JP2003338722A - ノイズ抑制回路 - Google Patents

ノイズ抑制回路

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JP2003338722A
JP2003338722A JP2002144817A JP2002144817A JP2003338722A JP 2003338722 A JP2003338722 A JP 2003338722A JP 2002144817 A JP2002144817 A JP 2002144817A JP 2002144817 A JP2002144817 A JP 2002144817A JP 2003338722 A JP2003338722 A JP 2003338722A
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賢 和崎
Yoshihiro Saito
義広 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い周波数範囲にわたってノイズを抑制す
る。 【解決手段】 ノイズ抑制回路1は、電子機器2より発
生されて導電線3a,3b上を伝搬するノイズを抑制す
る。ノイズ抑制回路1は、低域ノイズ低減回路10と高
域ノイズ低減回路80を備えている。低域ノイズ低減回
路10は、導電線3a,3bを介して電子機器2に接続
されている。高域ノイズ低減回路80は、低域ノイズ低
減回路10に対して縦続接続され、且つ電源線4の導電
線4a,4bに接続されている。高域ノイズ低減回路8
0は、導電線3a,3bを伝搬するコモンモードノイズ
を検出する検出回路と、この検出回路により検出された
ノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生する逆相信号
発生回路と、導電線3a,3bに対して逆相信号発生回
路により発生された逆相信号を注入する注入回路とを備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電線上を伝搬す
るノイズを抑制するノイズ抑制回路に関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源等の電子機器は、10
0kHz程度の低周波数から数百MHz程度の高周波数
までの広範囲にわたってノイズを発生することが知られ
ている。電子機器から発生されたノイズは、交流電源線
を介して他の電子機器に伝わり、他の電子機器に対して
悪影響を与えるおそれがある。そのため、各国では、電
子機器から交流電源線を介して外部へ放出されるノイ
ズ、すなわち雑音端子電圧に関して、種々の規制を設け
ている場合が多い。各国における雑音端子電圧に関する
規制では、150kHzあるいは450kHzから、3
0MHzまで周波数範囲を、規制の対象となる周波数範
囲としている場合が多い。30MHz以上の周波数にお
けるノイズは、輻射ノイズに関する規制の対象となる。
【0003】ここで、図21および図22に、何らノイ
ズ抑制対策を施さない場合におけるスイッチング電源の
雑音端子電圧の周波数特性の一例を示す。図21は0〜
1MHzの周波数範囲における特性を示し、図22は0
〜200MHzの周波数範囲における特性を示してい
る。なお、図21および図22では、雑音端子電圧のピ
ーク値を示している。図21および図22において、符
号201はコモンモードノイズが存在する周波数範囲を
示している。図21において、符号202はノーマルモ
ードノイズが問題となる周波数範囲を示している。ま
た、図21および図22において、符号203は雑音端
子電圧に関する規制の対象となる周波数範囲の一例を示
している。図21において、符号204は、CISPR
(国際無線障害特別委員会)の規格に対応する欧州規格
EN55022による雑音端子電圧の許容レベルを示し
ている。また、図21において、符号205は、FCC
(米国連邦通信委員会)の規格classBによる雑音
端子電圧の許容レベルを示している。図21および図2
2から分かるように、スイッチング電源が発生するノイ
ズは、雑音端子電圧に関する規制の対象となる周波数範
囲150kHz〜30MHzと、輻射ノイズに関する規
制の対象となる30MHz以上の周波数範囲を含む広い
周波数範囲にわたって存在している。
【0004】図21において、雑音端子電圧の大きなピ
ークが現れている約75kHzの周波数は、スイッチン
グ電源のスイッチング周波数である。図21から、スイ
ッチング周波数に対する複数の高調波が大きなノイズと
なっていることが分かる。
【0005】上述のようなノイズによる悪影響の発生を
防止するために、従来は、図23に示したようなノイズ
フィルタ回路を、ノイズを発生する電子機器と電源線と
の間に設けることが多かった。ここで、図23に示した
ノイズフィルタ回路について説明する。このノイズフィ
ルタ回路は、電源線に接続される2つの端子101a,
101bと、ノイズ源となる電子機器に接続される2つ
の端子102a,102bとを備えている。ノイズフィ
ルタ回路は、更に、一端が端子101aに接続され、他
端が端子101bに接続されたキャパシタ111と、端
子101a,101bと端子102a,102bとの間
に設けられたコモンモードチョークコイル112と、一
端が端子102aに接続され、他端が接地されたキャパ
シタ113と、一端が端子102bに接続され、他端が
接地されたキャパシタ114と、一端が102aに接続
され、他端が端子102bに接続されたキャパシタ11
5とを備えている。コモンモードチョークコイル112
は、1つの磁芯112aと、この磁芯112aに巻かれ
た2つの巻線112b,112cとを有している。巻線
112bの一端は端子101aに接続され、他端は端子
102aに接続されている。巻線112cの一端は端子
101bに接続され、他端は端子102bに接続されて
いる。巻線112b,112cは、巻線112b,11
2cにノーマルモードの電流が流れたときに各巻線11
2b,112cを流れる電流によって磁芯112aに誘
起される磁束が互いに相殺されるような向きに、磁芯1
12aに巻かれている。
【0006】図23に示したノイズフィルタ回路の各構
成要素のうち、コモンモードチョークコイル112とキ
ャパシタ113,114は、コモンモードノイズを低減
する機能を有する。一般的に、キャパシタ113,11
4を合わせたものはYキャパシタと呼ばれる。また、キ
ャパシタ111,115は、ノーマルモードノイズを低
減する機能を有する。キャパシタ111,115は、そ
れぞれ、一般的にXキャパシタあるいはアクロス・ザ・
ライン・キャパシタと呼ばれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以下、図23に示した
ノイズフィルタ回路における問題点について説明する。
まず、このノイズフィルタ回路のコモンモードノイズに
対する対策上の問題点について説明する。図23におけ
るキャパシタ113,114を通して流れる漏洩電流
は、各国において、安全性確保、すなわち感電防止の観
点から、所定の規格値以下に制限される場合が多い。こ
の漏洩電流は、キャパシタ113,114の容量に比例
する。従って、キャパシタ113,114の容量は、所
定値以下に制限される。漏洩電流の規格値は、各国の事
情や電源電圧によって異なるが、一般的には、キャパシ
タ113,114の容量は数千pF以下に制限される。
