JP2003341107A - インクジェットプリンタ - Google Patents
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- JP2003341107A JP2003341107A JP2002157586A JP2002157586A JP2003341107A JP 2003341107 A JP2003341107 A JP 2003341107A JP 2002157586 A JP2002157586 A JP 2002157586A JP 2002157586 A JP2002157586 A JP 2002157586A JP 2003341107 A JP2003341107 A JP 2003341107A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- blade
- ejection
- viscosity
- recording head
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高粘度インクであっても摺擦後にブレードの
先端部に残留するインク量を低減することで、短期間で
ブレードを交換しなくとも長期にわたって明瞭な画像形
成を可能とするインクジェットプリンタを提供する。 【解決手段】 記録媒体に高粘度インクを吐出して画像
形成を行うインクジェットプリンタである。このインク
ジェットプリンタは、記録媒体に向けて高粘度インクを
吐出する吐出口および吐出口を複数配列した吐出面を有
する記録ヘッドと、吐出面を清掃する清掃手段とを備え
る。清掃手段は、吐出面を弾性変形しながら先端部で摺
擦するブレードと、ブレードに接触し、かつ吐出面を摺
擦することによりブレードに付着した高粘度インクを吸
収する吸収体とを備える。
先端部に残留するインク量を低減することで、短期間で
ブレードを交換しなくとも長期にわたって明瞭な画像形
成を可能とするインクジェットプリンタを提供する。 【解決手段】 記録媒体に高粘度インクを吐出して画像
形成を行うインクジェットプリンタである。このインク
ジェットプリンタは、記録媒体に向けて高粘度インクを
吐出する吐出口および吐出口を複数配列した吐出面を有
する記録ヘッドと、吐出面を清掃する清掃手段とを備え
る。清掃手段は、吐出面を弾性変形しながら先端部で摺
擦するブレードと、ブレードに接触し、かつ吐出面を摺
擦することによりブレードに付着した高粘度インクを吸
収する吸収体とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録液として高粘
度インクを用いるインクジェットプリンタに関する。
度インクを用いるインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタにおいては、イ
ンクを記録媒体に吐出する吐出口が、記録ヘッドの一面
(吐出面)に備えられている。この記録ヘッドには、イ
ンクの粘度の増大、インクの固着による吐出口の目詰ま
り、あるいは吐出口に通じる液路内に発生した気泡やご
み等による目詰まりを回復するために、記録ヘッドの吐
出面をキャップ部材で密閉するように覆い、このキャッ
プ部材を介して吸引ポンプで吸引することにより、流路
内に残留している気泡をインクとともに吐出口から吸引
除去したり、吐出面に付着したごみ等を除去したりする
メンテナンスが行われている。
ンクを記録媒体に吐出する吐出口が、記録ヘッドの一面
(吐出面)に備えられている。この記録ヘッドには、イ
ンクの粘度の増大、インクの固着による吐出口の目詰ま
り、あるいは吐出口に通じる液路内に発生した気泡やご
み等による目詰まりを回復するために、記録ヘッドの吐
出面をキャップ部材で密閉するように覆い、このキャッ
プ部材を介して吸引ポンプで吸引することにより、流路
内に残留している気泡をインクとともに吐出口から吸引
除去したり、吐出面に付着したごみ等を除去したりする
メンテナンスが行われている。
【0003】通常、キャップ部材を記録ヘッドから取り
外した際には、吐出面にインク滴が多数残留することに
なる。インク滴が吐出面に残ったままであると、明瞭な
画像形成が行えない。このため、キャップ部材離脱後に
おいては、弾性を有し立設した状態のブレードの先端部
を吐出面に摺擦させることで、吐出面を拭き取り清掃し
ている。
外した際には、吐出面にインク滴が多数残留することに
なる。インク滴が吐出面に残ったままであると、明瞭な
画像形成が行えない。このため、キャップ部材離脱後に
おいては、弾性を有し立設した状態のブレードの先端部
を吐出面に摺擦させることで、吐出面を拭き取り清掃し
ている。
【0004】ここで、ブレードは、記録ヘッドの吐出面
と接触する部分(先端部)に多量のインクが残留したま
まの状態であると、そのワイプ性能は劣化しやすい。し
かし、従来使われていた一般的なインクであれば、摺擦
後にブレードの先端部に付着したインクの多くはブレー
ドに沿って下方へと流れるために、ワイプ性能の劣化を
進行させにくい。
と接触する部分(先端部)に多量のインクが残留したま
まの状態であると、そのワイプ性能は劣化しやすい。し
かし、従来使われていた一般的なインクであれば、摺擦
後にブレードの先端部に付着したインクの多くはブレー
ドに沿って下方へと流れるために、ワイプ性能の劣化を
進行させにくい。
【0005】ところで近年、インクジェットプリンタに
は、紫外線が照射されることで硬化するUVインクを記
録液として用いたものが開発されている。このように、
UVインクを用いて画像形成を行った場合、画像形成後
に紫外線を照射すればUVインクは硬化し、長期間にわ
たって形成画像を消え難くすることができ、形成画像を
屋外などに配置した際においても優れた耐候性を示すこ
とができる。
は、紫外線が照射されることで硬化するUVインクを記
録液として用いたものが開発されている。このように、
UVインクを用いて画像形成を行った場合、画像形成後
に紫外線を照射すればUVインクは硬化し、長期間にわ
たって形成画像を消え難くすることができ、形成画像を
屋外などに配置した際においても優れた耐候性を示すこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、常温時
においてUVインクは、一般的なインクと比べて粘度の
高い高粘度インクであるので、摺擦によりブレードの先
端部に付着すると、その粘度のためになかなか流下せ
ず、そのまま先端部に残留してしまう。このように、ブ
レードの先端部にインクが多量に残留したままである
と、ブレードのワイプ性能の低下を進行させてしまい、
短期間でブレードを交換しなければ、形成画像が不明瞭
となってしまう。
においてUVインクは、一般的なインクと比べて粘度の
高い高粘度インクであるので、摺擦によりブレードの先
端部に付着すると、その粘度のためになかなか流下せ
ず、そのまま先端部に残留してしまう。このように、ブ
レードの先端部にインクが多量に残留したままである
と、ブレードのワイプ性能の低下を進行させてしまい、
短期間でブレードを交換しなければ、形成画像が不明瞭
となってしまう。
【0007】本発明の課題は、高粘度インクであっても
摺擦後にブレードの先端部に残留するインク量を低減す
ることで、短期間でブレードを交換しなくとも長期にわ
たって明瞭な画像形成を可能とするインクジェットプリ
ンタを提供することを目的とする。
摺擦後にブレードの先端部に残留するインク量を低減す
ることで、短期間でブレードを交換しなくとも長期にわ
たって明瞭な画像形成を可能とするインクジェットプリ
ンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
記録媒体に高粘度インクを吐出して画像形成を行うイン
クジェットプリンタにおいて、前記記録媒体に向けて高
粘度インクを吐出する吐出口および前記吐出口を複数配
列した吐出面を有する記録ヘッドと、前記吐出面を清掃
する清掃手段とを備え、前記清掃手段は、前記吐出面を
弾性変形しながら先端部で摺擦するブレードと、前記ブ
レードに接触し、かつ前記吐出面に対する摺擦により前
記ブレードに付着した高粘度インクを吸収する吸収体と
を備えることを特徴としている。
記録媒体に高粘度インクを吐出して画像形成を行うイン
クジェットプリンタにおいて、前記記録媒体に向けて高
粘度インクを吐出する吐出口および前記吐出口を複数配
列した吐出面を有する記録ヘッドと、前記吐出面を清掃
する清掃手段とを備え、前記清掃手段は、前記吐出面を
弾性変形しながら先端部で摺擦するブレードと、前記ブ
レードに接触し、かつ前記吐出面に対する摺擦により前
記ブレードに付着した高粘度インクを吸収する吸収体と
を備えることを特徴としている。
【0009】請求項1記載の発明によれば、ブレードに
付着した高粘度インクは吸収体によって吸収されるの
で、流下しにくい高粘度インクであろうと吸収体の吸収
力によりブレードの先端部から吸収される。このため、
ブレードの先端部に残留するインクを低減でき、短期間
でブレードを交換しなくとも長期にわたって、明瞭な画
像形成を可能とする。
付着した高粘度インクは吸収体によって吸収されるの
で、流下しにくい高粘度インクであろうと吸収体の吸収
力によりブレードの先端部から吸収される。このため、
ブレードの先端部に残留するインクを低減でき、短期間
でブレードを交換しなくとも長期にわたって、明瞭な画
像形成を可能とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載のイ
