JP2003335934A - 樹脂組成物およびその成形物 - Google Patents

樹脂組成物およびその成形物

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慎太郎 日笠
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直樹 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解(崩壊)性および強度に優れる樹脂組
成物ならびにその成形物を提供する。 【解決手段】 (A)生分解性ポリエステル、(B)多
糖類、(C)エチレン含有量が2〜19モル%、カルボ
ン酸および/またはラクトン環含有量が0.02〜1モ
ル%である水溶性ビニルアルコール系重合体、ならびに
(D)水、ポリアルキレンオキシド、多価アルコール、
および多価アルコール誘導体から選ばれる少なくとも1
種以上の添加剤からなり、(A)および(B)の重量比
(A)/(B)が20/80〜80/20であり、
(A)、(B)および(C)の重量比(C)/[(A)
+(B)]が5/100〜20/100である樹脂組成
物およびその成形物によって上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解(崩壊)性を
有する樹脂組成物およびその成形物に関する。さらに詳
しくは、本発明は生分解性ポリエステル、多糖類、水溶
性のエチレン変性ビニルアルコール系重合体および添加
剤からなる樹脂組成物ならびにその成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生分解(崩壊)性樹脂について種
々の検討がなされており、その代表例として脂肪族ポリ
エステルや澱粉などが知られている。また、これらの複
合材についても検討がなされており、例えば、ポリ乳酸
と澱粉とを併用することが提案されている(特開200
1−299121号公報)。しかしながら、脂肪族ポリ
エステル/澱粉系の組成物は生分解性には優れるもの
の、その成形物の強度は満足できるレベルに達していな
いのが現状である。また、脂肪族ポリエステル、澱粉、
およびエチレン−酢酸ビニル系共重合体けん化物からな
る樹脂組成物の製膜法も提案されている(特開平8−1
50658号公報)。しかしながら、この樹脂組成物の
場合には、生分解するまでにかなりの時間を要するとい
う点で、生分解性を満足するに至っていないのが現状で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決し、脂肪族ポリエステル/澱粉系の組成物と同等の
生分解(崩壊)性を有し、かつ成形物強度が向上した樹
脂組成物およびその成形物を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意検討した結果、(A)生分解性ポリエ
ステル、(B)多糖類、(C)エチレン含有量が2〜1
9モル%、カルボン酸および/またはラクトン環含有量
が0.02〜1モル%である水溶性ビニルアルコール系
重合体、ならびに(D)水、ポリアルキレンオキシド、
多価アルコール、および多価アルコール誘導体から選ば
れる少なくとも1種以上の添加剤からなり、(A)およ
び(B)の重量比(A)/(B)が20/80〜80/
20であり、(A)、(B)および(C)の重量比
(C)/[(A)+(B)]が5/100〜20/10
0である樹脂組成物が良好な生分解(崩壊)性を有する
こと、ならびにその樹脂組成物からなる成形物が生分解
(崩壊)性に加えて成形物強度をも同時に満足すること
を見出し、発明を完成させるに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に使用される(A)生分解性ポリエステル
としては、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクト
ン、ポリ乳酸、およびポリグリコール酸などが挙げられ
るが、なかでもポリ乳酸が好適に用いられる。ポリ乳酸
は、乳酸の環状2量体であるラクチドの開環重合による
方法または有機溶剤中で脱水反応を行う方法、あるいは
微生物を利用した醗酵法により得られる。
【0006】本発明に使用される(B)多糖類として
は、澱粉、セルロース、キチン、キトサン、ヘミセルロ
ース、ペクチン、プルラン、寒天、アルギン酸、カラギ
ーナンおよびデキストランなどが挙げられる。これらの
多糖類の中では澱粉が好ましく使用される。澱粉として
は、生澱粉(トウモロコシ、馬鈴薯、タピオカ、甘藷、
小麦、キャッサバ、サゴ、モロコシ、コメ、マメ、ク
ズ、ワラビ、ハスおよびヒシなどから得られるもの)、
物理的変性澱粉(α−澱粉、分別アミロースおよび湿熱
処理澱粉など)、酵素変性澱粉(加水分解デキストリ
ン、酵素分解デキストリンおよびアミロースなど)、化
学分解変性澱粉(酸処理澱粉、次亜塩素酸酸化澱粉およ
びジアルデヒド澱粉など)、化学変性澱粉誘導体(エス
テル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉および架
橋澱粉など)が用いられる。なお、化学変性澱粉誘導体
のうちエステル化澱粉としては、酢酸エステル化澱粉、
コハク酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、リン酸
エステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、キサント
