JP3891034B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行われる内燃機関の排気通路から分岐して環状に延びた後に排気通路に戻る環状通路内に、排気ガス中に含まれる微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタを配置し、排気ガスを環状通路の一端に導くと共にこのとき環状通路内を流通した排気ガスが環状通路の他端から環状通路の一端よりも下流の排気通路内に流出する順流位置と、排気ガスを環状通路の他端に導くと共にこのとき環状通路内を流通した排気ガスが環状通路の一端から環状通路の他端よりも下流の排気通路内に流出する逆流位置と、排気ガスの一部を環状通路の一端に導くと共にこのとき環状通路内を流通した排気ガスが環状通路の他端から環状通路の一端よりも下流の排気通路内に排気ガスが流出し、かつ残りの排気ガスが環状通路を迂回して排気通路内を流通する弱順流位置との間を切替可能な切替弁を具備し、前記一端とパティキュレートフィルタ間の環状通路内に二次燃料供給弁を配置し、パティキュレートフィルタの温度を上昇させるために、切替弁を弱順流位置に保持しつつ二次燃料供給弁からパティキュレートフィルタに二次燃料を供給するようにした内燃機関の排気浄化装置が公知である(特開2001−317338号公報参照)。二次燃料供給弁から供給された二次燃料はパティキュレートフィルタ内で酸化され、従ってパティキュレートフィルタの温度が上昇せしめられる。
【0003】
切替弁が弱順流位置に保持されるとパティキュレートフィルタにおける排気ガスの空間速度が低下し、詳しくは後述するがその結果、このとき排気ガス流れに関し上流側に位置するパティキュレートフィルタ部分において二次燃料のうちの大部分が酸化される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このことはパティキュレートフィルタの温度が局所的に上昇されることを意味しており、即ちパティキュレートフィルタの温度を一様に上昇させることができないということになる。
【0005】
確かに、パティキュレートフィルタ内を流通する排気ガスでもって、上流側に位置するパティキュレートフィルタ部分から下流側に位置するパティキュレートフィルタ部分に向かう熱移動が生じ、下流側部分の温度も時間の経過と共に上昇すると考えることもできる。しかしながら、このとき切替弁が弱順流位置に保持されているので、下流側部分の温度が上昇するまでに比較的長い時間を要する。即ち、パティキュレートフィルタの温度を速やかに一様に上昇させることができないという問題点がある。
【0006】
そこで本発明の目的は、パティキュレートフィルタの温度を速やかに上昇させることができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために1番目の発明によれば、リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行われる内燃機関の排気通路から分岐して環状に延びた後に排気通路に戻る環状通路内に、排気ガス中に含まれる微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタを配置し、機関から排出された全ての排気ガス環状通路の一端から環状通路内に流入し環状通路内を流通した後に環状通路の他端から環状通路の一端よりも下流の排気通路内に流出する順流位置と、機関から排出された全ての排気ガス環状通路の他端から環状通路内に流入し環状通路内を流通した後に環状通路の一端から環状通路の他端よりも下流の排気通路内に流出する逆流位置との間を切替可能な切替弁を具備した内燃機関の排気浄化装置において、前記一端とパティキュレートフィルタ間の環状通路内にパティキュレートフィルタに二次燃料を供給するための二次燃料供給弁を配置し、パティキュレートフィルタの温度を上昇させるために、切替弁を順流位置に保持しつつ二次燃料供給弁からパティキュレートフィルタに二次燃料を供給してこのとき排気ガス流れに関し上流側に位置するパティキュレートフィルタ部分におけるよりも多くの量の二次燃料が下流側に位置するパティキュレートフィルタ部分において酸化されるようにする順流昇温制御が行われ、次いでパティキュレートフィルタへの二次燃料供給作用を停止すると共に切替弁を逆流位置に切り替えて保持し、パティキュレートフィルタ内に流入した排気ガスでもってこのとき排気ガス流れに関し上流側に位置するパティキュレートフィルタ部分から下流側に位置するパティキュレートフィルタ部分に向かう熱移動が生ずるようにする逆流昇温制御が行われる。
【0008】
また、2番目の発明によれば1番目の発明において、パティキュレートフィルタの温度を上昇させるために順流昇温制御と逆流昇温制御とが交互に繰り返し行われる。
【0009】
また、3番目の発明によれば1番目又は2番目の発明において、順流昇温制御から逆流昇温制御に又は逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替える時期がパティキュレートフィルタの温度に基づいて定められる。
【0010】
また、4番目の発明によれば1番目又は2番目の発明において、順流昇温制御から逆流昇温制御に切り替える時期及び逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替える時期が、順流昇温制御が行われた時間及び逆流昇温制御が行われた時間にそれぞれ基づいて定められる。
【0011】
また、5番目の発明によれば1番目の発明において、切替弁が弱順流位置に位置せしめられると排気ガスの一部が環状通路から環状通路内に流入し環状通路内を流通した後に環状通路の他端から環状通路の一端よりも下流の排気通路内に流出し、かつ残りの排気ガスが環状通路を迂回して排気通路内を流通するようになっており、パティキュレートフィルタの温度を上昇させるために、切替弁を弱順流位置に保持しつつ二次燃料供給弁からパティキュレートフィルタに二次燃料を供給してこのとき排気ガス流れに関し下流側に位置するパティキュレートフィルタ部分におけるよりも多くの量の二次燃料が上流側に位置するパティキュレートフィルタ部分において酸化されるようにする予熱制御が順流昇温制御に先立って行われる。
