JP2003332127A - 軟磁性フェライト材料の製造方法 - Google Patents

軟磁性フェライト材料の製造方法

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Tetsuo Kado
哲男 門
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホトリソグラフィー法を利用して、共鳴トン
ネルデバイスなどに単結晶の形で組み込んで用いうる軟
磁性フェライト材料を、250℃以下の基板温度で形成
させることを目的とする。 【解決手段】 酸化マグネシウム基板を150℃よりも
高く250℃以下の温度に保ち、10-2Pa以下の真空
圧力下で、スピネル型フェライトを蒸着源として電子ビ
ーム蒸着を行わせ、その上に酸素含有量48〜54原子
%の酸素欠損性スピネル型軟磁性フェライト単結晶膜を
形成させることにより軟磁性フェライト材料を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話のような
マイクロ波を利用して送受信を行うアイソレーター、サ
ーキュレーターなどの磁気デバイスとして有用な軟磁性
フェライト材料を、低い基板温度を用い、かつ優れた特
性をそこなうことなく製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フェライトは渦電流による損失の少ない
磁性材料として広く利用されているが、このものは、こ
れまで仮焼成で得られたフェライト粉末にバインダーを
添加し、所定の形状に成形したのち、焼結し、バルクと
して用いられてきた。
【0003】しかるに、近年、磁性薄膜の研究の進展や
携帯電話のような小型情報機器の普及とともに、マイク
ロ波磁気デバイス材料として、フェライト単結晶膜が注
目されるようになり、それを製造する方法もいくつか試
みられており、例えば600℃に加熱した酸化マグネシ
ウム基板上に、パルスレーザーを用いて原料成分を蒸着
させ、保磁力(Hc)6kA/mのマグネタイト単結晶
膜を得る方法や、350〜400℃の基板温度を用いて
同様にして保磁力16kA/mのマグネタイト単結晶を
得る方法[「Magn.Magn.Mater.」,第
140〜144巻,第725ページ(1995)]、基
体温度200℃でフェライト単結晶膜を得る方法[「日
本応用磁気学会誌」,第23巻,第2065ページ(1
999)]などが知られている。また、酸素分圧10-4
Torrの雰囲気中、300〜1600℃で加熱処理す
ることにより、良好な表面をもつフェライト単結晶基板
を得ることも知られている(特開平11−273948
号公報)。
【0004】しかしながら、これまでの方法において高
品質のフェライト単結晶を得るには、基板温度350℃
以上において真空蒸着するか、あるいは300℃以上で
加熱処理しなければならなかった。そして、マイクロ波
磁気デバイス用軟磁性材料としては、保磁力が低いも
の、特に8kA/m以下の単結晶膜が好ましいのである
が、このようなものは300℃未満の温度では得ること
はできなかった。
【0005】一方、酸化マグネシウム基板上の単結晶ス
ピネル型フェライト層は、酸化マグネシウム層とエピタ
キシャル多層膜を形成しうることが知られている[「ア
プライド・フィジックス・レターズ(Appl.Phy
s.Lett.)」,第73巻,第3282ページ(1
998)]。したがって、低い基板温度、例えば200
℃以下の基板温度でフェライトの単結晶膜を形成させる
ことができれば、ホトリソグラフィー法を利用して、酸
化マグネシウム層と金属層からなるエピタキシャル多層
膜から、先に提案した共鳴トンネルデバイス(特願20
01−332116号)を単結晶の形で組み込んだ三次
元集積回路用の軟磁性材料として用いることができる。
【0006】しかしながら、前記したように、これまで
保磁力が8kA/m以下で、飽和磁束密度が0.2T以
上のスピネル型フェライト単結晶膜を、250℃以下の
基板温度で形成させることはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、ホトリソグラフィー法を利用して、共鳴
トンネルデバイスなどに単結晶の形で組み込んで用いう
る軟磁性フェライト材料を、250℃以下の基板温度で
形成させることを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、酸化マグネ
シウム基板上に、フェライト単結晶膜をエピタキシャル
成長により形成させる方法について種々検討した結果、
