JP2003343477A - 可変速給水装置 - Google Patents

可変速給水装置

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JP2003343477A
JP2003343477A JP2002154825A JP2002154825A JP2003343477A JP 2003343477 A JP2003343477 A JP 2003343477A JP 2002154825 A JP2002154825 A JP 2002154825A JP 2002154825 A JP2002154825 A JP 2002154825A JP 2003343477 A JP2003343477 A JP 2003343477A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 需要側の水の圧力変動を抑え、ポンプの始動
頻度を少なくする可変速給水装置を提供する。 【解決手段】 ポンプ12と、吐出管14と、圧力タン
ク16と、逆止め弁18と、圧力検出手段20と、モー
タ22と、モータ22の速度を制御する制御手段24と
を有する、可変制御する給水装置10であって、吐出管
14の水量が所定の過小水量に達したことを検出する過
小水量検出手段26と、過小水量検出手段26の出力信
号に応答し、過小水量時のモータ回転速度に基づく増速
回転数を演算してモータ22を増速回転数に上昇させて
から、所定時間後にモータ22を停止させる過小水量停
止手段32と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可変速給水装置に係
り、特に、過小水量停止型の可変速給水装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、給水装置の吐出側に設置した配
管内圧力を極力一定にして、需要側に設けられた給湯器
からのシャワー等の温度変化を抑えている。この給水装
置は、夜間等の水を使用しない時間帯にはポンプを停止
させていた。ポンプが再始動する配管内の始動圧力はポ
ンプが停止する際の停止圧力より一定値以下に設定さ
れ、ポンプの吐出側の配管圧力が始動圧力に下がるまで
は、圧力タンクの保有水から水が需要側へ供給されてい
る。この圧力タンクからの水供給期間はポンプが停止し
ており、ポンプの始動頻度を低く抑えていた。
【0003】また、ポンプ吐出側の配管内が小水量状態
でポンプを停止させる場合は、ポンプを停止させる直前
に配管内の水圧を最大揚水能力が出る回転速度でポンプ
を運転し吐出管内を制御目標圧力より高く加圧してから
ポンプを停止させ、その後、吐出管内の圧力が制御目標
圧力に達した段階でポンプを再始動させる小水量加圧停
止方法や、制御目標圧力に達した段階でポンプを停止さ
せ、その後、制御目標圧力より低い始動圧力の検出によ
りポンプを再始動させる小水量目標圧力停止方法を採用
していた。
【0004】さらに、ポンプを最大回転数にて運転した
後にポンプを停止する方法では、ポンプ停止時の吐出し
圧力が高くなり過ぎる場合がある。この時のポンプ最大
回転速度よりも低い回転速度Nに固定して、停止時のポ
ンプ吐出し圧力を低く抑えることができる。図8は、ポ
ンプを回転速度Nに固定したときのポンプのQ−H特性
を示す図である。
【0005】ポンプ吐出し圧力の設定は、可変速給水装
置が設置されるビルの高さ、配管長、若しくは配管直径
等の諸条件により、装置の据付時に決定される。図示し
た接点52は設定圧力値がポンプの回転速度Nで発生す
るポンプ吐出し圧力よりも高い値である。すなわち、矢
印59で示すポンプ性能曲線までポンプ停止時の加圧運
転が遂行されないため、ポンプの停止時に不具合を生じ
る。
【0006】したがって、従来は、ポンプ並びにモータ
の回転速度を個別に調整するように構成していても、小
水量停止時のモータ並びにポンプの回転数を接点52及
び接点50を通過するポンプ性能曲線に達する最大回転
速度に設定せざる得なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の小水量加圧停止方法では、ポンプ停止の直前に
配管内を常にポンプの最大揚水能力で加圧しているた
め、ポンプを停止したときに需要側の給水端末へ過剰な
水圧を与え、上限圧力を超過するという不具合が生じて
いた。また、従来の小水量目標圧力停止方法では、ポン
プの再始動時に水使用量が多い場合は給水される水の圧
力が制御目標圧力から極端に低いため、給水端末への圧
力変動が大きいという課題も存在する。さらに、制御目
標圧力より高い適正な増圧値に達するポンプの回転速度
を設定するのは困難であった。
【0008】本発明は、斯かる実情に鑑み、小水量停止
機構において、需要側の水の圧力変動を極力抑えなが
ら、ポンプの始動頻度を少なくし、省エネルギ効果を引
き出す可変速給水装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1にかかる発明による可変速給水装置は、例
えば、図1に示すように、ポンプ12と、ポンプ12の
吐出側に設けられた吐出管14と、吐出管14に設けら
れた圧力タンク16と、ポンプ12が停止中に吐出管1
4内の圧力を保つように配設された逆止め弁18と、吐
出管14内の圧力を検出する圧力検出手段20と、ポン
プ12を駆動するモータ22と、モータ22の速度を制
御する制御手段24とを有する、ポンプ12の吐き出し
側の圧力を所定の推定末端圧力に維持するようにモータ
22の速度を可変制御する給水装置10であって、吐出
管14の水量が所定の過小水量に達したことを検出する
