JP2003340966A - 突板化粧シート及び突板化粧材 - Google Patents

突板化粧シート及び突板化粧材

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JP2003340966A
JP2003340966A JP2002152204A JP2002152204A JP2003340966A JP 2003340966 A JP2003340966 A JP 2003340966A JP 2002152204 A JP2002152204 A JP 2002152204A JP 2002152204 A JP2002152204 A JP 2002152204A JP 2003340966 A JP2003340966 A JP 2003340966A
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moisture
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veneer decorative
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Tomio Takahashi
富雄 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水に濡れたり結露が発生したりすることのある
使用条件でも、突板のひび割れ(クラック)や変色、剥
離等が発生しにくく、耐水性や耐久性に優れた突板化粧
シート及び突板化粧材を提供する。 【解決手段】突板1の表面に透明熱可塑性樹脂フィルム
2を、裏面に透湿防水性シート3を積層してなる突板化
粧シートである。透明熱可塑性樹脂フィルム2には、透
視性を妨げない範囲で着色したり、絵柄印刷層21やベ
タ印刷層22を設けて、任意の意匠性を付与しても良
い。この突板化粧シートは、水分透過性基材や熱伝導性
基材の表面に貼付した突板化粧材として、水濡れや結露
の発生することのある部位に使用しても、裏面から突板
1中への水分の侵入がなく、突板1の端面から侵入した
水分は透湿防水性シート3を透過して裏面側へ排出され
ることにより、水分による突板1への悪影響を防止する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然木をシート状
にスライスした突板の意匠を活かした突板化粧シート及
び突板化粧材に関するものであり、特に、水に濡れたり
結露が発生したりすることのある使用条件でも突板のひ
び割れ(クラック)や変色、剥離等が発生しにくい耐水
性に優れた突板化粧シート及び突板化粧材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】印刷等の人工的製造技術では忠実な再現
が難しい天然木の木目意匠や繊維感、照り感等の木質感
を活かした化粧シートや化粧材として、天然木を厚さ
0.1〜1mm程度のシート状にスライスした突板を利
用する技術は、建築資材や家具材等の分野においては既
に広く用いられている。突板をそのまま表面材として利
用する場合もあるが、それでは耐候性や耐水性、耐摩耗
性、耐久性等が不十分であり、突板の表面に塗装を施し
ても、上記問題の解決には必ずしも十分ではないので、
突板の表面に、保護層としての透明熱可塑性樹脂フィル
ムが積層される場合も少なくない。透明熱可塑性樹脂フ
ィルムを突板の表面に予め積層しておくことで、塗装塗
膜よりも高い物性が得られるのみならず、可撓性に優れ
るので曲面加工や折り曲げ加工も容易であり、しかも加
工後の塗装作業が不要となるなどの利点もある。
【0003】透明熱可塑性樹脂フィルムは、突板に耐水
性や耐摩耗性を付与するほか、透明熱可塑性樹脂フィル
ムに紫外線吸収剤を添加しておくことにより、紫外線の
作用による突板の変褪色(焼け)を防止し、耐候性の向
上にも有効である。また、透明熱可塑性樹脂フィルムに
その透視性を損なわない範囲で染料又は顔料等の着色剤
を添加して着色したり、透明熱可塑性樹脂フィルムの裏
面に透視性を損なわない範囲でベタ状及び/又は木目等
の任意の絵柄状の印刷を施すことにより、突板の色のバ
ラツキを抑えたり、木目意匠の乏しい安価な突板を用い
ながら高級材の木目意匠を付与したりすることも、従来
広く行われている(特開昭63−64741号、特開昭
63−134238号、実開昭63−93132号
