JP2003328731A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
内燃機関の排気浄化装置Info
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Abstract
元し蓄えられているイオウ分の量を減少させるために必
要な還元剤の量を少なく維持しつつ、大気中に排出され
るサルフェートの量を低減する。 【解決手段】 NOX触媒81内のSOXを還元し蓄積
SOX量を減少させるべきときには切替弁61を、内燃
機関から排出された排気ガスの大部分が流入ポート62
から流出ポート63を介し直接的に排気ガス排出管64
内に流出し即ちNOX触媒81を迂回し、残りのわずか
な一定量の排気ガスが環状排気管67内に流入し、次い
でNOX触媒81内を流通する弱順流位置に保持する。
排気ガス排出管64内に酸化能を有する触媒76を配置
し、この触媒76の酸化能をNOX触媒81の酸化能よ
りも低く設定する。その結果、NOX触媒81から排出
されたSO2,H2Sが触媒76でサルフェートSO3
に酸化されにくい。
Description
装置に関する。
て燃焼が行われる内燃機関の排気通路内に、流入する排
気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中の
NOXを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したと
きに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているN
OXを還元して蓄えているNOXの量が減少するNOX
触媒を配置し、NOX触媒を迂回してNOX触媒上流の
排気通路とNOX触媒下流の排気通路とを互いに接続す
るバイパス通路を設け、内燃機関から排出されたほぼ全
ての排気ガスをNOX触媒内に導く位置と、内燃機関か
ら排出された排気ガスのわずかな一部をNOX触媒内に
導きながら残りの排気ガスをバイパス通路内に導くバイ
パス位置との間を切替可能な切替弁を具備し、バイパス
通路の流入端が開口している排気通路部分とNOX触媒
間の排気通路内に、NOX触媒に還元剤を供給するため
の還元剤供給弁を配置し、NOX触媒内に蓄えられてい
るイオウ分例えばSOXを還元し蓄えられているSOX
の量を減少させるべきときには、切替弁をバイパス位置
に一時的に保持しつつ、NOX触媒内に流入する排気ガ
スの空燃比が理論空燃比又はリッチになるように還元剤
供給弁から還元剤を一時的に供給する内燃機関の排気浄
化装置が知られている。切替弁がバイパス位置に保持さ
れると、NOX触媒内に流入する排気ガスの量が低減さ
れるのでこの排気ガスの空燃比を理論空燃比又はリッチ
にするために必要な還元剤の量を低減することができ
る。なお、NOX触媒内に流入する排気ガスの空燃比が
理論空燃比又はリッチに切り替えられるとSOXはSO
2,H2Sの形でNOX触媒から排出される。
イパス位置に保持されるとこのとき大部分の排気ガスが
NOX触媒を迂回することになり、その結果多量のH
C,COが大気中に排出される恐れがある。
路の流出端が開口する部分よりも下流の排気通路内に酸
化能を有する触媒を配置することも可能である。
に流入する排気ガスの平均空燃比がリーンになっている
と、このときNOX触媒から排出されたSO2,H2S
がこの触媒でサルフェートSO3に酸化され、次いでS
O3の形で大気中に排出されるという問題点がある。
えられているイオウ分を還元し蓄えられているイオウ分
の量を減少させるために必要な還元剤の量を少なく維持
しつつ、大気中に排出されるサルフェートの量を低減す
ることができる内燃機関の排気浄化装置を提供すること
にある。
に1番目の発明によれば、リーン空燃比のもとで継続し
て燃焼が行われる内燃機関の排気通路内に、流入する排
気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中の
NOXを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したと
きに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているN
OXを還元して蓄えているNOXの量が減少するNOX
触媒を配置し、NOX触媒を迂回してNOX触媒上流の
排気通路とNOX触媒下流の排気通路とを互いに接続す
るバイパス通路を設け、内燃機関から排出されたほぼ全
ての排気ガスをNOX触媒内に導く位置と、内燃機関か
ら排出された排気ガスの一部をNOX触媒内に導きなが
ら残りの排気ガスをバイパス通路内に導くバイパス位置
との間を切替可能な切替弁を具備し、バイパス通路の流
入端が開口している排気通路部分とNOX触媒間の排気
