JP2003341527A - 車両用ステアリング装置及びその製造方法 - Google Patents

車両用ステアリング装置及びその製造方法

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JP2003341527A JP2002152597A JP2002152597A JP2003341527A JP 2003341527 A JP2003341527 A JP 2003341527A JP 2002152597 A JP2002152597 A JP 2002152597A JP 2002152597 A JP2002152597 A JP 2002152597A JP 2003341527 A JP2003341527 A JP 2003341527A
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毅 松宮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステアリングコラムに一体的に形成した膨出
部の面剛性(曲げ剛性)を向上し、コラム自体を高剛性
にして、ステアリングコラムの車体への保持力を飛躍的
に高くすること。 【解決手段】 ステアリングコラム1に膨出部7を一体
的に成形する際、コラム位置調整用長孔8、8の周縁と
なる部位に、フランジ20(フレア)となる部位を残存
しながら、膨出部7を成形している。次いで、フランジ
20(フレア)を残存しながら、コラム位置調整用長孔
8、8を穿孔している。従って、コラム位置調整用長孔
8、8の周縁に、フランジ20(フレア)が形成してあ
るため、ステアリングコラム1に一体的に形成した膨出
部7の断面係数を高くして、膨出部7の面剛性(曲げ剛
性)を著しく向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレスコピック調
整可能なステアリングコラムに一体的に形成した膨出部
の面剛性(曲げ剛性)を向上し、コラム自体を高剛性に
して、ステアリングコラムの車体への保持力を飛躍的に
高くすることができる車両用ステアリング装置及びその
製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】例えば、特開平10−35511号公報に
開示したチルト・テレスコピック式ステアリング装置に
おいては、ステアリングコラムをチルト傾動自在及びテ
レスコピック摺動自在に構成すると共に、チルト・テレ
スコピック締付時、ステアリングコラムに取付けたコラ
ム側部材を、車体に取付けた車体側部材にクランプ機構
により圧接して締付・保持している。特に、上記公報で
は、クランプ機構による締付時、車体側部材とクランプ
機構との間に、薄板状で金属製の摩擦板を多数枚介装
し、これにより、ステアリングコラムの車体への保持力
を高めている。
【0003】一般的に、ステアリングコラムに設けたコ
ラム側部材(例えば、ディスタンスブラケット)には、
クランプ部材の締付ボルトを通挿してステアリングコラ
ムを軸方向に案内するコラム位置調整用長孔が形成して
あり、このコラム側部材は、一般的には、ステアリング
コラムと別体であって、その製造時、溶接や加締め等に
よりステアリングコラムに固定してある。
【0004】しかしながら、コラム側部材がステアリン
グコラムと別体であり、その製造時、溶接や加締め等を
用いているため、ディスタンスブラケット等のコラム側
部材の締め付け面が熱変形したり、面精度の管理が面倒
であったりして、製造コスト(材料費、加工費、組立
費)の高騰やステアリングコラムの重量の増大を招来す
るといったことがある。
【0005】このようなことから、特開平8−2768
52号公報、特開平10−7003号公報、及び特願2
001−383244号においては、鋼管状の素材を、
塑性加工等により、膨出部を一体的に備えたステアリン
グコラムに成形し、膨出部の側面に、クランプ機構の締
付ボルトを通挿するコラム位置調整用長孔を形成してい
る。これにより、コラム位置調整用長孔を有する膨出部
を、ステアリングコラムに一体的な閉断面構造としてい
る。従って、ステアリングコラム自体を高剛性にできる
と共に、製造コスト(材料費、加工費、及び組立費)や
重量を大幅に削減することができる。なお、本出願人が
出願した特願2001−383244号においては、加
工方法として、薄肉の鋼管を金型内に収納し、鋼管内に
圧力水・油を充填し、鋼管を膨らませて所望形状に成形
するハイドロフォーム法を用いており、プレス成型の後
に溶接して閉断面構造の部材を製造する場合に比べて、
溶接箇所が無いことから強度や剛性に優れ、加工コスト
の削減や軽量化を図れるといった利点がある。
【0006】このように、ステアリングコラムに膨出部
を一体的な閉断面構造としたチルト・テレスコピック式
ステアリング装置の従来例を図4に示す。図4(a)
は、ステアリングコラムの車体側アッパーブラケットへ
の固定部の断面図であり、図4(b)は、ステアリング
コラムと膨出部の断面図である。
【0007】図4(a)に示すように、車体側アッパー
ブラケット5、5のチルト調整用長孔6、6と、膨出部
7のコラム位置調整用長孔8、8とには、締付ボルト9
が通挿してあり、締付ボルト9の先端螺子部には、不図
示のチルト・テレスコピック用の操作レバーに一体的な
調整用ナット11が螺合してある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来技術に
おいて、ステアリングコラムの膨出部に形成したコラム
位置調整用長孔は、一般的な加工方法により穿孔してあ
るにすぎず、この長孔の周縁は、開放端となっている。
【0009】その結果、膨出部における長孔周囲の面剛
性(曲げ剛性)がそれ程得られず、膨出部の面剛性(曲
