JP2003342086A - 抗菌防黴性陶磁器製品の製造方法 - Google Patents

抗菌防黴性陶磁器製品の製造方法

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JP2003342086A
JP2003342086A JP2003103202A JP2003103202A JP2003342086A JP 2003342086 A JP2003342086 A JP 2003342086A JP 2003103202 A JP2003103202 A JP 2003103202A JP 2003103202 A JP2003103202 A JP 2003103202A JP 2003342086 A JP2003342086 A JP 2003342086A
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antibacterial
glaze
antifungal
hydroxyapatite
silver
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JP2003103202A
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English (en)
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Takashi Oku
隆司 奥
Keijiro Shigeru
啓二郎 茂
Takako Kanazawa
孝子 金澤
Nobuyuki Kumakura
信幸 熊倉
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陶磁器上に900℃〜1300℃の高温で溶
融しても抗菌防黴性を喪失しない釉薬を固定することに
より、陶磁器製品表面に抗菌防黴性を付与する。 【解決手段】 銀を含有する釉薬を塗布し、900℃〜
1300℃の温度で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、表面に釉薬が施さ
れている陶磁器製品の製造方法に係り、詳しくはその表
面が抗菌防黴性を有するタイル、衛生陶器等の抗菌防黴
性陶磁器製品の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】陶磁器に処理される釉薬の重要な機能と
しては、汚れにくく、また、洗浄が容易で衛生的である
ことが挙げられるが、さらに抗菌防黴性が具備されれ
ば、この機能はより一層高められることになる。ところ
で、従来陶磁器やホーローの表面に施される釉薬とし
て、抗菌防黴性を有したものは知られていない。一方、
近年種々の有機系、無機系の抗菌防黴剤が開発されてお
り、これらを陶磁器表面に塗布したり、陶磁器素地に練
り込んだりして抗菌防黴性を付与することがなされてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、これら抗菌防
黴剤を塗布法により、陶磁器上の釉薬の表面に塗布して
も、洗浄によって剥がれる恐れがあり耐久性に難があ
る。一方、練り込み法では、陶磁器素地に練り込んだの
では陶磁器表面に抗菌防黴性を付与することはできな
い。また、耐久性に問題はないものの、抗菌防黴剤を陶
磁器素地ではなく釉薬に練り込むのは現在では不可能で
ある。なぜならば、釉薬はガラス成分でできていること
から陶磁器上に900〜1300℃の高温で溶融して固
定される。そのため、有機物系の抗菌防黴剤では処理時
に分解等により除去されてしまうからであり、また、従
来提案されている銀ゼオライト等の比較的耐熱性に優れ
た無機物系でも溶融ガラス中で侵食され、抗菌防黴性を
喪失してしまうからである。 【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、陶磁器上に900℃〜1300℃の高温で溶融して
も抗菌防黴性を喪失しない釉薬を固定することにより、
陶磁器製品表面に抗菌防黴性を付与することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、900〜13
00℃の高温で釉薬中のガラス成分と共存させても抗菌
防黴性を喪失しない抗菌防黴剤が存在することを見出
し、それに基づいて初めて実用的レベルで陶磁器表面に
抗菌防黴性を付与させたものであり、銀を含有する釉薬
を塗布し、900℃〜1300℃の温度で焼成すること
を特徴とする。ここで、900℃〜1300℃の高温で
釉薬中のガラス成分と共存させても抗菌防黴性を喪失し
ない抗菌防黴剤は、少なくとも銀を含む物質であり、好
適には銀とリン酸を含む物質であり、より好適には、銀
を担持させたハイドロキシアパタイトである。さらに、
より好適には、銀を担持させたハイドロキシアパタイト
が、アルミニウムイオンおよびフッ素イオンの少なくと
も一方を含有していてもよい。銀を含有する釉薬は、素
焼き、または既に施釉された陶磁器製品に塗布すること
ができる。前記陶磁器製品としては、タイルまたは衛生
陶器を例示することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
釉薬に抗菌防黴性を付与する方法としては、(1)釉薬
そのものに抗菌防黴性を持たせる方法と、(2)溶融ガ
ラスに侵食されない抗菌防黴剤を、既製の抗菌防黴剤を
含有しない釉薬に混ぜ込む方法とがあるが、本発明では
(2)の方法を採用することにより抗菌防黴性を有する
釉薬を得て、この釉薬を陶磁器製品の表面に施した。す
なわち、(1)の方法では釉薬が特定の用途にしか使え
ないのに対し、(2)の方法では既製の釉薬に混合でき
るためあらゆる釉薬に対して抗菌防黴性を付与させるこ
とができるからである。 【0007】本発明で使用される釉薬は、少なくとも銀