【0012】
また、6番目の発明によれば1番目の発明において、順流昇温制御が行われている時間及び逆流昇温制御が行われている時間がそれぞれ、順流昇温制御及び逆流昇温制御が行われていないときに切替弁が順流位置に保持されている時間及び逆流位置に保持されている時間よりも短くなっている。
【0013】
また、7番目の発明によれば1番目の発明において、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒が前記パティキュレートフィルタ上に担持されている。
また、8番目の発明によれば3番目の発明において、順流昇温制御から逆流昇温制御に又は逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替える時期を、排気ガス流れに関し上流側に位置するパティキュレートフィルタ部分と下流側に位置するパティキュレートフィルタ部分との温度差に基づいて定めている。
【0014】
なお、本明細書では排気通路の或る位置よりも上流の排気通路、燃焼室、及び吸気通路内に供給された空気と炭化水素HC及び一酸化炭素COとの比をその位置における排気ガスの空燃比と称している。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示している。なお、本発明は火花点火式内燃機関にも適用することもできる。
【0016】
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレッサ15に連結される。吸気ダクト13内にはステップモータ16により駆動されるスロットル弁17が配置され、更に吸気ダクト13周りには吸気ダクト13内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置18が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置18内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。
【0017】
一方、排気ポート10は排気マニホルド19及び排気管20を介して排気ターボチャージャ14の排気タービン21に連結され、排気タービン21の出口は排気管20aを介して触媒コンバータ22に接続される。
【0018】
図1と共に図2を参照すると、触媒コンバータ22はステップモータ60により駆動される切替弁61を具備し、この切替弁61の流入ポート62に排気管20aの出口が接続される。また、流入ポート62に対向する切替弁61の流出ポート63には触媒コンバータ22の排気ガス排出管64が接続される。切替弁61は更に、流入ポート62及び流出ポート63を結ぶ直線の両側において互いに対向する一対の流入流出ポート65,66を有しており、これら流入流出ポート65,66には触媒コンバータ22の環状排気管67の両端がそれぞれ接続される。なお、排気ガス排出管64の出口には排気管23が接続される。
【0019】
環状排気管67は排気ガス排出管64を貫通して延びており、環状排気管67の排気ガス排出管64内に位置する部分にはフィルタ収容室68が形成される。このフィルタ収容室68内には排気ガス中の微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタ69が収容される。なお、図2において69a及び69bはパティキュレートフィルタ69の一端面及び他端面をそれぞれ示している。
【0020】
パティキュレートフィルタ69の一端面69aを含む触媒コンバータ22の部分縦断面図を示す図2(A)、及び触媒コンバータ22の部分横断面図を示す図2(B)に示されるようにパティキュレートフィルタ69はハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気ガス通路70,71を具備する。これら排気ガス通路は一端が開放されかつ他端がシール材72により閉塞されている排気ガス通路70と、他端が開放されかつ一端がシール材73により閉塞されている排気ガス通路71とにより構成される。なお、図2(A)においてハッチングを付した部分はシール材73を示している。これら排気ガス通路70,71は例えばコージェライトのような多孔質材から形成される薄肉の隔壁74を介して交互に配置される。云い換えると排気ガス通路70,71は各排気ガス通路70が4つの排気ガス通路71によって包囲され、各排気ガス通路71が4つの排気ガス通路70によって包囲されるように配置される。
【0021】
パティキュレートフィルタ69上には後述するようにNO触媒81が担持されている。一方、切替弁61の流出ポート63と環状排気管67が貫通している部分との間の排気ガス排出管64内には触媒収容室75が形成されており、この触媒収容室75内にはハニカム構造の基材に担持された酸化能を有する触媒76が収容される。
【0022】
また、切替弁61の流入流出ポート65とパティキュレートフィルタ69間の環状排気管67にはパティキュレートフィルタ69に二次燃料を供給するための電気制御式二次燃料供給弁77が取り付けられる。二次燃料供給弁77には電気制御式の二次燃料ポンプ78から二次燃料が供給される。本発明による実施例では二次燃料として内燃機関の燃料即ち軽油が用いられている。また、二次燃料は後述するように還元剤としても作用する。なお、本発明による実施例では流入流出ポート66とパティキュレートフィルタ69間の環状排気管67に二次燃料供給弁が配置されていない。
【0023】
更に図1を参照すると、排気マニホルド19とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路24を介して互いに連結され、EGR通路24内には電気制御式EGR制御弁25が配置される。また、EGR通路24周りにはEGR通路24内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置26が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置26内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
