JP2003344590A - 放射線像変換パネルとその製造方法及びカレンダー装置 - Google Patents

放射線像変換パネルとその製造方法及びカレンダー装置

Info

Publication number
JP2003344590A
JP2003344590A JP2002147554A JP2002147554A JP2003344590A JP 2003344590 A JP2003344590 A JP 2003344590A JP 2002147554 A JP2002147554 A JP 2002147554A JP 2002147554 A JP2002147554 A JP 2002147554A JP 2003344590 A JP2003344590 A JP 2003344590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
radiation image
image conversion
conversion panel
gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002147554A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiko Takashima
伸彦 高嶋
Takafumi Yanagida
貴文 柳多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2002147554A priority Critical patent/JP2003344590A/ja
Publication of JP2003344590A publication Critical patent/JP2003344590A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体上に形成された輝尽性蛍光体層の膜厚
分布を小さくし、平面性を向上し、封止フィルムとの密
着性を向上することにより、輝度のバラツキの少ない放
射線像変換パネルの製造方法を提供する。 【解決手段】 金属ロールと樹脂ロール、該ロールを加
温する加温手段、ロールの速度調整手段、ロール両端の
加圧手段、ロール間隙測定手段、及びロール間隙調整手
段、とを有するカレンダー装置を用い、支持体上に輝尽
性蛍光体層を有する蛍光体シートを、前記金属ロールと
樹脂ロール間に挟持、圧縮、搬送してカレンダー処理す
る放射線像変換パネルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線像変換パネル
及びその製造方法に関し、特にカレンダー装置を用いて
塗膜膜厚を均一にし、品質の高い放射線像変換パネルの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、輝尽性蛍光体を利用した放射線像
変換パネルにより放射線像を画像化する方法が用いられ
るようになってきた。
【0003】これは例えば米国特許第3,859,52
7号及び特開昭55−12144号等に開示された様に
支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した放射線画像変換パ
ネルを使用するものである。この放射線画像変換パネル
の輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線をあてて被
写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを
輝尽性蛍光体層に蓄積させて潜像(蓄積像)を形成し、
この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光(レーザ光が用いられ
る)で走査することによって各部に蓄積された放射線エ
ネルギーを放射させて光に変換し、この光の強弱を読み
とって画像を得る。この画像はCRT等各種のディスプ
レイ上に再生してもよいし、又ハードコピーとして再生
してもよい。
【0004】この放射線像変換方法に用いられる放射線
画像変換パネルの輝尽性蛍光体層には、放射線吸収率及
び光変換率が高いこと、画像の粒状性がよく、高鮮鋭性
であることが要求される。
【0005】通常、放射線感度を高くするには輝尽性蛍
光体層の膜厚を厚くする必要があり、放射線像変換パネ
ルは塗膜厚みが200〜480μmを有する為、塗工後
の未乾燥時の膜厚が大きく、乾燥しにくい為、膜が固化
する間に膜厚は支持体の撓みやつれの影響で液の流れが
生じ、ある膜厚分布をもってしまう。このようにして形
成された蛍光体シートを断裁して枚葉とし、この両面を
防湿性保護フィルムと呼ばれるフィルムで挟み、4辺を
密封して放射線像変換パネルが形成される。
【0006】本発明の放射線像変換パネルの防湿性保護
フィルムの蛍光体面に接する側の最外層の熱融着性を有
する樹脂層と蛍光体面とは、接着しても実質的に接着し
ていなくてもかまわないが、実際上は異質な上記樹脂層
