JP2006171645A - 光学多層膜及び光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板の反りや、変形を防止すると共に、広い波長域で十分な明るさを確保できる光学多層膜、及びこれを備えた光学素子を提供することを目的とする。
【解決手段】 光学素子1は、ガラス平板からなる基板2と、基板2の表面2aに形成された光学多層膜3とを備えている。光学多層膜3は、低屈折率の膜4であるSiO2膜と、高屈折率の膜5であるTa2O5膜とを交互に22層ずつ、合計44層積層して構成されており、第1層から第42層の膜の密度は、0.75から0.78になっており、第43層の膜、及び第44層の膜の密度が0.99になっている。
【選択図】 図1
【解決手段】 光学素子1は、ガラス平板からなる基板2と、基板2の表面2aに形成された光学多層膜3とを備えている。光学多層膜3は、低屈折率の膜4であるSiO2膜と、高屈折率の膜5であるTa2O5膜とを交互に22層ずつ、合計44層積層して構成されており、第1層から第42層の膜の密度は、0.75から0.78になっており、第43層の膜、及び第44層の膜の密度が0.99になっている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、波長カットフィルター、ダイクロイックフィルターなどの光学多層膜、及び、これを備えた光学素子に関する。
デジタルカメラ、顕微鏡などの光学機器には、波長カットフィルター、ダイクロイックフィルターなどの光学多層膜が用いられている。
これら光学多層膜は、ガラス基板、プラスチック基板等の基板の表面に、薄膜状の高屈折率層と、低屈折率層とが、対を成すように交互に積層して構成されている。高屈折率層、及び低屈折率層は、その膜構造が安定し、光学的再現性が高くなるように、また、光学特性の経時変化が発生しないように、イオンアシスト蒸着法、スパッタリング法などにより形成されている。すなわち、これらの製法によって成膜した場合には、高屈折率層、低屈折率層の構造がアモルファス構造となっている。
これら光学多層膜は、ガラス基板、プラスチック基板等の基板の表面に、薄膜状の高屈折率層と、低屈折率層とが、対を成すように交互に積層して構成されている。高屈折率層、及び低屈折率層は、その膜構造が安定し、光学的再現性が高くなるように、また、光学特性の経時変化が発生しないように、イオンアシスト蒸着法、スパッタリング法などにより形成されている。すなわち、これらの製法によって成膜した場合には、高屈折率層、低屈折率層の構造がアモルファス構造となっている。
ここで、従来の光学多層膜におけるアモルファス構造の膜としては、充填率が高いものが用いられている。膜の充填率とは、薄膜の微細構造である柱状構造固体部分と、柱状間の隙間空間との比率である(例えば、非特許文献1参照)。
このようなアモルファス構造の膜を含め、光学多層膜を備える光学素子は、近年、小型化する傾向がある。この小型化に伴って、光学多層膜を形成する基板の薄型化が要求されている。
光学薄膜の最適設計手法(技術情報協会)
光学薄膜の最適設計手法(技術情報協会)
しかしながら、基板表面に形成した高屈折率層、低屈折率層には、内部応力が発生する。そのため、基板を薄くした場合には、この内部応力によって、基板に反りや変形が生じるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、厚さの薄い基板に光学多層膜を形成する場合でも、基板の反りや、変形を防止することができる光学多層膜、及びこれを備えた光学素子を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、基板上に形成され、低屈折率の膜と、前記低屈折率の膜よりも屈折率が相対的に高い高屈折率の膜とが交互に積層された光学多層膜であって、前記光学多層膜は、膜の充填率が0.6以上0.9未満の充填率が低い層と、膜の充填率が0.9以上1以下の充填率が高い層とからなり、前記充填率が低い層として、前記低屈折率の膜と前記高屈折率の膜を複数有し、前記充填率が高い層として、前記低屈折率の膜と前記高屈折率の膜の少なくとも一方を有し、前記充填率が高い層が、最外層に配置されていることを特徴とする光学多層膜とした。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光学多層膜において、前記充填率が高い層は、前記低屈折率の膜からなることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の光学多層膜において、前記充填率が高い層は、前記低屈折率の膜と前記高屈折率膜からなることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学多層膜において、前記低屈折率の膜が、SiO2膜であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の光学多層膜と、該光学多層膜を表面に形成する前記基板と、を備えることを特徴とする光学素子とした。
この光学多層膜、及び光学素子では、イオンアシスト蒸着法やスパッタリング法によって形成させた膜において、積層する膜の充填率を0.6以上0.9未満の層とすることで、膜の内部応力を低減させている。ここで、膜分子は、薄膜の微細構造である柱状構造を構成しているが、膜の充填率が0.6以上0.9未満の場合、膜分子の分子間間隔は、5〜15%広がる。膜分子の分子間間隔が広がると、薄膜内部の分子間引力が低下するので、膜の内部応力は減少することになる。例えば、膜の充填率が0.78のSiO2膜の内部応力は、30MPa以下であり、膜の充填率が1の場合のSiO2膜の応力の1/10以下になる。一方、膜分子の分子間間隔が、水の分子サイズである3.6Å以上に広がると、膜中に水分が浸入し、光学特性の経時変化が生じる。したがって、膜分子の分子間間隔が水の分子サイズ3.6Åより小さくなるように、膜の充填率が0.9以上1以下のアモルファス構造の層を少なくとも1層設けると、水分の浸入が完全に防止される。
ここで、光学多層膜(光学多層膜を備えた光学素子)は、大気中で使用されることが多い。この場合、光学多層膜を構成する層のうち、最も外側に位置する層(以下、最外層とする)が、空気層と接触する。そこで、特に、膜中への水分の浸入を防ぐには、最外層に配置された膜の充填率を0.9以上1以下のアモルファス構造にすることが効果的である。なぜなら、水分は、そのほとんどが最外層から侵入する。そのため、最外層となる膜の充填率が0.9以上1以下であると、水の侵入を防止できる。その結果、光学特性の経時変化が生じることを防止できる。なお、多層膜に積層する膜の低屈折率層にSiO2膜を用いた場合、紫外領域から赤外領域までの広い波長領域において、95%以上の高い透過率を確保することができる。
