JP2003342349A - リン含有エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属箔、接着シート、積層板及び多層板並びに塗工用樹脂ワニス及び多層板 - Google Patents

リン含有エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属箔、接着シート、積層板及び多層板並びに塗工用樹脂ワニス及び多層板

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JP2003342349A JP2002154337A JP2002154337A JP2003342349A JP 2003342349 A JP2003342349 A JP 2003342349A JP 2002154337 A JP2002154337 A JP 2002154337A JP 2002154337 A JP2002154337 A JP 2002154337A JP 2003342349 A JP2003342349 A JP 2003342349A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲンを含有しないで優れた難燃性を示す
と共に耐熱性やUV遮蔽性を向上させたリン含有エポキ
シ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 下記の式(1)等で表される有機リン化
合物の少なくとも一方とエポキシ樹脂とを反応させて得
られたノボラック型エポキシ樹脂を20質量%以上含有
するリン含有エポキシ樹脂、下記の式(5)で表される
4官能エポキシ樹脂、硬化剤を必須成分とする。リン含
有量が組成物全量中の0.5〜4.0質量%である。ま
た、上記の4官能エポキシ樹脂の含有量が全エポキシ樹
脂中の2〜20質量%である。上記のリン含有エポキシ
樹脂によって難燃性を高め、4官能エポキシ樹脂によっ
てUV遮蔽性及び耐熱性を高めることができる。 【化1】 【化3】 【化5】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、封止材、成形材、
注型材、接着剤、電気絶縁塗料用材料として電子部品に
用いられるリン含有エポキシ樹脂組成物、これを用いた
プリプレグ、樹脂付き金属箔、接着シート、積層板及び
多層板、並びに上記のリン含有エポキシ樹脂組成物から
得られる塗工用リン含有エポキシ樹脂ワニス及びこれを
用いた多層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、接着性、電気絶縁性、
耐薬品性等に優れていることから、電子部品、半導体封
止材等の分野で多く使用されている。そして、これらの
分野で使用される封止用材料には、火災に対する安全性
確保のため、一般に臭素化エポキシ樹脂が配合されてい
る。このようにエポキシ樹脂に臭素等のハロゲンを導入
すると、優れた難燃性を示す硬化物が得られることは広
く知られている。
【0003】しかしながら、このような硬化物は燃焼時
において、ハロゲン化水素等の有害物質を生成する可能
性が高く、人体や自然環境に対し悪影響を及ぼすという
欠点を有している。そこでこの問題を解決すべく、ハロ
ゲンを含有せずに優れた難燃性を示すエポキシ樹脂やそ
の組成物等のハロゲンフリー材料の開発が広く行われて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ハロゲンを含有するこ
となく、優れた難燃性を付与することができるものとし
て、リン含有エポキシ樹脂が注目を集めている。例え
ば、このリン含有エポキシ樹脂を用いて積層板等を作製
することは、特開平11−279258号公報等に記載
されている。
【0005】しかしながら、このようなリン含有エポキ
シ樹脂を単独で用いると、電子部品実装時の半田付けに
よる急激な熱ストレスによって回路が基板から剥離した
りするなど、実用に供さないおそれがある。特に近年に
おいては、環境に配慮した鉛フリー半田を用いてリフロ
ー半田付けが行われており、この鉛フリー半田は従来の
半田よりも融点が高いことから、従来よりも優れた耐熱
性が求められる。しかもプリント配線板の高密度化、多
層化への動きはますます活発化し、これに伴ってプリン
ト配線板に形成される回路の微細化は大きく進んでい
る。このような観点からも、急激な熱ストレスに対する
耐熱性をこれまで以上に向上させることが急務となって
いる。
【0006】一方、回路のパターン形成においては、パ
ターンニングすべき回路パターンなどが描かれているフ
ィルムマスクやガラス乾板を透して、強力な紫外線(U
V)を照射することにより、プリント配線板の表面にラ
ミネートされた光感光性ドライフィルムなどを感光させ
る露光作業が行われている。現在、この作業に用いられ
る露光装置としては、両面同時露光方式の装置、すなわ
ちプリント配線板の両面に紫外線を照射し、同時に露光
する方式の装置が主流である。そのため、プリント配線
板の一方の面に照射した紫外線が、プリント配線板を透
して、他方の面にラミネートされた光感光性ドライフィ
ルムを感光させるおそれがある。このようなことが起こ
ると、高密度、高精度のパターン形成は不可能となるか
ら、紫外線がプリント配線板を透過しないように、プリ
ント配線板のUV遮蔽性を向上させることが必要とな
る。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、ハロゲンを含有しないで優れた難燃性を示すと共
に耐熱性やUV遮蔽性を向上させたリン含有エポキシ樹
脂組成物、これを用いたプリプレグ、樹脂付き金属箔、
接着シート、積層板及び多層板、並びに上記のリン含有
エポキシ樹脂組成物から得られる塗工用リン含有エポキ
シ樹脂ワニス及びこれを用いた多層板を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
リン含有エポキシ樹脂組成物は、下記の式(1)又は
(2)で表される有機リン化合物の少なくとも一方とエ
ポキシ樹脂とを反応させて得られたノボラック型エポキ
シ樹脂を20質量%以上含有するリン含有エポキシ樹
脂、下記の式(5)で表される4官能エポキシ樹脂、硬
化剤を必須成分とし、リン含有量が組成物全量中の0.
