JP2003335753A - ヘテロ環化合物及びそれを用いた発光素子 - Google Patents

ヘテロ環化合物及びそれを用いた発光素子

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JP2003335753A
JP2003335753A JP2002140589A JP2002140589A JP2003335753A JP 2003335753 A JP2003335753 A JP 2003335753A JP 2002140589 A JP2002140589 A JP 2002140589A JP 2002140589 A JP2002140589 A JP 2002140589A JP 2003335753 A JP2003335753 A JP 2003335753A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種電子デバイス、特に発光素子用材料とし
て有用な化合物、及び発光特性、保存耐久性、色純度等
に優れる発光素子を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表される化合物、及
びそれを用いた発光素子である。式(I)中、R111
112、R 121、R 122、R 131及びR 132は、それぞ
れアルキル基又はアリール基を表す。R113、R 123
びR 133は、それぞれ水素原子、アルキル基又はアリー
ル基を表す。R117、R 127及びR 137は、それぞれア
ルキル基を表す。R114、R 115、R 116、R 118、R
119、R120、R 124、R 125、R 126、R 128、R129
130、R 134、R 135、R 136、R 1 38、R139及びR
140は、それぞれ水素原子又は置換基を表す。Aはアリ
ールトリイル基を表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規ヘテロ環化合
物及びそれを用いた発光素子に関し、より詳細には、電
気エネルギーを光に変換して発光できる発光素子用材料
として有用な新規ヘテロ環化合物、及び表示素子、ディ
スプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光
源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信デ
バイスなどの分野に好適に使用できる発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日、研究開発が行なわれている種々の
発光素子の中で、有機電界発光(EL)素子は、低電圧
駆動で高輝度の発光が得られることから、近年活発な研
究開発が行なわれている。
【0003】発光素子においては、蛍光性化合物の種類
を変えることにより所望の波長の光を取り出すことが可
能であるが、電子輸送材料としてトリス(8−ヒドロキ
シキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)を用いた場
合、高輝度を得るために駆動電圧を高くすると、ドープ
した蛍光性化合物の発光の他にAlqの緑色発光が観測
されてくるため、青色を発光させる場合には色純度の低
下が問題になり、色純度を低下させないホスト材料の開
発が望まれている。
【0004】色純度の低下を改良するものとして、特開
平10−92578号公報、米国特許第5766779
号明細書に、特定のインドール誘導体が開示されている
が、記載の化合物では高輝度発光のためには駆動電圧を
高くする必要があるなどの問題があり、低電圧で高輝度
発光可能な化合物の開発が望まれていた。また、EP1
175128A2号には、ホスト材料としてカルバゾー
ル誘導体を用いた発光素子が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、各種電子デバイス等に有用な化合物を提供すること
にある。本発明の第2の目的は、発光特性が良好であ
り、また繰り返し使用時や、高温保存下おける保存耐久
性に優れた発光素子を提供することにある。本発明の第
3の目的は、色純度に優れた発光素子、及びそれを可能
にする発光素子用材料として有用な化合物を提供するこ
とにある。本発明の第4の目的は、高い量子収率を有す
る遷移金属錯体をドープすることにより、高効率、高輝
度発光可能なホスト材料として有用な化合物を提供する
ことにある。本発明の第5の目的は、塗布方式で作製し
た場合であっても、高輝度、高効率発光可能な発光素
子、及びそれを可能にする発光素子用材料として有用な
化合物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下の手段
によって達成された。
【0007】(1)下記一般式(I)で表される化合
物。
【0008】
【化2】
【0009】一般式(I)中、R111、R112、R121
122、R131及びR132は、それぞれアルキル基又はア
リール基を表す。R113、R123及びR133は、それぞれ
水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。R117
127及びR137は、それぞれアルキル基を表す。
114、R115、R116、R118、R119、R120、R124
125、R126、R128、R129、R130、R134、R135
136、R138、R139及びR140は、それぞれ水素原子又
は置換基を表す。Aはアリールトリイル基を表す。
【0010】(2)前記一般式(I)で表される化合物
が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする前記
(1)に記載の化合物。
【0011】
【化3】
【0012】一般式(II)中、R211、R212、R221
222、R231及びR232は、それぞれアルキル基を表
す。R213、R223及びR233は、それぞれ水素原子又は
アルキル基を表す。R214、R224及びR234は、それぞ
れアルキル基を表す。Y21、Y22及びY23はCH又はN
を表す。
【0013】(3) 一対の電極間に、発光層又は発光
層を含む複数の有機化合物層を有する発光素子におい
て、前記発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の
少なくとも一層が、前記(1)又は(2)に記載の化合
物の少なくとも一種を含有する層であることを特徴とす
る発光素子。
【0014】(4) 前記発光層又は発光層を含む複数
の有機化合物層の少なくとも一層が、前記(1)又は
(2)に記載の化合物の少なくとも一種をポリマーに分
散してなる層であることを特徴とする前記(3)に記載
の発光素子。
【0015】(5) 前記発光層と陽極との間の少なく
とも一層が、前記(1)又は(2)に記載の化合物の少
なくとも一種を含有する層であることを特徴とする前記
(3)に記載の発光素子。
【0016】(6) 前記発光層が青色発光層を含み、
かつ該青色発光層と陽極との間の少なくとも一層が、前
記(1)又は(2)に記載の化合物の少なくとも一種を
含有する層であることを特徴とする前記(3)に記載の
発光素子。
【0017】(7) 前記発光層又は発光層を含む複数
の有機化合物層の少なくとも一層が、前記(1)又は
(2)に記載の化合物の少なくとも一種を含有する層で
あり、かつ該層がさらに青色発光材料を含有することを
特徴とする前記(3)に記載の発光素子。
【0018】(8) 前記発光層又は発光層を含む複数
の有機化合物層の少なくとも一層が、前記(1)又は
(2)に記載の化合物の少なくとも一種を含有する層で
あり、かつ該層がさらに遷移金属錯体を含有することを
特徴とする前記(3)に記載の発光素子。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0020】[ヘテロ環化合物]まず、本発明の化合物
について説明する。本発明の化合物は、下記一般式
(I)で表されることを特徴とする。
【0021】
【化4】
【0022】一般式(I)中、R111、R112、R121
122、R131及びR132は、それぞれアルキル基又はア
リール基を表す。R113、R123及びR133は、それぞれ
水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。R117
127及びR137は、それぞれアルキル基を表す。
114、R115、R116、R118、R119、R120、R124、R
125、R126、R128、R129、R130、R134、R135、R
136、R138、R139及びR140は、それぞれ水素原子又は
置換基を表す。Aはアリールトリイル基を表す。
【0023】一般式(I)で表される化合物について詳
細に説明する。一般式(I)中、R111、R112
121、R122、R131及びR132は、それぞれアルキル基
(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1
〜10、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えばメ
チル、エチル、iso―プロピル、tert−ブチル、
n−ペンチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロ
プロピル、シクロヘキシルなどが挙げられる)又はアリ
ール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭
素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12であり、
例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、3,
5−ジメチルフェニル,4−ジメチルアミノフェニルな
どが挙げられる)を表す。
【0024】R111、R112、R121、R122、R131及び
132として、好ましくは、アルキル基及びフェニル基
であり、更に好ましくはアルキル基であり、更に好まし
くは炭素数1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは
メチル基である。
【0025】R113、R123及びR133は、それぞれ水素
原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好
ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5
であり、例えばメチル、エチル、iso―プロピル、t
ert−ブチル、n−ペンチル、n−デシル、n−ヘキ
サデシル、シクロプロピル、シクロヘキシルなどが挙げ
られる)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜30、
より好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数
6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニ
ル、ナフチル、3,5−ジメチルフェニル、4−ジメチ
ルアミノフェニルなどが挙げられる)を表す。
【0026】R113、R123及びR133として、好ましく
は水素原子、アルキル基及びフェニル基であり、更に好
ましくは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基であり、
