JP2003342027A - 光学素子の成形方法とその装置 - Google Patents

光学素子の成形方法とその装置

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JP2003342027A
JP2003342027A JP2002150294A JP2002150294A JP2003342027A JP 2003342027 A JP2003342027 A JP 2003342027A JP 2002150294 A JP2002150294 A JP 2002150294A JP 2002150294 A JP2002150294 A JP 2002150294A JP 2003342027 A JP2003342027 A JP 2003342027A
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molding
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sleeve
mold
atmosphere
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Katsuhiko Iwano
克彦 岩野
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリーブと成形型とで形成される空間に非酸
化性ガスを流入させても、成形型外周部の温度不安定の
影響を受けずに、面精度の高い光学素子を得る。 【解決手段】 スリーブの内部に摺動自在に挿入される
一対の成形型1、2の間にガラス素材を4載置し、成形
型1、2とガラス素材4とを加熱して押圧成形する光学
素子の成形方法において、押圧時には、スリーブ3と成
形型1、2とにより形成される空間16の雰囲気を交換
しながら、成形される光学素子の直径より10mm以上
大きい直径を有する成形型1、2を用いて成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱軟化したガラ
ス素材を一対の成形型により押圧成形して光学素子を得
る光学素子の成形方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、安価に光学素子を製造するため
に、ガラス素材を上型と下型とにより押圧成形して光学
素子を得る光学素子の成形方法が広く行われている。こ
のような成形方法においては、大気という酸化性を有す
る高温雰囲気中でガラスを扱う場合、ガラスから揮発し
た成分が成形型の成形面や案内型の内面に付着し、成形
品の面精度が劣化したり、案内面をガイドにして上下動
する成形型の押圧動作に支障をきたし、成形品に偏心が
生じる等の問題があった。
【0003】この問題に関しては、特公平3−6078
0号公報所載の技術(従来例1)が開示されている。こ
れは、型酸化防止と成形面へのガス残り防止のため、胴
型と成形型とが造る空間の雰囲気を置換するための孔を
胴型に設けたものである。このように、胴型に雰囲気置
換用孔を設けたことにより、この雰囲気置換用孔を介し
て成形型内のガスは、金型の昇温時に対流により、成形
室内の還元性雰囲気と置換される。
【0004】また、特開平4−149034号公報所載
の技術(従来例2)が開示されている。これは、加熱に
より成形型の成形面が酸化するのを防止するため型周囲
の雰囲気置換を行う際に、胴型側面とさらにその胴型を
囲む筐体に、胴型内部の雰囲気置換用の孔を設け、常圧
下で雰囲気置換を短時間に行い成形しようとするもので
ある。
【0005】一方、特開平9−118530号公報所載
の技術(従来例3)が開示されている。これは、加熱軟
化したガラス素材を、このガラス素材より低い温度に予
熱した成形型により押圧成形してガラス光学素子を得る
ものである。ガラス素材は、10ポアズ未満に相等す
る温度に加熱し、成形型は10〜1012ポアズに相
当する温度に加熱して、加熱軟化したガラス素材を予熱
した成形型内で加圧し、その後冷却して成形型からガラ
