JP2003344651A - 薄膜構造体およびそれを用いた薄膜偏光子 - Google Patents

薄膜構造体およびそれを用いた薄膜偏光子

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JP2003344651A
JP2003344651A JP2002148369A JP2002148369A JP2003344651A JP 2003344651 A JP2003344651 A JP 2003344651A JP 2002148369 A JP2002148369 A JP 2002148369A JP 2002148369 A JP2002148369 A JP 2002148369A JP 2003344651 A JP2003344651 A JP 2003344651A
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thin film
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plate
convex
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Terufusa Kunisada
照房 國定
Toshiaki Anzaki
利明 安崎
Masatoshi Nara
正俊 奈良
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定方向の偏光を取り出せる偏光子として
は、柱状銀粒子がガラス中に分散したもの、島状金属層
と誘電体層を交互に積層した後に延伸させたものが知ら
れているが、この方法では高温加工が必要なため、独立
に製造した後、光学部品に貼り付けて使用しなければな
らないという煩雑さを有している。 【解決手段】 本発明の薄膜構造体は、表面に直線状凹
凸構造を有する透明基体上に形成された板状金属あるい
は板状金属と板状誘電体が接した板状構造体である。そ
の板状構造体は基体表面に対して垂直、もしくは傾斜し
ていることを特徴としている。この薄膜構造体は光通信
用あるいは液晶プロジェクタ用等に用いられる偏光子と
して十分な特性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信機器、光記録
機器、光センサ、液晶モニタ等に使用される偏光子に関
し、とりわけ偏光特性を有する薄膜構造体とその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】偏光子とは複数の偏光を含む光から特定
方向の偏光を取り出す光学素子であるが、各種提案さ
れ、実用に供されている。例えば、アスペクト比の高い
柱状銀粒子がガラス中に分散した偏光ガラス、島状金属
層と誘電体層を交互に積層した後に延伸させた偏光子、
高分子材料を延伸し配向させた偏光フィルム、誘電体膜
と金属膜を交互に積層し、膜の断面方向から光を入射す
る積層型偏光子などが知られている。
【0003】一方、情報通信分野では、光ファイバを使
用した光通信が急速に普及している。光ファイバを光学
部品に接続した場合に接続界面で反射が発生し、戻り光
と呼ばれる伝送方向と反対向きに進行する光が発生す
る。このような戻り光は、光通信ではノイズとなりシス
テム全体に悪影響を与えることが知られている。このよ
うな戻り光を効率よく除去するために、光アイソレータ
が使用されている。各種の光アイソレータが提案されて
おり、種々のアイソレータが実用化されている。そし
て、多くの光アイソレータにおいて構成部品として偏光
子が利用されている。
【0004】光アイソレータで使用される偏光子に求め
られる特性は、一般に40dB以上の消光比、および
0.4dB以下の挿入損失である。ただし、消光比はつ
ぎの式(1)で定義される。 消光比(dB)=+10×log(Tmax/Tmin) (1) ここで、Tmaxは最大透過率が得られる偏光の透過率、
Tminは最小透過率が得られる偏光の透過率である。ま
た挿入損失は式(2)で定義される。 挿入損失(dB)=−10×log(Tmax) (2)
【0005】上記要求に応えることができる特性を有す
る偏光子として、特公平2−40619号公報で開示さ
れているような偏光ガラスが知られている。この偏光ガ
ラスの製造方法としては、ハロゲン化物と銀を含むガラ
ス材料を溶融し、ガラス素地を作製する。つぎに熱処理
によりハロゲン化銀を析出させる。続いて加熱条件下で
素地を延伸してハロゲン化銀を張力方向に整列させる。
最後に還元雰囲気下で加熱して、ハロゲン化銀の一部を
金属銀に還元することより製造される。
【0006】また、特開2000−47031号公報で
開示されているような基体に形成した細孔内壁に金属を
付着させた偏光部材が知られている。この偏光部材はつ
ぎのように製造される。まず基体にフォトリソグラフィ
ーとイオンエッチングで細孔を作製する。その後に減圧
下で金属蒸気に暴露し細孔に金属を注入し付着させる。