と蛍光体層を加熱により融着させることは困難であり、
また融着状態にムラがあると新たな画像欠陥となるた
め、樹脂層と蛍光体層を実質的に接着させない方がより
好ましい。ここで言う実質的に接着していない状態と
は、つまり蛍光体層面と防湿性保護フィルムが光学的に
一体化していない状態のことである。
【0007】つまり、微視的には蛍光体面と防湿性保護
フィルムは点接触していたとしても、光学的には殆ど蛍
光体面と防湿性保護フィルムは不連続体として扱える状
態のことである。より具体的には点接触による接触面積
が蛍光体面積の5%未満の状態である。
【0008】この放射線像変換パネル製作時の防湿保護
フィルムとの密着性が面内でバラツキを生じた場合、面
内での輝度ムラを生じたり、しいては画像ムラとして不
良を生ずる。また、塗布面の分布が良くても防湿保護フ
ィルムの密着性は塗布面の表面粗さの影響も受ける為、
表面粗さによっては微細凹凸の影響がノイズ成分として
画像の粒状性を劣化させたり、逆に表面性が良すぎると
面接触し易くなり画像ムラの原因となり易い。
【0009】このため、カレンダーにより、表面の平面
度と粗さをコントロールするために一定温度に加熱した
ロール間に塗工済みシートをロール両端軸に一定荷重を
加え圧縮を行っていた。
【0010】このとき、左右の圧縮状態の差が見られる
場合がある。原因としては、塗工部の端部の厚みが微妙
に幅手で異なる場合や、塗工位置が中央にない場合に顕
著になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明ではかかる不具
合を改善することを目的とするものであり、支持体上に
形成された輝尽性蛍光体層の膜厚分布を小さくし、平面
性を向上し、防湿保護フィルムとの密着性を最適化する
ことにより、輝度のバラツキの少ない放射線像変換パネ
ルの製造方法を提供すると共に、そこで発生した新たな
不具合を解消するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明の構成により解決することができた。
【0013】(1)金属ロールと樹脂ロール、該金属ロ
ールを加温する加温手段、ロール回転速度を任意速度に
制御する速度調整手段、ロール両端に独立して圧力を加
える加圧手段、ロール両端でのロール間隙を測定する間
隙測定手段、及び両端でのロール間隙を調整する間隙調
整手段、とを有するカレンダー装置を用い、輝尽性蛍光
体、結着剤、及び有機溶剤を含有する塗工液を用いて支
持体上に塗膜を形成した後、乾燥して形成された200
〜480μmの輝尽性蛍光体層を、前記金属ロールと樹
脂ロール間に挟持、圧縮、搬送してカレンダー処理する
放射線像変換パネルの製造方法において、間隙測定手段
により測定された圧縮時のロール両端での間隙情報を元
に、間隙調整手段によりロール両端での間隙を制御して
塗膜膜厚を均一化することを特徴とする放射線像変換パ
ネルの製造方法。
【0014】(2)金属ロールと樹脂ロール、該金属ロ
ールを加温する加温手段、ロール回転速度を任意速度に
調整する速度調整手段、ロール両端に独立して圧力を加
える加圧手段、ロール両端でのロール間隙を測定する間
隙測定手段、及び両端でのロール間隙を調整する間隙調
整手段、とを有するカレンダー装置を用い、輝尽性蛍光
体、結着剤、及び有機溶剤を含有する塗工液を用いて支
持体上に塗膜を形成した後、乾燥して形成された200
〜480μmの輝尽性蛍光体層を、前記金属ロールと樹
脂ロール間に挟持、圧縮、搬送してカレンダー処理する
放射線像変換パネルの製造方法において、間隙測定手段
により測定された圧縮時の両端の間隙情報を元に、加圧
手段によりロール両端の圧力を制御して塗膜膜厚を均一
化することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方
法。
【0015】(3)輝尽性蛍光体、結着剤、及び有機溶
剤を含有する塗工液を用いて支持体上に塗膜を形成した
後、乾燥して200〜480μmの輝尽性蛍光体層を支
持体に形成する際、連続して搬送される支持体に塗工を
行う塗工工程と、塗工後に少なくとも温度が調整された
エアにより塗工後の有機溶剤を蒸発させ塗膜固化させる
ための乾燥工程と、塗膜固化後に塗膜膜厚を均一化する
ためのカレンダー処理工程とを連続して行うことを特徴
とする(1)又は(2)記載の放射線像変換パネルの製
造方法。
【0016】(4)前記(1)〜(3)の何れか1項記
載の放射線像変換パネルの製造方法に用いるカレンダー
装置において、金属ロール及び樹脂ロールのロール幅手
真直度が0.005〜0.03mm、加温範囲が50〜
100℃、かつ加圧線圧が490〜2940N/cmで
あることを特徴とするカレンダー装置。
【0017】(5)前記(1)〜(3)の何れか1項記
載の放射線像変換パネルの製造方法に用いるカレンダー
装置において、塗膜面に接するロールの表面粗さがRa
0.05〜Ra0.8であることを特徴とするカレンダ
ー装置。
【0018】(6)塗膜面に接するロールの表面粗さが