げ剛性)の低さが懸念されるといったことがある。
【0010】また、長孔の周縁は開放端となっており、
膨出部の面剛性(曲げ剛性)が低いことから、穿孔加工
方法も、ミーリング等の煩雑な機械加工方法を採用せざ
るを得ないといったことがある。
【0011】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであって、ステアリングコラムに一体的に形
成した膨出部の面剛性(曲げ剛性)を向上し、コラム自
体を高剛性にして、ステアリングコラムの車体への保持
力を飛躍的に高くすることができる車両用ステアリング
装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る車両用ステアリング装置は、ステアリ
ングコラムに膨出部を一体的に成形し、膨出部にコラム
位置調整用長孔を穿孔した車両用ステアリング装置にお
いて、前記コラム位置調整用長孔の周縁に、フランジを
形成したことを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る車両用ステアリング装
置の製造方法は、ステアリングコラムに膨出部を一体的
に成形し、膨出部にコラム位置調整用長孔を穿孔した車
両用ステアリング装置の製造方法において、前記コラム
位置前記膨出部を一体的に成形する際、前記テレスコピ
ック調整用長孔の周縁となる部位に、フランジとなる部
位を残存しながら、前記膨出部を成形する工程と、前記
フランジを残存しながら、前記コラム位置調整用長孔を
穿孔する工程と、を具備することを特徴とする。
【0014】このように、本発明によれば、コラム位置
調整用長孔の周縁に、フランジが形成してあるため、ス
テアリングコラムに一体的に形成した膨出部の断面係数
を高くして、膨出部の面剛性(曲げ剛性)を著しく向上
することができる。
【0015】従って、ステアリングコラム自体を高剛性
にして、ステアリングコラムの車体への保持力を飛躍的
に高くすることができる。また、膨出部の面剛性(曲げ
剛性)を十分に高くすることができるため、穿孔加工方
法も、ミーリング等の煩雑な機械加工方法以外に、プレ
スによる穿孔方法も採用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
車両用ステアリング装置及びその製造方法を図面を参照
しつつ説明する。
【0017】図1は、本発明の実施の形態に係る車両用
チルト・テレスコピック式ステアリング装置全体の側面
図を示し、図2(a)は、図1のA−A線に沿った断面
図であって、本発明の実施の形態に係る車両用チルト・
テレスコピック式ステアリング装置の膨出部を一体的な
閉断面構造としたステアリングコラムの断面図であり、
図2(b)は、図1に示すチルト・テレスコピック式ス
テアリング装置のA−A線に沿った断面図である。
【0018】図3は、図2に示した膨出部を一体的な閉
断面構造としたステアリングコラムの成形工程を示す図
である。
【0019】図1、図2において、本発明の実施の形態
に係る車両用チルト・テレスコピック式ステアリング装
置では、ステアリングコラム1には、ステアリングシャ
フト2が回転自在に支持してあり、ステアリングシャフ
ト2の車両後方端には、ステアリングホイール3が装着
してある。
【0020】ステアリングコラム1の車両前方側端部
は、車体側ロアーブラケット4に摺動および回動自在に
支持してあり、ステアリングコラム1の車両中央部は、
車体側アッパーブラケット5に揺動自在に支持してあ
る。
【0021】詳説すれば、車体側アッパーブラケット5
は車体側に水平部分5a、5aと該水平部分5a,5a
に一体で該水平部分より垂下する対向平板部5b,5b
とを有しており、該平板部5b,5bにはチルト調整用
長孔6、6が形成してある。ステアリングコラムに一体
的に形成した膨出部7には、コラム位置調整用長孔8、
8が形成してある。
【0022】以上のように構成したチルト・テレスコピ
ック式ステアリング装置においては、チルト・テレスコ
ピック締付時には、操作レバー10を締付方向に回動す
ると、締付ボルト9の頭部と調整ナット11との間隔が
狭くなり、車体側アッパーブラケット5がステアリング
コラム1の膨出部7に圧接し、これにより、チルト・テ
レスコピック締付することができる。
【0023】一方、チルト・テレスコピック解除時に
は、操作レバー10を解除方向に回動すると、締付ボル
ト9の頭部と調整ナット11との間隔が拡なり、車体側
アッパーブラケット5とステアリングコラム1の膨出部
7との圧接を解除し、これにより、チルト・テレスコピ
ック解除することができ、ステアリングコラム1を所望
の位置に調整することができる。
【0024】図2に示すように、本実施の形態では、鋼
管状の素材を、ハイドロフォーム法により、膨出部7を
一体的に備えたステアリングコラム1に成形し、膨出部
7の両側面に、クランプ機構の締付ボルト9を通挿する
一対のコラム位置調整用長孔8、8が形成してある。
【0025】ここで、ハイドロフォーム法とは、薄肉の
鋼管を金型内に収納し、鋼管内に圧力水・油を充填し、
鋼管を膨らませて所望形状に成形する方法であり、もし
くは、簡易な方法として、ゴムなどを用い充填して膨出
させる方法であり、プレス成型の後に溶接して閉断面構
造の部材を製造する場合に比べて、溶接箇所が無いこと
から熱変形が少なく、加工、製造コストの削減や軽量化
を図れるといった利点がある。
【0026】このように、本実施の形態では、膨出部7
がステアリングコラム1に一体的な閉断面構造としてあ
り、主にそのテレスコ用の孔の周りに設けたフランジが
あるため、ステアリングコラム1自体を高剛性にして、
ステアリングコラムの車体への保持力を飛躍的に高くす
ることができると共に、製造コスト(材料費、加工費、
及び組立費)や重量を大幅に削減することができる。