本発明によれば、光学多層膜を形成する高屈折率層や低屈折率層の膜の充填率を0.6以上0.9未満にすることにより、高屈折率層や、低屈折率層の内部応力を小さくすることができ、基板の反りや変形を防止できる。さらに、少なくとも最外層の充填率を0.9以上1以下としたので、光学多層膜中への水分の侵入を防止できる。したがって、長期使用時の光学特性の経時変化を防止し、耐環境性を向上させることができる。
また、厚さの薄い基板に光学多層膜を形成しても基板の反りや変形を防止することができるため、光学素子の薄型化や、小型化を図ることができる。
また、厚さの薄い基板に光学多層膜を形成しても基板の反りや変形を防止することができるため、光学素子の薄型化や、小型化を図ることができる。
以下に、本発明を実施するための最良に形態について説明する。
本発明を実施例1について、図1から図3を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、この実施例に係る光学素子1は、ガラス平板からなる基板2と、基板2の表面2aに形成された光学多層膜3とを備えている。基板2は、板状の平行平板であり、例えば、1辺30mm、厚さ0.2mmである。光学多層膜3は、基板2の表面2aに、低屈折率の膜4であるSiO2膜と、高屈折率の膜5であるTa2O5膜とを交互に22層ずつ、合計44層積層して構成したものである。
このような光学多層膜3は、スパッタリング法により形成されるものであり、その設計値は、基板2側から順に以下の通りである。
64H、83L、54H、86L、(43H、94L)8、33H、103L、38H、84L、(52H、75L)8、58H、70L、58H、29L
ここで、例えば、設計値「64H」は、Ta2O5膜を64nmの膜厚(物理膜厚)で成膜して高屈折率の膜5を形成することを示し、「83L」は、SiO2膜を83nmの膜厚(物理膜厚)で成膜して低屈折率の膜4を形成することを示す。さらに、「(43H、94L)8」は、Ta2O5膜を43nmの膜厚で成膜した高屈折率の膜5と、SiO2膜を83nmの膜厚で成膜した低屈折率の膜4とを重ね合わせたものを、8回繰り返して形成することを示している。
図1に示すように、この実施例に係る光学素子1は、ガラス平板からなる基板2と、基板2の表面2aに形成された光学多層膜3とを備えている。基板2は、板状の平行平板であり、例えば、1辺30mm、厚さ0.2mmである。光学多層膜3は、基板2の表面2aに、低屈折率の膜4であるSiO2膜と、高屈折率の膜5であるTa2O5膜とを交互に22層ずつ、合計44層積層して構成したものである。
このような光学多層膜3は、スパッタリング法により形成されるものであり、その設計値は、基板2側から順に以下の通りである。
64H、83L、54H、86L、(43H、94L)8、33H、103L、38H、84L、(52H、75L)8、58H、70L、58H、29L
ここで、例えば、設計値「64H」は、Ta2O5膜を64nmの膜厚(物理膜厚)で成膜して高屈折率の膜5を形成することを示し、「83L」は、SiO2膜を83nmの膜厚(物理膜厚)で成膜して低屈折率の膜4を形成することを示す。さらに、「(43H、94L)8」は、Ta2O5膜を43nmの膜厚で成膜した高屈折率の膜5と、SiO2膜を83nmの膜厚で成膜した低屈折率の膜4とを重ね合わせたものを、8回繰り返して形成することを示している。
次に、光学素子1を製造する成膜装置について、図2を用いて説明する。
成膜装置10は、スパッタリング法によって基板2上に低屈折率の膜4や高屈折率の膜5を形成する装置である。成膜装置10は、真空槽11を有している。この真空槽11の底部内側には、複数のカソード電極12a,12bが、真空槽11の中心線L1からオフセットした位置に配設されている。カソード電極12a,12bは、真空槽11外に配置されたマッチングボックス13を介して、13.56MHzの高周波電源14に接続されている。マッチングボックス13は、高周波電源14のエネルギーを有効に活用するために、カソード電極12a,12bのリアクタンス成分をキャンセルし、インピーダンスを補正するものである。
また、カソード電極12a,12bの上面には、バッキングプレート15a,15bが取り付けられている。これらバッキングプレート15a,16bは、無酸化銅から製造されている。また、その各々の上面には、スパッタリングターゲット16a,16bが、低融点金属であるインジウムのボンディングによって固定されている。
成膜装置10は、スパッタリング法によって基板2上に低屈折率の膜4や高屈折率の膜5を形成する装置である。成膜装置10は、真空槽11を有している。この真空槽11の底部内側には、複数のカソード電極12a,12bが、真空槽11の中心線L1からオフセットした位置に配設されている。カソード電極12a,12bは、真空槽11外に配置されたマッチングボックス13を介して、13.56MHzの高周波電源14に接続されている。マッチングボックス13は、高周波電源14のエネルギーを有効に活用するために、カソード電極12a,12bのリアクタンス成分をキャンセルし、インピーダンスを補正するものである。
また、カソード電極12a,12bの上面には、バッキングプレート15a,15bが取り付けられている。これらバッキングプレート15a,16bは、無酸化銅から製造されている。また、その各々の上面には、スパッタリングターゲット16a,16bが、低融点金属であるインジウムのボンディングによって固定されている。
真空槽11の上壁部には、中心線L1上に、支持軸25が下向きに回転自在に設けられている。この支持軸25には、基板ホルダー23が取り付けられている。基板ホルダー23は、中心線L1を中心とする円板で、基板ホルダー23を上下に貫通する複数の孔(不図示)が、支持軸25の回転中心軸線を中心とする同一円周上に設けられている。そして、これら孔を用いて基板ホルダー23の下面に、複数の基板2がスパッタリングターゲット16a,16bに対向するように固定されている。なお、支持軸25は、真空槽11の上部に固定された駆動モーター27に接続されている。そして、駆動モーター27の駆動力によって、支持軸25と基板ホルダー23とを、真空槽11の中心線L1回りに回転させることができる。
さらに、基板2と、スパッタリングターゲット16a,16bとの間には、シャッター29a,29bが設けられている。このような構成により、スパッタリングターゲット16a,16bからスパッタ粒子が放出されたときに、スパッタ粒子が基板2に到達することを阻止できるようになっている。各シャッター29a,29bは、真空槽11の下部に配置されたシャッター支持棒31a,31bにそれぞれ支持されている。また、各シャッター29a,29bは、各スパッタリングターゲット16a,16bの直上を覆うような第1のシャッター位置と、そこから退避した第2のシャッター位置とに、それぞれが移動できるようになっている。つまり、シャッター29a、29bが第2の位置にあるときは、スパッタリングターゲット16a,16bから放出されたスパッタ粒子は、基板2に到達することができる。一方、シャッター29a、29bが第1のシャッター位置にあるときは、スパッタ粒子は基板2に到達しないので、成膜がなされない。そこで、第2のシャッター位置に退避させる時間を制御することで、基板2上に成膜される低屈折率の膜4、及び高屈折率の膜5の膜厚を制御することができる。
