JP2003344098A - 磁気エンコーダの着磁方法および着磁装置 - Google Patents

磁気エンコーダの着磁方法および着磁装置

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JP2003344098A JP2002155003A JP2002155003A JP2003344098A JP 2003344098 A JP2003344098 A JP 2003344098A JP 2002155003 A JP2002155003 A JP 2002155003A JP 2002155003 A JP2002155003 A JP 2002155003A JP 2003344098 A JP2003344098 A JP 2003344098A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気エンコーダの磁性部材が希土類磁石であ
る場合でも、一発着磁法と同程度もくしはそれ以上に大
きい着磁強度が得られ、かつ表層着磁法と同程度に着磁
ピッチ誤差を小さくできる磁気エンコーダの着磁方法お
よび着磁装置を提供する。 【解決手段】 この着磁方法は、環状の磁性部材または
磁性部材を環状部材に円周状に設けた複合部材からなる
未着磁の磁気エンコーダ60に着磁する方法である。先
ず着磁ヨーク9の一端を磁気エンコーダ60の表面に、
他端9を磁気エンコーダ60を挟んでその裏面側に対峙
させて配置する。この状態で、磁気エンコーダ60を、
角度検出機能を有する保持回転装置1にセットし、円周
方向に回転させながら、着磁電源となるコンデンサ5
c,5eから着磁ヨーク9の励磁コイル10に流す電流
の充電・放電を繰り返す。これにより、磁気エンコーダ
60の円周方向に沿って多数の磁極を順次着磁する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車輪軸受等に用
いられる磁気エンコーダの着磁方法および着磁装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】車輪軸受等に用いられ車輪回転数の検出
などに用いられる磁気エンコーダとして、磁性部材を環
状部材に円周状に形成し、その磁性部材を周方向に多極
磁化したものが用いられている。この磁気エンコーダに
よる回転数の検出は、磁気エンコーダを回転体と共に回
転させ、磁性部材に近接対峙させた磁気センサにより磁
性部材の回転を検出することにより行われる。従来、こ
のような磁気エンコーダにおける磁性部材の着磁方法と
して、一発着磁方法とインデックス着磁方法とがある。
【0003】図6は、磁気エンコーダを一発着磁する方
法を示す。着磁前の磁気エンコーダ80として、金属環
からなる環状部材81の外周面に磁性部材82を設けた
ものが準備される。この磁気エンコーダ80における磁
性部材82の表面に励磁コイル83の各周の巻き線が対
向するように、励磁コイル83を支持する着磁ヨーク8
4が配置される。この状態で、励磁コイル83に所定方
向に電流を流すことにより、磁性部材82が着磁されて
周方向に多極磁化される。
【0004】図7は、磁気エンコーダ80の磁性部材8
2をインデックス着磁する方法を示す図である。この場
合も、着磁前の磁気エンコーダ80として、金属環から
なる環状部材81の外周面に磁性部材82を設けたもの
が準備される。この磁気エンコーダ80における磁性部
材82の外周面に、励磁コイル93を巻き付けた着磁ヨ
ーク94の一対の対向端部94a,94bが近接配置さ
れる。この状態で、励磁コイル93に電流を流すことに
より、着磁ヨーク94内を所定方向に通る磁束aが発生
し、対向端部94a,94b間を通る磁束aによって磁
性部材82が着磁されてN極およびS極の一対の磁極が
