JP2003338654A - 半導体レーザモジュール - Google Patents

半導体レーザモジュール

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JP2003338654A
JP2003338654A JP2002147874A JP2002147874A JP2003338654A JP 2003338654 A JP2003338654 A JP 2003338654A JP 2002147874 A JP2002147874 A JP 2002147874A JP 2002147874 A JP2002147874 A JP 2002147874A JP 2003338654 A JP2003338654 A JP 2003338654A
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laser module
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JP2002147874A
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Jun Miyokawa
純 三代川
Takashi Koseki
敬 古関
Toru Fukushima
徹 福島
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パッケージ底板の熱的あるいは物理的変形や
ベースとパッケージとの位置関係のずれに起因した光軸
ずれなどの影響を回避し、光ファイバ出力端の光出力を
安定化すること。 【解決手段】 パッケージ11内部に少なくとも半導体
レーザ素子13が搭載されたベース12を収容し、半導
体レーザ素子13から出力されるレーザ光を、パッケー
ジ11に設けられた開口部11fから外部に導出する半
導体レーザモジュール10であって、ベース12は、開
口部11fを形成した壁面11bに固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パッケージ内部
に少なくとも半導体レーザ素子が搭載されたベースを収
容し、前記半導体レーザ素子から出力されるレーザ光
を、レンズ系によって光ファイバへ光結合させてパッケ
ージ外部へ導出させる、あるいはレーザ光と光結合され
たレンズ付光ファイバによりパッケージ外部へ導出させ
る半導体レーザモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体レーザモジュールは、
半導体レーザ素子(以下、単に「LD素子」という)を
搭載したベースがパッケージの底板上に配置され、LD
素子から出射されたレーザ光を光ファイバに光結合さ
れ、このレーザ光は光通信における信号用の光源や光増
幅用の光源に使用されている。
【0003】この半導体レーザモジュールには、パッケ
ージの底板にフランジ状の取付部が設けられるのが一般
的である。この半導体レーザモジュールは、ねじなどの
固定手段を用いてこの取付部を固定することによって、
光通信器や光増幅器に設けられた回路基板やヒートシン
クなどに取り付けられる。
【0004】また、半導体レーザモジュールには、環境
温度の変化や、駆動電流の大きさに伴って発熱するLD
素子の温度変動特性を安定化させるため、パッケージの
底板に設置したペルチェ素子などからなるサーモモジュ
ール上に上述したベースを配置し、主としてLD素子を
所定温度にするようにサーモモジュールで制御するもの
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の半導体レーザモジュールには、ベース表面に搭載し
たベース表面実装型や、LD素子を搭載したステム、レ
ンズホルダ及びLD素子から出射されたレーザ光を結合
させる光ファイバを保持したフェルールのスリーブを同
軸上に一体に連結した同軸一体型がある。そして、ベー
ス表面実装型や同軸一体型いずれのタイプの半導体レー
ザモジュールも、LD素子から出射されたレーザ光を光
ファイバに光結合させる手段として、レンズ系が使用さ
れるが、光ファイバの端部にレンズ部を一体に形成した
光ファイバ(レンズドファイバ)を使用するものもあ
る。また、上記半導体レーザモジュールは、サーモモジ
ュールを備えたものや備えないものなど、使用環境や用
途に応じて適宜使い分けている。
【0006】上記種々のタイプの半導体レーザモジュー
ルのうち、LD素子から出射されたレーザ光をレンズ系
によって光ファイバに結合させるものには、レンズが1
つである1レンズ系型のものと、レンズが2つの2レン
ズ系型などがある。
【0007】例えば、1レンズ系型の半導体レーザモジ
ュールは、図11に示す半導体レーザモジュール1のよ
うに、パッケージ2内に収容されるサーモモジュール
3、ベース4、LD素子6及びレンズホルダ7を有して
いる。
【0008】パッケージ2は、底板2a、側壁2bおよ
び側壁2bの上部に被着されるカバー2cを有してい
る。また、パッケージ2は、側壁2bに外方へ突出させ
て設けた筒状部2dによって開口部2eが形成され、開
口部2eの外側にはハーメチックガラス2fが取り付け
られている。そして、パッケージ2は、筒状部2dにス
リーブ9が取り付けられている。
【0009】サーモモジュール3は、底板2aに設置さ
れ、その上にベース4が配置されている。ベース4は、
一方にヒートシンク5を介してLD素子6が、他方にレ
ンズ7aを保持したレンズホルダ7が、それぞれ搭載さ
れている。スリーブ9は、光ファイバ9aの先端に取り
付けたフェルール9bを保持している。
【0010】これに対し、2レンズ系型の半導体レーザ
モジュールは、図12に示す半導体レーザモジュール1
のように、パッケージ2の筒状部2dにレンズ8aを保
持したレンズホルダ8を介してスリーブ9が取り付けら
れ、2つのレンズ7a,8aを有している。
【0011】ここで、1レンズ系型の半導体レーザモジ
ュールは、低光出力で、低コストなうえ小型化が可能と
いう特徴を有し、2レンズ系型の半導体レーザモジュー
ルは、レンズを2つ使用することで結合効率が高いこと
から、高出力用のモジュールに適しているという特徴を
有している。
【0012】一方、レンズドファイバを使用した半導体
レーザモジュールは、図13に示すように、ベース4の
他方に、レンズホルダ7に代えて、光ファイバFopを保
