JP2003215336A - 薄膜偏光子およびその製造方法 - Google Patents

薄膜偏光子およびその製造方法

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JP2003215336A
JP2003215336A JP2002009618A JP2002009618A JP2003215336A JP 2003215336 A JP2003215336 A JP 2003215336A JP 2002009618 A JP2002009618 A JP 2002009618A JP 2002009618 A JP2002009618 A JP 2002009618A JP 2003215336 A JP2003215336 A JP 2003215336A
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Japan
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thin film
dielectric
film
metal
substrate
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JP2002009618A
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Terufusa Kunisada
照房 國定
Kaori Sato
かおり 佐藤
Toshiaki Anzaki
利明 安崎
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定方向の偏光を取り出せる偏光子として
は、柱状銀粒子がガラス中に分散したもの、島状金属層
と誘電体層を交互に積層した後に延伸させたもの、高分
子材料を延伸し配向させたものなどが知られているが、
いずれも製造方法が特殊である。このため、独立に製造
した後、光学部品に貼り付けて使用しなければならない
という煩雑さを有している。 【解決手段】 本発明の薄膜偏光子は、成膜工程のみに
よって形成される偏光特性を有する薄膜により構成され
る。その薄膜は、透明基体上に形成された金属または誘
電体の柱状構造体からなる。その柱状構造体は基体表面
に対して垂直、もしくは傾斜していることを特徴として
いる。本発明の薄膜偏光子はその表面に保護膜や反射防
止膜を形成することも容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信機器、光記録
機器、光センサ、液晶モニタ等に使用される偏光子に関
し、とりわけ偏光特性を有する薄膜に関し、該薄膜の構
造および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】偏光子は特定方向の偏光を取り出せる光
学素子であり、各種偏光子が提案され、実用化されてい
る。例えば、アスペクト比の高い柱状銀粒子がガラス中
に分散した偏光ガラス、島状金属層と誘電体層を交互に
積層した後に延伸させた偏光子、高分子材料を延伸し配
向させた偏光フィルム、誘電体膜と金属膜を交互に積層
し、膜の断面方向から光を入射する積層型偏光子などが
知られている。
【0003】一方、光ファイバを使用した光通信が急速
に普及している。光ファイバを光学部品に接続した場合
に接続界面で反射が発生し、戻り光と呼ばれる伝送方向
と反対向きに進行する光が発生する。このような戻り光
は、光通信ではノイズとなりシステム全体に悪影響を与
えることが知られている。このような戻り光を効率よく
除去するために、光アイソレータが使用されている。各
種の光アイソレータが提案されており、種々のアイソレ
ータが実用化されている。そして、多くの光アイソレー
タにおいて構成部品として偏光子が利用されている。
【0004】光アイソレータで使用される偏光子に求め
られる機能としては、40dB以上の消光比、および
0.4dB以下の挿入損失である。ただし、消光比はつ
ぎの式(1)で定義される。 消光比(dB)=+10×log(Tmax/Tmin) (1) ここで、Tmaxは最大透過率が得られる偏光の透過率、
Tminは最小透過率が得られる偏光の透過率である。ま
た挿入損失は式(2)で定義される。 挿入損失(dB)=−10×log(Tmax) (2)
【0005】このような優れた特性を有する偏光子とし
て、特公平2−40619号公報で開示されているよう
な偏光ガラスが知られている。この偏光ガラスの製造方
法としては、ハロゲン化物と銀を含むガラス材料を溶融
し、ガラス素地を作製する。つぎに熱処理によりハロゲ
ン化銀を析出させる。続いて加熱条件下で素地を延伸し
てハロゲン化銀を張力方向に整列させる。最後に還元雰
囲気下で加熱して、ハロゲン化銀の一部を金属銀に還元
することより製造される。
【0006】また、特開2000−47031公報で開
示されているような偏光部材が知られている。この偏光
部材の製造方法としては、基体にフォトリソグラフィー
とイオンエッチングで細孔を作製し、その後に減圧下で
