JP2003346440A - ディスクドライブの回転振動速度センサー - Google Patents

ディスクドライブの回転振動速度センサー

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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/596Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on disks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】回転振動速度センサーを用いてディスクドライ
ブのトラック位置ずれ誤差を最小にする。 【解決手段】ディスクドライブ300のベースプレート301
の回転振動速度は逆EMFセンサー302により測定され、フ
ィードフォワードコントローラ352によりディジタル化
され、増幅器(積分器)354に入力される。ヘッド306か
らの位置決め誤差信号(PES)は、サーボ353を経由して
増幅器354に入力される。逆EMFセンサー302は、逆EMFを
検出するためのコイル3021、空隙磁束を発生させるマグ
ネット3022、低摩擦ピボット3023等で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般にディスクドラ
イブに関し、より具体的には、シータ力学により生ずる
トラック位置ずれ(TMR:track misregistration)誤差
を回転振動速度ベースセンサーによって最小にするディ
スクドライブに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクドライブ(HDD:hard di
sk drive)の連続データ転送速度は、典型的な場合コン
ピュータマウント系の回転振動が存在すると低下する。
回転振動(RV:rotational vibration)は一群のHDDの
ランダムシーク動作により起り、顧客は性能低下の可能
性を懸念するようになってきている。
【0003】1インチあたりのトラック数(TPI:track
per inch)が大になると、「シータ力学(theta-dynami
cs)」と呼ばれるディスクドライブの面内(シータ座
標)回転振動はヘッド位置決め精度に直接影響を与える
ようになる。新規のマウント系から複雑なセンサーやサ
ーボアルゴリズムにおよぶいくつかの分野で、この振動
問題の解決法を開発することができる。しかしながら回
転振動(RV)速度や加速度を実用的なコストで検出する
ことは、従来の構造では未解決の問題である。
【0004】ディスクドライブのベースプレートの剛体
運動は三つの直線座標(X、Y、Z)と、三つの角座標
(ファイ、プサイ、シータ)に沿って行われる。
【0005】現行の1インチ、2.5インチ、3.5インチハ
ードディスクドライブ(HDD)はそれぞれポータブル、
デスクトップ/サーバ環境で動作するように設計されて
いる。コンピュータシステムのコストと重量を低減する
ために、一般にメーカーは薄い構造体を用いたHDDマウ
ントフレームを組み立てる。その結果、コンピュータフ
レームは振動を受けやすい柔構造となる。このようなマ
ウント構造はディスクドライブに、内部または外部の振
動源によって引き起こされる振動の影響を受け易くす
る。ロータリーアクチュエータ系のHDDはそのベースプ
レートの面内の回転振動(RV)に対して非常に敏感であ
る。
【0006】更にHDDは三つの重要な役割を果たすヘッ
ド位置決めサーボ系を有している。第一にサーボ系はシ
ークモード時に速度サーボを用いてヘッドを目標付近に
最短時間で移動させる。第二に、サーボ系は位置決めコ
ントローラを用いて積分項なし(可能性の例)に最小のセ
トルアウト時間でヘッドを目標トラックに位置決めす
る。最後に、サーボ系は比例-積分-微分型(PID:propo
rtional-integral-derivative)位置決めコントローラ
により、トラックフォローイングモードに入る。
【0007】また一方、シークモードの間に最大回転加
速トルクとそれに続く減速トルクがボイスコイルモータ
ー(VCM:voice coil motor)ベースのアクチュエータ
によって与えられる。対応するベースプレートへの反作
用トルクが、読み出し/書き込みヘッドの位置決め精度
に有害な過渡的な回転振動を引き起こす。ランダム振動
の存在はトラックフォローイング精度(および少し程度
は低いが、セトルアウト性能)に影響を与える。
【0008】本発明以前にHDDアクチュエータ系のトラ
ックフォローイング精度に大きく影響を与えるランダム
振動の問題を十分に取り上げたものは見当たらない。
【0009】現行の3.5インチディスクドライブは40kTP
Iに到達しており、2001年以降には50kTPI以上に増大す
るものと予想される。トラック密度を高める上での大き
な障害は振動による外乱の存在下でヘッド位置決め精度
が不十分になることである。TPI値の指数関数的な増大
によって、読み出し/書き込み素子のトラック上への位
置決めは大きな課題となってきている。通常のサーボ制
御系はますます困難になる動作条件下で十分動作できる
ように絶え間ない革新が必要である。
【0010】スピンドルモーターアセンブリーのような
機械部品は完全に質量バランスしているとは言えず、動
作中に調和振動が生ずる。振動の発生はHDDシステム全
体に対して直線および回転方向の振動動作を起こさせ
る。補償されない場合、トラックピッチの15%のトラッ
クフォローイング誤差は、ディスクドライブの「ソフ
ト」および「ハード」エラーレート特性を低下させる。
この内部に生ずる周期的な振動による位置決め誤差は、
参考に示す特許文献1に開示されたサーボ方式を用いる
ことにより、解決できる。
【0011】特殊な衝撃および振動を分離する搭載設計
を採用することにより、内蔵スピンドルが引き起こす回
転振動成分は、ここで参考に示す特許文献2の説くとこ
ろにより、最小にすることができる。しかしながら、該
特許文献2の開示に従って内臓スピンドル振動を分離す
るように搭載設計を最適化しても、外部振動の侵入は受
け易いままである。特許文献3によって定義される特別
な基準を満たしながら多角形に沿って防振脚を設置する
ことにより、HDDに回転振動を生ずる外部振動侵入を最
小にすることができる。
【0012】参考に示す特許文献4では、第二のアクチ
ュエータを用いて反対方向にトルクを発生させ、反作用
を中和する方式が提案されている。新規な検出と制御方
法を有するHDDが、ランダム振動問題に対する向上策に
なり得る。
【0013】参考に示す特許文献5の図1A〜1Cはディ
スクドライブにPZT101、102がデュアル配置されてお
り、そこではディスクドライブの質量と慣性が角加速度
および直線加速度を十分な感度で測定するための振動体
として利用されている。
【0014】そのようなわけで、図1(a)はヘッドディス
クアセンブリー100を示しており、図1(b)は加速度を測
定するための圧電歪センサー101、102を詳細に説明した
ものであり、図1(c)は衝撃と振動を受けているユーザー
フレーム104上のヘッドディスクアセンブリー100を示し
ており、そこにはデュアルのPZT101、102があって、部
品105に入力角加速度および直線加速度を入力してお
り、それによって書き込み禁止信号が発行されている。
【0015】PZTの利用上の重要な課題は、それらがい
ろいろな軸方向の歪に敏感であることであり、それ故
に、それらはシータ力学に加えて振動入力に応答してし
まう。
【0016】100〜1,000Hzの範囲で高忠実度な信号を生
み出すには、PZTのサイズは大きくなってしまい、その
ような設計はディスクドライブの電気基板の高さや製造
上の要求と両立できない。一方PZTの体積を小さくする
と、信号品質が低下してしまう(即ち特に低周波域(〜
100Hz)の信号ドリフトを容易には安定化できなくなっ
てしまう)。
【0017】本発明者の測定ベースの経験によれば、信
号安定性と雑音はコンパクトなPZT配置を採用する上で
の重要問題である。PZT信号の突然のドリフトは望まし
くない書き込み中断状態を引き起こす。更にデュアルの
PZTの利用は、それぞれのPZTの利得や熱感度を適合させ
るという、複雑な問題を引き起こす。新規な機械的な構
造を与えることによって、PZTの感度は望ましい方向に
沿って高めることができ、残りの方向には最小にするこ
とができる。しかしながら、力学上厳密に分離しようと
すると二つのPZTセンサーのコストはディスクドライブ
に適用できないものになってしまう。
【0018】図2に示すようにデュアルのPZTセンサー20