持したフェルールFが固定部材4aによって支持されて
いる。光ファイバFopは、先端に球形状あるいは楔形状
等のレンズ部Plsが形成され、筒状部2dからパッケー
ジ2の外部へ延出している。筒状部2dは、光ファイバ
Fopが延出する部分が半田Sdで封止されている。
【0013】ところで、上述したように光増幅器等の回
路基板等に固定する構造を有した半導体レーザモジュー
ルでは、この固定に伴う応力が直接作用する。このた
め、半導体レーザモジュールは、固定の際の応力が過剰
であると、パッケージの底板が変形することがある。
【0014】また、サーモモジュール3を備えた半導体
レーザモジュール1では、LD素子6の駆動に伴うLD
素子6の発熱による熱を、LD素子6の近傍、または、
ベース4やサーモモジュール3上に設置されたサーミス
タにより感知する。そして、LD素子6を所望の温度に
制御するため、LD素子6等を搭載したベ―ス4を介し
て吸熱するようにサーモモジュール3を作動させ、ま
た、パッケージ2の底板2aを介して放熱している。そ
のため、半導体レーザモジュール1は、図11〜13に
示すように、熱によってパッケージ2の底板2aに反り
などの熱変形を生じる場合がある。
【0015】ここで、半導体レーザモジュール1は、パ
ッケージ2の底板2aに矢印で示す方向に上述した物理
的な変形や熱変形(図11,12の点線参照)が生じる
と、LD素子6、レンズ7a(8a)及び光ファイバ9
aに至るレーザ光の光軸がずれ、光結合効率の劣化によ
って光ファイバの出力端における光出力が低下するとい
う問題があった。また、図13に示した半導体レーザモ
ジュール1においては、パッケージ2の底板2aに上述
した物理的な変形や熱変形が発生した場合、フェルール
Fから延出した光ファイバFopが図中円で囲んだC部で
多少変形する。このとき、ベース4に設置されたLD素
子6と光ファイバFopとの光結合状態に大きな影響はな
いが、これらにも僅かながら影響が生ずる。
【0016】更に、温度制御素子を備えた半導体レーザ
モジュールは、LD素子6を冷却するときには、サーモ
モジュール3のベース4側が吸熱(冷却)するように電
流を流し、裏面のパッケージ底板2a側では放熱させる
必要がある。このとき、半導体レーザモジュール1で
は、サーモモジュール3のLD素子6側が所望の温度よ
りも低かったり、電気的トラブルなどによってサーモモ
ジュール3に過剰電流が流れたり、あるいはベース4側
が発熱する方向に電流(逆方向電流)が流れて発熱する
場合もある。このような発熱によって、半導体レーザモ
ジュール1では、パッケージ2の底板2aに反りなどの
熱変形が生じる場合がある。あるいは、半導体レーザモ
ジュール1では、サーモモジュール3のベース4側が発
熱する方向に流れる電流により、サーモモジュール3と
ベース4とを固定する半田が溶融する温度となり、ベー
ス4の位置がずれてしまう場合もある。
【0017】サーモモジュール3駆動時の発熱や吸熱
(冷却)側と発熱側の温度差により、サーモモジュール
3自体に変形が生じる場合があり、ベース4の位置がず
れてしまう場合もある。
【0018】このような場合に、半導体レーザモジュー
ル1は、サーモモジュール3の上に配置されたベース4
とパッケージ2との位置関係がずれ、この結果、LD素
子6と光ファイバ9aとの光軸がずれ、光ファイバ9a
出力端における光出力が低下してしまうという問題があ
った。
【0019】この発明は、上述した従来技術による問題
点を解消するため、パッケージ底板の熱的あるいは物理
的変形や、ベースとパッケージとの位置関係のずれに起
因した光軸ずれに伴う光ファイバ出力端における光出力
の低下を防止し、安定した光出力を得ることができる半
導体レーザモジュールを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる半導体レーザモジュールは、パッ
ケージ内部に少なくとも半導体レーザ素子が搭載された
ベースを収容し、前記半導体レーザ素子から出力される
レーザ光を、前記パッケージに設けられた開口部から外
部に導出する半導体レーザモジュールであって、前記ベ
ースは、前記開口部を形成した壁面に固定されているこ
とを特徴とする。
【0021】この請求項1の発明によれば、パッケージ
内部に少なくとも半導体レーザ素子が搭載されたベース
を収容し、前記半導体レーザ素子から出力されるレーザ
光を、前記パッケージに設けられた開口部から外部に導
出する半導体レーザモジュールであって、前記ベース
を、前記開口部を形成した壁面に固定し、このベースと
開口部を形成しないパッケージの底板などの壁面との関
係が切り離され、開口部を形成しない壁面の熱的あるい
は物理的な変形や、ベースとパッケージとの位置関係の
ずれに起因した光軸ずれなどによる光出力低下等の影響
が回避される。このとき、半導体レーザ素子から出力さ
れるレーザ光は、レンズ系によって光ファイバへ光結合
されるか、あるいは、レンズ付光ファイバに光結合され
て、パッケージから外部へ導出される。
【0022】また、請求項2にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記レーザ光が光学部
品を介して、あるいは、直接光ファイバに光結合され、
前記パッケージ外部に導出されることを特徴とする。
【0023】この請求項2の発明によれば、前記レーザ
光が光学部品、例えば、レンズ系によって光ファイバ
に、あるいは、レンズ付光ファイバに光結合されて外部
に導出され、前記レーザ光と光ファイバとの光結合を高
い効率で行えるようにしている。
【0024】また、請求項3にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記ベースと前記開口
部を形成した壁面との間に固定部材を介在させたことを
特徴とする。
【0025】この請求項3の発明によれば、前記ベース
と前記開口部を形成した壁面との間に固定部材を介在さ
せて、ベースと開口部を形成した壁面との間の接合を容
易に行えるようにしている。
【0026】また、請求項4にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記ベースまたは前記
固定部材と前記開口部を形成した壁面との接合面に凹部
を設けたことを特徴とする。
【0027】この請求項4の発明によれば、前記ベース
または前記固定部材と前記開口部を形成した壁面との接