Ra0.025〜Ra0.8であることを特徴とする
(4)記載のカレンダー装置。
【0019】(7)前記(1)〜(3)の何れか1項記
載の放射線像変換パネルの製造方法に用いるカレンダー
装置において、ロール加圧搬送工程の上流側に塗膜面お
よび支持体裏面に付着した異物を取る清掃手段を有する
ことを特徴とするカレンダー装置。
【0020】(8)ロール加圧搬送工程の上流側に塗膜
面および支持体裏面に付着した異物を取る清掃手段を有
することを特徴とする(4)〜(6)の何れか1項記載
のカレンダー装置。
【0021】(9)塗膜清掃手段が粘着ロール方式であ
り、かつ粘着ロールの粘着度が20〜60g/cmであ
ることを特徴とする(7)又は(8)記載のカレンダー
装置。
【0022】(10)前記(1)〜(3)の何れか1項
記載の放射線像変換パネルの製造方法に用いるカレンダ
ー装置において、金属ロール及び樹脂ロールに清掃手段
を具備することを特徴とするカレンダー装置。
【0023】(11)ロールに清掃手段を具備すること
を特徴とする(4)〜(9)の何れか1項記載のカレン
ダー装置。
【0024】(12)前記(1)〜(3)の何れか1項
記載の放射線像変換パネルの製造方法に用いるカレンダ
ー装置において、金属ロールと樹脂ロールにより挟持、
搬送された直後の出口近傍に除電装置を有することを特
徴とするカレンダー装置。
【0025】(13)金属ロールと樹脂ロールにより挟
持、搬送された直後の出口近傍に除電装置を有すること
を特徴とする(4)〜(11)の何れか1項記載のカレ
ンダー装置。
【0026】(14)(4)〜(13)の何れか1項記
載のカレンダー装置を用いて製造されたことを特徴とす
る放射線像変換パネルの製造方法。
【0027】(15)(14)記載の放射線像変換パネ
ルの製造方法により製造されたことを特徴とする放射線
像変換パネル。
【0028】即ち、本発明は、輝尽性蛍光体層を有する
放射線像変換パネルを作製するに当り、輝尽性蛍光体層
の膜厚分布を均一に、防湿保護フィルムとの密着性を最
適化することにより、放射線像変換パネルの輝度ムラを
改善するものである。そのためのカレンダー装置とし
て、ローラの組み合わせ、ローラの真直度や表面粗さを
特定の範囲とし、ローラの左右を独立して圧力や間隙を
調整し得る構造とすることにより、本発明の目的を達成
することができた。また、ローラ搬送時のゴミ付着によ
る故障を防止するための清掃手段を付与した。
【0029】前記(1)では、圧縮時の左右(A,Bと
する)の間隙情報を元にA>Bの場合はBの間隙を図2
(b)に示す間隙調整手段により強制的にBを開き、A
=Bとする。さらに経時でA>Bの場合は同様の操作を
行うが、経時における変動でA<Bとなる場合はBの間
隙調整を解除し、A=Bに近づけるが、Bを解除して
も、A<Bとなる場合はAを強制的に開く操作を行う。
【0030】前記(2)では、圧縮時の左右(A,Bと
する)の間隙情報を元にA>Bの場合はBの間隙を開く
ため荷重を下げA=Bとする。さらに経時でA>Bの場
合は同様の操作を行うが、経時における変動でA<Bと
なる場合は基本的にB側の加圧を下げA=Bに近づける
が、Bを解除してA<Bとなる場合はAの加圧を下げる
操作を行う。
【0031】前記(3)では、連続して搬送される支持
体に塗工を行う塗工工程と、塗工後に温湿度調整された
エアにより塗工後の有機溶剤を蒸発させ塗膜固化させる
ための乾燥工程と、塗膜固化後に塗膜膜厚を均一化する
ためのカレンダー処理工程とを連続して行うことが好ま
しい。
【0032】前記(4)は、塗膜膜厚均一化を目的とし
ては平板のプレス加圧でもロール加圧でも良いが生産性
と効率性を考えた場合ロール加圧が好ましく、真直度は
膜厚分布に寄与するため精度の高いものが良い。温度は
塗膜を軟化させ分布改善を促進するが、高すぎると支持
体の永久変形やロールへの塗膜貼り付きを伴う。低すぎ
ると塗膜が軟化しないため分布改善の効果が下がる。線
圧が低いと圧縮力が足りなく分布改善にならず、高いと
輝尽性蛍光体の粒子を破壊してしまうため性能不良を来
す。
【0033】前記(5)、(6)は表面粗さが小さ過ぎ
ると防湿保護フィルムへの密着性が高まり、画像撮影時
に密着ムラによる面内輝度ムラが生じるという不具合が
発生する。
【0034】表面粗さが大き過ぎると画像の粒状性が劣
化する。更に好ましくはRa0.1〜Ra0.5であ
る。
【0035】前記(7)、(8)はカレンダーロール使
用時に塗膜に異物があると異物の埋め込み故障が起き画
像欠陥をきたすばかりでなくカレンダーロールが傷つい
た場合塗膜に突起状の故障が発生し画像欠陥がロール周
期で発生するという大きな品質低下をきたす。
【0036】前記(9)は塗膜面清掃に不織布を用いて
もよいが、繊維離脱が発生する場合があるため、カレン
ダーでの繊維噛み込み故障が懸念され粘着ロールが好ま
しい。さらに塗膜面清掃では粘着ロールを2段とするこ
とが好ましい。塗布面にあたる1次ロールに付着したゴ
ミは2次ロールに転写される為常に塗膜面に接するロー
ルに異物があたることはない。1次ロールは粘着度20