真空槽11の側部には、外部から真空槽11内部にスパッタガスを導入するためのガス導入口33が設けられている。ガス導入口33からは、O2ガス、及びArガスが供給できる。各ガスの供給量は、図示しない流量計により制御されている。よって、所望する量のガスを、真空槽11内に導入することができる。
そして、各ガスの供給量を調整することにより、基板2上に形成される低屈折率の膜4と高屈折率の膜5について、各々の膜の充填率を調整することができる。
そして、各ガスの供給量を調整することにより、基板2上に形成される低屈折率の膜4と高屈折率の膜5について、各々の膜の充填率を調整することができる。
次に、この成膜装置10を用いて、前述の44層からなる光学多層膜3を形成する場合について説明する。
この光学多層膜3は、第1層から第42層までを、充填率が低い層(以下、低充填率層とする)としている。具体的には、膜の充填率を、高屈折率の膜5で0.75、低屈折率の膜4で0.78として、各々の膜を形成している。さらに、第43層の高屈折率の膜5と、第44層の低屈折率の膜4とを、充填率が高い層(以下、高充填率層とする)としている。具体的には、膜の充填率を0.99として、各々の膜を形成している。ここで、光学多層膜3の最も外側は、空気と接触することになる。本実施例では、空気と接触する膜は第44層となる。この第44層は、上述のように、高充填率層である。よって、本実施例では、高充填率層(第43層及び第44層)が光学多層膜3の最も外側、すなわち最外層に配置されていることになる。
スパッタリングターゲット16aには、高屈折率膜材料としてTaターゲットを用い、スパッタリングターゲット16bには、低屈折率膜材料としてSiターゲットを用いる。
成膜に際しては、最初に、基板2を基板ホルダー23に取り付け、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。第1層は、前記のように「64H」であるので、Ta2O5膜からなる高屈折率の膜5を基板2の表面2a上に64nm成膜する。まず、ガス導入口33から、O2ガスを80SCCM、Arガスを30SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を2.0Paとする。これらの成膜条件は、O2ガス、及びArガスの各導入量と、高屈折率の膜5の膜の充填率、内部応力、との関係を予め求めた結果に基づいて設定される。高屈折率の膜5として、Ta2O5膜を形成する場合のO2ガス、及びArガスの各導入量と、膜の充填率、内部応力の関係を表1に示す。
この光学多層膜3は、第1層から第42層までを、充填率が低い層(以下、低充填率層とする)としている。具体的には、膜の充填率を、高屈折率の膜5で0.75、低屈折率の膜4で0.78として、各々の膜を形成している。さらに、第43層の高屈折率の膜5と、第44層の低屈折率の膜4とを、充填率が高い層(以下、高充填率層とする)としている。具体的には、膜の充填率を0.99として、各々の膜を形成している。ここで、光学多層膜3の最も外側は、空気と接触することになる。本実施例では、空気と接触する膜は第44層となる。この第44層は、上述のように、高充填率層である。よって、本実施例では、高充填率層(第43層及び第44層)が光学多層膜3の最も外側、すなわち最外層に配置されていることになる。
スパッタリングターゲット16aには、高屈折率膜材料としてTaターゲットを用い、スパッタリングターゲット16bには、低屈折率膜材料としてSiターゲットを用いる。
成膜に際しては、最初に、基板2を基板ホルダー23に取り付け、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。第1層は、前記のように「64H」であるので、Ta2O5膜からなる高屈折率の膜5を基板2の表面2a上に64nm成膜する。まず、ガス導入口33から、O2ガスを80SCCM、Arガスを30SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を2.0Paとする。これらの成膜条件は、O2ガス、及びArガスの各導入量と、高屈折率の膜5の膜の充填率、内部応力、との関係を予め求めた結果に基づいて設定される。高屈折率の膜5として、Ta2O5膜を形成する場合のO2ガス、及びArガスの各導入量と、膜の充填率、内部応力の関係を表1に示す。
なお、膜の充填率は、真空中、及び大気中での膜の屈折率変化を利用して下記の計算式から求めることができる。
ここで、低密度の高屈折率の膜5を形成する際には、膜の充填率が0.75で、膜の内部応力が−26MPaとなる表1中の条件1を使用する。すなわち、真空槽11内の真空度を2.0Paとした後、シャッター29aを第1のシャッター位置に配し、成膜が行われない状態にする。このようにした状態で、高周波電源14からカソード電極12aに電力を供給し、スパッタリングターゲット16aのプレスパッタを開始する。この時、カソード電極12aに供給する電力は400Wとする。プレスパッタは、ターゲット16a表面に発生するプラズマが安定し、ターゲット16aの表面温度が上昇し、この表面温度一定温度で安定するまで行われる。
そして、プレスパッタ終了後に、基板ホルダー23を所定の回転数で回転させた状態で、シャッター29aを第2のシャッター位置に退避させる。これによって、ターゲット16aから放出されたTa粒子は、真空槽11に導入されたO2ガスにより酸化されつつ、基板2に到達する。これにより、基板2上に、Ta2O5膜が形成される。この際、カソード電極12aに供給する電力は、プレスパッタ時と同等な400Wとした。
最後に、所定のスパッタリング時間が経過した後、シャッター29aを第1のシャッター位置に戻してから、Ta粒子の放出を止める。これによって、基板2上に、Ta2O5膜からなる膜厚64nmの高屈折率の膜5が成膜される。
最後に、所定のスパッタリング時間が経過した後、シャッター29aを第1のシャッター位置に戻してから、Ta粒子の放出を止める。これによって、基板2上に、Ta2O5膜からなる膜厚64nmの高屈折率の膜5が成膜される。
