JP2003331927A - 非水電解質二次電池の充電方法 - Google Patents

非水電解質二次電池の充電方法

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JP2003331927A
JP2003331927A JP2002139793A JP2002139793A JP2003331927A JP 2003331927 A JP2003331927 A JP 2003331927A JP 2002139793 A JP2002139793 A JP 2002139793A JP 2002139793 A JP2002139793 A JP 2002139793A JP 2003331927 A JP2003331927 A JP 2003331927A
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electrolyte secondary
aqueous electrolyte
negative electrode
positive electrode
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JP2002139793A
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English (en)
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Hiroshi Wada
和田  弘
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Japan Storage Battery Co Ltd
Original Assignee
Japan Storage Battery Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水電解質二次電池の充放電サイクル特性を
向上させる充電方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 リチウム含有遷移金属複合酸化物を含有
する正極と、炭素材料を含有する負極と、溶媒としてエ
チレンカーボネート、及びビニレンカーボネートを含有
するとともに、溶質としてLiPFを含有する非水電
解質とを備えた非水電解質二次電池を定電流充電する非
水電解質二次電池の充電方法である。正極と負極と対向
する部分における充電電流の電流密度を4mA/cm
以下に規制したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池の充電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非水電解質二次電池は従来の電池と比較
して高エネルギー密度、長寿命であり、例えば、携帯電
話、ノート型パソコンなどの電源として用いられてい
る。
【0003】このような非水電解質二次電池では、一般
に、負極活物質に炭素材料、正極活物質にリチウム遷移
金属複合酸化物が用いられ、そして、非水電解質とし
て、エチレンカーボネート(EC)等の溶媒に支持塩を
溶解させた非水電解液が使用されている。
【0004】さらに、非水電解液にビニレンカーボネー
ト(炭酸ビニレン)を添加する技術が知られている。こ
の技術は、ビニレンカーボネートを添加して、初回の充
放電によって、負極上に安定なSEI被膜(solid elec
trolyte interface)を形成し、この被膜により電解液の
分解を抑制して、サイクル特性を向上させるというもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような非水電解質二次電池においても、高温において充
放電を繰り返していくと徐々に放電容量が低下してしま
うという問題点があった。
【0006】さらに、正極にリチウムマンガン複合酸化
物を含む非水電解質二次電池では、リチウムマンガン複
合酸化物が長期間電解液に曝されると、特に高温でリチ
ウムマンガン複合酸化物から電解液中へマンガン(M
n)が溶出し、このマンガンが負極に作用して放電容量
を低下させてしまうという問題点があった。この問題点
は、上述のように非水電解液にビニレンカーボネートを
添加しても十分には解決されていなかった。
【0007】本発明は上記のような事情に基づいて完成
されたものであって、充放電サイクル特性を向上させる
充電方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる問
題点を解決し得る非水電解質二次電池の充電方法を開発
すべく鋭意研究を重ねた。その結果、充放電サイクル特
性を向上させるためには、非水電解質の組成のみなら
ず、充電電流の電流密度を所定値以下とすることが必要
であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明者等が繰り返し検討した
ところ、負極上にイオン導電性が高い安定な被膜を形成
すると共に、この被膜を充電時に破壊しないように維持
することが非常に重要であることが判明したのである。
【0010】この点に関し、従来はビニレンカーボネー
トを添加して、初回の充電時に被膜を形成すれば、その
後、充放電を繰り返してもこの被膜は、維持されている
ものと考えられていた。
【0011】ところが、安定と考えられていた被膜は電
気的な抵抗が大きく、充電電流によって破壊されている
ため、あまりサイクル特性が向上しないことが判明した
のである。
【0012】そこで、本発明では、正極と負極と対向す
る部分における充電電流の電流密度を所定値以下に規制
して電解質の分解生成物からなる被膜を維持して、サイ
クル特性を向上させているのである。
【0013】即ち、請求項1の発明は、リチウム含有遷
移金属複合酸化物を含有する正極と、炭素材料を含有す
る負極と、溶媒としてエチレンカーボネート、及びビニ
レンカーボネートを含有するとともに、溶質としてLi
PFを含有する非水電解質とを備えた非水電解質二次
電池を定電流充電する非水電解質二次電池の充電方法で
あって、前記正極と前記負極と対向する部分における充
電電流の電流密度を4mA/cm以下に規制したこと
を特徴とする非水電解質二次電池の充電方法である。
【0014】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の非水電解質二次電池の充電方法において、前記非水電
解質は、さらにビニルエチレンカーボネートを含有する
ことを特徴とする。
【0015】また、請求項3の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の非水電解質二次電池の充電方法におい
て、前記負極の多孔度は、32〜39%であることを特
徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実
施形態にかかる角形非水電解質二次電池1の概略断面図
である。この角形非水電解質二次電池1は、正極3と、
負極4とがセパレータ5を介して巻回された扁平巻状電
極群2と、電解質塩を含有した図示しない非水電解液と
を電池ケース6に収納してなるものである。
【0017】そして、電池ケース6には、安全弁8を設
けた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられ、正
極端子10は正極リード11を介して正極3と接続さ
れ、負極4は電池ケース6の内壁と接触により電気的に
接続されている。
【0018】そして、正極3は、例えばアルミニウム、
ニッケル、又はステンレス製の正極集電体に正極活物質
を構成要素とする正極合剤からなる正極活物質層を設け
た構造となっている。
【0019】正極は、正極活物質としてリチウムニッケ
ル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物等のリチウ
ム含有遷移金属複合酸化物を含有するが、特にリチウム
マンガン複合酸化物を含有した場合に本発明の効果が顕
著である。これは、溶出マンガンの影響により膜質が電
流に敏感になっているためと考えられる。このリチウム
マンガン複合酸化物としては、特に限定されず、例え
ば、LiMn、LiMnO、LiMn
(但し、1.05<x<1.2、1.8<y<1.