ゲン酸エステル化澱粉およびアセト酢酸エステル化澱粉
などが挙げられる。エーテル化澱粉としては、アリルエ
ーテル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、カルボキシメチ
ルエーテル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉お
よびヒドロキシプロピルエーテル化澱粉などが挙げられ
る。カチオン化澱粉としては、澱粉と2−ジエチルアミ
ノエチルクロライドの反応物、澱粉と2,3−エポキシ
プロピルトリメチルアンモニウムクロライドの反応物な
どが挙げられる。また、架橋澱粉としては、ホルムアル
デヒド架橋澱粉、エピクロルヒドリン架橋澱粉、リン酸
架橋デンプンおよびアクロレイン架橋澱粉などが挙げら
れる。
【0007】本発明の樹脂組成物において、(A)およ
び(B)の重量比(A)/(B)は20/80〜80/
20であり、好ましくは30/70〜70/30であ
り、さらに好ましくは40/60〜60/40である。
重量比(A)/(B)が20/80より小さい場合に
は、該樹脂組成物からなる成形物の強度が低下するため
好ましくなく、80/20より大きい場合には、樹脂組
成物の生分解(崩壊)性が低下するほか、樹脂組成物の
コストが高くなり好ましくない。
【0008】本発明で使用される(C)水溶性のエチレ
ン変性ビニルアルコール系重合体(以下、ビニルアルコ
ール系重合体をPVAと略記することがある)におい
て、そのエチレン含有量は2〜19モル%であり、カル
ボン酸および/またはラクトン環含有量は0.02〜1
モル%であることが必須とされる。
【0009】本発明で使用される(C)水溶性のエチレ
ン変性PVAのエチレン含有量は2〜19モル%であ
り、2.5〜17モル%であることが好ましく、3〜1
5モル%であることがより好ましく、4〜12モル%で
あることがさらに好ましい。エチレン含有量が2モル%
より低い場合には、樹脂組成物の生分解(崩壊)性が低
下するため好ましくない。エチレン含有量が19モル%
より大きい場合には、樹脂組成物の水溶性が低下し、結
果として樹脂組成物の生分解(崩壊)性が著しく低下す
るため好ましくない。
【0010】本発明で使用される(C)水溶性のエチレ
ン変性PVAのエチレン含有量は、該PVAの前駆体で
あるエチレン変性ビニルエステル系重合体のプロトンN
MR測定から求められる。エチレン変性ビニルエステル
系重合体のプロトンNMR測定に際しては、例えばn−
ヘキサン/アセトンで該重合体の再沈精製を3回以上行
った後、80℃で3日間減圧乾燥を行って得られる重合
体を分析に供する。該分析用試料は主にDMSO−d6
に溶解され、80℃でプロトンNMR測定される。エチ
レン含有量はビニルエステル系重合体の主鎖メチンに由
来するピーク(4.7〜5.2ppm)とエチレン、ビ
ニルエステルおよびそれ以外の成分の主鎖メチレンに由
来するピーク(0.8〜1.6ppm)とを用いて、常
法により算出される。
【0011】さらに、本発明で使用される(C)水溶性
のエチレン変性PVAのカルボン酸および/またはラク
トン環含有量は0.02〜1モル%であり、0.03〜
0.8モル%が好ましい。なお、カルボン酸はそのアル
カリ金属塩を包含し、アルカリ金属としてはカリウム、
ナトリウムなどが挙げられる。カルボン酸および/また
はラクトン環含有量が0.02モル%より低い場合に
は、樹脂組成物の水溶性が低下してその生分解(崩壊)
性が低下するため好ましくない。カルボン酸および/ま
たはラクトン環含有量が1モル%を超える場合には、樹
脂組成物の成形性が低下して成形物強度が低下するほ
か、生分解(崩壊)性も低下するため好ましくない。
【0012】本発明で使用される(C)水溶性のエチレ
ン変性PVA(エチレン単位、ならびにカルボン酸およ
び/またはラクトン環をそれぞれ特定量有するPVA)
の製法としては、(1)酢酸ビニルなどのビニルエステ
ル系単量体とカルボン酸および/またはラクトン環を生
成する能力を有する単量体とを共重合した後、得られた
ビニルエステル系重合体をアルコールまたはジメチルス
ルホキシド溶液中でけん化する方法、(2)メルカプト
酢酸、3−メルカプトプロピオン酸などのカルボン酸を
含有するチオール化合物の存在下でビニルエステル系単
量体を重合した後、得られたビニルエステル系重合体を
けん化する方法、(3)酢酸ビニルなどのビニルエステ
ル系単量体を重合する際に、ビニルエステル系単量体お
よびビニルエステル系重合体のアルキル基への連鎖移動
反応を起こし、高分岐ビニルエステル系重合体を得た後
にけん化する方法、(4)エポキシ基を有する単量体と
ビニルエステル系単量体との共重合体を、カルボキシル
基を有するチオール化合物と反応させた後にけん化する
方法、(5)カルボキシル基を有するアルデヒド類を用
いてPVAをアセタール化する方法などが挙げられる。
【0013】ビニルエステル系単量体としては、ギ酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビ
ニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよび
バーサティック酸ビニルなどが挙げられ、これらの中で
もPVAを得る点からは酢酸ビニルが好ましい。カルボ
ン酸および/またはラクトン環を生成する能力を有する
単量体としては、フマール酸、マレイン酸、イタコン
酸、無水マレイン酸および無水イタコン酸などに由来す
るカルボキシル基を有する単量体;アクリル酸およびそ
の塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピルなどのアクリ
ル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プ
ロピル、メタクリル酸i−プロピルなどのメタクリル酸
エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミドなどのアクリルアミド誘
導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、N−エチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミ
ド誘導体が挙げられる。
【0014】本発明で使用される(C)水溶性のエチレ
ン変性PVAにおけるカルボン酸および/またはラクト
ン環の含有量は、プロトンNMRのピークから求めるこ
とができる。PVAのプロトンNMR測定に際しては、
PVAをけん化度99.95モル%以上まで完全にけん
化した後、十分にメタノール洗浄し、次いで90℃で2
日間減圧乾燥を行ってから分析に供する。
【0015】上記(1)の製法で得られたPVAの場
合、分析用PVAをDMSO−d6に溶解し、60℃で
プロトンNMR測定を行う。アクリル酸、アクリル酸エ
ステル類、アクリルアミドおよびアクリルアミド誘導体
の単量体単位は、主鎖メチンに由来するピーク(2.0
ppm)を用いて、メタクリル酸、メタクリル酸エステ
ル類、メタクリルアミドおよびメタクリルアミド誘導体
の単量体単位は、主鎖に直結するメチル基に由来するピ
ーク(0.6〜1.1ppm)を用いて、それぞれ常法
によりその含有量が算出される。また、PVAがフマー
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸または
無水イタコン酸などに由来するカルボキシル基を有する
単量体単位を含有する場合、分析用PVAをDMSO−
d6に溶解した後、トリフルオロ酢酸を数滴添加し、6
0℃でプロトンNMR測定を行う。カルボキシル基を有
する単量体単位は、4.6〜5.2ppmに帰属される
ラクトン環のメチンピークを用いて常法によりその含有
量が算出される。
【0016】上記(2)および(4)の製法で得られた
PVAの場合、カルボキシル基を有する単量体単位は、
硫黄原子に結合するメチレンに由来するピーク(2.8
ppm)を用いて常法によりその含有量が算出される。
【0017】上記(3)の製法で得られたPVAの場
合、分析用PVAをメタノール−d4/DO=2/8
に溶解し、80℃でプロトンNMR測定を行う。末端の
カルボン酸またはそのアルカリ金属塩のメチレン由来ピ
ーク(下記の化学式1および化学式2)は2.2ppm
(積分値A)および2.3ppm(積分値B)に帰属
し、末端のラクトン環のメチレン由来ピーク(下記の化
学式3)は2.6ppm(積分値C)、ビニルアルコー
ル単位のメチン由来ピークは3.5〜4.15ppm
(積分値D)に帰属し、下記の式1でカルボン酸および
ラクトン環の含有量が算出される。ここで△は変性量
(モル%)を表す。 カルボン酸およびラクトン環の含有量(モル%) =50×(A+B+C)×(100−△)/(100×D) ・・・式1
【0018】
【化1】
【化2】
【化3】
【0019】上記(5)の製法で得られたPVAの場
合、分析用PVAをDMSO−d6に溶解し、60℃で
プロトンNMR測定を行う。アセタール部位のメチンに
由来するピーク4.8〜5.2ppm(下記の化学式
4)を用いて、常法によりカルボキシル基の含有量が算
出される。
【0020】
【化4】 (ここでXは単結合または炭素数1〜10の2価の炭化
水素基を表す。)
【0021】また、本発明で使用される(C)水溶性の
エチレン変性PVAのけん化度は90モル%以上が好ま
しく、93モル%以上がより好ましく、95モル%以上
がさらに好ましい。けん化度が90モル%より低い場合
には、樹脂組成物の熱安定性が悪化することがある。
【0022】本発明で使用される(C)水溶性のエチレ
ン変性PVAの粘度平均重合度(以下、重合度と略記す
る)は200〜2000が好ましく、220〜1800
がより好ましく、240〜1600がさらに好ましく、
250〜1500が特に好ましい。重合度が200未満
の場合には、樹脂組成物からなる成形物の強度が十分で
はないことがあり、重合度が2000を越える場合に
は、樹脂組成物の溶融成形性が失われることがある。該
PVAの重合度は、JIS−K6726に準じて測定さ
れる。すなわち、PVA系重合体を再けん化し、精製し
た後、30℃の水中で測定した極限粘度[η]から下記
の式2により求められるものである。 P=([η]×10/8.29)(1/0.62) ・・・式2
【0023】本発明で使用される(C)水溶性のエチレ
ン変性PVAは、本発明の効果を損なわない範囲であれ
ば、ビニルアルコール単位、エチレン単位、ビニルエス
テル単位ならびに前述のカルボン酸および/またはラク
トン環を生成する能力を有する単量体以外の単量体単位
を含有していてもよい。このような単位としては、プロ
ピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセンなどの
α−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピ
ルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなどのビ
ニルエーテル類;エチレングリコールビニルエーテル、
1,3−プロパンジオールビニルエーテル、1,4−ブ
タンジオールビニルエーテルなどのヒドロキシ基含有の
ビニルエーテル類;アリルアセテート、プロピルアリル
エーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエー
テルなどのアリルエーテル類;オキシアルキレン基を有
する単量体;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシ
リル類;酢酸イソプロペニル;3−ブテン−1−オー
ル、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オ
ール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−オ
ール、3−メチル−3−ブテン−1−オールなどのヒド
ロキシ基含有のα−オレフィン類;エチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などに由
来するスルホン酸基を有する単量体;ビニロキシエチル
トリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキシブチル
トリメチルアンモニウムクロライド、ビニロキシエチル
ジメチルアミン、ビニロキシメチルジエチルアミン、N
−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、N−アクリルアミドジメチルアミン、ア
リルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルト
リメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルアミ
ン、アリルエチルアミンなどに由来するカチオン基を有
する単量体に由来する単量体単位が挙げられる。これら
の単量体単位の含有量は、使用される目的や用途などに
よって異なるが通常20モル%以下、好ましくは10モ
ル%以下である。
【0024】また、本発明で使用される(C)水溶性の
エチレン変性PVAは、前述のカルボン酸を有するメル
カプタンを除く2−メルカプトエタノール、n−ドデシ
ルメルカプタンなどのチオール化合物の存在下で、酢酸
ビニルなどのビニルエステル系単量体とエチレンとを共
重合し、得られた共重合体をけん化することによって得
られる末端変性物でもよい。
【0025】本発明で使用される(C)エチレン変性P
VAを合成するに際して、ビニルエステル系単量体とエ
チレンとの共重合の方法としては、塊状重合法、溶液重
合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法が挙げ
られる。その中でも、無溶媒で重合する塊状重合法、ま
たはアルコールやジメチルスルホキシドなどの溶媒中で
重合する溶液重合法が通常採用される。溶液重合時に溶
媒として使用されるアルコールとしては、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどの低
級アルコールが挙げられる。重合に使用される開始剤と
しては、α,α'−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)
などのアゾ系開始剤、または過酸化ベンゾイル、n−プ
ロピルパーオキシカーボネートなどの過酸化物系開始剤
など、公知の開始剤が挙げられる。重合温度については
特に制限はないが、0℃〜150℃の範囲が適当であ
る。
【0026】ビニルエステル系重合体のけん化反応とし
ては、従来公知のアルカリ触媒または酸触媒を用いる加
アルコール分解、加水分解反応などが適用できる。アル
カリ触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どの水酸化アルカリ金属化合物;水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウムなどの水酸化アルカリ土類金属化合
物;アンモニア、トリエチルアミン、エチレンジアミン
などのアミン化合物が挙げられる。酸触媒としては塩
酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、酢酸、
乳酸、炭酸、シュウ酸、マレイン酸などが挙げられる。
中でもメタノールを溶剤とし水酸化ナトリウム触媒を用
いるけん化反応が簡便であり最も好ましい。アルカリ触
媒を用いたけん化反応に際して、けん化触媒に使用する
アルカリ性物質のモル比は重合体中の酢酸ビニル単位に
対して0.004〜0.5が好ましく、0.005〜
0.05が特に好ましい。けん化触媒は、けん化反応の
初期に一括添加しても良く、けん化反応の途中で追加添
加しても良い。
【0027】けん化反応の溶媒としては、メタノール、
酢酸メチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミドなどが挙げられる。これらの溶媒の中でもメタノー
ルが好ましく、含水率を0.001〜1重量%に制御し
たメタノールがより好ましく、含水率を0.003〜
0.9重量%に制御したメタノールがさらに好ましく、
含水率を0.005〜0.8重量%に制御したメタノー
ルが特に好ましい。けん化反応の温度としては、5〜8
0℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。けん化
時間としては5分間〜10時間が好ましく、10分間〜
