JP2003334187A - X線診断装置 - Google Patents

X線診断装置

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JP2003334187A JP2003181538A JP2003181538A JP2003334187A JP 2003334187 A JP2003334187 A JP 2003334187A JP 2003181538 A JP2003181538 A JP 2003181538A JP 2003181538 A JP2003181538 A JP 2003181538A JP 2003334187 A JP2003334187 A JP 2003334187A
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Toshikuni Nakatani
叔訓 中谷
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政広 小澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、再構成処理時間を短縮できる
X線診断装置を提供することである。 【解決手段】本発明は、被検体の回り360度の中の複
数の撮影角度からX線造影剤注入前とX線造影剤注入後
の2組のX線投影画像を撮影し、同じ撮影角度で撮影し
たX線造影剤注入前のX線投影画像と、X線造影剤注入
後のX線投影画像とを引き算して造影剤影のみの引き算
画像を撮影角度毎に得て、これらの造影剤影のみの引き
算画像から造影部分の3次元データを再構成するX線診
断装置において、引き算画像から造影剤影を含む部分画
像を撮影角度毎に抽出し、これらの部分画像から造影部
分の3次元データを再構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体の3次元デ
ータを再構成するX線診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のX線診断装置は、X線コンピュ
ータトモグラフィ(X線CT)のように、被検体を挟ん
で対向させたX線管とイメージインテンシファイアー
(I.I.)とを被検体体軸の法面内で回転させながら撮影
を繰り返すことで撮影角度の異なる複数フレームのX線
投影画像を得、これらのX線投影画像から被検体の3次
元データを逆投影や論理和により再構成することからI.
I.CTとも呼ばれている。このI.I.CTが抱える問題点
を以下に述べる。
【0003】図24(a)で点線で示す領域が再構成領
域である。この再構成領域は、全方位に関する円錐のX
線束に内接する球体として定義される。撮影は被検体P
がこの再構成領域内に収容されている状態で行う必要が
ある。これは、被検体Pが再構成領域内に収容されてい
ないことを考えれば理解される。図24(b)に示すよ
うに、再構成領域からはみ出した斜線で示す被検体Pの
一部分のデータは、b方向からは取り込まれるが、a方
向からは取り込まれない。したがって、この斜線部のデ
ータがアーチファクトとして再構成画像に現れてしま
う。このためI.I.CTでは、大口径のイメージインテン
シファイアが必要であった。また、X線管を被検体に接
近させて被検体内の特定の臓器を幾何学的に拡大して撮
影することができなかった。
【0004】また、大きな構造物であるX線管とイメー
ジインテンシファイアーとを、少なくとも180°回転
させるため、回転支持機構が大型化され、また十分な回
転空間のある撮影室が必要であり、さらに撮影時間が長
時間化するといった問題があった。さらに、血管造影撮
影のとき、造影剤を注入する前に、いわゆるマクス画像
を撮影しておく必要があり、撮影時間が長時間化すると
いった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、再構成処理時間を短縮できるX線診断装置を提供す
ることである。第2の目的は、回転角を180°より小
さくすることのできるX線診断装置を提供することであ
る。第3の目的は、造影剤を注入する前にマクス画像の
撮影が不要なX線診断装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、被検体の回り
360度の中の複数の撮影角度からX線造影剤注入前と
X線造影剤注入後の2組のX線投影画像を撮影し、同じ
撮影角度で撮影したX線造影剤注入前のX線投影画像
と、X線造影剤注入後のX線投影画像とを引き算して造
影剤影のみの引き算画像を撮影角度毎に得て、これらの
造影剤影のみの引き算画像から造影部分の3次元データ
を再構成するX線診断装置において、前記引き算画像か
ら造影剤影を含む部分画像を撮影角度毎に抽出し、これ
らの部分画像から造影部分の3次元データを再構成す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の好適
な実施例を説明する。
【0008】(第1実施例)図1に第1実施例によるX
線診断装置の構成を示している。コーンビーム形のX線
を被検体Pに照射するX線管1と、被検体Pを透過した
X線を検出するイメージインテンシファイア2とが、被
検体Pを挟んで対向した状態を維持したまま被検体体軸
の法面内で移動可能(回転可能)に図示しない支持機構
に支持される。イメージインテンシファイア2の光出力
面には光学系を介して例えばCCDカメラ等のTVカメ
ラ5が装着される。高電圧発生装置3は、X線制御装置
4の制御により、X線管1に管電圧、管電流をパルス状
に加える。
【0009】X線管1とイメージインテンシファイア2
とが、被検体Pの回りを回転しながら、撮影が繰り返さ
れ、撮影角度が例えば5°づつ異なる72フレームのX
線投影画像が得られる。なお、X線管1の全方位に関す
る円錐のX線束に内接する球体として再構成領域を定義
し、この再構成領域内で再構成が為される。
【0010】X線投影画像信号は、アナログディジタル
変換器(A/D)6を介して、造影剤注入前には、撮影
