JP2003335106A - 駆動車輪用軸受装置 - Google Patents

駆動車輪用軸受装置

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JP2003335106A
JP2003335106A JP2002144854A JP2002144854A JP2003335106A JP 2003335106 A JP2003335106 A JP 2003335106A JP 2002144854 A JP2002144854 A JP 2002144854A JP 2002144854 A JP2002144854 A JP 2002144854A JP 2003335106 A JP2003335106 A JP 2003335106A
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constant velocity
velocity universal
universal joint
hub wheel
hub
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JP2002144854A
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English (en)
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Hikari Umekida
光 梅木田
Hitohiro Ozawa
仁博 小澤
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハブ輪のセレーションの摩耗を低減し、ハブ
輪と軸部との径方向および軸方向のがたつきを抑制して
剛性を向上させた軽量コンパクトな駆動車輪用軸受装置
を提供することにある。 【解決手段】 ハブ輪1、複列の軸受2および等速自在
継手3をユニット化し、前記ハブ輪1と等速自在継手3
とをセレーション31,32を介して嵌合させた駆動車
輪用軸受装置において、前記ハブ輪1と等速自在継手2
との嵌合部は、ハブ輪1および等速自在継手3のそれぞ
れの嵌合面を熱処理により硬化させた硬化層X,Yを形
成すると共に、そのハブ輪1と等速自在継手3を前記セ
レーション31,32の歯面合わせにより嵌合させたト
ルク伝達部33と、等速自在継手3をハブ輪1に拡径加
締めにより結合させた抜け止め部34とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の駆動車輪
(FF車の前輪、FR車の後輪、4WD車の全輪)を車
体に対して回転自在に支持する駆動車輪用軸受装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動車輪用軸受装置には、例え
ば図6に示すようにハブ輪1と複列の軸受2と等速自在
継手3とをユニット化し、そのハブ輪1の内周に等速自
在継手3の継手外輪4をトルク伝達可能に圧入した構造
のものがある(特開2001−301407)。
【0003】軸受2は、複列のアウタレース5,6およ
びインナレース7,8と、アウタレース5,6とインナ
レース7,8間に組み込まれた複列の転動体9,10と
で主要部が構成された複列アンギュラ玉軸受である。こ
の軸受装置では、複列のインナレース7,8のうち、一
方のインナレース7がハブ輪1の外周面に形成され、他
方のインナレース8が継手外輪4の肩部11の外周面に
形成されている。複列のアウタレース5,6は外輪12
の内周面に形成されている。
【0004】ハブ輪1は、車輪を取り付けるための車輪
取付フランジ13を有し、その車輪取付フランジ13の
円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するための
ハブボルト(図示せず)が植設されている。外輪12
は、車体に取り付けるための車体取付フランジ14を有
し、この車体取付フランジ14は車体の懸架装置から延
びるナックル(図示せず)にボルトで固定されている。
このハブ輪1の内周面の一部にはセレーション26が形
成されている。
【0005】なお、軸受2の両端開口部には、外輪12
とハブ輪1および継手外輪4との環状空間を密封する一
