む
。 最後に、本発明はここで記載されるVEGF変異体を含むキット及び製造品を
提供する。
【0012】 A.定義 ここで使用する「VEGF」及び「天然VEGF」という用語は、Leung等、S
cience 246:1306(1989)、及びHouck等、Mol.Endocrin.5:1806(1991)に記
載され(及び更にFig.1に示され)ているような、165−アミノ酸血管内
皮細胞増殖因子、および関連のある121−、189−および206−アミノ酸
血管内皮細胞増殖因子と、天然に生じる対立遺伝子体及びそのプロセシングを受
けた形態を意味する。また「VEGF」及び「天然VEGF」という用語は、1
65−アミノ酸血管内皮細胞増殖因子のアミノ酸8〜109又は1〜109を含
んでなるポリペプチドの切断された形態に関して使用される。VEGFの任意の
そのような形態に関しては、例えば「VEGF(8−109)」、「VEGF(
1−109)」又は「VEGF165又はVEGF(1−165)」により本出
願の中で同定されうる。「切断された」天然VEGFのアミノ酸位置は、天然V
EGF配列での表示で番号付けされる。例えば、切断された天然VEGFのアミ
ノ酸位置17(メチオニン)はまた、天然VEGFのアミノ酸位置17(メチオ
ニン)である。切断された天然VEGFは好ましくは、天然VEGFに相当する
KDR及びFLT−1の結合親和性を有する。
【0013】 ここで使用される「VEGF変異体」という用語は、天然VEGF配列の1ま
たは複数のアミノ酸突然変異を含み、KDRレセプター又はFLT−1レセプタ
ーどちらかに対する選択的な結合親和性を有するVEGFポリペプチドを意味す
る。一実施態様では、KDRレセプターに対して選択的な結合親和性を有するV
EGF変異体は、天然VEGF配列の17〜25及び/または63〜66の位置
のいずれかで1又は複数のアミノ酸突然変異を含む。随意的には、1又は複数の
アミノ酸突然変異はアミノ酸置換を含む。好ましいKDR選択VEGF変異体は
、1又は複数のアミノ酸突然変異を含み、天然VEGFのKDRレセプターに対
する結合親和性より大きいか又は等しい(≧)KDRレセプターに対する結合親
和性があり、更により好ましくはVEGF変異体は、天然VEGFに存在するF
LT−1に対する結合親和性よりもFLT−1レセプターに対して小さい親和性
(<)がある。KDRレセプターに対する該VEGF変異体の結合親和性が、天
然VEGFに比較してほぼ等しい(変わらない)か、又はよりも大きく(増加し
ている)、更にFLT−1レセプターに対するVEGF変異体の結合親和性が、
天然VEGFに比べてそれよりも小さいか又はほとんどない場合には、ここでの
意味で、VEGF変異体の結合親和性はKDRレセプターに対して「選択的」で
あるとみなされる。本発明の好ましいFLT−1選択VEGF変異体は、(天然
VEGFに比較して)FLT−1レセプターに対して少なくとも10倍小さい結
合親和性を有し、更により好ましくは(天然VEGFに比較して)FLT−1レ
セプターに対して少なくとも100倍小さい結合親和性を有しうる。VEGF変
異体のそれぞれの結合親和性は、当該分野で既知のELISA、RIA、及び/
又はBIAコアアッセイによって決定してもよく、以下の実施例に更に記載され
る。また本発明の好ましいKDR選択VEGF変異体は、KDRレセプターのリ
ン酸化を誘発する能力の反映による(実施例に記載されるような)KIRAアッ
セイで活性を有しうる。本発明の好ましいKDR選択VEGF変異体は、内皮細
胞増殖(それは実施例にあるHUVEC増殖アッセイのような既知の技術方法に
より決定される)をさらに又は代わりに誘発しうる。内皮細胞増殖の誘発は現在
、KDRレセプターによるシグナル伝達の結果生じると考えられている。
【0014】 一実施様態では、FLT−1に対する選択的な結合親和性を有するVEGF変
異体は、天然VEGF配列の43、46、79又は83の位置のいずれか1つで
1又は複数のアミノ酸突然変異を含む。随意的には、1又は複数のアミノ酸突然
変異は、アミノ酸置換、好ましくはアラニンへのアミノ酸置換を含む。好ましい
FLT−1選択VEGF変異体は、1又は複数の突然変異を含み、FLT−1レ
セプターに対する天然VEGFの結合親和性よりも大きいか又は等しい(≧)F
LT−1レセプターに対する結合親和性があり、更により好ましくはそのような
VEGF変異体は、天然VEGFに存在するKDRに対する結合親和性よりもK
DRレセプターに対して小さい親和性(<)がある。FLT−1レセプターに対
する該VEGF変異体の結合親和性が、天然VEGFに比較してほぼ等しい(変
わらない)か、又はよりも大きく(増加している)、更にKDRレセプターに対
するVEGF変異体の結合親和性が、天然VEGFに比べてそれよりも小さいか
又はほとんど無い場合には、ここでの意味で、VEGF変異体の結合親和性はF
LT−1レセプターに対して「選択的」であるとみなされる。本発明の好ましい
FLT−1選択VEGF変異体は、(天然VEGFに比較して)KDRレセプタ
ーに対して少なくとも10倍小さい結合親和性を有し、更により好ましくは(天
然VEGFに比較して)KDRレセプターに対して少なくとも100倍小さい結
合親和性を有しうる。VEGF変異体のそれぞれの結合親和性は、当該分野で既
知のELISA、RIA、及び/又はBIAコアアッセイによって決定してもよ
く、以下の実施例に更に記載される。
【0015】 ここで記載されるVEGF変異体の略記指定のために、番号は(上掲のLeung
等及び上掲のHouck等で規定される)推定の天然VEGFのアミノ酸配列による
アミノ酸位置に照らされて記載される。アミノ酸同定は、アミノ酸のアルファベ
ット一文字を使用する、つまり、 Asp D アスパラギン酸 Ile I イソロイシン Thr T トレオニン Leu L ロイシン Ser S セリン Tyr Y チロシン Glu E グルタミン酸 Phe F フェニルアラニン Pro P プロリン His H ヒスチジン Gly G グリシン Lys K リジン Ala A アラニン Arg R アルギニン Cys C システイン Trp W トリプトファン Val V バリン Gln Q グルタミン Met M メチオニン Asn N アスパラギン
【0016】 「作用可能に結合し」とは、構成要素の通常の機能が働きうるような並列に関
していう。よって、コントロール配列に対して「作用可能に結合し」ているコー
ド配列とは、コード配列がこれらの配列のコントロール条件で発現し、結合され
ているDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していてリーデ
ィングフェーズにある構造を意味する。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダー
のDNAは、ポリペプチドの分泌に参画するプレタンパク質として発現されてい
るなら、そのポリペプチドのDNAに作用可能に結合している;プロモーター又
はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作用可能に
結合している;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような
位置にあるなら、コード配列と作用可能に結合している。結合は簡便な制限部位
でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、従
来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプターあるいはリンカーが使用
される。 「コントロール配列」という表現は、特定の宿主生物において作用可能に結合
したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好
適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及び
リボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化
シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。
【0017】 「発現システム」とは、作用可能に関連した所望のコード配列又はコントロー
ル配列を含むDNA配列を意味し、これらの配列で形質転換された宿主はコード
されタンパク質を産生することができる。形質転換をもたらすために、発現シス
テムはベクターに含まれうる;しかしながら、次いで関連のDNAはまた、宿主
染色体に組み込まれうる。 「細胞」、「株化細胞」及び「細胞培養」は相互に交換可能な意味で用いられ
、その全ての用語は子孫を含むものと理解される。従って、「形質転換体」ある
いは「形質転換細胞」は、最初の対象細胞及び何度培養が継代されたかに関わら
ず最初のものから誘導された培養を含む。また、全ての子孫が、意図的な変異あ
るいは意図しない変異の影響で、正確に同一のDNAを有するわけではないこと
も理解すべきである。本来の形質転換細胞についてスクリーニングしたものと同
じ機能又は生物活性を有する変異体子孫が含まれる。命名を区別することが意図
されている場合は、文脈から明らかであろう。 「プラスミド」とは、大文字及び/又は数字が先付けされる及び/又はその後
に付随される小文字「p」で示される。ここでの開始プラスミドは、商業的に入
手可能で、制限のない基盤で公的に利用可能で、又は公知の手段に乗じてそのよ
うな利用可能なプラスミドから構築することができる。更に他の相当するプラス
ミドは、当該分野において既知で、通常の専門家に明らかであろう。
【0018】 ここで使用する「VEGFレセプター」という用語は、VEGFの細胞内レセ
プターで、通常は血管内皮細胞に見られる細胞表面レセプター、並びにVEGF
を結合する能力を保持しているそれらのフラグメントと変異体(例えば、レセプ
ター細胞外ドメインの断片又は切断された形態)を意味する。VEGFレセプタ
ーの一つの例は、fms様チロシンキナーゼ(FLT又はFLT−1)、チロシ
ンキナーゼファミリーの膜貫通レセプターである。本出願で使用される「FLT
−1レセプター」という用語は、例えばDeVries等、Science 255:989(1992);
Shibuya等、Oncogene 5:519(1990)に記載されているVEGFレセプターを意
味する。全長FLT−1レセプターは、チロシンキナーゼ活性を持つ細胞内ドメ
イン、膜貫通ドメイン、および細胞外ドメインを含んでいる。細胞外ドメインは
VEGFの結合に関与しているが、細胞内ドメインはシグナル伝達に関与してい
る。VEGFレセプターのもう一つの例はKDRレセプター(FLT−1とも称
される)である。本出願で使用される「KDRレセプター」という用語は、例え
ばMatthews等、Proc.Nat.Acad.Sci.88:9026(1991);及びTerman等、Oncog
ene 6:1677(1991);Terman等、Biochem.Biophys.Res.Commun.187:1579(1
992)に記載されるVEGFレセプターを意味する。
【0019】 ここで使用される「治療」とは、治癒的処置、予防的療法及び防止的療法の両
方を意味し、患者は標的とする病理学的状態又は疾患を防止又は低下(減少)さ
せられる。治療が必要なものとは、既に疾患に罹っているもの、並びに疾患に罹
りやすいもの又は疾患が防止されているものを含む。 「慢性」投与とは、急性様式とは異なり連続的な様式での薬剤を投与し、初期
の治療効果(活性)を長時間に渡って維持することを意味する。間欠投与とは、
中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処理で
ある。 治療の対象のための「哺乳動物」は、ヒト、家畜及び農業用動物、動物園、ス
ポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタなどを
含む哺乳類に分類される任意の動物を意味する。好ましくは、哺乳動物はヒトで
ある。 1又は複数の治療薬と「組み合わせた」投与とは、同時(同時期)及び任意の
順序での連続した投与を含む。
【0020】 B.方法及び組成物 1.VEGF変異体の調製 VEGFのアミノ酸配列は、VEGF DNAの突然変異により作成される。
そのような変異体は、例えば、上掲のLeung等及び上掲のHouck等に示されるアミ
ノ酸配列の残基からの欠失、該残基への挿入又は置換を含む。欠失、挿入、及び
置換のあらゆる組み合わせが、所望の活性を有する最終構築物となりうる。随意
的には、変異体をコードするDNAで作られうる突然変異は、読み枠以外の配列
を配置する必要はなく、好ましくは2次mRNA構築をつくることのできる相補
領域を作成しない[EP75444A参照]。 VEGF変異体は、随意的には天然VEGFをコードするDNAのヌクレオチ
ドの部位特異的突然変異誘発又はファージディスプレイ技術によって作成され、
それにより変異体をコードするDNAを作成し、従って組換え細胞培養でDNA
を発現する。 アミノ酸配列変異体を導入するための部位が見積もられるが、突然変異それ自
体は見積もる必要はない。例えば、与えられた部位での突然変異の遂行を最適化
するために、無作為な突然変異が標的コドン又は領域でおこる可能性があり、発
現したVEGF変異体は所望の活性の最適な組み合わせをスクリーニングする。
既知の配列を有するDNAの見積もられた部位での置換突然変異を作るための技
術は、例えば部位特異的突然変異としてよく知られている。
【0021】 ここで記載されるVEGF変異体の調製は、好ましくは実施例1に記載される
ようなファージディスプレイ技術により実施される。 そのようなクローンが選択された後、突然変異したタンパク質領域はタンパク
質産生のための適したベクター、一般に適した宿主の形質転換に使用される該タ
イプの発現ベクターに移動、配置される。 アミノ酸欠失は、通常約1〜30残基、より好ましくは1〜10残基にわたり
、一般的には近接している。 アミノ酸配列挿入は、本来制限されていない長さのポリペプチドに対する1つ
の残基由来のアミノ-及び/又はカルボキシル-末端融合、並びに1つの又は複合
アミノ残基の内部配列挿入を含む。内部配列挿入(つまり、天然VEGF配列へ
の挿入)は、通常約1〜10残基、より好ましくは1〜5残基の範囲でありうる
。末端挿入の例は、宿主細胞、組換え宿主からの分泌を促進するためにN末端と
異なる又は類似しているどちらのシグナル配列の融合も含む。 付加的VEGF変異体は、天然VEGFの少なくとも1つのアミノ酸残基が取
り除かれたものとその部分に挿入された異なる残基である。そのような置換は、
表1示されるものに基づいて作成されうる。
【0022】 表1 元の残基 例示的置換 Ala(A) gly; ser Arg(R) lys Asn(N) gln; his Asp(D) glu Cys(C) ser Gln(Q) asn Glu(E) asp Gly(G) ala; pro His(H) asn; gln Ile(I) leu; val Leu(L) ile; val Lys(K) arg; gln; glu Met(M) leu; tyr; ile Phe(F) met; leu; tyr Ser(S) thr Thr(T) ser Trp(W) tyr Tyr(Y) trp; phe Val(V) ile; leu
【0023】 機能又は免疫学的認識の変化は、表1のものよりも小さい保存である置換の選
択、つまり、(a)例えばシート状又はらせん状の立体構造のような置換の領域
のポリペプチドバックボーンの構造、(b)標的部位での分子の荷電又は疎水性