5時間がより好ましい。けん化方法としてはバッチ法や
連続法など公知の方法が適用可能である。
【0028】けん化反応後に得られる重合体の洗浄液と
しては、メタノール、アセトン、酢酸メチルなどの酢酸
エステル、ヘキサン、水などが挙げられ、これらの中で
もメタノール、酢酸メチル、水のそれぞれ単独、または
それらの混合液が好ましい。通常、PVA100重量部
に対して洗浄液5〜10000重量部が好ましく、7〜
3000重量部がより好ましい。洗浄温度としては5〜
80℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。洗浄
時間としては10分間〜10時間が好ましく、20分〜
6時間がより好ましい。洗浄方法としてはバッチ法や向
流洗浄法など公知の方法が適用可能である。
【0029】本発明で使用される(A)生分解性ポリエ
ステル、(B)多糖類および(C)水溶性のエチレン変
性PVAの重量比(C)/[(A)+(B)]は5/1
00〜20/100であり、好ましくは7/100〜1
5/100であり、さらに好ましくは8/100〜12
/100である。重量比(C)/[(A)+(B)]が
5/100より低い場合には樹脂組成物からなる成形物
の強度が不十分であり、20/100を超える場合には
該成形物の生分解(崩壊)性が低下する場合があり好ま
しくない。
【0030】本発明で使用される(D)水、ポリアルキ
レンオキシド、多価アルコール、および多価アルコール
誘導体から選ばれる添加剤について、ポリアルキレンオ
キシドとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、エチレングリコール−プロピレングリ
コール共重合体などが挙げられる。多価アルコールとし
ては、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペン
タメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、プ
ロピレングリコールなどのジオール類;グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール、3−メチル−1,3,5−ペンタトリオールな
どの多価アルコールなどが挙げられる。また、多価アル
コール誘導体としては、上述の多価アルコールのエステ
ル化合物、エーテル化合物などが挙げられる。具体的に
は、グリセリン、ソルビトール、ジグリセリンなどの多
価アルコールへのエチレンオキシド付加物またはポリエ
チレングリコール付加物などのエーテル化合物由来の誘
導体、同様の多価アルコールの酢酸エステルまたは乳酸
エステルなどのエステル化合物由来の誘導体などが挙げ
られる。
【0031】本発明の樹脂組成物およびその成形物にお
いては、上記の(D)添加剤のうち少なくとも1種類以
上が含有されていることが必須である。樹脂組成物にお
ける(D)添加剤の好適な添加量は、上記(A)(B)
および(C)に用いられる化合物および/または重合体
の種類および組成に応じて変化し、一概に規定されるも
のではないが、上記の(A)(B)および(C)の合計
100重量部に対して2〜50部が適当であり、5〜3
0部がより好ましい。
【0032】本発明の樹脂組成物およびその成形物にお
いては、上述の(A)〜(D)以外に本発明の特徴を阻
害しない範囲で、各種重合体や可塑剤などの添加剤を併
用することができる。重合体としては、アクリル系樹
脂、蛋白質(ゼラチン、カゼイン、コラーゲン)、ポリ
ペプチド、ポリウレタン、ポリスチレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
が挙げられ、これらの中でも、単独で生分解(崩壊)性
を有する重合体が好ましい。また添加剤としては、ε−
カプロラクタム、尿素、トルエンスルホン酸アミド、ラ
ウリルアミド、アセトアミド、ホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレ
ート、ジアセチルモノアシルグリセロールなどが挙げら
れる。上記の各種重合体や添加剤については、本発明の
特徴を阻害しない範囲であれば、その添加量については
特に制限はないが、上述の(A)〜(D)の合計100
重量部に対して、通常10重量部以内である。また、上
記の各種重合体や添加剤は、複数を組み合わせて使用す
ることもできる。
【0033】本発明の樹脂組成物およびその成形物にお
いては、生分解(崩壊)の速度をコントロールする目的
で各種充填剤を使用することができる。充填剤として
は、カオリン、クレー、タルク、酸性白土、シリカ、ア
ルミナ、珪草土、ベントナイト、モンモリロナイト、木
節粘土、蛙目粘土、ロウ石、ミョウバン石、陶土、長
石、石綿、パーライト、炭酸カルシウム、水酸化マグネ
シウム、カーボンブラック、酸化チタン、マイカ、酸化
ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、シラ
ス、ガラス、ガラス繊維などの公知の無機充填剤が挙げ
られる。上記の各種充填剤の平均粒子径としては特に制
限はないが、0.1〜100μmが好ましい。充填剤の
添加量としては特に制限はないが、上述の(A)〜
(D)の合計100重量部に対して、通常400重量部
以下が好ましく、200重量部以下がより好ましい。ま
た、上記の各種充填剤は複数を組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0034】本発明の樹脂組成物およびその成形物の製