対のシール15,16が外輪12の端部内周に嵌合さ
れ、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部から
の水や異物の侵入を防止するようになっている。
【0006】等速自在継手3は、内周面にトラック溝1
8が形成された継手外輪4と、その継手外輪4のトラッ
ク溝18と対向するトラック溝19が外周面に形成され
た継手内輪20と、継手外輪4のトラック溝18と継手
内輪20のトラック溝19との間に組み込まれたボール
21と、継手外輪4と継手内輪20間に介在してボール
21を支持する保持器22とからなる。継手内輪20の
内周面には、シャフト(図示せず)がトルク伝達可能な
ように嵌合するセレーション17が形成されている。継
手外輪4は、継手内輪20、ボール21および保持器2
2を収容したマウス部23と、そのマウス部23から軸
方向に一体的に延び、外周面にセレーション25が形成
された軸部24とを有する。
【0007】この継手外輪4の軸部24をハブ輪1に圧
入し、軸部24の外周面およびハブ輪1の内周面にそれ
ぞれ設けられたセレーション25,26により両者を嵌
合させてトルク伝達可能としている。この時、ハブ輪1
のインボード側端面27と継手外輪4の肩部11の端面
28とを突き合わせることにより、軸受2の予圧管理が
行われている。そして、軸部24の端部を例えば揺動加
締めなどにより外径側に塑性変形させ、その加締め部2
9をハブ輪1のアウトボード側端面30に係合させるこ
とにより継手外輪4をハブ輪1に固定し、ハブ輪1、軸
受2および等速自在継手3をユニット化している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の駆動車輪用軸受装置は、継手外輪4の軸部24の外
周面にセレーション25を形成すると共に、ハブ輪1の
内周面にセレーション26を形成し、これらセレーショ
ン25,26により両者を嵌合させてトルク伝達可能と
した構造を具備する。図7は、軸部24とハブ輪1の両
セレーション25,26の嵌合構造を示す拡大図である
が、同図に示すように軸部24のセレーション25は多
数の雄歯25aで構成され、ハブ輪1のセレーション2
6は多数の雌歯26aで構成されている。
【0009】特開2001−301407に開示された
従来の軸受装置では、軸部24とハブ輪1の両セレーシ
ョン25,26において、セレーション25の雄歯25
aとセレーション26の雌歯26aとは大径合わせによ
り嵌合されている。この大径合わせでは、軸部24にお
ける雄歯25aの歯先面25bをハブ輪1における雌歯
26aの歯底面26bに当接させた形態としている。こ
れにより、径方向のがたつきがなく、ハブ輪1と継手外
輪4の軸部24との軸心を一致させてハブ輪1に等速自
在継手3を高精度に組み込むことができるようにしてい
る。
【0010】このハブ輪1のセレーション26はブロー
チ加工などの機械加工により形成され、軸部24のセレ
ーション25は転造加工などの機械加工の後、高周波焼
入れなどの硬化処理が施され、次いで仕上げ研磨などの
研磨処理により形成されている。このようにハブ輪1の
セレーション26を機械加工だけとして鋼材の生のまま
の硬さとしているのに対して、軸部24のセレーション
25をハブ輪1のセレーション26より硬くする硬化処
理は、両セレーション同士の良好な嵌合を得ると共にセ
レーション強度を確保するためであり、また、研磨処理
は、ハブ輪1と軸部24の嵌合寸法精度を高めるためで
ある。
【0011】しかしながら、車両旋回想定の回転曲げ耐
久試験により検証してみると、ハブ輪1と軸部24が極
僅か相対的に動くことが明らかであり、前述したように
ハブ輪1のセレーション26は機械加工だけで鋼材の生
のままであるため、軸部24とハブ輪1の両セレーショ
ン25,26が大径合わせにより嵌合されていると、ハ
ブ輪1のセレーション26が擦れてその雌歯26aの歯
底面26bが摩耗するという問題がある。また、このよ
うにハブ輪1のセレーション26が機械加工だけで鋼材
の生の状態でセレーション同士の良好な嵌合を得ようと
すると、セレーション25,26の軸方向寸法を長く設
定しなければならず、その場合、軸受装置の重量アップ
が招来する。