金属蒸気に暴露し細孔に金属を注入する。続いて、基体
表面の洗浄を行い、さらに加熱工程で金属をアニールす
ることで製造される。さらに、金属膜を斜め蒸着するこ
とにより基体上に柱状の金属膜を形成することにより偏
光特性を有する膜が得られることも知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の金属銀を析出さ
せた偏光ガラスでは、その製造工程で金属銀の分散状態
の制御が難しく、歩留まりが悪い。また、ハロゲン化銀
を含むガラスを加熱して引き伸ばす工程および加熱還元
工程が含まれるために、光学部品の上に偏光子を形成す
ることは不可能であり、偏光ガラスを作製し、これを光
学部品に貼り付ける方法しか取れない。このために部品
点数が増え、工程が複雑になる問題点がある。
【0008】また基体に形成した細孔に金属を注入した
偏光部材では、その製造工程にエッチングによる細孔作
製、および成膜、および焼成工程の複数の工程があり、
工程が非常に複雑である。また、加熱工程が含まれるた
めに光学部品上に、直接、偏光子を形成することが難し
く、偏光部材を作製し、これを光学部品に貼り付ける方
法しか取れない。このため部品点数が増え工程が複雑に
なる問題点がある。
【0009】さらに、金属膜を斜め蒸着することにより
得られる膜の機械的耐久性は非常に悪く、呼気をかける
と膜が飛散する程度の耐久性しかない。そのため、膜表
面を厳重に密封して使用する必要があるなど取り扱いが
難しく、一般的な偏光子としては普及していない。
【0010】本発明は、上記のような従来の偏光子にお
ける問題点を解決するためになされたもので、成膜工程
だけで基体上に優れた偏光分離特性を有する膜を形成
し、光学部品の表面上に偏光子を形成することを目的に
なされた。したがって、製造工程には光学部品に損傷を
与えるような高温加熱工程を含まないこと、また、機械
的耐久性を向上させ、製造工程での取り扱いを容易にす
ること、などをも目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜偏光子の第
1の態様は、偏光特性を有する薄膜により構成され、そ
の薄膜は、透明基体上に形成された誘電体膜中に多数の
柱状金属を分散させた構造を有し、その柱状金属が基体
表面に対して垂直、もしくは傾斜していることを特徴と
している。
【0012】本発明の薄膜偏光子の第2の態様は、偏光
特性を有する薄膜により構成され、その薄膜は、透明基
体上に形成された多数の柱状誘電体と多数の柱状金属か
らなり、空隙を有している。この柱状誘電体と柱状金属
の長手方向は大略平行で、基体表面に対して垂直、もし
くは傾斜していることを特徴としている。またとくに柱
状誘電体と柱状金属とが対をなし、それらの長手方向側
面が互いに接している構造を有する場合がある。
【0013】上記いずれの態様の薄膜偏光子において
も、周囲媒体と接する表面に、1層もしくは複数層の透
明誘電体膜を形成するのが望ましい。これによって薄膜
偏光子の耐久性を向上させることができる。また、複数
の透明誘電体膜を誘電体の材料、積層順、各膜の膜厚な
どを選択して形成することで薄膜偏光子表面での反射を
防止する機能を発現させることもできる。
【0014】さらに、偏光特性を有する薄膜と透明基体
との界面に1層もしくは複数層の透明誘電体膜を挿入す
ることが好ましい。これにより薄膜偏光子と基体の界面
での反射を低減することができる。
【0015】上記薄膜偏光子はつぎの製造方法によって
得ることができる。本発明の製造方法においては、透明
基体表面の法線に対して一定角度を有する、すなわち斜
めの少なくとも1方向から金属粒子もしくは金属原子も
しくは金属イオンを入射し、同時に同法線に対して一定
角度を有する、斜めの少なくとも1方向から誘電体の蒸
発粒子もしくは誘電体を構成する原子もしくは誘電体を
構成するイオンを入射する。
【0016】上記製造方法において、とくに透明基体表
面の法線に対して一定角度を有する対称な2方向から金
属粒子もしくは金属原子もしくは金属イオンを入射し、
同時に法線に対して一定角度を有する少なくとも1方向
から誘電体の蒸発粒子もしくは誘電体を構成する原子も
しくは誘電体を構成するイオンを入射する方法が好まし
い。
【0017】また、透明基体表面の法線に対して一定角
度を有する対称な2方向から誘電体の蒸発粒子もしくは
誘電体を構成する原子もしくは誘電体を構成するイオン
を入射し、同時に法線に対して一定角度を有するすくな
くとも1方向から金属粒子もしくは金属を構成する原子
もしくは金属を構成するイオンを入射してもよい。上記
の方法によれば、第1もしくは第2の態様の薄膜偏光子
が保護膜や反射防止膜を含めて成膜工程のみによって得
られる。
【0018】
【発明の実施の形態】従来、基体の法線に対して一定角
度を有する方向、すなわち斜め方向から粒子を入射して
膜を形成すると、膜成長初期段階に形成される島状膜の
ためにシャドーイング効果が生じ、柱状構造の膜が形成
されることが知られている。柱状構造膜の柱と基体のな
す角(構造角)は入射粒子の方向、基体材料と膜材料の
界面の濡れ性、基体の表面凹凸形状などで決定される。