等)。
【0004】なお、上記突板としては、天然木の無垢板
をスライサーで平削りしたもの、或いは天然木の丸太を
ロータリースライサーで桂剥きしたものをそのまま用い
るほか、こうして得た突板をフィンガージョイント加工
又はバットジョイント加工等により継ぎ合わせて長尺エ
ンドレス状に加工したもの(実開昭61−74433
号、特開平4−279345号等)や、小角材を多数接
着した集成材又は突板を多数枚積層した積層材をその接
着面が現れる様にスライスしたもの(特開平5−240
07号、特開平10−138403号等)、さらにそれ
らを長尺エンドレス状に加工したもの等が用いられる場
合もある。
【0005】こうした突板を用いた突板化粧材は、まず
突板の表面に透明熱可塑性樹脂フィルムを積層して突板
化粧シートを作製し、これを合板等の各種基材上にロー
ルラミネート法又はラッピングラミネート法等により積
層したり、必要に応じて該積層後にさらにVカット加工
法等により折り曲げ加工を施したりして、最終製品であ
る突板化粧材の形に加工されるのが一般的である。そし
て、上記突板化粧シートの状態において、裏面に突板が
露出していると、取り扱い中に突板が破損し易いほか、
突板と各種基材とを直接接着させることは必ずしも容易
ではないので、裏面保護及び接着の便宜のために、突板
の裏面には不織布又は和紙等の繊維質シートによる裏打
ちが施されるのが一般的である。
【0006】ところで、上記した従来の突板化粧材は、
突板の表面側には透明熱可塑性樹脂フィルムによる防水
加工が施されているので、突板化粧材の表面側からの水
濡れに対しては十分な耐水性を有しているが、突板の裏
面側には特に防水加工が施されていないのが一般的であ
るので、裏面側から水分が侵入することがあると、この
水分が突板に作用して、ひび割れ(クラック)や変色、
剥離等が発生する場合があり、外観性、性能等でメンテ
ナンスが必要であり、問題となっている。こうした問題
は、例えばアルミサッシ等の様に低温時に結露し易い熱
伝導性基材を用いた突板化粧材や、例えば木質系基材又
は無機質系基材等の様な水分透過性基材を用いた突板化
粧材を高湿度条件又は水濡れし易い条件で使用した場合
などに発生し易い。
【0007】これに対し、実用面ではあまり一般的では
ないが、突板の表裏両面に熱可塑性樹脂フィルムを積層
した突板化粧シートの提案も既にある(特開平6−91
834号等)。しかし、本発明者らの試作検討によれ
ば、この様に突板の表裏両面に防水加工を施した突板化
粧シートを用いても、上記した問題点を完全に解決する
ことは必ずしもできない。その原因について本発明者ら
が詳細に調査検討した結果、突板化粧材の端部において
露出している突板の端面から、高湿時に外気中から突板
の内部に湿気が侵入し、この湿気が低温時に突板の内部
において凝縮(結露)することにより生成した水分が突
板に作用して、ひび割れ(クラック)、変褪色、剥離等
の原因となっていることが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した問題点を解決するためになされたもの
であって、その目的とするところは、水に濡れたり結露
が発生したりすることのある使用条件でも突板のひび割
れ(クラック)や変色、剥離等が発生しにくく、耐水性
や耐久性に優れた突板化粧シート及び突板化粧材を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の突板化粧シート
は、突板の表面に透明熱可塑性樹脂フィルムが積層され
てなる突板化粧シートにおいて、前記突板の裏面に透湿
防水性シートが積層されてなることを特徴とするもので
ある。
【0010】また特に、前記透湿防水性シートの透湿度
が2000〜10000g/m2・24hであることを
特徴とするものである。
【0011】本発明の突板化粧材は、上記突板化粧シー
トを化粧材用基材上に積層してなることを特徴とするも
のである。
【0012】また特に、前記化粧材用基材が水分透過性
基材であることを特徴とするものである。
【0013】また特に、前記化粧材用基材が熱伝導性基
材であることを特徴とするものである。
【0014】また特に、前記化粧材用基材が熱伝導性基
材とその突板化粧シート側の水分透過性基材とからなる
ことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の突板化粧シート