続いて、基体表面の洗浄を行い、さらに加熱によって金
属をアニールする。
【0007】さらに、金属膜を斜め蒸着して基体上に柱
状の金属膜を形成することにより偏光特性を有する膜が
得られることも知られている。例えば、特開平4−21
8662号公報には、酸化物と金属を同時に基板面の法
線に対して斜め方向から成膜する方法が記載されてお
り、この方法により基板表面に板状金属が形成できると
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の金属銀を析出さ
せた偏光ガラスでは、その製造工程で金属銀の分散状態
の制御が難しく、歩留まりが悪い。また、ハロゲン化銀
を含むガラスを加熱して引き伸ばす工程および加熱還元
工程が含まれるために、光学部品の上に偏光子を形成す
ることは不可能であり、偏光ガラスを作製し、これを光
学部品に貼り付ける方法しか取れない。このために部品
点数が増え、工程が複雑になる問題点がある。
【0009】また基体に形成した細孔に金属を注入した
偏光部材では、その製造工程にエッチングによる細孔作
製、および成膜、および焼成工程の複数の工程があり、
工程が非常に複雑である。また、加熱工程が含まれるた
めに光学部品上に、直接、偏光子を形成することが難し
く、偏光部材を作製し、これを光学部品に貼り付ける方
法しか取れない。このため部品点数が増え工程が複雑に
なる問題点がある。
【0010】さらに、金属を斜め蒸着することにより得
られる膜は、機械的耐久性が非常に悪く、呼気をかける
と膜が飛散する程度の耐久性しかない。そのため、膜表
面を厳重に密封して使用する必要があるなど取り扱いが
難しく、一般的な偏光子としては普及していない。
【0011】加えて、酸化物と金属を同時に基板面の法
線に対して斜め方向から成膜する方法で得られる膜は、
偏光特性が十分でなく、光通信用、液晶プロジェクタ用
などには不十分である。
【0012】本発明は、上記のような従来の偏光子にお
ける問題点を解決するためになされたもので、成膜工程
だけで基体上に優れた偏光分離特性を有する薄膜構造体
を形成し、これを用いて光学部品の表面上に偏光子を形
成することを目的になされた。したがって、製造工程に
は光学部品に損傷を与えるような高温加熱工程を含まな
いこと、また、機械的耐久性を向上させ、製造工程での
取り扱いを容易にすること、などをも目的とした。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜構造体は、
複数の略平行な板状金属が平板状基体上に形成されてお
り、この基体表面に平行な複数の直線状凹凸構造を設け
られ、板状金属の端部がこの直線状凹凸構造の方向に沿
って基体表面に接していることを特徴としている。
【0014】とくに、上記直線状凹凸構造の直線に垂直
な断面が、三角形の1頂点と2辺からなる凸部を含む形
状であり、板状金属の基体表面に接する端部がこの三角
形の1辺に対応する一方の傾斜面にのみ接しているこ
と、あるいは三角形の2辺に対応する両方の傾斜面に接
していることが望ましい。さらに上記の板状金属の一方
の側の表面に板状誘電体が接した構造であってもよい。
【0015】なお、上記基体表面の直線状凹凸構造は、
基板上に展開したゾル状あるいはゲル状の透明材料を複
数の平行な直線状凹凸形状が刻まれている成形型で加圧
成形し、焼成することにより形成できる。
【0016】このような薄膜構造体は、多数の板状金属
がほぼ平行に配列しているため、入射する光の偏光を揃
える顕著な作用を有する。したがってこのような構造体
は薄膜偏光子に応用するのにとくに適している。
【0017】上記の薄膜構造体を薄膜偏光子に適用する
場合、板状金属の平均間隔(d)、膜厚(H)、平均幅
(W)、基体に対する傾斜角(θ)が使用波長(λ)と
それぞれ以下の関係を有することが好ましい。 0.013λ<d<0.065λ 0.13λ<H<0.52λ 0.006λ<W<0.019λ 0°≦θ≦25° 使用する光の波長によって、薄膜構造体の形状、寸法を
上記の範囲内とすることにより、使用波長における偏光
特性を向上させることができる。
【0018】ここで、傾斜角θは基体の法線に対する角
度であるが、基体表面には凹凸構造が形成されているた
め、微視的にみると基体表面の法線は一定方向に定まら
ない。しかしこの凹凸構造は微細であるため、基体は巨
視的にみれば平板であり、この平板に対する法線は定義
できる。θはこの基体の巨視的表面に対する法線からの
傾斜角と定義する。
【0019】さらに板状金属間の空隙部、あるいは板状
金属と板状誘電体の間の空隙部が、1.6以下の屈折率
を有する透明誘電体で充填被覆されていることが望まし
く、その透明誘電体としては、樹脂あるいは二酸化珪素
を主成分とするゾルゲル膜などが好ましい。また薄膜構
造体表面を覆う透明誘電体膜を形成することが好まし
い。
【0020】このように透明誘電体による充填、被覆を
実施することにより、上記薄膜構造体の機械的強度が改
善され、偏光子を製造する工程での取り扱いが容易にな