【0027】図3に示すように、ステアリングコラム1
に膨出部7を一体的に成形する際、コラム位置調整用長
孔8、8の周縁となる部位に、フランジ20(フレア)
となる部位を残存しながら、膨出部7を成形している。
【0028】次いで、フランジ20(フレア)を残存し
ながら、コラム位置調整用長孔8、8を穿孔している。
本実施の形態では、穿孔加工方法としては、膨出部7の
面剛性(曲げ剛性)を十分に高くすることができること
から、ミーリング等の煩雑な機械加工方法以外に、プレ
スによる穿孔方法も採用することができる。
【0029】このように、本実施の形態によれば、コラ
ム位置調整用長孔8、8の周縁に、フランジ20(フレ
ア)が形成してあるため、ステアリングコラム1に一体
的に形成した膨出部7の断面係数を高くして、膨出部7
の面剛性(曲げ剛性)を著しく向上することができる。
【0030】従って、ステアリングコラム1自体を高剛
性にして、ステアリングコラム1の車体への保持力を飛
躍的に高くすることができる。これにより、ひいては、
振動剛性を向上することができ、衝突時の保持力も増大
することができる。
【0031】また、本実施の形態では、フランジ20
(フレア)は、膨出部7の内側に向けて延びているた
め、コラム位置調整用長孔8、8の周囲に発生する虞れ
のある「バリ」の問題を回避することができる。
【0032】本実施の形態においては、チルト位置とテ
レスコ位置との双方を調整可能なコラム位置調整の例と
して述べたが、本発明はこれに限定されず、チルト位置
のみまたはテレスコ位置のみの調整用長孔についても適
用が可能である。
【0033】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されず、種々変形可能である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コラム位置調整用長孔の周縁に、フランジが形成してあ
るため、ステアリングコラムに一体的に形成した膨出部
の断面係数を高くして、膨出部の面剛性(曲げ剛性)を
著しく向上することができる。
【0035】従って、ステアリングコラム自体を高剛性
にして、ステアリングコラムの車体への保持力を飛躍的
に高くすることができる。また、膨出部の面剛性(曲げ
剛性)を十分に高くすることができるため、穿孔加工方
法も、ミーリング等の煩雑な加工方法以外に、プレスに
よる穿孔方法も採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用チルト・テレ
スコピック式ステアリング装置全体の側面図を示す。
【図2】(a)は、図1のA−A線に沿った断面図であ
って、本発明の実施の形態に係る車両用チルト・テレス
コピック式ステアリング装置の膨出部を一体的な閉断面
構造としたステアリングコラムの断面図であり、(b)
は、図1に示すチルト・テレスコピック式ステアリング
装置のA−A線に沿った断面図である。
【図3】図2に示した膨出部を一体的な閉断面構造とし
たステアリングコラムの成形工程を示す図である。
【図4】(a)は、従来例におけるステアリングコラム
の車体側アッパーブラケットへの固定部の断面図であ
り、(b)は、ステアリングコラムと膨出部の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ステアリングコラム 2 ステアリングシャフト 3 ステアリングホイール 4 車体側ロアーブラケット 5 車体側アッパーブラケット 5a 水平部分 5b 平板部 6 チルト調整用長孔 7 膨出部 8 コラム位置調整用長孔 9 締付ボルト 10 操作レバー 11 調整ナット 20 フランジ(フレア)
フロントページの続き (72)発明者 井上 孝司 群馬県前橋市総社町一丁目8番1号 日本 精工株式会社内 Fターム(参考) 3D030 DC01 DC16 DD19 DD25 DD79 DF00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングコラムに膨出部を一体的に
    成形し、膨出部にコラム位置調整用長孔を穿孔した車両
    用ステアリング装置において、 前記コラム位置調整用長孔の周縁に、フランジを形成し
    たことを特徴とする車両用ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 ステアリングコラムに膨出部を一体的に
    成形し、膨出部にコラム位置調整用長孔を穿孔した車両
    用ステアリング装置の製造方法において、 前記ステアリングコラムに前記膨出部を一体的に成形す
    る際、前記コラム位置調整用長孔の周縁となる部位に、
    フランジとなる部位を残存しながら、前記膨出部を成形
    する工程と、 前記フランジを残存しながら、前記コラム位置調整用長
    孔を穿孔する工程と、を具備することを特徴とする車両
    用ステアリング装置の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008296754A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Nsk Ltd 位置調整式ステアリング装置
JP2013032074A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Nsk Ltd テレスコピックステアリング装置
EP4029760B1 (de) * 2021-01-15 2024-04-03 Jungheinrich Aktiengesellschaft Lenksäulen-anordnung für ein fahrzeug

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