第1層目の高屈折率の膜5の成膜後には、光学多層膜3の第2層として、設計値「83L」に基づいて、基板2上に形成した第1層の表面に、低屈折率の膜4であるSiO2膜を形成する。低屈折率の膜4を成膜する際には、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。次に、ガス導入口33から、O2ガスを80SCCM、Arガスを30SCCM導入し、真空槽11内の真空度を2.0Paにする。これらの成膜条件は、O2ガス、及びArガスの各導入量と、低屈折率の膜4の膜の充填率、内部応力との関係を予め求めた結果に基づいて設定される。低屈折率の膜4として、SiO2膜を形成する場合のO2ガス、及びArガスの各導入量と、膜の充填率、内部応力の関係を表2に示す。
ここで、低密度の低屈折率の膜4を形成する際には、膜の充填率が0.78で、膜の内部応力が−20MPaとなる表2中の条件1を使用する。すなわち、真空槽11内の真空度を2.0Paとした後、前述と同様のプレスパッタを行う。そして、プレスパッタ終了後に、基板ホルダー23を所定の回転数で回転させた状態で、シャッター29bを第2のシャッター位置に退避させる。ターゲット16bから放出されたSi粒子は、O2ガスにより酸化されつつ、基板2上にSiO2膜を形成する。この際、カソード電極12bに供給する電力は、プレスパッタ時と同様に400Wとした。
所定のスパッタリング時間経過後、シャッター29bを第1のシャッター位置に戻してから、Si粒子の放出を止める。すると、基板2上の第1層の表面に重なるように、SiO2膜からなる膜厚83nmの低屈折率の膜4が形成される。
このようにして第1層、及び第2層を形成した後には、順次同様なプロセスにより、前述の設計値の膜厚通りに、高屈折率の膜5、及び低屈折率の膜4を交互に、対となるように積層し、第42層まで成膜する。
このようにして第1層、及び第2層を形成した後には、順次同様なプロセスにより、前述の設計値の膜厚通りに、高屈折率の膜5、及び低屈折率の膜4を交互に、対となるように積層し、第42層まで成膜する。
さらに、第42層を形成した後は、その表面に第43層として、高屈折率の膜5を、設計値「58H」で形成する。この高屈折率の膜5は、高充填率層として形成する。よって、成膜にあたっては、膜の充填率が0.99、膜の内部応力が−180MPaとなる表1中の条件3を使用する。すなわち、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。その後に、ガス導入口33から、O2ガスを5SCCM、Arガスを20SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を0.2Paとし、前述のプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、基板2の第42層の表面に、Ta2O5膜を58nm形成する。
そして、第43層の表面に第44層として、低屈折率の膜4を形成する。この低屈折率の膜4は、設計値「29L」で、高充填率層として形成する。よって、成膜にあたっては、膜の充填率が0.99で、膜の内部応力が−230MPa以下となる表2中の条件3を使用する。すなわち、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。その後に、ガス導入口33から、O2ガスを5SCCM、Arガスを20SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を0.2Paとする。そして、前述のプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、基板2の第43層の表面に、SiO2膜を29nm形成する。
このように、各設計値の膜厚通り高屈折率の膜5、及び低屈折率の膜4を交互に積層することで、合計44層からなる光学多層膜3が形成される。
そして、第43層の表面に第44層として、低屈折率の膜4を形成する。この低屈折率の膜4は、設計値「29L」で、高充填率層として形成する。よって、成膜にあたっては、膜の充填率が0.99で、膜の内部応力が−230MPa以下となる表2中の条件3を使用する。すなわち、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。その後に、ガス導入口33から、O2ガスを5SCCM、Arガスを20SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を0.2Paとする。そして、前述のプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、基板2の第43層の表面に、SiO2膜を29nm形成する。
このように、各設計値の膜厚通り高屈折率の膜5、及び低屈折率の膜4を交互に積層することで、合計44層からなる光学多層膜3が形成される。
実施例2では、基板2の表面2a上に、高屈折率の膜5と、低屈折率の膜4とを交互に積層し、44層としている。ただし、第1層から第43層までは、低充填層とし、第44層を高充填層とした。ここで、第44層が、空気と接触するようになっている。よって、本実施例でも、高充填層が最外層に配置されている。
本実施例の光学薄膜3では、具体的には、第1層から第43層までは、膜の充填率を、高屈折率の膜5で0.82とし、低屈折率の膜4で0.83としている。さらに、第44層である低屈折率の膜4では、膜の充填率を0.99としている。
このような構成を有する光学多層膜3は、高屈折率の膜5がTa2O5膜から形成され、低屈折率の膜4がSiO2膜から形成され、44層のそれぞれの設計値は、実施の形態1と同じ設計値を使用した。また、この光学多層膜3は、前述の実施例1と同様のガラス基板からなる基板2の表面2a上に、図2に示す成膜装置10を使用してスパッタリング法により形成される。なお、この実施例では、スパッタリングクーゲット16aに、高屈折率膜材料としてのTaターゲットが配置され、スパッタリングターゲット16bに、低屈折率膜材料としてのSiターゲットが配置されている。
本実施例の光学薄膜3では、具体的には、第1層から第43層までは、膜の充填率を、高屈折率の膜5で0.82とし、低屈折率の膜4で0.83としている。さらに、第44層である低屈折率の膜4では、膜の充填率を0.99としている。
このような構成を有する光学多層膜3は、高屈折率の膜5がTa2O5膜から形成され、低屈折率の膜4がSiO2膜から形成され、44層のそれぞれの設計値は、実施の形態1と同じ設計値を使用した。また、この光学多層膜3は、前述の実施例1と同様のガラス基板からなる基板2の表面2a上に、図2に示す成膜装置10を使用してスパッタリング法により形成される。なお、この実施例では、スパッタリングクーゲット16aに、高屈折率膜材料としてのTaターゲットが配置され、スパッタリングターゲット16bに、低屈折率膜材料としてのSiターゲットが配置されている。
