JP2003343615A - キャリパ - Google Patents
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- JP2003343615A JP2003343615A JP2002158632A JP2002158632A JP2003343615A JP 2003343615 A JP2003343615 A JP 2003343615A JP 2002158632 A JP2002158632 A JP 2002158632A JP 2002158632 A JP2002158632 A JP 2002158632A JP 2003343615 A JP2003343615 A JP 2003343615A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 弾性部材の「バネ作用」を考慮することによ
って、効果的に「ブレーキ鳴き」を防止することができ
るキャリパを提供する。 【解決手段】 内孔を有するシリンダ11と、該シリン
ダ11の内孔に一側が内挿されるピストン12と、該ピ
ストン12の他側に取り付けられ、車輪とともに回転す
るディスクロータ2を押圧する制動部材13とを備える
キャリパ1において、キャリパ1のバネ定数を変更する
バネ定数変更部材15がシリンダ11と制動部材13と
の間に設けてある。
って、効果的に「ブレーキ鳴き」を防止することができ
るキャリパを提供する。 【解決手段】 内孔を有するシリンダ11と、該シリン
ダ11の内孔に一側が内挿されるピストン12と、該ピ
ストン12の他側に取り付けられ、車輪とともに回転す
るディスクロータ2を押圧する制動部材13とを備える
キャリパ1において、キャリパ1のバネ定数を変更する
バネ定数変更部材15がシリンダ11と制動部材13と
の間に設けてある。
Description
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、自動二輪車などのディ
スクブレーキのキャリパに関するものである。
スクブレーキのキャリパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動二輪車などのディスクブ
レーキのキャリパがディスクロータを制動するときに発
生する「ブレーキ鳴き(いわゆるクー音と呼ばれ、1k
Hz付近の周波数帯で発生する)」が運転手に不快感を
与えることから問題になっている。これに対して多くの
対策が提案されている。
レーキのキャリパがディスクロータを制動するときに発
生する「ブレーキ鳴き(いわゆるクー音と呼ばれ、1k
Hz付近の周波数帯で発生する)」が運転手に不快感を
与えることから問題になっている。これに対して多くの
対策が提案されている。
【0003】具体的には、この種の技術である、特開平
11−247908号公報に開示されているキャリパで
は、キャリパに備えられたピストンと、該ピストンの先
端に設けられ、ディスクロータの回転を制動する制動部
材とを弾性部材を介して弾性結合している。このように
弾性部材を設けることによって、制動部材の微振動(ブ
レーキ鳴き)を吸収または減衰し、「ブレーキ鳴き」の
防止を図っている。
11−247908号公報に開示されているキャリパで
は、キャリパに備えられたピストンと、該ピストンの先
端に設けられ、ディスクロータの回転を制動する制動部
材とを弾性部材を介して弾性結合している。このように
弾性部材を設けることによって、制動部材の微振動(ブ
レーキ鳴き)を吸収または減衰し、「ブレーキ鳴き」の
防止を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者は、「ブレ
ーキ鳴き」の研究により弾性部材の「バネ作用」が「ブ
レーキ鳴き」の抑制に重要であるという知見を得た。し
かしながら、上記のキャリパでは、弾性部材による「バ
ネ作用」については考慮されておらず、弾性部材による
「減衰作用」にのみ着目して「ブレーキ鳴き」の防止を
図っている。そのため、「ブレーキ鳴き」を効果的に抑
制することができない場合がある。
ーキ鳴き」の研究により弾性部材の「バネ作用」が「ブ
レーキ鳴き」の抑制に重要であるという知見を得た。し
かしながら、上記のキャリパでは、弾性部材による「バ
ネ作用」については考慮されておらず、弾性部材による
