JP2003332328A - 低誘電率及び高機械的強度を有するシリコン系絶縁膜の形成方法 - Google Patents

低誘電率及び高機械的強度を有するシリコン系絶縁膜の形成方法

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JP2003332328A JP2003056631A JP2003056631A JP2003332328A JP 2003332328 A JP2003332328 A JP 2003332328A JP 2003056631 A JP2003056631 A JP 2003056631A JP 2003056631 A JP2003056631 A JP 2003056631A JP 2003332328 A JP2003332328 A JP 2003332328A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電率が低くかつ機械的強度が高い絶縁膜を形
成する方法を与える。 【解決手段】プラズマCVD法により高い機械的強度及び
低誘電率を有する絶縁膜を形成するための方法が与えら
れる。当該方法は、架橋基を含有するシリコン系炭化水
素から成る材料ガスと、架橋ガスと、不活性ガスとから
成る反応ガスを基板が配置された反応チャンバ内に導入
する工程と、反応チャンバ内部にプラズマ反応場を形成
するべくRF電力を印加する工程と、反応ガスの流量及び
RF電力の強度を制御する工程と、から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概して半導体技術
に関し、特にプラズマCVD(化学気相成長)装置を使用
することによって機械的強度が高いシリコン系絶縁膜を
半導体基板上に形成するための方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年の半導体の高速化・微細化の要求に伴
い、多層配線技術分野において信号の遅延を防止するた
めに、配線間の容量を低減することが求められている。
配線間の容量を低減するためには、多層配線間の絶縁膜
の比誘電率を下げる必要があり、低誘電率絶縁膜の開発
が行われてきた。
【0003】従来のシリコン酸化膜SiOxは、SiH4若しく
はSi(OC2H5)4等のシリコン材料ガスに酸化剤として酸素
O2、酸化窒素NO若しくは亜酸化窒素N2Oを添加し、熱若
しくはプラズマエネルギーによって形成されるもので、
その比誘電率はε=4.0程度であった。
【0004】これに対して、無機シリコン酸化物ガラス
(SOG)材料を用いたスピンコート法により、比誘電率ε
=2.3程度の低誘電率絶縁膜が形成された。
【0005】また、材料ガスとしてCxFyHzを用いたプラ
ズマCVD法により、比誘電率ε=2.0〜2.4の低誘電率フ
ッ素化アモルファスカーボン膜が形成された。さらに、
シリコン系炭化水素(例えば、P-TMOS(フェニルトリメ
トキシシラン))を材料ガスとして用いたプラズマCVD
法により、比誘電率ε=3.1の低誘電率絶縁膜が形成さ
れた。さらにまた、材料ガスとして複数のアルコキシ基
を含有するシリコン系炭化水素を用いたプラズマCVD法
により、条件を最適化することによりε=2.5程度の低
誘電率絶縁膜が形成された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の上記ア
プローチには以下のような問題がある。
【0007】まず、スピンコート法による無機SOG絶縁
膜の場合、材料がシリコン基板上に均一に分配されない
点、及び材料塗布処理後のキュア工程に用いる装置が高
価である点が問題である。
【0008】また、材料ガスとしてCxFyHzを用いたプラ
ズマCVD法により形成されるフッ素化アモルファスカー
ボン膜の場合、膜の耐熱性が低く(370℃若しくはそれ
以下)、シリコン系材料との密着性が悪く、また膜の機
械的強度も低いという欠点がある。
【0009】さらに、シリコン系炭化水素のうち、P-TM
OSを用いた場合、アルコキシ基を3つ含有するため、重
合したオリゴマーはシロキサンのような線状構造を形成
できない。その結果、シリコン基板上に多孔構造が形成
されず、比誘電率を所望の程度まで低減することができ
ない。
【0010】さらにまた、材料ガスとして複数のアルコ
キシ基を含有するシリコン系炭化水素を用いた場合、条
件を最適化することによって重合したオリゴマーはシロ
キサンのような線状構造を形成するので、シリコン基板
上に多孔構造を形成することができ比誘電率を所望の程
度まで低減させることができるが、線状構造のオリゴマ
ーはオリゴマー同士の結合力が弱く、膜の機械的強度が
低いという問題を有する。
【0011】本発明は以上のような問題点に鑑みて為さ
れたものであり、その目的は、比誘電率が低くかつ機械
的強度が高い絶縁膜を形成する方法を与えることであ
る。
【0012】また、本発明の他の目的は、装置コストを
増大させることなく、低誘電率絶縁膜を容易に形成する
方法を与えることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の実施例において、本発明に係る低誘電率絶
縁膜の形成方法は以下の工程から成る。
【0014】本発明に係るプラズマCVD法により低誘電
率絶縁膜を形成するための方法は、複数のアルコキシ基
及び/またはビニル基のような架橋可能基を含有するシ
リコン系炭化水素と、架橋ガスと、不活性ガスとからな
る材料ガスを反応チャンバに導入する工程と、反応チャ
ンバ内にプラズマ反応場を生成するために、第1のRF電
力及び第2のRF電力を重畳して印加するか、または第1
のRF電力のみを印加する工程と、各材料ガスの流量及び
各RF電力の出力を最適化する工程と、から成る。
【0015】材料ガスとして、複数の架橋可能基を含有
するシリコン系炭化水素は、単独でまたはひとつ若しく
はそれ以上の架橋可能基を有するようなひとつ若しくは
それ以上の他のシリコン系炭化水素と組み合わせて使用
される。架橋可能基は、これに限定されないが、アルコ
キシ基及び/またはビニル基を含む。例えば、もしアル
コキシ基を有しないか若しくはひとつのアルコキシ基を
有するシリコン系炭化水素がもっぱら使用されれば、必
要により酸素供給ガスを使って酸素を補う際に線状シロ
キサンオリゴマーが形成される。しかし、その場合、生
成膜の機械的強度を増加させるために架橋ガスを使うこ
とによってオリゴマーを架橋するのは困難である。アル
コキシ基を有しないか若しくはひとつのアルコキシ基を
有するシリコン系炭化水素は2つ若しくはそれ以上のア
ルコキシ基を有するシリコン系炭化水素より少ない量で
使用される。実施例において、10%若しくはそれ以上
(15%、20%、25%、30%、40%、50%、
60%、70%、80%、90%及び100%を含む)
の材料ガスは、優位に若しくは有効に線状オリゴマーを
形成するために2つのアルコキシ基を有するシリコン系
炭化水素である。好適には、材料ガスとして、複数のア
ルコキシ基を含有するシリコン系炭化水素はジメチルジ
メトキシシラン(DM-DMOS)若しくは1,3-ジメトキシテト
ラメチルジソロキサン(DMOTMDS)のような線状化合物で
ある。環状主構造を有するシリコン系炭化水素が線状シ
リコン系炭化水素よりも少ない量で使用される。上記に
おいて、アルコキシ基は-OCnH2n+1(nは1〜4の整数)
を含む。材料ガスは1,3-ジビニルテトラメチルジシロキ
サンのようなビニル基を含有する化合物であり、アルコ
キシル基を有する化合物に類似し、当該化合物はオリゴ
マーを形成することができる。
【0016】架橋ガスとして、CO2、エチレングリコー
ル、1,2-プロパンジオール、イソプロピルアルコール(I
PA)、エチレン、N2若しくはジエチルエーテルのような
あらゆる適当な反応ガスが使用され、それはシリコン系
炭化水素のオリゴマーを架橋することができる。例え
ば、あらゆる適当なアルコール、エーテル、及び/また
は不飽和炭化水素が使用され、それはC1-6アルカノール
及びC4-12シクロアルカノールから成る集合から選択さ
れる不飽和炭化水素、及びC1-6不飽和炭化水素、C4-12
芳香族炭化水素不飽和化合物及びC4-12脂環式炭化水素
不飽和化合物から成る集合から選択される不飽和炭化水
素を含む。上記において、より多くの炭素原子を有する
化合物は、これに限定されないが、1,4-シクロヘキサン
ジオール(b.p. 150℃/20mm)、1,2,4-トリビニル
シクロヘキサン(b.p. 85〜88℃/20mm)、1,4-シ
クロヘキサンジメタノール(b.p. 283℃)及び1,3-シ
クロペンタンジオール(80〜85℃/0.1Torr)を含
む。また、複数の反応基(混合された官能性、すなわち
不飽和炭化水素及びアルコール官能性)を有する化合物
は架橋剤としても使用され、これに限定されないが、エ
チレングリコールビニルエーテルH2C=CHOCH2OH(b.p. 1
43℃)、エチレングリコールジビニルエーテルH2C=CHO
CH2CH2OCH=CH2(b.p.125〜127℃)、及び1,4-シク
ロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(H2C=C(OH)-C
H2)2-(CH2)6(b.p.126℃/14mm)のようなC3-20エー
テル並びに1-ビニルシクロヘキサノール(b.p.74℃/
19mm)のようなC5-12シクロアルカノールビニル化合物
を含む。使用可能な反応ガスは上記に限定されるもので
はなく、以下に説明される。不活性ガスとして、Ar、Ne
及び/またはHeが使用される。また、もし十分な酸素原
子がシリコン含有炭化水素内に存在しなければ、材料ガ
ス内に酸素を供給するための酸素供給ガスとして、O2
NO、O3、H2O若しくはN2Oが含まれる。
【0017】実施例において、高周波数RF電力及び低周
波数RF電力を重畳することによって、オリゴマーの架橋
が有効に実現される。例えば、2MHz若しくはそれ以上
の周波数を有する高周波数RF電力及び2MHz以下の周波
数を有する低周波数RF電力の組み合わせが使用される。
低周波数RF電力は0.5W/cm2若しくはそれ以下(0.
