JP2003342234A - ハイドロキノンモノエステル化合物の合成方法 - Google Patents

ハイドロキノンモノエステル化合物の合成方法

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JP2003342234A JP2002158725A JP2002158725A JP2003342234A JP 2003342234 A JP2003342234 A JP 2003342234A JP 2002158725 A JP2002158725 A JP 2002158725A JP 2002158725 A JP2002158725 A JP 2002158725A JP 2003342234 A JP2003342234 A JP 2003342234A
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Hiroyuki Kawamoto
博之 川本
Hiroshi Takeuchi
寛 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に合成中間体として有用なハイドロキ
ノンモノエステル化合物を、塩基を用いないで温和な反
応条件下にて高収率で合成する方法を提供すること。 【解決手段】 式(I)の化合物と式(II)の化合物
とを塩基を用いずに反応させる。 【化1】 (R1はアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテ
ロ環基またはアミノ基、Xはハロゲン原子、Yは置換
基、nは0〜4の整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロキノンモ
ノエステル化合物を安価に高収率で合成する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ハイドロキノンモノエステル誘導体は医
薬品製造用の中間体として広範な用途を有し、また写真
用有機化合物の中間体あるいは電子ディスプレイ材料用
液晶化合物の中間体としても有用な化合物である。
【0003】従来、ハイドロキノンモノエステル誘導体
の製造法としては、例えば、塩基の存在下でハイドロキ
ノン類と酸ハロゲン化物とを反応させる方法が知られて
いる。しかしこの方法ではハイドロキノン類の二つのO
H基の反応性を区別してコントロールすることが困難で
あり、結果としてモノエステル類とともに多量のジエス
テル類が副生成する。
【0004】ジエステル体の副生を避けるためには、ハ
イドロキノン類を酸ハロゲン化物に対して2倍モル以
上、好ましくは5倍モル以上用いて確率的にジエステル
体の生成量を抑制するのが有効な方法とされている。し
かしながら、この方法では過剰分の未反応ハイドロキノ
ン類の除去に煩雑な工程を必要とする。また、過剰に用
いるハイドロキノン類の分だけ原材料費が高くなってし
まう。
【0005】そのようなことから、ハイドロキノンモノ
エステル化合物の合成法の研究は今日でも続けられてい
るが、なお高収率で製造できる汎用性のある合成法が見
出されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的に合成中間体として有用なハイドロキノン類のモノエ
ステル化合物を塩基を用いないで温和な反応条件下にて
高収率で合成する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、酸ハロゲン化物とハイドロキノン類とを塩基
を用いないで直接反応させることにより、選択的にモノ
エステル体が収率よく得られることを見出し、本発明を
提供するに至った。すなわち本発明は、下記一般式
(I)で表わされる化合物と下記一般式(II)で表わ
される化合物とを塩基を用いずに反応させて、下記一般
式(III)で表わされる化合物を合成することを特徴
とするハイドロキノンモノエステル化合物の合成方法を
提供する。
【化2】 上式中、R1はアルキル基、アラルキル基、アリール
基、ヘテロ環基またはアミノ基を表わし、これらの基は
置換基を有してもよい。Xはハロゲン原子を表わす。Y
は置換基を表わす。nは0または1〜4の整数を表わ
し、nが複数のとき各Yは同じでも異なってもよく、Y
が互いに結合して環形成してもよい。
【0008】本発明の合成方法では、上記一般式(I)
で表わされる化合物を、上記一般式(II)で表わされ
る化合物に対して、0.6〜1.0倍モル用いて反応さ
せることが好ましい。また、本発明の合成方法の反応温
度は50℃〜200℃の範囲であることが好ましく、反
応溶媒として非プロトン性溶媒を用いることが好まし
い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のハイドロ
キノンモノエステル化合物の合成方法について詳細に説
明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に
記載される数値を下限値および上限値として含む意味で
使用される。
【0010】本発明のハイドロキノンモノエステル化合
物の合成方法は、前記の一般式(I)で表わされる化合
物と前記の一般式(II)で表わされる化合物とを塩基
を用いないで直接反応させる点に特徴がある。本明細書
でいう「塩基」には、無機塩基および有機塩基が含まれ
る。無機塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化
カルシウム等が挙げられ、有機塩基としては、例えばト
リエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、N,
N−ジメチルアニリン、N−メチルモルフォリン等が挙
げられる。従来はこれらの塩基を反応系内に存在させる
ことによって、生成するハロゲン化水素を中和させてい