「減衰作用」にのみ着目して「ブレーキ鳴き」の防止を
図っている。そのため、「ブレーキ鳴き」を効果的に抑
制することができない場合がある。
【0005】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、弾性部材の「バネ作用」を考慮することに
よって、より効果的に「ブレーキ鳴き」を防止すること
ができるキャリパを提供することを目的としている。
ものであり、弾性部材の「バネ作用」を考慮することに
よって、より効果的に「ブレーキ鳴き」を防止すること
ができるキャリパを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、内孔を有するシリンダと、該シリンダの
内孔に一側が内挿されるピストンと、該ピストンの他側
に取り付けられ、車輪とともに回転するディスクロータ
を押圧する制動部材とを備えるキャリパにおいて、キャ
リパのバネ定数を変更するバネ定数変更部材が、シリン
ダと制動部材との間に設けられることを特徴とする。な
お、本発明に係るキャリパは、自動二輪車または自動車
などに適用されるが、これに限定されるものではない。
め、本発明は、内孔を有するシリンダと、該シリンダの
内孔に一側が内挿されるピストンと、該ピストンの他側
に取り付けられ、車輪とともに回転するディスクロータ
を押圧する制動部材とを備えるキャリパにおいて、キャ
リパのバネ定数を変更するバネ定数変更部材が、シリン
ダと制動部材との間に設けられることを特徴とする。な
お、本発明に係るキャリパは、自動二輪車または自動車
などに適用されるが、これに限定されるものではない。
【0007】この構成によれば、シリンダと制動部材と
の間にバネ定数変更部材が設けられるので、キャリパの
固有振動数を変えることができる。これより、キャリパ
の固有振動数とディスクロータの固有振動数とが一致す
ることを防止することができる。その結果、キャリパと
ディスクロータとの連成振動が抑制され、「ブレーキ鳴
き」の発生を防止することができる。より詳細に説明す
ると以下の通りである。
の間にバネ定数変更部材が設けられるので、キャリパの
固有振動数を変えることができる。これより、キャリパ
の固有振動数とディスクロータの固有振動数とが一致す
ることを防止することができる。その結果、キャリパと
ディスクロータとの連成振動が抑制され、「ブレーキ鳴
き」の発生を防止することができる。より詳細に説明す
ると以下の通りである。
【0008】上記の「ブレーキ鳴き」はキャリパとディ
スクロータとの連成振動に起因する。従って、該連成振
動の発生を抑制できれば「ブレーキ鳴き」の発生を防止
することができる。
スクロータとの連成振動に起因する。従って、該連成振
動の発生を抑制できれば「ブレーキ鳴き」の発生を防止
することができる。
【0009】該連成振動は、一般的に、複数の物体(こ
こでは、キャリパとディスクロータ)の固有振動数が一
致することにより起こる。従って、該連成振動を防止す
るには、一方の固有振動数を他方の固有振動数に一致し
ないようにすることが重要である。一方、一自由度の振
動系では、固有振動数は物体(ここでは、キャリパとデ
ィスクロータ)のバネ定数の平方根に略比例する。これ
らの関係より、キャリパとディスクロータとの連成振動
を抑制するには、一方または両方のバネ定数を変えれば
よい。ここで、バネ定数とは、単位変位量あたりの引張
りまたは圧縮に要する力である。
こでは、キャリパとディスクロータ)の固有振動数が一
致することにより起こる。従って、該連成振動を防止す
るには、一方の固有振動数を他方の固有振動数に一致し
ないようにすることが重要である。一方、一自由度の振
動系では、固有振動数は物体(ここでは、キャリパとデ
ィスクロータ)のバネ定数の平方根に略比例する。これ
らの関係より、キャリパとディスクロータとの連成振動
を抑制するには、一方または両方のバネ定数を変えれば
よい。ここで、バネ定数とは、単位変位量あたりの引張
りまたは圧縮に要する力である。
【0010】そこで、本発明では、キャリパのバネ定数
を変えることによりキャリパとディスクロータとの連成
振動を抑制している。具体的に、キャリパのバネ定数を
変える方法は、例えば、次の3つが考えられる。 (1)キャリパのバネ定数自体を変える。 (2)キャリパにバネ要素を直列的に付加する。 (3)キャリパにバネ要素を並列的に付加する。 ここで、キャリパのバネ定数をk1とし、バネ要素のバ