更に好ましくは水素原子又はメチル基であり、最も好ま
しくはメチル基である。
【0027】R117、R127及びR137は、それぞれアル
キル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10であり、
例えばメチル、エチル、iso―プロピル、tert−
ブチル、n−ペンチル、tert−オクチル、n−デシ
ル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロヘキシ
ルなどが挙げられる)を表す。
【0028】R117、R127及びR137として好ましく
は、炭素数1〜10の無置換のアルキル基であり、更に
好ましくはメチル、エチル、iso−プロピル、ter
t−ブチルである。
【0029】R114、R115、R116、R118、R119、R
120、R124、R125、R126、R128、R129、R130、R
134、R135、R136、R138、R139及びR140は、それぞ
れ水素原子又は置換基を表し、該置換基としては例えば
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましく
は炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であ
り、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、ter
t−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデ
シル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭
素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好
ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリ
ル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられ
る。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、よ
り好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2
〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルな
どが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6
〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましく
は炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチル
フェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、アミノ基
(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0
〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えば
アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルア
ミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは
炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に
好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エ
トキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げ
られる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜
30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは
炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナ
フチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられ
る。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜3
0、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭
素数2〜10であり、ヘテロ原子としては例えば窒素原
子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばフランー3
−オキシー3−イル、チオフェン−3−オキシ−3−イ
ル、ピリジン−2−オキシー2−イル、プリン−6−オ
キシー6−イルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基
(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3
〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えば
トリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシな
どが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜
30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは
炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、
ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキ
シカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ま
しくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12
であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基
(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7
〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば
フェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシ
ルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましく
は炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であ
り、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げら
れる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜3
0、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭
素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイ
ルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル
アミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは
炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であ
り、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられ
る。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましく
は炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特
に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオ
キシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニ
ルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましく
は炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニ
ルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好
ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜2
0、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスル
ファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファ
モイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられ
る。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、
より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数
1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモ
イル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルな
どが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素
数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ま
しくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチ
ルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好まし
くは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、
特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル
チオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましく
は炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特
に好ましくは炭素数2〜10であり、ヘテロ原子として
は例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例
えばフランー3−チオー3−イル、チオフェン−3−チ
オ−3−イル、ピリジン−2−チオー2−イル、プリン
−6−チオー6−イルなどが挙げられる。)、スルホニ
ル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素
