JP2003347779A - ヒートシンク装置 - Google Patents

ヒートシンク装置

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JP2003347779A
JP2003347779A JP2002152174A JP2002152174A JP2003347779A JP 2003347779 A JP2003347779 A JP 2003347779A JP 2002152174 A JP2002152174 A JP 2002152174A JP 2002152174 A JP2002152174 A JP 2002152174A JP 2003347779 A JP2003347779 A JP 2003347779A
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heat sink
fin
sink base
fins
small
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Application number
JP2002152174A
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English (en)
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Susumu Yoshimura
寿守務 吉村
Kunihiko Kaga
邦彦 加賀
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の大型化や製造コストの増大を招来する
ことなく、冷却性能の向上を図ること。 【解決手段】 ヒートシンクベース10の表面10aに
複数のフィンを有し、該ヒートシンクベース10の表面
10aに対向配置した軸流ファン2を駆動することによ
ってフィンの相互間に空気を通過させることにより、ヒ
ートシンクベース10の裏面10bを介して被冷却体5
の冷却を行うヒートシンク装置において、フィンは、軸
流ファン2を駆動した場合にヒートシンクベース10の
表面10aに発生する空気の流れ方向に沿い、かつ互い
に所定の隙間11bを確保した状態で複数のフィン構成
要素11aを並設することにより構成した小フィン列1
1を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヒートシンク装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11(a)および図11(b)は、そ
れぞれ特開昭62−49700号公報に記載された従来
のヒートシンク装置を示すものである。1はヒートシン
クベース、2はヒートシンクベース1に対向して配置さ
れた軸流ファン、3は軸流ファン2を回転駆動するため
の駆動モータ、4はヒートシンクベース1の表面に立設
した複数のフィン、5はヒートシンクベース1の裏面に
取り付けられたパワーモジュール等の被冷却体である。
複数のフィン4は、軸流ファン2の外周部に対応する部
位からヒートシンクベース1の端部に向かって放射状に
延在し、かつそれぞれが一様な肉厚を有している。
【0003】次に、動作について説明する。上記ヒート
シンク装置では、軸流ファン2の回転駆動によって発生
した気流が、隣接するフィン4の相互間に形成される風
路を通過する。この間、風路を通過する気流とフィン4
との間で熱交換が行われ、ヒートシンクベース1を介し
て被冷却体5が冷却されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のヒ
ートシンク装置では、軸流ファン2の回転駆動によって
発生した気流が、ヒートシンクベース1の表面に衝突し
た際に当該ヒートシンクベース1の表面に沿った方向に
偏向され、その後、ヒートシンクベース1の端部に向か
って流れ去る。ここで、気流が偏向される際には、遠心
力の作用によりヒートシンクベース1の表面側に縮流し
て速度が増加する。このため、フィン4において実質的
に気流が通過する面積が減少することになる。
【0005】図12(a)は、この様子を示した模式図
である。同図に示すように、フィン4の高さ方向におい
て実際に気流が通過する有効伝熱面積6は、ヒートシン
クベース1の表面側に位置した一部分のみとなる。上述
したように、こうした現象は、偏向の際に気流が縮流す
ることに起因するものである。従って、仮にフィン4の
高さを増加させたとしても、有効伝熱面積6に何等の変
化も与えることができず、冷却性能の向上を図ることは
困難である。
【0006】一方、図12(b)は、気流がフィン4と
熱交換する様子を説明する模式図である。図に示すよう
に、上記ヒートシンク装置では、軸流ファン2の回転駆
動によって発生した気流がフィン4を通過する際に、当
該フィン4に沿って温度境界層7が連続的に発達するよ
うになる。このため、気流とフィン4との間の熱の伝わ
り易さを表す平均熱伝達率は、温度境界層7が薄いフィ
ン4の先端部分、つまり気流が流入する上流端部分での
み高くなり、それより下流側では温度境界層7の影響に
よって著しく低下するようになる。
【0007】このように、図11に示したヒートシンク
装置にあっては、フィン4全体で熱伝達率を上げること
が困難であり、冷却性能の向上を図るには限界がある。
【0008】さらに、放射状に延在したフィン4が空気
の流れに沿って配置されていないため、フィン4の相互
間を通過する際の抵抗により、気流の速度が著しく低下
するようになり、このこともヒートシンク装置において
冷却性能の向上を図る上で妨げとなっている。
【0009】こうした冷却性能の問題は、ヒートシンク
ベース1として、ファンあるいはフィンに対向する面の
表面積が大きなものを適用すれば、改善することが可能
になる。しかしながら、ファンあるいはフィンに対向す
る面の表面積が大きなヒートシンクベース1を適用した
場合には、当該ヒートシンクベース1に見合った大型の
軸流ファン2を適用する必要があり、装置が著しく大型
化するとともに、製造コストが大幅に増大する事態を招
来する。