【0012】そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、ハブ輪のセレ
ーションの摩耗を低減し、ハブ輪と軸部との径方向およ
び軸方向のがたつきを抑制して剛性を向上させた軽量コ
ンパクトな駆動車輪用軸受装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明は、ハブ輪、複列の軸受お
よび等速自在継手をユニット化し、前記ハブ輪と等速自
在継手とをセレーションを介して嵌合させた駆動車輪用
軸受装置において、前記ハブ輪と等速自在継手との嵌合
部は、ハブ輪および等速自在継手のそれぞれの嵌合面を
熱処理により硬化させると共に、そのハブ輪と等速自在
継手を前記セレーションの歯面合わせにより嵌合させた
トルク伝達部と、等速自在継手をハブ輪に拡径加締めに
より結合させた抜け止め部とで構成したことを特徴とす
る。
【0014】本発明に係る駆動車輪用軸受装置では、ハ
ブ輪および等速自在継手のそれぞれの嵌合面を熱処理に
より硬化させたので、ハブ輪と等速自在継手との嵌合
部、つまり、ハブ輪の嵌合面に形成されたセレーション
と等速自在継手の嵌合面に形成されたセレーションとが
擦れても、両セレーションの擦れ部位が摩耗することを
抑制することができる。
【0015】また、トルク伝達部では、等速自在継手と
ハブ輪がセレーションの歯面合わせにより嵌合している
ので、両セレーションにおける周方向のがたつきを抑制
することができる。ここで、「歯面合わせ」とは、ハブ
輪のセレーションを構成する歯部と、等速自在継手のセ
レーションを構成する歯部について、それぞれの軸方向
に沿う側面である歯面同士を突き合わす嵌合構造を意味
する。この歯面合わせでは、等速自在継手とハブ輪との
間に径方向すきまが存在するため、径方向のがたつきが
発生する可能性が残存する。
【0016】そこで、抜け止め部では、等速自在継手を
ハブ輪に拡径加締めにより結合させたことから、等速自
在継手とハブ輪の両セレーションにおける径方向のがた
つきを抑制することができる。なお、セレーションに代
えてスプラインを採用することも可能であるため、セレ
ーションというときはセレーションまたはスプラインを
意味するものとする。
【0017】前記構成において、等速自在継手に設けら
れたセレーションは、軸心に対してねじれ角を有するこ
とが望ましい。前記セレーションを構成する歯部を軸心
に対してねじれ角を有すれば、その歯部と、ハブ輪に形
成されたセレーションを構成する歯部との嵌合状態を強
固にすることができ、セレーションにおける周方向のが
たつきをより一層抑制することができる。
【0018】前記構成において、トルク伝達部をハブ輪
と等速自在継手との嵌合部のインボード側に配置し、前
記抜け止め部を嵌合部のアウトボード側に配置すること
が望ましい。このトルク伝達部と抜け止め部を前述のよ
うに配置すれば、等速自在継手の外輪軸部のセレーショ
ン転造の加工性の点で好ましい。
【0019】前記構成において、トルク伝達部における
セレーションPCD寸法を、前記等速自在継手の内輪に
おけるトルク伝達部のセレーションPCD寸法よりも大
きくすることが望ましい。ここで、「セレーションPC
D寸法」とは、トルク伝達部を構成するセレーションの
ピッチ円径を意味する。ハブ輪と等速自在継手間に設け
られたトルク伝達部のセレーションPCD寸法を、等速
自在継手の内輪とシャフト間に設けられたトルク伝達部
のセレーションPCD寸法よりも大きくすれば、ハブ輪
と等速自在継手間に設けられたトルク伝達部のセレーシ
ョン歯数を増大させることができ、その分、セレーショ
ン軸方向長さを短くすることができる。
【0020】前記構成において、抜け止め部は、ハブ輪
または等速自在継手のいずれか一方の嵌合面に形成され
た凹凸を他方の嵌合面に食い込ませることにより形成さ
れ、軸方向に沿う凹凸部分とトルク伝達部のセレーショ
ンを同一の機械加工により同時に形成することが望まし
い。このようにすれば、抜け止め部の軸方向に沿う凹凸
部分とトルク伝達部のセレーションを一度の加工で形成
することができる。
【0021】また、前記構成において、抜け止め部にお
けるハブ輪の嵌合面に形成された凹凸の最小内径寸法
を、トルク伝達部におけるハブ輪の嵌合面に形成された