、又は(c)側差の大部分を維持するそれらの効果においてより大きく異なる残
基の選択によりなされ得る。通常VEGF変異体特性の最も重大な変化をもたら
すことが予期される置換は、(a)グリシン及び/又はプロリン(P)が他のア
ミノ酸に置換されるか又は欠失又は挿入され;(b)例えばセリル又はトレオニ
ルのような親水性基が、例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バ
リル、又はアラニルのような親水性基に置換され;(c)システイン残基が任意
の他の残基に(又はによって)置換され;(d)例えばリシル、アルギニル、又
はヒスチジルのような電気陰性側鎖を有する残基が、例えばグルタミル又はアス
パルチルのような電気陰性電荷を有する残基に(又はによって)置換され;(e
)電気陰性側鎖を有する残基が、電気陰性電荷を有する残基に(又はによって)
置換され;(f)例えばフェニルアラニンのようなかさの大きい側鎖を有する残
基が、そのような側鎖、例えばグリシンを有しないものに(又はによって)置換
されるものであり得る。
【0024】 置換、欠失、又は挿入の影響は、従来のスクリーニング技術を用いた当該分野
の熟練技術により評価されうる。例えば、ファージディスプレイ選択VEGF変
異体は、組換え細胞培地で発現され、任意に細胞培地から精製されうる。次いで
VEGF変異体は、KDR又はFLT−1レセプター結合親和性及び本出願に記
載されているような他の生物学的活性が評価されうる。結合特性もしくは細胞溶
解物又は精製されたVEGF変異体の活性は、所望の特性を適したスクリーニン
グ技術でスクリーニングすることができる。例えば、天然VEGFと比較したV
EGF変異体の免疫学的特性の変化、例えば与えられた抗体に対する親和性が、
所望されうる。そのような変化は、対抗したタイプのイムノアッセイにより測定
してもよく、当該分野において既知の技術に基づいて実施することができる。V
EGF変異体のそれぞれのレセプター結合親和性は、当該分野で既知のELIS
A、RIA、及び/又はBIAcoreで決定されてもよく、以下の実施例で更
に詳しく記載される。また本発明の好ましいVEGF変異体は、KDRレセプタ
ーのリン酸化を誘発する能力を反映する(本実施例に記載されるような)KIR
Aアッセイにおいて活性を示す。本発明の好ましいVEGF変異体は、内皮細胞
増殖(本実施例のHUVEC増殖アッセイのような既知の技術方法で決定するこ
とができる)を更に又は代わって誘発しうる。
【0025】 VEGF変異体は、当該技術で既知の技術、例えば組換え方法によって作成さ
れうる。これらの方法で使用される単離されたDNAは、ここでは3'−及び/
又は5'−フランキング領域を有するか又は有しない化学的に合成されたDNA
、cDNA、染色体、又は染色体外DNAを意味すると理解される。好ましくは
、ここでのVEGF変異体は、組換え細胞培養での合成により作られる。 その様な合成のために、第1にVEGF又はVEGF変異体をコードする核酸
を入手することが必要である。VEGF分子をコードするDNAは、ウシ下垂体
濾胞細胞から(a)これらの細胞由来のcDNAライブラリの調製、(b)相同
な配列を含むライブラリのクローンを検出するために(100塩基対の長さまで
又はそれより長い)VEGF又はその断片をコードする標識されたDNAでのハ
イブリダイゼーション分析の実施、及び(c)全長クローンを同定するための制
限酵素分析及び核酸配列決定によるクローンの分析により得られうる。全長クロ
ーンはcDNAライブラリに存在せず、次いで適した断片が、初めここで記載さ
れる核酸配列の情報を使用して様々なクローンから回収され、VEGFをコード
する全長クローンを組み立てるためにクローンに一般的な制限部位で結合されう
る。あるいは、遺伝子ライブラリが所望のDNAを提供しうる。 いったん該DNAがライブラリから同定され、単離されると、それは更なるク
ローニング又は発現のために複製可能なベクターに結合される。
【0026】 組換え発現システムの1つの例として、VEGFコード化遺伝子はVEGFを
コードするDNAを含む発現ベクターを用いた形質転換により細胞システムで発
現される。宿主細胞の培地又はペリプラズムのVEGFを得る、つまり分泌分子
を得るために、そのようなプロセッシングを為し遂げることのできる宿主細胞を
形質転換することが好ましい。 「トランスフェクション」とは、任意のコード化配列が実際に発現するかどう
か分からないを宿主細胞による発現ベクターの入手を意味する。トランスフェク
ションの多くの方法は、通常の技能を有する技術者に知られており、例えば、C
aPO及び電気穿孔法がある。一般に成功したトランスフェクションは、宿主
細胞に生じる該ベクターの働きの兆候が現れた時に認識される。 「形質転換」は、生物にDNAを導入し、染色体外成分として又は染色体組み
込みによって、DNAが複製されることを意味する。使用される宿主細胞によっ
て、形質転換は、該細胞に適した基本的な技術を用いて成される。Cohen, Proc.
Natl. Acad. Sci. (USA), 69: 2110(1972)及びMandel等, J. Mol. Biol., 53:
154 (1970)に記載されているような塩化カルシウムを使用したカルシウム処理は
、一般に頑丈な細胞壁バリヤーを含む原核生物又は他の細胞で使用される。その
ような細胞壁を持たない哺乳動物細胞にとって、Graham及びvan der Eb, Virolo
gy, 52: 456-457 (1978)のリン酸カルシウムの析出方法が好ましい。哺乳動物細
胞ホストシステム形質転換の一般的な形態は、Axelにより、1983年8月16
日公開の米国特許第4399216号に記載されている。酵母の形質転換は、典型的に
はVan Solingen等, J. Bact., 130:946(1977)及びHsiao等, Proc. Natl. Acad.
Sci. (USA), 76:3829(1979)の方法により実施される。しかしながら、核酸移入
又はプロトプラスト融合によるような細胞にDNAを導入する他の方法も、また
使用されうる。
【0027】 ここに開示したベクター及び方法は、広範囲の原核生物及び真核生物に亘る宿
主細胞に使用するのに適している。 一般的には勿論、本発明に有用なベクターを作成する際、DNA配列の最初の
クローニングには原核生物が好適である。例えばE.coli K12菌株29
4(ATCC No.31446)が特に有用である。使用し得るその他の微生物
菌株はE.coli菌株、例えばE.coliB及びE.coliX1776(
ATCC No.31537)を包含する。これらの例は、勿論例示であって限定
を意味するものでない。 発現用にも原核生物を使用することができる。上記の菌株並びにE.coli
W3110(F-,λ-,原始栄養性(prototrophic)、ATCC No.27325)
、K5772(ATCC No.53635)、及びSR101、桿菌例えばBac
illus subtilus、及び他の腸内細菌例えばSalmonella typhimurium又はSerratia
marcesans及び各種のPseudomonas種を使用することができる。 一般に、レプリコン及び制御配列を含有し宿主細胞に適合性の種由来のプラス
ミドベクターを、これら宿主と関連して使用する。通常、ベクターは複製部位並
びに形質転換細胞に表現型選択を与え得るマーカー配列を有する。例えばE.c
oliは、典型的にはpBR322即ちE.coli種から得られるプラスミド
(Bolivar等,Gene2:95(1977))を用いて形質転換される。pBR322はアンピシ
リン耐性及びテトラサイクリン耐性遺伝子を有し、従って形質転換細胞を同定す
るための便利な手段を与える。pBR322プラスミド又はその他の微生物プラ
スミドは、又、微生物がそれ自身の蛋白質を発現するように使用し得るプロモー
ターを含有し又は含有するよう改変されなければならない。
【0028】 組換DNAの作成に最も一般的に使用されるプロモーターは、β−ラクタマー
ゼ(ペニシリナーゼ)及び乳糖プロモーター系[Chang等, Nature, 375:615(1978);
Itakura等, Science,198:1056(1977);Goeddel等, Nature,281:544(1979))並びに
トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel等,Nucleic Acids Res.,8:4057(19
80);EPO出願公開第0036776号]を包含する。これらが特に一般的に使
用されるが、他の微生物プロモーターも見出され且つ利用されており、これらヌ
クレオチド配列に関する詳細が公開されており、当業者はこれらをプラスミドベ
クターと機能的に結合させることができる[Siebenlist等,Cell,20:269(1980)]。 原核生物の他に、酵母培養物のような真核微生物も使用することができる。Sa
ccharomyces cerevisiae即ち一般的なパン酵母が真核微生物として最も一般的に
使用されるが、他の多くの菌株も一般的に使用し得る。Saccharomycesに於ける
発現については例えばプラスミドYRp7、[Stinchcomb等,Nature,282:39(1979
);Kingsman等,Gene,7:141(1979);Tschemper等, Gene,10:157(1980)]が一般的に
使用される。このプラスミドは既にトリプトファン中で増殖する能力を欠如した
酵母の突然変異菌株、例えばATCC No.44076即ちPEP4−1[Jone
s,Genetics,85:12(1977)]に対し選択マーカーを与えるtrp1遺伝子を含有す
る。酵母宿主細胞ゲノムの特性としてtrp1欠陥(lesion)が存在するため、ト
リプトファンの不在下での増殖による形質転換の検出用に有効な環境が得られる
【0029】 酵母ベクターに於ける適当なプロモーター配列は3−ホスホグリセレートキナ
ーゼ[Hitzeman等,J.Biol.chem.,255:2073(1980)]又はその他の糖分解酵素(Hess
等,J.Adv.Enzymc Reg.,7:149(1968);Holland等,Biochemistry,17:4900(1978)
)例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ
、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、
グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ
、ピルベートキナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコー
スイソメラーゼ及びグルコキナーゼに対するプロモーターを包含する。適する発
現プラスミドを作成する際、これら遺伝子に関連する停止配列も、mRNAのポ
リアデニル化及び停止を行なうように発現させたり配列の発現ベクター3'中へ
結合させる。増殖条件により制御される転写の付加的利点を更に有する他のプロ
モーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸ホスファ
ターゼ、窒素代謝に関連する分解酵素並びに上記のグリセルアルデヒド−3−ホ
スフェートデヒドロゲナーゼ及びマルトースとガラクトースとの利用に関する酵
素(Holland,上記)に対するプロモーター領域である。酵母適合性のプロモーター
と複製のオリジンと停止配列とを有するプラスミドベクターが適している。 微生物の他に、多細胞生物由来細胞の培養物も宿主として使用することができ
る。原則として、任意のこの種の細胞培養物は、脊椎動物由来であっても、或い
は無脊椎動物の培養物であっても使用可能である。然しながら、最も興味がある
ものは脊椎動物細胞であり、脊椎動物細胞の培養(組織培養)による増殖が、近年
日常の手法となった[Tissue Culture, Academic Press, Kruse and Patterson編
(1973)]。この種の有用な宿主細胞系の例は、VERO細胞及びHeLa細胞、チ
ャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系並びにW138,BHK,COS−7及
びMDCK細胞系である。この種の細胞に対する発現ベクターは一般に、(必要
に応じ)複製のオリジン、発現すべき遺伝子の前方に位置するプロモーター並び
に任意の必要なリポソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部
位及び転写停止配列を含む。
【0030】 哺乳動物細胞に於いて使用するには、発現ベクターに対する制御機能がしばし
ばウィルス性材料により与えられる。例えば一般的に使用されるプロモーターは
ポリオーマ、アデノウィルス2及び特にしばしばサルウィルス40(SV40)か
ら得られる。SV40ウィルスの初期及び後期プロモーターが特に有用である。
何故なら、これら両者は複製のSV40ウィルスオリジンをも含有する断片とし
てウィルスから容易に得られるからである[Fiers等,Nature,273:113(1978)]。よ
り小さい又はより大きいSV40断片も使用し得るが、但しHindIIIから
複製のウィルスオリジン内に存在するBglI部位まで延びる約250bp配列
が含まれることが必要である。更に一般に所望の遺伝子配列に関連するプロモー
ター又は制御配列を使用することもでき、且つ使用するのがしばしば望ましい。
但し、この種の制御配列は、宿主細胞系に対し適合性であるものとする。 複製のオリジンは、例えばSV40又はその他のウィルス(例えばポリオーマ
、アデノ、VSV、BPV等)源から得られるような外来オリジンを含むように
ベクターを作成して供給するか、或いは宿主細胞の染色体複製メカニズムにより
供給することができる。ベクターが宿主細胞の染色体中に組み込まれれば、これ
でしばしば充分である。 タンパク質の十分な量は、細胞培養によって生成される;しかしながら、第2
のコード化配列を用いた精製は、生成レベルを促進するのに役立つ。1つの第2
のコード化配列は、外見的に制御されたパラメータ、例えばメトトレキセート(
MTX)に影響されるデヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)を含み、よ
ってメトトレキセート濃度の制御により発現の制御ができる。
【0031】 VEGF及びDHFRタンパク質の両方をコードするDNA配列を含む本発明
のベクターによるトランスフェクションのためのこの増井宿主の選択において、
使用されるDHFRのタイプにより宿主細胞を選択するのが好ましい。野生型D
HFRを用いた場合、DHFRを欠いた宿主細胞を選択し、よって、ヒポキサン
チン、グリシン、及びチミジンを欠いた選択培地で選択的にトランスフェクショ
ンするための標識としてDHFRコード配列が使用できることが好ましい。この
場合の好適な宿主細胞は、Urlaub 等により, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:
4216 (1980)に記載されているようにして調製され増殖されたDHFR活性に欠
陥のあるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系である。 一方、MTXに対する低い結合親和性を有するDHFRタンパク質が、コント
ロール配列として使用される場合には、DHFR欠陥細胞を使用する必要はない
。突然変異DHFRがメトトレキセートに耐性があるので、MTX含有培地は、
宿主細胞それ自体メトトレキセート感受性であることを条件とする選択の方法と
