JP2003334239A - 揮散性薬剤徐放装置 - Google Patents

揮散性薬剤徐放装置

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JP2003334239A
JP2003334239A JP2002144243A JP2002144243A JP2003334239A JP 2003334239 A JP2003334239 A JP 2003334239A JP 2002144243 A JP2002144243 A JP 2002144243A JP 2002144243 A JP2002144243 A JP 2002144243A JP 2003334239 A JP2003334239 A JP 2003334239A
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浩直 沼本
Narihiro Sato
成広 佐藤
Shiho Furuya
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の温度以上では強制的に薬剤の放出を抑
制することで不必要な薬剤放出防止し、利用者が安心し
て使用できる揮散性薬剤徐放装置を提供するものであ
る。 【解決手段】 揮散性薬剤を内部に充填した容器と、前
記容器に開口部を配し、前記開口部の外表面に可動式シ
ャッター機構が配設され、前記可動式シャッター機構が
少なくとも形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネと、
線バネあるいは板バネと、可動シャッター部で構成され
る揮散性薬剤徐放装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮散性薬剤を温度
あるいは湿度変化によって徐放させる揮散性薬剤徐放装
置に関するものであり、温度変動あるいは湿度変動に伴
って、揮散性薬剤を徐放させるとともに必要以上の薬剤
放出を防止したいような分野には広く適用できる。たと
えば防カビ、抗菌性を有する薬剤を必要量放出してカ
ビ、菌が繁殖することを防止したい空気調和装置のよう
な分野には広く適用可能である。
【0002】
【従来の技術】充填された揮散性薬剤のものを長期間に
わたって徐放させるための技術は種々雑多と提案されて
いる。一般的には多孔性の材料物質中に含浸させて毛細
管現象によって徐々に揮散させる方法である。その多孔
性物質とはゼオライト、シルカゲルのような無機化合物
であったり、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロー
スの発泡体あるいは繊維束であったりしていた。さらに
シクロデキストリンと呼ばれる有機物の小さな孔に包接
させて徐放させるような方法も特開平5−176733
号、特開平6−40890号公報に提案されている。ま
たマイクロカプセル化して徐放性を具現化する方法も特
開平6−9377号、特開平6−65064号、特開平
7−89848号、特開平9−911号、特開平9−1
2447号、特開平9−57091号公報等で提案され
ている。
【0003】また我々は薬剤を容器内部へ充填したもの
を透過量制御膜あるいは湿度感受性膜で徐放させる揮散
性薬剤徐放部材を提案してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では外部環境からの影響を受けて、揮散性薬剤
徐放部材が過度な温度上昇した時に透過量制御膜だけで
は揮散性薬剤の放出量を抑えることができなかった。そ
のため不必要な薬剤放出となったり、薬剤の放出量過多
によって利用者に不快感を与える結果となっていた。
【0005】本発明は、このような従来の課題に対し
て、所定の温度以上では強制的に薬剤の放出を抑制する
ことで不必要な薬剤放出を防止し、利用者が安心して使
用できる揮散性薬剤徐放装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に対して、揮散
性薬剤を内部に充填した容器と、前記容器に開口部を配
し、前記開口部の外表面に可動式シャッター機構が配設
され、前記可動式シャッター機構が少なくとも形状記憶
線バネあるいは形状記憶板バネと、線バネあるいは板バ
ネと、可動シャッター部とで構成される揮散性薬剤徐放
装置である。
【0007】上記構成により、所定の温度以下では線バ
ネあるいは板バネのバネ力が形状記憶線バネあるいは形
状記憶板バネのバネ力より勝り、所定の温度以上では形
状記憶線バネ力あるいは形状記憶板バネのバネ力が線バ
ネあるいは板バネのバネ力より勝るように構成すること
で、形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネと、線バネ
あるいは板バネと、可動シャッター部とで構成される可
動式シャッター機構とすることが可能となる。その結果
内部に防カビ性、芳香性等を有する揮散性薬剤を充填し
た容器から薬剤の必要な時に必要量を徐放させる有効な
活用が図れ、薬剤の長寿命化に貢献できる。また不必要
な薬剤放出によって利用者へ不快感を与えるようなこと
もない。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、揮散性薬
剤を内部に充填した容器と、前記容器に開口部を設け、
前記開口部に可動式シャッター機構が配設され、前記可
動式シャッター機構が少なくとも形状記憶線バネあるい
は形状記憶板バネと、線バネあるいは板バネと、可動シ
ャッター部とで構成される揮散性薬剤徐放装置である。
【0009】請求項2記載の発明は、揮散性薬剤を内部
に充填した容器と、前記容器に前記薬剤の透過量を制御
する透過量制御膜を配した開口部を設け、前記透過量制
御膜の外表面に可動式シャッター機構が配設され、前記
可動式シャッター機構が少なくとも形状記憶線バネある
いは形状記憶板バネと、線バネあるいは板バネと、可動
シャッター部とで構成される揮散性薬剤徐放装置であ
る。
【0010】請求項3記載の発明は、少なくとも形状記
憶線バネあるいは形状記憶板バネと、線バネあるいは板
バネと、可動シャッター部とで構成される前記可動式シ
ャッター機構は、所定の温度以下では可動シャッター部
を開状態として前記揮散性薬剤を徐放するとともに、所
定の温度以上では、前記可動シャッター部を閉状態とし
て前記揮散性薬剤の放出を抑制する揮散性薬剤徐放装置
である。
【0011】請求項4記載の発明は、可動式シャッター
機構は、開口部面あるいは前記透過量制御膜面と平行関
係に固定支持軸と可動支持軸が配設され、前記可動支持
軸に可動シャッター部が固定支持され、前記可動支持軸
が前記固定支持軸の内側に位置し、形状記憶線バネある
いは形状記憶板バネは固定支持軸の下方、可動支持軸の
上方となるように配置され、線バネあるいは板バネは固
定支持軸の上方、可動支持軸の下方となるようにとが配
置され、所定の温度以上では前記線バネあるいは板バネ
と前記形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネの作用に
よって前記可動シャッター部が上から下方向へ動作する
ことで、開から閉状態となる機構である揮散性薬剤徐放
装置である。
【0012】請求項5記載の発明は、可動式シャッター
機構は、開口部面あるいは透過量制御膜面と平行関係に
固定支持軸と可動支持軸が配設され、前記可動支持軸に
可動シャッター部が固定支持され、前記可動支持軸が前
記固定支持軸の内側に位置し、形状記憶線バネは固定支
持軸の上方、可動支持軸の下方となるように配置され、
線バネあるいは板バネは固定支持軸の下方、可動支持軸
の上方となるようにとが配置され、所定の温度以上では
前記線バネあるいは板バネと前記形状記憶線バネあるい
は形状記憶板バネの作用によって前記可動シャッター部
が下から上方向へ動作することで、開から閉状態となる
機構である揮散性薬剤徐放装置である。