ネ定数をk2とすると、キャリパにバネ要素を直列的ま
たは並列的に付加した場合の合成バネ定数kは、〔数
1〕または〔数2〕で表される。
を変えることによりキャリパとディスクロータとの連成
振動を抑制している。具体的に、キャリパのバネ定数を
変える方法は、例えば、次の3つが考えられる。 (1)キャリパのバネ定数自体を変える。 (2)キャリパにバネ要素を直列的に付加する。 (3)キャリパにバネ要素を並列的に付加する。 ここで、キャリパのバネ定数をk1とし、バネ要素のバ
ネ定数をk2とすると、キャリパにバネ要素を直列的ま
たは並列的に付加した場合の合成バネ定数kは、〔数
1〕または〔数2〕で表される。
【0011】
【数1】1/k=1/k1+1/k2
【0012】
【数2】k=k1+k2
これらの〔数1〕および〔数2〕よりそれぞれ(k<k
1)および(k>k1)の関係が導き出される。すなわ
ち、キャリパ(k1)にバネ要素(k2)を直列的または
並列的に付加することにより、キャリパのバネ定数
(k)を容易に増減(変更)することができることがわ
かる。
1)および(k>k1)の関係が導き出される。すなわ
ち、キャリパ(k1)にバネ要素(k2)を直列的または
並列的に付加することにより、キャリパのバネ定数
(k)を容易に増減(変更)することができることがわ
かる。
【0013】以上より、キャリパにバネ要素を直列的ま
たは並列的に付加することによって、キャリパの固有振
動数がディスクロータの固有振動数に一致することが防
止され、キャリパとディスクロータとの連成振動の発生
が抑制される。その結果、「ブレーキ鳴き」の発生を防
止することができる。ここでは、説明を簡単にするため
キャリパに1つのバネ要素を付加しているが、これに限
定するものではない。
たは並列的に付加することによって、キャリパの固有振
動数がディスクロータの固有振動数に一致することが防
止され、キャリパとディスクロータとの連成振動の発生
が抑制される。その結果、「ブレーキ鳴き」の発生を防
止することができる。ここでは、説明を簡単にするため
キャリパに1つのバネ要素を付加しているが、これに限
定するものではない。
【0014】また、本発明は、バネ定数変更部材をシリ
ンダとピストンとの間にまたはピストンと制動部材との
間に設けることができる。
ンダとピストンとの間にまたはピストンと制動部材との
間に設けることができる。
【0015】この構成によれば、バネ定数変更部材をキ
ャリパの構成要素に直列的に設けるので、上記の〔数
1〕よりキャリパのバネ定数(k)が小さくなる。特
に、バネ定数変更部材のバネ定数(k2)をバネ定数変
更部材を付加する前のキャリパのバネ定数(k1)より
小さくすればするほど、バネ定数変更部材を付加後のキ
ャリパのバネ定数(k)が小さくなる。すなわち、キャ
リパの固有振動数を小さくすることができる。その結
果、キャリパの固有振動数がディスクロータの固有振動
数に比べて小さくなり、キャリパとディスクロータとの
連成振動が抑制され、「ブレーキ鳴き」を防止すること
ができる。
ャリパの構成要素に直列的に設けるので、上記の〔数
1〕よりキャリパのバネ定数(k)が小さくなる。特
に、バネ定数変更部材のバネ定数(k2)をバネ定数変
更部材を付加する前のキャリパのバネ定数(k1)より
小さくすればするほど、バネ定数変更部材を付加後のキ
ャリパのバネ定数(k)が小さくなる。すなわち、キャ
リパの固有振動数を小さくすることができる。その結
果、キャリパの固有振動数がディスクロータの固有振動
数に比べて小さくなり、キャリパとディスクロータとの
連成振動が抑制され、「ブレーキ鳴き」を防止すること
ができる。
【0016】また、バネ定数変更部材としてゴム材また
は金属バネなどを用いてもよい。これらのうちゴム材は
ヤング率が小さいので、上記のようにキャリパに直列的
に付加する場合のキャリパの合成バネ定数を下げること
に効果的である。
は金属バネなどを用いてもよい。これらのうちゴム材は
ヤング率が小さいので、上記のようにキャリパに直列的
に付加する場合のキャリパの合成バネ定数を下げること
に効果的である。
【0017】また、本発明は、上記の制動部材にバネ定
数が小さい材料または形状を使用してもよい。具体的に
は、制動部材のバネ定数は、その剛性(ヤング率と断面
二次モーメントとの積)に相当するので、ヤング率の小
さい材料(例えば、ゴム材など)または制動部材の断面