2、0.1、0.075、0.05、0.025W/cm2のよ
うな、及びそれらのいずれか2つを含む範囲)のような
低電力レベルでも有効である。これに対して、高周波数
RF電力は1.5W/cm2若しくはそれ以上(2.0、2.2
5、2.5、2.75、3.0、3.25、3.5W/cm2のよ
うな、及びそれらのいずれか2つを含む範囲)のような
高電力レベルで印加される。そのような高電力レベルは
生成絶縁膜の機械的強度及び成長速度を増加させること
ができる。
【0018】本発明の実施例に従い、低誘電率及び高機
械的強度を有するシリコン系絶縁膜は架橋ガスを使用し
かつ各ガスの流量及びRF電源の電力強度を最適化するこ
とにより形成される。実施例において、低誘電率は2つ
若しくはそれ以上のアルコキシ基を有するシリコン系炭
化水素の残留物から構成されるオリゴマー(例えば、シ
ロキサン重合体)の形成によって達成され、高機械的強
度は低誘電率を維持しながらオリゴマーを架橋すること
によって達成される。付加的に、本発明の実施例に従
い、低誘電率を有する絶縁膜は装置コストを増大させる
ことなく容易に形成される。
【0019】本発明は上記特徴に属する、半導体基板上
に形成された絶縁膜の機械的強度を増加するための方法
に関する。実施例において、絶縁膜は、例えば、材料ガ
スの種類、架橋ガスの種類、及びRF電力の強度に依存し
て、2.8若しくはそれ以下(2.7、2.6、2.5、
2.4、2.3、2.2、2.1、2.0のような、及びそ
れらのいずれか2つを含む範囲)の誘電率、及び1.0G
Pa若しくはそれ以上(1.25、1.5、1.75、2.
0、2.25、2.5、2.75、3.0のような、及びそ
れらのいずれか2つを含む範囲)の硬度(機械的強度)
を有する。
【0020】本発明の実施例に従い、シリコン系絶縁膜
が基板上に形成され、当該膜は上述の方法によって得ら
れるプラズマ重合生成物である。プラズマ重合生成物
は、複数のアルコキシ基を含むシリコン系炭化水素化合
物がC1-6アルカノール、C1-6エーテル、C1-6不飽和炭化
水素、CO2、及びN2から成る集合から選択される架橋剤
を使って架橋されるところの構造を有する。プラズマ重
合生成物は、例えば材料ガス及び架橋ガスの種類及びプ
ラズマ重合条件に依存して、2.5GPa若しくはそれ以上
の硬度及び2.8若しくはそれ以下の誘電率、または1.
0GPa若しくはそれ以上の硬度及び5.0GPa若しくはそ
れ以上の弾性率並びに2.5若しくはそれ以下の誘電率
を有する。本発明において、重合はオリゴマー化を含
み、オリゴマーは(M)n(ここで、Mは構成成分単位、nは
5〜30及び10〜20の範囲を含む2〜50の整数で
ある)の構造を含む。
【0021】本発明の他の態様、特徴及び利点は以下の
好適実施例の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0022】
【発明の実施の態様】本発明の実施例において、プラズ
マ反応によって基板上にシリコン系絶縁膜を形成するた
めの方法が与えられ、当該方法は、(a)(i)複数の架橋可
能基を含むシリコン系炭化水素化合物から成る材料ガ
ス、(ii)架橋ガス、及び(iii)不活性ガスから成る反応
ガスを基板が配置された反応チャンバ内に導入する工程
と、(b)反応チャンバ内にプラズマ反応場を形成するよ
うRF電力を印加する工程と、(c)反応ガスの流量及びRF
電力の強度を制御する工程と、から成る。実施例におい
て、プラズマ反応によって基板上にシリコン系絶縁膜を
形成する方法は、(A)(I)複数のアルコキシ基を含む少な
くともひとつのシリコン系炭化水素化合物から成る材料
ガス、(II)C1-6アルカノール、C1-6エーテル、C1-6不飽
和炭化水素、CO2及びN2から成る集合から選択された架
橋ガス、及び(III)不活性ガスから成る反応ガスを基板
が配置された反応チャンバ内に導入する工程と、(B)反
応チャンバ内にプラズマ反応空間を作成するようRF電力
を印加する工程と、(C)反応ガスの流量及びRF電力の強
度を制御する工程から成る。
【0023】上記したように、本発明はさまざまな実施
例を含む。例えば、RF電力は高周波数電力及び低周波数
電力の組み合わせである。また、高周波数電力は2MHz
若しくはそれ以上(5、10、15、20、25、3
0、40、50、60及び70MHzのような、及びこれ
らのいずれか2つを含む範囲)の周波数を有し、低周波
数電力は2MHz以下(1MHz、800、600、400、
200、100KHz及びこれらのいずれか2つを含む範
囲)の周波数を有する。変形的に、RF電力は単一周波数
電力であっても良い。RF電力の強度は1.5W/cm2若しく
はそれ以上であり、低周波数RF電力を重畳する場合に
は、高周波数電力の強度は1.5W/cm2若しくはそれ以上
であり、低周波数電力の強度は0.01W/cm2若しくはそ
れ以上である。2つ以上のRF電力周波数が重畳されても
よい。例えば、高周波数電力(例えば、20〜30MH
z)、中間周波数電力(例えば、1〜5MHz)、及び低周
波数電力(例えば、200〜800KHz)が重畳され
る。
【0024】材料ガスは化学式SiαOα-1R2α-β+2(OCn
H2n+1)βを有する化合物であり、ここで、αは1〜3の
整数、βは2若しくは3、nは1〜3の整数及びRはSiに
結合されるC1-12炭化水素、C1-12フッ化炭化水素、C
1-12過フッ化炭化水素、H、D、F、Cl、Br及びIから成る
集合から選択される。実施例において、RはC1-6炭化水
素である。材料ガスはまた上記化学式で記述されるひと
つ若しくはそれ以上の化合物の混合物から成る。実施例
において、αは1若しくは2であり、βは2である。こ
の種の材料ガスは米国特許第6,352,945号、第6,383,955
号及び第6,432,846号に開示されており、これらすべて
はここに参考文献として組み込まれる。実施例におい
て、材料ガスはジメチルジメトキシシラン(DM-DMOS)、
1,3-ジメトキシテトラメチルジシロキサン(DMOTMDS)若
しくはフェニルメチルジメトキシシラン(PM-DMOS)であ
る。異なる材料ガスが混合されか若しくは単一の材料ガ
スが単独で使用される。上記材料ガスへの有用な添加剤
である付加的分子は1,3-ジビニルテトラメチルシラン(D
VTMS,[CH2=CH2Si(CH3)2]2O)である。不飽和炭化水素を
有するそのようなシリコン系化合物は架橋分子を促進す
ることによって機械的強度を改良するのに有用である。
【0025】反応ガスの流量及びRF電力の強度は、例え
ば材料ガスの種類に依存して、1.0GPa若しくはそれ以
上、または2.5GPa若しくはそれ以上の硬度(機械的強
度)を有する絶縁膜を形成するよう制御される。
【0026】不活性ガスは、Ar、Ne及びHeを含むあらゆ
る適当な不活性ガスである。反応ガスはさらに酸素供給
ガスから成る。酸素供給ガスは酸素を供給することがで
きるあらゆる適当なガスであり、O2、NO、O3、H2O及びN
2Oを含む。実施例において、酸素供給ガスは材料ガスよ
りも少ない流量で供給される。不活性ガスは材料ガスの
流量の15〜300%(実施例において、50%若しく
はそれ以上)の流量で供給される。
【0027】実施例において、架橋ガスはエチレングリ
コール、1,2-プロパンジオール及びイソプロピルアルコ
ールのようなC2-4アルカノールである。他の実施例にお