【0010】この発明は、上記実情に鑑みてなされたも
ので、装置の大型化や製造コストの増大を招来すること
なく、冷却性能の向上を図ることのできるヒートシンク
装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかるヒートシンク装置は、ヒートシン
クベースの表面に複数のフィンを有し、該ヒートシンク
ベースの表面に対向配置した送風ファンを駆動すること
によって前記フィンの相互間に空気を通過させることに
より、前記ヒートシンクベースの裏面を介して被冷却体
の冷却を行うヒートシンク装置において、前記フィン
が、前記送風ファンを駆動した場合に前記ヒートシンク
ベースの表面に発生する空気の流れ方向に沿い、かつ互
いに所定の隙間を確保した状態で複数のフィン構成要素
を並設することにより構成した小フィン列を備えること
を特徴とする。
【0012】この発明によれば、小フィン列が複数のフ
ィン構成要素を並設することによって構成したものであ
るため、該小フィン列に沿って気流が通過した場合にも
温度境界層が連続的に発達する事態が防止される。しか
も、小フィン列が送風ファンを駆動した場合にヒートシ
ンクベースの表面に発生する空気の流れ方向に沿ったも
のであるため、小フィン列に沿って気流が通過する際の
抵抗が著しく低減される。
【0013】つぎの発明にかかるヒートシンク装置は、
ヒートシンクベースの表面に複数のフィンを有し、該ヒ
ートシンクベースの表面に対向配置した送風ファンを駆
動することによって前記フィンの相互間に空気を通過さ
せることにより、前記ヒートシンクベースの裏面を介し
て被冷却体の冷却を行うヒートシンク装置において、前
記フィンが、前記送風ファンを駆動した場合に前記ヒー
トシンクベースの表面に発生する空気の流れ方向に沿
い、かつ互いに所定の隙間を確保した状態で複数のフィ
ン構成要素を並設することにより構成した複数の小フィ
ン列と、前記送風ファンを駆動した場合に前記ヒートシ
ンクベースの表面に発生する空気の流れ方向に沿って連
続し、かつ前記複数の小フィン列を複数の組に仕切る仕
切フィンと、を備えることを特徴とする。
【0014】この発明によれば、小フィン列が複数のフ
ィン構成要素を並設することによって構成したものであ
るため、該小フィン列に沿って気流が通過した場合にも
温度境界層が連続的に発達する事態が防止される。しか
も、小フィン列が送風ファンを駆動した場合にヒートシ
ンクベースの表面に発生する空気の流れ方向に沿ったも
のであるため、小フィン列に沿って気流が通過する際の
抵抗が著しく低減される。さらに、仕切フィンの作用に
より、小フィン列の間隙を通過する気流が抑制される。
【0015】つぎの発明にかかるヒートシンク装置は、
上記の発明において、隣合う小フィン列においては、そ
れぞれの延在方向に沿って前記複数のフィン構成要素を
千鳥状に配置したことを特徴とする。
【0016】この発明によれば、各小フィン列において
フィン構成要素の相互間隙が十分に確保される。また、
フィン構成要素に空気の流れが衝突し、ヒートシンクベ
ースの表面から離隔する方向に偏向するようになる。
【0017】つぎの発明にかかるヒートシンク装置は、
上記の発明において、前記小フィン列は、気流の上流側
に向けて前記ヒートシンクベースからの前記フィン構成
要素の突出高さを漸次低く構成したことを特徴とする。
【0018】この発明によれば、フィン構成要素におい
て伝熱に関与しない部分が省略される。
【0019】つぎの発明にかかるヒートシンク装置は、
上記の発明において、前記ヒートシンクベースにおける
被冷却体の配置位置に対応する部位にのみ前記小フィン
列を配置したことを特徴とする。
【0020】この発明によれば、フィンの伝熱面積を確
保するために、例えばフィンおよびヒートシンクベース
を大きくする必要がある場合にも、全体冷却性能への寄
与率が大きい被冷却体の配置位置に近い部分に立設され
たフィンほど相対的に性能を高め、被冷却体の配置位置
より外周部ほど通風抵抗が大きくならない程度にフィン
を構成しているため、全体的にフィンの性能を上げるよ
り、十分な送風量が確保され、全体冷却性能が向上す
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかるヒートシンク装置の好適な実施の形態を詳
細に説明する。
【0022】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1であるヒートシンク装置の構成を模式的に示すも
ので、図1(a)は断面側面図、図1(b)は平面図で
ある。ここで例示するヒートシンク装置は、パワーモジ
ュール等の被冷却体5を冷却するためのもので、送風の
ための軸流ファン2およびヒートシンクベース10を備
えている。軸流ファン2は、駆動モータ3によって回転
駆動した場合に、ヒートシンクベース10の表面10a
に送風を行うべく、当該ヒートシンクベース10の表面
10aに対向する態様でそのほぼ中央となる位置に配置
してある。
【0023】ヒートシンクベース10は、矩形のプレー
ト状を成すもので、その表面10aに複数の小フィン列
11から成るフィンを有している。個々の小フィン列1
1は、ヒートシンクベース10の中央部から端部に向か
う複数の曲線12に沿ってそれぞれ多数のフィン構成要
素11aを並設することにより構成したものである。こ
の曲線12としては、例えば対数らせん曲線や円弧で構
成すればよい。フィン構成要素11aは、矩形の薄板状
を成す小片であり、互いに同一高さとなる態様でヒート
シンクベース10の表面10aから上方に向けて立設し
てある。フィン構成要素11aを並設したそれぞれの曲
線12は、軸流ファン2を駆動した場合にヒートシンク
ベース10の表面10aに発生する空気の流れ方向に沿
って延在するものである。各小フィン列11においてフ
ィン構成要素11aの相互間には、互いに同一となる所
定の間隙11bが確保してある。
【0024】このヒートシンクベース10には、その裏
面10bに被冷却体5が取り付けられる。被冷却体5
は、ヒートシンクベース取付面がヒートシンクベース1
0の裏面10bとほぼ同一の大きさを有しており、当該
ヒートシンクベース10のほぼ中央となる位置に密着す
る態様で取り付けてある。