して使用される。MTXを収容することのできる多くの真核細胞は、メトトレキ
セート感受性であると考えられる。利用できるそのような細胞株の1つはCHO
株、 CHO−K1(ATCC番号CCL61)である。 所望のコード及びコントロール配列を含む適したベクターの構築は、通常のラ
イゲーション技術を使用する。単離されたプラスミド又はDNA断片は、要求さ
れるプラスミドを作成するのに所望される形態で、分割され、調製され、再連結
される。
【0032】 平滑断端が要求される場合には、調製は、フェノールクロロホルム抽出され、
エタノール沈殿されたポリメラーゼI(Klenow)の10ユニットを用いて15℃
で15分間処理されうる。 分割された断片のサイズ分別は、実施例の方法により、Goeddel等, Nucleic A
cids Res., 8:4057(1980)に記載されている6%ポリアクリルアミドゲルを用い
て実施されうる。 正確な配列がプラスミドで構築されることを確認するために、ライゲーション
混合物は、通常、組換えE.coli K12菌株294(ATCC No.31
446)又は他の適したE.coli株、及び適切にあるアンピシリン又はテト
ラサイクリン耐性によって選択された成功する形質転換に使用される。形質転換
由来のプラスミドは、Messing等, Nucleic Acids Res., 9:309(1981)の方法によ
る、又はMaxam等, Methods of Enzymology, 65:499(1980)の方法による制限地図
及び/又はDNA配列決定によって調製され、分析される。 哺乳動物細胞ホストへのDNAの挿入及び適切な核酸移入のための培地のの選
択の後、DHFRタンパク質コード配列の増幅は、メトトレキサート(MTX)
、DHFR活性の拮抗阻害剤の濃度が約20,000−500,000nMで存
在する培地で宿主細胞を成育させることが効果的である。濃度の効果的な範囲は
、硬度に依存し、もちろんDHFR遺伝子の性質及びホストの特性にもよる。一
般に、定義される上限及び低限ははっきりと確認することはできない。適した濃
度の他の葉酸類似物又は他のDHFR阻害化合物もまた使用されうる。しかしな
がら、MTXはそれ自体、便利で、すぐに利用可能で、効果的である。
【0033】 2.VEGF変異体の共有結合的修飾 本発明のVEGF変異体はまた、更なる修飾を構成しうる。実施例は1又は複
数のアミノ酸残基への共有結合修飾を含む。例えば、システイニル残基は、ハロ
アセタート(及び対応するアミン)、例えば、クロロ酢酸又はクロロアセトアミ
ドと反応し、カルボキシメチル又はカルボキシアミドメチル誘導体を生じる。シ
ステイン残基もまた、ブロモトリフルオロアセトン;β-ブロモ-(5-イミドゾイ
ル)プロピオン酸;クロロアセチルホスフェート;N-アルキルマレイミド類;3
-ニトロ-2-ピリジルジスルフィド;メチル-2-ピリジルジスルフィド;p-クロ
ロ水銀安息香酸;2-クロロ水銀-4-ニトロフェノール;又はクロロ-7-ニトロ
ベンゾ-2-オキサ-1,3-ジアゾールとの反応によって誘導体化される。 他の例は、pH5.5−7.0でジエチルピロカルボナートとの反応によって
誘導体化されるヒスチジル残基を含む。p-ブロモフェナシルブロミド、この反
応は、好ましくはpH6.0で0.1Mのカコジル酸ナトリウム中で行われる。 リジニル及びアミノ末端残基はスクシン又は他のカルボン酸無水物と反応させ
られうる。これらの試薬を用いた誘導体形成は、リシニル残基の電荷を逆転させ
る効果を有する。β−アミノ含有残基を誘導体化する他の適当な試薬は、イミド
エステル、例えば、メチルピコリンイミダート、リン酸ピリドキサル、ピリドキ
サル、クロロボロヒドリド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O-メチルイソ尿
素、2,4-ペンタンジオン、及びグリオキシラートを用いたトランスアミナー
ゼにより触媒される反応である。
【0034】 アルギニル残基は一あるいは幾つかの従来の試薬との反応によって修飾され、
とりわけ、フェニルグリオキサール、2,3-ブタンジオン、1,2-シクロヘキ
サンジオン及びニンヒドリンがある。また、これらの試薬はリジンのε-アミノ
基を修飾するのに使用されうる。アルジニン残基の誘導体化は、グアニジン官能
基の高いpKのために反応がアルカリ性条件下で行われることを必要とする。 チロシル残基の特異的修飾は、芳香族ジアゾニウム化合物又はテトラニトロメ
タンとの反応によるチロシル残基内へのスペクトル標識の導入に特に興味を持っ
て、なされる。最も一般的には、N-アセチルイミジゾールとテトラニトロメタン
を使用して、それぞれがO-アセチルチロシル種と3-ニトロ誘導体を形成する。
チロシル残基はラジオイムノアッセイ用の標識化タンパクを調製するために12 I又は131Iを用いてヨウ素化され、クロラミンT法が適切である。 カルボキシル側基(アスパルチル又はグルタミル)がカルボジイミド(R’−
N−C−N−R’)、例えば、1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリニル−(4-
エチル))カルボジイミド又は1-エチル-3-(4-アゾニア-4,4-ジメチルペ
ンチル)カルボジイミドとの反応によって選択的に修飾される。さらには、アス
パルチル及びグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によってアスパラ
ギニル及びグルタミニル残基へ変換されうる。
【0035】 二官能性試薬による誘導体形成は、水不溶性支持体マトリックス又は表面への
VEGF変異体の架橋に有用である。通常使用される架橋剤には、例えば、1,
1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロ
キシスクシンイミドエステル類、例えば、4-アジドサリチル酸とのエステル、
3,3'-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオナート)のようなジスクシンイミ
ジルエステルを包含するホモ二官能性イミドエステル、及びビス-N-マレイミド
-1,8-オクタンのような二官能性マレイミドが含まれる。メチル-3-[(p-ア
ジドフェニル)ジチオ]プロピオイミダートのような誘導体化剤は、光の存在下
で架橋を形成することができる光活性化中間体を生じる。また、臭化シアン活性
化炭水化物のような反応性の水不溶性マトリックス及び米国特許第396928
7号;3691016号;4195128号;4247642号;422953
7号及び4330440号に記載されている反応性基質がタンパク固定に用いら
れる。 グルタミニル及びアスパラギニル残基は、相当するグルタミル及びアスパルチ
ル残基へしばしば脱アミド化される。あるいは、これらの残基は中性又は塩基性
条件下で脱アミド化される。これらの残基の両方の型は本発明の範囲内に入る。 その他の修飾は、プロリンとリジンのヒドロキシル化、セリル又はスレオニル
残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖の
aアミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular
Properties, 79-86 (W.H. Freeman & Co., San Francisco, (1983))]、N末端
アミンのアセチル化、及び、ある場合にはC末端カルボキシル基のアミド化を含
む。
【0036】 更なる修飾は、VEGF又はVEGF変異体(又はVEGFアゴニスト)のポ
リエチレングリコールのような非タンパク質系ポリマーへの結合又は融合を含む
。タンパク質PEG化(pegylating)の方法は、当該分野で既知である。 VEGF変異体阿もの酸配列は、N−結合を通じてグリコシル化される可能性
があり、天然VEGFで通常グリコシル化されない少なくとも1のアミノ酸配列
を含みうる。 変異体のN結合型グリコシル化部位の導入は、式:アスパラギン-X-セリン又
はアスパラギン-X-スレオニンのトリペプチジル配列が必要であり、ここでアス
パラギンはアクセプターであり、Xはプロリンを除く遺伝的にコードされた20
のアミノ酸の任意のものであり、グリコシル化を防ぐ。[Struck及びLennarz, in
The Biochemistry of Glycoproteins and Proteoglycans 35 (Lennarz版., Ple
num Press, (1980))、Marshall, Biochem. Soc. Symp., 40:17(1974);及びWinz
ler, in Hormonal Proteins and Peptides, 1-15(Li, .版., Academic Press, N
ew York,(1973))]。ここでのアミノ酸配列変異体は、適当な部位のアミノ酸に対
してグリコシル化に影響するように適切なアミノ酸を置換することにより修飾さ
れる。 O結合型グリコシル化が用いられる場合、O-グリコシド結合は動物細胞にお
いてN-アセチルガラクトサミン、ガラクトース又はキシロースと、いくつかの
ヒドロキシアミノ酸の一つ、最も一般的にはセリン又はスレオニンとの間で生じ
るが、またいくつかの場合では分子の適切な領域に配された5-ヒドロキシプロ
リン又は5-ヒドロキシリジン残基との間で生じる。
【0037】 哺乳動物により生成されるタンパク質のグリコシル化型は、The Plasma Prote
ins:Structure, Function and Genetic Control271-315(Putnam, ed., 2nd edi
tion, Academic Press, New York(1984))に詳細に記載されている。この章では
、アスパラギン様オリゴ糖が議論され、それは、複合体、高マンノース、及びハ
イブリッド構造と呼ばれる少なくとも3つのグループの細区分、並びにO-グリ
コシド結合オリゴ糖を含む。 グリコシドのタンパク質への化学的又は酵素的結合は、例えば、1987年9月11
日に発行されたWO 87/05330、及びAplin及びWriston, CRC Crit. Rev. Biochem.
, 259-306 (1981)に記載されているような、様々な活性基を用いて達成される。
化学カップリング技術の利点は、それらが比較的単純で、天然O-及びN-結合グ
リコシル化に必要とされる複雑な酵素機構に必要ないことである。用いられる結
合形態に応じて、糖(類)は、(a)アルギニンとヒスチジンに、(b)遊離のカルボ
キシル基に、(c)遊離のスルフヒドリル基、例えばシステインのものに、(d)セ
リン、スレオニン又はヒドロキシプロリンのもののような遊離のヒドロキシル基
に、(e)フェニルアラニン、チロシン又はトリプトファンのような芳香族残基、
又は(f)グルタミンのアミノ基に結合される。これらの方法は1987年9月1
1日公開の国際特許出願第WO87/05330号にさらによく記載されている
。 酵母に産生されるタンパク質のグリコシル化型は、Tanner及びLehle, Biochim
. Biophys. Acta, 906(1):81-99(1987)及びKukuruzinska等, Annu. Rev. Bioche
m., 56:915-944(1987)に詳細に記載されている。 天然VEGFのグリコシル化は生物活性には必須ではない[Walter等, Laborat
ory Investigation, 74:546(1996)]が、必要なら、前述の方法はVEGF変異体
のグリコシル化を変化させるのに使用されうる。
【0038】 3.治療及び診断の方法 本発明はまた、記載されたVEGF変異体を使用した方法を提供する。該方法
は、脈管形成又は血管新生を含む方法のような治療方法を含む。また、該方法は
、精神的外傷を包含する血管内皮細胞増殖に鑑みた血管ネットワークの外傷の治
療に関する。そうして治療することのできる外傷の例としては、これに限らない
が、外科的切開、特に心臓に関するもの、裂傷、切開、及び血管の穿通を含む創
傷、及び糖尿病、血友病、及び静脈瘤性潰瘍のような血管内皮に関する表面潰瘍
を含む。KDRレセプターに対する選択的結合親和性有する好ましいVEGF変
異体は、KDRレセプターの活性化を得るが、FLT−1レセプター活性化を伴
いうる潜在的な副作用を避けることを所望する場合に使用されうることが予期さ
れる。同様に、FLT−1レセプターに対する選択的結合親和性を有する好まし
いVEGF変異体は、FLT−1レセプターの活性化を得るが、KDRレセプタ
ー活性化を伴いうる潜在的な副作用を避けることを所望する場合に使用されうる
。 VEGF変異体は、治療すべき特定の疾患、個々の患者の状態、VEGF変異
体の送達部位、投与方法、及び実務者に知られた他の要因を考慮して良好な医学
的実務に合致する形式で計画及び投薬される。VEGF変異体の「治療的有効量
」は、治療される状態又はその症状の抑制、悪化の軽減、緩和、又は回復させる
量を含む。
【0039】 本発明の化合物は、製薬的に有用な組成物を調製するための周知の方法に従っ
て処方でき、それによりPROポリペプチドが媒体との混合物に混合される。 VEGF変異体は、貯蔵又は投与のために、所望の純度を有するVEGF変異
体と製薬的に許容可能な担体、賦形剤、又は安定剤を混合することにより調製さ
れうる。好適な担体媒体及びその処方は、他のヒトタンパク質、例えばヒト血清
アルブミンを含むが、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th ed
., 1980, Mack Publishing Co., Oslo等編集に記載されている。通常、適切な量
の製薬的に許容可能な塩が、等張化するために製剤に使用される。担体の例とし
ては、サリン、リンガー溶液、及びデキストロース溶液のような緩衝剤を含む。
溶液のpHは、好ましくは約5.0〜約8.0である。例えばVEGF変異体が
水溶性である場合には、約7.0〜約8.0のpHでリン酸塩又は他の有機酸塩
のような緩衝剤で製剤されうる。VEGF変異体が水に一部しか溶解しない場合
、それを0.04−0.05%(w/v)の量のTween、Pluronics
又はPEG等の非イオン性界面活性剤、例えばTween80とともに製剤して
溶解性を向上させ、マイクロエマルションとして調製してもよい。 更に担体は、マイクロカプセル及び移植可能な製品の形態を包含する持続放出
調製物含む。持続放出調製物の例は、例えばマトリックスが成形物、例えばフィ
ルム、リポソーム又はマイクロカプセルの形態の半透性マトリクスを含む。持続
放出VEGF変異体組成物の調製のために、VEGF変異体は、生物分解性マト
リックス又はマイクロカプセルに取り込まれるのが好ましい。この目的に適した
物質は、ポリアクチドであるが、ポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸[EP133988A]の
ようなポリ(β-ヒドロキシエチル-メタクリレート)の他のポリマーが使用されう
る。例えばポリ(ラクトン)、ポリ(アセタール)、ポリ(オルトエステル)、又はポ
リ(オルトカーボネート)のような他の生物分解性ポリマーもまた、適している。
【0040】 持続性放出組成物については、米国特許第3,773,919号、EP58,481A、米国特許
第3,887,699号、EP 158,277A、カナダ国特許番号1176565、Sidman等, Biopolyme
rs 22:547 (1983)、及びLanger等, Chem. Tech., 12:98(1982)を参照のこと。 任意の担体はより好ましくは、例えば投与されるVEGF変異体のの投与経路及び