【0024】
一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管6aを介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール27に連結される。このコモンレール27内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ28から燃料が供給され、コモンレール27内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール27にはコモンレール27内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ29が取付けられ、燃料圧センサ29の出力信号に基づいてコモンレール27内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ28の吐出量が制御される。
【0025】
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45及び出力ポート46を具備する。燃料圧センサ29の出力信号は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。
【0026】
パティキュレートフィルタ69の両端面にはそれぞれ対応する端面周りのパティキュレートフィルタ部分の温度を検出するための温度センサ48a,48bが取り付けられ、これら温度センサ48a,48bの出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。排気管20には排気管20内の圧力、即ち機関背圧を検出するための圧力センサ49が取り付けられ、圧力センサ49の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また、アクセルペダル50にはアクセルペダル50の踏み込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ51が接続され、負荷センサ51の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。更に入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ52が接続される。
【0027】
一方、出力ポート46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、スロットル弁駆動用ステップモータ16、EGR制御弁25、燃料ポンプ28、切替弁駆動用ステップモータ60、二次燃料供給弁77、及び二次燃料剤ポンプ78にそれぞれ接続される。
【0028】
切替弁61は通常、図3(B)において実線で示される位置と破線で示される位置とのうちいずれか一方に位置せしめられる。切替弁61が図3(B)において実線で示される位置に位置せしめられると、流入ポート62が切替弁61によって流出ポート63及び流入流出ポート66との連通が遮断されながら流入流出ポート65に連通され、流出ポート63が切替弁61によって流入流出ポート66に連通される。その結果、図3(B)において実線の矢印で示されるように内燃機関から排出された全ての排気ガスが流入ポート62及び流入流出ポート65を順次介して環状排気管67内に流入し、次いでパティキュレートフィルタ69を通過した後に流入流出ポート66及び流出ポート63を順次介して排気ガス排気出管64内に流出する。
【0029】
これに対し、切替弁61が図3(B)において破線で示される位置に位置せしめられると、流入ポート62が切替弁61によって流出ポート63及び流入流出ポート65との連通が遮断されながら流入流出ポート66に連通され、流出ポート63が切替弁61によって流入流出ポート65に連通される。その結果、図3(B)において破線の矢印で示されるように内燃機関から排出された全ての排気ガスが流入ポート62及び流入流出ポート66を順次介して環状排気管67内に流入し、次いでパティキュレートフィルタ69を通過した後に流入流出ポート65及び流出ポート63を順次介して排気ガス排出管64内に流出する。
【0030】
このように切替弁61の位置を切り替えることによって環状排気管67内における排気ガスの流れが反転する。以下では、図3(B)において実線で示される排気ガスの流れを順流と称し、破線で示される排気ガスの流れを逆流と称することにする。また、図3(B)において実線で示される切替弁61の位置を順流位置と称し、破線で示される切替弁61の位置を逆流位置と称する。
【0031】
流出ポート66を介し排気ガス排出管64内に流出した排気ガスは図3(A)及び(B)に示されるように、次いで触媒76を通過し、環状排気管67の外周面に沿いつつ進行した後に排気管23内に流出する。
【0032】
パティキュレートフィルタ69における排気ガスの流れを説明すると、順流時には排気ガスは一端面69aを介しパティキュレートフィルタ69内に流入し、他端面69bを介しパティキュレートフィルタ69から流出する。このとき、排気ガスは一端面69a内に開口している排気ガス通路70内に流入し、次いで周囲の隔壁74内を通って隣接する排気ガス通路71内に流出する。一方、逆流時には排気ガスは他端面69bを介しパティキュレートフィルタ69内に流入し、一端面69aを介しパティキュレートフィルタ69から流出する。このとき、排気ガスは他端面69b内に開口している排気ガス通路71内に流入し、次いで周囲の隔壁74内を通って隣接する排気ガス通路70内に流出する。
【0033】
パティキュレートフィルタ69の隔壁74上即ち例えば隔壁74の両側面及び細孔内壁面上には、図4に示されるようにNO触媒81がそれぞれ担持されている。このNO触媒81は例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh、イリジウムIrのような貴金属とが担持されている。