95、0<z<0.15であり、Mは少なくともAl
(アルミニウム)を含む1種以上の元素)を用いること
ができる。
【0020】特に、LiMnAl(但し、
1.05<x<1.2、1.8<y<1.95、0.0
7≦z≦0.11)が好ましい。Mとして、Alを用い
0.07≦zとすると、サイクル特性が特に優れる。一
方、0.11<zとすると、初期容量が低下するおそれ
がある。よって、上記式において0.07≦z≦0.1
1で、サイクル特性、初期容量が共に良好となるのであ
る。また、上記式において0.07≦z≦0.11とす
ることによって、充放電サイクルに伴う放電容量低下が
落ち着いた時点での放電容量が良好となる。
【0021】なお、これらの式は、基本組成を示してお
り、酸素サイトの一部が硫黄やハロゲン元素で置換され
ているもの、及び酸素量に多少の不定性のあるものも含
まれる。
【0022】リチウムマンガン複合酸化物としては、平
均粒径が10μm〜20μmで、比表面積が0.1m
/g以上1.0m/g以下の粒子状のリチウムマンガ
ン複合酸化物を用いることがより好ましい。このような
粒子状のものを用いることで、電極を巻回して巻回構造
の発電要素を作製する際に、集電体からの活物質の剥離
等が防止されて、サイクル特性がさらに向上するからで
ある。また、比表面積が0.1m/gより小さくなる
と、重負荷特性が低下するおそれがあり、1.0m
gを超えるとサイクル特性が低下するおそれがあるから
である。特に0.5m/g以上0.8m/g以下と
するのが好ましい。この範囲内では、特に重負荷特性が
良好で、サイクル特性も良好となるからである。
【0023】なお、リチウムマンガン複合酸化物は、例
えば、リチウム化合物、マンガン化合物、及び金属元素
を含有する化合物を混合後、酸素存在下で焼成・冷却す
ることによって製造することができる。出発原料として
用いるリチウム化合物としては、LiCO、LiN
、LiOH、LiCl、LiO等があり、マンガ
ン化合物としては、Mn、MnO等のマンガン
酸化物、MnCO、Mn(NO、ジカルボン酸
マンガン等のマンガン塩等がある。また、金属元素を含
有する化合物としては、酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭
酸塩、ジカルボン酸塩、脂肪酸塩、アンモニウム塩等が
挙げられる。
【0024】そして、正極3は例えば以下のようにして
製造される。正極活物質をグラファイトやカーボンブラ
ック等の導電剤とポリフッ化ビニリデン等の結着剤と共
に混合して、正極合剤とする。そして、この正極合剤を
N−メチルピロリドン等の溶媒に分散させてスラリーと
する。これを正極集電体の両面に塗布、乾燥後、ロール
プレス等により圧縮平滑化して正極3が製造される。
【0025】負極4は、例えば銅、ニッケル、又はステ
ンレス製の負極集電体に負極活物質を構成要素とする負
極合剤からなる負極活物質層を設けた構造となってい
る。
【0026】この負極4は例えば以下のようにして製造
される。負極活物質をポリフッ化ビニリデン等の結着剤
と共に混合して、負極合剤とする。そして、この負極合
剤をN−メチルピロリドン等の溶媒に分散させてスラリ
ーとする。これを負極集電体の両面に塗布、乾燥後、ロ
ールプレス等により圧縮平滑化して負極4が製造され
る。
【0027】負極活物質としては、リチウムをドープ、
脱ドープ可能な炭素材料であれば特に限定されず、例え
ば公知のコークス類、ガラス状炭素類、グラファイト
類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭等を単
独でまたは二種以上を混合して使用することができる。
【0028】負極の多孔度は、特に限定されないが、好
ましくは32〜39%であり、さらに好ましくは33〜
37%である。
【0029】負極の多孔度が32%以上であると、非水
電解質が負極内部まで十分に行き渡り、サイクル特性が
向上するからである。
【0030】一方、発明者等が繰り返し実験したとこ
ろ、多孔度が39%よりも大きくなると、サイクル寿命
が低下する傾向にあることが判明した。この理由は明ら
かではないが以下のように推測される。多孔度が39%
よりも大きくなると、溶媒中に微量含まれている水と後
述するLiPFとの反応生成物であるHFが、負極内
部に進入しやすくなる。そして、このHFと負極に吸蔵
されたリチウムとが反応してLiFを生成し、充放電に
関与できるリチウムが減少して負極のサイクル寿命が低
下するものと考えられる。また、生成したLiFは絶縁
物であるため内部抵抗が上昇して、サイクル寿命が低下
するものと推測される。
【0031】なお、負極の多孔度は、(負極の空間部分
の総体積)/(負極の総体積)×100(%)で表さ
れ、例えば、micromeritics社製ポロシメ
ータ(pore sizer 9310)によって測定で
きる。