角度をアドレスとして第1の画像メモリ7に記憶され、
造影剤注入後には、撮影角度をアドレスとして第2の画
像メモリ8に記憶される。第1の画像メモリ7と第2の
画像メモリ8から読み出されたX線投影画像データは、
サブトラクション処理手段9に送られる。
【0011】サブトラクション処理手段9は、撮影角度
が同じ造影剤注入前後の2枚のX線投影画像データを引
き算(サブトラクション)する。これにより撮影角度の
異なる72フレームのサブトラクション画像データが作
成される。
【0012】3次元再構成手段10は、72フレームの
サブトラクション画像データに対して適当なコンボリュ
ーションフィルターを掛けた後、逆投影することにより
造影剤部分の3次元データを再構成する。
【0013】3次元データは、画像メモリ11に一旦記
憶される。表示画像作成手段12は、図示しない入力装
置を介して特定された視点から見た例えば表面画像等の
表示画像データを画像メモリ11の3次元データを使っ
て作成する。表示画像データは、ディジタルアナログ変
換器(D/A)13でアナログ信号に変換された後、C
RTディスプレイ等のモニタ14に表示される。
【0014】次に本実施例の動作について説明する。図
2(a)に一点鎖線でマスク像撮影時のX線管軌道を示
し、実線で造影撮影時のX線管軌道を示し、図2(b)
に、撮影角度の経時的な変化を造影剤注入タイミングと
共に示している。図3に3次元データを再構成するまで
の画像処理の流れを示している。なお、図2(a)では
移動軌跡を両X線管で区別して表すために、一点鎖線と
実線とを重ねないで記述しているが、実際には両X線管
は同一の周回軌道を回転する。
【0015】まず、造影剤が被検体Pに注入されない状
態で、支持機構によりX線管1とイメージインテンシフ
ァイア2とが、時刻t1からt2の間に被検体Pの回り
を1周する。この間、撮影が繰り返され、撮影角度が例
えば5°づつ異なる72フレームのX線投影画像がマス
ク像として得られる。これら72フレームのマスク像信
号は、アナログディジタル変換器6を介して、各々の撮
影角度をアドレスとして第1の画像メモリ7に記憶され
る。
【0016】次にマスク像の撮影が終了した後、時刻t
3において、被検体Pに造影剤が、注射器を使って医師
により、またはインジェクタにより自動化されて注入さ
れる。造影剤が関心領域に存在する時刻t4からt5の
間に、支持機構によりX線管1とイメージインテンシフ
ァイア2とが、被検体Pの回りを1周する。この間、撮
影が繰り返され、撮影角度が例えば5°づつ異なる72
フレームの血管造影画像がライブ像として得られる。こ
れら72フレームのライブ像信号は、アナログディジタ
ル変換器6を介して、各々の撮影角度をアドレスとして
第2の画像メモリ8に記憶される。
【0017】第1の画像メモリ7と第2の画像メモリ8
から読み出されたマスク像データとライブ像データは、
サブトラクション処理手段9に送られる。サブトラクシ
ョン処理手段9で、撮影角度が同じ造影剤注入前後の2
枚のマスク像とライブ像とを引き算する。これにより撮
影角度の異なる72フレームのサブトラクション画像デ
ータが作成される。このサブトラクション画像には、造
影された血管影のみ存在する。
【0018】これら72フレームのサブトラクション画
像データは3次元再構成手段10により適当なコンボリ
ューションフィルターを掛けられ、さらに逆投影され
る。これにより血管(造影部分)のみの3次元データが
再構成される。
【0019】この3次元データは、画像メモリ11に一
旦記憶される。表示画像作成手段12により図示しない
入力装置を介して特定された視点から見た例えば表面画
像等の表示画像データが画像メモリ11の3次元データ
から作成される。表示画像データは、ディジタルアナロ
グ変換器13でアナログ信号に変換された後、CRTデ
ィスプレイ等のモニタ14に表示される。
【0020】このように造影剤注入の前後で撮影した2
枚の画像間でサブトラクションをして、このサブトラク
ション画像から造影剤の3次元データを再構成するの
で、図24(a)を使って説明したように再構成領域か
らはみ出した被検体Pの一部分のデータはサブトラクシ
ョンにより排除され、したがってアーチファクトが解消
される。また、このように被検体Pの一部が再構成領域
からはみ出してもアーチファクトの無い3次元データが
得られるので、X線管を被検体に接近させ、イメージイ
ンテンシファイアを遠ざけて被検体内の特定の臓器(こ
の場合、血管)を幾何学的に拡大して撮影することがで
きる。
【0021】(第2実施例)図4に第2実施例のX線診
断装置の構成を示し、図1と同じ部分には同符号を付し
て説明は省略する。第2実施例は、X線投影画像から造
影剤影を含む部分画像を撮影角度毎に抽出し、これらの
部分画像から造影部分の3次元データを再構成すること
を特徴とするものであり、以下に具体的に説明する。な
お、ここでも第1実施例と同様に、5°毎に撮影され、
撮影角度の異なる72フレームのマクス像、撮影角度の
異なる72フレームのライブ像が得られるものとする。
【0022】72フレームのマクス像とライブ像とか
ら、サブトラクション処理手段9により72フレームの
サブトラクション画像が得られる。ここまでは第1実施
例と同じである。本実施例では、X線CTの多段スライ
ス(マルチスライス)の考え方が流用され、スライス面
毎に再構成が行われる。つまり、各X線投影画像の1水
平ライン上のデータ列を、X線CTでいうところの一次
元投影データ(プロジェクションデータ)として取り扱
い、全撮影角度のサブトラクション画像の中の同じ水平
ライン番号のデータ列から1スライス面の断層像を再構
成する。
【0023】72フレームのサブトラクション画像は、
画像メモリ15を介してスライス分割手段15に取り込
まれる。スライス分割手段15は、各サブトラクション
画像について、水平ライン単位で水平ライン番号と撮影
角度とを属性させて1次元のデータ列として領域限定手
段17に送り込む。
【0024】領域限定手段17は、水平ライン番号が同
じであって、撮影角度が相違する72個のデータ列のデ