数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例
えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニ
ル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素
数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例
えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが
挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜3
0、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイ
ド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸ア
ミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭
素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、
例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドな
どが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハ
ロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、
ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジ
ノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜3
0、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子
としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体
的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリ
ル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサ
ゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カル
バゾリル、アゼピニルなどが挙げられる。)、シリル基
(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3
〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えば
トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられ
る。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換さ
れてもよい。また、可能な場合には連結して環を形成し
てもよい。
【0030】R114、R115、R116、R118、R119、R
120、R124、R125、R126、R128、R129、R130、R
134、R135、R136、R138、R139及びR140として好ま
しくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲ
ン原子、シアノ基、ヘテロ環基であり、より好ましくは
水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハ
ロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、アルキル
基、アルコキシ基及びハロゲン原子であり、特に好まし
くは水素原子、アルキル基、アルコキシ基及びハロゲン
原子である。また、最も好ましいのは水素原子である。
【0031】Aはアリールトリイル基を表し、アリール
トリイル基の具体例としては、例えば以下のものが挙げ
られる。
【0032】
【化5】
【0033】これらは更に置換基を有していてもよく、
置換基としては、例えばR114等のところで挙げたもの
が適用できる。Aの置換基として好ましくはアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、
シリル基、ヘテロ環基であり、より好ましくはアルキル
基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、芳香族
ヘテロ環基であり、更に好ましくはアルキル基及びハロ
ゲン原子である。
【0034】Aとして、好ましくは、ベンゼン−1,
3,5−トリイル、ベンゼンー1,2,4−トリイル、
1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイル、ピリ
ミジンー2,4,6−トリイル、ピリジンー2,4,6
−トリイルであり、より好ましくはベンゼン−1,3,
5−トリイル、1,3,5−トリアジン−2,4,6−
トリイル、ピリミジンー2,4,6−トリイルであり、
更に好ましくはベンゼン−1,3,5−トリイル、1,
3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルである。
【0035】一般式(I)で表される化合物のうち、好
ましくは下記一般式(II)で表される化合物である。
【0036】
【化6】
【0037】一般式(II)中、R211、R212、R221
222、R231及びR232は、それぞれアルキル基を表
す。R213、R223及びR233は、それぞれ水素原子又は
アルキル基を表す。R214、R224及びR234は、それぞ
れアルキル基を表す。Y21、Y22及びY23はCH又はN
を表す。
【0038】一般式(II)で表される化合物について詳
述する。一般式(II)において、R211、R212
221、R222、R231及びR232は、それぞれアルキル基
(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1
〜10、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えばメ
チル、エチル、iso―プロピル、tert−ブチル、
n−ペンチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロ
プロピル、シクロヘキシルなどが挙げられる)を表し、
より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、最も
好ましくはメチル基である。
【0039】R213、R223及びR233は、ぞれぞれ水素
原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より
好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜
5であり、例えばメチル、エチル、iso―プロピル、
tert−ブチル、n−ペンチル、n−デシル、n−ヘ
キサデシル、シクロプロピル、シクロヘキシルなどが挙
げられる)を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜
3のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子又はメ
チル基である。
【0040】R214、R224及びR234は、それぞれアル
キル基を表し、該アルキル基としては前記一般式(I)
中のR117、R127及びR137で表されるアルキル基と同
義であり、好ましい範囲も同様である。
【0041】Y21、Y22及びY23は、ぞれぞれCH又は
Nを表し、より好ましくはY21、Y 22及びY23が同時に
CHを表す場合、及びY21、Y22及びY23が同時にNを
表す場合であり、更に好ましくはY21、Y22及びY23
同時にCHを表す場合である。
【0042】前記一般式(I)及び(II)で表される
化合物(以下、「本発明の化合物」と総称することがあ
る)は、正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料、電子
輸送材料、電子注入材料、ホスト材料等の発光素子用材
料として機能するものであることが好ましく、複数の機
能を併せ持っていてもよい。本発明の化合物は、正孔注
入輸送材料、及び/又はホスト材料として使用すること
が好ましく、ホスト材料として使用することがより好ま
しい。また、本発明の化合物は上記用途以外に、各種電
子デバイス(電子写真用途等)、イメージング用材料
(ハロゲン化銀写真感光材料等)などに用いることがで
きる。
【0043】以下に本発明の化合物の具体例(H−1〜
H−24)を示すが、本発明はそれらに限定されるもの
ではない。
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】本発明の化合物は、公知の方法で合成する
ことができる。最も一般的には、カルバゾール化合物に
関してはアリールヒドラジンとシクロヘキサン誘導体と
の縮合体のアザーコープ転位反応の後、脱水素芳香族化
による合成(L.F.Tieze,Th.Eicher
著、高野、小笠原訳、精密有機合成、339頁(南江堂
刊))が挙げられる。また、得られたカルバゾール化合
物とハロゲン化アリール化合物のパラジウム触媒を用い
るカップリング反応に関してはテトラヘドロン・レター
ズ39巻617頁(1998年)、同39巻2367頁
(1998年)及び同40巻6393頁(1999年)
等に記載の方法が挙げられる。反応温度、反応時間につ
いては特に限定されることはなく、前記文献に記載の条
件が適用できる。
【0053】[発光素子]本発明の発光素子について説
明する。本発明の発光素子は、陽極と陰極からなる一対
の電極間に、発光層又は発光層を含む複数の有機化合物
層を有する発光素子において、前記発光層又は発光層を
含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、前記した
本発明の化合物の少なくとも一種を含有する層であるこ
とを特徴とする。
【0054】また、本発明の発光素子としては、以下の
ような態様であることが好ましい。前記発光層又は発光
層を含む複数の有機化合物層の少なくとも一層が、本発
明の化合物の少なくとも一種をポリマーに分散してなる
層であることが好ましい。上記ポリマーとしては、後述
する有機化合物層の各層の説明におけるポリマーが好適
に挙げられる。
【0055】前記発光層と陽極との間の少なくとも一層
が、本発明の化合物の少なくとも一種を含有する層であ
ることが好ましい。
【0056】前記発光層が青色発光層を含み、かつ該青
色発光層と陽極との間の少なくとも一層が、本発明の化
合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。
【0057】前記発光層又は発光層を含む複数の有機化
合物層の少なくとも一層が、本発明の化合物を含有する
層であり、かつ該層がさらに青色発光材料を含有するこ
とが好ましい。なお、本発明に適用可能な発光材料の詳
細については後述する。
【0058】前記、発光層又は発光層を含む複数の有機
化合物層の少なくとも一層が、本発明の化合物を含有す
る層であり、かつ該層がさらに遷移金属錯体を含有する
ことが好ましい。