【0008】ここで、図24に、キャパシタ113,1
14を含むYキャパシタのインピーダンスの周波数特性
の一例を示す。図24には、キャパシタ113,114
の各容量を、330pF、680pF、1000pF、
2200pF、4700pFまたは10000pFにし
たときのそれぞれの特性を示している。
【0009】図21に示したスイッチング電源の雑音端
子電圧の周波数特性の例では、500kHz以下の周波
数範囲において、ノイズのレベルが大きくなっている。
しかし、図24に示したように、500kHz以下の周
波数範囲において、Yキャパシタのインピーダンスは大
きく、この周波数範囲においてYキャパシタはコモンモ
ードノイズの低減にあまり寄与しない。従って、図21
に示したノイズフィルタ回路では、500kHz以下の
周波数範囲において、コモンモードノイズを十分に低減
することができないという問題点がある。
【0010】次に、図23に示したノイズフィルタ回路
のノーマルモードノイズに対する対策上の問題点につい
て説明する。図23に示したノイズフィルタ回路では、
コモンモードチョークコイル112における磁束の漏れ
に起因する漏れインダクタンスが生じる。図25は、図
23に示したノイズフィルタ回路に漏れインダクタンス
と等しいインダクタンスを有する仮想のコイルを加えた
回路を示す。図25に示した回路は、図23に示した回
路において、コモンモードチョークコイル112の巻線
112bと端子102aとの間に仮想のコイル116が
設けられ、コモンモードチョークコイル112の巻線1
12cと端子102bとの間に仮想のコイル117が設
けられたものである。
【0011】図25に示した回路において、ノーマルモ
ードノイズを低減する機能を有する素子は、キャパシタ
111,115とコイル116,117である。これら
はπ型フィルタを構成する。しかしながら、コイル11
6,117のインダクタンス、すなわちコモンモードチ
ョークコイル112における漏れインダクタンスは、コ
イル112のインダクタンスと、コイル112の巻線1
12b,112c間のの結合係数に依存する。そのた
め、一般的に、漏れインダクタンスは、大きな値を取る
ことが難しいと共に、任意の値を取るように設計するこ
とは難しい。
【0012】また、一般に、ノーマルモードノイズは、
1MHz以下の低い周波数の範囲で問題となる。このよ
うな周波数範囲では、コイルのインピーダンスの絶対値
は、周波数をfとして、2πfLで表わされる。従っ
て、1MHz以下の低い周波数の範囲において、コイル
のインピーダンスの絶対値を大きくしてノーマルモード
ノイズを十分に低減するためには、大きなインダクタン
スを有するコイルが必要になる。これらのことから、図
23に示したノイズフィルタ回路では、ノーマルモード
ノイズを十分に低減することができないという問題点が
ある。
【0013】そこで、実際のノイズフィルタ回路は、図
26に示したように構成される場合が多い。図26に示
したノイズフィルタ回路は、電源線に接続される2つの
端子101a,101bと、ノイズ源となる電子機器に
接続される2つの端子102a,102bとを備えてい
る。ノイズフィルタ回路は、更に、一端が端子101a
に接続されたヒューズ121と、一端がヒューズ121
の他端に接続され、他端が端子101bに接続されたキ
ャパシタ111と、キャパシタ111の両端に接続され
たコモンモードチョークコイル112とを備えている。
コモンモードチョークコイル112は、1つの磁芯11
2aと、この磁芯112aに巻かれた2つの巻線112
b,112cとを有している。巻線112bの一端はヒ
ューズ121の他端に接続され、巻線112cの一端は
端子101bに接続されている。
【0014】図26に示したノイズフィルタ回路は、更
に、一端が巻線112bの他端に接続され、他端が巻線
112cの他端に接続されたキャパシタ122と、一端
が巻線112bの他端に接続され、他端が接地されたキ
ャパシタ123と、一端が巻線112cの他端に接続さ
れ、他端が接地されたキャパシタ124と、キャパシタ
123,124と端子102a,102bとの間に設け
られたコモンモードチョークコイル125とを備えてい
る。コモンモードチョークコイル125は、1つの磁芯
125aと、この磁芯125aに巻かれた2つの巻線1
25b,125cとを有している。巻線125bの一端
はキャパシタ123の一端に接続され、他端は端子10
2aに接続されている。巻線125cの一端はキャパシ
タ124の一端に接続され、他端は端子102bに接続
されている。
【0015】図26に示したノイズフィルタ回路は、実
質的には、図23に示したノイズフィルタ回路にコモン
モードチョークコイル125を加えた構成になってい
る。図26に示したノイズフィルタ回路によれば、コモ
ンモードチョークコイル125によって、図23に示し
たノイズフィルタ回路におけるコモンモードノイズ低減
機能の不足およびノーマルモードノイズ低減機能の不足
を補うことができる。しかしながら、図26に示したノ
イズフィルタ回路では、2つのコモンモードチョークコ
イル112,125を有するため、回路構成が複雑にな
ると共に、ノイズフィルタ回路が大型化するという問題
点がある。
【0016】また、図26に示したノイズフィルタ回路
では、1MHz以下の低い周波数の範囲においてノーマ
ルモードノイズを十分に低減するためには、各コモンモ
ードチョークコイル112,125における漏れインダ
クタンスを大きくする必要がある。そのためには、各コ
イル112,125の巻線数を多くする必要がある。し
かし、各コイル112,125の巻線数を多くすると、
巻線間の浮遊容量が大きくなって、高い周波数の範囲に
おけるノイズ低減効果が低下するという問題が生じる。
また、各コイル112,125の巻線間の浮遊容量を低
減するために、各コイル112,125の構造を、巻線
をセパレータによって複数の部分に分けた構造とするこ
とも考えられる。しかし、そうすると、コイル112,
125のコストが高くなるという問題点がある。
【0017】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、広い周波数範囲にわたってノイズを
抑制することができるようにしたノイズ抑制回路を提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のノイズ抑制回路
は、ノイズ発生源に接続された2本の導電線の途中に挿
入され、ノイズ発生源より発生されて、導電線上を伝搬
するノイズを抑制する回路であって、主に第1の周波数
範囲におけるノイズを低減する第1のノイズ低減回路
と、主に第1の周波数範囲内の周波数よりも低い周波数
を含む第2の周波数範囲におけるノイズを低減する第2
のノイズ低減回路とを備え、第1のノイズ低減回路は、
導電線の所定の位置に配置され、導電線上を伝搬するノ
イズを検出する検出手段と、検出手段により検出された
ノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生する逆相信号
発生手段と、導電線において検出手段とは異なる位置に
配置され、導電線に対して逆相信号発生手段により発生
された逆相信号を注入することによって、導電線上のノ
イズを相殺するノイズ相殺手段とを有するものである。
【0019】本発明のノイズ抑制回路では、第1のノイ
ズ低減回路によって第1の周波数範囲におけるノイズが
低減されると共に、第2のノイズ低減回路によって、第