セレーションの最小内径寸法よりも小さくすることが望
ましい。このようにすれば、拡径加締め後、凹凸の食い
込みを大きく設定することができ、ハブ輪と等速自在継
手との嵌合状態を強固にすることができ、ハブ輪と等速
自在継手のセレーションにおける径方向のがたつきをよ
り一層確実に抑制することができる。
【0022】なお、前記凹凸は、ローレット加工により
形成することが可能であるが、本発明はこれに限定され
ることなく、他の構造であってもよい。
【0023】本発明は、車体取付フランジを外周に有
し、内周に複列のアウタレースを形成した外輪と、一端
に車輪取付フランジを有し、外周に複列のインナレース
のうちの一方のインナレースを直接形成したハブ輪と、
軸部と外周に他方のインナレースとを一体に形成した継
手外輪を有する等速自在継手と、前記外輪の複列のアウ
タレースとハブ輪および等速自在継手のインナレース間
に収容した複列の転動体とを備え、前記軸部にハブ輪を
外嵌して前記ハブ輪と継手外輪とを突き合わせ状態で一
体に固着した構造を具備したタイプの駆動車輪用軸受装
置に適用することが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態における
駆動車輪用軸受装置を示す。なお、図6と同一または相
当部分には同一参照符号を付す。この実施形態の軸受装
置は、ハブ輪1と複列の軸受2と等速自在継手3とをユ
ニット化し、そのハブ輪1の内周に等速自在継手3の継
手外輪4をトルク伝達可能に圧入した構造を具備する。
【0025】軸受2は、複列のアウタレース5,6およ
びインナレース7,8と、アウタレース5,6とインナ
レース7,8間に組み込まれた複列の転動体9,10と
で主要部が構成された複列アンギュラ玉軸受である。こ
の軸受装置では、複列のインナレース7,8のうち、一
方のインナレース7がハブ輪1の外周面に形成され、他
方のインナレース8が継手外輪4の肩部11の外周面に
形成されている。複列のアウタレース5,6は外輪12
の内周面に形成されている。
【0026】ハブ輪1は、車輪を取り付けるための車輪
取付フランジ13を有し、その車輪取付フランジ13の
円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するための
ハブボルト(図示せず)が植設されている。外輪12
は、車体に取り付けるための車体取付フランジ14を有
し、この車体取付フランジ14は車体の懸架装置から延
びるナックル(図示せず)にボルトで固定されている。
このハブ輪1は円筒状をなし、その内周面の一部にはセ
レーション32が形成されている。
【0027】なお、軸受2の両端開口部には、外輪12
とハブ輪1および継手外輪4との環状空間を密封する一
対のシール15,16が外輪12の端部内径に嵌合さ
れ、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部から
の水や異物の侵入を防止するようになっている。
【0028】等速自在継手3は、内周面にトラック溝1
8が形成された継手外輪4と、その継手外輪4のトラッ
ク溝18と対向するトラック溝19が外周面に形成され
た継手内輪20と、継手外輪4のトラック溝18と継手
内輪20のトラック溝19との間に組み込まれたボール
21と、継手外輪4と継手内輪20間に介在してボール
21を支持する保持器22とからなる。継手内輪20の
内周面には、シャフト(図示せず)がトルク伝達可能な
ように嵌合するセレーション17が形成されている。継
手外輪4は、継手内輪20、ボール21および保持器2
2を収容したマウス部23と、そのマウス部23から軸
方向に一体的に延び、外周面にセレーション31が形成
された軸部24とを有する。
【0029】この継手外輪4の軸部24をハブ輪1に圧
入し、軸部24の外周面(嵌合面)およびハブ輪1の内
周面(嵌合面)にそれぞれ設けられたセレーション3
1,32により両者を嵌合させてトルク伝達部33を形
成している。この時、継手外輪4の肩部11の端面28
とハブ輪1のインボード側端面27とを突き合わせるこ
とにより、軸受2の予圧管理が行われている。また、軸
部24の端部外周面を拡径加締めにより外径側に塑性変
形させてハブ輪1の内周面に係合させることにより抜け
止め部34を形成し、この抜け止め部34により継手外