を含む物質であり、好適には、銀を担持させたハイドロ
キシアパタイト等の銀とリン酸を含む物質を含有してな
るものである。ここで、ハイドロキシアパタイト等の銀
とリン酸を含む物質は、溶融したガラスに侵食されない
ものであり、釉薬に抗菌防黴性を付与するのに好適な添
加剤となっている。ハイドロキシアパタイトにアルミニ
ウムイオンおよびフッ素イオンの一方あるいは両方を含
有させると、ハイドロキシアパタイトの溶融ガラスに対
する耐食性が増大し、より高温で処理する釉薬に対して
も抗菌防黴性を付与することが可能になるのでより好ま
しい。すなわち、ハイドロキシアパタイトは単独では釉
薬において900℃程度まで安定であるが、アルミニウ
ムイオンあるいはフッ素イオンを含有させると1300
℃程度まで安定になるからである。 【0008】銀を担持させたハイドロキシアパタイトを
得るには、まずpH値を5〜7の範囲に調整して、水酸
化カルシウムとリン酸を反応させて、ハイドロキシアパ
タイトを析出させる。ここで、銀を担持させるため、所
定のpHに達した後、銀の水溶性塩を添加し、十分混合
する。これら銀の添加量としては、ハイドロキシアパタ
イトに対して10%以下、好適には0.001〜5%が
よい。なぜなら、0.001%未満であると抗菌・防黴
力が十分に発揮されず、また5%を越えてもそれ以上の
銀の担持が望めないからである。 【0009】また、アルミニウムイオンあるいはフッ素
イオンを含有させるためには、銀を添加するのと同時に
これらのイオンを添加する。アルミニウムイオン源とし
ては硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムが好適であ
り、フッ素イオン源としてはフッ化ナトリウム、フッ化
カリウムが好適である。次に、このようにして得られ
た、銀を担持したハイドロキシアパタイト、さらにはア
ルミニウムイオンおよびフッ素イオンの一方あるいは両
方を含有したハイドロキシアパタイトの沈殿を十分洗浄
し、その後これを乾燥して粉体とする。 【0010】本発明で使用される抗菌防黴性を有した釉
薬を得るには、前記ハイドロキシアパタイトを従来から
の釉原料に添加混合する。ハイドロキシアパタイトの添
加量については、釉原料に対して1〜20重量%が好適
とされる。すなわち、1重量%より少ないと抗菌防黴力
が弱くなり、また20重量%よりも多いと釉薬の特性が
損なわれる恐れがあるからである。このような抗菌防黴
性を有した釉薬を陶磁器製品の表面に焼き付ける方法に
ついては、前記ハイドロキシアパタイトを混合しない従
来のものと同じ方法が採用できる。 【0011】 【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。種々の条件にて抗菌防黴性を有するハイドロキシア
パタイトを合成した。合成は37g/lの水酸化カルシ
ウム懸濁液に80g/lのリン酸を滴下することによっ
て行った。ハイドロキシアパタイト合成の際のpHは4
〜7の範囲とし、抗菌性金属源としては銀イオンを使用
した。銀イオンの濃度はハイドロキシアパタイトに対し
て2重量%とした。また、一部の試料についてはアルミ
ニウムイオンあるいはフッ素イオンを添加した。これら
の濃度も、ハイドロキシアパタイトに対してそれぞれ2
重量%とした。 【0012】次に、得られた合成ハイドロキシアパタイ
トを乾燥して粉末とし、この粉末を釉薬に対して5重量
%添加して本発明の釉薬を得た。ここで、釉薬としては
ホーロー釉(融点700℃)と陶器釉(融点1100
℃)とをそれぞれ用いた。釉薬を700〜1300℃の
範囲の温度で10分間溶融し、さらに冷却固化した後の
釉薬を微粉砕した。微粉砕物について抗菌性防黴性を評
価し、その結果を第1表に示す。なお、菌には大腸菌
を、また黴にはクロカビをそれぞれ用いた。また、評価
については、それぞれ菌あるいは黴が成育したものにつ
いては×、成育せず抗菌あるいは防黴性が認められたも
のについては○とした。 【0013】 【表1】 表1より、本発明で使用した釉薬は抗菌防黴性を有する
ことが確認された。この抗菌防黴性釉薬を水と混合して
水性スラリーとし、陶磁器表面に塗布し、900℃〜1
300℃の温度で焼成することにより抗菌防黴性陶磁器
製品を製造することができる。 【0014】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、9
00〜1300℃の高温で釉薬中のガラス成分と共存さ
せても抗菌防黴性を喪失しない抗菌防黴剤が陶磁器製品
の表面に施されているので、表面抗菌防黴性を有する陶
磁器製品が提供可能となる。したがって、衛生性が向上
したタイル、衛生陶器等の抗菌防黴性陶磁器製品が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金澤 孝子 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社中央研究所内 (72)発明者 熊倉 信幸 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社中央研究所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 銀を含有する釉薬を塗布し、900℃〜
    1300℃の温度で焼成することを特徴とする抗菌防黴
    性陶磁器製品の製造方法。
JP2003103202A 2003-04-07 2003-04-07 抗菌防黴性陶磁器製品の製造方法 Pending JP2003342086A (ja)

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Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040727

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02