JP2003328967A

JP2003328967A - スクロール圧縮機

Info

Publication number: JP2003328967A
Application number: JP2002132391A
Authority: JP
Inventors: Yasuhiro Sakakibara; 泰弘榊原
Original assignee: Fujitsu General Ltd
Current assignee: Fujitsu General Ltd
Priority date: 2002-05-08
Filing date: 2002-05-08
Publication date: 2003-11-19

Abstract

(57)【要約】【課題】吐出ガスの流れを良くすると共に、逆止弁と
弁受け面との張り付きを向上し、吐出ガスの逆流を防止
する一方、逆止弁と弁受け面との連続的な衝突音の発生
を防ぐことができるスクロール圧縮機を提供する。【解決手段】固定スクロール４と、旋回スクロール
と、固定スクロール４の中央部に形成され、圧縮室で圧
縮されたガスを吐出室へ吐出する吐出口4bに配設され、
吐出口4bを開閉する逆止弁11と、逆止弁11を収納する弁
室15を有し、上部中央に吐出室と弁室15を連通するガス
通路孔13a を設け、ガス通路孔13a の外周に弁受け面13
b を備えた弁ハウジング14とからなるスクロール圧縮機
において、弁ハウジング14を、ガイド孔12a を備えた弁
ガイド12と、弁ガイド12の上面に設けられ、ガス通路孔
13a と弁受け面13b を備えた弁受け部材13とを別部材に
より構成し、ガイド孔12a と弁受け面13b とが直交する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機
に係り、詳しくは固定スクロールの吐出孔の吐出口に配
設され、吐出ガスの逆流を防止する逆止弁および弁ハウ
ジングの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のスクロール圧縮機につい
て、その断面図である図６、及びその要部拡大断面図で
ある図７（Ａ）、（Ｂ）を用いて説明する。スクロール
圧縮機は、密閉容器１内に上下に圧縮部２と電動機３を
配置し、同圧縮部２は、渦捲き状の固定スクロール４
と、同固定スクロール４と互いに噛み合わせて複数の圧
縮室５を形成する旋回スクロール６と、同旋回スクロー
ル６の自転を防止するオルダムリング７と、前記旋回ス
クロール６のボス部6aに、先端に形成した旋回軸8aを挿
入して旋回駆動するシャフト８と、前記旋回軸8aの下部
に形成された主軸8bを支承するメインフレーム９とから
構成されている。

【０００３】前記電動機３が回転すると、シャフト８の
先端に形成した旋回軸8aによって旋回スクロール６を、
オルダムリング７で自転を防止しながら旋回運動をさせ
る。旋回スクロール６の旋回運動によって吸入管51から
圧縮部２に吸入された低圧冷媒は、圧縮室５の外周部か
ら中心部へ順次移動しながら圧縮され高圧冷媒ガスとな
り、同冷媒ガスは吐出孔4aを経由して吐出口4bから吐出
室10に吐出され、その後吐出管52から密閉容器１の外部
に放出される。

【０００４】上記において、圧縮機が停止直後、吐出さ
れた吐出室10の高圧冷媒ガスが高圧より低い前記圧縮室
５へ逆流して、前記旋回スクロール６を逆転させ、大き
な衝撃音や部品の破損を発生させてしまう。これを防止
するため、固定スクロール４の吐出口4bに逆止弁11' を
設けている。上記従来の圧縮機では、逆止弁11' は平板
状に形成され、筒状の弁ハウジング14' の弁室15' 内に
収納されおり、ガスの流れ方向により、前記弁室15' 内
を上下に移動するように構成されている。

【０００５】前記弁ハウジング14' は上部中央に前記吐
出室10と前記弁室15' を連通するガス通路孔14a'を設
け、同ガス通路孔14a'の外周に、前記逆止弁11' の上下
の移動量を規制する弁押え面14b'を備えた一体的な筒状
に構成されている。

【０００６】上記構成において、圧縮機運転時は図７
（Ａ）に示すように、圧縮された冷媒ガスは吐出孔4aを
経由して吐出口4bから弁室15' に噴出され、高圧により
逆止弁11' は上方に押し上げられ、弁押え面14b'に受け
止められると同時に、冷媒ガスは破線矢印で示すように
吐出室10へ流出する。また、圧縮機が停止する際に
は、、吐出室10から弁室15' への圧力により、逆止弁1
1' は下降し吐出口4bを閉塞し、冷媒の圧縮室５への逆
流を無くす構造となっている。