いて、架橋ガスはジエチルエーテルのようなC2-4エーテ
ルである。さらに他の実施例において、架橋ガスはC
2H4、C3H4、C3H6、C4H8、C3H5(CH3)及びC3H4(CH3)2のよ
うなC2-4不飽和炭化水素である。C4-12芳香族炭化水素
及びC4-12脂環式炭化水素のようなより多くの炭素原子
の骨格を有する化合物は、もしそれが反応基を所有して
いれば架橋剤としても使用される。そのような化合物と
して、これに限定されないが、1,4-シクロヘキサンジオ
ール(b.p.150℃/20mm)、1,4-シクロヘキサンジメタ
ノール(b.p.283℃)及び1,3-シクロペンタンジオール
(80〜85℃/0.1Torr)のようなC4-12シクロアルカ
ノール並びに1,2,4-トリビニルシクロヘキサン(b.p.8
5〜88℃/20mm)のようなC4-12脂環式炭化水素不飽
和化合物が含まれる。
【0028】さらに、複数の反応基(混合された官能
性、すなわち不飽和炭化水素及びアルコール官能性)を
有する化合物が架橋剤としても使用され、それはこれに
限定されないが、エチレングリコールビニルエーテルH2
C=CHOCH2OH(b.p.143℃)、エチレングリコールジビニ
ルエーテルH2C=CHOCH2CH2OCH=CH2(b.p.125〜127
℃)及び1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエー
テル(H2C=C(OH)-CH2)2-(CH2)6(b.p.126℃/14mm)の
ようなC3-20エーテル並びに1-ビニルシクロヘキノール
(b.p.74℃/19mm)のようなC5-12シクロアルカノール
ビニル化合物を含む。高分子量タイプの上記材料ガスは
環状化合物と組み合わせて所望の架橋配位子を組み込む
ことができる。それらは線状のシロキサン鎖を架橋する
ことができるが、他のタイプの材料ガスより高度に膜密
度を減少させることもできるので、誘電率を犠牲にする
ことなく所望の硬度(例えば、機械的強度)の強化を達
成することができる。
【0029】架橋ガスは単独で若しくは上記のあらゆる
組み合わせで使用される。架橋ガスは材料ガスの化合物
のオリゴマーを架橋するのに有効な流量で供給され、そ
れによって基板上に形成される絶縁膜の機械的強度が増
加する。架橋ガスの流量は例えば材料ガスのタイプに依
存して、材料ガスの流量の20〜500%である。
【0030】実施例において、反応ガスは反応チャンバ
の上流で励起される。この実施例において、反応ガスは
リアクタの上流部に配設された遠隔プラズマチャンバ内
で励起される。材料ガス及び添加ガス(架橋ガス及び/
または不活性ガス)は遠隔プラズマチャンバ内に導入さ
れる。この場合、反応空間は遠隔プラズマチャンバの内
部、リアクタ内部、遠隔プラズマチャンバ及びリアクタ
を結合する配管の内部から構成される。遠隔プラズマチ
ャンバの内部を使用するため、リアクタの内部空間はか
なり縮小され、したがって上部電極と下部電極との間の
距離が減少される。これによって、リアクタのサイズを
小さくできるばかりか、基板表面全体にわたってプラズ
マを均一に制御することもできるようになる。あらゆる
適当な遠隔プラズマチャンバ及びあらゆる適当な動作条
件が本発明において使用される。例えば、使用可能な装
置及び条件は、2000年2月24日に出願された米国
特許出願第09/511,934号及び2001年1月18日に出
願された米国特許出願第09/764,523号、並びに米国特許
第5,788,778号及び第5,788,799号に開示されている。上
記開示はここに参考文献として組み込まれる。
【0031】また、反応ガスの励起は添加ガスを励起す
ること及び励起された添加ガスと材料ガスを接触させる
ことから成る。反応ガスの励起はリアクタ内部若しくは
リアクタの上流で為される。上述したように、材料ガス
及び添加ガスの両方は遠隔プラズマチャンバ内で励起さ
れる。変形的に、反応ガスの励起は、遠隔プラズマチャ
ンバ内で添加ガスを励起し、遠隔プラズマチャンバの下
流で材料ガスと混合させることによって為されてもよ
い。変形的に、反応ガスはリアクタの上流に設置された
予熱されたチャンバ内で加熱されリアクタ内で励起され
てもよく、膜はリアクタ内の基板上に蒸着される。材料
ガス及び添加ガスは予熱チャンバ内に導入される。この
場合、反応空間は予熱チャンバ内部、リアクタ内部、及
び予熱チャンバ及びリアクタを接続する配管内部から構
成される。予熱チャンバの内部を使用することにより、
リアクタ内部が大いに縮小され、上部電極と下部電極と
の間の距離が減少する。これにより、リアクタのサイズ
が小さくなるばかりか、基板表面全体にわたってプラズ
マを均一に制御することもできる。本発明においてあら
ゆる適当な遠隔プラズマチャンバ及びあらゆる適当な動
作条件が使用される。例えば、使用可能な装置及び条件
は上記参考文献に開示されている。
【0032】さらに、反応ガスの励起は添加ガスを励起
させること及び励起された添加ガスと材料ガスを接触さ
せることから成る。この実施例において、添加ガスは遠
隔プラズマチャンバ内で励起され、材料ガスは励起され
た添加ガスと材料ガスが接触するところの予熱チャンバ
内で加熱され、その後反応ガスは膜を蒸着するためにリ
アクタ内に流れ込む。この場合、遠隔プラズマチャンバ
内には添加ガスしか存在しないので、点火若しくは着火
の失敗を引き起こす遠隔プラズマチャンバの表面上への
不所望な粒子の付着は効果的に防止される。材料ガスは
遠隔プラズマチャンバの下流において励起された添加ガ
スと混合される。
【0033】他の実施例において、膜蒸着のさらなる安
定処理のために高及び/または低周波数放射用のパルス
状プラズマを使用するような他のプラズマ条件が採用さ
れる。例えば、10〜100msecのサイクル及び10〜
90%のデューティ(放射時間/(放射時間+非放射時
間))が好適である。
【0034】本発明の他の態様において、基板上に形成
されるシリコン系絶縁膜の機械的強度を増加させるため
の方法が与えられ、当該方法は、(a)C1-6アルカノー
ル、C1- 6エーテル、C1-6不飽和炭化水素、CO2及びN2
ら成る集合から選択される架橋ガスを、複数のアルコキ
シ基を有するシリコン系炭化水素化合物から成る材料ガ
ス内で不活性ガスと混合する工程と、(b)基板が配置さ
れた反応チャンバ内に反応ガスとしての混合ガスを導入
する工程と、(c)反応チャンバ内部にプラズマ反応空間
を作成するようRF電力を印加する工程と、(d)反応ガス
の流量及びRF電力の強度を制御する工程と、から成る。
【0035】本発明においてオリゴマーを形成するため
に、反応ガスの滞留時間は、ここに参考文献として組み
込む米国特許第6,352,945号、第6,383,955号及び第6,43
2,846号に開示されるように制御される。
【0036】反応ガスの流量はRF電力の強度、反応用に
選択された圧力並びに材料ガス及び架橋ガスの種類に基
づいて決定される。反応圧力は通常1〜10Torrの範囲
であるが、安定なプラズマを維持するのに好適には3〜
7Torrの範囲である。この反応圧力は反応ガスの滞留時
間を長くするために比較的高い。反応ガスの総流量は生
成膜の比誘電率を減少させるために重要である。一般
に、滞留時間が長いほど、誘電率が低下する。膜を形成
するのに必要な材料ガス流量は、所望の成長速度及び膜
が形成される基板の面積に依存する。例えば、300nm
