JP2003332053A - パターン部材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

パターン部材の製造方法及び製造装置

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JP2003332053A
JP2003332053A JP2002140913A JP2002140913A JP2003332053A JP 2003332053 A JP2003332053 A JP 2003332053A JP 2002140913 A JP2002140913 A JP 2002140913A JP 2002140913 A JP2002140913 A JP 2002140913A JP 2003332053 A JP2003332053 A JP 2003332053A
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pattern
substrate
layer material
release layer
groove
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JP2002140913A
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Ryuichi Katsumoto
隆一 勝本
Tadahiro Kikazawa
忠宏 気賀沢
Shotaro Ogawa
正太郎 小川
Hideo Nagano
英男 永野
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板上に複数種類の異なる材料をパターン状に
形成するパターン部材の製造において、生産性及び製品
品質のいずれをも向上させる。 【解決手段】それぞれ赤、緑及び青用のパターン状のR
A溝を外周面に有するローラ部材Rを回転させながら、
溝内に材料Pを注入する工程と、ローラ部材R表面に剥
離層材22を密着させ溝RA内に剥離層材22の一部を
嵌入させ、剥離層材を溝内の材料Pと密着させる工程
と、ローラ部材R表面より剥離層材22を剥離させる工
程と、基板Bに、剥離層材22を、パターンが基板Bに
接触するように重ね合わせ位置調整し、基板B及び/又
は剥離層材22の裏面より押圧することによりパターン
を基板Bに転写し、基板B上に複数種類の異なる材料P
をパターン状に形成する工程と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパターン部材の製造
方法及び製造装置に係り、特に、液晶表示素子のカラー
フィルタ、有機EL素子用画素等の電子ディスプレイ用
途に好適に使用されるパターン部材の製造方法及び製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示素子のカラーフィル
タ、有機EL素子用画素等の電子ディスプレイ用材料と
して、ガラス基板、シート基材、フィルム等の面に、た
とえば、赤(R)、緑(G)、青(B)等の単色又は3
色の微細(μmレベル)なストライプ状又はマトリック
ス状のパターンを形成したパターン部材が使用されてい
る。
【0003】このようなパターン部材の製造方法とし
て、これまで各種の方法が提案、採用されている。たと
えば、フォトリソグラフィー、顔料分散法、レリーフ染
色法、電着法、印刷法、インクジェット法等が挙げられ
る。これらの製造方法は、一長一短あり、各社において
最適と判断される製造方法が採用されているのが現状で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のパターン部材の製造方法では、品質(パターン精
度)面とコスト面との両方を満足させることが困難であ
るのが現状である。
【0005】すなわち、フォトリソグラフィー、蒸着法
等(たとえば、特開2000−36385号公報、特開
平9−204984号公報参照)では、装置が複雑であ
るうえに、連続可撓性支持体への加工に不適であり量産
に不向きである。
【0006】グラビヤオフセット印刷法(たとえば、特
開昭62−85202号公報参照)では、転写の際にパ
ターン形状が乱れ、高精度(数十μmレベル)の加工が
困難であるという問題がある。また、大面積への対応が
困難であるという問題もある。
【0007】インクジェット方式(たとえば、特開平1
0−153967号公報参照)では、隔壁を必要とする
ため、開口率が小さくなるという問題があるうえに、有
機の層を多層化するのが困難であるという問題がある。
【0008】顔料分散方式、レリーフ染色方式は、工数
が多く、量産化に不向きであるという問題がある。
【0009】転写方式(たとえば、特開2000−24
6866号公報参照)は、フィルム上に形成されたパタ
ーンをガラス基板等へ転写する技術であるが、パターン
を連続するフィルム状の基板等へ転写することには対応
できない。
【0010】電着法式(たとえば、特開平5−8801
6号公報参照)は、材料用のパターン状開口を有する磁
性体マスクを基板上に固定し、電着塗料浴に浸漬した状
態で通電を行い、電着によりパターンを基板等へ形成す
る技術であるが、設備が大掛かりになるとともに、生産
性が悪いという問題がある。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、基板上に複数種類の異なる材料をパターン状
に形成するパターン部材の製造において、生産性及び製
品品質(パターン精度)のいずれをも向上させることが
できる製造方法及び製造装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、基板上に複数種類の異なる材料をパター
ン状に形成するパターン部材の製造方法において、前記