過小水量検出手段26と、過小水量検出手段26の出力
信号に応答し、過小水量時のモータ回転速度に基づく増
速回転数を演算してモータ22を増速回転数に上昇させ
てから、所定時間後にモータ22を停止させる過小水量
停止手段32と、を備える。
【0010】ここで、推定末端圧力は、例えば、需要側
で使用する最高位位置に設置された給湯器や水道蛇口等
の給水端末に給水を行うことが可能な圧力であって、給
水装置から最高位位置の給水端末までの高さ及び蛇口ロ
ス並びに配管抵抗を考慮し、例えば、最高位位置の給水
端末の高さに配管ロスを加算した圧力を用いることが望
ましい。また、モータ22を停止させるまでの所定時間
は、ポンプ12の吐出し圧力が停止圧力に達するまでの
数十秒に設定すればよい。さらに、増速回転数は、過小
水量時のモーター回転速度が低いほど増速率を高く設定
することが望ましい。
【0011】このように構成すると、過小水量時のモー
タ回転速度に基づく増速回転数を演算してモータ22を
増速回転数に上昇させてから、所定時間後にモータ22
を停止させる過小水量停止手段32を備えるため、吐出
管14内の圧力を適切な高圧に保持し需要側が必要とす
る水圧を確保することができ、適切な頻度でポンプ12
の停止と始動を繰り返すことができる。
【0012】上記目的を達成するために、請求項2にか
かる発明による請求項1に記載の可変速給水装置は、過
小水量を検出した後に、ポンプ12を停止した時点の吐
出管14内の圧力を検出し、この検出した圧力より低い
所定の圧力に再始動圧力を逐次演算する演算手段32を
備え、ポンプ12の吐出し圧力が再始動圧力に達した段
階で、モータ22を再始動させるように構成する。
【0013】このように構成すると、停止圧力より低い
再始動圧力を逐次演算し、ポンプ12の吐出し側の圧力
が再始動圧力に達した段階で、モータ22を再始動させ
るため、ポンプ12の始動頻度が減少しポンプ及びモー
タ22の劣化を抑制することができる。
【0014】上記目的を達成するために、請求項3にか
かる発明による請求項1又は請求項2のいずれか1項に
記載の可変速給水装置は、増速回転数がポンプ12の最
大回転速度を超えると判定したときは、増速回転数をポ
ンプ12の最大回転速度に制限するように構成する。
【0015】ここで、ポンプの最大回転速度は、ポンプ
12の回転速度又はポンプ12を駆動するモータ22の
回転速度を用いることができる。また、増速回転数は、
過小水量時のポンプ12またはモータ22の回転速度に
増速値を加算した回転速度を用いる。
【0016】このように構成すると、過小水量加圧方法
においてポンプ12又はモータ22の回転速度を最大回
転速度に制限するリミッタ機能を付加させることができ
る。
【0017】上記目的を達成するために、請求項4にか
かる発明による請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
記載の可変速給水装置は、ポンプの始動圧力の初期値を
設定する手段28をさらに備える。
【0018】このように構成すると、可変速給水装置が
据付けられた際に、強制的に再始動圧力でポンプ12が
再始動するので、適正な頻度でポンプ12の停止及び再
始動を制御することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。図1から図6は発明を実施する形態
の一例であって、図中、図と同一または類似の符号を付
した部分は同一物または相当物を表わし、重複した説明
は省略する。
【0020】図1は、本発明による第1の実施の形態で
ある可変速給水装置10の模式的系統図である。可変速
給水装置10は、水道管又受水槽から水を供給する水配
管35と、水配管35に接続されたポンプ12と、ポン
プ12の吐出側に設けられた吐出管14と、ポンプ12
を駆動するモータ22と、このモータ22をインバータ
36経由で制御する制御手段24とを備える。
【0021】吐出管14には、ポンプ12の吐出し側か
ら順に過水水量検出手段としてのフロースイッチ26
と、逆止め弁18と、圧力センサ20と、圧力タンク1
6とが需要側の給水端末38の方向に配設されている。
【0022】制御手段24は、圧力センサ20、フロー
スイッチ26、モータ22に設けたロータリーエンコー
ダからの出力線23に接続され、吐出管14内の水圧と
水量や、ポンプ12又はモータ22の回転速度を電気信
号により受信している。また、制御手段24は、圧力設
定手段28に接続され、過小水量時の停止圧力及び差圧
DP等の数値を入力パネル30から入力するように構成
している。入力パネル30は液晶画面等の数値表示手段
と数値入力用のテンキー又は増減圧ボタンで構成し、液
晶画面のタッチ入力方式や押圧ボタン方式で停止圧力及
び差圧DP等を各々入力する。
【0023】制御手段24は、圧力設定手段28により
設定された停止圧力と差圧DPの数値を内部の中央演算
処理装置CPU32を介して内部メモリ34に記憶し、
所定の推定末端圧力を維持するように内部で演算処理し
たゲート制御信号をインバータ36へ送信することによ
りインバータ36内部のゲートトランジスタを駆動す
る。インバータ36は、電気的に接続されたモータ22
に速度制御信号(交流出力)を印加してポンプ12を駆
動させる。例えば、パルス幅変調方式PWMやパルス振
幅変調方式PAMを用いて、直流電圧を無段階に制御
し、ポンプ12を効率良くかつ高回転させる。また、制
御装置24は、モータ22の回転数を光学式又は磁気式
のロータリーエンコーダから出力線23を通して受信す
る。なお、モータ22の回転数はポンプ12の回転数と
等しく、制御手段24は出力線23に伝送される信号か