通路内に、NOX触媒に還元剤を供給するための還元剤
供給弁を配置し、NOX触媒内に蓄えられているイオウ
分を還元し蓄えられているイオウ分の量を減少させるべ
きときには、切替弁をバイパス位置に一時的に保持しつ
つ、NOX触媒内に流入する排気ガスの空燃比が理論空
燃比又はリッチになるように還元剤供給弁から還元剤を
一時的に供給する内燃機関の排気浄化装置において、バ
イパス通路の流出端が開口する部分よりも下流の排気通
路内に酸化能を有する触媒を配置すると共に、該酸化能
を有する触媒の酸化能をNOX触媒の酸化能よりも低く
定めている。
において、切替弁をバイパス位置に保持しつつ還元剤供
給弁から還元剤が供給されているときにも前記酸化能を
有する触媒内に流入する排気ガスの平均空燃比がリーン
に維持されている。
番目の発明において、排気ガスがNOX触媒内にその一
端面を介し流入しNOX触媒からその他端面を介し流出
するように排気ガスを案内するか、又はNOX触媒内に
その他端面を介し流入しNO X触媒からその一端面を介
し流出するように排気ガスを案内するかを切り替えるた
めの切り替え手段を具備している。
発明によれば、リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行
われる内燃機関の排気通路から分岐して環状に延びた後
に排気通路に戻る環状通路内に、流入する排気ガスの空
燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOXを蓄
え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガ
ス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOXを還元
して蓄えているNOXの量が減少するNOX触媒を配置
し、排気ガスを環状通路の一端に導くと共にこのとき環
状通路内を流通した排気ガスが環状通路の他端から環状
通路の一端よりも下流の排気通路内に流出する順流位置
と、排気ガスを環状通路の他端に導くと共にこのとき環
状通路内を流通した排気ガスが環状通路の一端から環状
通路の他端よりも下流の排気通路内に流出する逆流位置
と、排気ガスの一部を環状通路の一端に導くと共にこの
とき環状通路内を流通した排気ガスが環状通路の他端か
ら環状通路の一端よりも下流の排気通路内に流出し、か
つ残りの排気ガスが環状通路を迂回して排気通路内を流
通する弱順流位置との間を切替可能な切替弁を具備し、
前記一端とNOX触媒間の環状通路内に、NOX触媒に
還元剤を供給するための還元剤供給弁を配置し、NOX
触媒内に蓄えられているイオウ分を還元し蓄えられてい
るイオウ分の量を減少させるべきときには、切替弁を弱
順流位置に一時的に保持しつつ、NOX触媒内に流入す
る排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになるよう
に還元剤供給弁から還元剤を一時的に供給する内燃機関
の排気浄化装置において、環状通路の一端及び他端が開
口している部分よりも下流の排気通路内に酸化能を有す
る触媒を配置すると共に、該酸化能を有する触媒の酸化
能をNOX触媒の酸化能よりも低く定めている。
番目の発明において、前記NOX触媒が、流入する排気
ガス中の微粒子を捕集するためのパティキュレートフィ
ルタ上に担持されている。
りも上流の排気通路、燃焼室、及び吸気通路内に供給さ
れた空気と炭化水素HC及び一酸化炭素COとの比をそ
の位置における排気ガスの空燃比と称している。
関に適用した場合を示している。なお、本発明は火花点
火式内燃機関にも適用することもできる。
リンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、
5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、
8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々
示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサ
ージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダ
クト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレ
ッサ15に連結される。吸気ダクト13内にはステップ
モータ16により駆動されるスロットル弁17が配置さ
れ、更に吸気ダクト13周りには吸気ダクト13内を流
れる吸入空気を冷却するための冷却装置18が配置され
る。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置1
8内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却され