造方法としては、(A)生分解性ポリエステル、(B)
多糖類、(C)水溶性のエチレン変性PVA、および
(D)添加剤を溶媒に溶解し混合する方法、押出機内で
溶融混合する方法などが挙げられ、通常後者が採用され
る。
【0035】押出機内で溶融混合する方法では、特に
(B)多糖類の熱安定性を考慮して押出機の設定温度を
200℃以下とするのが好ましく、180℃以下とする
のがさらに好ましい。また、(D)添加剤による発泡な
どを抑える観点から、押出機出口付近、例えばダイの設
定温度を150℃以下とするのが好ましく、120℃以
下とするのがさらに好ましい。押出機内で溶融混合する
際には、ベントを開放するかまたは減圧下で混合するこ
とが好ましい。
【0036】本発明の樹脂組成物およびその成形物は、
各種包装用材料(フィルム、シート、ボトル、カップ、
トレイなど)、農業用資材(農業用マルチフィルム、シ
ートなど)、一般生活用資材(買い物袋、ゴミ袋、ペッ
ト用汚物袋など)をはじめ種々の用途に用いることがで
き、中でも生分解(崩壊)性の特徴を生かしたコンポス
ト用途材料に好適に用いることができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、エチレン変性PVAの分析、な
らびにフィルム強度およびフィルムの生分解(崩壊)性
の評価を下記の要領で実施した。
【0038】[エチレン変性PVAの分析方法]PVA
の分析方法は特に記載のない限りはJIS−K6726
に従って実施した。本発明において使用される(C)水
溶性のエチレン変性PVAのエチレン含有量はその前駆
体であるビニルエステル系重合体のプロトンNMR測定
から、カルボン酸および/またはラクトン環の含有量は
エチレン変性PVAのプロトンNMR測定からそれぞれ
前述の方法により求めた。プロトンNMR測定には50
0MHzプロトンNMR装置(JEOL GX−50
0)を使用した。
【0039】[フィルム強度]厚み40μmのフィルム
を20℃、65%RHの条件下にて1週間放置した後、
オートグラフを用いてフィルム最大強度を測定した。測
定条件を以下に示す。 オートグラフ:島津製オートグラフDCS−100 フィルム幅:10mm チャック間距離:50mm スピード:500mm/min.
【0040】[フィルムの生分解(崩壊)性]厚み40
μmのフィルムを10cm×10cmに切り、家庭用生
ゴミ処理機(松下電工製;型番TK402−H)にて1
週間処理した後の状態から以下の基準により評価した。 ◎:完全に崩壊し、ほとんど痕跡が見られない。 ○:ほとんど完全に崩壊し、わずかに痕跡が見られる。 △:崩壊しているが、痕跡が見られる。 ×:一部は崩壊しているが、明らかに痕跡が見られる。
【0041】製造例(PVA−1の製造) [エチレン変性PVAの製造]撹拌機、窒素導入口、エ
チレン導入口、開始剤添加口およびディレー溶液添加口
を備えた250L加圧反応槽に酢酸ビニル110.2k
g、メタノール29.7kgおよびマレイン酸モノメチ
ルエステル45.3gを仕込み、60℃に昇温した後、
30分間窒素ガスによるバブリングを行い系中を窒素置
換した。次いで反応槽圧力が0.6MPaとなるように
エチレンを導入仕込みした。開始剤溶液として2,2’
−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル)(以下、AMVと略記する)をメタノールに溶
解した濃度2.8g/Lの溶液を調製し、窒素バブリン
グを行い窒素置換した。また、ディレー溶液として無水
マレイン酸をメタノールに溶解し、マレイン酸モノメチ
ルエステルとして濃度5%の溶液を調製し、窒素バブリ
ングを行って窒素置換した。上記の重合槽内温を60℃
に調整した後、上記の開始剤溶液110mlを注入し重
合を開始した。重合中はエチレンを導入して反応槽圧力
を0.6MPaに維持した。さらに重合温度を60℃に
維持し、上記の開始剤溶液を用いて250ml/hrで
AMVを、また上記ディレー溶液を用いてマレイン酸モ
ノメチルエステルを、重合系中の酢酸ビニルとマレイン
酸モノメチルエステルの比率が一定となるようにしなが
らそれぞれ連続添加して重合を実施した。4時間後に固
形分濃度が32%となったところで冷却して重合を停止
した。この時点でディレーにより添加したマレイン酸モ
ノメチルエステル溶液の総量は4560mlであった。
反応槽を開放して脱エチレンした後、窒素ガスをバブリ
ングして脱エチレンを完全に行った。次いで減圧下に未
反応酢酸ビニルモノマーを除去し、エチレン変性ポリ酢
酸ビニルのメタノール溶液とした。得られた該エチレン
変性ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃度が3
0%となるように調整したエチレン変性ポリ酢酸ビニル
のメタノール溶液333g(溶液中のエチレン変性ポリ
酢酸ビニル100g)に、46.5g(エチレン変性ポ
リ酢酸ビニル中の酢酸ビニルユニットに対してモル比
(MR)0.1)のアルカリ溶液(NaOHの10%メ
タノール溶液)を添加してけん化を行った。アルカリ添
加後約1分で系がゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、
40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メ
チル1000gを加えて残存するアルカリを中和した。
フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認