らモータ22及びポンプ12の回転数を判定するが、回
転数を判定する別の方法として、制御手段24が処理す
る速度指令情報を用いて、モータ22又はポンプ12の
回転数を判定することもできる。よって、ロータリーエ
ンコーダを必ずしも設ける必要はない。
【0024】次に、可変速給水装置10の動作について
説明する。水道管や受水槽から水配管35を通じてモー
タ22によって駆動されるポンプ12により吐出される
水は所定の圧力で吐出管14を通し需要側の給水端末3
8に給水される。給水端末38は分岐した吐出管14の
各々に設けられた給湯器や給水栓であり、ポンプ12に
より揚水した水は中層住宅や高層住宅や商業用ビル等の
最高位位置に設けた給水端末38にも十分給水できる圧
力に加圧されている。
【0025】吐出管14には、フロースイッチ26と、
ポンプ12が停止中に吐出管内の圧力を保つ逆止め弁1
8とが挿入配置され、吐出管14から枝管17を介して
圧力タンク16に吐出管14中の水が貯えられる。
【0026】また、逆止め弁18の下流側に配置した圧
力センサ20は、吐出管14から枝管21を介して圧力
タンク16中の圧力若しくは逆止め弁18の吐出し側の
圧力を検知し、電気信号を制御手段24へ送信する。フ
ロースイッチ26は、ポンプ12から吐出管14へ吐出
される水の吐出量が過小水量以下に達すると動作し過小
水量検出信号を制御手段24へ送信する。
【0027】また、可変速給水装置10の運転スイッチ
により給水が開始されるが、ポンプ12の始動開始後一
定時間においては、過小水量停止処理がキャンセルされ
るように構成することもできる。つまり、給水設備の諸
条件により、ポンプ12の始動後しばらくは水が流れな
いような条件があった場合、過小水量停止処理が遂行さ
れる不具合を抑えるためである。
【0028】さらに、ポンプが運転中にポンプ吐き出し
圧力が常に一定値以下に下がらないようにするため、ポ
ンプの吐き出し圧力が下限圧力PBより低い一定値以下
の場合は、フロースイッチ26が過小水量を検知しても
制御手段24が過小水量停止処理を開始しないように制
御手段24をプログラムしてもよい。このようにプログ
ラムすることで、ポンプ吐出し圧力を優先し、過小水量
停止処理の頻度を低減させる。
【0029】需要側の水使用により吐出管14内の圧力
が下限圧力PBを超えるときは、モータ22で駆動され
るポンプ12が連続運転し、水使用が増大して吐出管1
4内の水圧がさらに低下すると圧力センサ20で給水圧
力の低下を検知する。検知した圧力信号は制御手段24
へ送られ、制御手段24がポンプ12の吐出し圧力を需
要側の推定末端圧力に近づけるようにモータ22をイン
バータ36経由で制御する。
【0030】制御手段24は、インバータ36を制御し
て交流電圧をモータ22に印加させ増速させる。モータ
22が増速回転するに伴いポンプ12の吐出量は増大す
る。吐出管14内の水圧は増加し圧力センサ20により
逐次検出され、圧力検知信号が制御手段24へ送られて
いる。制御手段24は、吐出管14内の水圧を推定末端
圧力に制御するように圧力検知信号と推定末端圧力とを
比較しながら逐次的にモータ制御シーケンスを演算し、
モータ22の回転速度がインバータ36を介して制御さ
れる。
【0031】図2は、本発明による第1の実施の形態で
ある可変速給水装置10の運転特性図である。横軸に水
量Q、縦軸に圧力Hを取りポンプ12のQ−H性能を示
す。ポンプ性能曲線上の仮想的な接点50は、ポンプ1
2が水使用量の増大に伴い増速回転し最高出力状態で運
転しているときの水量Q1と圧力Hを示し、この時点の
圧力は内部メモリ34に記憶された需要側の下限圧力P
Bに演算されている。本実施の形態では、ポンプ12
は、需要側の使用水量が減少し吐出管14内の圧力がポ
ンプ性能曲線上の接点52まで上昇した状態で運転をし
ている。圧力センサ20は給水圧力の上昇を検知してそ
の検知信号を制御手段24に送信する。例えば、この時
点の圧力は内部メモリ34に記憶された需要側の上限圧
力PA、水量はQ2である。
【0032】制御手段24は、圧力センサ20からの検
知信号に基づき、モータ22を減速するようにインバー
タ36に制御信号を送信し、インバータ36からモータ
22を減速させる交流出力を供給する。モータ22は印
加される交流出力の周波数又は電圧の減少に応動して減
速し、駆動しているポンプ12を減速させ水の吐出量を
減少させる。
【0033】制御手段24は、ポンプ12の減速時にお
いて、例えば、ポンプ性能曲線上の接点52から接点5
4を経由し接点56までの配管抵抗特性カーブで示すよ
うに、上限圧力PAと下限圧力PBとの間に位置する推
定末端圧力と吐出管14内の圧力とを比較演算しながら
モータ22を制御する。図示した水量Qxの時点の推定
末端圧力はPxに演算され、このように推定末端圧力
は、典型的には配管抵抗特性カーブに乗って、このとき
の流量に対応して上限圧力PAと下限圧力PBの範囲で
変化する。
【0034】需要側の水使用量がさらに減少した場合
に、ポンプ12はポンプ性能曲線上の接点56に対応す
る水量Qminを下回って給水する。この場合、モータ
22及びポンプ12の回転はさらに低下して効率が極め
て低くなり、また、そのまま運転を継続するとポンプ内
の温度が上昇する等の不具合が生じるため、このような
水量Qmin以下の過小水量状態(過小水量時)をフロ
ースイッチ26が検知するように設定されている。
【0035】制御手段24は、フロースイッチ26が動
作した段階で、一定時間過小水量が継続し、なおかつポ
ンプ吐き出し圧力が低下していないことを一定時間確認
した後に、過小水量停止処理を開始することが望まし