【0034】
NO触媒は流入する排気ガスの平均空燃比がリーンのときにはNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量を減少させる蓄積還元作用を行う。
【0035】
NO触媒の蓄積還元作用の詳細なメカニズムについては完全には明らかにされていない。しかしながら、現在考えられているメカニズムを、担体上に白金Pt及びバリウムBaを担持させた場合を例にとって簡単に説明すると次のようになる。
【0036】
即ち、NO触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもかなりリーンになると流入する排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、酸素OがO 又はO2−の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入する排気ガス中のNOは白金Ptの表面上でO 又はO2−と反応し、NOとなる(NO+O→NO+O、ここでOは活性酸素)。次いで生成されたNOの一部は白金Pt上でさらに酸化されつつNO触媒内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硝酸イオンNO の形でNO触媒内に拡散する。このようにしてNOがNO触媒内に蓄えられる。
【0037】
これに対し、NO触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチ又は理論空燃比になると、排気ガス中の酸素濃度が低下してNOの生成量が低下し、反応が逆方向(NO →NO+2O)に進み、斯くしてNO触媒内の硝酸イオンNO がNOの形でNO触媒から放出される。この放出されたNOは排気ガス中に還元剤即ちHC,COが含まれているとこれらHC,COと反応して還元せしめられる。このようにして白金Ptの表面上にNOが存在しなくなるとNO触媒から次から次へとNOが放出されて還元され、NO触媒内に蓄えられているNOの量が次第に減少する。
【0038】
なお、硝酸塩を形成することなくNOを蓄え、NOを放出することなくNOを還元することも可能である。また、活性酸素Oに着目すれば、NO触媒はNOの蓄積及び放出に伴って活性酸素Oを生成する活性酸素生成触媒と見ることもできる。
【0039】
一方、比較的小容量の触媒76を上述したNO触媒から形成してもよく、又はアルカリ金属、アルカリ土類、及び希土類を含むことなく貴金属を含む貴金属触媒からそれぞれ形成してもよい。
【0040】
上述したように順流時であろうと逆流時であろうと排気ガスはパティキュレートフィルタ69を通過する。また、図1に示される内燃機関はリーン空燃比のもとでの燃焼が継続して行われており、従ってパティキュレートフィルタ69内に流入する排気ガスの空燃比はリーンに維持されている。その結果、排気ガス中のNOはパティキュレートフィルタ69上のNO触媒81内に蓄えられる。
【0041】
時間の経過と共にNO触媒81内の蓄積NO量は次第に増大する。そこで本発明による実施例では、例えばNO触媒81内の蓄積NO量が許容量を越えたときにはNO触媒81内に蓄えられているNOを還元しNO触媒81内の蓄積NO量を減少させるために二次燃料供給弁77からNO触媒81に二次燃料即ち還元剤を一時的に供給するようにしている。この場合、NO触媒81内に流入する排気ガスの空燃比が一時的にリッチに切り替えられる。
【0042】
一方、排気ガス中に含まれる主に炭素の固体からなる微粒子はパティキュレートフィルタ69上に捕集される。即ち、概略的に説明すると、順流時には排気ガス通路70側の隔壁74の側面上及び細孔内に微粒子が捕集され、逆流時には排気ガス通路71側の隔壁74の側面上及び細孔内に微粒子が捕集される。図1に示される内燃機関はリーン空燃比のもとでの燃焼が継続して行われており、また、NO触媒81は酸化能を有しているので、パティキュレートフィルタ69の温度が微粒子を酸化しうる温度、例えば250℃以上に維持されていれば、パティキュレートフィルタ69上で微粒子が酸化せしめられ除去される。
【0043】
この場合、上述したNO触媒81のNOの蓄積還元メカニズムによれば、NO触媒81内にNOが蓄えられるときにもNOが放出されるときにも活性酸素が生成される。この活性酸素は酸素Oよりも活性が高く、従ってパティキュレートフィルタ69上に堆積している微粒子を速やかに酸化する。即ち、パティキュレートフィルタ69上にNO触媒81を担持させると、パティキュレートフィルタ69内に流入する排気ガスの空燃比がリーンであろうとリッチであろうとパティキュレートフィルタ69上に堆積している微粒子が酸化される。このようにして微粒子が連続的に酸化される。
【0044】
ところが、パティキュレートフィルタ69の温度が微粒子を酸化しうる温度に維持されなくなるとパティキュレートフィルタ69上に堆積する微粒子の量が次第に増大し、パティキュレートフィルタ69の圧損が増大する。
【0045】
そこで本発明による実施例では、パティキュレートフィルタ69の温度が250℃よりも低くなると、パティキュレートフィルタ69の温度を250℃まで上昇させ250℃以上に維持する昇温制御が行われる。
【0046】
このような昇温制御を行っても、単位時間当たりにパティキュレートフィルタ69内に流入する微粒子の量がかなり多くなるとパティキュレートフィルタ69上に堆積する微粒子の量が次第に増大する。
【0047】
そこで本発明による実施例では、例えばパティキュレートフィルタ69上の堆積微粒子量が許容最大量を越えたときには切替弁61を順流位置から逆流位置に又はその逆に切り替えると共に、パティキュレートフィルタ69に流入する排気ガスの空燃比をリーンに維持しつつパティキュレートフィルタ69の温度を600℃以上まで上昇し次いで600℃以上に維持する昇温制御が行われる。この昇温制御が行われるとパティキュレートフィルタ69上に堆積した微粒子が着火燃焼せしめられ除去される。この場合、排気ガスの流れが反転されているので、微粒子が燃焼することにより形成される灰がパティキュレートフィルタ69から容易に除去される。なお、図1に示される内燃機関では、切替弁61が順流位置又は逆流位置に保持されているときに圧力センサ49により検出される機関背圧が許容値を越えたときにパティキュレートフィルタ69上の堆積微粒子量が許容最大量を越えたと判断される。