る。また、耐候性を改善することができ、信頼性の高い
偏光子を提供できる。
【0021】上記薄膜構造体を製造する方法としては、
表面に平行な複数の直線状凹凸構造を設けた基体に対し
て、その直線に対して一定の角度を有し、かつ基体の巨
視的表面の法線に対して斜めの方向から金属イオン、あ
るいは金属原子、あるいは金属クラスターを入射成膜す
る。さらに上記の手順に続いて基体の直線状凹凸構造に
関して相対する方向から、かつ基板の巨視的表面の法線
に対して斜めの方向から金属イオン、あるいは金属原
子、あるいは金属クラスターを入射成膜してもよい。
【0022】板状誘電体を有する構造体を製造する場合
には、上記板状金属の成膜に続いて基体の直線状凹凸構
造に関して相対する方向から、かつ基板の巨視的表面の
法線に対して斜めの方向から誘電体を構成する元素のイ
オン、あるいは原子、あるいはクラスターを入射成膜す
る。
【0023】これらの製造方法は、真空成膜法を基礎に
しているため、製造工程には高温加熱工程を含まない。
そのため、他の光学部品上に直接、偏光子を形成するこ
とが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜偏光子は、表面に微
細凹凸構造を有する基体に斜入射成膜することにより、
蒸発粒子の入射方向から見たときに影になる部分には成
膜されないことを利用して製造される。
【0025】本発明の発明者らは、誘電体材料と金属材
料とでお互いに固溶しない材料の組み合わせを選択し、
これら2つの材料を同時に凹凸構造と一定角度を有する
方向で、かつ基体の巨視的表面の法線に対して斜め方向
から入射して成膜すると2種材料が分相し、それぞれの
材料の板状構造膜が互いに接することを見出した。
【0026】ここで基体の巨視的表面とは、つぎの意味
をもつ。基体表面は凹凸構造を有するので、厳密には種
々の方向をもった面からなっている。しかし巨視的にみ
て基体が平板状であれば、その巨視的な表面の方向は決
定でき、ここではそのような平面を基体の巨視的表面と
呼び、微視的な凹凸構造の表面と区別する。
【0027】さらに、本発明者らは、金属材料を同時に
凹凸構造と一定角度を有する方向で、基体の巨視的表面
の法線に対して斜め方向から入射して成膜すると、板状
構造金属膜が凹凸構造の頂点を中心にして垂直に立つこ
とを見出した。
【0028】基板の凹凸構造を作成する方法としては、
特に限定されない。手段の一つとして、フォトリソグラ
フィーの手法を用いることができる。その際に、パター
ンを形成する手法として電子線描画、干渉露光などの手
法を用いることができる。これらの手法でフォトレジス
トなどを露光し、現像してパターン形成したフォトレジ
スト等をマスクとして基板材料をエッチングすることに
より、所望の微細凹凸構造を得ることができる。
【0029】また、別の手法として、成形法を用いても
よい。金属アルコキシドなどのゾル状あるいはゲル状の
透明材料を基板上に塗布し、複数の平行な直線状凹凸形
状が刻まれている成形型で加圧成形し、焼成することに
より、二酸化珪素を主成分とする耐候性に優れた凹凸構
造を得ることができる。このほか、樹脂材料にも成形法
が適用できることは周知の通りである。
【0030】さらに、薄膜偏光子には空隙部が存在する
ため、偏光特性を発現している板状金属が酸化されると
いう耐久性上の問題点がある。この問題を解決する手段
として、薄膜偏光子を作成後にアクリル系樹脂、ポリイ
ミド系樹脂、エポキシ系樹脂、SiO2、Si34など
の各種材料で薄膜偏光子の表面を被覆する方法を用いる
ことができる。特に、上記のゾル状材料あるいは樹脂を
空隙部に注入すれば、耐久性を著しく向上せしめること
が可能であり、好ましい。以下に具体的な実施例につい
て述べる。
【0031】[実施例1]石英ガラス基板上にエポキシ
系の紫外線硬化樹脂を滴下し、図5(a)に示す断面形
状の直線状凹凸構造が形成されている成形型22を押し
当てる。この状態で紫外線を約2分間照射し、その後、
離型する。このような作業により、断面形状のエポキシ
樹脂からなる凹凸構造膜32をガラス基板70上に形成
した。
【0032】つぎに、図6に示す遠距離スパッタリング
装置のマグネトロンカーソード1に銅ターゲットを取り
付け、マグネトロンカソード2にSiO2ターゲットを
取り付けた。図6に示す基体10の位置に上記の凹凸構
造付石英ガラス基板を取り付けた。マグネトロンカソー
ドカソード1は基体10の法線方向に対して80°傾斜
させ、マグネトロンカソード2は80°傾斜させた位置
にそれぞれ配置した。
【0033】その後、ロータリーポンプおよびクライオ
ポンプを用いて、スパッタ室20内部の圧力を約1×1
-4Paまで排気した。ターゲット室11にアルゴンガ
スを導入し、ターゲット室12に5%酸素混合のアルゴ
ンガスを導入した。その時にスパッタ室内部の圧力は、
3×10-2Paであった。その後、マグネトロンカソー
ド1に直流電源により負電圧を印加し、グロー放電を起