輪4をハブ輪1に固定し、ハブ輪1、軸受2および等速
自在継手3をユニット化している。
【0030】この軸受装置のトルク伝達部33は、図2
に示すように軸部24に形成されたセレーション31の
雄歯(歯部)31aとハブ輪1に形成されたセレーショ
ン32の雌歯(歯部)32aとを歯面合わせにより軸部
24とハブ輪1とを嵌合させている。つまり、ハブ輪1
のセレーション32を構成する雌歯32aと、軸部24
のセレーション31を構成する雄歯31aについて、そ
れぞれの軸方向に沿う側面である歯面31b,32b同
士を突き合わす嵌合構造とする。このように軸部24の
外周面とハブ輪1の内周面がセレーション31,32の
歯面合わせにより嵌合しているので、両セレーション3
1,32における周方向のがたつきを抑制することがで
きる。
【0031】なお、このセレーション嵌合構造におい
て、軸部24に設けられたセレーション31の雄歯31
aの歯面31bを軸方向に対して所定の角度だけ傾斜さ
せて雄歯31aの歯面31bにねじれ角を付けるように
すれば、その雄歯31aと雌歯32aとの周方向のがた
つきをより一層抑制することができる。ここで、セレー
ションのねじれ角を付けるのを軸部24のセレーション
31としたのは、ハブ輪1のセレーション32にねじれ
角を付けることが困難であるのに対して容易であるから
である。
【0032】また、この実施形態では、ハブ輪1の内周
面および軸部24の外周面を焼入れ等の熱処理により硬
化させている。この熱処理による硬化層Xは、図1で示
すように継手外輪4の外周面でシール16が摺接する部
位から、インナレース8、肩部11の端面28を経て軸
部24のセレーション31に達する部位まで形成されて
いる。また、硬化層Yは、ハブ輪1の内周面で継手外輪
4の端面28と突き合わされたインボード側端面27か
ら、セレーション32およびアウトボード側開口端に達
する部位まで形成され、さらに、硬化層Zは、ハブ輪1
の外周面でシール15が摺接する部位からインナレース
7に達する部位まで形成されている。
【0033】このように軸部24とハブ輪1の両セレー
ション31,32からなる嵌合部であるトルク伝達部3
3を熱処理により硬化させれば、仮にハブ輪1と軸部2
4とが極僅か相対的に動いたとして、ハブ輪1のセレー
ション32の雌歯32aと軸部24のセレーション31
の雄歯31aとが擦れても、両セレーション31,32
の擦れ部位が摩耗することを抑制することができる。
【0034】その他の部位、つまり、シール15,16
が摺接する部位、インナレース7,8を熱処理により硬
化させたことにより、それらの部位での摩耗を抑制する
ことができる。また、ハブ輪1と等速自在継手3とを突
き合わせた端面27,28を熱処理により硬化させたこ
とにより、それらの部位の変形を抑制して軸受2の予圧
管理を高精度に維持することができる。
【0035】また、図1に示すようにトルク伝達部33
におけるセレーションPCD寸法mを、前記等速自在継
手3のトルク伝達部である内輪20のセレーションPC
D寸法nよりも大きくする。ハブ輪1と等速自在継手3
間に設けられたトルク伝達部33のセレーションPCD
寸法mを、等速自在継手3の内輪20とシャフト間に設
けられたトルク伝達部のセレーションPCD寸法nより
も大きくすれば、ハブ輪1と等速自在継手3間に設けら
れたトルク伝達部33のセレーション歯数を増大させる
ことができ、その分、セレーション軸方向長さを短くす
ることができる。
【0036】ハブ輪1と軸部24の嵌合部である抜け止
め部34では、等速自在継手3の外周面をハブ輪1の内
周面に拡径加締めにより結合させたので、ハブ輪1と等
速自在継手3の両セレーション31,32における径方
向のがたつきを抑制することができる。この抜け止め部
34は、図3に示すようにハブ輪1の内周面に例えばロ
ーレット加工により凹凸35(以下、ローレット部と称
す)を形成し、軸部24の端部を拡径加締めにより塑性
変形させる。この拡径加締めは、ハブ輪1に継手外輪4
の軸部24をセレーション嵌合させた状態で、図3およ
び図4に示すようにその軸部24の端部内径に加締め用
治具36を挿入することにより、その軸部24の端部の
外周面をハブ輪1の内周面のローレット部35に食い込
ませるようにすればよい。