【0048】
ここで、パティキュレートフィルタ69は環状排気管67のほぼ中央部に配置されており、即ち切替弁61の流入ポート62からパティキュレートフィルタ69までの距離と、パティキュレートフィルタ69から流出ポート63までの距離とが切替弁61が順流位置にあるときと逆流位置にあるときとでほとんど変わらない。このことはパティキュレートフィルタ69の状態例えば温度が切替弁61が順流位置にあるときと逆流位置にあるときとでほとんど変わらないことを意味しており、従って切替弁61の位置に応じた特別な制御を必要としない。
【0049】
次に、図5及び図6を参照して本発明による実施例の昇温制御について説明する。なお、説明を簡単にするために、切替弁61が順流位置に保持されているときに排気ガス流れに関し上流側に位置するパティキュレートフィルタ69の部分を上流側フィルタ部分69uと称し、下流側に位置するパティキュレートフィルタ69の部分を下流側フィルタ部分69dと称することにする(図2参照)。この場合、温度センサ48a,48bは上流側フィルタ部分69u及び下流側フィルタ部分69dの温度をそれぞれ検出していることになる。また、切替弁61が逆流位置に保持されると排気ガスはまず下流側フィルタ部分69d内を流通し、次いで上流側フィルタ部分69u内を流通することになる。
【0050】
図5において矢印Xは昇温制御を実行すべきであると判断されたときを示している。昇温制御を実行すべきときにはまず順流昇温制御が行われる。順流昇温制御では、切替弁61が順流位置に保持されつつ、パティキュレートフィルタ69内に流入する排気ガスの空燃比がリーンに維持されるように二次燃料供給弁77から二次燃料が供給される。この場合、二次燃料供給弁77からパティキュレートフィルタ69までの距離が比較的短いので、二次燃料はパティキュレートフィルタ69に到るまでに排気ガスによって十分に加熱されず、パティキュレートフィルタ69内に流入するときの二次燃料の温度はさほど高くない。このため、二次燃料は上流側フィルタ部分69uではほとんど酸化されず、排気ガスによって下流側フィルタ部分69dまで運ばれた後に下流側フィルタ部分69dにおいて酸化される。或いは、このときパティキュレートフィルタ69内には内燃機関から排出された全ての排気ガスが流入しているのでパティキュレートフィルタ69における排気ガスの空間速度が比較的高く、従って二次燃料は比較的短時間のうちに下流側フィルタ部分69dまで進行し、下流側フィルタ部分69dにおいて酸化される。従って、上流側フィルタ部分69uにおけるよりも多くの量の二次燃料が下流側フィルタ部分69dにおいて酸化されることになる。
【0051】
その結果、図5に示されるように下流側フィルタ部分69dの温度TDが速やかに上昇する。一方、上流側フィルタ部分69uの温度TUはわずかに上昇し、従って温度差ΔT(=TD−TU、順流昇温制御時)が次第に大きくなる。
【0052】
次いで、この温度差ΔTがしきい値TFを越えると逆流昇温制御に切り替えられる。即ち、パティキュレートフィルタ69への二次燃料供給作用が停止されると共に切替弁61が逆流位置に切り替えられて保持される。この場合、パティキュレートフィルタ69内に流入した排気ガスが下流側フィルタ部分69dによって加熱され、次いでこの加熱された排気ガスが上流側フィルタ部分69uに到って上流側フィルタ部分69uを加熱する。言い換えると、パティキュレートフィルタ69内に流入した排気ガスでもって下流側フィルタ部分69dから上流側フィルタ部分69uに向かう熱移動が生ずることになる。
【0053】
この場合、パティキュレートフィルタ69内には内燃機関から排出された全ての排気ガスが流入しているので熱移動速度が高くなる。即ち、パティキュレートフィルタ69の温度を速やかに上昇させることができる。また、二次燃料供給作用を停止しながらパティキュレートフィルタ69の温度が上昇されるので、パティキュレートフィルタ69の温度を上昇させるために必要な二次燃料の量を低減することができる。更に、このとき二次燃料供給作用が停止されるので、二次燃料が流入流出ポート65から排気ガス排出管64内に排出されるのが阻止される。
【0054】
その結果、図5に示されるように上流側フィルタ部分69uの温度TUが速やかに上昇する。一方、下流側フィルタ部分69dの温度TDは次第に低下する。次いで、温度差ΔT(=TU−TD、逆流昇温制御時)がしきい値TRを越えると順流昇温制御に切り替えられる。
【0055】
このようにして順流昇温制御と逆流昇温制御とを交互に繰り返し行い、上流側フィルタ部分69uの温度TU及び下流側フィルタ部分69dの温度TDを速やかに上昇させる。これが本発明による実施例の基本的な考え方である。
【0056】
次いで、例えばパティキュレートフィルタ69の平均温度、即ち上流側フィルタ部分69uの温度TU及び下流側フィルタ部分69dの温度TDの平均値が目標温度を越えると昇温制御を実行すべきでないと判断され、即ち昇温制御が停止される。
【0057】
順流昇温制御から逆流昇温制御に又はその逆に切り替える時期を定める方法には様々な方法がある。図5に示される例では、温度差ΔTに基づいて順流昇温制御から逆流昇温制御に又はその逆に切り替える時期が定められている。ここで、しきい値TF,TRを定める方法にも様々な方法がある。図5に示される例では、順流昇温制御から逆流昇温制御に切り替えるときのしきい値TFは昇温制御の切り替え回数が多くなるにつれて小さくなり、逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替えるときのしきい値TRは一定に保持されている。
【0058】