ンクジェットプリンタにおいて、前記吸収体は、前記ブ
レードの先端部から後端部に向かって、前記ブレードに
沿って設けられていることを特徴としている。
ンクジェットプリンタにおいて、前記吸収体は、前記ブ
レードの先端部から後端部に向かって、前記ブレードに
沿って設けられていることを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明によれば、吸収体が、
ブレードの先端部から後端部に向かって、ブレードに沿
って設けられているので、ブレードの先端部に付着した
高粘度インクを吸収できる。ここで、ブレードの先端部
とは、ブレードの先端から、摺擦後にブレードに付着し
た高粘度インクの、ブレードの先端から最も離れた端部
までの部分が好ましい。つまり、摺擦後にブレードの先
端部に付着した高粘度インクは、確実に吸収体と接触し
て、吸収体により吸収される。このため、摺擦を複数回
行う場合において、各回毎に、ブレードの先端部に残留
する高粘度インクを確実に吸収でき、ワイプ性能の低下
を抑制することができる。なお、吸収体は、ブレードが
吐出面を摺擦する際に、吐出面に対して非接触であるこ
とが好ましく、こうした場合、摺擦時に吸収体と吐出面
との接触により吐出口のメニスカスが壊されることを防
止できる。
ブレードの先端部から後端部に向かって、ブレードに沿
って設けられているので、ブレードの先端部に付着した
高粘度インクを吸収できる。ここで、ブレードの先端部
とは、ブレードの先端から、摺擦後にブレードに付着し
た高粘度インクの、ブレードの先端から最も離れた端部
までの部分が好ましい。つまり、摺擦後にブレードの先
端部に付着した高粘度インクは、確実に吸収体と接触し
て、吸収体により吸収される。このため、摺擦を複数回
行う場合において、各回毎に、ブレードの先端部に残留
する高粘度インクを確実に吸収でき、ワイプ性能の低下
を抑制することができる。なお、吸収体は、ブレードが
吐出面を摺擦する際に、吐出面に対して非接触であるこ
とが好ましく、こうした場合、摺擦時に吸収体と吐出面
との接触により吐出口のメニスカスが壊されることを防
止できる。
【0012】なお、高粘度インクは粘度が高いために、
摺擦により吐出面から取り除いたインクは、そのほとん
どがブレードの先端部に溜まった状態で付着している。
つまり、上記した「摺擦面に付着した高粘度インク」と
は、摺擦後にブレードの先端部に溜まっている高粘度イ
ンクのことである。
摺擦により吐出面から取り除いたインクは、そのほとん
どがブレードの先端部に溜まった状態で付着している。
つまり、上記した「摺擦面に付着した高粘度インク」と
は、摺擦後にブレードの先端部に溜まっている高粘度イ
ンクのことである。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または2
に記載のインクジェットプリンタにおいて、30℃にお
ける粘度が10mPa・s〜500mPa・sの高粘度
インクを、30℃〜150℃の範囲内に収まるように加
熱する加熱手段を備え、前記記録ヘッドは、前記加熱手
段により加熱された高粘度インクを、1ドット当たり2
pl〜20plの範囲で吐出することを特徴としてい
る。
に記載のインクジェットプリンタにおいて、30℃にお
ける粘度が10mPa・s〜500mPa・sの高粘度
インクを、30℃〜150℃の範囲内に収まるように加
熱する加熱手段を備え、前記記録ヘッドは、前記加熱手
段により加熱された高粘度インクを、1ドット当たり2
pl〜20plの範囲で吐出することを特徴としてい
る。
【0014】請求項3記載の発明によれば、高粘度イン
クは加熱手段によって、30℃〜150℃の範囲内に収
まるように加熱されるので、この加熱により高粘度イン
クの粘度は下がり、射出安定性の点で好ましい。なお、
さらに好ましくは40℃〜100℃の範囲内である。一
般に、高粘度インクは、30℃以下および150℃以上
では、射出が困難になる。高粘度インクは、概して水性
インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅
が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速
度に大きく影響を与え、画質劣化をおこすため、インク
温度をできるだけ一定に保つことが必要である。インク
温度の制御幅は設定温度±5℃、好ましくは設定温度±
2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃である。インク
ジェットプリンタには、インク温度の安定化手段を備え
るが、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンク
がある場合は中間タンク)、から吐出面までの配管系、
部材の全てが対象となる。
クは加熱手段によって、30℃〜150℃の範囲内に収
まるように加熱されるので、この加熱により高粘度イン
クの粘度は下がり、射出安定性の点で好ましい。なお、
さらに好ましくは40℃〜100℃の範囲内である。一
般に、高粘度インクは、30℃以下および150℃以上
では、射出が困難になる。高粘度インクは、概して水性
インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅
が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速
度に大きく影響を与え、画質劣化をおこすため、インク
温度をできるだけ一定に保つことが必要である。インク
温度の制御幅は設定温度±5℃、好ましくは設定温度±
2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃である。インク
ジェットプリンタには、インク温度の安定化手段を備え
るが、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンク
がある場合は中間タンク)、から吐出面までの配管系、
部材の全てが対象となる。
【0015】温度コントロールのため、温度センサーを
各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた
加熱制御をすることが好ましい。また、加熱する記録ヘ
ッドユニットは、装置本体や外気からの温度の影響を受
けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが
好ましい。加熱に要するプリンタ立ち上げ時間を短縮す
るため、また熱エネルギーのロスを低減するために、他
部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容
量を小さくすることが好ましい。
各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた
加熱制御をすることが好ましい。また、加熱する記録ヘ
ッドユニットは、装置本体や外気からの温度の影響を受
けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが
好ましい。加熱に要するプリンタ立ち上げ時間を短縮す
るため、また熱エネルギーのロスを低減するために、他
部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容
量を小さくすることが好ましい。
【0016】また、記録ヘッドの1ドット当たりの吐出
量が2pl未満であると、形成される画像の濃度が低く
なってしまう。このため、請求項3記載の発明によれ
ば、記録ヘッドが、加熱手段により加熱された高粘度イ
ンクを、1ドット当たり2pl〜20plの範囲で吐出
するので、形成する画像の濃度低下を防止している。な
お。1ドットあたりの射出量は、好ましくは4pl〜1
0plである。
量が2pl未満であると、形成される画像の濃度が低く
なってしまう。このため、請求項3記載の発明によれ
ば、記録ヘッドが、加熱手段により加熱された高粘度イ
ンクを、1ドット当たり2pl〜20plの範囲で吐出
するので、形成する画像の濃度低下を防止している。な
お。1ドットあたりの射出量は、好ましくは4pl〜1
0plである。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドが前記記録媒体上に高粘度インクを吐出
した後に、前記記録媒体に光を照射する光照射手段を備
え、高粘度インクは、光が照射されることにより硬化す
る光硬化インクであることを特徴としている。
ずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドが前記記録媒体上に高粘度インクを吐出
した後に、前記記録媒体に光を照射する光照射手段を備
え、高粘度インクは、光が照射されることにより硬化す
る光硬化インクであることを特徴としている。
【0018】請求項4記載の発明によれば、高粘度イン
クとして光硬化インクを適用したインクジェットプリン
タにおいても、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発
明と同等の効果を得ることができる。
クとして光硬化インクを適用したインクジェットプリン
タにおいても、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発