たものと推測される。本発明では、塩基を用いずに一般
式(I)で表わされる化合物と一般式(II)で表わさ
れる化合物を反応させることによって、ジエステル体へ
の副反応が抑制され、しかも収率が良くなることが見出
された。
【0011】以下において、一般式(I)について説明
する。R1はアルキル基、アラルキル基、アリール基、
ヘテロ環基またはアミノ基を表わす。好ましくは、炭素
数1〜20の直鎖、分岐、環状のアルキル基(例えばメ
チル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2
−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基など)、炭素数
7〜20のアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチ
ル基、ナフチルメチル基など)、炭素数6〜20のアリ
ール基(例えばフェニル基、ナフチル基など)、炭素数
5〜20のヘテロ環基(例えばピリジル基、キノリル基
など)、炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜2
0、特に好ましくは炭素数0〜10のアミノ基(例えば
アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピル
アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベ
ンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ
基など)である。
【0012】R1が採り得るアルキル基、アラルキル
基、アリール基、ヘテロ環基およびアミノ基は、それぞ
れ置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基な
ど)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
メトキシエトキシ基、n−ブチルオキシ基、n−オクチ
ルオキシ基、ベンジルオキシ基など)、アリールオキシ
基(例えばフェノキシ基、ナフトキシ基など)、アリー
ル基(例えばフェニル基、ナフチル基など)、アシル基
(例えばアセチル基、ベンゾイル基など)、ハロゲン原
子(塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子)、
シアノ基、ニトロ基、シリル基、シリルオキシ基、カル
バモイル基、カルバモイルオキシ基、スルファモイル
基、スルファモイルアミノ基、ホスフィノ基、ホスフィ
ニル基、ホスホノ基、ホスフィニルオキシ基、ホスホノ
オキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノアミノ基を
挙げることができる。また、置換基を一般式で表したも
のとして、−S−R、−O−CO−R、−CO−NH−
R、−CO−N(R)2、−O−CO−NH−R、−O
−CO−N(R)2、−CO−O−R、−O−CO−O
−R、−NH−R、−N(−R)2、−NH−CO−
R、−NH−CO−NH−R、−NH−CO−N(−
R)2、−NH−CO−O−R、−SO2−NH−R、−
SO2−N(−R)2、−NH−SO2−NH−R、−N
H−SO2−N(−R)2、−NH−SO2−R、−SO
−R、−SO2−R、−N(−CO−R)2、−PH−
R、−P(−R)2、−PH−O−R、−P(−R)
(−O−R)、−P(−O−R)2、−PH(=O)−
R、−P(=O)(−R)2、−PH(=O)−O−
R、−P(=O)(−R)(−O−R)、−P(=O)
(−O−R)2、−O−PH(=O)−R、−O−P
(=O)(−R)2、−O−PH(=O)−O−R、−
O−P(=O)(−R)(−O−R)、−O−P(=
O)(−O−R)2、−NH−PH(=O)−R、−N
H−P(=O)(−R)2、−NH−PH(=O)−O
−R、−NH−P(=O)(−R)(−O−R)、−N
H−P(=O)(−O−R)2、−SiH2−R、−Si
H(−R) 2、−Si(−R)2、−O−SiH2−R、
−O−SiH(−R)2および−O−Si(−R)2を挙
げることができる。ここでRは、脂肪族基、芳香族基ま
たは複素環基を表わす。ここでいう脂肪族基は、アルキ
ル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基または置換アルキニル基を意味する。
同一の基に含まれる複数のRは、互いに同一であっても
異なっていてもよい。
【0013】一般式(I)におけるXは、ハロゲン原子
を表わす。具体的には、塩素原子、臭素原子、フッ素原
子またはヨウ素原子を表わし、その中では塩素原子と臭
素原子が好ましい。
【0014】次に、一般式(II)について説明する。
Yは置換基を表わす。置換基の具体例については、一般
式(I)について例示した置換基と同じである。Yとし
て好ましい置換基は、アルキル基、アルコキシ基および
塩素原子である。nは0または1〜4の整数を表わす。
nが複数のとき各Yは同じでも異なってもよく、Yが互
いに結合して環形成してもよい。Yが互いに結合するこ
とにより形成される環構造のうち好ましいものは、ノル
ボルネン環およびベンゼン環である。
【0015】次に、本発明により合成することができる
一般式(III)で示される化合物の具体例を以下に示
す。但し本発明の合成方法により合成することができる
化合物はこれらの具体例に限定されるわけではない。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】一般式(I)で表わされる化合物と一般式
(II)で表わされる化合物とを塩基を使用しないで反
応させて、一般式(III)で表わされるハイドロキノ
ンモノエステル化合物を合成する本発明の方法におい