5〜4.0質量%であると共に、上記の4官能エポキシ
樹脂の含有量が全エポキシ樹脂中の1〜20質量%であ
ることを特徴とするものである。
【0009】
【化6】
【0010】式(1)中のR1〜R8は、C1〜C6の
炭化水素基、ヘテロ原子が直結した置換基又は水素原子
を示し、また置換基Xは下記の式(3)又は(4)で表
される置換基を示す。
【0011】
【化7】
【0012】式(2)中のR’1〜R’10は、C1〜
C6の炭化水素基、ヘテロ原子が直結した置換基又は水
素原子を示し、また置換基X’は下記の式(3)又は
(4)で表される置換基を示す。
【0013】
【化8】
【0014】式(3)中のR’’1〜R’’5のうちの
少なくとも2個は水酸基であり、その他はC1〜C6の
炭化水素基、ヘテロ原子が直結した置換基又は水素原子
を示す。
【0015】
【化9】
【0016】式(4)中のR’’’1〜R’’’7のう
ちの少なくとも2個は水酸基であり、その他はC1〜C
6の炭化水素基、ヘテロ原子が直結した置換基又は水素
原子を示す。
【0017】
【化10】
【0018】また本発明の請求項2に係るプリプレグ
は、請求項1に記載のリン含有エポキシ樹脂組成物がシ
ート状基材に含浸されていると共に、樹脂成分が半硬化
されて成ることを特徴とするものである。
【0019】また本発明の請求項3に係る樹脂付き金属
箔は、請求項1に記載のリン含有エポキシ樹脂組成物が
金属箔上に塗布されていると共に、樹脂成分が半硬化さ
れて成ることを特徴とするものである。
【0020】また本発明の請求項4に係る接着シート
は、請求項1に記載のリン含有エポキシ樹脂組成物がシ
ート状に形成されていると共に、半硬化されて成ること
を特徴とするものである。
【0021】また本発明の請求項5に係る積層板は、請
求項2に記載のプリプレグ、請求項3に記載の樹脂付き
金属箔又は請求項4に記載の接着シートのうちの少なく
とも一種のものが積層成形されて成ることを特徴とする
ものである。
【0022】また本発明の請求項6に係る多層板は、請
求項2に記載のプリプレグ、請求項3に記載の樹脂付き
金属箔又は請求項4に記載の接着シートのうちの少なく
とも一種のものが多層の積層物の層内に少なくとも一層
含まれて成ることを特徴とするものである。
【0023】また本発明の請求項7に係る塗工用樹脂ワ
ニスは、請求項1に記載のリン含有エポキシ樹脂組成物
から成ることを特徴とするものである。
【0024】また本発明の請求項8に係る多層板は、請
求項7に記載の塗工用樹脂ワニスが塗工されて成ること
を特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0026】本発明に係るリン含有エポキシ樹脂組成物
は、リン含有エポキシ樹脂、4官能エポキシ樹脂、硬化
剤を必須成分とするものである。
【0027】本発明においてリン含有エポキシ樹脂とし
ては、上記の式(1)及び式(2)、又は下記の式
(6)で表される有機リン化合物と、ノボラック型エポ
キシ樹脂を含むエポキシ樹脂とを反応させることによっ
て合成されたものを用いる。ただし、上記の有機リン化
合物とエポキシ樹脂とを反応させて得られたノボラック
型エポキシ樹脂の含有量は、リン含有エポキシ樹脂全量
に対して20質量%以上(実質上の上限は100質量
%)となるように設定する。このようにすると、有害物
質生成の原因となるハロゲンを含有しなくても、難燃性
を十分に確保することができるものである。しかし、上
記のノボラック型エポキシ樹脂の含有量が20質量%未
満であると、難燃性や耐熱性が低下するものである。な
お、ノボラック型エポキシ樹脂には、ノボラック型エポ
キシ樹脂とフェノール類、アミン類又はカルボン酸類を
反応させたもの、各種エポキシ樹脂とノボラック型フェ
ノール樹脂を反応させたものも含まれる。
【0028】
【化11】
【0029】ここで、式(1)や式(2)で表される有
機リン化合物は、式(1)や式(2)中の置換基X,
X’の部分が水素原子である化合物を出発物質として、
この化合物とキノン類とをそれぞれ反応させることによ
って合成することができるものである。以下にこの具体
例を示す。
【0030】式(1)中のR1〜R8及び置換基Xが全
て水素原子である化合物は、9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキ
サイド(例えば、三光化学社製「HCA」)である。こ
の化合物と1,4−ナフトキノンとを反応させると、式
(6)で表される有機リン化合物を合成することができ
る。つまり、式(6)は、式(1)で表される有機リン
化合物の具体例である。上記の合成例は、特開昭60−
126293号公報に開示されているが、不純物を減少
させるためには、1,4−ナフトキノンは9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン
−10−オキサイドよりも化学量論的に少ない量で反応
させる必要がある。
【0031】一方、式(2)中のR’1〜R’10及び
置換基X’が全て水素原子である化合物は、ジフェニル
ホスフィンオキシドであり、この化合物とキノン類とを
反応させたものが挙げられる。
【0032】なお、式(1)や式(2)で表される有機
リン化合物の合成に用いられるキノン類としては、特に
限定されるものではないが、上述した1,4−ナフトキ
ノンのほか、1,4−ベンゾキノン、1,2−ベンゾキ