【0025】次に、動作について説明する。上記ヒート
シンク装置では、軸流ファン2の回転駆動によって発生
した気流が、ヒートシンクベース10の中央部に衝突し
て方向を変え、各小フィン列11の内周部から流入した
後、隣接する小フィン列11の相互間に形成される風路
を通過して外周部に至り、この間、風路を通過する気流
と小フィン列11の各フィン構成要素11aとの間で熱
交換が行われ、ヒートシンクベース10を介して被冷却
体5が冷却されることになる。その際、上記ヒートシン
ク装置によれば、小フィン列11が、軸流ファン2を駆
動した場合にヒートシンクベース10の表面10aに発
生する空気の流れ方向に沿って延在しているため、小フ
ィン列11に沿って気流が通過する際の抵抗が著しく低
減されるようになり、十分な送風量を確保することがで
きるようになる。
【0026】図2(a)は、図1に示したヒートシンク
装置において気流の様子を模式的に示すための要部拡大
平面図、図2(b)は、フィン構成要素11aの長さL
と平均熱伝達率との関係を示すグラフである。なお、こ
の図2(b)は、軸流ファン2から小フィン列11の相
互間に流入する平均入口気流速度が4m/s前後となる
条件下で、本発明者らが実際に試験を行った結果を示す
ものである。以下、これらの図を参照しながら図1に示
したヒートシンク装置において気流が小フィン列11の
各フィン構成要素11aと熱交換する様子を説明する。
【0027】上記ヒートシンク装置においても、軸流フ
ァン2の回転駆動によって発生した気流が小フィン列1
1に沿って流れるため、該小フィン列11の延在方向に
沿って温度境界層7が形成されることになる。しかしな
がら、上記ヒートシンク装置によれば、多数のフィン構
成要素11aを並設することによって小フィン列11を
構成し、かつフィン構成要素11aの相互間に間隙11
bを確保しているため、図2(a)に示すように、温度
境界層7が分断され、その連続的な発達が阻止されるこ
とになる。しかも、上述したように、小フィン列11
が、軸流ファン2を駆動した場合にヒートシンクベース
10の表面10aに発生する空気の流れ方向に沿って延
在しているため、十分な送風量を確保することができる
ようになる。これらの結果、気流が流入する小フィン列
11の上流側部分のみならず、その下流側においても平
均熱伝達率が高くなり、かつ送風量が十分に確保される
ため、冷却性能を大幅に向上させることが可能になる。
【0028】図2(b)に示すように、フィン構成要素
11aの長さLは、短いほど熱伝達率が増大するが、極
端に短くなると圧力損失の増加により風量低下を伴うた
め熱伝達率が減少する。従って、フィン構成要素11a
の長さLとしては、軸流ファン2の容量やフィン構成要
素11aの形状等、種々の条件を考慮して最適値となる
ものを適用することが好ましい。
【0029】一方、小フィン列11においてフィン構成
要素11aの相互間に確保した間隙11bについては、
これが小さければ、小フィン列11としての有効伝熱面
積が大きくなるため熱交換量が増えて冷却性能が大きく
なる。しかしながら、上流側で形成された小フィン列1
1の延在方向に沿う温度境界層7が十分小さくなる以前
に下流側のフィン構成要素11aに空気が流入すること
になり、温度境界層7を分断する効果が低下する。従っ
て、上記間隙11bに関しても、軸流ファン2の容量や
フィン構成要素11aの形状等、種々の条件を考慮して
最適値となるものを確保することが好ましい。
【0030】以上説明したように、実施の形態1のヒー
トシンク装置によれば、多数のフィン構成要素11aを
並設することによって小フィン列11を構成し、かつフ
ィン構成要素11aの相互間に間隙11bを確保してい
るため、小フィン列11に沿う温度境界層7が分断さ
れ、その連続的な発達が阻止されることになる。しか
も、小フィン列11が、軸流ファン2を駆動した場合に
ヒートシンクベース10の表面10aに発生する空気の
流れ方向に沿って延在しているため、十分な送風量を確
保することができるようになる。
【0031】従って、軸流ファン2の回転駆動によって
発生した気流が、ヒートシンクベース10の表面10a
に衝突して偏向される際にヒートシンクベース10の表
面10a側に縮流し、これによって有効伝熱面積が十分
に確保されなくとも、各フィン構成要素11aの平均熱
伝達率を高めることで、ファンあるいはフィンに対向す
る面の表面積が大きなヒートシンクベース10を適用し
たり、これに応じて大型の軸流ファン2を適用すること
なく、冷却性能を大幅に向上させることが可能になり、
ヒートシンク装置の大型化や製造コストの増大を招来す
ることなく、冷却性能の向上を図ることができるように
なる。
【0032】なお、上述した実施の形態1では、各小フ
ィン列11において互いに同一の高さとなるフィン構成
要素11aを適用するようにしているが、例えば図3に
示す変形例のように、気流の上流側に向けてヒートシン
クベース10の表面10aからのフィン構成要素11a
の突出高さを漸次低く構成するようにしても構わない。
つまり、有効伝熱面積となる部分のみの高さを有するよ
うにフィン構成要素11aの高さを設定するようにして
も良い。この変形例の場合には、冷却性能に何等の影響
も与えることなくヒートシンク装置の軽量化、並びに製
造コストの低減を図ることが可能になる。
【0033】実施の形態2.図4は、この発明の実施の
形態2であるヒートシンク装置を模式的に示す平面図で
ある。ここで例示するヒートシンク装置は、図1に示し
たヒートシンク装置と同様に、ヒートシンクベース10
の裏面10bに取り付けたパワーモジュール等の被冷却
体5を冷却するためのもので、ヒートシンクベース10
の表面10aに設けたフィンの構成のみが異なってい
る。
【0034】すなわち、ヒートシンクベース10の中央
部から端部に向かう複数の曲線12に沿ってそれぞれ多
数のフィン構成要素11aを並設することにより小フィ
ン列11を構成している点は実施の形態1と同様である
が、隣合う小フィン列11においては曲線12の延在方
向に沿って互いに千鳥状となるようにフィン構成要素1
1aを配置してある。フィン構成要素11aを千鳥状に
配置した結果、各小フィン列11においてフィン構成要
