JP2003348792A - 流体動圧軸受モータ - Google Patents
流体動圧軸受モータInfo
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Abstract
おり、スタート、ストップ時にハブと動圧軸受部材とが
接触しても、ハブの摩耗を抑制して、寿命を延ばすこと
ができる流体動圧モータを得る。 【解決手段】 動圧軸受部材14および動圧軸受部材1
4に対して相対回転する回転軸16と、回転軸16と動
圧軸受部材14との間に介在している流体と、回転軸1
6と一体に回転駆動される回転部材20と、動圧軸受部
材14の軸方向端面と回転部材20の軸方向端面との軸
方向対向領域に設けられたスラスト動圧軸受34とを有
し、回転部材20は、ディスク載置部21を有しアルミ
系材料で形成されたハブと、このハブに設けられると共
に鉄系材料からなっていてスラスト動圧軸受34を構成
するスラストプレート32とを含む。
Description
部材を備え、回転軸と動圧軸受部材とが互いに非接触で
相対回転することができる流体動圧軸受モータに関する
もので、たとえば磁気ディスク、光ディスク等のディス
ク駆動用モータとして、その他、高い回転精度が要求さ
れる各種装置の駆動モータとして用いることができるも
のである。
動モータとして流体動圧軸受モータが用いられている。
たとえば、ハードディスク駆動装置においては、ハード
ディスクの記録密度が月日を追って高くなっており、こ
れに伴って、ディスクの回転速度および回転精度がます
ます高くなっている。ディスクの高回転速度化および高
回転精度化の要求に応えるには、流体動圧軸受モータ、
例えばオイル動圧モータを用いることが適している。
高回転精度化を図るためには、接合部材相互の接合長さ
を長くし、また、動圧軸受の剛性を高めるために、ラジ
アル動圧軸受による軸受範囲を軸方向に長く確保するこ
とが有効である。一方、オイル動圧モータにおいては、
寿命を長く維持するために十分な量の潤滑オイルを封入
することができるように工夫することが望まれ、また、
潤滑オイルの流出を防止するためのシール装置を、空間
的余裕をもって配置できることが望ましい。
関して本出願人は先に特許出願した。特開2001−6
5552公報に記載されている発明はその例である。こ
の公報記載の動圧軸受装置は、回転軸とこの回転軸を支
持する動圧軸受部材としてのスリーブとの間にラジアル
軸受を構成し、回転軸と一体の回転体であるハブの裏面
とスリーブ端面との間でスラスト軸受を構成したもので
ある。ラジアル軸受とスラスト軸受内には潤滑オイルが
充填されている。スラスト軸受は軸方向において1面の
みに形成され、停止時は、駆動マグネットとその軸方向
端面と対向して配置された磁気吸引板との間に発生する
磁気吸引力で、回転軸およびこれと一体のハブの動圧軸
受部材に対する軸方向の位置が所定位置に決められるよ
うになっている。スラスト軸受に形成されている動圧発
生用スパイラル溝は、ハブが回転することで軸受内圧が
上がるような形状に形成されている。内圧が上がること
でハブはスリーブ端面から浮上し、スリーブに非接触で
回転軸およびこれと一体のハブが回転する。
受モータによって回転駆動される磁気ディスクは、その
材料として、アルミ合金、ガラス、樹脂などが用いられ
ている。この磁気ディスクを載置して一体回転するハブ
の材料としては、磁気ディスク材料とほぼ同等の熱膨張
係数を有する材料を選定する。その理由は、温度変化で
ディスクが反ることを防止するためである。通常、アル
ミ合金製ディスクにはアルミ合金製ハブを、ガラス製デ
ィスクにはフェライト系ステンレス鋼製ハブなどが用い
られる。
合金製ディスクの方が安価である。しかし、アルミ合金
製ディスクに適合するアルミ合金製ハブは比較的柔らか
く、これに回転軸を接合したときの強度が充分でなく、
構造上の工夫が必要である。そこで本出願人の出願にか
かる特開2000−134881公報に記載されている
ように、アルミ合金製ハブの内周側と回転軸の外周側と