こさせた。さらに、マグネトロンカソード2には高周波
(周波数、13.56MHz)を印加し、グロー放電を
発生させた。
【0034】つぎに、基体10の表面上で、銅の堆積速
度(板状金属の長さの成長速度)が3.5nm/min
になるようにマグネトロンカソード1に供給する電力を
調整した。また、マグネトロンカソード2に供給する高
周波電力を調整し、基体10の表面上でのSiO2膜の
堆積速度が3.5nm/minになるようにした。
【0035】続いて、マグネトロンカソード1、および
マグネトロンカソード2の前面に取り付けられているシ
ャッタ6、7を同時に開放して成膜を開始し、約2時間
放置した。2時間後に前記2個のシャッタ6、7を同時
に閉じ、成膜を終了した。
【0036】このようにして、得られた試料の断面構造
を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、図1
の斜視図に示すような構造であった。凹凸構造樹脂膜3
2付き石英ガラス基板上のSiO2を主成分とする板状
の誘電体52と、銅を主成分とする板状の金属42とが
互いに接した状態で、凹凸構造樹脂膜32の凸部に整列
して並んでいる。この板状構造体50は基板32を巨視
的に見た表面の法線に対して平行に立った状態となり、
各板状構造体の間には空隙部分62が存在する。
【0037】TEMで観察した断面構造から、該凹凸の
周期間隔(d)、膜厚(H)、金属幅(W)、金属膜の
傾斜角(θ)を求めたところ、 d=50nm(λ=1550nmの場合、0.032λ
に相当) W=15nm(0.0097λ) H=660nm(0.43λ) θ=0° の形状であった。傾斜角θは上記同様に基板の巨視的表
面の法線に対する角度と定義する。
【0038】入射光波長1550nmでの消光比を測定
したところ45dBであり、挿入損失は0.3dBであ
った。この特性を有する膜は、光通信用アイソレータに
用いる偏光子として十分な性能を有し、適用可能であ
る。
【0039】[実施例2]実施例1に記載した薄膜偏光
子上にエポキシ系紫外線硬化樹脂を滴下した。さらに、
滴下した樹脂上にフッ素系の撥水剤を塗布した石英ガラ
スを貼り合わせた。この状態で紫外線を約3分間照射
し、エポキシ系樹脂を硬化させた。エポキシ系樹脂硬化
後に石英ガラスを剥がした。この試料の断面をTEMで
観察したところ、空隙部にエポキシ樹脂が充填されてお
り、さらに薄膜を完全に樹脂が被覆している状態が確認
できた。
【0040】このような状態で、入射光波長1550n
mでの消光比を測定したところ42dBであり、挿入損
失は0.4dBであった。この特性を有する膜は、光通
信用アイソレータに用いる偏光子として十分な性能を有
し、かつ樹脂により被覆されたため、実施例1の場合に
対し耐候性が大幅に改善されている。
【0041】[実施例3〜7]実施例1と同様の方法で
薄膜偏光子を作製した。その際に図5(b)あるいは
(c)に示す成形型24、26を用いて基体表面の凹凸
構造を符号34、36で示す構造に変更した。また成膜
の際の銅粒子入射角度、誘電体を構成する粒子の入射角
度を変更することにより各種偏光薄膜を作製した。これ
らの偏光膜の断面形状を断面TEMの手法で観察し、板
状構造体の形状および寸法を求めた。さらに、波長が1
550nmの光に対する消光比および挿入損失を測定し
た。結果を表1にまとめて示す。
【0042】板状構造体の構造は表1に示した図1〜4
の模式図に相当するものであった。いずれも直線状凹凸
構造膜32、34、36の直線方向に沿ってほぼ平行に
板状金属42、44,46、48が形成されている。誘
電体を構成する原料を併せて用いた場合は、板状金属に
接して板状誘電体52または58が形成されている。各
構造体とも35db以上の消光比、0.6db以下の挿
入損失を有し、いずれも光通信用波長帯域で高い偏光分
離性能および高い透過率を有している。
【0043】[実施例8]石英ガラス基板上にエポキシ
系の紫外線硬化樹脂を滴下し、図5(b)にしめす形状
の凹凸構造が形成されている成形型24を押し当てる。
この状態で紫外線を約2分間照射し、その後、離型す
る。このような作業により、ガラス基板70上にエポキ
シ樹脂からなる凹凸構造膜34を形成した。
【0044】つぎに、図6に示す遠距離スパッタリング
装置のマグネトロンカーソード1にアルミニウムターゲ
ットを取り付け、マグネトロンカソード2にもアルミニ
ウムターゲットを取り付けた。図1に示す基体10の位
置に前記の凹凸構造樹脂付石英ガラス基板を取り付け
た。マグネトロンカソードカソード1は基体10の法線
方向に対して80°傾斜させ、マグネトロンカソード2
は80°傾斜させた位置にそれぞれ配置した。
【0045】その後、ロータリーポンプおよびクライオ
ポンプを用いて、スパッタ室20内部の圧力を約1×1
-4Paまで排気した。ターゲット室11およびターゲ
ット室12にアルゴンガスを導入した。その時にスパッ
タ室内部の圧力は、3×10 -2Paであった。その後、
マグネトロンカソード1およびマグネトロンカソードに