合面に凹部を設け、ベースまたは固定部材と開口部を形
成した壁面との間における熱伝導を小さくし、壁面の熱
変形を防止して光軸ずれが生じないようにしている。さ
らに、パッケージ底板から側壁を介したベースへの伝
熱、特に、サーモモジュールを備えた場合における、サ
ーモモジュールからパッケージ底板に放熱された熱の、
側壁を介したベースへの伝導を抑制している。
【0028】また、請求項5にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記固定部材は、前記
ベースの熱伝導率に比して小さい熱伝導率をもつ材料に
よって形成されていることを特徴とする。
【0029】この請求項5の発明によれば、前記固定部
材は、前記ベースの熱伝導率に比して小さい熱伝導率を
もつ材料によって形成し、固定部材と開口部を形成した
壁面との間における熱伝導を小さくし、壁面の熱変形を
防止して光軸ずれが生じないようにしている。さらに、
パッケージ底板から側壁を介したベースへの伝熱、特
に、サーモモジュールを備えた場合における、サーモモ
ジュールからパッケージ底板に放熱された熱の、側壁を
介したベースへの伝導をより一層抑制している。
【0030】また、請求項6にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記開口部を形成した
壁面を形成する材料の熱伝導率は、前記ベースの熱伝導
率に比して小さいことを特徴とする。
【0031】この請求項6の発明によれば、前記開口部
を形成した壁面を形成する材料の熱伝導率は、前記ベー
スの熱伝導率に比して小さくし、壁面の熱変形を防止し
て光軸ずれが生じないようにしている。さらに、パッケ
ージ底板から側壁を介したベースへの伝熱、特に、サー
モモジュールを備えた場合における、サーモモジュール
からパッケージ底板に放熱された熱の、側壁を介したベ
ースへの伝導を抑制している。
【0032】また、請求項7にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記ベースあるいは前
記固定部材と前記開口部を形成した壁面との間は、半田
材によって固定されることを特徴とする。
【0033】また、請求項8にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記ベースあるいは前
記固定部材と前記開口部を形成した壁面との間は、YA
Gレーザ溶接によって固定されることを特徴とする。
【0034】また、請求項9にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記ベースと前記パッ
ケージの底板との間を板状あるいは面状の伝熱体によっ
て接合したことを特徴とする。
【0035】この請求項9の発明によれば、前記ベース
と前記パッケージの底板との間を板状あるいは面状の伝
熱体によって接合し、ベースと前記パッケージの底板と
の位置関係がずれた場合であっても、板状あるいは面状
の伝熱体が変形することにより、このような位置関係の
ずれがベースと開口部を形成した壁面との位置関係に影
響を及ぼさないようにするとともに、伝熱体を介して熱
をパッケージの底板へ放出可能で、かつ、開口部を形成
した壁面への熱伝達を低減できるので、熱変形を防止
し、光軸ずれが生じないようにしている。
【0036】また、請求項10にかかる半導体レーザモ
ジュールは、上記の発明において、前記ベースと前記パ
ッケージの底板との間にサーモモジュールが介在されて
いることを特徴とする。
【0037】この請求項10の発明によれば、前記ベー
スと前記パッケージの底板との間にサーモモジュールを
介在させ、LD素子を所定温度に制御することが可能に
なる。
【0038】また、請求項11にかかる半導体レーザモ
ジュールは、上記の発明において、前記サーモモジュー
ルと前記パッケージの底板との間が、熱伝導性を有する
接合材で接合されていることを特徴とする。
【0039】この請求項11の発明によれば、前記ベー
スと前記パッケージの底板との間の接合材が熱伝導性を
有するので、前記サーモモジュールで発生する熱を前記
パッケージの底板を介して放出することができる。
【0040】また、請求項12にかかる半導体レーザモ
ジュールは、上記の発明において、前記サーモモジュー
ルと前記パッケージの底板との間を接合する前記接合材
の塑性変形能が、前記ベースと前記開口部を形成した壁
面あるいは前記ベースと前記固定部材を介した前記開口
部を形成した壁面との間を接合する接合材の塑性変形能
に比して大きいことを特徴とする。
【0041】この請求項12の発明によれば、前記サー
モモジュールと前記パッケージの底板との間を接合する
前記接合材の塑性変形能が、前記ベースと前記開口部を
形成した壁面あるいは前記ベースと前記固定部材を介し
た前記開口部を形成した壁面との間を接合する接合材の
塑性変形能に比して大きくすることで、前記パッケージ
の底板の熱による変形、あるいは、ねじ締め時の応力等
による物理的変形の影響が、ベースと開口部を形成した
壁面との間の位置関係に影響を与え難くくし、光軸ずれ
などが生じ難くしている。このとき、前記接合材は、ヤ
ング率が前記パッケージの底板のヤング率よりも小さい
ものを使用するのが好ましい。
【0042】また、請求項13にかかる半導体レーザモ
ジュールは、上記の発明において、前記サーモモジュー
ルと前記パッケージの底板との間を接合する接合材の厚
みは、前記ベースと前記開口部を形成した壁面あるいは
前記ベースと前記固定部材を介した前記開口部を形成し
た壁面との間を接合する接合材の厚みに比して厚いこと
を特徴とする。
【0043】この請求項13の発明によれば、前記サー
モモジュールと前記パッケージの底板との間を接合する
接合材の厚みは、前記ベースと前記開口部を形成した壁
面あるいは前記ベースと前記固定部材を介した前記開口
部を形成した壁面との間を接合する接合材の厚みに比し
て厚くし、接合材の変形を生じやすいようにし、塑性変
形能を大きく設定している。このとき、前記接合材は、
弾性変形域においてはパッケージの底板に作用する応力
を弾性変形によっても緩和している。
【0044】また、請求項14にかかる半導体レーザモ
ジュールは、上記の発明において、前記接合材が半田で
あることを特徴とする。
【0045】この請求項14の発明によれば、半田のヤ
ング率がパッケージの底板に関するヤング率よりも小さ
