JP2003335113A - 航空機用ラジアルタイヤ - Google Patents

航空機用ラジアルタイヤ

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JP2003335113A
JP2003335113A JP2002145752A JP2002145752A JP2003335113A JP 2003335113 A JP2003335113 A JP 2003335113A JP 2002145752 A JP2002145752 A JP 2002145752A JP 2002145752 A JP2002145752 A JP 2002145752A JP 2003335113 A JP2003335113 A JP 2003335113A
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turn
tire
radial
aircraft
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Masanori Aoyama
正憲 青山
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーカスのターンアップ部材間に発生するせ
ん断力を緩和することにより、耐久性を大幅に向上させ
た航空機用ラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 航空機用ラジアルタイヤ1は、各ビード
部2に、2本の内外ビードリング3、4を埋設し、内側
ビードリング間3でトロイド状に延びる第1ターンアッ
プ部材7と、外側ビードリング間4でトロイド状に延び
る第2ターンアップ部材10と、第2プライ本体部8か
ら第2プライ折返し部9に向かってこれらを覆うように
延在するダウン部材11とを有するカーカス12を具え
る。第1ターンアップ部材7の第1折返し部6と、第2
ターンアップ部材10の第2プライ本体部8との間であ
って、かつ第1プライ折返し部6を構成するプライのう
ち、最もタイヤ幅方向外側に位置するプライである第1
最外プライ13の折返し端を少なくとも覆う範囲にわた
って緩衝ゴムシート15を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、重荷重を支持
し、非常に高圧の気体を充填することで膨張させ、かつ
高速で走行する、ラジアルカーカス補強材を具えた航空
機用ラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、輸送効率を高めること等を目的と
して、航空機会社は各社とも、超大型旅客機の開発を推
進している。このような機体の一層の大型化と重量化に
伴い、タイヤ自体の大型化と耐久性に対する要求レベル
も必然的に高まっている。
【0003】このような高い耐久性を確保するために
は、カーカスのプライ枚数を増やして、構造的にタイヤ
の強度を高めることが不可避である。しかし、ビードリ
ングが1本の場合には、1本のビードリングの周りに複
数枚のプライを巻き付けることになるため、ビードリン
グとリムのビードシートとの間に位置するカーカスの厚
みが必然的に増加することにより、ビードリングの埋設
位置がビードベース面から遠くなり、ビードベース面で
のタイヤとリムとの接触部が点接触に近づく傾向にある
結果、特に着陸時のように重荷重負荷条件下で高速走行
した場合には、前記接触部に応力が集中しやすく、ビー
ドベースの面割れが発生するなど、ビードの耐久性を確
保することが困難であった。
【0004】このようにプライ枚数を増やした場合にも
ビードリングの埋設位置がビードベース面から遠くなら
ないように改良したタイヤとしては、例えば図2に示す
ように、ビードリングを内側ビードリング101と外側
ビードリング102の2本にし、カーカス103のプラ
イを内側ビードリング101の周りに巻き付けられる第
1ターンアップ部材104と外側ビードリング102の
周りに巻き付けられる第2ターンアップ部材105の2
つの群に分割することにより、1本のビードリングの周
りに巻き付けられるプライの枚数を減らし、ビードリン
グとリムのビードシートとの間に位置するカーカスの厚
みの増加を抑制したタイヤが知られている。しかし、こ
のような構造のタイヤにおいて、例えばタイヤに重荷重
が負荷され、サイドウォール部が大きな屈曲変形を強い
られるのに伴って、ビード部がホイールのリムフランジ
に強く押し付けられるように屈曲変形した場合には、第
1ターンアップ部材104と第2ターンアップ部材10
5にプライを引き抜く方向への力が加わる結果、第1タ
ーンアップ部材104と第2ターンアップ部材105と
の接触部分108にせん断歪が生じ、タイヤの故障の原
因となるおそれがある。
【0005】かかるせん断歪を抑制したタイヤは、例え