【0013】請求項6記載の発明は、可動式シャッター
機構は、開口部面あるいは透過量制御膜面と垂直関係に
固定支持軸と可動支持軸が配設され、前記可動支持軸は
連結軸を介して可動シャッター部に固定支持され、前記
可動支持軸が前記固定支持軸の内側に位置し、形状記憶
線バネあるいは形状記憶板バネは固定支持軸の右側、可
動支持軸の左側となるように配置され、線バネあるいは
板バネは固定支持軸の左側、可動支持軸の右側となるよ
うに配置される、または形状記憶線バネあるいは形状記
憶板バネは固定支持軸の左側、可動支持軸の右側となる
ように配置され、線バネあるいは板バネは固定支持軸の
右側、可動支持軸の左側となるようにとが配置され、所
定の温度以上では前記線バネあるいは板バネと前記形状
記憶線バネあるいは形状記憶板バネの作用によって前記
可動シャッター部が右から左方向へ、あるいは左から右
方向へ動作することで、開から閉状態となる機構である
揮散性薬剤徐放装置である。
【0014】請求項7記載の発明は、可動シャッター部
と開口部との間、あるいは可動シャッター部と透過量制
御膜との間に固定シャッター部が配設され、前記固定シ
ャッター部と前記可動シャッター部には共に複数の開口
窓が配設され、前記可動シャッター部の開口窓部分が上
下方向あるいは左右方向へ動作することによって開閉状
態となる揮散性薬剤徐放装置である。
【0015】請求項8記載の発明は、可動支持軸が、線
バネあるいは板バネと形状記憶線バネあるいは形状記憶
板バネとに接する部分に凹部が設けられている揮散性薬
剤徐放装置である。
【0016】請求項9記載の発明は、可動シャッター部
の端部に支持部が配設され、形状記憶線バネあるいは形
状記憶板バネと線バネあるいは板バネの作用によって前
記可動シャッター部が動作する時の移動距離を規制する
構成である揮散性薬剤徐放装置である。
【0017】請求項10記載の発明は、可動シャッター
部に開口窓が等間隔で設けられ、前記開口窓の間隔巾が
前記固定シャッター部に設けられた開口窓よりも大きい
揮散性薬剤徐放装置である。
【0018】請求項11記載の発明は、可動シャッター
部と固定シャッター部の間にはガスシール部材が配設さ
れている揮散性薬剤徐放装置である。
【0019】請求項12記載の発明は、ガスシール部材
がポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチ
レンテレフタレートである揮散性薬剤徐放装置である。
【0020】請求項13記載の発明は、ガスシール部材
が独立気泡を有するポリエチレン、ポリプロピレンであ
る揮散性薬剤徐放装置である。
【0021】請求項14記載の発明は、透過量制御膜が
湿度感受性膜である揮散性薬剤徐放装置である。
【0022】請求項15記載の発明は、薬剤がアリルイ
ソチオシアネート、ティーツリー油、ユーカリ油である
揮散性薬剤徐放装置である。
【0023】請求項16記載の発明は、湿度感受性膜が
ビスコース加工紙を含んでなるラミネート構造である揮
散性薬剤徐放装置である。
【0024】請求項17記載の発明は、形状記憶線バネ
あるいは板バネのバネ特性が母相とR相との繰り返し変
態によって制御される揮散性薬剤徐放装置である。
【0025】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。
【0026】(実施例1)図1は本実施例を示す揮散性
薬剤徐放装置の上面外観図である。図2は揮散性薬剤徐
放装置A−A´ラインに対する側面断面構成図であり、
図3は揮散性薬剤徐放装置B−B´ラインに対する側面
断面構成図を示し、これらは薬剤の徐放状態を表してい
る。図4は揮散性薬剤徐放装置A−A´ラインに対する
側面断面構成図であり、図5は揮散性薬剤徐放装置B−
B´ラインに対する側面断面構成図を示し、これらは薬
剤の放出抑制状態を表している。1は薬剤となるアリル
イソチオシアネートを吸収して膨潤したポリウレタン連
続多孔質体である。具体的には50×30×6mmのポリ
ウレタン連続多孔質体、かさ密度0.35g/ml、平均
気孔径30μm、気孔率70%にアリルイソチオシアネ
ート30gを吸収させて約70×42×8.4mmに膨潤
した。2はポリウレタン連続多孔質体1の外装となるラ
ミネートフィルムのピロー包装体であり、ポリエチレン
テレフタレート12μmとポリエチレン 70μmとのラ
ミネートフィルムに対してポリエチレン側をヒートシー
ル巾5mmにてピロー包装化したものであり、一次制御膜
となる。3はそれを充填するための半透明なポリプロピ
レン、厚み2mmからなる内側本体容器であり、射出成形
にて加工した。容器の内寸法は71×43×15mmであ
る。4は内側本体容器3に対する内蓋であり、これも半
透明なポリプロピレン、厚み2mmからなり、内蓋4中央
部には大きな窓があり、その大きな窓に対して十文字に
リブ5が形成され、内蓋4の表面側中央部には65×3
7mmの湿度感受性膜6が配置され、リブ5によってポリ
ウレタン連続多孔質体1を内側本体容器3の底面部に位
置固定するとともに湿度感受性膜6に対する補強の役目
を果たしている。湿度感受性膜6はビスコース加工紙を
ポリエチレン/延伸ポリプロピレン/ポリエチレンにラ
ミネートしたものである。具体的にはポリエチレン 4
0μm/延伸ポリプロピレン 60μm/ポリエチレン
40μm上にレーヨン/パルプ不織布を介してビスコー
ス膜を10g/m2の塗布量で形成させたものを使用
し、湿度感受性膜6の外周部は内蓋4にポリエチレン側
をヒートシールで溶着接合されている。ヒートシール巾
は5mmである。本体容器3と内蓋4とは超音波接合によ
って接合されている。7はピロー包装体2と内側本体容
器3と内蓋4とで形成される空間部であり、その空間容
積は約21mlである。8は固定シャッター部となる厚み
3mmのポリエチレンテレフタレート板であり、開口窓8
aが等間隔で配設され、湿度感受性膜6の上面部へ接着
固定されている。また固定シャッター部8上の開口窓8
a周囲にはガスシール部材9として独立気泡を有するポ
リプロピレン製パッキン巾1mm、厚み0.5mmが配設さ
れている。10は内側本体容器が収納される外側本体容
器であり、半透明なポリプロピレン、厚み2mmからな
り、射出成形にて加工した。容器の内寸法は76×48
×27mmである。11は外側本体容器10に対する外蓋
であり、これも半透明なポリプロピレン、厚み2mmから
なり、外蓋11中央部には67×39mmの開口部11a
が配置されている。外蓋11と内蓋4との間に当たる外
側本体容器10の内壁面上部に固定支持軸12が2本配
設され、可動支持軸13は線バネ14と形状記憶線バネ
15とで挟持される構成となっている。図6に可動シャ
ッター部、可動支持軸、固定支持軸、線バネと形状記憶
線バネとの構成を示すための上面外観図を表した。また
図7には可動シャッター機構をわかりやすく説明するた
めの斜視図を示した。線バネ14はφ1mmのSUS製で
あり、形状記憶線バネ15はφ1mmのNi−Ti合金製
である。線バネ14と形状記憶線バネ15が対となって
左右2箇所に配置されている。具体的には、線バネ14
は固定支持軸12の上部、可動支持軸13の下部となる
ように配置され、形状記憶線バネ15は固定支持軸12
の下部、可動支持軸13の上部となるように配置されて
いる。また固定支持軸12と可動支持軸13の線バネ1
4あるいは形状記憶線バネ15と接する部分には溝13
aが設けられ、線バネ14あるいは形状記憶線バネ15
が左右方向へ位置が移動しないようになっている。図8
に可動支持軸における要部拡大断面図を示した。可動支
持軸13の各側に角溝13aが設けられ、その角溝13
aへ線バネ14あるいは形状記憶線バネ15が半ば埋設
された構造となっている。2本の可動支持軸13は可動
シャッター部16と連結されている。可動シャッター部
16は厚み1mm、67×34mmのアルミニウム板で構成
され、可動シャッター部16には開口窓16aが等間隔
で配設されている。形状記憶線バネ15の加熱時の変態