いので、弾性変形域においてはパッケージの底板に作用
する応力を半田で緩和している。
【0046】また、請求項15にかかる半導体レーザモ
ジュールは、上記の発明において、前記サーモモジュー
ルと前記パッケージの底板との間を接合する前記半田の
厚みが50μm以上、120μm以下であることを特徴
とする。
【0047】この請求項15の発明によれば、パッケー
ジの底板の変形に伴って作用する応力を半田の弾性変形
や塑性変形によって緩和している。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
にかかる半導体レーザモジュールの好適な実施の形態に
ついて説明する。
【0049】(実施の形態1)まず、この発明の実施の
形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形
態1である半導体レーザモジュール10の構成を示す縦
断面図である。この実施の形態1では、パッケージ11
の底板11aにフランジ状の取付部11dが設けられて
いる半導体レーザモジュールである。図1において、半
導体レーザモジュール10は、パッケージ11と、パッ
ケージ11内に収容されるベース12、LD素子13、
フォトダイオード14、レンズホルダ15および光ファ
イバ16を有している。
【0050】パッケージ11は、図1に示すように、底
板11a、側壁11bおよび側壁11bの上部に被着さ
れる蓋体11cを有する。底板11aは、フランジ状に
延出し、光増幅器等の回路基板やヒートシンクなどに対
してねじによって固定される取付部11dが、長手方向
両側に設けられている。取付部11dには、ねじ孔11
eが形成されている。パッケージ11は、側壁11bに
LD素子13から出射されるレーザ光をパッケージ11
の外部へ導く開口部11fが形成され、内部にハーメチ
ックガラス11gを設けた取付け筒11hが開口部11
fに取り付けられている。取付け筒11hには、図示の
ように、スリーブ17が取り付けられている。
【0051】このとき、パッケージ11は、ベース12
を形成する素材(Cu−W合金,AlN)の熱伝導率に
比して小さい熱伝導率を有するKOVAR(R)すなわ
ち鉄−コバルト−ニッケル合金(Fe: 53wt%,C
o: 18wt%,Ni: 28wt%)などによって形成す
る。このような素材を使用すると、パッケージ11は、
側壁11bの熱変形が防止され、LD素子13から光フ
ァイバ16に至るレーザ光の光軸ずれが生じなくなる。
【0052】ベース12は、Cu−W合金やAlNなど
によって、図1に示すように、長手方向中央に台座12
aが、台座12aの両側に搭載部12b,12cが、そ
れぞれ設けられ、搭載部12cに隣接して取付壁12d
が垂直に形成されている。台座12aには、キャリア1
2fを介してLD素子13が、搭載部12bにはキャリ
ア12gを介してフォトダイオード14が、それぞれ対
向する位置に搭載されている。また、搭載部12cに
は、レンズ15aを保持したレンズホルダ15が搭載さ
れている。取付壁12dは、開口部11fに臨んで凹部
12hが形成されている。凹部12hは、側壁11bと
の接触面積を小さくし、LD素子13の発熱に伴うベー
ス12から側壁11bへの熱の移動量を少なく抑えるた
めに形成する。そして、ベース12は、取付壁12dを
複数の溶接点でYAGレーザ溶接したり、半田付けする
ことで、開口部11fを形成した側の側壁11bに固定
される。
【0053】LD素子13は、空間を介して光ファイバ
16と対向配置され、その前端面から出射される所定波
長のレーザ光を、取付け筒11hを介してパッケージ1
1の外部へ光ファイバ16を通して出射する。
【0054】フォトダイオード14は、LD素子13の
後端面からモニタ用のレーザ光を受光し、外部からモニ
タする。
【0055】光ファイバ16は、先端にフェルール16
aが取り付けられ、LD素子13の前端面から出射され
る所定波長のレーザ光をパッケージ11の開口部11f
に取り付けた取付け筒11hから外部へ導出する。スリ
ーブ17は、取付け筒11hに取り付けられ、フェルー
ル16aを保持している。
【0056】ここで、半導体レーザモジュール1は、各
取付部11dで回路基板やヒートシンクなどに、ねじに
よって固定される。そして、半導体レーザモジュール1
0において、LD素子13から出射されたレーザ光は、
レンズホルダ15に保持されたレンズ15aで集光され
て、光ファイバ16に光結合され、光ファイバ16によ
ってパッケージ11の外部へと伝送されて行く。このと
き、半導体レーザモジュール10は、回路基板などへの
取り付けに際し、取付部11dに作用するねじ止めの際
の応力によって底板11aが変形することがある。
【0057】しかし、半導体レーザモジュール10は、
ベース12が側壁11bに固定されているため、底板1
1aの変形による影響を殆ど受けることがない。このた
め、半導体レーザモジュール10では、LD素子13と
光ファイバ16との光軸がずれることはなく、LD素子
13から出射されたレーザ光は、高い結合効率の下の光
ファイバ16に光結合される。従って、半導体レーザモ
ジュール10は、光結合効率の劣化がなく、安定した光
出力が得られる。
【0058】また、半導体レーザモジュール10は、発
振動作に伴ってLD素子13が発熱する。この熱は、ベ
ース12の取付壁12dからパッケージ11の側壁11
bに伝わる。
【0059】しかし、半導体レーザモジュール10は、
取付壁12dに凹部12hが形成され、側壁11bとの
接触面積が小さいので、ベース12からパッケージ11
に伝わる熱量が少ない。このため、半導体レーザモジュ
ール10は、側壁11bが殆ど熱変形を受けることがな
く、LD素子13から出射されるレーザ光の光軸のずれ
はほとんどないと言える。
【0060】ここで、ベースが、Cu−W合金等のよう
に熱伝導率の比較的大きな素材からなる場合、半導体レ
ーザモジュール10は、図2に示すように、固定部材2
2を介してベース21を開口部11fが形成された側壁
11bに固定する。なお、図2〜図10に示す半導体レ
ーザモジュールにおいて、同一構成部分には同一符号を
付している。
【0061】図2において、ベース21は、長手方向中
央に台座21aが形成され、台座21aの両側に搭載部
21b,21cがそれぞれ形成されている。台座21a
には、キャリア21dを介してLD素子13が搭載され
る。