1、202および、信号条件付けアルゴリズムを採用するこ
とにより通常のシステム200(例えばA.Jinzenji他「ハ
ードディスクドライブの回転時の擾乱に対する加速度フ
ィードフォワード制御」APMRC 2000年11月6〜8日TA6-01
〜6-02、およびここで参考に示すSidman他特許文献6)
はランダム振動に対してフィードフォワードによる解決
法を示している。PZTセンサー201、202自体は付加的な
革新がなければ高品質出力を生じない。図はまた、フィ
ードフォワード補償器203および通常のサーボ204を説明
している。
【0019】別な方法では、容量検出型マイクロ機械装
置(例えばC.Hernden「HDDにおける回転加速度計フィー
ドフォワードを利用した振動のキャンセル」Data Stora
ge 2000年11月 PP22〜28)を用いており、そこでは高
性能シータ加速度センサーを作り出そうと試みている。
しかしながら、センサーのサイズや帯域幅、コストの点
がマイクロ電気機械的センサー(MEMS:microelectrome
chanical sensor)の制約になると考えられる。
【0020】
【特許文献1】米国特許第5608586号明細書
【特許文献2】米国特許第5400196号明細書
【特許文献3】特許第2565637号公報
【特許文献4】米国特許第6122139号明細書
【特許文献5】米国特許第5721457号明細書
【特許文献6】米国特許第5426545号明細書
【0021】
【発明が解決しようとする課題】このようにして、通常
のセンサーはHDDアクチュエータ系のトラックフォロー
イング精度に大きく影響を与えるようなランダム振動の
問題に十分に対処できるようになっておらず、コストに
も有効で、回転振動(RV)速度や加速度の検出にも有効
ないかなるセンサーも、未だ生み出されていない。
【0022】通常の方式や構造に関する前述の問題点や
その他の問題点、欠点や不都合を考慮して、本発明の一
つの目的は、HDDアクチュエータ系のトラックフォロー
イング精度に重大な影響を与えるランダム振動の問題に
取り組むための方式と構造を提供することである。
【0023】本発明の他の目的は回転振動用速度ベース
センサーを用いて、シータ力学で生ずるTMR誤差を最小
にすることである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の特徴とし
て、直線および回転振動を受けるディスクドライブ(HD
D)は予め決められた周波数範囲でHDDの回転振動の回転
速度成分を検出するために、独立した検出ユニットを有
する。
【0025】本発明の第ニの特徴として、ディスクドラ
イブシステムは、主ボイスコイルモーター(VCM)と、
ある1点の回りに回転でき、直線振動に実質的に感応せ
ず、主VCMの磁束を選択的に共有する逆起電力(EMF:el
ectromotive force)センサーを有する。
【0026】
【発明の実施の形態】図面、特に図3(a)〜27(b)を参照し
て、本発明による方式と構造の好適な実施例が示され
る。
【0027】図3(a)と3(b)を参照すると、ディスクドラ
イブ300のアクチュエータはシークの間に反作用トルク
を生ずる。アレイ状に多数のドライブが配列されている
コンピュータ方式においては、ドライブにより生ずる多
数の反作用が振動スペクトルを作り出す。
【0028】振動(例えば直線方向および回転方向の両
方の)スペクトルの形と大きさはシステム固有ではある
が、有限な次数の高調波を有する限られた帯域のパワー
スペクトルになる傾向がある。ベースプレートの振動、
特にX、Y軸に沿った振動およびZ軸(例えばシータ座
標)回りの振動は、TMRの原因となる。
【0029】上述のようにTMRの主な原因はシータ力
学により生ずる。アクチュエータの質量の不均衡はアク
チュエータピボットの直線方向の振動により生ずる外乱
トルクを通してTMRの原因となり得るが、一応不均衡
の量は無視できる。
【0030】スピンドルモーターのベアリングのコンプ
ライアンスも又、その回転軸のX、Y振動により望まし
くないTMRを生ずる。スピンドルベアリング部品は、
ボールベアリングの代りに流体力学ベアリングを使用し
た場合に一層悪くなると予想される。
【0031】本発明はシータ力学によって生ずるTMR
誤差を回転振動速度ベースセンサーを用いることによっ
て最小にするように努めるものである。図3(a)に示すよ
うに、ディスクドライブ300は回転方向に敏感な逆EM
Fセンサー302を有しており、このセンサーは、参考に
示す、共に出願中の米国特許出願番号10/153684号にて
提供されるアルゴリズムの有効性を高め、証明するのに
有用である。
【0032】「フィードバック」や「フィードフォワー
ド」という語は制御システムの分野で一般に知られてい
る原理をいう。従来のシステム(例えば特許文献2およ
び特許文献3で開示されたようなもの)はフィードフォ
ワード方式を用いており、そこではベースプレートの角
加速度が測定され、同じ角加速度が対応するTMR成分
を減少させるか取り除くためにアクチュエータに印加さ
れる。測定されたRV加速度は(雑音低減プロセスと共
に)利得パラメーターによって修正され、VCMアクチ
ュエータに加えられる。
【0033】この場合、解決法を実現するためには以下
に開示されるように高性能のRV加速度検出技術が必要
になる。用いられるアルゴリズム自体は単に利得調整操
作である。それにもかかわらず、信号を条件付ける必要
性により、例えば信号雑音低減領域においてフィードフ
ォワードアルゴリズムを強化するために革新がなされる
余地がある。
【0034】本発明では逆EMFベースのRV速度セン
サーを用いるのが好適であり、これにより開発が容易と
なり、製造がより低コストになる。本発明者は加速度セ
ンサーによって課せられるいかなる限界も、RV速度セ
ンサーを利用するアルゴリズム(例えば方式)が見出さ
れれば、取り除き得ることを認識するに至った。このよ
うなセンサーは以下に開示される。
【0035】シータ座標に沿った角度の動きにのみ敏感
な速度センサーは、ディスクドライブの主VCMアクチ
ュエータを設計するときと同じ経験を用いて設計し得
る。それ故に、新規な逆EMFセンサーまたは同種のも
のが本発明において追求される。
【0036】企業向けコンピュータのハウジングは約10
0から約1,000Hzの範囲にTMRを生ずる共振点を有す
る傾向がある。ストレージ装置産業の趨勢はフルシーク
タイム10ms以下、1/3シークタイム5ms以下のディスクド
ライブを生産する傾向にある。この特徴的な傾向からラ
ンダム励振周波数は100Hz以上になるものと予想され
る。最高の周波数スペクトルに関しては、1トラックの
シークを1msで行うことは1kHzに対応する。(そしてシ
ークパルスの大きさはフルシークほどは厳しくない。) それ故に、コンピュータフレームの任意の点のランダム
振動励振は約100Hzと約1kHzの間に収められる。ファン
のような冷却系は60Hzの振動を生ぜしめるが、これは通
常のサーボループで処理される。それ故に最悪の場合の
励振は100〜1,000Hz間で起こると思われ、殆どの場合に
は1/3以下のシーク長による200〜800Hzの範囲で起こる
と思われる。
【0037】このようにして本発明は(例えば好ましく
は100〜1,000Hzの範囲で)フィードフォワードモードに
おいて有効な方式に用いられるセンサーを開発すること
を目的とする。この方式或いはこのセンサーは、低周波
域(<100Hz)および高周波域(>1,000Hz)で有効であ
る必要がないという認識は、HDDの場合におけるRV速度
ベースセンサーの解決法を実行可能にする。この自明で
ない必要条件は実際に実現可能な解決法を容易にする。
本発明で中間周波数帯域という場合は100〜1,000Hzを指
す。
【0038】このようにして、本発明者は、空隙磁束を
捕えるコイル巻線を有する慣性優位のピボット可能な部
材を用いることにより、コイルに関して磁束の相対的に
角度方向の振動動作が逆EMF電圧によって検出できるこ
とを認識するに至った。
【0039】再び図3(a)〜3(b)を詳細に参照すると、図
3(a)はディスクドライブのベースプレートの回転速度に
比例した逆EMF電圧を与えるセンサー302を組み込んだデ
ィスクドライブ300を示す。上述した共に出願中の特許
において最適設計されたアルゴリズムは、主VCMを駆動
する通常のサーボ信号に付加されるフィードフォワード
信号を作り出す。逆EMFセンサー302の詳細が図3(b)に示
される。
【0040】図3(a)のディスクシステム300に示される
ように、ベースプレート301のRV速度は(図3(b)に詳細
に示される)逆EMFセンサー302により測定され、センサ
