JP2003335205A

JP2003335205A - カーテンエアバッグ展開用トリム構造

Info

Publication number: JP2003335205A
Application number: JP2002146552A
Authority: JP
Inventors: Senjiyu Nagabuchi; 千寿永渕; Masahiko Inoue; 正彦井上
Original assignee: Fuji Heavy Industries Ltd
Current assignee: Subaru Corp
Priority date: 2002-05-21
Filing date: 2002-05-21
Publication date: 2003-11-25

Abstract

(57)【要約】【課題】側面トリムが車室内側へ大きく倒れることが
なく、しかもカーテンエアバッグの展開が容易であると
共に、カーテンエアバッグを確実に車室内に展開させ
る。【解決手段】カーテンエアバッグ５の収納部を覆うア
ッパートリム１の端部を押さえる側面トリム２０におい
て、側面トリムを離脱可能に車体ボディ７に係止する係
止部２０ａを設け、また、側面トリム２０と車体ボディ
７とを結合する結合部材１０を設ける。カーテンエアバ
ッグ５の展開に伴って係止部２０ａが外れてアッパート
リム１に対する押さえが解除され、アッパートリム１と
側面トリム２０との間に展開口が形成され、結合部材の
引張り時長さの制限によって、側面トリム２０の車室内
側への移動が制限される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カーテンエアバッ
グ展開時にトリム間に展開口を形成するカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カーテンエアバッグは、車両の乗員を衝
突時の衝撃から安全に保護するために設けられるエアバ
ッグの一種であって、エアバッグの展開位置として車体
側部の窓を覆うように車室内にカーテン状に展開するも
のであり、乗員の頭部が窓ガラスへ２次衝突する際の衝
撃吸収、窓ガラスの破片で乗員が負傷することの防止、
或いは開いた窓からの飛び出し防止等の目的で設けられ
るものである。

【０００３】図９は、このようなカーテンエアバッグの
設置状態を示す説明図である。この図は車室内の側部を
示しており、１はルーフサイド部Ｒに設けられるアッパ
ートリムであり、２はその下方の中央に設置されるセン
ターピラートリム，３は前方に設置されるフロントピラ
ートリム，４は後方に設置されるリアピラートリムであ
る。これらの各ピラートリムは側面窓部Ｗ１，Ｗ２，Ｗ
３の間に設けられる側面トリムである。また図におい
て、Ｓはフロントシート、Ｉはインストルメントパネ
ル、Ｈはハンドル、Ｍは乗員を示している。

【０００４】カーテンエアバッグ５は、通常、フロント
ピラートリム３内の中段位置からルーフサイド部のアッ
パートリム１内を経由してリアピラートリム４内の上段
位置に亘って収納されており、その後端が車体後方に設
置されたエアバッグ装置（インフレータ）６に接続され
ている。そして、展開時には、一点破線５’で示すよう
に車室内の側面をカーテン状に覆って、乗員Ｍの頭部と
窓部との間に介在して衝撃吸収等の作用をなす。

【０００５】図１０は、図９におけるＡ−Ａ断面図であ
って、カーテンエアバッグ展開のためのトリム構造を示
す説明図である。アッパートリム１はカーテンエアバッ
グ５の収納部を車室内側から覆っており、カーテンエア
バッグ５はこのアッパートリム１と車体ボディ７との間
のルーフサイド部に収納されている。そして、アッパー
トリム１の端部はセンターピラートリム２の上端によっ
て押さえられ、このセンターピラートリム２は、車体ボ
ディ側に設けられた取付部２ａの保持クリップ２ｂによ
って車体ボディ７の取付穴に離脱可能に係止されてい
る。