二次モーメントが小さくなる形状(例えば、制動部材に
穴を設ける)などを採用することができる。
数が小さい材料または形状を使用してもよい。具体的に
は、制動部材のバネ定数は、その剛性(ヤング率と断面
二次モーメントとの積)に相当するので、ヤング率の小
さい材料(例えば、ゴム材など)または制動部材の断面
二次モーメントが小さくなる形状(例えば、制動部材に
穴を設ける)などを採用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明に係る
キャリパの実施の形態について説明する。
キャリパの実施の形態について説明する。
【0019】図1は、自動二輪車を一例として、そのキ
ャリパとディスクロータとの振動系を模式的に示してい
る。図1(a)は、キャリパとディスクロータとの基本
的な構成を、図1(b)および図1(c)は、本実施の
形態に係るキャリパとディスクロータとの構成を模式的
に示す。
ャリパとディスクロータとの振動系を模式的に示してい
る。図1(a)は、キャリパとディスクロータとの基本
的な構成を、図1(b)および図1(c)は、本実施の
形態に係るキャリパとディスクロータとの構成を模式的
に示す。
【0020】キャリパ1は、内孔(図示せず)を有する
シリンダ11と、該シリンダ11の内孔に一側が内挿さ
れるピストン12と、該ピストン12の他側に取り付け
られ、車輪(図示せず)とともに回転するディスクロー
タ2を押圧する制動部材13とを備える。シリンダ11
の内孔にピストン12が内挿され、両部材の間に空間が
形成され、該空間に圧油14が充填されている。これに
よってピストン12をディスクロータ側に前進または後
退させ、ディスクロータの回転を抑制することができる
ようになっている。
シリンダ11と、該シリンダ11の内孔に一側が内挿さ
れるピストン12と、該ピストン12の他側に取り付け
られ、車輪(図示せず)とともに回転するディスクロー
タ2を押圧する制動部材13とを備える。シリンダ11
の内孔にピストン12が内挿され、両部材の間に空間が
形成され、該空間に圧油14が充填されている。これに
よってピストン12をディスクロータ側に前進または後
退させ、ディスクロータの回転を抑制することができる
ようになっている。
【0021】また、シリンダ11、ピストン12および
ディスクロータ2は金属材料(剛体)から構成され、制
動部材13は、耐摩耗性に優れる金属系または樹脂系材
料からなり、ディスクロータ2の回転を制動するとき衝
撃的にディスクロータ2に押圧しないように弾性体によ
り形成されている。
ディスクロータ2は金属材料(剛体)から構成され、制
動部材13は、耐摩耗性に優れる金属系または樹脂系材
料からなり、ディスクロータ2の回転を制動するとき衝
撃的にディスクロータ2に押圧しないように弾性体によ
り形成されている。
【0022】以上の構成によれば、制動部材13と圧油
14のバネ定数(単位変位量あたりの引張りまたは圧縮
する力)がシリンダ11およびピストン12のそれぞれ
のバネ定数に比べて小さく、また、キャリパ1を構成す
るそれぞれの構成部材が直列的に配置されているので、
キャリパ1の固有振動数は主に制動部材13の固有振動
数と圧油14の固有振動数とによって決定される。従っ
て、キャリパ1とディスクロータ2との振動系は、図1
(a)に示すように制動部材13と圧油14とをバネ要
素とし、その他の構成部材を質量要素とした振動系とみ
なすことができる。
14のバネ定数(単位変位量あたりの引張りまたは圧縮
する力)がシリンダ11およびピストン12のそれぞれ
のバネ定数に比べて小さく、また、キャリパ1を構成す
るそれぞれの構成部材が直列的に配置されているので、
キャリパ1の固有振動数は主に制動部材13の固有振動
数と圧油14の固有振動数とによって決定される。従っ
て、キャリパ1とディスクロータ2との振動系は、図1
(a)に示すように制動部材13と圧油14とをバネ要
素とし、その他の構成部材を質量要素とした振動系とみ
なすことができる。
【0023】上記の振動系を基準として、本実施の形態
に係るキャリパ1では、図1(b)または図1(c)に
示すようにピストン12と制動部材13との間に、また
はシリンダ11とピストン12との間に所定のバネ定数
を有するバネ定数変更部材15が挿入されている。該バ
ネ定数変更部材15は、ゴム材、金属バネまたは気体バ
ネなどからなる。
