JP2003344362A - 渦電流探傷プローブと渦電流探傷装置 - Google Patents
渦電流探傷プローブと渦電流探傷装置Info
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Abstract
プローブにおいて、従来の渦電流探傷プローブでは探傷
が困難であった短いきずの探傷が可能な渦電流探傷プロ
ーブを提供すること。 【解決手段】 励磁コイルE、検出コイルD1,D2
は、矩形状の縦置き型コイルからなり、検出コイルD
1,D2は、励磁コイルEのコイル面と直交するように
配置してある。励磁コイルEに励磁電流を流すと、励磁
コイルEの直下の検査体に、励磁コイルEの巻線の方向
に流れる渦電流が発生する。検査体に検出コイルD1,
D2と並行するきずがあるときは、そのきずの両側にき
ずに沿って流れる電流が発生し、検出コイルD1,D2
に電圧を誘起する。即ちきず信号を発生する。励磁コイ
ルEの厚さを薄くすると、短いきずを探傷することがで
きる。
Description
ーブと渦電流探傷装置に関する。
プローブを説明する。なお両図に共通の部分は、同じ符
号を使用している。図6(a)は、パンケーキ状の励磁
コイルEと縦置き型の検出コイルDからなる渦電流探傷
プローブの斜視図である。渦電流探傷プローブは、励磁
コイルEのコイル面を検査体T側に向けて、所定の間隔
をおいて検査体Tに上置し、励磁コイルEに励磁電流を
流すと、検査体Tには、図6(b)のように渦電流I1
が発生する。その際、検査体TにきずFがあると、その
きずFの両側に逆方向に流れる電流I2が発生する。
コイルDが、図6(b)のようにきずFの長手方向に並
行する位置にあるとき、即ち検出コイルDがきずFに対
して角度0度の位置にあるとき、電流I2によって検出
コイルDに電圧が誘起し、いわゆるきず信号が発生す
る。その際、きずFの長さが、図6(c)のように励磁
コイルEの内径よりも小さい場合には、検出コイルDに
誘起するきず信号は、小さくなり、きずFの探傷に支障
が生じる。
プローブの特性を説明する。図7は、検査体TのきずF
の長さが異なる場合のきず信号パターンを示し、横軸
は、励磁電流と同相のきず信号成分を、縦軸は、位相が
90度異なるきず信号成分を示す。
9mmの励磁コイルEと160×160×1.5mmの
黄銅板の検査体Tを用いた。その黄銅板には、幅0.5
mm、深さ板厚の80%、長さ5mm、10mm、15
mmのきずFを形成してある。励磁コイルEには、20
kHzの励磁電流を流した。
Fの長さが短くなるほど小さくなり、きずFの長さが励
磁コイルEの内径よりも小さくなると、きずFの探傷は
難しくなる。したがって短いきずを探傷するには、励磁
コイルEの内径を小さくしなければならないが、図6
(a)の渦電流探傷プローブは、励磁コイルEの内側に
検出コイルDを配置しているから、励磁コイルEの内径
は、あまり小さくすることができない。そのため図6
(a)の渦電流探傷プローブは、短いきずを探傷できな
い欠点があった。
(a)の渦電流探傷プローブの前記問題点に鑑み、図6
(a)の渦電流探傷プローブよりも短いきずの探傷が可
能な渦電流探傷プローブとその渦電流探傷プローブを用
いた渦電流探傷装置を提供することを目的とする。
ローブは、縦置き型の励磁コイルと縦置き型の検出コイ
ルからなり、励磁コイルと検出コイルは、両コイルのコ
イル面が交差するように配置してあることを特徴とす
る。本願発明の渦電流探傷プローブは、1番目の発明に
おいて、検出コイルは、励磁コイルの両側に配置してあ
ることを特徴とする。本願発明の渦電流探傷プローブ
は、1番目または2番目の発明において、検出コイルの
コイル面と励磁コイルのコイル面はほぼ直交するように
配置してあることを特徴とする。本願発明の渦電流探傷
装置は、縦置き型の励磁コイルと縦置き型の検出コイル
からなり、励磁コイルと検出コイルは、両コイルのコイ
ル面が交差するように配置してある渦電流探傷プローブ
と、その渦電流探傷プローブの検出コイルの出力を検出
するきず信号検出手段と、そのきず信号検出手段が検出
したきず信号に基づいてきず信号を評価するきず信号評
価手段とを備えていることを特徴とする。
の実施の形態に係る渦電流探傷プローブを説明する。な
お各図に共通の部分は、同じ符号を使用している。
探傷プローブの構成を示す。図1(a)は、渦電流探傷
プローブの平面図、図1(b)は、図1(a)のX1−
X1部分の矢印方向の断面図、図1(c)は、図1
(a)のX2−X2部分の矢印方向の断面図である。図
1において、Eは、矩形状の縦置き型の励磁コイル、D
1,D2は、矩形状の縦置き型の検出コイルである。
両側に、検出コイルD1、D2のコイル面が励磁コイル
Eのコイル面とほぼ直交し、励磁コイルEの中央に励磁