【０００６】このようなトリム構造において、カーテン
エアバッグ５の展開時には、カーテンエアバッグの展開
に伴う押圧力によって保持クリップ２ｂが車体ボディ７
から外れてアッパートリム１に対する押さえが解除され
た状態になり、アッパートリム１とセンターピラートリ
ム２との間が開いて展開口が形成され、この展開口から
膨出したカーテンエアバッグ５’が車室内に展開するこ
とになる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このような従来のトリ
ム構造によると、車室内の側面トリムであるセンターピ
ラートリム２が車体ボディ７から容易に外れ、カーテン
エアバッグ５’の展開に伴って大きく車室内側に倒れる
ことになり、倒れた側面トリムが乗員に当たる可能性が
ある。また、これを避けるために、センターピラートリ
ム２を固く車体ボディに固定すると、センターピラート
リム２によるアッパートリム１端部の押さえも強固にな
り、カーテンエアバッグ５が展開し難くなるという不具
合が生じる。

【０００８】更には、センターピラートリム２を固く固
定してしまうと、カーテンエアバッグ５の展開口はアッ
パートリム１の変形のみによる小さな開口になり、カー
テンエアバッグの展開方向も下向きに規制されてしまう
ので、カーテンエアバッグ５が側面トリム内に引き込ま
れて側面トリム外に展開されないという問題も生じる。

【０００９】本発明は、このような事情に対処するため
に提案されたものであって、側面トリムが車室内側へ大
きく倒れることがなく、しかもカーテンエアバッグの展
開が容易であると共に、カーテンエアバッグを確実に車
室内に展開させることができるカーテンエアバッグ展開
用トリム構造を提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の各請求項に係る発明は以下の特徴を
具備するものである。

【００１１】請求項１に係る発明は、カーテンエアバッ
グ展開時にトリム間に展開口を形成するカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造において、前記カーテンエアバッ
グの収納部を覆うアッパートリムと該アッパートリムの
下方に設けられる側面トリムとを備え、前記側面トリム
に、前記カーテンエアバッグの展開に伴って前記展開口
を形成する展開構造と、前記側面トリムの車室内側への
移動を制限する移動制限構造とを設けたことを特徴とす
る。

【００１２】請求項２に係る発明は、請求項１のカーテ
ンエアバッグ展開用トリム構造において、前記展開構造
として、車体側に前記側面トリムを離脱可能に係止する
係止構造を設け、前記移動制限構造として、引張り時長
さを制限した結合部材によって前記側面トリムと前記車
体側とを連結したことを特徴とする。

【００１３】請求項３に係る発明は、請求項１，２にお
けるカーテンエアバッグ展開用トリム構造において、前
記展開構造と前記移動制限構造の何れか一方が、カーテ
ンエアバッグ収納部に対面して設けられ、エアバッグ整
流機能を兼用することを特徴とする。

【００１４】請求項４に係る発明は、カーテンエアバッ
グ展開時にトリム間に展開口を形成するカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造において、前記カーテンエアバッ
グの収納部を覆うアッパートリムと該アッパートリムの
下方に設けられる側面トリムとを備え、前記側面トリム
は、前記カーテンエアバッグの展開に伴って前記展開口
を形成する展開部材と車体側に固定される固定部材とか
らなり、前記展開部材は前記固定部材との分離が制限さ
れると共に前記固定部材にカーテンエアバッグの展開に
伴って離脱可能に係止されることを特徴とする。

【００１５】請求項５に係る発明は、請求項４のカーテ
ンエアバッグ展開用トリム構造において、前記固定部材
は、カーテンエアバッグ収納部に対面した上面部を有
し、エアバッグ整流機能を兼用することを特徴とする。

【００１６】請求項６に係る発明は、カーテンエアバッ
グ展開時にトリム間に展開口を形成するカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造において、前記カーテンエアバッ
グの収納部を覆うアッパートリムと該アッパートリムの
下方に設けられる側面トリムとを備え、前記側面トリム
は、前記カーテンエアバッグの展開に伴って前記展開口
を形成する展開部材と車体側に固定される固定部材とか
らなり、前記展開部材は、前記固定部材に対して下方に
スライドするように移動制限されると共にカーテンエア
バッグの展開に伴って下方にスライドすることで前記展
開口を形成することを特徴とする。