図2に示す成膜装置10を用いて光学多層膜3を形成する場合には、最初に、基板ホルダー23に基板2を取り付け、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧してから、第1層目の高屈折率の膜5を成膜する。この高屈折率の膜5は、設計値「64H」の低充填率層として形成する。よって、成膜にあたっては、膜の充填率が0.82で、膜の内部応力が−39MPaとなる表1中の条件2を使用する。すなわち、ガス導入口33から、O2ガスを50SCCM、Arガスを30SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を1.5Paとする。そして、実施例1と同様なプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、基板2の表面2aに、Ta2O5膜からなる膜厚64nmの高屈折率の膜5が形成される。
第1層の高屈折率の膜5を成膜した後には、光学多層膜3の第2層として、基板2上の第1層の表面に、設計値「83L」の低屈折率の膜4であるSiO2膜を形成する。この際に、膜の充填率が0.83で、膜の内部応力が−37MPaとなる表2中の条件2を使用する。すなわち、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。その後に、ガス導入口33から、O2ガスを50SCCM、Arガスを30SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を1.5Paとする。そして、実施例1と同様なプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、基板2上の第1層の表面に、SiO2膜からなる膜厚83nmの低屈折率の膜4が形成される。
これら第1層、及び第2層の形成後には、順次同様なプロセスにより、各設計値の膜厚通りに、高屈折率の膜5、及び低屈折率の膜4を交互に積層し、第43層まで成膜する。
さらに、基板2の第43層の表面に、第44層の低屈折率の膜4としてSiO2膜を形成する。この低屈折率の膜4は、設計値「29L」の高充填率層として形成する。よって、成膜にあたっては、膜の充填率が0.99で、膜の内部応力が−230MPaとなる表2中の条件3を使用する。すなわち、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。その後に、ガス導入口33から、O2ガスを5SCCM、Arガスを20SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を0.2Paとする。そして実施例1と同様なプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、基板2の第43層の表面に、SiO2膜からなる低屈折率の膜4を29nm形成する。
このようにして、各設計値の膜厚通り高屈折率の膜5、及び低屈折率の膜4を交互に積層すると、合計44層からなる光学多層膜3が形成される。
さらに、基板2の第43層の表面に、第44層の低屈折率の膜4としてSiO2膜を形成する。この低屈折率の膜4は、設計値「29L」の高充填率層として形成する。よって、成膜にあたっては、膜の充填率が0.99で、膜の内部応力が−230MPaとなる表2中の条件3を使用する。すなわち、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。その後に、ガス導入口33から、O2ガスを5SCCM、Arガスを20SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を0.2Paとする。そして実施例1と同様なプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、基板2の第43層の表面に、SiO2膜からなる低屈折率の膜4を29nm形成する。
このようにして、各設計値の膜厚通り高屈折率の膜5、及び低屈折率の膜4を交互に積層すると、合計44層からなる光学多層膜3が形成される。
(比較例1)
比較例1は、基板2の表面2a上に、高屈折率の膜と、低屈折率の膜とを交互に積層し、44層の光学多層膜を形成したものである。比較例1では、膜の充填率を、第1層から第44層までの全てにおいて、高屈折率の膜で0.99とし、低屈折率の膜で0.99としてある。
比較例1の光学多層膜では、高屈折率の膜をTa2O5膜から構成し、低屈折率の膜をSiO2膜から構成し、44層の設計値は、実施の形態1と同等の設計値を使用した。また、比較例1の光学多層膜3は、実施の形態1と同様のガラス基板からなる基板2の表面2a上に、図2に示す成膜装置10と同様の装置を使用してスパッタリング法により形成した。
比較例1は、基板2の表面2a上に、高屈折率の膜と、低屈折率の膜とを交互に積層し、44層の光学多層膜を形成したものである。比較例1では、膜の充填率を、第1層から第44層までの全てにおいて、高屈折率の膜で0.99とし、低屈折率の膜で0.99としてある。
比較例1の光学多層膜では、高屈折率の膜をTa2O5膜から構成し、低屈折率の膜をSiO2膜から構成し、44層の設計値は、実施の形態1と同等の設計値を使用した。また、比較例1の光学多層膜3は、実施の形態1と同様のガラス基板からなる基板2の表面2a上に、図2に示す成膜装置10と同様の装置を使用してスパッタリング法により形成した。
基板2の表面2aに、第1層としてTa2O膜からなる高屈折率の膜を、設計値「64H」に基づいて形成する。この際には、膜の充填率が0.99で、膜の内部応力が−180MPaとなる表1中の条件3を使用する。成膜にあたっては、基板ホルダー23に基板2を取り付ける。そして、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。その後に、ガス導入口33から、O2ガスを5SCCM、Arガスを20SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を0.2Paとする。そして、実施例1と同様なプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、基板2の表面2aに、Ta2O5膜からなる膜厚64nmの高屈折率の膜を形成する。
第1の高屈折率の膜の成膜後には、光学多層膜の第2層として、基板2上の第1層の表面に、設計値「83L」の低屈折率の膜としてSiO2膜を形成する。この際に、膜の充填率が0.99で、膜の内部応力が−230MPaとなる表2中の条件3を使用する。成膜にあたっては、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。その後に、ガス導入口33から、O2ガスを5SCCM、Arガスを20SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を0.2Paとする。そして、実施例1と同様なプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、第1層の表面に、SiO2膜からなる膜厚83nmの低屈折率の膜4を形成する。