ー302によって生じた電圧が(例えば高利得増幅器(図
示されていない)によって)増幅され、(例えばフィー
ドフォワードコントローラ352により)内部アルゴリズ
ムを働かせるためにディジタル化される。通常のサーボ
353は又、ヘッド306から位置決め誤差信号(PES)を受
け取り、増幅器(積分器)354に入力を与えるために結
合していることが示されている。
【0041】図3(b)を詳細に参照すると、逆EMFセンサ
ー302は、逆EMFを検出するためのコイル3021、空隙磁束
を生じせしめるためのマグネット3022、摩擦等で劣化す
ることなく実質上の低周波域で可動体(例えば以下に更
に詳細に述べる慣性ビーム3026)の良好な力学挙動を容
易にする低摩擦ピボット3023、可動系の重心を低摩擦ピ
ボット点3023と一致させる質量バランス3024、空気流に
より誘起される振動や電磁気的干渉を防ぐためのシュラ
ウド3025、および可動体(例えば慣性ビーム)3026を含
んで構成することができる。慣性ビームは真の回転振動
以外で見せかけの事象による信号品質の望ましくない低
下を最小にするために空気力学的および電磁気的干渉か
ら遮蔽される必要があることに注意する必要があり、か
くして、シュラウド3024が与えられる。
【0042】図3(b)のセンサー形状の構造は単に典型的
なものに過ぎず、本発明はそれに限定されるものでない
ことに注意しておく必要がある。
【0043】このようにして、図3(a)および3(b)の構造
は、動きが面内方向の移動のみならず、同時に多くの座
標方向の直線振動の形をとるかもしれないので、角加速
度を測定し、或いは検出することは費用もかかり、時と
しては不適当であることを考慮し(、そして克服しよう
と試み)ている。これ故に、通常のPZTセンサーを用い
た場合はクロスカップリングが起こり得る。
【0044】発明者は通常のPZTセンサーがそのような
問題を有していることを認識するに至り、PZTセンサー
とは異なった原理で機能する逆EMFセンサーを使用しこ
こに開示する方式を開発するに至った。
【0045】逆EMFセンサーの構造や磁場中をコイルを
移動させて逆EMFを(例えば基本的な物理の原理によ
り)ピックアップすることは一般に知られているが、デ
ィスクドライブで逆EMFセンサーを、角度の移動や角加速
度を検出するために用いることはこれまで知られていな
かった。
【0046】このようにして、本発明の応用または問題
(例えばディスクドライブの回転または角度の移動の検
出)のために逆EMFを応用することは新規で、独特のも
のである。実際、アクチュエータ自体は1点の回りでピ
ボット動作を行い、アクチュエータが移動してそこに電
圧計を持ってくると電圧信号が生ずる。しかしながらそ
のような構成はアクチュエータの観点からそのようなや
り方で使われたことはなかった(し、以前に採用された
こともなかった)。
【0047】このようにして本発明は磁束の変化速度に
比例した逆EMFを得るためにコイルに鎖交する磁束(或
いは磁束に鎖交するムービングコイル)を使う。こうし
て本発明は伝達関数プロセスとして回転速度を直接検出
する。このことは従来のセンサーとの重要な相違点であ
る。
【0048】即ち、加速度を求めて、よく知られている
ように速度を得るために1回積分することが可能である
ことに注意する必要がある。しかしながら、速度を求め
るために加速度を数値積分した場合、残留バイアスが生
じ、これが時間とともに増大する。本発明のように、セ
ンサーにより直接検出することは(例えば、加速度項に
何ら積分が存在しないので)そのような問題が起こるの
を防ぐ。このようにして基本的な伝達関数プロセスはこ
れら検出システムの各々において重要である。これ故
に、通常の系は角度の回転を得るために、(例えば図1
(a)〜2(b)のように)ディスクリートの圧電センサーを
複数用いるのに対して、本発明は直接検出するセンサー
を用いており、これ故に磁束の変化速度を用いることに
より一層ロバストなシステムとなる。
【0049】図4(a)〜4(c)は低摩擦ピボット軸410の回
りの回転運動を検出するように設計された、図3(b)のも
のと同様の、逆EMFセンサー400の構成要素を示す。
【0050】簡単にするために図4(a)で上部ヨークは示
していない。センサー400の最大感度(例えば単位角加
速度あたりの電圧)は、コイル(マルチターンの薄い断
面のワイヤを含む)420の両サイドが逆EMF生成プロセス
に加わるように作られたときに達成される。このように
して空隙磁束が、図4(a)に示されるように、適当な極性
を持った一対の永久磁石を用意することにより作り出せ
る。センサー400は又、重心バランス用質量430、センサ
ービーム440および逆EMFピックアップ450を包含する。
【0051】図4(b)は図4(a)のIV−IV'ラインに沿った
図4(a)の構造の断面図を示し、更に上部ヨーク460およ
び磁束の流れ470を示している。
【0052】ピボットの設計は多くの方法で達成し得る
ことに注意する必要がある。例えば、図4(c)はピッチ、
ロール方向の動きのみならずX−Y方向の直線状の移動
を制限しながら、一対のたわみ構造アセンブリー480が
回転方向(ヨー方向)の自由度を与える場合を示す。
【0053】より具体的には、たわみ構造のピボットの
インナーハブがシャフト490に取り付けられアウターリ
ングがヨークに取り付けられる。二つのたわみ構造アセ
ンブリー480はコイルと電気的な結合を行うことができ
る。シャフト490は好ましくはZ方向の剛性を与える点接
触(絶縁体)のプリロードシャフトである。強化された
Z方向の剛性、およびそれ故に硬い表面に対するプリロ
ードシャフトの必要性は、もしZモード振動に対してコ
イル巻線との磁束鎖交が許容し得るほどわずかである場
合には、不可欠なものではない。
【0054】逆EMFコイルとの電気的接続は、図4(c)に
示すように、二つのたわみ構造体480を通して達成され、
この場合たわみ構造体480を支持するシャフトは電気的
に非導電性のものでなければならない。
【0055】回転振動は約50rad/s2に制限され、角度振
動の大部分が100〜1,000Hzの範囲で測定されるので、慣
性ビームの最大角度偏位は0.01度以下と予想される。一
方、シークに誘起される整定挙動により、ベースプレー
トの偏位は約0.1度の大きさになる。それ故に大きな角
度偏位ピボットは必要不可欠なものでない。たわみ構造
系は低コスト、摩擦なしのピボットアセンブリーを提供
する可能性を有する。
【0056】図5(a)〜5(d)は、マルチターン薄型断面
ワイヤ(コイル)515、センサービーム520および重心バ
ランス用質量530を有するセンサー500の、たわみ構造ピ
ボット510を有するたわみ構造系をいろいろな図で示し
たものである。
【0057】図5(b)に示すようにピボット材510は粘弾
性ダンピングを有するシートメタルアセンブリーから作
られていてもよく、或いはピボット510自体が全て、固
有のダンピング特性を有するプラスチックで作られてい
ても良い。例えば、ピボットは、ヨーク/ベースプレー
トアセンブリー(図示されていない)に取り付けられた
インナーハブ5102に結合した複数のたわみ構造部材5101
を含んでいても良い。
【0058】図5(c)は図5(b)の薄型たわみ構造部材5101
の一つの側面図である。センサー特性の温度依存性と部
品コストは適当なたわみ構造のピボット材料を選ぶこと
でよくバランスする。
【0059】図5(d)はインナーハブ上に取り付けられた
たわみ構造5101およびコイルの電気接続のルーティング
およびコイルからの電気的リンク5103の例を示す。
【0060】このようにして、図5(a)〜5(d)の構造
は、五つの座標軸において曲がりにくく、面内の回転に
おいては最も自由度が大きい、低コストのたわみ構造系
を提供する。
【0061】逆EMFセンサー機能は空隙磁束を必要とす
るので、主VCMアクチュエータに既に存在する磁束はセ
ンサーアセンブリーと共有され、このようにして、個別
の磁気回路よりもコストを低減することができる。この
ようにして、主VCMのマグネットを共有することによ
り、センサーのマグネットのコストはその組み立てコス
トも含めて、低減できる。更にスペースの節約も実現で
きる。
【0062】図6〜8はディスクドライブ内の利用できる
スペースに応じて、慣性ビームを配置するいろいろな場
所を示す。
【0063】例えば、図6は逆EMFコイル605が主アクチ
ュエータアームとコイル610の空隙を共有することがで
きる場合を示す。通常の一対のマグネット620が主アク
チュエータの空隙を形成するために用いられる。VCMマ
グネットは図示(例えば参照番号630)のように広げら