【０００７】しかし、上記従来構成の一体構成された弁
ハウジング14' の場合、弁受け面14b'の角隅部Ｒに円弧
面が形成され、逆止弁11' の外周部が角隅部Ｒに接触し
た場合、図７（Ｂ）に示すように、逆止弁11' が弁受け
面14b'に張り付き難くなる。このような状態のときに
は、逆止弁11' の自重や吐出ガスの逆流時の落下と、吐
出口4bからの吐出ガスによる逆止弁11' の上昇を繰返す
ことで、逆止弁11' が弁受け面14b'に衝突する音が連続
的に発生するという問題がある。

【０００８】この対策として図７（Ｃ）、（Ｄ）に示す
ように、弁受け面14b'にザグリＧを設け、逆止弁11' の
外周部と弁受け面14b'の引っ掛かりをなくす方法があ
る。しかしながら、この場合、圧縮部２の摺動部の初期
作動により発生する摩耗粉や潤滑油に含まれる異物がザ
グリＧに溜まり（図７Ｄ）、油と共に滞留して逆止弁1
1' が弁受け面14b'に張り付き難くなり、上記と同様に
連続的な衝突音が発生するという問題がある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、吐出ガスの流れを良くすると共
に、逆止弁と弁受け面との張り付きを向上し、吐出ガス
の逆流を防止する一方、逆止弁と弁受け面との連続的な
衝突音の発生を防ぐことができるスクロール圧縮機を提
供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためなされたもので、鏡板に渦捲き状のラップを
有する固定スクロールと、同固定スクロールと互いに噛
み合わせて複数の圧縮室を形成する旋回スクロールと、
前記固定スクロールの中央部に形成され、前記圧縮室で
圧縮されたガスを吐出室へ吐出する吐出孔の吐出口に配
設され、同吐出口を開閉する平板状の逆止弁と、同逆止
弁を収納する弁室を有し、上部中央に前記吐出室と前記
弁室を連通するガス通路孔を設け、同ガス通路孔の外周
に、前記逆止弁の上下の移動量を規制する弁受け面を備
えた弁ハウジングとからなるスクロール圧縮機におい
て、前記弁ハウジングを、前記逆止弁の径方向の移動量
を規制するガイド孔を備えた弁ガイドと、同弁ガイドの
上面に設けられ、前記ガイド孔より小径の前記ガス通路
孔と前記弁受け面を備えた弁受け部材とにより構成し、
前記ガイド孔と前記弁受け面とを直交させてなる構成と
なっている。

【００１１】また、前記弁ガイドと前記弁受け部材との
間に、スペーサを挟着した構成となっている。

【００１２】また、前記弁ガイドの上面もしくは前記弁
受け部材の底面に、突起部を設けた構成となっている。

【００１３】また、前記弁ガイドの上面もしくは前記弁
受け部材の底面に、段差部を設けた構成となっている。

【００１４】また、前記弁ガイドの上面もしくは前記弁
受け部材の底面に、前記弁ハウジング内部と前記吐出室
とを連通する溝を設けた構成となっている。

【００１５】また、前記スペーサ、前記突起部、前記段
差部または前記溝を複数設けた構成となっている。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
図面を参照して詳細に説明する。図１は本発明における
スクロール圧縮機の縦断面図、図２は本発明における要
部拡大図で、（Ａ）は断面図、（Ｂ）は弁受け部材と弁
ガイドの展開斜視図である。図において、密閉容器１内
に上下に圧縮部２と電動機３を配置し、同圧縮部２は、
渦捲き状の固定スクロール４と、同固定スクロール４と
互いに噛み合わせて複数の圧縮室５を形成する旋回スク
ロール６と、同旋回スクロール６の自転を防止するオル
ダムリング７と、前記旋回スクロール６のボス部6aに、
先端に形成した旋回軸8aを挿入して旋回駆動するシャフ
ト８と、前記旋回軸8aの下部に形成された主軸8bを支承
するメインフレーム９とから構成されている。

【００１７】前記固定スクロール４の中央部に形成さ
れ、前記圧縮室５で圧縮されたガスを吐出室10へ吐出す
る吐出孔4aの吐出口4bに、同吐出口4bを開閉し、圧縮機
停止時に前記吐出室10から、前記圧縮室５に圧縮ガスの
逆流を防止する逆止弁11が配設されている。前記逆止弁
11は、円板状に形成され、円筒状のガイド孔12a を備え
た弁ガイド12と、同弁ガイド12の上面に設けられた弁受
け部材13とからなる弁ハウジング14の内部に形成された
弁室15内に収納されている。