【0062】ここで、図2,図3に示すベース21おい
ては、搭載部21bに搭載されるキャリアとフォトダイ
オード14並びに搭載部21cに搭載されるレンズホル
ダ15が省略されている。
【0063】固定部材22は、側壁11bとの接触面積
を低減するため、側壁11bとの接触面積を小さくし、
LD素子13の発熱に伴うベース21から側壁11bへ
の熱の移動量を少なく抑える凹部22aが側壁11b側
に形成されている。固定部材22は、Cu−W合金など
によって形成されるベース21の熱伝導率に比して小さ
い熱伝導率を有する前記鉄−コバルト−ニッケル合金な
どの素材が用いられる。固定部材22は、半田あるいは
ろう付け等によってベース21の両側に取り付けられ、
YAGレーザ溶接により溶接点Pwで側壁11bに固定
される。
【0064】このようなベース21を用いた半導体レー
ザモジュール10は、凹部22aが存在することによっ
て、固定部材22と側壁11bとの接触面積が小さく抑
えられる。このため、半導体レーザモジュール10は、
ベース21から固定部材22を介して側壁11bに伝わ
るLD素子13からの熱量が抑制され、結果としてパッ
ケージ11に伝わるLD素子13からの熱量が抑制され
る。
【0065】この結果、固定部材22を介してベース2
1を側壁11bに固定する半導体レーザモジュール10
は、パッケージ11の熱変形が抑制され、LD素子13
から出射されるレーザ光の光軸のずれに起因した光結合
効率の劣化が発生せず、光出力が一層安定する。
【0066】ここで、固定部材22は、ベース21と比
較した熱伝導率の大小ではなく、熱膨張率ができるだけ
近いものを使用することで、ベース21と固定部材22
との熱膨張の相違に基づく熱変形を低減し、光軸のずれ
を抑制してもよい。
【0067】また、ベース21は、固定部材と一体に形
成してもよいが、その場合には、前記鉄−コバルト−ニ
ッケル合金のような熱伝導率の小さい素材を用いる。た
だし、Cu−W合金等のように熱伝導率の大きな素材
は、熱伝導性が良く、放熱性に優れるため、一般的にY
AGレーザ溶接のようなレーザ溶接による固定が難し
い。このため、ベース21が、Cu−W合金等を用い、
図3に示すように、両側に配置される側板21eを含め
た一体型の構成とした場合、固定部材23を介して側壁
11bに固定する。
【0068】固定部材23は、側壁11bとの接触面積
を低減するため、図3に示すように、開口部11fが形
成された側壁11b側に凹部23aが形成され、素材と
しては、ベース21の熱伝導率に比して小さい熱伝導率
を有する前記鉄−コバルト−ニッケル合金やセラミック
スを用いてもよい。この場合、固定部材23は、半田S
dやろう付け(たとえば、銀ろう付け)によって側壁1
1bに固定される。ただし、固定部材23は、ベース2
1の側板21eに半田やろう付け(たとえば、銀ろう付
け)によって固定される。
【0069】なお、実施の形態1の半導体レーザモジュ
ールは、図4に示す半導体レーザモジュール20のよう
に、取付け筒11hとスリーブ17との間にレンズ24
aを保持したレンズホルダ24を配置した2レンズ系型
としても、LD素子13と光ファイバ16との光軸がず
れることがなく、光ファイバ16の出力端における光出
力の低下を防止し、安定した光出力が得られるという半
導体レーザモジュール10と同じ効果を得ることができ
る。
【0070】(実施の形態2)つぎに、この発明の実施
の形態2について説明する。図5は、この発明の実施の
形態2である半導体レーザモジュールの構成を示す縦断
面図である。この実施の形態2の半導体レーザモジュー
ルでは、光ファイバに先端に球形状あるいは楔形状等の
レンズ部が形成されたレンズドファイバを使用した構成
としている。図5において、半導体レーザモジュール2
5は、パッケージ11と、パッケージ11内に収容され
るベース26、LD素子13、フォトダイオード14お
よび光ファイバ27を有している。
【0071】ベース26は、ベース12と同じ素材を用
いて基板26aの一端に取付壁26bが垂直に形成さ
れ、キャリア26cを介してLD素子13が、キャリア
26dを介してフォトダイオード14が、それぞれ対向
配置させて設けられている。取付壁26bは、開口部1
1fに臨んで側壁11bとの接触面積を小さくし、LD
素子13の発熱に伴うベース26から側壁11bへの熱
の移動量を少なく抑える凹部26eが形成されている。
そして、ベース26は、取付壁26bを複数の溶接点で
YAGレーザ溶接したり、半田付けすることで、取付け
筒11hを設けた側の側壁11bに固定されている。
【0072】光ファイバ27は、先端に球形状あるいは
楔形状等のレンズ部27aが形成されたレンズドファイ
バで、一端を突出させてフェルール28に挿通固定され
ている。フェルール28は、取付け筒11hに挿通さ
れ、半田や接着剤などで固定されるとともに、取付け筒
11hから延出した部分がベース26に設けた固定部品
29にYAGレーザ溶接などによって固定されている。
そして、光ファイバ27の他端は、取付け筒11hを通
ってパッケージ11の外部へ延出している。
【0073】ここで、半導体レーザモジュール25は、
各取付部11dで回路基板やヒートシンクなどに、ねじ
によって固定される。半導体レーザモジュール25で
は、LD素子13から出射されたレーザ光は、レンズ部
27aで集光され、光ファイバ27によってパッケージ
11の外部へと伝送されて行く。このとき、半導体レー
ザモジュール25は、回路基板などへの取り付けに際
し、取付部11dに作用するねじ止めの際の応力によっ
て底板11aが変形することがある。
【0074】しかし、半導体レーザモジュール25は、
ベース26が側壁11bに固定されているため、底板1
1aの変形による影響を殆ど受けることがない。このた
め、半導体レーザモジュール25では、LD素子13と
光ファイバ27との光軸がずれることはなく、LD素子
13から出射されたレーザ光は、レンズ部27aで集光
されて光ファイバ27に入射する。従って、半導体レー
ザモジュール25は、光結合効率の劣化がなく、安定し
た光出力が得られる。
【0075】ここで、半導体レーザモジュール25で
は、発振動作に伴ってLD素子13が発熱する。この熱
は、ベース26の取付壁26bからパッケージ11の側
壁11bに伝わる。
【0076】しかし、半導体レーザモジュール25は、
取付壁26bに凹部26eが形成され、側壁11bとの
接触面積が小さいので、ベース26からパッケージ11