い。
【0036】上記過小水量状態が確実であることを確認
する時間は、例えば、直前のポンプ12の運転状態によ
り逐次変化させる。過小水量状態を確認する時間はポン
プ12の始動頻度を減らすため、第1に、直前にポンプ
12が運転している時間が長い場合や、第2に、前回ポ
ンプ12が停止している時間が長い場合や、第3に、フ
ロースイッチ26の開閉頻度が少ない場合等の諸条件を
考慮して、過小水量停止処理の確認時間を短くすること
ができる。
【0037】過小水量停止処理の確認時間の長短は、上
記一定時間を決定する要素をファジー推論させることに
より決定することができる。この一定時間は、例えば、
ゼロ秒から160秒の間で任意の値に設定するとよい。
このように過小水量停止処理の確認時間を設けることに
より、ポンプ12の始動頻度を減少させ、可変速給水装
置10の省エネルギー化も実現できる。
【0038】制御手段24は、フロースイッチ26から
過小水量に達したことを示す出力信号に応答し、過小水
量時のモータ22又はポンプ12の回転速度をロータリ
ーエンコーダの出力線23を通じて受信する。受信した
現時点のモータ22又はポンプ12の回転速度情報を内
部の中央演算処理装置CPU32のレジスタに入力し、
内部メモリ34に記憶したデルタ増速値と加算演算を実
行し所定の増速回転数を演算出力する。この増速回転数
は、例えば、過小水量時のモータ22又はポンプ12の
回転数に対して+5から+15Hz程度の回転数を用い
るとよい。
【0039】制御手段24は、増速回転数に対応したイ
ンバータ制御信号をインバータ36へ送り、インバータ
36から増速用の交流出力をモータ22へ供給する。増
速用の交流出力は、例えば、交流の周波数を高める又は
交流の振幅を増加させることによりモータ22の回転数
を上昇させてポンプ12の回転数を増速させ、ポンプ吐
出し圧力を停止圧力に達するまで所定時間に亘りモータ
22の回転速度を高めるように制御するように構成され
ている。
【0040】モータ22は、上述した過小水量の検出信
号をトリガとして増速回転で回転し停止圧力に近づくよ
うにポンプ12を連続駆動する。例えば、接点56近傍
のポンプ性能曲線で運転するポンプ12を増速回転さ
せ、矢印55で示す次のポンプ性能曲線でポンプ12を
駆動する。制御手段24は、平行して制御手段24内の
タイマ52の計時を監視しタイムアップを検出するよう
にプログラムされている。引き続き、需要側の水使用量
がさらに低下又はゼロに達した状態でも、タイムアップ
を検出するまで、ポンプ12は増速回転数で回転し、吐
出し圧力を増加させている。
【0041】制御手段24は、タイムアップするまで所
定時間毎に、圧力センサ20とロータリーエンコーダの
出力線23の信号を監視して、第2回目の増速回転制御
を実行するか判定する。圧力センサ20から停止圧力信
号が送信されず、且つ、出力線23から最大回転数信号
が送信されない場合には、内部のCPU32は第2回目
の増速回転制御を実行する。矢印57で示すように、モ
ータ22は、第1回目の増速運転中のポンプ性能曲線か
ら第2回目の増速運転のポンプ性能特性でポンプ12を
駆動する。このようなマルチステップの増速回転制御を
用いると、デルタ増速値を細かく(小さく)設定しても
モータ22及びポンプ12の増速回転をリニアな特性で
上昇させることができる。また、過小水量時のモータ2
2又はポンプ12の回転速度が高い場合にも、デルタ増
速値が小さく設定されているため吐出管14内の圧力を
過剰に加圧するという不具合を未然に防止することもで
きる。
【0042】一方、上述した第1回目又は第2回目の増
速回転制御を実行する前に、CPU32は、演算出力し
た増速回転数が内部メモリ34に記憶したモータ22又
はポンプ12の最大回転速度を超えるか判定する。演算
出力した増速回転数が最大回転速度を超えるときは、モ
ータ22及びポンプ12を最大回転速度で運転するよう
にインバータ36へ制御信号を出力する。したがって、
デルタ増速値が過小水量時のモータ22又はポンプ12
の回転数に対して過剰であっても、CPU32によりモ
ータ22及びポンプ12の最大回転速度を超えることを
未然に防止するというリミッタ機能を付加させることが
できる。
【0043】また、制御手段24はタイマがタイムアッ
プした時点で増速回転中のモータ22を停止させる。例
えば、本願発明者の実験結果からタイムアップする所定
時間は、過小水量の検出後、増速回転するポンプ12か
ら吐出管14を通って圧力タンク16へ流入する水によ
り圧力タンク16内の水位を上昇させ、吐出管14内の
水圧、言い換えれば圧力タンク16内の水圧を停止圧力
又はそれ以上の圧力まで上昇させるのに十分な時間であ
るゼロ秒から160秒の間で任意に選択すればよい。
【0044】上述した制御手段24は、演算手段として
の中央演算処理装置CPU32を備え、上述した増速回
転数やポンプ停止時に検出する停止圧力に基づいてポン
プの始動圧力を演算する。例えば、始動圧力は下限圧力
PBと同等の圧力又は下限圧力PBより若干低い圧力に
演算させるようにプログラムすることが望ましい。
【0045】可変速給水装置10の上限圧力PAと下限
圧力PBは、工場出荷段階で可変速給水装置の仕様に従
い予め設定されている。可変速給水装置10の仕様がビ
ルの5階の給水端末38に給水する仕様である場合に
は、14メートルの高さに給水可能な水圧を上限圧力P
Aとして予め内部メモリ34に記憶している。また、配
管抵抗分がおよそ15%と見積もられるため、下限圧力
PBは上限圧力PAより約15%低く設定されている。
【0046】また、始動圧力は、停止圧力に基づいて演
算される。例えば、停止圧力と低下パーセント(D%)