後、濾別して得られた白色固体のエチレン変性PVAに
メタノール1000gを加えて室温で3時間放置洗浄し
た。上記洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得
られたエチレン変性PVAを乾燥機中70℃で2日間放
置して乾燥エチレン変性PVA(PVA−1)を得た。
【0042】[エチレン変性PVAの分析]得られたカ
ルボン酸およびラクトン環を有するエチレン変性PVA
のけん化度は99.3モル%であった。また、重合後に
未反応酢酸ビニルモノマーを除去して得られたエチレン
変性ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液をn−ヘキサンに
沈殿させ、アセトンで溶解する再沈精製を3回行った
後、80℃で3日間減圧乾燥を行って精製エチレン変性
ポリ酢酸ビニルを得た。該エチレン変性ポリ酢酸ビニル
をDMSO−d6に溶解し、500MHzプロトンNM
R装置(JEOL GX−500)を用いて80℃で測
定したところ、エチレン含有量は6.5モル%であっ
た。上記のエチレン変性ポリ酢酸ビニルのメタノール溶
液をアルカリモル比(MR)0.5でけん化し、粉砕し
たものを60℃で5時間放置してけん化を進行させた
後、メタノールソックスレー抽出を3日間実施し、次い
で80℃で3日間減圧乾燥を行って、精製されたカルボ
ン酸およびラクトン環を有するエチレン変性PVAを得
た。該エチレン変性PVAの平均重合度を常法のJIS
−K6726に準じて測定したところ1000であっ
た。該精製エチレン変性PVAのカルボン酸およびラク
トン環の含有量を500MHzプロトンNMR装置(J
EOL GX−500)装置による測定から前述のとお
り求めたところ、0.3モル%であった。
【0043】PVA−2〜PVA−9の製造 重合条件およびけん化条件を表1に示すように変更した
以外はPVA−1の製造時と同様にしてPVA−2〜P
VA−9を製造した。得られたPVAの分析値を表2に
示す。なお、PVA−7は水に完全には溶解しないた
め、PVA−7の重合度測定に際しては、PVA−7の
一部を採取して一旦けん化度99.5モル%以上にけん
化した後、無水酢酸−ピリジン中でPVAのOH基を再
アセチル化し、十分に精製したものを重合度測定用試料
とした。該試料を用い、30℃のアセトン中で測定した
極限粘度[η]から下記の式3により重合度を求めた。 P=([η]×10/7.94)(1/0.62) ・・・式3
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】実施例1 (B)多糖類としてコーンスターチ(敷島スターチ製;
マーメイドM−200)50部を用い、(C)水溶性の
エチレン変性PVAとしてPVA−1を10部用い、
(D)添加剤として水5部およびグリセリン10部を用
い、これらをヘンシェルミキサーにて十分混合して
(B)(C)および(D)からなる混合物を得た。次い
で、(A)生分解性ポリエステルとしてポリ乳酸(島津
製作所製;ラクティ9020)50部を該混合物と共に
ベント付き二軸押出機に供給し、ベントを減圧にしてス
トランド状に溶融押出した。得られたストランドは金属
メッシュコンベア上で冷風除熱したのち、ペレタイザー
にて切断してペレット状の樹脂組成物を得た。押出機で
のペレット化条件を以下に示す。 [ペレット化条件] 押出機:東洋製罐(株)製ラボプラストミル スクリュー:2軸同方向、25mmφ、L/D=26 設定温度:C 100℃、C 150℃、C
80℃、C 180℃、C 140℃、ダイ 12
0℃ 得られた上記ペレット状の樹脂組成物を用い、溶融製膜
を実施して厚み40μmのフィルムを得た。溶融製膜条
件を以下に示す。 [溶融押出成形条件] 押出機:東洋製罐(株)製ラボプラストミル スクリュー型:フルフライトスクリュー スクリュー回転数:200rpm 温度設定:C 120℃、C 150℃、C
80℃、C 180℃、C 140℃、ハンガーコ
ートダイ 120℃ 得られたフィルムを用いて、フィルム強度およびフィル
ムの生分解(崩壊)性を評価した。結果を表3に示す。
なお、表3において、(A)生分解性ポリエステルとし
てポリ乳酸を用いた実施例1〜8および比較例1〜9の
場合、樹脂組成物からなるフィルムの強度は比較例1で
得られたフィルムを基準として、その強度を1とした時
の倍数で表示した。
【0047】実施例2〜8 (A)〜(D)として表2および表3に示したものを使
用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物およびそ
の溶融押出フィルムを製造し、フィルム強度およびフィ
ルムの生分解(崩壊)性を評価した。結果を表3に示
す。
【0048】比較例1〜9 (A)〜(D)として表2および表3に示したものを使
用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物およびそ
の溶融押出フィルムを製造し、フィルム強度およびフィ
ルムの生分解(崩壊)性を評価した。結果を表3に示
す。
【0049】
【表3】
【0050】実施例9〜11 (A)生分解性ポリエステルとしてポリ乳酸(島津製作
所製;ラクティ9020)の代わりに脂肪族ポリエステ
ル(昭和高分子製;ビオノーレ#1001)を用い、
(B)〜(D)として表2および表4に示したものを使
用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物およびそ
の溶融押出フィルムを製造し、フィルム強度およびフィ