【0032】セパレータ5としては、特に限定されず、
例えば公知の織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用い
ることができ、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミ
ド等の合成樹脂微多孔膜を好適に用いることができる。
特に、ガーレー法により測定した透気度が300〜70
0s(sは、sec/100ccを示す)のセパレータ
が好ましい。
【0033】なお、正極の多孔度、セパレータの多孔度
は、負極の多孔度と同様に定義され、その範囲は特に限
定されないが、負極の多孔度と同様に、いずれも好まし
くは32〜39%であり、さらに好ましくは32〜37
%である。
【0034】各部材の多孔度の差が大きいと、電解質が
特定の部材に偏在し易くなり、サイクル特性が低下しや
すいからである。
【0035】本発明の非水電解質は、溶媒としてエチレ
ンカーボネート(EC)、及びビニレンカーボネート
(VC)を含有する。
【0036】エチレンカーボネート(EC)、及びビニ
レンカーボネート(VC)の含有量は、特に限定されな
いが、好ましくは、総溶媒体積に対し、エチレンカーボ
ネート(EC)の含有量が5〜40vol%、かつビニ
レンカーボネート(VC)の含有量が0.2〜5vol
%であり、さらに好ましくは、エチレンカーボネート
(EC)の含有量が5〜35vol%、かつビニレンカ
ーボネート(VC)の含有量が0.3〜2.0vol%
である。総溶媒体積に対し、エチレンカーボネート(E
C)の含有量が5〜40vol%、かつビニレンカーボ
ネート(VC)の含有量が0.2〜5vol%である
と、サイクル特性が特に良好だからである。
【0037】さらに、非水電解質はビニルエチレンカー
ボネート(VEC)を含有することが好ましい。ビニル
エチレンカーボネート(VEC)の含有量は特に限定さ
れないが、好ましくは、総溶媒体積に対し、0.3〜2
vol%であり、さらに好ましくは、0.3〜1vol
%である。ビニルエチレンカーボネート(VEC)の含
有量が、総溶媒体積に対し、0.3〜2vol%である
と、サイクル特性が特に良好だからである。
【0038】さらに、他の有機溶媒を適宜混合して、又
は固体電解質と組み合わせて使用することもできる。他
の有機溶媒として、例えばエチルメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピ
レンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオ
ロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、2−
メチル−γ−ブチルラクトン、アセチル−γ−ブチロラ
クトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、1,2−ジ
メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒ
ドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチ
ル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル、
プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等を単独でま
たは二種以上混合して使用することができる。また、固
体電解質としては、公知の無機固体電解質やポリマー固
体電解質を使用することができる。
【0039】非水電解質は、溶質としてLiPFを含
有する。さらに、他の溶質を適宜混合することもでき
る。他の溶質としては、特に限定されず、例えばLiC
lO、LiAsF、LiBF、LiCF
、LiCFCFSO、LiCFCFCF
SO、LiN(CFSO、LiN(C
SO等を単独でまたは二種以上を混合して使用
することができる。
【0040】溶質の含有量としては特に限定されない
が、好ましくは、LiPFを含めた溶質の総和が、
0.8〜1.5モル/リットルであり、さらに好ましく
は、1.0〜1.2モル/リットルである。
【0041】そして、本発明の非水電解質二次電池の充
電方法では、正極と負極と対向する部分における充電電
流の電流密度を4mA/cm以下に規制している。
【0042】このように充電電流の電流密度を所定値以
下に規制した本発明の充電方法の作用機構は明らかでは
ないが、以下のように考えられる。エチレンカーボネー
ト、及びビニレンカーボネートを含有するとともに、L
iPFを含有する非水電解質を用いて、充放電する
と、負極表面に、電解質の分解生成物からなる被膜(so
lid electrolyte interface)が形成されるものと推測さ
れる。そして、この被膜には、エチレンカーボネート、