ータが全て0を示すとき、当該水平ライン番号(スライ
ス面)については断層像を再構成しない、換言すると再
構成対象から除外するように、当該水平ライン番号のデ
ータ列を2次元再構成手段18に送らない。図5の斜線
部は領域限定手段17による除去領域を示す。また、領
域限定手段17は、水平ライン番号が同じであって、撮
影角度が相違する72個のデータ列のデータに0以外の
データが含まれるとき、当該水平ライン番号(スライス
面)については断層像を再構成するように、当該水平ラ
イン番号の72個のデータ列を2次元再構成手段18に
送る。
【0025】このように水平ライン毎にデータを選別す
ることにより、再構成する領域がスライス方向(被検体
体軸方向)に沿って限定される。関心部位(造影剤影、
通常は造影血管)は画像中央になるように撮影されるた
め、通常、画像上部および画像下部の数ラインには関心
部位は存在しないで、0レベルのデータとなる。各X線
投影画像で、上部および下部の数ラインを除く部分が、
造影剤影を含む部分画像に等価である。
【0026】2次元再構成手段18は、領域限定手段1
7から送られてきた水平ライン番号が同じであって、全
撮影角度のここでは72個のデータ列から、断層像を再
構成する。この再構成は、領域限定手段17から送られ
てきた全ての水平ライン番号(スライス面)について行
われる。これにより、複数枚の断層像が再構成される。
このように作成された複数枚の断層像は、3次元画像
メモリ11に水平ライン番号をスライス位置として属性
され、書き込まれる。これにより3次元画像メモリ11
には3次元データが構築される。
【0027】第1実施例と同様に、画像メモリ11に書
き込まれた3次元データから表示画像作成12で表示画
像が作成され、ディジタルアナログ変換器13を介して
モニタ14に表示される。
【0028】第2実施例によれば、再構成領域を限定で
きるので再構成処理時間を短縮できる。
【0029】(第3実施例)図6に第3実施例のX線診
断装置の構成を示し、図4と同じ部分には同符号を付し
て説明は省略する。第3実施例のX線診断装置には、X
線管1とイメージインテンシファイア2とTVカメラ5
からなる第1の撮影系と、この第1の撮影系と同構成の
X線管21とイメージインテンシファイア22とTVカ
メラ25からなる第2の撮影系との2系統の撮影系が装
備される。図7(b)に示すように、X線管1からイメ
ージインテンシファイア2に至るX線束中心線と、X線
管21からイメージインテンシファイア22に至るX線
束中心線とが角度αで交差するように、両撮影系は図示
しない回転支持機構に保持される。この角度αは、小さ
いほど撮影時間短縮に効果的であるが、大型のイメージ
インテンシファイア2,22の干渉を避けるために、3
°〜45°の範囲内で特定の角度に設定される。回転支
持機構が回転すると、第1の撮影系は図7(a)の実線
で示す周回軌道を回転し、第2の撮影系は図7(a)の
一点鎖線で示すように第1の撮影系から角度α分の時間
遅延をもって同じ周回軌道を回転する。X線管21には
高電圧発生装置23が接続される。
【0030】インジェクタ27は造影剤自動注入器であ
り、シリンジ(注射筒)29を介して造影剤が被検体P
に注入されるようになっている。インジェクタ27は、
撮影期間中、被検体の造影剤濃度が経時的に変化するよ
うに、瞬時注入量を刻々と変化しながら造影剤を注入す
る。
【0031】第1の撮影系は被検体Pの回りを回転しな
がら、撮影を繰り返し、撮影角度が例えば5°づつ異な
る72フレームのX線投影画像(第1のX線投影画像と
いう)を得る。これらの第1のX線投影画像は、アナロ
グディジタル変換器6を介して第1の画像メモリ31に
送られ、記憶される。同様に、第2の撮影系は被検体P
の回りを回転しながら、撮影を繰り返し、第1の撮影系
と同じように撮影角度が例えば5°づつ異なる72フレ
ームのX線投影画像(第2のX線投影画像という)を得
る。これらの第2のX線投影画像は、アナログディジタ
ル変換器26を介して第2の画像メモリ32に送られ、
記憶される。
【0032】サブトラクション処理手段9は、撮影角度
が同じ第1のX線投影画像と第2のX線投影画像を引き
算する。これにより撮影角度の異なる72フレームのサ
ブトラクション画像が作成される。第1の撮影系がある
撮影角度について撮影を行ってから、角度α及び角速度
に応じた遅延時間を経て第2の撮影系が同じ撮影角度に
ついて撮影を行う。インジェクタ27により被検体の造
影剤濃度が経時的に変化されているので、撮影角度が同
じ第1のX線投影画像と第2のX線投影画像との間には
遅延時間に応じた造影剤濃度差がある。したがって、撮
影角度が同じ第1のX線投影画像と第2のX線投影画像
とを引き算することにより、この濃度差に応じて造影部
分が抽出されることが可能である。
【0033】サブトラクション処理手段9で作成された
72フレームのサブトラクション画像は、2値化処理部
30で、2値化される。2値化処理部30は、サブトラ
クション画像の画素平均値をしきい値として計算し、こ
のしきい値以上の画素に1を、しきい値未満の画素に0
を割り当てる。これにより造影血管部分が画素値1、他
の部分が画素値0を持つ2値画像が得られる。
【0034】72フレームの2値画像は画像メモリ33
に一旦記憶される。再構成手段34は、72フレームの
2値画像から逆投影及び論理和処理により造影血管の3
次元データを再構成する。この3次元データは画像メモ
リ33に一旦記憶される。この3次元データから表示画
像作成手段12で作成された表示画像はディジタルアナ
ログ変換器13を介してモニタ14に表示される。
【0035】次に本実施例の動作について説明する。図
8に第1、第2撮影系の撮影角度の時間変化と造影剤注
入量の時間変化を示している。第1の撮影系は、時刻t
1からt4の期間に、被検体の回りを撮影角度0°〜3
60°で1回転する。第2の撮影系は、第1の撮影系か
ら遅延時間△tだけ遅れて、時刻t3からt5の期間に
被検体の回りを撮影角度0°〜360°で1回転する。