材料用のパターン状の溝を外周面に有するローラ部材を
回転させながら、前記溝内に前記材料を注入する工程
と、前記ローラ部材表面に剥離層材を密着させるととも
に、ローラ部材を回転させながら前記溝内に該剥離層材
の一部を嵌入させ、該剥離層材を前記溝内の前記材料と
密着させる工程と、前記ローラ部材表面より前記剥離層
材を剥離させる工程と、前記基板に、前記剥離層材を、
前記パターンが基板に接触するように重ね合わせ位置調
整し、前記基板及び/又は前記剥離層材の裏面より押圧
することにより前記パターンを前記基板に転写し、前記
基板上に前記複数種類の異なる材料をパターン状に形成
する工程と、を有することを特徴とするパターン部材の
製造方法、及びこれに使用される製造装置を提供する。
【0013】本発明によれば、先ず、複数種類の材料、
たとえば、赤(R)、緑(G)、青(B)の材料用のパ
ターン状の溝が表面に形成されているローラ部材の溝内
に材料を各種の手段により注入する。材料が乾燥等して
安定した状態で、ローラ部材の表面に剥離層材を密着さ
せるとともに、この溝内に剥離層材の一部を嵌入させ、
剥離層材を溝内の材料と密着させ、その後、ローラ部材
より剥離層材を剥離させる。
【0014】これにより、剥離層材上にこの材料をパタ
ーン状に形成できる。そして、製品となる基板に、この
材料が基板に相対するように重ね合わせ、基板及び/又
は剥離層材の裏面より押圧することにより、材料を基板
にパターン状に転写でき、パターン部材(たとえば、有
機EL素子、液晶表示素子のカラーフィルタ)を形成で
きる。
【0015】したがって、本発明の上記方法により、基
板上に複数種類の異なる材料をパターン状に形成するパ
ターン部材の製造において、生産性及び製品品質(パタ
ーン精度)のいずれをも向上させることができる。ま
た、材料(インク)の種類についても選択の自由度が多
いという利点が得られる。
【0016】特に、工程の前半部がローラ部材を使用し
て連続的に行なえるので、生産性に優れる。また、乾式
で処理できるため、エッチング液(エッチャント)、レ
ジスト剥離液等の液体によりパターン材料が侵食され
ず、高精度の画素が形成できる。
【0017】また、電子輸送層、発光層、正孔輸送層等
を乾式で積層できるため、多層塗布・印刷方式のように
層間での混合がなく、高精度かつ高効率の画素が形成で
きる。更に、蒸着方式における蒸着時のマスクからの漏
れ、インクジェット方式における射出精度による制約等
もなく、微小な画素を高精度に形成できるというメリッ
トもある。
【0018】本発明において、前記溝内に注入する材料
は、前記それぞれの材料のうち1種類の材料であり、複
数種類分の材料に対応すべく前記剥離層材を複数種類分
形成し、前記パターンを前記基板に転写する操作を前記
剥離層材の複数種類分繰り返すことが好ましい。このよ
うに、たとえば、赤(R)、緑(G)、青(B)の材料
毎に剥離層材を形成すれば、転写操作等の管理が容易と
なるからである。
【0019】また、本発明において、前記基板は帯状可
撓性支持体であることが好ましい。このように、基板が
帯状可撓性支持体(たとえば、フレキシブルフィルム)
であれば、基板の搬送が容易であり、生産性に優れる。
また、基板が帯状可撓性支持体であれば、有機EL等の
各種用途への適用が可能だからである。
【0020】また、本発明において、前記材料を注入す
る工程及び/又は前記剥離層材を溝内の材料と密着させ
る工程の後に乾燥工程が設けられることが好ましい。こ
のように、乾燥工程が設けられれば、パターン材料又は
剥離層材が液状、ゲル状等の場合に短時間で安定化でき
ローラ部材を使用した連続生産と相俟って生産性向上に
寄与できるからである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
係るパターン部材の製造方法及び製造装置の好ましい実
施の形態について詳説する。
【0022】図1及び図4に、本発明のパターン部材の
製造方法のプロセスフローが一例として示される。ま
た、図2、図3に、本発明のパターン部材の製造装置の
概要が示される。図2は、パターン部材の製造装置10
の前半で使用されるローラ部材の詳細を示す斜視図であ
り、図3は、パターン部材の製造装置10の後半で使用
される転写手段の構成図である。
【0023】図1において、パターン部材の製造装置1
0は、材料注入手段に該当する塗布装置12と、塗布装
置12により塗布(注入)したパターン材料Pを乾燥さ
せる塗液乾燥機(乾燥手段)14と、剥離層材22をロ
ーラ部材Rに供給する剥離層材供給装置20と、剥離層
材乾燥装置(乾燥手段)16と、剥離層材形成手段32
と、剥離手段34と、転写装置(転写手段)24とで構
成される。各装置(手段)の説明は後述する。
【0024】パターン部材の製造装置10の前半で、塗
布装置12、塗液乾燥機14、剥離層材供給装置20、
剥離層材乾燥装置16、剥離層材形成手段32にまたが
って使用されるローラ部材Rは、外周部の略全面にパタ
ーン形状に対応した溝RAが形成されており(図2参
照)、図示しない駆動装置によって所定速度で回転され
る。
【0025】溝RAの形状は、パターンがストライプ状
の配置の場合には、図2に示されるように円周方向の溝
状に形成すればよく、パターンがマトリックス状の配置
の場合には格子状に形成すればよい。その他、パターン
の配置によって各種の態様が採り得る。
【0026】ローラ部材Rの材質としては、溝RAの成
形精度に優れ、かつ、繰り返し剥離層材22の形成を行
なっても型崩れのない材質とすることが好ましい。この
ような材料としては、たとえば、ニッケル合金が使用で
きる。また、溝RAの形成は、フォトリソグラフィー、
機械加工、放電加工、レーザ加工等、ローラ部材Rの材
質、溝RAの形状等に応じて公知の各種方法が採用でき
る。
【0027】図4(a)に示されるように、ローラ部材
Rの溝RAの溝幅Wは、パターンの幅と略同一に形成さ