及び突板化粧材の実施の形態を、図面を参照しつつ詳細
に説明する。図1〜図3は本発明の突板化粧シートの実
施の形態を示す側断面図であり、図4〜図8は本発明の
突板化粧材の実施の形態を示す側断面図である。
【0016】本発明の突板化粧シートは基本的には、図
1に示す様に、突板1の表面側には透明熱可塑性樹脂フ
ィルム2を、裏面側には透湿防水性シート3を、必要に
応じて層間に接着剤層41、42を介して、それぞれ積
層して構成されるものである。
【0017】本発明の突板化粧シートに使用する突板1
は、従来の突板化粧シートに使用されていたものと同
様、天然木の丸太、無垢材、集成材または人工的に接着
しブロック状にしたものを厚さ0.1〜1mm程度(中
でも0.2〜0.3mm程度とされる場合が多い)にス
ライスしたものであり、フィンガージョイント加工又は
バットジョイント加工などでエンドレス化したものであ
っても良い。
【0018】透明熱可塑性樹脂フィルム2も、従来の突
板化粧シートに使用されていたものと同様であり、例え
ばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリ
ル系樹脂等の透明な熱可塑性樹脂からなる厚さ0.01
〜1mm程度のフィルムを使用することがでる。必要に
応じて、突板1の透視を妨げない範囲内において、染料
又は顔料等の着色剤が添加されて着色されたものであっ
ても良い。さらに必要に応じて、例えば紫外線吸収剤、
光安定剤、酸化防止剤、充填剤、難燃剤、帯電防止剤、
離型剤、抗菌剤、艶調整剤等の添加剤が適宜添加された
ものであっても良い。
【0019】透明熱可塑性樹脂フィルム2には、図2に
示す様に、必要に応じて、突板1の透視を妨げない範囲
内において、木目等の絵柄印刷層21や、ベタ印刷層2
2が設けられていても良い。ベタ印刷層22を設ける場
合には、透明度の高い印刷インキを使用する必要があ
る。絵柄印刷層21も透明度の高い印刷インキを使用す
ることが望ましいが、例えば木目導管模様等の様に面積
率の低い絵柄の場合や、連続階調を網点で表現した絵柄
の場合等には、必ずしもその限りではない。
【0020】これらの印刷層は、図2に示す様に、透明
熱可塑性樹脂フィルム2の裏面側(突板1側)に設ける
のが一般的であるが、表面側に設けても良いし、両方に
設けても良い。また、透明熱可塑性樹脂フィルム2は、
同種又は異種の樹脂からなる2層以上の樹脂層の積層体
であっても良く、その場合、絵柄印刷層21やベタ印刷
層22は、透明熱可塑性樹脂フィルム2の表面側、裏面
側のほか、2層以上の樹脂層の任意の層間に設けること
もできる。
【0021】透明熱可塑性樹脂フィルム2の表面には、
必要に応じて、表面保護や艶調整のためのトップコート
層23を設けることもできる。トップコート層23とし
ては、例えばアミノアルキッド系樹脂やイソシアネート
硬化型ポリウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂や、(メ
タ)アクリレート系樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等が
使用されるのが一般的である。トップコート層23に
は、突板1の透視を妨げない範囲内において、例えば着
色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、
難燃剤、帯電防止剤、離型剤、抗菌剤、艶調整剤等の添
加剤が適宜添加されていても良い。
【0022】透湿防水性シート3は、結露又は水濡れ等
により突板化粧シートの裏面側に発生した液体状の水分
が、突板1の内部に浸透するのを防止すると共に、突板
1の内部が高湿度状態となった際には、その湿気を突板
化粧シートの裏面側に排出し、突板1の内部における凝
縮(結露)を防止し、以て水分の作用による突板1のひ
び割れ(クラック)、変褪色、剥離(透明熱可塑性樹脂
フィルム2又は透湿防水性シート3からの)等を防止す
るために設けられるものである。
【0023】透湿防水性シート3としては、以下に列挙
する様な各種のものが市販されているので、それらの中
から適宜選択して使用すれば良い。 (A)ポリテトラフロロエチレン樹脂膜を延伸処理する
ことによってフィブリル化、微多孔化させたもの(米国
特許第3953566号等)。 (B)紙、織布又は不織布等の繊維質シートに、シリコ
ーン系又はフッ素系等の撥水剤による撥水処理を施した