に伝わる熱量が少ない。このため、半導体レーザモジュ
ール25は、側壁11bが殆ど熱変形を受けることがな
く、LD素子13から出射されるレーザ光の光軸のずれ
はほとんどないと言える。
【0077】(実施の形態3)つぎに、この発明の実施
の形態3について説明する。この実施の形態3の半導体
レーザモジュールでは、サーモモジュール18上にベー
ス12を配置した構成としている。図6において、半導
体レーザモジュール30は、パッケージ11と、パッケ
ージ11内に収容されるベース12、LD素子13、フ
ォトダイオード14、レンズホルダ15およびサーモモ
ジュール18等を有する。
【0078】サーモモジュール18は、ベース12と底
板11aとの間に配置され、ベース12や底板11aと
の間を半田で接合されている。このとき、サーモモジュ
ール18と底板11aやベース12との間を接合する半
田SdMの厚みを、開口部11fを形成した側壁11bと
ベース12との間を接合する半田SdBの厚みに比して厚
くするか、あるいはSn−Zn,Pb−Sn等の比較的軟質
な低融点半田を使用する。
【0079】ベース12をサーモモジュール18に組み
付けるときは、先ず、予め底板11aに固定されたサー
モモジュール18の上で半田を溶融させ、図7に矢印A
yで示すように、溶融状態でベース12を押し付ける。
その後、図7に矢印Axで示すように、ベース12を側
壁11b側へ押圧し、取付壁12dを適宜の溶接点Pw
でYAGレーザ溶接して側壁11bに固定する。半田付
けならば、たとえば、取付壁12dを側壁11bに押し
付けながらAu−Sn半田を局部加熱し、半田付けす
る。このとき、ベース12は、サーモモジュール18へ
固定するのと同じ半田を用い、側壁11bおよびサーモ
モジュール18に同時に半田付けしてもよい。
【0080】あるいは、図8(a)に示すように、サー
モモジュール18の上に置いた所定の大きさの半田シー
ト上にベース12を配置し、ベース12をサーモモジュ
ール18に押し付けると共に矢印方向に押圧しながら、
取付壁12dを適宜の溶接点PwでYAGレーザ溶接し
て側壁11bに固定する。その後、図8(b)に示すよ
うに、ベース12とサーモモジュール18の間の半田シ
ートを溶かしてベース12をサーモモジュール18に固
定する。
【0081】半導体レーザモジュール30は、以上のよ
うに構成され、開口部11fが形成された側壁11bが
ベース12を固定し、LD素子13から出射されるレー
ザ光の光軸がずれないように保持する役割を、底板11
aやサーモモジュール18がベース12から放熱する役
割を、主として発揮する領域となる。そして、LD素子
13から出射されたレーザ光は、レンズホルダ15のレ
ンズ15aで集光されて光ファイバ16へ入射し、光フ
ァイバ16によって外部へ伝送されて行く。
【0082】このとき、半導体レーザモジュール30
は、サーモモジュール18のLD素子13側が所望の温
度よりも低い、あるいは電気的トラブルなどによってサ
ーモモジュール18に過剰電流や、ベース12側が発熱
する方向の電流(逆方向電流)が流れて発熱する場合が
ある。このような発熱によって、半導体レーザモジュー
ル30では、パッケージ11の底板11aに反りなどの
熱変形が生じたり、サーモモジュール18とベース12
あるいは底板11aとの間の半田が溶融することがあ
る。また、サーモモジュール18駆動時の発熱や吸熱
(冷却)側と発熱側の温度差によりサーモモジュール1
8自体に変形が生じ、ベース4の位置がずれてしまうこ
とがある。
【0083】しかし、半導体レーザモジュール30は、
ベース12が開口部11fが形成された側壁11bに固
定されている。このため、半導体レーザモジュール30
は、サーモモジュール18とベース12あるいは底板1
1aとの間の半田の溶融よってベース12と開口部11
fが形成された側壁11bとの位置関係が変化すること
はなく、LD素子13から出射されるレーザ光の光軸の
ずれに起因した光結合効率の劣化が発生せず、安定した
光出力が得られる。また、サーモモジュール18駆動時
の発熱や吸熱(冷却)側と発熱側の温度差によりサーモ
モジュール自体に変形が生じた場合においても、レーザ
光の光軸ずれに起因した光結合効率の劣化が発生しな
い、又は、発生し難くなる。
【0084】しかも、半導体レーザモジュール30は、
サーモモジュール18と底板11aやベース12との間
を接合している半田の厚みが、ベース12と開口部11
fを形成した側壁11bとの間を接合している半田の厚
みに比して厚いか、軟質な半田を使用している。このた
め、半導体レーザモジュール30は、回路基板などに例
えば、ねじによって固定する際に底板11aが物理的に
変形しても、厚い半田や軟質な半田の弾性変形や塑性変
形により、ねじ固定や熱によって変形した底板11aか
ら作用する応力が緩和されるので、ベース12と側壁1
1bとの間には何ら応力が作用することはない。従っ
て、半導体レーザモジュール30においては、ベース1
2に光結合効率の劣化を招来するような大きな問題は生
じ難くなる。以上のような変形をするうえで、半田SdM
の厚みは、例えば、63wt%Sn−37wt%Pbか
らなる半田では50μm以上、120μm以下とする。
但し、Sn−AgやSn−Ag−Cuなど、その他の半
田であってもよい。
【0085】ここで、上記半田は、少なくともサーモモ
ジュール18と底板11aとの間で使用すればよい。ま
た、サーモモジュール18とベース12や底板11aと
の間を接合することができれば、上記した半田SdMの他
に、伝熱性のシリコーングリースあるいは伝熱性の合成
樹脂を、変形による応力の緩和を利用するため使用して
もよい。
【0086】また、半導体レーザモジュール30は、図
9に示すように、固定部材31を介してベース32を開
口部11fを形成した側壁11bに取り付けてもよい。
【0087】固定部材31は、側壁11bとの接触面積
を低減するため、図示のように、側壁11b側に開口を
有する凹部31aが形成され、ベース32と側壁11b
との間の熱伝導を抑えるため、熱伝導率の小さい前記鉄
−コバルト−ニッケル合金やセラミックスを用いる。固
定部材31は、An−Sn半田やろう付け(たとえば、
銀ろう付け)によって側壁11bに固定される。
【0088】ベース32は、長手方向中央に設けられた
台座32aの両側に搭載部32b,32cがそれぞれ形
成されている。台座32aには、キャリア32fを介し