【００１７】請求項７に係る発明は、請求項６のカーテ
ンエアバッグ展開用トリム構造において、前記展開部材
は、カーテンエアバッグ展開時の押圧力で変形する押圧
変形部を有し、該押圧変形部がエアバッグ整流機能を有
することを特徴とする。

【００１８】このような各請求項に係る発明によると以
下の作用を奏することができる。

【００１９】第１には、カーテンエアバッグの収納部を
覆うアッパートリムの下方に設けられる側面トリムに、
アッパートリムと側面トリムとの間に形成される展開口
を形成する展開構造を設けているので、カーテンエアバ
ッグの展開と同時に展開口が形成されてカーテンエアバ
ッグの展開を円滑に行うことが可能なる。更に、側面ト
リムには、この側面トリムの車室内側への移動を制限す
る移動制限構造を設けているので、必要な大きさの展開
口を形成しながらも、側面トリムが大きく車室内側に倒
れることがなくなり、側面トリムが乗員に当たる不都合
は生じない。

【００２０】第２には、第１の作用を前提として、車体
側に側面トリムを離脱可能に係止する係止構造を設ける
ことで、カーテンエアバッグの展開時に側面トリムが車
体側から容易に離脱してアッパートリムとの間に展開口
を形成することができる。また、引張り時長さを制限し
た結合部材によって側面トリムと車体側とを連結してい
るので、結合部材の長さに応じた程度だけ側面トリムが
倒れて側面トリムとアッパートリムとの間に必要な大き
さの展開口を形成できると共に、側面トリムの倒れを結
合部材の長さで制限して乗員への当たりを防止できる。

【００２１】第３には、前述の作用を前提として、展開
構造と移動制限構造の何れか一方がカーテンエアバッグ
収納部に対面して設けられるので、展開直後のカーテン
エアバッグはこの展開構造又は移動制限構造のエアバッ
グ整流作用を受けて展開口に向けられることになり、確
実に展開口からカーテンエアバッグを展開させることが
可能になる。

【００２２】第４には、側面トリムを固定部材と展開部
材とにより構成し、展開部材を、固定部材から分離しな
い構造にすると共に固定部材に対してカーテンエアバッ
グの展開に伴って離脱可能に係止することで、前述と同
様の作用をなす展開構造と移動制限構造とを形成するこ
とができる。

【００２３】すなわち、展開部材はカーテンエアバッグ
の展開時に容易に固定部材から離脱してアッパートリム
と側面トリムとの間に展開口を形成するので、カーテン
エアバッグの展開を容易に行うこと可能となる。更に、
この展開部材は車体側に固定された固定部材に対して分
離が制限されているので、車室内に向けて大きく移動す
ることはなく、したがってカーテンエアバッグ展開時に
も車室内の乗員に当たることはない。

【００２４】第５には、前述の固定部材の上面部をカー
テンエアバッグの収納部に対面させて設けることでエア
バッグ整流作用を付与しており、これによって、離脱し
た展開部材とアッパートリムとの間に形成された展開口
から確実にカーテンエアバッグを展開させることが可能
になる。

【００２５】第６には、側面トリムを、車体側に固定さ
れる固定部材と展開部材とにより形成し、展開部材を、
固定部材に対して下方にスライドするように移動制限す
ると共にカーテンエアバッグの展開に伴って下方にスラ
イドすることでアッパートリムとの間に展開口を形成す
る構造にしたので、これによっても前述と同様の展開構
造と移動制限構造とを形成することができる。

【００２６】すなわち、展開部材は、カーテンエアバッ
グの展開に伴って下方にスライドすることでアッパート
リムとの間に展開口を形成するので、カーテンエアバッ
グの展開を容易に行うこと可能となる。更に、この展開
部材は車体側に固定された固定部材によって下方にスラ
イドするように移動制限されているので、車室内に向け
て移動することはなく、したがってカーテンエアバッグ
展開時にも車室内の乗員に当たることはない。