れ、溝間のピッチはパターンのピッチの複数倍に形成さ
れている。図示の例では溝間のピッチはパターンのピッ
チの3倍となっている。この例では、赤(R)、緑
(G)、青(B)の3種の材料よりなるパターン部材の
構成が採用されており、また、赤(R)、緑(G)、青
(B)の材料毎に剥離層材22を3種形成する構成が採
用されている。
【0028】その他、R、G、Bの3種の材料よりなる
パターン部材の構成でも、たとえば、ローラ部材Rの溝
RA間のピッチをパターンのピッチの2倍とし、剥離層
材22を2種のみにする構成も採用できる。すなわち、
1種のローラ部材Rの溝RAを端から順にR、B、G、
R、B、G…用とし、他の1種のローラ部材Rの溝RA
を端から順にG、R、B、G、R、B…用とする。この
ようにすれば剥離層材22の枚数が減らせる。
【0029】ローラ部材Rの溝RAの溝深さDは、剥離
層材22の材質、溝幅Wとのアスペクト比等を考慮して
適宜の値が採用できる。
【0030】ローラ部材Rの溝RA内にパターン材料P
を注入する材料注入手段(塗布装置)12としては、公
知の各種塗布手段が採用できる。具体的には、アプリケ
ーション系では、ローラ塗布方法、ファウンテン塗布方
法等が、計量系では、エアーナイフ塗布方法、ブレード
塗布方法、バー塗布方法等が適用できる。また、アプリ
ケーション系と計量系とを同一の部分で担当するものと
して、エクストルージョン塗布方法、スライドビード塗
布方法、カーテン塗布方法等が適用できる。
【0031】図1、図2に示される塗布装置12として
は、インクジェットプリンタが採用されている。すなわ
ち、各ノズルがそれぞれローラ部材Rの溝RAに対応し
て配置されており、各溝RAにそれぞれ異なった種類の
パターン材料Pを注入できるようになっている。なお、
ノズルの外径は、通常は図示のものより大きく、隣接し
て配することが困難なことが多いが、円周方向に互い違
いに配する等の構成を採用すればよい。そして、ローラ
部材Rを回転させることによりストライプ状のパターン
が形成できる。
【0032】このような構成の塗布装置12は、各溝R
Aにそれぞれ異なった種類のパターン材料Pを注入でき
るので、既述の剥離層材22を2種のみにする構成のよ
うな場合に特に特徴が出せる。
【0033】一方、面状の塗布装置12(たとえば、ロ
ーラコータ、ダイコータ)は、既述の各パターン材料P
毎に剥離層材を形成する構成の場合に特に特徴が出せ
る。すなわち、ローラ部材Rの全面の溝RAに同一のパ
ターン材料Pを塗布(注入)すればよいからである。こ
のような面状の塗布装置12は、構成が比較的単純であ
り、かつ塗布速度が大きいので、大面積の量産に効果が
発揮できる。
【0034】全面塗布の場合、ローラ部材Rと塗布装置
12の組み合わせは、1台で各種のパターン材料Pを塗
布するようにしてもよいが、各種のパターン材料P毎に
ローラ部材Rと塗布装置12の組み合わせを備えること
が生産性(ジョブチェンジ、装置の洗浄等)、品質管理
(パターン材料Pの混入防止等)、歩留り向上等の点で
好ましい。本実施形態のパターン部材の製造装置10に
おいては、塗布装置12等を3台設けることとし、それ
ぞれが赤(R)、緑(G)及び青(B)のパターン材料
Pに対応するようにする。なお、必要に応じて、絶縁層
(I)用の塗布装置12を設けてもよい。
【0035】なお、既述のように、塗布装置12は、ロ
ーラ部材Rの溝RA内に所定厚さのパターン材料Pが塗
布できれば、方式は問わない。また、上記塗布方法以外
の上位概念である膜形成方法、たとえば、蒸着法等を採
用することもできる。
【0036】また、ローラ部材Rの溝RA内にパターン
材料Pを注入する前に、溝RA内に剥離材を塗布(たと
えば、スプレー塗布)することもできる。このように溝
RA内に剥離材が塗布されていれば、パターン材料Pの
剥離性が良好となる効果が得られる。
【0037】パターン材料Pが有機EL素子用画素の場
合には、パターンとして発光性有機薄膜層が形成され
る。したがって、塗布装置12において塗布されるパタ
ーン材料Pには、一種以上の発光性化合物及び/又は燐
光発光性化合物が含有される。特に、発光輝度及び発光
効率の点では、燐光発光性化合物が含有されるのが好ま
しい。この発光性化合物及び/又は燐光発光性化合物の
塗布液中の含有率は、0.1〜70質量%が好ましく、
1〜20質量%がより好ましい。
【0038】パターンとして発光性有機薄膜層を形成す
る場合、製品状態での膜厚は10〜200nmとするこ
とが好ましく、20〜80nmとすることがより好まし
い。膜厚が10nm未満では断線の可能性が高く、膜厚
が200nm超では駆動電圧の上昇となり、いずれも好
ましくないからである。
【0039】パターン材料Pが塗布されたローラ部材R
の部分は、回転により塗液乾燥機(乾燥手段)14に送
られ、パターン材料Pの乾燥がなされる。これに使用さ
れる塗液乾燥機14としては、熱風循環式乾燥機、遠赤
外線式乾燥機等、公知の各種方式の装置が使用できる。
乾燥条件は、塗布液の組成により適宜に選択できるが、
塗布液の溶媒が水である場合には、乾燥条件は、50〜
150°Cの条件下で3分以上行なわれることが好まし
い。
【0040】パターン材料Pが有機ELの発光層である
場合、この発光層はごみや水分に弱く、水分が製品寿命
に大きく影響することより、乾燥を充分に行なう必要が
ある。
【0041】また、以下の工程も含め、一連の工程は良
好な無塵度及び最適な温湿度の環境下で実施されること
が好ましい。したがって、クリーンルーム内で行なわれ
るのが好ましく、特に、クラス100以下の環境下に設
置されるのが好ましい。このためには、ダウンフローの
クリーンルーム又はクリーンベンチを併用する形態が採
用できる。
【0042】特に、パターン材料Pが有機ELの発光層
である場合、この発光層は水分が製品寿命に大きく影響
することより、低湿度の環境に維持することが好まし