直流電源により負電圧を印加し、グロー放電を起こさせ
た。
【0046】つぎに、基体10の表面上で、マグネトロ
ンカソード1からのアルミニウムの堆積速度(板状金属
の長さの成長速度)が5.5nm/minになるように
マグネトロンカソード1に供給する電力を調整した。ま
た、マグネトロンカソード2に供給する電力を調整し、
基体10の表面上でのマグネトロンカソード2からのア
ルミニウムの堆積速度(板状金属の長さの成長速度)が
5.5nm/minになるようにした。
【0047】続いて、マグネトロンカソード1、および
マグネトロンカソード2の前面に取り付けられているシ
ャッタ6、7を同時に開放して成膜を開始し、約14分
間放置した。14分後に前記2個のシャッタ6、7を同
時に閉じ、成膜を終了した。
【0048】このようにして、得られた試料の断面構造
をTEMで観察したところ、図2に示すような断面構造
であり、凹凸構造膜34の凸部に板状アルミニウム金属
44が整列して並んでいる構造であった。この板状構造
体44は凹凸構造膜34表面の法線に対して平行に立っ
た状態となり、各板状構造体の間には空隙部分64が存
在する。
【0049】透過電子顕微鏡で観察した断面構造から、
該凹凸の周期間隔(d)、膜厚(H)、金属幅(W)、
金属膜の傾斜角(θ)を求めたところ、表1に示すよう
に、 d=30nm(λ=632.8nmの場合、0.047
λに相当) W=15nm(0.023λ) H=150nm(0.24λ) θ=0° であった。
【0050】入射光波長632.8nmでの消光比を測
定したところ34.2dBであり、挿入損失は0.4d
Bであった。この特性を有する膜は、可視光で使用する
液晶プロジェクタ用偏光膜として十分な性能を有し、適
用可能である。
【0051】[比較例1]石英ガラス基板上にエポキシ
系の紫外線硬化樹脂を滴下し、図5(a)にしめす形状
の凹凸構造が形成されている成形型22で押圧する。こ
の状態で紫外線を約2分間照射し、その後、離型した。
このような作業により、ガラス基板70上にエポキシ樹
脂からなる凹凸構造膜32を形成した。
【0052】図9に示すマグネトロンスパッタリング装
置のマグネトロンカーソード101に金ターゲットを取
り付け、マグネトロンカソード102にSiO2ターゲ
ットを取り付けた。図9に示す基体110の位置に石英
ガラスを取り付けた。
【0053】その後、ロータリーポンプおよびクライオ
ポンプを用いて、スパッタ室120内部の圧力を約1×
10-4Paまで排気した。マグネトロンカソード101
にアルゴンガスをガス導入管103より供給し、マグネ
トロンカソード102に5%酸素混合のアルゴンガスを
ガス導入管104より供給した。その時にスパッタ室1
20内部の圧力は、5×10-1Paであった。この圧力
下での平均自由行程は約30mmである。この程度の平
均自由行程では、スパッタ粒子が基板に到達前にガス分
子により散乱され、粒子が飛行する際の方向性は失われ
る。
【0054】次いでマグネトロンカソード101に直流
電源により負電圧を印加し、グロー放電を起こさせた。
さらに、マグネトロンカソード102には高周波(周波
数、13.56MHz)を印加し、グロー放電を発生さ
せた。
【0055】つぎに、基体110の表面上で、金の堆積
速度が7nm/minになるようにマグネトロンカソー
ド101に供給する電力を調整した。また、マグネトロ
ンカソード102に供給する高周波電力を調整し、基体
110の表面上でのSiO2膜の堆積速度が7nm/m
inになるようにした。
【0056】続いて、マグネトロンカソード101、お
よびマグネトロンカソード102の前面に取り付けられ
ているシャッタ(図示しない)を同時に開放して成膜を
開始し、約90分間放置した。90分後に前記2個のシ
ャッタを同時に閉じ、成膜を終了した。
【0057】このようにして得られた試料の断面構造を
透過型電子顕微鏡で観察したところ、SiO2膜中に粒
状のAu微粒子が分散している構造であった。入射光波
長1550nmでの消光比を測定したところ0.3dB
であり、挿入損失は17dBであった。
【0058】基板に凹凸構造が形成されていても、平均
自由行程が短い条件での成膜で、粒子が飛行する際の方
向性は失わている場合には、得られる偏光特性は小さ
く、光アイソレータに用いる偏光子としては使用できな
い。
【0059】[比較例2]図8に示すような円錐構造の
凹凸を有する透明基板上に、実施例1と同様の方法で成
膜を実施した。このようにして得られた試料の断面構造
を透過型電子顕微鏡で観察したところ、円錐の頂点にS
iO2とCuからなるポールが存在し、その他の部分で
は、明瞭な構造は観察されなかった。入射光波長155
0nmでの消光比を測定したところ10.3dBであ
り、挿入損失は5dBであった。
【0060】基板に凹凸構造が形成されていてもそれに
方向性がない場合には、平均自由工程が十分長い条件で
成膜を行っても、得られる偏光特性は小さく、光アイソ
レータに用いる偏光子としては使用できない。