1の周波数範囲内の周波数よりも低い周波数を含む第2
の周波数範囲におけるノイズが低減される。
【0020】本発明のノイズ抑制回路において、第1の
ノイズ低減回路は、コモンモードノイズを低減してもよ
い。
【0021】また、本発明のノイズ抑制回路において、
第2のノイズ低減回路は、ノーマルモードノイズを低減
してもよい。
【0022】また、本発明のノイズ抑制回路において、
第2のノイズ低減回路は、所定の共振周波数で共振する
並列共振回路を含み、共振周波数を含む周波数範囲にお
けるノイズを低減してもよい。
【0023】第2のノイズ低減回路が並列共振回路を含
む場合、第2のノイズ低減回路がノイズを低減する周波
数範囲は、ノイズ発生源が発生するノイズの大きさがピ
ーク値を取るときの周波数を含んでいてもよい。
【0024】また、本発明のノイズ抑制回路において、
第2のノイズ低減回路は、一方の導電線の途中に挿入さ
れたコイルと、このコイルに対して並列に接続されたキ
ャパシタとを有し、このコイルおよびキャパシタが並列
共振回路を構成してもよい。
【0025】また、本発明のノイズ抑制回路において、
第2のノイズ低減回路は、1つの磁芯と、この磁芯に巻
かれた2つの巻線と、一方の巻線に対して並列に接続さ
れたキャパシタとを有し、一方の巻線は一方の導電線の
途中に挿入され、他方の巻線は他方の導電線の途中に挿
入され、一方の巻線およびキャパシタが並列共振回路を
構成してもよい。
【0026】また、本発明のノイズ抑制回路において、
第2のノイズ低減回路は、一方の導電線の途中に挿入さ
れた第1のコイルと、第1のコイルに対して並列に接続
された第1のキャパシタと、他方の導電線の途中に挿入
された第2のコイルと、第2のコイルに対して並列に接
続された第2のキャパシタとを有し、第1のコイルおよ
び第1のキャパシタは第1の並列共振回路を構成し、第
2のコイルおよび第2のキャパシタは第2の並列共振回
路を構成してもよい。
【0027】また、本発明のノイズ抑制回路において、
第2のノイズ低減回路は、一方の導電線の途中に挿入さ
れたコイルと、このコイルに対して並列に接続された第
1のキャパシタと、1つの磁芯と、この磁芯に巻かれた
2つの巻線と、一方の巻線に対して並列に接続された第
2のキャパシタとを有し、一方の巻線は一方の導電線の
途中に挿入され、他方の巻線は他方の導電線の途中に挿
入され、コイルおよび第1のキャパシタは第1の並列共
振回路を構成し、一方の巻線および第2のキャパシタは
第2の並列共振回路を構成してもよい。
【0028】また、本発明のノイズ抑制回路において、
第2のノイズ低減回路は、1つの磁芯と、磁芯に巻かれ
た第1および第2の巻線と、第2の巻線の両端間に設け
られたキャパシタとを有し、第1の巻線は一方の導電線
の途中に挿入され、第2の巻線およびキャパシタが並列
共振回路を構成してもよい。
【0029】また、本発明のノイズ抑制回路において、
第2のノイズ低減回路は、1つの磁芯と、磁芯に巻かれ
た第1および第2の巻線とを有し、第1の巻線は一方の
導電線の途中に挿入され、第2の巻線は、第2の巻線の
インダクタンスと第2の巻線における線間容量とによっ
て定まる共振周波数で共振する並列共振回路を構成して
もよい。
【0030】また、本発明のノイズ抑制回路において、
並列共振回路の共振周波数は1MHz以下であってもよ
い。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照
して、本発明の一実施の形態に係るノイズ抑制回路の概
略の構成について説明する。本実施の形態に係るノイズ
抑制回路1は、ノイズ発生源としての電子機器2に接続
された2本の導電線3a,3bの途中に挿入されるよう
になっている。導電線3a,3bは、交流電力または直
流電力を輸送する電源線4に接続されるようになってい
る。電源線4は、2本の導電線4a,4bを含んでい
る。導電線3a,3bは、それぞれ導電線4a,4bに
接続されるようになっている。電子機器2は、導電線3
a,3bを介して、電源線4より電力の供給を受けるよ
うになっている。電子機器2は、例えばスイッチング電
源である。
【0032】ノイズ抑制回路1は、電子機器2より発生
されて、導電線3a,3b上を伝搬するノイズを抑制す
るものである。ノイズ抑制回路1は、低域ノイズ低減回
路10と高域ノイズ低減回路80とを備えている。低域
ノイズ低減回路10は、導電線3a,3bを介して電子
機器2に接続されている。高域ノイズ低減回路80は、
低域ノイズ低減回路10に対して縦続接続され、且つ電
源線4の導電線4a,4bに接続されている。なお、電
子機器2と電源線4との間における低域ノイズ低減回路
10と高域ノイズ低減回路80の配置は、図1に示した
配置と逆であってもよい。
【0033】高域ノイズ低減回路80は、主に第1の周
波数範囲におけるノイズを低減する。低域ノイズ低減回
路10は、主に第1の周波数範囲内の周波数よりも低い
周波数を含む第2の周波数範囲におけるノイズを低減す
る。高域ノイズ低減回路80は本発明における第1のノ
イズ低減回路に対応し、低域ノイズ低減回路10は本発
明における第2のノイズ低減回路に対応する。第1の周
波数範囲は、例えば1MHz〜30MHzの範囲を含む
範囲である。第2の周波数範囲は、例えば0〜1MHz
の範囲、あるいはこの範囲内の一部の範囲である。
【0034】低域ノイズ低減回路10および高域ノイズ
低減回路80は、これらに対するグランドとして機能す
る筐体5に収納されている。低域ノイズ低減回路10お
よび高域ノイズ低減回路80においてグランドに接続さ
れる部分はグランド線3cに接続されている。このグラ
ンド線3cは、筐体5に電気的に接続されている。高域
ノイズ低減回路80は低域ノイズ低減回路10よりも筐
体5に近い位置に配置されていてもよい。なお、電源線
4が導電線4a,4bの他にグランド線を有する場合に
は、グランド線3cは、この電源線4のグランド線に電
気的に接続されていてもよい。
【0035】ノイズ抑制回路1は、電子機器2と別体で
もよいし、一体化されていてもよい。ノイズ抑制回路1
が電子機器2と別体の場合には、筐体5はノイズ抑制回
路1の専用の筐体である。ノイズ抑制回路1が電子機器
2と一体化されている場合には、筐体5は、電子機器2
の筐体であってもよいし、電子機器2の筐体内に収納さ
れたノイズ抑制回路1の専用の筐体であってもよい。電
子機器2においてグランドに接続される部分は、グラン
ド線3cに接続されていてもよい。
【0036】次に、図2を参照して、高域ノイズ低減回
路80の具体的な回路構成の一例について説明する。図
2に示した高域ノイズ低減回路80は、導電線3a,3
bを伝搬するコモンモードノイズを低減するものであ
る。ここでは、高域ノイズ低減回路80は、低域ノイズ
低減回路10と電源線4との間に配置されるものとして
説明する。高域ノイズ低減回路80は、低域ノイズ低減
回路10に接続される2つの端子81a,81bと、電
源線4の導電線4a,4bに接続される2つの端子82
a,82bとを備えている。
【0037】高域ノイズ低減回路80は、更に、導電線
3a,3bの所定の位置に配置され、導電線3a,3b
を伝搬するコモンモードノイズを検出する検出回路84
と、この検出回路84により検出されたノイズと逆相の
信号となる逆相信号を発生する逆相信号発生回路85
と、導電線3a,3bにおいて検出回路84とは異なる
位置に配置され、導電線3a,3bに対して逆相信号発
生回路85により発生された逆相信号を注入する注入回