い。具体的には、露点マイナス20°C以下の空気又は
窒素ガス雰囲気であることが好ましい。相対湿度(R
H)も可能な限り低くすることが好ましい。
【0043】塗液乾燥機(乾燥手段)14で乾燥が終了
したローラ部材Rの部分は、剥離層材形成手段32に送
られる。この剥離層材形成手段32において、ローラ部
材Rの表面に剥離層材22を密着させるとともに、溝R
A内に剥離層材22の一部を嵌入させ、剥離層材22が
溝RA内のパターン材料Pと密着した後に剥離層材22
を硬化させる。
【0044】ここで使用される剥離層材22としては、
ローラ部材Rの溝RA内に入り込め、かつ、パターン材
料Pと適切な密着性を有し、更に、後述する転写工程に
おける条件下において、パターン材料Pの濡れ性又は接
着性が基板Bより劣るものであれば材質を問わない。た
とえば、PVA(ポリビニルアルコール)、TAC(セ
ルローストリアセテート)の液状体が使用できる。剥離
層材22を硬化させるには、必要に応じて乾燥処理、加
熱処理等を施す。
【0045】図1においては、剥離層材供給装置20よ
り液状の剥離層材22が供給され、ローラ部材Rの外周
に巻き付くように密着されている。このような液状体の
剥離層材22であれば、ローラ部材Rの溝RAの形状に
なじめ、好適である。
【0046】ただし、剥離層材22として、上記のよう
な液状ではなく、固形フィルムとすることも可能であ
る。その場合には、図示の剥離層材供給装置20に代え
て、シート状の剥離層材22が供給ローラ等で支持され
ながら搬送されて、ローラ部材Rの外周に巻き付くよう
に供給されるとともに、この剥離層材22が裏面よりエ
ンボス状の突起等を有するバックアップロール(図示
略)により押圧され、剥離層材22の一部が溝RA内に
嵌入され、剥離層材22が溝RA内のパターン材料Pと
密着するようにしなければならない。
【0047】このような剥離層材22としては、容易に
変形する材料である必要がある。さもなければ、ローラ
部材Rの溝RAの形状に倣わず、剥離層材22が溝RA
内のパターン材料Pと密着しないからである。このよう
な剥離層材22としては、PE、PP、メタクリル樹脂
(アクリル)が使用できる。
【0048】図1の構成は、剥離層材22が乾燥するこ
とにより硬化する材料を使用する前提であり、剥離層材
形成手段32に剥離層材乾燥装置16が設けられてい
る。そして、剥離層材乾燥装置16に次いでニップロー
ラ32Aによる押圧手段が形成され、剥離層材22と溝
RA内のパターン材料Pとの密着が充分に行なわれるよ
うに構成されている。
【0049】剥離層材形成手段32において剥離層材2
2が硬化した後(固形フィルムの場合はそのまま)、剥
離層材22は剥離手段34に送られ、ローラ部材Rより
剥離される。剥離層材22を剥離させる手段として、図
示の例では一対のローラ34A、34Bで剥離層材22
を挟んでローラ部材Rの接線方向に引き出す手段が採用
されている。その他、公知の各種手段(たとえば、エア
ナイフによりローラ部材Rと剥離層材22との間にエア
を吹き込む)が採用できる。
【0050】剥離層材形成手段32において剥離された
剥離層材22は、適宜の長さに裁断されるか、ロール状
に巻き取られる。そして、パターン部材の製造装置10
の後半において、転写装置(転写手段)24に供給され
る。
【0051】剥離層材22は、通常は帯状可撓性支持体
であり、それ独自では形状保持性(平坦状態)に乏しい
ので、位置合わせ転写ゾーン50における転写装置24
において、剥離層材22は剥離層材支持テーブル30
(図1参照)等に固定されるのが好ましい。剥離層材2
2の剥離層材支持テーブル30等への固定手段として
は、公知の各種手段が採用できる。本実施の形態におい
ては、たとえば、剥離層材支持テーブル30表面に設け
る複数の微細な真空吸着孔と、これと連通する吸引手段
(たとえば、ロータリ式真空ポンプ)の組み合わせで構
成できる。
【0052】位置合わせ転写ゾーン50に使用される転
写装置(転写手段)24は、基板Bに、それぞれの剥離
層材22のうち1つの剥離層材を、パターン材料Pが基
板Bに相対するように重ね合わせ位置調整し、基板B及
び/又は剥離層材22の裏面より押圧することによりパ
ターン材料Pを基板Bに転写する装置である。
【0053】この位置合わせ転写ゾーン50で供給され
る基板Bの材質としては、ガラス板(たとえば、液晶表
示素子のカラーフィルタ用)、シリコン基板、金属板等
が使用できるが、有機EL素子には帯状可撓性支持体の
基板Bが好ましく使用できる。
【0054】帯状可撓性支持体の基板Bとしては、一般
に、所定幅の、長さが45〜20000m、厚さが2〜
200μmのポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレン−2,6 −ナフタレート、セルロースダイア
セテート、セルローストリアセテート、セルロースアセ
テートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等
のプラスチックフィルム、紙、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10
のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙等
からなる可撓性帯状物又は該帯状物を基材としてその表
面に加工層を形成した帯状物が使用できる。
【0055】以下、位置合わせ転写ゾーン50におい
て、帯状可撓性支持体の基板Bを使用した態様について
説明する。図3に示される転写手段24の構成図におい
て、帯状可撓性支持体の基板Bは、送り出しゾーン(U
W部)40のローラ42より繰出され、除塵機等よりな
る除塵ゾーン46を経て位置合わせ転写ゾーン50に送
られる。この位置合わせ転写ゾーン50でパターン材料
Pが基板Bに転写される。その後、基板Bは、巻取りゾ