第1層、及び第2層の形成後には、順次同様なプロセスにより、各設計値の膜厚通りに、高屈折率の膜、及び低屈折率の膜を交互に積層し、合計44層からなる比較例1の光学多層膜を形成する。
第1層、及び第2層の形成後には、順次同様なプロセスにより、各設計値の膜厚通りに、高屈折率の膜、及び低屈折率の膜を交互に積層し、合計44層からなる比較例1の光学多層膜を形成する。
(比較例2)
比較例2は、基板2の表面2a上に、高屈折率の膜と、低屈折率の膜とを交互に積層し、44層の光学多層膜を形成したものである。比較例2では、膜の充填率を、高屈折率の膜で0.82とし、低屈折率の膜で0.83とした。
比較例2の光学多層膜では、高屈折率の膜をTa2O5膜から形成し、低屈折率の膜をSiO2膜から形成し、44層の設計値は、実施の形態1と同等の設計値を使用している。
また、比較例2の光学多層膜は、実施例1と同様のガラス基板からなる基板2の表面2a上に、図2に示す成膜装置10と同様の装置を使用してスパッタリング法により形成した。
比較例2は、基板2の表面2a上に、高屈折率の膜と、低屈折率の膜とを交互に積層し、44層の光学多層膜を形成したものである。比較例2では、膜の充填率を、高屈折率の膜で0.82とし、低屈折率の膜で0.83とした。
比較例2の光学多層膜では、高屈折率の膜をTa2O5膜から形成し、低屈折率の膜をSiO2膜から形成し、44層の設計値は、実施の形態1と同等の設計値を使用している。
また、比較例2の光学多層膜は、実施例1と同様のガラス基板からなる基板2の表面2a上に、図2に示す成膜装置10と同様の装置を使用してスパッタリング法により形成した。
基板2の表面2aに、第1層としてTa2O5膜からなる高屈折率の膜を、設計値「64H」で形成する。その際には、膜の充填率が0.82で、膜の内部応力が−39MPaとなる表1中の条件2を使用する。成膜にあたっては、最初に、基板ホルダー23に基板2を取り付ける。そして、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。その後に、ガス導入口33から、O2ガスを50SCCM、Arガスを30SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を1.5Paとする。そして、実施例1と同様なプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、基板2の表面2aに、Ta2O5膜からなる膜厚64nmの高屈折率の膜を形成する。
第1層目の高屈折率の膜を成膜した後には、光学多層膜の第2層として、基板2上の第1層の表面に、設計値「83L」の低屈折率の膜であるSiO2膜を形成する。この際には、膜の充填率が0.83で、膜の内部応力が−37MPaとなる表2中の条件2を使用する。成膜にあたっては、真空槽11内を1×10-4Paまで減圧する。その後に、ガス導入口33から、O2ガスを50SCCM、Arガスを30SCCM導入する。続いて、真空槽11内の真空度を1.5MPaとする。そして、実施の形態1と同様なプレスパッタプロセス、及びスパッタプロセスを行う。これにより、第1層の表面に、SiO2膜からなる膜厚83nmの低屈折率の膜4を形成する。
このようにして、第1層、及び第2層を形成した後には、順次同様なプロセスにより、各設計値の膜厚通りに、高屈折率の膜、及び低屈折率の膜を交互に積層し、合計44層からなる比較例2の光学多層膜を形成する。
このようにして、第1層、及び第2層を形成した後には、順次同様なプロセスにより、各設計値の膜厚通りに、高屈折率の膜、及び低屈折率の膜を交互に積層し、合計44層からなる比較例2の光学多層膜を形成する。
(比較例3)
比較例3は、基板2の表面2a上に、高屈折率の膜と低屈折率の膜とを交互に積層し、44層の光学多層膜を形成したものである。比較例3では、高屈折率の膜はTiO2膜から構成され、低屈折率の膜はMgF2膜から構成されている。
ここで、比較例3の光学多層膜における44層の設計値を以下に示す。
87H、32L、51H、114L、(42H、97L)8、35H、105L、39H、88L、(54H、79L)8、63H、72L、59H、39L
これら設計値は、実施例1と同等な光学特性になる様に調整されている。例えば、設計値「87H」は、TiO2膜を87nmの膜厚(物理膜厚)で成膜して高屈折率の膜を形成することを示し、設計値「32L」は、MgF2膜を32nmの膜厚(物理膜厚)で低屈折率の膜4を形成することを示す。さらに、「(42H、97L)8」は、TiO2膜を42nmの膜厚で成膜した高屈折率の膜と、MgF2膜を97nmの膜厚で成膜した低屈折率の膜とを重ね合わせたものを、8回繰り返して形成することを示している。
また、比較例3の光学多層膜は、実施例1と同様のガラス基板からなる基板2の表面2a上に、イオンアシスト蒸着法により形成される。なお、イオンアシスト蒸着法とは、低屈折率の膜や高屈折率の膜を形成するための蒸着材料を電子ビームにより加熱して、気化した蒸発粒子を生成すると共に、酸素プラズマやアルゴンプラズマを生成し、このプラズマエネルギーを付与した蒸発粒子が基板2上で凝集することにより、低屈折率の膜や、高屈折率の膜を形成するものである。
比較例3は、基板2の表面2a上に、高屈折率の膜と低屈折率の膜とを交互に積層し、44層の光学多層膜を形成したものである。比較例3では、高屈折率の膜はTiO2膜から構成され、低屈折率の膜はMgF2膜から構成されている。
ここで、比較例3の光学多層膜における44層の設計値を以下に示す。
87H、32L、51H、114L、(42H、97L)8、35H、105L、39H、88L、(54H、79L)8、63H、72L、59H、39L
これら設計値は、実施例1と同等な光学特性になる様に調整されている。例えば、設計値「87H」は、TiO2膜を87nmの膜厚(物理膜厚)で成膜して高屈折率の膜を形成することを示し、設計値「32L」は、MgF2膜を32nmの膜厚(物理膜厚)で低屈折率の膜4を形成することを示す。さらに、「(42H、97L)8」は、TiO2膜を42nmの膜厚で成膜した高屈折率の膜と、MgF2膜を97nmの膜厚で成膜した低屈折率の膜とを重ね合わせたものを、8回繰り返して形成することを示している。
また、比較例3の光学多層膜は、実施例1と同様のガラス基板からなる基板2の表面2a上に、イオンアシスト蒸着法により形成される。なお、イオンアシスト蒸着法とは、低屈折率の膜や高屈折率の膜を形成するための蒸着材料を電子ビームにより加熱して、気化した蒸発粒子を生成すると共に、酸素プラズマやアルゴンプラズマを生成し、このプラズマエネルギーを付与した蒸発粒子が基板2上で凝集することにより、低屈折率の膜や、高屈折率の膜を形成するものである。