得られる。この後、磁気エンコーダ80を所定角度回転
させて上記着磁を行うという工程を繰り返すことによ
り、磁性部材82の全周が周方向に多極磁化される。な
お、この方法を、以下この明細書において表層着磁法と
呼ぶ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図6に示す一
発着磁法の場合、一般的には着磁強度は大きいものの、
磁極の配列ピッチが狭ピッチ(約1.5mmの磁極幅以
下)になると、着磁ヨーク84に励磁コイル83を巻く
スペースがなくなる。そのため着磁強度が不十分となっ
たり、磁極1個ずつの製作精度や励磁コイル83の巻き
方による着磁むらが大きくなるという問題点があった。
【0006】これに対して、図7に示す表層着磁法で
は、着磁ヨーク94の対向端部94a,94bが一対で
あるため、着磁前の磁気エンコーダ80を回転させるス
ピンドルの割出し精度さえ確保すれば、着磁ピッチ精度
は良好になる。しかし、この着磁方法では、磁性部材8
2の表層しか着磁することができないため、着磁強度が
小さいという問題点があった。
【0007】特に、近年、磁性部材82としてフェライ
ト磁石の替わりに磁束密度の大きい希土類磁石が採用さ
れる傾向にあり、従来に増して着磁の際に高磁界を印加
しないと十分な着磁強度を得ることができず、その面か
らも高磁界が可能な着磁方法が望まれている。
【0008】この発明の目的は、磁気エンコーダの磁性
部材を希土類磁石とした場合でも、一発着磁法で着磁し
た場合と同程度に大きい着磁強度が得られ、かつ表層着
磁法で着磁した場合と同程度に着磁ピッチ誤差を小さく
できる磁気エンコーダの着磁方法および着磁装置を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の磁気エンコー
ダの着磁方法は、環状の磁性部材または磁性部材を環状
部材に円周状に設けた複合部材からなる未着磁の磁気エ
ンコーダに、円周方向に並ぶ多数の磁極を着磁する方法
である。この発明方法は、上記磁気エンコーダを着磁す
るための着磁ヨークの一端をこの磁気エンコーダの片面
に、他端を上記磁気エンコーダの円周部分を挟む反対側
の片面、または上記磁気エンコーダが設置されてこの磁
気エンコーダと共に回転する磁性体の回転部材のいずれ
かにそれぞれ対峙させて配置する。上記磁気エンコーダ
または上記回転部材は、角度検出機能を有する保持回転
装置に保持させ、この保持回転装置により磁気エンコー
ダを円周方向に回転させながら、着磁電源となるコンデ
ンサから着磁ヨークの励磁コイルに流す電流の充電・放
電を繰り返すことによって、上記磁気エンコーダに円周
方向に並ぶ磁極を順次着磁する。この方法によると、着
磁ヨークの一端および他端を上記の配置とすることによ
り、磁気回路的に着磁ヨークは磁気エンコーダを含んで
閉じた配置となり、着磁ヨークで挟み込まれた部分にお
いて、磁気エンコーダの磁性部材を磁束が貫通して着磁
が行われる。このように磁束を貫通させて着磁するた
め、着磁強度を強くすることができる。励磁コイルに流
す励磁電流は、コンデンサに充電したものを使用するた
め、短時間で大電流が流せるようになる。また、着磁ヨ
ークは、上記のように一端および他端を配置できるもの
であれば良く、スペース上の制限がなくて、着磁ヨーク
に励磁コイルを巻回するスペースを十分確保できる。そ
のため、着磁電流として大電流を流せるような大きなコ
イル径の励磁コイルを選択できたり、励磁コイルの巻数
を多くすることができる。これらのため、磁気エンコー
ダの磁性部材を希土類磁石とした場合でも、一発着磁法
で着磁した場合と同程度、もしくはそれ以上に大きい着
磁強度が得られる。磁気エンコーダは、角度検出機能を
有する保持回転装置に保持させ、円周方向に回転させな
がら、着磁ヨークの励磁コイルに流す電流の充電・放電
を繰り返すため、高精度に磁気エンコーダを円周方向に