終了温度は45℃であり、冷却時の変態終了温度は30
℃である。
【0027】揮散性薬剤徐放装置の徐放機構について説
明する。まず30℃以下では線バネ14のバネ力が形状
記憶線バネ15よりも勝っているため可動シャッター部
16となるアルミニウム板は図2、3で示すように固定
シャッター部8となるアルミニウム板から上方向に離れ
た場所に位置し、可動シャッター機構の構成では図7の
a状態となる。そのため可動シャッター部16は内側本
体容器3からのアリルイソチオシアネート放出を妨げな
い。ポリウレタン連続多孔質体1から揮散したアリルイ
ソチオシアネート蒸気は空間部7で飽和蒸気圧濃度まで
に達せられる。たとえば25℃においてアリルイソチオ
シアネートの蒸気圧は約5mmHgであるため、空間部7に
おける飽和蒸気濃度は最大約6600ppmとなる。湿度
感受性膜6によって低湿度の場合にはアリルイソチオシ
アネートの外部への蒸気放出がある程度抑制されるた
め、空間部7は飽和蒸気圧濃度に近い状態のままでずっ
と維持される。しかし湿度感受性膜6が十分に潤うとア
リルイソチオシアネート蒸気が湿度感受性膜6を透過す
る。湿度感受性膜6は湿度変化によって膜組織が膨潤
し、緩んだ構造となり、アリルイソチオシアネート分子
が透過して外部へと放出されやすくなる。その後固定シ
ャッター部8の開口窓8a、可動シャッター部16の開
口窓16aを経て、外蓋11の開口部11aから外部へ
放出される。
【0028】しかし、40℃過ぎ付近から形状記憶線バ
ネ15のマルテンサイト相から母相への変態が始まり4
5℃では変態が終了して今度が形状記憶線バネ15のバ
ネ力が線バネ14よりも勝るようになる。その結果可動
シャッター部17となるアルミニウム板は図4、5で示
すように形状記憶バネ15のバネ力で下方向へ押しつけ
られ可動シャッター部16と固定シャッター部8とがガ
スシール部材9を介して密着した状態となり、可動シャ
ッター機構の構成では図7のb状態となる。開口窓8a
と開口窓16aとは上下に互いオーバーラップしない構
造とすることで内側本体容器3内部からアリルイソチオ
シアネート放出は完全に抑制される。また外部環境温度
が徐々に低下してき、35℃過ぎ付近から形状記憶線バ
ネ15の母相からマルテンサイト相への変態が始まり3
0℃では変態が終了して再度が線バネ14のバネ力が形
状記憶線バネ15よりも勝るようになるため可動シャッ
ター部16が上方向へ移動して内側本体容器3からのア
リルイソチオシアネートが徐放される。このように可動
シャッター部16は温度ヒステリシスを有しながら上下
方向へ動作する。図9に本実施例で使用した形状記憶線
バネの定荷重試験による温度−ひずみ曲線を示した。形
状記憶線バネは一般に温度の昇降に対して温度ヒステリ
シスを有しているので、それによって目的とする薬剤徐
放機能が低下しないように考慮して設計する必要があっ
た。
【0029】このような構成によって、25℃、相対湿
度95%(以下RHと記す)条件にて湿度感受性膜から
薬剤を30mg/日レベルで継続して放出させる湿度対応
可能な徐放特性を有するとともに、45℃以上ではアリ
ルイソチオシアネートの放出を完全に抑制し、30℃以
下では再度アリルイソチオシアネートの放出が可能な温
度応答機能も有した揮散性薬剤徐放装置を提供できた。
【0030】本実施例で得られた揮散性薬剤徐放装置を
自動車用カーエアコンの防カビ装置として使用した。図
10にカーエアコンの送風回路の概略図を示した。外気
あるいは自動車内気はブロワーファン17によってエバ
ポレータ18へと送風される。エバポレータ18の上流
側に集塵フィルター19と揮散性薬剤徐放装置20とが
配置され、定期的に交換が可能な構成となっている。エ
バポレート18の下流にヒータコア21、エアミックス
ドア22が配置され、エアミックスドア22によってエ
バポレート18の冷気とヒータコア21の暖気との混合
割合を変化させた後、センターレジスター、サイドレジ
スター、リアヒーターダクト、フロントデフロスター、
サイドデフロスター等から冷風あるいは暖風が吹き出さ
れる。冷房時にはエバポレート18が結露水を保持した
状態で運転を停止することになる。結露水は再蒸発する
ことによって送風回路内部の湿度を上昇させるためにカ
ビが発生しやすい雰囲気となる。この時揮散性薬剤徐放
装置によって湿度感受性膜6から低濃度のアリルイソチ
オシアネートを徐放することで防カビ性能を発揮でき
た。具体的には0.3〜1ppm程度のアリルイソチオシ
アネートを滞留させることによってCladospor
ium、Alternaria、Aspergillu
s、Penicillium、Rhizopusと言っ
た一般的なカビには十分な防カビ効果を有していた。
【0031】また、夏場の炎天下に放置された自動車の
場合、室内温度は60℃程度まで上昇する。このような
場合にも利用者に不快感を感じさせない薬剤の放出制御
が必要となる。カビは一般的には40℃以上では成長し
ないので、これ以上の温度域での薬剤の放出はムダであ
る。しかし、本実施例の形状記憶線バネは約15℃の温
度ヒステリシスを有するので、温度上昇に伴う変態終了
温度を45℃とし、温度降下に伴う変態終了温度を30
℃とした。利用者が自動車を運転して冷房運転させる場
合には30℃以下には必ずなると想定されるので温度降
下に伴う変態終了温度30℃を自動車用カーエアコン用
途への揮散性薬剤徐放装置設計基準とした。その結果フ
ィールドテストにおいて定期的に吸込み経路から栄養分
を与えた場合にも十分な防カビ効果が確認できた。
【0032】(実施例2)図11は本実施例を示す揮散
性薬剤徐放装置の上面外観図であり、図12は揮散性薬
剤徐放装置C−C´ラインの側面断面構成図であり、図
13は揮散性薬剤徐放装置D−D´ラインに対する側面
断面構成図を示し、これらは薬剤の徐放状態を表してい
る。図14は揮散性薬剤徐放装置C−C´ラインの側面
断面構成図であり、図15は揮散性薬剤徐放装置D−D
´ラインに対する側面断面構成図を示し、これらは薬剤
の放出抑制状態を表している。23は揮散性薬剤となる
アリルイソチオシアネートをセルロースエチルエーテル
にて固形化したタブレットである。具体的には型容器に
セルロースエチルエーテルの粉末(日新化成;エトセル
STD−100、重量平均分子量18万)15gを入れ
た後、エタノール30gを添加し、2時間放置した後、
さらにアリルイソチオシアネート30gを加えて室温状
態で真空乾燥することによって、エタノールが蒸発して
アリルイソチオシアネートはセルロースエチルエーテル
でタブレット化された。24はアリルイソチオシアネー
トの透過制御膜となるラミネートフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレート12μmとポリエチレン70μmのピロ
ー包装体である。25はそれを充填するための半透明な
ポリプロピレン、厚み2mmからなる内側本体容器であ
り、容器の内寸法は71×43×15mmである。26は
内側本体容器25に対する内蓋であり、これも半透明な
ポリプロピレン、厚み2mmからなり、内蓋26の中央部
には大きな窓があり、その大きな窓に対して十文字にリ
ブ27が形成され、内蓋26の表面側中央部には65×
37mmの湿度感受性膜28が配置され、実施例1と同じ
ものを使用した。29はピロー包装体24と内側本体容
器25と内蓋26とで形成される空間部である。30は
内側本体容器が収納される外側本体容器であり、半透明
なポリプロピレン、厚み2mmからなり、射出成形にて加
工した。容器の内寸法は76×48×27mmである。3
1は外側本体容器30に対する外蓋であり、これが固定
シャッター部となる。半透明なポリプロピレン、厚み2
mmからなり、外蓋31には開口窓31aが等間隔で配設
されている。また固定シャッター部となる外蓋31下面
の開口窓31a周囲にはガスシール部材32として独立
気泡を有するポリエチレン製パッキン巾1mm、厚み0.