もの(特公昭62−53632号等)。 (C)無機充填剤を大量に充填したポリオレフィン等の
熱可塑性樹脂フィルムを一軸又は二軸延伸して微多孔化
させたもの(特公昭63−35721号等)。 (D)繊維質シートの片面又は両面に、ポリウレタン系
樹脂等の透湿性樹脂組成物からなる無孔性又は微多孔性
の被膜を形成したもの(特公昭63−57546号
等)。 (E)熱収縮性樹脂フィルムを熱収縮開始温度以上の温
度でメッシュ状シートに熱圧着積層すると同時にフィル
ムを熱収縮させて微多孔化させたもの(特開平2−80
231号等)。
【0024】本発明の目的を十分に達成するためには、
透湿防水性シート3としては、透湿度が2000〜10
000g/m2・24hの程度のものを使用することが
最も望ましい。透湿度が上記範囲より高過ぎると、突板
化粧シートの裏面側が結露状態又は水濡れ状態となった
際に、液体状の水は侵入しないものの水蒸気の形で水分
が突板1の内部に大量に侵入し、透明熱可塑性樹脂フィ
ルム2によって冷却されて凝縮(結露)する場合があ
る。一方、透湿度が上記範囲より低過ぎると、高湿時に
突板1の端面から内部に侵入した湿気が裏面側に十分に
排出されずに、低温時に突板1の内部で凝縮(結露)す
る場合があるからである。
【0025】透湿防水性シート3の厚みについては、本
発明において特に限定されるものではないが、あまり厚
過ぎると突板化粧シート全体としての可撓性を損ない、
取り扱い性や折り曲げ加工性等が低下するので、通例1
mm以下のものを使用することが望ましく、0.01〜
0.3mm程度のものを使用することが最も望ましい。
【0026】突板1と透明熱可塑性樹脂フィルム2や透
湿防水性シート3とを接着させるための接着剤41、4
2の種類については特に限定されるものではないが、透
湿防水性シート3の透湿性効果を十分に発揮させるため
には、少なくとも突板1と透湿防水性シート3とを接着
させる接着剤42としては、透湿性の高いものを使用す
ることが望ましい。突板1の接着加工に通常使用されて
いる、酢酸ビニル系等の水性エマルジョン系接着剤や、
イソシアネート硬化型ポリウレタン系接着剤等は、通常
この目的に十分な透湿性を有しているので、本発明の突
板化粧シートにも特に差し支えなく使用することができ
る。
【0027】本発明の突板化粧シートは、後述するよう
に、各種の基材上に適宜の接着剤等により積層して突板
化粧材を製造するために用いられるものである。透湿防
水性シート3が該積層に使用する接着剤に対して十分な
接着性を有していれば問題はないが、汎用の積層用接着
剤に対する接着性に乏しい透湿防水性シート3を使用す
る場合には、透湿防水性シート3の裏面に例えばコロナ
放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、電離放射線処理
等の易接着化のための表面処理を施したり、汎用の積層
用接着剤に対する接着性に優れた樹脂組成物からなるプ
ライマー層を形成したり、従来の突板化粧シートに使用
されていたものと同様の不織布又は和紙等の繊維質シー
トからなる裏打層5を積層しておいたりすると良い(図
3)。
【0028】本発明の突板化粧材は、以上に説明した突
板化粧シートを、各種の化粧材用基材の表面に積層して
製造されるものである。化粧材用基材の材質や寸法、形
状等については、従来の突板化粧材と同様であり、本発
明において特に限定されるものではない。
【0029】その材質として具体的には、例えば木材の
無垢板、合板、集成材、中密度繊維板(MDF)、パー
ティクルボード等の木質系基材や、石膏ボード、珪酸カ
ルシウム板、木毛セメント板、軽量気泡コンクリート板
(ALC)等の無機質系基材、鉄、銅、真鍮、アルミニ
ウム、ジュラルミン、ステンレス等の金属系基材、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル系
樹脂、アクリル系樹脂、ABS樹脂、繊維強化プラスチ
ック(FRP)等の合成樹脂系基材等、或いはそれらの
混合物、積層体、複合体等を挙げることができる。
【0030】それらの中でも本発明の効果を最も顕著に
発揮するのは、木質系基材や無機質系基材等の水分透過
性基材7を使用した場合(図4)や、金属系基材や無機
質系基材等の熱伝導性基材8を使用した場合(図5)な
どである。前者においては、水分透過性基材7の裏面や
端面から水分が侵入し、突板化粧シート6の裏面に達し