明と同等の効果を得ることができる。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記ブレードは、ゴムまたはゴム状部材を、表面の滑ら
かなほぼ板状に形成したものであることを特徴としてい
る。
ずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記ブレードは、ゴムまたはゴム状部材を、表面の滑ら
かなほぼ板状に形成したものであることを特徴としてい
る。
【0020】請求項5記載の発明によれば、ゴムまたは
ゴム状部材を、表面の滑らかなほぼ板状に形成したもの
をブレードとしているので、ブレードが液体を吸収する
ことを防止している。このためブレードに付着した高粘
度インクは確実に吸収体に吸収されることとなり、高粘
度インクによるワイプ性能の低下を抑制することができ
る。
ゴム状部材を、表面の滑らかなほぼ板状に形成したもの
をブレードとしているので、ブレードが液体を吸収する
ことを防止している。このためブレードに付着した高粘
度インクは確実に吸収体に吸収されることとなり、高粘
度インクによるワイプ性能の低下を抑制することができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図1〜図4の図面を参照しながら説明する。
いて、図1〜図4の図面を参照しながら説明する。
【0022】この実施の形態で例示されるインクジェッ
トプリンタ1は、温度上昇に伴って低粘度化し、紫外線
が照射されることで硬化するUVインク(高粘度イン
ク:以下インクと記述)を記録媒体に吐出し画像形成を
行うものである。このインクジェットプリンタ1の主要
構成は、図1に示すように、シート状の記録媒体2を画
像形成時に前方へ搬送させる搬送手段(図示省略)と、
記録媒体2にインクを吐出する記録ヘッド3と、複数色
毎の記録ヘッド3を搭載したキャリッジ4と、記録ヘッ
ド3のメンテナンスを行うメンテナンスユニット5と、
画像形成時あるいはメンテナンス時などにキャリッジ4
を水平方向(矢印A)に沿って案内するガイドレール6
と、前記キャリッジ4の待機所となるホームポジション
7と、これら各部の制御を行う制御部(図示省略)とを
備えている。
トプリンタ1は、温度上昇に伴って低粘度化し、紫外線
が照射されることで硬化するUVインク(高粘度イン
ク:以下インクと記述)を記録媒体に吐出し画像形成を
行うものである。このインクジェットプリンタ1の主要
構成は、図1に示すように、シート状の記録媒体2を画
像形成時に前方へ搬送させる搬送手段(図示省略)と、
記録媒体2にインクを吐出する記録ヘッド3と、複数色
毎の記録ヘッド3を搭載したキャリッジ4と、記録ヘッ
ド3のメンテナンスを行うメンテナンスユニット5と、
画像形成時あるいはメンテナンス時などにキャリッジ4
を水平方向(矢印A)に沿って案内するガイドレール6
と、前記キャリッジ4の待機所となるホームポジション
7と、これら各部の制御を行う制御部(図示省略)とを
備えている。
【0023】ここで用いられる高粘度インクは、30℃
における粘度が10mPa・s〜3000mPa・sと
なるインクであり、好ましくは30℃における粘度が1
0mPa・s〜500mPa・sとなるインクである。
10mPa・s未満であれば、記録媒体に着弾した後に
滲みやすく、500mPa・sを超えると、形成画像の
平滑性が失われてしまう。そして、さらに好ましくは、
30℃における粘度が40mPa・s〜500mPa・
sとなるインクである。そして、上記した高粘度インク
を加熱して吐出する際には、粘度が3mPa・s以下で
は、高速射出に不具合を生じ、また30mPa・sで
は、射出性が劣化するおそれがあるので、60℃におけ
る粘度が3mPa・s〜30mPa・sとなる高粘度イ
ンクが好ましい。さらに、より好ましくは、60℃にお
ける粘度が3mPa・s〜20mPa・sとなる高粘度
インクである。なお、このインクの粘度は、JIS Z
8803に規定する液体の粘度−測定方法において測
定されたものであって、実際の粘度の測定にはHAAK
E社製粘度計(ビスコテスター)型式VT07Lを用い
た。
における粘度が10mPa・s〜3000mPa・sと
なるインクであり、好ましくは30℃における粘度が1
0mPa・s〜500mPa・sとなるインクである。
10mPa・s未満であれば、記録媒体に着弾した後に
滲みやすく、500mPa・sを超えると、形成画像の
平滑性が失われてしまう。そして、さらに好ましくは、
30℃における粘度が40mPa・s〜500mPa・
sとなるインクである。そして、上記した高粘度インク
を加熱して吐出する際には、粘度が3mPa・s以下で
は、高速射出に不具合を生じ、また30mPa・sで
は、射出性が劣化するおそれがあるので、60℃におけ
る粘度が3mPa・s〜30mPa・sとなる高粘度イ
ンクが好ましい。さらに、より好ましくは、60℃にお
ける粘度が3mPa・s〜20mPa・sとなる高粘度
インクである。なお、このインクの粘度は、JIS Z
8803に規定する液体の粘度−測定方法において測
定されたものであって、実際の粘度の測定にはHAAK
E社製粘度計(ビスコテスター)型式VT07Lを用い
た。
【0024】記録媒体2は、インク吸収性のない記録媒
体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、イン
ク非吸収性記録媒体)である。インク吸収性のない記録
媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、イ
ンク非吸収性記録媒体)とは、インク吸収性のない材料
ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収
性材料)からなる記録媒体、あるいはインク吸収性のな
い材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク
非吸収性材料)からなる表面層(画像形成層)を有する
記録媒体であり、インク吸収性のない材料ないしインク
吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)は、
例えば各種の樹脂や金属である。
体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、イン
ク非吸収性記録媒体)である。インク吸収性のない記録
媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、イ
ンク非吸収性記録媒体)とは、インク吸収性のない材料
ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収
性材料)からなる記録媒体、あるいはインク吸収性のな
い材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク
非吸収性材料)からなる表面層(画像形成層)を有する
記録媒体であり、インク吸収性のない材料ないしインク
吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)は、
例えば各種の樹脂や金属である。
【0025】搬送手段は、画像形成時において、キャリ
ッジ4の動作にタイミングを合わせて、記録媒体2を画
像形成領域C上で搬送し、画像形成の終了に応じて、記
録媒体2は画像形成領域Cから下方(矢印B)に向かっ
て搬送される。
ッジ4の動作にタイミングを合わせて、記録媒体2を画
像形成領域C上で搬送し、画像形成の終了に応じて、記
録媒体2は画像形成領域Cから下方(矢印B)に向かっ
て搬送される。
【0026】記録ヘッド3は、インクジェットプリンタ
1で使用されるインクの種類(イエロー、マゼンダ、シ
アン、ブラック)に応じて、複数個設けられている。こ
の記録ヘッド3は、インク吐出の駆動力としてインクに
対しての適用範囲が広く、高速射出が可能な圧電体の圧
電作用を利用した方式を適用している。それは具体的に
は、例えば特公平4−48622号に記載されるよう
に、圧電性基体上に形成された微細な溝の内部に電極膜
が形成され、さらに絶縁体で覆われているインク流路と
する記録ヘッド方式である。そして、記録ヘッド3は、
インクを1ドット当たり2pl〜20plの範囲で吐出
する。なお、記録ヘッド3により記録媒体2上に形成さ
れるドット径は、50μm〜200μmである。好まし
くは50μm〜150μmであり、さらに好ましくは5
5μm〜100μmである。50μm未満では形成され
る画像の濃度が低くなってしまい、また、200μmよ
りも大きければ高精細画像形成が難しい。
1で使用されるインクの種類(イエロー、マゼンダ、シ
アン、ブラック)に応じて、複数個設けられている。こ
の記録ヘッド3は、インク吐出の駆動力としてインクに
対しての適用範囲が広く、高速射出が可能な圧電体の圧
電作用を利用した方式を適用している。それは具体的に
は、例えば特公平4−48622号に記載されるよう
に、圧電性基体上に形成された微細な溝の内部に電極膜
が形成され、さらに絶縁体で覆われているインク流路と
する記録ヘッド方式である。そして、記録ヘッド3は、
インクを1ドット当たり2pl〜20plの範囲で吐出
する。なお、記録ヘッド3により記録媒体2上に形成さ
れるドット径は、50μm〜200μmである。好まし
くは50μm〜150μmであり、さらに好ましくは5
5μm〜100μmである。50μm未満では形成され
る画像の濃度が低くなってしまい、また、200μmよ