ルムの生分解(崩壊)性を評価した。結果を表4に示
す。なお、表4において、(A)生分解性ポリエステル
として脂肪族ポリエステルを用いた実施例9〜11およ
び比較例10〜13の場合、樹脂組成物からなるフィル
ムの強度は比較例10で得られたフィルムを基準とし
て、その強度を1とした時の倍数で表示した。
【0051】比較例10〜13 (B)〜(D)として表2および表4に示したものを使
用した以外は実施例9〜11と同様にして樹脂組成物お
よびその溶融押出フィルムを製造し、フィルム強度およ
びフィルムの生分解(崩壊)性を評価した。結果を表4
に示す。
【0052】
【表4】
【0053】表3に示した結果より、本発明に相当する
樹脂組成物およびその成形物は、フィルム強度および生
分解(崩壊)性の双方共に優れていることが分かる(実
施例1〜8)。一方、本発明で必須成分である(C)水
溶性のエチレン変性PVAを含有しないものは、生分解
(崩壊)性は優れるがフィルム強度は不十分である(比
較例1)。また、本発明における必須成分である(D)
添加剤を含有しないものは、成形性不良のため評価用フ
ィルムが得られない(比較例2)。また、本発明では、
(A)生分解性ポリエステルおよび(B)多糖類の重量
比(A)/(B)が20/80〜80/20であること
が必須であるが、(A)/(B)=10/90のように
(B)多糖類の比率が高い場合には、生分解(崩壊)性
は優れるもののフィルム強度は不十分である(比較例
3)。逆に、(A)/(B)=90/10のように
(A)生分解性ポリエステルの比率が高い場合には、P
VAとの複合のためか、生分解(崩壊)性が不足してい
る(比較例4)。さらに、本発明で必須成分である
(C)水溶性のエチレン変性PVAを規定量以上含有す
るものは、フィルム強度は優れるものの、生分解(崩
壊)性が不十分である(比較例5)。また、本発明に使
用される(C)水溶性のエチレン変性PVAにおいて、
そのエチレン含有量は2〜19モル%であり、カルボン
酸および/またはラクトン環含有量は0.02〜1モル
%であるが、これらの条件を満たさないものは、フィル
ム強度および生分解(崩壊)性のいずれかまたは両方が
不十分である(比較例6〜9)。
【0054】さらに、表4に示した結果より、(A)生
分解性ポリエステルとしてポリ乳酸以外の脂肪族ポリエ
ステルを使用した場合でも、本発明に相当する樹脂組成
物およびその成形物は、フィルム強度および生分解(崩
壊)性の双方共に良好である(実施例9〜11)。一
方、(A)生分解性ポリエステルとしてポリ乳酸以外の
脂肪族ポリエステルを使用した場合でも、本発明の範囲
外である組成物およびその成形体は、ポリ乳酸を使用し
た場合と同様にフィルム強度および生分解(崩壊)性の
いずれかまたは両方が不十分である(比較例10〜1
3)。
【0055】
【発明の効果】本発明の(A)生分解性ポリエステル、
(B)多糖類、(C)水溶性のエチレン変性PVA、お
よび(D)添加剤からなる樹脂組成物を用いた成形物
は、生分解(崩壊)性および強度に優れるものであり、
種々の用途、とりわけ、各種包装用材料(フィルム、シ
ート、ボトル、カップ、トレイなど)、農業用資材(農
業用マルチフィルム、シートなど)、一般生活用資材
(買い物袋、ゴミ袋、ペット用汚物袋など)をはじめ種
々の用途に用いることができ、中でも生分解(崩壊)性
の特徴を生かしたコンポスト用途材料に好適に用いるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101/16 C08L 101/16 (72)発明者 辻本 拓哉 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4F071 AA08 AA29 AA43 AA47 AC04 BA01 BB06 BC01 4J002 AB01X AB04X AB05X BE033 CF18W CF19W CH024 DE026 EC046 EC056 FD010 FD020 GA01 GC00 4J200 AA04 AA06 BA13 BA14 BA17 CA01 DA02 DA24 DA25 EA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)生分解性ポリエステル、(B)多
    糖類、(C)エチレン含有量が2〜19モル%、カルボ
    ン酸および/またはラクトン環含有量が0.02〜1モ
    ル%である水溶性ビニルアルコール系重合体、ならびに
    (D)水、ポリアルキレンオキシド、多価アルコール、
    および多価アルコール誘導体から選ばれる少なくとも1
    種以上の添加剤からなり、(A)および(B)の重量比
    (A)/(B)が20/80〜80/20であり、
    (A)、(B)および(C)の重量比(C)/[(A)
    +(B)]が5/100〜20/100である樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (A)生分解性ポリエステルがポリ乳酸
    である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)多糖類が澱粉である請求項1また
    は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹
    脂組成物からなる成形物。
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