【００１８】前記弁ガイド12は、上下面を開口し前記逆
止弁11の径方向の移動量を規制する中空円筒状のガイド
孔12a により弁室15を形成し、同ガイド孔12a の径は前
記逆止弁11の径より若干大きく形成されている。また、
前記弁受け部材13は、上部中央に前記吐出室10と前記弁
室15を連通する前記ガイド孔12a より小径のガス通路孔
13a が設けられ、同ガス通路孔13a の外周に、前記逆止
弁11の上下の移動量を規制する弁受け面13b を備え、前
記弁ガイド12の上面を覆うように構成され、前記ガイド
12a と前記弁受け面13b とが直交する角部15a に円弧面
が形成しないようにした構成となっている。尚、前記弁
ガイド12と前記弁受け部材13とは、接着剤、カシメまた
はネジなどにより接合されている。

【００１９】上記構成において、圧縮機が運転される
と、旋回スクロール６の旋回運動によって吸入管51から
圧縮部２の吸入室5aに吸入された低圧冷媒は、圧縮室５
の外周部から中心部へ順次移動しながら圧縮され高圧冷
媒ガスとなり、同冷媒ガスは吐出孔4aを経由して吐出口
4bから圧力により逆止弁11（図２Ａの破線部分）にぶつ
かり開弁して弁室15に流入し、逆止弁11を上方に押し上
げ、更に弁受け面13b に逆止弁11（図２Ａの実線部分）
を張り付かすと同時に、冷媒ガスは図２（Ａ）の破線矢
印で示すように、前記ガス通路孔13a を通り吐出室10に
吐出される。そして、冷媒は吐出管52から密閉容器１の
外部に放出される。

【００２０】この結果、前記ガイド孔12a と前記弁受け
面13b とが直交する角部15a に、前記逆止弁11の上面外
周部が当らないため、逆止弁11と弁受け面13b との張り
付きが良くなり、逆止弁11と弁受け面13b の衝撃音の発
生を防止することができる。また、圧縮機が停止する際
には、吐出室10の高圧より低い圧縮室５へ、圧力が働
き、逆止弁11は下降し、逆止弁11はスムーズに吐出口4b
に接して閉じ、冷媒の圧縮室５への逆流を無くすことが
でき、旋回スクロール６の逆転を防止することができ
る。

【００２１】図３は本発明による第二の実施例を示した
もので、（Ａ）は要部断面図、（Ｂ）は展開斜視図であ
る。図において、前記弁ガイド12と前記弁受け部材13と
の間に、複数のスペーサ16を挟着して隙間を形成し、弁
室15と吐出室10との間に、吐出ガスおよび吐出される油
の通路を形成した構成とすることにより、弁受け面13b
の角部15a に溜まり易い摩耗粉や異物を吐出ガスや吐出
される油と共に、弁ハウジング14の内部から排出し、逆
止弁11と弁受け面13b との張り付きを良好にし、衝撃音
の発生を防止することができる。

【００２２】図４は本発明による第三の実施例を示した
もので、図４（Ａ）、（Ｂ）に示すように、前記弁ガイ
ド12の上面もしくは前記弁受け部材13の底面に、複数の
突起部17を設けるか、または図４（Ｃ）に示すように、
前記弁ガイド12の上面もしくは前記弁受け部材13の底面
に、複数の段差部18を設けた構成とすることにより、上
記同様、前記弁ガイド12と前記弁受け部材13との間に隙
間が形成され、弁受け面13b の角部15a に溜まり易い摩
耗粉や異物を吐出ガスや吐出される油と共に、弁ハウジ
ング14の内部から排出し、逆止弁11と弁受け面13b との
張り付きを良好にし、衝撃音の発生を防止することがで
きる。

【００２３】図５（Ａ）、（Ｂ）は本発明による第四の
実施例を示したもので、前記弁ガイド12の上面もしくは
前記弁受け部材13の底面に、前記弁ハウジング14内部と
前記吐出室10とを連通する溝19を設けた構成とすること
により、上記同様、前記弁ガイド12と前記弁受け部材13
との間に隙間が形成され、弁受け面13b の角部15a に溜
まり易い摩耗粉や異物を吐出ガスや吐出される油と共
に、弁ハウジング14の内部から排出し、逆止弁11と弁受
け面13b との張り付きを良好にし、衝撃音の発生を防止
することができる。