りも大きければ高精細画像形成が難しい。
【0027】そして、上記方式を適用した記録ヘッド3
は、図2に示すように、インクを記録媒体2に向けて吐
出する吐出口(図示省略)と、吐出口を複数配列した吐
出面31と、吐出口の目詰まりを検知する吐出口センサ
ー(図示省略)とを備えるとともに、図示しないインク
タンクおよびインク供給管からなるインク供給系に接続
されている。この記録ヘッド3およびインク供給系に
は、流路内のインクを加熱する加熱手段と、流路内のイ
ンク温度を検知する温度センサーが設けられている。
は、図2に示すように、インクを記録媒体2に向けて吐
出する吐出口(図示省略)と、吐出口を複数配列した吐
出面31と、吐出口の目詰まりを検知する吐出口センサ
ー(図示省略)とを備えるとともに、図示しないインク
タンクおよびインク供給管からなるインク供給系に接続
されている。この記録ヘッド3およびインク供給系に
は、流路内のインクを加熱する加熱手段と、流路内のイ
ンク温度を検知する温度センサーが設けられている。
【0028】吐出口センサーは、吐出口の目詰まりを検
知するものであれば如何なるものでもよいが、例えば本
実施の形態の吐出口センサーは、発光部と受光部とを備
え、この発光部と受光部とが吐出口を挟んで対峙するよ
うに配置されている。そして、吐出口センサーは、発光
部から受光部に向けて発光される光が、吐出口から吐出
されたインク滴により遮断されることで、インク滴の通
過を検知する。つまり、インクを吐出するはずの吐出口
から、インク滴の通過が検知されないときは、その吐出
口が目詰まりを生じていることが認識される。
知するものであれば如何なるものでもよいが、例えば本
実施の形態の吐出口センサーは、発光部と受光部とを備
え、この発光部と受光部とが吐出口を挟んで対峙するよ
うに配置されている。そして、吐出口センサーは、発光
部から受光部に向けて発光される光が、吐出口から吐出
されたインク滴により遮断されることで、インク滴の通
過を検知する。つまり、インクを吐出するはずの吐出口
から、インク滴の通過が検知されないときは、その吐出
口が目詰まりを生じていることが認識される。
【0029】加熱手段は、温度センサーの検知結果を基
に制御部によって、流路内のインクの温度が30℃〜1
50℃の範囲内に収まるように、加熱温度が制御されて
いる。
に制御部によって、流路内のインクの温度が30℃〜1
50℃の範囲内に収まるように、加熱温度が制御されて
いる。
【0030】キャリッジ4は、図1に示すように、ガイ
ドレール6の案内により水平方向(矢印A)に沿って往
復移動を繰り返し、記録ヘッド3を、画像形成領域Cに
ある記録媒体2の画像形成面上を走査させる。このキャ
リッジ4には、記録ヘッド3から吐出されたインクを硬
化させるために、記録媒体に紫外線を照射するUV光源
(光照射手段)41が設けられている。
ドレール6の案内により水平方向(矢印A)に沿って往
復移動を繰り返し、記録ヘッド3を、画像形成領域Cに
ある記録媒体2の画像形成面上を走査させる。このキャ
リッジ4には、記録ヘッド3から吐出されたインクを硬
化させるために、記録媒体に紫外線を照射するUV光源
(光照射手段)41が設けられている。
【0031】UV光源41は、紫外線を照射するもので
あれば如何なるものでもよいが、例えば、水銀ランプ、
メタルハライドランプ、エキシマーランプ、紫外線レー
ザー・LEDなどを用いることができる。基本的な照射
方法は、特開昭60−132767号に開示されてい
る。これによると、記録ヘッドユニットの両側に光源を
設け、シャトル方式で記録ヘッドと光源を走査する。照
射はインク着弾後、一定時間をおいて行われることにな
る。さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了
させる。WO9954415号では、照射方法として、
光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源を
記録ヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ
UV光を照射する方法が開示されている。本発明の記録
方法においては、これらの照射方法を用いることが可能
である。具体的には、帯状のメタルハライドランプ管、
紫外線ランプ管が好ましい。線源は、実質的にインクジ
ェットプリンタに固定化し、稼働部をなくすことで、安
価な構成とすることが可能である。
あれば如何なるものでもよいが、例えば、水銀ランプ、
メタルハライドランプ、エキシマーランプ、紫外線レー
ザー・LEDなどを用いることができる。基本的な照射
方法は、特開昭60−132767号に開示されてい
る。これによると、記録ヘッドユニットの両側に光源を
設け、シャトル方式で記録ヘッドと光源を走査する。照
射はインク着弾後、一定時間をおいて行われることにな
る。さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了
させる。WO9954415号では、照射方法として、
光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源を
記録ヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ
UV光を照射する方法が開示されている。本発明の記録
方法においては、これらの照射方法を用いることが可能
である。具体的には、帯状のメタルハライドランプ管、
紫外線ランプ管が好ましい。線源は、実質的にインクジ
ェットプリンタに固定化し、稼働部をなくすことで、安
価な構成とすることが可能である。
【0032】照射は、各色の画像形成毎に行われること
が好ましく、つまり、いずれの露光方式でも線源は2種
用意し、第2の線源によって、硬化を完了させることが
好ましい形態の1つである。これは、2色目の着弾イン
クの濡れ性、インク間の接着性を得ることと、線源を安
価に組むことに寄与する。なお第1の線源と、第2の線
源とは露光波長または露光照度を変えることが好まし
い。第1の線源の照射エネルギーを第2の線源の照射エ
ネルギーより小さく、すなわち第1の線源の照射エネル
ギーを照射エネルギー総量の1〜20%、好ましくは1
〜10%、さらに好ましくは1〜5%とする。照度を変
えた照射を行うことで、硬化後の分子量分布が好ましい
ものとなる。つまり一度に高照度の照射を行ってしまう
と、重合率は高められるものの、重合したポリマーの分
子量は小さく、強度が得られない。
が好ましく、つまり、いずれの露光方式でも線源は2種
用意し、第2の線源によって、硬化を完了させることが
好ましい形態の1つである。これは、2色目の着弾イン
クの濡れ性、インク間の接着性を得ることと、線源を安
価に組むことに寄与する。なお第1の線源と、第2の線
源とは露光波長または露光照度を変えることが好まし
い。第1の線源の照射エネルギーを第2の線源の照射エ
ネルギーより小さく、すなわち第1の線源の照射エネル
ギーを照射エネルギー総量の1〜20%、好ましくは1
〜10%、さらに好ましくは1〜5%とする。照度を変
えた照射を行うことで、硬化後の分子量分布が好ましい
ものとなる。つまり一度に高照度の照射を行ってしまう
と、重合率は高められるものの、重合したポリマーの分
子量は小さく、強度が得られない。
【0033】また、第1の線源の照射は、第2の線源の
照射よりも長波長とすることで、第1の照射では、イン
クの表層を硬化させてインクの滲みを抑えられ、第2の
照射では、照射線が届きにくい記録媒体近傍のインクを
硬化させ、密着性を改善することができる。インク内部
の硬化促進のためにも、第2の照射線波長は長波長であ
ることが好ましい。
照射よりも長波長とすることで、第1の照射では、イン
クの表層を硬化させてインクの滲みを抑えられ、第2の
照射では、照射線が届きにくい記録媒体近傍のインクを
硬化させ、密着性を改善することができる。インク内部
の硬化促進のためにも、第2の照射線波長は長波長であ
ることが好ましい。
【0034】なお、本実施の形態では、硬化性、線源の
コスト等を考慮して、光硬化性インクとして、紫外線が
照射されることにより硬化するUVインクを適用した場
合を例示しているが、紫外線以外の光線が照射されるこ
とにより硬化する光硬化性インクを適用してもよい。こ
の場合、光照射手段は、UV光源でなく光硬化性インク
を硬化させる光線(例えば、電子線、X線、可視光、赤
外光など)を照射する様々な線源を用いることが可能で
ある。なお、光硬化性インクは、実質的に水および有機
溶媒を含有しないことが望ましい。実質的に含有しない
とは、水および有機溶媒の含有量が1重量%未満であ
る。
コスト等を考慮して、光硬化性インクとして、紫外線が
照射されることにより硬化するUVインクを適用した場
合を例示しているが、紫外線以外の光線が照射されるこ
とにより硬化する光硬化性インクを適用してもよい。こ
の場合、光照射手段は、UV光源でなく光硬化性インク
を硬化させる光線(例えば、電子線、X線、可視光、赤
外光など)を照射する様々な線源を用いることが可能で
ある。なお、光硬化性インクは、実質的に水および有機
溶媒を含有しないことが望ましい。実質的に含有しない
とは、水および有機溶媒の含有量が1重量%未満であ
る。
【0035】ここで、照射線の照射タイミングは、着弾
から照射までの時間を0.01〜0.5秒、好ましくは
0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.