に係るキャリパ1では、図1(b)または図1(c)に
示すようにピストン12と制動部材13との間に、また
はシリンダ11とピストン12との間に所定のバネ定数
を有するバネ定数変更部材15が挿入されている。該バ
ネ定数変更部材15は、ゴム材、金属バネまたは気体バ
ネなどからなる。
【0024】この構成によれば、バネ定数変更部材15
がキャリパ1の構成部材に対して直列的に挿入されてい
るので、キャリパ1のバネ定数は小さくなる。これは、
以下に示す〔数1〕から容易に導き出すことができる。
がキャリパ1の構成部材に対して直列的に挿入されてい
るので、キャリパ1のバネ定数は小さくなる。これは、
以下に示す〔数1〕から容易に導き出すことができる。
【0025】
【数1】1/k=1/k1+1/k2
ここで、k1は、図1(a)に示したキャリパ1のバネ
定数である。k2は、バネ定数変更部材15のバネ定数
である。kは、図1(b)または図1(c)に示したキ
ャリパ1のバネ定数である。
定数である。k2は、バネ定数変更部材15のバネ定数
である。kは、図1(b)または図1(c)に示したキ
ャリパ1のバネ定数である。
【0026】これより、キャリパ1のバネ定数の平方根
に略比例するキャリパ1の固有振動数が低下する。他
方、ディスクロータ2の材質および形状は一定であるの
で、その固有振動数は略一定である。以上より、キャリ
パ1の固有振動数とディスクロータ2の固有振動数とが
一致することを防止することができる。その結果、キャ
リパ1とディスクロータ2との連成振動が抑制され、
「ブレーキ鳴き」の発生を防止することができる。
に略比例するキャリパ1の固有振動数が低下する。他
方、ディスクロータ2の材質および形状は一定であるの
で、その固有振動数は略一定である。以上より、キャリ
パ1の固有振動数とディスクロータ2の固有振動数とが
一致することを防止することができる。その結果、キャ
リパ1とディスクロータ2との連成振動が抑制され、
「ブレーキ鳴き」の発生を防止することができる。
【0027】なお、ここでは、バネ定数変更部材15を
シリンダ11とピストン12との間、またはピストン1
2と制動部材13との間に設けてあるが、これに限定す
るものではない。
シリンダ11とピストン12との間、またはピストン1
2と制動部材13との間に設けてあるが、これに限定す
るものではない。
【0028】次に、上記のようにキャリパ1にバネ定数
変更部材15を直列的に設けた場合の効果について解析
した結果を示す。
変更部材15を直列的に設けた場合の効果について解析
した結果を示す。
【0029】図2は、キャリパ1およびディスクロータ
2のそれぞれの固有振動数とバネ定数との関係を示す図
である。キャリパ1の固有振動数とバネ定数との関係を
示す特性曲線CALIPAを実線で、ディスクロータ2
の固有振動数とバネ定数との関係を示す特性曲線DIS
Kを破線で示してある。
2のそれぞれの固有振動数とバネ定数との関係を示す図
である。キャリパ1の固有振動数とバネ定数との関係を
示す特性曲線CALIPAを実線で、ディスクロータ2
の固有振動数とバネ定数との関係を示す特性曲線DIS
Kを破線で示してある。
【0030】ディスクロータ2の材質および形状は一定
であるので、ディスクロータ2の固有振動数は略一定で
ある。図2の領域Aでは、キャリパ1の固有振動数とデ
ィスクロータ2の固有振動数とが一致している。その結
果、キャリパ1とディスクロータ2との連成振動が起こ
り「ブレーキ鳴き」が発生する。この状態のキャリパ1
にバネ定数変更部材15を付加するとキャリパ1のバネ
定数が低下するので、図2の領域Aから領域Bに移行し
てキャリパ1の固有振動数が低下する。一方、バネ定数
変更部材15のバネ定数を上げてもキャリパ1の固有振
動数はほとんど上昇しない(図2の領域C)。その理由
は、上記の〔数1〕に示したように、キャリパ1のバネ
定数(k)が、バネ定数(k1)とバネ定数(k2)との
いずれか小さいほうに支配されていることによる。すな
わち、バネ定数変更部材15のバネ定数(k2)が小さ
い場合、キャリパ1の固有振動数はバネ定数変更部材1
5のバネ定数(k2)が支配的であり、バネ定数変更部
材15のバネ定数(k2)が大きい場合、バネ定数変更
部材15を設ける前のキャリパ1のバネ定数(k1)が
支配的であることによる。
であるので、ディスクロータ2の固有振動数は略一定で
ある。図2の領域Aでは、キャリパ1の固有振動数とデ
