JP2003335765A - フッ素原子含有多官能性オキセタン化合物、これを用いた樹脂組成物、光ファイバー用コーティング剤及び硬化物 - Google Patents

フッ素原子含有多官能性オキセタン化合物、これを用いた樹脂組成物、光ファイバー用コーティング剤及び硬化物

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JP2003335765A
JP2003335765A JP2002144136A JP2002144136A JP2003335765A JP 2003335765 A JP2003335765 A JP 2003335765A JP 2002144136 A JP2002144136 A JP 2002144136A JP 2002144136 A JP2002144136 A JP 2002144136A JP 2003335765 A JP2003335765 A JP 2003335765A
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Minoru Yokoshima
実 横島
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化速度が速く、得られた樹脂被膜は、低屈折
率、低吸水率で高い硬度を有し、光ファイバー用のクラ
ッド層に適する樹脂組成物及び硬化物を提供する。 【解決手段】特定のフッ素原子含有多官能性オキセタン
化合物(A1)及び/または特定のフッ素原子含有多官
能性オキセタン化合物(A2)と光カチオン重合開始剤
(B)を含有することを特徴とする樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフッ素原子
含有多官能性オキセタン化合物、これを用いた樹脂組成
物、光伝送用の光ファイバー用コーティング剤およびそ
の硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバーには、無機ガラスとポリ
(メチルメタクリレート)等の合成樹脂系に分けられ
る。両系とも透明性に富んだ屈折率の高い芯(コア)部
分と、屈折率の低い鞘(クラッド)から成り立ってい
る。クラッド材として、従来より、屈折率が低いシリコ
ン系化合物やポリフルオロアルキルアクリレート等の含
フッ素モノマーの重合体等が提案されて、実施されてき
た。例えば、コア材としてポリ(メチルメタクリレー
ト)を用い、クラッド材として、フッ素化アルキル基含
有(メタ)アクリレートの重合体、フッ素化アルキル基
含有(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合
体、または、ポリ(テトラフロロエチレン)、ポリ(フ
ッ化ビニリデン/テトラフロロエチレン)、ポリ(フッ
化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン)等の含フッ素
重合体を用いる方法(特開昭59−84203、特開昭
59−84204、特開昭59−98116、特開昭5
9−147011、特開昭59−204002)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】含フッ素重合体により
クラッド部分を形成する方法においては、高温の含フッ
素重合体の溶融物や溶液を被覆するため、厚みが不均一
になり易い。また、コア部分とクラッド部分との密着性
が十分でなく、種々の外的要因、例えば、屈曲、温度変
化等によって層間剥離が生じ易いため耐久性等に問題が
あった。また、含フッ素重合体の溶融物または溶液を塗
布する製造方法においては、クラッド部分の硬化に長時
間を要し、また溶液塗布法においては、特に、溶剤を系
外に完全に除去する必要性から、生産性、安全性、経済
性等に欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究の結果、新規なフッ素原子含
有多官能オキセタン化合物を開発し、これを用いること
により、硬化速度が速く、屈折率が低く、コアとの密着
性に優れた光伝送用ファイバーのクラッド材に適した樹
脂組成物を提供することに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、 1、一般式(1)で表されるオキセタン化合物(a)
【0005】
【化3】
【0006】(式(1)中、R1は、メチル基またはエ
チル基であり、Xは、ブロモ、ヨード、クロロおよびア
リールスルホネートからなる群より選ばれた基であ
る。)と1分子中に少なくとも2個の水酸基を有するフ
ッ素原子含有化合物(b)を反応させて得られるフッ素
原子含有多官能性オキセタン化合物(A1)、 2、一般式(2)で表されるオキセタン化合物(c)
【0007】
【化4】
【0008】(式(2)中、R1はメチル基またはエチ
ル基である。)と1分子中に少なくとも2個のブロモ、
クロロおよびヨードからなる群より選ばれた基を有する
フッ素原子含有化合物(d)を反応させて得られるフッ
素原子含有多官能性オキセタン化合物(A2)、 3、1記載のフッ素原子含有多官能性オキセタン化合物
(A1)および/または、2記載のフッ素原子含有多官
能性オキセタン化合物(A2)と光カチオン重合開始剤