〜60g/cmが異物除去に好ましい。1次ロールの粘
着度が低いと異物除去の性能が低下し、粘着度が高いと
搬送抵抗が大きくなる不具合を生じる。
【0037】一方、2次ロールの粘着度は80〜350
g/cmが好ましい。2次ロールの粘着度が小さいと異
物が除去できない。2次ロールの粘着度が高すぎると粘
着性による転がり抵抗が増大し搬送する為に大きな力を
要し搬送不良を起こす。
【0038】前記(10)、(11)はカレンダー自体
も塗膜加圧時に塗膜一部がロール表面に蓄積していく為
と雰囲気下での大気中のゴミの付着があるため清掃手段
が必要となる。
【0039】前記(12)、(13)はカレンダー出口
ではロール間で挟まれた塗膜支持体が剥離帯電を発生す
る。この静電気は非常に大きく30kV程度に達する場
合がある。この為に雰囲気下のゴミを吸着させてしま
う。塗膜上のゴミは後工程のクリーニング負荷を大きく
し、ひいては製品ロスにも影響を来す。
【0040】前記(14)、(15)は、前記(4)〜
(13)のカレンダー装置を用いた製造方法により平面
性に優れ、輝度バラツキの少ない放射線像変換パネルを
得ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
もって説明する。
【0042】図1は本発明に用いられるカレンダー装置
の概略斜視図である。樹脂ロール1は固定軸受け4、
4′により軸支され架台9に固定された固定ロールであ
り、金属ロール2は可動軸受け5、5′により軸支され
た可動ロールであり、該可動軸受け5、5′は加圧手段
8、8′を介して架台に支持されている。尚、本発明に
おいては、樹脂ロール1が可動軸受け5、5′に、金属
ロール2が固定軸受け4、4′により軸支されたもので
あってもよい。
【0043】蛍光体シート3は樹脂ロール1と金属ロー
ル2との間に挟持され、加熱、搬送、圧縮することによ
り、蛍光体層の塗膜膜厚を均一化する。金属ロール中に
は不図示の加熱手段が内蔵されており、任意の温度に制
御することができる。
【0044】また、固定軸受け4、4′、可動軸受け
5,5′は不図示の回転速度を蛍光体シートと同期した
速度に調整出来る回転制御手段を有する駆動手段に結合
されている。
【0045】図2はカレンダー装置の断面模式図であ
る。各符号は図1と同様である。図2(a)はカレンダ
ー装置の断面模式図であり、(b)はロール両端の間隙
を測定する間隙測定手段6(不図示6′)及び間隙を調
整する間隙調整手段7(不図示7′)を示す断面模式図
である。
【0046】間隙測定手段は接触式、レーザ式、渦電流
式、静電容量式等分解能の高いものを使用することが可
能である。間隙調整手段はくさび方式、押しボルト方式
等でモータで動作させる手段を有するものであってもよ
い。
【0047】蛍光体シート3は、支持体3a上に輝尽性
蛍光体、結着剤、及び有機溶剤を含有する塗工液を塗布
乾燥することにより得られた輝尽性蛍光体層3bを有
し、カレンダー装置の金属ロールと樹脂ロール間に挟
持、加熱、圧縮、搬送してカレンダー処理する際、本例
では樹脂ロール1側が輝尽性蛍光体層となるように搬送
するが、金属ロール側が輝尽性蛍光体層となるように搬
送してもよい。
【0048】図2(b)の間隙測定手段6は可動軸受け
5に固定したレーザ変位計により固定軸受け4との間隙
を測定し、ロール両端の位置信号A、Bを元に演算処理
装置10により演算し、間隙調整手段7の動作側を決定
し、A′、B′の制御信号を元に間隙調整手段7により
間隙調整を行う。本例では間隙調整手段7は、2枚のく
さび21、22が組み合わされ、そのうちの1枚が可動
式で間隙調整スクリュウに接続されたモータ23により
間隙を微調整することができる構造となっている。
【0049】図3は清掃手段を具備したカレンダー装置
の断面模式図である。ロール搬送工程の上流側には塗膜
(輝尽性蛍光体層3b)面および支持体裏面に付着した
異物を取る清掃手段11、12を有することが好まし
い。また、塗膜面清掃手段が粘着ロール方式であり、か
つ粘着ロールの粘着度が20〜60g/cmであること
が好ましい。さらに塗膜面清掃ではロールを2段とする
ことが好ましい。塗膜面に接する1次ロール11aに付
着したゴミは2次ロール11bに転写されるため常に塗
膜面に接するロールに異物があたることはない。2次ロ
ールの粘着度は80〜350g/cmが好ましい。
【0050】なお、粘着度測定方法としては、大場計器
製作所製扇形テンションゲージ先端に15μmのPET
フィルムを取り付け粘着ロールに対し垂直に引き剥がし
た時の荷重の平均値を1cm幅当たりに換算した荷重と
して表記する。
【0051】また、カレンダー装置の金属ロール及び樹
脂ロールは、それぞれ清掃手段13、14を具備するこ
とが好ましい。ロールの清掃手段としては塗膜面の清掃
手段と同様の清掃手段を用いることができる。また、金
属ロールと樹脂ロールにより挟持、搬送された直後の蛍
光体シートの出口近傍には除電装置15を有することが
好ましい。