比較例3では、光学多層膜の第1層として、基板2の表面2aに、TiO2膜からなる膜厚87nmの高屈折率の膜5を形成する。この場合は、真空槽を5×10-4Paまで減圧する。その後、40SCCMのO2ガスを導入し、真空度を2×10-2Paにする。なお、成膜時のプラズマエネルギーは300eVとする。
この第1層の高屈折率の膜の成膜後には、光学多層膜の第2層として、基板2上の第1層の表面に、MgF2膜からなる膜厚32nmの低屈折率の膜を形成する。このとき、真空槽を5×10-4Paまで減圧する。その後、40SCCMのO2ガスを導入し、真空度を2×10-2Paにする。なお、成膜時のプラズマエネルギーは、第1層と同様に300eVとする。
このようにして、第1層、及び第2層を形成した後には、順次同様なプロセスにより、各設計値の膜厚通りに、高屈折率の膜、及び低屈折率の膜を交互に積層する。そして、合計44層からなる比較例3の光学多層膜3を形成する。
この第1層の高屈折率の膜の成膜後には、光学多層膜の第2層として、基板2上の第1層の表面に、MgF2膜からなる膜厚32nmの低屈折率の膜を形成する。このとき、真空槽を5×10-4Paまで減圧する。その後、40SCCMのO2ガスを導入し、真空度を2×10-2Paにする。なお、成膜時のプラズマエネルギーは、第1層と同様に300eVとする。
このようにして、第1層、及び第2層を形成した後には、順次同様なプロセスにより、各設計値の膜厚通りに、高屈折率の膜、及び低屈折率の膜を交互に積層する。そして、合計44層からなる比較例3の光学多層膜3を形成する。
次に、実施例1、2の光学多層膜3(光学素子1)と、比較例1、2、3の光学多層膜(光学素子)とを比較した結果について説明する。
まず、実施例1、2、及び比較例1、2、3のそれぞれの成膜方法と、44層の構成とを表3に示す。
まず、実施例1、2、及び比較例1、2、3のそれぞれの成膜方法と、44層の構成とを表3に示す。
また、実施例1、2の光学多層膜3、及び比較例1、2、3の光学多層膜について、波長375nmにおける透過率、基板の反り量、及び耐性試験後の波長シフト量について比較した結果を表4に示す。
表4には、それぞれの項目ごとに、基板2や光学多層膜3などを製品として使用した場合の評価の欄が設けられている。評価の欄には、問題が発生しないレベルの測定値である場合には「○」を記載し、実用上支障が生じるレベルの測定値である場合には「×」を記載してある。なお、透過率は、所定の分光測定機を用いて測定したものである。また、基板の反り量は、表面形状測定機を用いて、基板2の対角線上を長さ30mmに渡って測定した表面形状から算出したものである。
耐性試験は、44層の光学多層膜3などを形成した基板2を温度70℃、湿度80%の高温多湿下に300時間放置した場合における前後の膜の特性変化を比較する試験である。耐性試験後の特性の変化は、波長シフト量として示され、耐性試験前の透過率50%での波長から、耐性試験後での透過率50%の波長のズレ量を示している。
さらに、図3に実施例1、2の光学多層膜3における分光透過率を示し、図4に比較例1、2、3の分光透過率を示す。
耐性試験は、44層の光学多層膜3などを形成した基板2を温度70℃、湿度80%の高温多湿下に300時間放置した場合における前後の膜の特性変化を比較する試験である。耐性試験後の特性の変化は、波長シフト量として示され、耐性試験前の透過率50%での波長から、耐性試験後での透過率50%の波長のズレ量を示している。
さらに、図3に実施例1、2の光学多層膜3における分光透過率を示し、図4に比較例1、2、3の分光透過率を示す。
図3、及び表4に示すように、実施例1、2の光学多層膜3では、400nm以下の紫外領域において透過率が低下していない。すなわち、実施例1、2では、375nmの紫外領域における透過率が98%以上と高いため、十分な明るさが確保できている。また、実施例1、2では、基板2の反り量は、それぞれ15μm、23μmである。そして、その大きさは、基板2や光学多層膜3を通過する光線の曲がりが生じない程度に小さくなっている。
さらに、耐性試験後の波長シフト量は、実施例1、2では、波長シフト量が2nm以下であり、環境による特性変化は、ほとんどない。これは、実施例1では第43層と第44層とを、実施例2では第44層を、膜の充填率が0.99となるような高充填層としていることにより、高充填層が光学多層膜3中への水分の浸入を防止しているからと考えられる。
さらに、耐性試験後の波長シフト量は、実施例1、2では、波長シフト量が2nm以下であり、環境による特性変化は、ほとんどない。これは、実施例1では第43層と第44層とを、実施例2では第44層を、膜の充填率が0.99となるような高充填層としていることにより、高充填層が光学多層膜3中への水分の浸入を防止しているからと考えられる。
比較例1では、波長375nmにおける透過率と、耐性試験後の波長シフト量は、実施例1、2と同程度であるが、基板の反り量が、105μmと著しく大きくなっている。これは、実施例1では、第1層から第44層までを、膜の充填率を0.99の層で形成してあるためである。すなわち、比較例1では、高屈折率の膜を構成するTa2O5膜の単層での内部応力が−180MPa、低屈折率の膜を構成するSiO2膜の単層での内部応力が−230MPaとなっている。そのため、比較例1では、実施例1、2の高屈折率の膜5、及び低屈折率の膜4と比較して、膜の内部応力が5倍以上になっている。このようなことから、比較例1では、基板2の反り量が著しく大きくなったと考えられる。この比較例1のように、基板2が反っていると、基板2や光学多層膜3を通過する光線が曲がるという不具合が生じる。
また、比較例1の耐性試験後の波長シフト量は、実施例1、2と同程度である。これは、比較例1では、第1層から第44層まで全ての膜の充填率が0.99であることによって、水分の浸入が防止されるので、結果的に、実施例1、2と同等の効果が得られていると考えられる。
また、比較例1の耐性試験後の波長シフト量は、実施例1、2と同程度である。これは、比較例1では、第1層から第44層まで全ての膜の充填率が0.99であることによって、水分の浸入が防止されるので、結果的に、実施例1、2と同等の効果が得られていると考えられる。
比較例2では、波長375nmにおける透過率と、基板の反り量とは、実施例1、2と同程度である。しかしながら、比較例2では、耐性試験後の波長シフト量が4.6nmとなっており、実施例1、2に対して劣っている。これは、比較例2では、膜の充填率が0.9以下であるため、光学多層膜中へ水分が侵入し、その結果、特性変化が発生したものと考えられる。