ィスクロータ2の固有振動数とが一致している。その結
果、キャリパ1とディスクロータ2との連成振動が起こ
り「ブレーキ鳴き」が発生する。この状態のキャリパ1
にバネ定数変更部材15を付加するとキャリパ1のバネ
定数が低下するので、図2の領域Aから領域Bに移行し
てキャリパ1の固有振動数が低下する。一方、バネ定数
変更部材15のバネ定数を上げてもキャリパ1の固有振
動数はほとんど上昇しない(図2の領域C)。その理由
は、上記の〔数1〕に示したように、キャリパ1のバネ
定数(k)が、バネ定数(k1)とバネ定数(k2)との
いずれか小さいほうに支配されていることによる。すな
わち、バネ定数変更部材15のバネ定数(k2)が小さ
い場合、キャリパ1の固有振動数はバネ定数変更部材1
5のバネ定数(k2)が支配的であり、バネ定数変更部
材15のバネ定数(k2)が大きい場合、バネ定数変更
部材15を設ける前のキャリパ1のバネ定数(k1)が
支配的であることによる。
【0031】以上より、バネ定数変更部材15を設ける
前のキャリパ1のバネ定数(k1)が略一定であり変更
できない場合、バネ定数変更部材15を設ける前のキャ
リパ1のバネ定数(k1)に比べて小さなバネ定数
(k2)のバネ定数変更部材15を設けることにより、
キャリパ1のバネ定数(k)を下げることができる。そ
の結果、キャリパ1の固有振動数を下がり、これによ
り、キャリパ1とディスクロータ2との連成振動が抑制
され、効果的に「ブレーキ鳴き」の発生を防止すること
ができる。
前のキャリパ1のバネ定数(k1)が略一定であり変更
できない場合、バネ定数変更部材15を設ける前のキャ
リパ1のバネ定数(k1)に比べて小さなバネ定数
(k2)のバネ定数変更部材15を設けることにより、
キャリパ1のバネ定数(k)を下げることができる。そ
の結果、キャリパ1の固有振動数を下がり、これによ
り、キャリパ1とディスクロータ2との連成振動が抑制
され、効果的に「ブレーキ鳴き」の発生を防止すること
ができる。
【0032】その他の「ブレーキ鳴き」防止方法とし
て、制動部材13のバネ定数を変えることにより、キャ
リパ1の固有振動数を変更する方法も挙げられる。これ
は、キャリパ1のバネ定数を直接変更する場合である。
該制動部材13のバネ定数は、制動部材13のヤング率
または断面二次モーメントなどに略比例するので、これ
らの関係を用いて制動部材13のバネ定数を容易に変更
することができる。
て、制動部材13のバネ定数を変えることにより、キャ
リパ1の固有振動数を変更する方法も挙げられる。これ
は、キャリパ1のバネ定数を直接変更する場合である。
該制動部材13のバネ定数は、制動部材13のヤング率
または断面二次モーメントなどに略比例するので、これ
らの関係を用いて制動部材13のバネ定数を容易に変更
することができる。
【0033】具体的には、制動部材13の材料として、
ヤング率の低い金属系材料、樹脂系材料またはゴム系材
料を使用する。ただし、制動部材13の材料は耐摩耗性
も併せて有する必要がある。
ヤング率の低い金属系材料、樹脂系材料またはゴム系材
料を使用する。ただし、制動部材13の材料は耐摩耗性
も併せて有する必要がある。
【0034】制動部材13の断面二次モーメントを小さ
くして弾性変形しやすい構造、例えば、制動部材13に
穴を設けた構造を採用してもよい。また、制動部材13
をディスクロータ2に押圧する方向に制御部材13の肉
厚を厚くしてもよい。
くして弾性変形しやすい構造、例えば、制動部材13に
穴を設けた構造を採用してもよい。また、制動部材13
をディスクロータ2に押圧する方向に制御部材13の肉
厚を厚くしてもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明に係るキャリパは、キャリパのシ
リンダと制動部材との間にバネ定数変更部材をもうける
ことによって、キャリパとディスクロータとの連成振動
を抑制し効果的に「ブレーキ鳴き」を防止することがで
きる。
リンダと制動部材との間にバネ定数変更部材をもうける
ことによって、キャリパとディスクロータとの連成振動
を抑制し効果的に「ブレーキ鳴き」を防止することがで
きる。
【図1】 キャリパとディスクロータとの振動系を模式
的に示す図である。
的に示す図である。
【図2】 キャリパとディスクロータそれぞれの固有振
動数とバネ定数との関係を示す図である。
動数とバネ定数との関係を示す図である。