れている。空気流に誘起される振動や電磁的な干渉(EM
I:electromagnetic interference)を防ぐためにシュ
ラウド640が与えられる。このようにして、逆EMFセンサ
ーは主VCMのマグネットの背部に形成される。
【0064】図7は主アクチュエータアームとコイル710
の空隙を共有することのできる逆EMFコイル705の構造を
示す。通常の一対のマグネット720が主アクチュエータ
の空隙を作るために用いられる。VCMマグネットは図で
示されるように(例えば参照番号730)広げられてい
る。空気流に誘起される振動と電磁気的な干渉(EMI)
を防ぐためにシュラウド740が用いられる。
【0065】このようにして逆EMFセンサーは主コイル
と誘導結合を構成するように配置され、特に主VCMのマ
グネットの側に形成される。この配列は主VCMコイルの
背部(図6参照)とは異なって、側部に利用できるスペ
ースがある場合に有利に用いられる。このようにして本
発明の製造し易さが強化される。
【0066】図8は主アクチュエータアームとコイル810
の空隙を共有することができる逆EMFコイル805を示
す。通常の一対のマグネット820は主アクチュエータの
空隙を形成するために用いられる。VCMマグネットは
図示のように(例えば参照番号830を参照)広げられて
いる。シュラウド840が、空気流で誘起される振動や電
磁気的干渉(EMI)を防ぐために用いられる。このよ
うにして逆EMFセンサーは主VCMのマグネット820
の側部に形成される。
【0067】図8は更に典型的に、どうやってピボット
が支持されるか、および特に、どうやって広げられたヨ
ークがピボットアセンブリーを支持するために用いられ
るかを示している。この一体化構造はマグネットとピボ
ット点の間でZ軸方向に調整する問題が生ずることを阻
止する。このようにして、この構造は主VCMと一体化
され、それによって多くの製造上の利点を提供するもの
である。
【0068】大きな電流ベースのシークの間に、空隙磁
束を通じてある量の磁気的な相互作用が予想され、これ
は検出した逆EMF電圧に寄生成分を生ぜしめることに
なる。RVのロバスト性がトラックフォロー動作の間
に、第一に必要とされるので、センサーフィードフォワ
ードはシーク動作の間に一時的に停止される。これはセ
ンサーがフィードフォワードアルゴリズムを働かし続け
ることにより最もよく実現できるが、アルゴリズムの出
力を主VCM駆動に対し無効にでき、このようにしてフ
ィードフォワードが起動されたときに不自然な過渡現象
が生ずるのを阻止できる。
【0069】多くの最新のHDDは、図9(a)に示すよう
に、電源オフ条件下で衝撃に誘起されたアクチュエータ
の動きを抑制するために、慣性系ラッチ900を有する。
例としてそのようなラッチ(例えばいわゆる「双方向ラ
ッチ」)は、ユーザーがHDDを組み込んだノートブッ
ク型コンピュータなどを落下する、といった事故からH
DDを保護するためである。そのようなラッチ系はラッ
チ910およびそれに結合したスプリング920を有する。ラ
ッチ910は接触点940を経てレバー930に結合している。
ラッチ910はアクチュエータマグネット960に隣接して示
されるように、アクチュエータコイル950を固定し、突
然の加速により起動される。レバー930は慣性的にはラ
ッチ910より相対的に重く、事故が生ずるとレバー930が
ラッチ910を、回転方向に無関係(例えば双方向ラッ
チ)にラッチ位置(例えばロックされる位置)へと押し
込む。
【0070】しかしながら、逆EMF検出機能のコスト
は、図9(b)に示すように、コイル巻線を支持するために
慣性ラッチ910の予め設けられているアームの一つを利
用する構造970により、一層低減することができる。
【0071】図9(b)は接触点940において接触しない静
止点975を示す。慣性ビームは、予め荷重が加えられて
停止しているのでなく、微妙な回転振動をピックアップ
するためにニュートラル位置に自由に保持されなければ
ならない。この要求は、図9(b)に示すように、第二のソ
フトスプリング980を持つことで満たされる。このよう
なわけで、スプリング980は接触がない場合に、レバー9
30のニュートラル位置を維持するためのものである。更
に図9(b)では、センサーの空隙磁束のための延長部を持
ったアクチュエータマグネットおよび低摩擦ピボット99
5も示されている。
【0072】慣性ラッチメカニズムの衝撃で起動される
動作が、コイルを有するビームをニュートラル位置に保
つことによって阻止される場合において、二つのモード
の動作が考えられる。即ち逆EMFコイル985に小さな
バイアス電流を印加することによって、接触静止位置97
5(例えば電源オフ状態の間)から自由な非接触ニュー
トラル位置(例えば電源オン状態の間)へと第二のスプ
リング980に抗してビームを動かすバイアス力を生成す
ることができる。
【0073】このようにして、プリロードされている図
9(a)の構造に対比して、図9(b)の構造或いはビームはプ
リロードされておらず、第二のスプリングにより浮いた
ままであり、このようにして慣性的に高い品質(例えば
小さな振動)の装置となる。これ故に小さな振動に対し
て構造或いはビームは低摩擦ピボットによってのみ支持
されており、これに対して、大きな振動(例えば衝撃等
のような大きな動き)に対しては、通常の図9(a)のレバ
ー/ラッチ装置と同様に動作する。これ故に、図9(b)の
構造にコイルを付加することによって、コンパクトで低
コストの逆EMFセンサー構造が得られる。
【0074】図10(a)〜10(c)を参照すると、低周波で感
度を大きくするために移動部材の慣性質量を増大させね
ばならないような応用に対しては、ベースプレートのス
ピンドルモーターベースエリアの回りの未使用の外部ス
ペースが用いられる。
【0075】即ち図10(a)と10(b)は、ベースプレート10
00と、磁路のための上部ヨーク1010、マグネット1030を
有する回転要素1020、回路基板に組み込まれた逆EMFコ
イル1040および磁束帰路のための下部ヨーク1050を有す
るスピンドルモーターエリア(参照番号なし)の分解図
と組立図を示す。図10(b)は更に低摩擦ピボット1060お
よび主回路基板1070を含む最終アセンブリーを示す。図
10(c)はコイルを有する回転要素1080の状態を示す。
【0076】上述の各場合は、可動マグネットと可動コ
イルベースのセンサー構造を示している。しかしなが
ら、図11(a)を参照するとコンパクトな逆EMFセンサー11
30がディスクドライブ(ヘッドディスクアセンブリー)
1120の電気基板1110に近接して配置され、図示のように
接続されることが望ましい状態にある構造1100が示され
ている。基板への最短での電気接続が参照番号1140に示
される。
【0077】図11(b)では究極の応用として、薄型のフ
ォームファクターのセンサー設計が用いられ、このセン
サーアセンブリー1130が電気基板1110に直接付加されて
いる。このようにして逆EMFセンサー1130は基板の近く
に搭載される(例えばベースプレートの後側に搭載さ
れ、基板に接続される)か、または基板に直接搭載され
るか、或いは更に言えば基板1110の中または一部に一体
化して搭載することができる。
【0078】2.5インチ型のフォームファクターのドラ
イブ用の部品から構成される逆EMFセンサーに関して、
この考え方の実現可能性が説明される。即ち逆EMFセン
サーの測定した周波数伝達関数(TF:transfer functio
n)が図12(a)と12(b)に示される。
【0079】図12(a)において、TFへの入力は角速度励
振であり、出力は巻線の(利得1,000倍で増幅された)誘
起電圧である。このセンサーの設計での共振周波数は約
45Hzであることが観察されている。通常のボールベアリ
ングピボットは45Hzの共振を起こすスプリング状の微小
変位の挙動を示すことが知られている。
【0080】100〜1,000Hzの周波数範囲で伝達関数がデ
ィケード−20dBのロールオフ特性を示していることは、
回転角速度入力が逆EMF電圧に反映された回転速度出力
に変換される、積分効果を裏付けるものである。ピボッ
トアセンブリーに存在するダンピングはTFの位相を−90
度に漸近させる。この−90度座標近くのなだらかな位相
変化は、アルゴリズムをディジタル方式で実現する際に
固有の位相遅れを補うことによってフィードフォワード
の有効性を改良するために、建設的に利用される。セン
サーのダンピング特性に関して、図12(b)に示すセンサ
ーの位相ゲイン(リフト)は有利で、有益で、利用され
得るものであることが特記されよう。
【0081】通常のボールベアリングピボットがセンサ