路86と、導電線3a,3bにおいて検出回路84が配
置された位置と注入回路86が配置された位置との間の
位置に設けられ、通過するノイズの波高値を低減するイ
ンピーダンスを有するインピーダンス素子87と、逆相
信号発生回路85と注入回路86との間に設けられたイ
ンピーダンス素子88とを備えている。
【0038】検出回路84は本発明における検出手段に
対応する。逆相信号発生回路85は本発明における逆相
信号発生手段に対応する。注入回路86は本発明におけ
るノイズ相殺手段に対応する。
【0039】インピーダンス素子88は、注入回路86
に入力されるノイズと注入回路86によって導電線3
a,3bに注入される逆相信号との位相差が180°に
近づくように、逆相信号の位相を調整するものである。
また、このインピーダンス素子88により、注入回路8
6によって導電線3a,3bに注入される逆相信号の波
高値を、注入回路86に入力されるノイズの波高値に近
づくように調整することもできる。
【0040】検出回路84は、一端が導電線3aに接続
され、他端が逆相信号発生回路85の入力端に接続され
たキャパシタ84aと、一端が導電線3bに接続され、
他端が逆相信号発生回路85の入力端に接続されたキャ
パシタ84bとを有している。キャパシタ84a,84
bは、それぞれ導電線3a,3bにおける電圧変動のう
ち、高周波成分を通過させ、交流電力の周波数を含む低
周波成分を遮断する。注入回路86は、一端がインピー
ダンス素子88の出力端に接続され、他端が導電線3a
に接続されたキャパシタ86aと、一端がインピーダン
ス素子88の出力端に接続され、他端が導電線3bに接
続されたキャパシタ86bとを有している。この例で
は、注入回路86は、キャパシタ86a,86bを介し
て、導電線3a,3bに対して、逆相信号に対応した同
じ電圧の変化を与える。
【0041】逆相信号発生回路85は、トランス89を
有している。トランス89の1次巻線の一端はキャパシ
タ84a,84bに接続されている。トランス89の1
次巻線の他端は、トランス89の2次巻線の一端と共に
グランドに接続されている。トランス89の2次巻線の
他端は、インピーダンス素子88に接続されている。イ
ンピーダンス素子87にはコモンモードチョークコイル
90が用いられ、インピーダンス素子88にはラインチ
ョークコイル91またはこれと同等の位相特性を有する
インピーダンス素子が用いられている。
【0042】キャパシタ84a,84b,86a,86
bの容量は、例えば漏洩電流値が所定の規格値以内にな
るように設定される。具体的には、キャパシタ84a,
84b,86a,86bの容量は、例えば10〜20,
000pFの範囲内である。
【0043】また、トランス89の1次巻線と2次巻線
の巻数比は1:1であることが理想的であるが、トラン
ス89における信号の減衰を考慮して巻数比を変えても
よい。
【0044】次に、図2に示した高域ノイズ低減回路8
0の作用について説明する。この高域ノイズ低減回路8
0では、インピーダンス素子87よりも検出回路84側
の導電線3a,3b(以下、単に検出回路84側の導電
線3a,3bと言う。)上に発生したノイズが、インピ
ーダンス素子87を通過して、インピーダンス素子87
よりも注入回路86側の導電線3a,3b(以下、単に
注入回路86側の導電線3a,3bと言う。)に流入し
た場合、注入回路86側の導電線3a,3b上のノイズ
の波高値は、検出回路84側の導電線3a,3b上のノ
イズの波高値よりも小さくなる。また、この高域ノイズ
低減回路80では、インピーダンス素子87によって、
検出回路84側の導電線3a,3b上のノイズの波高値
と注入回路86側の導電線3a,3b上のノイズの波高
値とが異なる状態を維持することができる。
【0045】また、図2に示した高域ノイズ低減回路8
0では、検出回路84により、導電線3a,3b上のコ
モンモードノイズが検出される。そして、逆相信号発生
回路85によって、検出回路84により検出されたノイ
ズと逆相の信号となる逆相信号が発生される。更に、注
入回路86によって、導電線3a,3bに対して逆相信
号発生回路85により発生された逆相信号が注入され
る。これにより、注入回路86側の導電線3a,3b上
のコモンモードノイズが相殺される。
【0046】なお、インピーダンス素子87を通過した
後のノイズの波高値は、インピーダンス素子87を通過
する前のノイズの波高値よりも小さくなる。従って、注
入回路86によって導電線3a,3bに注入される逆相
信号の波高値を、インピーダンス素子87を通過した後
に注入回路86に入力されるノイズの波高値に近いもの
となるように調整する必要がある。
【0047】また、図2に示した高域ノイズ低減回路8
0では、インピーダンス素子88によって、注入回路8
6に入力されるノイズと注入回路86によって導電線3
a,3bに注入される逆相信号との位相差を180°に
近づけることができると共に、注入回路86によって導
電線3a,3bに注入される逆相信号の波高値を、注入
回路86に入力されるノイズの波高値に近づけることが
できる。従って、この高域ノイズ低減回路80によれ
ば、より効果的に、注入回路86側の導電線3a,3b
上のノイズを低減することができる。
【0048】図3は、図22に示した雑音端子電圧の周
波数特性を有するスイッチング電源に対して、図2に示
した高域ノイズ低減回路80を接続したときの雑音端子
電圧の周波数特性の一例を示している。なお、図3に示
した例では、雑音端子電圧のピーク値を示している。ま
た、この例では、キャパシタ84a,84bの容量を2
200pF、キャパシタ86a,86bの容量を100
0pF、コイル89,90,91のインダクタンスを、
それぞれ、0.1mH以下、3mH以下、3mH以下と
している。図3と図22を比較すれば、高域ノイズ低減
回路80によって、1MHz以上の周波数範囲における
ノイズを低減できることが分かる。
【0049】図4は、図2に示した高域ノイズ低減回路
80と図26に示したノイズフィルタ回路のそれぞれに
ついて、減衰比の周波数特性の例を示す特性図である。
図4において、符号98は図2に示した高域ノイズ低減
回路80の特性を示し、符号99は図26に示したノイ
ズフィルタ回路の特性を示している。なお、図4に示し
た例では、図2におけるキャパシタ84a,84bの容
量を2200pF、キャパシタ86a,86bの容量を
1000pF、コイル89,90,91のインダクタン
スを、それぞれ、0.1mH以下、3mH以下、3mH
以下としている。また、図4に示した例では、図26に
示したノイズフィルタ回路におけるキャパシタ111の
容量を0.47μF、キャパシタ122の容量を0.4
7μF、キャパシタ123,124の容量を2200p
F、コイル112,125のインダクタンスを、それぞ
れ、10mH、10mHとしている。
【0050】図4から分かるように、図2に示した高域
ノイズ低減回路80は、1MHz以上の周波数範囲にお
いて、図26に示したノイズフィルタ回路よりも大きな
ノイズ低減効果を奏する。しかし、図2に示した高域ノ
イズ低減回路80では、1MHzよりも低い周波数範囲
において、十分なノイズ低減効果を得ることは難しい。
それは、図2に示した高域ノイズ低減回路80では、キ
ャパシタ84a,84b,86a,86bを通して流れ
る漏洩電流が制限されることから、キャパシタ84a,
84b,86a,86bの容量が制限されるためであ
る。