の間に硬質の環状連結体を介在させ、これらを一体に接
合したモータが提案されている。アルミ合金製ハブの内
周側に硬質の環状連結体を一体に嵌めることにより、ア
ルミ合金製ハブと硬質の環状連結体との接合部の直径を
大きくして接合面積を大きくし、比較的柔らかい材料で
あるアルミ合金製ハブと回転軸との接合強度を高めるこ
とを狙ったものである。
ータにおいて、動圧軸受部材としてのスリーブの材料と
して、一般的にはリン青銅などの銅合金、あるいはフェ
ライト系ステンレス鋼などの鉄系合金を使用している。
アルミ合金製のディスクを使用する場合、ハブの材料も
前述のようにアルミ合金を使用しなければならない。し
かし、スラスト軸受を構成するハブがアルミ合金では、
硬度が充分でないため、スラスト軸受を構成する上記ハ
ブの裏面と動圧軸受部材としてのスリーブの端面とが、
スタート、ストップ時に接触することによってハブの裏
面の摩耗が早くなり、動圧軸受としての寿命が短いとい
う難点がある。
てなされたもので、アルミ系材料からなるハブを回転部
材としたものにおいて、スタート、ストップ時にハブと
動圧軸受部材とが接触しても、ハブの摩耗を抑制して、
寿命を延ばすことができる流体動圧軸受モータを提供す
ることを目的とする。
動圧軸受部材およびこの動圧軸受部材に対して相対回転
する回転軸と、回転軸と動圧軸受部材との間に介在して
いる流体と、回転軸と一体に回転駆動される回転部材
と、動圧軸受部材の軸方向端面と回転部材の軸方向端面
との軸方向対向領域に設けられたスラスト動圧軸受とを
有し、上記回転部材は、ディスク載置部を有しアルミ系
材料で形成されたハブと、このハブに設けられると共に
鉄系材料からなっていてスラスト動圧軸受を構成するス
ラストプレートとを含むことを特徴とする。
明において、動圧軸受部材は軸方向端部を半径方向外側
に向かって拡径した拡径部を有し、動圧軸受部材の拡径
部側端面とスラストプレートとの軸方向対向領域にスラ
スト動圧軸受が形成されていることを特徴とする。
明において、動圧軸受部材の拡径部を回転部材との間で
挟み込む脱落阻止部材が回転部材に設けられていて、動
圧軸受部材と回転部材とが互いに脱落することを防止し
ていることを特徴とする。
明において、脱落阻止部材は、回転部材に設けられてい
るスラストプレートに当接して軸方向の位置が決められ
ていることを特徴とする。
記載の発明において、スラストプレートの内周側に回転
軸が一体に嵌められ、スラストプレートの外周側に回転
部材が一体に嵌められていることを特徴とする。
明において、回転軸と動圧軸受部材との半径方向の対向
面にラジアル動圧軸受が形成され、ラジアル動圧軸受と
スラスト動圧軸受には潤滑オイルが充填されていること
を特徴とする。
明において、動圧軸受部材の外周面とこれに対向する脱
落阻止部材の内周面との間隔が軸方向外側に向かって徐
々に拡大するテーパー部が上記スラスト動圧軸受より軸
方向外側に設けられ、このテーパー部により潤滑オイル
の流出を防止する毛細管シール部が構成されていること
を特徴とする。
にかかる流体動圧軸受モータの実施形態について説明す
る。この実施形態は、ハードディスク等のディスクを回
転駆動するディスク駆動装置として構成されている。
14は動圧軸受部材をそれぞれ示している。動圧軸受部
材14はスリーブ状になっていて、その中心孔には微小
な間隙をおいて回転軸16が嵌められている。回転軸1
6には動圧軸受部材14の上端から突出した部分に回転
部材20が圧入等によって接合されている。この例で
は、回転部材20はディスクを載置して回転するハブ
で、外周の軸方向中間部に段部を有し、この段部の上面
がディスク載置部21となっている。回転軸16と回転
部材20との接合部は、動圧を発生するための流体とし
ての潤滑オイルが上記接合部から外部に漏れないよう
に、全周が溶接され、またはシール材によってシールさ
れている。回転部材20はアルミ合金など、アルミ系材
料からなる。
受26、26を形成するための円筒部と、この円筒部の
外周側に形成されたスラスト動圧軸受34形成用の拡径