ーの角度慣性自由度を達成するために用いられる場合、
ベアリングは拡張した電源オフ条件により、「引っかか
った」位置に留まる。ピボットは短時間の間検出コイル
を励磁することによって働かされなければならないこと
が理解されよう。センサーをRV測定に有用にさせるに先
立って変動する電流を検出コイルに流すことにより、ベ
アリングは自由に動けるようになされる。
【0082】図13(a)と13(b)はPZTセンサーとセンサーA
(例えば更に以下に述べるような、あるフォームファク
ターを持つ逆EMFセンサー)の時間領域の出力を示す。
【0083】即ち図13(a)は回転の中心から約10.5cm離
れて設けられたPZTセンサーに対応し(例えば角加速度
を時間の関数として示す)、図13(b)は同じ振動テーブ
ルに搭載された逆EMFセンサー電圧(×1,000の利得)に
対応(速度を時間の関数として示す)する。時間でトレ
ースすると信号は定性的に比較できるものであることが
示される。たとえセンサー出力が信号処理アルゴリズム
で用いられる前に増幅されたとしても、雑音の拾いこみ
による目立った劣化は明らかでない。
【0084】図14(a)と14(b)はディジタル信号処理ユニ
ットで実行される高域通過、低域通過フィルターおよび
位相リードフィルターを含むフィードフォワードアルゴ
リズムのTFを示す。
【0085】もしプログラム制御可能性が必要不可欠で
ないのであれば、フィルターはアナログ電子モジュール
またはアナログとディジタル部品の組み合せを用いても
実現されよう。+90度の理想的な位相が、フィルターが
微分器の機能をエミュレートするのに必要であるが、高
域通過フィルターと低域通過フィルターをそれぞれ通過
する望ましくない低、高周波信号の抑制の必要性は理想
的な目標に対して位相歪を生じ、位相遅れを引き起こし
ているのが認められる。
【0086】図15はセンサーベースのフィードフォワー
ドによる解決法の基本的な効果を、通常のサーボと比べ
て示したものである。そこでは二つの異なった検出方式
(例えばPZTセンサーと、逆EMFセンサー)の効果も比較
している。
【0087】最大のエラー除去が達成できる最適周波数
が存在することがわかる。アクチュエータドライバーに
入力されるフィードフォワード信号と真の角加速度との
間の正味の位相差が(フィルター動作とセンサーベース
位相変化を考慮した後で)0度に近いとき最大のエラー
除去が達成される。
【0088】このようにして、図15は三つの条件下での
PESに対するRVの効果を示す。即ち図15は出力PESの入力
RVに対する比を示す。
【0089】通常の場合を示す1501は制御補償のための
RV加速度なしまたは速度検出なしの場合(例えばフィー
ドフォワードなしの場合)の波形である。このようにし
て単位入力G(例えば100Hz、40dB)に対して、位置決め
誤差信号(PES)における1トラック幅エラーは256bitに
等しい。これ故に、100bitは1/2トラック幅に相当する
ことになる。このようにして、40dB(1G)は通常の場合
には100bitに相当し、通常のサーボループ構造は問題点
を取り除くことはできない。
【0090】次の1502の場合は高感度PZT(例えば高コ
ストのPZTセンサーをデュアルで使用)によって最良の
構造を実現する。ここでPZT信号は低域通過(LP:low p
ass)および高域通過(HP:high pass)フィルターを通
され、アクチュエータにフィードフォワードされる。こ
のようにしてPZT加速度法による性能は良好ではある
が、コストが非常に高く、更にサイズも増大する。
【0091】波形1503に示される興味あるケースでは、
RV速度ベース制御を行っている。両方のセンサーとも同
様な振動排除特性を作り出すが、逆EMFセンサー(例え
ば曲線1503によって示される)はPZTベースの制御より
もより少ない減衰(〜8〜10dB)となる。更に逆EMFセ
ンサーはPZT法よりもずっと安価でありサイズもより小
さく、得られるスペースもディスクドライブの機械部品
の内部に収まる。
【0092】逆EMFセンサーの設計は最良のPZT系に匹敵
する特性を呈するように最適化され得ることが見出され
た。実際、逆EMFベースの構成は150Hz以下の低周波数に
おいて補償が向上する。基本的に異なった検出ならびに
制御構造は伝達関数(TF)に変化をもたらす。TFは正弦
波掃引法を用いて得られる。
【0093】図16は図13に対応してPZT信号1601と逆EMF
信号1602のパワースペクトルを比較したものである。逆
EMFセンサは、この例では600Hzを超えたところに付加的
な雑音振幅が見られるが、この雑音の正味の効果はフィ
ードフォワード方式の精度ににあまり寄与しない。
【0094】図17(a)〜17(c)はPZT加速度検出および二
つの異なったフォームファクターの逆EMFセンサー設計
の効果を比較しており、200Hzの振動周波数における時
間軸での信号を示している。
【0095】図17(a)は通常のPZT加速度検出を示す。図
17(b)は1.8インチフォームファクターのHDDの部品に基
づいた場合のセンサーAの速度検出を示し、図17(c)は2.
5インチHDDの場合のセンサーBの速度検出を示す。両者
の信号は利得1,000倍に増幅される。センサーBは雑音特
性がわずかに改良されているのが示される。
【0096】図18(a)〜18(b)は(180度位相を異ならせ
るため符号を異ならせた)二つのセンサーA、BのTFを比
較したものである。センサーAはセンサーBよりも高い感
度を有する。各ピボットに存在する固有のダンピングは
図18(b)に示されるように位相のロールオフ特性に影響
を与える。図18(a)〜18(b)の200Hzポイントを見れば分
かるように、データポイントは図17(a)〜17(c)の時間軸
に対応する。
【0097】図19は図15の拡張版であり、ここでは二つ
の逆EMFベースRVセンサー(例えばセンサーA、センサー
B)の特性1910、1920が、通常のコントローラの特性194
0およびPZT加速度センサーの特性1930と比較されてい
る。
【0098】図19から、同一のフィードフォワードアル
ゴリズムが用いられた場合、最大のエラー除去周波数は
センサーAでは150Hzで生ずるのに対してセンサーBでは2
50Hzで生ずることが分かる。センサーのダンピング特性
とアルゴリズムの位相を最適化することによって、最大
のエラー除去ポイントが、与えられた振動スペクトルに
対して最適に設定される。
【0099】このようにして、位相特性およびその他の
見地から、同じアルゴリズムを用いた場合ですら、ある
周波数帯ではあるセンサーを用いたほうが別のセンサー
を用いるよりも有利となるであろう。例えば図19に示す
ように速度検出センサーBは良いエラー除去特性を呈
し、センサーAよりも優れているように思われる。更
に、手近な場合で、図18(b)の約200Hz付近の点をみる
と、1.8インチFFのセンサーの位相が低下しているよう
に見えるのに比べて、2.5インチFFのセンサーの位相は
図18(b)において、どちらかというと平坦である。よく
知られているように90度に近づいた平坦な位相は傾斜し
たものよりも(平均補償性能において)優れている。
【0100】センサー/アルゴリズムを組み合わせた正
味の位相は、最大の振動除去を実現するにはゼロ度に等
しくなければならないことがわかる。しかしながら実際
上望まれる周波数範囲(100〜1,000Hz)全域にわたって
ゼロ度の位相を得ることは、フィードフォワードサンプ
リング速度が限られていることによって固有な位相遅れ
が存在するため、不可能である。図17(a)〜17(c)に示さ
れるように、それぞれのセンサー技術に対して準最適状
態での除去は依然として達成され得る。
【0101】図20(a)はサーバ製品に見られる典型的なR
Vスペクトルを示す。図20(b)は各サーボ補償方式に対す
るこのRVの効果を示す。スペクトル特性は特別のプログ
ラム動作可能な波形ジェネレータを用いて生成され、サ
ーバシステムで観測される典型的なRV特性を模してい
る。図20(a)に示されるように、振動スペクトルは、約3
00Hzから約600Hzのところがこぶ状になっており、これ
は実験室でテーブルの励振から生ずるものである。
【0102】図20(b)はランダム回転振動による特性を
示し、更に特定すると、入力RV値22.8r/s2に対応するPE
S(1シグマ)値を示す。通常の制御の下では、PES値は
4倍の21から22bit(1シグマ)になることが示される。
【0103】RV速度センサーベースの制御の場合、12か
ら13bit(13dB)に下がり、理想的に近いPZT(例えば高
品質、高コストPZTセンサーのデュアル配置)の場合に