蒸着源としてスピネル型フェライトをそのまま使用して
10-2Pa以下の真空圧力下、電子ビーム蒸着させた場
合には、基板温度250℃以下においても、優れたフェ
リ磁性を有する軟磁性フェライト材料が得られることを
見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0009】すなわち、本発明は、酸化マグネシウム基
板を150℃よりも高く250℃以下の温度に保ち、1
-2Pa以下の真空圧力下で、スピネル型フェライトを
蒸着源として電子ビーム蒸着を行わせ、その上に酸素含
有量48〜54原子%の酸素欠損性スピネル型軟磁性フ
ェライト単結晶膜を形成させることを特徴とする軟磁性
フェライト材料の製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明方法においては、酸化マグ
ネシウム基板上に、高真空下においてスピネル型フェラ
イトをそのまま蒸着源として用いる電子ビーム蒸着法が
用いられる。この際の酸化マグネシウム基板としては、
酸化マグネシウム単結晶基板をそのまま用いてもよい
が、高品質のスピネル型フェライト単結晶膜をエピタキ
シャル成長させるためには、酸化マグネシウム基板上
に、先ず酸化マグネシウム単結晶をエピタキシャル成長
させて、バッファー層を形成させたものを用いるのが好
ましい。このバッファー層の厚さとしては20nm以
下、好ましくは10〜15nmの範囲が選ばれる。
【0011】酸化マグネシウム基板として、酸化マグネ
シウムの表面にあらかじめ酸化マグネシウム単結晶をエ
ピタキシャル成長させ、バッファー層を形成させたもの
を用いる場合には、酸化マグネシウムを蒸着源として用
い、真空圧力10-7〜10-2Pa、好ましくは10-5
aレベルにおいて電子ビーム蒸着することにより行われ
る。この際の基板温度は0〜700℃、好ましくは15
0〜400℃である。
【0012】本発明方法において用いる酸化マグネシウ
ム基板は、そのままで用いることもできるが、前処理と
して、アセトン、エチルアルコール、水などの溶剤によ
る洗浄処理を施したものを用いるのが好ましい。
【0013】次に、スピネル型フェライト単結晶膜の蒸
着源として用いられるスピネル型フェライトとしては、
例えば一般式 MFe24 (I) (式中のMはFe、Zn、Mn、Co、Ni、Cu、M
g及びLiの中から選ばれた少なくとも1種の金属であ
る)で表わされる組成をもつものを挙げることができ
る。
【0014】この式において、MがFeの場合はマグネ
タイトであるので、本発明方法において用いられるスピ
ネル型フェライト単結晶膜の蒸着源としては、マグネタ
イト又はその中のFeの一部がZn、Mn、Co、N
i、Cu、Mg及びLiの中の少なくとも1種の金属で
置換されたものであるということができる。
【0015】本発明方法における電子ビーム蒸着に際し
ては、製膜時に、特に酸化性のガスを導入する必要はな
いが、微量であれば、例えば酸素、オゾン、一酸化炭
素、二酸化窒素のような酸化性ガスを膜組成の調節用と
して導入することもできる。この際の酸化性ガスの量
は、酸素含有量48〜54原子%の酸素欠損性スピネル
型軟磁性フェライト単結晶膜が形成される範囲内で調節
することが必要である。
【0016】この場合の真空圧力が低すぎると酸素欠損
の大きいフェライトが形成されるし、また高すぎると、
エピタキシャル成長しにくくなり、単結晶膜が得られな
くなるので真空圧力は10-2Pa以下、例えば10-5
10-2Pa、好ましくは10 -4Paのオーダーで選ばれ
る。例えば、マグネタイトを蒸着源として用いた場合に
は、10-4Pa付近の真空圧力で製膜すると、鉄/酸素
含有割合が原子比で48:52の酸素欠損性スピネル型
フェライトがMgO(001)面上に形成される。
【0017】このようにして、酸化マグネシウム基板上
に厚さ20〜500nm、好ましくは50〜150nm
のスピネル型フェライト単結晶膜を形成させる。この膜
厚が20nmよりも薄いと、結晶性が悪くフェリ磁性も
不十分になるし、また500nmよりも大きくなると、
製膜に要する時間が長くなり好ましくない。このように
して形成されたスピネル型フェライト単結晶の構造は、
製膜時におけるRHEED(反射高エネルギー電子線回
折)パターン観察及び薄膜のX線回折パターンによって
同定することができる。
【0018】また、製膜速度が大きすぎると酸素分圧が
高くなり、真空圧力が高くなるので、製膜速度はできる
だけ小さくするのがよい。例えば初期製膜速度を0.0
1nm/秒以下とし、次第に大きくして0.01〜0.