(B)を含有することを特徴とする樹脂組成物、 4、(A1)及び(A2)以外の光カチオン重合性物質
(C)を含有する3記載の樹脂組成物、 5、光ファイバー用コーティング剤である3または4記
載の樹脂組成物、 6、3ないし5のいずれか1項記載の樹脂組成物の硬化
物、に関するものである。
【0009】
【本発明の実施の形態】本発明のフッ素原子含有多官能
性オキセタン化合物(A1)は、前記一般式(1)で表
されるオキセタン化合物(a)と1分子中に少なくとも
2個の水酸基を有するフッ素原子含有化合物(b)の反
応物であり、フッ素原子含有多官能性オキセタン化合物
(A2)は、前記、一般式(2)で表されるオキセタン
化合物(c)と1分子中に少なくとも2個のブロモ、ク
ロロおよびヨードからなる群より選ばれた基を有するフ
ッ素原子含有化合物(d)の反応物から選択される1種
以上のフッ素原子含有多官能性オキセタン化合物であ
る。
【0010】本発明のフッ素原子含有多官能性オキセタ
ン化合物(A1)の具体例としては、前記一般式(1)
で表されるオキセタン化合物(a)と1分子中に少なく
とも2個の水酸基を有するフッ素原子含有化合物(b)
を、特開2002−80471号や特表平11−500
422号に記載されている方法により得ることができ
る。
【0011】具体的には、例えば、特表平11−500
422号に記載の方法によれば、前記一般式(1)で表
されるオキセタン化合物(a);1分子中に少なくとも
2個の水酸基を有するフッ素原子含有化合物(b)と塩
基、例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、
および相間移動触媒の混合物を水性媒質中で80〜85
℃において、ガスクロ分析により出発物質が消えるまで
加熱反応する。反応後、生成物を分離することにより反
応物が得られる。
【0012】種々の塩基、例えば、水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム、水酸化テトラブチルアンモニウム
などをこの目的に使用することができるが、好ましい塩
基は水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。
【0013】相間移動触媒の具体例としては、臭化テト
ラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウ
ム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、臭化セチルトリ
ブチルアンモニウム、クラウンエーテル、グリコール、
およびその他である。好ましい触媒は臭化テトラブチル
アンモニウムである。なぜなら、それはコストが比較的
低く、そして有機溶媒および水性媒質の双方の中におい
てすぐれた溶解度を有するからである。
【0014】一般式(1)で表されるオキセタン化合物
(a)の具体例としては、3−クロロメチル−3−メチ
ルオキセタン、3−クロロメチル−3−エチルオキセタ
ン、3−ブロモメチル−3−メチルオキセタン、3−ブ
ロモ−3−エチルオキセタン、3−ヨードメチル−3−
メチルオキセタン、3−ヨードメチル−3−エチルオキ
セタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン
のP−トルエンスルホネート等を挙げることができる。
【0015】1分子中に少なくとも2個の水酸基を有す
るフッ素原子含有化合物(b)の具体例としては、例え
ば、3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,
2−ジヒドロキシプロパン、3−(2−パーフルオロ−
n−オクチル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパ
ン、3−(1H、1H−ペンタテカフルオロ−1−オク
チル)オキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−
(1H、1H−パーフルオロ−1−ラウリル)オシキ−
1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(2,2,2−ト
リフルオロエチル)オキシ−1,2−ジヒドロキシプロ
パン、3−(ヘキサフルオロプロピル)オキシ−1,2
−ジヒドロキシプロパン、3−(2−パーフルオロ−n
−ブチル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、
3−(4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジトメキシ
ブチル)オキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−
(n−パーフルオロ−n−オクチル)メチルオキシ−
1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(パーフルオロ−
n−オクチル)−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−
(パーフルオロ−n−ブチル)−1,2−ジヒドロキシ
プロパン、3−(パーフルオロ−n−ヘキシル)−1,