ば特開平9−175108号に記載されており、この公
報によれば、図3に示すように、第1ターンアップ部材
104と第2ターンアップ部材105との間に、三日月
状のゴム混合物からなる異形部材を配設することによ
り、せん断歪の緩和を図っている。しかし、このタイヤ
では、局部的に異形部材の発熱が大きくなるおそれがあ
るという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この発明
の目的は、カーカスのターンアップ部材間に発生するせ
ん断力を緩和することにより、耐久性を大幅に向上させ
た重荷重負荷下高速走行に供される航空機用ラジアルタ
イヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、各ビード部に、略タイヤ幅方向に間隔
をおいて2本の内外ビードリングを埋設し、内側ビード
リング間でトロイド状に延びる第1プライ本体部と各内
側ビードリングの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向
かって折り返された第1プライ折返し部とで構成される
少なくとも1枚のプライからなる第1ターンアップ部材
と、外側ビードリング間でトロイド状に延びる第2プラ
イ本体部と各外側ビードリングの周りにタイヤ幅方向内
側から外側に向かって折り返された第2プライ折返し部
とで構成される少なくとも1枚のプライからなる第2タ
ーンアップ部材と、第2ターンアップ部材の第2プライ
本体部から第2プライ折返し部に向かってこれらを覆う
ように延在する少なくとも1枚のプライからなるダウン
部材とを有するカーカスを具える航空機用ラジアルタイ
ヤにおいて、第1ターンアップ部材の第1折返し部と、
第2ターンアップ部材の第2プライ本体部との間であっ
て、かつ第1ターンアップ部材の第1プライ折返し部を
構成するプライのうち、最もタイヤ幅方向外側に位置す
るプライである第1最外プライの折返し端を少なくとも
覆う範囲にわたって緩衝ゴムシートを配設することを特
徴とする航空機用ラジアルタイヤである。
【0008】このタイヤに充填するのに好ましい気体と
しては、空気または窒素等の不活性な気体が挙げられ
る。
【0009】また、第1ターンアップ部材が、第1最外
プライを含む少なくとも2枚のプライからなり、第1プ
ライ折返し部を構成する各プライの折返し端位置が、第
1最外プライよりも残りの他のプライの方がタイヤ径方
向外側にある場合には、少なくとも第1最外プライの折
返し端とこの折返し端よりもタイヤ径方向外側にある他
のプライの折返し端を覆う範囲にわたって前記緩衝ゴム
シートを配設することが好ましい。
【0010】さらに、緩衝ゴムシートのタイヤ径方向内
端位置が、内外ビードリングの中心位置間を結ぶ仮想線
分位置またはこの仮想線分よりもタイヤ径方向内側にあ
り、この仮想線分上で測定した緩衝ゴムシートの厚みが
0.4〜1.7mmであることが好ましい。
【0011】さらにまた、第1および第2プライ折返し
部をそれぞれ構成するプライの端縁位置は、リム径ライ
ン位置から測定してタイヤ断面高さの0.1〜0.55
倍の範囲にあることが好ましい。ここで「リム径ライ
ン」とは、リム径を測定する位置を意味する。
【0012】加えて、ダウン部材は、それを構成するプ
ライ端がビードトウ部に位置することが好ましい。
【0013】また、コードが、タイヤ周方向に対し交差
する方向に平行配列された少なくとも1枚の補強チェー
ファーをダウン部材の外面および/または第1ターンア
ップ部材の第1プライ本体部の内面を覆い、かつリム径
ラインから測定してタイヤ断面高さの0.07倍の位置
よりもタイヤ径方向内側の範囲にあるように配設するこ
とが好ましい。なお、ここで「タイヤ周方向に対し交差
する」とは、コードの延在方向が一定の角度を持ってタ
イヤ周方向と交差することを意味し、具体的には、75
〜90°の角度で交差することが好ましい。
【0014】さらに、ゴムシートは、破断伸度が400
%以上であり、かつ反発弾性が50%以上であるゴム組
成物で構成されることが好ましい。
【0015】さらにまた、ゴム組成物は、ジエン系ゴム
100質量部に対し、少なくとも1種の耐熱架橋剤を含
む架橋剤と硫黄との混合物2.0〜5.0質量部を配合
してなることが好ましい。
【0016】加えて、混合物中の耐熱架橋剤と硫黄との
混合比が、重量比にして70:30〜20:80の範囲
であることが好ましい。
【0017】また、前記耐熱架橋剤が、一般式 MO
S−S−(CH−S−SOM(式中、nは3〜
10の整数、Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マ
グネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケルま
たはコバルトの1当量を表す。)で表される有機チオス
ルフェート化合物であることが好ましい。この化合物