【0051】そこで、本実施の形態では、高域ノイズ低
減回路80に縦続接続されるように低域ノイズ低減回路
10を設けることによって、広い周波数範囲にわたって
ノイズを抑制することができるノイズ抑制回路1を実現
している。
【0052】次に、図5および図6を参照して、低域ノ
イズ低減回路10の具体的な回路構成の2つの例につい
て説明する。ここでは、低域ノイズ低減回路10は、電
子機器2と高域ノイズ低減回路80との間に配置される
ものとして説明する。
【0053】図5に示した低域ノイズ低減回路10は、
電子機器2に接続される2つの端子21a,21bと、
高域ノイズ低減回路80の2つの端子81a,81bに
接続される2つの端子22a,22bとを備えている。
低域ノイズ低減回路10は、更に、端子21a,21b
と端子22a,22bとの間に設けられたノーマルモー
ドフィルタ回路61を備えている。このノーマルモード
フィルタ回路61は、一端が端子21aに接続され、他
端が端子22aに接続されたコイル63と、一端が端子
22aに接続され、他端が端子22bに接続されたキャ
パシタ64とを有している。
【0054】図21に示したように、1MHz以下の周
波数範囲では、特にノーマルモードノイズが問題とな
る。そこで、図5に示した低域ノイズ低減回路10は、
1MHz以下の周波数範囲におけるノーマルモードノイ
ズを低減できるように、ノーマルモードフィルタ回路6
1を備えている。なお、このノーマルモードフィルタ回
路61は、高域ノイズ低減回路80に対して直列に設け
られていればよい。従って、ノーマルモードフィルタ回
路61が配置される位置は、電子機器2と高域ノイズ低
減回路80との間に限らず、高域ノイズ低減回路80と
電源線4との間でもよく、また、スイッチング電源にお
ける整流回路の入力端あるいは出力端に接続される位置
であってもよい。
【0055】図21に示したように、1MHz以下の周
波数範囲では、ノーマルモードノイズだけではなく、コ
モンモードノイズも存在し得る。そこで、図6に示した
低域ノイズ低減回路10は、1MHz以下の周波数範囲
におけるノーマルモードノイズおよびコモンモードノイ
ズを低減できるようにしたものである。図6に示した低
域ノイズ低減回路10は、図5に示した低域ノイズ低減
回路10の構成に加え、ノーマルモードフィルタ回路6
1と端子21a,21bとの間にコモンモードフィルタ
回路62を設けた構成になっている。コモンモードフィ
ルタ回路62は、コモンモードチョークコイル65を有
している。このコモンモードチョークコイル65は、1
つの磁芯65aと、この磁芯65aに巻かれた2つの巻
線65b,65cとを有している。巻線65bの一端は
端子21aに接続され、他端はノーマルモードフィルタ
回路61のコイル63に接続されている。巻線65cの
一端は端子21bに接続され、他端は端子22bに接続
されている。
【0056】図6に示した低域ノイズ低減回路10にお
けるコモンモードチョークコイル65を設計する際に
は、例えば1MHz以下の低い周波数の範囲におけるコ
モンモードノイズ低減効果のみを考慮すればよい。従っ
て、コイル65では、巻線間の浮遊容量を低減するため
の特殊な構成を採用する必要がない。その結果、安価な
コモンモードフィルタ回路62を実現することができ
る。
【0057】ここで、図7ないし図10を参照して、図
5に示した低域ノイズ低減回路10におけるコイル63
のインダクタンスおよびキャパシタ64の容量と低域ノ
イズ低減回路10の特性との関係について説明する。図
7ないし図10は、それぞれ、図21に示した雑音端子
電圧の周波数特性を有するスイッチング電源に対して、
図5に示した低域ノイズ低減回路10を接続したときの
雑音端子電圧の周波数特性の例を示している。図7に示
した例では、コイル63のインダクタンスを380μH
とし、キャパシタ64としては、それぞれ容量が0.4
7μFの4個のキャパシタを並列に接続したものを用い
て、キャパシタ64の容量を0.47×4μFとしてい
る。図8に示した例では、コイル63のインダクタンス
を33μHとし、キャパシタ64の容量を0.47μF
としている。図9に示した例では、コイル63のインダ
クタンスを33μHとし、キャパシタ64の容量を0.
1μFとしている。図10に示した例では、コイル63
のインダクタンスを33μHとし、キャパシタ64の容
量を0.068μFとしている。
【0058】図7ないし図10より、コイル63のイン
ダクタンスおよびキャパシタ64の容量が大きいほど、
1MHz以下の周波数範囲におけるノイズ低減効果が大
きいことが分かる。なお、図7ないし図10に示した例
では、雑音端子電圧の時間的なピーク値を示している。
雑音端子電圧に関する規制では、雑音端子電圧の時間的
な平均値が許容レベルを超えていなければよい。図7な
いし図10に示した例では、いずれも、雑音端子電圧の
時間的な平均値は許容レベル以下となる。
【0059】次に、図5に示した低域ノイズ低減回路1
0におけるコイル63のインダクタンスおよびキャパシ
タ64の容量の好ましい値について考察する。ここで、
コイル63のインピーダンスをXとし、コイル63の
インダクタクスをLとし、キャパシタ64のインピーダ
ンスをXとし、キャパシタ64の容量をCとする。ま
た、図5に示した低域ノイズ低減回路10において、端
子21a,21b間におけるノーマルモードノイズの電
圧値をVinとし、端子22a,22b間におけるノー
マルモードノイズの電圧値Voutとする。VinとV
outとの関係は、以下の式のように表される。なお、
ωはノイズの角周波数、jは√(−1)である。
【0060】 Vout=Vin×{X/(X+X)} =Vin×〔(−1/jωC)/{jωL−(1/jωC)}〕 =Vin×{1/(ω・L・C+1)} ≒Vin×(1/ω・L・C)
【0061】上記の式から、L×Cの値が大きいほど、
ノイズ低減効果が大きくなることが分かる。ここで、L
=xμHとし、C=yμFとする。図7に示した例では
xy=714.4、図8に示した例ではxy=15.5
1、図9に示した例ではxy=3.3、図10に示した
例ではxy=2.244となる。このことから、図21
に示した特性の雑音端子電圧に対しては、xy≧2であ
ることが好ましい。しかし、ノイズのレベルによって
は、例えば、xy≧1でも十分な場合もある。
【0062】ところで、1MHz以下の低い周波数の範
囲において大きなノイズ低減効果を得るためには、以下
で説明するように、1MHz以下の所定の共振周波数で
共振する並列共振回路を用いるのが効果的である。
【0063】ここで、図11および図12を参照して、
並列共振回路について説明する。図11は並列共振回路
を示す回路図である。この並列共振回路は、2つの端子
11,12と、この2つの端子11,12間において互
いに並列に接続されたコイル13およびキャパシタ14
を備えている。コイル13は、磁芯13aと、この磁芯
13aに巻かれた巻線13bとを有している。図11に
おいて、符号15は、磁芯13aにおける磁気損失等に
起因するコイル13の内部抵抗と等しい抵抗値を有する
仮想の抵抗器を示している。図11に示したように、仮
想の抵抗器15はコイル13に対して直列に接続されて
いるとみなすことができる。
【0064】ここで、図11におけるコイル13のイン
ダクタンスをL、キャパシタ14の容量をC、抵抗器1
5の抵抗値をRsとする。図11に示した並列共振回路
の共振周波数fは、次の式で表わされる。
【0065】f=1/{2π√(L・C)}