ノン、トルキノン等も用いることができる。さらにこれ
らのキノン類は1種を単独で使用しても、2種以上を混
合して使用してもいずれでも良い。
【0033】そして、上述した式(1),(2),
(6)で表される有機リン化合物とエポキシ樹脂とから
リン含有エポキシ樹脂を合成するにあたっては、公知の
方法で行うことが可能である。反応温度は100〜20
0℃、より好ましくは120〜180℃であって、上記
の混合物を反応容器中で攪拌し反応させるものである。
反応の進行が遅い場合には、必要に応じて触媒を添加す
ることができる。この触媒の具体例としては、ベンジル
ジメチルアミン等の第三級アミン類、テトラメチルアン
モニウムクロイド等の第四級アンモニウム塩類、トリフ
ェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニ
ル)ホスフィン等のホスフィン類、エチルトリフェニル
ホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩類、2−メ
チルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル等のイミダゾール類等を挙げることができる。
【0034】以上のようにしてリン含有エポキシ樹脂を
合成することができるものであるが、このようにして得
られたリン含有エポキシ樹脂は、リン含有エポキシ樹脂
組成物の調製時において、1種を単独で使用しても、2
種以上を混合して使用してもいずれでも良い。
【0035】ただし、リン含有量は、リン含有エポキシ
樹脂組成物全量に対して0.5〜4.0質量%となるよ
うに設定するものである。リン含有量が上記の範囲内に
あれば、有害物質生成の原因となるハロゲンを含有しな
くても、十分な難燃性を確実に得ることができるもので
ある。しかし、リン含有量が0.5質量%未満である
と、難燃性を確保することが困難となり、逆に4.0質
量%を超えると、耐熱性が悪化するものである。
【0036】また本発明において4官能エポキシ樹脂と
しては、上記の式(5)で表されるものを用いる。この
4官能エポキシ樹脂を用いると、リン含有エポキシ樹脂
組成物の硬化物が紫外線(UV)を遮蔽することがで
き、紫外線の透過を防止することができるものである。
また、リン含有エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転
移温度(Tg)が上昇し、高温強度が増大することによ
り、上記の硬化物の耐熱性を高く得ることができるもの
である。そのため、リフロー半田付けを行うにあたっ
て、従来の半田よりも融点が高い鉛フリー半田を使用し
ても、リフロー加熱によるクラック発生を防止すること
ができるものである。ただし、上記の効果を確実に得る
ためには、上記の4官能エポキシ樹脂の含有量は、全エ
ポキシ樹脂中の1〜20質量%となるように設定するも
のである。上記の4官能エポキシ樹脂の含有量が1質量
%未満であると、UV遮蔽性や耐熱性を十分に得ること
ができず、逆に20質量%を超えると、リン含有エポキ
シ樹脂による難燃性向上の効果が打ち消され、難燃性が
低下する。
【0037】また、上述したリン含有エポキシ樹脂及び
4官能エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂としては、ハロ
ゲンやリンを含有しないものなど任意のエポキシ樹脂を
用いることができるものである。
【0038】また本発明において硬化剤としては、各種
フェノール樹脂類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジッ
ド類、酸性ポリエステル類など通常使用されるものであ
れば特に限定されるものではないが、例えば、ジシアン
ジアミドが好ましい。これらの硬化剤は1種を単独で使
用しても、2種以上を混合して使用してもいずれでも良
い。
【0039】また本発明においては、硬化促進剤を用い
ることができる。例えば、第三級アミン類、第四級アン
モニウム塩類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン
類、イミダゾール類等であるが、これらに限定されるも
のではない。
【0040】また本発明においては、充填材を用いるこ
とができる。特に限定されるものではないが、例えば、
無機充填材としては、炭酸カルシウム、シリカ、カオリ
ン、焼成カオリン、クレー、焼成クレー、タルク、焼成
タルク、金属水酸化物、金属酸化物、ガラス粉末、シリ
カバルーン、シラスバルーン等であり、繊維質充填材と
しては、ガラス繊維、パルプ繊維、合成繊維、セラミッ
ク繊維等であり、有機充填材としては、微粒子ゴム、熱
可塑性エラストマー等である。これらの充填材は1種を
単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもいず
れでも良い。
【0041】そして、本発明に係るリン含有エポキシ樹
脂組成物は、上述したリン含有エポキシ樹脂、4官能エ
ポキシ樹脂、硬化剤を必須成分とし、さらに必要に応じ
てその他の原料を配合し、これをミキサーやブレンダー
等で均一に混合した後、ニーダーやロールで加熱混練す
ることによって調製することができるものである。
【0042】ここでさらに、得られたリン含有エポキシ
樹脂組成物を有機溶剤と混合して粘度調整することによ