02nm/秒の範囲にするのがよい。製膜時の基板温度
は、磁気デバイス製造のためには、低ければ低いほど有
利であり、一般に250℃以下が好ましいが、150℃
以下になると軟磁性特性が劣化する。
【0019】本発明方法で目的としている酸素欠損性ス
ピネル型フェライトの軟磁性材料として要求される磁気
特性を有するためには、製膜時における基板温度を15
0℃よりも高く250℃以下、好ましくは170〜22
0℃付近に制御することが必要である。このようにし
て、飽和磁束密度(Bs)0.2T以上、最高0.8
T、保磁力(Hc)8kA/m以下、最低約5kA/m
の磁気特性をもち、ホトリソグラフィーにより加工可能
な軟磁性フェライト材料が得られる。
【0020】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。なお、この例においては、ステンレス鋼製
真空槽に、ターボ分子ポンプ及びチタンゲッタポンプか
らなる排気系、電子ビーム蒸着装置3台、水晶振動子式
膜厚モニター4台、及び反射高エネルギー電子線回折装
置を付設した分子線エピタキシー装置(到達真空度1×
10-8Pa)を用いた。
【0021】実施例 装着用基板として、酸化マグネシウム(001)基板
(20×20×1mm)を、アセトン、エチルアルコー
ル及び超純水中で順次30秒間ずつ超音波洗浄を行った
ものを用い、電子ビーム蒸着源として純度99質量%の
ペレット状マグネタイトFe34及び純度99.99質
量%のペレット状酸化マグネシウムMgOを用いて、バ
ッファー層及びフェライト単結晶膜のエピタキシャル成
長を行った。
【0022】すなわち、上記の酸化マグネシウム板を分
子線エピタキシー装置の真空槽に装入し、先ず200
℃、真空圧力10-5Paにおいて酸化マグネシウム単結
晶膜を基板上に15nmの厚さにエピタキシャル成長さ
せてバッファー層を形成させたのち、同じ200℃、真
空圧力10-4Paにおいて、その上にFe34単結晶膜
を125nm厚さに形成させることにより、軟磁性フェ
ライト材料を製造した。この際の真空槽圧力は4×10
-4Paであった。また、製膜速度は真空圧力の上昇を抑
制するために0.004〜0.015nm/sという非
常に低い値で行った。
【0023】図1はこのようにして製膜したときの電子
加速電圧20kVで観察したRHEEDパターンによる
蒸着膜のエピタキシャル成長性評価を行った結果を示す
写真である。図1(a)は蒸着前の酸化マグネシウム基
板のRHEEDパターン、図1(b)は200℃で15
nmの厚さに酸化マグネシウムバッファー層を製膜した
後のRHEEDパターンの写真である。後者のストリー
クにより、酸化マグネシウムが[001]方向にエピタ
キシャル成長し、平坦な表面となっていることが分る。
図1(c)及び(d)はマグネタイトを53nmの厚さ
及び125nmの厚さに製膜した後のRHEEDパター
ンの写真であり、これらからスピネル型フェライト単結
晶膜は[001]方向にエピタキシャル成長しているこ
とが分る。また、X線光電子分光(XPS)による測定
の結果、このフェライトにおける原子比による鉄と酸素
の割合は49:51であった。X線による測定では、基
板のMgO(00h)ブラッグ反射が認められただけで
あるが、これはスピネル型フェライトの格子定数がMg
Oの格子定数の2倍に等しいため、MgO(00h)の
ブラッグ反射とスピネル型フェライト(00h´)のブ
ラッグ反射が重なり合っているためである。
【0024】図2は上記の軟磁性フェライト材料の振動
試料型磁力計により測定したB−H曲線のグラフであ
り、この図から明瞭なヒステリシスが認められる。この
軟磁性フェライト材料の保磁力(Hc)は約5kA/
m、飽和磁束密度は0.8Tであり、優れた磁気特性を
有する。
【0025】比較例1 基板温度を300℃とした以外は実施例と同様な方法で
酸化マグネシウム基板上に15nm厚さの酸化マグネシ
ウムバッファー層を介して、56nm厚さのスピネル型
フェライト単結晶膜を形成させ、軟磁性材料を製造し
た。X線光電子分光(XPS)による測定の結果、この