ーン(W部)56のEPC(エッジ位置制御装置)54
等を経て、ローラ58に巻き取られる。
【0056】転写手段24において、サクションローラ
44、48、52は、帯状可撓性支持体の基板Bを吸引
保持しながら搬送できるセクショナルドライブ方式のも
のであり、サクションローラ44、48、52の前後で
各々張力を決定することができる。
【0057】ダンサーローラ57、59は、帯状可撓性
支持体の基板Bの張力の制御及びサクションローラ4
4、48、52の回転速度を制御するためのもので、エ
アシリンダ等により任意の張力を帯状可撓性支持体の基
板Bに与えることができる。また、ダンサーローラ5
7、59は、その位置を変えることにより、一定速度で
帯状可撓性支持体の基板Bの搬送速度を制御できる(フ
ィードバック制御が行える)。
【0058】除塵ゾーン46において、除塵機により帯
状可撓性支持体の基板Bに付着している塵埃が除去され
る。この際、10kPa程度の圧力のエアが吹き付けら
れ、このエアと塵埃とが回収される。このとき、帯状可
撓性支持体の基板Bに10kg/m程度の張力が付与さ
れていないと、基板Bが浮き上がったりして蛇行の原因
となる。
【0059】一方、位置合わせ転写ゾーン50におい
て、基板Bは剥離層材22と高精度で位置合わせされる
ことより、基板Bに付与される張力は小さいことが好ま
しい。すなわち、基板Bの弾性変形は極力抑えることが
高精度の位置合わせには好ましい。特に、基板Bが基板
支持ベース60に吸着支持される際には、張力は付与さ
れないことが好ましい。
【0060】巻取りゾーン56において、帯状可撓性支
持体の基板Bが巻取られる際に基板Bにかかる面圧(基
板Bの平面に垂直な圧力)が高過ぎると、転写されたパ
ターン材料Pに悪影響を与えることがあるので、基板B
にかかる面圧は常に一定以下の値に維持されることが好
ましい。そして、ローラ58の巻き径が大きくなって
も、常に巻取りトルクが一定になるように、基板Bに付
与される張力が制御されることが好ましい。
【0061】このように、除塵ゾーン46、位置合わせ
転写ゾーン50、及び、巻取りゾーン56における基板
Bに付与される好ましい張力は異なる。したがって、各
ゾーン毎に基板Bに付与される張力がコントロールされ
ることが好ましく、これはサクションローラ44、4
8、52及びダンサーローラ57、59により行なわれ
る。なお、基板Bの搬送速度、基板Bに付与される張力
を制御する手段としては、サクションローラ44、4
8、52及びダンサーローラ57、59を使用せず、他
の公知手段を採用してもよい。
【0062】帯状可撓性支持体の基板Bは、予め別な装
置によって陰極・電子輸送層をスパッタリング、真空蒸
着法等により付与されたバリヤ機能を有するものであっ
てもよい。
【0063】なお、図示の転写装置(転写手段)24
は、帯状可撓性支持体の基板Bに対応した態様である
が、ガラス板、シリコン基板、金属板等の板状体の基板
Bのついても搬送手段が相違するのみで、基本的な構成
は略同様である。
【0064】次に、位置合わせ転写ゾーン50における
詳細について、図1及び図4を使用して説明する。な
お、図1と図4(f)とは、上下が逆転した状態となっ
ている。また、図4において、剥離層材支持テーブル3
0及び基板支持ベース60の図示は省略されている。
【0065】図1において、位置合わせ転写ゾーン50
における位置合わせ転写手段24は、剥離層材22を支
持するとともに、剥離層材22のX、Y、Z及びθ方向
の位置合わせを行なう図示しない剥離層材支持ベース
と、表面(下面)が平坦に形成され、基板Bの裏面(上
面)を吸着支持する基板支持ベース60と、剥離層材2
2の両端部近傍に位置決めできるように設けられ、剥離
層材22の位置決めマーク、剥離層材22のパターン部
22A又は基板Bのパターン部を検出できる2個以上の
位置決め検出手段(図示略)と、基板B及び/又は剥離
層材22の裏面より押圧することによりパターン材料P
を基板Bに転写するための押圧手段(図示略)とより構
成される。
【0066】剥離層材支持ベースにおける剥離層材22
のX、Y、Z及びθ方向の位置合わせ手段は、慣用の手
段、たとえば、ボールねじとステッピングモータの組み
合わせ等で構成できる。基板支持ベース60における基
板Bの吸着支持は、たとえば、基板支持ベース60表面
に設ける複数の微細な真空吸着孔と、これと連通する吸
引手段(たとえば、ロータリ式真空ポンプ)の組み合わ
せで構成できる。位置決め検出手段は、顕微鏡又はデジ
タルカメラと、これに接続されるCRTモニタの組み合
わせで構成できる。
【0067】押圧手段は慣用の手段、たとえば、エアシ
リンダとレギュレータの組み合わせにより面状に押圧す
る構成が採用できる。また、面状に押圧する構成に代え
て、ローラ部材を使用した線状の押圧方法も採用でき
る。すなわち、基板B及び/又は剥離層材22の裏面よ
りローラ部材で押圧しながらこのローラ部材を移動させ
る構成も可能である。
【0068】なお、位置決め検出手段の検出結果を見な
がら、作業者が位置合わせ手段により剥離層材22の
X、Y、Z及びθ方向の位置合わせを行なう手動方式で
あっても、位置決め検出手段の検出結果により、自動的
に剥離層材22のX、Y、Z及びθ方向の位置合わせが
行なわれる自動方式であってもよい。
【0069】図1に示される状態から、先ず、基板支持
ベース60が下降し、基板Bの裏面(上面)に略接触す
る位置で、基板Bを吸着支持する。次に、剥離層材支持
ベースが剥離層材22を支持(たとえば、真空吸引)す
るとともに、剥離層材22を基板Bに接近かつ相対させ
た状態で、剥離層材22のX、Y、Z及びθ方向の位置
合わせを行なう。
【0070】剥離層材支持ベースによる剥離層材22の
支持は、剥離層材22を直接剥離層材支持ベースに固定
する構成であっても、剥離層材22を支持した剥離層材
支持テーブル30を剥離層材支持ベースに固定する構成