る。
9及び排気管20を介して排気ターボチャージャ14の
排気タービン21に連結され、排気タービン21の出口
は排気管20aを介して触媒コンバータ22に接続され
る。
ータ22はステップモータ60により駆動される切替弁
61を具備し、この切替弁61の流入ポート62に排気
管20aの出口が接続される。また、流入ポート62に
対向する切替弁61の流出ポート63には触媒コンバー
タ22の排気ガス排出管64が接続される。切替弁61
は更に、流入ポート62及び流出ポート63を結ぶ直線
の両側において互いに対向する一対の流入流出ポート6
5,66を有しており、これら流入流出ポート65,6
6には触媒コンバータ22の環状排気管67の両端がそ
れぞれ接続される。なお、排気ガス排出管64の出口に
は排気管23が接続される。
通して延びており、環状排気管67の排気ガス排出管6
4内に位置する部分にはフィルタ収容室68が形成され
る。このフィルタ収容室68内には排気ガス中の微粒子
を捕集するためのパティキュレートフィルタ69が収容
される。なお、図2において69a及び69bはパティ
キュレートフィルタ69の一端面及び他端面をそれぞれ
示している。
9aを含む触媒コンバータ22の部分縦断面図を示す図
2(A)、及び触媒コンバータ22の部分横断面図を示
す図2(B)に示されるようにパティキュレートフィル
タ69はハニカム構造をなしており、互いに平行をなし
て延びる複数個の排気ガス通路70,71を具備する。
これら排気ガス通路は一端が開放されかつ他端がシール
材72により閉塞されている排気ガス通路70と、他端
が開放されかつ一端がシール材73により閉塞されてい
る排気ガス通路71とにより構成される。なお、図2
(A)においてハッチングを付した部分はシール材73
を示している。これら排気ガス通路70,71は例えば
コージェライトのような多孔質材から形成される薄肉の
隔壁74を介して交互に配置される。云い換えると排気
ガス通路70,71は各排気ガス通路70が4つの排気
ガス通路71によって包囲され、各排気ガス通路71が
4つの排気ガス通路70によって包囲されるように配置
される。
するようにNOX触媒81が担持されている。一方、切
替弁61の流出ポート63と環状排気管67が貫通して
いる部分との間の排気ガス排出管64内には触媒収容室
75が形成されており、この触媒収容室75内にはハニ
カム構造の基材に担持された酸化能を有する触媒76が
収容される。
パティキュレートフィルタ69間の環状排気管67には
パティキュレートフィルタ69に還元剤を供給するため
の電気制御式還元剤供給弁77が取り付けられる。還元
剤供給弁77には電気制御式の還元剤ポンプ78から還
元剤が供給される。本発明による実施例では還元剤とし
て内燃機関の燃料即ち軽油が用いられている。なお、本
発明による実施例では流入流出ポート66とパティキュ
レートフィルタ69間の環状排気管67に還元剤供給弁
が配置されていない。
9とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、EG
Rと称す)通路24を介して互いに連結され、EGR通
路24内には電気制御式EGR制御弁25が配置され
る。また、EGR通路24周りにはEGR通路24内を
流れるEGRガスを冷却するための冷却装置26が配置
される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装
置26内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷
却される。
介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール27に連結
される。このコモンレール27内へは電気制御式の吐出
量可変な燃料ポンプ28から燃料が供給され、コモンレ
ール27内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介し
て燃料噴射弁6に供給される。コモンレール27にはコ
モンレール27内の燃料圧を検出するための燃料圧セン
サ29が取付けられ、燃料圧センサ29の出力信号に基
づいてコモンレール27内の燃料圧が目標燃料圧となる
ように燃料ポンプ28の吐出量が制御される。
ータからなり、双方向性バス41によって互いに接続さ
れたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ラン
ダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッ
サ)44、入力ポート45及び出力ポート46を具備す
る。燃料圧センサ29の出力信号は対応するAD変換器
47を介して入力ポート45に入力される。パティキュ
