JP2003335764A - ポリアルキルエーテル類を用いるオキセタン化合物の製造方法 - Google Patents

ポリアルキルエーテル類を用いるオキセタン化合物の製造方法

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JP2003335764A JP2003067267A JP2003067267A JP2003335764A JP 2003335764 A JP2003335764 A JP 2003335764A JP 2003067267 A JP2003067267 A JP 2003067267A JP 2003067267 A JP2003067267 A JP 2003067267A JP 2003335764 A JP2003335764 A JP 2003335764A
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Nobuaki Koike
信明 小池
Naokazu Ito
直和 伊藤
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Toagosei Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D305/00Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms
    • C07D305/02Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms not condensed with other rings
    • C07D305/04Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms not condensed with other rings having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
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Abstract

(57)【要約】 【課題】式(1)で表される3−ハロ−1−プロパノー
ル類の脱ハロゲン化水素環化反応を収率良く、および式
(1)で表わされるもののひとつである3−クロロ−1
−プロパノール類の脱塩化水素環化反応を収率良く行う
ことができ、さらには水および有機溶媒との2層系でな
くとも行うことができ、工業的生産に有利なオキセタン
化合物の製造方法を提供することを目的とする。 【化1】 (1)式(1)中のR1およびR2は、それぞれ異なって
いてもよい水素原子、置換基を有していても良い炭素数
1〜8の分岐があっても良い脂肪族炭化水素基、または
1とR2とが1つになって2価の炭素数2〜8の分岐が
あっても良い脂肪族炭化水素基を表わし、Xは塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。 【解決手段】本発明は上記の式(1)で表わされる3−
ハロ−1−プロパノール類の脱ハロゲン化水素環化反応
において、アルカリの存在下、ポリアルキルエーテル類
を用いることを特徴とするオキセタン化合物の製造方法
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下記式(1)で表
わされる3−ハロ−1−プロパノール類を脱ハロゲン化
水素環化してオキセタン化合物の合成方法に関するもの
であり、得られるオキセタン化合物から誘導される光硬
化性または熱硬化性樹脂は、硬化性、難燃性および機械
特性に優れ、塗料、コーティング剤、接着剤およびレン
ズ等に利用される。
【0002】
【化3】
【0003】式(1)中のR1およびR2は、それぞれ異
なっていてもよい水素原子、置換基を有していても良い
炭素数1〜8の分岐があっても良い脂肪族炭化水素基、
またはR1とR2とが1つになって2価の炭素数2〜8の
分岐があっても良い脂肪族炭化水素基を表わし、Xは塩
素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
【0004】
【従来の技術】アルコールとハロゲン化合物とからエー
テル化合物を得るものとして、ポリアルキレングリコー
ル類またはポリアルキレングリコールエーテル類を相間
移動触媒として用いる方法が知られている(例えば、特
許文献1参照)。しかし、これには環化に関する記載は
ない。また、3−クロロ−1−プロパノール類の脱塩化
水素環化方法としては、アルカリの水溶液または水懸濁
液中で第4級アンモニウム塩化合物を相間移動触媒とし
て用いる方法が知られている(例えば、特許文献2参
照)。この相間移動触媒として用いる第4級塩化合物は
分解しやすいため繰り返しの使用が難しく、更に高価で
あり工業的に有利とは言えない。同様に、3−クロロ−
2−アルキルプロピルアセテートを脱塩化水素環化させ
て3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンを得る方法
として、アルカリの水溶液または水懸濁液中で、第4級