【００２７】第７には、前述の展開部材は、カーテンエ
アバッグ展開時の押圧力で変形する押圧変形部を有し、
この押圧変形部がエアバッグ整流機能を有するので、ス
ライドした展開部材とアッパートリムとの間に形成され
た展開口から確実にカーテンエアバッグを展開させるこ
とが可能になる。

【００２８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する（なお、従来と同一の部分には同一の
番号を付して重複した説明は省略する。）。図１及び図
２は本発明の第１の実施形態に係るカーテンエアバッグ
展開用トリム構造を示す説明図である。

【００２９】図１は図９におけるＡ−Ａ断面図に対応す
る図であって、カーテンエアバッグ５の収納状態を示し
ている。カーテンエアバッグ５を車室内側から覆うよう
にアッパートリム１が設けられ、このアッパートリム１
の端部を押さえるようにセンターピラートリム等の側面
トリム２０が設けられている。この側面トリム２０は、
ピラー幅方向に延設された係止部２０ａとこの係止部２
０ａに設けられる係止クリップ２０ｂとを備えて、車体
ボディ７の係止孔に離脱可能に係止されている。また、
この側面トリム２０と車体ボディ７とはねじ等の固定手
段１０Ａ及び１０Ｂにより両端が固定された結合部材１
０により連結されている。この結合部材１０は強化繊維
等からなる可撓性の部材であって常時は図示のように緩
んだ状態で側面トリム２０と車体ボディ７との間に配備
されている。

【００３０】図２は、このようなトリム構造におけるカ
ーテンエアバッグ展開時の状態を示すものである。カー
テンエアバッグ５の展開に伴ってアッパートリム１及び
側面トリム２０が押圧力を受けると、この押圧力によっ
て係止クリップ２０ｂが車体ボディ７から外れて側面ト
リム２０は車室内側にやや傾斜することになる。これに
よって、アッパートリム１の端部に対する押さえが解除
され、アッパートリム１は膨出したカーテンエアバッグ
５’の圧力により容易に変形して、アッパートリム１端
部と側面トリム２０との間に展開口を形成する。すなわ
ち、離脱可能な係止部２０ａと係止クリップ２０ｂによ
ってカーテンエアバッグ展開時の展開構造を形成してい
る。

【００３１】そして、結合部材１０はその長さ又は伸び
を設定することによって、カーテンエアバッグ５が展開
された際の引張り時長さを制限している。したがって、
この結合部材１０の引張り時長さによって側面トリム２
０の車室内側への移動が制限される構造になっている。

【００３２】このようなトリム構造によると、カーテン
エアバッグ５の展開に伴ってアッパートリム１の押さえ
が解除されるので、カーテンエアバッグの５の車室内へ
の展開を容易に行うことが可能になり、また、結合部材
１０の引張り時長さによって必要な側面トリム１０の傾
斜は確保できるので、アッパートリム１の端部と側面ト
リム１０との間に充分な大きさの展開口を形成すること
ができる。また、側面トリム１０の車室内側への移動は
結合部材１０の引張り時長さによって制限されているの
で、大きく側面トリム１０が倒れて乗員に当たるという
不都合は生じない。

【００３３】更に、ここでは、側面トリム１０のピラー
幅方向に延設された係止部２０ａをカーテンエアバッグ
５の収納部に対面させており、この係止部２０ａの上面
が整流板の作用を為してカーテンエアバッグ５の展開時
の方向性を規制している。すなわち、この係止部２０ａ
がエアバッグ整流機能を兼用する構造になっている。こ
れによると、カーテンエアバッグ５は、この係止部２０
ａの上面に沿って移動し、アッパートリム１と側面トリ
ム２０との間に形成された展開口から確実に車室内側に
展開することができる。