レートフィルタ69の例えば中心部にはパティキュレー
トフィルタの温度を検出するための温度センサ48が取
り付けられ、温度センサ48の出力電圧は対応するAD
変換器47を介して入力ポート45に入力される。排気
管20aには排気管20a内の圧力、即ち機関背圧を検
出するための圧力センサ49が取り付けられ、圧力セン
サ49の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入
力ポート45に入力される。また、アクセルペダル50
にはアクセルペダル50の踏み込み量に比例した出力電
圧を発生する負荷センサ51が接続され、負荷センサ5
1の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポ
ート45に入力される。更に入力ポート45にはクラン
クシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発
生するクランク角センサ52が接続される。
48を介して燃料噴射弁6、スロットル弁駆動用ステッ
プモータ16、EGR制御弁25、燃料ポンプ28、切
替弁駆動用ステップモータ60、還元剤供給弁77、及
び還元剤剤ポンプ78にそれぞれ接続される。
線で示される位置と破線で示される位置とのうちいずれ
か一方に位置せしめられる。切替弁61が図3(B)に
おいて実線で示される位置に位置せしめられると、流入
ポート62が切替弁61によって流出ポート63及び流
入流出ポート66との連通が遮断されながら流入流出ポ
ート65に連通され、流出ポート63が切替弁61によ
って流入流出ポート66に連通される。その結果、図3
(B)において実線の矢印で示されるように内燃機関か
ら排出された全ての排気ガスが流入ポート62及び流入
流出ポート65を順次介して環状排気管67内に流入
し、次いでパティキュレートフィルタ69を通過した後
に流入流出ポート66及び流出ポート63を順次介して
排気ガス排気出管64内に流出する。
いて破線で示される位置に位置せしめられると、流入ポ
ート62が切替弁61によって流出ポート63及び流入
流出ポート65との連通が遮断されながら流入流出ポー
ト66に連通され、流出ポート63が切替弁61によっ
て流入流出ポート65に連通される。その結果、図3
(B)において破線の矢印で示されるように内燃機関か
ら排出された全ての排気ガスが流入ポート62及び流入
流出ポート66を順次介して環状排気管67内に流入
し、次いでパティキュレートフィルタ69を通過した後
に流入流出ポート65及び流出ポート63を順次介して
排気ガス排出管64内に流出する。
ことによって環状排気管67内における排気ガスの流れ
が反転する。言い換えると、排気ガスがNOX触媒81
内にその一端面を介し流入しNOX触媒81からその他
端面を介し流出するように排気ガスを案内するか、又は
NOX触媒81内にその他端面を介し流入しNOX触媒
81からその一端面を介し流出するように排気ガスを案
内するかを切り替え可能になっている。以下では、図3
(B)において実線で示される排気ガスの流れを順流と
称し、破線で示される排気ガスの流れを逆流と称するこ
とにする。また、図3(B)において実線で示される切
替弁61の位置を順流位置と称し、破線で示される切替
弁61の位置を逆流位置と称する。
内に流出した排気ガスは図3(A)及び(B)に示され
るように、次いで触媒76を通過し、環状排気管67の
外周面に沿いつつ進行した後に排気管23内に流出す
る。
気ガスの流れを説明すると、順流時には排気ガスは一端
面69aを介しパティキュレートフィルタ69内に流入
し、他端面69bを介しパティキュレートフィルタ69
から流出する。このとき、排気ガスは一端面69a内に
開口している排気ガス通路70内に流入し、次いで周囲
の隔壁74内を通って隣接する排気ガス通路71内に流
出する。一方、逆流時には排気ガスは他端面69bを介
しパティキュレートフィルタ69内に流入し、一端面6
9aを介しパティキュレートフィルタ69から流出す
る。このとき、排気ガスは他端面69b内に開口してい
る排気ガス通路71内に流入し、次いで周囲の隔壁74
内を通って隣接する排気ガス通路70内に流出する。
上即ち例えば隔壁74の両側面及び細孔内壁面上には、
図4に示されるようにNOX触媒81がそれぞれ担持さ
れている。このNOX触媒81は例えばアルミナを担体
とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムN
a、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金
属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土
類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から