アンモニウム塩化合物、クラウンエーテルまたはグリコ
ールを相間移動触媒として用いる方法が知られている
(例えば、特許文献3参照)。この相間移動触媒の一つ
であるクラウンエーテルは、アルコール基とハロゲン基
との環化反応に使用できるが高価で毒性があり、これを
工業的に用いるには問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開昭57−58637号公報(特許請
求の範囲)
【特許文献2】特開平10−212282号公報(特許
請求の範囲)
【特許文献3】特表平11−500422号公報(特許
請求の範囲)
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記式
(1)で表される3−ハロ−1−プロパノール類の脱ハ
ロゲン化水素環化反応を収率良く、および上記の式
(1)で表わされるもののひとつである3−クロロ−1
−プロパノール類(下記式(2))の脱塩化水素環化反
応を収率良く行うことができ、さらには水および有機溶
媒との2層系でなくとも行うことができ、工業的生産に
有利なオキセタン化合物の製造方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【化4】
【0008】式(2)中のR1およびR2は、それぞれ異
なっていてもよい水素原子、置換基を有していても良い
炭素数1〜8の分岐があっても良い脂肪族炭化水素基、
またはR1とR2とが1つになって2価の炭素数2〜8の
分岐があっても良い脂肪族炭化水素基を表わす。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、前記課題を
解決する為、検討を重ねた結果、アルカリおよびポリア
ルキルエーテル類の存在下、3−ハロ−1−プロパノー
ル類(上記式(1))の脱ハロゲン化水素環化反応を収
率良く行うことができることを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は上記の式(1)で表わ
される3−ハロ−1−プロパノール類の脱ハロゲン化水
素環化反応において、アルカリの存在下、水溶液および
/または有機溶媒中でポリアルキルエーテル類を用いる
ことを特徴とするオキセタン化合物の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。
【0011】○3−ハロ−1−プロパノール類 本発明において、上記式(1)で表される3−ハロ−1
−プロパノール類のハロゲン(X)は、塩素原子、臭素
原子またはヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子であ
る。
【0012】3−ハロ−1−プロパノール類の1例は、
上記式(2)で表わされる3−クロロ−1−プロパノー
ル類であり、これは、特開平10−139700号公報
に記載の1,3−プロパンジオール類の塩素化方法で容
易に合成できる。例えば、少量の炭素数が2〜5個の脂
肪族カルボン酸の存在下、トリメチロールプロパンと塩
化水素ガスとを反応させて1−モノ(クロロメチル)−
1,1−ヒドロキシメチルプロパンを製造することがで
きる。
【0013】式(1)および式(2)中におけるR1
よびR2が表す置換基を有していても良い炭素数1〜8
の分岐があってもよい脂肪族炭化水素基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミ
ル基、ヘキシル基、オクチル基などのアルキル基が挙げ
られる。この脂肪族炭化水素基の炭素数が3以上のとき
は、分岐があっても良い。式(1)および式(2)中に
おけるR1とR2とが1つになった2価の炭素数2〜8の
脂肪族炭化水素基としては、例えば、トリメチレン基、
テトラメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられ
る。
【0014】式(1)および式(2)中におけるR1
よびR2の脂肪族炭化水素基などが有しても良い置換基
としては、脱塩化水素環化反応に悪影響を及ぼさないも
のであれば良く、例えば、水酸基、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキ
シ基、エトキシ基などの炭素数1〜8の分岐があっても
良いアルコキシ基、およびシクロペンチル基、シクロヘ
キシル基などの炭素数3〜8のシクロアルキル基などが
挙げられ、更に好ましくは水酸基、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エト
キシ基などの炭素数1〜8の分岐があっても良いアルコ
キシ基、およびシクロペンチル基、シクロヘキシル基な
どの炭素数3〜8のシクロアルキル基などが挙げられ、
特に好ましくは水酸基、メトキシ基、エトキシ基などの
炭素数1〜8の分岐があっても良いアルコキシ基、およ
びシクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3
〜8のシクロアルキル基などが挙げられる。
【0015】○式(2)で表される化合物 式(2)で表わされる3−クロロ−1−プロパノール類
の具体例としては、例えば、3−クロロ−1−プロパノ