特に、粒子の入射方向と基体法線のなす角度が大きいほ
ど、柱状構造膜の柱と基体法線のなす角度も大きくな
る。しかし、柱状構造膜の柱と基体法線のなす角度は粒
子の入射方向と基体法線のなす角度よりも常に小さくな
ることが知られている。
【0019】本発明者らは、誘電体材料と金属材料とで
お互いに固溶しない材料の組み合わせを選択し、これら
2つの材料を同時に斜め方向から入射して成膜すると2
種材料が分相し、それぞれの材料の柱状構造膜が得られ
ることを見出した。
【0020】この場合、基体の法線に対して30°以上
87°以下の角度で粒子またはイオンまたは原子を入射
することによりシャドーイングの効果が得られ、特に、
法線に対して45°以上85°以下の角度で粒子または
イオンまたは原子を入射することにより十分なシャドー
イング効果が得られる。このような大きなシャドーイン
グ効果が得られた場合に膜の構造は異方性となり、大き
な偏光特性を発現する。
【0021】このとき、誘電体材料を構成する粒子を基
体表面に対して垂直に近い方向から入射することによ
り、形成される誘電体は膜状にすることが可能であり、
反対に基体の法線となす角度が90°に近い方向から粒
子を入射することにより、明確な柱状膜を得ることが可
能になる。
【0022】さらに、透明基体上に、透明基体表面の法
線に対して等しい角度を有する対称な2方向から粒子を
入射することにより、柱状構造膜の構造角を垂直に形成
することが可能なことを見出し、これにより偏光子の挿
入損失を大きく改善できる見通しを得た。法線に対して
対称とは、図1に示すように、一方の粒子の入射方向を
ベクトルAで示したとき、他方の粒子の入射方向を示す
ベクトルBは、基体10の法線に対してベクトルAと対
称な角度θをもち、かつ法線とベクトルAを含む平面P
上にあることを意味する。
【0023】本発明の柱状構造膜を形成するためには、
膜を構成する元素を特定の方向から、基板に入射する必
要があるので、成膜中のガス圧力が低いことが望まし
く、特に0.1Paより低いことが望ましく、さらには
0.05Paより低いことがより好ましい。成膜プロセス
中のガス圧が高いと、雰囲気中の平均自由行程が短くな
り、膜を構成する粒子が雰囲気ガスが散乱され、基板に
入射する方向を制御することが難しくなる。
【0024】本発明に適用できるガス圧が低い成膜方法
としては、電子線蒸着、クヌーセンセルを用いた蒸着な
どの方法がある。スパッタリングに類する成膜方法は一
般にガス圧が高いが、膜を比較的大きな面積に形成する
ための成膜法として好ましい。光通信用偏光子は単体と
しての面積は小さいが、大面積の成膜が可能であれば、
より生産効率が高められる。
【0025】スパッタリング法において粒子の平均自由
行程を長くするためには、特開平9−143709号公
報、もしくは特開平9−31637号公報に開示されて
いるようなターゲット近傍以外の空間が低いガス圧でも
放電の維持が可能なように工夫されたスパッタリング装
置(遠距離スパッタリング装置)を用いるのが特に好ま
しい。
【0026】遠距離スパッタ装置では、低ガス圧で放電
できるように、マグネトロンの磁場強度を強く設計して
いる。そして、これらの装置は図2に示すように、ター
ゲットを取り付けるマグネトロンカソード1、2、3を
内蔵するターゲット室11、12、13を備え、各ター
ゲット室とスパッタ室20は独立に排気できる。各ター
ゲット室にはガス導入管14,15,16を通して所定
のガスを独立に導入することができ、ターゲット室内の
ガス圧をスパッタ室よりも高く保って放電を維持する。
【0027】スパッタされた粒子はターゲット室11、
12、13外に出た後、低圧力のスパッタ室20では散
乱を受けにくく、方向性をもって基体に到達することが
できる。ここでマグネトロンカソード11および12の
位置を調整することにより、図1に示したベクトルA、
Bの方向に相当する方向性をスパッタされた粒子に付与
することができる。なお、図2では3ターゲットを備え
た装置の例を示したが、ターゲットの数は必要に応じて
一式または複数式設けることができる。
【0028】さらに成膜時の基板を室温以下に冷却する
ことにより、膜構造における異方性を強調することがで
き、偏光分離特性の向上に有利である。液体窒素を用い
て成膜時の基板温度を約−190℃まで冷却することに
より、膜構造の異方性はいっそう強調され、良好な偏光
分離特性が得られる。以下に具体的な実施例について述
べる。
【0029】[実施例1]図2に示す遠距離スパッタリ
ング装置のマグネトロンカーソード1およびマグネトロ
ンカソード2に銅ターゲットを取り付け、マグネトロン
カソード3にSiO2ターゲットを取り付けた。図2に
示す基体10の位置に硼珪酸ガラス板を取り付けた。マ
グネトロンカーソード1およびマグネトロンカソード2
の位置は基体10に対して図1の配置になるように設定
し、θ=75°とした。一方、マグネトロンカソード3
は基体10の法線に対して50°傾斜した位置に設定し
た。
【0030】その後、ロータリーポンプおよびクライオ
ポンプを用いて、スパッタ室20内部の圧力を約1×1
-4Paまで排気した。ターゲット室11およびターゲ