濃度に依存することは、当該分野の技術者には明らかであろう。 場合によっては、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸;低分子量(約10残基
未満)ポリペプチド、例えばポリアルギニン又はトリペプチド;タンパク質、例
えば血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば
ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン酸、アスパラギ
ン酸、又はアルギニン;セルロース又はその誘導体、グルコース、マンノース、
又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレ
ート剤;及びマンニトール又はソルビトール等の糖といった他の成分を添加して
もよい。賦形剤、担体、安定化剤、又は他の添加剤の使用は、結果的にVEGF
変異体の塩の形態となりうる。 担体、賦形剤、又は安定化剤を選択する場合、選択される化合物及び相当する
分解産物は、無毒で、治療される状態及び/又はその症状の悪化を避けるもので
なくてはならない。これは、目的とする障害の哺乳動物での、該モデルが利用で
きない場合には、通常の動物での従来からあるスクリーニングで決定することが
できる。
【0041】 治療投与に用いられるVEGF変異体は無菌でなければならない。無菌性は、
滅菌濾過膜(例えば、0.2ミクロン膜)を通すことにより容易に達成される。
VEGF変異体は通常は凍結乾燥形態又は熱的及び酸化的変性に対して安定性が
高い場合には水溶液中に貯蔵される。VEGF変異体組成物のpHは典型的には
約5.0から8.0であるが、より高い又は低いpH値が適している場合もある
。 哺乳動物への投与は、注射(例えば、静脈、腹腔内、皮下、筋内)、又は点滴
のように、有効な形態で血流への送達を確実にする他の方法によりなすことがで
きる。VEGF変異体が非経口で用いられる場合、VEGF変異体を含有する治
療用組成物は一般的に無菌のアクセスポートを具備する容器、例えば、静脈内溶
液バッグ又は皮下注射針で穿孔可能なストッパーを具備するバイアルに配される
。 一般に、症状が許すところでは、部位特異的な送達のためにVEGF変異体を
製剤化子、投与してもよい。これは、創傷及び潰瘍の場合に便利である。 VEGF変異体は、局所的に適用する場合には、担体、アジュバント、安定化
剤、又は賦形剤等の添加剤と適宜組み合わせる。上記のように、VEGF変異体
との混合物の添加物を選択する場合、添加剤は製薬的に許容され、それらの意図
する投与にとって有効でなければならない。それら他の成分の特徴については、
生理的に許容でき、投与法に有効であり、組成物の主成分の活性を劣化しないも
のであれば特に限定しない。更に添加剤は、VEGF変異体の活性に影響しない
ようにしなければならない。適切な局所製剤の例には、精製コラーゲンを伴うか
伴わない、軟膏、クリーム、ゲル、又は懸濁液がある。組成物はまた経皮的パッ
チ、プラスター、及び包帯、好ましくは液体もしくは半液体状のものに含浸させ
ることができる。
【0042】 所望の粘度を有するゲル製剤は、VEGF変異体を、セルロース誘導体等の水
溶性多糖類又はポリエチレングリコール等の合成ポリマーと混合して、調製され
てもよい。多糖類及びポリエチレングリコールに適用される「水溶性」という用
語は、コロイド溶液及び分散物も含むことを意味する。一般に、セルロース誘導
体等の溶解性はエーテル基の置換の程度によって決まり、ここで有用な安定化誘
導体は、そのようなエーテル基をセルロース鎖の無水グルコース単位当たりに誘
導体を水溶性とするのに十分な量有していなければならない。無水グルコース単
位当たりに少なくとも0.35のエーテル基というエーテル置換度が一般的には
十分である。さらに、セルロース誘導体はアルカリ金属塩、例えばLi、Na、
K、又はCs塩の形態であってもよい。 適した多糖類の例は、例えば、セルロース誘導体、例えばアルキルセルロース
、ヒドロキシアルキルセルロース、及びヒドロキシアルキルセルロースを含むエ
ーテル化セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及
びヒドロキシプロピルセルロース;デンプン及び分別デンプン;寒天;アルギン
酸及びアルギン酸塩;アラビアゴム;プルラン;アガロース;カラゲナン;デキ
ストラン;デキストリン;フルクタン;インシュリン;マンナン;キシラン;ア
ラビナン;キトサン;グリコーゲン;グルカン;及び合成バイオポリマー;並び
にゴム、例えばキサンタンゴム;グアールゴム;イナゴマメゴム;アラビアゴム
;トラガカントゴム;及びカラヤゴム;及びこれらの誘導体及び混合物である。
ここで好ましいゲル化剤は、生物学系に不活性で、非毒性で、調製が単純で、な
おかつ緩すぎず粘りすぎず、そしてそこに保持されるVEGF変異体を不安定化
させないものである。
【0043】 好ましくは、多糖類はエーテル化セルロース誘導体、より好ましくは良好に定
義され、精製され、米国特許に記載されたものであり、例えば、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチル
セルロースなどのメチルセルロース及びヒドロキシアルキルセルロース誘導体で
ある。ここで最も好ましいのはメチルセルロースである。例えば、メチルセルロ
ースを含有するゲル化剤は、好ましくは約2−5%のメチルセルロース及びゲル
1ml当たりに約300−1000mgののVEGF変異体を含んでなる。更に
好ましくは、ゲル形態は、3%のメチルセルロースを含む。 ゲル化剤に有用なポリエチレングリコールは、典型的には適切な粘度を得るた
めの低及び高分子量ポリエチレングリコールの混合物である。例えば、分子量4
00−600のポリエチレングリコールと分子量1500のものとの混合物は、
ペーストを得るのに適した比率で混合した場合にこの目的に有効となるであろう
。 用いられる投与量は上記の要因に依存する。一般的な提案として、VEGF変
異体は、組織において約0.1ng/ccより大きく、有効だが過度に毒性では
ない最大用量までのVEGF変異体レベルを確立することのできる投与量で製剤
され標的部位又は組織に輸送される。この細胞内濃度は、もし可能ならば、連続
的吸入、持続放出、局所適用、又は経験的に決められる頻度での注射により維持
されるべきである。
【0044】 ここで、VEGF変異体治療を、細胞増殖、生存、分化及び再生の促進におい
て、VEGF-Eを含む任意の成長因子の活性を向上させるための他の新規な又
は従来からの治療薬(例えば、aFGF、bFGF、HGF、PDGF、IGF
、NGF、タンパク同化ステロイド、EGF又はTGF-a等の成長因子)と組
み合わせるのも範囲内である。これらの協働治療薬は、それ自体が本発明の組成
物に含まれる必要はないが、それらの薬剤がタンパク質性であるのが便利である
。そのような混合物は、VEGF変異体が単独で用いられるのと同様の方式及び
同様の目的で適切に投与される。 抗体を投与するための有効な用量とスケジュールは経験的に決定することがで
き、そのような決定は当業者の技量の範囲に含まれる。 また本発明のVEGF変異体は、診断方法又はアッセイでの有用性を有する。
例えば、VEGF変異体は細胞又は組織のKDRレセプターの発現又は存在を検
知する為の診断アッセイに使用されうる。インビボイメージングアッセイ、競合
結合アッセイ、直接及び間接サンドウィッチアッセイ、及び不均一又は均一相の
何れにおいても実施される免疫沈降アッセイのような当該技術で既知の様々な診
断アッセイ技術が使用される。該アッセイに使用されるVEGF変異体は、検出
可能部分で標識することができる。検出可能部分は、直接的に又は間接的に検出
可能なシグナルをつくりだすことができなければならない。例えば検出可能部分
は、H、14C、32P、35S又は125I等の放射性同位体、フルオレセ
インイソチオシアネート、ローダミン又はルシフェリン等の蛍光又は化学発光化
合物、もしくはアルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ又はセイヨウワ
サビペルオキシダーゼ等の酵素であってもよい。 また、VEGF変異体は組換え細胞培養又は天然供給源からのKDRレセプタ
ー又はFLT−1レセプターのアフィニティー精製にも有用である。当該分野で
よく知られている方法を使用して、VEGF変異体は樹脂や濾紙のような適当な
支持体に固定化することができる。次に、固定化されたVEGF変異体を、KD
Rレセプター又はFLT−1レセプターを含む試料と接触させた後、VEGF変
異体に結合したKDRレセプター又はFLT−1レセプター以外の試料中の物質
を実質的に全て除去する適当な溶媒で支持体を洗浄する。所望されるなら、KD
Rレセプター又はFLT−1レセプターをVEGF変異体から脱離させる他の適
当な溶媒で支持体を洗浄する。
【0045】 4.製造品 さらに本出願により、製造品及びキットが提供される。診断アッセイ又はここ
で記載される症状の治療に利用されるVEGF変異体を含むキットのような製造
品は、少なくとも容器とラベルとを具備してなる。好適な容器は、例えば、ビン
、バイアル、シリンジ、及び試験管を含む。容器は、ガラス又はプラスチックな
どの材料から形成されてよい。容器は、状態を診断し治療するのに有効な組成物
を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針で貫通
可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成
物中の活性剤は通常、VEGF変異体である。容器上又は添付されるラベルは、
組成物が選択した状態の診断又は治療のために使用されることを示す。製造品は
さらに、リン酸緩衝塩水、リンガー液及びデキストロース溶液などの製薬的に許
容されるバッファーを含む第2の容器を具備してもよい。さらに、他のバッファ
ー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用上の指示を付けたパッケージ
挿入物を含む商業的及び使用者の見地から望ましい他の材料を含んでもよい。ま
た、この製造品は、上述の他の活性剤を収容した第2又は第3の容器を具備して
もよい。 以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を
決して限定することを意図するものではない。 本明細書で引用した全ての特許及び参考文献の全体を、出典明示によりここに
取り込む。
【0046】 (実施例) 実施例に相当する商業的に入手可能な試薬は、他に示されていなければ、製造
者による指示書に従って使用された。ATCC受託番号によって、下記の実施例
、及び明細書を通して同定された細胞の起源は、バージニアー州、マナサス、ア
メリカン タイプ カルチャー コレクションである。
【0047】 実施例1: KDR特異的VEGF変異体の選択 KDR特異的変異体を作製するために、二つのファージライブラリーが、Fl
t−1結合にとっては重要であるがKDR結合にとっては重要でないVEGF(
1−109)の残基がランダムに変異された中に構築された。 ファージの構築 ファージライブラリーを構築するために、VEGFの1−109残基をコード
するcDNAを有するファージミドベクターが、最初に作製された。ファージミ
ドベクターpB2105(ジェネンテク,インコーポレイテッド)は、NsiI
/XbaI制限酵素断片のファージミドベクターphGHam−g3(ジェネン
テク,インコーポレイテッド)への後の結合を可能にしたプライマーを使用し、
VEGFの1−109残基をコードするcDNAのPCR増幅によって作製され
た。このことは、109残基のすぐ後にアンバーコドンを導入し、VEGFの1
−109残基のcDNAを残基249から406を包含する半分のgIIIのC
-末端へ融合させた。 一つのライブラリーでは、すべての可能性のある残基の組合せは、VEGF1
−109の位置18、21、22、及び25で認められ(N=G、A、T又はC
、及びS=C又はGである、NNS配列へ標的コドンを変化したオリゴヌクレオ
チドを使用することによる)、変化は、位置17において40%の確率で認めら
れた(野生型の70%の確率、及び標的コドンの各塩基の三つの各他の塩基型の
10%の確率を実施することによる)。
【0048】 次のオリゴヌクレオチドは、標的コドンをNNS配列へ変化させることに使用
された: L−528:CACGAAGTGGTGAAGTTCNNSGATGTCNNSNNSCGCAGCNNSTGCCATCCAATCGAG (配列番号:1) L−530:GGGGGCTGCTGCAATNNSGAGNNSNNSGAGTGTGTGCCCACT (配列番号:2) 2番目のライブラリーでは、すべての可能性のある残基の組合せは、VEGF
1−109の位置63、65、及び66で認められ、変化は、位置64において
40%の確率で認められた。 三番目のライブラリーでは、すべての可能性のある残基の組合せは、VEGF
(1−109)の位置47及び48において認められ、変化は、位置43及び4
6において50%の確率で認められた。四番目のライブラリーでは、すべての可
能性のある残基の組合せは、VEGF(1−109)の位置63、65、及び6
6において認められ、変化は、位置64において50%認めらた。 KDR選択変異体を生成するために、変異領域は、示されているように5つの
群に分割され、最初の4つは、後のファージディスプレイ選択のためのライブラ
リーの構築に使用された。星印(★)で目印されたものは、野生型へ50%偏っ
た「ソフトランダム化」、そして二つの星印で目印された残基は、「ハードラン
ダム化」されたものである(Figure 7、下部を参照のこと)。
【0049】 ヘテロ二重鎖DNAの合成 ヘテロ二重鎖DNAは、Kunkelら, Meth. Enzym. 204:125-139(1991)を改良し
た手法に従って合成された。この方法では、突然変異誘発オリゴヌクレオチドは
、生物的に活性な共有結合的閉環状DNA(ccc-DNA)分子へ導入された
。この手法は、下記の段階に従って実行された。 最初に、上記のオリゴヌクレオチドは5'-リン酸化物である。これは、エッペ
ンドルフチューブ内で、2μgのオリゴヌクレオチド、2μlの10xTM緩衝
液(500mM Tris-HCl、100mM MgCl2、pH7.5)、2μlの10mM ATP、及び1
μlの100mM DTTを混合をし、そして次に全容量が20μlとなるよう
に水を加えることによって調製された。20ユニットのT4ポリヌクレオチドキ
ナーゼ(Weiss ユニット)がこの混合液へ添加され、この混合液は1時間、37
℃でインキュベートされた。 次に、各5'-リン酸化オリゴヌクレオチドは、ファージミドテンプレート(du
t-/ung-大腸菌株CJ-236より精製された一本鎖DNA)へアニールされた。
これは,最初に、1μgの一本鎖DNAテンプレート、0.12μgのリン酸化
オリゴヌクレオチド、及び2.5μlの10xTM緩衝液(500mM Tris-HCl、100
mM MgCl2、pH7.5)を混合し、全容量が25μlとなるように水を加えることによ
って行われた。DNA量は、オリゴヌクレオチドのテンプレートに対する長さの
比率が1:100と推測される、3:1のオリゴヌクレオチドのテンプレートに
対するモル比率を与えた。混合液は、2分間、90℃でインキュベートされ、次
に5分間、20℃でインキュベートされた。 各5'-リン酸化オリゴヌクレオチドは、次に、アニール化混合液へ次の試薬を
加えることによって、酵素的に伸張され、ccc−DNA分子が形成されるよう
に結合された:1μlの10mM ATP、1μlの25mM dNTPs、1.