選ばれた少なくとも一つと、白金Pt、パラジウムP
d、ロジウムRh、イリジウムIrのような貴金属とが
担持されている。
比がリーンのときにはNOXを蓄え、流入する排気ガス
の空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれ
ていると蓄えているNOXを還元して蓄えているNOX
の量を減少させる蓄積還元作用を行う。
ズムについては完全には明らかにされていない。しかし
ながら、現在考えられているメカニズムを、担体上に白
金Pt及びバリウムBaを担持させた場合を例にとって
簡単に説明すると次のようになる。
燃比が理論空燃比よりもかなりリーンになると流入する
排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、酸素O2がO2
−又はO2−の形で白金Ptの表面に付着する。一方、
流入する排気ガス中のNOは白金Ptの表面上でO2 −
又はO2−と反応し、NO2となる(NO+O2→NO
2+O*、ここでO*は活性酸素)。次いで生成された
NO2の一部は白金Pt上でさらに酸化されつつNOX
触媒内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しなが
ら、硝酸イオンNO3 −の形でNOX触媒内に拡散す
る。このようにしてNOXがNOX触媒内に蓄えられ
る。
スの空燃比がリッチ又は理論空燃比になると、排気ガス
中の酸素濃度が低下してNO2の生成量が低下し、反応
が逆方向(NO3 −→NO+2O*)に進み、斯くして
NOX触媒内の硝酸イオンNO3 −がNOの形でNOX
触媒から放出される。この放出されたNOXは排気ガス
中に還元剤即ちHC,COが含まれているとこれらH
C,COと反応して還元せしめられる。このようにして
白金Ptの表面上にNOXが存在しなくなるとNOX触
媒から次から次へとNOXが放出されて還元され、NO
X触媒内に蓄えられているNOXの量が次第に減少す
る。
蓄え、NOXを放出することなくNOXを還元すること
も可能である。また、活性酸素O*に着目すれば、NO
X触媒はNOXの蓄積及び放出に伴って活性酸素O*を
生成する活性酸素生成触媒と見ることもできる。
金属、アルカリ土類、及び希土類を含むことなく貴金属
例えば白金Ptを含む貴金属触媒から形成される。しか
しながら、触媒76を上述したNOX触媒から形成して
もよい。
1の酸化能よりも低くされている。即ち、例えばHC,
COの浄化率を50%にするのに必要な触媒76の温度
がNOX触媒81におけるよりも高くなっている。これ
を達成するには、触媒76における単位容積当たりの白
金担持量をNOX触媒81におけるよりも少なくした
り、触媒76のハニカム担体の排気ガス通路の数をNO
X触媒81におけるよりも少なくしたり、或いは触媒7
6の容量をNOX触媒81におけるよりも小さくしたり
することができる。
あろうと排気ガスはパティキュレートフィルタ69を通
過する。また、図1に示される内燃機関はリーン空燃比
のもとでの燃焼が継続して行われており、従ってパティ
キュレートフィルタ69内に流入する排気ガスの空燃比
はリーンに維持されている。その結果、排気ガス中のN
OXはパティキュレートフィルタ69上のNOX触媒8
1内に蓄えられる。
NOX量は次第に増大する。そこで本発明による実施例
では、例えばNOX触媒81内の蓄積NOX量が許容量
を越えたときにはNOX触媒81内に蓄えられているN
OXを還元しNOX触媒81内の蓄積NOX量を減少さ
せるために還元剤供給弁77からNOX触媒81に還元
剤即ち還元剤を一時的に供給するようにしている。この
場合、NOX触媒81内に流入する排気ガスの空燃比が
一時的にリッチに切り替えられる。
体からなる微粒子はパティキュレートフィルタ69上に
捕集される。即ち、概略的に説明すると、順流時には排
気ガス通路70側の隔壁74の側面上及び細孔内に微粒
子が捕集され、逆流時には排気ガス通路71側の隔壁7
4の側面上及び細孔内に微粒子が捕集される。図1に示
される内燃機関はリーン空燃比のもとでの燃焼が継続し
て行われており、また、NOX触媒81は酸化能を有し
ているので、パティキュレートフィルタ69の温度が微
粒子を酸化しうる温度、例えば250℃以上に維持され
ていれば、パティキュレートフィルタ69上で微粒子が
酸化せしめられ除去される。
Xの蓄積還元メカニズムによれば、NOX触媒81内に
NOXが蓄えられるときにもNOXが放出されるときに
も活性酸素が生成される。この活性酸素は酸素O2より
も活性が高く、従ってパティキュレートフィルタ69上
に堆積している微粒子を速やかに酸化する。即ち、パテ
ィキュレートフィルタ69上にNOX触媒81を担持さ
せると、パティキュレートフィルタ69内に流入する排
気ガスの空燃比がリーンであろうとリッチであろうとパ