は、結晶水を含有してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、この発
明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代
表的な航空機用ラジアルタイヤのビード部のタイヤ幅方
向断面図である。
【0019】図1に示す航空機用ラジアルタイヤ1(以
下「タイヤ」と言う。)は、一対のビード部2に、略タ
イヤ幅方向に間隔をおいて2本の内外ビードリング3、
4を埋設し、内側ビードリング2間でトロイド状に延び
る第1プライ本体部5と各内側ビードリング2の周りに
タイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返された第1
プライ折返し部6とで構成される少なくとも1枚のプラ
イからなる第1ターンアップ部材7と、外側ビードリン
グ間4でトロイド状に延びる第2プライ本体部8と各外
側ビードリング4の周りにタイヤ幅方向内側から外側に
向かって折り返された第2プライ折返し部9とで構成さ
れる少なくとも1枚のプライからなる第2ターンアップ
部材10と、第2ターンアップ部材10の第2プライ本
体部8から第2プライ折返し部9に向かってこれらを覆
うように延在する少なくとも1枚のプライからなるダウ
ン部材11とを有するカーカス12を具える。
【0020】そして、この発明の構成上の主な特徴は、
第1ターンアップ部材7と第2ターンアップ部材10と
の間に発生するせん断力を緩和することにあり、具体的
には、第1ターンアップ部材7の第1折返し部6と、第
2ターンアップ部材10の第2プライ本体部8との間で
あって、かつ第1ターンアップ部材7の第1プライ折返
し部6を構成するプライのうち、最もタイヤ幅方向外側
に位置するプライである第1最外プライ13の折返し端
14を少なくとも覆う範囲にわたって緩衝ゴムシート1
5を配設することにある。
【0021】以下、この発明が上記構成を採用するに至
った経緯を作用とともに説明する。航空機用タイヤは、
安全性を高めるため、通常2本、4本または6本を対に
して使用し、対のいずれかのタイヤが故障した場合に
も、残りのタイヤで離着陸を行えるように、規定荷重の
200%の荷重が負荷された条件下で高速走行にも耐え
られるような耐久性を有することが必要とされる。この
ように重荷重の負荷が加わった場合には、ビード部2が
ホイールのリムフランジ(図示せず。)に強く押し付け
られ、リムフランジを支点としてタイヤ1のビード部2
がタイヤ幅方向外向きに大きく屈曲変形する。この際、
プライ折返し端14付近でプライ間の剥離、いわゆるセ
パレーションが発生する傾向にある。発明者は、このセ
パレーション発生の原因について研究を重ね、前記屈曲
変形の際、第1プライ本体部5と第2プライ本体部8と
にはタイヤ径方向外向きの力が加わるのに対して、第1
プライ折返し部6にはタイヤ径方向内向きの力が加わ
り、この結果、第1プライ折返し部6と第2プライ本体
部8との間、特にプライ折返し端14付近にせん断応力
が集中することを見出した。そこで、せん断応力の集中
する部分に緩衝ゴムシート15を配設すれば、せん断応
力を緩和することができ、セパレーションの発生を有効
に抑制できることを見出し、この発明を完成させるに至
ったのである。
【0022】また、第1ターンアップ部材7が、第1最
外プライ13を含む少なくとも2枚のプライからなり、
第1プライ折返し部6を構成する各プライの折返し端位
置が、第1最外プライ13よりも残りの他のプライの方
がタイヤ径方向外側にある場合には、少なくとも第1最
外プライ13の折返し端14とこの折返し端よりもタイ
ヤ径方向外側にある他のプライの折返し端を覆う範囲に
わたって緩衝ゴムシート15を配設することが好まし
い。例えば、図1では、第1ターンアップ部材7が、第
1最外プライ13に加えて、第1中間プライ16および
第1最内プライ17の3枚のプライからなり、第1プラ
イ折返し部6は、第1最外プライ13の折り返し端14
よりも第1中間プライ16の折り返し端18がタイヤ径
方向外側に位置し、第1中間プライ16の折返し端18
よりも第1最内プライ17の折返し端19がさらにタイ
ヤ径方向外側に位置するように構成されているが、かか
る場合にも、少なくとも第1最外プライ13の折返し端
14と第1中間プライ折返し端18を覆う範囲にわたっ
て緩衝ゴムシート15を配設することが好ましい。この
ように緩衝ゴムシート15を配設することにより、第2
プライ本体部8と接触する折返し端14、18にせん断
応力が集中するのを抑制することができるからである。
【0023】さらに、緩衝ゴムシート15のタイヤ径方
向内端位置20が、内外ビードリング3、4の中心位置
C1、C2間を結ぶ仮想線分21上の位置またはこの仮
想線分21よりもタイヤ径方向内側にあり、この仮想線
分21上で測定した緩衝ゴムシート15の厚みtが0.