15秒後である。このように着弾から照射までの時間を
極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に
滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な
記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸
透する前に露光することができるため、未反応モノマー
の残留を抑えられ、臭気を低減できる。これは、上記し
たインクを用いることで大きな相乗効果をもたらすこと
になる。特に、25℃におけるインク粘度が35〜50
0mPa・sのインクを用いると大きな効果を得ること
ができる。このような記録方法を取ることで、表面の濡
れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したイン
クのドット径を一定に保つことができ、画質が向上す
る。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色か
ら順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを
重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬
化感度の阻害、残留モノマーの増加および臭気の発生、
密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出
してまとめて露光することが可能だが、一色毎に露光す
るほうが、硬化促進の観点で好ましい。
から照射までの時間を0.01〜0.5秒、好ましくは
0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.
15秒後である。このように着弾から照射までの時間を
極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に
滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な
記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸
透する前に露光することができるため、未反応モノマー
の残留を抑えられ、臭気を低減できる。これは、上記し
たインクを用いることで大きな相乗効果をもたらすこと
になる。特に、25℃におけるインク粘度が35〜50
0mPa・sのインクを用いると大きな効果を得ること
ができる。このような記録方法を取ることで、表面の濡
れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したイン
クのドット径を一定に保つことができ、画質が向上す
る。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色か
ら順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを
重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬
化感度の阻害、残留モノマーの増加および臭気の発生、
密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出
してまとめて露光することが可能だが、一色毎に露光す
るほうが、硬化促進の観点で好ましい。
【0036】また、複数色の記録ヘッドからなるユニッ
トでは、各色間を実質的に照射線透過性とすることが好
ましい。具体的には、照射線透過性の部材で記録ヘッド
間を構成するか、部材を配置させない構成である。この
ように簡単な構成とすることで、各色毎に、着弾直後、
速やかに照射することが可能である、特に二次色の滲み
防止、双方向描画における、行きと帰りのドット滲み差
を防止(行きと帰りの色が異なるのを防ぐ)できるた
め、好ましい。
トでは、各色間を実質的に照射線透過性とすることが好
ましい。具体的には、照射線透過性の部材で記録ヘッド
間を構成するか、部材を配置させない構成である。この
ように簡単な構成とすることで、各色毎に、着弾直後、
速やかに照射することが可能である、特に二次色の滲み
防止、双方向描画における、行きと帰りのドット滲み差
を防止(行きと帰りの色が異なるのを防ぐ)できるた
め、好ましい。
【0037】メンテナンスユニット5は、記録ヘッド3
の吐出口を覆った状態で吐出面31と密閉し、吐出口か
らインクを吸引するためのキャップ部材51と、キャッ
プ部材51によるインクの吸引が行われた後に、記録ヘ
ッド3の吐出面31を清掃する清掃部(清掃手段)52
と、記録ヘッド3の吐出口から空吐出されたインクを受
けるインク受け部53とを、上面(記録ヘッド3の吐出
面31に対向する面)に、一体的に備えている。そし
て、このメンテナンスユニット5には、記録ヘッド3の
メンテナンスに応じてメンテナンスユニット5を移動さ
せる移動手段(図示省略)が設けられている。
の吐出口を覆った状態で吐出面31と密閉し、吐出口か
らインクを吸引するためのキャップ部材51と、キャッ
プ部材51によるインクの吸引が行われた後に、記録ヘ
ッド3の吐出面31を清掃する清掃部(清掃手段)52
と、記録ヘッド3の吐出口から空吐出されたインクを受
けるインク受け部53とを、上面(記録ヘッド3の吐出
面31に対向する面)に、一体的に備えている。そし
て、このメンテナンスユニット5には、記録ヘッド3の
メンテナンスに応じてメンテナンスユニット5を移動さ
せる移動手段(図示省略)が設けられている。
【0038】キャップ部材51は、複数(本実施の形態
では2個)並んで設けられており、メンテナンス時にお
いて、一度に複数個の記録ヘッド3の吸引を行うことを
可能としている。このキャップ部材51の下方には、キ
ャップ部材51が記録ヘッド3の吐出面31を覆った際
に、キャップ部材51と吐出面31により形成された空
間内部を吸引する吸引ポンプ54、大気連通弁(図示省
略)が回収管54aを介して連結されている。つまり、
吸引ポンプ54は、キャップ部材51により覆われた状
態の吐出口から、キャップ部材51を介してインクを吸
引する。そして、吸引ポンプ54によって吐出口から吸
引されたインクは、回収管54aを通って回収タンク5
5に回収される。
では2個)並んで設けられており、メンテナンス時にお
いて、一度に複数個の記録ヘッド3の吸引を行うことを
可能としている。このキャップ部材51の下方には、キ
ャップ部材51が記録ヘッド3の吐出面31を覆った際
に、キャップ部材51と吐出面31により形成された空
間内部を吸引する吸引ポンプ54、大気連通弁(図示省
略)が回収管54aを介して連結されている。つまり、
吸引ポンプ54は、キャップ部材51により覆われた状
態の吐出口から、キャップ部材51を介してインクを吸
引する。そして、吸引ポンプ54によって吐出口から吸
引されたインクは、回収管54aを通って回収タンク5
5に回収される。
【0039】なお、本実施の形態では、記録ヘッド3の
吐出口からインクを吸引する手段として吸引ポンプ54
を例示したが、吐出口からのインクを吸引できるもので
あれば如何なるものでもよく、例えば、ピストンやシリ
ンダ等が挙げられる。
吐出口からインクを吸引する手段として吸引ポンプ54
を例示したが、吐出口からのインクを吸引できるもので
あれば如何なるものでもよく、例えば、ピストンやシリ
ンダ等が挙げられる。
【0040】清掃部52は、図3に示すように、記録ヘ
ッド3の吐出面31を弾性変形しながら先端部で摺擦す
るブレード52aと、ブレード52aに付着したインク
を吸収する吸収体52bとを備えている。
ッド3の吐出面31を弾性変形しながら先端部で摺擦す
るブレード52aと、ブレード52aに付着したインク
を吸収する吸収体52bとを備えている。
【0041】ブレード52aは、弾性を有し、記録ヘッ
ド3の吐出面31を摺擦して清掃するほぼ板状の清掃部
材である。このブレード52aは、ゴムまたはゴム状部
材により、液体に対する不吸収性を有するように形成さ
れて、吐出面31を摺擦するために立設している。
ド3の吐出面31を摺擦して清掃するほぼ板状の清掃部
材である。このブレード52aは、ゴムまたはゴム状部
材により、液体に対する不吸収性を有するように形成さ
れて、吐出面31を摺擦するために立設している。
【0042】ここで、ゴムまたはゴム状部材は、各種ゴ
ム材料や熱可塑性エラストマ−などの他に、ゴム材料と
同様の性質をもつ各種材料を広く含む。例えば、各種ゴ
ム材料、樹脂材料、熱可塑性エラストマー等を、単独も
しくは併用したものを用いても良い。この場合におい
て、各種ゴム材料とは限定されるものではなく、例え
ば、固体のゴム材料の他に、液状の粘弾性体を硬化させ
て得られる液状反応硬化物等を用いても良い。また、固
体のゴム材料とは、例えば、エチレンプロピレン三元共
重合体(EPDM)、ブチルゴム、ポリイソブチレン、
エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、スチレ