5mmが配設されている。外蓋31と内蓋26との間に当
たる外側本体容器30の内壁面上部に固定支持軸33が
2本配設され、可動支持軸34は線バネ35と形状記憶
線バネ36とで挟持される構成となっている。図16に
可動シャッター部、可動支持軸、固定支持軸、線バネと
形状記憶線バネとの構成を示すための上面外観図を表し
た。また図17には可動シャッター機構をわかりやすく
説明するための斜視図を示した。線バネ35はφ1mmの
SUS製であり、形状記憶線バネ36はφ1mmのNi−
Ti合金製である。線バネ35と形状記憶線バネ36が
対となって左右2箇所に配置されている。具体的には、
線バネ35は固定支持軸33の下部、可動支持軸34の
上部となるように配置され、形状記憶線バネ36は固定
支持軸33の上部、可動支持軸34の下部となるように
配置されている。また固定支持軸33と可動支持軸34
の線バネ35あるいは形状記憶線バネ36と接する部分
には溝34aが設けられ、線バネ35あるいは形状記憶
線バネ36が左右方向へ位置が移動しないようになって
いる。溝34aの構造は実施例1と同様である。2本の
可動支持軸34が可動シャッター部37と連結されてい
る。可動シャッター部37は厚み4mm、67×34mmの
ポリエチレンテレフタレート板で構成され、可動シャッ
ター部37には開口窓37aが等間隔で配設されてい
る。形状記憶線バネ36の加熱時の変態終了温度は45
℃であり、冷却時の変態終了温度は30℃である。
【0033】揮散性薬剤徐放装置の徐放機構について説
明する。まず30℃以下では線バネ35のバネ力が形状
記憶線バネ36よりも勝っているため可動シャッター部
37となるポリプロピレン板は図12、13で示すよう
に固定シャッター部となる外蓋31から下方向に約2mm
離れた場所に位置し、可動シャッター機構の構成では図
17のc状態となる。そのため可動シャッター部37は
内側本体容器25からのアリルイソチオシアネート放出
を妨げない。タブレット23から揮散したアリルイソチ
オシアネート蒸気は透過制御膜24と湿度感受性膜28
で透過量を規制されながら一定量を徐放させることがで
きた。
【0034】しかし、40℃過ぎ付近から形状記憶線バ
ネ36の変態が始まり45℃では変態が終了して今度が
形状記憶線バネ36のバネ力が線バネ35よりも勝るよ
うになる。その結果可動シャッター部37となるポリプ
ロピレン板は図14、15で示すように形状記憶線バネ
36のバネ力で上方向へ押しつけられ可動シャッター部
37と固定シャッター部となる外蓋31とがガスシール
部材32を介して密着した状態となり、可動シャッター
機構の構成では図17のd状態となる。開口窓31aと
開口窓37aとは上下に互いオーバーラップしない構造
とすることで内側本体容器内部25からアリルイソチオ
シアネート放出は完全に抑制される。
【0035】また外部環境温度が徐々に低下してき、3
5℃過ぎ付近から形状記憶線バネ36の変態が始まり3
0℃では変態が終了して再度が線バネ35のバネ力が形
状記憶線バネ36よりも勝るようになるため可動シャッ
ター部37が下方向へ移動して内側本体容器25からの
アリルイソチオシアネートが徐放される。このように可
動シャッター部37は温度ヒステリシスを有しながら上
下方向へ動作する。
【0036】このような構成によって、25℃、相対湿
度95%(以下RHと記す)条件にて湿度感受性膜から
薬剤を30mg/日レベルで継続して放出させる湿度対応
可能な徐放性を有するとともに、45℃以上ではアリル
イソチオシアネートの放出を完全に抑制し、30℃以下
では再度アリルイソチオシアネートの放出が可能な温度
応答性も有した揮散性薬剤徐放装置を提供できた。
【0037】(実施例3)図18は本実施例を示す揮散
性薬剤徐放装置の上面外観図であり、図19は揮散性薬
剤徐放装置E−E´ラインの側面断面構成図であり、図
20は揮散性薬剤徐放装置F−F´ラインの側面断面構
成図であり、薬剤の徐放状態を表している。また図21
は本実施例を示す揮散性薬剤徐放装置の上面外観図であ
り、図22は揮散性薬剤徐放装置E−E´ラインの側面
断面構成図であり、図22は揮散性薬剤徐放装置F−F
´ラインの側面断面構成図であり、薬剤の放出抑制状態
を表している。38は薬剤となるアリルイソチオシアネ
ートを吸収して膨潤したポリウレタン連続多孔質体であ
り、実施例1と同じものを使用した。39はポリウレタ
ン連続多孔質体38の外装となるラミネートフィルムの
ピロー包装体であり、実施例1と同じものを使用した。
40はそれを充填するための半透明なポリプロピレン、
厚み2mmからなる内側本体容器であり、射出成形にて加
工した。容器の内寸法は71×43×15mmである。4
1は内側本体容器40に対する内蓋であり、これも半透
明なポリプロピレン、厚み2mmからなり、内蓋41中央
部には大きな窓があり、その大きな窓に対して十文字に
リブ42が形成され、内蓋41の表面側中央部には65
×37mmの透過制御膜43が配置され、リブ42によっ
てポリウレタン連続多孔質体38を内側本体容器40の
底面部に位置固定するとともに透過制御膜43に対する
補強の役目を果たしている。透過制御膜43はポリエチ
レン40μm /ナイロン6 15μm /ポリエチレン 4
0μm のラミネートフィルムである。透過制御膜43の
外周部は内蓋41にポリエチレン側をヒートシールで溶
着接合されている。ヒートシール巾は5mmである。本体
容器40と内蓋41とは超音波接合によって接合されて
いる。44はピロー包装体39と内側本体容器40と内
蓋41とで形成される空間部である。45は固定シャッ
ター部となる厚み4mmのポリエチレンテレフタレート板
であり、開口窓45aが等間隔で配設され、透過制御膜
43の上面へ接着されている。また固定シャッター部4
5上の開口窓45a周囲にはガスシール部材46として
超高分子量ポリエチレン製パッキン巾1mm、厚み0.5
mmで配設されている。47は内側本体容器が収納される
外側本体容器であり、半透明なポリプロピレン、厚み2
mmからなり、射出成形にて加工した。容器の内寸法は9
3×48×25mmである。内側本体容器40は外側本体
容器47の底面部で接着固定されている。48は外側本
体容器47に対する外蓋であり、これも半透明なポリプ
ロピレン、厚み2mmからなり、外蓋48中央部には67
×39mmの開口部48aが配置されている。49は可動
シャッター部となるアルミニウム板、厚さ0.4mmであ
る。また可動シャッター部49の左端には可動シャッタ
ー部の左右方向への動きを誘導するとともに移動量を規
制できる支持部50が配置されている。具体的には47
×6mm厚さ2mmのポリエチレンテレフタレート板であ
る。右端には連結軸51を介して可動支持軸52に接合
された支持部53と連結されている。支持部53も47
×6mm厚さ2mmのポリエチレンテレフタレート板であ
る。可動支持軸52は固定支持軸54の内側へ配置さ
れ、固定支持軸54は外蓋48と垂直方向に接着固定さ
れている。線バネ55は固定支持軸54の右側に位置
し、可動支持軸52の左側に位置している。また形状記
憶線バネ56は固定支持軸54の左側に位置し、可動支
持軸52の右側に位置している。形状記憶線バネ44の
加熱時の変態終了温度は45℃であり、冷却時の変態終
了温度は30℃である。
【0038】揮散性薬剤徐放装置の徐放機構について説
明する。まず30℃以下では線バネ55のバネ力が形状
記憶線バネ56よりも勝っているため可動シャッター部
49となるアルミニウム板は図18、図20で示すよう
に右側に位置している。線バネ55と形状記憶線バネ5
6の作用によって可動支持軸52が右側に位置し、可動
支持軸52に接合された支持部53から連結軸51を介
して可動シャッター部49を右側へと引っ張ることにな
る。この時線バネ55のバネ力によって可動シャッター
部49が引っ張られる時、支持部50が固定シャッター
部45の側壁面に衝突して停止することで可動シャッタ
ー部49の位置が規制されている。この時固定シャッタ
ー部45に配設された開口窓45aと可動シャッター部
49に配設された開口窓49aとは上下に重なり合った
場所に位置している。その結果内側本体容器40からの
アリルイソチオシアネート放出を妨げない。ポリウレタ
ン連続多孔質体38から揮散したアリルイソチオシアネ
ート蒸気は透過制御膜39と透過制御膜43で透過量を
規制されながら一定量を徐放させることができた。
【0039】しかし、40℃過ぎ付近から形状記憶線バ
ネ56の変態が始まり45℃では変態が終了して今度が
形状記憶線バネ56のバネ力が線バネ55よりも勝るよ
うになる。その結果可動シャッター部49となるアルミ
ニウム板は図21、23で示すように形状記憶線バネ5
6のバネ力によって可動支持軸52を左方向へ移動させ
る力が働く。その結果可動支持軸52と接合された支持
部53から連結軸51を介して可動シャッター部49を
左側へ押すことになる。この時、支持部50が外側本体
容器47の内面側壁に衝突して停止することで可動シャ
ッター部49の移動位置が規制されている。この時固定
シャッター部45に配設された開口窓45aと可動シャ
ッター部49に配設された開口窓49aとは上下に互い
オーバーラップしない構造とすることで内側本体容器4
0内部からアリルイソチオシアネート放出は完全に抑制
される。したがって固定シャッター部45に配設された
開口窓45aの横巾よりも可動シャッター部49に配設
された開口窓49aの間隔巾ほうが大きい関係とするこ