ール、3−クロロ−2−メチル−1−プロパノール、3
−クロロ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、3−
クロロ−2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1−プロ
パノール、3−クロロ−2−エチル−2−ヒドロキシメ
チル−1−プロパノール、3−クロロ−2,2−ビス
(ヒドロキシメチル)−1−プロパノール、3−クロロ
−2−クロロメチル−2−エチル−1−プロパノール、
3−クロロ−2,2−ビス(クロロメチル)−1−プロ
パノール、シクロヘキサン−1−クロロメチル−1−メ
タノール、1−クロロメチル−2−メチル−シクロヘキ
サン−1−メタノールなどが挙げられる。3−クロロ−
1−プロパノール類のカルボン酸エステル、例えば、酢
酸、プロピオン酸、酪酸および安息香酸などとのエステ
ルも用いることができ、これらの中でも、入手の容易さ
および工業的な取扱い易さから酢酸およびプロピオン酸
のエステルが好ましい。
【0016】○アルカリについて 本発明において式(1)または式(2)の脱ハロゲン化
水素環化するときに用いるアルカリとしては、アルカリ
金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカ
リ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ
金属の炭酸水素塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩、ア
ルカリ金属の水素化物、アルカリ土類金属の水素化物な
どがあり、これらを複数混在させても良い。これらのア
ルカリは、水溶液、水懸濁液、水と有機溶媒との混合溶
媒または有機溶媒中で使用することができる。本発明に
おいて用いられるアルカリの具体的な例としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸
化カルシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウ
ムなどが挙げられる。これらアルカリの中でも、短時間
で十分な転化率が得られることから水酸化ナトリウムお
よび水酸化カリウムが好ましい。
【0017】前記アルカリの使用量は、原料として3−
クロロ−1−プロパノール類を用いる場合には、原料1
モルに対して1モル以上が好ましく、更に1モルを超え
て5モル以下が好ましく、特に1モルを超えて2モル以
下が好適であり、原料として3−クロロ−1−プロパノ
ール類のカルボン酸エステルを用いる場合には、原料1
モルに対して2モル以上が好ましく、更に2モルを超え
て6モル以下が好ましく、特に2モルを超えて3モル以
下を用いることが好ましい。アルカリの水溶液または水
懸濁液などにおけるアルカリの濃度は1〜96質量%が
好ましく、さらに好ましくは20〜96質量%である。
【0018】○ポリアルキルエーテル類 本発明において用いているポリアルキレングリコール類
およびポリアルキレングリコールエーテル類などのポリ
アルキルエーテル類は、下記式(3)、下記式(4)お
よび下記式(5)などで示されるものである。
【0019】R3O(C24O)m4 (3) 式(3)中、R3およびR4はそれぞれ異なっていてもよ
い水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基ま
たはアラルキル基を、mは1以上の整数を表わす。
【0020】R3O(C36O)m4 (4) 式(4)中、R3およびR4はそれぞれ異なっていてもよ
い水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基ま
たはアラルキル基を、mは1以上の整数を表わす。
【0021】 R3O(C24O)m(C36O)n4 (5) 式(5)中、R3およびR4はそれぞれ異なっていてもよ
い水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基ま
たはアラルキル基を、mおよびnは同一または異なって
いてもよい1以上の整数を表わす。
【0022】前記の式(3)、式(4)および式(5)
で表わされるポリアルキルエーテル類において、R3
よびR4が表すアルキル基としては、炭素数1〜20で
あり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ア
ミル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基
などが、アルケニル基としては、炭素数2〜20であ
り、例えばオレイル基などが挙げられる。また、アリー
ル基としては、例えば、フェニル基、オクチルフェニル
基、ノニルフェニル基、ナフチル基などが、アラルキル
基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルエチル
基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる。
【0023】前記の式(3)および式(4)で表わされ
るポリアルキルエーテル類において、mは1〜200が