多極磁化させることができる。
【0010】この発明方法において、磁気エンコーダの
n(nは自然数)極の着磁を行うにつき、少なくとも
(n+1)回以上の着磁動作を行うようにしても良い。
これにより、初回の着磁位置も上書されることになるの
で、着磁ピッチ精度の向上が期待できる。
【0011】この発明方法において、磁気エンコーダを
回転位置決めして静止させた後、上記コンデンサから着
磁電流を放電するようにしても良い。この場合に、着磁
ヨークの一端および他端の少なくとも一方を、磁気エン
コーダまたは回転部材に接触させた状態で着磁するよう
にしても良い。このように静止状態で着磁電流を放電す
る場合には、着磁ヨークを磁性部材に接触させた状態で
着磁することが可能で、着磁強度の向上、および着磁ピ
ッチ精度の向上も望める。すなわち、角度検出信号に基
づいて、円周方向の位置決め後に、コンデンサに蓄えら
れた大きな励磁電流を着磁ヨークに流す方式とした場合
には、着磁ヨークを磁性部材に接触した状態で着磁が可
能となるため、着磁強度の向上が期待でき、また着磁ピ
ッチの精度の向上も望める。
【0012】この発明の磁気エンコーダの着磁装置は、
環状の磁性部材または磁性部材を環状部材に円周状に設
けた複合部材からなる未着磁の磁気エンコーダに、円周
方向に並ぶ多数の磁極を着磁する装置である。この発明
装置は、上記磁気エンコーダを保持して回転させる保持
回転装置と、この保持回転装置に保持された磁気エンコ
ーダの片面に一端が対峙し、他端が上記磁気エンコーダ
の円周部分を挟む反対側の片面、または上記磁気エンコ
ーダが設置されてこの磁気エンコーダと共に上記保持回
転装置に保持されて回転する磁性体の回転部材のいずれ
かにそれぞれ対峙する着磁ヨークと、この着磁ヨークを
直交する3軸方向に位置決めする位置決め手段と、上記
保持回転装置を回転駆動するモータと、上記保持回転装
置の回転角を検出するエンコーダと、着磁ヨークに巻か
れたコイルに電流の充電・放電を行うコンデンサを含む
電源装置とを備える。この構成の着磁装置によると、こ
の発明の上記着磁方法が実現でき、磁気エンコーダの磁
性部材が希土類磁石の磁石である場合でも、一発着磁法
で着磁した場合と同程度もしくはそれ以上に大きい着磁
強度が得られ、かつ表層着磁法で着磁した場合と同程度
に着磁ピッチ誤差を小さくできる。特に、着磁ヨークに
巻回された励磁コイルに流す励磁電流は、コンデンサに
充電したものを使用するため、短時間で大電流が流せる
ようになり、より着磁強度を強くすることができる。
【0013】この発明装置において、電流の充電・放電
を行うコンデンサを少なくとも2個以上有するものとし
ても良い。このように着磁電源となるコンデンサを少な
くとも2個以上持てば、励磁電流を充電する時間を待つ
必要がなくなり、サイクルタイムの短縮が期待できる。
なお、さらに着磁電源を複数持てば、着磁条件を変える
ことで、N極とS極とが同一着磁強度となるように制御
することが容易となる。
【0014】この発明装置において、上記着磁ヨークに
冷却手段が設けられたものとしても良い。このように冷
却手段を設けることより、着磁ヨークの温度上昇を防ぐ
ことができ、連続した着磁が可能となる。特に、複数個
の着磁電源を交互に使用すれば、着磁時間の短縮にも繋
がり、また着磁ヨークの設計の自由度が高いために、ヨ
ーク内に冷却水を流すことも可能となり、高温となるこ
とが防げて、連続した着磁が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態を図1
ないし図3と共に説明する。図1は、この磁気エンコー
ダの着磁装置の概念構成を示す。この着磁装置は、着磁
対象となる未着磁の磁気エンコーダ60を回転部材52
を介して回転させる保持回転装置1と、その回転駆動用
のモータ2と、着磁ヘッド3と、この着磁ヘッド3を直