コイルEのコイル軸とほぼ平行するように配置してあ
る。なお検出コイルD1、D2は、いずれか一方のみで
もよい。また検出コイルD1、D2のコイル面は、励磁
コイルEのコイル面と交差するように配置すればよい。
検査体に発生する渦電流の概略を示す。励磁コイルEに
励磁電流を流すと、図2(a)のように、検査体に励磁
コイルEの巻線の方向に流れる渦電流Iが発生する。検
査体にきずがないときは、検査体に発生する渦電流はI
のみであるが、検査体にきずFがあるときは、図2
(b)のようにきずFの両側を逆方向に流れる渦電流i
も発生する。検出コイルD1、D2には、渦電流iによ
り電圧が誘起する。このように、検査体にきずのないと
きは、検出コイルD1、D2に電圧を誘起しないが、検
査体にきずがあるときは、検出コイルD1、D2に電圧
を誘起する。この誘起電圧により検査体のきずを探傷す
ることができる。検出コイルD1,D2は、両コイルの
誘起電圧を重畳するように接続し、いわゆるきず信号と
して取り出す。
探傷プローブの諸特性について説明する。ここで諸特性
の測定には、長さ(幅)19mm、高さ19mm、巻線
断面2×2mmの励磁コイルEと、長さ(幅)7mm、
高さ9mm、巻線断面1×1mmの検出コイルD1,D
2からなる渦電流探傷プローブを用いた。また検査体
は、160×160×1.5mmの黄銅板を用い、その
黄銅板に幅0.5mm、深さ板厚の20%、40%,6
0%,80%、長さ5mm、10mm、15mmのきず
Fを形成したものを用いた。励磁コイルEには、20k
Hzの励磁電流を流した。
号パターンを示し、きずの深さが、板厚の80%、きず
の長さが5mm、10mm、15mの場合である。図3
において、横軸は、励磁電流と同相のきず信号成分を、
縦軸は、位相が90度異なるきず信号成分を示す。きず
信号パターンは、きずの長さが5mm、10mm、15
mmのいずれの場合も、ほぼ同じになる。即ち図1の渦
電流探傷プローブは、きずの長さの影響が小さいことが
分かる。
イルEの厚み(図1(a)の検出コイルD1と検出コイ
ルD2の間の厚み)を薄くすることによりさらに短いき
ずの探傷も可能になる。本実施の形態に用いた励磁コイ
ルEは、巻線断面が2×2mmであるから、励磁コイル
Eの厚みは、2mmになる。このサイズに対応して従来
のパンケーキ状の励磁コイルを形成するには、パンケー
キ状コイルの内径を2mmにし、その内側に検出コイル
を配置しなければならないが、製造は困難である。
雑音(渦電流探傷プローブと検査体の距離の変化に起因
する雑音)ときず信号を示し、きずの長さは、15m
m、きずの深さは、板厚の0%,20%,40%,60
%,80%の場合である。リフトオフ雑音は、きず信号
に対して非常に小さく、S/Nが高くなる。即ち図1の
渦電流探傷プローブは、リフトオフ雑の影響をほとんど
受けることがないことが分かる。
て、きずの深さが異なる場合のきず信号パターンを示
し、きずの長さは、15mm、きずの深さは、板厚の4
0%、60%、80%の場合である。図5(a)は、検
査体の表側のきずの信号パターンを、図5(b)は、検
査体の裏側のきずの信号パターンを示す。きず信号パタ
ーンは、表側のきずの場合も裏側のきずの場合も、きず
の深さの違いにより大きく異なっている。即ち図1の渦
電流探傷プローブは、表側のきずの場合も裏側のきずの
場合も、きずの深さに対応したきず信号を発生するか
ら、検査体の表側と裏側のきずの深さを評価することが
できる。
渦電流探傷プローブは、きずの長さの影響が小さく、従
来の渦電流探傷プローブでは、探傷が困難であった短い
きずの探傷も可能であることが分かる。また図1の渦電
流探傷プローブは、リフトオフ雑音の影響が小さく、検
査体の表側と裏側のきずの深さを的確に評価できること
が分かる。
イルは、矩形状のコイルについて説明したが、三角形等
の多角形のコイルであってもよい。
について説明したが、その渦電流探傷プローブを用いて
渦電流探傷装置を構成し、検査体のきずの評価を行うこ
とができる。即ち渦電流探傷プローブの検出コイルの出
力は、きず信号検出手段へ供給され、検出コイルのきず
信号が検出される。検出されたきず信号は、きず信号評
価手段へ供給される。きず信号評価手段は、その検出さ
れた検出コイルのきず信号に基づいて、きずを的確に検
知し、きずの深さ等を評価して、表示或いは記録する。
の渦電流探傷プローブに比べて検査体のきずの長さの影
響が小さく、従来の渦電流探傷プローブでは、探傷が困
難であった短いきずの探傷も可能になった。
を配置する形式の渦電流探傷プローブは、短いきずの探
傷には、励磁コイルの内径を小さくして、励磁コイルを
小型にしなければならないが、構造上小型化には限度が
ある。これに対して、本願発明の渦電流探傷プローブ