【0066】図12は、図11に示した並列共振回路と
コイル13のそれぞれについて、インピーダンスの絶対
値の周波数特性を概念的に示したものである。図12に
おいて、符号18は並列共振回路の特性を示し、符号1
9はコイル13単独の特性を示している。図12に示し
たように、並列共振回路のインピーダンスの絶対値は、
共振周波数fにおいてピーク値を取る。ピーク値は抵
抗値Rsと等しい。これに対し、コイル13単独のイン
ピーダンスの絶対値は、周波数をfとして、2πfLで
表わされる。共振周波数fでは、並列共振回路のイン
ピーダンスの絶対値は、コイル13単独のインピーダン
スの絶対値よりも非常に大きくなる。このことから、並
列共振回路を導電線の途中に挿入し、この並列共振回路
の共振周波数fを、低減したいノイズの周波数の近傍
に設定すれば、そのノイズを効果的に低減できることが
分かる。図11に示した並列共振回路では、コイル13
のインダクタンスLとキャパシタ14の容量Cの少なく
とも一方を変えることによって共振周波数fを変える
ことができる。並列共振回路において共振周波数f
変える方法としては、並列共振回路においてキャパシタ
14を交換可能にしておき、キャパシタ14を交換する
ことによって、キャパシタ14の容量Cを変える方法
が、簡便で好ましい。
【0067】ここで、図13を参照して、図11に示し
た並列共振回路においてキャパシタ14の容量を変えた
ときのインピーダンスの絶対値の周波数特性の変化につ
いて説明する。図13には、図11に示した並列共振回
路において、キャパシタ14がない場合、すなわちコイ
ル13単独の場合と、キャパシタ14の容量Cがそれぞ
れ5pF、10pF、20pF、47pF、100pF
の5つの場合とについて特性を示している。なお、イン
ダクタンスLは2mHとし、抵抗値Rsは20Ωとして
いる。
【0068】図13から、図11に示した並列共振回路
によれば、共振周波数fにおいて、コイル13単独の
場合に比べて、インピーダンスの絶対値を大きくするこ
とができることが分かる。例えば、キャパシタ14の容
量Cを100pFとした場合の並列共振回路では、コイ
ル13単独の場合に比べて、インピーダンスの絶対値が
約4倍になっている。
【0069】また、図13から、図11に示した並列共
振回路によれば、キャパシタ14の容量Cを変えること
によって、共振周波数fを容易に制御することができ
ることが分かる。
【0070】また、コイル13単独の場合には、数百k
Hz程度の低い周波数で十分に大きなインピーダンスの
絶対値を得るためには、コイル13のインダクタンスL
を非常に大きく、例えば20mH以上とする必要があっ
た。これに対し、図11に示した並列共振回路によれ
ば、コイル13のインダクタンスLを2mH程度にまで
小さくしながら、1MHz以下の低い周波数で十分に大
きなインピーダンスの絶対値を得ることができる。これ
により、コイル13を小さくすることが可能になる。
【0071】なお、図11におけるコイル13には浮遊
の線間容量が存在するため、コイル13単独の場合で
も、コイル13のインダクタンスLとコイル13の線間
容量とによって、コイル13に並列共振特性を持たせる
ことができる。しかし、この場合には、コイル13の線
間容量の値が小さいために共振周波数が高くなり、1M
Hz以下の周波数領域において高いインピーダンスの絶
対値を得ることは難しい。
【0072】次に、図14ないし図19を参照して、並
列共振回路を含む低域ノイズ低減回路10の回路構成の
6つの例について説明する。
【0073】図14に示した第1の例の低域ノイズ低減
回路10は、導電線3a,3bを介して電子機器2に接
続される2つの端子21a,21bと、高域ノイズ低減
回路80の端子81a,81bに接続される2つの端子
22a,22bとを備えている。端子21b,22b間
は導電線によって接続されている。低域ノイズ低減回路
10は、更に、端子21a,22a間において互いに並
列に接続されたコイル23およびキャパシタ24を備え
ている。コイル23は、磁芯23aと、この磁芯23a
に巻かれた巻線23bとを有している。コイル23およ
びキャパシタ24は並列共振回路を構成している。図1
4に示した低域ノイズ低減回路10は、ノーマルモード
ノイズを低減する。
【0074】図15に示した第2の例の低域ノイズ低減
回路10は、図14に示した回路と同様に端子21a,
21b,22a,22bを備えている。低域ノイズ低減
回路10は、更に、端子21a,21bと端子22a,
22bとの間に設けられたコモンモードチョークコイル
25を備えている。このコモンモードチョークコイル2
5は、1つの磁芯25aと、この磁芯25aに巻かれた
2つの巻線25b,25cとを有している。巻線25b
の一端は端子21aに接続され、他端は端子22aに接
続されている。巻線25cの一端は端子21bに接続さ
れ、他端は端子22bに接続されている。巻線25b,
25cは、巻線25b,25cにノーマルモードの電流
が流れたときに各巻線25b,25cを流れる電流によ
って磁芯25aに誘起される磁束が互いに相殺されるよ
うな向きに、磁芯25aに巻かれている。低域ノイズ低
減回路10は、更に、巻線25cに対して並列に接続さ
れたキャパシタ26を備えている。巻線25cおよびキ
ャパシタ26は並列共振回路を構成している。図15に
示した低域ノイズ低減回路10は、コモンモードノイズ
を低減する。なお、キャパシタ26を巻線25cに対し
て並列に接続せずに、巻線25bに対して並列に接続し
てもよい。
【0075】図16に示した第3の例の低域ノイズ低減
回路10は、図15に示した回路に、巻線25bに対し
て並列に接続されたキャパシタ27を加えたものであ
る。キャパシタ26,27の容量は等しい。図16に示
した低域ノイズ低減回路10では、コモンモードチョー
クコイル25およびキャパシタ26,27によって並列
共振回路が構成される。この低域ノイズ低減回路10
は、コモンモードノイズを低減する。
【0076】図17に示した第4の例の低域ノイズ低減
回路10は、図14に示した回路に、端子21b,22
b間において互いに並列に接続されたコイル33および
キャパシタ34を加えたものである。コイル33は、磁
芯33aと、この磁芯33aに巻かれた巻線33bとを
有している。図17に示した低域ノイズ低減回路10で
は、コイル23およびキャパシタ24は第1の並列共振
回路を構成し、コイル33およびキャパシタ34は第2
の並列共振回路を構成する。図17に示した低域ノイズ
低減回路10は、ノーマルモードノイズおよびコモンモ
ードノイズを低減する。
【0077】図18に示した第5の例の低域ノイズ低減
回路10は、図14に示した回路に、キャパシタ41
と、コモンモードチョークコイル45と、キャパシタ4
6とを加えたものである。キャパシタ41の一端は、端
子21aとは反対側におけるコイル23とキャパシタ2
4との接続点に接続され、キャパシタ41の他端は端子
21bに接続されている。コモンモードチョークコイル
45は、1つの磁芯45aと、この磁芯45aに巻かれ
た2つの巻線45b,45cとを有している。巻線45
bの一端はキャパシタ41の一端に接続され、他端は端
子22aに接続されている。巻線45cの一端はキャパ
シタ41の他端に接続され、他端は端子22bに接続さ
れている。巻線45b,45cは、巻線45b,45c
にノーマルモードの電流が流れたときに各巻線45b,
45cを流れる電流によって磁芯45aに誘起される磁