ット室12にアルゴンガスを導入し、ターゲット室13
に5%酸素混合アルゴンガスを導入した。この時スパッ
タ室20内部の圧力は、4×10-2Paであった。その
後、マグネトロンカソード1およびマグネトロンカソー
ド2に直流電源により負電圧を印加し、グロー放電を起
こさせた。さらに、マグネトロンカソード3には高周波
(周波数、13.56MHz)を印加し、グロー放電を
発生させた。
【0031】つぎに、基体10の表面上で、銅の堆積速
度(棒状金属の長さの成長速度)が1.5nm/min
になるようにマグネトロンカソード1およびマグネトロ
ンカソード2に供給する電力を調整した。また、マグネ
トロンカソード3に供給する高周波電力を調整し、基体
10の表面上でのSiO2膜の堆積速度が2.0nm/
minになるようにした。また基板である硼珪酸ガラス
板は成膜開始前に液体窒素で冷却した。
【0032】続いてマグネトロンカソード1、およびマ
グネトロンカソード2およびマグネトロンカソード3の
前面に取り付けられているシャッタ6、7、8を同時に
操作して成膜を開始し、約2時間の放置した。2時間後
に前記3個のシャッタ6、7、8を同時に操作し、成膜
を終了した。
【0033】このようにして、得られた試料の断面構造
を透過型電子顕微鏡で観察したところ、図3の断面模式
図に示すような構造であった。硼珪酸ガラス板である基
板30上にSiO2を主成分とする誘電体薄膜50が堆
積し、その中に銅を主成分とする柱状の金属40が分散
している。柱状の金属40は基板30表面に対してほぼ
垂直に立った状態となる。
【0034】入射光波長1550nmでの上記(1)式
で定義される消光比を測定したところ43dBであり、
(2)式で定義される挿入損失は0.4dBであった。
これらの特性は光通信用光アイソレータに用いる偏光子
に要求される特性を満たしている。
【0035】[実施例2]図2に示す遠距離スパッタリ
ング装置のマグネトロンカーソード1およびマグネトロ
ンカソード2にSiO2ターゲットを取り付け、マグネ
トロンカソード3に金ターゲットを取り付けた。図2に
示す基体10の位置に硼珪酸ガラス板を取り付けた。マ
グネトロンカーソード1およびマグネトロンカソード2
の位置は基体10に対して図1の配置になるように設定
し、θ=75°とした。一方、マグネトロンカソード3
は基体10の法線に対して50°傾斜した位置に設定し
た。
【0036】その後、ロータリーポンプおよびクライオ
ポンプを用いて、スパッタ室20内部の圧力を約1×1
-4Paまで排気した。ターゲット室11およびターゲ
ット室12に5%酸素混合のアルゴンガスを導入し、タ
ーゲット室13にアルゴンガスを導入した。その時にス
パッタ室20内部の圧力は、4×10-2Paであった。
その後、マグネトロンカソード1およびマグネトロンカ
ソード2に高周波(周波数、13.56MHz)を印加
し、グロー放電を起こさせた。さらに、マグネトロンカ
ソード3には直流電圧を印加し、グロー放電を発生させ
た。
【0037】つぎに、基体10の表面上で、金の堆積速
度(棒状金属の長さの成長速度)が1.5nm/min
になるようにマグネトロンカソード3に供給する電力を
調整した。また、マグネトロンカソード1に供給する高
周波電力を調整し、基体10の表面上におけるカソード
1からのSiO2膜の堆積速度が1.0nm/minに
なるようにした。さらに、マグネトロンカソード2に供
給する高周波電力を調整し、基体10の表面上でのカソ
ード3からのSiO2膜の堆積速度が2.0nm/mi
nになるようにした。また基板である硼珪酸ガラス板は
成膜開始前に液体窒素で冷却した。
【0038】続いて、マグネトロンカソード1、および
マグネトロンカソード2およびマグネトロンカソード3
の前面に取り付けられているシャッタ6、7、8を同時
に操作して成膜を開始し、約2時間の放置した。2時間
後に前記3個のシャッタ6、7,8を同時に操作し、成
膜を終了した。
【0039】このようにして、得られた試料の断面構造
を透過型電子顕微鏡で観察したところ、図4の断面模式
図に示すような構造であった。硼珪酸ガラス板である基
板30上にSiO2を主成分とする柱状の誘電体45と
柱状の金属41が互いに接する形状で分散している。こ
のような柱状の構造体70は基板30表面に対して傾斜
して立った状態となり、柱状構造体70の間には空隙部
分60が存在する。
【0040】入射光波長1550nmでの上記(1)式
で定義される消光比を測定したところ41dBであり、
(2)式で定義される挿入損失は0.4dBで、光アイ
ソレータに用いる偏光子に要求される特性を満たしてい
る。
【0041】[実施例3]図2に示す遠距離スパッタリ
ング装置のマグネトロンカーソード1に銅ターゲットを
取り付け、マグネトロンカソード3にSiO2ターゲッ
トを取り付けた。図2に示す基体10の位置に石英ガラ
ス板を取り付けた。マグネトロンカソードカソード1は
基体10の法線方向に対して75°傾斜させ、マグネト
ロンカソード3は60°傾斜させた位置にそれぞれ配置
した。
【0042】その後、ロータリーポンプおよびクライオ