り、樹脂ワニスを調製することができるものである。有
機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、エチ
レングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素類等を挙げることができる。これら
の溶剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を混合し
て使用してもいずれでも良い。ただし、リン含有エポキ
シ樹脂組成物の含有量が樹脂ワニス全量中の30〜80
質量%であることが好ましい。
【0043】このようにして得られた樹脂ワニスは、以
下に述べるプリプレグ、樹脂付き金属箔、接着シート、
積層板及び多層板の製造等に用いることができる。さら
に、塗工用樹脂ワニスとして積層板や多層板に塗工して
用いることもできる。このときは必要に応じて、希釈濃
度、溶媒種類、添加剤を変更しても良く、例えば溶媒と
して、より低沸点のものを使用しても良い。
【0044】まず、プリプレグについて説明する。この
製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、上
述した樹脂ワニスをシート状基材に含浸させた後、10
0〜200℃で1〜40分間加熱乾燥し、樹脂成分を半
硬化(Bステージ化)させるものである。ただし、プリ
プレグの樹脂量は、プリプレグの30〜80質量%であ
ることが好ましい。
【0045】ここで、シート状基材としては、特に限定
されるものではないが、例えば、ガラス等の無機質繊維
の織布又は不織布、ポリエステル、ポリアミン、ポリア
クリル、ポリイミド、ケブラー等の有機質繊維の織布又
は不織布を用いることができる。
【0046】次に、樹脂付き金属箔について説明する。
この製造方法も特に限定されるものではないが、例え
ば、上述した樹脂ワニスを金属箔の一方面にロールコー
ター等を用いて塗布した後、100〜200℃で1〜4
0分間加熱乾燥し、樹脂成分を半硬化(Bステージ化)
させるものである。ただし、樹脂付き金属箔の樹脂部分
の厚みは、5〜80μmとなるように形成することが好
ましい。
【0047】ここで、金属箔としては、特に限定される
ものではないが、例えば、銅、アルミニウム、真鍮、ニ
ッケル等の金属を単独で用いたり、合金等の複合材料と
して用いたりすることができる。ただし、金属箔の厚み
は、0.012〜0.070mmであることが好まし
い。
【0048】次に、接着シートについて説明する。この
製造方法も特に限定されるものではないが、例えば、一
般にキャスティング法と呼ばれる方法に基づいて行われ
るものである。すなわち、上述した樹脂ワニスをキャリ
アフィルム上に5〜100μmの厚みとなるように塗布
した後、100〜200℃で1〜40分加熱乾燥し、樹
脂成分を半硬化(Bステージ化)させてシート状に形成
するものである。ただし、接着シートの厚みは、5〜8
0μmとなるように形成することが好ましい。また、上
記の製造方法においては、予めキャリアフィルムの表面
を離型材で処理しておくと、形成された接着シートを容
易に剥離することができて作業性が良くなるものであ
る。
【0049】ここで、キャリアフィルムとしては、樹脂
ワニスに溶解しないものであれば、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリイミ
ドフィルム等を用いることができる。
【0050】次に、積層板について説明する。このもの
は、以下の手順で製造することができる。まず上記のよ
うにして得られたプリプレグ、樹脂付き金属箔又は接着
シートのうちの少なくとも一種のものを1枚又は2枚以
上重ねて積層物を形成する。次いで、この積層物の片面
又は両面に金属箔を配置する。このときの金属箔として
は特に限定されるものではないが、例えば、銅、アルミ
ニウム、真鍮、ニッケル等の金属を単独で用いたり、合
金等の複合材料として用いたりすることができるもので
ある。また、樹脂付き金属箔で積層物を形成する場合に
は、この樹脂付き金属箔の金属箔が積層物の片面又は両
面を形成するように、樹脂付き金属箔を配置するもので
ある。その後、この積層物を金属箔と共に加熱加圧して
積層一体化させることによって積層板を得ることができ
る。なお、加熱加圧の条件は、リン含有エポキシ樹脂組
成物が硬化する条件であれば特に限定されるものではな
いが、例えば、温度を160〜220℃、圧力を0.4
9〜4.9MPa、加熱加圧時間を40〜240分間に
それぞれ設定することができる。ただし、圧力が低すぎ
ると、得られる積層板の内部に気泡が残留し、電気特性
が低下するおそれがあるものである。
【0051】次に、多層板について説明する。このもの
は、上記のようにして得られた積層板を内層材として製
造することができるものである。すなわち、まず積層板
の片面又は両面にアディティブ法やサブトラクティブ法
等により回路を形成する。ここで、回路のパターン形成
においては、パターンニングすべき回路パターンなどが
描かれているフィルムマスクやガラス乾板を透して、強
力な紫外線(UV)を照射することとなるが、本発明に
おいてはプリント配線板のUV遮蔽性が高められている
ので、紫外線がプリント配線板を透過しにくくなってい
る。そのため、露光作業に両面同時露光方式の装置を用
いても、プリント配線板の一方の面に照射した紫外線は