【0037】なお、ローレット部35は、軸部24の外
周面に形成するようにしてもよい。ハブ輪1の内周面の
ローレット部35は、周方向の旋削と軸方向のブローチ
加工により形成することが可能であるが、その場合、抜
け止め部34のローレット部35の軸方向に沿う凹凸部
分とトルク伝達部33のハブ輪1のセレーション32と
のブローチ加工諸元を同一にし、ローレット部35とセ
レーション32におけるブローチ加工を一度に成形する
ことも可能であり、このようにすれば、加工工数の低減
化が図れる。
【0038】この軸受装置では、トルク伝達部33をハ
ブ輪1と等速自在継手3との嵌合部のインボード側に配
置し、抜け止め部34を嵌合部のアウトボード側に配置
している。このトルク伝達部33と抜け止め部34を前
述のように配置すれば、等速自在継手3の軸部24のセ
レーション31の転造加工性の点で好ましい。また、抜
け止め部34におけるハブ輪1のローレット部35の最
小内径寸法a〔図5(a)参照〕を、トルク伝達部33
におけるハブ輪1のセレーション32の最小内径寸法b
〔図5(b)参照〕よりも小さくする。このようにすれ
ば、拡径加締め後、ローレット部35の食い込みを大き
く設定することができ、軸部24とハブ輪1のセレーシ
ョン31,32における径方向のがたつきをより一層確
実に抑制することができる。
【0039】以上の実施形態では、複列のインナレース
7,8のうち、一方のインナレース7をハブ輪1の外周
面に形成し、他方のインナレース8を等速自在継手3の
継手外輪4の外周面に直接形成したタイプの軸受装置に
ついて説明したが、本発明はこれに限定されることな
く、例えば、複列のインナレース7,8のうち、一方の
インナレース7をハブ輪1の外周面に形成し、他方のイ
ンナレース8をハブ輪1のインボード側端部に外嵌した
別体の内輪の外周面に形成した構造を具備するタイプの
軸受装置にも適用可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る駆動車輪用軸受装置によれ
ば、ハブ輪および等速自在継手を熱処理により硬化させ
たので、ハブ輪と等速自在継手との嵌合部、つまり、ハ
ブ輪の内周面に形成されたセレーションと等速自在継手
の外周面に形成されたセレーションとが擦れても、両セ
レーションの擦れ部位が摩耗することを抑制することが
できる。また、トルク伝達部では、ハブ輪と等速自在継
手がセレーションの歯面合わせにより嵌合しているの
で、両セレーションにおける周方向のがたつきを抑制す
ることができる。さらに、抜け止め部では、等速自在継
手をハブ輪に拡径加締めにより結合させたので、等速自
在継手とハブ輪の両セレーションにおける径方向のがた
つきを抑制することができる。このように本発明によれ
ば、セレーションにおける周方向および径方向のがたつ
きを抑制することができることから、軸受装置の剛性を
向上させることができ、セレーションの軸方向長さも短
くすることができるので、軸受装置の軽量コンパクト化
も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動車輪用軸受装置の実施形態を
示す断面図である。
【図2】図1の軸受装置におけるハブ輪と等速自在継手
の嵌合部で、トルク伝達部のセレーションの歯部を示す
拡大断面図である。
【図3】図1の軸受装置で、抜け止め部の拡径加締め前
の状態を示す断面図である。
【図4】図1の軸受装置で、拡径加締め前の抜け止め部
に治具を挿入した状態を示す断面図である。
【図5】(a)は抜け止め部におけるハブ輪のローレッ
ト部の最小内径寸法を示す要部拡大断面図である。
(b)はトルク伝達部におけるハブ輪のセレーションの
最小内径寸法を示す要部拡大断面図である。
【図6】駆動車輪用軸受装置の従来例を示す断面図であ
る。
【図7】図6の軸受装置におけるハブ輪と等速自在継手
に設けられたセレーションの歯部を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ハブ輪 2 軸受 3 等速自在継手 4 継手外輪 5,6 アウタレース 7,8 インナレース 9,10 転動体 12 外輪 13 車輪取付フランジ 14 車体取付フランジ 24 軸部 31,32 セレーション 33 トルク伝達部 34 抜け止め部 35 凹凸(ローレット部) a,b 最小内径寸法 m,n セレーションPCD寸法 X,Y,Z 硬化層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハブ輪、複列の軸受および等速自在継手