5μlの100mM DTT、3ユニットのT4 DNAリガーゼ、及び3ユニッ
トのT7 DNAポリメラーゼ。この混合液は、3時間、20℃でインキュベー
トされた。 DNAは、エタノール沈殿で精製され、15μlの水に再溶解された。
【0050】 大腸菌エレクトロポレーション ライブラリーファージは、大腸菌エレクトロポレーションによって、大腸菌X
L1−blue(Stratagene, ラヨラ、カリフォルニア)として知られる大腸菌
のサプレッサー菌株中に生成された。エレクトロポレーションのために、精製ヘ
テロ二重鎖DNAは、まず、氷上の0.2-cm ギャップ エレクトロポレーシ
ョンキュベットで冷却され、100μlの一定分量のエレクトロコンピテント大
腸菌XL1−blueは、氷上で解凍された。大腸菌細胞は、DNAへ添加され
、数回ピペットを上下することにより混合された。 混合液は、キュベットへ移され、ジーンパルサー(Bio-rad, ヘラクレス、 カ
リフォルニア)を使用して以下の条件でエレクトロポレーションされた:2.5
kVの磁界強度、200ohmsの電気抵抗、及び25mFの電気容量。その直
後、1mlのSOC培地(5gの細菌−酵母抽出物、20gの細菌−トリプトン、0.5
g のNaCl、0.2gのKCl;水を加えて1リッターとし、NaOHによりpHを7.0へ調整;
オートクレーブ;次に5mlのオートクレーブされた2MのMgCl2、及び20mLのフィル
ターにより無菌化された1Mのグルコースを加える)を加え、混合液は無菌培養試
験管へ移され、37℃で30分間振とうして生育された。 ライブラリーの多様性を決定するために、連続希釈液は2YT(10gの細菌−
酵母抽出物、16gの細菌−トリペプトン、5gのNaCl;水を加えて1リッターとし
て、NaOHによりpHを7.0へ調整;オートクレーブ)プレート(50μg/mlのアンピ
シリンで補われた)へプレートされた。更に、培養液は、25mlの2YT、2
5mg/mlのアンピシリン、M13−VCS(1010pfu/mL)(Stratagene、ラ
ヨラ、カリフォルニア)を含むバッフルフラスコへ移され、37℃で一晩振とう
された。
【0051】 培養液は、次に、10分間、10kpmで2℃のSorval GSA ローター(16000g)
で遠心分離された。その上清は新鮮な試験管へ移され、ファージを沈殿するため
に1/5容量のPEG−NaCl溶液(200g/LのPEG-8000、146g/LのNaCl;オー
トクレーブ)が添加された。その上清/PEG−NaCl溶液は、室温で5分間
インキュベートされ、ファージペレットを得るために再び遠心分離された。 上清は容器を傾けて移され、そして廃棄された。ファージペレットは、簡単に
再遠心分離され、残存上清は取り除かれて廃棄された。ファージペレットは、1
/20容量のPBT緩衝液(PBS, 0.2% BSA, 0.1% Tween20)へ再懸濁され、不
溶性物質は、不溶性ペレットを5分間、15krpmで2℃のSS-34ローター(27000
g)で遠心分離することによって取り除かれて廃棄された。残存上清がファージ
を含んでいた。 上清は確保され、結合親和性によってVEGF変異体を識別することに使用さ
れた。大腸菌のサプレッサー菌株中にファージを生成することにより、VEGF
(1−109)変異体−gIII融合タンパク質はファージ表面に発現、表示さ
れ、ファージがKDR及び/又はFlt−1レセプターへ結合することが可能と
なった。
【0052】 ライブラリーのアフィニテイー分類 各ライブラリーは、H.Jin, J. Clin. Invest., 98:969(1996)が使用した方法
に類似し、レセプター選択変異体の生成に有用であると示されている競合的結合
技法を使用して、KDR(1−3)単量体への結合によって分類された。 競合的結合技法を実施するために、各ライブラリーは、高濃度(100nM)の競
合Flt−1(1−3)単量体(ジェネンテック,インコーポレイテッド)の溶
液中での存在下で、固定化KDR(1−3)単量体(ジェネンテック,サウス
サンフランシスコ、カリフォルニア)への結合によって分類された。これは、最
初に、Maxisorp イムノプレートウェル(Nalge Nunc International, ロチェス
ター、ニューヨーク)の各ウェルを、80μlのコーティング緩衝液(pH9.6の5
0mM炭酸ナトリウム)に含まれる2−5μg/mlのKDR(1−3)単量体で
コーティングし、4℃で一晩インキュベートすることで完遂された。必要とされ
るウェルの数は、ライブラリーの多様性に依存した。コーティング溶液は、20
0μlのPBSに含まれる0.2%BSAによって1時間に渡って取り除かれて
ブロックされた。同時に、負のコントロールとして、同じ数のコーティングされ
ていないウェルがブロックされた。 ウェルは、ブロック緩衝液を取り除くために、PT緩衝液(PBS、0.05% Tw
een20)によって8回洗浄された。PBT緩衝液(PBS, 0.2% BSA, 0.1% Tween20
)に含まれる100μlのライブラリーファージ溶液の一定量は、次に、各コー
ティングされた及びされていないウェルへ加えられた。Flt−1(1−3)単
量体は、ファージ溶液とともに加えられた。ウェルは、室温で2時間に渡って穏
やかに振とうされた。 次に、ウェルは、ファージ溶液とすべてのFlt−1結合ファージを除くため
にPT緩衝液(PBS, 0.05% Tween20)によって10回洗浄された。KDR−結合
ファージは、ウェルを100μlのpH2の0.2mMグリシンで、室温で5分
間インキュベートすることによって、ウェルから溶出された。KDR−結合ファ
ージを収集するために、グリシン溶液はエッペンドルフチューブへ移され、pH
8.0の1.0M Tris−HClによって中和された。
【0053】 続いて、溶出ファージ溶液の半分を活発に生育中の大腸菌XL1−blue(
OD600<10)の10倍等量へ加え、37℃で30分間振とうすることによって、K
DR−結合ファージを再増殖した。次に、溶出ファージ数を定量するために、培
養液の連続希釈液を2YT/ampプレート(50mg/mlのアンピシリンで補充さ
れた2YT)へプレートした。溶出ファージ数は、KDR(1−3)単量体で被
覆されたウェル、及び非被覆コントロールウェルの両方について定量された。 プレートからの培養は、2YT/amp/VCS(50mg/mlのアンピシリン及
び1010pfu/ml M13-VCSで補充された2YT)の10倍等量へ移され、37℃で一晩
の振とうでインキュベートされた。そして、ファージは単離された。 再増殖したファージは、再び、高濃度(100nM)の競合Flt−1(1−3)
単量体の存在下における固定化KDR(1−3)単量体への結合によって分類さ
れ、続いてFlt−1結合ファージを洗い流し、KDR結合ファージを再増殖し
た。アフィニティ−分類手法は、濃縮比率を計算することによってモニターされ
、濃縮比率が最高値(約5から6選別周期)に達するまで繰り返された。 濃縮比率とは、KDR(1−3)単量体によって被覆されたウェルより溶出し
たファージ数を非被覆コントロールウェルへ結合しているファージ数で割ったも
のである。1より大きな比率は、通常は、ファージが、特に、KDR(1−3)
タンパク質への結合において不活性であり、従って、添加されたFlt−1(1
−3)単量体への結合に対しては耐性であることを示す。濃縮比率が最高値に達
した場合には、個々のクローンは特定の結合について分析された。
【0054】 ファージELISA VEGF1−109変異体−gIIIタンパク質を表面に持つファージのKD
R(1−3)への特異的な結合は、Muller ら,PNAS, 94:7192(1997)に記載のフ
ァージELISAを使用して測定された。ファージELISAでは、マイクロタ
イタープレート(Maxisorp, Nunc-Immunoplate, Nalgc Nunc International, ロ
チェスター,ニューヨーク)を、pH9.6で50mM 炭酸ナトリウム中の精
製KDR(1−3)単量体又はFlt−1(1−3)単量体(5μg/ml)で被覆
し、4℃で一晩インキュベートした。プレートを、0.5%BSAでブロックし
た。次に、ほぼ飽和した濃度の競合レセプター(KDR(1−3)単量体又はF
lt−1(1−3)単量体)をともなうVEGF1−109変異体の連続希釈液
を、100μlの緩衝液(PBS, 0.5% Tween20, 0.5% BSA)中のウェルへ添加し
た。平衡化の後、プレートは洗浄され、そして結合しているファージミドを、製
造者指示書に従って、西洋ワサビ由来のペルオキシダーゼ共役抗-M13抗体(
ファルマシア バイオテク,Piscataway, ニュージャージー)によって染色した
。親和性(EC50)は、ファージミド結合の最高値の半分となる競合レセプターの
濃度として計算された。 アフィニティ−分類より得られ、Flt−1(1−3)単量体へ耐性を示した
VEGF1−109変異体の配列は、ファージミドcDNAの配列から決定され
た。
【0055】 VEGF1−109変異体の精製 VEGF1−109変異体タンパク質は、大腸菌(27c7)の振盪フラスコ培養
からの牽引体として単離された。変異タンパク質のリフォールディングは、Yiha
iら, J.Biol.Chem..271:3154-3162(1996)に記載のように行われた。変異体は、
pH6で1mM酸化グルタチオンを加えた6Mグアニジン塩酸と混合、そしてア
ンフォウルドされ、2mM還元グルタチオンを含む2M尿素及び20mM Tr
is−塩酸に含まれる0.5mM酸化グルタチオンに対して、pH8で10時間
に渡って透析された。尿素は、4℃で一晩、20mM Tris−塩酸(pH8
)の20倍容量に対してゆっくりと透析することで除かれた。各変異体は、ミス
フォウルドされた単量体の痕跡を除くために、更に、アニオン交換(ファルマシ
ア HiTrap Q, 1ml)(ファルマシア バイオテク,Piscataway, ニュージャージ
ー)によって精製された。純変異体産物の同一性は、SDS−PAGE及び質量
分析法によって確認された。
【0056】 表2は、VEGF変異体識別符号、導入されたアミノ酸置換、及び小各々の置
換されたアミノ酸をコードするコドンを示す。ある変異体識別符号(例えばLK-V
RB-1s)の次の星印(★)は、特に好ましい結合親和性及び/又は生物活性を明
示した種々のVEGF変異体を示す。「s」(例えばLK-VRB-1s)を含む変異体
識別符号は、VEGFの1−109切断型で構成され、表中に提供され詳述され
た変異体を含むVEGF変異体ポリペプチドを示す。「f」(例えばLK-VRB-1f
)を含んだ変異体識別符号は、VEGFの全長1−165型を構成し、表に提供
され詳述された変異体を含んだVEGF変異体ポリペプチドを示す。変異体配列
の変異の命名及び同定は、命名の協定に従う。例えば、表2の最初のエントリー
では、変異は「M18E」に相当する。これは、天然VEGF配列の18位置(
Leung ら,上掲 及びHouckら,上掲 に報告されている天然ヒトVEGFのアミ
ノ酸配列の番号化を使用した)が、VEGF変異体を調製するために、その位置
の天然メチオニン(M)がグルタミン酸残基へ置換されるように変異されたこと
を意味する。「ヌクレオチド配列」に相当する表2の欄は、各々のアミノ酸変異
をコードする(5'→3')各々のコドンを提供する。例えば、表2の最初のエント
リーでは、M18E変異は、コドン「GAG」によってコードされている。
【0057】
【0058】 実施例2: VEGF変異体のKDRレセプターへの結合 VEGF(1−109)変異体及びVEGF165変異体(実施例1に記載)
のKDRレセプターへの結合は、ビオチン化天然VEGF(8−109)のKD
Rレセプターへの結合を阻害する変異体の能力を測定することによって評価され
た。評価されたVEGF変異体は、表2に示された変異を含んでいた。 レセプター結合アッセイ法は、96−ウェルのイムノプレート(Maxisorp, Nu
nc-Immunoplate, Nalgc Nunc International, ロチェスター,ニューヨーク)に
て実行された。各ウェルは、pH9.6で50mM 炭酸塩緩衝液中の、MAK
D5(ジェネンテック,サウス サンフランシスコ、カリフォルニア)として知
られているKDRに対する8μg/mlのモノクローナル抗体を含む100μl
の溶液で被覆され、4℃で一晩インキュベートされた。上清は廃棄され、ウェル
は洗浄緩衝液(PBS中の0.05% Tween20)で3回洗浄され、プレートはブロック緩
衝液(PBS中の0.5% BSA, 0.01% チメロサール)によって室温で1時間ブロック
された(ウェル当たり150μl)。上清は廃棄され、ウェルは洗浄された。
【0059】 連続希釈された天然VEGF(8−109)、天然VEGF(1−165)、
天然VEGF(1−109)変異体、又はVEGF165変異体(単量体で0.16
-168nM)は、アッセイ緩衝液( PBS中の0.5%BSA,0.05% Tween20)中で、ビオチ
ン化天然VEGF(8−109)(84nM)及びKDR(1−3)(1μg/ml)と
室温で2時間インキュベートされた。この混合溶液(100μl)の一定量は、予め
被覆されたマイクロタイターウェルに添加され、プレートは室温で1時間インキ
ュベートされた。マイクロタイタープレートに結合したKDR(1−3)及びビ
オチン化天然VEGFの複合体は、ウェルをペルオキシダーゼラベル化ストレプ
トアビジン(0.2mg/ml, シグマ、セントルイス、ミズーリー)と室温で30分間
インキュベートすることによって検出された。次に、ウェルは、3,3',5,
5'−テトラメチルベンジジン(0.2グラム/リッター;Kirkegaard & Perry Lab
oratories, ゲーサーズバーグ、メリーランド)と室温で約10分間インキュベ
ートされた。吸光度は、Vmaxプレートリーダー(Molecular Devices, Menlo Par
k, CA)上で450nmにおいて読んだ。
【0060】 滴定曲線は、4-変数非線形回帰カーブフィッティングプログラム(KaleidaGra
ph, Synergy Software, Reading, PA)でフィッティングさせた。天然VEGF
(8−109)の滴定曲線の中間点吸収に相当するVEGF変異体の濃度は計算
され、次いで天然VEGF滴定曲線の中間点吸収に対応する天然VEGFの濃度
で除した(Figure 2を参照のこと)。 VEGF(1−109)変異体及びVEGF165変異体のために決定された
結合親和性が、表3に示されている。多くのVEGF変異体は、天然VEGF(
8−109)の結合の約2倍以内である、KDRレセプターへの結合を示した。
【0061】 実施例3: VEGF変異体のFlt−1レセプターへの結合 VEGF(1−109)変異体及びVEGF165変異体(実施例1に記載)
のFlt−1レセプターへの結合は、ビオチン化天然VEGF(8−109)の
Flt−1レセプターへの結合を阻害する変異体の能力を測定することによって
評価された。評価されたVEGF変異体は、表2に示された変異を含んでいた。 レセプター結合アッセイ法は、96−ウェルのイムノプレート(Maxisorp, Nu
nc-Immunoplate, Nalgc Nunc International, ロチェスター,ニューヨーク)に
て実行される。各ウェルは、pH9.6で50mM 炭酸塩緩衝液中の、ヒトI
gG Fc(Jackson ImmunoResearch, West Grove, ペンシルバニア)に対する
2μg/mlのウサギF(ab')を含む100μlの溶液で被覆され、4℃
で一晩インキュベートされた。次に上清は廃棄され、ウェルは洗浄緩衝液(PBS
中の0.05% Tween20)で3回洗浄され、プレートはブロック緩衝液(PBS中の0.5%
BSA, 0.01% チメロサール)によって室温で1時間ブロックされた(ウェル当た
り150μl)。上清は廃棄され、ウェルは洗浄された。 ウェルは、アッセイ緩衝液(PBS中に0.5%BSA, 0.05% Tween20)中にFlt−
IgG(キメラFlt-ヒト Fc分子)を50ng/mlで含む100μlの溶液で
満たされた。ウェルは、室温で1時間インキュベートされ、洗浄緩衝液(PBS中
に0.05% Tween20)で3回洗浄された。
【0062】 連続希釈された天然VEGF(8−109)、天然VEGF165、天然VE
GF(1−109)変異体、又はVEGF165変異体(単量体で0.03-33nM)
は、アッセイ緩衝液( PBS中の0.5%BSA,0.05% Tween20)中で、ビオチン化天然
VEGF(8−109)(0.21nM)又はビオチン化天然VEGF165(0.66nM
)と混合された。この混合溶液(100μl)の一定量は、予め被覆されたマイクロ
タイターウェルに添加され、プレートは室温で2時間インキュベートされた。マ
イクロタイタープレートに結合したFlt−IgG及びビオチン化天然VEGF
の複合体は、ウェルをペルオキシダーゼラベル化ストレプトアビジン(0.2mg/ml
, シグマ、セントルイス、ミズーリー)と室温で30分間インキュベートするこ
とによって検出された。次に、ウェルは、3,3',5,5'−テトラメチルベン
ジジン(0.2グラム/リッター;Kirkegaard & Perry Laboratories, ゲーサーズ
バーグ、メリーランド)と室温で約10分間インキュベートされた。吸光度は、
Vmaxプレートリーダー(Molecular Devices, Menlo Park, CA)上で450nmにおい
て読んだ。
【0063】 滴定曲線は、4-変数非線形回帰カーブフィッティングプログラム(KaleidaGra
ph, Synergy software, Reading, PA)でフィッティングさせた。天然VEGF
(8−109)の滴定曲線の中間点吸収に相当するVEGF変異体の濃度は計算
され、次いで天然VEGF滴定曲線の中間点吸収に対応する天然VEGFの濃度
で除した。 VEGF(1−109)変異体及びVEGF165変異体のために決定された
結合親和性が、表3に示されている。多くのVEGF変異体は、天然VEGF(
8−109)の結合より2,000倍より低い値より高いFlt−1レセプター
への結合を示した。表3に報告されている、あるVEGF変異体(例えば,LK-V
RB-7s及びLK-VRB-8s)のFLT−1レセプターについての相対的結合親和性
は、検出可能な結合がELISAアッセイ法の感度を越えていたので、nM値で
は報告されていない。
【0064】
【0065】 実施例4: VEGF(1−109)変異体によるKDRレセプターリン酸化の
誘発 VEGF変異体の活性を決定するために、変異体のKDRレセプターリン酸化
の誘発する能力は、KIRAアッセイ法によって測定された。評価されたVEG
F変異体は、表2に見出される変異を含んでいた。特に、次のVEGF(1−1
09)変異体が研究された:LK-VRB-1s;LK-VRB-2s;LK-VRB-3s;LK-VRB-4s
;LK-VRB-5s;及びLK-VRB-6s。 連続希釈VEGF(1−109)変異体(0.01-10nM)は、N-末端にgDタッ
グを有するKDRレセプター(ジェネンテック、サウス サン フランシスコ、カ
リフォルニア)を発現するCHO細胞へ加えられた。細胞は、pH7.2で0.