束が互いに相殺されるような向きに、磁芯45aに巻か
れている。キャパシタ46は、巻線45cに対して並列
に接続されている。なお、キャパシタ46を巻線45c
に対して並列に接続せずに、巻線45bに対して並列に
接続してもよい。また、巻線45cに対して並列に接続
されたキャパシタ46の他に、巻線45bに対して並列
に接続されたキャパシタを設けてもよい。
【0078】図18に示した低域ノイズ低減回路10で
は、コイル23およびキャパシタ24は第1の並列共振
回路を構成し、巻線45cおよびキャパシタ46は第2
の並列共振回路を構成する。この低域ノイズ低減回路1
0では、コイル23およびキャパシタ24よりなる並列
共振回路とキャパシタ41とによってノーマルモードノ
イズを低減し、コモンモードチョークコイル45および
キャパシタ46によってコモンモードノイズを低減す
る。
【0079】図19に示した第6の例の低域ノイズ低減
回路10は、図14に示した回路と同様に端子21a,
21b,22a,22bを備えている。低域ノイズ低減
回路10は、更に、1つの磁芯51と、この磁芯51に
巻かれた第1の巻線52および第2の巻線53と、第2
の巻線53の両端間に設けられたキャパシタ54とを有
している。第1の巻線52の一端は端子21aに接続さ
れ、他端は端子22aに接続されている。第2の巻線5
3およびキャパシタ54は並列共振回路を構成する。第
1の巻線52は、磁芯51を介して第2の巻線53と磁
気的に結合されているので、上記並列共振回路と同様の
並列共振特性を有する。すなわち、第1の巻線52のイ
ンピーダンスの絶対値は、上記並列共振回路の共振周波
数においてピーク値を取る。図19に示した低域ノイズ
低減回路10は、ノーマルモードノイズを低減する。
【0080】図19に示した低域ノイズ低減回路10で
は、第1の巻線52には電力輸送用の電流が流れるた
め、巻線52の巻数をあまり多くすることはできないと
共に、巻線52の太さをあまり細くすることはできな
い。これに対し、第2の巻線53には電力輸送用の電流
は流れないため、巻線53の巻数を多くすることが可能
であると共に、巻線53の太さも細くすることが可能で
ある。そのため、図19に示した低域ノイズ低減回路1
0では、巻線53のインダクタンスの値として選択可能
な値の範囲が広く、設定可能な共振周波数の範囲も広
い。
【0081】上述のような巻線53の特徴を生かし、巻
線53の巻数を例えば100ターン以上のように多く
し、巻線53における線間容量を大きくして、キャパシ
タ54を省くことも可能である。この場合には、巻線5
3のインダクタンスと巻線53における線間容量とによ
って定まる共振周波数で共振する並列共振回路を構成す
ることができる。
【0082】図14ないし図19に示した各低域ノイズ
低減回路10は、いずれも、並列共振回路の共振周波数
を含む周波数範囲におけるノイズを低減する。共振周波
数は、例えば1MHz以下の周波数に設定される。ま
た、低域ノイズ低減回路10がノイズを低減する周波数
範囲は、電子機器2が発生するノイズの大きさがピーク
値を取るときの周波数を含むように設定される。
【0083】図20は、図21に示した雑音端子電圧の
周波数特性を有するスイッチング電源に対して、図14
に示した低域ノイズ低減回路10を接続したときの雑音
端子電圧の周波数特性の一例を示している。なお、この
例では、低域ノイズ低減回路10における共振周波数を
200kHzに設定している。図20と図21を比較す
れば、図14に示した低域ノイズ低減回路10によっ
て、1MHz以下の周波数範囲におけるノイズを低減で
きることが分かる。
【0084】以上説明したように、本実施の形態に係る
ノイズ抑制回路1では、高域ノイズ低減回路80によっ
て高域のノイズを低減すると共に、低域ノイズ低減回路
10によって低域のノイズを低減する。従って、このノ
イズ抑制回路1によれば、広い周波数範囲にわたってノ
イズを抑制することが可能になる。
【0085】本実施の形態に係るノイズ抑制回路1にお
いて、低域ノイズ低減回路10が並列共振回路を含む場
合には、並列共振回路におけるコイルのインダクタンス
とキャパシタの容量の少なくとも一方を変えることによ
って共振周波数を容易に変えることができる。従って、
低域ノイズ低減回路10がノイズを低減する周波数範囲
を、ノイズを低減したい周波数範囲に容易に合わせるこ
とができる。
【0086】また、本実施の形態において、低域ノイズ
低減回路10および高域ノイズ低減回路80は、高域ノ
イズ低減回路80のグランドとして機能する筐体5に収
納され、高域ノイズ低減回路80は低域ノイズ低減回路
10よりも筐体5に近い位置に配置されていてもよい。
この場合には、高域ノイズ低減回路80においてグラン
ドに接続される部分と、グランドとしての筐体5とを短
い線路で接続することができる。これにより、高域ノイ
ズ低減回路80におけるグランドに対するインピーダン
スを小さくすることができる。
【0087】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々の変更が可能である。例えば、本発明における
高域ノイズ低減回路80の構成は、図2に示した構成に
限らない。例えば、逆相信号発生回路85およびインピ
ーダンス素子88からなる経路を2つ設け、キャパシタ
84aおよびキャパシタ86aを一方の経路に接続し、
キャパシタ84bおよびキャパシタ86bを他方の経路
に接続してもよい。この構成の高域ノイズ低減回路80
によれば、ノーマルモードノイズおよびコモンモードノ
イズを低減することができる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし1
2のいずれかに記載のノイズ抑制回路では、第1のノイ
ズ低減回路によって第1の周波数範囲におけるノイズが
低減すると共に、第2のノイズ低減回路によって、第1
の周波数範囲内の周波数よりも低い周波数を含む第2の
周波数範囲におけるノイズを低減する。従って、本発明
によれば、広い周波数範囲にわたってノイズを抑制する
ことが可能になるという効果を奏する。
【0089】また、請求項4ないし12記載のノイズ抑
制回路では、第2のノイズ低減回路は、所定の共振周波
数で共振する並列共振回路を含み、共振周波数を含む周
波数範囲におけるノイズを低減する。従って、本発明に
よれば、第2のノイズ低減回路がノイズを低減する周波
数範囲を、ノイズを低減したい周波数範囲に容易に合わ
せることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るノイズ抑制回路の
概略の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における高域ノイズ低減回路の構成の一例
を示す回路図である。
【図3】図2に示した高域ノイズ低減回路の効果を示す
特性図である。
【図4】図2に示した高域ノイズ低減回路の特性と図2
2に示したノイズフィルタ回路の特性とを示す特性図で
ある。
【図5】図1における低域ノイズ低減回路の構成の一例
を示す回路図である。
【図6】図1における低域ノイズ低減回路の構成の他の
例を示す回路図である。
【図7】図5に示した低域ノイズ低減回路の効果を示す
特性図である。
【図8】図5に示した低域ノイズ低減回路の効果を示す
特性図である。
【図9】図5に示した低域ノイズ低減回路の効果を示す
特性図である。
【図10】図5に示した低域ノイズ低減回路の効果を示
す特性図である。
