JP2003339753A - 使い捨てカイロ用表面材 - Google Patents
使い捨てカイロ用表面材Info
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Abstract
用に際して十分な強度を発揮し、使用後の処理において
も環境面での問題が生じない使い捨てカイロ用の表面材
を提供すること。 【解決手段】 セルロース系短繊維からなる不織布であ
って、該セルロース系短繊維の配向を異方向にした繊維
からなる不織布により形成した。
Description
表面材、より具体的には生分解性材料などにより繊維の
配向を異方向にした不織布によって形成することによ
り、環境保全性、並びに、保水性にも優れ良好な風合い
と強さを兼ね備えた表面材に関する。
は、特公平5−56912号に示されているように、ナ
イロン等の合成繊維を使用した不織布が多用されている
が、肌触りがわるい、保水性が低いなどの難点が指摘さ
れ、また、環境保全の面から見ても、使用済後の処理に
問題が残っている。
は、そのカイロ自体が使い捨てタイプであるため、一般
焼却が可能であり、その際、悪臭や有毒ガスが発生しな
い自然環境の保全に寄与できる表面材の使用が要請さ
れ、この点に鑑み、埋立て処理しても、土中の微生物に
よる分解される自然分解性の表面材として、セルロース
系繊維からなる不織布の使用も試みられているが、未だ
強度が十分でない等、使い捨てカイロとしての使い勝手
の面で問題があった。
捨てカイロ用の表面材の上記のような問題点を解消し、
保水性に優れて風合いも良好であり、使用に際して十分
な強度を発揮し、使用後の処理においても環境面での問
題が生じない使い捨てカイロ用の表面材を提供すること
を課題とするものである。
を目的としてなされた本発明使い捨てカイロ用表面材の
構成は、セルロース系短繊維からなる不織布であって、
該セルロース系短繊維の配向を異方向にした繊維からな
る不織布により形成したことを主な特徴とするものであ
る。
ロース系短繊維の配向を異方向とし、その交叉角を約10
度〜約90度とすることにより、より良好な性能を発揮す
る使い捨てカイロ用表面材とすることができる。
の不織布を複数積層した構成とすることにより、さらに
望ましい特性を有する使い捨てカイロ用の表面材とする
ことができる。
系短繊維からなる不織布を積層したものでは、該セルロ
ース系短繊維の配向が異方向の繊維からなる不織布の層
と、同一方向の繊維からなる不織布の層とを積層した構
成の使い捨てカイロ用の表面材とすることにより、さら
に強度を高めると共に良好な風合いのものにすることが
できる。
た異方向にするには、配向が同一方向であるセルロース
系短繊維のウエブをクロスラッパーにかけて異方向にす
る。また、本発明で用いるセルロース系短繊維には、精
製セルロース繊維、或は、レーヨンやキュプラ等の再生
セルロース系繊維、若しくは、麻や綿などの天然セルロ
ース系繊維などがある。これらのセルロース系短繊維を
用いた不織布は、水流交絡法などにより製造することが
できる。
面材の詳細について説明する。本発明表面材に使用する
不織布を製造するためのセルロース系短繊維としては、
綿,麻等の天然セルロース系繊維、レーヨン,キュプラ
等の再生セルロース系繊維、精製セルロース繊維の例で
あるリヨセル(商品名:テンセル等)などがあるが、こ
れらの中でも強度の点からいえば精製セルロース繊維を
用いることが好ましい。
としては、上記のセルロース系短繊維に、ポリエステ
ル,ナイロン等の合成繊維の短繊維、又は、羊毛などを
混紡したものでもよいが、いずれの場合にもセルロース
系短繊維の配合量は10重量%以上、好ましくは、50重量
%以上であることが望ましい。表面材としての風合いと
剛直さとのバランスをとるためである。
ース系短繊維の配向を異方向にした繊維により形成す
る。ここで、異方向とは、図1,図2に例示するよう
に、互いに異なる方向に配向された繊維が、交叉角度を
約10〜約180度未満、好ましくは約50〜約110度とするも
のをいう。交叉角度はほぼ90度に近いほど強度の点から
好ましい。また、交叉角度が約50度未満、或は、約110
度を超えると、約50〜110度のものに比べ強度が少し落
ちる。