は、更に11bit(11dB)まで改良される。振動がない場
合(例えば通常のサーボで静止中の条件下)は6bitが観
測される。
【0104】このようにして、図20(b)から、通常のサ
ーボはRVなし(静止中)の場合に比べて4倍低下するこ
とが明らかである。このようにしてこれらの図は多数の
ドライブが動作するサーバーコンピュータに予想される
ランダム振動に適用することに対応する。速度ベースの
フィードフォワード補償を用いて、エラーは50%まで低
減できる。PZTベースの検出の利点はこのデータセット
からは明白でない。
【0105】一方、図21(a)と21(b)は図20(a)のような
ランダムなRV入力に対するPESのパワースペクトルを示
す。100Hzから400Hzの範囲のスペクトル振幅の減少がフ
ィードフォワード法により達成される。
【0106】逆EMFセンサーがRVのロバスト性を高める
ために用いられる一方で、同じセンサー出力はユーザー
によるホットスワップ操作時の動作衝撃を検出するため
に用いられる。衝撃の結果により生ずるセンサー信号
は、隣接トラックのデータが消去されてしまうのを保護
するために書き込みプロセスを禁止するために用いられ
る。一方RV振動レベルが予め選ばれた境界値以下の場合
は、センサーのフィードフォワードはTMRに誘起される
雑音を最小にするために無効になされる。
【0107】図22は実際的な装置を説明し、特にディス
クドライブのハウジング2220内部に搭載される逆EMFセ
ンサー2210を含む構造2200の等角図を示す。
【0108】図22で、一体化された逆EMFセンサー2210
はVCMの磁気ヨーク(例えば、説明の便宜から下部ヨー
ク2230が示され,上部ヨークは省略されている)に結合
されており、VCMマグネット2240の延長部によって磁束
を共有している。図22に示すように、センサー2210は、
ドライブハウジング2220内に、存在するドライブ構成要
素とは干渉することなくマウントされる。検出コイル電
気的巻線はディスクリートな一対の電線により、または
主アクチュエータVCMフレキシブルケーブルに一体化し
て、主電気基板に信号を伝えることができるように、電
気的接続(図示していない)がなされる。
【0109】図23はディスクリートな逆EMFセンサー221
0の分解組立図を示す。図23はディスクドライブハウジ
ング2220の内部で、かつ存在するドライブ構成要素と干
渉せずにマウントされたセンサー2210を示す。電気的接
続はセンサーアセンブリー2210に搭載されたインターフ
ェース基板(図示されていない)と、存在するインター
フェース回路用ケーブル2310との間で圧力接触で行われ
る。センサーの構造を完成させるために、更に上部カバ
ー2320と下部カバー2330、マグネット2340および上部ヨ
ーク2350と下部ヨーク2230が示される。上部カバーと下
部カバーはセンサー2210を保護している。この構造の重
要な特徴は、センサーをディスクドライブ内に落とし込
むと、電気的なインターフェースコネクター2310と自動
的に接続されるので付加的な配線やそれに伴う問題点を
回避することができることにある。このようにしてセン
サーは低コストで、落とし込み式の、モジュール式の解
決法を提供する。
【0110】図24は鋳物またはプラスチックモールド体
2410のいずれかから成る低コストセンサー本体アセンブ
リー2400を示す。プラスチックモールドまたはエッチン
グされ或いは金属を型打ちした、たわみ構造2420は金属
のピボット構成要素2430と組み合わされる。好ましくは
上部および下部たわみ構造は薄いリンクを持った2枚の
薄型の部材であり、図5(a)〜5(d)に示されたものと同様
である。検出コイル2440が所定の位置に配置され、アセ
ンブリーは予め決められたバランス用質量2450によっ
て、ピボットの回転軸の回りに質量バランスされる。
【0111】図25は低コストセンサー本体アセンブリー
2500を示し、この場合は(図24の2枚構造とは異なり)
金属のたわみ構造構成要素2520は鋳造またはモールドに
よりセンサー本体2510に一体化され、それらに対して十
分な高さを持つブレード状の形状を有している。検出コ
イル2540は所定の位置に配置され、アセンブリーは予め
決められたバランス用質量2550によって、ピボットの回
転軸を中心に質量バランスされる。
【0112】図26はセンサー本体アセンブリー2600の好
適な低コストの実施例を示し、たわみ構造構成要素がイ
ンジェクションモールドされたプラスチック部品に一体
形成されている。センサー本体2610には、金属ピボット
2620、巻線式電気的検出コイル2630および、予め決めら
れたバランス質量2640が、共にインジェクションモール
ド部品の一部としてインサートモールド形成される。慣
性質量2650が(必要ならば)慣性特性を最適化するため
に付加され、バランス質量2640が前述のようにアセンブ
リーを質量バランスする大きさにされる。
【0113】センサー本体2610は、工具がピボット用た
わみ構造2670にアクセスすることができるように、複数
の穴部2660A、2660Bを有しており、その結果ピボット剛
性を最小にすることができ、低い回転共振を実現でき
る。更に金属たわみ構造2670はそこに形成された穴部26
71A、2671Bも持つ。このようにして、図26のアセンブリ
ー2600はモールドプロセスの後にドリルで複数の穴を形
成することにより、平面方向の回転剛性を低くするため
の有利で、実際的な方法を実現する。
【0114】図27(a)と27(b)は通常のPZTセンサー(図2
7(a))および本発明で使用する速度センサー(図27
(b))の過渡的振動パターンへの効果を示す。センサー
は200Hz、49rad/s2の正弦波状の角度パルス入力に対する
過渡的な条件下に置かれている。
【0115】本発明はいくつかの好適な実施例について
説明してきたが、この技術に熟達した者は、本発明が以
下に記す請求項の精神および範囲内で修正して実行でき
ることを認識するであろう。
【0116】
【発明の効果】このようなわけで、本発明者はディスク
円板面内でのベースプレートの回転方向の振動が、限ら
れたサーボフィードバック利得によりトラッキング誤差
を引き起こすことを認めるに至った。単一の磁気的起電
力(EMF)ジェネレータによってベースプレートの角速
度を測定するために、慣性優位の「ピボットビーム」構
造を有するセンサーが開発された。
【0117】通常の構造はデュアルの圧電(PZT:piezo
electric)センサーに基づく加速度フィードフォワード
法を用いている。このようなPZTセンサー系は回転振動
信号として直線振動の一部を表示する傾向がある。対照
的に、本発明のEMFベースの速度検出は、望ましくない
直線振動の取り込みは、より少ない傾向にある。
【0118】EMFセンサーは増幅にはほとんど電流を必
要としない電圧検出モードで動作するので、信号処理に
必要な条件はより厳密でなく、熱で誘起される抵抗変動
に対しより反応しにくく、電荷生成ベースのPZTセンサ
ー方式に比べるとより低コストである。RV動作を検出す
るのに必要な角度変位は1度の何分の一かであり、それ
故にたわみ構造ベースのピボット系がこのセンサーに対
して理想的に適している。
【0119】更に、角運動に最大の感度を与え、かつ他
のすべての座標方向の振動に最小感度を与えるように、
センサー形状が最適化される。主VCMの空隙の磁束を共
有することによってセンサーのコストが最小になる。た
わみ構造のベアリングによってセンサーを支持すること
により、ピボット機能のコストは更に低減できる。慣性
ラッチのレバーアームを適合させることにより、センサ
ー機能は最小のコストで達成できる。
【0120】このようにして、本発明の回転振動(RV)
用速度ベースサーボ補償センサー系は従来の方式に比べ
て有利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の方法として角加速度を検出するために二
つのPZTセンサー101、102を用いる方法を示す図であ
る。
【図2】従来の方法でのPZTセンサー201、202を用いた
加速度フィードフォワード制御を説明する図である。
【図3】本発明の一実施例を示す図で、(a)は逆起電力
(EMF)センサー302を組み込んだディスクドライブ300
のフィードフォワードループを示し、(b)は図3(a)の逆
起電力(EMF)センサー302をより詳細に示した図であ
る。
【図4】本発明の一実施例による逆起電力(EMF)セン
サー400の構成要素を示す図である。
【図5】本発明の一実施例による逆起電力(EMF)セン
サー500のためのたわみ構造のピボットを示す図であ
る。