素11aの相互間には、フィン構成要素11aの単一長
さよりも大きな間隙11bが確保されることになる。フ
ィン構成要素11aが、矩形の薄板状を成す小片であ
り、互いに同一高さとなる態様でヒートシンクベース1
0の表面10aから上方に向けて立設してある点、並び
にフィン構成要素11aを並設したそれぞれの曲線12
が、軸流ファン2を駆動した場合にヒートシンクベース
10の表面10aに発生する空気の流れ方向に沿って延
在するものである点は、いずれも実施の形態1と同様で
ある。
【0035】次に動作について説明する。なお、実施の
形態1と同様の構成に関しては、同一の符号を付して説
明を行う。上記ヒートシンク装置では、軸流ファン2の
回転駆動によって発生した気流が、ヒートシンクベース
10の中央部に衝突して方向を変え、各小フィン列11
の内周部から流入した後、隣接する小フィン列11の相
互間に形成される風路を通過して外周部に至り、この
間、風路を通過する気流と小フィン列11の各フィン構
成要素11aとの間で熱交換が行われ、ヒートシンクベ
ース10を介して被冷却体5が冷却されることになる。
【0036】ここで、上記ヒートシンク装置において
は、多数のフィン構成要素11aを並設することによっ
て小フィン列11を構成し、かつフィン構成要素11a
の相互間にフィン構成要素11aの単一長さよりも大き
な間隙11bを確保している。この間隙11bの作用に
より、小フィン列11の内周部から流入した気流は、小
フィン列11に沿って流れる際、上流側のフィン構成要
素11aで形成された温度境界層7が十分に、かつ確実
に小さくなった後に下流側のフィン構成要素11aに流
入することになる。従って、小フィン列11に沿う温度
境界層7を分断して連続的な発達を阻止する効果が一層
顕著となる。
【0037】しかも、隣合う小フィン列11においては
曲線12の延在方向に沿って互いに千鳥状となるように
フィン構成要素11aを配置しているため、各フィン構
成要素11aが小フィン列11の内周部から流入した気
流に衝突する抵抗体として機能する。従って、ヒートシ
ンクベース10の表面10aに偏って流れていた気流が
フィン構成要素11aとの衝突により、該ヒートシンク
ベース10の表面10aから離隔する方向に偏向すると
ともに、小フィン列11の相互間を通過する気流の速度
が均一化するようになり、フィン構成要素11aの高さ
方向全体に亘って伝熱面積が確保される。
【0038】これらの結果、小フィン列11の全体に亘
って平均熱伝達率が高くなり、ファンあるいはフィンに
対向する面の表面積が大きなヒートシンクベース10を
適用したり、これに応じて大型の軸流ファン2を適用す
ることなく、冷却性能をより一層向上させることが可能
になるため、ヒートシンク装置の大型化や製造コストの
増大を招来することなく、冷却性能の向上を図ることが
できるようになる。
【0039】なお、上述した実施の形態2においても、
気流の上流側に向けてヒートシンクベース10の表面1
0aからのフィン構成要素11aの突出高さを漸次低く
構成するようにして構わない。
【0040】実施の形態3.図5は、この発明の実施の
形態3であるヒートシンク装置を模式的に示す平面図で
ある。ここで例示するヒートシンク装置は、図1に示し
たヒートシンク装置と同様に、ヒートシンクベース10
の裏面10bに取り付けたパワーモジュール等の被冷却
体5を冷却するためのもので、ヒートシンクベース10
の表面10aに設けたフィンの構成のみが異なってい
る。
【0041】すなわち、実施の形態3のヒートシンク装
置では、ヒートシンクベース10のフィンが、複数の小
フィン列11と複数の仕切フィン13とを備えている。
【0042】小フィン列11は、実施の形態1と同様、
ヒートシンクベース10の中央部から端部に向かう複数
の曲線12に沿ってそれぞれ多数のフィン構成要素11
aを並設することにより構成したものである。フィン構
成要素11aは、矩形の薄板状を成す小片であり、互い
に同一高さとなる態様でヒートシンクベース10の表面
10aから上方に向けて立設してある。フィン構成要素
11aを並設したそれぞれの曲線12は、軸流ファン2
を駆動した場合にヒートシンクベース10の表面10a
に発生する空気の流れ方向に沿って延在するものであ
る。各小フィン列11においてフィン構成要素11aの
相互間には、互いに同一となる所定の間隙11bが確保
してある。
【0043】仕切フィン13は、それぞれヒートシンク
ベース10の中央部から端部に向かう複数の曲線12に
沿って連続的に延在するように構成したものである。個
々の仕切フィン13は、薄板状を成しており、全長に亘
って均一の高さとなる態様でヒートシンクベース10の
表面10aから上方に向けて立設してある。仕切フィン
13を設けるそれぞれの曲線12は、軸流ファン2を駆
動した場合にヒートシンクベース10の表面10aに発
生する空気の流れ方向に沿って延在するものである。
【0044】図5からも明らかなように、この実施の形
態3では、8本の仕切フィン13をほぼ等間隔となるよ
うに配置するとともに、仕切フィン13の各相互間に6
〜7本の小フィン列11を配置することにより、ヒート
シンクベース10にフィンを構成してある。
【0045】次に動作について説明する。なお、実施の
形態1と同様の構成に関しては、同一の符号を付して説
明を行う。上記ヒートシンク装置では、軸流ファン2の
回転駆動によって発生した気流が、ヒートシンクベース
10の中央部に衝突して方向を変え、フィンの内周部か
ら流入した後、隣接する小フィン列11の相互間、ある
いは小フィン列11と仕切フィン13との相互間に形成
される風路を通過して外周部に至り、この間、風路を通
過する気流と小フィン列11の各フィン構成要素11a
との間、もしくは気流と仕切フィン13との間で熱交換
が行われ、ヒートシンクベース10を介して被冷却体5
が冷却されることになる。
【0046】このヒートシンク装置においても、多数の
フィン構成要素11aを並設することによって小フィン
列11を構成し、かつフィン構成要素11aの相互間に
間隙11bを確保しているため、温度境界層7が分断さ
れ、その連続的な発達が阻止されることになる。しか