/分の成長速度で基板(半径r=100mm)上に膜を形成
するためには、少なくとも50sccmの材料ガス(15
0、200、250sccmを含む好適には100〜500
sccm)が反応ガス中に含まれることが期待される。
【0037】気相中の反応を調節するために、少量の不
活性ガスを反応チャンバに付加するのが効果的である。
ヘリウム(He)及びアルゴン(Ar)は不活性ガスであり、そ
れぞれ異なる第1イオン化エネルギー、24.56eV及
び15.76eVを有する。したがって、He若しくはArを
単独で若しくは所定の量で組み合わせて両方を添加する
ことにより、気相中の材料ガスの反応が制御される。付
加的に若しくは変形的に、ネオン(Ne)が同じ目的で使用
されてもよい。反応ガスの分子は気相中で重合反応を経
て、オリゴマーが形成される。オリゴマーは1:1の
O:Si比率を有するように所望される。しかし、オリゴ
マーが基板上に膜を形成する場合、オリゴマーはさらに
重合反応を経て、より高い酸素比率を達成する。比率は
基板上に形成される膜の誘電率及び他の特性に依存して
変化する。上記及び反応効率を考慮して、反応ガス中の
Si/O比率を調節するために酸素が供給される。
【0038】本発明はさらに図面を参照して詳細に説明
される。図1は本発明の実施例に従う低誘電率を有する
絶縁膜の形成方法に使用するプラズマCVD装置を略示し
たものである。プラズマCVD装置1は反応チャンバ6を含
む。反応チャンバ6内部には半導体ウエハ4を載置するた
めのサセプタ3が設けられている。サセプタ3はヒータ2
によって支持されている。該ヒータ2は半導体ウエハ4を
所定の温度(例えば、350〜450℃)に維持する。
サセプタ3はプラズマを生成するための一方の電極を兼
ねており、反応チャンバ6を通じて接地11されている。
反応チャンバ6の内側天井部にはサセプタ3と平行に対向
して、シャワーヘッド9が設けられている。シャワーヘ
ッド9は底面に多くの細孔を有している。そこから以下
に説明する反応ガス(材料ガス、架橋ガス、不活性ガス
及び他の添加ガスを含む)が半導体ウエハ4に向かって
均一に噴出される。材料ガス、架橋ガス及び不活性ガス
は異なるガスライン(図示せず)を使って別々に反応チ
ャンバ内に供給される。シャワーヘッド9の中央部には
反応ガス導入口5が設けられ、反応ガスはガスライン
(図示せず)を通じてシャワーヘッド9に導入される。
ガス導入口5は反応チャンバ6から電気的に絶縁されてい
る。シャワーヘッド9はプラズマを生成するためのもう
一方の電極を兼ねており、外部に設置された第1のRF電
源7及び第2のRF電源8に接続されている。これによっ
て、半導体ウエハ4の近傍にプラズマ反応場が生成され
る。反応チャンバ6の底部には排気口10が設けられ、外
部の真空ポンプ(図示せず)と連結されている。
【0039】次に、本発明の実施例に従う低誘電率絶縁
膜の形成方法について説明する。当該方法は、主材料ガ
ス、副材料ガス(架橋ガス及び付加的に酸素供給ガス)
及び添加ガス(不活性ガス)から成る反応ガスを反応ガ
ス導入口5を通じてシャワーヘッド9に導入する工程を含
む。主材料ガスは、複数のアルコキシ基を含有するシリ
コン系炭化水素であり、好適にはDM-DMOS(ジメチルジ
メトキシシラン)である。副材料ガスは、CO2、エチレ
ングリコール、1,2プロパンジオール及びイソプロピル
アルコール(IPA)のようなアルコール類、エチレンのよ
うな少なくとも1つの不飽和結合を含む炭化水素、N2
またはジエチルエーテルのようなエーテルである。Si/O
比を制御する必要がある場合には副材料ガスとしてさら
にO2、O3、NO、H2O若しくはN2Oを付加することもでき
る。添加ガスは、Ar、Ne及び/またはHeのような不活性
ガスである。
【0040】膜の最初のインターフェース及び最終面に
おいて傾斜した及び/または異なる組成を有する材料を
生成するために、傾斜した若しくは異なるガス流及び/
またはガスの択一的な組み合わせを独立に使用すること
は有効である。
【0041】また、本発明の実施例に従う低誘電率絶縁
膜の形成方法は、シャワーヘッド9に第1のRF電力及び
第2のRF電力を重畳することによってRF電力を印加する
工程若しくは第1のRF電力を単独で印加する工程を含
む。第1のRF電源7の周波数は好適には2MHz若しくはそ
れ以上であり、第2のRF電源8の周波数は好適には2MHz
若しくはそれ以下である。シャワーヘッド9にRF電力を
印加することにより、半導体ウエハ4付近にプラズマ反
応場が形成される。反応ガス導入口5を介して導入され
た反応ガスはプラズマ内で励起され、半導体ウエハ上に
所望の絶縁膜が形成される。
【0042】本発明の実施例に従う方法によれば、副原
料ガスとしてCO2、エチレングリコール、1,2プロパンジ
オール及びイソプロピルアルコール(IPA)のようなアル
コール類、エチレンのような少なくとも1つの不飽和結
合を含む炭化水素、N2、またはジエチルエーテルのよう
なエーテルを導入することで、直鎖状オリゴマーが架橋
され、低誘電率を保ったまま膜の機械的強度を向上させ
ることができる。また、第1のRF電力に第2のRF電力を
重畳させることによって膜の機械的強度をさらに向上さ
せることができる。
【0043】さらに、本発明の実施例に従う低誘電率絶
縁膜の形成方法は、各材料ガスの流量及び第1及び第2
RF電源の出力を最適化する工程を含む。出力の最適化は
以下に示す実験によって行われた。ここで、第1のRF電
源7の周波数は27.12MHz、第2のRF電源8の周波数は400k
Hzに固定されているが、これ以外の周波数を使用するこ
とも可能である。
【0044】実験において、各ガスの流量並びに第1及
び第2RF電源の出力を最適化することで、DM-DMOS(ジ
メチル-ジメトキシシラン)が主材料ガスとして使用さ
れる場合に比誘電率が2.8若しくはそれ以下で膜硬度
が2.5GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜が形成され、
DMOTMDS(1,3-ジメトキシテトラメチルジシロキサン)
が主材料ガスとして使用される場合に誘電率が2.5若
しくはそれ以下で膜硬度が1.0GPa若しくはそれ以上と
なる絶縁膜が形成される。
【0045】
【実施例】以下、本発明に従う低誘電率絶縁膜の形成方
法の各ガスの流量及び各RF電源の出力を最適化する実験
を行ったので説明する。
【0046】(実験1)図1に示したプラズマCVD装置1
を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を形成
する実験を行った。 図2は、上記実験条件にてO2の流量を0から200sccm
まで変化させた場合における誘電率及び膜硬度の関係を
示したグラフである。グラフから上記実験条件において
は、誘電率が2.8若しくはそれ以下で膜硬度が2.5GP
a若しくはそれ以上となる絶縁膜を形成するための最適
なO2流量は50から150sccmであることがわかる。
【0047】(実験2)図1に示したプラズマCVD装置1
を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を形成
する実験を行った。 図3は、上記実験条件にてCO2の流量を0から1000s
ccmまで変化させた場合における誘電率及び膜硬度の関
係を示したグラフである。グラフから上記実験条件にお
いては、誘電率が2.8若しくはそれ以下で膜硬度が2.
5GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜を形成するための
最適なCO2流量は100から900sccmであることがわ
かる。
【0048】(実験3)図1に示したプラズマCVD装置1
を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を形成
する実験を行った。 図4は、上記実験条件にて第2RF電源の電力密度を0か
ら0.5 W/cm2まで変化させた場合における誘電率及び
膜硬度の関係を示したグラフである。グラフから上記実
験条件においては、誘電率が2.8若しくはそれ以下で
膜硬度が2.5GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜を形成
するための最適な第2RF電源の電力密度は0.025か
ら0.4 W/cm2であることがわかる。
【0049】(実験4)図1に示したプラズマCVD装置1
を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を形成
する実験を行った。 実験条件: 主原料ガス:DM-DMOS 200sccm 副原料ガス:OH-CH2-CH2-OH(エチレングリコール)0〜
200sccm 添加ガス:He 400sccm 第1RF電源:27.12MHz 2.5 W/cm2 第2RF電源:400kHz 0.1W/cm2 図5は、上記実験条件にてエチレングリコールの流量を
0から200sccmまで変化させた場合における誘電率及
び膜硬度の関係を示したグラフである。グラフから上記
実験条件においては、誘電率が2.8若しくはそれ以下
で膜硬度が2.5GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜を形
成するための最適なエチレングリコール流量は50から
100sccmであることがわかる。
【0050】(実験5)図1に示したプラズマCVD装置1
を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を形成
する実験を行った。 実験条件: 主原料ガス:DM-DMOS 200sccm 副原料ガス:OH-CH2-CH2-OH(エチレングリコール)0〜
200sccm 添加ガス:He 400sccm 第1RF電源:27.12MHz 2.5 W/cm2 第2RF電源:400kHz 0 W/cm2 図6は、上記実験条件にてエチレングリコールの流量を
0から200sccmまで変化させた場合における誘電率及
び膜硬度の関係を示したグラフである。グラフから上記
実験条件においては、誘電率が2.8若しくはそれ以下
で膜硬度が2.5GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜を形
成するための最適なエチレングリコール流量は100か
ら150sccmであることがわかる。
【0051】(実験6)図1に示したプラズマCVD装置1
を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を形成
する実験を行った。 実験条件: 主原料ガス:DM-DMOS 150sccm 副原料ガス:1,2プロパンジオール 0〜400sccm 添加ガス:He 300sccm 第1RF電源:27.12MHz 2.2 W/cm2 第2RF電源:400kHz 0.075W/cm2 図7は、上記実験条件にて1,2プロパンジオールの流量
を0から400sccmまで変化させた場合における誘電率
及び膜硬度の関係を示したグラフである。グラフから上
記実験条件においては、誘電率が2.8若しくはそれ以
下で膜硬度が2.5GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜を
形成するための最適な1,2プロパンジオール流量は50
から300sccmであることがわかる。
【0052】(実験7)図1に示したプラズマCVD装置1
を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を形成
する実験を行った。 実験条件: 主原料ガス:DM-DMOS 150sccm 副原料ガス:1,2プロパンジオール 0〜400sccm 添加ガス:He 300sccm 第1RF電源:27.12MHz 2.2 W/cm2 第2RF電源:400kHz 0 W/cm2 図8は、上記実験条件にて1,2プロパンジオールの流量
を0から400sccmまで変化させた場合における誘電率
及び膜硬度の関係を示したグラフである。グラフから上
記実験条件においては、誘電率が2.8若しくはそれ以
下で膜硬度が2.5GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜を
形成するための最適な1,2プロパンジオール流量は20
0から300sccmであることがわかる。
【0053】(実験8)図1に示したプラズマCVD装置1
を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を形成
する実験を行った。 実験条件: 主原料ガス:DM-DMOS 200sccm 副原料ガス:CH2=CH2(エチレン) 0〜500sccm 添加ガス:He 400sccm 第1RF電源:27.12MHz 2.0 W/cm2 第2RF電源:400kHz 0.05W/cm2 図9は、上記実験条件にてエチレンの流量を0から50
0sccmまで変化させた場合における誘電率及び膜硬度の
関係を示したグラフである。グラフから上記実験条件に
おいては、誘電率が2.8若しくはそれ以下で膜硬度が
2.5GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜を形成するため
の最適なエチレン流量は50から450sccmであること
がわかる。
【0054】(実験9)図1に示したプラズマCVD装置1
を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を形成
する実験を行った。 実験条件: 主原料ガス:DM-DMOS 200sccm 副原料ガス:CH2=CH2(エチレン) 0〜500sccm 添加ガス:He 400sccm 第1RF電源:27.12MHz 2.0 W/cm2 第2RF電源:400kHz 0 W/cm2 図10は、上記実験条件にてエチレンの流量を0から5
00sccmまで変化させた場合における誘電率及び膜硬度
の関係を示したグラフである。グラフから上記実験条件
においては、誘電率が2.8若しくはそれ以下で膜硬度
が2.5GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜を形成するた
めの最適なエチレン流量は300から450sccmである
ことがわかる。
【0055】(実験10)図1に示したプラズマCVD装
置1を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を
形成する実験を行った。 図11は、上記実験条件にてN2の流量を0から500sc
cmまで変化させた場合における誘電率及び膜硬度の関係
を示したグラフである。グラフから上記実験条件におい
ては、誘電率が2.8若しくはそれ以下で膜硬度が2.5
GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜を形成するための最
適なN2流量は100から400sccmであることがわか
る。
【0056】(実験11)図1に示したプラズマCVD装
置1を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を
形成する実験を行った。 図12は、上記実験条件にてN2の流量を0から500sc
cmまで変化させた場合における誘電率及び膜硬度の関係
を示したグラフである。グラフから上記実験条件におい
ては、誘電率が2.8若しくはそれ以下で膜硬度が2.5
GPa若しくはそれ以上となる絶縁膜を形成するための最
適なN2流量は200から400sccmであることがわか
る。
【0057】(実験12)図1に示したプラズマCVD装
置1を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を
形成する実験を行った。 表1及び図13は、上記実験条件にてイソプロピルアル
コールの流量を0から500sccmまで変化させた場合に
おける誘電率及び膜硬度/弾性率の関係を示したグラフ
である。グラフから上記実験条件においては、誘電率が
2.5若しくはそれ以下で膜硬度が1.0GPa若しくはそ
れ以上であってかつ弾性率が5.0GPa若しくはそれ以上
となる絶縁膜を形成するための最適なイソプロピルアル
コールの流量は50から450sccmであることがわか
る。
【表1】
【0058】(実験13)図1に示したプラズマCVD装
置1を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を
形成する実験を行った。 表2及び図14は、上記実験条件にてイソプロピルアル
コールの流量を0から500sccmまで変化させた場合に
おける誘電率及び膜硬度/弾性率の関係を示したグラフ
である。グラフから上記実験条件においては、誘電率が
2.5若しくはそれ以下で膜硬度が1.0GPa若しくはそ
れ以上であってかつ弾性率が5.0GPa若しくはそれ以上
となる絶縁膜を形成するための最適なイソプロピルアル
コールの流量は50から450sccmであることがわか
る。
【表2】
【0059】(実験14)図1に示したプラズマCVD装
置1を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を
形成する実験を行った。 表3及び図15は、上記実験条件にてジエチルエーテル
の流量を0から500sccmまで変化させた場合における
誘電率及び膜硬度/弾性率の関係を示したグラフであ
る。グラフから上記実験条件においては、誘電率が2.