ン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−ス
チレン、ウレタンゴム等を、単独もしくは併用して用い
たポリマーに対して、従来からゴム工業一般で用いられ
ている、加硫剤や架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、
粘着付与剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、溶剤等の配
合薬品を配合し、加硫(または架橋)したものが含まれ
る。
ム材料や熱可塑性エラストマ−などの他に、ゴム材料と
同様の性質をもつ各種材料を広く含む。例えば、各種ゴ
ム材料、樹脂材料、熱可塑性エラストマー等を、単独も
しくは併用したものを用いても良い。この場合におい
て、各種ゴム材料とは限定されるものではなく、例え
ば、固体のゴム材料の他に、液状の粘弾性体を硬化させ
て得られる液状反応硬化物等を用いても良い。また、固
体のゴム材料とは、例えば、エチレンプロピレン三元共
重合体(EPDM)、ブチルゴム、ポリイソブチレン、
エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、スチレ
ン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−ス
チレン、ウレタンゴム等を、単独もしくは併用して用い
たポリマーに対して、従来からゴム工業一般で用いられ
ている、加硫剤や架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、
粘着付与剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、溶剤等の配
合薬品を配合し、加硫(または架橋)したものが含まれ
る。
【0043】ここで、加硫とは、硫黄加硫に限定される
ものではなく、例えば、ゴム工業一般に用いられている
有機過酸化物、金属酸化物、有機多価アミンなどの各種
架橋剤による架橋も含まれる。また、液体のゴム材料と
は、例えば、ウレタン、液状ポリブタジエン、変性シリ
コン、シリコン、ポリサルファイド等が含まれる。な
お、これらの材料は、固体化させるための硬化剤を所定
量添加して混合し、反応硬化させて用いることが好まし
い。
ものではなく、例えば、ゴム工業一般に用いられている
有機過酸化物、金属酸化物、有機多価アミンなどの各種
架橋剤による架橋も含まれる。また、液体のゴム材料と
は、例えば、ウレタン、液状ポリブタジエン、変性シリ
コン、シリコン、ポリサルファイド等が含まれる。な
お、これらの材料は、固体化させるための硬化剤を所定
量添加して混合し、反応硬化させて用いることが好まし
い。
【0044】そして、ゴムまたはゴム状部材は、その性
質として液体に対する不吸収性を有しているが、製品と
して形成した際の形状(例えばスポンジ状など)によっ
ては液体に対する吸収性が発揮される場合もあるので、
液体に対する不吸収性を維持できる形状に形成する。具
体的には、ブレード52aの表面が、凹凸なく滑らかに
なるように形成する。
質として液体に対する不吸収性を有しているが、製品と
して形成した際の形状(例えばスポンジ状など)によっ
ては液体に対する吸収性が発揮される場合もあるので、
液体に対する不吸収性を維持できる形状に形成する。具
体的には、ブレード52aの表面が、凹凸なく滑らかに
なるように形成する。
【0045】吸収体52bは、インクを吸収するもので
あれば如何なるものでもよいが、本実施の形態では、ス
ポンジを用いている。吸収体52bは、直方体状に形成
されて、上部に開口部52cが設けられており、この開
口部52cにブレード52aが差し込まれ固定されるこ
とで、吸収体52bとブレード52aとが接触し、ブレ
ード52aに付着したインクを吸収できる。そしてこの
吸収体52bは、固定爪52dによってメンテナンスユ
ニット5に固定されている。そして吸収体52bは、ブ
レード52aの先端部から下端部(後端部)に向かっ
て、ブレード52aに沿って設けられている。具体的に
吸収体52bは、図4(a)に示すように、摺擦時に記
録ヘッド3の吐出面31に対して非接触で、かつ、図4
(b)に示すように、ブレード52aの先端からMだけ
間隔をあけた所に、吸収体52bの先端がくるようにブ
レード52aに配置される。
あれば如何なるものでもよいが、本実施の形態では、ス
ポンジを用いている。吸収体52bは、直方体状に形成
されて、上部に開口部52cが設けられており、この開
口部52cにブレード52aが差し込まれ固定されるこ
とで、吸収体52bとブレード52aとが接触し、ブレ
ード52aに付着したインクを吸収できる。そしてこの
吸収体52bは、固定爪52dによってメンテナンスユ
ニット5に固定されている。そして吸収体52bは、ブ
レード52aの先端部から下端部(後端部)に向かっ
て、ブレード52aに沿って設けられている。具体的に
吸収体52bは、図4(a)に示すように、摺擦時に記
録ヘッド3の吐出面31に対して非接触で、かつ、図4
(b)に示すように、ブレード52aの先端からMだけ
間隔をあけた所に、吸収体52bの先端がくるようにブ
レード52aに配置される。
【0046】なお、摺擦後に付着したインクを確実に吸
収するには、記録ヘッド3の吐出面31と吸収体52b
とが接触しない範囲で、Mの値をできるだけ小さくする
ことが好ましい。そして、記録ヘッド3の吐出面31に
は接触しないものの、吐出面31に残留するインクに吸
収体52bが接触する構成であれば、インクの吸収が効
率的に行える。一方、吐出面31に残留するインクには
吸収体52bが接触しない構成であれば、吐出口のメニ
スカスを維持しやすい。
収するには、記録ヘッド3の吐出面31と吸収体52b
とが接触しない範囲で、Mの値をできるだけ小さくする
ことが好ましい。そして、記録ヘッド3の吐出面31に
は接触しないものの、吐出面31に残留するインクに吸
収体52bが接触する構成であれば、インクの吸収が効
率的に行える。一方、吐出面31に残留するインクには
吸収体52bが接触しない構成であれば、吐出口のメニ
スカスを維持しやすい。
【0047】インク受け部53は、図2に示すように、
メンテナンスユニット5におけるキャップ部材51とブ
レード52aとの間に配置されている。このインク受け
部53には、溜まったインクを回収タンク55まで流す
回収管53aが設けられている。
メンテナンスユニット5におけるキャップ部材51とブ
レード52aとの間に配置されている。このインク受け
部53には、溜まったインクを回収タンク55まで流す
回収管53aが設けられている。
【0048】ここで、メンテナンス後に排出されたイン
クが、UV光源41により照射された紫外線の影響で、
回収管53a、54a、回収タンク55内で硬化しない
ように、これら各部は遮光カバー56、57、58、5
9により覆われている。
クが、UV光源41により照射された紫外線の影響で、
回収管53a、54a、回収タンク55内で硬化しない
ように、これら各部は遮光カバー56、57、58、5
9により覆われている。
【0049】ホームポジション7は、図1に示すよう
に、キャリッジ4が往復移動する経路の一端側に備えら
れている。このホームポジション7には、記録ヘッド3
の吐出面31を保湿する保湿キャップ71が、記録ヘッ
ド3と同数設けられており、キャリッジ4の待機中にお
いては、記録ヘッド3の吐出面31を覆って密閉してい
る。
に、キャリッジ4が往復移動する経路の一端側に備えら
れている。このホームポジション7には、記録ヘッド3
の吐出面31を保湿する保湿キャップ71が、記録ヘッ
ド3と同数設けられており、キャリッジ4の待機中にお
いては、記録ヘッド3の吐出面31を覆って密閉してい
る。
【0050】制御部(制御手段)は、インターフェイ
ス、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Acc
ess Memory)、CPU(Central Processing Unit)等
から構成され、ROM中に書き込まれている制御プログ
ラムや制御データに従いインターフェイスに接続された
各種機器を制御するようになっている。
ス、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Acc
ess Memory)、CPU(Central Processing Unit)等
から構成され、ROM中に書き込まれている制御プログ
ラムや制御データに従いインターフェイスに接続された
各種機器を制御するようになっている。
【0051】インターフェイスには、記録ヘッド3、キ
ャリッジ4、吸引ポンプ54、UV光源41、加熱手
段、温度センサー、吐出口センサー、搬送手段、移動手
段などが電気的に接続されている。
ャリッジ4、吸引ポンプ54、UV光源41、加熱手
段、温度センサー、吐出口センサー、搬送手段、移動手
段などが電気的に接続されている。
【0052】ROMには、インクジェットプリンタの各
部の動作に関する各種制御プログラムや制御データなど
が書き込まれている。