も、上述したように、小フィン列11および仕切フィン
13がいずれも軸流ファン2を駆動した場合にヒートシ
ンクベース10の表面10aに発生する空気の流れ方向
に沿って延在しているため、十分な送風量を確保するこ
とができるようになる。これらの結果、気流が流入する
小フィン列11の上流側部分のみならず、その下流側に
おいても平均熱伝達率が高くなり、かつ送風量が十分に
確保されるため、冷却性能を大幅に向上させることが可
能になる。
【0047】ここで、小フィン列11の内周部から流入
した気流の多くは、図6(a)に示すように、当該小フ
ィン列11に沿った主流Aとして漸次下流側に流れるこ
とになる。しかしながら、特に、フィン構成要素11a
の相互間に確保した間隙11bが大きい場合、あるいは
軸流ファン2から小フィン列11の相互間に流入する平
均入口気流速度が大きい場合には、小フィン列11に沿
った主流Aとは別に、フィン構成要素11aの相互間に
確保した間隙11bを通じた気流Bがわずかながらも生
じるようになる。この間隙11bを通過する気流Bは、
主流Aとして流れる空気の流量を減じるものであり、平
均熱伝達率を低下させる要因となる。
【0048】この点、この実施の形態3のヒートシンク
装置によれば、図6(b)に示すように、複数の小フィ
ン列11を複数の組に仕切るように仕切フィン13を設
けるようにしているため、間隙11bを通過する気流B
を効果的に抑制し、主流Aとして流れる空気の流量を十
分に確保することができるようになる。従って、仮にフ
ィン構成要素11aの相互間に大きな間隙11bを確保
した場合、あるいは軸流ファン2から小フィン列11の
相互間に流入する平均入口気流速度を大きく設定した場
合であっても、間隙11bを通過する気流の発生に起因
して平均熱伝達率が低下する事態を招来する虞れがな
く、冷却性能を向上させることが可能になる。これによ
り、ヒートシンク装置の大型化や製造コストの増大を招
来することなく、冷却性能の向上を図ることができるよ
うになる。
【0049】なお、上述した実施の形態3では、ヒート
シンクベース10に8本の仕切フィン13を設けること
により、複数の小フィン列11を8組に仕切るようにし
ているが、必ずしもこれに限定されない。但し、ヒート
シンク装置の平均熱伝達率を考慮した場合、仕切フィン
13の数と小フィン列11の数との間には、トレードオ
フの関係がある。例えば、仕切フィン13を多く設けた
場合には、主流Aとして流れる空気の流量を十分に確保
することによって平均熱伝達率を向上させることができ
る一方、小フィン列11の割合が相対的に減るために当
該小フィン列11の作用によって平均熱伝達率を向上さ
せる割合も低下することになる。従って、軸流ファン2
の容量やフィン構成要素11aの形状等、種々の条件を
考慮して平均熱伝達率が最も高くなるように仕切フィン
13の数を設定することが好ましい。
【0050】また、上述した実施の形態3では、ヒート
シンクベース10の中央部から端部に向かう複数の曲線
12に沿ってそれぞれ多数のフィン構成要素11aを並
設することにより小フィン列11を構成するようにして
いるが、図7に示すように、隣合う小フィン列11にお
いて曲線12の延在方向に沿って互いに千鳥状となるよ
うにフィン構成要素11aを配置するようにしても同様
の作用効果を奏することが可能である。
【0051】さらに、上述した実施の形態3において
も、気流の上流側に向けてヒートシンクベース10の表
面10aからのフィン構成要素11aの突出高さ、およ
び/または仕切フィン13の突出高さを漸次低く構成す
るようにして構わない。
【0052】実施の形態4.図8は、この発明の実施の
形態4であるヒートシンク装置を模式的に示すもので、
図8(a)は断面側面図、図8(b)は平面図、図8
(c)は要部拡大図である。ここで例示するヒートシン
ク装置は、図1に示したヒートシンク装置と同様に、ヒ
ートシンクベース10の裏面10bに取り付けたパワー
モジュール等の被冷却体5を冷却するためのもので、ヒ
ートシンクベース10に対する被冷却体5の大きさ、並
びにヒートシンクベース10の表面10aに設けたフィ
ンの構成のみが異なっている。
【0053】すなわち、この実施の形態4では、小型・
高出力化されたパワーモジュール等の被冷却体5を冷却
対象としている。また、伝熱面積を十分確保するために
ヒートシンクベースおよびフィンを大きくし、外周部の
フィンにはヒートシンクベースの熱伝導により熱を輸送
するようにしている。このため、被冷却体5は、ヒート
シンクベース取付面がヒートシンクベース10の裏面1
0bよりも十分に小さく、当該ヒートシンクベース10
のほぼ中央となる位置に密着する態様で取り付けてあ
る。
【0054】一方、ヒートシンクベース10は、矩形の
プレート状を成すもので、その表面10aに複数のフィ
ン14を有している。フィン14は、それぞれヒートシ
ンクベース10の中央部から端部に向かう複数の曲線1
2に沿って延設したものである。曲線12としては、例
えば対数らせん曲線や円弧を適用すれば良い。それぞれ
のフィン14において、被冷却体5の配置位置に対応す
る部位には小フィン列部14Aが構成してある一方、被
冷却体5の配置位置外に対応する部位には連続フィン部
14Bが構成してある。小フィン列部14Aは、矩形の
薄板状を成し、かつ互いに同一の高さを有した複数のフ
ィン構成要素11aを並設することによって構成した部
分である。フィン構成要素11aの相互間には、それぞ
れ互いに同一となる所定の間隙11bが確保してある。
連続フィン部14Bは、一連の薄板状を成しており、全
長に亘って均一の高さとなる態様でヒートシンクベース
10の表面10aから上方に向けて立設した部分であ
る。フィン14を設けるそれぞれの曲線12は、軸流フ
ァン2を駆動した場合にヒートシンクベース10の表面
10aに発生する空気の流れ方向に沿って延在するもの
である。
【0055】次に動作について説明する。なお、実施の
形態1と同様の構成に関しては、同一の符号を付して説
明を行う。上記ヒートシンク装置では、軸流ファン2の
回転駆動によって発生した気流が、ヒートシンクベース
10の中央部に衝突して方向を変え、フィン14の内周
部から流入した後、隣接するフィン14の相互間に形成