5若しくはそれ以下で膜硬度が1.0GPa若しくはそれ以
上であってかつ弾性率が5.0GPa若しくはそれ以上とな
る絶縁膜を形成するための最適なジエチルエーテルの流
量は50から400sccmであることがわかる。
【表3】
【0060】(実験15)図1に示したプラズマCVD装
置1を用いて、φ300mmのシリコン基板上に絶縁膜を
形成する実験を行った。 表4及び図16は、上記実験条件にてジエチルエーテル
の流量を0から500sccmまで変化させた場合における
誘電率及び膜硬度/弾性率の関係を示したグラフであ
る。グラフから上記実験条件においては、誘電率が2.
5若しくはそれ以下で膜硬度が1.0GPa若しくはそれ以
上であってかつ弾性率が5.0GPa若しくはそれ以上とな
る絶縁膜を形成するための最適なジエチルエーテルの流
量は100から400sccmであることがわかる。
【表4】
【0061】上記したように、本発明の実施例に従う低
誘電率絶縁膜を形成する方法によれば、ガスの流量及び
RF電源の電力密度を最適化することにより、誘電率が低
くかつ機械的強度が高い絶縁膜を形成することができ
た。また、本発明の実施例に従う低誘電率膜を形成する
方法によれば、装置コストを増大させることなく、低誘
電率絶縁膜を容易に形成することができた。
【0062】発明はある実施例によって説明されてきた
が、当業者に明らかである他の実施例もまた本発明の態
様内にある。したがって、発明の態様は特許請求の範囲
によってのみ定義されるべきものである。本発明はさま
ざまな実施例を含み、上記実施例に限定されるものでは
ない。特に本発明は、これに限定されないが、以下の実
施例を含み、上記実施例及び下記実施例のあらゆる組み
合わせが容易に達成される。
【0063】1)プラズマCVD法により低誘電率絶縁膜を
形成する方法であって、複数のアルコキシ基を有するシ
リコン系炭化水素、CO2、並びにAr及び/またはHeから
成る反応ガスを反応チャンバ内に導入する工程と、該反
応チャンバ内部にプラズマ反応場を生成するべく第1の
RF電力及び第2のRF電力を重畳することによりRF電力を
印加するか若しくは第1のRF電力のみを単独で印加する
工程と、それぞれのガスの流量及び各RF電力の出力を最
適化する工程と、から成る方法。
【0064】2)項目1に記載の方法であって、複数のア
ルコキシ基を有するシリコン系炭化水素はジメチル-ジ
メトキシシラン(DM-DMOS)である、ところの方法。
【0065】3)項目1に記載の方法であって、複数のア
ルコキシ基を有するシリコン系炭化水素は1,3-ジメトキ
シテトラメチルジシロキサン(DMOTMDS)である、ところ
の方法。
【0066】4)項目1から3のいずれかに記載の方法で
あって、反応ガスとしてさらにO2若しくはN2Oが含まれ
る、ところの方法。
【0067】5)プラズマCVD法により低誘電率絶縁膜を
形成する方法であって、複数のアルコキシ基を有するシ
リコン系炭化水素、アルコール並びにAr及び/またはHe
から成る反応ガスを反応チャンバ内に導入する工程と、
該反応チャンバ内部にプラズマ反応場を生成するべく第
1のRF電力及び第2のRF電力を重畳することによりRF電
力を印加するか若しくは第1のRF電力のみを単独で印加
する工程と、それぞれのガスの流量及び各RF電力の出力
を最適化する工程と、から成る方法。
【0068】6)項目5に記載の方法であって、複数のア
ルコキシ基を有するシリコン系炭化水素はジメチル-ジ
メトキシシラン(DM-DMOS)である、ところの方法。
【0069】7)項目5に記載の方法であって、複数のア
ルコキシ基を有するシリコン系炭化水素は1,3-ジメトキ
シテトラメチルジシロキサン(DMOTMDS)である、ところ
の方法。
【0070】8)項目5に記載の方法であって、アルコー
ルはエチレングリコールである、ところの方法。
【0071】9)項目5に記載の方法であって、アルコー
ルは1,2-プロパンジオールである、ところの方法。
【0072】10)項目5に記載の方法であって、アルコ
ールはイソプロピルアルコール(IPA)である、ところの
方法。
【0073】11)項目5から10のいずれかに記載の方
法であって、反応ガスとしてさらにO2若しくはN2Oが含
まれる、ところの方法。
【0074】12)プラズマCVD法により低誘電率絶縁膜を
形成する方法であって、複数のアルコキシ基を有するシ
リコン系炭化水素、少なくとも一つの不飽和結合を含む
炭化水素並びにAr及び/またはHeから成る反応ガスを反
応チャンバ内に導入する工程と、該反応チャンバ内部に
プラズマ反応場を生成するべく第1のRF電力及び第2の
RF電力を重畳することによりRF電力を印加するか若しく
は第1のRF電力のみを単独で印加する工程と、それぞれ
のガスの流量及び各RF電力の出力を最適化する工程と、
から成る方法。
【0075】13)項目12に記載の方法であって、複数
のアルコキシ基を有するシリコン系炭化水素はジメチル
-ジメトキシシラン(DM-DMOS)である、ところの方法。
【0076】14)項目12に記載の方法であって、複数
のアルコキシ基を有するシリコン系炭化水素は1,3-ジメ
トキシテトラメチルジシロキサン(DMOTMDS)である、と
ころの方法。
【0077】15)項目12に記載の方法であって、少な
くとも一つの不飽和結合を含む炭化水素はエチレンであ
る、ところの方法。
【0078】16)項目12から15のいずれかに記載の
方法であって、反応ガスとしてさらにO2若しくはN2Oが
含まれる、ところの方法。
【0079】17)プラズマCVD法により低誘電率絶縁膜を
形成する方法であって、複数のアルコキシ基を有するシ
リコン系炭化水素、N2並びにAr及び/またはHeから成る
反応ガスを反応チャンバ内に導入する工程と、該反応チ
ャンバ内部にプラズマ反応場を生成するべく第1のRF電
力及び第2のRF電力を重畳することによりRF電力を印加
するか若しくは第1のRF電力のみを単独で印加する工程
と、それぞれのガスの流量及び各RF電力の出力を最適化
する工程と、から成る方法。
【0080】18)項目17に記載の方法であって、複数
のアルコキシ基を有するシリコン系炭化水素はジメチル
-ジメトキシシラン(DM-DMOS)である、ところの方法。
【0081】19)項目17に記載の方法であって、複数
のアルコキシ基を有するシリコン系炭化水素は1,3-ジメ
トキシテトラメチルジシロキサン(DMOTMDS)である、と
ころの方法。
【0082】20)項目17から19のいずれかに記載の
方法であって、反応ガスとしてさらにO2若しくはN2Oが
含まれる、ところの方法。
【0083】21)プラズマCVD法により低誘電率絶縁膜を
形成する方法であって、複数のアルコキシ基を有するシ
リコン系炭化水素、エーテル並びにAr及び/またはHeか
ら成る反応ガスを反応チャンバ内に導入する工程と、該
反応チャンバ内部にプラズマ反応場を生成するべく第1
のRF電力及び第2のRF電力を重畳することによりRF電力
を印加するか若しくは第1のRF電力のみを単独で印加す
る工程と、それぞれのガスの流量及び各RF電力の出力を
最適化する工程と、から成る方法。
【0084】22)項目21に記載の方法であって、複数
のアルコキシ基を有するシリコン系炭化水素はジメチル
-ジメトキシシラン(DM-DMOS)である、ところの方法。
【0085】23)項目21に記載の方法であって、複数
のアルコキシ基を有するシリコン系炭化水素は1,3-ジメ
トキシテトラメチルジシロキサン(DMOTMDS)である、と
ころの方法。
【0086】24)項目21に記載の方法であって、エー
テルはジエチルエーテルである、ところの方法。
【0087】25)項目21から24のいずれかに記載の
方法であって、反応ガスとしてさらにO2若しくはN2Oが
含まれる、ところの方法。
【0088】本発明の思想から離れることなく多くの修
正が可能であることは当業者の知るところである。した
がって、本発明の形式は説明上のものであり、本発明の
態様を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る絶縁膜の形成に使用する
プラズマCVD装置の略示図である。
【図2】図2は、本発明の実施例においてO2流量を変化
させた場合の誘電率及び硬度の関係を示したグラフであ
る。
【図3】図3は、本発明の実施例においてCO2流量を変
化させた場合の誘電率及び硬度の関係を示したグラフで
ある。
【図4】図4は、本発明の実施例において低周波数RF電
力の電力密度を変化させた場合の誘電率及び硬度の関係
を示したグラフである。
【図5】図5は、本発明の実施例においてエチレングリ
コールの流量を変化させた場合の誘電率及び硬度の関係
を示したグラフである。
【図6】図6は、本発明に係る低周波RF電力(LF電力)が