    をユニット化し、前記ハブ輪と等速自在継手とをセレー
    ションを介して嵌合させた駆動車輪用軸受装置におい
    て、前記ハブ輪と等速自在継手との嵌合部は、ハブ輪お
    よび等速自在継手のそれぞれの嵌合面を熱処理により硬
    化させると共に、そのハブ輪と等速自在継手を前記セレ
    ーションの歯面合わせにより嵌合させたトルク伝達部
    と、等速自在継手をハブ輪に拡径加締めにより結合させ
    た抜け止め部とで構成したことを特徴とする駆動車輪用
    軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記等速自在継手に設けられたセレーシ
    ョンは、軸心に対してねじれ角を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の駆動車輪用軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記トルク伝達部をハブ輪と等速自在継
    手との嵌合部のインボード側に配置し、前記抜け止め部
    を嵌合部のアウトボード側に配置したことを特徴とする
    請求項1又は2に記載の駆動車輪用軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記トルク伝達部におけるセレーション
    PCD寸法を、前記等速自在継手の内輪におけるトルク
    伝達部のセレーションPCD寸法よりも大きくしたこと
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動車
    輪用軸受装置。
  5. 【請求項5】 前記抜け止め部は、ハブ輪または等速自
    在継手のいずれか一方の嵌合面に形成された凹凸を他方
    の嵌合面に食い込ませることにより形成され、軸方向に
    沿う凹凸部分とトルク伝達部のセレーションを同一の機
    械加工により同時に形成したことを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
  6. 【請求項6】 前記抜け止め部におけるハブ輪の嵌合面
    に形成された凹凸の最小内径寸法を、トルク伝達部にお
    けるハブ輪の嵌合面に形成されたセレーションの最小内
    径寸法よりも小さくしたことを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
  7. 【請求項7】 前記凹凸は、ローレット加工により形成
    されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の駆
    動車輪用軸受装置。
  8. 【請求項8】 車体取付フランジを外周に有し、内周に
    複列のアウタレースを形成した外輪と、一端に車輪取付
    フランジを有し、外周に複列のインナレースのうちの一
    方のインナレースを直接形成したハブ輪と、軸部と外周
    に他方のインナレースとを一体に形成した継手外輪を有
    する等速自在継手と、前記外輪の複列のアウタレースと
    ハブ輪および等速自在継手のインナレース間に収容した
    複列の転動体とを備え、前記軸部にハブ輪を外嵌して前
    記ハブ輪と継手外輪とを突き合わせ状態で一体に固着し
    たことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の
    駆動車輪用軸受装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007030690A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Ntn Corp 駆動車輪用軸受装置およびこれを備えたアクスルモジュール
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