好ましく、更に好ましくは2〜100、特に好ましくは
3〜50である。また、前記の式(5)で表わされるポ
リアルキルエーテル類において、mおよびnは1〜10
0が好ましく、更に好ましくは1〜50、特に好ましく
は1〜25である。但し、市販されているポリアルキル
エーテル類におけるmおよびnの値は、合成方法の関係
から複数のものを含んでいる。
【0024】本発明に用いられる式(3)、式(4)お
よび式(5)で表わされるポリアルキルエーテル類の具
体例としては、例えばジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール200、ポリエチレングリコール30
0、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリ
コール600、ポリエチレングリコール1000、ポリ
エチレングリコール1500、ポリエチレングリコール
1540、ポリエチレングリコール2000、ポリエチ
レングリコール4000、ポリエチレングリコール60
00、ポリプロピレングリコール400、ポリプロピレ
ングリコール1000、ポリプロピレングリコール20
00、オキシプロピレンオキシエチレンブロック共重合
体2000、オキシプロピレンオキシエチレンブロック
共重合体3000、オキシプロピレンオキシエチレンブ
ロック共重合体4000、オキシプロピレンオキシエチ
レンブロック共重合体8000、オキシプロピレンオキ
シエチレンブロック共重合体10000などがありる。
更に、これらのモノまたはジメチルエーテル、モノまた
はジエチルエーテル、モノまたはジプロピルエーテル、
モノまたはジブチルエーテル、モノまたはジペンチルエ
ーテル、モノまたはジヘキシルエーテル、モノまたはジ
ヘプチルエーテル、モノまたはジオクチルエーテル、モ
ノまたはジノニルエーテル、モノまたはジデシルエーテ
ル、モノラウリルエーテル、モノセチルエーテル、モノ
ステアリルエーテル、モノオレイルエーテル、モノオク
チルフェニルエーテル、モノノニルフェニルエーテル、
モノフェニルエーテル、モノナフチルエーテル、モノベ
ンジルエーテル、モノフェニルエチルエーテル、ラウリ
ルメチルエーテル、ラウリルエチルエーテル、ラウリル
プロピルエーテル、ラウリルブチルエーテル、セチルメ
チルエーテル、セチルエチルエーテル、セチルプロピル
エーテル、セチルブチルエーテル、ステアリルメチルエ
ーテル、ステアリルエチルエーテル、ステリアルプロピ
ルエーテル、ステアリルブチルエーテル、オレイルメチ
ルエーテル、オレイルエチルエーテル、オレイルプロピ
ルエーテル、オレイルブチルエーテル、オクチルフェニ
ル・メチルエーテル、オクチルフェニル・エチルエーテ
ル、オクチルフェニル・プロピルエーテル、オクチルフ
ェニル・ブチルエーテル、ノニルフェニル・メチルエー
テル、ノニルフェニル・エチルエーテル、ノニルフェニ
ル・プロピルエーテル、ノニルフェニル・ブチルエーテ
ル、ジフェニルエーテル、ジナフチルエーテル、ジベン
ジルエーテル、ジフェニルエチルエーテルなどが挙げら
れる。
【0025】これら記載のポリアルキルエーテル類のう
ちでトリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール(以下、PEGと略す)4
00−ジメチルエーテル、PEG400−ジエチルエー
テル、PEG400−ジプロピルエーテル、PEG40
0−ジブチルエーテル、PEG600−ジメチルエーテ
ル、PEG600−ジエチルエーテル、PEG600−
ジプロピルエーテル、PEG600−ジブチルエーテ
ル、PEG1000−ジメチルエーテル、PEG100
0−ジエチルエーテル、PEG1000−ジブチルエー
テル、PEG200、PEG300、PEG400、P
EG600およびPEG1000などが特に好ましい。
【0026】ポリアルキルエーテル類は、触媒としてだ
けでなく溶媒としても使用でき、その使用量は特に限定
されるものではない。またポリアルキルエーテル類は、
慣用の分離手段により反応混合物から回収することが出
来る。例えば反応終了後、反応液を蒸留し水および目的
とするオキセタン化合物を分離精製し、蒸留残渣から析
出塩を濾別して、濾液を再使用する。
【0027】本発明において、反応に用いられる溶媒と
しては、原料および反応生成物に対して不活性な化合物
であれば用いることができる。反応系内で生成する水と
共沸する溶媒が望ましく、好適な反応溶媒としては、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロル
ベンゼン、1,2−ジクロロエタンおよびテトラクロロ
エチレンなどがあげられる。反応系内に生成した水は溶
媒と共に留出させ、分水槽で分離除去することによりオ
キセタン化合物を得るための反応時間の短縮が期待でき
る。この溶媒の量としては、反応器内における原料およ
び反応生成物の合計1質量部に対して0.1〜100質
量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜20質量部
である。100質量部を越えると、単位容積あたりの収
量が低下し、反応溶媒の回収にかかるエネルギーの増大
などの面で経済的と言えない。一方、式(3)、式