【図11】並列共振回路を示す回路図である。
【図12】図11に示した並列共振回路のインピーダン
スの絶対値の周波数特性を概念的に示す説明図である。
【図13】図11に示した並列共振回路においてキャパ
シタの容量を変えたときのインピーダンスの絶対値の周
波数特性の変化を示す特性図である。
【図14】並列共振回路を含む低域ノイズ低減回路の構
成の第1の例を示す回路図である。
【図15】並列共振回路を含む低域ノイズ低減回路の構
成の第2の例を示す回路図である。
【図16】並列共振回路を含む低域ノイズ低減回路の構
成の第3の例を示す回路図である。
【図17】並列共振回路を含む低域ノイズ低減回路の構
成の第4の例を示す回路図である。
【図18】並列共振回路を含む低域ノイズ低減回路の構
成の第5の例を示す回路図である。
【図19】並列共振回路を含む低域ノイズ低減回路の構
成の第6の例を示す回路図である。
【図20】図14に示した低域ノイズ低減回路の効果を
示す特性図である。
【図21】スイッチング電源の雑音端子電圧の周波数特
性の一例を示す特性図である。
【図22】スイッチング電源の雑音端子電圧の周波数特
性の一例を示す特性図である。
【図23】従来のノイズフィルタ回路の一例を示す回路
図である。
【図24】図23におけるYキャパシタのインピーダン
スの周波数特性の一例を示す特性図である。
【図25】図23に示したノイズフィルタ回路に漏れイ
ンダクタンスと等しいインダクタンスを有する仮想のコ
イルを加えた回路を示す回路図である。
【図26】ノイズフィルタ回路の他の例を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
1…ノイズ抑制回路、2…電子機器、3a,3b…導電
線、4…電源線、4a,4b…導電線、5…筐体、10
…低域ノイズ低減回路、80…高域ノイズ低減回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H740 NN02 5J024 AA01 BA04 BA19 CA03 CA06 CA10 DA01 DA25 EA09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノイズ発生源に接続された2本の導電線
    の途中に挿入され、前記ノイズ発生源より発生されて、
    前記導電線上を伝搬するノイズを抑制するノイズ抑制回
    路であって、 主に第1の周波数範囲におけるノイズを低減する第1の
    ノイズ低減回路と、 主に前記第1の周波数範囲内の周波数よりも低い周波数
    を含む第2の周波数範囲におけるノイズを低減する第2
    のノイズ低減回路とを備え、 第1のノイズ低減回路は、前記導電線の所定の位置に配
    置され、前記導電線上を伝搬するノイズを検出する検出
    手段と、前記検出手段により検出されたノイズと逆相の
    信号となる逆相信号を発生する逆相信号発生手段と、前
    記導電線において前記検出手段とは異なる位置に配置さ
    れ、前記導電線に対して前記逆相信号発生手段により発
    生された逆相信号を注入することによって、導電線上の
    ノイズを相殺するノイズ相殺手段とを有することを特徴
    とするノイズ抑制回路。
  2. 【請求項2】 前記第1のノイズ低減回路は、コモンモ
    ードノイズを低減することを特徴とする請求項1記載の
    ノイズ抑制回路。
  3. 【請求項3】 前記第2のノイズ低減回路は、ノーマル
    モードノイズを低減することを特徴とする請求項1また
    は2記載のノイズ抑制回路。
  4. 【請求項4】 前記第2のノイズ低減回路は、所定の共
    振周波数で共振する並列共振回路を含み、前記共振周波
    数を含む周波数範囲におけるノイズを低減することを特
    徴とする請求項1または2記載のノイズ抑制回路。
  5. 【請求項5】 前記第2のノイズ低減回路がノイズを低
    減する周波数範囲は、前記ノイズ発生源が発生するノイ
    ズの大きさがピーク値を取るときの周波数を含むように
    設定されていることを特徴とする請求項4記載のノイズ
    抑制回路。
  6. 【請求項6】 前記第2のノイズ低減回路は、一方の導
    電線の途中に挿入されたコイルと、前記コイルに対して
    並列に接続されたキャパシタとを有し、前記コイルおよ
    びキャパシタは並列共振回路を構成することを特徴とす
    る請求項4または5記載のノイズ抑制回路。
  7. 【請求項7】 前記第2のノイズ低減回路は、1つの磁
    芯と、前記磁芯に巻かれた2つの巻線と、一方の巻線に
    対して並列に接続されたキャパシタとを有し、一方の巻
    線は一方の導電線の途中に挿入され、他方の巻線は他方
    の導電線の途中に挿入され、前記一方の巻線およびキャ
    パシタは並列共振回路を構成することを特徴とする請求
    項4または5記載のノイズ抑制回路。
  8. 【請求項8】 前記第2のノイズ低減回路は、一方の導
    電線の途中に挿入された第1のコイルと、前記第1のコ
    イルに対して並列に接続された第1のキャパシタと、他
    方の導電線の途中に挿入された第2のコイルと、前記第
    2のコイルに対して並列に接続された第2のキャパシタ
    とを有し、前記第1のコイルおよび第1のキャパシタは
    第1の並列共振回路を構成し、前記第2のコイルおよび
    第2のキャパシタは第2の並列共振回路を構成すること
    を特徴とする請求項4または5記載のノイズ抑制回路。
  9. 【請求項9】 前記第2のノイズ低減回路は、一方の導
    電線の途中に挿入されたコイルと、前記コイルに対して
    並列に接続された第1のキャパシタと、1つの磁芯と、
    前記磁芯に巻かれた2つの巻線と、一方の巻線に対して
    並列に接続された第2のキャパシタとを有し、一方の巻
    線は一方の導電線の途中に挿入され、他方の巻線は他方
    の導電線の途中に挿入され、前記コイルおよび第1のキ
    ャパシタは第1の並列共振回路を構成し、前記一方の巻
    線および第2のキャパシタは第2の並列共振回路を構成
    することを特徴とする請求項4または5記載のノイズ抑
    制回路。
  10. 【請求項10】 前記第2のノイズ低減回路は、1つの
    磁芯と、前記磁芯に巻かれた第1および第2の巻線と、
    前記第2の巻線の両端間に設けられたキャパシタとを有
    し、前記第1の巻線は一方の導電線の途中に挿入され、
    前記第2の巻線およびキャパシタは並列共振回路を構成
    することを特徴とする請求項4または5記載のノイズ抑
    制回路。
  11. 【請求項11】 前記第2のノイズ低減回路は、1つの
    磁芯と、前記磁芯に巻かれた第1および第2の巻線とを
    有し、前記第1の巻線は一方の導電線の途中に挿入さ
    れ、前記第2の巻線は、第2の巻線のインダクタンスと
    第2の巻線における線間容量とによって定まる共振周波
    数で共振する並列共振回路を構成することを特徴とする
    請求項4または5記載のノイズ抑制回路。
  12. 【請求項12】 前記共振周波数は1MHz以下である
    ことを特徴とする請求項4ないし11のいずれかに記載
    のノイズ抑制回路。
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