交する3軸方向に位置決めする位置決め手段4と、着磁
電源装置5と、制御手段6とを備える。モータ2は、エ
ンコーダ7を有する。また、保持回転装置1に保持され
た磁気エンコーダ60の磁気を検出する磁気センサ8が
設けられている。
【0016】着磁ヘッド3は、図2に要部を拡大して示
すように、着磁ヨーク9と励磁コイル10とでなる。励
磁コイル10は着磁ヨーク9の外周に巻かれている。着
磁ヨーク9は、着磁のための磁束aを磁気エンコーダ6
0に貫通させるものであり、歯形とされた一対の端部で
ある一端9aおよび他端9bを有する。その一端9aは
磁気エンコーダ60の表面である外周面に、他端9bは
磁気エンコーダ60の裏面である内周面にそれぞれ対面
するように対向配置される。着磁ヨーク9の両端9a,
9bと、磁気エンコーダ60の表裏面との間には隙間を
持たせてある。着磁前の磁気エンコーダ60は、芯金か
らなる環状部材61の外周に磁性部材62を円周状に設
けた複合部材とされる。磁性部材62は、磁性体粉を混
入したゴムまたはプラスチックからなる。磁気エンコー
ダ60は、環状の磁性部材だけの単体からなるもの、例
えば磁性体の焼結合金からなるものであっても良い。
【0017】図1に示すように、保持回転装置1は、ハ
ウジング11に主軸12を回転自在に支持したものであ
り、回転振れが少なく、かつインデックス精度に優れた
ものが好ましい。
【0018】位置決め手段4は、着磁ヘッド3を直交す
る3軸方向(X軸,Y軸,Z軸の方向)に位置調整可能
に位置決めする手段であり、いわゆるX,Y,Zテーブ
ルが用いられる。位置決め手段4は、固定基台4a上に
X軸テーブル4xを前後方向(X軸方向)に進退自在に
設置し、Xテーブル4xにY軸テーブル4yを左右方向
(Y軸方向)に進退自在に設置し、Y軸テーブル4y上
にZ軸テーブル4zを上下移動自在に設置し、Z軸テー
ブル4zに着磁ヘッド3を搭載している。各軸のテーブ
ル4x〜4zは、例えばサーボモータなどの駆動源(図
示せず)によりそれぞれ進退駆動される。なお、テーブ
ル4x〜4zは、手動で進退させるものであっても良
い。
【0019】着磁電源装置5は着磁ヘッド3の励磁コイ
ル10に着磁電流を与える手段である。着磁電源装置5
には、磁気エンコーダ60の外周側部材である磁性部材
62をN極に着磁する電流を与えるN極電源5nと、S
極に着磁する電流を与えるS極電源5sとが個別に設け
られ、切替器5aにより、両電源5n,5sと励磁コイ
ル10との接続の切替えが行われる。また、着磁電源装
置5には、励磁コイル10に流す電流を一旦蓄える一対
のコンデンサ5c,5eと、これらコンデンサ5c,5
eでの励磁電流の充電・放電を制御するスイッチ5b,
5dとが含まれている。
【0020】着磁電源装置5は、付属のコントローラと
して、着磁制御手段14を有していて、着磁制御手段1
4によりN,Sの各極電源5n,5sのパルス電流とし
て供給する電流供給タイミング,電流の強さの制御、お
よび切替器5a,スイッチ5b,5dの切替制御が行わ
れる。着磁制御手段14は、マイクロコンピュータやそ
の他の電子機器で構成される。
【0021】制御手段6は、着磁電源装置5と、保持回
転装置1と、位置決め手段4とを制御する手段であり、
着磁電源装置5に備えられた上記の着磁制御手段14
と、その上位制御手段となる全体制御手段15とを備え
る。全体制御手段15は、パーソナルコンピュータ等か
らなる。制御手段6は、上記各手段の他に、位置決め手
段4の各軸の駆動源(図示せず)を制御する手段(図示
せず)を有している。
【0022】つぎに、着磁方法を説明する。先ず着磁対
象の磁気エンコーダ60を保持回転装置1で保持し、任
意の回転角度に位置決めする。その後、スイッチ5bを
開にして、コンデンサ5cに蓄えられた励磁電流を励磁
コイル10に流す。これにより、磁気エンコーダ60の