の2つのパラメータを設定したり、停止圧力と差圧DP
を設定するように構成することにより、誤入力操作で停
止圧力が始動圧力より小さな値となることを未然に防止
することができる。
【0047】従って、始動圧力は、停止圧力にD%を乗
じた値に演算することにより求めることができ、別の方
法として、停止圧力から差圧DPを減算するように制御
手段24で演算すればよい。また、上限圧力PAが下限
圧力PBと同一の値に設定されている場合、ポンプ12
の吐き出し圧力を一定に制御することができる。この場
合、ポンプ停止圧力を上限圧力PA並びに下限圧力PB
と同一の値で設定し、始動圧力を上限圧力から差圧DP
を減算するように演算をするので、ポンプ12による過
剰な加圧は行われない。
【0048】図3は、本発明による第2の実施の形態で
ある可変速給水装置10に用いられるポンプ12の停止
圧力と始動圧力の関係を示す図である。可変速給水装置
10は上記実施の形態と同様の装置を用いるため重複す
る説明を省略する。
【0049】横軸にポンプの回転制御状態を経時的に示
し、縦軸に圧力Hを取った停止圧力と始動圧力の関係を
示す。制御手段24の内部メモリ34には差圧DPのデ
ータが記憶されている。例えば、5階建て程度のビルに
用いる可変速給水装置10では、差圧DPを2.5メー
トルに設定している。
【0050】可変速給水装置10は、制御手段24によ
り上限圧力PAと下限圧力PBに基づき推定末端圧力を
逐次演算する。制御手段24は、過小水量検出手段26
から過小水量を表す出力信号に応答し、内部のCPU3
2により過小水量時のモータ22又はポンプ12の回転
速度に基づく増速回転数を演算してモータ22又はポン
プ12を増速回転数に上昇させてから、所定時間後にモ
ータ22を停止させる。
【0051】図示した接点56は、過小水量が検出され
た時点の吐出管14内の水圧を示している。制御手段2
4は、内部のCPU32でタイマのタイムアップを開始
しており、平行してモータ22又はポンプ22を増速回
転させてポンプ12の吐出し圧力を停止圧力に向かうよ
うに上昇させている。本実施の形態では、停止圧力は上
限圧力PAの値に設定し、上限圧力PAと下限圧力PB
との差は2メートルに設定され、差圧DPは2.5メー
トルに設定されている。
【0052】図示した接点58は、ポンプ12が継続し
て増速回転数で運転している状態であり吐出管14内の
圧力は停止圧力又はそれ以上の圧力に上昇している。そ
の後、モータ22は制御手段24内のCPU32がタイ
ムアップを検知した段階で停止し、吐出管14内の圧力
は圧力タンク16により停止圧力(上限圧力PA)以上
に保たれている。
【0053】引き続き、吐出管14内の圧力は停止圧力
以上に保たれているが、需要側の水使用又は吐出管14
系統の漏水等により、吐出管14内の水圧が徐々に低下
して行く。図示した接点60は、吐出管14内の水圧が
モータ22を停止させた際のポンプ12の吐出し圧力で
ある停止圧力(上限圧力PA)から差圧DPを減算した
圧力を示している。
【0054】例えば、停止圧力より2.5メートルに相
当する低い圧力まで吐出管14内の圧力が低下した段階
で、圧力センサ20が始動圧力を検出し制御手段24へ
信号を送り、制御手段24からインバータ36を経由し
てモータ22を回転させて、ポンプ12を駆動させるこ
とにより吐出管14内の圧力を上昇させている。しか
も、始動圧力は下限圧力PBより0.5メートル低く設
定されているため、ポンプ12の停止と始動との期間を
より長くとることができる。
【0055】ここで、始動圧力は接点58の後でモータ
12を増速回転から停止させた時点の停止圧力を基準に
して、差圧DPを減算した圧力を用いている。これは、
外部から設定した停止圧力に基づき自動的に始動圧力を
演算しているので、始動圧力は常に停止圧力より低い値
に算出できる。従って、始動圧力が停止圧力を超えるよ
うな数値の入力ミスよる誤動作を未然に防止することが
できる。
【0056】図4は、本発明による第2の実施の形態で
ある可変速給水装置10に用いられるポンプ12の停止
圧力と始動圧力の関係を示す図である。図示した停止圧
力は上限圧力PAより低く且つ下限圧力PBより高く設
定されている。可変速給水装置10は、ポンプの吐出し
圧力を停止圧力に達するまでモータ22及びポンプ12
を増速回転数で回転させてから、所定時間後に、モータ
22を停止させるように構成されている。
【0057】図示した接点56は、過小水量が検出され
た時点の吐出管14内の水圧を示している。制御手段2
4は、内部のCPU32でタイマのタイムアップを開始
しており、平行してモータ22及びポンプ12を増速回
転させてポンプ12の吐出し圧力が停止圧力になるよう
に上昇させている。本実施の形態では、上限圧力PAと
下限圧力PBの差は3メートルに設定され、差圧DPは
2.5メートルに設定されているので、停止圧力は上限
圧力PAより0.5メートル低い。
【0058】図示した接点62は、ポンプ12が増速回
転で運転している状態であり吐出管14内の圧力は停止
圧力又はそれ以上の圧力に上昇している。その後、モー
タ22は制御手段24内のCPU32がタイムアップを
検知した段階で停止し、吐出管14内の圧力は圧力タン
ク16により停止圧力以上に保たれている。
【0059】引き続き、吐出管14内の圧力は停止圧力
以上に保たれているが、需要側の水使用又は吐出管14
系統の漏水等により、吐出管14内の水圧が徐々に低下
して行く。図示した接点64は、吐出管14内の水圧が
モータ22を停止させた際のポンプ12の吐出し圧力で
ある停止圧力から差圧DPを減算した圧力(下限圧力P