【0052】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を例証する。
【0053】(蛍光体の合成)ユーロピウム賦活弗化ヨ
ウ化バリウムの輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、
BaI2水溶液(3.6mol/L)2780mlとE
uI3水溶液(0.2mol/L)27mlを反応器に
入れた。この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃
で保温した。弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)
322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入
し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2
時間続けて沈澱物の熟成を行なった。次に沈澱物をろ別
後、エタノールにより洗浄した後真空乾燥させてユーロ
ピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の
焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイ
ズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉
体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して、結
晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。
これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素
ガス雰囲気中、850℃で2時間焼成してユーロピウム
賦活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子を得た。次に上記蛍
光体粒子を分級することにより平均粒径7μmの粒子を
得た。 (調液)蛍光体層形成材料として、上記で得たユーロピ
ウム賦活弗化ヨウ化バリウム蛍光体をそれぞれ427g
を、ポリウレタン樹脂(住友バイエルウレタン社製、デ
スモラック4125)15.8g、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂2.0gをメチルエチルケトン−トルエン
(1:1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによっ
て分散し、塗布液は粘度2.0〜2.5Pa・sの塗布
液を調製した。 (塗布工程)上記の塗布液を脱気、脱泡後、釜に充填し
ポンプ等の送液装置にて規定量を濾過フィルターを介し
エクストルージョン塗布装置へ供給する。供給時の塗布
液温度は25℃に設定し、塗布液が通過する部分の温度
も同様の温度に設定した。濾過は脱気、脱泡前に行って
も良いし、釜充填時に脱気、脱泡を行っても良い。
【0054】塗布液を塗布装置供給口へ接続し送液を行
う。塗布流量は塗布速度や所望膜厚にあわせ、塗布幅1
cmあたり1ml/min〜5ml/minの範囲で行
い乾燥後の塗膜厚みが300μmになるように設定し
た。
【0055】送液された液は、それぞれエクストルージ
ョン塗布機のポケット内を広がり、幅手での圧力の均一
化が図られた状態でスリットを通過し支持体上に蛍光体
層が作製される。
【0056】支持体は200μmのカーボン含有のポリ
エチレンテレフタレートを使用した。
【0057】(乾燥工程)塗布された支持体は乾燥炉に
て、有機溶剤を蒸発させ、シート状の蛍光体シートサン
プルが作製される。
【0058】(カレンダー処理工程)図1記載のカレン
ダー装置を用い、表1記載の条件(ロール温度および線
圧)でカレンダー処理を行った。金属ロールと樹脂ロー
ル間に蛍光体シートを挟み圧縮しながら搬送を行った。
間隙測定手段からの、圧縮時のロール両端の間隙情報を
元に、間隙調整手段(図2(b))により両端のロール
間間隙の調整を行い、各蛍光体シートサンプルを得た。
尚、ロールの真直度は10μmであり、ロールの表面粗
さはRa0.3であった。
【0059】(放射線像変換パネルの作製:蛍光体シー
トの封止)各蛍光体シートサンプルを20cm×37c
mに断裁し、防湿保護フイルムを用いて、減圧下で周縁
部をインパルスシーラを用いて融着することで封止し、
表1に示す各放射線像変換パネルの試料を得た。尚、融
着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1mmとなる
ように融着した。融着に使用したインパルスシーラのヒ
ーターは8mm幅のものを使用した。
【0060】〔評価〕 〈膜厚評価方法〉アンリツ社製フィルムシックネステス
タを用い幅手5mm間隔で70点測定し、平均値に対す
る最大値−最小値の値を比率に換算し膜厚ムラとして表
記する。