部の動作に関する各種制御プログラムや制御データなど
が書き込まれている。
【0053】RAMは、電力が供給されている間だけ入
力されたデータを複数記憶可能であり、画像形成される
画像データ等の各種データを記憶する記憶領域とCPU
による作業領域などが備えられている。
力されたデータを複数記憶可能であり、画像形成される
画像データ等の各種データを記憶する記憶領域とCPU
による作業領域などが備えられている。
【0054】CPUは、ROMに格納されている各種プ
ログラムの中から指定されたプログラムを、RAM内の
作業領域に展開し、各センサーからの入力信号に応じ
て、プログラムに従った各種処理を実行する。
ログラムの中から指定されたプログラムを、RAM内の
作業領域に展開し、各センサーからの入力信号に応じ
て、プログラムに従った各種処理を実行する。
【0055】この制御部は、インクジェットプリンタ1
の動作全体を制御するものであるが、ここでは記録ヘッ
ド3のメンテナンス時に行われる制御について、図2お
よび図4を参照にして説明する。
の動作全体を制御するものであるが、ここでは記録ヘッ
ド3のメンテナンス時に行われる制御について、図2お
よび図4を参照にして説明する。
【0056】制御部は、記録ヘッド3が記録媒体2に所
定量画像形成を行った後や、吐出口センサーが吐出口の
目詰まりを検知した後、あるいはインクジェットプリン
タ1の電源投入時等を、開始タイミングとして、記録ヘ
ッド3のメンテナンスを開始する。
定量画像形成を行った後や、吐出口センサーが吐出口の
目詰まりを検知した後、あるいはインクジェットプリン
タ1の電源投入時等を、開始タイミングとして、記録ヘ
ッド3のメンテナンスを開始する。
【0057】メンテナンスの開始タイミングとなると、
制御部は、図2に示すように、キャリッジ4を駆動し
て、記録ヘッド3の吐出面31とキャップ部材51とを
対向させる。その後、制御部は移動手段を駆動して、キ
ャップ部材51と記録ヘッド3の吐出面31とが密閉す
るまで、メンテナンスユニット5を上方(矢印D)へと
移動させる。キャップ部材51が記録ヘッド3の吐出口
を覆って、吐出面31と密閉すると、制御部は、吸引ポ
ンプ54を駆動して、キャップ部材51を介して、吐出
口からインクを吸引する。
制御部は、図2に示すように、キャリッジ4を駆動し
て、記録ヘッド3の吐出面31とキャップ部材51とを
対向させる。その後、制御部は移動手段を駆動して、キ
ャップ部材51と記録ヘッド3の吐出面31とが密閉す
るまで、メンテナンスユニット5を上方(矢印D)へと
移動させる。キャップ部材51が記録ヘッド3の吐出口
を覆って、吐出面31と密閉すると、制御部は、吸引ポ
ンプ54を駆動して、キャップ部材51を介して、吐出
口からインクを吸引する。
【0058】吸引が終了すると、制御部は、移動手段を
駆動して、記録ヘッド3の吐出面31がブレード52a
の先端よりも下となるように、メンテナンスユニット5
を下方(矢印E)へと移動させて、キャップ部材51を
吐出面31から離間させる。キャップ部材51の離間が
完了すると、制御部は、移動手段を駆動して、メンテナ
ンスユニット5を右方向(矢印F)に移動させる。この
移動時においては、図4(a)に示すように、ブレード
52aは、吐出面31を先端部で摺擦して、インクIを
拭き取り清掃しながら、記録ヘッド3を通過する。この
際、ブレード52aは、弾性変形しながら吐出面31を
摺擦して、吐出面31をまんべんなく清掃する。これに
より、吐出面31に残留していたインクIは、ブレード
52aの摺擦面に拭き取られ、付着する。ブレード52
aが、図4(b)に示すように、記録ヘッド3を通過す
ると、ブレード52aは弾性復帰して基の状態に戻る。
駆動して、記録ヘッド3の吐出面31がブレード52a
の先端よりも下となるように、メンテナンスユニット5
を下方(矢印E)へと移動させて、キャップ部材51を
吐出面31から離間させる。キャップ部材51の離間が
完了すると、制御部は、移動手段を駆動して、メンテナ
ンスユニット5を右方向(矢印F)に移動させる。この
移動時においては、図4(a)に示すように、ブレード
52aは、吐出面31を先端部で摺擦して、インクIを
拭き取り清掃しながら、記録ヘッド3を通過する。この
際、ブレード52aは、弾性変形しながら吐出面31を
摺擦して、吐出面31をまんべんなく清掃する。これに
より、吐出面31に残留していたインクIは、ブレード
52aの摺擦面に拭き取られ、付着する。ブレード52
aが、図4(b)に示すように、記録ヘッド3を通過す
ると、ブレード52aは弾性復帰して基の状態に戻る。
【0059】ここで、吸収体52bを備えていない清掃
部であれば、図4(b)の(注)に示すように、インク
I’は、ブレード52a’の先端からLの範囲で付着し
ている。しかしながら、本実施の形態では、ブレード5
2aの先端からM(Lよりも短い)だけ間隔をあけた所
に、吸収体52bの先端がくるように、つまり摺擦面に
付着していたインクIの下端部(ブレードの先端から最
も離れた部分)よりも吸収体52bの先端がブレード5
2aの先端寄りとなるように、吸収体52bがブレード
52aに配置されているので、摺擦後にはブレード52
aに付着したインクと吸収体52bとが接触して、イン
クは吸収体52bに吸収される。
部であれば、図4(b)の(注)に示すように、インク
I’は、ブレード52a’の先端からLの範囲で付着し
ている。しかしながら、本実施の形態では、ブレード5
2aの先端からM(Lよりも短い)だけ間隔をあけた所
に、吸収体52bの先端がくるように、つまり摺擦面に
付着していたインクIの下端部(ブレードの先端から最
も離れた部分)よりも吸収体52bの先端がブレード5
2aの先端寄りとなるように、吸収体52bがブレード
52aに配置されているので、摺擦後にはブレード52
aに付着したインクと吸収体52bとが接触して、イン
クは吸収体52bに吸収される。
【0060】吐出面31の清掃されると、制御部は、移
動手段を駆動して、記録ヘッド3の吐出面31がブレー
ドの先端よりも上となるように、メンテナンスユニット
5を下方(矢印E)へと移動させる。その後、制御部
は、移動手段を駆動して、メンテナンスユニット5を左
方向(矢印G)へと移動させて、記録ヘッド3の吐出面
31とインク受け部53とを対向させる。
動手段を駆動して、記録ヘッド3の吐出面31がブレー
ドの先端よりも上となるように、メンテナンスユニット
5を下方(矢印E)へと移動させる。その後、制御部
は、移動手段を駆動して、メンテナンスユニット5を左
方向(矢印G)へと移動させて、記録ヘッド3の吐出面
31とインク受け部53とを対向させる。
【0061】記録ヘッド3の吐出面31とインク受け部
53とが対向すると、制御部は、記録ヘッド3を駆動し
て、吐出口からインク受け部53に向けて空吐出させ、
吐出口の吐出状態を復帰させる。記録ヘッド3のメンテ
ナンスが終了すると、制御部は、移動手段を制御してメ
ンテナンスユニット5を所定の位置に戻す。
53とが対向すると、制御部は、記録ヘッド3を駆動し
て、吐出口からインク受け部53に向けて空吐出させ、
吐出口の吐出状態を復帰させる。記録ヘッド3のメンテ
ナンスが終了すると、制御部は、移動手段を制御してメ
ンテナンスユニット5を所定の位置に戻す。
【0062】以上のように、本実施の形態のインクジェ
ットプリンタ1によれば、ブレード52aの摺擦面に付
着したインクは吸収体52bによって吸収されるので、
流下しにくい高粘度インクであろうと吸収体52bの吸
収力によりブレード52aの先端部から吸収される。こ
のため、ブレード52aの先端部に残留するインクを低
減でき、短期間でブレード52aを交換しなくとも長期
にわたって、明瞭な画像形成を可能とする。また、ブレ
ード52aが記録ヘッド3の吐出面31を摺擦する際に
吐出面31に対して非接触となるように、吸収体52b
はブレード52aに配置されているので、摺擦時に吸収
体52bと吐出面31との接触により吐出口のメニスカ
スが壊されることを防止できる。また、吸収体52b
は、ブレード52aが記録ヘッド3の吐出面31を摺擦
した後に、摺擦面に付着したインクの、ブレード52a
の先端から最も離れた部分よりも、吸収体52bの先端
がブレード52aの先端寄りとなるようにブレード52
aに配置されているので、摺擦後にブレード52aの先
端に付着したインクを確実に吸収体に接触させることが
できる。このため、摺擦を複数回行う場合において、各
回毎に、ブレード52aの先端部に残留するインクを確
実に吸収でき、ワイプ性能の低下を抑制することができ
る。
ットプリンタ1によれば、ブレード52aの摺擦面に付
着したインクは吸収体52bによって吸収されるので、
流下しにくい高粘度インクであろうと吸収体52bの吸
収力によりブレード52aの先端部から吸収される。こ
のため、ブレード52aの先端部に残留するインクを低
減でき、短期間でブレード52aを交換しなくとも長期
にわたって、明瞭な画像形成を可能とする。また、ブレ
ード52aが記録ヘッド3の吐出面31を摺擦する際に
吐出面31に対して非接触となるように、吸収体52b
はブレード52aに配置されているので、摺擦時に吸収