ティキュレートフィルタ69上に堆積している微粒子が
酸化される。このようにして微粒子が連続的に酸化され
る。
の温度が微粒子を酸化しうる温度に維持されなくなるか
又は単位時間当たりにパティキュレートフィルタ69内
に流入する微粒子の量がかなり多くなると、パティキュ
レートフィルタ69上に堆積する微粒子の量が次第に増
大し、パティキュレートフィルタ69の圧損が増大す
る。
ティキュレートフィルタ69上の堆積微粒子量が許容最
大量を越えたときには切替弁61を順流位置から逆流位
置に又はその逆に切り替えると共に、パティキュレート
フィルタ69に流入する排気ガスの空燃比をリーンに維
持しつつパティキュレートフィルタ69の温度を600
℃以上まで上昇し次いで600℃以上に維持する昇温制
御が行われる。この昇温制御が行われるとパティキュレ
ートフィルタ69上に堆積した微粒子が着火燃焼せしめ
られ除去される。この場合、排気ガスの流れが反転され
ているので、微粒子が燃焼することにより形成される灰
がパティキュレートフィルタ69から容易に除去され
る。なお、図1に示される内燃機関では、切替弁61が
順流位置又は逆流位置に保持されているときに圧力セン
サ49により検出される機関背圧が許容値を越えたとき
にパティキュレートフィルタ69上の堆積微粒子量が許
容最大量を越えたと判断される。
環状排気管67のほぼ中央部に配置されており、即ち切
替弁61の流入ポート62からパティキュレートフィル
タ69までの距離と、パティキュレートフィルタ69か
ら流出ポート63までの距離とが切替弁61が順流位置
にあるときと逆流位置にあるときとでほとんど変わらな
い。このことはパティキュレートフィルタ69の状態例
えば温度が切替弁61が順流位置にあるときと逆流位置
にあるときとでほとんど変わらないことを意味してお
り、従って切替弁61の位置に応じた特別な制御を必要
としない。
Xの形で含まれており、NOX触媒81内にはNOXば
かりでなくSOXも蓄えられる。このSOXのNOX触
媒81内への蓄積メカニズムはNOXの蓄積メカニズム
と同じであると考えられる。即ち、担体上に白金Pt及
びバリウムBaを担持させた場合を例にとって簡単に説
明すると、NOX触媒81に流入する排気ガスの空燃比
がリーンのときには上述したように酸素O2がO2 −又
はO2−の形で白金Ptの表面に付着しており、流入す
る排気ガス中のSO2は白金Ptの表面上でO2 −又は
O2−と反応し、SO3となる。次いで生成されたSO
3は白金Pt上でさらに酸化されつつNOX触媒81内
に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硫酸
イオンSO4 −の形でNOX触媒81内に拡散する。こ
の硫酸イオンSO4 −は次いでバリウムイオンBa+と
結合して硫酸塩BaSO4を生成する。
OX触媒81内に流入する排気ガスの空燃比をただ単に
リッチにしてもNOX触媒81内の硫酸塩BaSO4の
量は減少しない。このため、時間が経過するにつれてN
OX触媒81内の硫酸塩BaSO4の量が増大し、その
結果NOX触媒81が蓄えうるNOXの量が減少するこ
とになる。
OX触媒81内の蓄積SOX量が許容量を越えたときに
はNOX触媒81内のSOXを還元し蓄積SOX量を減
少させる還元処理を行うようにしている。次にこの還元
処理を図5及び図6を参照して説明する。
を示している。このルーチンは予め定められた設定時間
毎の割り込みによって実行される。
は還元処理を行うべきか否か、例えば例えばNOX触媒
81内の蓄積SOX量が許容量を越えたか否かが判別さ
れる。還元処理を行うべきでないときにはステップ10
5にジャンプし、通常処理が継続される。還元処理を行
うべきときには次いでステップ101に進み、NOX触
媒81内に流入する排気ガスの空燃比をリーンに維持し
つつNOX触媒81の温度を550℃まで上昇させ次い
で550℃に維持する昇温制御が行われる。続くステッ
プ102では切替弁61が図6に示される弱順流位置に
切り替えられ保持される。続くステップ103では、N
OX触媒81内に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃
比又はリッチになるように還元剤供給弁77からNOX
触媒81に還元剤が供給される。
℃以上に維持しつつNOX触媒81に流入する排気ガス
の空燃比を理論空燃比又はリッチにすると、NOX触媒
81内の硫酸塩BaSO4が分解してSO3の形でNO
X触媒81から放出される。この放出されたSO3は排
気ガス中に還元剤即ちHC,COが含まれているとこれ
らHC,COと反応してSO2,H2Sに還元せしめら
れる。このようにしてNOX触媒81内に蓄えられてい
るSOXの量が次第に減少し、このときNOX触媒81
からSOXがSO3の形で流出することがない。