ス成形品を離型するものである。このように、成形型の
予熱温度をガラス素材より低くすることにより、ガラス
素材を押圧する時間が短くなり、また成形型の温度も低
いので、成形型の成形面がガラス素材の揮発成分により
受けるダメージを少なくしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来技
術にはつぎのような問題点があった。即ち、従来例1お
よび従来例2のように、成形型の位置決めをする胴型側
面に雰囲気置換用孔を設けた場合、加熱成形中は非酸化
性雰囲気の濃度を一定に保つために非酸化性ガスを流し
続けなければならず、雰囲気置換用孔から流れ込んだ非
酸化性ガスが成形型の外周部を冷やすことになる。成形
型および光学素材は外周の胴型を介して加熱されるた
め、成形品の外周部の温度コントロールが難しくなり、
成形型の外周部の温度は不安定になる。そのため、成形
型の外径寸法と成形品の光学素子の外径寸法が近い場合
には、成形品の外周部に転写精度の劣化が生じ、成形品
の光学素子の面精度が悪くなるという問題点があった。
【0007】また、従来例3においては、加熱軟化した
ガラス素材を予熱した成形型と案内型が造る密閉空間に
挿入するため、加熱軟化したガラス素材に含まれる酸化
性の揮発物により、非酸化性雰囲気の濃度が下がり、成
形型の成形面や案内型がダメージを受けることが避けら
れず、ガラスからの揮発成分が成形面や案内型の内面に
付着し、成形面を曇らせて成形品の面精度を劣化させた
り、案内面に付着して成形型の押圧動作に支障を来し
て、成形品の偏心が大きくなるという等の問題点があっ
た。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、請求項1に係る発明の課題は、スリーブと
成形型とで形成される空間に非酸化性ガスを流入させて
も、成形型外周部の温度不安定の影響を受けずに、面精
度の高い光学素子を得る光学素子の成形方法を提供する
ことである。
【0009】請求項2または3に係る発明の課題は、請
求項1に係る発明の光学素子の成形方法を実施するため
の成形装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、スリーブの内部に摺動自在
に挿入される一対の成形型の間にガラス素材を載置し、
前記成形型とガラス素材とを加熱して押圧成形する光学
素子の成形方法において、押圧時には、前記スリーブと
前記成形型とにより形成される空間の雰囲気を交換しな
がら、成形される光学素子の直径より10mm以上大き
い直径を有する前記成形型を用いて成形する。
【0011】請求項2または3に係る発明は、スリーブ
の内部に摺動自在に挿入される一対の成形型の間にガラ
ス素材を載置し、前記成形型とガラス素材とを加熱して
押圧成形する光学素子の成形装置において、前記スリー
ブには、該スリーブと押圧時の前記成形型とにより空間
を形成する部分に雰囲気交換孔を設け、前記成形型は成
形される光学素子の直径より10mm以上大きい直径を
有する。
【0012】請求項1に係る発明の光学素子の成形方法
では、押圧時には、スリーブと成形型とにより形成され
る空間の雰囲気を交換しながら、成形される光学素子の
直径より10mm以上大きい直径を有する一対の成形型
を用いて成形することにより、成形中にガラス素材から
揮発した成分が成形型やスリーブに付着し難くなり、ま
た、型外周部の温度の不安定な部分から光学素子の外周
が離れた位置の範囲内で成形されるため、型外周部の温
度低下の影響を受けない。
【0013】請求項2または3に係る発明の光学素子の
成形装置では、スリーブには、このスリーブと押圧時の
一対の成形型とにより空間を形成する部分に雰囲気交換
孔を設け、一対の成形型は成形される光学素子の直径よ
り10mm以上大きい直径を有することにより、成形中
にスリーブに設けた雰囲気交換孔を通じてガラス素材か
らの揮発成分を含む雰囲気を交換させ、型外周部の温度
の不安定な部分から光学素子の外周が離れた位置の範囲
内で成形させることができる。