た場合や、後者において、低温時に熱伝導性基材8の表
面に結露が発生した場合にあっても、突板化粧シート6
における突板1の裏面側に積層された透湿防水性シート
3により、水分の突板1の内部への侵入が阻止され、水
分の作用による突板1のひび割れ(クラック)や変褪
色、剥離等が効果的に防止される。
【0031】また、化粧材用基材が熱伝導性基材8と水
分透過性基材7との積層体からなる場合(図6)にあっ
ても、本発明の効果は顕著に発揮される。係る構成の化
粧材にあっては、水分透過性基材7の内部に含まれる水
分(通常は水蒸気又は吸着水等の形で含まれている)
が、低温時に温度低下の激しい熱伝導性基材8によって
冷却され、熱伝導性基材8との界面近傍の水分透過性基
材7内部において凝縮(結露)し、こうして生成した液
体状の水が、水分透過性基材7中を透過して、突板化粧
シート6の裏面に到達する現象が、殊の外発生し易いの
であるが、その場合でも、上記した通りの作用により、
水分による突板1への悪影響は阻止される。
【0032】本発明の突板化粧材は、突板化粧シート6
が透明熱可塑性樹脂フィルム2、突板1及び透湿防水性
シート3の積層による可撓性に優れた構造のため、ラッ
ピング加工やVカット加工等の折り曲げ加工による各種
立体形状の突板化粧材とすることも可能である。図7に
示したものは、断面が凹凸形状の長尺柱状に加工された
中密度繊維板等の水分透過性基材7の表面に、突板化粧
シート6を押さえロール等の治具を使用して小面積ずつ
段階的に積層するラッピング加工法により積層してなる
突板化粧材である。また、図8に示したものは、突板化
粧シート6を中密度繊維板等の水分透過性基材7の表面
に積層して突板化粧板を作製し、その裏面から突板化粧
シート6の裏面近傍に達する様に切削したVカット加工
部9等の溝加工部を介して折り曲げながら、断面略C字
状の長尺柱状に成形されたアルミニウム等の熱伝導性基
材8の表面に接着積層してなる突板化粧材である。
【0033】本発明の突板化粧材は、住宅や店舗、オフ
ィスビル等の建築物における壁材や天井材、建具、家具
材、家電製品や住設機器の外装材等、通常の化粧材の用
途に使用可能であることは勿論のこと、特に例えばアル
ミサッシ等の窓枠やカウンター等の様に、日中は日が当
たり高温になる一方で夜間(特に冬季)は冷えて結露が
発生し易い部位や、厨房や洗面所、浴室脱衣所の内装等
の様に、高湿度や水濡れに曝される機会の多い部位など
にも、水分の作用による突板のひび割れ(クラック)や
変褪色、剥離等の問題を発生することなく、好適に使用
可能である。
【0034】
【実施例】安価な南洋材の無垢材をブロック状に積層し
た材から厚さ0.2mmにスライスし、フィンガージョ
イントで接合してエンドレス化した突板の表面に、予め
裏面に透視性の木目柄を印刷した厚さ0.1mmの透明
ポリオレフィン系樹脂フィルム(紫外線吸収剤含有)
を、イソシアネート硬化型ポリエステルウレタン系接着
剤を介してドライラミネート法により貼り合わせ、一
方、突板の裏面には、市販の厚さ0.17mm、透湿度
5500g/m2・24hの透湿防水性シート(ジャパ
ン建材株式会社製、商品名「ハウスラップACE」)を
変性酢酸ビニル系エマルジョン接着剤にて貼り合わせ
て、本発明の突板化粧シートを作製した。
【0035】上記突板化粧シートを、厚さ3mmの中密
度繊維板の表面に、変性酢酸ビニル系エマルジョン接着
剤にて貼り合わせ、その中密度繊維板の裏面から突板化
粧シートの裏面近傍に達するV溝を常法にて切削形成
し、該V溝を介して折り曲げながら、断面略C字状の窓
枠用アルミニウム基材の表面に貼り合わせて、本発明の
突板化粧材を作製した。
【0036】上記突板化粧シートを住宅用の窓枠として
施工したところ、突板の照り感や繊維感が活かされると
共に印刷による木目が加味された、高級材を彷彿とさせ
る優れた木質意匠感を呈し、しかも耐候性(耐紫外線
性)や耐汚染性、耐摩耗性等も実用上十分な水準にあっ
たことは勿論のこと、冬季にアルミニウム基材の表面に
結露が発生する低温高湿の環境におかれても、突板のひ
び割れ(クラック)や変褪色、剥離等の問題は一切発生
せず、耐候性、耐久性に優れた突板化粧材であることが
確認された。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の突板
化粧シートは、突板の表面に透明熱可塑性樹脂フィルム
を、裏面に透湿防水性シートをそれぞれ積層して構成し