ポンプを用いて、スパッタ室20内部の圧力を約1×1
-4Paまで排気した。ターゲット室11にアルゴンガ
スを導入し、ターゲット室13に5%酸素混合のアルゴ
ンガスを導入した。その時にスパッタ室内部の圧力は、
3×10-2Paであった。その後、マグネトロンカソー
ド1に直流電源により負電圧を印加し、グロー放電を起
こさせた。さらに、マグネトロンカソード3には高周波
(周波数、13.56MHz)を印加し、グロー放電を
発生させた。
【0043】つぎに、基体10の表面上で、銅の堆積速
度(棒状金属の長さの成長速度)が1.5nm/min
になるようにマグネトロンカソード1に供給する電力を
調整した。また、マグネトロンカソード3に供給する高
周波電力を調整し、基体10の表面上でのSiO2膜の
堆積速度が2.5nm/minになるようにした。
【0044】続いて、マグネトロンカソード1、および
マグネトロンカソード3の前面に取り付けられているシ
ャッタ6、8を同時に開放して成膜を開始し、約3時間
放置した。3時間後に前記2個のシャッタ6、8を同時
に閉じ、成膜を終了した。
【0045】このようにして、得られた試料の断面構造
を透過型電子顕微鏡で観察したところ、図5の断面模式
図に示すような構造であった。石英ガラス板である基板
31上のSiO2を主成分とする柱状の誘電体45と、
銅を主成分とする柱状の金属42とが互いに接した状態
で分散している。この柱状構造体71は基板31表面の
法線に対して約20°傾斜して立った状態となり、柱状
構造体の間には空隙部分61が存在する。
【0046】入射光波長1550nmでの消光比を測定
したところ31dBであり、挿入損失は1.4dBであ
った。この特性を有する膜は、光通信用アイソレータに
は不十分であるが、液晶プロジェクタ用の偏光膜などの
他の用途には適用可能である。
【0047】[実施例4]図2に示す遠距離スパッタリ
ング装置のマグネトロンカーソード2にアルミニウムタ
ーゲットを取り付け、マグネトロンカソード3にSiO
2ターゲットを取り付けた。図2に示す基体10の位置
に硼珪酸ガラス板を取り付けた。マグネトロンカソード
2は基体10の法線に対して80°傾斜させ、マグネト
ロンカソード3は30°傾斜させた位置に配置した。
【0048】その後、ロータリーポンプおよびクライオ
ポンプを用いて、スパッタ室20内部の圧力を約1×1
-4Paまで排気した。ターゲット室12にアルゴンガ
スを導入し、ターゲット室13に5%酸素混合のアルゴ
ンガスを導入した。その時にスパッタ室20内部の圧力
は、3×10-2Paであった。その後、マグネトロンカ
ソード2に直流負電圧を印加し、グロー放電を起こさせ
た。さらに、マグネトロンカソード3には高周波(周波
数;13.56MHz)を印加し、グロー放電を発生さ
せた。
【0049】つぎに、基体10の表面上で、アルミニウ
ムの堆積速度(棒状金属の長さの成長速度)が2.5n
m/minになるようにマグネトロンカソード2に供給
する電力を調整した。また、マグネトロンカソード3に
供給する高周波電力を調整し、基体10の表面上におけ
るSiO2膜の堆積速度が6.0nm/minになるよ
うにした。また基板である硼珪酸ガラス板は成膜開始前
に液体窒素で冷却した。
【0050】続いて、マグネトロンカソード3の前面に
取り付けられているシャッタ8とマグネトロンカソード
2の前面に取り付けられているシャッタ7を操作して成
膜を開始した。2.5時間後にシャッタ7、8を閉めて
成膜を終了した。
【0051】このようにして、得られた試料の断面構造
を透過型電子顕微鏡で観察したところ、図6の断面模式
図に示すような構造であった。硼珪酸ガラス板である基
板30上にSiO2を主成分とする誘電体膜50が堆積
し、その中にアルミニウムを主成分とする柱状の金属4
3がで分散している状態であった。この柱状金属43は
基板30表面に対して傾斜して立った状態であった。
【0052】入射光波長1550nmでの上記(1)式
で定義される消光比を測定したところ37dBであり、
(2)式で定義される挿入損失は1.4dBであった。
光通信用光アイソレータに用いる偏光子に要求される特
性は満足していないが、液晶プロジェクタ用偏光膜など
の用途には適用可能である。
【0053】[比較例1]図10に示すマグネトロンス
パッタリング装置のマグネトロンカーソード101に金
ターゲットを取り付け、マグネトロンカソード102に
SiO2ターゲットを取り付けた。図10に示す基体1
10の位置に石英ガラスを取り付けた。
【0054】その後、ロータリーポンプおよびクライオ
ポンプを用いて、スパッタ室120内部の圧力を約1×
10-4Paまで排気した。マグネトロンカソード101
にアルゴンガスをガス導入管103より供給し、マグネ
トロンカソード102に5%酸素混合のアルゴンガスを
ガス導入管104より供給した。その時にスパッタ室1
20内部の圧力は、5×10-1Paであった。この圧力
下での平均自由行程は約30mmである。この程度の平
均自由行程では、スパッタ粒子が基板に到達前にガス分
子により散乱され、粒子が飛行する際の方向性は失われ
る。
【0055】次いでマグネトロンカソード101に直流