とによって可動シャッター部49の移動距離によって固
定シャッター部45に配設された開口窓45aが完全に
封止される。
【0040】また外部環境温度が徐々に低下してき、3
5℃過ぎ付近から形状記憶線バネ56の変態が始まり3
0℃では変態が終了して再度が線バネ55のバネ力が形
状記憶線バネ56よりも勝るようになるため可動シャッ
ター部49が右から左方向へ移動して内側本体容器40
からのアリルイソチオシアネートが徐放される。このよ
うに可動シャッター部49は温度ヒステリシスを有しな
がら左右方向へスライド動作するが、この時支持部50
および可動シャッター部49の外寸法を外側本体容器4
7の内壁寸法および外蓋48の下面に対して0.5mm程
度のクリアランスをとった構造とすることで可動シャッ
ター部49が左右にスライド移動する方向を正確に誘導
させることができた。
【0041】このような構成によって、25℃条件にて
透過制御膜から薬剤を20mg/日レベルで継続して放出
させる徐放性を有するとともに、45℃以上ではアリル
イソチオシアネートの放出を完全に抑制し、30℃以下
では再度アリルイソチオシアネートの放出が可能な温度
応答性を有した揮散性薬剤徐放装置を提供できた。
【0042】(実施例4)図24は本実施例を示す揮散
性薬剤徐放装置の上面外観図であり、図25は揮散性薬
剤徐放装置G−G´ラインの側面断面構成図であり、図
26は揮散性薬剤徐放装置H−H´ラインの側面断面構
成図であり、薬剤の徐放状態を表している。また図27
は本実施例を示す揮散性薬剤徐放装置の上面外観図であ
り、図28は揮散性薬剤徐放装置G−G´ラインの側面
断面構成図であり、図29は揮散性薬剤徐放装置H−H
´ラインの側面断面構成図であり、共に薬剤の放出抑制
状態を表している。57は薬剤となるアリルイソチオシ
アネートを吸収して膨潤したポリウレタン連続多孔質体
であり、実施例1と同じものを使用した。58はポリウ
レタン連続多孔質体57の外装となるラミネートフィル
ムのピロー包装体であり、実施例1と同じものを使用し
た。59はそれを充填するための半透明なポリプロピレ
ン、厚み2mmからなる内側本体容器であり、射出成形に
て加工した。容器の内寸法は71×43×15mmであ
る。60は内側本体容器59に対する内蓋であり、これ
も半透明なポリプロピレン、厚み2mmからなり、内蓋6
0の中央部には大きな窓があり、その大きな窓に対して
十文字にリブ61が形成され、内蓋60の表面側中央部
には65×37mmの湿度感受性62が配置され、リブ6
1によってポリウレタン連続多孔質体57を内側本体容
器59の底面部に位置固定するとともに湿度感受性膜6
2に対する補強の役目を果たしている。湿度感受性膜6
2は実施例1と同じものを使用した。湿度感受性膜62
の外周部は内蓋60にポリエチレン側をヒートシールで
溶着接合されている。ヒートシール巾は5mmである。内
側本体容器59と内蓋60とは超音波接合によって接合
されている。63はピロー包装体58と内側本体容器5
9と内蓋60とで形成される空間部である。64は固定
シャッター部となる厚み4mmのポリエチレンテレフタレ
ート板であり、開口窓64aが等間隔で配設され、湿度
感受性膜62の上面へ接着されている。また固定シャッ
ター部64上の開口窓64a周囲にはガスシール部材6
5してナイロン66製パッキン巾1mm、厚み0.5mmが
配設されている。66は内側本体容器59が収納される
外側本体容器であり、半透明なポリプロピレン、厚み2
mmからなり、射出成形にて加工した。容器の内寸法は9
9×48×23mmである。67は外側本体容器66に対
する外蓋であり、これも半透明なポリプロピレン、厚み
2mmからなり、外蓋67略中央部には67×39mmの開
口部67aが配置されている。68は可動シャッター部
となるアルミニウム板、厚さ0.4mmである。また可動
シャッター部68の左端には可動シャッター部の左右方
向への動きを誘導するとともに移動量を規制できる支持
部69が配置されている。具体的には47×6mm厚さ2
mmのポリエチレンテレフタレート板である。右端には連
結軸70を介して可動支持軸71に接合された支持部7
2と連結されている。支持部72も47×6mm厚さ2mm
のポリエチレンテレフタレート板である。可動支持軸7
1は固定支持軸73の内側へ配置され、固定支持軸73
は外蓋67と垂直方向に接着固定されている。線バネ7
4は固定支持軸73の左側に位置し、可動支持軸71の
右側に位置している。また形状記憶線バネ75は固定支
持軸73の右側に位置し、可動支持軸71の左側に位置
している。形状記憶線バネ62として母相とR相(Rh
ombohedral、菱面体晶)とで変態を生ずるも
のを使用した。そのため加熱時の変態終了温度は40℃
であり、冷却時の変態終了温度は36℃である。
【0043】揮散性薬剤徐放装置の徐放機構について説
明する。まず36℃以下では線バネ74のバネ力が形状
記憶線バネ75よりも勝っているため可動シャッター部
68となるアルミニウム板は図24と26で示すように
左側に位置している。線バネ74と形状記憶線バネ75
の作用によって可動支持軸71が左側に位置し、可動支
持軸71に接合された支持部72から連結軸70を介し
て可動シャッター部68を左側へと押されたことにな
る。この時、支持部69が外側本体容器66の内面側壁
に衝突して停止することで可動シャッター部68の移動
位置が規制されている。また固定シャッター部64に配
設された開口窓64aと可動シャッター部68に配設さ
れた開口窓68aとは上下に重なり合った場所に位置し
ている。その結果内側本体容器59からのアリルイソチ
オシアネート放出を妨げない。ポリウレタン連続多孔質
体57から揮散したアリルイソチオシアネート蒸気は透
過制御膜58と湿度感受性膜62で透過量を規制されな
がら一定量を徐放させることができた。
【0044】しかし、37℃過ぎ付近から形状記憶線バ
ネ75のR相から母相への変態が始まり40℃では変態
が終了して今度が形状記憶線バネ75のバネ力が線バネ
74よりも勝るようになる。その結果可動シャッター部
68となるアルミニウム板は図27と29で示すように
形状記憶線バネ75のバネ力によって可動支持軸71を
右方向へ移動させる力が働く。線バネ74と形状記憶線
バネ75の作用によって可動支持軸71が右側に位置
し、可動支持軸71に接合された支持部72から連結軸
70を介して可動シャッター部68を右側へと引っ張る
ことになる。線バネ74のバネ力によって可動シャッタ
ー部68が引っ張られる時、支持部69が固定シャッタ
ー部64の側壁に衝突して停止することで可動シャッタ
ー部68の位置が規制されている。この時固定シャッタ
ー部64に配設された開口窓64aと可動シャッター部
68に配設された開口窓68aとは上下に互いオーバー
ラップしない構造とすることで内側本体容器59内部か
らアリルイソチオシアネート放出は完全に抑制される。
したがって固定シャッター部64に配設された開口窓6
4aの横巾よりも可動シャッター部68に配設された開
口窓68aの間隔巾ほうが大きい関係とすることによっ
て可動シャッター部68の移動距離によって固定シャッ
ター部64に配設された開口窓64aが完全に封止され
る。
【0045】また外部環境温度が徐々に低下してき、3
9℃過ぎ付近から形状記憶線バネ75の母相からR相へ
の変態が始まり36℃では変態が終了して再度が線バネ
74のバネ力が形状記憶線バネ75よりも勝るようにな
るため可動シャッター部68が右から左方向へ移動して
内側本体容器59からのアリルイソチオシアネートが徐
放される。このように可動シャッター部68は非常に小
さな温度ヒステリシスを有しながら左右方向へスライド
動作するが、この時支持部69および可動シャッター部
68の外寸法を外側本体容器66の内壁寸法および外蓋
67の下面に対して0.5mm程度のクリアランスをとる
ことで可動シャッター部68が左右にスライド移動する
方向を誘導させることができた。図16に本実施例で使
用した形状記憶線バネの定荷重試験による温度−ひずみ
曲線を示した。形状記憶線バネは母相とR相とで変態を
繰り返すことで温度の昇降に対する温度ヒステリシスを
極めて小さくすることができた。その結果ほぼ所定の温
度以上では薬剤の徐放を停止させ、所定の温度以下では
薬剤の徐放を継続できる揮散性薬剤徐放装置が可能とな
った。
【0046】本実施例で得られた揮散性薬剤徐放装置を
実施例1と同様な自動車用カーエアコンの防カビ装置と
して使用した。冷房運転停止時にはエバポレートの結露
水が再蒸発することによって送風回路内部の湿度を上昇
させるためにカビが発生しやすい雰囲気となる。しかし
この時揮散性薬剤徐放装置によって湿度感受性膜から低
濃度のアリルイソチオシアネートを徐放することで防カ
ビ性能を発揮できた。また夏場にも40℃以上では可動
シャッター部と固定シャッター部で薬剤の放出を抑制で
き、36℃以下では再度徐放状態へと復帰させることが
できた。温度ヒステリシスも小さいので、薬剤を目論見
通り、有効に放出可能となった。
【0047】実施例ではもっぱら線バネと形状記憶線バ
ネを使用して説明したが、板バネと形状記憶板板バネと
を組み合わせて可動シャッター機構を構成することも本
発明として可能である。また線バネと形状記憶板板バネ
あるいは板バネと形状記憶板線バネを組み合わせること
も可能である。それぞれのバネ力を考慮して最適な組合
せを選択すればよい。
【0048】実施例では固定シャッター部あるいは可動