であってもよい。
【0071】位置合わせが完了した時点で、押圧手段に
より基板B及び/又は剥離層材22の裏面より(剥離層
材支持ベース等を介して)押圧することによりパターン
材料Pが基板Bに転写される。この状態が、図4(f)
及び(g)に順次示される。転写の際にはパターン材料
Pの形状、材質に応じて所定の圧力と必要に応じて所定
の熱が加えられるように構成されることが好ましい。加
熱手段としては、たとえば、基板支持ベース60にシー
スヒータを設ける構成が採用できる。
【0072】第1種目のパターン材料Pの転写が終了し
た時点で、基板支持ベース60及びこれに支持された基
板Bはそのままの状態で待機する。そして、第1種目の
剥離層材22が他の剥離層材22と交換される。この
際、他の剥離層材22は、ストライプ又はマトリックス
パターンの1ピッチ分ずらして位置決めされる。
【0073】第2種目以降の剥離層材22の位置合わせ
は、基板B表面に既に形成された第1種目のパターン材
料Pと適正な位置関係となるように、剥離層材22の両
端部近傍に形成された位置合わせマークを位置決め検出
手段で読み取るか、第1種目のパターン材料Pを位置決
め検出手段で読み取って位置合わせを行なう。このよう
な作業を剥離層材22の全種類について行い、パターン
材料Pの基板Bへの転写が完了する。
【0074】なお、第1種目等のパターン材料Pを位置
決め検出手段で読み取って位置合わせを行なう場合、基
板支持ベース60の一部を透明性の材料で形成するか、
基板支持ベース60の一部を切り欠いておけば、この基
板支持ベース60を透過して第1種目等のパターン材料
Pを位置決め検出手段で読み取ることができ便宜であ
る。
【0075】また、剥離層材支持ベースに剥離層材22
を支持(たとえば、真空吸引)させる際には、剥離層材
支持ベースに3箇所の位置決めピンを設け、剥離層材支
持テーブル30の2辺をこの位置決めピンに押し当てる
ことにより、各剥離層材支持テーブル30が同じ位置に
支持できるような構成とするのが好ましい。同様に、剥
離層材支持ベースと剥離層材支持テーブル30との位置
合わせ位置に貫通孔を設け、この貫通孔同士を貫通ピン
(この場合はテーパ状のものが好ましい)で連結するこ
とにより位置決めする構成も採り得る。
【0076】パターン材料Pの位置決め精度がラフで良
い場合には、前記のような位置決め検出手段を採用せず
に、上記の位置決めピンのみでも可能である。
【0077】この際、第1種目のパターン材料Pの転写
時には、剥離層材22の厳密な位置決めは不要であり、
剥離層材22と基板Bとが平行になるように配置されて
いればよい。第2種目以降のパターン材料Pの転写時に
は、剥離層材22の正確な位置決めが、精度のよい製品
を得るうえで重要である。
【0078】転写条件はパターン材料Pの材質、基板B
の材質等に応じて最適な条件を選択する必要がある。転
写時の押圧力は、たとえば、ローラ部材(ゴムローラ等
の弾性ローラ)を使用した線状の押圧の場合、線圧とし
て0.5〜5kg/cmが採用できる。
【0079】また、転写時の加熱温度は、一般的には4
0〜250°Cが好ましく、60〜180°Cがより好
ましく採用できる。なお、剥離層材22(剥離層材支持
テーブル30)及び/又は基板B(基板支持ベース6
0)を余熱させておけば生産性が向上するので好まし
い。
【0080】転写装置24において供給される基板Bが
帯状可撓性支持体であり、予め別な装置によって陰極・
電子輸送層をスパッタリング、真空蒸着法等により付与
されたバリヤ機能を有するものである場合、以下の構成
が一例として採用できる。
【0081】背面電極として、金属、合金、金属酸化物
又は電気伝導性化合物等により形成できる。この背面電
極は、仕事関数が4.5eV以上である材料により形成
されることが好ましい。
【0082】具体的な材料としては、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、金、銀、鉛、アルミニウム等が挙げら
れる。これらの材料を単独で使用してもよいが、保存安
定性と電子注入性とを両立させるためには、上記材料の
うち2種以上を併用するのが好ましい。
【0083】このうち、電子注入性の観点からは、アル
カリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性
の観点からは、アルミニウムを主体とする材料が好まし
い。このアルミニウムを主体とする材料とは、アルミニ
ウム単体のみならず、アルミニウムと0.01〜10質
量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金又は
混合物を指す。
【0084】背面電極の厚さは、材料によって適宜の値
が選択できるが、通常は10nm〜5μの値が採用で
き、50nm〜1μmの値が好ましく採用できる。この
背面電極は、帯状可撓性支持体の基板B上に、スパッタ
リング、真空蒸着法等により連続的に形成されるのが好
ましい。
【0085】位置合わせ転写ゾーン50の終了後、既述
のように、サクションローラ52、EPC54を経るこ
とによって、パターン材料Pと基板Bとの接着力が確保
された状態で、巻取りゾーン(W部)56のローラ58
に巻き取られる。
【0086】図5は、転写が終了した基板Bの構成図で
ある。この基板Bの表面には、3種類(R、G、B)の
パターン材料Pが所定幅、所定ピッチ毎に繰り返し形成
されている。
【0087】以上、本発明に係るパターン部材の製造方
法及び製造装置の実施形態の例について説明したが、本
発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各
種の態様が採り得る。
【0088】たとえば、剥離層材22の種類、枚数、塗
布装置12、塗液乾燥機14等の台数、レイアウト等
は、パターン部材の製品サイズ、製品の種別、生産数量