電源により負電圧を印加し、グロー放電を起こさせた。
さらに、マグネトロンカソード102には高周波(周波
数、13.56MHz)を印加し、グロー放電を発生さ
せた。
【0056】つぎに、基体110の表面上で、金の堆積
速度が0.7nm/minになるようにマグネトロンカ
ソード101に供給する電力を調整した。また、マグネ
トロンカソード102に供給する高周波電力を調整し、
基体110の表面上でのSiO2膜の堆積速度が2.5
nm/minになるようにした。また基板である硼珪酸
ガラス板は成膜開始前に液体窒素で冷却した。
【0057】続いて、マグネトロンカソード101、お
よびマグネトロンカソード102の前面に取り付けられ
ているシャッタ(図示しない)を同時に開放して成膜を
開始し、約2時間放置した。2時間後に前記2個のシャ
ッタを同時に閉じ、成膜を終了した。
【0058】このようにして得られた試料の断面構造を
透過型電子顕微鏡で観察したところ、SiO2膜中に粒
状のAu微粒子が分散している構造であった。入射光波
長1550nmでの消光比を測定したところ0.3dB
であり、挿入損失は17dBで、光アイソレータに用い
る偏光子としては使用できない。
【0059】[比較例2]図2に示す遠距離スパッタリ
ング装置のマグネトロンカーソード1にSiO2を取り
付け、マグネトロンカソード2に10%パラジウム−銀
合金ターゲットを取り付けた。図2に示す基体10の位
置に硼珪酸ガラスを取り付けた。マグネトロンカソード
1、2とも基体10の法線に対して70°傾斜した位置
に配置した。
【0060】その後、ロータリーポンプおよびクライオ
ポンプを用いて、スパッタ室20内部の圧力を約1×1
-4Paまで排気した。ターゲット室11に15%酸素
混合のアルゴンガスを導入した。その時にスパッタ室2
0内部の圧力は、2.5×10-2Paであった。その
後、マグネトロンカソード1に高周波電力(周波数:1
3.56MHz)を供給し、グロー放電を起こさせた。
【0061】つぎに、基体10の表面上で、SiO2
堆積速度(棒状金属の長さの成長速度)が2.5nm/
minになるようにマグネトロンカソード1に供給する
電力を調整した。また基板である硼珪酸ガラス板は成膜
開始前に液体窒素で冷却した。
【0062】続いて、マグネトロンカソード1の前面に
取り付けられているシャッタ6を開放して成膜を開始
し、約2時間の放置した。2時間後にシャッタ6を閉
じ、成膜を終了した。
【0063】さらに、ターゲット室12にアルゴンガス
を導入した。その時にスパッタ室20内部の圧力は、
2.5×10-2Paであった。その後、マグネトロンカ
ソード2に直流電力を供給し、グロー放電を起こさせ
た。つぎに、基体10の表面上で、10%パラジウム−
銀合金ターゲットの堆積速度が2.5nm/minにな
るようにマグネトロンカソード2に供給する電力を調整
した。続いて、マグネトロンカソード2の前面に取り付
けられているシャッタ7を開放して成膜を開始し、約2
時間の放置した。2時間後にシャッタ7を閉じ、成膜を
終了した。
【0064】このようにして得られた試料の断面構造を
透過型電子顕微鏡で観察したところ、柱状のSiO2
上に粒状の10%パラジウム−銀合金が分散している構
造であった。入射光波長1550nmでの消光比を測定
したところ2dBであり、挿入損失は9.5dBで、光
アイソレータに用いる偏光子としては使用できない。
【0065】本発明の偏光特性を有する薄膜は膜の構造
が柱状であり、とくに実施例2、3のように柱状構造体
の間に空隙が存在する場合もある。そのため、化学的耐
久性に問題が生じる場合があるが、この場合には、偏光
特性を有する膜上に透明な保護膜を形成するのが望まし
い。
【0066】図7は実施例2に示した柱状構造体70を
作製した後、SiO2保護膜51を形成した例を示して
いる。柱状構造体の形成が終了した後、ターゲット室1
1に供給している5%酸素混合のアルゴンガス流量を柱
状構造体の形成時より増やして、スパッタ室20内部の
圧力を、6×10-1Paに調整する。マグネトロンカソ
ード1に高周波(周波数、13.56MHz)を印加
し、シャッタ6を開いて約3nm/minの成膜速度で
SiO2膜を約1時間成膜した。
【0067】さらに、高屈折率材料と中間屈折率材料、
低屈折率材料など屈折率の異なる複数の層を積層すれば
保護膜の機能を兼ねた反射防止膜を形成することもで
き、空気と偏光膜界面での反射を抑制し挿入損失を低く
する効果が得られる。
【0068】さらに、偏光特性を有する薄膜と基板の界
面の反射を防止して、挿入損失を抑制するために反射防
止層として基体と偏光特性を有する膜の間に追加の層を
形成して良い。
【0069】図8は実施例4に示した偏光薄膜を作製す
る前に、基板30上にSiO2膜52を形成し、さらに
偏光薄膜形成後にSiO2保護膜53を形成した例を示
している。偏光薄膜形成のための調整後、マグネトロン
カソード3の前面に取り付けられているシャッタ8のみ
を操作してSiO2の成膜を開始する。1時間後に、マ
グネトロンカソード2の前面に取り付けられているシャ
ッタ7を開けることにより、中断することなく偏光薄膜