【００３４】図３は、本発明の第２の実施形態を示す説
明図（図１に対応した断面図）である。前述の実施形態
と同一の部位には同一の符号を付して重複した説明を一
部省略する。この実施形態では、前述の実施形態と同様
に、係止部２０ａと係止クリップ２０ｂによってアッパ
ートリム１に対する展開構造を形成すると共に、結合部
材１０によって側面トリム２０の車室内側への移動を制
限する移動制限構造を形成している。前述の実施形態と
の違いは結合部材１０をカーテンエアバッグ５の収納部
に対面させて設けた点にあり、これによって結合部材１
０にエアバッグ整流作用を持たせている。この場合の結
合部材１０には幅広のベルト部材等が用いられ、図示の
ように引っ張られた状態でその上面が整流板の作用を為
すように設置される。

【００３５】図４〜図６は、本発明の第３の実施形態を
示す説明図である。図４は車室内側から観た平面図であ
る。ルーフサイド部のアッパートリム１内にカーテンエ
アバッグ５が配置され、アッパートリム１の下方に側面
トリム３０が配置されており、その両側に側面窓部Ｗ
１，Ｗ２が形成されている。そして、この側面トリム３
０はトリム本体３１と展開部材３２とにより構成されて
いる。

【００３６】図５は図４におけるＣ−Ｃ断面図（同図
（ａ））及びＢ−Ｂ断面図（同図（ｂ））を示してい
る。トリム本体３１は車体ボディ７にねじ等の固定手段
３４で固定される固定部材であって、このトリム本体３
１に対して、展開部材３２が結合部材３３によって分離
を制限され、且つ係止部３２ａによって離脱可能に係止
されている。

【００３７】図６は、このようなトリム構造におけるカ
ーテンエアバッグ展開時の状態を示すものである。カー
テンエアバッグ５の展開に伴ってアッパートリム１及び
展開部材３２が押圧力を受けると、この押圧力によって
係止部３２ａがトリム本体３１から外れてアッパートリ
ム１の端部に対する押さえが解除される。これによっ
て、アッパートリム１は膨出したカーテンエアバッグ
５’の圧力により容易に変形して、アッパートリム１端
部とトリム本体３１の上面部３１ａとの間に展開口を形
成する。すなわち、離脱可能な係止部３２ａによってカ
ーテンエアバッグ展開時の展開構造を形成している。

【００３８】そして、展開部材３２は結合部材３３によ
ってトリム本体３１との分離が制限され、また、トリム
本体３１は車体ボディ７に固定されているので、これに
よって側面トリム３０の車室内側への移動が制限される
構造になっている。

【００３９】このようなトリム構造によると、カーテン
エアバッグ５の展開に伴ってアッパートリム１の押さえ
が解除されるので展開を容易に行うことが可能になり、
また、展開部材３２の係止が外れることでアッパートリ
ム１の端部とトリム本体３１の上部３１ａとの間に充分
な大きさの展開口を形成することができる。また、側面
トリム３０の車室内側への移動は結合部材３３とトリム
本体３１の本体ボディ７への固定によって制限されてい
るので、側面トリム３０が倒れて乗員に当たるという不
都合は生じない。

【００４０】更に、ここでは、トリム本体３１の上面部
３１ａが整流板の作用を為してカーテンエアバッグ５の
展開時の方向性を規制している。すなわち、このトリム
本体３１の上面部３１ａがエアバッグ整流機能を兼用す
る構造になっている。これによると、カーテンエアバッ
グ５はこの上面部３１ａに沿って移動し、形成された展
開口から確実に車室内側に展開することができる。