4〜1.7mmであることが好ましい。緩衝ゴムシート
15を第1プライ折返し部6と第2プライ本体部8との
間の広い領域にわたって配設することで、セパレーショ
ンが成長する起点となる、第1プライ折返し部6と第2
プライ本体部8との間およびプライ折返し端14、1
8、19での故障核の発生を有効に抑制することができ
るからである。また、緩衝ゴムシート15の厚みtが
0.4mm未満の場合には、第1プライ折返し部6と第
2プライ本体部8との間のせん断応力を十分に緩和でき
ず、1.7mmを超える場合には、せん断応力は緩和さ
れるものの、部分的にカーカス12の構成部材が動きや
すくなるため、せん断応力による緩衝ゴムシート15の
歪の発生量が大きく、かつ歪により発生した熱が放熱さ
れにくく、この結果、緩衝ゴムシート15が破断して故
障核となるおそれがあるからである。
【0024】さらにまた、第1プライ折返し部6および
第2プライ折返し部9をそれぞれ構成するプライの端縁
位置は、リム径ライン位置22から測定してタイヤ断面
高さの0.1〜0.55倍の範囲にあることが好まし
い。プライの端縁位置がこの範囲外にある場合には、歪
が大きくなり、プライの端縁からセパレーションが発生
するおそれがあるからである。
【0025】加えて、ダウン部材11は、それを構成す
るプライ端23がビードトウ部24に位置することが好
ましい。内外ビードリング3、4にわたってプライを配
設することにより、荷重負荷時および転動時のビードベ
ース部の動きを効率的に抑制できるからである。
【0026】また、コードが、タイヤ周方向に対し交差
する方向、好適には75〜90°の角度で交差する方向
に平行配列された少なくとも1枚の補強チェーファー2
5をダウン部材11の外面および/または第1ターンア
ップ部材7の第1プライ本体部5の内側を覆い、かつリ
ム径ライン22から測定してタイヤ断面高さの0.07
倍の位置よりもタイヤ径方向内側にあるように配設する
ことが好ましい。コードとタイヤ周方向との交差角度が
75°未満では、荷重負荷時および転動時のビードベー
ス部の動きを充分に抑制できないことがあり、また補強
チェーファー25がタイヤ断面高さの0.07倍の位置
よりもタイヤ径方向外側にあると、リムルランジ高さよ
り高くなるため、荷重負荷時の屈曲変形によりセパレー
ションが発生することがあるからである。
【0027】さらに、緩衝ゴムシート15は、破断伸度
が400%以上であり、かつ反発弾性が50%以上であ
るゴム組成物で構成されることが好ましい。破断伸度が
400%未満の場合には、第1プライ折返し部6と第2
プライ本体部8との間に発生する大きなせん断歪に抗し
きれず、ゴムシート15が破断する可能性が大きく、ま
た反発弾性が50%未満の場合には、第1プライ折返し
部6と第2プライ本体部8との間で繰り返し発生する歪
による発熱が大きくなり、ゴムシート15の温度が上昇
するため、それを構成するゴム組成物の物性が低下して
ゴムが破断する可能性が大きく、いずれの場合にも破断
した部分が故障の核になるからである。
【0028】なお、緩衝ゴムシートの断面形状は、特に
限定はしないが、特開平9−175108号のような三
日月形状にするよりはむしろ四角形状、すなわち均一厚
みのシート形状にすることが材料製造が容易であり、ま
た歪分散により応力集中および局部的な発熱を防止する
ことができるので好ましい。
【0029】さらにまた、緩衝ゴムシート15を構成す
るゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、少
なくとも1種の耐熱架橋剤を含む架橋剤と硫黄との混合
物2.0〜5.0質量部を配合してなることが好まし
い。架橋剤の配合量が2.0質量部未満の場合には、十
分な架橋効果が得られず、発熱が大きくなり、5.0質
量部を超える場合には、伸張破断時に十分な伸びが得ら
れず、強度面で劣るからである。なお、コストおよび製
造の容易さの観点からは、架橋剤の配合量は2.5〜
4.0質量部であることがより好適である。好適なジエ
ン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジ
エンゴムを例示することができ、これらを単独またはブ
レンドで使用することができる。
【0030】加えて、混合物中の耐熱架橋剤と硫黄との
混合比が、重量比にして70:30〜20:80の範囲
であることが好ましい。耐熱架橋剤の混合比が70を超
えると十分な架橋効果が得られず、20未満の場合に
は、耐熱性が確保できないからである。
【0031】前記耐熱架橋剤が、一般式MOS−S−
(CH−S−SOM (式中、nは3〜10の
整数、Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシ
ウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケルまたはコ
バルトの1当量を表す。)で表される有機チオスルフェ
ート化合物であることが好ましい。有機チオスルフェー
ト化合物は歪に対して発熱が少なく、かつ耐熱性に優れ
るからである。
【0032】なお、上述したところは、この発明の実施
形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々
の変更を加えることができる。
【0033】例えば、上述の架橋剤に加えて、ゴム組成
物に、通常の補強材であるカーボンブラックやシリカ等
の白色充填剤、オイル、老化防止剤等、当業者に公知な
架橋剤以外の原材料を適宜添加してもよい。また、破断
伸度が400%以上となる範囲であれば、有機チオスル
フェート化合物以外の耐熱架橋剤を用いてもよい。
【0034】
【実施例】次に、この発明に従う航空機用ラジアルタイ
ヤを試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
【0035】実施例1〜7のタイヤは、タイヤサイズが
1400×530 R23 36PRであり、第1ター
ンアップ部材および第2ターンアップ部材はともに3枚
のプライからなり、ダウン部材が2枚のプライからな
り、ダウン部材のプライ端縁位置がビードトウ部に位置
し、緩衝ゴムシート、第1プライ折返し部および補強チ
ェーファーが表1に示す諸元を有する航空機用タイヤで
ある。また、表中のシートゴム質Aは、架橋剤と硫黄と
の混合物2.0〜5.0質量部を配合し、混合物中の耐
熱架橋剤と硫黄との混合比が、重量比にして70:30
〜20:80の範囲にあるゴム組成物であり、Bは架橋
剤の総量が不足したものであり、Cは架橋剤の総量が過
剰であるものであり、Dは硫黄の量が少ないものであ
る。耐熱架橋剤としては、有機チオスルフェート化合物
であるフレキシス社製のデュラリンクHTS(1,6−
ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物)を用
いた。また、反発弾性は、英国規格(BS)903−2
2.3に規定されるダンロップトリプソメーターを使用
して測定した。
【0036】比較のため、図2に示すビード部を有し、
緩衝ゴムシートを配設していない従来例のタイヤについ
ても試作した。
【0037】前記各供試タイヤをTRA規格で定めるリ
ム(1400×53R23)に組み付けてタイヤ車輪と
し、米国連邦航空局(FAA)の技術標準規格(TS
O)C62dで定めるダイナモテスター試験を行い、タ
イヤが故障するまでの走行距離を測定し、この測定値に
よって耐久性を評価した。その評価結果を表1に示す。
なお、表1中の耐久性は従来例の耐久性を100とした
ときの指数比で示してあり、数値が大きいほど耐久性が
優れている。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示す結果から、実施例のタイヤはい
ずれも従来例のタイヤ比べて耐久性が優れている。
【0040】
【発明の効果】この発明により、耐久性に優れた航空機
用ラジアルタイヤを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う航空機用タイヤのビード部の
断面図である。
【図2】 従来の航空機用タイヤのビード部の断面図で
ある。
【図3】 他の従来の航空機用タイヤのビード部の断面
図である。
【符号の説明】
1 タイヤ 2 ビード部 3 内側ビードリング 4 外側ビードリング 5 第1プライ本体部 6 第1プライ折返し部 7 第1ターンアップ部材 8 第2プライ本体部 9 第2プライ折返し部 10 第2ターンアップ部材 11 ダウン部材 12 カーカス 13 第1最外プライ 14 第1折返し端 15 緩衝ゴムシート 16 第1中間プライ 17 第1最内プライ 18 第1中間プライ折返し端 19 第1最内プライ折返し端 20 緩衝ゴムシート内端位置 21 中心間仮想線分 22 リム径ライン位置 23 ダウン部材プライ端 24 ビードトウ部 25 補強チェーファー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60C 15/00 B60C 15/00 G C08K 3/06 C08K 3/06 5/42 5/42 C08L 9/00 C08L 9/00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各ビード部に、略タイヤ幅方向に間隔を
    おいて2本の内外ビードリングを埋設し、内側ビードリ
    ング間でトロイド状に延びる第1プライ本体部と各内側
    ビードリングの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向か
    って折り返された第1プライ折返し部とで構成される少
    なくとも1枚のプライからなる第1ターンアップ部材
    と、外側ビードリング間でトロイド状に延びる第2プラ