表裏に両端9a,9bの対面する着磁ヨーク9が励磁さ
れ、図3のように磁束aが磁気エンコーダ60の表裏を
貫通することで、磁気エンコーダ60における磁性部材
62の一部にN極の着磁が行われる。次のS極の着磁で
は、先ず磁気エンコーダ60の磁極ピッチに相当する回
転角度だけ磁気エンコーダ60を回転させて位置決めす
る。この位置決め状態で、切替器5aをS極側にし、ス
イッチ5dを開にしてコンデンサ5eに蓄えられた励磁
電流を励磁コイル10に流すことにより、磁気エンコー
ダ60における磁性部材62の前記N極の着磁部に隣接
する部分にS極の着磁が行われる。
【0023】このとき、コンデンサ5cへの充電は、切
替器5aをN極側に対して開、スイッチ5bを閉として
行われるが、他方のコンデンサ5eが放電動作を行って
いるときに行うものとすれば、着磁時間を短縮すること
ができ、サイクルタイムの短縮が期待できる。
【0024】磁気エンコーダ60の周方向に沿っての多
極着磁は、磁気エンコーダ60の磁極ピッチに相当する
回転角度だけ磁気エンコーダ60を順次回転させて行わ
れ、次々に上記着磁動作を繰り返すことにより多極着磁
が完了する。また、1回転の間にn回の着磁を行う場合
に、少なくとも(n+1)回以上の着磁動作を行えば、
初回の着磁位置も上書きされることになるので、着磁ピ
ッチ精度の向上が期待できる。
【0025】この着磁装置では、励磁コイル10が巻か
れて着磁ヘッド3を構成する着磁ヨーク9は、その一端
9aが磁気エンコーダ60の表面である外周面に、他端
9bが磁気エンコーダ60の裏面である内周面にそれぞ
れ対面するように対向配置され、着磁のための磁束aを
磁気エンコーダ60に貫通させるようにしているので、
従来例の場合に比べて、励磁コイル10の巻回スペース
について自由度が大きくなると共に、線径の大きい励磁
コイル10の選定やターン数の増加が期待できる。その
ため、磁気エンコーダ60の磁性部材62が希土類磁石
のように着磁の際に高磁界が要求されるものであっても
着磁が可能となり、着磁強度も高めることができる。ま
た、着磁ヨーク9の設計に関しても自由度が高いため、
着磁ヨーク9に冷却水を循環させて冷却する冷却手段を
設けることも可能となり、着磁ヨーク9の温度上昇を防
ぐことができ、連続した着磁が可能となる。
【0026】また、この着磁装置では、着磁ヨーク9に
巻かれた励磁コイル10に流す着磁電流として、コンデ
ンサ5c,5dに充電したものを使用するようにしてい
るので、短時間に大電流を流すことができる。
【0027】さらに、この着磁装置では、N極電源5n
とS極電源5sを別々に持っているので、N極とS極の
着磁強度を調整して同一着磁強度となるように制御する
ことが可能である。なお、着磁電源装置5は、この実施
形態のように電源を2個設ける場合に限らず、電源が1
個であっても3個以上であっても良い。
【0028】上記の着磁過程において、保持回転装置1
を回転駆動するモータ2の原点位置はエンコーダ7によ
り検出され、そのエンコーダ信号に基づき、着磁開始位
置が、着磁電源装置5の着磁電流の供給タイミングによ
って制御される。また、着磁と共に、その着磁された磁
気エンコーダ60の各磁極の着磁強度が磁気センサ8に
よって検出され、その検出信号に基づき、着磁電流の強
さが着磁制御手段14により制御される。
【0029】このように、磁気センサ8を用いているた
め、着磁と同時に着磁結果を検査することもできる。す
なわち、着磁ヨーク9で着磁を行っているときに、磁気
エンコーダ60の着磁済み部分の磁気を磁気センサ8で
検出し、その検出結果を検査することができる。このよ
うに、着磁と同時に着磁結果を検査できるため、着磁の
後に品質管理のための着磁強度の検査を行うことが省略
でき、サイクルタイムの短縮に繋がる。例えば、出荷保
証データとなる着磁強度のデータを、着磁時に得ること