シャッター部の材料としてポリエチレンテレフタレート
板、アルミニウム板を使用したが、本発明で使用できる
ものはこの限りではない。固定シャッター部あるいは可
動シャッター部の厚みが厚い場合には樹脂製の板でよい
が、薄い場合にはガスバリヤー性に優れた材料が好まし
い。たとえば金属製の板、アルミニウムを内層したラミ
ネート板等が使用できる。ラミネート板についても内層
する金属としてアルミニウム以外の材料を選択すること
も可能である。
【0049】実施例ではガスシール部材を可動シャッタ
ー部と固定シャッター部との間に適用した場合について
説明したが、可動シャッター部部分と固定シャッター部
部分とで重なり合う面積が小さく、かつガスバリア性も
向上させたい時にはガスシール部材が有効となる。しか
し可動シャッター部部分と固定シャッター部部分とで重
なり合う面積が十分あり、それで薬剤の放出を構造的に
抑制できている場合にはガスシール部材は不要となる。
たとえば可動シャッター部が上下方向へ動作する場合に
は重なり合う面積を十分にとることでそれが可能とな
る。またガスシール部材として独立気泡を有するポリプ
ロピレン、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ナ
イロン66を使用したが本発明で使用できるものはこの
限りではない。例えば可動シャッター部が上下方向に動
作する場合には弾性を有するガスシール部材を使用する
ことでガスバリア性を高めることができ、そのためには
ガスシール部材内部に30vol%以上の独立気泡を有
しているものが好ましかった。また可動シャッター部が
左右方向にスライド動作する場合には摺動特性が重視さ
れ、表面粗さが小さく、すべり性の良好な樹脂材料が好
ましかった。たとえばその他にポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレートを使用することができた。
【0050】実施例では薬剤を充填する容器としてポリ
プロピレン樹脂を使用したが、本発明で使用できるもの
はこの限りではない。この他に充填する薬剤との耐薬品
性を鑑みて問題のない材料を選択すればよい。
【0051】実施例では薬剤を液体吸収体に吸収させて
使用したり、固形高分子材料と混合させてタブレット状
態として使用したが、本発明で使用できる形態はこの限
りではない。薬剤を容器内部へ充填している構成のもの
であればよい。しかし揮散性薬剤徐放装置としての物流
を考慮すると液体の薬剤が外部へ流出しないように考慮
する必要がある。
【0052】実施例では薬剤を充填する容器の開口部へ
透過量制御膜あるいは湿度感受性膜を配設した場合につ
いて説明したが、本発明では容器に開口部だけを配設し
たものも含まれる。開口部に固定シャッター部と可動シ
ャッター部で可動シャッター機構を構成し、容器内部に
は薬剤をタブレット化させて配置させることで物流での
薬剤流出を防止することができる。
【0053】実施例では専らアリルイソチオシアネート
を使用したが、本発明で使用できるものはこの限りでは
ない。芳香剤としてラベンダー油、ローズマリー油等の
エッセンシャルオイルを使用することもできる。またテ
ィーツリー油、ユーカリ油等を使用して低濃度の揮散量
にて抗菌、防カビ効果を得ることもできる。
【0054】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、請求項
1記載の発明によれば、所定の温度以下では線バネある
いは板バネのバネ力が形状記憶線バネあるいは形状記憶
板バネのバネ力より勝り、所定の温度以上では形状記憶
線バネあるいは形状記憶板バネのバネ力が線バネあるい
は板バネのバネ力より勝るように構成することで、形状
記憶線バネあるいは形状記憶板バネと、線バネあるいは
板バネと、可動シャッター部とで構成される可動式シャ
ッター機構とすることが可能となる。その結果内部に防
カビ性、芳香性等を有する揮散性薬剤を充填した容器か
ら薬剤の必要な時に必要量を徐放させる有効な活用が図
れ、薬剤の長寿命化に貢献できた。また不必要な薬剤放
出によって利用者へ不快感を与えるようなこともなくな
った。
【0055】請求項2記載の発明によれば、容器の一部
に薬剤透過量を制御する透過量制御膜を配することで、
用途に応じて最適な透過量制御膜を選択することによっ
て、薬剤を低濃度で安定して徐放させ続けることができ
るので、防カビ、芳香性等の機能を長期間にわたって継
続させることができた。
【0056】請求項3記載の発明によれば、所定の温度
以下では可動シャッター部を開状態として揮散性薬剤を
徐放するとともに、所定の温度以上では、可動シャッタ
ー部を閉状態として前記揮散性薬剤の放出を抑制するこ
とで揮散性薬剤を充填した容器から薬剤の必要な時に必
要量を徐放させる有効な活用が図れ、薬剤の長寿命化に
貢献できた。また不必要な薬剤放出によって利用者へ不
快感を与えるようなこともなくなった。
【0057】請求項4記載の発明によれば、可動式シャ
ッター機構として薬剤が充填された容器の開口部面ある
いは透過量制御膜面と平行関係に固定支持軸と可動支持
軸が配設され、形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネ
と線バネあるいは板バネとの組合せで、温度域によって
低温では線バネあるいは板バネのバネ力が勝り、高温で
は形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネのバネ力が勝
ることを利用して可動シャッター部を上から下方向へ動
作させ、内側本体容器の開口部あるいは薬剤の透過量制
御膜部を完全に封止することができた。その結果、形状
記憶線バネあるいは形状記憶板バネの十分なバネ力によ
って薬剤を高温域では十分に放出抑制する揮散性薬剤徐
放装置を提供することができた。
【0058】請求項5記載の発明によれば、可動式シャ
ッター機構として薬剤が充填された容器の開口部面ある
いは透過量制御膜面と平行関係に固定支持軸と可動支持
軸が配設され、形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネ
と線バネあるいは板バネとの組合せで、温度域によって
低温では線バネあるいは板バネのバネ力が勝り、高温で
は形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネのバネ力が勝
ることを利用して可動シャッター部を下から上方向へ動
作させ、外側本体容器の開口部あるいは固定シャッター
部の開口窓を完全に封止することができた。その結果、
形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネの十分なバネ力
によって薬剤を高温域では十分に放出抑制する揮散性薬
剤徐放装置を提供することができた。
【0059】請求項6記載の発明によれば、可動式シャ
ッター機構として薬剤が充填された容器の開口部面ある
いは透過量制御膜面と垂直関係に固定支持軸と可動支持
軸が配設され、可動支持軸は連結軸を介して可動シャッ
ター部に固定支持され、形状記憶線バネあるいは形状記
憶板バネと線バネあるいは板バネとの組合せで、温度域
によって低温では線バネあるいは板バネのバネ力が勝
り、高温では形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネの
バネ力が勝ることを利用して可動シャッター部を左から
右方向へあるいは右から左方向へ動作させることがで
き、可動シャッター部の構成による移動距離を最適化す
ることで開から閉状態に設計することができた。その結
果、薬剤を高温では十分に放出抑制する揮散性薬剤徐放
装置を提供することができた。
【0060】請求項7記載の発明によれば、可動シャッ
ター部と開口部との間あるいは可動シャッター部と透過
量制御膜との間に固定シャッター部が配設され、固定シ
ャッター部と可動シャッター部には共に開口窓が配設さ
れ、可動シャッター部の開口窓部分が上下方向あるいは
左右方向へ動作させることで薬剤を徐放させる部分を開
閉できた。その時形状記憶線バネあるいは形状記憶板バ
ネのバネ作用による可動シャッター部の移動距離を小さ
くしながら、揮散性薬剤の徐放に必要な開放部を十分大
きく設計することができた。
【0061】請求項8記載の発明によれば、可動支持軸
に対して、線バネあるいは板バネと形状記憶線バネある
いは形状記憶板バネとが接する部分に溝形状の凹部を設
けることで形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネと線
バネあるいは板バネとのバネ作用で温度変化による繰り
返しサイクルにも位置ズレを起こすことなく、十分対応
できる構成となった。
【0062】請求項9記載の発明によれば、可動シャッ
ター部の端部に支持部が配設され、形状記憶線バネある
いは形状記憶板バネと線バネあるいは板バネの作用によ
って可動シャッター部が動作する時の移動距離を規制す
る構成とする、すなわち支持部が外側容器の内側壁面あ
るいは固定シャッター部の側壁面に衝突することでスト
ッパー機能として働くように構成しておけば、形状記憶
線バネあるいは形状記憶板バネのバネ力が勝ったり、線
バネあるいは板バネのバネ力が勝ったりすることで左右
方向へ動作する時、可動シャッター部の開口窓と固定シ
ャッター部の開口窓との関係を維持する位置決めを正確
に行うことができた。
【0063】請求項10記載の発明によれば、可動シャ