【0061】[比較例3]石英ガラス基板上にエポキシ
系の紫外線硬化樹脂を滴下し、図5(a)にしめす形状
の凹凸構造が形成されている成形型22で押圧する。こ
の状態で紫外線を約2分間照射し、その後、離型した。
このような作業により、ガラス基板70上をエポキシ樹
脂からなる凹凸構造膜32を形成した。
【0062】つぎに、図6に示す遠距離スパッタリング
装置のマグネトロンカーソード1に銅ターゲットを取り
付け、マグネトロンカソード2にSiターゲットを取り
付けた。図6に示す基体10の位置に前記の凹凸樹脂付
石英ガラス板を取り付けた。マグネトロンカソードカソ
ード1は基体10の法線方向に対して80°傾斜させ、
マグネトロンカソード2は80°傾斜させた位置にそれ
ぞれ配置した。
【0063】その後、ロータリーポンプおよびクライオ
ポンプを用いて、スパッタ室20内部の圧力を約1×1
-4Paまで排気した。ターゲット室11にアルゴンガ
スを導入し、ターゲット室12に5%酸素混合のアルゴ
ンガスを導入した。その時にスパッタ室内部の圧力は、
3×10-2Paであった。その後、マグネトロンカソー
ド1に直流電源により負電圧を印加し、グロー放電を起
こさせた。さらに、マグネトロンカソード2には高周波
(周波数、13.56MHz)を印加し、グロー放電を
発生させた。
【0064】つぎに、基体10の表面上で、銅の堆積速
度(板状金属の長さの成長速度)が5.5nm/min
になるようにマグネトロンカソード1に供給する電力を
調整した。また、マグネトロンカソード2に供給する高
周波電力を調整し、基体10の表面上でのSi膜の堆積
速度が5.5nm/minになるようにした。
【0065】続いて、マグネトロンカソード1、および
マグネトロンカソード2の前面に取り付けられているシ
ャッタ6、7を同時に開放して成膜を開始し、約2時間
放置した。2時間後に前記2個のシャッタ6、7を同時
に閉じ、成膜を終了した。
【0066】このようにして、得られた試料の断面構造
を透過型電子顕微鏡で観察したところ、図1の断面模式
図に示すような構造であった。凹凸構造樹脂膜32付き
石英ガラス基板上のSiを主成分とする板状の誘電体5
2と、銅を主成分とする板状の金属42とが互いに接し
た状態で、凹凸樹脂の凸部に整列して並んでいる。この
板状構造体50は基板表面の法線に対して平行に立った
状態となり、各板状構造体の間には空隙部分62が存在
する。
【0067】透過電子顕微鏡で観察した断面構造から、
該凹凸の周期間隔(d)、膜厚(H)、金属幅(W)、
金属膜の傾斜角(θ)を求めたところ、 d=48nm(λ=1550nmの場合、0.031
λ) W=18nm(λ=1550nmの場合、0.012
λ) H=660nm(λ=1550nmの場合、0.43
λ) θ=0° の形状であった。
【0068】入射光波長1550nmでの消光比を測定
したところ2dBであり、挿入損失は5dBであった。
この特性を有する膜は、光通信用アイソレータ用として
不十分であり、基板表面に方向性のある凹凸構造を形成
し、平均自由工程の長い条件で成膜しても、材料によっ
ては十分な偏光特性が得られない場合がある。本例はS
iの屈折率が高過ぎることが原因である。
【0069】[比較例4〜7]実施例1と同様の方法で
薄膜偏光子を作製した。その際に成形型の形状を変更す
ることにより基体表面の凹凸形状を変更し、さらに成膜
の際の銅粒子入射角度、誘電体を構成する粒子の入射角
度を変更することにより各種偏光薄膜を作製した。これ
らの偏光膜の断面形状を断面TEMの手法で観察し、凹
凸構造の形状および寸法を求めた。さらに、波長が15
50nmの光に対する消光比および挿入損失を測定し
た。
【0070】結果は表1に示すように、いずれも30d
B以下の消光比、もしくは1.0dB以上の挿入損失を
有し、いずれも光通信用アイソレーターで使用する為に
は不十分な性能であることが分かる。すなわち、図1〜
4に示すような構造体が形成できても、その寸法形状が
適切でないと、所定の波長における偏光分離特性は発揮
されない。
【0071】上記の実施例、比較例を勘案すると、薄膜
構造体を薄膜偏光子に適用する場合、板状金属の平均間
隔(d)、膜厚(H)、平均幅(W)、基体に対する傾
斜角(θ)には、好ましい値の範囲が存在することがわ
かる。好ましい範囲は使用波長(λ)に関係している。
【0072】使用する光の波長によって、薄膜構造体の
形状、寸法をそれぞれ下記の範囲内とすることにより、
使用波長における偏光特性を向上させることができる。 0.013λ<d<0.065λ 0.13λ<H<0.52λ 0.006λ<W<0.019λ 0°≦θ≦25°
【0073】上記形状の薄膜構造体を得るため、基体に
平行に設ける直線状凹凸構造は、その直線に垂直な断面
で見た場合に頂点を有する形状であれば特に限定される
ものではないが、断面が三角形の1頂点と2辺からなる
凸部を有することが好ましい。このとき、凸部の頂点と
凸部の頂点の間隔が、上記dと同等な範囲となるように
製作することが望ましい。