2−ジヒドロキシプロパン、1,4−ビス(1,2−ジ
ヒドロキシプロピル)−パーフルオロ−n−ブタン、
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−
1,6−ヘキサンジオール、3,3,4,4,5,5,
6,6−オクタフルオロオクタン−1,8−ジオール、
2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオ
ール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,
5−ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,
5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−デカフ
ルオロ−1,8−オクタンジオール、
【0016】
【化5】
【0017】(nは1〜50の数、mは1〜50の数)
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】等をあげることができる。
【0022】両者を反応させる場合、1分子中に少なく
とも2個の水酸基を有するフッ素原子含有化合物(b)
中の水酸基1当量に対して、一般式(1)で表されてい
るオキセタン化合物(a)が1.0〜1.5モルである
ことが好ましい。また、反応に使用する塩基当量は、
0.9〜1.3当量であることが好ましく、さらに好ま
しくは1.0〜1.2当量である。
【0023】本発明のフッ素原子含有多官能性オキセタ
ン化合物(A2)の具体例としては、一般式(2)で表
されるオキセタン化合物(c)と1分子中に少なくとも
2個のブロモ、クロロおよびヨードからなる群より選ば
れた基を有するフッ素原子含有化合物(d)を特開平6
−16804号に記載されている方法により得ることが
できる。
【0024】具体的には、前記一般式(2)で表される
オキセタン化合物(C)、1分子中に少なくとも2個の
ブロモ、クロロおよびヨードからなる群より選ばれた基
を有するフッ素原子含有化合物(d)、と塩基、例え
ば、水酸化ナトリウムまたは、水酸化カリウムおよび相
間移動触媒の混合物を水性媒質中で−10〜10℃で、
ガスクロ分析により出発物質が消えるまで加熱反応す
る。反応後、生成物を分離することにより反応物が得ら
れる。
【0025】塩基及び相間移動触媒の具体例は、前記と
同一のものを用いることができる。
【0026】一般式(2)で表されるオキセタン化合物
(c)の具体例としては、3−ヒドロキシメチル−3−
メチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチル
オキセタン等を挙げることができる。
【0027】1分子中に少なくとも2個のブロモ、クロ
ロおよびヨードからなる群より選ばれた基を有するフッ
素原子含有化合物(d)の具体例としては、1,2−ジ
ブロモ−1−(パーフルオロ−n−ブチル)エタン、
1,1,2−トリブロモ−1−(パーフルオロ−n−ブ
チル)エタン、1,8−ジョード−3,3,4,4,
5,5,6,6−オクタフルオロオクタン、1,4−ジ
ブロモ−パーフルオロブタン、1,6−ジブロモ−パー
フルオロヘキサン、1,8−ジブロモ−パーフルオロオ
クタン、1,3−ジクロロ−4−(トリフルオロメトキ
シ)ベンゼン、等を挙げることができる。
【0028】1分子中に少なくとも2個のブロモ、クロ
ロおよびヨードからなる群より選ばれた基を有するフッ
素原子含有化合物(d)中のブロモ、クロロおよびヨー
ドからなる群より選ばれた基1当量に対して、一般式
(2)で表されるオキセタン化合物(c)が1.0〜4
モルであることが好ましく、また反応に使用する塩基の
当量は、0.9〜1.2当量であることが好ましく、さ
らに好ましくは1.0〜1.1当量である。
【0029】本発明では、光カチオン重合開始剤(B)
を使用する。光カチオン重合開始剤(B)の具体例とし
ては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム
塩、セレニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセニウム
塩、ホスホニウム塩、チヲピリニウム塩が挙げられる
が、熱的に比較的安定である芳香族スルホニウム塩、芳
香族ヨードニウム塩が好ましく使用される。なお、オニ
ウム塩開始剤を活性化させるためには、紫外線・可視光
線の照射が好ましい。
【0030】芳香族スルホニウム塩および芳香族ヨード
ニウム塩等のオニウム塩光開始剤を使用する場合、アニ
オンとしては、BF- 4、AsF- 6、SbF- 6、PF- 6
B(C 65- 4などが挙げられ、これらの中でも、B
(C65- 4をアニオンとしたヨードニウム塩はオキセ
タン化合物との相溶性も良く好ましい。
【0031】本発明では、(A)1及び(A2)以外の光
カチオン重合性物質(C)を使用する。具体例として
は、エポキシ樹脂(C−1)、1官能性オキセタン化合
物(C−2)、フッ素原子を含有しない多官能性オキセ
タン化合物(C−3)等を挙げることができる。
【0032】エポキシ樹脂(C−1)の具体例として