30〜80g/m2とするのが好ましい。30g/m2未満では、強
度が不足し、80g/m2以上ではコストの面から好ましく
ないからである。
するのが好ましい。厚みが0.25mm未満では、風合いと強
度の面で問題があり、0.5mm以上では風合いが良くなく
剛直度も大き過ぎる。
織布のみでその表面材を形成してもよいが、この異方向
の繊維からなる不織布に同方向の繊維からなる不織布を
積層したもので形成してもよい。又、同方向と異方向の
繊維による不織布の層を適宜複数組み合せてもよい。こ
の場合において、使い捨てカイロの表面材として使用す
る際の外層を異方向の繊維からなる不織布の層とし、内
層に同方向の繊維からなる不織布を積層することが好ま
しい。この層構成より、外層で使用時に受ける破損に対
する抵抗力を持たせることができる一方、内層で断熱性
等を持たすことができる。
方法について、図3を参照して説明する。図には表され
ていないが、セルロース系短繊維の繊維塊を分離してコ
ンベア上に積層してウエブを形成し、その後、カード1
を通して繊維の配向を同方向(一軸配列)のウエブ2を
形成する。このウエブ2をクロスラッパー3を通すこと
により、前記ウエブ2の流れを90度変更すると同時に、
ウエブの繊維が異方向に交互に積層されたウエブ4に形
成し、コンベアC1により図3の右方に移送する。この
時、ウエブ4にはドラフトをかけるのが望ましい。
ウエブ4は、図1に示すように、ウエブ2の幅も、繊維
の交叉幅P1〜P2=Ammと交叉角α1も小さい(90度以
下)が、ドラフトをかけた後のウエブ4は図2に示すよ
うに、ウエブ2の元の幅が図の例では2倍程度に拡大
し、この繊維の交叉幅P′1〜P′2=A′mmも2倍程度に
なり、かつ、交叉角α′1もほぼ90度に近くなる。この
ようにクロスラッパー3を通して異方向に交互に積層し
た後のウエブ4にドラフトをかけることにより、ウエブ
4のランダム方向での強度を向上させることができる。
のウエブは、別のカード5を通して一軸配列のウエブ6
に形成したまま前記のウエブ4と同じ方向にコンベアC2
により移送する。配向が異方向の繊維によるウエブ4と
配向が同方向の繊維によるウエブ6は、図示しないが、
移送先において積層されることにより、本発明表面材の
一例に形成される。
るには、種々の製法、例えば、湿式法,乾式法,スパン
レース法,ニードルパンチ法等が使用できるが、スパン
レース法が、生産性や接着剤等の薬剤を使用しなくても
よいため好ましい。
ついて説明する。繊維長30〜60mmのテンセル短繊維を解
繊してコンベア上でウエブとし、クロスラッパーで前記
コンベアの移動方向の直角方向に移動中の第2コンベア
上に振り落とした。第2コンベアによる移動中に、ドラ
フトをかけ、交叉角が約90度をなす異方向の繊維からな
るウエブとした。その後、第3のコンベアから送られて
来る同一方向に配向させた短繊維のウエブを、上記の第
2コンベア上の異方向繊維からなる短繊維ウエブに積層
して、目付を40g/m2に積層したウエブを水流交絡法に
より交絡させて本発明使い捨てカイロ用表面材の一例を
製造した。
材の物性は下記の通りであった
用いて、次の要領で使い捨てカイロを作成した。即ち、
上記表面材の不織布に通気性膜となる有孔フィルムを張
り合わせて、複合化した包材とし、これに発熱組成物を
収容して封止し貼付タイプの使い捨てカイロを作成し
た。この使い捨てカイロを実際に貼付して使用したとこ
ろ、肌触り感は良好であり、またシール強度がアップし
たため破損もしにくくなった。
行品の表面材との特性を比較してみた。 現行品の表面材 本発明表面材 材料 ナイロン セルロース繊維(リヨセル) 目付(g/m2) 39.7 40.6 シール強度(N/15mm) 縦 0.124 0.143 横 0.126 0.121 剛直度(mm) 68.5 48.0 比較の結果、本発明表面材は、横方向のシール強度は現
行品のそれと殆んど変らないが、縦方向シール強度が現
行品よりも大きく、しかも剛直度は逆に小さい。これに
よって本発明表面材は、良好なシール性を発揮する一方
で、肌触り感が良いという特性を発揮する。
配向を異方向にした不織布を用いて形成したので、使い
捨てカイロ用の表面材として、以下の優れた効果があ