この面にラミネートされた光感光性ドライフィルムを感
光させるだけであり、プリント配線板を透して、他方の
面にラミネートされた光感光性ドライフィルムを感光さ
せるようなことはなくなるものである。従って、高密
度、高精度のパターン形成を容易に行うことが可能とな
る。そして、露光作業の後は現像等の所定の作業を行う
ことによって回路を形成することができ、次いでこの回
路表面に酸溶液等を用いて黒化処理を施し内層材を得る
ことができる。その後、この内層材の片面又は両面の回
路形成面に、プリプレグ、樹脂付き金属箔又は接着シー
トを用いて絶縁層を形成し、さらに絶縁層の表面に導体
層を形成して、多層板を得ることができるものである。
なお、絶縁層の形成については、以下に具体的に示す。
【0052】プリプレグで絶縁層を形成する場合は、ま
ず内層材の回路形成面にプリプレグを1枚又は2枚以上
積層して配置し、さらにその外側に金属箔を配置して積
層物を形成する。そして、この積層物を加熱加圧して積
層一体化することによって、プリプレグの硬化物を絶縁
層として、その外側の金属箔を導体層として形成するも
のである。ここで、金属箔としては特に限定されるもの
ではないが、積層板の形成に用いたものと同様のものを
用いることができる。また、加熱加圧の条件は特に限定
されるものではないが、積層板の形成時と同様の条件で
行うことができる。
【0053】また樹脂付き金属箔で絶縁層を形成する場
合は、まず内層材の回路形成面に、樹脂付き金属箔をそ
の樹脂層が内層材の回路形成面と対向するように重ねて
配置し、積層物を形成する。そして、この積層物を加熱
加圧して積層一体化することによって、樹脂付き金属箔
の樹脂層の硬化物を絶縁層として、その外側の金属箔を
導体層として形成するものである。ここで、加熱加圧の
条件は特に限定されるものではないが、積層板の形成時
と同様の条件で行うことができる。
【0054】また接着シートで絶縁層を形成する場合
は、まず複数枚の内層材の回路形成面に接着シートを配
置して、これらのものを重ね合わせて積層物を形成す
る。あるいは内層材の回路形成面と金属箔との間に接着
シートを配置して積層物を形成する。そして、この積層
物を加熱加圧して積層一体化することによって、接着シ
ートの硬化物を絶縁層として、金属箔を導体層として形
成するものである。ここで、金属箔としては特に限定さ
れるものではないが、積層板の形成に用いたものと同様
のものを用いることができる。また、加熱加圧の条件は
特に限定されるものではないが、積層板の形成時と同様
の条件で行うことができる。
【0055】なお、絶縁層の形成には、上述した塗工用
樹脂ワニスを利用しても良い。すなわち、上記の積層板
や多層板に塗工用樹脂ワニスを塗工し、塗工面に金属箔
等を配し導体層を形成する。そして、さらにこの操作を
繰り返すことによって、より多層の多層板を形成するこ
とができるものである。
【0056】また、以上のようにして得られた多層板か
らプリント配線板や多層プリント配線板を製造すること
ができるものである。すなわち、多層板の片面又は両面
にアディティブ法やサブトラクティブ法等により回路や
バイアホールを形成したり、ドリル加工等によりスルー
ホールを形成し、このスルーホールにめっきを施して各
層間の導通を形成するなどして、プリント配線板を形成
することができるものである。また、このようにして得
られたプリント配線板を内層材として既述の工法を繰り
返すことにより、さらに多層の多層プリント配線板を形
成することができるものである。
【0057】このようにして得られたプリント配線板
(多層プリント配線板を含む)にあっては、耐熱性が十
分に高められているので、鉛フリー半田を用いたリフロ
ー半田付けによって電子部品を実装する場合であって
も、急激な熱ストレスによって回路が基板から剥離する
ことがなく、またクラックが発生することもなくなるも
のである。しかも、上記のプリント配線板にはリン含有
エポキシ樹脂が含有されているので、難燃性が十分に高
められており、臭素等のハロゲンを含有する必要がなく
なり、燃焼時においてハロゲン化水素等の有害物質を生
成する可能性を皆無とすることができるものである。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0059】まず、リン含有エポキシ樹脂の合成を行っ
た。これらの種類は表1に示すように、合成例1〜5の
5種である。また表1には原料の配合量、合成したリン
含有エポキシ樹脂のエポキシ当量及びそのリン含有量を
示す。以下、合成例1〜5についてその操作手順を示
す。
【0060】(合成例1)攪拌装置、温度計、冷却管、
窒素ガス導入装置を備えた四つ口のガラスセパラブルフ
ラスコに「HCA」を160.5g、トルエンを400
g仕込み、「HCA」を加熱して溶解させた。その後、
反応熱に注意して1,4−ナフトキノンを109.0g
少しずつ投入した。反応終了後、「YDPN−638」
を730.0g仕込み、窒素ガスを導入しながら攪拌
し、120℃まで加熱して溶解させた。さらにトリフェ
ニルホスフィンを0.25g添加して、150℃で4時
間反応させた。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキ
シ当量は385、リン含有量は2.3質量%であった。
【0061】(合成例2)「HCA」を209.4g、
トルエンを400g、1,4−ナフトキノンを142.