【0074】しかし、すべての凸部頂点と凸部頂点の間
隔が一定である必要はない。すなわち、間隔に一定周期
がある必要は無い。むしろ、全ての凸部頂点と凸部頂点
の間隔がばらついている方が、挿入損失を低減できるた
め好ましい。
【0075】基体表面にこのような凹凸構造を設ける手
段としては、型成形の他、電子線描画装置を用いたフォ
トリソ加工などの手法を用いることができる。特に、ゾ
ルゲル材料の成形加工は工程が簡略であり、安価に作製
できる手法であり、また二酸化珪素を主成分とすること
ができるので耐候性の点でも優れており、好ましい。
【0076】本発明における誘電体層として上記実施例
ではSiO2を例示したが、使用波長領域で透明な材料
であれば特に問題はない。したがって、SiO2、Si
x y、Al23、MgF2、MgO,SnO2、Zn
O、TiO2、Siなどは上記の遠距離スパッタリング
で成膜ができ、適用可能である。ただし、挿入損失を小
さくするためには、屈折率が低い方が好ましく、MgF
2、SiO2、SiOxyなどがとくに好ましい。
【0077】本発明における金属としては、金、銀、
銅、パラジウム、白金、アルミニウム、ニッケル、コバ
ルト、鉄、クロムなどの単体金属の他、銀−パラジウム
合金、金−銀合金、銀−錫合金、銀−亜鉛合金、銀−ア
ルミニウム合金などが使用できる。ただし、銀、金、ア
ルミニウムなどの凝集しやすい金属の場合には、成膜中
に微粒を形成しやすい。これらの金属の場合には、成膜
時に基体の温度が上昇しないように基体を冷却すること
が必要になる。
【0078】また、誘電体材料と金属材料の選定で、お
互いに固溶する組み合わせの選定は好ましくない。この
場合には、金属と誘電体が混合するために所望の板状構
造膜が得られなくなる。さらに、可視光領域で使用する
場合には、銅、金、金銀合金などの材料は可視光領域で
吸収の波長分散が大きいので好ましくない。
【0079】本発明の板状構造体の形成には高温プロセ
スを必要としない。このため基体の材料はとくに限定さ
れることはなく、石英ガラス、シリコン、硼珪酸ガラ
ス、ソーダライムガラスなどの他、樹脂材料を用いるこ
とができる。
【0080】さらに、基体の断面形状もとくに限定され
ることはなく、上記実施例に示した図5(a)〜(d)
に示す形状に限られない。曲面を有するレンズ表面や、
プリズムなどの光学部品上にも、それらに熱的損傷を与
えることなく直接形成することが可能である。
【0081】成膜方法としては、上述のように堆積させ
る材料の粒子を方向性をもって供給できる方法であれば
よい。上述の方法の他、イオンビームスパッタリングや
コリメーター付きのマグネトロンスパッタリングなどの
各種物理成膜方法はこの条件に適合する。
【0082】図7に示すようなイオンビームスパッタ法
は、成膜中のターゲットと基板の間のガス圧力が低く
(約1×10-2Pa)、平均自由工程が長いので好まし
い。このイオンビームスパッタ装置80は装置内を一排
気系で比較的低圧に排気する。複数のイオンガン81、
82、83からイオンビームをターゲット91、92、
93にそれぞれ照射し、基体90上に薄膜を形成する。
成膜はシャッタ86によって制御する。しかしこのイオ
ンビームスパッタリングは、イオンガンとターゲットの
両方が必要であり装置が複雑である。適切なイオンビー
ム入射角度を設定するためには、装置の設計、製作が煩
雑になるという難点がある。
【0083】図9に示すような通常のマグネトロンスパ
ッタリングのプロセス圧力は0.1Pa以上である。し
たがって実施例1に示したように板状構造膜は得られに
くい。このような通常のマグネトロンスパッタリング装
置を使用する場合には、図10に示すようにスパッタタ
ーゲットと基板の間に蒸発粒子の向きを揃えるためのコ
リメータ108を挿入するなどの工夫が必要となる。
【0084】
【表1】
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、加熱工程を使用せずに
基体上に優れた偏光分離特性を有し、かつ優れた機械的
耐久性を有する膜を形成できる。また、エッチング行程
を含まないのでエッチング液により光学部品に損傷を与
える危険がないため、光学部品上に偏光子を直接形成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄膜構造体の模式図である。
【図2】 本発明の薄膜構造体の模式図である。
【図3】 本発明の薄膜構造体の模式図である。
【図4】 本発明の薄膜構造体の模式図である。
【図5】 本発明の基体の凹凸構造、およびそれを作製
する成形型の断面模式図である。
【図6】 本発明の薄膜構造体を成膜する装置の構成を
示す図である。
【図7】 本発明の薄膜構造体を成膜する他の装置の構
成を示す図である。
【図8】 比較例2に用いた基体の構造を示す斜視図で
ある。
【図9】 従来の成膜装置の構成を示す図である。