される風路を通過して外周部に至り、この間、風路を通
過する気流とフィン14との間で熱交換が行われ、ヒー
トシンクベース10を介して被冷却体5が冷却されるこ
とになる。
【0056】ここで、被冷却体5の配置位置より外周部
分に立設されたフィン部分ほどヒートシンクベース1の
熱伝導を利用して熱輸送を行わなければならないため、
フィンの冷却性能が十分活用されず、必要に通風抵抗を
増加させて送風量の低下を招くだけであり、一方、被冷
却体5の配置位置に近い部分に立設されたフィンの冷却
性能は全体冷却性能への寄与率が大きい。従って、全体
に亘ってフィンの性能を上げるより被冷却体5の配置位
置に近い部分に立設されたフィンほど相対的に冷却性能
を高め、被冷却体5の配置位置より外周部ほど通風抵抗
が大きくならないように相対的にフィンの冷却性能を抑
える方が結果的に全体冷却性能が向上する。
【0057】この狙いに則り、この実施の形態のヒート
シンク装置によれば、ヒートシンクベース10の表面1
0aにおいて被冷却体5の配置位置に対応する部位に、
複数のフィン構成要素11aを並設することによって小
フィン列部14Aを構成し、かつフィン構成要素11a
の相互間に間隙11bを確保しているため、当該小フィ
ン列部14Aにおいては温度境界層7が分断され、その
連続的な発達が阻止されることになる。しかも、軸流フ
ァン2を駆動した場合にヒートシンクベース10の表面
10aに発生する空気の流れ方向に沿ってフィン14を
延設しているため、気流が通過する際の抵抗が著しく低
減され、十分な送風量を確保することができるようにな
る。さらに、被冷却体5の配置位置外となる部位に立設
した連続フィン部14Bにおいては、これを連続したも
のとして構成してあるため、気流が通過する際の抵抗が
一層低減されるようになる。これらの結果、気流が流入
する小フィン列部14Aの上流側部分のみならず、小フ
ィン列部14Aの下流側においても平均熱伝達率が高く
なり、かつ送風量を十分に確保することができるため、
冷却性能を大幅に向上させることが可能になる。従っ
て、全体冷却性能への寄与率が大きい被冷却体5の配置
位置に近い部分に立設されたフィンの性能を高め、被冷
却体5の配置位置より外周部において通風抵抗が大きく
ならない程度にフィンを立設して送風量を十分確保して
いるため、全体冷却性能の向上を図ることが可能にな
る。
【0058】なお、上述した実施の形態4では、ヒート
シンクベース10の中央部から端部に向かう複数の曲線
12に沿ってそれぞれ複数のフィン構成要素11aを並
設することにより小フィン列部14Aを構成するように
しているが、隣合う小フィン列部14Aにおいて曲線1
2の延在方向に沿って互いに千鳥状となるようにフィン
構成要素11aを配置するようにしても良い。
【0059】また、上述した実施の形態4では、ヒート
シンクベース10の表面10aにおいて被冷却体5の配
置位置に対応する部位に同一長さのフィン構成要素11
aを並設することにより小フィン列部14Aを設ける一
方、被冷却体5の配置位置外となる部位に連続フィン部
14Bを設けるようにしているが、本発明はこれに限定
されない。例えば、図9(a)および図9(b)に示す
変形例のように、気流の上流側に向けて漸次長さの短く
なる複数のフィン構成要素11a1,11a2,11
3,11a4…(11a1<11a2<11a3<11a4
…)を全長に亘って並設することによりフィン14を構
成するようにしても、同様の作用効果を奏することがで
きる。
【0060】さらに、上述した実施の形態4において
も、気流の上流側に向けてヒートシンクベース10の表
面10aからのフィン構成要素11aの突出高さを漸次
低く構成するようにして構わない。
【0061】実施の形態5.図10は、この発明の実施
の形態5であるヒートシンク装置を模式的に示すもの
で、図10(a)は断面側面図、図10(b)は平面図
である。ここで例示するヒートシンク装置は、小型・高
出力化されたパワーモジュール等の被冷却体5を冷却対
象とするのもので、送風のための一対の軸流ファン2
L,2Rおよびヒートシンクベース100を備えてい
る。一対の軸流ファン2L,2Rは、それぞれ個別の駆
動モータ3L,3Rによって回転駆動した場合に、ヒー
トシンクベース100の表面100aに送風を行うべ
く、当該ヒートシンクベース100の表面100aに対
向し、かつ相互に並設する態様で配置してある。
【0062】ヒートシンクベース100は、冷却対象と
なる被冷却体5の一辺とほぼ同一の短辺を有し、かつ該
被冷却体5の一辺のほぼ3倍となる長辺を有した矩形の
プレート状を成すものである。このヒートシンクベース
100の裏面100bには、そのほぼ中央となる位置に
被冷却体5が密着する態様で取り付けてある。
【0063】一方、ヒートシンクベース100の表面1
00a側には、各軸流ファン2L,2Rに対向する部位
にそれぞれ複数のフィンから成るフィン群110L,1
10Rが設けてある。各フィン群110L,110Rの
フィンは、軸流ファン2L,2Rの中心に対向する部位
から外周方向に向かう複数の曲線12に沿って延在した
もので、複数の小フィン列110Aと複数の連続フィン
110Bとを備えている。曲線12としては、例えば対
数らせん曲線や円弧で構成すればよい。
【0064】小フィン列110Aは、それぞれ多数のフ
ィン構成要素11aを並設することにより構成したもの
で、ヒートシンクベース100の表面100aにおいて
少なくとも被冷却体5の配置位置に対応する部位に設け
てある。フィン構成要素11aは、矩形の薄板状を成す
小片であり、互いに同一高さとなる態様でヒートシンク
ベース100の表面100aから上方に向けて立設して
ある。また隣合う小フィン列110Aにおいては、曲線
12の延在方向に沿って互いに千鳥状となるようにフィ
ン構成要素11aを配置してある。フィン構成要素11
aを並設したそれぞれの曲線12は、軸流ファン2L,
2Rを駆動した場合にヒートシンクベース100の表面
100aに発生する空気の流れ方向に沿って延在するも
のである。フィン構成要素11aを千鳥状に配置した結
果、各小フィン列110Aにおいてフィン構成要素11
aの相互間には、フィン構成要素11aの単一長さより