てLD素子13が、搭載部32bにはキャリア32gを
介してフォトダイオード14が、それぞれ対向する位置
に搭載されている。また、搭載部32cには、レンズ1
5aを保持したレンズホルダ15が搭載されている。
【0089】固定部材31を介してベース32を側壁1
1bに取り付けると、図9に矢印で示すように、底板1
1aから側壁11bへと伝導してくるサーモモジュール
18下面から放出される熱が、接触面積が小さく、熱伝
導率か小さいことから固定部材31の部分で伝導し難
く、主にパッケージ11を取り付けた回路基板やヒート
シンク側へと伝導される。
【0090】このため、半導体レーザモジュール30に
おいては、固定部材31を介してベース32を側壁11
bに取り付けると、開口部11fが形成された側壁11
bがベース32を固定し、LD素子13から出射される
レーザ光の光軸がずれないように保持する役割が十分に
発揮される。
【0091】なお、半導体レーザモジュール30は、1
レンズ系型であるが、2レンズ系型のものにも適用可能
なことは言うまでもない。
【0092】(実施の形態4)つぎに、この発明の実施
の形態4について説明する。この実施の形態4の半導体
レーザモジュールは、サーモモジュールの代替機能を有
する伝熱体をベースとパッケージの底板との間に配置し
た構成としている。図10において、半導体レーザモジ
ュール35は、パッケージ11と、パッケージ11内に
収容されるベース36、LD素子13、レンズホルダ1
5、固定部材37および伝熱体38等を有している。
【0093】ベース36は、ベース12と同じ素材を用
いて長手方向一方に台座36aが、他方に搭載部36b
が、それぞれ形成されている。台座36aには、キャリ
ア36cを介してLD素子13が、搭載部36bには、
レンズ15aを保持したレンズホルダ15が、それぞれ
搭載されている。
【0094】固定部材37は、ベース36と側壁11b
との間に配置され、LD素子13から出射されるレーザ
光をパッケージ11の外部へ導く側壁11bに形成され
た開口部(図示せず)に臨んで凹部37aが形成されて
いる。
【0095】伝熱体38は、LD素子13の発振に伴っ
てキャリア36cを介してベース36に伝わる熱を吸収
して底板11aに放熱し、パッケージ11の外部に放出
する。このような伝熱体38としては、例えば、マイク
ロヒートパイプ(文献「アルミ製平面型ヒートパイプの
開発」,志村ら著,古河時報 第106号,平成12年
7月 参照)や、熱伝導率が比較的大きい金,アルミニ
ウム,銅などの薄板あるいはカーボンシートなどの面状
の伝熱体を使用することができる。
【0096】ここで、伝熱体38は、金属や伝熱性樹
脂、たとえば、熱伝導性のペーストや熱伝導樹脂シート
等の伝熱性の接着剤等を利用してベース36やパッケー
ジ11の底板11aに固定する。また、固定の際、パッ
ケージ11の底板11aやベース36と伝熱体38との
間に伝熱性グリースを注入し、ベース36から底板11
aへの熱伝導性を向上させる手段もある。
【0097】このような伝熱体38を設けると、半導体
レーザモジュール35は、固定部材37と側壁11bと
の接触面積が小さいため、発振動作に伴って発熱するL
D素子13の熱が、キャリア36cから主に伝熱体38
を介してパッケージ11の底板11aに伝導されてゆ
く。
【0098】このとき、半導体レーザモジュール35
は、LD素子13から伝わる熱によって底板11aが変
形しても、ベース36が固定部材37を介して側壁11
bに固定されているため、底板11aの変形による影響
は殆どない。従って、半導体レーザモジュール35は、
安定した光出力が保証される。また、半導体レーザモジ
ュール35は、底板11aが熱変形しても、伝熱体38
がその変形に伴う応力を吸収、あるいは、シート状の伝
熱体38であれば、殆ど底板11aの熱変形による影響
を受けないので、変形に伴う応力が直接ベース36に作
用することもない。
【0099】なお、この発明の半導体レーザモジュール
は、上述した実施の形態1〜4のみに限定されるもので
はなく、半導体レーザ素子を搭載したベースがパッケー
ジの光ファイバ導出側の側壁に固定されているものであ
ればよい。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ベースあるいはベースを接続する固定部材を、前記
開口部を形成した壁面に固定するので、このベースと開
口部を形成しないパッケージの底板などの壁面との関係
が切り離され、開口部を形成しない壁面の熱的あるいは
物理的な変形や、ベースとパッケージとの位置関係のず
れによって生じる光軸ずれをなくし、この光軸ずれに起
因した光結合効率の劣化を防止し、安定した光出力を得
ることができるという効果を奏する。
【0101】特に、前記ベースまたは前記固定部材と前
記開口部を形成した壁面との接合面に凹部を設け、ある
いは固定部材または開口部を形成する材料の熱伝導率を
ベースの熱伝導率に比して小さい熱伝導率をもつ材料に
よって形成し、逆に、前記ベースとパッケージ底板との
間を板状あるいは面状の伝熱体によって接合し、ベース
の熱をパッケージ底板を介して放熱することにより、あ
る程度の温度に保つことが可能になる。また、前記開口
部を形成した壁面の熱変形も小さくできるため、変形に
よる光軸ずれに起因した光結合効率の劣化を抑制し、よ
り安定した光出力を得ることができるという効果を奏す
る。
【0102】また、半田の接合厚みを厚くすることなど
によってパッケージの底板の変形による応力を吸収して
ベースの位置に影響を与えないようにし、これによって
も、光軸ずれに起因した光結合効率の劣化を防止し、一
層安定した光出力を得ることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である半導体レーザモ
ジュールの構成を示す縦断面図である。
【図2】ベースと側壁との固定状態を示す半導体レーザ
モジュールの斜めからみた破断図である。
【図3】ベースと側壁との他の固定状態を示す半導体レ
ーザモジュールの斜めからみた破断図である。
【図4】この発明の実施の形態1の変形例である半導体
レーザモジュールの構成を示す縦断面断図である。
【図5】この発明の実施の形態2である半導体レーザモ
ジュールの構成を示す縦断面断図である。
【図6】この発明の実施の形態3である半導体レーザモ
ジュールの構成を示す縦断面断図である。