5% Triton−X100、150mM NaCl、50mM Hepesに
よって溶解され、溶解液中のリン酸化gD−KDRレセプターは、ELISAを
実行することで数量化された。 ELISAでは、96−ウェルのイムノプレート(Maxisorp, Nunc-Immunopla
te, Nalgc Nunc International, ロチェスター,ニューヨーク)が使用された。
各ウェルは、pH9.6で50mM 炭酸塩緩衝液中の、3c8(ジェネンテッ
ク、サウス サン フランシスコ、カリフォルニア)として知られるgDに対する
1μg/mlのマウスモノクローナルを含む100μlの溶液で被覆され、4℃
で一晩インキュベートされた。上清は廃棄され、ウェルは洗浄緩衝液(PBS中の0
.05% Tween20)で3回洗浄され、プレートはブロック緩衝液(PBS中の0.5% BSA,
0.01% チメロサール)によって室温で1時間ブロックされた(ウェル当たり150
μl)。次に、上清は廃棄され、ウェルは洗浄された。
【0066】 溶解液(100μl)の一定量は、予め被覆されたウェルに加えられ、室温で2時
間インキュベートされた。リン酸化gD−KDRレセプターは、ウェルを4G1
0(0.05mg/ml)(Upstate Biotechnology, レークプラシッド,ニューヨーク)
として知られているホスホチロシンに対するビオチン化モノクローナル抗体と室
温で2時間インキュベートし、続いてウェルをペルオキシダーゼラベル化ストレ
プトアビジン(0.2mg/ml, シグマ、セントルイス、ミズーリー)と室温で1時間
インキュベートすることによって検出された。次に、ウェルは、3,3',5,
5'−テトラメチルベンジジン(0.2グラム/リッター;Kirkegaard & Perry Lab
oratories, ゲーサーズバーグ、メリーランド)と室温で約15−20分間イン
キュベートされた。吸光度は、Vmaxプレートリーダー(Molecular Devices, Men
lo Park, CA)上で450nmにおいて読んだ。 滴定曲線は、4-変数非線形回帰カーブフィッティングプログラム(KaleidaGra
ph, Synergy software, Reading, PA)でフィッティングさせた。天然VEGF
の滴定曲線の中間点吸収に相当するVEGF変異体の濃度は計算され、次いで天
然VEGF滴定曲線の中間点吸収に対応する天然VEGFの濃度で除した(Figu
re 3を参照のこと)。 VEGF変異体のリン酸化誘発活性は、表4に提供されている。VEGF変異
体は、天然VEGF(8−109)の活性の2倍以内のリン酸化誘発活性を示し
た。
【0067】
【0068】 実施例5: 内皮細胞増殖アッセイ VEGF(1−109)又はVEGF165変異体(一つのVEGF165変異体、L
K-VRB-2fと同じ)の分裂促進活性は、標的細胞としてヒト臍静脈内皮細胞(HUVE
C)(セル システム、Kirkland、ワシントン)を使用して決定された。評価され
たVEGF変異体は、表2中の変異を含んでいた。特に、次のVEGF(1−1
09)変異体が研究された:LK-VRB-1s;LK-VRB-2s;LK-VRB-7s;及びLK-
VRB-8s。 HUVECは、CS−C完全生育培地(セル システム、Kirkland、ワシント
ン)中の酸性FGFなどの成長因子で維持及び生育される初代株化細胞である。
アッセイの準備のためには、初期継代(5継代より早い)の細胞は、洗浄されて
96−ウェルプレート(ウェル当たり100μlに3000細胞)に接種され、すべて
の成長因子を除くが2%のダイアフィルトレーションされた胎児ウシ血清(Gibc
oBRL, Gaithersburg, MD)で補充されたCS−C培地中で、新鮮飢餓培地と交換
する前に、5%COインキュベーターにおいて37℃で24時間に渡って飢餓
状態にした。同じ飢餓培地で希釈された幾つかの濃度(約10nMから0.01nM)のV
EGF変異体は、ウェル当たりの容量が150μlとなるようにウェルへ加えら
れ、18時間インキュベーションされた。
【0069】 VEGF変異体によって誘発されたDNA合成を測定するために、H−チミ
ジン(Amersham Life Science, Arlington Heights, IL)は、0.5μCi/ウ
ェルで各ウェルへ加えられ、細胞が放射能を取り込むように24時間に渡ってイ
ンキュベートされた。そして、細胞はその他の96−ウェルフィルタープレート
上へ収集され、過度のラベル(放射能)は、プレートをトップカウント(Packar
d, Meriden, Conneticut)へのせる前に洗い流された。 細胞は、トップカウントによって数えられた。測定されたカウント毎分(CPM
)は、活性を比較するために、個々の変異体の濃度に対してプロットされた(Fi
gure4)。 VEGF変異体の細胞増殖能力は、表5に示されている。一般的に、VEGF
変異体は、天然変異体(8−109)の能力の2倍以内の細胞増殖能力を示した
【0070】
【0071】 実施例6: KDR及びFLT−1レセプターへのVEGF変異体の結合を測定
するためのRIAアッセイ RIAアッセイは、天然VEGF165又は天然VEGF(8−109)と比
較される、KDRレセプター及びFLT−1レセプターへの幾つかのVEGF変
異体(表2に記載)の相対的結合親和性を調べるために、Mullerら,PNAS, 94:
7192-7197(1997)に記載のように原則的に実施された。その結果は、下記の表6
に示されている。
【0072】
【0073】 実施例7: KDR−又はFLT−1−トランスフェクト細胞へのVEGF変異
体の結合 LK-VRB-2sの結合特性(実施例1、表2を参照のこと)は、更に、レセプタ
ー−トランスフェクト細胞結合アッセイによって調べられた。KDR又はFlt
−1トランスフェクトNIH3T3細胞は、Fuhら,J.Biol.Chem., 273:11187-1
1204(1998)に記載されているように調製された。トランスフェクト細胞は、10
%FBS及び400μg/ml G418(GibcoBRL)で補充されたF12培地
中で維持された。結合アッセイでは、翌日に集密的になるよう12−ウェルプレ
ートへ1x10/ウェルでプレートされた。そして、125I−VEGF(1
−109)(標準クロラミン−T法によって調製)を加えて非レベル化VEGF
変異体の濃度を増やす前に、細胞は、1%BSAを含むHank's緩衝化生理的食塩
水(HBS)によって1時間洗浄及びブロックされた。50pM及び10pMのラ
ベル化VEGF(1−109)は、各々KDR及びFlt−1細胞結合に使用さ
れた。プレートは、4℃で3時間インキュベートされ、そして0.5%BSAを
含むHBSで2回洗浄された。結合、レベル化VEGFは、洗浄細胞を1N N
aOHに溶解することによって収集され、そしてガンマーカウンター(Isodata,
ICN)でカウントされた。 Figure5に示されているように、LK-VRB-2sは、天然VEGF結合に類似し
たKDRを発現するトランスフェクト細胞への結合を示した。しかし、LK-VRB-2
sは、Flt−1でトランスフェクトされた細胞へは、約200倍減少した結
合を示した(Figure6を参照のこと)。
【0074】 実施例8: Flt−1特異的VEGF変異体の生成及び選択 アラニンスキャンニング(Well, Methods Enzymol., 202: 390-411(1991))を
、個々のVEGF残基のKDR対Flt−1結合の相対的重要性を定義するため
に使用した。突然変異誘発の為に選択された残基は、Phe47及びGlu64
のみならず、以前、KDR−結合決定基(Mullerら, Proc. Natl. Acad. Sci.,
94:7192-7197(1997)と同定された、VEGFのレセプター結合ドメインとFlt
−1のドメイン2の間の複合体の結晶構造に観察された22の接触残基(Wiesma
nn ら、Cell, 91:695-704(1997))を含んだ。部位特異的突然変異誘発は、Kunke
lら,Methods Enzymol., 204:125-139(1991)の方法を使用し、VEGFのレセプ
ター結合ドメイン(残基1から109)をバックグラウンドに実施された。すべ
ての変異は、DNAシーケンシングによって確かめられた。次のVEGF残基は
、個々にアラニンへ変異された:Lys16、Phe17、Met18、Tyr
21、Gln22、Tyr25、Ile43、Ile46、Phe47、Lys
48、Asp63、Glu64、Gly65、Leu66、Gln79、Met
81、Ile83、His86、Gln89、Ile91、Lys101、Gl
u103、Arg105、Pro106。これらの残基は、VEGFのレセプタ
ー結合ドメイン(残基1から109:Keytら,J.Biol.Chem., 271:7788-7795(19
96);Mullerら,Proc. Natl. Acad. Sci., 94:7192-7197(1997))をバックグラ
ウンドに、個々にアラニンへ変異された。
【0075】 各変異タンパク質は、生成そして均一に精製され、酵素結合免疫吸着アッセイ
法(ELISA)は、KDRのドメイン1から3及びFlt−1(これら3つのドメ
インは、すべてのVEGF-結合部位を含む;Wiesmann ら、Cell, 91:695-704(1997)
);Fuhら, J. Biol. Chem., 273:11197-11204(1998))の結合親和性を測定する
ために使用された。 ELISAでは、マイクロタイタープレートは、50mM 炭酸ナトリウム(p
H9.6)に含まれる精製VEGF(8−109)(5μg/ml)によって、4℃で一
晩被覆された。プレートは、0.5% BSAでブロックされ、競合VEGFア
ラニン変異体の連続希釈液及びビオチン-ラベル化レセプター(KDR(1-3)又はFlt
1(1-3))の亜飽和濃度(100pM)が100μlの結合緩衝液(PBS中の0.5% Tween
20,0.5% BSA)中のウェルへ加えられた。1時間後、プレートは洗浄され、結合
タンパク質は、ストレプトアビジン西洋ワサビペルオキシダーゼ共役(ファルマ
シア)で染色され、アッセイされた。親和性は、IC50で評価された:KDR
(1−3)又はFlt1(1−3)の濃度でタンパク質の結合を50%ブロック
する。 このアッセイの結果は、Figure7に示されている。各残基について記載されて
いるのは、変異体のIC50の野生型VEGF(8−109)のIC50に対す
る比率で、変異体の結合を野生型タンパク質の結合へ比較した場合の減少割合を
表している。野生型VEGF(8−109)のIC50は、丸括弧で示されてい
る。太字で示されている残基は、Flt−1選択変異体の生成に使用された。
【0076】 Flt−1結合のためのVEGF変異体の同時分析は、類似で重なり合うレセ
プター結合領域を示し、主に20sへリックス及び60sループに位置し、Fl
t−1−結合決定基はPhe17、Tyr21、Gln22、及びLeu66で
ある(Figure7)。対照的に、重要なFlt−1−結合決定基の変異体は、また
、KDRに対する親和性をかなり低下させる(Figure7)。 Flt−1レセプターに対して高い選択を持つVEGF変異体は、KDRへ大
きな影響を与えるがFlt−1結合へはそうではない4つの変異体を組み合わせ
ることによって生成される。Ile43、Ile46、Gln79又はIle8
3のアラニンへの変異は、これら残基の側鎖が、KDRへの堅い結合においては
重要であるがFlt−1結合においては重要ではないことを示した。変異体(こ
こにおいては「Flt-sel」に相当する)は、部位特異的突然変異誘発法(Kunkel
ら, Meth. Enzymol., 204: 125-139(1991) )を使用した位置Ile43、Il
e46、Gln79及びIle83のアラニン置換によって構築される。この特
定のFlt−sel変異体は、また、上記の実施例1(及び表2に例示された)
に記載された命名法に従って、識別子、I43A/I46A/Q79A/I83
Aによって表される。位置43、46、79及び83におけるこれら4つのアラ
ニン置換へ相当するコドンは、各々GCC/GCC/GCG/GCCである(上
記の実施例1に記載及び表2に例示の命名法に従う)。
【0077】 I43A/I46A/Q79A/I83A Flt−sel変異体の特性及び
生物活性を調べるために種々のアッセイが行われた。例えば、定量的結合測定は