部28とを有してなる。この拡径部28は、上記円筒部
の一端部(図において上端部)に、フランジ状に形成さ
れている。上記回転部材20の裏面すなわち天井部には
リング状のスラストプレート32が埋め込まれている。
スラストプレート32の下面と回転部材20の天井面は
ほぼ同一面になっている。回転部材20の天井面は動圧
軸受部材14の上端面と微小な間隙をおいて対向し、ス
ラストプレート32の下面は半径方向内側のほぼ半分が
動圧軸受部材14の上記拡径部28の上面と微小な間隙
をおいて対向している。動圧軸受部材14の上記拡径部
28の上面にはスラスト方向の動圧力を発生するスパイ
ラル溝が形成されて、上記拡径部28とスラストプレー
ト32との間にスラスト動圧軸受34が形成されてい
る。動圧軸受部材14と回転部材20との対向面間およ
びスラスト動圧軸受34には潤滑流体としての潤滑オイ
ルが介在している。スラストプレート32は鉄系材料か
らなる。
径方向外側のほぼ半分に脱落阻止部材30が接合されて
いる。脱落阻止部材30は、上端部の大径部とそれ以外
の小径部とからなっていて、上記大径部と小径部との間
の外周側顎部付近において回転部材20がかしめられる
ことにより、脱落阻止部材30がスラストプレート32
に接合された状態で回転部材20に固着されている。脱
落阻止部材30の内周側には、上記大径部と小径部との
間に段部が形成されていて、この段部が上記拡径部28
の下面と微小な間隙をおいて対向している。このよう
に、動圧軸受部材14の拡径部28を、実質一体の回転
部材20と脱落阻止部材30とで微小な間隙をおいて挟
み込んでいて、回転部材20と一体の回転軸16が動圧
軸受部材14から脱落するのを阻止している。
は、軸方向両端近くにおいてラジアル動圧発生用溝が形
成されている。上記ラジアル動圧発生用溝は、動圧軸受
部材14の円筒部内周面の上下2箇所に、全周にわたっ
て形成され、動圧軸受部材14と回転軸16との間でラ
ジアル動圧軸受26が形成されている。上記スラスト動
圧発生用溝も、拡径部28の上面の全周にわたって形成
されている。これらの動圧発生用溝は、回転軸16が動
圧軸受部材14に対して回転することにより、回転軸1
6および動圧軸受部材14相互間の潤滑オイルに動圧力
を発生させ、回転軸16を動圧軸受部材14などに非接
触で回転自在に支持する。
同心円形の周溝が形成され、この周溝には、偏平なキャ
ップ状のカバー22の周壁が落とし込まれ、動圧軸受部
材14の下端開口がカバー22で塞がれている。カバー
22の外周部は上記動圧軸受部材14の下端周溝内にお
いて接着剤で封止されている。
る動圧軸受部材14の外周面との間、脱落防止部材30
の大径部内周面とこれに対向する動圧軸受部材14の拡
径部28の外周面との間、スラストプレート32の内周
側約半分の下面とこれに対向する上記拡径部28の上面
との間すなわちスラスト動圧軸受34の部分、回転部材
20の天井面とこれに対向する動圧軸受部材14の上面
との間、ラジアル軸受26、26を含む動圧軸受部材1
4の内周面と回転軸16の外周面との間、および上記カ
バー22と回転軸16の下端面との間には隙間が形成さ
れている。これらの隙間は互いに上記の順に連通してい
て、この隙間には前記潤滑オイルが充填されている。脱
落防止部材30の内周面とこれに対向する上記動圧軸受
部材14の外周面との間の隙間は下に向かって開放して
いる。また、脱落防止部材30の内周面に対向する上記
動圧軸受部材14の外周面は、下に向かって外径が小さ
くなる向きのテーパー部となっていて、上記脱落防止部
材30の内周面と動圧軸受部材14の外周面との間の隙
間は、その間隔が下に向かって徐々に拡大する毛細管シ
ール部となっている。この毛細管シール部から上記隙間
に潤滑オイルが注入され、毛細管シール部に、潤滑オイ
ルの液面が位置している。
周は、ベースプレート10の中心部に形成された円筒部
12の内周側に嵌合され固定されている。ベースプレー
ト10の上記円筒部12は脱落防止部材30近くまで延
びている。ベースプレート10の上記円筒部12の外周