ビニレンカーボネート誘導体が含まれるため、緻密で強
固な膜となり、さらにLiPFによって、この被膜の
イオン伝導性が向上しているものと考えられる。
【0043】本発明者等が繰り返し検討したところ、負
極上にイオン導電性が高い安定な被膜を形成すると共
に、この被膜を充電時に破壊しないように維持すること
が非常に重要であることが判明したのである。
【0044】すなわち、従来は、ビニレンカーボネート
を添加して、初回の充電時に被膜を形成すれば、その
後、充放電を繰り返してもこの被膜は、維持されている
ものと考えられていた。
【0045】ところが、安定と考えられていた被膜は電
気的な抵抗が大きく、充電電流によって破壊されている
ため、あまりサイクル特性が向上しないことが判明した
のである。
【0046】そこで、本発明では、正極と負極と対向す
る部分における充電電流の電流密度を4mA/cm
下に規制して電解質の分解生成物からなる被膜を維持し
て、サイクル寿命性能を向上させているのである。
【0047】さらに、非水電解質にビニルエチレンカー
ボネート(VEC)を含有すると、サイクル寿命がより
向上する。この作用機構は明らかではないが、以下のよ
うに考えられる。
【0048】非水電解質にビニルエチレンカーボネート
(VEC)を含有すると、さらに緻密で強固な被膜が形
成される。この被膜は、溶出したマンガンから負極をさ
らに確実に保護できるものと考えられる。
【0049】ところが、この被膜はより緻密であるた
め、より抵抗が大きくなり、却って充電電流により破壊
されやすくなってしまう。このため、ビニルエチレンカ
ーボネート(VEC)を添加しても従来はあまりサイク
ル特性が向上しなかったものと考えられる。本発明にお
いては、充電電流が規制されているから、被膜の破壊が
抑制され、サイクル特性がより向上するものと考えられ
る。この場合、より好ましくは、電流密度を3.5mA
/cm以下とするのが良い。
【0050】なお、充電電流を規制する充電方法は、例
えば特許第3127887号公報に開示されているが、
この方法は、充電電流を規制して、針状リチウムの生成
を抑制して、サイクル特性を向上させるものであり、本
発明の被膜を形成し、この被膜の破壊を防止する充電方
法とは、その作用が全く異なるものである。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0052】実施例1〜8、比較例1〜2では、図1に
示す非水電解質二次電池を作製した。
【0053】正極は次ぎのようにして作製した。リチウ
ムマンガン複合酸化物Li1.1Mn1.80Al
0.1粉末(比表面積0.7m/g、平均粒径1
5μm(平均粒径は、レーザー回折散乱法で測定したd
50の値である。))90重量部と、アセチレンブラッ
ク5重量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重
量部とを混合して合剤を調製し、溶剤としてのN−メチ
ルピロリデンに分散して、スラリーとした。これを厚さ
20μmのアルミ箔の両面に塗布し、120℃で乾燥
し、その後プレスして124μmの厚さの帯状正極を作
製した。なお、正極の多孔度は35%とした。
【0054】次ぎに負極を作製した。平均粒径26μm
で比表面積1.1m/gの球状人造黒鉛粒子90重量
部とPVdF10重量部とを混合し、溶剤となるN−メ
チルピロリドンに分散させ、スラリーを調製した。これ
を厚さ15μmの銅箔両面に塗布し、乾燥させた後、圧
縮成形して85μmの厚さの帯状負極を作製した。な
お、圧縮成形時のスペーサーを変化させて、圧縮後の厚
さを変えることで負極の多孔度を表1に示すように31
〜40%とした。
【0055】セパレータには、25℃でのガーレー法測
定による透気度450secの厚さ25μmの微多孔性
ポリエチレンフィルムを用いた。多孔度(気孔率)は3
5%である。
【0056】上述の構成要素を用いて、幅34mm、高
さ67mm、厚み6.2mmの非水電解質二次電池を作
製した。非水電解質としては、エチレンカーボネート
(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、
ジエチルカーボネート(DEC)と、ビニレンカーボネ
ート(VC)と、ビニルエチレンカーボネート(VE
C)とを、表1に記載する所定の容積比(vol%)で
混合し、この溶媒にLiPFを1.0モル/リットル
溶解したものを用いた。
【0057】
【表1】
【0058】<非水電解質二次電池の60℃維持率の測
定>実施例1〜8、比較例1〜2の各非水電解質二次電
池について、電池温度25℃で、正極と負極と対向する
部分における充電電流の電流密度を表1に記載の所定値
となるように電池電圧が4.1Vとなるまで定電流充電
した。そして、4.1Vになった後4.1Vで定電圧充
電を2時間行った。