(4)および式(5)で表わされる化合物を溶媒として
用いることもでき、その場合は上記溶媒を使用してもし
なくてもよい。
【0028】本発明における反応は、常圧下だけでなく
減圧下または加圧下でも行うことができる。また、反応
温度は0〜200℃の範囲であり、40〜180℃が好
ましく、更に好ましくは60〜160℃であり、特に好
ましくは80〜150℃である。反応温度が200℃を
越えると副生物の生成が増加して収率が低下する恐れが
あり、一方、反応温度が0℃より低いと反応速度が遅く
なり原料の転化率が低くなる恐れがある。
【0029】本発明における反応で式(3)、式(4)
および式(5)から選ばれる少なくとも1種以上のポリ
アルキルエーテル類を触媒として使用する場合、ポリア
ルキルエーテル類は、式(1)の3−ハロ−1−プロパ
ノール類に対して0.1〜200モル%、好ましくは1
〜150モル%、更に好ましくは4〜150モル%を用
いることができる。例えば、式(1)の3−ハロ−1−
プロパノール類、アルカリの水溶液、水懸濁液、または
有機溶媒液、ポリアルキルエーテル類、および必要であ
れば溶媒を反応器に仕込み、所定の温度にて、1〜48
時間攪拌すればオキセタン化合物を得ることができる。
また本反応は反応系内の水を除去しながら行うことによ
り、反応時間を短縮することが出来る。すなわち反応溶
媒として水と共沸するヘキサン、トルエン、キシレンな
どを用い、常圧或いは減圧下で水を溶媒と共に留出さ
せ、留出物を凝縮後、溶媒と水に分離し、溶媒は反応器
に戻し、水は反応系外に抜き出しながら反応させればよ
い。
【0030】反応終了後、水を加えて生成した塩を溶解
し、有機層と水層とを分離し、得られた有機溶媒を精留
分離などの方法により、目的とするオキセタン化合物を
分離精製することができる。また、水を留出しながら反
応を行った場合は、反応液から生成した塩をろ過などの
方法により除去し、得られた有機溶媒を精留分離などの
方法により、目的とするオキセタン化合物を分離精製す
ることができる。
【0031】本発明における反応で式(3)、式(4)
および式(5)から選ばれる少なくとも1種以上のポリ
アルキルエーテル類を溶媒として使用する場合、ポリア
ルキルエーテル類を式(1)の3−ハロ−1−プロパノ
ール類の1質量部に対して0.1〜100質量部、好ま
しくは0.15〜50質量部を、更に好ましくは0.5
〜20質量部を用いることができる。例えば、ポリアル
キルエーテル類および必要ならば他の有機溶媒を反応器
に仕込み、攪拌しながらアルカリの水溶液、水懸濁液、
または有機溶媒液などを加え、所定の温度に加熱した
後、攪拌下に3−クロロ−1−プロパノール類を加え、
1〜48時間加熱攪拌すればよい。反応終了後、溶媒を
留出させた後、精留分離などの方法により、目的とする
オキセタン化合物を分離精製できる。また、オキセタン
化合物を留出した残液から塩をろ過などの方法により除
去し、ポリアルキルエーテル類を含む濾液を溶媒として
再使用することができる。この方法は、比較的沸点の低
いオキセタン化合物、例えばオキセタン、3−メチルオ
キセタン、3,3−ジメチルオキセタンなどに適用する
のが好ましい。
【0032】○オキセタン化合物 3−ハロ−1−プロパノール類から本発明の合成方法を
用いて得られるオキセタン化合物としては、下記一般式
(6)で表されるものがある。
【0033】
【化5】
【0034】式(6)中のR1およびR2は、式(1)ま
たは式(2)と同様なものであり、それぞれ異なってい
てもよい水素原子、置換基を有していても良い炭素数1
〜8の分岐があっても良い脂肪族炭化水素基、またはR
1とR2とが1つになって2価の炭素数2〜8の分岐があ
っても良い脂肪族炭化水素基である。
【0035】本発明の合成方法で得られるオキセタン化
合物の具体例としては、3,3−ジメチルオキセタン、
3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンおよび3
−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどが例示
できる。
【0036】以上、3−ハロ−1−プロパノール類を脱
ハロゲン化水素環化する方法においてポリアルキルエー
テル類を用いるオキセタン化合物の製造方法について記
載したが、本発明は記載された方法に限定させるもので
はない。
【0037】○実施態様 式(1)の3−ハロ−1−プロパノール類を脱ハロゲン
化水素環化する方法において、ポリアルキルエーテル類
とアルカリとを用いることを特徴とするオキセタン化合
物の製造方法。式(1)または式(2)を脱ハロゲン化
水素環化する製造方法において、反応温度が0〜200
℃であるオキセタン化合物の製造方法。ポリアルキルエ
ーテル類存在下、水と共沸混合物をつくる溶媒を用い
て、式(1)の3−ハロ−1−プロパノール類の脱ハロ
ゲン化水素環化反応系から水を除去しながら行うオキセ
タン化合物の製造方法。ポリアルキルエーテル類とアル
カリとの存在下、水と共沸混合物をつくる溶媒を用い
て、式(2)の脱塩化水素環化反応系から水を除去しな
がら行うオキセタン化合物の製造方法。ポリアルキルエ
ーテル類とアルカリとを含む溶液中に、式(1)の3−