比較例3では、400nm以下の紫外領域において透過率が低下している。具体的には、波長375nmの紫外領域における透過率が67%で、実施例1、2の透過率より約30%低下している。すなわち、比較例3では、著しい明るさの低下を引き起こしている。これは、比較例3では、MgF2膜からなる低屈折率の膜4をイオンアシスト蒸着法によって形成したため、フッ素脱離が発生して、紫外領域における透過率が低下したと考えられる。また、耐性試験後の波長シフト量も、実施例1、2に比べて劣っている。これは、比較例2と同様の理由による。
以上、表4に示したように、比較例1、2、3の光学多層膜の場合には、いずれかの評価項目に欠点があり、実用上の問題があるのに対して、実施例1、2では、紫外領域の透過率、基板の反り量、及び耐性試験後の波長シフトに関して、製品として使用した場合問題の発生しない数値となっている。
この実施例によれば、低屈折率の膜4、及び高屈折率の膜5の膜の充填率を0.75から0.83の範囲で調整することで、膜の内部応力が低減され、基板2の反り量を30μm以下にする事ができる。したがって、基板2の反りや、変形を防止することができる。
さらに、空気層との接触面となる最外層の膜の充填率を0.99とすることで、光学多層膜3中への水分の侵入を防止し、光学特性に経時変化の無い光学多層膜3や、光学素子1が得られる。
また、低屈折率の膜4として、安価で、紫外領域から赤外領域までの広い波長領域において高い透過率を有するSiO2膜を用いることが可能になるので、紫外領域でも十分に高い透過率の光学多層膜3、及び光学素子1が得られる。
さらに、本実施の形態の光学素子1によれば、厚さの薄い基板2に光学多層膜3を設けても、基板2の反りや変形を防止することができるので、光学素子1の薄型化や、小型化を図ることができる。
なお、光学多層膜3を膜単独でみたとき、最外層は膜の両側に存在する。そうすると、実施例1、2の光学多層膜3では、最外層の一方は高充填率層が形成され、他方が基板2に接していることになる。しかしながら、最外層の両方に、高充填率層を形成してもよい。このようにすれば、膜単独で、光学多層膜3中への水分の侵入を防止することができる。よって、光学特性に経時変化の無い光学多層膜3を得ることができる。そして、このような光学多層膜3において、一方を基板2と接するようにしてもよい。
さらに、空気層との接触面となる最外層の膜の充填率を0.99とすることで、光学多層膜3中への水分の侵入を防止し、光学特性に経時変化の無い光学多層膜3や、光学素子1が得られる。
また、低屈折率の膜4として、安価で、紫外領域から赤外領域までの広い波長領域において高い透過率を有するSiO2膜を用いることが可能になるので、紫外領域でも十分に高い透過率の光学多層膜3、及び光学素子1が得られる。
さらに、本実施の形態の光学素子1によれば、厚さの薄い基板2に光学多層膜3を設けても、基板2の反りや変形を防止することができるので、光学素子1の薄型化や、小型化を図ることができる。
なお、光学多層膜3を膜単独でみたとき、最外層は膜の両側に存在する。そうすると、実施例1、2の光学多層膜3では、最外層の一方は高充填率層が形成され、他方が基板2に接していることになる。しかしながら、最外層の両方に、高充填率層を形成してもよい。このようにすれば、膜単独で、光学多層膜3中への水分の侵入を防止することができる。よって、光学特性に経時変化の無い光学多層膜3を得ることができる。そして、このような光学多層膜3において、一方を基板2と接するようにしてもよい。
なお、本発明は、実施の形態に限定されずに広く応用することが可能である。
例えば、実施例1、2において、高屈折率の膜5は、Ta2O5から構成されるとしたが、これに限定されることはなく、少なくともTiO2、HfO2、Nb2O5、ZrO2、La2O3、Pr6O11、Al2O3から選択される1種類、又は化合物から構成されていれば良い。このような物質からなる膜を用いた場合でも、高屈折率の膜5の内部応力を小さくすることができる。
また、実施例1、2では、積層された層の膜の充填率を0.75から0.83の範囲で使用したが、これに限定されることはなく、層の膜の充填率は、0.6以上0.9未満であれば良い。すなわち、層の膜の充填率が、0.6未満の場合、膜分子の分子間間隔が広くなり過ぎ、膜の密着性が低下するためである。
さらに、実施例1、2では、空気層との接触面に配置される膜の充填率を0.99としたが、これに限定されることはなく、膜の充填率0.9以上1以下の層であれば良い。
例えば、実施例1、2において、高屈折率の膜5は、Ta2O5から構成されるとしたが、これに限定されることはなく、少なくともTiO2、HfO2、Nb2O5、ZrO2、La2O3、Pr6O11、Al2O3から選択される1種類、又は化合物から構成されていれば良い。このような物質からなる膜を用いた場合でも、高屈折率の膜5の内部応力を小さくすることができる。
また、実施例1、2では、積層された層の膜の充填率を0.75から0.83の範囲で使用したが、これに限定されることはなく、層の膜の充填率は、0.6以上0.9未満であれば良い。すなわち、層の膜の充填率が、0.6未満の場合、膜分子の分子間間隔が広くなり過ぎ、膜の密着性が低下するためである。
さらに、実施例1、2では、空気層との接触面に配置される膜の充填率を0.99としたが、これに限定されることはなく、膜の充填率0.9以上1以下の層であれば良い。
1 光学素子
Claims (5)
- 基板上に形成され、低屈折率の膜と、前記低屈折率の膜よりも屈折率が相対的に高い高屈折率の膜とが交互に積層された光学多層膜であって、
前記光学多層膜は、膜の充填率が0.6以上0.9未満の充填率が低い層と、膜の充填率が0.9以上1以下の充填率が高い層とからなり、
前記充填率が低い層として、前記低屈折率の膜と前記高屈折率の膜を複数有し、
前記充填率が高い層として、前記低屈折率の膜と前記高屈折率の膜の少なくとも一方を有し、
前記充填率が高い層が、最外層に配置されていることを特徴とする光学多層膜。 - 前記充填率が高い層は、前記低屈折率の膜からなることを特徴とする請求項1に記載の光学多層膜。
- 前記充填率が高い層は、前記低屈折率の膜と前記高屈折率膜からなることを特徴とする請求項1に記載の光学多層膜。
- 前記低屈折率の膜が、SiO2膜であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学多層膜。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光学多層膜と、該光学多層膜を表面に形成する前記基板と、を備えることを特徴とする光学素子。
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-
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