B)を示している。
【0060】例えば、停止圧力より2.5メートルに相
当する低い圧力まで吐出管14内の圧力が低下した段階
で、圧力センサ20が始動圧力を検出し制御手段24へ
信号を送り、制御手段24からインバータ36を経由し
てモータ22を回転させて、ポンプ12を駆動させるこ
とにより吐出管14内の圧力を上昇させることができ
る。しかも、停止圧力は上限圧力PAより0.5メート
ル低く設定されているため、制御手段24がタイムアッ
プするまで吐出管14内の圧力をポンプ12で上昇させ
ても、上限圧力PAを過剰に超えることがないので給水
端末38の圧力変動を抑制することができる。
【0061】このように、本実施の形態によれば、ポン
プ12の始動圧力を停止圧力に基づき演算しているた
め、常に始動圧力が停止圧力より低く演算される。ま
た、ポンプ12の過小水量停止処理における最大加圧値
の上限を停止圧力に制限することができ、吐出管14内
の圧力の変動を抑制させることができる。
【0062】図5を参照して、本発明による第2の実施
の形態である可変速給水装置10に用いられるポンプ1
2の停止圧力と始動圧力の関係を説明する。可変速給水
装置10は、内部メモリ34に上限圧力PA、及び下限
圧力PBを同一値で記憶している。
【0063】可変速給水装置10は、同一値の上限圧力
PA及び下限圧力PBがセットされた後に電源がONに
されると運転モードに移行し、制御手段24は上限圧力
PA及び下限圧力PBを関数として推定末端圧力を演算
しながら、モータ22を制御しポンプ12を増速させ
る。
【0064】可変速給水装置10がビル等の現場に設置
された直後であれば、吐出管14内の圧力はゼロであ
る。したがって、ポンプ12の吐出し圧力は、ゼロから
上限圧力PAに向けて給水を実行する。図示した接点6
6は、過小水量を検出した時点からモータ22及びポン
プ12の回転速度を増速回転数に上昇させ、所定時間後
にモータ22及びポンプ12を停止させた状態であり、
吐出管14内の圧力が圧力タンク16によって停止圧力
以上に保たれている状態を示す。
【0065】次に、需要側の給水端末38から水が使用
され又は漏水により吐出管14内の圧力が徐々に低下す
る。図示した接点68は、吐出管14内の水圧がモータ
22を停止させた際の停止圧力(PA若しくはPB)か
ら差圧DPを減算した圧力を示している。
【0066】例えば、停止圧力より2.5メートルに相
当する低い圧力まで吐出管14内の圧力が低下した段階
で、圧力センサ20が始動圧力を検出し制御手段24へ
信号を送り、制御手段24からインバータ36を経由し
てモータ22を回転させて、ポンプ12を駆動させるこ
とにより吐出管14内の圧力を上昇させることができ
る。しかも、始動圧力は停止圧力より2.5メートル低
く演算出力されているため、ポンプ12の停止と始動と
のタイミングをより長くとることができる。
【0067】また、始動圧力は接点66でモータを増速
回転させてから停止させた時点の停止圧力を基準にし
て、差圧DPを減算した圧力を用いている。これは、停
止圧力に基づき自動的に始動圧力を演算しているので、
始動圧力は常に停止圧力より低い値に算出できる。従っ
て、始動圧力が停止圧力を超えるような数値の入力ミス
よる誤動作を未然に防止することができる。
【0068】さらに、日常運転の可変速給水装置10に
おいても、同一の値の上限圧力PA、及び下限圧力PB
をパラメータとして推定末端圧力を演算しながらモータ
22を可変速に回転させてポンプ12を駆動し需要側の
給水端末38へ給水を行い、過小水量停止処理によりモ
ータ22及びポンプ12を増速回転数に上昇させて停止
圧力以上に吐出管14内の圧力を上昇させる。
【0069】図6は、本発明による実施の形態である可
変速給水装置10に用いられる制御手段24のブロック
図である。制御手段24は、中央演算処理装置CPU3
2と、このCPU32とバス48を介して接続する内部
メモリ34と、タイマ52と、インターフェースI/O
46を備える。
【0070】内部メモリ34は、電気的書換可能なプロ
グラマブルリードオンリーメモリEEPROM40、ラ
ンダムアクセスメモリRAM42、リードオンリーメモ
リROM44を備え、それぞれCPU32に接続されて
いる。
【0071】EEPROM40は、差圧DP、デルタ増
速値、モータ又はポンプの最大回転数、上限圧力PA、
及び下限圧力PBのデータを記憶する。これらデータ
は、可変速給水装置の工場出荷段階に初期値が書き込ま
れているが、需要先に可変速給水装置を設置する際に圧
力設定手段28からCPU32を経由して設定入力し書
き換えることができる。EEPROMは、電気的に書き
換えが可能なため、モータ22又はポンプ12の経時変
化による性能劣化に対して、差圧DP、デルタ増速値、
モータ又はポンプの最大回転数、上限圧力PA又は下限
圧力PBのパラメータを適宜再入力して効率の良い運転
状態を維持させ、省エネルギー化を図ることができる。
【0072】RAM42は、過小水量時のモータ22又
はポンプ12の回転速度に基づき演算された増速回転数
を一時的に記憶し、また、上限圧力PA及び下限圧力P
Bをパラメータとして推定末端圧力をCPU32で演算
した結果を一時的に記憶する。RAM42は、可変速給
水装置10が所定時間に亘り通電していない状態ではデ
ータを消滅させてしまうが、比較的単価が安いため可変
速給水装置10のコストを低減させることができる。
【0073】ROM44は、マスクROM又はEPRO
M等の読み出し専用のメモリであり、可変速給水方法の
プログラムを収納している。また、推定末端圧力を算出
するための演算テーブルを格納することもできる。例え