は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチル−8,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シ
クロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン、市販品と
しては、セロキサイド2021(エポキシ当量128〜
145)、セロキサイド2080(エポキシ当量190
〜210)などのダイセル化学工業(株)製、2官能性
脂環式エポキシ化合物、エポリードGT−301(エポ
キシ当量200〜220)、エポリードGT−401
(エポキシ当量210〜235)などのダイセル化学工
業(株)製、3及び4官能性脂環式エポキシ化合物、E
HPE(エポキシ当量170〜190、軟化点70〜9
0℃)、EHPEL3150CEなどのダイセル化学工
業(株)製、固形の脂環式エポキシ化合物等の脂環式エ
ポキシ化合物(C−1−1)、水添ビスフェノールAジ
クリシジルエーテル等の水添ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(C−1−2)、ビスフェノールヘキサフルオロ
アセトンジクリシジルエーテル、1,3−ビス〔1−
(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメ
チル−2,2,2−トリフルオロエチル〕ベンゼン、
1,4−ビス〔1−(2,3−エポキシプロポキシ)−
1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエ
チル〕ベンゼン、4,4’−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)オクタフルオロビフェニル、
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】 n=4〜12の整数
【0035】
【化11】
【0036】等のフッ素原子含有エポキシ樹脂(C−1
−3)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビス
フェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールS
ジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールA
ジグリシジルエーテル等のビスフェノール型エポキシ樹
脂(C−1−4)、ジブロモメチルフェニルグリシジル
エーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ブロ
モメチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、テトラブロモ
ビスフェノールAジグリシジルエーテル等の臭素化エポ
キシ樹脂(C−1−5)、その他、ポリブタジェンジグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルアル
コールペンタデカ(オキシエチレン)グリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グ
リシジルメタクリレートと(メタ)アクリル酸エステル
の共重合体等のその他エポキシ化合物(C−1−6)等
を挙げることができる。特に好ましいエポキシ樹脂(C
−1)としては、前記、(C−1−1)、(C−1−
2)、(C−1−3)、(C−1−4)及び(C−1−
5)等を挙げることができる。
【0037】1官能性オキセタン化合物(C−2)の具
体例としては、3−ヒドロキシメチル−3−エチル−オ
キセタン、3−ヒドロキシメチル−3−メチル−オキセ
タン、3−ブトキシメチル−3−エチルオキセタン、3
−フェニルオキシメチル−3−エチルオキセタン、1−
ヒドロキシ−6−(3−エチル−3−オキセタニルメト
キシ)ヘキシル、
【0038】
【化12】 n=6〜12の整数
【0039】
【化13】 n=1〜10の整数
【0040】
【化14】 n=1〜12の整数
【0041】
【化15】 n=1〜10の整数
【0042】
【化16】 n=1〜12の整数
【0043】等を挙げることができる。
【0044】フッ素原子を含有しない多官能性オキセタ
ン化合物(C−3)の具体例としては、1,6−ビス
(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキシル、
ビスフェノールAジ(3−エチル−3−オキセタニルメ
チルエーテル)、ビスフェノールFジ(3−エチル−3
−オキセタニルメチルエーテル)、ビフェニルジ(3−
エチル−3−オキセタニルメチルエーテル)、1,4−
ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシメチ
ル)〕ベンゼン、シリコン変性オキセタン化合物、3−
エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセ
タンと(メタ)アクリル酸エステル類との共重合体等を
挙げることができる。
【0045】本発明の樹脂組成物中、前記、(A1)、
(A2)、(B)及び(C)成分の使用割合としては、
(A1)+(A2)成分の総量、100重量部に対して
(C)成分は、0〜500重量部が好ましく、特に好ま