5g、「YDPN−638」を650.0g、トリフェ
ニルホスフィンを0.25gとした以外は、合成例1と
同じ操作を行った。得られたリン含有エポキシ樹脂のエ
ポキシ当量は580、リン含有量は3.0質量%であっ
た。
【0062】(合成例3)「HCA」を153.5g、
トルエンを400g、1,4−ナフトキノンを104.
5g、「YDCN−701」を750.0g、トリフェ
ニルホスフィンを0.25gとした以外は、合成例1と
同じ操作を行った。得られたリン含有エポキシ樹脂のエ
ポキシ当量は455、リン含有量は2.2質量%であっ
た。
【0063】(合成例4)ジフェニルフォスフィンオキ
シドを124.0g、トルエンを400g、1,4−ナ
フトキノンを90.0g、「YDCN−701」を79
0.0g、トリフェニルホスフィンを0.25gとした
以外は、合成例1と同じ操作を行った。得られたリン含
有エポキシ樹脂のエポキシ当量は390、リン含有量は
1.9質量%であった。
【0064】(合成例5)「HCA」を160.5g、
トルエンを400g、1,4−ベンゾキノンを75.0
g、「YDPN−638」を770.0g、トリフェニ
ルホスフィンを0.25gとした以外は、合成例1と同
じ操作を行った。得られたリン含有エポキシ樹脂のエポ
キシ当量は360、リン含有量は2.3質量%であっ
た。
【0065】
【表1】
【0066】次に、上記のようにして得たリン含有エポ
キシ樹脂を用いて、プリプレグ、樹脂付き銅箔、接着シ
ート、積層板及び多層板を作製した。
【0067】(実施例1〜8及び比較例1〜7,10)
実施例1〜8、比較例1〜7,10について、表2〜表
5に示す組成を有する樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワ
ニスをガラスクロス(日東紡績社製7628タイプ「H
258」)に含浸させた後、155℃で5分間加熱する
ことにより乾燥し、プリプレグを得た。得られたプリプ
レグを2枚積層し、その両側に厚み18μmの銅箔を配
置して積層物を作製した。次いで、この積層物を170
℃、3.9MPaの条件で120分間、加熱加圧成形す
ることにより、内層材用の積層板を作製した。さらに、
全面エッチングした上記の内層材の両側に、それぞれプ
リプレグを1枚積層して配置し、さらにその外側に厚み
18μmの銅箔を配置して積層物を作製した。その後、
この積層物を170℃、3.9MPaの条件で120分
間、加熱加圧成形することにより、多層板を作製した。
【0068】(実施例9及び比較例8)実施例9及び比
較例8について、それぞれ表3及び表5に示す組成を有
する樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを厚み180
μmの銅箔(古河電気工業社製「GT箔」)の一方面に
塗布した後、160℃で10分間加熱することにより乾
燥し、樹脂付き銅箔を得た。さらに、上記の実施例1〜
8及び比較例1〜7,10の場合と同様にして内層材を
作製した。次いで、全面エッチングした上記の内層材の
両側に、それぞれ樹脂付き金属箔をその樹脂層と内層材
の回路形成面とが対向するように配置して積層物を作製
した。その後、この積層物を170℃、0.98MPa
の条件で120分間、加熱加圧成形することにより、多
層板を作製した。
【0069】(実施例10及び比較例9)実施例10及
び比較例9について、それぞれ表3及び表5に示す組成
を有する樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを離型剤
が塗布されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に
バーコーターを用いて塗布した後、160℃で10分間
加熱することにより乾燥し、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを剥離して接着シートを得た。さらに、上記
の実施例1〜8及び比較例1〜7,10の場合と同様に
して内層材を作製した。次いで、全面エッチングした上
記の内層材の両側に、それぞれ接着シートを1枚積層し
て配置し、さらにその外側に厚み18μmの銅箔を配置
して積層物を作製した。その後、この積層物を170
℃、0.98MPaの条件で120分間、加熱加圧成形
することにより、多層板を作製した。
【0070】そして、上記の実施例1〜10及び比較例
1〜10について、以下に示す物性を評価した。これら
の結果を表2〜5に示す。
【0071】(難燃性)多層板に全面エッチングを施
し、UL94−1993 20mm垂直試験方法に従
い、このものの難燃性を評価した。
【0072】(ガラス転移温度(Tg))内層材に全面
エッチングを施したものについて、ガラス転移温度(T
g)をJIS−6481 No5.17.5に準拠して
示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。
【0073】(UV遮蔽性)多層板に全面エッチングを
施し、これに露光機を用いて超高圧水銀ランプの紫外線
(UV)を照射し、この多層板を透過するUVをORC
紫外線照度計(オーク製作所製「UV−M01」)を用
いて測定した。UV透過率は、多層板を透過した紫外線
照度A(W/cm)と、同じ条件で多層板を除いて測
定した紫外線照度B(W/cm)とから、下記の式に
よって求めた。