【0014】請求項3に係る発明の光学素子の成形装置
では、上記作用に加え、スリーブの外周面上に固定し、
かつ、この外周面とほぼ垂直な方向に縁部が延伸する気
体流通遮断手段を設けるとともに、この気体流通遮断手
段を挟むそれぞれの側に1個以上の雰囲気交換孔を設け
たことにより、気体流通遮断手段の上方の雰囲気交換孔
から非酸化性ガスを流入し、気体流通遮断手段の下方の
雰囲気交換孔から排出する流れをつくり、スリーブ内部
のガラス素材から発生する酸化性揮発物を積極的に外部
に放出させる。
【0015】
【発明の実施の形態】請求項1に関する発明の光学素子
の成形方法について説明する。成形品の光学素子の外径
より10mm以上大きい一対の成形型の下型上に光学素
子を載置して、側面に雰囲気置換用の孔を設けたスリー
ブを上型に挿入固定し、さらに下型をスリーブに挿入し
て、ガラス素材を成形型で挟み込む。成形室の周囲に
は、一対の成形型、スリーブおよびガラス素材の全体を
加熱するヒータがあり、成形室内を密閉した後、内部雰
囲気を真空引きして酸化性雰囲気を成形室より引き出し
た後、非酸化性ガスを流入して雰囲気を置換し、一対の
成形型とガラス素材とを加熱する。加熱時は非酸化性雰
囲気を保持するため非酸化性ガスを流入し続ける。ガラ
ス素材の温度がガラスの転移点以上軟化点以下の温度に
なるまで加熱し、一対の成形型で光学素子が所望の形状
になるまで押圧する、その後、一対の成形型と成形品の
光学素子とを転移点以下の温度まで冷却して、成形型と
ガラスとの収縮差により離型する温度にした後、一対の
成形型間から成形した光学素子を取り出す。
【0016】この光学素子の成形方法によれば、成形中
にもスリーブに設けた雰囲気置換用の孔から非酸化性ガ
スが流入されるので、成形中にガラスから揮発した成分
が成形型やスリーブ内に付着し難くなり、成形型やスリ
ーブの劣化が防止できる。そして、非酸化性ガスの流入
による型外周部の温度低下による成形品の転写精度の劣
化も、成形型の外径を成形した外径より10mm以上大
きくすることにより、型外周部の温度の不安定な部分か
ら光学素子の外周が離れた位置で成形できるため、成形
された光学素子は高い面精度が得られる。
【0017】つぎに、請求項3に係る発明の光学素子の
成形装置について説明する。成形室内の上方から非酸化
性ガスを流入し、下方から排出する流れをつくり、スリ
ーブの雰囲気交換用の孔を上下に設けて、その間に非酸
化性ガスの流れを遮るリング状の平板を取り付けたこと
により、スリーブ内部に積極的に非酸化性ガスを流し込
む。この光学素子の成形装置によれば、ガラス素材から
の酸化性の揮発物を積極的に外部に放出でき、より成形
型のダメージを低減することができる。
【0018】以下、本発明の具体的な実施の形態につい
て説明する。
【0019】(実施の形態1)図1〜図3は実施の形態
1を示し、図1は光学素子成形装置の要部断面図、図2
は光学素子成形装置の全体構成図、図3は下型上部の外
径と成形後の光学素子の外径との関係を示す説明図であ
る。
【0020】図1において、一対の成形型としての上型
1と下型2とは対向して配置され、上型1、下型2はそ
れぞれ上ダイプレート7、下ダイプレート8に固定され
ている。上ダイプレート7、下ダイプレート8はそれぞ
れ上軸9、下軸10に取り付けられている。上型1の下
部外周面1aにはスリーブ3が挿入され、スリーブ3は
上型1の下部外周面1aに螺刻された図示しない切欠き
部に、スリーブ3に穿設されたネジ孔に螺合するスリー
ブ固定ネジ6で固着されている。下型2の上部外周面2
aは、上型1の下部外周面1aと同一径に仕上げられ、
上型1およびスリーブ3の中心軸は、下型2の中心軸と
合致しており、図2に示すように、ガラス素材4の載置
時、および成形された光学素子の取り出し時に、下型2
が下軸10の上下動で下降しても、再度上昇する際に
は、下型2はスリーブ3内にスムーズに挿入されるよう
になっている。
【0021】図1に示すように、スリーブ3の外周面の
ほぼ上下中間位置付近(上型1の成形面と下型2の成形
面とスリーブ3の内周面とで形成される空間の位置)に