【図6】本発明の一実施例によるVCMの空隙磁束を共有
する逆起電力(EMF)センサーの位置を示す図である。
【図7】本発明の一実施例によるピボット点で独立の支
持部を持った逆起電力(EMF)センサーの別の位置を示
す図である。
【図8】本発明の一実施例による主VCMのヨーク系によ
って与えられる、逆起電力(EMF)センサーのピボット
点を示す図である。
【図9】ラッチ系アセンブリーと共有している逆起電力
(EMF)コイルを支持するアームを示す図である。
【図10】本発明の一実施例によるドライブアセンブリ
ーの外部に取り付けられた最大の慣性アームを持った逆
電力(EMF)センサーを示す図である。
【図11】本発明の一実施例による電気回路基板アセン
ブリーの近くに取り付けられた逆EMFセンサーを示す図
である。
【図12】本発明の実施例に従った逆EMFセンサーの伝
達関数測定結果を示す図である。(入力=RV加速度、出
力=逆EMF;角速度/角加速度)
【図13】同じ入力振動に対する、逆EMFセンサーおよ
びPZTセンサーの逆EMFセンサー時間領域の出力を比較し
て示す図である。
【図14】逆EMFセンサーのフィードフォワード制御伝
達関数を示す図である。
【図15】三つの方式の位置決め誤差信号(PES:posit
ion error signal)に対する回転振動(RV)の影響を示
し、特にいろいろな制御条件下での入力RV加速度のPES
に対する伝達関数の測定結果を示す図である。
【図16】200Hzの正弦波を加えたときのPZTと逆EMF
センサーのパワースペクトルを示す図である。
【図17】二つの異なったフォームファクター(FF:fo
rm factor)の逆EMFセンサーの出力をPZTセンサ
ーと比較して示す図である。
【図18】二つのフォームファクターの逆EMFセンサ
ーの伝達関数特性を示す図である。
【図19】四つの構造の回転振動の位置決め誤差信号に
対する効果を示す図である。
【図20】位置決め誤差に対する回転方向のランダム振
動の影響を示す図である。
【図21】回転方向のランダム振動の下での位置決め誤
差信号のパワースペクトルを示す図である。
【図22】逆EMFセンサーがディスクドライブの内部
に取り付けられた構造2200の等角図を示す。
【図23】ディスクリートの逆EMFセンサー2300の分
解組立図を示す。
【図24】鋳物またはプラスチックモールド体のいずれ
かから成る低コストセンサー本体アセンブリー2400を示
す図である。
【図25】金属のたわみ構造構成要素が鋳造またはモー
ルドでセンサー本体に一体形成された低コストセンサー
本体アセンブリー2500を示す図である。
【図26】たわみ構造構成要素がインジェクションモー
ルドされたプラスチック部分に一体成型された低コスト
センサー本体アセンブリー2600の実施例を示す図であ
る。
【図27】過渡的な振動パターンに対する、通常のPZ
Tセンサーの応答結果(a)および本発明に従った速度
センサーの応答結果(b)を示す図である。
【符号の説明】
300,1120…ディスクドライブ、 301,1000…ベースプレート、 302,400,500,1130,2210,2400,2500,2600…逆EMFセン
サー、 306…ヘッド、352…フィードフォワードコントローラ、 353…通常のサーボ、354…増幅器、 3021,420,515,605,705,805,1040,2340,2540,2630…コイ
ル、 3022,1030,2430…マグネット、 3023,410,510,1060,2620…低摩擦ピボット、 3024,430,530,2550,2640…質量バランス、 3025,640,740,840…シュラウド、 3026,440,520…慣性ビーム(可動体)、 5101,2420,2520,2670…たわみ構造部材、 5102…インナーハブ、 610,710,810,950…主アクチュエータアームとコイル、 620,720,820,960,2240…VCMマグネット、 910…慣性ラッチ、930…レバー。
フロントページの続き (72)発明者 ハイエン・ダン アメリカ合衆国10954 ニューヨーク州ネ イヌエット フェアヴューアベニュー5 (72)発明者 ビジャイェシュワー・ダス・カンナ アメリカ合衆国10546 ニューヨーク州ミ ルウッド ボールドウィンヒルズロード21 (72)発明者 ジェラード・マク・ビッカー アメリカ合衆国12582 ニューヨーク州ス トームヴィル ブラザーズロード101 (72)発明者 太田 睦郎 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立グローバルストレージテクノロジー ズ内 Fターム(参考) 5D096 AA02 CC01 DD01 DD02 DD03 HH18 KK12 VV10 5H540 AA08 BA06 BB06 EE01 EE06 EE10 EE14 EE15 FB02 FC03 FC05

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直線方向および回転方向の振動を受けるデ
    ィスクドライブ(HDD)において、予め決められた周波
    数範囲でHDDの回転振動の回転速度成分を検出するため
    の、独立した検出ユニットを有するディスクドライブ。
  2. 【請求項2】請求項1のディスクドライブにおいて、前
    記検出ユニットに結合された回転振動(RV)速度コント
    ローラを有し、該検出ユニットは逆起電力(EMF)検出
    ユニットを有するディスクドライブ。
  3. 【請求項3】請求項2のディスクドライブにおいて、前
    記RVコントローラは完成したディジタル回路および完成
    したアナログ回路のうちの少なくとも一方を含むディス
    クドライブ。
  4. 【請求項4】請求項1のディスクドライブにおいて、更
    にベースプレートを有し、前記センサーはベースプレー
    トの回転振動の回転速度成分を検出するディスクドライ
    ブ。
  5. 【請求項5】請求項2のディスクドライブにおいて、前
    記RVコントローラは振動レベルが予め決めた限界を超え
    る時のみ起動され、それによって前記センサーを介して
    入り込む不要な電気的雑音の可能性を低減するディスク
    ドライブ。
  6. 【請求項6】請求項1のディスクドライブにおいて、前
    記センサーは回転振動(RV)速度センサーを有し、該RV
    速度センサーの感度は直線方向の振動に対して最小化さ
    れ、該RV速度センサーからのすべての出力信号はRV励振
    により生ずるものとして処理されるディスクドライブ。
  7. 【請求項7】請求項1のディスクドライブにおいて、更
    に主ボイスコイルモーター(VCM)を有し、該主ボイス
    コイルモーター(VCM)の逆起電力(EMF)が前記センサ
    ーによって直接検出されるディスクドライブ。
  8. 【請求項8】請求項1のディスクドライブにおいて、前
    記独立した検出ユニットは独立した逆起電力(EMF)検
    出ユニットを有するディスクドライブ。
  9. 【請求項9】ディスクドライブの回転振動速度成分を直
    接検出するセンサーを有するディスクドライブ。
  10. 【請求項10】請求項9のディスクドライブにおいて、
    前記センサーは前記回転振動速度成分を検出する逆起電
    力(EMF)センサーを有するディスクドライブ。
  11. 【請求項11】請求項9のディスクドライブにおいて、
    該ディスクドライブは更に主ボイスコイルモーター(VC
    M)を含み、前記センサーは該主VCMの磁束を共有するよ
    うに構成されるディスクドライブ。
  12. 【請求項12】請求項9のディスクドライブにおいて、
    更に慣性ラッチ用アームを有し、該慣性ラッチは第1お
    よび第2の励振モードを有し、前記センサーは該アーム
    に隣接して搭載されるディスクドライブ。
  13. 【請求項13】請求項9のディスクドライブにおいて、
    前記センサーはたわみ構造から成るピボットを有し、該
    たわみ構造は予め決められたダンピングレベルを有する
    材料から形成されるディスクドライブ。
  14. 【請求項14】請求項9のディスクドライブにおいて、
    前記センサーはコイルおよび、コイルへの電気的結合を
    与える複数のピボットたわみ構造を有するディスクドラ
    イブ。
  15. 【請求項15】請求項14のディスクドライブにおい
    て、前記センサーは逆起電力(EMF)センサーを含み、
    前記コイルは逆EMFコイルを含むディスクドライブ。
  16. 【請求項16】請求項9のディスクドライブにおいて、