、上記の実施例6に記載されているような可溶性ラジオイムノレセプター-結合
アッセイ(RIA)を使用して行われた。このアッセイでは、天然VEGF(8
−109)は、KDR及びFlt−1に対する親和性が、各々0.5nM及び0
.4nMであった(Figs.8A及び8B)。Flt−selは、このアッセイに
おいて、少なくとも470倍の低下したKDR-結合親和性が見出された(Fi
g.8A)。若干驚いたことには、ELISA(上記に記載)で、個々の点変異
からFlt−1-結合の僅かな低下が観察されたので、Flt−selに対する
Flt−sel変異体の親和性は、天然タンパク質の親和性と本質的に同一であ
った(Fig.8B)。 Flt−sel変異体の活性は、また、実施例7に記載の3T3トランスフェ
クト細胞-結合アッセイで試験された。RIAのデータと一致し、Flt−se
lは、KDR-トランスフェクト3T3細胞へ検出可能な結合を示さず、Flt
−1トランスフェクト細胞への結合が僅かに向上した(Fig.5及び6)。 Flt−sel変異体の活性は、また、実施例4に記載のKIRAアッセイで
試験された。その結果は、Figure9に示されている。 Flt−sel変異体の活性は、実施例5に記載のHUVEC増殖アッセイで
更に試験された。その結果は、Figure10に示されている。
【0078】 実施例9: マトリックスメタロプロテアーゼ9アッセイ ヒト大動脈平滑筋細胞にて発現されるFlt−1の活性化続くマトリックスメ
タロプロテアーゼ9の分泌のアッセイが行われた(Wang 及びKeiser, Circ. Res
., 83:832-840(1998))。ヒト大動脈平滑筋細胞(ASMC)(Clonetics)は、10
%胎児ウシ血清の存在下の6−ウェルポリスチレンプレート(Becton-Dickinson
)で、5%CO及び95%外気中のSM2培地において37℃で維持された。
細胞が90%の集密に達した時に、細胞は、0.2%のウシ血清アルブミン(BS
A)を含む無血清培地中で24時間生育を停止された。VEGF(1−109)
、PlGF(R&D Systems、ミネアポリス、ミネソタ州)又はVEGF(1−10
9)変異体(LK-VRB-2s)及びFlt−sel(上記に記載)は、最終濃度が4
0ng/mlとなるよう加えられ、細胞は、0.2%のBSAを含む無血清培地
において更に24時間培養された。そして、馴化培地中のゼラチナーゼは、酵素
電気泳動法で分析された。培養液は収集そして濃縮され、還元剤を含まず又は加
熱せず、25μl一定量の培養液は2xのサンプル緩衝液と混合された。サンプ
ルは、電気泳動のために、0.1%ゼラチン(Novex, サンディエゴ、カリフォ
ルニア州)を含む10%ポリアクリルアミドゲルに負荷された。標準的な分子量
マーカーの使用に加えて、MMP−2及び−9酵素電気泳動標準物(Chemicon、
Temecula, カリフォルニア)がゼラチナーゼの標準物として利用された。電気泳
動の後、タンパク質は、ゲルのインキュベーションを再生緩衝液中で室温で30
分間、及び展開緩衝液中で室温で一晩行うことによって再生された。ゲルは、0
.25%クーマシーブリリアントブルー(シグマ)で染色された。ゼラチナーゼ
活性は、脱染色の後に薄く染色されている又は明瞭なバンドとして同定された。 結果は、Fig.11に示されている。示されているのは、2つの独立した実
験の内の1つの代表的な酵素電気泳動像である。倍数変化は、VEGF(1−1
09)−、VEGF(1−109)、変異体−、又はPlGF−処理群対溶媒処
理(PBS)コントロールの相対的バンド密度を表す。LK-VRB-2sとは対照的に、
Flt−selは、天然VEGF(1−109)又はPlGFの活性と比較した
場合には、本アッセイにおいては完全に活性であった(Fig.11)。
【0079】 実施例10: MAPキナーゼの活性化 天然VEGF、KDR−選択VEGF変異体、又はFlt−選択VEGF変異
体が、分裂促進シグナルを媒介することが可能かどうかを決定するためにアッセ
イが行われた。 4−7継代HUVEC細胞(Cell Systems、Kirkland, WA)は、ゼラチン被覆
シャーレ上の10%の胎児子ウシ血清及び成長因子を含むCell System's完全培
地(AZ0-500)にて生育され、0.2%血清中で14時間飢餓状態され、静止状
態にされた。静止状態のHUVEC細胞は、未処理のまま或いは天然VEGF(
1−165)又はVEGF変異体(全長165配列を含むFlt-1選択変異体、及び上
記実施例8の「短型」(1-109)Flt-selのために記載のアラニンアミノ置換I43A
/I46A/Q79A/I83A;又はLK-VRB-2f(実施例1;表2を参照のこと)に相当するK
DR−選択変異体(同じく全長165配列を含む)(50ng/ml又は10ng/mlのどち
らかの濃度で))で5分間刺激されるかのどちらかであった。天然VEGF(1
−165)及びVEGF変異体の両方が大腸菌で発現され、Keytら,J. Biol. C
hem., 271:5638-5646(1996)に記載のように精製された。そして、HUVEC細
胞は、0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、5mM パラ-ニトロフェニル
リン酸、10mM フッ化ナトリウム、 0.5マイクロモル オカダ酸及びプロ
テアーゼインヒビター反応混液(Roche MB1836145)を含む0.5−1ml RI
PA緩衝液中で溶解された。次に、ウェスタンブロット分析が行われ、抗-ホス
ホERK抗血清(Promega)を使用してリン酸化ERK1又はERK2が調べら
れた。 KDR−選択VEGF変異体,LK-VRB-2fによる活性化は、HUVEC細胞中
のERK1及びERK2のリン酸化を誘因した(Fig.12A)。リン酸化の
広がりは、天然VEGF(1−165)を使用して得られたリン酸化からは区別
できない。Fit−1選択VEGF変異体(最高濃度が使用された)は、かろう
じて検出可能なERK2のリン酸化を引き起こした。この研究に使用されている
ホモ二量体VEGF変異体は、レセプターのヘテロ二量体の形成を促進すること
は期待されない。従って、Flt−1は、MAPキナーゼ活性化へ貢献しない。
【0080】 VEGFは、以前、ストレス-活性化 p38MAPキナーゼ(Rousseauら, On
cogene, 15:2169-2177(1997);Yuら, J.Cell. Phys., 178:235-246(1999))を刺
激すると報告された。どのVEGFレセプターが関与しているのかを分析するた
めに、p38のリン酸化状態が、天然VEGF(1−165)、Flt−1選択
変異体、又はLK-VRB-2f(上記に記載)をともなう刺激の後に調べられた。 4−7継代HUVEC細胞(Cell Systems、Kirkland, WA)は、ゼラチン被覆
シャーレ上の10%の胎児ウシ血清及び成長因子を含むCell System's完全培地
(AZ0-500)にて生育され、0.2%血清中で14時間飢餓状態にされ、静止状
態にされた。静止状態のHUVEC細胞は、未処理のまま或いは天然VEGF(
1−165)又はVEGF変異体(Flt-sel(全長165配列型)又はLK-VRB-2f;両
方ともにERK1及びERK2アッセイのために上記に記載)(50ng/ml又は10ng/mlのど
ちらかの濃度で)で5分間刺激されるのどちらかであった。そして、細胞は、0
.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、5mM パラ-ニトロフェニルリン酸、
10mM フッ化ナトリウム、 0.5マイクロモル オカダ酸及びプロテアーゼ
インヒビター反応混液(Roche MB1836145)を含む0.5−1ml RIPA緩衝
液中で溶解された。p38ストレス-活性化MAPキナーゼのリン酸化状態は、
抗-ホスホp38特異的抗血清(NEB)で評価された。 Fig.12Bは、KDR-選択VEGF変異体がp38リン酸化を刺激する
ことが可能であることを示している。
【0081】 実施例11: KDRは、PI3'-キナーゼ及びPLC-ガンマリン酸化を刺激
する PLC-ガンマリン酸化及び活性化は、以前、VEGF情報伝達に関係付けら
れた。KDR(Dougherら., Oncogene, 18:1619-1627(1999);Cunninghamら., B
iochem. Biophys. Res. Comm., 240:635-639(1997))及びFlt−1(Seetharam
ら., Oncogene, 10:135-147(1995);Sawanoら., Biochem. Biophys. Res. Comm.
, 238:487-491(1997);Itoら, J.Biol.Chem., 273:23410-23418(1998))の両方
へのPLC-ガンマ結合が、報告されている。 どのVEGFレセプターが初期内皮細胞のPLC-ガンマ活性化に関与してい
るのかを決定するために、HUVEC細胞は、天然VEGF又はVEGFレセプ
ター選択変異体とともに処理され、PLC-ガンマリン酸化は免疫沈降の後に評
価された。
【0082】 4−7継代HUVEC細胞(Cell Systems、Kirkland, WA)は、ゼラチン被覆
シャーレ上の10%の胎児ウシ血清及び成長因子を含むCell System's完全培地
(AZ0-500)にて生育され、0.2%血清中で14時間飢餓状態にされ、静止状
態にされた。静止状態のHUVEC細胞は、未処理のまま或いは天然VEGF(
1−165)又はVEGF変異体(Flt-sel(全長165配列型)又はLK-VRB-2f;上
記の実施例10に記載)(20ng/mlの濃度で)で5分間刺激されるのどちらかで
あった。そして、細胞は、0.1mM オルトバナジン酸ナトリウム、5mM パ
ラ-ニトロフェニルリン酸、10mM フッ化ナトリウム、 0.5マイクロモル
オカダ酸及びプロテアーゼインヒビター反応混液(Roche MB1836145)を含む0
.5−1ml RIPA緩衝液中で溶解された。続いて、PLC-ガンマは、モノ
クローナル抗体(Upstate Biotechnology)を使用して全細胞溶解液から免疫沈
降され、チロシンリン酸化の分析(Fig.13A)、又は溶解液は、p85
PI3'-キナーゼ(Transduction Labs(P13020)及びNeomarkers(MS424-P)より購
入)に対するモノコローナル抗体で免疫沈降され、ホスホチロシン抗体PY20
又はE120H(Transduction Labs)を使用するホスホチロシンのための試験
がなされた(Fig.13B)。免疫沈降は、次のように行われた。プロテイン
A/Gビーズ(Pierce)は、50mM HEPES pH7.2、0.1% TX
−100、150mM NaCl及び1mg/ml 卵白アルブミン中で30分間
、非特異的タンパク質結合のためにブロックされた。抗体は、同じ緩衝液中で4
℃で1時間、head over end rotationで予め共役され、ビーズは溶解緩衝液で3
回洗浄された。ビーズは、可溶化液に加えられて一晩回転された。ビーズは、経
時的に、50mM Tris pH7.6、150mM CaCl、1% TX−
100、1mM CaCl;50mM Tris pH7.6、500mM Na
Cl、0.1% TX−100、1mM CaCl及び50mM Tris pH
7.6、150mM NaCl、0.05% TX−100、1mM CaCl
で洗浄された。次に、ビーズは、2xサンプル緩衝液に再懸濁され、煮沸された
。上清は、4−12% Tris−グリシングラジエントゲル(Novex)へ直接に
充填された。
【0083】 Fig.13Aに示されているように、天然VEGF及びKDR-選択VEG
F変異体の両方は、同じ程度にPLC-ガンマリン酸化を刺激することが可能で
あった。Flt−1選択VEGF変異体は、バックグラウンドレベルより多くP
LC-ガンマリン酸化を増やさず、HUVEC細胞でのPLC-ガンマ活性化にお
けるFlt−1の役割に論駁した。 PI3'-キナーゼは、幾つかの細胞において、Aktの活性化を通して生存シ
グナルをを伝達すると証明されている(Marteら, Trends Biochem. Sci., 22: 3
55-358(1997))。VEGFはまた、内皮細胞の生存因子として作用し、このシグ
ナルは、PI3'-キナーゼ及びAktキナーゼ活性を必要とする(Gerberら,J.