【0061】〈輝度測定〉輝度の測定は、各放射線画像
変換パネルについて、管電圧80kVpのX線を蛍光体
シート支持体の裏面側から照射した後、パネルをHe−
Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光
体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5
の光電子像倍管)で受光して、その強度を測定して、こ
れを輝度と定義し、基準のカレンダーをかけない放射線
像変換パネルの試料(比較)の輝度を100とした、相
対値で表示した。なお、測定間隔は幅手5mm間隔で7
0点測定し平均輝度に対するバラツキ値として最大−最
小を比率に換算し輝度バラツキとした。
【0062】測定結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明のカレンダー装置を用いて、支持
体上に形成された輝尽性蛍光体層の膜厚分布を均一にす
ることにより、作製された放射線像変換パネルの輝度の
バラツキを小さく抑えることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】カレンダー装置の概略斜視図である。
【図2】カレンダー装置の断面模式図である。
【図3】清掃手段を具備したカレンダー装置の断面模式
図である。
【符号の説明】
1 樹脂ロール 2 金属ロール 3 蛍光体シート 3a 支持体 3b 輝尽性蛍光体層 4、4′ 固定軸受け 5、5′ 可動軸受け 6、6′ 間隙測定手段 7、7′ 間隙調整手段 8、8′ 加圧手段 9 架台 10 演算処理装置 11、12、13、14 清掃手段 21、22 くさび 23 モータ
フロントページの続き Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC10 DD11 DD14 EE03 EE07 4D075 AC21 AC29 AC72 AC80 AC92 AC93 AC95 BB24Z BB92Z CA48 CB09 DA03 DB48 DC24 EA07 EB33 EB34 EB38 EC11 4F040 AA22 AB04 AC01 BA27 CB01 CB05 CB11 CB14 CB40 DA02 DA14 DA17 DA20 DB10 DB12 DB23 DB30

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属ロールと樹脂ロール、該金属ロール
    を加温する加温手段、ロール回転速度を任意速度に制御
    する速度調整手段、ロール両端に独立して圧力を加える
    加圧手段、ロール両端でのロール間隙を測定する間隙測
    定手段、及び両端でのロール間隙を調整する間隙調整手
    段、とを有するカレンダー装置を用い、輝尽性蛍光体、
    結着剤、及び有機溶剤を含有する塗工液を用いて支持体
    上に塗膜を形成した後、乾燥して形成された200〜4
    80μmの輝尽性蛍光体層を、前記金属ロールと樹脂ロ
    ール間に挟持、圧縮、搬送してカレンダー処理する放射
    線像変換パネルの製造方法において、間隙測定手段によ
    り測定された圧縮時のロール両端での間隙情報を元に、
    間隙調整手段によりロール両端での間隙を制御して塗膜
    膜厚を均一化することを特徴とする放射線像変換パネル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属ロールと樹脂ロール、該金属ロール
    を加温する加温手段、ロール回転速度を任意速度に調整
    する速度調整手段、ロール両端に独立して圧力を加える
    加圧手段、ロール両端でのロール間隙を測定する間隙測
    定手段、及び両端でのロール間隙を調整する間隙調整手
    段、とを有するカレンダー装置を用い、輝尽性蛍光体、
    結着剤、及び有機溶剤を含有する塗工液を用いて支持体
    上に塗膜を形成した後、乾燥して形成された200〜4
    80μmの輝尽性蛍光体層を、前記金属ロールと樹脂ロ
    ール間に挟持、圧縮、搬送してカレンダー処理する放射
    線像変換パネルの製造方法において、間隙測定手段によ
    り測定された圧縮時の両端の間隙情報を元に、加圧手段
    によりロール両端の圧力を制御して塗膜膜厚を均一化す
    ることを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 輝尽性蛍光体、結着剤、及び有機溶剤を
    含有する塗工液を用いて支持体上に塗膜を形成した後、
    乾燥して200〜480μmの輝尽性蛍光体層を支持体
    に形成する際、連続して搬送される支持体に塗工を行う
    塗工工程と、塗工後に少なくとも温度が調整されたエア
    により塗工後の有機溶剤を蒸発させ塗膜固化させるため
    の乾燥工程と、塗膜固化後に塗膜膜厚を均一化するため
    のカレンダー処理工程とを連続して行うことを特徴とす