    センサーの伝達関数が100〜1,000Hz RVの性能範囲を満
    たすように最適化されるディスクドライブ。
  17. 【請求項17】請求項9のディスクドライブにおいて、
    前記センサーはフィードフォワード補償用出力を与える
    ディスクドライブ。
  18. 【請求項18】請求項17のディスクドライブにおい
    て、フィードフォワード補償用前記センサーの前記出力
    は、該ディスクドライブのシーク中は停止され、セトル
    アウトフェーズ後に起動されるディスクドライブ。
  19. 【請求項19】請求項17のディスクドライブにおい
    て、フィードフォワード補償用前記センサーの前記出力
    は、回転速度の境界値に達していない場合、該ディスク
    ドライブのトラックフォローモードの間停止されるディ
    スクドライブ。
  20. 【請求項20】請求項9のディスクドライブにおいて、
    フィードフォワード補償を最適化するために前記センサ
    ーのダンピングが用いられるディスクドライブ。
  21. 【請求項21】請求項9のディスクドライブにおいて、
    前記センサーはホットスワップの衝撃が起こっている間
    書き込みを禁止する機能を備えるディスクドライブ。
  22. 【請求項22】ディスクドライブシステムにおいて、主
    ボイスコイルモーターと、1点の回りに回転可能であっ
    て、直線方向の振動には事実上感応せず、該主ボイスコ
    イルモーター(VCM)の磁束を選択的に共有する逆起電
    力(EMF)センサーとを有するディスクドライブシステ
    ム。
  23. 【請求項23】ディスクドライブ用センサーにおいて、
    該ディスクドライブの回転振動速度を直接検出する逆起
    電力(EMF)センサーを有するセンサー。
  24. 【請求項24】請求項23のセンサーにおいて、前記逆
    EMFセンサーは、複数のたわみ構造体と、該たわみ構造
    体に隣接し、前記ディスクドライブの主ボイスコイルモ
    ーターの磁束を共有するコイルとを有するセンサー。
  25. 【請求項25】請求項23のセンサーにおいて、前記逆
    EMFセンサーは直線振動およびその他の座標の角度振動
    に感応しないセンサー。
  26. 【請求項26】請求項23のセンサーにおいて、前記逆
    EMFセンサーはディスクリートのセンサーを有するセン
    サー。
  27. 【請求項27】請求項23のセンサーにおいて、前記逆
    EMFセンサーは、逆EMF検出のためのコイルと、空隙磁束
    を作り出すためのマグネットと、予め決められた低摩擦
    ピボットと、前記ドライブの可動部品の重心を該低摩擦
    ピボットと合体させるための質量バランスと、空気流に
    誘起される振動および電磁的干渉を防ぐためのシュラウ
    ドと、該シュラウドによってカバーされる可動体とを有
    するセンサー。
  28. 【請求項28】請求項23のセンサーにおいて、前記逆
    EMFセンサーは、コイル、空隙磁束を作り出すための一
    対のマグネット、重心をバランスさせる質量、センサー
    ビームおよび逆EMFピックアップを有するセンサー。
  29. 【請求項29】請求項27のセンサーにおいて、前記逆
    EMFセンサーは更にたわみ構造のピボットを有し、該ピ
    ボットのインナーハブがシャフトに取り付けられ、アウ
    ターリングがヨークに取り付けられ、該たわみ構造アセ
    ンブリーはコイルと電気的接続を行い、該シャフトはZ
    剛性を与える点接触型プリロードシャフトを構成するセ
    ンサー。
  30. 【請求項30】請求項23のセンサーにおいて、前記逆
    EMFセンサーは、マルチターンの断面形状のコイル、セ
    ンサービーム、および重心バランス用質量を有するたわ
    み構造のピボットから成るたわみ構造系を含み、該たわ
    み構造のピボットは粘弾性ダンピングを有するシートメ
    タルアセンブリーと固有のダンピング特性を有するプラ
    スチックの1つから成るセンサー。
  31. 【請求項31】請求項29のセンサーにおいて、前記た
    わみ構造のピボットはインナーハブに結合した複数のた
    わみ構造部材を含むセンサー。
  32. 【請求項32】請求項23のセンサーにおいて、前記逆
    EMFセンサーは主ボイスコイルアクチュエータの空隙を
    共有するコイルを有し、該VCMはマグネットを有し、該
    逆EMFセンサーは主VCMのマグネットの背部に形成される
    センサー。
  33. 【請求項33】請求項23のセンサーにおいて、前記ド
    ライブは主VCMコイルと複数のマグネットを有し、前記
    逆EMFセンサーは該マグネットの側部に形成されたコイ
    ルを有するセンサー。
  34. 【請求項34】請求項32のセンサーにおいて、前記マ
    グネットは延長したボイスコイルマグネットを有し、該
    センサーの該コイルは該延長したボイスコイルマグネッ
    トによって支持されているセンサー。
  35. 【請求項35】請求項9のディスクドライブにおいて、
    更に衝撃環境において該ドライブを保護するラッチ系を
    有し、該ラッチ系はスプリングに結合したラッチを有
    し、該ラッチは更に接触点を経てレバーに結合してお
    り、該ラッチは該ドライブの主アクチュエータコイルを
    固定し、加速度によって起動され、該逆EMFセンサーの
    コイルは該レバーによって支持されるディスクドライ
    ブ。
  36. 【請求項36】請求項34のディスクドライブにおい
    て、更にそこに接触がない場合のためレバーをニュート
    ラル位置に維持する第2のスプリングを有し、該ドライ
    ブはセンサーの空隙磁束のための延長部を持つアクチュ
    エータマグネットを有し、該レバーはその上に低摩擦ピ
    ボットを搭載しているディスクドライブ。
  37. 【請求項37】請求項9のディスクドライブにおいて、
    前記センサーは該ドライブの電気基板の内部、該ドライ
    ブの電気基板の上、該ドライブのベースプレートの上、
    のいずれかに搭載されるディスクドライブ。
  38. 【請求項38】請求項9のディスクドライブにおいて、
    該ドライブは主ボイスコイルモーター(VCM)を有し、
    該VCMは延長部を持つ複数のマグネットを有し、前記逆E
    MFセンサーは該VCMの磁気ヨークに結合されており、VCM
    マグネットの該延長部によって磁束を共有するディスク
    ドライブ。
  39. 【請求項39】請求項37のディスクドライブにおい
    て、該逆EMFセンサーは電気的コネクターと接触してお
    り、該センサーが該ディスクドライブに搭載されるとき
    に該センサーは自動的にコネクターと接続が行われるデ
    ィスクドライブ。
  40. 【請求項40】請求項9のディスクドライブにおいて、
    前記センサーは鋳物およびモールドプラスチックのいず
    れかから成る本体アセンブリーを有するディスクドライ
    ブ。
  41. 【請求項41】請求項39のディスクドライブにおい
    て、前記センサーは更にたわみ構造を有し、該たわみ構
    造はプラスチックモールドか、エッチングか、金属の型
    打ちのいずれかにより形成され、金属のピボット構成要
    素上に組み立てられるディスクドライブ。
  42. 【請求項42】請求項40のディスクドライブにおい
    て、前記たわみ構造はリンクを有する2枚の部材を有す
    るディスクドライブ。
  43. 【請求項43】請求項9のディスクドライブにおいて、
    前記センサーはセンサー本体に鋳造またはモールドで一
    体形成された金属たわみ構造構成要素を有するディスク
    ドライブ。
  44. 【請求項44】請求項9のディスクドライブにおいて、
    前記センサーはセンサー本体を形成するために、インジ
    ェクションモールドされたプラスチック部分と一体形成
    されたたわみ構造構成要素を有するディスクドライブ。
  45. 【請求項45】請求項43のディスクドライブにおい
    て、前記センサー本体は該個所に形成された複数の穴部
    を有し、前記たわみ構造構成要素は該個所に形成された
    複数の穴部を有し、その結果剛性を最小にして、予め決
    められた低い回転共振を実現できるディスクドライブ。
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