フェライトにおける原子比による鉄と酸素との割合は4
7:53であることが分った。製膜後のRHEEDパタ
ーンは実施例の図1(c)と同様なパターンであり、ス
ピネル型フェライト薄膜は[001]方向にエピタキシ
ャル成長していることが認められた。図3はこの軟磁性
フェライト材料の振動試料型磁力計によるB−H曲線で
ある。これによると、明瞭なヒステリシスが認められ、
保磁力(Hc)は23kA/m、飽和磁束密度は0.5
Tであり、基板温度を300℃にすれば、良好な軟磁気
特性を示さなくなることが分る。
【0026】比較例2 基板温度を150℃とした以外は実施例と同様な方法で
酸化マグネシウム基板上に15nm厚さの酸化マグネシ
ウムバッファー層を介して、41nm厚さのスピネル型
フェライト単結晶膜を形成させ、軟磁性材料を製造し
た。X線光電子分光(XPS)による測定の結果、この
フェライトにおける原子比による鉄と酸素との割合は4
7:53であることが分った。このもののRHEEDパ
ターンを図4に示す。この図から明瞭なストリーク
(線)が認められ、スピネル型フェライト単結晶膜は
[001]方向にエピタキシャル成長していることが分
る。図5はこの軟磁性フェライト材料の振動試料型磁力
計によるB−H曲線であるが、これによると明瞭なヒス
テリシスが認められる。また、この軟磁性フェライト材
料の保磁力(Hc)は10.4kA/m、飽和磁束密度
(Bs)は0.3Tであった。このように、基板温度を
150℃にすると飽和磁束密度は0.2T以上になる
が、保磁力は8kA/m以下にならない。
【0027】比較例3 基板温度を0℃とした以外は実施例と同様な方法で酸化
マグネシウム基板上に15nm厚さの酸化マグネシウム
バッファー層を介して、43nm厚さのスピネル型フェ
ライト単結晶膜を形成させ、軟磁性材料を製造した。X
線光電子分光(XPS)による測定の結果、このフェラ
イトにおける原子比による鉄と酸素との割合は48:5
2であることが分った。製膜後のRHEEDパターンを
図6に示す。この図から広がったスポットからなるパタ
ーンが認められ、結晶性は悪いが、スピネル型フェライ
ト単結晶膜は[001]方向にエピタキシャル成長して
いることが分る。図7はこの軟磁性フェライト材料の振
動試料型磁力計によるB−H曲線であるが、この図によ
るとヒステリシスは全く認められず、常磁性が認められ
た。このようにエピタキシャル単結晶膜であっても、基
板温度を150℃よりも低くすると軟磁気特性が劣化
し、0℃ではフェライト特有のフェリ磁性を示さなくな
る。
【0028】比較例4 基板をサファイア(00.1)面とした以外は実施例と
同様な方法で温度200℃で基板上に15nm厚さの酸
化マグネシウムバッファー層を介して、125nm厚さ
のスピネル型フェライト単結晶膜を形成させ、軟磁性材
料を製造した。X線光電子分光(XPS)による測定の
結果、このフェライトは原子比による鉄と酸素との割合
が49:51であることが分る。図8はサファイア(0
0.1)面上に製膜されたスピネル型フェライト単結晶
膜のX線回折パターンである。Al23(00.h)の
ブラッグ反射の他に4個の回折線が認められるが、これ
らの回折線はそれぞれ格子定数0.838nmのスピネ
ル型フェライト薄膜[立方晶(111)、(222)、
(333)、(444)]からの回折線である。サファ
イア基板では基板のブラッグ反射とスピネルの反射が重
ならないために図6に示すように、スピネルがサファイ
ア基板(00.1)面に[111]方向にエピタキシャ
ル成長していることが分る。図9はこのスピネル型フェ
ライト薄膜の振動試料型磁力計によるB−H曲線であ
る。サファイア基板に形成された[111]配向のフェ
ライト膜はMgO基板に配向した膜と磁気特性が大きく
異なり、保磁力(Hc)は40kA/m、飽和磁束密度
(Bs)は約0.09Tを示し、軟磁性フェライト材料
としての磁気特性を有しないことが分る。
【0029】
【発明の効果】本発明方法によると、基板温度250℃
以下を用いて、保磁力(Hc)が8kA/m以下で飽和