造影剤は、時刻t1とt3の間、つまり第1の撮影系が
0°を通過してから、第2の撮影系が0°を通過するま
での間の時刻t2に注入開始され、時間経過に伴って瞬
間注入量が序々に増加されながら撮影期間中の継続的に
注入される。
【0036】第1の撮影系は撮影角度0°〜360°で
被検体Pの回りを回転する間、一定周期で撮影を繰り返
す。これにより撮影角度が例えば5°づつ異なる72フ
レームの第1のX線投影画像が得られ、これらの第1の
X線投影画像は、アナログディジタル変換器6を介して
第1の画像メモリ31に送られ、記憶される。同様に、
第2の撮影系は撮影角度0°〜360°で被検体Pの回
りを回転する間、一定周期で撮影を繰り返す。これによ
り撮影角度が例えば5°づつ異なる72フレームの第2
のX線投影画像が得られ、これらの第2のX線投影画像
は、アナログディジタル変換器26を介して第2の画像
メモリ32に送られ、記憶される。
【0037】第1のX線投影画像と第2のX線投影画像
は、サブトラクション処理手段9に送られる。撮影角度
が同じ第1のX線投影画像と第2のX線投影画像が、引
き算される。これにより撮影角度の異なる72フレーム
のサブトラクション画像が作成される。
【0038】第1の撮影系が、例えば撮影角度180°
で撮影を行ってから、第2の撮影系が同じ撮影角度18
0°で撮影を行うまでに、遅延時間△tの時間差が生じ
る。この遅延時間△tの間に、被検体に注入される造影
剤量は△N増加し、これに応じて撮影部位の造影剤濃度
も増加する。したがって、撮影角度が同じ第1のX線投
影画像と第2のX線投影画像とを引き算することによ
り、この濃度差に応じて造影部分が抽出されることにな
る。
【0039】サブトラクション処理手段9で作成された
72フレームのサブトラクション画像は、2値化処理部
30で各々2値化される。この2値化のためのしきい値
は、2値化処理部30でサブトラクション画像毎に、そ
の画素平均値として計算される。このしきい値以上の画
素が1を、しきい値未満の画素が0を割り当てられ、こ
れにより造影血管部分が画素値1、他の部分が画素値0
を持つ2値画像が得られる。
【0040】72フレームの2値画像は画像メモリ33
に一旦記憶される。再構成手段34により、これら72
フレームの2値画像から、図9(a),(b)に原理を
示すように逆投影及び論理和処理により造影血管の3次
元データが再構成される。この3次元データは画像メモ
リ33に一旦記憶される。この3次元データから表示画
像作成手段12で作成された表示画像はディジタルアナ
ログ変換器13を介してモニタ14に表示される。な
お、本実施例では2値化処理が含まれているため、造影
血管の濃淡情報は得られないが、造影血管の3次元の空
間情報が得られる。
【0041】このように本実施例ではマスク像の撮影が
不要になるので、撮影時間の短縮化が図られる。なお、
この2値化されたサブトラクション画像をバックプロジ
ェクションして論理和をとることで、造影剤の3次元的
な位置を特定する3次元再構成法は、造影剤濃度を変化
させながら撮影すること限定する必要は無く、第1実施
例に記載したX線撮影方法によって得られるサブトラク
ション画像に対して2値化して同様の処理を行っても良
い。このとき撮影角度のピッチは細かいことが望ましい
が、対象となる血管が1本のときは、少なくとも対向し
ない2方向の画像を得て再構成すれば良い。また、対象
血管が2本以上ある、あるいは対象血管が太いときは、
少なくとも対向しない3方向以上の画像を用いることが
必要となる。
【0042】(第4実施例)図10に第4実施例のX線
診断装置の主要部の構成を示し、図6と同じ部分には同
符号を付して説明は省略する。第4実施例のX線診断装
置には、第3実施例と同様に、2系統の撮影系が装備さ
れる。図11(b)に示すように、2系統の撮影系は各
X線束中心線が90°+β/2で交差するように、図示
しない回転支持機構に保持される。なお、図13に示す
ようにX線管1,21からのX線束の広がり角をαとす
るとき、β>αとなるようにβは設定されることが好ま
しい。
【0043】造影前に、第1の撮影系で撮影された第1
のX線投影画像は、画像メモリ41に記憶される。造影
後に、第1の撮影系で撮影された第1のX線投影画像
は、画像メモリ42に記憶される。造影前に、第2の撮
影系で撮影された第2のX線投影画像は、画像メモリ4
3に記憶される。造影後に、第2の撮影系で撮影された
第2のX線投影画像は、画像メモリ44に記憶される。
【0044】サブトラクション処理手段45は、撮影角
度が同じ造影前後の2枚の第1のX線投影画像間で引き
算をする。サブトラクション処理手段46は、撮影角度
が同じ造影前後の2枚の第2のX線投影画像間で引き算
をする。サブトラクション処理手段45,46で得られ
たサブトラクション画像は、画像メモリ47を介して先
の実施例と同様に図示しない3次元再構成手段に送られ
る。ここで、造影血管の3次元データが再構成される。
図示しない表示画像作成手段で3次元データから作成さ
れた表示画像はディジタルアナログ変換器を介してモニ
タに表示される。
【0045】次に本実施例の動作について説明する。図
11(a)にマスク像撮影時の第1、第2の撮影系(こ
こではX線管)の軌道を実線で示し、造影後のライブ像
撮影時の第1、第2の撮影系(ここではX線管)の軌道
を一点鎖線で示している。図12に第1の撮影系の撮影
角度の時間変化を実線で示し、第2の撮影系の撮影角度
の時間変化を一点鎖線で示している。
【0046】まず、マスク像撮影時には、第1、第2の
撮影系は各々初期の撮影角度(0°、90°+β/2)
から、時計逆回りに90°+β/2だけ回転する。これ
により、第1の撮影系の撮影角度は0°から90°+β
/2で変化し、第2の撮影系の撮影角度は90°+β/
2から180°+βで変化する。この時刻t1〜t2の
間、第1、第2の撮影系共に撮影を繰り返し、それぞれ
複数の第1のX線投影画像、複数の第2のX線投影画像
をマスク像として撮影する。マスク像としての第1のX
線投影画像は、画像メモリ41に記憶される。マスク像