【図10】 改良した従来の成膜装置の構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1,2,101,102 マグネトロンカソード 6,7,86 シャッタ 10,90,110 基体 11,12 ターゲット室 14,15,16,103,104 ガス導入管 20,120 スパッタ室 32,34,36,38 凹凸構造膜 42,44,46,48 板状金属 50 板状構造体 52,58 板状誘電体 62,64 空隙 70 ガラス基板
フロントページの続き (72)発明者 奈良 正俊 大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA23 BA45 BB28 BB42 BC01 BC22 BC25

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の略平行な板状金属が平板状基体上に
    形成された薄膜構造体であって、前記基体表面に平行な
    複数の直線状凹凸構造が設けられ、前記板状金属の端部
    が該直線状凹凸構造の方向に沿って前記基体表面に接し
    ていることを特徴とする薄膜構造体。
  2. 【請求項2】前記直線状凹凸構造の直線方向に垂直な断
    面が、三角形の1頂点と2辺からなる凸部を含む形状で
    あり、前記板状金属の基体表面に接する端部が前記三角
    形の1辺に対応する一方の傾斜面にのみ接していること
    を特徴とする請求項1に記載の薄膜構造体。
  3. 【請求項3】前記直線状凹凸構造の直線方向に垂直な断
    面が、三角形の1頂点と2辺からなる凸部を含む構造で
    あり、前記板状金属の一端が前記三角形の2辺に対応す
    る両方の傾斜面に接していることを特徴とする請求項1
    に記載の薄膜構造体。
  4. 【請求項4】前記板状金属の一方の側のそれぞれの表面
    に接した板状誘電体を有することを特徴とする請求項1
    または2に記載の薄膜構造体。
  5. 【請求項5】前記直線状凹凸構造が、基板上に展開した
    ゾル状あるいはゲル状の透明材料を複数の平行な直線状
    凹凸形状が刻まれている成形型で加圧成形し、焼成する
    ことにより形成された基体を有することを特徴とする請
    求項1から4のいずれか一項に記載の薄膜構造体。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれか一項に記載の薄
    膜構造体を有し、前記板状金属の平均間隔(d)、膜厚
    (H)、平均幅(W)、基体に対する傾斜角(θ)が使
    用波長(λ)とそれぞれ以下の関係を有する薄膜偏光
    子。 0.013λ<d<0.065λ 0.13λ<H<0.52λ 0.003λ<W<0.019λ 0°≦θ≦25°
  7. 【請求項7】前記板状金属間の空隙部、あるいは板状金
    属と板状誘電体の間の空隙部が、1.6以下の屈折率を
    有する透明誘電体で充填被覆されていることを特徴とす
    る請求項6に記載の薄膜偏光子。
  8. 【請求項8】前記透明誘電体が、樹脂あるいは二酸化珪
    素を主成分とするゾルゲル膜であることを特徴とする請
    求項7に記載の薄膜偏光子。
  9. 【請求項9】前記薄膜構造体表面を覆う透明誘電体膜が
    形成されていることを特徴とする請求項6から8のいず
    れか一項に記載の薄膜偏光子。
  10. 【請求項10】表面に平行な複数の直線状凹凸構造を設
    けた基体に対して、前記直線に対して一定の角度を有
    し、かつ基体の巨視的表面の法線に対して斜めの方向か
    ら金属イオン、あるいは金属原子、あるいは金属クラス
    ターを入射成膜することを特徴とする薄膜構造体の製造
    方法。
  11. 【請求項11】表面に平行な複数の直線状凹凸構造を設
    けた基体に対して、前記直線に対して一定の角度を有
    し、かつ基体の巨視的表面の法線に対して斜めの方向か
    ら金属イオン、あるいは金属原子、あるいは金属クラス
    ターを入射成膜し、次いで前記直線に関して相対する方
    向であり、かつ基板の巨視的表面の法線に対して斜めの
    方向から金属イオン、あるいは金属原子、あるいは金属
    クラスターを入射成膜することを特徴とする薄膜構造体
    の製造方法。
  12. 【請求項12】表面に平行な複数の直線状凹凸構造が設
    けた基体に対して、前記直線に対して一定の角度を有
    し、かつ基体の巨視的表面の法線に対して斜めの方向か
    ら金属イオン、あるいは金属原子、あるいは金属クラス
    ターを入射成膜し、次いで前記直線に関して相対する方
    向であり、かつ基板の巨視的表面の法線に対して斜め方
    向から誘電体を構成する元素のイオン、あるいは原子、
    あるいはクラスターを入射成膜することを特徴とする薄
    膜構造体の製造方法。
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