ば、演算テーブルの上位アドレスラインに上限圧力PA
値を入力し、下位アドレスラインに下限圧力PB値を入
力してデータ出力ラインに推定末端圧力を出力するよう
に構成する。同様に、増速回転数を算出するための演算
テーブルを格納することもできる。例えば、演算テーブ
ルの上位アドレスラインに過小水量時のモータ22又は
ポンプ12の回転数を入力し、下位アドレスラインにデ
ルタ増速値を入力してデータ出力ラインに増速回転数を
出力するように構成する。このような演算テーブルを用
いるとCPU32のレジスタを用いた場合に比して演算
速度がより高速となり、木目細かなポンプ制御を遂行す
ることができる。
【0074】インターフェースI/O46は、ロータリ
ーエンコーダの出力線23、フロースイッチ26、圧力
センサ20、圧力設定手段28からの電気信号を受け
て、CPU32に渡すバッファ機能と信号レベルの変換
を遂行する。また、CPU32から出力される制御信号
をインバータ36へ送信する。
【0075】タイマ52は、カレンダ機能を有し、実時
間の計時データをCPU32へ出力する。タイマ52
は、不図示のバックアップ電源としてのボタン電池等か
ら電源の供給を受けて不揮発性のカレンダー情報を更新
する。また、可変速給水装置10は通常運転中は常に通
電しているため、商用電源を変圧した直流電圧でタイマ
52のバックアップ電源を確保することもできる。
【0076】図7は、本発明の他の実施の形態である可
変速給水装置の運転特性図である。横軸に水量Q、縦軸
に圧力Hを取りポンプ12のQ−H性能を示す。需要側
の水使用量が減少した場合に、ポンプ12はポンプ性能
曲線上の接点56で最低回転数Nminで駆動されてい
る。この接点56の水量は水量Qminを下回ってい
る。この場合、モータ22及びポンプ12の最低回転数
Nminは効率が極めて低く、また、そのまま運転を継
続するとポンプ内の温度が上昇する等の不具合が生じる
ため、このような水量Qmin以下の過小水量状態(過
小水量時)をフロースイッチ26が検知するように設定
されている。
【0077】制御手段24は、フロースイッチ26から
過小水量に達したことを示す出力信号に応答し、過小水
量時のモータ22又はポンプ12の回転速度をロータリ
ーエンコーダの出力線23を通じて受信する。受信した
現時点のモータ22又はポンプ12の最低回転速度Nm
inを内部の中央演算処理装置CPU32のレジスタに
入力し、内部メモリ34に記憶したデルタ増速値ΔNと
加算演算を実行し所定の増速回転数(Nmin+ΔN)
を演算出力する。この増速回転数は、例えば、過小水量
時のモータ22又はポンプ12の回転数に対して+5H
zから+15Hz程度の回転数を用いるとよい。
【0078】制御手段24は、増速回転数に対応したイ
ンバータ制御信号をインバータ36へ送り、インバータ
36から増速用の交流出力をモータ22へ供給する。増
速用の交流出力は、例えば、交流の周波数を高める又は
交流の振幅を増加させることによりモータ22の回転数
を上昇させてポンプ12の回転数を増速させ、ポンプ吐
出し圧力を停止圧力に達するまで所定時間に亘りモータ
22の回転速度を高めるように制御するように構成され
ている。
【0079】モータ22は、上述した過小水量の検出信
号をトリガとして最小回転数Nminから増速回転数に
変化し停止圧力に近づくようにポンプ12を連続駆動す
る。例えば、接点56上のポンプ性能曲線で運転するポ
ンプ12をデルタ増速値ΔNの分だけ増速回転させ、接
点54を通過するような次のポンプ性能曲線でポンプ1
2を駆動する。制御手段24は、平行して制御手段24
内のタイマ52の計時を監視しタイムアップを検出する
ようにプログラムされている。引き続き、需要側の水使
用量がさらに低下又はゼロに達した状態でも、タイムア
ップを検出するまで、ポンプ12は制御手段24で演算
された増速回転数で回転し、吐出し圧力を増加させてい
る。
【0080】さらに、制御手段24内のCPU32は、
上述した過小水量を検出した後に、ポンプ12を停止し
た時点の吐出管14内の圧力を検出し、この検出した圧
力より低い所定の圧力に再始動圧力を逐次演算する。そ
の後、ポンプ12の吐出し圧力が再始動圧力に達した段
階で、モータ22を再始動させるように制御する。例え
ば、停止圧力が上限圧力PAのときはPAから差圧DP
を減算した値、または停止圧力が上限圧力PAより低い
場合は、停止した時の圧力から差圧DPを減算した値を
内部メモリ34へ記憶して、ポンプ12の再始動のパラ
メータとして用いる。
【0081】上記実施の形態では、過小水量を検出した
後に、ポンプ12を停止した時点の吐出管14内の圧力
に基づき始動圧力をCPU34で逐次演算していたが、
さらに他の実施の形態では、ポンプ12の始動圧力の初
期値を圧力設定手段28から内部メモリ34へ設定する
ように構成する。すなわち、可変速給水装置10が設置
された後に、第1回目の運転時に強制的に設定される始
動圧力であり、第2回目の運転時には上述したCPU3
2で演算する始動圧力を用いるように構成する。この始
動圧力の初期設定値は、例えば下限圧力PBを用いても
よい。
【0082】強制的に始動圧力の初期値を設定すること
により、装置が据付けられた初期稼動時に需要側の給水
配管や給水端末38の不備から生じる停止圧力異常に対
し、安全な始動圧力でポンプ12を再始動するように機
能させるためである。従って、装置の初期稼動時におい
て、始動圧力が過剰に高くなることもなく、また過剰に
低くなることもないので、ポンプ12の停止と始動の頻
度を適正な間隔に維持させることができる。
【0083】こうして、本発明の実施の形態によれば、