【0059】−遷移金属錯体− 本発明において、遷移金属錯体とは、例えば「錯体化学
の基礎 ウエルナー錯体と有機金属錯体」講談社 渡部
正利、矢野重信、碇屋隆雄著 1989年発行、「有機
金属化学−基礎と応用−」裳華房社 山本明夫著 19
82年発行 等に記載されている化合物群の総称と同義
である。
【0060】前記遷移金属錯体の金属の種類及び価数
は、特に限定されない。金属錯体の配位子は金属錯体を
形成し得るものであれば、特に問わない。配位子として
は、種々の公知の配位子があるが、例えば「Photochemi
stry and Photophysics of Coordination Compounds」
Springer-Verlag社 H.Yersin著 1987年発行、「有
機金属化学−基礎と応用−」 裳華房社 山本明夫著 1
982年発行 等に記載の配位子が挙げられる。例え
ば、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素
ヘテロ環配位子(例えば2−フェニルピリジン、ビピリ
ジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(アセ
チルアセトンなど)、リン配位子(トリフェニルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスファイト
など)、イソシアニド配位子(t−ブチルイソシアニド
など)及び一酸化炭素配位子などである。
【0061】前記遷移金属錯体の配位子の種類は1種類
でもよいし、複数の種類があってもよい。また、本発明
における遷移金属錯体の炭素数は、好ましくは5〜10
0、より好ましくは10〜60、さらに好ましくは12
〜40である。
【0062】前記遷移金属錯体は、中性であってもよい
し、イオンであってもよい。本発明における遷移金属錯
体がイオンの場合、このイオンとその電荷を中和する対
イオンからなる。対イオンは特に限定されないが、例え
ば「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房 山本明夫著
1982年発行などに記載の対イオンが挙げられる。
【0063】前記遷移金属錯体は繰り返し単位をひとつ
有する、いわゆる低分子化合物であってもよく、また繰
り返し単位を複数個有する、いわゆるオリゴマー化合
物、ポリマー化合物(質量平均分子量(ポリスチレン換
算)は好ましくは1000〜5000000、より好ま
しくは2000〜1000000、更に好ましくは30
00〜100000である)であってもよい。また、前
記遷移金属錯体は、錯体中に遷移金属原子を1つ有して
いてもよいし、また2つ以上有するいわゆる複核錯体で
あってもよい。また複数の金属原子を同時に含有してい
てもよい。
【0064】本発明に用いる前記遷移金属錯体として
は、発光性を有するものが好ましく、発光効率の点で特
にりん光発光性化合物が好ましい。りん光発光性化合物
とは、三重項励起子から発光する化合物を意味する。り
ん光発光性化合物は、りん光発光を利用しているため、
一重項励起子から得られる蛍光発光を利用したものより
発光効率が高い。りん光発光性化合物は特に限定される
ことはないが、オルトメタル化金属錯体が好ましく用い
られる。
【0065】本発明における遷移金属錯体のうち、好ま
しくはオルトメタル化金属錯体であり、更に好ましくは
オルトメタル化イリジウム錯体である。
【0066】次に、本発明で好適に用いられるオルトメ
タル化金属錯体及びオルトメタル化イリジウム錯体につ
いて説明する。オルトメタル化金属錯体とは、例えば
「有機金属化学−基礎と応用−」p150,232裳華
房社山本明夫著1982年発行、「Photochemistry and
Photophysics of Coordination Compounds」 p71-p77,
p135-p146 Springer-Verlag社 H.Yersin著1987年発
行等に記載されている化合物群の総称と同義である。金
属錯体の中心金属としては、遷移金属であればいずれの
ものも使用可能であるが、本発明では、中でも特にロジ
ウム、白金、金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム
等を好ましく用いることができる。この中で特に好まし
いものはイリジウムである。
【0067】前記オルトメタル化金属錯体の具体的な記
載及び化合物例は、特願2000−254171明細書
の段落番号0152から0180、特願2001−18
9539明細書の段落番号0054から0056、特願
2001−239281明細書の段落番号0045から
0048、特願2001−248165明細書の段落番
号0080から0100に記載されている。
【0068】前記オルトメタル化金属錯体の金属の価数
は特に限定されないが、イリジウムを用いる場合には3
価が好ましい。また、前記オルトメタル化金属錯体の配
位子は、オルトメタル化錯体を形成し得る物であれば特
に問わないが、例えば、アリール基置換含窒素ヘテロ環
誘導体(アリール基の置換位置は含窒素ヘテロ環窒素原
子の隣接炭素上であり、アリール基としては例えばフェ
ニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基な
どが挙げられ、含窒素ヘテロ環としては、例えば、ピリ
ジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、
イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、キナゾリ
ン、ナフチリジン、シンノリン、ペリミジン、フェナン
トロリン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキ
サゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジア
ゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベ
ンズチアゾール、フェナントリジンなどが挙げられ
る)、ヘテロアリール基置換含窒素ヘテロ環誘導体(ヘ
テロアリール基の置換位置は含窒素ヘテロ環窒素原子の
隣接炭素上であり、ヘテロアリール基としては例えば前
記の含窒素ヘテロ環誘導体を含有する基、チオフェンー
2−イル基、フリル基などが挙げられる)、7,8−ベ
ンゾキノリン誘導体、ホスフィノアリール誘導体、ホス
フィノヘテロアリール誘導体、ホスフィノキシアリール
誘導体、ホスフィノキシヘテロアリール誘導体、アミノ
メチルアリール誘導体、アミノメチルヘテロアリール誘
導体等が挙げられる。アリール基置換含窒素芳香族ヘテ
ロ環誘導体、ヘテロアリール基置換含窒素芳香族ヘテロ
環誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体が好ましく、
フェニルピリジン誘導体、チオフェン−2−イルピラゾ
ール誘導体、チオフェン−2−イルトリアゾール誘導
体、7,8−ベンゾキノリン誘導体がさらに好ましく、
チオフェン−2−イルピラゾール誘導体、チオフェン−
2−イルトリアゾール誘導体、7,8−ベンゾキノリン
誘導体が特に好ましい。
【0069】本発明における金属錯体化合物は、オルト
メタル化金属錯体を形成するに必要な配位子以外に、他
の配位子を有していてもよい。他の配位子としては、種
々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry
and Photophysics of Coordination Compounds」 Spri
nger-Verlag社 H.Yersin著1987年発行、「有機金属
化学−基礎と応用−」裳華房社山本明夫著1982年発
行等に記載の配位子が挙げられ、好ましくは、ハロゲン
配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位
子(例えばビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケ
トン配位子であり、より好ましくは塩素配位子、ビピリ
ジル配位子である。
【0070】本発明における前記オルトメタル化金属錯
体が有する配位子の種類は、1種類でもよいし、複数の
種類があってもよい。錯体中の配位子の数としては、好
ましくは1〜3種類であり、特に好ましくは1、2種類
であり、さらに好ましくは1種類である。
【0071】本発明におけるオルトメタル化金属錯体の
炭素数は、好ましくは5〜100、より好ましくは10
〜60、さらに好ましくは12〜40である。
【0072】本発明の発光素子の構成要素に関してさら
に詳細に説明する。上述したように、本発明の発光素子
は、陽極及び陰極からなる一対の電極間に、発光層又は
発光層を含む複数の有機化合物層を有する素子である。
該有機化合物層としては、発光層のほか正孔注入層、正
孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有し
てもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備え
たものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の
材料を用いることができる。
【0073】前記した本発明の化合物を発光素子用材料
として用いる層としては、、ホール注入・輸送層、電子
注入・輸送層、発光層のいずれに用いてもよいが、ホー
ル注入・輸送層及び/又は発光層として用いることが好
ましく、発光層に用いることがより好ましい。
【0074】本発明の化合物を含有する有機化合物層の
形成方法としては、特に限定されるものではないが、抵
抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層
法、コーティング法、インクジェット法、印刷法、電子
写真法及び転写法などの方法が用いられ、特性面、製造
面で抵抗加熱蒸着、コーティング法が好ましい。有機化
合物層の詳細については後述する。なお、本発明の発光
素子は、通常、高い発光効率を得難い塗布方式により有
機化合物層を形成した場合であっても、優れた効果を発
揮することができるため、この方式を適用した場合にも
効果が著しいといえるものである。
【0075】陽極について詳細に説明する。陽極は、正
孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するも
のであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合
物、又はこれらの混合物などを用いることができ、好ま
しくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例とし
ては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジ
ウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは
金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金
属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化
銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリ
チオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及び
これらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましく
は、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電
性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は
材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μ
mの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜
1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nm
である。
【0076】陽極は、通常、ソーダライムガラス、無ア
ルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したもの
が用いられる。ガラスを用いる場合、その材質について
は、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アル
カリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライ
ムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施
したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機
械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガ
ラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましく
は0.7mm以上のものを用いる。陽極の作製には、材
料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの
場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着
法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウム
スズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。陽極
は、洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げた
り、発光効率を高めることも可能である。例えばITO
の場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的
である。
【0077】陰極について詳細に説明する。陰極は、電
子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するも
のであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極
と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定
性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては、金属、
合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混
合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属
(例えばLi、Na、K、Cs等)又はそのフッ化物、
酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)又は
そのフッ化物、酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナ
トリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウ
ム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシ
ウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッ
テリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕
事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアル
ミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混
合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等
である。陰極の膜厚は、材料により適宜選択可能である
が、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、よ
り好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは
100nm〜1μmである。陰極の作製には電子ビーム
法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング
法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着すること
も、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さら
に、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成するこ
とも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着さ
せてもよい。陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ま
しく、数百Ω/□以下が好ましい。
【0078】有機化合物層について詳細に説明する。有
機化合物層としては、前述のごとく、発光層、正孔注入
層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層など
が挙げられる。まず、発光層について説明する。
【0079】発光層の材料は、電界印加時に陽極又は正
孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができる
と共に陰極又は電子注入層、電子輸送層から電子を注入
することができる機能や、注入された電荷を移動させる
機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機
能を有する層を形成することができるものであれば何で
もよい。
【0080】発光層に用いる化合物としては、本発明の
化合物のほか、例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミ
ダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリ
フェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタ
ジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノ
ン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シク
ロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリ
ドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロ
ペンタジエン、スチリルアミン及びそれらの誘導体、芳
香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の
金属錯体、遷移金属錯体(例えば、トリス(2ーフェニ
ルピリジン)イリジウム(III)などのオルソメタル化錯
体等)や希土類錯体に代表される各種金属錯体等、ポリ
チオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレ
ン、ポリフルオレン等のポリマー化合物等が挙げられ
る。これらの材料は単独で用いてもよいし、また2種以
上を併用して用いてもよい。発光層の膜厚は特に限定さ
れるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のもの
が好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更
に好ましくは10nm〜500nmである。
【0081】本発明における発光層は、発光材料以外
に、高分子化合物、より好ましくは樹脂成分を含有して
もよい。該樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、
ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリ
レート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポ
リスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエ
ン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、
ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセル
ロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラ
ミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エ
ポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。該発光層
の形成方法としてコーティング法(スピンコート法、キ
ャスト法、ディップコート法など)を用いた場合、発光
材料と高分子化合物(樹脂成分)と共に溶解又は分散す
ることができるため、製膜が容易になる。
【0082】本発明の化合物を、上記発光材料と共存さ
せる場合の発光材料との混合比率としては、本発明の化
合物の質量比で0.1〜95%が好ましく、0.1〜3
0%がより好ましく、0.1〜10%が最も好ましい。
【0083】発光層の形成方法は、特に限定されるもの
ではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリン
グ、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キ
ャスト法、ディップコート法など)、インクジェット
法、印刷法、LB法、電子写真法及び転写法などの方法
が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法
である。
【0084】正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極か
ら正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から
注入された電子を障壁する機能のいずれかを有している
ものであればよい。その具体例としては、本発明の化合
物のほか、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾー
ル、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールア
ルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミ
ン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルア
ントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、
シラザン及びそれらの誘導体、芳香族第三級アミン化合
物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化
合物、ポリフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポ
リ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重
合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電
性高分子オリゴマー等が挙げられる。これらの材料は単
独で用いてもよいし、また2種以上を併用して用いても
よい。
【0085】正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定
されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のも
のが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、
更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入
層、正孔輸送層は上述した材料の1種又は2種以上から
なる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成
の複数層からなる多層構造であってもよい。
【0086】正孔注入層、正孔輸送層の形成方法として
は、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送剤を溶媒に
溶解又は分散させてコーティングする方法(スピンコー
ト法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジ
ェット法、印刷法、電子写真法及び転写法などが用いら
れる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は
分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩
化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエ
ステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリ
ブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水
素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エ
チルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタ
ン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
【0087】電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極か
ら電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から
注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているも
のであればよい。好ましくは電子注入層及び/又は電子
輸送層に本発明の化合物を含有するものであるが、本発
明の化合物の他の材料を用いることもできる。その具体
例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジア
ゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アント
ロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カル
ボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラ
ジン及びそれらの誘導体、ナフタレンペリレン等の複素
環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン及びそれの
誘導体、8−キノリノール及びその誘導体の金属錯体や
メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチ
アゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属
錯体等が挙げられる。これらの材料は単独で用いても良
いし、また2種以上を併用して用いても良い。電子注入
層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではない
が、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より
好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10
nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上
述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であっ
てもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多
層構造であってもよい。
【0088】電子注入層、電子輸送層の形成方法として
は、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送剤を溶媒に
溶解又は分散させてコーティングする方法(スピンコー
ト法、キャスト法、ディップコート法など)、インクジ
ェット法、印刷法、転写法及び電子写真法などが用いら
れる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は
分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注
入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
【0089】保護層の材料としては、水分や酸素等の素
子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機
能を有しているものであればよい。その具体例として
は、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、T
i、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2 、Al2
3 、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23
23 、TiO2 等の金属酸化物、MgF2 、Li
F、AlF3 、CaF2 等の金属フッ化物、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
イミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジ
フルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレ
ンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合
物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状
構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水
性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられ
る。
【0090】保護層の形成方法についても特に限定はな
く、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパ
ッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラス
ターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズ
マ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラ
ズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソ
ースCVD法、コーティング法、インクジェット法、印
刷法及び転写法などを適用できる。
【0091】本発明の発光素子は、本発明の化合物を利
用する素子であればシステム、駆動方法利用形態など特
に問わないが、本発明化合物を発光材料と共存させ発光
層のホストとして利用するか、発光材料とは共存せず
に、ホール輸送層に電荷輸送材料として利用するものが
好ましく、本発明の化合物は発光層中に含有することが
好ましい。代表的な発光素子として有機EL(エレクト
ロルミネッセンス)素子を挙げることができる。
【0092】本発明の発光素子は、表示素子、ディスプ
レイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、
読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信デバイ
スなどの分野に好適に使用できる。
【0093】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0094】〔合成例1〕 (例示化合物(H−1)の合成)本発明の化合物である
例示化合物(H−1)は、以下のように合成した。
【0095】
【化15】
【0096】<化合物(3)の合成>3ツ口フラスコに
化合物(2)31.8g、酢酸120mlを入れ、加熱
還流下にて撹拌しながら化合物(1)30.9gを酢酸
50mlに溶解したものを10分かけて滴下した。この
後そのまま加熱還流下にて1時間撹拌した後、室温まで
冷却し、600gの氷にあけて、析出した結晶を吸引濾
過し、乾燥した。このものをイソプロピルアルコール3
00mlにて再結晶して、目的の化合物(3)48.2
gを得た(収率100%)。
【0097】<化合物(4)の合成>化合物(3)4
8.2gにパラジウム/炭素(10%)(水含率50
%)5g、メシチレン300mlを添加して加熱還流下
にて7時間撹拌した後、室温まで冷却し、ここへクロロ
ホルム400mlを添加して撹拌した後、吸引濾過し
た。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮して、得ら
れた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
精製して、目的の化合物(4)45.1gを得た(収率
95%)。
【0098】<例示化合物(H−1)の合成>3つ口フ
ラスコに炭酸ルビジウム25.4g、化合物(5)3.