側にステータ60が固定されている。ステータ60は、
コア48と、このコア48が一体に有している複数の突
極に巻き回された駆動コイル50とを有し、コア48の
内周面が上記円筒部12の外周面に固定されている。上
記複数の突極先端は半径方向外側に向いている。
いて、この周壁44の内周面にはリング状バックヨーク
40の介在のもとにリング状の駆動マグネット42が取
り付けられている。この駆動マグネット42と、回転部
材20と、回転軸16とでモータのロータを構成してい
る。上記ステータ60を構成するコア48の突極先端面
は、上記駆動マグネット42の内周面と適宜の間隙をお
いて対向していて、駆動コイル50への通電を切り替え
ることによってロータが回転駆動されるようになってい
る。このように、図1に示す実施形態は、アウターロー
タ形の流体動圧軸受モータになっている。
は、上記駆動マグネット42の下端面と対向する位置
に、リング状の磁性板52が固定されている。磁性板5
2は、駆動マグネット42の下端面と適宜の間隔をおい
て対向していて、磁性板52と駆動マグネット42との
間にはスラスト方向の磁気吸引力が発生する。この磁気
吸引力は、回転部材20の回転によりスラスト動圧軸受
34に発生するスラスト方向の動圧力に対して反対向き
の力となる。回転部材20の回転によりスラスト動圧軸
受34で発生するスラスト方向の力と、上記スラスト方
向の磁気吸引力とのバランスによって、回転部材20の
軸方向の位置が精度良く保たれるようになっている。
への通電を、駆動マグネットの回転位置に応じて切り替
え制御することにより、ステータコア48の突極と、ロ
ータの駆動マグネット42との磁気的吸引反発力で、駆
動マグネット42、回転部材20と回転軸16を含むロ
ータが回転駆動される。このロータの回転によって、ス
ラスト動圧軸受34に存在する潤滑オイルにスラスト動
圧力が発生し、また、ラジアル動圧軸受26、26に存
在する潤滑オイルにラジアル動圧力が発生し、回転軸1
6、回転部材20およびスラストプレート32が動圧軸
受部材14に対し非接触状態を保持したままで相対回転
する。
あるハブの材料が、耐磨耗性の低いアルミ系材料であ
る。このハブに直接スラスト動圧軸受を形成したとする
と、従来の問題点のように、スタート、ストップ時に動
圧軸受部材14と接触して急速に摩耗する。しかし、回
転部材20に、鉄系材料からなるスラストプレート32
を埋め込み、このスラストプレート32と回転部材20
の拡径部28との軸方向対向領域にスラスト動圧軸受3
4を形成したため、スタート、ストップ時に動圧軸受部
材14とスラストプレート32とが接触したとしても、
スラストプレート32は耐磨耗性が高いため摩耗が遅
く、流体動圧軸受モータの寿命を長くすることができ
る。
の拡径部28とハブとで挟まれているため、外れること
はない。鉄系材料からなるスラストプレート32と、ア
ルミ系材料からなるハブとでは熱膨張係数に差があり、
単にスラストプレート32をハブに接合しただけでは、
温度変化によりスラストプレート32が剥がれるおそれ
がある。その点、上記のようにスラストプレート32を
挟み込んだ構造によれば、温度変化によりスラストプレ
ート32が剥がれることを防止することができる。
軸受34を構成する動圧溝の例を図2、図3に示す。図
2(a)(b)に示すように、動圧軸受部材14の拡径
部28の上面にはスラスト動圧軸受34を構成するスパ
イラル溝56が形成されている。また、動圧軸受部材1
4の軸方向両端部内周面にはラジアル動圧軸受26を構
成するヘリングボーン状の動圧溝54、55が形成され
ている。いずれの溝も、動圧軸受部材14の全周にわた
って形成されている。図3(a)(b)に示す動圧溝の
例も、図2(a)(b)に示す例とほぼ同様の構成にな
っているが、図2(a)(b)に示す例では、スラスト
動圧軸受34を構成するスパイラル溝56が動圧軸受部
材14の外周側と内周側ともに連通しているのに対し、
図3(a)(b)に示す例ではスラスト動圧軸受34を