過小水量時のモータ22の回転速度を検出して、検出し
たモータ22の回転数に基づき増速回転数を演算してモ
ータ22を増速回転数に上昇させてから、所定時間後に
モータ22を停止させるため、停止圧力を所望の水圧に
制御することができる。
【0084】尚、本発明の可変速給水装置は、上述の図
示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸
脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論
である。
【0085】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の可変速給
水装置によれば、過小水量停止機構において、需要側の
水の圧力変動を極力抑えながら、ポンプの始動頻度を少
なくし、省エネルギ効果を引き出す可変速給水装置を提
供することができる、という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態である可変速給
水装置の模式的系統図である。
【図2】本発明による第1の実施の形態である可変速給
水装置の運転特性図である。
【図3】本発明の実施の形態に用いられるポンプの停止
圧力と始動圧力の関係を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に用いられるポンプの停止
圧力と始動圧力の関係を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に用いられるポンプの停止
圧力と始動圧力の関係を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に用いられる制御手段の模
式的ブロック図である。
【図7】本発明の他の実施の形態である可変速給水装置
の運転特性図である。
【図8】従来の可変速給水装置の運転特性図である。
【符号の説明】
10 可変速給水装置 12 ポンプ 14 吐出管 16 圧力タンク 18 逆止め弁 20 圧力センサ 22 モータ 24 制御手段 26 フロースイッチ 28 圧力設定手段 30 入力パネル 32 中央演算処理装置 34 内部メモリ 35 水配管 36 インバータ 38 給水端末 52 タイマ
フロントページの続き Fターム(参考) 3H020 AA01 BA02 BA03 BA05 BA11 BA12 BA14 BA15 BA18 CA00 CA01 CA04 DA01 DA04 EA09 EA12 3H045 AA06 AA09 AA12 AA23 BA03 BA07 BA23 BA28 BA31 BA32 BA35 BA36 CA03 CA06 CA29 CA30 DA01 DA05 EA35 EA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプと、前記ポンプの吐出側に設けら
    れた吐出管と、前記吐出管に設けられた圧力タンクと、
    前記ポンプが停止中に吐出管内の圧力を保つように配設
    された逆止め弁と、前記吐出管内の圧力を検出する圧力
    検出手段と、前記ポンプを駆動するモータと、前記モー
    タの速度を制御する制御手段とを有する、前記ポンプの
    吐き出し側の圧力を所定の推定末端圧力に維持するよう
    に前記モータの速度を可変制御する給水装置であって;
    前記吐出管の水量が所定の過小水量に達したことを検出
    する過小水量検出手段と;前記過小水量検出手段の出力
    信号に応答し、過小水量時のモータ回転速度に基づく増
    速回転数を演算して前記モータを前記増速回転数に上昇
    させてから、所定時間後にモータを停止させる過小水量
    停止手段と;を備える可変速給水装置。
  2. 【請求項2】 前記過小水量を検出した後に、前記ポン
    プを停止した時点の吐出管内の圧力を検出し、この検出
    した圧力より低い所定の圧力に再始動圧力を逐次演算す
    る演算手段を備え、前記ポンプの吐出し圧力が前記再始
    動圧力に達した段階で、前記モータを再始動させる請求
    項1に記載の可変速給水装置。
  3. 【請求項3】 前記増速回転数が前記ポンプの最大回転
    速度を超えると判定したときは、前記増速回転数をポン
    プの最大回転速度に制限する請求項1乃至請求項2のい
    ずれか1項に記載の可変速給水装置。
  4. 【請求項4】 前記ポンプの始動圧力の初期値を設定す
    る手段をさらに備える請求項1乃至請求項3のいずれか
    1項に記載の可変速給水装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100681932B1 (ko) 2005-03-29 2007-02-12 이충영 양수기의 압력보상을 할 수 있는 물탱크
JP2008088884A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Sayama Seisakusho:Kk ポンプ温度上昇低減方法およびポンプ温度上昇低減装置
JP2015151924A (ja) * 2014-02-14 2015-08-24 テラル株式会社 給水装置
JP2017048758A (ja) * 2015-09-03 2017-03-09 株式会社川本製作所 給水ユニット
JP2019002343A (ja) * 2017-06-15 2019-01-10 株式会社川本製作所 増圧給水装置

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