て、量論比(モル比)は、一般式(II)で表わされる
化合物1molに対して、一般式(I)で表わされる化
合物が好ましくは0.6〜1.0倍molで、より好ま
しくは0.7〜1.0倍molで、さらにより好ましく
は0.8〜0.9倍molで、最も好ましくは0.8倍
molである。
【0020】本発明における反応温度は、好ましくは5
0℃〜200℃で、より好ましくは50℃〜150℃
で、さらに好ましくは60℃〜120℃で、さらにより
好ましくは70℃〜120℃で、最も好ましくは70℃
〜100℃である。反応時間は、通常30分〜10時間
で、好ましくは1〜8時間で、より好ましくは2〜6時
間である。
【0021】本発明における反応溶媒としては、プロト
ン性溶媒または非プロトン性溶媒を適宜選択してまたは
混合して用いることができる。好ましい反応溶媒は非プ
ロトン性溶媒である。非プロトン性溶媒としてはニトリ
ル類(例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ベン
ゾニトリルなど)、エーテル類(例えばテトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、芳香族類
(例えばベンゼン、トルエンなど)、ハロゲン系溶媒
(例えばジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタ
ンなど)、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル
など)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノンなど)が挙げられる。この中で好ましい
溶媒はニトリル類、エーテル類、ケトン類またはハロゲ
ン類で、特に好ましいのはニトリル類である。
【0022】一般式(I)で表わされる化合物と一般式
(II)で表わされる化合物との反応は、例えば室温で
両者を混合して加熱することにより行うことができる。
室温で混合する際には、一般式(I)で表わされる化合
物の溶液と一般式(II)で表わされる化合物の溶液を
混合することが好ましい。混合は、例えば、一般式
(I)で表わされる化合物の溶液を一般式(II)で表
わされる化合物の溶液へ滴下することにより行うことが
できる。反応は、空気中で行うことができる。
【0023】反応後に得られた反応混合物は、使用目的
に応じてそのまま使用してもよいし、さらに精製してか
ら使用してもよい。精製を行う場合は、再結晶、抽出お
よびクロマトグラフィーなど通常用いられる精製法を行
うことができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴
をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、
使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨
を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解
釈されるべきものではない。
【0025】[実施例1] 例示化合物2の合成 攪拌機、温度計、滴下ロートを装着した300ml三口
フラスコへハイドロキノン11g(0.1mol)を入
れ、アセトニトリル100mlで溶解した。次いで、n
−オクタノイルクロライド、13g(0.08mol)
を溶解したアセトニトリル(25ml)溶液を室温下で
ゆっくり滴下した。滴下後、内温を70℃に保ちながら
3時間反応させた。反応終了後、反応液を氷水300m
lに注ぎ込み、有機層を酢酸エチル500mlで抽出し
た。抽出液を水500mlで3回洗浄したのち、無水硫
酸ナトリウムで脱水乾燥した。乾燥後、酢酸エチルを減
圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1
体積比)で精製することにより液体状の目的物を得た。
収量:22.4g(収率:95%) 化学構造はnmrスペクトルおよびmsスペクトルで確
認した。
【0026】[実施例2] 例示化合物5の合成 攪拌機、温度計、滴下ロートを装着した300ml三口
フラスコへハイドロキノン11g(0.1mol)を入
れ、アセトニトリル100mlで溶解したのち、ベンゾ
イルクロライド11.2g(0.08mol)を室温下
で滴下した。滴下後、内温を70℃に保ちながら5時間
反応させた。反応後、反応液を氷水300ml中へ注ぎ
込み、有機層を酢酸エチル300mlで抽出した。抽出
液を水洗したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾
燥後、酢酸エチルを減圧留去し、得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン
/酢酸エチル=5/1体積比)で精製することにより目
的物を得た。収量:16.4g(収率:96%) 化学構造はnmrスペクトルおよびmsスペクトルで確
認した。
【0027】[実施例3] 例示化合物18の合成 3−アリルチオプロピオン酸クロライドの合成 攪拌機、温度計、滴下ロートを装着した500ml三口
フラスコへアリルブロマイド25g(0.21mol)
と3−メルカプトプロピオン酸20.2g(0.19m
ol)を入れ、メタノール100mlで溶解した。溶解
後、28質量%のナトリウムメチラートメタノール溶液
73.6g(0.38mol)を水冷下でゆっくり滴下
した。滴下後、50℃で2時間反応させて後、反応液を
1mol/Lの塩酸500mlに注入した。分離した有
機層を酢酸エチル500mlで抽出し、分液した酢酸エ
チル層を水洗したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、3−アリルチオ
プロピオン酸を得た。収量:27g(収率:97.1