る。 (1) 肌触りがよく、保水性にも優れる。 (2) 通気性膜とのシール性がよい。 (3) 発熱剤が発熱開始とともに通気性膜に密着し、その
発熱剤を移動しにくくすることができる。 (4) 短繊維に精製セルロースを使用すると、特に強度に
優れた表面材から得られる。 (5) 一軸配列のウエブをクロスラッパーにより異方向配
列となるように積層しているから、表面材として強度が
一段と優れる。 (6) 積層タイプの表面材では、生分解性のセルロース繊
維(綿,レーヨン,リヨセル,パルプなど)も使用可能
である。 (7) 特に、生分解性のセルロース系短繊維を用いたもの
では、使用済み後に、一般燃焼して問題ないことは勿
論、埋立てしても問題がないという利点がある。
を模式的に拡大した平面図。
ウエブ4の部分を模式的に拡大した平面図。
造過程を模式的に示した平面図。
Claims (10)
- 【請求項1】 セルロース系短繊維からなる不織布であ
って、該セルロース系短繊維の配向を異方向にした繊維
からなる不織布により形成したことを特徴とする使い捨
てカイロ用表面材。 - 【請求項2】 請求項1におけるセルロース系短繊維の
配向が異方向である繊維において、該異方向の繊維の交
叉角を約10度〜約90度にしたことを特徴とする使い捨て
カイロ用表面材。 - 【請求項3】 請求項1又は2の不織布を複数積層した
ことを特徴とする使い捨てカイロ用表面材。 - 【請求項4】 セルロース系短繊維からなる不織布であ
って、該セルロース系短繊維の配向が異方向の繊維から
なる不織布の層と、配向が同一方向の繊維からなる不織
布層とを積層したことを特徴とする使い捨てカイロ用表
面材。 - 【請求項5】 セルロース系短繊維が精製セルロース繊
維(リヨセル)からなることを特徴とする請求項1乃至
4に記載のいずれかの使い捨てカイロ用表面材。 - 【請求項6】 セルロース系短繊維がレーヨン等の再生
セルロース系繊維からなることを特徴とする請求項1乃
至4に記載のいずれかの使い捨てカイロ用表面材。 - 【請求項7】 セルロース系短繊維が綿などの天然セル
ロース系繊維からなることを特徴とする請求項1乃至4
に記載のいずれかの使い捨てカイロ用表面材。 - 【請求項8】 セルロース系短繊維が生分解性繊維であ
ることを特徴とする請求項1乃至7に記載のいずれかの
使い捨てカイロ用表面材。 - 【請求項9】 セルロース系短繊維の配向が同一方向で
あるウエブをクロスラッパーを通すことにより異方向に
配向させて不織布を形成したことを特徴とする請求項1
〜8に記載のいずれかの使い捨てカイロ用表面材。 - 【請求項10】 不織布を水流交絡法により製造したこと
を特徴とする請求項1乃至7又は9に記載のいずれかの
使い捨てカイロ用表面材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002150727A JP4011406B2 (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | 使い捨てカイロ用表面材 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003339753A true JP2003339753A (ja) | 2003-12-02 |
JP4011406B2 JP4011406B2 (ja) | 2007-11-21 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013512351A (ja) * | 2009-11-27 | 2013-04-11 | テューリンギッシェス・インスティトゥート・フューア・テクスティル−ウント・クンストストッフ−フォルシュング・エー・ファウ | 指向性の繊維配向を有する有限長補強繊維からステープルファイバレイドファブリックを連続式に製造する方法 |
-
2002
- 2002-05-24 JP JP2002150727A patent/JP4011406B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4011406B2 (ja) | 2007-11-21 |
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