としての第2のX線投影画像は、画像メモリ43に記憶
される。
【0047】時刻t2の後、時刻t3で造影剤が被検体
Pに注入される。そして、第1、第2の撮影系は各々マ
スク像撮影終了時の撮影角度(90°+β/2、180
°+β)から、時計回りに90°+β/2だけ回転し、
各々初期の撮影角度に戻る。この時刻t4〜t5の間、
第1、第2の撮影系共に撮影を繰り返し、それぞれ複数
の第1のX線投影画像、複数の第2のX線投影画像をラ
イブ像(血管造影画像)として撮影する。ライブ像とし
ての第1のX線投影画像は、画像メモリ42に記憶され
る。ライブ像としての第2のX線投影画像は、画像メモ
リ44に記憶される。
【0048】このように90°+β/2だけ回転するこ
とで、第1の撮影系により0°〜90°+β/2の範囲
のX線投影画像が得られ、第2の撮影系により90°+
β/2〜180°+βの範囲のX線投影画像が得られ
る。つまり、2つの撮影系により0°〜180°+βの
範囲のX線投影画像が得られることになり、したがっ
て、回転角度を狭小して、撮影時間の短縮を図ることが
できる。
【0049】画像メモリ42,44に記録された造影後
のライブ像は、同じ撮影角度から撮影された画像メモリ
41,43の造影前のマスク像と引き算される。画像メ
モリ4に記録された造影剤注入後に撮影された画像は、
同じ角度から撮影された、画像メモリ3に記録されてい
る造影剤注入前の画像とサブトラクション処理される。
0°〜180°+βの範囲の複数のサブトラクション
画像は3次元再構成手段に送られ、3次元再構成手段で
はサブトラクション画像に対し、適当なコンボリューシ
ョンフィルターを掛けた後逆投影することで、被検体の
造影部分の3次元データが得られる。3次元データは、
表示画像作成手段で、表示画像が作成される。この表示
画像はディジタルアナログ変換器を介してモニタに表示
される。
【0050】(第5実施例)図14に第5実施例のX線
診断装置の主要部の構成を示し、図10と同じ部分には
同符号を付して説明は省略する。第5実施例のX線診断
装置には、第3実施例と同様に、2系統の撮影系が装備
される。図15(b)に示すように、2系統の撮影系は
各X線束中心線が90°で交差、つまり直交するように
図示しない回転支持機構に保持される。撮影時には、2
系統の撮影系は90°+βの角度だけ回転する。この
間、各撮影系で撮影が繰り返される。したがって、撮影
角度90°〜90°+βの間では、両撮影系で同じ撮影
角度で撮影が実行される。なお、図13に示したように
X線管1,21からのX線束の広がり角をαとすると
き、β>αとなるようにβは設定されることが好まし
い。
【0051】第1、第2の撮影系各々で造影前に撮影角
度90°〜90°+βの間で撮影されたX線投影画像
が、比較手段51に送られる。比較手段51は第1、第
2の撮影系で同じ撮影角度の2枚のX線投影画像の画素
値(特定座標の画素値同士、または画素値合計同士)を
比較し、両撮影系の感度が同一になるように両撮影系各
々に対する第1,第2の補正係数を算出する。補正手段
52には、画像メモリ41から第1の撮影系で造影前に
撮影された第1のX線投影画像が送られる。補正手段5
2は、第1のX線投影画像の各画素に第1の補正係数を
掛け合わせて画素値を補正する。補正された第1のX線
投影画像は、撮影角度を属性して画像メモリ57に記憶
される。同様に、補正手段53には、画像メモリ43か
ら第2の撮影系で造影前に撮影された第2のX線投影画
像が送られる。補正手段53は、第2のX線投影画像の
各画素に第2の補正係数を掛け合わせて画素値を補正す
る。補正された第2のX線投影画像は、撮影角度を属性
して画像メモリ57に記憶される。
【0052】造影後についても同様で、第1、第2の撮
影系各々で造影後に撮影角度90°〜90°+βの間で
撮影されたX線投影画像が、比較手段54に送られる。
比較手段54は第1、第2の撮影系で同じ撮影角度の2
枚のX線投影画像の画素値(特定座標の画素値同士、ま
たは画素値合計同士)を比較し、両撮影系の感度が同一
になるように両撮影系各々に対する第3,第4の補正係
数を算出する。補正手段55には、画像メモリ42から
第1の撮影系で造影後に撮影された第1のX線投影画像
が送られる。補正手段55は、第1のX線投影画像の各
画素に第3の補正係数を掛け合わせて画素値を補正す
る。補正された第1のX線投影画像は、撮影角度を属性
して画像メモリ58に記憶される。同様に、補正手段5
6には、画像メモリ44から第2の撮影系で造影後に撮
影された第2のX線投影画像が送られる。補正手段56
は、第2のX線投影画像の各画素に第4の補正係数を掛
け合わせて画素値を補正する。補正された第2のX線投
影画像は、撮影角度を属性して画像メモリ58に記憶さ
れる。
【0053】サブトラクション処理手段59には、画像
メモリ57,58から造影前後のX線投影画像が読み込
まれる。サブトラクション処理部59では、造影前後
で、撮影角度が同じ2枚のX線投影画像が引き算され
る。サブトラクション処理手段59で得られたサブトラ
クション画像は、画像メモリ47を介して先の実施例と
同様に図示しない3次元再構成手段に送られる。ここ
で、造影血管の3次元データが再構成される。図示しな
い表示画像作成手段で3次元データから作成された表示
画像はディジタルアナログ変換器を介してモニタに表示
される。
【0054】次に本実施例の動作について説明する。図
15(a)にマスク像撮影時の第1、第2の撮影系(こ
こではX線管)の軌道を実線で示し、造影後のライブ像
撮影時の第1、第2の撮影系(ここではX線管)の軌道
を一点鎖線で示している。図16に第1の撮影系の撮影
角度の時間変化を実線で示し、第2の撮影系の撮影角度
の時間変化を一点鎖線で示している。
【0055】まず、マスク像撮影時には、第1、第2の
撮影系は各々初期の撮影角度(0°、90°)から、時
計逆回りに90°+βだけ回転する。これにより、第1
の撮影系の撮影角度は0°から90°+βで変化し、第
2の撮影系の撮影角度は90°から180°+βで変化
する。この時刻t1〜t2の間、第1、第2の撮影系共