【図7】ベースをサーモモジュールに設置する第一の方
法を示す模式図である。
【図8】ベースをサーモモジュールに設置する第二の方
法を示す模式図である。
【図9】この発明の実施の形態3の変形例と、この変形
例におけるパッケージ底板におけるサーモモジュールか
ら放出された熱の流れを示す部分拡大縦断面図である。
【図10】この発明の実施の形態4である半導体レーザ
モジュールの構成を示す縦断面断図である。
【図11】ベース実装型で、1レンズ系型からなる従来
の半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図であ
る。
【図12】ベース実装型で、2レンズ系型からなる従来
の半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図であ
る。
【図13】ベース実装型で、レンズドファイバ型からな
る従来の半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
10,20,25,30,35 半導体レーザモジュー
ル 11 パッケージ 11a 底板 11b 側壁 11c カバー 11f 開口部 12,21,26,32,36 ベース 12h,26e 凹部 13 LD素子 14 フォトダイオード 15,24 レンズホルダ 16 光ファイバ 18 サーモモジュール 22,23,31,37 固定部材 22a,23a,31a,37a 凹部 27 光ファイバ 27a レンズ部 28 フェルール 38 伝熱体 Pw 溶接点 SdM 半田 SdB 半田
フロントページの続き (72)発明者 福島 徹 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 5F073 FA02 FA07 FA08 FA15 FA16 FA21 FA25 FA30

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッケージ内部に少なくとも半導体レー
    ザ素子が搭載されたベースを収容し、前記半導体レーザ
    素子から出力されるレーザ光を、前記パッケージに設け
    られた開口部から外部に導出する半導体レーザモジュー
    ルであって、 前記ベースは、前記開口部を形成した壁面に固定されて
    いることを特徴とする半導体レーザモジュール。
  2. 【請求項2】 前記レーザ光が光学部品を介して、ある
    いは、直接光ファイバに光結合され、前記パッケージ外
    部に導出されることを特徴とする請求項1に記載の半導
    体レーザモジュール。
  3. 【請求項3】 前記ベースと前記開口部を形成した壁面
    との間に固定部材を介在させたことを特徴とする請求項
    1または2に記載の半導体レーザモジュール。
  4. 【請求項4】 前記ベースまたは前記固定部材と前記開
    口部を形成した壁面との接合面に凹部を設けたことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体レ
    ーザモジュール。
  5. 【請求項5】 前記固定部材は、前記ベースの熱伝導率
    に比して小さい熱伝導率をもつ材料によって形成されて
    いることを特徴とする請求項3または4に記載の半導体
    レーザモジュール。
  6. 【請求項6】 前記開口部を形成した壁面を形成する材
    料の熱伝導率は、前記ベースの熱伝導率に比して小さい
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の
    半導体レーザモジュール。
  7. 【請求項7】 前記ベースあるいは前記固定部材と前記
    開口部を形成した壁面との間は、半田材によって固定さ
    れることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記
    載の半導体レーザモジュール。
  8. 【請求項8】 前記ベースあるいは前記固定部材と前記
    開口部を形成した壁面との間は、レーザ溶接によって固
    定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つ
    に記載の半導体レーザモジュール。
  9. 【請求項9】 前記ベースと前記パッケージの底板との
    間を板状あるいは面状の伝熱体によって接合したことを
    特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の半導体
    レーザモジュール。
  10. 【請求項10】 前記ベースと前記パッケージの底板と
    の間にサーモモジュールが介在されていることを特徴と
    する請求項1〜8のいずれか一つに記載の半導体レーザ
    モジュール。
  11. 【請求項11】 前記サーモモジュールと前記パッケー
    ジの底板との間が、熱伝導性を有する接合材で接合され
    ていることを特徴とする請求項10に記載の半導体レー
    ザモジュール。
  12. 【請求項12】 前記サーモモジュールと前記パッケー
    ジの底板との間を接合する前記接合材の塑性変形能が、
    前記ベースと前記開口部を形成した壁面あるいは前記ベ
    ースと前記固定部材を介した前記開口部を形成した壁面
    との間を接合する接合材の塑性変形能に比して大きいこ
    とを特徴とする請求項11に記載の半導体レーザモジュ
    ール。
  13. 【請求項13】 前記サーモモジュールと前記パッケー
    ジの底板との間を接合する接合材の厚みは、前記ベース
    と前記開口部を形成した壁面あるいは前記ベースと前記
    固定部材を介した前記開口部を形成した壁面との間を接
    合する接合材の厚みに比して厚いことを特徴とする請求
    項11または12に記載の半導体レーザモジュール。
  14. 【請求項14】 前記接合材が半田であることを特徴と
    する請求項13に記載の半導体レーザモジュール。
  15. 【請求項15】 前記サーモモジュールと前記パッケー
    ジの底板との間を接合する前記半田の厚みが50μm以
    上、120μm以下であることを特徴とする請求項14
    に記載の半導体レーザモジュール。
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