順流昇温制御から逆流昇温制御に切り替える時期を、下流側フィルタ部分69dの温度TD又は上流側フィルタ部分69uの温度TUに基づいて定めることもできる。この場合、例えば下流側フィルタ部分69dの温度TDがしきい値よりも高くなったとき、又は上流側フィルタ部分69uの温度TUよりも低くなったときに、順流昇温制御から逆流昇温制御に切り替えられる。同様に、逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替える時期を下流側フィルタ部分69dの温度TD又は上流側フィルタ部分69uの温度TUに基づいて定めることができる。
【0059】
或いは、順流昇温制御から逆流昇温制御に切り替える時期及び逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替える時期を、順流昇温制御が行われた時間tF及び逆流昇温制御が行われた時間tRにそれぞれ基づいて定めることもできる(図5参照)。この場合、例えば順流昇温制御が行われた時間tFが予め定められた設定時間になると逆流昇温制御に切り替えられる。このようにすると、昇温制御のために温度センサ48a,48bを必要としない。
【0060】
一方、上述したように、例えばパティキュレートフィルタ69の温度が目標温度を越えると昇温制御が停止される。従って、順流昇温制御と逆流昇温制御とが1回ずつだけ行われる場合もあれば、順流昇温制御のみが行われ逆流昇温制御が行われない場合もある。即ち、順流昇温制御と逆流昇温制御とは必ずしも繰り返されない。
【0061】
また、図5に示される実施例では、順流昇温制御が行われる期間の全体に亘って、継続的に又は間欠的に二次燃料が供給される。しかしながら、順流昇温制御中に二次燃料供給作用を一時的に停止することもできる。例えば、切替弁61が順流位置から逆流位置に切り替えられる直前に供給された二次燃料はパティキュレートフィルタ69内で酸化されることなく排気ガス排出管64内に排出される恐れがある。これを解決するために、順流昇温制御の末期に二次燃料供給作用を一時的に停止することもできる。
【0062】
図6は上述した昇温制御を実行するためのルーチンを示している。このルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行される。
【0063】
図6を参照すると、まずステップ100では昇温制御を実行すべきか否かが判別される。昇温制御を実行すべきでないときには次いでステップ101に進み、通常制御が実行される。これに対し、昇温制御を実行すべきときには次いでステップ102に進み、現在、順流昇温制御又は逆流昇温制御が行われているか否かが判別される。ステップ100からステップ102に初めて進んだときには順流昇温制御も逆流昇温制御も未だ開始されていないので、次いでステップ103に進み、順流昇温制御が実行される。
【0064】
現在、順流昇温制御又は逆流昇温制御が行われているときにはステップ102からステップ104に進み、現在、順流昇温制御が行われているか否かが判別される。現在、順流昇温制御が行われているときには次いでステップ105に進み、順流昇温制御から逆流昇温制御に切り替えるべきか否かが判別される。逆流昇温制御に切り替えるべきでないときには次いでステップ103に進んで順流昇温制御を継続し、逆流昇温制御に切り替えるべきときには次いでステップ106に進んで、逆流昇温制御が開始される。
【0065】
一方、ステップ104において、現在、逆流昇温制御が行われているときには次いでステップ107に進み、逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替えるべきか否かが判別される。順流昇温制御に切り替えるべきでないときには次いでステップ106に進んで逆流昇温制御を継続し、順流昇温制御に切り替えるべきときには次いでステップ103に進んで、順流昇温制御が開始される。
【0066】
次いで、例えばパティキュレートフィルタ69の温度が目標温度を越えるとステップ100で昇温制御を実行すべきでないと判断され、通常制御が再開される(ステップ102)。即ち、昇温制御が停止される。
【0067】
ところで、通常制御では上述したように、パティキュレートフィルタ69上の堆積微粒子量が許容最大量を越えると切替弁61が順流位置から逆流位置に又はその逆に切り替えられる。そうすると、昇温制御時にはパティキュレートフィルタ69上の堆積微粒子量に関わらず切替弁61が切り替えられるということになる。この場合、順流昇温制御が行われている時間及び逆流昇温制御が行われている時間はそれぞれ、通常制御時に切替弁が順流位置に保持されている時間及び逆流位置に保持されている時間よりも短くなっている。
【0068】
次に、本発明による別の実施例を説明する。
【0069】
本発明による別の実施例では、パティキュレートフィルタ69の昇温制御を行うべきときには、順流昇温制御を開始するのに先立って予熱制御が実行される。この予熱制御について図7及び図8を参照しながら説明する。
【0070】
即ち、図7に示されるように昇温制御を実行すべきであると判断されると(矢印X)、まず予熱制御が実行される。この予熱制御では、切替弁61が弱順流位置に保持されつつ、パティキュレートフィルタ69内に流入する排気ガスの空燃比がリーンに維持されるように二次燃料供給弁77から二次燃料が供給される。
【0071】
切替弁61が弱順流位置に保持されると、図8に矢印で示されるように内燃機関から排出された排気ガスの大部分が流入ポート62から流出ポート63を介し直接的に排気ガス排出管64内に流出し即ちパティキュレートフィルタ69を迂回し、残りのわずかな一定量の排気ガスが流入流出ポート65を介し環状排気管67内に流入し、次いでパティキュレートフィルタ69内を順流方向に流通する。即ち、切替弁61を弱順流位置に保持すると、切替弁61が順流位置又は逆流位置に保持された場合に比べてパティキュレートフィルタ69内に流入する排気ガスの量が低減され、パティキュレートフィルタ69における排気ガスの空間速度が低下する。
【0072】