は、複数の雰囲気交換孔3a、3bが放射状に穿設さ
れ、ガラス素材4を押圧した状態で、上型1の外周面1
a、下型2の外周面2aによって雰囲気交換孔3a、3
bが塞がれない位置になっている。スリーブ3の外周面
の雰囲気交換孔3a、3bの間には、気体流通遮断手段
としてのセパレータリング5が、リング固定ネジ11で
固定されている。このセパレータリング5は、スリーブ
3の外周径に相当する内周径を有し、スリーブ3の中心
軸にほぼ垂直な方向へ縁部を延伸させてその外周部を形
成している。そして、上型1、下型2およびスリーブ3
を囲繞する位置には、セパレータリング5に接触しない
間隔を保って、筒状の成形室側壁12が配設されてい
る。上型1、下型2、スリーブ3およびスリーブ固定ネ
ジ6の材質は炭化タングステン合金(WC合金)やセラ
ミックスであり、セパレータリング5、リング固定ネジ
11の材質は、SUS等の耐熱、耐食金属である。成形
室側壁12には石英ガラス等の耐熱ガラスを使用してい
る。
【0022】つぎに、光学素子成形装置の全体構成につ
いて説明する。図2において、光学素子成形装置は、下
部に底板25を配設し、底板25上にサーボモータ33
が固定されている。サーボモータ33の図示しない直動
機構の先端には、下軸10が固定され、上下動可能にな
っている。底板25とステージ24とは、複数のステー
ジ支柱27によって連結固定されている。また、ステー
ジ24と天板23とは、複数の天板支柱26によって連
結固定されている。天板23には、前述した上軸9が垂
設され、上軸9には上ダイプレート7を介して上型1が
固定されている。ステージ24には、エアシリンダ31
が取り付けられ、シリンダ31の先端は、成形室天板2
8に固定されている。成形室天板28には、中心側に成
形室側壁12、外周側に断熱壁29が垂設されている。
断熱壁29の内側には、ヒータ30が配設され、図示し
ない固定具で固定されている。ヒータ30には、赤外線
照射タイプのものを使用する。断熱壁29、ヒータ30
および成形室側壁12は、エアシリンダ31の駆動で上
下動可能となっている。
【0023】ステージ24と成形室側壁12の下端面が
接触するところには、成形室を密閉するためのOリング
32が埋設されている。また、成形室天板28に上軸9
が嵌合する貫通孔28aにも、成形室内を密閉するため
の図示しないOリングが埋設されている。さらに、ステ
ージ24に下軸10が嵌合する貫通孔24aにも、同様
に図示しないOリングが埋設されている。成形室天板2
8の成形室側壁12の内側には、窒素(N)ガス等の
非酸化性ガスを流入させるための図示しない流入口が開
閉弁を介して配設されている。また、ステージ24のO
リング32の内側には、成形室内の雰囲気を排出するた
めの図示しない排気口が配設され、そこから図示しない
排気弁を介して図示しない真空発生ポンプに接続されて
いる。
【0024】つぎに、図3を用いて、成形品の光学素子
15と上型1及び下型2との関係について説明する。下
型2の上部外周面2a(図1参照)の外径d(上型1
の下部外周面1aの外径も同一)は、成形品の光学素子
15の外径dよりも、成形後の状態で、10mm以上
大きくなるように設定し、上型1及び下型2の中心軸と
ガラス素材4の中心軸とを合致(図1参照)させて、押
圧成形を行うようにする。なお、図3において、スリー
ブ3、光学素子の有効径13、および成形型の成形面の
外縁径14をそれぞれ図示している。
【0025】つぎに、光学素子の成形方法について説明
する。図2において、サーボモータ33を駆動して、下
型2を下降させる。つぎに、成形室天板28をエアシリ
ンダ31により上昇させ、成形室側壁12を上方に退避
させる。そして、下型2の型中心部にガラス素材4を載
置する。ガラス素材4は成形する光学素子の形状によっ
て異なるが、ガラス研磨レンズや、ガラスゴブのように
鏡面仕上げされたものを用いる。
【0026】つぎに、サーボモータ33を駆動して下軸
10を上昇させ、上軸9および上型1に保持されたスリ
ーブ3内に下型2を挿入して、ガラス素材4を上型1と
下型2とで挟持した状態にする。このとき、ガラス素材