    イ本体部と各外側ビードリングの周りにタイヤ幅方向内
    側から外側に向かって折り返された第2プライ折返し部
    とで構成される少なくとも1枚のプライからなる第2タ
    ーンアップ部材と、第2ターンアップ部材の第2プライ
    本体部から第2プライ折返し部に向かってこれらを覆う
    ように延在する少なくとも1枚のプライからなるダウン
    部材とを有するカーカスを具える航空機用ラジアルタイ
    ヤにおいて、 第1ターンアップ部材の第1折返し部と、第2ターンア
    ップ部材の第2プライ本体部との間であって、かつ第1
    ターンアップ部材の第1プライ折返し部を構成するプラ
    イのうち、最もタイヤ幅方向外側に位置するプライであ
    る第1最外プライの折返し端を少なくとも覆う範囲にわ
    たって緩衝ゴムシートを配設することを特徴とする航空
    機用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 第1ターンアップ部材が、第1最外プラ
    イを含む少なくとも2枚のプライからなり、第1プライ
    折返し部を構成する各プライの折返し端位置が、第1最
    外プライよりも残りの他のプライの方がタイヤ径方向外
    側にある場合には、少なくとも第1最外プライの折返し
    端とこの折返し端よりもタイヤ径方向外側にある他のプ
    ライの折返し端を覆う範囲にわたって前記緩衝ゴムシー
    トを配設した請求項1記載の航空機用ラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 緩衝ゴムシートのタイヤ径方向内端位置
    が、内外ビードリングの中心位置間を結ぶ仮想線分位置
    またはこの仮想線分よりもタイヤ径方向内側にあり、こ
    の仮想線分上で測定した緩衝ゴムシートの厚みが0.4
    〜1.7mmである請求項2記載の航空機用ラジアルタ
    イヤ。
  4. 【請求項4】 第1および第2プライ折返し部をそれぞ
    れ構成するプライの端縁位置は、リム径ライン位置から
    測定してタイヤ断面高さの0.1〜0.55倍の範囲に
    ある請求項1〜3のいずれか1項記載の航空機用ラジア
    ルタイヤ。
  5. 【請求項5】 ダウン部材は、それを構成するプライ端
    がビードトウ部に位置する請求項1〜4のいずれか1項
    記載の航空機用ラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 コードが、タイヤ周方向に対し交差する
    方向に平行配列された少なくとも1枚の補強チェーファ
    ーをダウン部材の外面および/または第1ターンアップ
    部材の第1プライ本体部の内面を覆い、かつリム径ライ
    ンから測定してタイヤ断面高さの0.07倍の位置より
    もタイヤ径方向内側の範囲にあるように配設する請求項
    1〜5のいずれか1項記載の航空機用ラジアルタイヤ。
  7. 【請求項7】 前記ゴムシートは、破断伸度が400%
    以上であり、かつ反発弾性が50%以上であるゴム組成
    物で構成される請求項1〜6のいずれか1項記載の航空
    機用ラジアルタイヤ。
  8. 【請求項8】 前記ゴム組成物は、ジエン系ゴム100
    質量部に対し、少なくとも1種の耐熱架橋剤を含む架橋
    剤と硫黄との混合物2.0〜5.0質量部を配合してな
    る請求項1〜7のいずれか1項記載の航空機用ラジアル
    タイヤ。
  9. 【請求項9】 前記混合物中の耐熱架橋剤と硫黄との混
    合比が、重量比にして70:30〜20:80の範囲で
    ある請求項8記載の航空機用ラジアルタイヤ。
  10. 【請求項10】 前記耐熱架橋剤が、一般式 MOS−S−(CH−S−SOM (式中、nは3〜10の整数、Mはリチウム、カリウ
    ム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウ
    ム、亜鉛、ニッケルまたはコバルトの1当量を表す。)
    で表される有機チオスルフェート化合物である請求項8
    または9記載の航空機用ラジアルタイヤ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342193A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
KR100692266B1 (ko) 2005-07-19 2007-03-09 한국타이어 주식회사 펑크 대비용 공기입 타이어
CN107933200A (zh) * 2017-12-19 2018-04-20 中策橡胶集团有限公司 一种单层胎体无内轮胎的补强钢丝圈结构

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