このとき二次燃料供給弁77から供給された二次燃料は比較的長い時間、上流側フィルタ部分69u内にとどまり、次第にその温度が上昇し、ついには上流側フィルタ部分69uにおいて酸化される。これにより上流側フィルタ部分69uの温度が高くなると、パティキュレートフィルタ69内に新たに流入する二次燃料が上流側フィルタ部分69uで次々と酸化され、上流側フィルタ部分69uの温度が更に上昇する。従って、この場合には、下流側フィルタ部分69dにおけるよりも多くの量の二次燃料が上流側フィルタ部分69uにおいて酸化されることになる。
【0073】
その結果、図7に示されるように上流側フィルタ部分69uの温度TUが上昇する。この場合、ゆっくりと流れる排気ガスでもって、上流側フィルタ部分69uから下流側フィルタ部分69dに向かう熱移動が生じ、それによって、図8に示されるように下流側フィルタ部分69dの温度がゆっくりと上昇する。
【0074】
次いで、例えば予熱制御が一定時間だけ行われると順流昇温制御が開始される。このとき、図5に示される例と比べて、上流側フィルタ部分69uの温度TUも下流側フィルタ部分69dの温度TDも高くなっており、従ってパティキュレートフィルタ69の温度を速やかに上昇させることができる。なお、予熱制御から順流昇温制御に切り替える時期をパティキュレートフィルタ69の温度に基づいて定めることもできる。
【0075】
図9は上述した別の実施例による昇温制御を実行するためのルーチンを示している。このルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行される。
【0076】
図9を参照すると、まずステップ200では昇温制御を実行すべきか否かが判別される。昇温制御を実行すべきでないときには次いでステップ201に進み、通常制御が実行される。これに対し、昇温制御を実行すべきときには次いでステップ202に進み、現在、順流昇温制御又は逆流昇温制御が行われているか否かが判別される。ステップ200からステップ202に初めて進んだときには順流昇温制御も逆流昇温制御も未だ開始されていないので、次いでステップ202aに進み、予熱制御が行われる。予熱制御が例えば一定時間だけ行われると次いでステップ203に進み、順流昇温制御が実行される。
【0077】
現在、順流昇温制御又は逆流昇温制御が行われているときにはステップ202からステップ204に進み、現在、順流昇温制御が行われているか否かが判別される。現在、順流昇温制御が行われているときには次いでステップ205に進み、順流昇温制御から逆流昇温制御に切り替えるべきか否かが判別される。逆流昇温制御に切り替えるべきでないときには次いでステップ203に進んで順流昇温制御を継続し、逆流昇温制御に切り替えるべきときには次いでステップ206に進んで、逆流昇温制御が開始される。
【0078】
一方、ステップ204において、現在、逆流昇温制御が行われているときには次いでステップ207に進み、逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替えるべきか否かが判別される。順流昇温制御に切り替えるべきでないときには次いでステップ206に進んで逆流昇温制御を継続し、順流昇温制御に切り替えるべきときには次いでステップ203に進んで、順流昇温制御が開始される。
【0079】
次いで、例えばパティキュレートフィルタ69の温度が目標温度を越えるとステップ200で昇温制御を実行すべきでないと判断され、通常制御が再開される(ステップ202)。
【0080】
これまで述べてきた実施例ではパティキュレートフィルタ69の温度を上昇させるために本発明が適用されている。しかしながら、パティキュレートフィルタ69上に担持されたNO触媒81の温度を上昇させるために本発明を適用することもできる。
【0081】
具体的には、NO触媒81の温度が例えば200℃以上に維持されていれば、NO触媒81のNO浄化率は許容下限値よりも高く維持される。しかしながら、NO触媒81の温度が低くなると上述したNOの酸化反応又は還元反応が起こりにくくなり、従ってNO触媒81のNO浄化率が許容下限値よりも低くなる。
【0082】
そこで、NO触媒81の温度即ちパティキュレートフィルタ69の温度を、NO触媒81のNO浄化率が許容下限値よりも高く維持される温度以上に維持するために、上述した昇温制御を行うこともできる。
【0083】
或いは、NO触媒81内に蓄えられているイオウ分の量を低減するためにも上述した昇温制御を行うことができる。即ち、排気ガス中にはイオウ分がSOの形で含まれており、NO触媒81内にはNOばかりでなくSOも蓄えられる。このSOのNO触媒81内への蓄積メカニズムはNOの蓄積メカニズムと同じであると考えられる。即ち、担体上に白金Pt及びバリウムBaを担持させた場合を例にとって簡単に説明すると、NO触媒81に流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには上述したように酸素OがO 又はO2−の形で白金Ptの表面に付着しており、流入する排気ガス中のSOは白金Ptの表面上でO 又はO2−と反応し、SOとなる。次いで生成されたSOは白金Pt上でさらに酸化されつつNO触媒81内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硫酸イオンSO の形でNO触媒81内に拡散する。この硫酸イオンSO は次いでバリウムイオンBaと結合して硫酸塩BaSOを生成する。
【0084】
この硫酸塩BaSOは分解しにくく、NO触媒81内に流入する排気ガスの空燃比をただ単にリッチにしてもNO触媒81内の硫酸塩BaSOの量は減少しない。このため、時間が経過するにつれてNO触媒81内の硫酸塩BaSOの量が増大し、その結果NO触媒81が蓄えうるNOの量が減少することになる。
【0085】
しかしながら、NO触媒81の温度を550℃以上に維持しつつNO触媒81に流入する排気ガスの空燃比をリッチ又は理論空燃比にすると、NO触媒81内の硫酸塩BaSOが分解してSOの形でNO触媒81から放出される。この放出されたSOは排気ガス中に還元剤即ちHC,COが含まれているとこれらHC,COと反応してSOに還元せしめられる。このようにしてNO触媒81内に蓄えられているSOの量が次第に減少し、このときNO触媒81からSOがSOの形で流出することがない。