4にかかる圧力は、押圧前の工程で行う真空引きや非酸
化性ガスの流入によりガラス素材4が載置位置よりずれ
ず、かつ、挟んだガラス素材4の鏡面がキズやカンなど
が発生しない程度の圧力になるようにサーボモータ33
により下軸10の高さを調節する。続いて、エアシリン
ダ31により成形室天板28を下降させ、成形室側壁1
2の下端面をOリング32に圧接させ、成形室を密封す
る。
【0027】図示しない排気弁を開き真空ポンプを駆動
して、図示しない排気口から成形室内の雰囲気を排出す
る。このとき、上型1、下型2およびスリーブ3からな
る空間16(図1参照)の雰囲気もスリーブ3の雰囲気
交換孔3a、3b(図1参照)より吸引される。成形室
内の圧力を1Pa以下にした後、真空ポンプを停止させ
るとともに、図示しない非酸化性ガスの開閉弁を開放し
て、成形室天板28に設けた図示しない流入口から非酸
化性ガスを成形室内へ導入させる。非酸化性ガスは成形
室内が真空に引かれているので、速やかに成形室内に行
き渡り、上型1、下型2およびスリーブ3からなる空間
16も雰囲気交換孔3a、3bを通じて非酸化性ガスの
雰囲気で満たされる。
【0028】成形室内の雰囲気が置換された後、ヒータ
30により上型1、下型2、スリーブ3およびガラス素
材4の加熱を開始する。加熱中は成形室内の非酸化性雰
囲気の濃度を保つため、成形室天板28の流入口から、
5〜10リットル/分の非酸化性ガスを一定圧で流し、
排気口から外部へ排気する。これにより、非酸化性ガス
は成形室天板28方向からステージ24側の方向へ流れ
るが、スリーブ3の側面につけたセパレータリング5に
よって、スリーブ3と成形室側壁12の間の流れは遮断
され、スリーブ3の雰囲気交換孔3a(図1参照)から
雰囲気交換孔3b(図1参照)への流路ができ、ガラス
加熱による揮発物を上型1、下型2およびスリーブ3か
らなる空間16から外部へ排出することができる。
【0029】上型1、下型2および光学素材4が転移点
以上軟化点以下の温度まで達すると、サーボモータ33
を駆動して下軸10を上昇させ、上型1と下型2とでガ
ラス素材4を所望の形状に成形する。このとき、上型1
および下型2の成形面14(図3参照)の外周部は、雰
囲気交換孔3aから流入し雰囲気交換孔3bから流出す
る非酸化性ガスによる冷却効果とヒータ30による加熱
の効果とが重なり、温度が不安定な状態になる。しか
し、図3に示したように、押圧によって外径が大きくな
った光学素子15の外径dよりも上型1の下部外周面
1aおよび下型2の上部外周面2aの外径dを10m
m以上大きくしてあることにより、温度不安定な上型1
および下型2の外周部には、成形した光学素子15の外
周部は接触しない。押圧成形の終了後、上型1、下型2
およびスリーブ3と成形した光学素子15とを冷却し、
成形室内部の温度がWC合金の酸化温度よりも低くなっ
てから、非酸化性ガスの流入を停止し、エアシリンダ3
1により成形室を上方に移動させ、成形された光学素子
15を取り出す。
【0030】ここで、上述の光学素子の成形方法により
実際に成形したレンズの球面側のアス収差およびコマ収
差を評価した結果を表1に示す。なお、測定機はZYG
O社製MARK・を使用した。
【0031】
【表1】
【0032】表1は、直径28mmのレンズを、直径が
30mmおよび40mmの2種類の成形型によって各々
5個成形した結果である。この成形型は、直径以外の条
件は同一に揃えてある。表1から分かるように、直径4
0mmの成形型によって成形した場合、平均値からはコ
マ収差には大きな改善はみられないものの、アス収差は
大幅に改善されている。また、成形型の外径が大きいぼ
ど、球面側の非対称成分(アス、コマ)のバラツキ(σ
の値)が減り、安定した面形状が得られる。このアス収
差とコマ収差は、ともにレンズ面の非対称成分を評価し
た値であり、成形時にこの収差を下げないと、以降の工
程で低減することはできないので、成形前にこれらの収
差を低く抑える対策をとることが重要となる。なお、単
位の1waveは、ここでは633nmである。