は、励磁コイルに縦置き型コイルを用いるから、短いき
ずの探傷には、励磁コイルを薄くすることによって対応
することができ、励磁コイルの長さや高さは、必ずしも
変える必要がない。したがって本願発明は、短いきずの
探傷に適し、従来の渦電流探傷プローブでは、探傷が困
難であった短いきずの探傷も可能な渦電流探傷プローブ
を容易に製造することができる。
オフ雑音が小さく、S/Nが高くなる。また本願発明の
渦電流探傷プローブは、検査体の表側および裏側のきず
も探傷することができ、かつきずの深さも評価できる。
渦電流探傷プローブを用いることにより、従来の渦電流
探傷装置よりも短いきずを探傷できるから、検査体のき
ずを的確に検知し、きずの深さ等を的確に評価すること
ができる。
ブの平面図と断面図である。
電流を説明する図である。
る場合のきず信号パターンを示す図である。
信号を示す図である。
る場合のきず信号パターンを示す図である。
流探傷プローブによって発生する渦電流の概略を示す図
である。
る場合のきず信号パターンを示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 縦置き型の励磁コイルと縦置き型の検出
コイルからなり、励磁コイルと検出コイルは、両コイル
のコイル面が交差するように配置してあることを特徴と
する渦電流探傷プローブ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の渦電流探傷プローブに
おいて、検出コイルは、励磁コイルの両側に配置してあ
ることを特徴とする渦電流探傷プローブ。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の渦電流
探傷プローブにおいて、検出コイルのコイル面と励磁コ
イルのコイル面はほぼ直交するように配置してあること
を特徴とする渦電流探傷プローブ。 - 【請求項4】 縦置き型の励磁コイルと縦置き型の検出
コイルからなり、励磁コイルと検出コイルは、両コイル
のコイル面が交差するように配置してある渦電流探傷プ
ローブと、その渦電流探傷プローブの検出コイルの出力
を検出するきず信号検出手段と、そのきず信号検出手段
が検出したきず信号に基づいてきず信号を評価するきず
信号評価手段とを備えていることを特徴とする渦電流探
傷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002152045A JP3942165B2 (ja) | 2002-05-27 | 2002-05-27 | 渦電流探傷プローブ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003344362A true JP2003344362A (ja) | 2003-12-03 |
JP3942165B2 JP3942165B2 (ja) | 2007-07-11 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009025105A1 (ja) | 2007-08-21 | 2009-02-26 | Keiichi Nonogaki | 渦電流探傷方法とその装置 |
US8289016B2 (en) | 2006-11-21 | 2012-10-16 | Keiichi Nonogaki | Eddy-current flaw detection method and apparatus |
JP2013242205A (ja) * | 2012-05-18 | 2013-12-05 | Toshiba Corp | 渦電流探傷装置および方法 |
JP2014025704A (ja) * | 2012-07-24 | 2014-02-06 | Toshiba Corp | 渦電流探傷装置 |
KR101388773B1 (ko) * | 2010-01-14 | 2014-04-23 | 도요타 지도샤(주) | 와전류 계측 센서 및 이 와전류 계측 센서를 이용한 검사 방법 |
JP2020180959A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 健二 飯島 | 磁気センサ素子、磁気検出器、磁気センサ素子を有するモータ及び磁気検出器を有する装置 |
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2002
- 2002-05-27 JP JP2002152045A patent/JP3942165B2/ja not_active Expired - Fee Related
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