ッター部に開口窓が等間隔で設けられ、開口窓の間隔巾
が固定シャッター部に設けられた開口窓よりも大きいこ
とで、可動シャッター部が移動した時、固定シャッター
部と重なり合うオーバーラップ部分を確実に設けること
ができ、その結果高温では閉状態にて薬剤を十分に放出
抑制する揮散性薬剤徐放装置を提供することができた。
【0064】請求項11記載の発明によれば、可動シャ
ッター部と固定シャッター部の間にはガスシール部材を
配設することによって、可動シャッター部と固定シャッ
ター部とでの重なり合い面積が小さくてもガスバリア性
を高めることができるとともに、可動シャッター部が左
右方向へスライドする時の摺動特性を向上させることが
できた。
【0065】請求項12記載の発明によれば、ガスシー
ル部材としてポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロ
ン、ポリエチレンテレフタレートを使用することで、薬
剤に対する十分な耐薬品性を有しながら可動シャッター
部が左右方向へ動作する時の摩擦係数も小さくすること
ができた。
【0066】請求項13記載の発明によれば、ガスシー
ル部材として独立気泡を有するポリエチレン、ポリプロ
ピレンを使用することで、可動シャッター部が上下方向
へ動作する時、ガスシール部材として十分な柔軟性も付
与させることができ、ガスバリア性を向上させることが
できた。
【0067】請求項14記載の発明によれば、透過量制
御膜として湿度感受性膜を使用することで高湿状況下に
おいて防カビ性を十分に発揮させることができるととも
に、低湿状況下では揮散性薬剤の不必要な放出量を十分
に規制する、湿度応答性を付与することが可能であっ
た。
【0068】請求項15記載の発明によれば、アリルイ
ソチオシアネート、ティーツリー油、ユーカリ油を薬剤
とすることで天然成分を利用した、低濃度による、環境
にやさしい抗菌、防カビ効果を提供できた。
【0069】請求項16記載の発明によれば、湿度感受
性膜としてビスコース加工紙を含んでなるラミネート構
造を使用することで湿度に対して鋭敏な湿度感受性の膜
を提供でき、高湿時に膜の膨潤によって防カビ性を有す
る薬剤を有効に徐放でき、低湿時には膜が緻密化して薬
剤の放出を十分に抑制できた。
【0070】請求項17記載の発明によれば、形状記憶
線バネあるいは形状記憶板バネに対してバネ特性が母相
とR相との繰り返し変態によって制御できるような材料
を選択することによって、温度ヒステリシスが1〜2℃
程度の非常に小さなものを得ることができた。その結
果、より低温から揮散性薬剤の放出を抑制できる徐放装
置を提供可能となり、薬剤の有効利用、長寿命化が可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の揮散性薬剤徐放装置においる上面外
観図
【図2】実施例1における揮散性薬剤徐放装置の可動シ
ャッター機構が開状態となった場合のA−A´ラインに
対する側面断面構成図
【図3】実施例1における揮散性薬剤徐放装置の可動シ
ャッター機構が開状態となった場合のB−B´ラインに
対する側面断面構成図
【図4】実施例1における揮散性薬剤徐放装置の可動シ
ャッター機構が閉状態となった場合のA−A´ラインに
対する側面断面構成図
【図5】実施例1における揮散性薬剤徐放装置の可動シ
ャッター機構が閉状態となった場合のB−B´ラインに
対する側面断面構成図
【図6】実施例1における揮散性薬剤徐放装置の可動シ
ャッター機構として可動シャッター部、可動支持軸、固
定支持軸、線バネと形状記憶線バネとの構成を示すため
の上面外観図
【図7】実施例1における揮散性薬剤徐放装置の可動シ
ャッター機構として動作機構を説明する斜視図
【図8】実施例1における揮散性薬剤徐放装置の可動支
持軸における要部拡大断面図
【図9】実施例1の形状記憶線バネの定荷重試験による
温度−ひずみ曲線図
【図10】実施例1の揮散性薬剤徐放装置をカーエアコ
ンの送風回路に使用した概略構成図
【図11】実施例2の揮散性薬剤徐放装置においる上面
外観図
【図12】実施例2における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が開状態となった場合のC−C´ライン
に対する側面断面構成図
【図13】実施例2における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が開状態となった場合のD−D´ライン
に対する側面断面構成図
【図14】実施例2における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が閉状態となった場合のC−C´ライン
に対する側面断面構成図
【図15】実施例2における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が閉状態となった場合のD−D´ライン
に対する側面断面構成図
【図16】実施例2における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構として可動シャッター部、可動支持軸、
固定支持軸、線バネと形状記憶線バネとの構成を示すた
めの上面外観図
【図17】実施例2における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構として動作機構を説明する斜視図
【図18】実施例3における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が開状態となった場合の上面外観図
【図19】実施例3における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が開状態となった場合のE−E´ライン
に対する側面断面構成図
【図20】実施例3における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が開状態となった場合のF−F´ライン
に対する側面断面構成図
【図21】実施例3における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が閉状態となった場合の上面外観図
【図22】実施例3における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が閉状態となった場合のE−E´ライン
に対する側面断面構成図
【図23】実施例3における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が閉状態となった場合のF−F´ライン
に対する側面断面構成図
【図24】実施例4における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が開状態となった場合の上面外観図
【図25】実施例4における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が開状態となった場合のG−G´ライン
に対する側面断面構成図
【図26】実施例4における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が開状態となった場合のH−H´ライン
に対する側面断面構成図
【図27】実施例4における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が閉状態となった場合の上面外観図
【図28】実施例4における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が閉状態となった場合のG−G´ライン
に対する側面断面構成図
【図29】実施例4における揮散性薬剤徐放装置の可動
シャッター機構が閉状態となった場合のH−H´ライン
に対する側面断面構成図
【図30】実施例4の形状記憶線バネの定荷重試験によ
る温度−ひずみ曲線図
【符号の説明】
1 ポリウレタン連続多孔質体 2 ピロー包装体 3 内側本体容器 4 内蓋 5 リブ 6 湿度感受性膜 7 空間部 8 固定シャッター部 9 ガスシール部材 10 外側本体容器 11 外蓋 12 固定支持軸 13 可動支持軸 14 線バネ 15 形状記憶線バネ 16 可動シャッター部 17 ブロワーファン 18 エバポレータ 19 集塵フィルター 20 揮散性薬剤徐放装置 21 ヒータコア 22 エアミックスドア 23 タブレット 24 ピロー包装体 25 内側本体容器 26 内蓋 27 リブ 28 湿度感受性膜 29 空間部 30 外側本体容器 31 外蓋 32 ガスシール部材 33 固定支持軸 34 可動支持軸 35 線バネ 36 形状記憶線バネ 37 可動シャッター部 38 ポリウレタン連続多孔質体 39 ピロー包装体 40 内側本体容器 41 内蓋 42 リブ 43 透過制御膜 44 空間部 45 固定シャッター部 46 ガスシール部材 47 外側本体容器 48 外蓋 49 可動シャッター部 50 支持部 51 連結軸 52 可動支持軸 53 支持部 54 固定支持軸 55 線バネ 56 形状記憶線バネ 57 ポリウレタン連続多孔質体 58 ピロー包装体 59 内側本体容器 60 内蓋 61 リブ 62 湿度感受性膜 63 空間部 64 固定シャッター部 65 ガスシール部材 66 外側本体容器 67 外蓋 68 可動シャッター部 69 支持部 70 連結軸 71 可動支持軸 72 支持部 73 定支持軸 74 線バネ 75 形状記憶線バネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 志保 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4C002 AA03 BB04 CC10 DD01 DD13 EE02 EE07 HH10 KK01 4C080 AA03 BB05 HH03 JJ03 KK03 LL01 LL02 MM18 MM31 QQ16