存在しない実施例において、エチレングリコールの流量
を変化させた場合の誘電率及び硬度の関係を示したグラ
フである。
【図7】図7は、本発明の実施例において、1,2-プロパ
ンジオールの流量を変化させた場合の誘電率及び硬度の
関係を示したグラフである。
【図8】図8は、本発明に係るLF電力が存在しない実施
例において、1,2-プロパンジオールの流量を変化させた
場合の誘電率及び硬度の関係を示したグラフである。
【図9】図9は、本発明の実施例において、エチレンの
流量を変化させた場合の誘電率及び硬度の関係を示した
グラフである。
【図10】図10は、本発明に係るLF電力が存在しない
実施例において、エチレンの流量を変化させた場合の誘
電率及び硬度の関係を示したグラフである。
【図11】図11は、本発明の実施例において、N2の流
量を変化させた場合の誘電率及び硬度の関係を示したグ
ラフである。
【図12】図12は、本発明に係るLF電力の存在しない
実施例において、N2の流量を変化させた場合の誘電率及
び硬度の関係を示したグラフである。
【図13】図13は、本発明の実施例において、イソプ
ロピルアルコールの流量を変化させた場合の誘電率及び
硬度/弾性係数の関係を示したグラフである。
【図14】図14は、本発明に係るLF電力の存在しない
実施例において、イソプロピルアルコールの流量を変化
させた場合の誘電率及び硬度/弾性係数の関係を示した
グラフである。
【図15】図15は、本発明の実施例において、ジエチ
ルエーテルの流量を変化させた場合の誘電率及び硬度/
弾性係数の関係を示したグラフである。
【図16】図16は、本発明に係るLF電力の存在しない
実施例において、ジエチルエーテルの流量を変化させた
場合の誘電率及び硬度/弾性係数の関係を示したグラフ
である。
【符号の説明】
1 プラズマCVD装置 2 ヒータ 3 サセプタ 4 半導体ウエハ 5 材料ガス導入口 6 反応チャンバ 7 第1RF電源 8 第2RF電源 9 シャワーヘッド 10 排気口 11 接地
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年3月31日(2003.3.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 聡 東京都多摩市永山6丁目23番1 日本エ ー・エス・エム株式会社内 (72)発明者 松下 清広 東京都多摩市永山6丁目23番1 日本エ ー・エス・エム株式会社内 (72)発明者 深沢 篤毅 東京都多摩市永山6丁目23番1 日本エ ー・エス・エム株式会社内 (72)発明者 マイケル・トッド アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス、 イースト・ユニバーシティ・ドライブ 3440 エー・エス・エム・アメリカ・イン コーポレイテッド内 Fターム(参考) 4K030 AA01 AA06 AA09 AA14 BA44 CA04 CA12 FA03 HA12 JA05 JA16 JA18 LA02 5F058 AA10 AC03 AD05 AF02 AH02

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ反応により基板上にシリコン系絶
    縁膜を形成するための方法であって、 (i)複数の架橋可能基を含むシリコン系炭化水素化合物
    から成る材料ガスと、(ii)架橋ガスと、(iii)不活性ガ
    スと、から成る反応ガスを基板が配置されている反応チ
    ャンバ内に導入する工程と、 反応チャンバ内部にプラズマ反応場を形成するべくRF電
    力を印加する工程と、 反応ガスの流量及びRF電力の強度を制御する工程と、か
    ら成る方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法であって、シリコン
    系炭化水素化合物の架橋可能基はアルコキシ基及び/ま
    たはビニル基である、ところの方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法であって、架橋ガス
    は、アルコール、エーテル、不飽和炭化水素、CO2及びN
    2から成る集合から選択される、ところの方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の方法であって、アルコー
    ルはC1-6アルカノール及びC4-12シクロアルカノールか
    ら成る集合から選択される、ところの方法。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の方法であって、不飽和炭
    化水素は、C1-6不飽和炭化水素、C4-12芳香族炭化水素
    不飽和化合物、及びC4-12脂環式炭化水素不飽和化合物
    から成る集合から選択される、ところの方法。
  6. 【請求項6】請求項3に記載の方法であって、エーテル
    はC3-20エーテル及びC5- 12シクロアルカノールビニル化
    合物から成る集合から選択される、ところの方法。
  7. 【請求項7】請求項2に記載の方法であって、材料ガス
    は化学式SiαOα-1R2α- β+2(OCnH2n+1)βで表される化
    合物であり、ここでαは1〜3の整数、βは2若しくは
    3、nは1〜3の整数、及びRはSiに結合されC1-12炭化
    水素、C1-12フッ化炭化水素、C1-12過フッ化炭化水素、
    H、D、F、Cl、Br及びIからなる集合から選択される、と
    ころの方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の方法であって、αは1若
    しくは2であり、βは2である、ところの方法。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の方法であって、RはC1-6
    炭化水素である、ところの方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の方法であって、材料ガ
    スはジメチルジメトシキシランである、ところの方法。
  11. 【請求項11】請求項7に記載の方法であって、材料ガ
    スは、1,3-ジメトキシテトラメチルジシロキサンであ
    る、ところの方法。
  12. 【請求項12】請求項2に記載の方法であって、材料ガ
    スは、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサンである、
    ところの方法。
  13. 【請求項13】請求項1に記載の方法であって、RF電力
    は高周波数電力と低周波数電力の組み合わせである、と
    ころの方法。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の方法であって、高周
    波数電力は2MHz若しくはそれ以上の周波数を有し、低
    周波数電力は2MHz以下の周波数を有する、ところの方
    法。
  15. 【請求項15】請求項1に記載の方法であって、RF電力
    は単一周波数電力である、ところの方法。
  16. 【請求項16】請求項1に記載の方法であって、反応ガ
    スの流量及び電力の強度は1.0GPa若しくはそれ以上の
    硬度を有する絶縁膜を形成するよう制御される、ところ
    の方法。
  17. 【請求項17】請求項1に記載の方法であって、反応ガ
    スの流量及び電力の強度は2.5GPa若しくはそれ以上の
    硬度を有する絶縁膜を形成するよう制御される、ところ
    の方法。
  18. 【請求項18】請求項1に記載の方法であって、不活性
    ガスはAr、Ne及びHeから成る集合から選択される、とこ
    ろの方法。
  19. 【請求項19】請求項1に記載の方法であって、反応ガ
    スはさらに酸素供給ガスから成る、ところの方法。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の方法であって、酸素
    供給ガスはO2及びN2Oから成る集合から選択される、と
    ころの方法。
  21. 【請求項21】請求項19に記載の方法であって、酸素
    供給ガスは材料ガスの流量より少ない流量で供給され
    る、ところの方法。
  22. 【請求項22】請求項1に記載の方法であって、RF電力
    の強度は1.5W/cm2若しくはそれ以上である、ところの
    方法。
  23. 【請求項23】請求項13に記載の方法であって、高周
    波数電力の強度は1.5W/cm2若しくはそれ以上であり、
    低周波数電力の強度は0.01W/cm2若しくはそれ以上で