【００２４】以上に説明したように、前記弁ハウジング
14を、前記逆止弁11の径方向の移動量を規制する円筒状
のガイド孔12a を備えた弁ガイド12と、同弁ガイド12の
上面に設けられ、前記ガス通路孔13a と前記弁受け面13
b を備えた弁受け部材13とにより構成し、前記ガイド12
a と前記弁受け面13b とが直交する角部15a に円弧面が
形成しないようにし、また前記弁ガイド12と前記弁受け
部材13との間に、スペーサ16、突起部17、段差部18また
は溝19を設け、前記弁ガイド12と前記弁受け部材13との
間に隙間を形成することにより、弁受け面13b の角部15
a に溜まり易い摩耗粉や異物を吐出ガスや吐出される油
と共に、弁ハウジング14の内部から排出し、逆止弁11と
弁受け面13b との張り付きを良好にし、衝撃音の発生を
防止することができるスクロール圧縮機となる。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明においては、吐出ガ
スの流れを良くすると共に、逆止弁と弁受け面との張り
付きを向上し、吐出ガスの逆流を防止する一方、逆止弁
と弁受け面との連続的な衝突音の発生を防ぐことができ
るスクロール圧縮機となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示すスクロール圧縮機の縦断
面図である。

【図２】本発明の一実施例を示す要部拡大図で、（Ａ）
は断面図、（Ｂ）は弁受け部材と弁ガイドの展開斜視図
である。

【図３】本発明による第二の実施例を示す要部拡大図
で、（Ａ）は断面図、（Ｂ）は弁受け部材と弁ガイドの
展開斜視図である。

【図４】本発明による第三の実施例を示す要部拡大図
で、（Ａ）は断面図、（Ｂ）は突起部を設けた場合の展
開斜視図、（Ｃ）は段差部を設けた場合の展開斜視図で
ある。

【図５】本発明による第四の実施例を示す要部拡大図
で、（Ａ）は断面図、（Ｂ）は弁受け部材と弁ガイドの
展開斜視図である。

【図６】従来例によるスクロール圧縮機の縦断面図であ
る。

【図７】従来例による要部拡大図で、（Ａ）は第一の例
を示す断面図、（Ｂ）は（Ａ）のａ部詳細図、（Ｃ）は
第二の例を示す断面図、（Ｄ）は（Ｃ）のｂ部詳細図で
ある。

【符号の説明】

１密閉容器２圧縮部３電動機４固定スクロール 4a 吐出孔 4b 吐出口５圧縮室６旋回スクロール 6a ボス部７オルダムリング８シャフト 8a 旋回駆９メインフレーム 10 吐出室 11 逆止弁 12 弁ガイド 12a ガイド孔 13 弁受け部材 13a ガス通路 13b 弁受け面 14 弁ハウジング 15 弁室 15a 角部 16 スペーサ 17 突起部 18 段差部 19 溝 51 吸入管 52 吐出管

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】鏡板に渦捲き状のラップを有する固定ス
クロールと、同固定スクロールと互いに噛み合わせて複
数の圧縮室を形成する旋回スクロールと、前記固定スク
ロールの中央部に形成され、前記圧縮室で圧縮されたガ
スを吐出室へ吐出する吐出孔の吐出口に配設され、同吐
出口を開閉する平板状の逆止弁と、同逆止弁を収納する
弁室を有し、上部中央に前記吐出室と前記弁室を連通す
るガス通路孔を設け、同ガス通路孔の外周に、前記逆止
弁の上下の移動量を規制する弁受け面を備えた弁ハウジ
ングとからなるスクロール圧縮機において、前記弁ハウジングを、前記逆止弁の径方向の移動量を規
制するガイド孔を備えた弁ガイドと、同弁ガイドの上面
に設けられ、前記ガイド孔より小径の前記ガス通路孔と
前記弁受け面を備えた弁受け部材とにより構成し、前記
ガイド孔と前記弁受け面とを直交させてなることを特徴
とするスクロール圧縮機。
【請求項２】前記弁ガイドと前記弁受け部材との間
に、スペーサを挟着してなることを特徴とする請求項１
記載のスクロール圧縮機。
【請求項３】前記弁ガイドの上面もしくは前記弁受け
部材の底面に、突起部を設けてなることを特徴とする請
求項１記載のスクロール圧縮機。
【請求項４】前記弁ガイドの上面もしくは前記弁受け
部材の底面に、段差部を設けてなることを特徴とする請
求項１記載のスクロール圧縮機。
【請求項５】前記弁ガイドの上面もしくは前記弁受け
部材の底面に、前記弁ハウジング内部と前記吐出室とを
連通する溝を設けてなることを特徴とする請求項１乃至
４のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
【請求項６】前記スペーサ、前記突起部、前記段差部
または前記溝を複数設けてなることを特徴とする請求項
１乃至５のいずれかに記載のスクロール圧縮機。