【0086】
そこで、例えばNO触媒81内の蓄積SO量を減少させるべく、NO触媒81の温度を550℃まで上昇し次いで550℃以上に維持するために、上述した昇温制御を行うことができる。この場合、NO触媒81内に流入する排気ガスの空燃比が一時的にリッチに切り替えられる。
【0087】
【発明の効果】
パティキュレートフィルタの温度を速やかに上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】触媒コンバータの構造を示す図である。
【図3】切替弁が順流位置又は逆流位置にあるときの排気ガスの流れを説明するための図である。
【図4】パティキュレートフィルタの隔壁の部分拡大断面図である。
【図5】昇温制御を説明するための図である。
【図6】昇温制御を実行するためのフローチャートである。
【図7】本発明による別の実施例の昇温制御を説明するための図である。
【図8】切替弁が弱順流位置にあるときの排気ガスの流れを説明するための図である。
【図9】本発明による別の実施例の昇温制御を実行するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体
20a…排気管
22…触媒コンバータ
61…切替弁
67…環状排気管
69…パティキュレートフィルタ
77…二次燃料供給弁
81…NO触媒

Claims (8)

  1. リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行われる内燃機関の排気通路から分岐して環状に延びた後に排気通路に戻る環状通路内に、排気ガス中に含まれる微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタを配置し、機関から排出された全ての排気ガス環状通路の一端から環状通路内に流入し環状通路内を流通した後に環状通路の他端から環状通路の一端よりも下流の排気通路内に流出する順流位置と、機関から排出された全ての排気ガス環状通路の他端から環状通路内に流入し環状通路内を流通した後に環状通路の一端から環状通路の他端よりも下流の排気通路内に流出する逆流位置との間を切替可能な切替弁を具備した内燃機関の排気浄化装置において、前記一端とパティキュレートフィルタ間の環状通路内にパティキュレートフィルタに二次燃料を供給するための二次燃料供給弁を配置し、パティキュレートフィルタの温度を上昇させるために、切替弁を順流位置に保持しつつ二次燃料供給弁からパティキュレートフィルタに二次燃料を供給してこのとき排気ガス流れに関し上流側に位置するパティキュレートフィルタ部分におけるよりも多くの量の二次燃料が下流側に位置するパティキュレートフィルタ部分において酸化されるようにする順流昇温制御を行い、次いでパティキュレートフィルタへの二次燃料供給作用を停止すると共に切替弁を逆流位置に切り替えて保持し、パティキュレートフィルタ内に流入した排気ガスでもってこのとき排気ガス流れに関し上流側に位置するパティキュレートフィルタ部分から下流側に位置するパティキュレートフィルタ部分に向かう熱移動が生ずるようにする逆流昇温制御を行う内燃機関の排気浄化装置。
  2. パティキュレートフィルタの温度を上昇させるために順流昇温制御と逆流昇温制御とを交互に繰り返し行う請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 順流昇温制御から逆流昇温制御に又は逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替える時期をパティキュレートフィルタの温度に基づいて定めた請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 順流昇温制御から逆流昇温制御に切り替える時期及び逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替える時期を、順流昇温制御が行われた時間及び逆流昇温制御が行われた時間にそれぞれ基づいて定めた請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 切替弁が弱順流位置に位置せしめられると排気ガスの一部が環状通路から環状通路内に流入し環状通路内を流通した後に環状通路の他端から環状通路の一端よりも下流の排気通路内に流出し、かつ残りの排気ガスが環状通路を迂回して排気通路内を流通するようになっており、パティキュレートフィルタの温度を上昇させるために、切替弁を弱順流位置に保持しつつ二次燃料供給弁からパティキュレートフィルタに二次燃料を供給してこのとき排気ガス流れに関し下流側に位置するパティキュレートフィルタ部分におけるよりも多くの量の二次燃料が上流側に位置するパティキュレートフィルタ部分において酸化されるようにする予熱制御を順流昇温制御に先立って行う請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 順流昇温制御が行われている時間及び逆流昇温制御が行われている時間がそれぞれ、順流昇温制御及び逆流昇温制御が行われていないときに切替弁が順流位置に保持されている時間及び逆流位置に保持されている時間よりも短くなっている請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒が前記パティキュレートフィルタ上に担持されている請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 順流昇温制御から逆流昇温制御に又は逆流昇温制御から順流昇温制御に切り替える時期を、排気ガス流れに関し上流側に位置するパティキュレートフィルタ部分と下流側に位置するパティキュレートフィルタ部分との温度差に基づいて定めた請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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