れると、図6に矢印で示されるように内燃機関から排出
された排気ガスの大部分が流入ポート62から流出ポー
ト63を介し直接的に排気ガス排出管64内に流出し即
ちNOX触媒81を迂回し、残りのわずかな一定量の排
気ガスが流入流出ポート65を介し環状排気管67内に
流入し、次いでNOX触媒81内を順流方向に流通す
る。即ち、切替弁61を弱順流位置に保持すると、切替
弁61が順流位置又は逆流位置に保持された場合に比べ
てNOX触媒81内に流入する排気ガスの量が低減さ
れ、NOX触媒81における排気ガスの空間速度が低下
する。
気ガスの空燃比を理論空燃比又はリッチにするのに必要
な還元剤の量を低減することができる。また、NOX触
媒81に供給された還元剤のNOX触媒81内における
滞留時間が長くなり、従って還元剤がSOX還元のため
に有効に利用されうる。
てから一定時間が経過したか否かが判別される。一定時
間が経過したときには次いでステップ105に進み、通
常制御が再開される。
されると、触媒76内には、流入流出ポート61から直
接的に排気ガス排出管64内に流入した排気ガスと、N
OX触媒81から排出された排気ガスとが流入し、この
とき触媒76内に流入する排気ガスの平均空燃比はリー
ンになっている。この場合、触媒76内にNOX触媒8
1から排出されたSO2,H2Sが流入する。
媒76の酸化能が低く設定されており、その結果S
O2,H2Sが触媒76内でサルフェートSO3に酸化
されにくくなっている。このようにして大気中に排出さ
れるサルフェートの量が低減されている。
る。
ーシング168が接続され、このケーシング168内に
NOX触媒81を担持したパティキュレートフィルタ6
9が収容されている。ケーシング168の出口は排気管
123を介しケーシング175に接続され、このケーシ
ング175内に触媒76が収容されている。
されており、このバイパス管185の流出端は排気管1
23内に開口している。また、バイパス管185の流入
端が開口している排気管20aの部分には切替弁161
が配置されている。この切替弁161は図7に実線で示
されるように、バイパス管185を遮断して内燃機関か
ら排出されたほぼ全ての排気ガスをNOX触媒81内に
導く通常位置と、図7に破線で示されるように内燃機関
から排出された排気ガスのわずかな一部をNO X触媒8
1内に導きながら残りの排気ガスをバイパス管185内
に導くバイパス位置との間を切替可能になっている。
間の排気管20a内には還元剤供給弁77が配置されて
いる。
ている。NOX触媒81内のSOXを還元し蓄積SOX
量を減少させるべきときには切替弁161がバイパス位
置に一時的に切り替えられ、NOX触媒81内に流入す
る排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになるよう
に還元剤供給弁77から還元剤が供給される。
O2,H2Sは次いで触媒76内に流入する。一方、触
媒76内にはバイパス管185内を流通した排気ガスも
流入し、従って触媒76内に流入する排気ガスの平均空
燃比はリーンになっている。しかしながら、触媒76の
酸化能が低く設定されており、この場合にもサルフェー
トSO3が生成されにくくなっている。
を還元し蓄えられているイオウ分の量を減少させるため
に必要な還元剤の量を少なく維持しつつ、大気中に排出
されるサルフェートの量を低減するすることができる。
気ガスの流れを説明するための図である。
面図である。
る。
れを説明するための図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行
われる内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空
燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOXを蓄
え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガ
ス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOXを還元
して蓄えているNOXの量が減少するNOX触媒を配置
し、NOX触媒を迂回してNOX触媒上流の排気通路と
NOX触媒下流の排気通路とを互いに接続するバイパス
通路を設け、内燃機関から排出されたほぼ全ての排気ガ
スをNOX触媒内に導く位置と、内燃機関から排出され
た排気ガスの一部をNOX触媒内に導きながら残りの排
気ガスをバイパス通路内に導くバイパス位置との間を切
替可能な切替弁を具備し、バイパス通路の流入端が開口
している排気通路部分とNOX触媒間の排気通路内に、
NOX触媒に還元剤を供給するための還元剤供給弁を配
置し、NOX触媒内に蓄えられているイオウ分を還元し
蓄えられているイオウ分の量を減少させるべきときに