%)
【0028】ここで得た3−アリルチオプロピオン酸2
1g(0.14mol)とN,N−ジメチルホルムアミ
ド0.72mlをトルエン60mlに溶解しのち、塩化
チオニル18.8g(0.16mol)を室温下でゆっ
くり滴下した。滴下後80℃で2時間反応させたのち、
トルエンおよび過剰の塩化チオニルを減圧留去して液体
状の目的物を得た。収量:23g(収率:97%)
【0029】 例示化合物18の合成 攪拌機、温度計、滴下ロートを装着した200ml三口
フラスコへハイドロキノン18.4g(0.17mo
l)を入れ、アセトニトリル80mlで溶解したのち、
3−アリルチオプロピオン酸クロライド23g(0.1
4mol)を室温下で滴下し、その後80℃で2時間反
応させた。冷却後、反応液を氷水300ml中へ注入
し、分離した有機層を酢酸エチル300mlで抽出し
た。抽出液を水洗したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−
ヘキサン/酢酸エチル=5/1体積比)で精製すること
により、液体状の目的物を得た。収量:32.6g(収
率:95%) 化学構造はnmrスペクトルおよびmsスペクトルで確
認した。
【0030】[実施例4] 例示化合物26の合成 攪拌機、温度計、滴下ロートを装着した200ml三口
フラスコへハイドロキノン18.4g(0.17mo
l)を入れ、アセトニトリル80mlで溶解した後、ベ
ンジルオキシカルボニルクロリド23.9g(0.14
mol)を室温下で滴下し、その後80℃で2時間反応
させた。冷却後、反応液を氷水300ml中へ注入し、
分離した有機層を酢酸エチル300mlで抽出した。抽
出液を水洗したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサ
ン/酢酸エチル=5/1体積比)で精製することにより
液体状の目的物を得た。収量:32.8g(収率:96
%) 化学構造はnmrスペクトルおよびmsスペクトルで確
認した。
【0031】[比較例] 例示化合物2の合成 攪拌機、温度計、滴下ロートを装着した300ml三口
フラスコへハイドロキノン11g(0.1mol)を入
れ、アセトニトリル100mlで溶解した。次いで、n
−オクタノイルクロライド13g(0.08mol)を
溶解したアセトニトリル(25ml)溶液を水冷下でゆ
っくり滴下した。その後、ピリジン6.3g(0.08
mol)を0℃以下に保ちながらゆっくり滴下した。滴
下後、室温下で2時間反応させたのち、反応液を氷水3
00ml中へ注ぎ込み、有機層を酢酸エチル500ml
で抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥し
た。乾燥後、酢酸エチルを減圧留去し、得られた残渣を
シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン
/酢酸エチル=4/1体積比)で単離することにより液
体状の目的物を得た。収量:16.5g(収率:70
%) 化学構造はnmrスペクトルおよびmsスペクトルで確
認した。以上のように、本発明の合成方法は、従来の塩
基(例えばピリジン、トリエチルアミンなど)を用いる
方法に比べて収率よく(より選択的に)目的物が得られ
ることが判った。
【0032】
【発明の効果】本発明の合成方法によれば、工業的に合
成中間体として有用なハイドロキノンモノエステル化合
物を、塩基を用いずに副反応を抑えつつ、温和な反応条
件下にて高収率で合成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/734 C07C 69/734 Z 69/78 69/78 269/00 269/00 271/44 271/44 319/20 319/20 323/20 323/20 323/52 323/52 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 BB41 BC10 BJ50 BM72 BN30 BP10 BP30 RA22 RB32 TA04 TB42 TB55

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされる化合物と
    下記一般式(II)で表わされる化合物とを塩基を用い
    ずに反応させて、下記一般式(III)で表わされる化
    合物を合成することを特徴とするハイドロキノンモノエ
    ステル化合物の合成方法。 【化1】 (上式中、R1はアルキル基、アラルキル基、アリール
    基、ヘテロ環基またはアミノ基を表わし、これらの基は
    置換基を有してもよい。Xはハロゲン原子を表わす。Y
    は置換基を表わす。nは0または1〜4の整数を表わ
    し、nが複数のとき各Yは同じでも異なってもよく、Y
    が互いに結合して環形成してもよい。)
  2. 【請求項2】 上記一般式(I)で表わされる化合物
    を、上記一般式(II)で表わされる化合物に対して、
    0.6〜1.0倍モル用いて反応させることを特徴とす
    る請求項1に記載のハイドロキノンモノエステル化合物
    の合成方法。
  3. 【請求項3】 上記反応の反応温度が50℃〜200℃
    の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載
    のハイドロキノンモノエステル化合物の合成方法。
  4. 【請求項4】 上記反応に用いる反応溶媒が非プロトン
    性溶媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のハイドロキノンモノエステル化合物の合成
    方法。
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