【００４１】図７及び図８は、本発明の第４の実施形態
を示す説明図である。図７は図１に対応した断面図であ
って、カーテンエアバッグ５の収納状態を示している。
前述の実施形態と同様に、カーテンエアバッグ５を車室
内側から覆うようにアッパートリム１が設けられ、この
アッパートリム１の端部を押さえるように側面トリム４
０が設けられている。この側面トリム４０は、アッパー
トリム１の端部を押さえる展開部材４１と車体ボディ７
にねじ等の固定手段４３で固定される固定部材４２とか
らなる。展開部材４１は上端部でアッパートリム１の端
部を押さえると共に、その下側に先端が車体ボディ７側
に係合される押圧変形部４１ａが形成されており、この
押圧変形部４１ａは固定部材４２に形成されたスライド
孔４２ａ内に臨んでいる。

【００４２】図８は、このようなトリム構造におけるカ
ーテンエアバッグ展開時の状態を示すものである。カー
テンエアバッグ５の展開に伴って上方から押圧変形部４
１ａに押圧力が作用すると、押圧変形部４１ａがスライ
ド孔４２ａに沿って変形して展開部材４１を矢印のよう
に下方にスライドさせる。これによって、展開部材４１
のアッパートリム１に対する押さえが解除された状態に
なり、アッパートリム１は膨出したカーテンエアバッグ
５’の圧力により容易に変形して、アッパートリム１端
部と側面トリム４０との間に展開口を形成する。すなわ
ち、押圧変形部４１ａを有する展開部材４１とスライド
孔４２ａを有する固定部材４２とによってカーテンエア
バッグ展開時の展開構造を形成している。

【００４３】また、展開部材４１は押圧変形部４１ａの
先端が車体ボディ７に係合していると共に、スライド孔
４２ａに沿って下方に移動するように移動制限されてい
るので、側面トリム４０の車室内側への移動が制限され
る構造になっている。

【００４４】このようなトリム構造によると、カーテン
エアバッグ５の展開に伴ってアッパートリム１の押さえ
が解除されるので、カーテンエアバッグ５の車室内への
展開を容易に行うことが可能になり、また、展開部材４
１の下方へのスライドによって、アッパートリム１の端
部と展開部材４１との間に充分な大きさの展開口を形成
することができる。また、側面トリム４０の車室内側へ
の移動が制限されているので、側面トリム４０が車室内
側に倒れて乗員に当たるという不都合は生じない。

【００４５】更に、ここでは、展開部材４１の押圧変形
部４１ａの上面をカーテンエアバッグ５の収納部に対面
させており、この上面が整流板の作用を為してカーテン
エアバッグ５の展開時の方向性を規制している。すなわ
ち、この押圧変形部４１ａがエアバッグ整流機能を兼用
する構造になっている。これによると、カーテンエアバ
ッグ５は、この押圧変形部４１ａの上面に沿って移動
し、アッパートリム１と側面トリム４０との間に形成さ
れた展開口から確実に車室内側に展開することができ
る。

【００４６】なお、上述の実施形態では、アッパートリ
ムの下端を側面トリムの上端が押さえ付ける構造を採用
しているが、これに換えて、アッパートリムの下端が側
面トリムの上端を押さえ付ける構造を採用しても良い
し、或いはアッパートリムと側面トリムとが単に接合さ
れている構造等を採用しても良い。

【００４７】

【発明の効果】本発明はこのように構成されるので、側
面トリムが車室内側へ大きく倒れることがなく、しかも
カーテンエアバッグの展開が容易であると共に、カーテ
ンエアバッグを確実に車室内に展開させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態に係るカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造を示す説明図である。

【図２】本発明の第１の実施形態に係るカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造の展開時の状態を示す説明図であ
る。

【図３】本発明の第２の実施形態に係るカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造を示す説明図である。

【図４】本発明の第３の実施形態に係るカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造を示す説明図である。

【図５】本発明の第３の実施形態に係るカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造を示す説明図である（Ｃ−Ｃ断面
図及びＢ−Ｂ断面図）。