構成するスパイラル溝57が動圧軸受部材14の内周側
において止まっている点が異なる。
にスラストプレート32が回転することにより、動圧軸
受内部の潤滑オイルがそれぞれの動圧溝で加圧され、ハ
ブと共にスラストプレート32が動圧軸受部材14から
浮上する。動圧軸受部材14の軸方向端面で、スラスト
動圧軸受34よりも内周側にある潤滑オイル、すなわち
毛細管シール部にある潤滑オイルは遠心力で外部に流出
しやすくなる。ただし、遠心力で移動する潤滑オイルの
量よりもスパイラル動圧溝で発生するポンピング力で移
動する潤滑オイルの量が多ければ、潤滑油は漏れない。
さらに、所定のポンピング力で軸受内部を加圧すること
により、動圧軸受部材14から回転部材20を効率的に
浮上させる。
の組立手順を、図4、図5を参照しながら説明する。図
4(a)は、回転軸16と、ハブである回転部材20
と、スラストプレート32とが一体化された状態で上下
反転された状態を示している。図4(b)は、一端がカ
バー22で塞がれた動圧軸受部材14を、上下反転した
状態で示している。図4(c)に示すように、上記動圧
軸受部材14を上記回転軸16の外周側から挿入する。
次に、図4(d)に示す脱落阻止部材30を、図4
(e)に示すように、上記動圧軸受部材14の外周側か
ら挿入し、脱落阻止部材30の端面をスラストプレート
32の外周側約半分に接合させる。さらに、回転部材2
0をかしめ、図4(f)に示すように、脱落阻止部材3
0と回転部材20を一体化する。回転部材20と脱落阻
止部材30とのかしめ部および接合部を樹脂で封止し、
次に述べる潤滑オイルの流出を防止する。図4(f)に
示す姿勢で、脱落阻止部材30の内周面と動圧軸受部材
14の外周側との間に形成されている毛細管シール部か
ら潤滑オイルを注入し、軸受組とする。
グネット42を(h)に示すバックヨーク40の内周面
に沿って挿入し、(i)に示すように駆動マグネット4
2とバックヨーク40とを固着する。図5(f)に示す
ように、図4(f)に示す軸受組を上下反転して正規の
姿勢すなわち動圧軸受部材14、回転軸16が回転部材
20から下に延びた姿勢にし、この姿勢で、図5(j)
に示すように、上記駆動マグネット42を固着したバッ
クヨーク40を、回転部材20の周壁内周面に挿入し固
着する。
各突極に駆動コイル50が巻き回されてなるステータ6
0がベースプレート10に固定されて、ステータ・ベー
ス部組が構成されている。このステータ・ベース部組を
構成するベースプレート10の円筒部12の内周側に、
図5(j)に示す軸受・ロータ組の動圧軸受部材14が
挿入され、圧入などの適宜の固着手段によって固着さ
れ、図5(j)に示すように流体動圧軸受モータが完成
する。
に固着されたスラストプレート32に脱落阻止部材30
が接合されていたが、脱落阻止部材30は回転部材20
に直接接合されていてもよく、これによっても脱落阻止
機能を持つことができる。図6に示す実施形態はその例
で、回転部材20に脱落阻止部材30の上端面が直接接
合されている。
レート32の厚さ寸法のばらつきが直接スラスト方向の
隙間寸法のばらつきとなって表れる難点がある。図6の
(a)と(b)はこのことを比較して示している。図6
(a)はスラストプレート32の厚さ寸法がT1の場
合、図6(b)はスラストプレート32の厚さ寸法がT
2の場合であって、T1<T2の関係になっている場合
を示している。上記T1の場合は前記動圧軸受部材14
の拡径部28の顎部と脱落阻止部材30の段部とのスラ
スト方向の隙間寸法がH1、上記T2の場合は上記スラ
スト方向の隙間寸法がH2で、H1>H2となり、スラ
スト方向の隙間寸法Hのばらつきが大きい。
実施形態によれば、スラストプレート32の厚さ寸法が
ばらついても、動圧軸受部材14の拡径部28の顎部と
脱落阻止部材30の段部とのスラスト方向の隙間寸法H
のばらつきは生じない。図7はこの理由を説明してい
る。図7(a)はスラストプレート32の厚さ寸法がT
3の場合、図6(b)はスラストプレート32の厚さ寸
法がT4の場合であって、T3<T4の関係になってい