に撮影を繰り返し、それぞれ複数の第1のX線投影画
像、複数の第2のX線投影画像をマスク像として撮影す
る。マスク像としての第1のX線投影画像は、画像メモ
リ41に記憶される。マスク像としての第2のX線投影
画像は、画像メモリ43に記憶される。
【0056】時刻t2の後、時刻t3で造影剤が被検体
Pに注入される。そして、第1、第2の撮影系は各々マ
スク像撮影終了時の撮影角度(90°+β、180°+
β)から、時計回りに90°+βだけ回転し、各々初期
の撮影角度に戻る。この時刻t4〜t5の間、第1、第
2の撮影系共に撮影を繰り返し、それぞれ複数の第1の
X線投影画像、複数の第2のX線投影画像をライブ像
(血管造影画像)として撮影する。ライブ像としての第
1のX線投影画像は、画像メモリ42に記憶される。ラ
イブ像としての第2のX線投影画像は、画像メモリ44
に記憶される。
【0057】このように90°+βだけ回転すること
で、第1の撮影系により0°〜90°+βの範囲のX線
投影画像が得られ、第2の撮影系により90°〜180
°+βの範囲のX線投影画像が得られる。つまり、マス
ク像撮影時、及びライブ像撮影時で、90°〜90°+
βの範囲では両撮影系での同じ撮影角度のX線投影画像
が得られることになる。
【0058】撮影角度90°〜90°+βの範囲中で同
じ撮影角度で撮影したマスク像が第1、第2の撮影系か
ら少なくとも1枚ずつ比較手段51に送られる。比較手
段51により、第1、第2の撮影系で同じ撮影角度の2
枚のマスク像の画素値(特定座標の画素値同士、または
画素値合計同士)が比較され、両撮影系の感度が同一に
なるように両撮影系各々に対する第1,第2の補正係数
が算出される。例えば第1の補正係数0.9、第2の補
正係数1.0が計算される。
【0059】補正手段52には、画像メモリ41から第
1の撮影系で造影前に撮影された第1のマスク像が送ら
れる。補正手段52は、第1のマスク像の各画素に第1
の補正係数を掛け合わせて画素値を補正する。補正され
た第1のマスク像は、撮影角度を属性して画像メモリ5
7に記憶される。同様に、補正手段53には、画像メモ
リ43から第2の撮影系で造影前に撮影された第2のマ
スク像が送られる。補正手段53は、第2のマスク像の
各画素に第2の補正係数を掛け合わせて画素値を補正す
る。補正された第2のマスク像は、撮影角度を属性して
画像メモリ57に記憶される。
【0060】同様に、撮影角度90°〜90°+βの範
囲中で同じ撮影角度で撮影したライブ像が第1、第2の
撮影系から少なくとも1枚ずつ比較手段54に送られ
る。比較手段54により、第1、第2の撮影系で同じ撮
影角度の2枚のライブ像の画素値(特定座標の画素値同
士、または画素値合計同士)が比較され、両撮影系の感
度が同一になるように両撮影系各々に対する第3,第4
の補正係数が算出される。例えば第3の補正係数0.
9、第4の補正係数1.0が計算される。
【0061】補正手段55には、画像メモリ42から第
1の撮影系で造影後に撮影された第1のライブ像が送ら
れる。補正手段55は、第1のライブ像の各画素に第3
の補正係数を掛け合わせて画素値を補正する。補正され
た第1のライブ像は、撮影角度を属性して画像メモリ5
8に記憶される。同様に、補正手段56には、画像メモ
リ44から第2の撮影系で造影後に撮影された第2のラ
イブ像が送られる。補正手段56は、第2のライブ像の
各画素に第4の補正係数を掛け合わせて画素値を補正す
る。補正された第2のライブ像は、撮影角度を属性して
画像メモリ58に記憶される。
【0062】画像メモリ57に記録された造影後のライ
ブ像は、同じ撮影角度から撮影された画像メモリ58の
造影前のマスク像を引き算される。これにより撮影角度
0°〜180°+βの複数枚のサブトラクション画像が
作成され、画像メモリ47に記憶される。複数枚のサブ
トラクション画像は3次元再構成手段に送られ、3次元
再構成手段ではサブトラクション画像に対し、適当なコ
ンボリューションフィルターを掛けた後逆投影すること
で、被検体の造影部分の3次元データが得られる。3次
元データは、表示画像作成手段で、表示画像が作成され
る。この表示画像はディジタルアナログ変換器を介して
モニタに表示される。
【0063】本実施例では第4実施例のように撮影時間
の短縮化が図られる他に、2系統の撮影系間での感度の
不均一性を是正することができる。
【0064】(第6実施例)図17に第6実施例のX線
診断装置の構成を示し、図1と同じ部分には同符号を付
して説明は省略する。第6実施例のX線診断装置は、図
1の構成に、サブトラクション処理手段9と3次元再構
成手段10との間に画像メモリ60、データ修正手段6
1、画像メモリ62が追加された構成である。データ修
正手段61は、マニュアルでサブトラクション画像を修
正する、例えば不要な部分を除去する等の処理を実行す
る。例えば、比較的長時間継続的に造影剤を注入するた
め、主に後半の画像で、静脈に造影剤が流入してしまう
ことがある。この造影された静脈部分を除去することを
目的としている。
【0065】データ修正手段61は図18に示すよう
に、サブトラクション画像および修正後のサブトラクシ
ョン画像を一時的に記録しておく画像メモリ69、サブ
トラクション画像を表示する表示装置67、サブトラク
ション画像の除去する除去部分を指定するための座標入
力装置68、座標入力装置68を介して指定された除去
部分を除去、つまり背景と同じ0値に変換するCPU6
6とがデータ/制御バス65に接続されて構成される。
【0066】画像メモリ60には全ての撮影角度のサブ
トラクション画像が記憶される。1枚づつサブトラクシ
ョン画像がデータ修正手段61に送り込まれ、表示装置
67に表示される。図19に示すように、操作者は表示
画像を観察し、不要な物体が写っている位置を座標入力
装置68を介して例えば矩形ROIにより指定する。矩
形ROI内の画素値は全て背景と同じ0値に置き換えら
れる。このような修正作業が、図20に示すように必要
なサブトラクション画像について実行され、修正後の及
び無修正のサブトラクション画像は、画像メモリ62を