も大きな間隙11bが確保されることになる。
【0065】一方、連続フィン110Bは、それぞれの
曲線12に沿って連続的に延在するように構成したもの
で、ヒートシンクベース100の表面100aにおいて
被冷却体5の配置位置外に対応する部位に設けてある。
個々の連続フィン110Bは、薄板状を成しており、全
長に亘って均一の高さとなる態様でヒートシンクベース
100の表面100aから上方に向けて立設してある。
連続フィン110Bを設けるそれぞれの曲線12は、軸
流ファン2L,2Rを駆動した場合にヒートシンクベー
ス100の表面100aに発生する空気の流れ方向に沿
って延在するものである。
【0066】次に動作について説明する。上記ヒートシ
ンク装置では、各軸流ファン2L,2Rの回転駆動によ
って発生した気流が、ヒートシンクベース100の表面
100aにおける各フィン群110L,110Rの中央
部に衝突して方向を変え、フィンの内周部から流入した
後、隣接するフィンの相互間に形成される風路を通過し
て外周部に至り、この間、風路を通過する気流とフィン
との間で熱交換が行われ、ヒートシンクベース100を
介して被冷却体5が冷却されることになる。
【0067】ここで、被冷却体5の配置位置より外周部
分に立設されたフィン部分ほどヒートシンクベース1の
熱伝導を利用して熱輸送を行わなければならないため、
フィンの冷却性能が十分活用されず、必要に通風抵抗を
増加させて送風量の低下を招くだけであり、一方、被冷
却体5の配置位置に近い部分に立設されたフィンの冷却
性能は全体冷却性能への寄与率が大きい。従って、全体
に亘ってフィンの性能を上げるより被冷却体5の配置位
置に近い部分に立設されたフィンほど相対的に冷却性能
を高め、被冷却体5の配置位置より外周部ほど通風抵抗
が大きくならないように相対的にフィンの冷却性能を抑
える方が結果的に全体冷却性能が向上する。
【0068】この狙いに則り、この実施の形態5のヒー
トシンク装置によれば、ヒートシンクベース100の表
面100aにおいて被冷却体5の配置位置に対応する部
位に、複数のフィン構成要素11aを並設することによ
って小フィン列110Aを構成し、かつフィン構成要素
11aの相互間に間隙11bを確保しているため、当該
小フィン列110Aにおいては温度境界層7が分断さ
れ、その連続的な発達が阻止されることになる。しか
も、軸流ファン2L,2Rを駆動した場合にヒートシン
クベース100の表面100aに発生する空気の流れ方
向に沿ってフィンを延設しているため、気流が通過する
際の抵抗が著しく低減され、十分な送風量を確保するこ
とができるようになる。これらの結果、気流が流入する
小フィン列110Aの上流側部分のみならず、小フィン
列110Aの下流側においても平均熱伝達率が高くな
り、かつ送風量を十分に確保することができるため、冷
却性能を大幅に向上させることが可能になる。従って、
全体冷却性能への寄与率が大きい被冷却体5の配置位置
に近い部分に立設されたフィンの性能を高め、被冷却体
5の配置位置より外周部において通風抵抗が大きくなら
ない程度にフィンを立設して送風量を十分確保している
ため、全体冷却性能の向上を図ることが可能になる。
【0069】なお、上述した実施の形態5では、隣合う
小フィン列110Aにおいて曲線12の延在方向に沿っ
て互いに千鳥状となるようにフィン構成要素11aを配
置するようにしているが、ヒートシンクベース100の
中央部から端部に向かう複数の曲線12に沿ってそれぞ
れ多数のフィン構成要素11aを並設することにより小
フィン列110Aを構成するようにしても同様の作用効
果を奏することが可能である。
【0070】また、上述した実施の形態5においても、
気流の上流側に向けてヒートシンクベース100の表面
100aからのフィン構成要素11aの突出高さ、およ
び/または連続フィン110Bの突出高さを漸次低く構
成するようにして構わない。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、小フィン列が複数のフィン構成要素を並設すること
によって構成したものであるため、該小フィン列に沿っ
て気流が通過した場合にも温度境界層が連続的に発達す
る事態が防止される。しかも、小フィン列が送風ファン
を駆動した場合にヒートシンクベースの表面に発生する
空気の流れ方向に沿ったものであるため、小フィン列に
沿って気流が通過する際の抵抗が著しく低減される。こ
れらの結果、平均熱伝達率を高めることができ、装置の
大型化や製造コストの増大を招来することなく、冷却性
能の向上を図ることが可能になる。
【0072】つぎの発明によれば、小フィン列が複数の
フィン構成要素を並設することによって構成したもので
あるため、該小フィン列に沿って気流が通過した場合に
も温度境界層が連続的に発達する事態が防止される。し
かも、小フィン列が送風ファンを駆動した場合にヒート
シンクベースの表面に発生する空気の流れ方向に沿った
ものであるため、小フィン列に沿って気流が通過する際
の抵抗が著しく低減される。これらの結果、平均熱伝達
率を高めることができ、装置の大型化や製造コストの増
大を招来することなく、冷却性能の向上を図ることが可
能になる。さらに、仕切フィンの作用により、小フィン
列の間隙を通過する気流が抑制されるため、例えばフィ
ン構成要素の相互間に大きな間隙を確保した場合、ある
いは送風ファンからの平均入口気流速度を大きく設定し
た場合であっても、間隙を通過する気流の発生に起因し
て平均熱伝達率が低下する事態を招来する虞れがなく、
冷却性能を向上させることが可能になる。
【0073】つぎの発明によれば、各小フィン列におい
てフィン構成要素の相互間隙が十分に確保されるため、
上流側のフィン構成要素で形成された温度境界層が十分
に、かつ確実に小さくなった後に下流側のフィン構成要
素に気流が流入することになる。また、フィン構成要素
に空気の流れが衝突し、ヒートシンクベースの表面から
離隔する方向に偏向するようになるため、フィン構成要
素の高さ方向全体に亘って伝熱面積が確保される。これ
らの結果、平均熱伝達率をより一層高めることができ
る。
【0074】つぎの発明によれば、フィン構成要素にお
いて伝熱に関与しない部分が省略されるため、冷却性能