る。スラストプレート32には、半径方向外側の約半分
の下面に脱落阻止部材30の上端面が接合した状態で脱
落阻止部材30が回転部材20の固着されている。動圧
軸受部材14の拡径部28とスラストプレート32の半
径方向内側約半分の下面との間でスラスト動圧軸受34
が構成され、この動圧力で相互間の間隙は一定に保たれ
る。そのため、スラスト動圧軸受34部分のスラスト方
向間隙の基準位置と脱落阻止部材30のスラスト方向基
準位置とがともにスラストプレート32の下面であり、
動圧軸受部材14の拡径部28の顎部と脱落阻止部材3
0の段部とのスラスト方向の隙間寸法は図7の(a)
(b)の場合ともにH3で変わりがない。
すると、振動や衝撃などで、ハブに載置されている磁気
ディスクが磁気ヘッドのランプロード部に接触するなど
の不具合が発生する。逆に、スラスト方向の隙間が狭く
なると、ロストルクが増大して駆動電流値が増え、ま
た、拡径部28の顎部と脱落防止部材30の段部とが接
触するという難点がある。その点、図1、図7に示すよ
うな構成にしておけば、スラスト方向の動圧力が安定
し、動圧力のばらつきによる不具合を解消することがで
きる。
施形態と異なる部分を重点的に説明する。図8に示す実
施形態が前記実施形態と異なる部分は、スラストプレー
トの形状ないしは構造である。図8において、符号33
はスラストプレートを示しており、スラストプレート3
3は、円筒部と、軸方向一端部の外径を拡張した鍔部3
5とを有してなる。スラストプレート33の上記円筒部
内周側に回転軸16が一体に嵌められ、スラストプレー
ト33の上記鍔部35の外周側にディスクを載置するハ
ブである回転部材20が一体に嵌められている。上記鍔
部35の下面は動圧軸受部材14の上端面と微小間隙を
おいて対向すると共に、動圧軸受部材14の上端面より
も外周側にはみ出した上記鍔部35の下面には脱落阻止
部材30の上端面が接合されている。動圧軸受部材14
の拡径部28の上面にはスラスト方向の動圧力を発生す
るためのスパイラル溝が形成され、上記スラストプレー
ト33の鍔部35の下面と動圧軸受部材14の拡径部2
8との間でスラスト動圧軸受34が形成されている。回
転部材20はアルミ系材料で形成され、スラストプレー
ト33は鉄系材料で形成されている。
と回転部材20との間に鉄系材料からなるスラストプレ
ート33が介在しているので、回転軸16とスラストプ
レート33との結合強度を高めることができると共に、
スラストプレート33の外周側で回転部材20と結合し
ているので、結合面積を大きくしてスラストプレート3
3と回転部材20との結合強度を高めることができ、結
果として、回転軸16と回転部材20との結合強度を高
めることができる。前にも述べたとおり、アルミ系材料
からなるハブと回転軸との結合強度を高めるため、ハブ
と回転軸との間に鉄系リングを介在させたものはあった
が、図8に示す実施形態では、スラストプレート33が
上記鉄系リングを兼ねており、この点が従来技術とは異
なっている。また、スラストプレート33と上記鉄系リ
ングとを一つの部材で形成することができる利点があ
る。
型であったが、本発明はインナーロータ型にも適用する
ことができる。本発明は、動圧発生用流体として潤滑オ
イルを使用したオイル動圧モータに限らず、動圧発生用
流体として空気を利用した空気動圧モータにも適用可能
である。本発明にかかる流体動圧軸受モータは、ディス
ク駆動モータだけでなく、各種回転体の駆動モータとし
て用いることができる。
動される回転部材は、アルミ形材料で形成されたハブ
と、このハブに設けられ鉄系材料で形成されたスラスト
プレートとを含み、このスラストプレートと動圧軸受部
材との間でスラスト動圧軸受を構成しているため、スタ
ート、ストップ時にハブと動圧軸受部材とが接触して
も、ハブの摩耗を抑制して、寿命を延ばすことができ
る。
軸受部材に拡径部を設けてこの拡径部にスラスト動圧軸
受を形成すると共に、上記拡系部を回転部材と脱落阻止
部材とで挟み込むことにより、動圧軸受部材と回転部材