等に応じて各種態様が選択できる。
【0089】本実施の形態では、転写装置(転写手段)
24において、剥離層材22は剥離層材支持テーブル3
0に固定されて使用されたが、ロール状に巻回されたシ
ート状の剥離層材22をローラ等により搬送して転写装
置24に供給する構成も採用できる。
【0090】また、たとえば、転写装置(転写手段)2
4において、次の剥離層材22が、ストライプ又はマト
リックスパターンの1ピッチ分ずらして位置決めされる
構成に代えて、基板支持ベース60(基板B)を1ピッ
チ分ずらして位置決めする構成としてもよい。
【0091】また、本実施の形態では、ローラ部材Rの
周囲に、塗布装置12、塗液乾燥機14、剥離層材供給
装置20、剥離層材乾燥装置16、剥離層材形成手段3
2、剥離手段34を全て設けたが、2以上のローラ部材
の周囲にこれらの手段を分割して設けてもよい。このよ
うにすれば、ローラ部材Rの外径を小さくできる。同様
に、 ローラ部材Rの周囲に設ける各種手段の配置(時計
回りの角度位置)も本実施の形態に拘束されるものでは
なく、各種の態様が採り得る。
【0092】
【実施例】以下、パターン部材の製造装置10を使用し
た基板Bの製造の実施例について説明する。
【0093】[実施例1]ローラ部材Rとして、外径1
000mm、幅300mmのものを使用した。そして、
ストライプパターンの溝RAをローラ部材R外周の略全
面に形成した。パターンの幅(溝幅W)は50μmであ
り、溝RAの深さDは30μmとした。隣接するパター
ンとの間隔は10μmとした。
【0094】塗布装置(材料注入手段)12としてディ
スペンサを使用した。パターン材料Pとしては、通電す
るとそれぞれR、G、Bの発色をする材料を、それぞれ
溶媒としてジクロロベンゼンを使用して溶液として塗布
した。塗布は、乾燥後の膜厚が50nmとなるような条
件で行なった。
【0095】剥離層材22としてPVAを、溶媒として
メタノールを使用した溶液としてダイコータによりロー
ラ部材Rに塗布した(ローラ部材Rに剥離層材22を密
着させるとともに、溝RA内に剥離層材22の一部を嵌
入させた)。剥離層材22の厚さ(溝RA以外の部分の
厚さ)が80μmとなるように塗布し、硬化させた。
【0096】剥離層材22の塗布後に、全体を120°
Cに加熱するとともに、図示しないローラにより0.3
MPa(3kg/cm2 )で加圧し、その後30°Cに
なるまで冷却し、しかる後に剥離層材22をローラ部材
Rより剥離した。
【0097】剥離層材22を図1に示される転写装置
(転写手段)24によりガラス板製の基板Bに転写し
た。この基板Bには予めITO電極と正孔輸送層が形成
されている。転写時の条件は、ローラ部材(ゴムローラ
等の弾性ローラ)を使用した線状の押圧とし、0.3M
Pa(3kg/cm2 )の押圧を行なうとともに、16
0°Cの加熱を行なった。ローラの送り速度は、0.0
5m/分とした。
【0098】以上の工程を経ることにより、ガラス板製
の基板B上に良好なR、G、Bのパターンが形成でき
た。
【0099】[実施例2]上記実施例1の基板Bとして
のガラス板に代えて、予めITO電極と電子輸送層が形
成されているポリイミド−アルミ−ポリイミドの構成の
フィルムを使用してパターン部材の製造を行なった。他
の条件は実施例1と同一であった。この工程を経ること
によっても、フィルム製の基板B上に良好なR、G、B
のパターンが形成できた。
【0100】[実施例3]ローラ部材Rとその周辺の機
器の組み合わせ、及び剥離層材22を3組準備し、それ
ぞれR、G、Bのパターン材料Pの専用として使用し
た。したがって、転写は3回繰り返した。隣接するパタ
ーンとの間隔は130μmとした。すなわち、パターン
は3ピッチおきに形成されている。プレス条件(ローラ
加圧条件)は、実施例1の1/3の圧力とした。それ以
外の条件は実施例1と同一であった。この工程を経るこ
とによっても、ガラス板製の基板B上に良好なR、G、
Bのパターンが形成できた。
【0101】[実施例4]剥離層材22としてPVAに
代えて、厚さ100μmのPP(ポリプロピレン)フィ
ルムを使用した。全体を120°Cに加熱するととも
に、10MPa(100kg/cm2 )で加圧し、1分
間保持しその後冷却し、しかる後に剥離層材22をロー
ラ部材Rより剥離した。転写装置24における転写時の
加熱は100°Cとした。それ以外の条件は実施例1と
同一であった。この工程を経ることによっても、ガラス
板製の基板B上に良好なR、G、Bのパターンが形成で
きた。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
先ず、複数種類の材料、たとえば、赤(R)、緑
(G)、青(B)の材料用のパターン状の溝が表面に形
成されているローラ部材の溝内に材料を各種の手段によ
り注入する。材料が乾燥等して安定した状態で、ローラ
部材の表面に剥離層材を密着させるとともに、この溝内
に剥離層材の一部を嵌入させ、剥離層材を溝内の材料と
密着させ、その後、ローラ部材より剥離層材を剥離させ
る。
【0103】これにより、剥離層材上にこの材料をパタ
ーン状に形成できる。そして、製品となる基板に、この
材料が基板に相対するように重ね合わせ、基板及び/又
は剥離層材の裏面より押圧することにより、材料を基板
にパターン状に転写でき、パターン部材(たとえば、有
機EL素子、液晶表示素子のカラーフィルタ)を形成で
きる。
【0104】したがって、本発明の上記方法により、基
板上に複数種類の異なる材料をパターン状に形成するパ
ターン部材の製造において、生産性及び製品品質(パタ
ーン精度)のいずれをも向上させることができる。ま
た、材料(インク)の種類についても選択の自由度が多
いという利点が得られる。
【0105】特に、工程の前半部がローラ部材を使用し
て連続的に行なえるので、生産性に優れる。また、乾式
で処理できるため、エッチング液(エッチャント)、レ