    ある、ところの方法。
  24. 【請求項24】請求項1に記載の方法であって、不活性
    ガスは材料ガスの流量の15〜300%の流量で供給さ
    れる、ところの方法。
  25. 【請求項25】請求項1に記載の方法であって、架橋ガ
    スはC2-4アルカノールである、ところの方法。
  26. 【請求項26】請求項25に記載の方法であって、C2-4
    アルカノールはエチレングリコール、1,2-プロパンジオ
    ール若しくはイソプロピルアルコールである、ところの
    方法。
  27. 【請求項27】請求項1に記載の方法であって、架橋ガ
    スはC2-4エーテルである、ところの方法。
  28. 【請求項28】請求項27に記載の方法であって、C2-4
    エーテルはジエチルエーテルである、ところの方法。
  29. 【請求項29】請求項1に記載の方法であって、架橋ガ
    スはC2-4不飽和炭化水素である、ところの方法。
  30. 【請求項30】請求項29に記載の方法であって、C2-4
    不飽和炭化水素はエチレンである、ところの方法。
  31. 【請求項31】請求項1に記載の方法であって、架橋ガ
    スは材料ガスの化合物のオリゴマーを架橋するのに有効
    な流量で供給され、それによって基板上に形成された絶
    縁膜の硬度が増加する、ところの方法。
  32. 【請求項32】請求項31に記載の方法であって、架橋
    ガスの流量は材料ガスの流量の20〜500%である、
    ところの方法。
  33. 【請求項33】請求項1に記載の方法であって、反応ガ
    スは反応チャンバの上流で励起される、ところの方法。
  34. 【請求項34】プラズマ反応により基板上にシリコン系
    絶縁膜を形成するための方法であって、 (i)複数のアルコキシ基を含むシリコン系炭化水素化合
    物から成る材料ガスと、(ii)C1-6アルカノール、C1-6
    ーテル、C1-6不飽和炭化水素、CO2及びN2から成る集合
    から選択される架橋ガスと、(iii)不活性ガスと、から
    成る反応ガスを基板が配置されている反応チャンバ内に
    導入する工程と、 反応チャンバ内部にプラズマ反応場を形成するべくRF電
    力を印加する工程と、 反応ガスの流量及びRF電力の強度を制御する工程と、か
    ら成る方法。
  35. 【請求項35】基板上に形成されたシリコン系絶縁膜の
    機械的強度を増加させるための方法であって、 架橋可能基を含むシリコン系炭化水素化合物から成る材
    料ガス内で、選択された架橋ガスを不活性ガスと混合す
    る工程と、 反応ガスとして混合ガスを基板が配置された反応チャン
    バ内に導入する工程と、 反応チャンバ内部にプラズマ反応場を形成するべくRF電
    力を印加する工程と、 反応ガスの流量及びRF電力の強度を制御する工程と、か
    ら成る方法。
  36. 【請求項36】請求項35に記載の方法であって、RF電
    力は高周波数電力と低周波数電力の組み合わせである、
    ところの方法。
  37. 【請求項37】請求項35に記載の方法であって、高周
    波数電力は2MHz若しくはそれ以上の周波数を有し、低
    周波数電力は2MHz以下の周波数を有する、ところの方
    法。
  38. 【請求項38】請求項35に記載の方法であって、架橋
    ガスは材料ガスの化合物のオリゴマーを架橋するのに有
    効な流量で供給され、それによって1.0GPa若しくはそ
    れ以上の硬度、5.0GPa若しくはそれ以上の弾性率、及
    び2.5若しくはそれ以下の誘電率を得ることができ
    る、ところの方法。
  39. 【請求項39】請求項35に記載の方法であって、架橋
    ガスは材料ガスの化合物のオリゴマーを架橋するのに有
    効な流量で供給され、それによって2.5GPa若しくはそ
    れ以上の硬度及び2.8若しくはそれ以下の誘電率を得
    ることができる、ところの方法。
  40. 【請求項40】請求項35に記載の方法であって、反応
    ガスは反応チャンバの上流で励起される、ところの方
    法。
  41. 【請求項41】請求項35に記載の方法であって、シリ
    コン系炭化水素化合物の架橋可能基はアルコキシ基及び
    /またはビニル基である、ところの方法。
  42. 【請求項42】請求項35に記載の方法であって、架橋
    ガスはアルコール、エーテル、不飽和炭化水素、CO2
    びN2から成る集合から選択される、ところの方法。
  43. 【請求項43】請求項42に記載の方法であって、アル
    コールはC1-6アルカノール及びC4-12シクロアルカノー
    ルから成る集合から選択される、ところの方法。
  44. 【請求項44】請求項42に記載の方法であって、不飽
    和炭化水素は、C1-6不飽和炭化水素、C4-12芳香族炭化
    水素不飽和化合物及びC4-12脂環式炭化水素不飽和化合
    物から成る集合から選択される、ところ方法。
  45. 【請求項45】請求項42に記載の方法であって、エー
    テルはC3-20エーテル及びC5-12シクロアルカノールビニ
    ル化合物から成る集合から選択される、ところの方法。
  46. 【請求項46】請求項41に記載の方法であって、材料
    ガスは化学式SiαOα-1R 2α-β+2(OCnH2n+1)βで表され
    る化合物であり、ここでαは1〜3の整数、βは2若し
    くは3、nは1〜3の整数、及びRはSiに結合されC1-12
    炭化水素、C1-12フッ化炭化水素、C1-12過フッ化炭化水
    素、H、D、F、Cl、Br及びIからなる集合から選択され
    る、ところの方法。
  47. 【請求項47】請求項46に記載の方法であって、材料
    ガスはジメチルジメトキシシランである、ところの方
    法。
  48. 【請求項48】請求項46に記載の方法であって、材料
    ガスは1,3-ジメトキシテトラメチルジシロキサンであ
    る、ところの方法。
  49. 【請求項49】請求項41に記載の方法であって、材料
    ガスは1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサンである、
    ところの方法。
  50. 【請求項50】基板上に形成されたシリコン系絶縁膜で
    あって、当該シリコン系絶縁膜が、 (a)(i)複数の架橋可能基を含むシリコン系炭化水素化合
    物から成る材料ガスと、(ii)架橋ガスと、(iii)不活性
    ガスと、から成る反応ガスを基板が配置されている反応
    チャンバ内に導入する工程と、 (b)反応チャンバ内部にプラズマ反応場を形成するべくR
    F電力を印加する工程と、 (c)反応ガスの流量及びRF電力の強度を制御する工程
    と、から成る方法によって得られるプラズマ重合生成物
    であり、前記プラズマ重合生成物は複数のアルコキシ基
    を含むシリコン系炭化水素化合物がC1-6アルカノール、
    C1-6エーテル、C1-6不飽和炭化水素、CO2及びN2から成
    る集合から選択される架橋剤を使って架橋されるところ
    の構造を有し、前記プラズマ重合生成物は2.5GPa若し
    くはそれ以上の硬度及び2.8若しくはそれ以下の誘電
    率を有するところのシリコン系絶縁膜。
  51. 【請求項51】基板上に形成されたシリコン系絶縁膜で
    あって、当該シリコン系絶縁膜が、 (a)(i)複数の架橋可能基を含むシリコン系炭化水素化合
    物から成る材料ガスと、(ii)架橋ガスと、(iii)不活性
    ガスと、から成る反応ガスを基板が配置されている反応
    チャンバ内に導入する工程と、 (b)反応チャンバ内部にプラズマ反応場を形成するべくR
    F電力を印加する工程と、 (c)反応ガスの流量及びRF電力の強度を制御する工程
    と、から成る方法によって得られるプラズマ重合生成物
    であり、前記プラズマ重合生成物は複数のアルコキシ基
    を含むシリコン系炭化水素化合物がC1-6アルカノール、
    C1-6エーテル、C1-6不飽和炭化水素、CO2及びN2から成
    る集合から選択される架橋剤を使って架橋されるところ
    の構造を有し、前記プラズマ重合生成物は1.0GPa若し
    くはそれ以上の硬度、5.0GPa若しくはそれ以上の弾性
    率、及び2.5若しくはそれ以下の誘電率を有するとこ
    ろのシリコン系絶縁膜。
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