ハロ−1−プロパノール類を加えることによるオキセタ
ン化合物の製造方法。ポリアルキルエーテル類とアルカ
リとを含む溶液中に、式(2)を加えることによるオキ
セタン化合物の製造方法。
【0038】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0039】<実施例1>76.3gの2−クロロメチ
ル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(0.5モ
ル、以下、MCPと略す)、15.0gのPEG600
(0.025モル)および77.0gのトルエンを50
0mlのガラス製反応器に仕込み、80℃まで加熱して
トルエンが還流するまで減圧にした。反応液を攪拌しな
がら、80℃で還流を保ちながら、41.7gの48質
量%水酸化ナトリウム水溶液(0.5モル)を1時間か
けて滴下した。留出物をコンデンサーにて冷却して受器
に捕集し、水を系内から除きながら、水の留出がなくな
るまで反応を行った。反応終了後、析出塩を濾別し、こ
の析出塩をトルエン65gで洗浄し、先の反応液と合わ
せて203.1gの反応液を得た。得られた反応液につ
いて、MCPおよび3−エチル−3−ヒドロキシメチル
オキセタン(以下、OXAと略す)の含有量をガスクロ
マトグラフィー(以下、GCと略す)分析により定量
し、MCP転化率、OXA選択率および収率を求めた。
その結果を表1に示す。なお、MCP転化率、OXA選
択率および収率は以下の式により算出した。%は全てモ
ル基準である。 MCP転化率(%)=(1−未反応MCP÷仕込みMC
P)×100 OXA選択率(%)=生成OXA÷(仕込みMCP−未
反応MCP)×100 収率(%)=MCP転化率×OXA選択率÷100 GC分析条件 キャピラリーカラム:TC−WAX(GLサイエンス社
製) カラム温度:80℃から240℃に昇温 キャリアーガス:ヘリウム 検出:FID
【0040】<実施例2>76.3gのMCP(0.5
モル)、25.1gのPEG1000(0.025モ
ル)、76.5gのトルエンおよび41.7gの48質
量%水酸化ナトリウム水溶液(0.5モル)を用いて、
実施例1とほぼ同様な操作を行い、析出塩をトルエン4
3gで洗浄し、200.1gの反応液を得た。得られた
反応液について、実施例1と同様な分析を行い、MCP
転化率、OXA選択率および収率を求めた。その結果を
表1に示す。
【0041】<実施例3>76.3gのMCP(0.5
モル)、15.0gのPEG600(0.025モ
ル)、76.3gのトルエンおよび41.7gの48質
量%水酸化ナトリウム水溶液(0.5モル)を用いて、
反応温度を60℃とし実施例1とほぼ同様な操作を行
い、析出塩をトルエン100gで洗浄し、252.1g
の反応液を得た。得られた反応液について、実施例1と
同様な分析を行い、MCP転化率、OXA選択率および
収率を求めた。その結果を表1に示す。
【0042】<比較例1>152.6gのMCP(1.
0モル)、152.6gのトルエンおよび83.3gの
48質量%水酸化ナトリウム水溶液(1.0モル)を用
いて、PEG600を使用せず実施例1と同様の操作を
行い、242.45gの反応液を得た。得られた反応液
について、実施例1と同様な分析を行い、MCP転化
率、OXA選択率および収率を求めた。その結果を表1
に示す。
【0043】<比較例2>76.3gのMCP(0.5
モル)、76.3gのトルエンおよび41.7gの48
質量%水酸化ナトリウム水溶液(0.5モル)を用い
て、反応温度を60℃としPEG600を使用せず実施
例1とほぼ同様な操作を行い、析出塩をトルエン100
gで洗浄し、194.7gの反応液を得た。得られた反
応液について、実施例1と同様な分析を行い、MCP転
化率、OXA選択率および収率を求めた。その結果を表
1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】2−クロロメチル−2−エチル−1,3−
プロパンジオール(MCP)を脱塩化水素環化反応する
方法において、PEG600またはPEG1000のよ
うなポリアルキルエーテル類の存在下で行うことによ
り、短時間および高収率でオキセタン化合物を合成する
ことができた。即ち、実施例1および2と比較例1とを
比較すると、同じ反応温度80℃であるが、反応時間を
長くしないと実施例1および2に近い収率を得ることが
できない。このことは、オキセタン化合物を得るのに短
時間で良く、工業的に有利である。また、反応温度60
℃で脱塩化水素環化反応を行った実施例3と比較例2と
を比べても同様なことがいえる。
【0046】<実施例4>合成例1で得られた200g
の塩素化反応液(3−クロロ−2,2−ジメチルプロパ
ノール(以下、CNPと略す)として0.90モルおよ
びCNPの酢酸エステル物(以下、CNPEと略す)と
して0.25モル含有)を1000mlのガラス製反応
器に仕込み、80℃で攪拌しながら、473.9gの2
0wt%水酸化カリウムPEG300溶液(KOHとし
て1.69モル)を1時間かけて滴下した。更に80℃
で8時間攪拌した後、反応液を大気圧下蒸留(約100
℃)することにより水を含有している3,3−ジメチル
オキセタン(以下、DMOXと略す)を95.1g得