【0059】そして、引き続き上記と同じ電流密度に
て、電池電圧が2.8Vになるまで放電を行った。この
充放電を3回行い、3回目の放電電流量を初期容量とし
た。次いで、電池温度を60℃にし、上記と同じ充放電
条件で充放電を200回繰り返した。この後さらに、電
池温度を25℃にし、上記と同じ充放電条件で充放電を
行い、このときの放電電流量を求め、この値を初期容量
で割って百分率を算出し、これを60℃維持率とした。
結果を表1に併記する。
【0060】比較例1、及び実施例1〜2の結果から、
エチレンカーボネート(EC)、及びビニレンカーボネ
ート(VC)を含有する非水電解質二次電池を定電流で
充電する際、充電電流の電流密度を4mA/cm以下
に規制すると、高温におけるサイクル特性が向上するこ
とが分かった。
【0061】次ぎにビニルエチレンカーボネート(VE
C)の含有の効果について検討する。電流密度が4mA
/cmの実施例1と実施例3とを比較すると、ビニル
エチレンカーボネート(VEC)を含有する実施例3の
60℃維持率がより高く、同様に電流密度が2.5mA
/cmの実施例2と実施例4とを比較しても、ビニル
エチレンカーボネート(VEC)を含有する実施例4の
60℃維持率がより高いことが分かった。このように非
水電解質に更に、ビニルエチレンカーボネート(VE
C)を含有した実施例3及び実施例4では、高温におけ
るサイクル特性が著しく向上することが分かった。ま
た、負極の多孔度を変化させた実施例4〜8の結果か
ら、負極の多孔度は、32〜39%が特に好ましいこと
が分かった。
【0062】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。
【0063】上記した実施形態では、角形非水電解質二
次電池1として説明したが、非水電解質二次電池の形状
は特に限定されず、円筒形、楕円形、扁平形等としても
よいことは勿論である。
【0064】
【発明の効果】本発明の充電方法によれば、非水電解質
二次電池の充放電サイクル特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の非水電解質二次電池の断
面図
【符号の説明】
1…非水電解質二次電池 2…電極群 3…正極 4…負極 5…セパレータ 6…電池ケース 7…電池蓋 8…安全弁 10…正極端子 11…正極リード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK03 AL06 AL07 AL08 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ16 DJ09 HJ09 HJ17 5H030 AA10 AS11 AS14 BB03 FF42 5H050 AA07 BA17 CA07 CA08 CA09 CB07 CB08 CB09 DA13 FA05 FA13 GA18 HA09 HA17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム含有遷移金属複合酸化物を含有
    する正極と、 炭素材料を含有する負極と、 溶媒としてエチレンカーボネート、及びビニレンカーボ
    ネートを含有するとともに、溶質としてLiPFを含
    有する非水電解質とを備えた非水電解質二次電池を定電
    流充電する非水電解質二次電池の充電方法であって、 前記正極と前記負極と対向する部分における充電電流の
    電流密度を4mA/cm以下に規制したことを特徴と
    する非水電解質二次電池の充電方法。
  2. 【請求項2】 前記非水電解質は、さらにビニルエチレ
    ンカーボネートを含有することを特徴とする請求項1に
    記載の非水電解質二次電池の充電方法。
  3. 【請求項3】 前記負極の多孔度は、32〜39%であ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非水
    電解質二次電池の充電方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004259681A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Sanyo Electric Co Ltd 非水系リチウム二次電池
WO2006134653A1 (ja) * 2005-06-15 2006-12-21 Mitsubishi Chemical Corporation リチウム二次電池
JP7091242B2 (ja) 2015-11-18 2022-06-27 シェンチェン・インスティテューツ・オブ・アドバンスド・テクノロジー・チャイニーズ・アカデミー・オブ・サイエンシーズ 二次電池及びその製造方法

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