の成膜に移行することができる。
【0070】さらに2.5時間後にシャッタ8を開放の
まま放置し、シャッタ7のみを閉める。これにより連続
して偏光薄膜表面にSiO2保護膜53が成膜される。
1時間後に、シャッタ8を閉めて成膜を終了すれば、図
8のような構造が得られる。この場合も反射防止機能を
強化するために層52、53を複数の層で構成してもよ
い。
【0071】なお、本発明の偏光特性を有する膜の柱状
金属の径および長さは、使用する波長域によって偏光特
性を最大にするために好ましい値が異なる。使用する波
長域に合わせて柱状金属の径を制御するために基体表面
上に凹凸が形成されていてもよい。基体の表面凹凸を形
成するために、基体表面を加工してもよいが、表面の平
坦な基板上に表面に凹凸が生じるように薄膜を形成し、
それを利用してもよい。
【0072】本発明における誘電体層として上記実施例
ではSiO2を例示したが、使用波長領域で透明な材料
であればとくに制限はない。SiNx、SiOxy、S
nO2、Al23、MgF2、ZnO、Si、MgOなど
は上記の遠距離スパッタリングで成膜ができ、適用可能
である。ただし、挿入損失を小さくするためにはSiO
2、SiOxyなどがとくに好ましい。
【0073】本発明における金属としては、金、銀、
銅、パラジウム、白金、アルミニウム、ニッケル、コバ
ルト、鉄、クロムなどの単体金属の他、銀−パラジウム
合金、金−銀合金、銀−錫合金、銀−亜鉛合金、銀−ア
ルミニウム合金などが使用できる。ただし、銀、金、ア
ルミニウムなどの凝集しやすい金属の場合には、成膜中
に微粒を形成しやすい。これらの金属の場合には、成膜
時に基体の温度が上昇しないように基体を冷却すること
が必要になる。
【0074】また、誘電体材料と金属材料の選定で、お
互いに固溶する組み合わせの選定は好ましくない。この
場合には、金属と誘電体が混合するために所望の柱状構
造膜が得られなくなる。
【0075】本発明の柱状構造体の形成には高温プロセ
スを必要としない。このため基体の材料はとくに限定さ
れることはなく、石英ガラス、シリコン、硼珪酸ガラ
ス、樹脂、ソーダライムガラスなどを用いることができ
る。さらに、基体の形状も特に限定されることはなく、
上記実施例に示した板形状に限られない。曲面を有する
レンズ表面やプリズムなどの光学部品上にも、それらに
熱的損傷を与えることなく直接形成することが可能であ
る。
【0076】成膜方法としては、上述のように堆積させ
る材料の粒子を方向性をもって供給できる方法であれば
よい。上述の方法の他、イオンビームスパッタリングや
マグネトロンスパッタリングなどの各種物理成膜方法は
この条件に適合する。
【0077】図9に示すようなイオンビームスパッタ法
は、成膜中のターゲットと基板の間のガス圧力が低く
(約1×10-2Pa)、平均自由工程が長いので好まし
い。このイオンビームスパッタ装置80は装置内を一排
気系で比較的低圧に排気する。複数のイオンガン81、
82、83からイオンビームをターゲット91、92、
93にそれぞれ照射し、基体90上に薄膜を形成する。
成膜はシャッタ86によって制御する。しかしこのイオ
ンビームスパッタリングは、イオンガンとターゲットの
両方が必要であり装置が複雑である。適切なイオンビー
ム入射角度を設定するためには、装置の設計、製作が煩
雑になるという難点がある。
【0078】図10に示すような通常のマグネトロンス
パッタリングのプロセス圧力は0.1Pa以上である。
したがって比較例1に示したように柱状構造膜は得られ
にくい。このような通常のマグネトロンスパッタリング
装置を使用する場合には、図11に示すようにスパッタ
ターゲットと基板の間に蒸発粒子の向きを揃えるための
コリメータ108を挿入するなどの工夫が必要となる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、成膜工程だけで基体上
に優れた偏光分離特性を有し、かつ優れた機械的耐久性
を有する膜を形成できる。とくに本発明の製造工程には
光学部品に損傷を与えるような高温加熱工程を含まない
ため、光学部品上に偏光子を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の柱状構造膜を成膜するための基本配
置を示す模式図である。
【図2】 本発明の柱状構造膜を成膜するための成膜装
置の構成を示す模式図である。
【図3】 実施例1により形成された柱状構造膜の断面
構造を示す模式図である。
【図4】 実施例2により形成された柱状構造膜の断面
構造を示す模式図である。
【図5】 実施例3により形成された柱状構造膜の断面
構造を示す模式図である。
【図6】 実施例4により形成された柱状構造膜の断面
構造を示す模式図である。
【図7】 実施例2により形成された柱状構造膜表面に
保護膜を設けた場合の断面構造を示す模式図である。
【図8】 実施例4により形成された柱状構造膜の表面
および基体界面に誘電体薄膜を設けた場合の断面構造を
示す模式図である。
【図9】 本発明の柱状構造膜を成膜するための他の成
膜装置の構成を示す模式図である。