ができる。
【0030】図4および図5は、この発明の他の実施形
態にかかる着磁装置および着磁方法を示す。この実施形
態では、着磁ヨーク9の一端9aを磁気エンコーダ60
の外周面に、他端9bを保持回転装置1における磁性体
からなる回転部材52の外周面にそれぞれ対峙させるこ
とで、着磁ヨーク9の磁束aが閉回路を形成するように
している。そのため、着磁ヨーク9が磁気エンコーダ6
0に対してはその片面(外周面)にのみ対峙する方法で
ありながら、磁束の流れを閉回路とでき、着磁強度を強
くすることができる。
【0031】図5に着磁ヨーク9の拡大図を示すよう
に、この実施形態では、着磁ヨーク9と磁気エンコーダ
60の間、および着磁ヨーク9と回転部材52との間に
隙間を持たせている。ただし、位置決め後、静止した状
態で着磁する場合には、着磁ヨーク9の隙間をゼロとす
ることも可能であり、着磁強度を高めることができ、着
磁ピッチ精度の向上も望める。なお、回転する場合に
は、着磁ヘッド3を退避させることにより、磁気エンコ
ーダ60を傷つけることが回避できる。
【0032】なお、この発明の着磁方法,着磁装置で着
磁された磁気エンコーダは、例えば車輪用軸受(図示せ
ず)における回転側の部材に取付けられる。
【0033】
【発明の効果】この発明の着磁方法は、着磁ヨークの一
端をこの磁気エンコーダの片面に、他端を上記磁気エン
コーダの円周部分を挟む反対側の片面、または上記磁気
エンコーダが設置されてこの磁気エンコーダと共に回転
する磁性体の回転部材のいずれかにそれぞれ対峙させて
配置し、上記磁気エンコーダまたは上記回転部材を、角
度検出機能を有する保持回転装置に保持させ、この保持
回転装置により磁気エンコーダを円周方向に回転させな
がら、着磁電源となるコンデンサから着磁ヨークの励磁
コイルに流す電流の充電・放電を繰り返すことによっ
て、上記磁気エンコーダに円周方向に並ぶ磁極を順次着
磁するようにしたため、磁気エンコーダの磁性部材を希
土類磁石とした場合でも、一発着磁法で着磁した場合と
同程度に大きい着磁強度が得られ、かつ表層着磁法で着
磁した場合と同程度に着磁ピッチ誤差を小さくできる。
この発明の着磁装置は、磁気エンコーダを保持して回転
させる保持回転装置と、この保持回転装置に保持された
磁気エンコーダの片面に一端が対峙し、他端が上記磁気
エンコーダの円周部分を挟む反対側の片面、または上記
磁気エンコーダが設置されてこの磁気エンコーダと共に
上記保持回転装置に保持されて回転する磁性体の回転部
材のいずれかにそれぞれ対峙する着磁ヨークと、この着
磁ヨークを直交する3軸方向に位置決めする位置決め手
段と、上記保持回転装置を回転駆動するモータと、上記
保持回転装置の回転角を検出するエンコーダと、着磁ヨ
ークに巻かれたコイルに電流の充電・放電を行うコンデ
ンサを含む電源装置とを備えるため、磁気エンコーダの
磁性部材を希土類磁石とした場合でも、一発着磁法で着
磁した場合と同程度もしくはそれ以上に大きい着磁強度
が得られ、かつ表層着磁法で着磁した場合と同程度に着
磁ピッチ誤差を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる磁気エンコーダ
の着磁装置の概念構成を示す断面図である。
【図2】同着磁装置における着磁ヘッドの部分拡大図で
ある。
【図3】着磁ヨークの両端と磁気エンコーダとの位置関
係を示す説明図である。
【図4】この発明の他の実施形態にかかる磁気エンコー
ダの着磁装置の概念構成を示す断面図である。
【図5】同着磁装置における着磁ヘッドの部分拡大図で
ある。
【図6】従来例の説明図である。
【図7】他の従来例の説明図である。
【符号の説明】