しくは10〜200重量部であり、(A1)+(A2)+
(C)成分の総量100重量部に対して、(B)成分は
0.01〜10重量部が好ましく、特に好ましくは、
0.1〜5重量部である。(A 1)+(A2)成分の総量
100重量部とした場合、(A1)と(A2)の使用割合
は、(A1)は0〜100重量部が好ましく、(A2
は、0〜100重量部が好ましい。
【0046】なお、本発明において、必要な場合は、光
カチオン重合促進剤(例、9,10−ジメトキシ−2−
エチルアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセ
ン、2,4−ジエチルチオキサントン等)、シランカッ
プリング剤、チタン系カップリング剤、可とう性付与
剤、特性改質剤、着色剤、各種フィラー、光安定剤、
(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマー類等を加え
ることができる。これらの材料を単独あるいは混合して
主成分に加えることにより樹脂組成物の特性を改質する
ことができる。
【0047】例えば、本発明の樹脂組成物の接着性を高
めるためにシランカップリング剤としては、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−β−(アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノ
プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリ
ル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、
ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ンなどが挙げられる。
【0048】本発明の樹脂組成物は、(A)〜(C)成
分、その他等を混合、溶解、必要に応じて混練し、ロ過
をすることにより得ることができる。
【0049】また、本発明の樹脂組成物の硬化法は常法
により紫外線照射による得ることができる。
【0050】本発明に係る光ファイバー用コーティング
剤を基材(光伝送ファイバー芯線)に塗布する方法とし
ては、当業界公知の種々の方法、例えば、ダイスコーテ
ィング剤、浸漬法等が挙げられる。光ファイバー芯線と
しては、石英系並びにポリスチレン、ポリカーボネート
等のプラスチック系が挙げられる。光伝送ファイバーの
クラッド部を形成する場合、本発明のコーティング剤に
よる被膜の厚さは特に限定されないが、通常10〜30
0μm程度が好ましい。硬化重合する場合、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を光源とす
る紫外線を使用することが好ましい。
【0051】本発明の樹脂組成物は、光伝送ファイバー
のクラッド材だけでなく、光導波路用材料、各種コーテ
ィング材、反射防止用塗料、光学用各種接着剤、3次元
造形材料、レジスト材、成形材料、各種インキ等に使用
することができる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。 実施例1 3−ブロモメチル−3−メチルオキセタン(351.5
g、2.13モル)、2,2,3,3,4,4−ヘキサ
フルオロ−1,5ペンタンジオール(225.8g、
1.065モル)、臭化テトラブチルアンモニウム(3
4.4g)および水(85mリットル)を仕込み、攪拌
し、75℃に加熱した。次に、水(200mリットル)
中の水酸化カリウム(158g、87%の純度、2.4
5モル)の溶液を添加し、この混合物を80〜85℃で
約4時間激しく攪拌した。反応の進行はガスクロ法でチ
ェックし、一方の原料がなくなるまで反応を継続し、そ
の後、この反応混合物を室温に冷却した。反応混合物を
水で希釈し、有機層を分離し、水で洗浄し、減圧下で加
熱・乾燥し、液状生成物361gが得られた。生成物の
GCMS及びNMR分析法により、生成物の主成分は、
下記の構造式のフッ素原子含有多官能性オキセタン化合
物(A1−1)であった。
【0053】
【化17】
【0054】実施例2 3−ブロモメチル−3−メチルオキセタン(351.5
g、2.13モル)、3−(2−パーフルオロヘキシ
ル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン(46
6.47g、1.065モル)、臭化テトラブチルアン
モニウム(34.4g)および水(85mリットル)を
仕込み、攪拌し、75℃に加熱した。次に、水(200
mリットル)中の水酸化カリウム(158g、87%純
度、2.45モル)の溶液を添加し、この混合物を80
〜85℃で約4時間激しく攪拌した。一方の原料がなく
なるまで反応を継続し、その後、この反応混合物を室温
に冷却した。反応混合物を水で希釈し、有機層を分離
し、水で洗浄し、減圧下で加熱・乾燥し、液状生成物6
19gが得られた。生成物のGCMS及びNMR分析法
により生成物の主成分は、下記の構造式のフッ素原子含
有多官能性オキセタン化合物(A1−2)であった。
【0055】
【化18】
【0056】実施例3 3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン(12.