    る請求項1又は2記載の放射線像変換パネルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項記載の放射線
    像変換パネルの製造方法に用いるカレンダー装置におい
    て、金属ロール及び樹脂ロールのロール幅手真直度が
    0.005〜0.03mm、加温範囲が50〜100
    ℃、かつ加圧線圧が490〜2940N/cmであるこ
    とを特徴とするカレンダー装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れか1項記載の放射線
    像変換パネルの製造方法に用いるカレンダー装置におい
    て、塗膜面に接するロールの表面粗さがRa0.05〜
    Ra0.8であることを特徴とするカレンダー装置。
  6. 【請求項6】 塗膜面に接するロールの表面粗さがRa
    0.025〜Ra0.8であることを特徴とする請求項
    4記載のカレンダー装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3の何れか1項記載の放射線
    像変換パネルの製造方法に用いるカレンダー装置におい
    て、ロール加圧搬送工程の上流側に塗膜面および支持体
    裏面に付着した異物を取る清掃手段を有することを特徴
    とするカレンダー装置。
  8. 【請求項8】 ロール加圧搬送工程の上流側に塗膜面お
    よび支持体裏面に付着した異物を取る清掃手段を有する
    ことを特徴とする請求項4〜6の何れか1項記載のカレ
    ンダー装置。
  9. 【請求項9】 塗膜清掃手段が粘着ロール方式であり、
    かつ粘着ロールの粘着度が20〜60g/cmであるこ
    とを特徴とする請求項7又は8記載のカレンダー装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3の何れか1項記載の放射
    線像変換パネルの製造方法に用いるカレンダー装置にお
    いて、金属ロール及び樹脂ロールに清掃手段を具備する
    ことを特徴とするカレンダー装置。
  11. 【請求項11】 ロールに清掃手段を具備することを特
    徴とする請求項4〜9の何れか1項記載のカレンダー装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜3の何れか1項記載の放射
    線像変換パネルの製造方法に用いるカレンダー装置にお
    いて、金属ロールと樹脂ロールにより挟持、搬送された
    直後の出口近傍に除電装置を有することを特徴とするカ
    レンダー装置。
  13. 【請求項13】 金属ロールと樹脂ロールにより挟持、
    搬送された直後の出口近傍に除電装置を有することを特
    徴とする請求項4〜11の何れか1項記載のカレンダー
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項4〜13の何れか1項記載のカ
    レンダー装置を用いて製造されたことを特徴とする放射
    線像変換パネルの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の放射線像変換パネル
    の製造方法により製造されたことを特徴とする放射線像
    変換パネル。
JP2002147554A 2002-05-22 2002-05-22 放射線像変換パネルとその製造方法及びカレンダー装置 Pending JP2003344590A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002147554A JP2003344590A (ja) 2002-05-22 2002-05-22 放射線像変換パネルとその製造方法及びカレンダー装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002147554A JP2003344590A (ja) 2002-05-22 2002-05-22 放射線像変換パネルとその製造方法及びカレンダー装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003344590A true JP2003344590A (ja) 2003-12-03

Family

ID=29766566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002147554A Pending JP2003344590A (ja) 2002-05-22 2002-05-22 放射線像変換パネルとその製造方法及びカレンダー装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003344590A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010140410A1 (ja) * 2009-06-02 2010-12-09 コニカミノルタエムジー株式会社 シンチレータパネルの製造方法及びシンチレータパネル並びに放射線画像検出器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010140410A1 (ja) * 2009-06-02 2010-12-09 コニカミノルタエムジー株式会社 シンチレータパネルの製造方法及びシンチレータパネル並びに放射線画像検出器