は、切替弁をバイパス位置に一時的に保持しつつ、NO
X触媒内に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又は
リッチになるように還元剤供給弁から還元剤を一時的に
供給する内燃機関の排気浄化装置において、バイパス通
路の流出端が開口する部分よりも下流の排気通路内に酸
化能を有する触媒を配置すると共に、該酸化能を有する
触媒の酸化能をNOX触媒の酸化能よりも低く定めた内
燃機関の排気浄化装置。 - 【請求項2】 切替弁をバイパス位置に保持しつつ還元
剤供給弁から還元剤が供給されているときにも前記酸化
能を有する触媒内に流入する排気ガスの平均空燃比がリ
ーンに維持されている請求項1に記載の内燃機関の排気
浄化装置。 - 【請求項3】 排気ガスがNOX触媒内にその一端面を
介し流入しNOX触媒からその他端面を介し流出するよ
うに排気ガスを案内するか、又はNOX触媒内にその他
端面を介し流入しNOX触媒からその一端面を介し流出
するように排気ガスを案内するかを切り替えるための切
り替え手段を具備した請求項1に記載の内燃機関の排気
浄化装置。 - 【請求項4】 リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行
われる内燃機関の排気通路から分岐して環状に延びた後
に排気通路に戻る環状通路内に、流入する排気ガスの空
燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOXを蓄
え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガ
ス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOXを還元
して蓄えているNOXの量が減少するNOX触媒を配置
し、排気ガスを環状通路の一端に導くと共にこのとき環
状通路内を流通した排気ガスが環状通路の他端から環状
通路の一端よりも下流の排気通路内に流出する順流位置
と、排気ガスを環状通路の他端に導くと共にこのとき環
状通路内を流通した排気ガスが環状通路の一端から環状
通路の他端よりも下流の排気通路内に流出する逆流位置
と、排気ガスの一部を環状通路の一端に導くと共にこの
とき環状通路内を流通した排気ガスが環状通路の他端か
ら環状通路の一端よりも下流の排気通路内に流出し、か
つ残りの排気ガスが環状通路を迂回して排気通路内を流
通する弱順流位置との間を切替可能な切替弁を具備し、
前記一端とNOX触媒間の環状通路内に、NOX触媒に
還元剤を供給するための還元剤供給弁を配置し、NOX
触媒内に蓄えられているイオウ分を還元し蓄えられてい
るイオウ分の量を減少させるべきときには、切替弁を弱
順流位置に一時的に保持しつつ、NOX触媒内に流入す
る排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになるよう
に還元剤供給弁から還元剤を一時的に供給する内燃機関
の排気浄化装置において、環状通路の一端及び他端が開
口している部分よりも下流の排気通路内に酸化能を有す
る触媒を配置すると共に、該酸化能を有する触媒の酸化
能をNOX触媒の酸化能よりも低く定めた内燃機関の排
気浄化装置。 - 【請求項5】 前記NOX触媒が、流入する排気ガス中
の微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタ上
に担持されている請求項1又は4に記載の内燃機関の排
気浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002142612A JP3846361B2 (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002142612A JP3846361B2 (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003328731A true JP2003328731A (ja) | 2003-11-19 |
JP3846361B2 JP3846361B2 (ja) | 2006-11-15 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006101070A1 (ja) * | 2005-03-24 | 2006-09-28 | Isuzu Motors Limited | 排気ガス処理装置及び排気ガス処理方法 |
-
2002
- 2002-05-17 JP JP2002142612A patent/JP3846361B2/ja not_active Expired - Fee Related
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