ジスト剥離液等の液体によりパターン材料が侵食され
ず、高精度の画素が形成できる。
【0106】また、電子輸送層、発光層、正孔輸送層等
を乾式で積層できるため、多層塗布・印刷方式のように
層間での混合がなく、高精度かつ高効率の画素が形成で
きる。更に、蒸着方式における蒸着時のマスクからの漏
れ、インクジェット方式における射出精度による制約等
もなく、微小な画素を高精度に形成できるというメリッ
トもある。
【0107】本発明において、この溝内に注入する材料
を、それぞれの材料のうち1種類の材料とし、複数種類
分の材料に対応すべく剥離層材を複数種類分形成し、パ
ターンを基板に転写する操作を剥離層材の複数種類分繰
り返せば、転写操作等の管理が容易となる。
【0108】また、本発明において、基板を帯状可撓性
支持体とすれば、基板の搬送が容易であり、生産性に優
れる。また、基板が帯状可撓性支持体であれば、有機E
L等の各種用途への適用が可能である。
【0109】また、本発明において、材料を注入する工
程及び/又は剥離層材を溝内の材料と密着させる工程の
後に乾燥工程が設けられれば、パターン材料又は剥離層
材が液状、ゲル状等の場合に短時間で安定化できローラ
部材を使用した連続生産と相俟って生産性向上に寄与で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターン部材の製造方法のフローを示
す概念図
【図2】ローラ部材の詳細を示す斜視図
【図3】転写手段の構成図
【図4】製造工程の詳細フローを示す概念図
【図5】転写が終了した基板の構成図
【符号の説明】
10…パターン部材の製造装置、12…塗布装置(材料
注入手段)、14…塗液乾燥機(乾燥手段)、16…剥
離層材乾燥装置(乾燥手段)、20…剥離層材供給装
置、22…剥離層材、24…転写装置(転写手段)、3
0…剥離層材支持テーブル、32…剥離層材形成手段、
34…剥離手段、B…基板、P…パターン材料、R…ロ
ーラ部材、RA…溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 正太郎 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 永野 英男 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H048 BA02 BA66 BB02 BB42 3K007 AB18 BA07 CA06 DB03 FA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に複数種類の異なる材料をパターン
    状に形成するパターン部材の製造方法において、 前記材料用のパターン状の溝を外周面に有するローラ部
    材を回転させながら、前記溝内に前記材料を注入する工
    程と、 前記ローラ部材表面に剥離層材を密着させるとともに、
    ローラ部材を回転させながら前記溝内に該剥離層材の一
    部を嵌入させ、該剥離層材を前記溝内の前記材料と密着
    させる工程と、 前記ローラ部材表面より前記剥離層材を剥離させる工程
    と、 前記基板に、前記剥離層材を、前記パターンが基板に接
    触するように重ね合わせ位置調整し、前記基板及び/又
    は前記剥離層材の裏面より押圧することにより前記パタ
    ーンを前記基板に転写し、前記基板上に前記複数種類の
    異なる材料をパターン状に形成する工程と、 を有することを特徴とするパターン部材の製造方法。
  2. 【請求項2】前記溝内に注入する材料は、前記それぞれ
    の材料のうち1種類の材料であり、複数種類分の材料に
    対応すべく前記剥離層材を複数種類分形成し、 前記パターンを前記基板に転写する操作を前記剥離層材
    の複数種類分繰り返す請求項1に記載のパターン部材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記基板は帯状可撓性支持体である請求項
    1又は2のいずれか1項に記載のパターン部材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記複数種類の異なる材料には、少なくと
    も赤(R)、緑(G)、青(B)の色彩用の材料が含ま
    れる請求項1、2又は3のいずれか1項に記載のパター
    ン部材の製造方法。
  5. 【請求項5】前記材料を注入する工程及び/又は前記剥
    離層材を溝内の材料と密着させる工程の後に乾燥工程が
    設けられる請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の
    パターン部材の製造方法。
  6. 【請求項6】前記パターン部材が有機EL素子用部材で
    ある請求項1、2、3、4又は5のいずれか1項に記載
    のパターン部材の製造方法。
  7. 【請求項7】基板上に複数種類の異なる材料をパターン
    状に形成するパターン部材の製造装置において、 前記材料用のパターン状の溝を外周面に有するローラ部
    材を回転させながら、前記溝内に前記材料を注入する材
    料注入手段と、 前記ローラ部材表面に剥離層材を密着させるとともに、
    前記溝内に該剥離層材の一部を嵌入させ、該剥離層材を
    前記溝内の前記材料と密着させる剥離層形成手段と、 前記ローラ部材表面より前記剥離層材を剥離させる剥離
    手段と、 前記基板に、前記剥離層材を、前記パターンが基板に接
    触するように重ね合わせ位置調整し、前記基板及び/又
    は前記剥離層材の裏面より押圧することにより前記パタ
    ーンを前記基板に転写する転写手段と、 を有することを特徴とするパターン部材の製造装置。
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