【図10】 従来のマグネトロンスパッタ装置の構成を
示す模式図である。
【図11】 改良したマグネトロンスパッタ装置の構成
を示す模式図である。
【符号の説明】
1,2,3,101,102 マグネトロンカソード 6,7,8,86 シャッタ 10,90,110 基体 11,12,13 ターゲット室 14,15,16,103,104 ガス導入管 20,120 スパッタ室 30,31 ガラス基板 40,41,42,43 柱状金属 45 柱状誘電体 50,51,52,53 誘電体薄膜 60,61 空隙部分 70,71 柱状構造体 80 イオンビームスパッタ装置 81,82,83 イオンガン 91,92,93 ターゲット 108 コリメータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安崎 利明 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA23 BA39 BB22 BB65 BC02 BC22 BC25 2H091 FA08Y FB08 FC04 LA01 LA30 4K029 BA08 BA46 BA64 BB07 BC07 CA05 CA15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏光特性を有する薄膜からなる薄膜偏光子
    において、前記薄膜が透明基体上に形成された誘電体膜
    中に多数の柱状金属が分散した構造を有し、該柱状金属
    の長手方向が前記基体表面に対して垂直、もしくは傾斜
    していることを特徴とする薄膜偏光子。
  2. 【請求項2】偏光特性を有する薄膜からなる薄膜偏光子
    において、前記薄膜が透明基体上に形成された多数の柱
    状誘電体と多数の柱状金属からなる空隙のある構造を有
    し、該柱状誘電体および柱状金属の長手方向は略平行
    で、前記基体表面に対して垂直、もしくは傾斜している
    ことを特徴とする薄膜偏光子。
  3. 【請求項3】前記柱状誘電体と柱状金属とが対をなし、
    それらの長手方向側面が互いに接していることを特徴と
    する請求項2に記載の薄膜偏光子。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3に記載の薄膜偏光子
    の周囲媒体と接する表面に、1層もしくは複数層の透明
    誘電体膜を形成したことを特徴とする薄膜偏光子。
  5. 【請求項5】前記偏光特性を有する薄膜と前記透明基体
    との界面に1層もしくは複数層の透明誘電体膜を挿入し
    たことを特徴とする請求項1ないし4に記載の薄膜偏光
    子。
  6. 【請求項6】前記透明基体上に、該透明基体表面の法線
    に対して一定角度を有する少なくとも1方向から金属粒
    子もしくは金属原子もしくは金属イオンを入射し、同時
    に前記透明基体表面の法線に対して一定角度を有する少
    なくとも1方向から誘電体の蒸発粒子もしくは該誘電体
    を構成する原子もしくは該誘電体を構成するイオンを入
    射することを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜
    偏光子の製造方法。
  7. 【請求項7】前記透明基体上に、該透明基体表面の法線
    に対して同一角度を有する対称な2方向から金属粒子も
    しくは金属原子もしくは金属イオンを入射し、同時に該
    透明基体表面の法線に対して一定角度を有する少なくと
    も1方向から誘電体の蒸発粒子もしくは該誘電体を構成
    する原子もしくは該誘電体を構成するイオンを入射する
    ことを特徴とする請求項6に記載の薄膜偏光子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記透明基体上に、該透明基体表面の法線
    に対して同一角度を有する対称な2方向から誘電体の蒸
    発粒子もしくは該誘電体を構成する原子もしくは該誘電
    体を構成するイオンを入射し、同時に該透明基体表面の
    法線に対して角度を有する少なくとも1方向から金属粒
    子もしくは金属原子もしくは金属イオンを入射すること
    を特徴とする請求項6に記載の薄膜偏光子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006165014A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Toppan Printing Co Ltd 金属酸化物膜の製造方法、及び色素増感太陽電池の製造方法
US7113338B2 (en) 2003-11-28 2006-09-26 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Thin-film structure and method for producing the same

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