8g0.11モル)、3,3,4,4,5,5,6,6
−オクタフルオロオクタン−1,8−ジョード(6.3
g、0.05モル)及び水酸カリウムの50重量%水溶
液19gを仕込み、攪拌し、0℃に冷却し、臭化テトラ
ブチルアンモニウム0.4gを激しく攪拌しながら加え
た。24時間後に、トルエン100mリットルおよび水
100mリットルを反応混合物に加え、有機層を洗浄
し、減圧下で加熱し、トルエンを除去し、残液を液体ク
ロマトグラフィーにより精製し、液状の生成物20.6
gを得た。生成物のGCMS及びNMR分析法により、
生成物の主成分は下記構造式のフッ素原子含有多官能性
オキセタン化合物(A2−1)であった。
【0057】
【化19】
【0058】(樹脂組成物の実施例) 実施例4 合成実施例1で得たフッ素原子含有多官能性オキセタン
化合物(A1−1)50g、合成実施例2で得たフッ素
原子含有多官能性オキセタン化合物(A1−2)50
g、及び光カチオン重合開始剤としてトリルクミルアイ
オドニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート(ローヌ・プーラン社製)1g、光カチオン重合促
進剤として、2−エチル−9,10−ジエトキシアント
ラセン0.3gを加熱、溶解混合し、樹脂組成物aを調
製した。 実施例5 合成実施例2で得たフッ素原子含有多官能性オキセタン
化合物(A1−2)40g、合成実施例3で得たフッ素
原子含有多官能性オキセタン化合物(A2−1)60
g、及び光カチオン重合開始剤としてトリルクミルアイ
オドニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート(ローヌ・プーラン社製)1g、光カチオン重合促
進剤として、2−エチル−9,10−ジエトキシアント
ラセン0.3gを加熱、溶解:混合し樹脂組成物bを調
製した。
【0059】実施例4及び5で得られた樹脂組成物a及
びbをそれぞれ、ガラス板上に100μmの厚さで塗布
した後、空気中で高圧水銀灯で500mJ/cm2の紫
外線を照射して硬化物を得た。得られた硬化物の特性を
第1表に示す。
【0060】
【0061】硬度(ジョアD):JIS Z 2246
の方法に準じて行った。 ヤング率(MPa):JIS K 7113の方法に準
じて行った。 吸水率(%):JIS K 7209の方法に準じて行
った。 屈折率(23℃):アッベ屈折率計で23℃にてナトリ
ウムD線光源により測定した。
【0062】第1表の評価結果から、本発明の樹脂組成
物は、硬化性が速く、硬化物は、低屈折、低吸水率で硬
度の高い樹脂組成物が得られる。
【0063】
【発明の効果】本発明の新規なフッ素原子含有多官能性
オキセタン化合物を用いる樹脂組成物および光ファイバ
ー用コーティング剤は、硬化速度が速く、得られた樹脂
被膜は、低屈折率、低吸水率、硬度が高く光伝送用光学
ファイバーのクラッド層に適する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表されるオキセタン化合物
    (a) 【化1】 (式中、R1は、メチル基またはエチル基であり、Xは
    ブロモ、ヨード、クロロおよびアリールスルホネートか
    らなる群より選ばれた基である。)と1分子中に少なく
    とも2個の水酸基を有するフッ素原子含有化合物(b)
    を反応させて得られるフッ素原子含有多官能性オキセタ
    ン化合物(A1)。
  2. 【請求項2】一般式(2)で表されるオキセタン化合物
    (c) 【化2】 (式中、R1はメチル基またはエチル基である。)と1
    分子中に少なくとも2個のブロモ、クロロおよびヨード
    からなる群より選ばれた基を有するフッ素原子含有化合
    物(d)を反応させて得られるフッ素原子含有多官能性
    オキセタン化合物(A2)。
  3. 【請求項3】請求項1記載のフッ素原子含有多官能性オ
    キセタン化合物(A1)および/または、請求項2記載
    のフッ素原子含有多官能性オキセタン化合物(A 2)と
    光カチオン重合開始剤(B)を含有することを特徴とす
    る樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A1)及び(A2)以外の光カチオン重合
    性物質(C)を含有する請求項3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】光ファイバー用コーティング剤である請求
    項3または4記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項3ないし5のいずれか1項記載の樹
    脂組成物の硬化物。
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