た。蒸留残分中の析出塩を濾別した後、PEG300を
含む341.1gの濾液を得た。得られた蒸留液および
濾液について、CNPおよびDMOXの含有量をGC分
析(実施例1の分析条件とほぼ同じ)により定量し、C
NP転化率、DMOX選択率および収率を求めた。その
結果を表2に示す。なお、CNP転化率、DMOX選択
率および収率は以下の式により算出した。%は全てモル
基準である。 CNP転化率(%)=(1−未反応CNP÷仕込みCN
P)×100 DMOX選択率(%)=生成DMOX÷(仕込みCNP
−未反応CNP)×100 収率(%)=CNP転化率×DMOX選択率÷100
【0047】<実施例5>合成例1で得られた200g
の塩素化反応液(CNPとして0.90モルおよびCN
PEとして0.25モル含有)および17.0gのPE
G600(0.03モル)を500mlのガラス製反応
器の仕込み、80℃で攪拌しながら、140.1gの4
8wt%水酸化ナトリウム水溶液(1.68モル)を1
時間かけて滴下した。更に80℃で8時間攪拌した後、
反応液を蒸留することにより水を含有しているDMOX
を122.3g得た。蒸留残分に水218gを加え、1
0.7gの有機層と420.5gの水層を得た。得られ
た蒸留液、有機層および水層について、CNPおよびD
MOXの含有量をGC分析(実施例1の分析条件とほぼ
同じ)により定量し、CNP転化率、DMOX選択率お
よび収率を求めた。その結果を表2に示す。
【0048】<実施例6>合成例1で得られた200g
の塩素化反応液(CNPとして0.90モルおよびCN
PEとして0.25モル含有)、17.0gのPEG6
00(0.028モル)および水酸化ナトリウム水溶液
の代わりに、196.4gの水酸化カリウム水溶液
(1.68モル)を用い、実施例4とほぼ同様な操作を
行った。反応終了後、反応液を蒸留することにより水を
含有しているDMOXを124.4gの得た。蒸留残分
に水405gを加え、2.2gの有機層と661.7g
の水層を得た。得られた蒸留液、有機層および水層につ
いて、CNPおよびDMOXの含有量をGC分析(実施
例1の分析条件とほぼ同じ)により定量し、CNP転化
率、DMOX選択率および収率を求めた。その結果を表
2に示す。
【0049】<実施例7>200.4gのPEG600
および55.7gの95wt%水酸化カリウム(0.9
4モル)を500mlのガラス製反応器に仕込み、80
℃で攪拌しながら、合成例1と同様にして得られた10
0.2gの塩素化反応液(CNPとして0.50モル、
CNPEとして0.14モル)を1時間かけて滴下し
た。更に80℃で6時間攪拌した後、反応液を蒸留する
ことにより水を含有しているDMOXを56.4gの得
た。蒸留残分を濾過し、析出塩を濾別した後、PEG6
00を含む196.3gの濾液を得た。得られた蒸留液
および濾液について、CNPおよびDMOXの含有量を
GC分析(実施例1の分析条件とほぼ同じ)により定量
し、CNP転化率、DMOX選択率および収率を求め
た。その結果を表2に示す。
【0050】<比較例3>合成例1で得られた400.
7gの塩素化反応液(CNPとして1.80モル、CN
PEとして0.50モル)および280.0gの水酸化
ナトリウム水溶液(3.36モル)を用い、実施例4と
ほぼ同様な操作を行った。反応終了後、反応液を蒸留す
ることにより211.7gの水を含有したDMOXを得
た。蒸留残分に水454gを加え、37.1gの有機層
と829.2gの水層を得た。得られた蒸留液、有機層
および水層について、CNPおよびDMOXの含有量を
GC分析により定量し、CNP転化率、DMOX選択率
および収率を求めた。その結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】3−クロロ−2,2−ジメチルプロパノー
ル(CNP)およびCNPの酢酸エステル(CNPE)
を脱塩化水素環化反応してオキセタン化合物を合成する
方法において、PEG300またはPEG600のよう
なポリアルキルエーテル類存在下で行うことにより、合
成時間が短く収率が向上することが明らかである。即
ち、比較例3は、実施例4〜7と反応温度80℃は同じ
であるが、低い収率である。このことは、オキセタン化
合物を得る良い方法であることを示している。また、反
応手順を変えることにより収率を更に上げることができ
る。
【0053】<合成例1>1301.9gの2,2−ジ
メチル−1,3−プロパンジオール(以下、NPGと略
す)(12.5モル)、187.7gの酢酸(3.1モ
ル)および165.5gのm−キシレン(以下、XYL
と略す)を2000mlのガラス製反応器に仕込み、攪
拌しながらが還流するまで加熱し、XYLの還流下に、
塩化水素ガスを44.8L/Hrの流量で供給した。X
YLと共に留出する塩酸水を分水槽で分離し、下部より
水を抜き出しながら、16時間反応を行った。なお、反
応温度はXYLの還流状態を見ながら徐々に上げてい
き、最終的には167℃まで反応液温が上昇した。反応
終了後、窒素ガスにて溶存する塩化水素を追い出し、1
747.6gの塩素化反応液を得た。この反応液の組成
をGCにより分析(実施例1の分析条件とほぼ同じ)し
たところ、CNPが55.4wt%、CNPEが20.