とが互いに脱落することを防止することができる。
材をスラストプレートに当接させることにより、流体が
介在する隙間であってスラスト方向の隙間が安定し、ス
ラスト方向の動圧力のばらつきを低減することができ
る。
料からなるハブと回転軸との結合強度を高めることがで
きる。
を示す断面図である。
材の例を示すもので、(a)は平面図、(b)は縦断面
図である。
材の別の例を示すもので、(a)は平面図、(b)は縦
断面図である。
立手順を示す断面図である。
図である。
形態を示す要部断面図で、(a)と(b)はそれぞれス
ラストプレートの厚さ寸法が異なる場合を示している。
す要部断面図で、(a)と(b)はそれぞれスラストプ
レートの厚さ寸法が異なる場合を示している。
の実施形態を示す断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 動圧軸受部材およびこの動圧軸受部材に
対して相対回転する回転軸と、 上記回転軸と動圧軸受部材との間に介在している流体
と、 上記回転軸と一体に回転駆動される回転部材と、 上記動圧軸受部材の軸方向端面と上記回転部材の軸方向
端面との軸方向対向領域に設けられたスラスト動圧軸受
とを有し、 上記回転部材は、ディスク載置部を有しアルミ系材料で
形成されたハブと、このハブに設けられると共に鉄系材
料からなっていて上記スラスト動圧軸受を構成するスラ
ストプレートとを含むことを特徴とする流体動圧軸受モ
ータ。 - 【請求項2】 動圧軸受部材は軸方向端部を半径方向外
側に向かって拡径した拡径部を有し、動圧軸受部材の拡
径部側端面とスラストプレートとの軸方向対向領域にス
ラスト動圧軸受が形成されている請求項1記載の流体動
圧軸受モータ。 - 【請求項3】 動圧軸受部材の拡径部を回転部材との間
で挟み込む脱落阻止部材が回転部材に設けられていて、
動圧軸受部材と回転部材とが互いに脱落することを防止
している請求項2記載の流体動圧軸受モータ。 - 【請求項4】 脱落阻止部材は、回転部材に設けられて
いるスラストプレートに当接して軸方向の位置が決めら
れている請求項3記載の流体動圧軸受モータ。 - 【請求項5】 スラストプレートの内周側に回転軸が一
体に嵌められ、スラストプレートの外周側に回転部材が
一体に嵌められている請求項1または2記載の流体動圧
軸受モータ。 - 【請求項6】 回転軸と動圧軸受部材との半径方向の対
向面にラジアル動圧軸受が形成され、ラジアル動圧軸受
とスラスト動圧軸受には潤滑オイルが充填されている請
求項1記載の流体動圧軸受モータ。 - 【請求項7】 動圧軸受部材の外周面とこれに対向する
脱落阻止部材の内周面との間隔が軸方向外側に向かって
徐々に拡大するテーパー部が上記スラスト動圧軸受より
軸方向外側に設けられ、このテーパー部により潤滑オイ
ルの流出を防止する毛細管シール部が構成されている請
求項6記載の流体動圧軸受モータ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007043893A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-02-15 | Victor Co Of Japan Ltd | モータ |
JP2011083095A (ja) * | 2009-10-06 | 2011-04-21 | Panasonic Corp | 冷却装置 |
JP2015146734A (ja) * | 2015-05-22 | 2015-08-13 | 株式会社Takayanagi | 電気自動車用の回転電機 |
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2002
- 2002-05-24 JP JP2002151311A patent/JP4080243B2/ja not_active Expired - Fee Related
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