たことにより、表面側には透明熱可塑性樹脂フィルムに
より優れた耐水性や耐候性、耐摩耗性等の表面物性が付
与されると共に、該透明熱可塑性樹脂フィルムへの着色
や印刷による任意の外観意匠の付与も容易であることは
勿論のこと、裏面の透湿防水性シートの作用により、突
板化粧シートの裏面が水濡れ又は結露による液体状の水
分にさらされることがあっても、該水分が突板の内部に
侵入することがなく、しかも、高湿時に突板の端面から
突板の内部に侵入した湿気も、透湿防水性シートを透過
して化粧材用基材側に排出される結果、突板の内部にお
ける水分の凝縮(結露)も発生しにくいので、水分の作
用による突板のひび割れ(クラック)や変褪色、剥離等
の問題を発生することのない、優れた耐水性や耐湿性を
有するものである。
【0038】従って、上記突板化粧シートを用いた本発
明の突板化粧材は、意匠面や表面物性面等で優れること
は勿論のこと、水濡れ時に水分が透過し易い木質系基材
や無機質系基材等の水分透過性基材や、低温時に表面に
結露を発生し易い金属系基材や無機質系基材等の熱伝導
性基材などを化粧材用基材とした場合にあっても、これ
ら基材側に由来する水分の突板への悪影響が抑えられる
ので、例えば窓枠やカウンター等の様に激しい温度差に
曝され低温時に結露が発生し易い部位や、厨房、洗面
所、浴室脱衣所等の様に水濡れや高湿度に曝される部位
等に使用しても、水分の作用による突板のひび割れ(ク
ラック)や変褪色、剥離等の問題を発生することのな
い、耐水性や耐湿性を含めた耐久性に極めて優れてお
り、長期間使用してもメンテナンスを必要としない、実
用的価値の極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の突板化粧シートの実施の形態を示す側
断面図である。
【図2】本発明の突板化粧シートの実施の形態を示す側
断面図である。
【図3】本発明の突板化粧シートの実施の形態を示す側
断面図である。
【図4】本発明の突板化粧材の実施の形態を示す側断面
図である。
【図5】本発明の突板化粧材の実施の形態を示す側断面
図である。
【図6】本発明の突板化粧材の実施の形態を示す側断面
図である。
【図7】本発明の突板化粧材の実施の形態を示す側断面
図である。
【図8】本発明の突板化粧材の実施の形態を示す側断面
図である。
【符号の説明】
1 突板 2 透明熱可塑性樹脂フィルム 21 絵柄印刷層 22 ベタ印刷層 23 トップコート層 3 透湿防水性シート 41 接着剤層 42 接着剤層 43 接着剤層 44 接着剤層 45 接着剤層 46 接着剤層 5 裏打層 6 突板化粧シート 7 水分透過性基材 8 熱伝導性基材 9 Vカット加工部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】突板の表面に透明熱可塑性樹脂フィルムが
    積層されてなる突板化粧シートにおいて、前記突板の裏
    面に透湿防水性シートが積層されてなることを特徴とす
    る突板化粧シート。
  2. 【請求項2】前記透湿防水性シートの透湿度が2000
    〜10000g/m2・24hであることを特徴とする
    請求項1に記載の突板化粧シート。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の突板化粧シートを
    化粧材用基材上に積層してなることを特徴とする突板化
    粧材。
  4. 【請求項4】前記化粧材用基材が水分透過性基材である
    ことを特徴とする請求項3に記載の突板化粧材。
  5. 【請求項5】前記化粧材用基材が熱伝導性基材であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の突板化粧材。
  6. 【請求項6】前記化粧材用基材が熱伝導性基材とその突
    板化粧シート側の水分透過性基材とからなることを特徴
    とする請求項3に記載の突板化粧材。
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JP2006110929A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Toppan Printing Co Ltd 外装用積層突板化粧板

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