1…保持回転装置 2…モータ 3…着磁ヘッド 4…位置決め手段 5…着磁電源 5n…N極電源 5s…S極電源 5a…切替器 5c,5e…コンデンサ 5b,5d…スイッチ 6…制御手段 7…エンコーダ 8…磁気センサ 9…着磁ヨーク 9a…着磁ヨークの一端 9b…着磁ヨークの他端 10…励磁コイル 14…着磁制御手段 60…磁気エンコーダ 61…環状部材 62…磁性部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の磁性部材または磁性部材を環状部
    材に円周状に設けた複合部材からなる未着磁の磁気エン
    コーダに、円周方向に並ぶ多数の磁極を着磁する磁気エ
    ンコーダの着磁方法において、 上記磁気エンコーダを着磁するための着磁ヨークの一端
    をこの磁気エンコーダの片面に、他端を上記磁気エンコ
    ーダの円周部分を挟む反対側の片面、または上記磁気エ
    ンコーダが設置されてこの磁気エンコーダと共に回転す
    る磁性体の回転部材のいずれかにそれぞれ対峙させて配
    置し、上記磁気エンコーダまたは上記回転部材を、角度
    検出機能を有する保持回転装置に保持させ、この保持回
    転装置により磁気エンコーダを円周方向に回転させなが
    ら、着磁電源となるコンデンサから着磁ヨークの励磁コ
    イルに流す電流の充電・放電を繰り返すことによって、
    上記磁気エンコーダに円周方向に並ぶ磁極を順次着磁す
    るようにしたことを特徴とする磁気エンコーダの着磁方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、磁気エンコーダのn
    (nは自然数)極の着磁において、少なくとも(n+
    1)回以上の着磁動作を行う磁気エンコーダの着磁方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、磁気
    エンコーダを回転位置決めして静止させた後、上記コン
    デンサから着磁電流を放電する磁気エンコーダの着磁方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、着磁ヨークの一端お
    よび他端の少なくとも一方を、磁気エンコーダまたは回
    転部材に接触させた状態で着磁する磁気エンコーダの着
    磁方法。
  5. 【請求項5】 環状の磁性部材または磁性部材を環状部
    材に円周状に設けた複合部材からなる未着磁の磁気エン
    コーダに、円周方向に並ぶ多数の磁極を着磁する磁気エ
    ンコーダの着磁装置において、 上記磁気エンコーダを保持して回転させる保持回転装置
    と、この保持回転装置に保持された磁気エンコーダの片
    面に一端が対峙し、他端が上記磁気エンコーダの円周部
    分を挟む反対側の片面、または上記磁気エンコーダが設
    置されてこの磁気エンコーダと共に上記保持回転装置に
    保持されて回転する磁性体の回転部材のいずれかにそれ
    ぞれ対峙する着磁ヨークと、この着磁ヨークを直交する
    3軸方向に位置決めする位置決め手段と、上記保持回転
    装置を回転駆動するモータと、上記保持回転装置の回転
    角を検出するエンコーダと、着磁ヨークに巻かれたコイ
    ルに対して電流の充電・放電を行うコンデンサを含む電
    源装置とを備えたことを特徴とする磁気エンコーダの着
    磁装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、上記コンデンサを少
    なくとも2個以上有する磁気エンコーダの着磁装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6において、上記
    着磁ヨークに冷却手段が設けられている磁気エンコーダ
    の着磁装置。
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