【図６】本発明の第３の実施形態に係るカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造の展開時の状態を示す説明図であ
る。

【図７】本発明の第４の実施形態に係るカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造を示す説明図である。

【図８】本発明の第４の実施形態に係るカーテンエアバ
ッグ展開用トリム構造の展開時の状態を示す説明図であ
る。

【図９】従来技術に係るカーテンエアバッグの設置状態
を示す説明図である。

【図１０】図９におけるＡ−Ａ断面図であって、カーテ
ンエアバッグ展開のためのトリム構造を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１アッパートリム２センターピラートリム３フロントピラートリム４リアピラートリム５カーテンエアバッグ６エアバッグ装置７本体ボディ１０結合部材２０，３０，４０側面トリム２０ａ係止部２０ｂ係止クリップ３１トリム本体３２，４１展開部材４１ａ押圧変形部４２固定部材４２ａスライド孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 3D023 BA01 BB02 BB09 BD01 BD08 BD10 3D054 AA07 AA20 BB24 FF16

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カーテンエアバッグ展開時にトリム間に
展開口を形成するカーテンエアバッグ展開用トリム構造
において、前記カーテンエアバッグの収納部を覆うアッパートリム
と該アッパートリムの下方に設けられる側面トリムとを
備え、前記側面トリムに、前記カーテンエアバッグの展開に伴
って前記展開口を形成する展開構造と、前記側面トリム
の車室内側への移動を制限する移動制限構造とを設けた
ことを特徴とするカーテンエアバッグ展開用トリム構
造。
【請求項２】前記展開構造として、車体側に前記側面
トリムを離脱可能に係止する係止構造を設け、前記移動
制限構造として、引張り時長さを制限した結合部材によ
って前記側面トリムと前記車体側とを連結したことを特
徴とする請求項１記載のカーテンエアバッグ展開用トリ
ム構造。
【請求項３】前記展開構造と前記移動制限構造の何れ
か一方が、カーテンエアバッグ収納部に対面して設けら
れ、エアバッグ整流機能を兼用することを特徴とする請
求項１又は２に記載のカーテンエアバッグ展開用トリム
構造。
【請求項４】カーテンエアバッグ展開時にトリム間に
展開口を形成するカーテンエアバッグ展開用トリム構造
において、前記カーテンエアバッグの収納部を覆うアッパートリム
と該アッパートリムの下方に設けられる側面トリムとを
備え、前記側面トリムは、前記カーテンエアバッグの展開に伴
って前記展開口を形成する展開部材と車体側に固定され
る固定部材とからなり、前記展開部材は前記固定部材と
の分離が制限されると共に前記固定部材にカーテンエア
バッグの展開に伴って離脱可能に係止されることを特徴
とするカーテンエアバッグ展開用トリム構造。
【請求項５】前記固定部材は、カーテンエアバッグ収
納部に対面した上面部を有し、エアバッグ整流機能を兼
用することを特徴とする請求項４に記載のカーテンエア
バッグ展開用トリム構造。
【請求項６】カーテンエアバッグ展開時にトリム間に
展開口を形成するカーテンエアバッグ展開用トリム構造
において、前記カーテンエアバッグの収納部を覆うアッパートリム
と該アッパートリムの下方に設けられる側面トリムとを
備え、前記側面トリムは、前記カーテンエアバッグの展開に伴
って前記展開口を形成する展開部材と車体側に固定され
る固定部材とからなり、前記展開部材は、前記固定部材
に対して下方にスライドするように移動制限されると共
にカーテンエアバッグの展開に伴って下方にスライドす
ることで前記展開口を形成することを特徴とするカーテ
ンエアバッグ展開用トリム構造。
【請求項７】前記展開部材は、カーテンエアバッグ展
開時の押圧力で変形する押圧変形部を有し、該押圧変形
部がエアバッグ整流機能を有することを特徴とする請求
項６に記載のカーテンエアバッグ展開用トリム構造。