体52bと吐出面31との接触により吐出口のメニスカ
スが壊されることを防止できる。また、吸収体52b
は、ブレード52aが記録ヘッド3の吐出面31を摺擦
した後に、摺擦面に付着したインクの、ブレード52a
の先端から最も離れた部分よりも、吸収体52bの先端
がブレード52aの先端寄りとなるようにブレード52
aに配置されているので、摺擦後にブレード52aの先
端に付着したインクを確実に吸収体に接触させることが
できる。このため、摺擦を複数回行う場合において、各
回毎に、ブレード52aの先端部に残留するインクを確
実に吸収でき、ワイプ性能の低下を抑制することができ
る。
【0063】なお、本発明は上記実施の形態に限らず適
宜変更可能であるのは勿論である。例えば、本実施の形
態では、ブレード52aに付着したインクを吸収体52
bが吸収することにより、ブレード52aの清掃を行っ
ているが、ブレードの清掃が吸収のみであると、インク
の除去が完全に行われるとは限らないので、インクの吸
収後にさらにブレード52aを清掃するブレード清掃手
段を設ける構成であってもよい。これにより、一層長期
にわたってブレード52aのワイプ性能を維持すること
ができる。
宜変更可能であるのは勿論である。例えば、本実施の形
態では、ブレード52aに付着したインクを吸収体52
bが吸収することにより、ブレード52aの清掃を行っ
ているが、ブレードの清掃が吸収のみであると、インク
の除去が完全に行われるとは限らないので、インクの吸
収後にさらにブレード52aを清掃するブレード清掃手
段を設ける構成であってもよい。これにより、一層長期
にわたってブレード52aのワイプ性能を維持すること
ができる。
【0064】また、本実施の形態では、吸収体52bが
ブレード52aの両面と接触する構成であるので、ブレ
ード52bによる摺擦を双方向で行うことも可能である
が、本実施の形態のように一方向での摺擦のみを行う構
成であれば、吸収体はブレードの摺擦面とだけ接触する
構成であってもよい。
ブレード52aの両面と接触する構成であるので、ブレ
ード52bによる摺擦を双方向で行うことも可能である
が、本実施の形態のように一方向での摺擦のみを行う構
成であれば、吸収体はブレードの摺擦面とだけ接触する
構成であってもよい。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、流下しに
くい高粘度インクであろうと吸収体の吸収力によりブレ
ードの先端部から吸収される。このため、ブレードの先
端部に残留するインクを低減でき、短期間でブレードを
交換しなくとも長期にわたって、明瞭な画像形成を可能
とする。請求項2記載の発明によれば、摺擦時に吸収体
と吐出面との接触により吐出口のメニスカスが壊される
ことを防止できる。また、摺擦後にブレードの先端に付
着した高粘度インクを確実に吸収体に接触させることが
できる。このため、摺擦を複数回行う場合において、各
回毎に、ブレードの先端部に残留する高粘度インクを確
実に吸収でき、ワイプ性能の低下を抑制することができ
る。
くい高粘度インクであろうと吸収体の吸収力によりブレ
ードの先端部から吸収される。このため、ブレードの先
端部に残留するインクを低減でき、短期間でブレードを
交換しなくとも長期にわたって、明瞭な画像形成を可能
とする。請求項2記載の発明によれば、摺擦時に吸収体
と吐出面との接触により吐出口のメニスカスが壊される
ことを防止できる。また、摺擦後にブレードの先端に付
着した高粘度インクを確実に吸収体に接触させることが
できる。このため、摺擦を複数回行う場合において、各
回毎に、ブレードの先端部に残留する高粘度インクを確
実に吸収でき、ワイプ性能の低下を抑制することができ
る。
【0066】請求項3記載の発明によれば、最適な画像
形成を行うことができる。請求項4記載の発明によれ
ば、高粘度インクとしてUVインクを適用したインクジ
ェットプリンタにおいても、請求項1〜3のいずれか一
項に記載の発明と同等の効果を得ることができる。請求
項5記載の発明によれば、ブレードに付着した高粘度イ
ンクは確実に吸収体に吸収されることとなり、高粘度イ
ンクによるワイプ性能の低下を抑制することができる。
形成を行うことができる。請求項4記載の発明によれ
ば、高粘度インクとしてUVインクを適用したインクジ
ェットプリンタにおいても、請求項1〜3のいずれか一
項に記載の発明と同等の効果を得ることができる。請求
項5記載の発明によれば、ブレードに付着した高粘度イ
ンクは確実に吸収体に吸収されることとなり、高粘度イ
ンクによるワイプ性能の低下を抑制することができる。
【図1】本発明を適用した実施の形態のインクジェット
プリンタの主要部を表す斜視図である。
プリンタの主要部を表す斜視図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタに備わるメンテ
ナンスユニットを表す断面図である。
ナンスユニットを表す断面図である。
【図3】図2のメンテナンスユニットに備わる清掃部を
表す斜視図である。
表す斜視図である。
【図4】図2の記録ヘッドを清掃する際のブレードの状
態を表した説明図である。
態を表した説明図である。
1 インクジェットプリンタ
2 記録媒体
3 記録ヘッド
31 吐出面
41 UV光源(光照射手段)
52 清掃部(清掃手段)
52a ブレード
52b 吸収体
Claims (5)
- 【請求項1】記録媒体に高粘度インクを吐出して画像形
成を行うインクジェットプリンタにおいて、 前記記録媒体に向けて高粘度インクを吐出する吐出口お
よび前記吐出口を複数配列した吐出面を有する記録ヘッ
ドと、 前記吐出面を清掃する清掃手段とを備え、 前記清掃手段は、前記吐出面を弾性変形しながら先端部
で摺擦するブレードと、前記ブレードに接触し、かつ前
記吐出面に対する摺擦により前記ブレードに付着した高
粘度インクを吸収する吸収体とを備えることを特徴とす
るインクジェットプリンタ。 - 【請求項2】請求項1記載のインクジェットプリンタに
おいて、 前記吸収体は、前記ブレードの先端部から後端部に向か
って、前記ブレードに沿って設けられていることを特徴
とするインクジェットプリンタ。 - 【請求項3】請求項1または2に記載のインクジェット
プリンタにおいて、 30℃における粘度が10mPa・s〜500mPa・
sの高粘度インクを、30℃〜150℃の範囲内に収ま
るように加熱する加熱手段を備え、 前記記録ヘッドは、前記加熱手段により加熱された高粘
度インクを、1ドット当たり2pl〜20plの範囲で
吐出することを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか一項に記載のイン
クジェットプリンタにおいて、 前記記録ヘッドが前記記録媒体上に高粘度インクを吐出
した後に、前記記録媒体に光を照射する光照射手段を備
え、 高粘度インクは、光が照射されることにより硬化する光
硬化性インクであることを特徴とするインクジェットプ
リンタ。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一項に記載のイン
クジェットプリンタにおいて、 前記ブレードは、ゴムまたはゴム状部材を、表面の滑ら
かなほぼ板状に形成したものであることを特徴とするイ
ンクジェットプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002157586A JP2003341107A (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | インクジェットプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002157586A JP2003341107A (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | インクジェットプリンタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003341107A true JP2003341107A (ja) | 2003-12-03 |
Family
ID=29773377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002157586A Pending JP2003341107A (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | インクジェットプリンタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003341107A (ja) |
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-
2002
- 2002-05-30 JP JP2002157586A patent/JP2003341107A/ja active Pending
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