磁束密度0.2T以上の優れた磁気特性を示す軟磁性フ
ェライト材料を得ることができ、携帯電話のようなマイ
クロ波を利用して送受信を行うアイソレータ、サーキュ
レータなどの磁気デバイスに広く応用することができ
る。また、酸化マグネシウム/金属からなるエピタキシ
ャル多層構造を用いて作られる共鳴トンネルデバイスを
組み込んだ三次元集積回路用インダクターとしても使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例におけるRHEEDパターンを示す写
真図。
【図2】 実施例で得た軟磁性フェライト材料のB−H
曲線を示すグラフ。
【図3】 比較例1で得た軟磁性フェライト材料のB−
H曲線を示すグラフ。
【図4】 比較例2におけるRHEEDパターンを示す
写真図。
【図5】 比較例2で得た軟磁性フェライト材料のB−
H曲線を示すグラフ。
【図6】 比較例3におけるRHEEDパターンを示す
写真図。
【図7】 比較例3で得た軟磁性フェライト材料のB−
H曲線を示すグラフ。
【図8】 比較例4で得たスピネル型フェライト単結晶
膜のX線回折パターン。
【図9】 比較例4で得た軟磁性フェライト材料のB−
H曲線を示すグラフ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化マグネシウム基板を150℃よりも
    高く250℃以下の温度に保ち、10-2Pa以下の真空
    圧力下で、スピネル型フェライトを蒸着源として電子ビ
    ーム蒸着を行わせ、その上に酸素含有量48〜54原子
    %の酸素欠損性スピネル型軟磁性フェライト単結晶膜を
    形成させることを特徴とする軟磁性フェライト材料の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 酸化マグネシウム基板として、酸化マグ
    ネシウムにあらかじめ酸化マグネシウム単結晶膜をバッ
    ファー層としてエピタキシャル成長させたものを用いる
    請求項1記載の軟磁性フェライト材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 スピネル型フェライトが一般式MFe2
    4 (式中のMはFe、Zn、Mn、Co、Ni、Cu、M
    g及びLiの中から選ばれた少なくとも1種の金属であ
    る)で表わされる組成をもつ請求項1又は2記載の軟磁
    性フェライト材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 スピネル型フェライトがマグネタイトで
    ある請求項3記載の軟磁性フェライト材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 飽和磁束密度(Bs)が0.2T以上、
    保磁力(Hc)が8kA/m以下の酸素欠損性スピネル
    型軟磁性フェライト単結晶膜を形成させる請求項1ない
    し4のいずれかに記載の軟磁性フェライト材料の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009212480A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Res Inst Electric Magnetic Alloys 強磁性薄膜材料とその製造方法
CN102019739A (zh) * 2009-09-10 2011-04-20 福建汇洋林业投资股份有限公司 三聚氰氨浸渍纸胶贴玻镁板的方法
JPWO2014034639A1 (ja) * 2012-08-31 2016-08-08 国立研究開発法人産業技術総合研究所 磁気多層膜及びトンネル磁気抵抗素子
JP2017041556A (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 国立大学法人 筑波大学 磁性複合体及び高周波デバイス

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