EP2439749A1 (en) * 2009-06-02 2012-04-11 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Method for manufacturing scintillator panel, scintillator panel, and radiological image detector
EP2439749A4 (en) * 2009-06-02 2013-12-04 Konica Minolta Med & Graphic METHOD FOR MANUFACTURING SCINTILLATOR PANEL, SCINTILLATOR PANEL, AND RADIOLOGICAL IMAGE DETECTOR
JP5561277B2 (ja) * 2009-06-02 2014-07-30 コニカミノルタ株式会社 シンチレータパネルの製造方法及びシンチレータパネル並びに放射線画像検出器
US8803098B2 (en) 2009-06-02 2014-08-12 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Method of manufacturing scintillator panel, scintillator panel, and radiation image detector

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2290121B2 (en) Cylindrical sputtering target and method for manufacturing the same
JP2003344590A (ja) 放射線像変換パネルとその製造方法及びカレンダー装置
EP1127625A2 (en) Sheet coating apparatus
EP1162227B1 (en) Polyester film roll
US6449455B1 (en) Release agent delivery system for use in printer devices
CN103853017A (zh) 定影构件、生产定影构件的方法和定影装置
JP2007287070A (ja) Icカードの製造方法及びそれによって製造されるicカード
JP3808166B2 (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JPH11300719A (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP3055278B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルム
JP4192435B2 (ja) 放射線画像変換パネル
JP2011011192A (ja) 塗工方法及び塗工装置
JP3035332B2 (ja) 表示装置のパターン支持体の印刷方法およびその方法のための印刷ローラー
JPH0444714B2 (ja)
CN112946987B (zh) 一种基于菲涅尔透镜的高增益激光抗光屏幕的制备方法
JP2005046706A (ja) 塗布層体の製造方法
JPH0444713B2 (ja)
JPH08262680A (ja) 写真フィルム、印画紙及びポリマーウエブの運搬用セラミックローラ
EP1645612A2 (en) Radiographic imaging device and radiographic imaging method
JPH0691802A (ja) 複合鋼板の製造方法およびその装置
JP3777701B2 (ja) 放射線画像変換パネル
Hagan et al. Dry Film Lamination Process: Effects of Lamination Parameters on Wrinkling and Dimensional Properties of Dry Film and Copper-Clad Laminate
JP2003121594A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法、及び多層放射線像変換パネル
CN1996537A (zh) 等离子体平面显示面板中介电层的形成方法
JP2000292595A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法