15g、酢酸パラジウム(II)0.225g、オルトキ
シレン100mlを入れ、窒素雰囲気下、室温にて撹拌
しながらここへトリーt−ブチルホスフィン0.81g
を添加し、そのまま30分撹拌した。次にここへ化合物
(4)8.54gを添加し、加熱還流下にて7時間撹拌
した後、室温まで冷却し、クロロホルム500mlと水
400mlを添加して抽出し、得られたクロロホルム層
を飽和食塩水100mlと水300mlからなる混合水
溶液で4回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し
た。これをロータリーエバポレーターで残量50mlま
で濃縮し、ここへメタノール50mlを添加して、析出
した結晶を濾取し、乾燥して、目的の例示化合物(H−
1)7.2gを得た(収率92%)。
【0099】〔合成例2〕 例示化合物(H−7)の合
成 本発明の化合物である例示化合物(H−7)は、以下の
ように合成した。
【0100】
【化16】
【0101】3ツ口フラスコに水素化ナトリウム(含率
60%)5.76g、テトラヒドロフラン300mlを
入れ、アルゴン雰囲気下、室温にて撹拌しながらここへ
化合物(4)34.1gを10分かけて添加し、そのま
ま15分撹拌し、更に過熱還流条件にて1時間撹拌し
た。このものを氷冷下にて冷却しながらここへ化合物
(6)7.38gを10分かけて添加し、室温まで昇温
しながら2時間撹拌し、更にN,N−ジメチルアセトア
ミド200mlを添加して外温120℃にて3時間過熱
撹拌した。このとき溶媒を300ml留去した。その
後、室温まで放冷し、酢酸エチル500ml、水500
mlを添加して撹拌し、吸引濾過をして、目的の例示化
合物(H−7)29.5gを得た(収率94%)。
【0102】〔合成例3〕 例示化合物H−8の合成 本発明の化合物である例示化合物(H−8)は、以下の
ように合成した。
【0103】
【化17】
【0104】<化合物(7)の合成>3ツ口フラスコに
水素化ナトリウム(含率60%)8.80g、テトラヒ
ドロフラン500mlを入れ、アルゴン雰囲気下、室温
にて撹拌しながらここへ化合物(4)52.2gを10
分かけて添加し、そのまま15分撹拌し、更に過熱還流
条件にて1時間撹拌した。このものを氷冷下にて冷却し
ながらここへ化合物(6)18.4gを20分かけて添
加し、室温まで昇温させながら2時間撹拌し、更に加熱
還流下にて5時間撹拌した。室温まで放冷したのち、吸
引濾過して得られた結晶を水洗、乾燥して目的の化合物
(7)49.0gを得た(収率84%)。
【0105】<例示化合物(H−8)の合成>3ツ口フ
ラスコに水素化ナトリウム(含率60%)4.00g、
テトラヒドロフラン300mlを入れ、アルゴン雰囲気
下、室温にて撹拌しながらここへ化合物(8)27.9
g(化合物(8)は実施例1の化合物(4)と同様の方
法にて合成した)を10分かけて添加し、そのまま15
分撹拌し、更に過熱還流条件にて1時間撹拌した。この
ものを氷冷下にて冷却しながらここへ化合物(7)4
9.0gを10分かけて添加し、室温まで昇温しながら
2時間撹拌し、更にN,N−ジメチルアセトアミド20
0mlを添加して外温120℃にて3時間過熱撹拌し
た。このとき溶媒を300ml留去した。その後、室温
まで放冷し、酢酸エチル500ml、水500mlを添
加して撹拌し、吸引濾過をして、目的の例示化合物(H
−8)55.5gを得た(収率80%)。
【0106】〔合成例4〕 例示化合物(H−5)の合
成 本発明の化合物である例示化合物(H−5)は、以下の
ように合成した。
【0107】
【化18】
【0108】3つ口フラスコに炭酸ルビジウム25.4
g、化合物(5)3.15g、酢酸パラジウム(II)
0.225g、オルトキシレン100mlを入れ、窒素
雰囲気下、室温にて撹拌しながらここへトリーt−ブチ
ルホスフィン0.81gを添加し、そのまま30分撹拌
した。次にここへ化合物(8)10.1gを添加し、加
熱還流下にて7時間撹拌した後、室温まで冷却し、クロ
ロホルム500mlと水400mlを添加して30分撹
拌し、析出した結晶を濾取し、乾燥して、目的の例示化
合物(H−5)7.2gを得た(収率79%)。
【0109】〔実施例1〕洗浄した25mm×25mm
×0.7mmのガラス基板上にITOを150nmの厚
さで製膜したもの(東京三容真空(株)製)を透明支持
基板として用い、これをエッチング、洗浄した後、化合
物A約50nm、下記表1に示すホスト材料及び発光材
料からなる発光層約36nm、並びに下記化合物B約3
6nmをこの順に10-3〜10-4Paの真空中、室温で
蒸着した。得られた有機薄膜上に発光面積が5mm×4
mmとなるようにパターニングしたマスクを設置し、蒸
着装置内でフッ化リチウムを3nm蒸着し、更にアルミ
ニウムを60nm蒸着し下記表1に示す発光素子101
〜116を作製した。