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮散性薬剤を内部に充填した容器と、前
    記容器に開口部を設け、前記開口部に可動式シャッター
    機構が配設され、前記可動式シャッター機構が少なくと
    も形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネと、線バネあ
    るいは板バネと、可動シャッター部とで構成されること
    を特徴とする揮散性薬剤徐放装置。
  2. 【請求項2】 揮散性薬剤を内部に充填した容器と、前
    記容器に前記薬剤の透過量を制御する透過量制御膜を配
    した開口部を設け、前記透過量制御膜の外表面に可動式
    シャッター機構が配設され、前記可動式シャッター機構
    が少なくとも形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネ
    と、線バネあるいは板バネと、可動シャッター部とで構
    成されることを特徴とする揮散性薬剤徐放装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも形状記憶線バネあるいは形状
    記憶板バネと、線バネあるいは板バネと、可動シャッタ
    ー部とで構成される前記可動式シャッター機構は、所定
    の温度以下では可動シャッター部を開状態として前記揮
    散性薬剤を徐放するとともに、所定の温度以上では、前
    記可動シャッター部を閉状態として前記揮散性薬剤の放
    出を抑制することを特徴とする請求項1または2に記載
    の揮散性薬剤徐放装置。
  4. 【請求項4】 可動式シャッター機構は、前記開口部面
    あるいは前記透過量制御膜面と平行関係に固定支持軸と
    可動支持軸が配設され、前記可動支持軸に可動シャッタ
    ー部が固定支持され、前記可動支持軸が前記固定支持軸
    の内側に位置し、形状記憶線バネあるいは形状記憶板バ
    ネは固定支持軸の下方、可動支持軸の上方となるように
    配置され、線バネあるいは板バネは固定支持軸の上方、
    可動支持軸の下方となるようにとが配置され、所定の温
    度以上では前記線バネあるいは板バネと前記形状記憶線
    バネあるいは形状記憶板バネの作用によって前記可動シ
    ャッター部が上から下方向へ動作することで、開から閉
    状態となる機構であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の揮散性薬剤徐放装置。
  5. 【請求項5】 可動式シャッター機構は、開口部面ある
    いは透過量制御膜面と平行関係に固定支持軸と可動支持
    軸が配設され、前記可動支持軸に可動シャッター部が固
    定支持され、前記可動支持軸が前記固定支持軸の内側に
    位置し、形状記憶線バネは固定支持軸の上方、可動支持
    軸の下方となるように配置され、線バネあるいは板バネ
    は固定支持軸の下方、可動支持軸の上方となるように配
    置され、所定の温度以上では前記線バネあるいは板バネ
    と前記形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネの作用に
    よって前記可動シャッター部が下から上方向へ動作する
    ことで、開から閉状態となる機構であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の揮散性薬剤徐放装
    置。
  6. 【請求項6】 可動式シャッター機構は、開口部面ある
    いは透過量制御膜面と垂直関係に固定支持軸と可動支持
    軸が配設され、前記可動支持軸は連結軸を介して可動シ
    ャッター部に固定支持され、前記可動支持軸が前記固定
    支持軸の内側に位置し、形状記憶線バネあるいは形状記
    憶板バネは固定支持軸の右側、可動支持軸の左側となる
    ように配置され、線バネあるいは板バネは固定支持軸の
    左側、可動支持軸の右側となるように配置される、また
    は形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネは固定支持軸
    の左側、可動支持軸の右側となるように配置され、線バ
    ネあるいは板バネは固定支持軸の右側、可動支持軸の左
    側となるようにとが配置され、所定の温度以上では前記
    線バネあるいは板バネと前記形状記憶線バネあるいは形
    状記憶板バネの作用によって前記可動シャッター部が右
    から左方向へ、あるいは左から右方向へ動作すること
    で、開から閉状態となる機構であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の揮散性薬剤徐放装置。
  7. 【請求項7】 可動シャッター部と開口部との間、ある
    いは可動シャッター部と透過量制御膜との間に固定シャ
    ッター部が配設され、前記固定シャッター部と前記可動
    シャッター部には共に複数の開口窓が配設され、前記可
    動シャッター部の開口窓部分が上下方向あるいは左右方
    向へ動作することによって開閉状態となることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の揮散性薬剤徐放装
    置。
  8. 【請求項8】 可動支持軸が、線バネあるいは板バネと
    形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネと接する部分に
    凹部を設けられていることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載の揮散性薬剤徐放装置。
  9. 【請求項9】 可動シャッター部の端部に支持部が配設
    され、形状記憶線バネあるいは形状記憶板バネと線バネ
    あるいは板バネの作用によって前記可動シャッター部が
    動作する時の移動距離を規制する構成であることを特徴
    とする請求項6に記載の揮散性薬剤徐放装置。
  10. 【請求項10】 可動シャッター部に開口窓が等間隔で
    設けられ、前記開口窓の間隔巾が前記固定シャッター部
    に設けられた開口窓よりも大きいことを特徴とする請求
    項7に記載の揮散性薬剤徐放装置。
  11. 【請求項11】 可動シャッター部と固定シャッター部
    の間にはガスシール部材が配設されていることを特徴と
    する請求項7、9、10のいずれかに記載の揮散性薬剤
    徐放装置。
  12. 【請求項12】 ガスシール部材がポリエチレン、ポリ
    プロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレートで
    あることを特徴とする請求項11に記載の揮散性薬剤徐
    放装置。
  13. 【請求項13】 ガスシール部材が独立気泡を有するポ
    リエチレン、ポリプロピレンであることを特徴とする請
    求項11に記載の揮散性薬剤徐放装置。
  14. 【請求項14】 透過量制御膜が湿度感受性膜であるこ
    とを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の揮散
    性薬剤徐放装置。
  15. 【請求項15】 薬剤がアリルイソチオシアネート、テ
    ィーツリー油、ユーカリ油であることを特徴とする請求
    項1〜14のいずれかに記載の揮散性薬剤徐放装置。
  16. 【請求項16】 湿度感受性膜がビスコース加工紙を含
    んでなるラミネート構造であることを特徴とする請求項
    1〜15のいずれかに記載の揮散性薬剤徐放装置。
  17. 【請求項17】 形状記憶線バネあるいは形状記憶板バ
    ネのバネ特性が母相とR相との繰り返し変態によって制
    御されることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに
    記載の揮散性薬剤徐放装置。
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DE102013221351A1 (de) * 2013-10-21 2015-04-23 MAHLE Behr GmbH & Co. KG Beduftungsvorrichtung

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DE102013221351A1 (de) * 2013-10-21 2015-04-23 MAHLE Behr GmbH & Co. KG Beduftungsvorrichtung

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