介して3次元再構成手段10に送り込まれる。3次元再
構成手段10ではサブトラクション画像に対し、適当な
コンボリューションフィルターを掛けた後逆投影するこ
とで、被検体の造影剤部分の3次元データを得る。
【0067】このように再構成の前段で不要な部分を除
去するので、再構成処理の省力化を図り、また一部画像
にのみ上述したような造影静脈が写ることによるアーチ
ファクトの発生を防止することができる。また、この修
正処理は、サブトラクション画像を修正対象としたこと
で可能となる。なぜなら、修正後の画素値が不明なX線
投影画像(濃淡画像)については、修正不可能である。
【0068】(第7実施例)図21に第7実施例のX線
診断装置の主要部の構成を示し、図17と同じ部分には
同符号を付して説明は省略する。再構成処理ではある撮
影角度ではとらえられる血管部分が、別の撮影角度では
とらえられないとき、つまり被写体が再構成領域から一
部はみ出しているとき、再構成結果にアーチファクトを
発生させてしまう。第7実施例では、この種のアーチフ
ァクトの発生を防止するものである。第7実施例のX線
診断装置は、図17の構成に、画像メモリ60とデータ
修正手段61との間に再構成領域外データ判定手段72
と、この再構成領域外データ判定手段72の出力にデー
タ修正手段61と画像メモリ62とを選択的に接続する
スイッチ73が追加された構成である。
【0069】図22に再構成領域外データ判定手段72
の判定処理手順をフローチャートで示している。再構成
領域外データ判定手段72は、ステップS1で、画像メ
モリ60から1枚のサブトラクション画像を取り込む。
ステップS2で、このサブトラクション画像の周辺領域
を決定する。イメージインテンシファイアの入力窓の関
係で円形のサブトラクション画像に対し、図23に斜線
で示す1画素幅の周辺領域が決定される。
【0070】次に、ステップS3で、被検体(造影血
管)が写っている画素と写っていない画素を判定する為
の基準値が決定される。判定対象がサブトラクション画
像であるので、ここでは0値または0近似値に固定され
るが、例えばサブトラクション画像の全画素値の平均値
を基準値として計算するようにしてもよい。次にステッ
プS4で、サブトラクション画像の周辺画素を順次、基
準値と比較する。
【0071】サブトラクション画像の全ての周辺画素が
基準値を下回っているとき、つまり、当該サブトラクシ
ョン画像中の全ての像が再構成領域内であると判定され
たとき、当該サブトラクション画像はスイッチ73を介
して無修正で画像メモリ62に送られる。一方、サブト
ラクション画像の少なくとも1つの周辺画素が基準値を
越えているとき、つまり、当該サブトラクション画像中
に再構成領域外の像が存在すると判定されたとき、当該
サブトラクション画像はスイッチ73を介してデータ修
正手段61に送られる。つまり、再構成領域外の像が存
在すると判定されたサブトラクション画像だけがデータ
修正手段61に送られ、当該像の除去を操作者に促すこ
とができる。ここでは、図23の点線で囲むような除去
すべき血管像の除去は、データ修正手段61でマニュア
ルで行われる。
【0072】こうして画像メモリ62には再構成領域外
の像が存在しない全角度のサブトラクション画像が保持
される。このように本実施例では、アーチファクトの原
因となる再構成領域外の像の有無を判定して、この部分
の除去を操作者に促すことができる。本発明は上述した
実施例に限定されること無く種々変形して実施可能であ
る。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、再構成処理時間を短縮
できる。また本発明によれば、回転角を180°より小
さくすることができる。また本発明によれば、造影剤を
注入する前にマクス画像の撮影を不要にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の構成図。
【図2】 第1実施例の動作説明図。
【図3】 第1実施例の処理概要図。
【図4】 第2実施例の構成図。
【図5】 除去領域を示す図。
【図6】 第3実施例の構成図。
【図7】 第1,第2の撮影系の回転軌道を示す図。
【図8】 第3実施例の動作説明図。
【図9】 3次元再構成の原理図。
【図10】 第4実施例の主要部構成図。
【図11】 第1,第2の撮影系の回転軌道を示す図。
【図12】 第4実施例の動作説明図。
【図13】 X線束の広がり角を示す図。
【図14】 第5実施例の主要部構成図。
【図15】 第1,第2の撮影系の回転軌道を示す図。
【図16】 第5実施例の動作説明図。
【図17】 第6実施例の構成図。
【図18】 図17のデータ修正手段の構成図。
【図19】 データ修正の概念図。
【図20】 第6実施例の処理概要図。
【図21】 第7実施例の主要部の構成図。
【図22】 図21の再構成領域外データ判定手段の処
理手順を示すフローチャート。
【図23】 周辺領域を示す図。
【図24】 従来の一問題点の説明図。
【符号の説明】 1…X線管、2…イメージインテンシファイア、3…高
電圧発生装置、4…X線制御装置、5…TVカメラ、6
…アナログディジタル変換器、7,8,11…画像メモ
リ、9…サブトラクション処理手段、10…3次元再構
成手段、12…表示画像作成手段、13…ディジタルア
ナログ変換器、14…モニタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金箱 豊充 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 (72)発明者 中谷 叔訓 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 (72)発明者 中山 博士 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 (72)発明者 小澤 政広 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 (72)発明者 松本 国敏 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 Fターム(参考) 4C093 AA08 AA09 AA21 AA24 CA13 CA26 DA02 EA06 EB02 EE20 FD09 FF28 FF34 FF42 FG13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の回り360度の中の複数の撮影