【0110】
【化19】
【0111】
【化20】
【0112】得られた各発光素子に、東陽テクニカ製
「ソースメジャーユニット2400型」を用いて直流定
電圧を印加して発光させ、その発光輝度をトプコン社製
「輝度計BM−8」を用いて測定し、発光波長を浜松フ
ォトニクス社製「スペクトルアナライザーPMA−1
1」を用いて測定した。また、各素子をアルゴンガスで
置換したオートクレーブ中に封入し、85℃の加熱条件
下3日間保存した後に、同様の輝度測定及び発光面状観
察を行なった。結果を表1に示す。
【0113】
【表1】
【0114】表1の結果から、ホスト材料として比較化
合物を用いた素子101〜104では素子作製直後の輝
度及び外部量子効率が低く、高温保存した後に大幅な輝
度低下及びダークスポットの発生が見られるのに対し、
本発明の化合物をホスト材料として用いた素子105〜
116では、素子作製直後の輝度及び外部量子効率が良
好であり、また高温保存した後の輝度の低下は少なく、
発光面状も良好で、素子作製直後の発光特性と保存耐久
性がともに優れていることがわかる。また、この傾向は
発光材料がK−1よりもK−2の場合に特に顕著である
ことがわかる。
【0115】〔実施例2〕実施例1と同様にエッチン
グ、洗浄したITOガラス基板上に、40mgのポリ
(N−ビニルカルバゾール(PVK))、12mgの2
−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(4−ビフ
ェニルイル)−1,3,4−オキサジアゾール(PB
D)、1mgの発光材料K−1を3mlの1,2−ジク
ロロエタンに溶解した溶液をスピンコートした。このと
きの有機層の膜厚は約120nmであった。次いで実施
例1と同様に陰極を蒸着し、EL素子201を作製し
た。また、下記表2に示すホスト材料(20mg)及び
発光材料(1mg)を用いたこと以外は発光素子201
と同様の方法により発光素子202〜206を作製し
た。得られた各発光素子に東陽テクニカ製ソースメジャ
ーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に
印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−
8、また発光波長については浜松ホトニクス社製スペク
トルアナライザーPMA−11を用いて測定した。ま
た、各素子をアルゴンガスで置換したオートクレーブ中
に封入し、85℃の加熱条件下3日間保存した後に、同
様の輝度測定及び発光面状観察を行なった。その結果を
表2に示す。
【0116】
【表2】
【0117】
【化21】
【0118】表2の結果から明らかなように、本発明の
素子では通常発光効率が低い塗布型素子においても高い
発光輝度、発光効率を示し、また、保存耐久性に関して
も優れていることがわかる。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、各種電子デバイス、特
に発光素子用材料として有用な化合物を提供できる。ま
た、本発明によれば、高い発光輝度、発光効率を示し、
かつ高温下に保存した後であっても、輝度低下や発光面
状の劣化のない、保存耐久性に優れた発光素子を提供で
きる。さらに、通常発光効率が低い塗布方式で作製した
場合であっても、高輝度、高効率発光可能な発光素子を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 B 33/22 33/22 B D // C07D 401/14 C07D 401/14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される化合物。 【化1】 (一般式(I)中、R111、R112、R121、R122、R
    131及びR132は、それぞれアルキル基又はアリール基を
    表す。R113、R123及びR133は、それぞれ水素原子、
    アルキル基又はアリール基を表す。R117、R127及びR
    137は、それぞれアルキル基を表す。R114、R115、R
    116、R118、R119、R120、R124、R125、R126、R
    128、R129、R130、R134、R135、R136、R138、R
    139及びR140は、それぞれ水素原子又は置換基を表す。
    Aはアリールトリイル基を表す。)
  2. 【請求項2】 一対の電極間に、発光層又は発光層を含
    む複数の有機化合物層を有する発光素子において、前記
    発光層又は発光層を含む複数の有機化合物層の少なくと
    も一層が、請求項1に記載の化合物の少なくとも一種を
    含有する層であることを特徴とする発光素子。
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