Biol.Chem., 273:30366-30343(1998))。種々の細胞型において、PI3'-キナ
ーゼ活性は、細胞移動と同様に成長因子刺激に続く細胞骨格変化に関与している
ことが証明されている(Wennstronら, Curr. Biol., 4:385-393(1994))。それ
故に、PI3'-キナーゼのp85制御サブユニットのリン酸化を生じるVEGF
タンパク質の能力は、免疫沈降の後に評価される。天然VEGF及びKDR−選
択VEGF変異体のみが、Fig.13Bに示されているPI3'-キナーゼ制御
サブユニットのリン酸化を生じせしめることが可能である。
【0084】 実施例12: 内皮細胞移動の効果 内皮細胞に対するVEGF作用の中心的側面の1つは、それの化学遊走物質と
しての作用及び内皮細胞の遊走を刺激する能力である。HUVEC細胞移動は、
以下のような、修正ボイデンチャンバーアッセイによって分析された。 Falcon8.0 micron filter inserts(Falcon 3097)は、タイプ1コラーゲン(
VITROGEN COHESION)によって被覆された。HUVEC(Cell Systemsより得た
、8継代)は、10%のFCSを含むCell System's完全培地(4Z0-500)にて生
育された。細胞は,トリプシン処理され、0.1%BSAを含むEBM(内皮基
本培地、Clonetics)へ移された。細胞は、上側ののチャンバー当たり5x10
でプレートされた。成長因子(VEGF(1-165);Flt−1選択変異体;LK-VRB-
2f;上記の実施例10に記載)は、下側のチャンバーにプレートされ(Figs
.14に示された濃度で)、阻害剤は上側のチャンバーにプレートされた。アッ
セイは、規定通りに、37℃で18時間アッセイされた。LY294002阻害剤実験で
は、阻害剤の添加の前に、細胞は30分間付着することができた。阻害剤が添加
されて20分後、VEGFが底のウェルへ添加され、これら初代細胞のLY294002
(Biomolより購入)処理に関連したアポトーシスの発生を避けるために、アッセ
イは、4時間のみ続けられた。 細胞は、ポリウレタンスワッブによるかきとりによって膜の上側より取り除か
れ、そして残りの細胞は、メタノールで膜の下側へ固定された。細胞は、Yo-Pro
ヨウ化核染色(Molecular Probes)で染色され、Image-Pro cell 認識プログラム
を使用して低出力蛍光の下でカウントされた。
【0085】 Fig.14は、修正ボイデンチャンバーアッセイにおけるHUVEC細胞(
表示された濃度で)に対するレセプター選択VEGF変異体の効果を示している
(実験は三通りに行われた;エラー棒は、標準的エラーを表す)。幾つかの独立
した実験では、VEGFは、HUVEC細胞移動において4−5倍の増加を引き
起こした。KDR−選択VEGF変異体は、HUVEC細胞移動の促進において
、天然VEGFと同じように効果があった。Flt−1選択変異体は、バックグ
ラウンドレベルより多くの細胞移動を増大することはできなかった。 内皮細胞移動に対するPI3-キナーゼの貢献を決定するために、細胞が膜へ
付着することができた後に、異なる濃度の阻害剤LY294002がアッセイへ加えられ
た。内皮細胞の生存に対するPI3'-キナーゼ阻害の有害な影響のために、短時
間のアッセイが行われた(上記に記載のように)。Fig.14は、最も高い濃
度において、LY294002は、HUVEC細胞移動の56%阻害を引き起こした。従
って、PI3'-キナーゼ活性は、内皮細胞移動に対して有意な貢献をする。
【0086】 実施例13:角膜ポケットアッセイ: このアッセイでは、Polveriniら, Methods Enzymol. 198:440-450(1991)に記
載のように行われた。Sprague Dawleyラットに、ガス(イソフラン)/注射用の
ケタミン(80mg/kg)/キシラジン(15mg/kg)の組合せを使用して麻酔をかけた
。眼をゆっくりと突出させ、非外傷治療用ピンセットで適所に固定した。15番
の刃を使用し、1.5mmの切り込みを角膜の中心の僅か下に設けた。マイクロ
スパチュラ( ST 80017、ASSI)を使用し、眼の外眼角の方向に、ゆっくりと鈍
角に切開した(blunt-dissected)。成長因子(200ng)(VEGF(1-165);Flt−
1選択変異体;LK-VRB-2f;(上記の実施例10に記載)又はPlGF(R&D System)
)、又はメチルセルロース及びアルミニウムスクラルファート(100ug)(コン
トロール)を、ポケットの基部に挿入した。手術の後、眼は、ゲンタマイシン軟
膏で被覆された。6日目、動物を高分子FITC-デキストランで注射し、脈管
構造が視覚化されるように安楽死させた。角膜の全マウントは、眼球除去された
眼からできており、新生血管領域の測定は、コンピューター補助イメージ分析(
Image-Pro Plus)を使用して完成した。
【0087】 Fig.15Aに示されているように、KDR−選択変異体は、角膜の血管新
生の誘発において、天然VEGFと同じように有効であった。Flt−1選択V
EGF変異体が、時折,辺縁性血管新生(Fig.15A)を誘発するが、幾つ
かの動物における血管形成表層領域の分析は、Flt−1選択VEGF変異体が
、コントロールのレベルを超えて血管新生を刺激すること不可能であることを示
した。PlGFは、最低限の反応のみを与えた(Fig.15)。従って、現在
、Flt−1ではなくKDRが、インビボで血管新生を促進することが可能であ
ると考えられている。 前記に記載の内容は、当該技術分野に熟練した者が本発明を実行するのに十分
であると考えられる。ここにおいて示され、記載された内容に加えて本発明の種
々の改良は、前記の内容より当該技術分野に熟練した者にとっては明らかであり
、添付された請求項の範囲内に収まるものである。
【図面の簡単な説明】
【Fig.1】 165アミノ酸天然(「野生型」)VEGFの核酸配列と
推定アミノ酸配列を示す。
【Fig.2】 天然VEGF(8−109)のELISAアッセイ滴定曲
線を示す。
【Fig.3】 天然VEGF(8−109)のKIRAアッセイ滴定曲線
を示す。
【Fig.4】 天然VEGF(8−109)のHUVEC増殖アッセイ滴
定曲線を示す。
【Fig.5】 様々な濃度のリガンドを用いた、NIH3T3細胞を発現
するKDRからの125I−VEGF(1−165)の競争的置換により測定さ
れるような、天然VEGF(「WT VEGF」)、LK−VRB−2s(K
DR選択変異体)及びFlt−1−sel(Flt−1選択変異体)によるKD
Rに対する結合親和性を示す。アッセイは、実施例7に詳細に記載されている。
それぞれのポイントは複製測定の平均を示し、誤差は15%未満と見積もられる
【Fig.6】 様々な濃度のリガンドを用いた、NIH3T3細胞を発現
するFlt−1からの125I−VEGF(1−165)の競争的置換により測
定されるような、天然VEGF(「WT VEGF」)、LK−VRB−2s
(Flt−1選択変異体)及びFlt−1−sel(Flt−1選択変異体)に
よるFlt−1に対する結合親和性を示す。アッセイは、実施例7に詳細に記載
されている。それぞれのポイントは複製測定の平均を示し、誤差は15%未満と
見積もられる。
【Fig.7】 様々なVEGFアラニン置換変異体の結合の減少割合を割
り出した表である。実施例8に記載されるように、タンパク質ELISAは様々
なアラニン変異体で実施された。それぞれの残基における天然VEGF(1−1
09)のIC50に対する変異体のIC50の割合を挙げ、天然VEGFに比較
した変異体の結合の減少割合を示す。天然VEGF(1−109)のIC50
括弧内に示されている。太字で示される残基はFlt−1選択変異体の生成に使
用された。KDR選択変異体を生成するために、突然変異領域は、示されるよう
に5つのグループに分けられ、初めから4つは置換ファージディスプレイ選択の
構築ライブラリ構築に使用された。星印()のついた残基は、野生型に50%
の偏りでソフトランダム化され、2つの星印のついた残基はハードランダム化さ
れた。
【Fig.8A】 ラジオイムノレセプター結合アッセイ(RIA)の結果
を示し、Flt−1選択変異体(「Flt−1−sel」)は少なくとも470
倍減少したKDR結合親和性を有することが示された。また天然VEGF(「W
T VEGF」)に対する結合親和性も示される。それぞれのポイントは複製測
定の平均を示し、誤差は値の15%未満と見積もられる。
【Fig.8B】 ラジオイムノレセプター結合アッセイ(RIA)の結果
を示し、Flt−1選択変異体(「Flt−1−sel」)は天然VEGF(「
WT VEGF」)により示されるものと同等のFlt−1に対する結合親和性
を有することが示された。それぞれのポイントは複製測定の平均を示し、誤差は
値の15%未満と見積もられる。
【Fig.9】 KDRリン酸化を誘発する天然VEGF(「WT VEG
F」)及びFlt−1選択変異体(「Flt−1−sel」)の能力を測定する
KIRAアッセイの結果を示す。
【Fig.10】 HUVEC細胞増殖を誘発する天然VEGF(「WT
VEGF」)及びFlt−1選択変異体(「Flt−1−sel」)の能力を測
定するHUVEC増殖アッセイの結果を示す。それぞれのデータのポイントは、
推定誤差10−20%のを有する3回の実験の平均である。
【Fig.11】 天然VEGF、LK−VRB−2s(KDR選択変異
体)、Flt−sel(Flt−1選択変異体)、及びPIGFのヒトASMC
細胞によりMMP−9選択を促進する能力を測定するゼラチン酵素電気泳動分析
の結果を示す。示される酵素電気泳動像は2つの単独の実験の1つである。倍数
変化は、相対するバンドの密度を示す。
【Fig.12】 天然VEGF(「WT VEGF」)、Flt−sel
(Flt−1選択変異体)、及びKDR選択変異体(「KDR−sel」)によ
りMAPキナーゼの活性を測定する為に実施されたウエスタンブロット分析を示
す。該アッセイは実施例10に記載される。
【Fig.13】 天然VEGF(「WT」又は「VEGF」)、KDR選
択変異体(「KDR−sel」)、及びFlt−1(Flt−sel選択変異体
)の働き及びPLCγのKDR及びPI3’キナーゼリン酸化を決定する為に実
施されたウエスタンブロット分析を示す。該アッセイは実施例11に詳細に記載
される。
【Fig.14】 修正ボイデンチャンバーで実施されたHUVEC移動ア
ッセイの結果を図示する棒グラフを示す。(a)は天然VEGF(「WT」)、
Flt−1選択変異体(「Flt−sel」)、及びKDR選択変異体(「KD
R−sel」)の示される濃度で成されたHUVEC移動を示す。(b)は、天
然VEGF(「VEGF」)に関連するHUVEC移動を減退させるPI3’キ
ナーゼ阻害剤(「LT」)の添加実験の結果を示す。実験は3回実施され、誤差
の棒は標準誤差を示す。
【Fig.15】 インビボ角膜ポケット血管新生アッセイの結果を示す。
(a)の図のスライドはコントロール処理、天然VEGF(「VEGF」)、K
DR選択変異体及びFlt−1選択変異体に応答する角膜血管新生の範囲の代表
的な例を示す。(b)は、コントロール処理、天然VEGF(「VEGF」)、
KDR選択変異体(「KDR−sel」)、Flt−1選択変異体(「Flt−
sel」)及びPIGFの結果生じた角膜血管新生の表面領域の量的分析を示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/21 4H045 1/19 C12Q 1/02 1/21 G01N 33/68 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/02 5/00 A G01N 33/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 カニンガム,ブライアン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94402, サン マテオ,ヒルクレスト ロード 410 (72)発明者 デボス,アブラハム アメリカ合衆国 カリフォルニア 94610, オークランド,イースト サーティサード ストリート 1035 (72)発明者 リ,ビン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94044, フォスター シティー,ドルフィン アイ ル 316 Fターム(参考) 2G045 AA24 AA25 CB01 FB02 FB03 FB07 4B024 AA01 BA21 CA04 CA06 DA06 EA03 GA14 HA01 4B063 QA01 QQ08 QR48 QS03 QS33 4B065 AA26X AA90X AA99Y AB01 BA03 CA24 CA44 4C084 AA02 AA07 BA01 BA02 BA08 BA22 BA23 CA18 CA25 DB57 MA01 NA14 ZA361 ZA441 ZB211 ZC411 4H045 AA10 BA10 CA40 DA01 EA28 FA74

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然VEGFのアミノ酸配列の1又は複数のアミノ酸の変異
    を含み、KDRレセプターに対する選択的結合親和性を有するVEGF変異体ポ
    リペプチド。
  2. 【請求項2】 前記1又は複数のアミノ酸の変異が天然VEGF配列の位置
    17と25で、又はその間に1又は複数のアミノ酸の置換を含んでなる、請求項
    1に記載のVEGF変異体。
  3. 【請求項3】 前記1又は複数のアミノ酸の変異が、天然VEGF配列の位
    置63と66で、又はその間で1又は複数のアミノ酸置換を含んでなる、請求項
    1に記載のVEGF変異体。
  4. 【請求項4】 前記ポリペプチドが少なくとも4つの異なるアミノ酸変異を
    含み、4つの前記アミノ酸変異が次のアミノ酸置換:M18E、Y21L、Q2
    2R、Y25Sである、請求項1に記載のVEGF変異体。
  5. 【請求項5】 前記ポリペプチドが少なくとも3つの異なるアミノ酸変異を
    含み、3つのアミノ酸変異が次のアミノ酸置換:D63S,G65M、L66R
    である請求項1に記載のVEGF変異体。
  6. 【請求項6】 前記ポリペプチドが少なくとも4つの異なるアミノ酸変異を
    含み、4つの前記アミノ酸突然変異が次のアミノ酸置換:M18E、D63S,
    G65M、L66Rである、請求項1に記載のVEGF変異体。
  7. 【請求項7】 前記ポリペプチドが少なくとも4つの異なるアミノ酸突然変
    異を含み、4つの前記アミノ酸変異が次のアミノ酸置換:Y21L、D63S,
    G65M、L66Rである、請求項1に記載のVEGF変異体。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のVEGF変異体をコードするDNA配列を
    含んでなる単離された核酸。
  9. 【請求項9】 前記DNA配列が請求項4に記載のVEGF変異体をコード
    する、請求項8に記載の単離された核酸。
  10. 【請求項10】 前記DNA配列が請求項5に記載のVEGF変異体をコー
    ドする、請求項8に記載の単離された核酸。
  11. 【請求項11】 前記DNA配列が請求項6に記載のVEGF変異体をコー
    ドする、請求項8に記載の単離された核酸。
  12. 【請求項12】 前記DNA配列が請求項7に記載のVEGF変異体をコー
    ドする、請求項8に記載の単離された核酸。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載の核酸を含んでなるベクター。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
  15. 【請求項15】 請求項1のVEGF変異体と担体を含む組成物。
  16. 【請求項16】 前記担体が製薬的に許容可能な担体である、請求項15に
    記載の組成物。
  17. 【請求項17】 請求項1のVEGF変異体を有する細胞又は組織に接触し
    、前記細胞又は組織中に又はその上に存在しうるKDRレセプターに対する前記
    VEGF変異体の結合を測定することを含んでなるKDRをレセプターを検知す
    るアッセイ。
  18. 【請求項18】 請求項1のVEGF変異体の有効量に対してKDRレセプ
    ターを発現する哺乳動物細胞を暴露することを含んでなる、脈管形成又は血管新
    生を促進する方法。
  19. 【請求項19】 請求項15の組成物を含む容器とインビトロ又はインビボ
    で前記組成物を使用する為の指示書を提供する前記容器上のラベルを含んでなる
    、製造品。
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