【0074】UV透過率(%)=(A/B)×100 そして、UV透過率が15%以下のものを「○」、UV
透過率が15%を超えるものを「×」とした。
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】なお、表1〜5において*1〜*12は次
の通りである。
【0080】*1:9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、
三光化学社製「HCA」 *2:ジフェニルフォスフィンオキシド(DPPO) *3:1,4−ナフトキノン(1,4−NQ) *4:1,4−ベンゾキノン(1,4−BQ) *5:フェノールノボラックエポキシ樹脂、東都化成社
製「YDPN−638」 *6:クレゾールノボラックエポキシ樹脂、東都化成社
製「YDCN−701」 *7:式(5)で表される4官能エポキシ樹脂、油化シ
ェルエポキシ社製「EPON1031」 *8:ジシアンジアミド(Dicy) *9:フェノールノボラック、群栄化学社製「PSM4
357」 *10:2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化
成社製「2E4MZ」 *11:ジメチルホルムアミド(DMF) *12:微粒子架橋NBR(アクリロニトリル・ブタジ
エンゴム)、日本合成ゴム社製「XER−91」 表2及び表3にみられるように、実施例1〜10のもの
はいずれも、難燃性に優れており、またガラス転移温度
(Tg)が135℃以上であって耐熱性に優れており、
さらにUV遮蔽性に優れていることが確認される。
【0081】これに対して、表4及び表5にみられるよ
うに、比較例1〜3及び比較例5〜9のものはいずれ
も、難燃性には優れているものの、4官能エポキシ樹脂
を全く用いていないので、UV遮蔽性が悪いことが確認
される。また比較例4のものは、ガラス転移温度(T
g)が高く耐熱性に優れていると共にUV遮蔽性にも優
れているが、4官能エポキシ樹脂の含有量が多すぎるの
で、難燃性が低下していることが確認される。さらに比
較例10のものは、ガラス転移温度(Tg)が高く耐熱
性には優れているものの、リン含有量が少量であって難
燃性が悪く、また4官能エポキシ樹脂を全く用いていな
いので、UV遮蔽性も悪いことが確認される。
【0082】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係るリ
ン含有エポキシ樹脂組成物は、式(1)又は(2)で表
される有機リン化合物の少なくとも一方とエポキシ樹脂
とを反応させて得られたノボラック型エポキシ樹脂を2
0質量%以上含有するリン含有エポキシ樹脂、式(5)
で表される4官能エポキシ樹脂、硬化剤を必須成分と
し、リン含有量が組成物全量中の0.5〜4.0質量%
であると共に、上記の4官能エポキシ樹脂の含有量が全
エポキシ樹脂中の2〜20質量%であるので、リン含有
エポキシ樹脂によって、有害物質生成の原因となるハロ
ゲンを含有することなく難燃性を確保することができる
と共に、上記の4官能エポキシ樹脂によって、UV遮蔽
性や耐熱性を高めることができるものである。
【0083】また本発明の請求項2に係るリン含有エポ
キシ樹脂組成物は、式(6)で表される有機リン化合物
とエポキシ樹脂とを反応させて得られたノボラック型エ
ポキシ樹脂を20質量%以上含有するリン含有エポキシ
樹脂、式(5)で表される4官能エポキシ樹脂、硬化剤
を必須成分とし、リン含有量が組成物全量中の0.5〜
4.0質量%であると共に、上記の4官能エポキシ樹脂
の含有量が全エポキシ樹脂中の2〜20質量%であるの
で、リン含有エポキシ樹脂によって、有害物質生成の原
因となるハロゲンを含有することなく難燃性を確保する
ことができると共に、上記の4官能エポキシ樹脂によっ
て、UV遮蔽性や耐熱性を高めることができるものであ
る。
【0084】また本発明の請求項3に係るプリプレグ
は、請求項1又は2に記載のリン含有エポキシ樹脂組成
物がシート状基材に含浸されていると共に、樹脂成分が
半硬化されて成るので、有害物質生成の原因となるハロ
ゲンを含有することなく難燃性が確保されていると共
に、UV遮蔽性及び耐熱性が高められているものであ
る。
【0085】また本発明の請求項4に係る樹脂付き金属
箔は、請求項1又は2に記載のリン含有エポキシ樹脂組
成物が金属箔上に塗布されていると共に、樹脂成分が半
硬化されて成るので、有害物質生成の原因となるハロゲ
ンを含有することなく難燃性が確保されていると共に、
UV遮蔽性及び耐熱性が高められているものである。
【0086】また本発明の請求項5に係る接着シート
は、請求項1又は2に記載のリン含有エポキシ樹脂組成
物がシート状に形成されていると共に、半硬化されて成
るので、有害物質生成の原因となるハロゲンを含有する
ことなく難燃性が確保されていると共に、UV遮蔽性及
び耐熱性が高められているものである。
【0087】また本発明の請求項6に係る積層板は、請
求項3に記載のプリプレグ、請求項4に記載の樹脂付き
金属箔又は請求項5に記載の接着シートのうちの少なく
とも一種のものが積層成形されて成るので、有害物質生
成の原因となるハロゲンを含有することなく難燃性が確
保されていると共に、UV遮蔽性及び耐熱性が高められ
ているものである。
【0088】また本発明の請求項7に係る多層板は、請
求項3に記載のプリプレグ、請求項4に記載の樹脂付き
金属箔又は請求項5に記載の接着シートのうちの少なく