【0033】本実施の形態によれば、加熱、成形時のガ
ラスから発生する揮発物はスリーブ内からスリーブ外に
流れる非酸化性ガスとともに外部に放出されるため、成
形型の成形面やスリーブの内面の劣化防止ができ、成形
型が長期間使用できるようになり、光学素子のコストを
低減させることができる。また、非酸化性ガスをスリー
ブ内に流し込むことにより、上型および下型の成形面の
外周部に温度の不安定な部分を生じるが、上型および下
型の外径を、成形された光学素子の外径より10mm以
上大きくしてあるので、温度が不安定な部分に光学素子
の外周部が接触することは避けられ、表1に示すように
アス、コマ等の非対称成分とそのバラツキの小さい高精
度な面形状を有する光学素子を得ることができる。
【0034】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、成形中に
ガラス素材から揮発した成分が成形型やスリーブに付着
し難くなり、また、型外周部の温度の不安定な部分から
光学素子の外周が離れた位置の範囲内で成形されるた
め、型外周部の温度不安定の影響を受けないので、成形
型やスリーブの劣化が防止でき、かつ、ヒケや転写精度
の劣化が生じることなく、面精度の高い光学素子を得る
ことができる。
【0035】請求項2または3に係る発明によれば、成
形中にスリーブに設けた雰囲気交換孔を通じてガラス素
材からの揮発成分を含む雰囲気を交換させ、型外周部の
温度の不安定な部分から光学素子の外周が離れた位置の
範囲内で成形させることができるので、成形型やスリー
ブの劣化が防止でき、かつ、型外周部の温度不安定の影
響を成形作業に与えない光学素子の成形装置を提供する
ことができる。
【0036】請求項3に係る発明によれば、上記効果に
加え、成形室の上方から非酸化性ガスを流し込み、下方
から排出する流れをつくり、スリーブ内部のガラス素材
から発生する酸化性揮発物を積極的に外部に放出させる
ので、成形型の成形面やスリーブの内面の劣化防止がで
き、成形型が長期間使用できるようになり、光学素子の
コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学素子成形装置の要部断面図である。
【図2】光学素子成形装置の全体構成図である。
【図3】下型上部の外径と成形後の光学素子の外径との
関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 上型 2 下型 3 スリーブ 4 ガラス素材 16 空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリーブの内部に摺動自在に挿入される
    一対の成形型の間にガラス素材を載置し、前記成形型と
    ガラス素材とを加熱して押圧成形する光学素子の成形方
    法において、 押圧時には、前記スリーブと前記成形型とにより形成さ
    れる空間の雰囲気を交換しながら、成形される光学素子
    の直径より10mm以上大きい直径を有する前記成形型
    を用いて成形することを特徴とする光学素子の成形方
    法。
  2. 【請求項2】 スリーブの内部に摺動自在に挿入される
    一対の成形型の間にガラス素材を載置し、前記成形型と
    ガラス素材とを加熱して押圧成形する光学素子の成形装
    置において、 前記スリーブには、該スリーブと押圧時の前記成形型と
    により空間を形成する部分に雰囲気交換孔を設け、前記
    成形型は成形される光学素子の直径より10mm以上大
    きい直径を有することを特徴とする光学素子の成形装
    置。
  3. 【請求項3】 前記スリーブの外周面上に固定し、か
    つ、この外周面とほぼ垂直な方向に縁部が延伸する気体
    流通遮断手段を設けるとともに、この気体流通遮断手段
    を挟むそれぞれの側に1個以上の前記雰囲気交換孔を設
    けたことを特徴とする請求項2記載の光学素子の成形装
    置。
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