    角度からX線造影剤注入前とX線造影剤注入後の2組の
    X線投影画像を撮影し、同じ撮影角度で撮影したX線造
    影剤注入前のX線投影画像と、X線造影剤注入後のX線
    投影画像とを引き算して造影剤影のみの引き算画像を撮
    影角度毎に得て、これらの造影剤影のみの引き算画像か
    ら造影部分の3次元データを再構成するX線診断装置に
    おいて、 前記引き算画像から造影剤影を含む部分画像を撮影角度
    毎に抽出し、これらの部分画像から造影部分の3次元デ
    ータを再構成することを特徴とするX線診断装置。
  2. 【請求項2】 被検体の回り360度の中で複数の撮影
    角度から撮影した複数のX線投影画像から被検体の3次
    元データを再構成するX線診断装置において、 被検体を挟んで対向配置される第1のX線管と第1のX
    線検出器とを有する第1の撮影系と、 被検体を挟んで対向配置される第2のX線管と第2のX
    線検出器とを有する第2の撮影系と、 前記第1のX線管から前記第1のX線検出器に至るX線
    束中心線と前記第2のX線管から前記第2のX線検出器
    に至るX線束中心線とが所定角度で交差する状態で前記
    第1の撮影系と前記第2の撮影系とを回転可能に支持す
    る支持手段と、 被検体の造影剤濃度が経時的に変化するように被検体に
    造影剤を注入する造影剤注入装置と、 前記第1の撮影系で撮影した第1のX線投影画像と、こ
    の第1のX線投影画像と同じ撮影角度であって異なる造
    影剤濃度の前記第2の撮影系で撮影した第2のX線投影
    画像とを撮影角度毎に引き算し、これらの引き算画像を
    2値化することより造影剤の存在を表す複数の造影剤画
    像を得て、これらの造影剤画像から造影剤の3次元上の
    存在を表す3次元データを再構成する手段とを具備する
    ことを特徴とするX線診断装置。
  3. 【請求項3】 被検体の回りの異なる撮影角度から撮影
    した複数のX線投影画像から被検体の3次元データを再
    構成するX線診断装置において、 X線管とX線検出器とからなる少なくとも2組の撮影系
    を備え、一方の撮影系により0度からa度までの範囲内
    で撮影角度の異なる複数のX線投影画像を得、他方の撮
    影系によりa度から2・a度までの範囲内で撮影角度の
    異なる複数のX線投影画像を得、これら2組の撮影系で
    得た撮影角度の異なる複数のX線投影画像から被検体の
    3次元データを再構成することを特徴とするX線診断装
    置。
  4. 【請求項4】 被検体の回りの異なる撮影角度から撮影
    した複数のX線投影画像から被検体の3次元データを再
    構成するX線診断装置において、 X線管とX線検出器とからなる少なくとも2組の撮影系
    を備え、一方の撮影系により0度からa度までの範囲内
    で撮影角度の異なる複数のX線投影画像を得、他方の撮
    影系によりb度(b<a)からc度(c>a)までの範
    囲内で撮影角度の異なる複数のX線投影画像を得、b度
    からa度までの範囲で2組の撮影系で同じ撮影角度で造
    影剤注入前に撮影した2枚のX線投影画像から2組の撮
    影系間の感度差を求め、この感度差に基づいて造影剤注
    入後に2組の撮影系で撮影した複数のX線投影画像の感
    度補正をして、感度補正された複数のX線投影画像から
    被検体の3次元データを再構成することを特徴とするX
    線診断装置。
  5. 【請求項5】 X線管とX線平面検出器とを対向させ、
    被検体の回り360度の範囲内で複数の撮影角度でX線
    投影画像をX線造影剤注入前とX線造影剤注入後とで撮
    影し、同じ撮影角度で撮影したX線造影剤注入前のX線
    投影画像と、X線造影剤注入後のX線投影画像とを引き
    算して、造影剤のみの引き算画像を撮影角度毎に得て、
    これらの引き算画像から造影剤の3次元データを再構成
    するX線診断装置において、 前記造影剤のみの引き算画像内の特定の領域について再
    構成することを特徴とするX線診断装置。
  6. 【請求項6】 X線管とX線平面検出器とを対向させ、
    被検体の回り360度の範囲内で複数の撮影角度でX線
    投影画像をX線造影剤注入前とX線造影剤注入後とで撮
    影し、同じ撮影角度で撮影したX線造影剤注入前のX線
    投影画像と、X線造影剤注入後のX線投影画像とを引き
    算して、造影剤のみの引き算画像を撮影角度毎に得て、
    これらの引き算画像から造影剤の3次元データを再構成
    するX線診断装置において、 前記造影剤のみの引き算画像の周辺部のデータをゼロ値
    に置換して、再構成処理に供することを特徴とするX線
    診断装置。
  7. 【請求項7】 被検体の回り360度の中の複数の撮影
    角度から撮影した複数のX線投影画像から被検体の3次
    元データを再構成するX線診断装置において、 同じ撮影角度から撮影したX線造影剤注入前のX線投影
    画像と、X線造影剤注入後のX線投影画像とを引き算し
    て、造影剤影のみの引き算画像を撮影角度毎に得て、こ
    れらの造影剤影のみの引き算画像から不要部分を除去
    し、不要部分を除去した引き算画像から造影部分の3次
    元データを再構成することを特徴とするX線診断装置。
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