に何等の影響も与えることなくヒートシンク装置の軽量
化、並びに製造コストの低減を図ることが可能になる。
【0075】つぎの発明によれば、フィンの伝熱面積を
確保するために、例えばフィンおよびヒートシンクベー
スを大きくする必要がある場合にも、全体冷却性能への
寄与率が大きい被冷却体の配置位置に近い部分に立設さ
れたフィンほど相対的に性能を高め、被冷却体の配置位
置より外周部ほど通風抵抗が大きくならない程度にフィ
ンを構成しているため、全体的にフィンの性能を上げる
より十分な送風量が確保され、全体冷却性能の向上を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるヒートシンク
装置の構成を模式的に示すもので、(a)は断面側面
図、(b)は平面図である。
【図2】 (a)は、図1に示したヒートシンク装置に
おいて気流の様子を模式的に示すための要部拡大平面
図、(b)は、フィン構成要素の長さと平均熱伝達率と
の関係を示すグラフである。
【図3】 図1に示したヒートシンク装置の変形例を示
す要部拡大斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態2であるヒートシンク
装置を模式的に示す平面図である。
【図5】 この発明の実施の形態3であるヒートシンク
装置を模式的に示す平面図である。
【図6】 (a)は仕切フィンのないヒートシンク装置
において流入した気流がフィンおよびヒートシンクベー
スで囲まれる通路を流れる際の様子を模式的に示す拡大
図、(b)は図5に示したヒートシンク装置において流
入した気流がフィンおよびヒートシンクベースで囲まれ
る通路を流れる際の様子を模式的に示す拡大図である。
【図7】 図5に示したヒートシンク装置の変形例を模
式的に示す平面図である。
【図8】 この発明の実施の形態4であるヒートシンク
装置を模式的に示すもので、(a)は断面側面図、
(b)は平面図、(c)は要部拡大図である。
【図9】 図8に示したヒートシンク装置の変形例を模
式的に示すもので、(a)は平面図、(b)は要部拡大
図である。
【図10】 この発明の実施の形態5であるヒートシン
ク装置を模式的に示すもので、(a)は断面側面図、
(b)は平面図である。
【図11】 従来のヒートシンク装置を模式的に示すも
ので、(a)は断面側面図、(b)は平面図である。
【図12】 (a)は、気流が偏向される際に縮流して
フィンの実質的に気流が通過する面積が減少する様子を
示した模式図、(b)は、気流がフィンと熱交換する様
子を模式的に示す拡大平面図である。
【符号の説明】
2 軸流ファン、2L,2R 軸流ファン、3 駆動モ
ータ、3L,3R 駆動モータ、5 被冷却体、7 温
度境界層、10 ヒートシンクベース、10a表面、1
0b 裏面、11 小フィン列、11a フィン構成要
素、11a1,11a2,11a3,11a4 フィン
構成要素、11b 間隙、12 曲線、13 仕切フィ
ン、14 フィン、14A 小フィン列部、14B 連
続フィン部、100 ヒートシンクベース、100a
表面、100b 裏面、110A 小フィン列、110
B 連続フィン、110L,110R フィン群。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E322 AA01 BB03 5F036 AA01 BA04 BA24 BB01 BB05 BB35 BC17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートシンクベースの表面に複数のフィ
    ンを有し、該ヒートシンクベースの表面に対向配置した
    送風ファンを駆動することによって前記フィンの相互間
    に空気を通過させることにより、前記ヒートシンクベー
    スの裏面を介して被冷却体の冷却を行うヒートシンク装
    置において、 前記フィンは、前記送風ファンを駆動した場合に前記ヒ
    ートシンクベースの表面に発生する空気の流れ方向に沿
    い、かつ互いに所定の隙間を確保した状態で複数のフィ
    ン構成要素を並設することにより構成した小フィン列を
    備えることを特徴とするヒートシンク装置。
  2. 【請求項2】 ヒートシンクベースの表面に複数のフィ
    ンを有し、該ヒートシンクベースの表面に対向配置した
    送風ファンを駆動することによって前記フィンの相互間
    に空気を通過させることにより、前記ヒートシンクベー
    スの裏面を介して被冷却体の冷却を行うヒートシンク装
    置において、 前記フィンは、 前記送風ファンを駆動した場合に前記ヒートシンクベー
    スの表面に発生する空気の流れ方向に沿い、かつ互いに
    所定の隙間を確保した状態で複数のフィン構成要素を並
    設することにより構成した複数の小フィン列と、 前記送風ファンを駆動した場合に前記ヒートシンクベー
    スの表面に発生する空気の流れ方向に沿って連続し、か
    つ前記複数の小フィン列を複数の組に仕切る仕切フィン
    と、 を備えることを特徴とするヒートシンク装置。
  3. 【請求項3】 隣合う小フィン列においては、それぞれ
    の延在方向に沿って前記複数のフィン構成要素を千鳥状
    に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の
    ヒートシンク装置。
  4. 【請求項4】 前記小フィン列は、気流の上流側に向け
    て前記ヒートシンクベースからの前記フィン構成要素の
    突出高さを漸次低く構成したことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか一つに記載のヒートシンク装置。
  5. 【請求項5】 前記ヒートシンクベースにおける被冷却
    体の配置位置に対応する部位にのみ前記小フィン列を配
    置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに
    記載のヒートシンク装置。
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