2wt%、NPGが3.4wt%、NPGの酢酸エステ
ル(以下、NPGEと略す)が2.4wt%、XYLが
6.8wt%含有されていた。
【0054】<実施例8>229.0gのMCP(1.
5モル)、229.0gのPEG600、51.0gの
トルエンおよび125.0gの48質量%水酸化ナトリ
ウム水溶液(1.5モル)を用いて、実施例1とほぼ同
様な操作を行い、析出塩をトルエン227gで洗浄し、
622.3gの反応液を得た。得られた反応液につい
て、実施例1と同様な分析を行い、MCP転化率、OX
A選択率および収率を求めた。その結果を表3に示す。
【0055】<実施例9>228.9gのMCP(0.
5モル)、228.9gのトリエチレングリコール、5
0.9gのトルエンおよび125.0gの48質量%水
酸化ナトリウム水溶液(1.5モル)を用いて、実施例
1とほぼ同様な操作を行い、析出塩をトルエン100g
で洗浄し、511.6gの反応液を得た。得られた反応
液について、実施例1と同様な分析を行い、MCP転化
率、OXA選択率および収率を求めた。その結果を表3
に示す。
【0056】<実施例10>228.9gのMCP
(0.5モル)、98.1gのトリエチレングリコー
ル、36.3gのトルエンおよび125.0gの48質
量%水酸化ナトリウム水溶液(1.5モル)を用いて、
実施例1とほぼ同様な操作を行い、析出塩をトルエン
2.5gで洗浄し、273.1gの反応液を得た。得ら
れた反応液について、実施例1と同様な分析を行い、M
CP転化率、OXA選択率および収率を求めた。その結
果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】実施例8〜10におけるオキセタン化合物
の合成は、比較例1と反応温度が同一であるが(反応時
間が2時間と4時間と異なるものがある)、MCP添加
率、OXA選択率および収率が比較例より優れている。
これは、トリエチレングリコールやPEG600などの
ポリアルキルエーテル類を反応溶媒中に入れたことによ
る効果である。
【0059】
【発明の効果】本発明の製造方法により、3−ハロ−1
−プロパノール類の脱ハロゲン化水素環化反応、および
3−クロロ−1−プロパノール類の脱塩化水素環化反応
を、短時間かつ収率よく行うことができることから、経
済的に有利なオキセタン化合物の製造方法である。この
ことから、この製造方法を工業的に利用することがで
き、この価値は高いものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリの存在下、ポリアルキルエーテル
    類を用いることを特徴とする下記式(1)からのオキセ
    タン化合物の製造方法。 【化1】 (式(1)中のR1およびR2は、それぞれ異なっていて
    もよい水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜
    8の分岐があっても良い脂肪族炭化水素基、またはR1
    とR2とが1つになって2価の炭素数2〜8の分岐があ
    っても良い脂肪族炭化水素基を表わし、Xは塩素原子、
    臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の式(1)が下記式(2)で
    あることを特徴とするオキセタン化合物の製造方法。 【化2】 (式(2)中のR1およびR2は、それぞれ異なっていて
    もよい水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜
    8の分岐があっても良い脂肪族炭化水素基、またはR1
    とR2とが1つになって2価の炭素数2〜8の分岐があ
    っても良い脂肪族炭化水素基を表わす。)
  3. 【請求項3】式(1)または式(2)を脱ハロゲン化水
    素環化する製造方法において、1質量部の式(1)また
    は式(2)に対し0.1〜100質量部のポリアルキル
    エーテル類を用いることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載のオキセタン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金
    属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金
    属の炭酸塩、アルカリ金属の水素化物およびアルカリ土
    類金属の水素化物の群から選ばれる少なくとも1種のア
    ルカリを用いることを特徴とする請求項1〜3にそれぞ
    れ記載のオキセタン化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】ポリアルキルエーテル類が、下記式
    (3)、下記式(4)および/または下記式(5)であ
    ることを特徴とする請求項1〜4にそれぞれ記載のオキ
    セタン化合物の製造方法。 R3O(C24O)m4 (3) (式(3)中、R3およびR4はそれぞれ異なっていても
    よい水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基
    またはアラルキル基を、mは1以上の整数を表わす。) R3O(C36O)m4 (4) (式(4)中、R3およびR4はそれぞれ異なっていても
    よい水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基
    またはアラルキル基を、mは1以上の整数を表わす。) R3O(C24O)m(C36O)n4 (5) (式(5)中、R3およびR4はそれぞれ異なっていても
    よい水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基
    またはアラルキル基を、mおよびnは同一または異なっ
    ていてもよい1以上の整数を表わす。)
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