1 キャリパ
2 ディスクロータ
11 シリンダ
12 ピストン
13 制動部材
15 バネ定数変更部材
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 粉川 学
兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業
株式会社明石工場内
Fターム(参考) 3J058 AA43 AA48 AA53 AA58 AA69
AA73 AA77 AA87 BA21 CC22
CC32 FA02
Claims (4)
- 【請求項1】 内孔を有するシリンダと、該シリンダの
内孔に一側が内挿されるピストンと、該ピストンの他側
に取り付けられ、車輪とともに回転するディスクロータ
を押圧する制動部材とを備えるキャリパにおいて、 前記キャリパのバネ定数を変更するバネ定数変更部材が
前記シリンダと前記制動部材との間に設けられることを
特徴とするキャリパ。 - 【請求項2】 請求項1記載のキャリパにおいて、 前記バネ定数変更部材が、シリンダとピストンとの間に
またはピストンと制動部材との間に設けられることを特
徴とするキャリパ。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のキャリパにおい
て、 前記バネ定数変更部材が、ゴム材または金属バネからな
ることを特徴とするキャリパ。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のキャ
リパにおいて、 前記制動部材が、そのバネ定数が小さい材料または形状
からなることを特徴とするキャリパ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002158632A JP2003343615A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | キャリパ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002158632A JP2003343615A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | キャリパ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003343615A true JP2003343615A (ja) | 2003-12-03 |
Family
ID=29773784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002158632A Pending JP2003343615A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | キャリパ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003343615A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009280347A (ja) * | 2008-05-22 | 2009-12-03 | Duplo Seiko Corp | 用紙搬送装置及び用紙搬送システム |
-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002158632A patent/JP2003343615A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009280347A (ja) * | 2008-05-22 | 2009-12-03 | Duplo Seiko Corp | 用紙搬送装置及び用紙搬送システム |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050324 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050705 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050901 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051101 |