とも一種のものが多層の積層物の層内に少なくとも一層
含まれて成るので、有害物質生成の原因となるハロゲン
を含有することなく難燃性が確保されていると共に、U
V遮蔽性及び耐熱性が高められているものである。
【0089】また本発明の請求項8に係る塗工用樹脂ワ
ニスは、請求項1又は2に記載のリン含有エポキシ樹脂
組成物から成るので、プリプレグなどの製造に用いる樹
脂ワニスを塗工用樹脂ワニスとして直接積層板や多層板
に塗工することによって、容易に絶縁層を形成すること
ができ、有害物質生成の原因となるハロゲンを含有する
ことなく難燃性を確保することができると共に、UV遮
蔽性及び耐熱性を高めることができるものである。
【0090】また本発明の請求項9に係る多層板は、請
求項8に記載の塗工用樹脂ワニスが塗工されて成るの
で、有害物質生成の原因となるハロゲンを含有すること
なく難燃性が確保されていると共に、UV遮蔽性及び耐
熱性が高められているものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63:00 C08L 63:00 Z (72)発明者 東田 利之 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AB09 AB30 AD32 AG03 AG18 AG19 AH02 AH22 AJ04 AK05 AK14 AL13 4F100 AA04A AB01B AB33B AK53A AK53K AL05A BA02 BA07 CA02A GB43 JB12A JD09 JJ03 JJ07 YY00A 4J036 AA05 AB03 AB07 AF06 CC02 DB15 DC02 DC05 DC31 DC35 DC40 DD07 FB07 FB11 GA21 JA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1)又は(2)で表される有
    機リン化合物の少なくとも一方とエポキシ樹脂とを反応
    させて得られたノボラック型エポキシ樹脂を20質量%
    以上含有するリン含有エポキシ樹脂、下記の式(5)で
    表される4官能エポキシ樹脂、硬化剤を必須成分とし、
    リン含有量が組成物全量中の0.5〜4.0質量%であ
    ると共に、上記の4官能エポキシ樹脂の含有量が全エポ
    キシ樹脂中の1〜20質量%であることを特徴とするリ
    ン含有エポキシ樹脂組成物。 【化1】 式(1)中のR1〜R8は、C1〜C6の炭化水素基、
    ヘテロ原子が直結した置換基又は水素原子を示し、また
    置換基Xは下記の式(3)又は(4)で表される置換基
    を示す。 【化2】 式(2)中のR’1〜R’10は、C1〜C6の炭化水
    素基、ヘテロ原子が直結した置換基又は水素原子を示
    し、また置換基X’は下記の式(3)又は(4)で表さ
    れる置換基を示す。 【化3】 式(3)中のR’’1〜R’’5のうちの少なくとも2
    個は水酸基であり、その他はC1〜C6の炭化水素基、
    ヘテロ原子が直結した置換基又は水素原子を示す。 【化4】 式(4)中のR’’’1〜R’’’7のうちの少なくと
    も2個は水酸基であり、その他はC1〜C6の炭化水素
    基、ヘテロ原子が直結した置換基又は水素原子を示す。 【化5】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のリン含有エポキシ樹脂
    組成物がシート状基材に含浸されていると共に、樹脂成
    分が半硬化されて成ることを特徴とするプリプレグ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のリン含有エポキシ樹脂
    組成物が金属箔上に塗布されていると共に、樹脂成分が
    半硬化されて成ることを特徴とする樹脂付き金属箔。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のリン含有エポキシ樹脂
    組成物がシート状に形成されていると共に、半硬化され
    て成ることを特徴とする接着シート。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のプリプレグ、請求項3
    に記載の樹脂付き金属箔又は請求項4に記載の接着シー
    トのうちの少なくとも一種のものが積層成形されて成る
    ことを特徴とする積層板。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のプリプレグ、請求項3
    に記載の樹脂付き金属箔又は請求項4に記載の接着シー
    トのうちの少なくとも一種のものが多層の積層物の層内
    に少なくとも一層含まれて成ることを特徴とする多層
    板。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のリン含有エポキシ樹脂
    組成物から成ることを特徴とする塗工用樹脂ワニス。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の塗工用樹脂ワニスが塗
    工されて成ることを特徴とする多層板。
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