JP2001027114A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
内燃機関の排気浄化装置Info
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Abstract
が生じたとしてもこれを浄化して排出することができる
内燃機関の排気浄化装置を提供すること。 【解決手段】 排気浄化手段30よりも上流の排気通路
に設けられた4つのポートを備えた流れ方向切替手段2
0は、排気浄化手段30に第1の方向に排気ガスを流す
第1の位置と、第1の方向と逆の第2の方向に排気ガス
を流す第2の位置と、排気浄化手段30をバイパスして
排気ガスを流す第3の位置とに切り替え可能な排気浄化
装置であり、流れ方向切替手段20が第1の位置と第2
の位置をとることで内燃機関1から排気浄化手段30ま
での距離が異なる排気通路を有し、排気浄化手段30の
触媒温度により流れ方向切替手段20が作動するものに
おいて、排気通路9に三元触媒を設け、第1の位置から
第2の位置へ流れ方向切替手段20が作動するときには
内燃機関1の排気空燃比をストイキに制御する。
Description
化装置に関し、特に、排気浄化手段を流れる排気ガスの
流れ方向を必要に応じて切り替えることができる内燃機
関の排気浄化装置に係るものである。
するために、一般に、内燃機関の排気通路には排気浄化
装置が設置される。この排気浄化装置に内燃機関の排気
ガスを流していると、排気浄化装置における上流側から
徐々に堆積物が付着する。この堆積物が何であるかは、
排気ガスの組成により、あるいは、排気浄化装置の構成
および排気浄化のメカニズムにより異なり、例えば酸化
物、硫化物、硝酸塩、硫酸塩などがある。この堆積物
は、排気浄化装置の浄化性能を低下させたり排気抵抗の
増大を招く場合があり、所定のタイミングで除去する必
要がある。
関から排出される排気ガスのNOxを浄化する排気浄化
装置として、吸蔵還元型NOx触媒がある。この吸蔵還
元型NOx触媒は、流入排気ガスの空燃比がリーンのと
きにNOxを吸収し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下
したときに吸収したNOxを放出し、N2に還元する触媒
であり、排気通路に吸蔵還元型NOx触媒を配置して、
リーン空燃比の排気ガスから窒素酸化物(NOx)を吸
収させ、NOx吸収後に内燃機関に供給する燃料を増量
等して前記吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気ガスの
空燃比をリッチにすることにより、前記吸蔵還元型NO
x触媒から吸収したNOxを放出させるとともに、放出さ
れたNOxを排気ガス中の未燃HC、CO等の還元成分
によりN2に還元浄化する。
黄分が含まれており、内燃機関で燃料を燃焼すると、燃
料中の硫黄分が燃焼して硫黄酸化物(SOx)が発生す
る。前記吸蔵還元型NOx触媒は、NOxの吸収作用を行
うのと同じメカニズムで排気ガス中のSOxの吸収を行
うので、内燃機関の排気通路に吸蔵還元型NOx触媒を
配置すると、吸蔵還元型NOx触媒にはNOxのみならず
SOxも吸収される。
れたSOxは時間経過とともに安定な硫酸塩を形成する
ため、吸蔵還元型NOx触媒からのNOxの放出、還元浄
化(以下、NOx放出・還元処理という)を行う条件で
は、分解、放出されにくく吸蔵還元型NOx触媒内に蓄
積され易い傾向がある。吸蔵還元型NOx触媒内のSOx
蓄積量が増大すると、吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収
容量が減少して排気ガス中のNOxの除去を十分に行う
ことができなくなりNOx浄化効率が低下する、いわゆ
るSOx被毒が生じる。そこで、吸蔵還元型NOx触媒の
NOx浄化能を長期に亘って高く維持するためには、触
媒に吸収されているSOxを適宜のタイミングで放出さ
せる必要がある。
放出させるには、流入排気ガスの空燃比をリッチにし、
且つ、NOx放出・還元処理時よりも吸蔵還元型NOx触
媒を高温にする必要があることが分かっている。
の吸収量の分布は、吸蔵還元型NOx触媒においては排
気ガスの入口側に近いほど多くなっており、そのため、
吸蔵還元型NOx触媒に吸収されたSOxを放出させる際
に、リッチ空燃比の排気ガスをNOx吸収時の排気ガス
の流れ方向と同じ方向に流したのでは、吸蔵還元型NO
x触媒において前記入口側に吸収されていたSOxが放出
されても、放出されたSOxが吸蔵還元型NOx触媒の中
を排気ガスの出口側に移動するだけで吸蔵還元型NOx
触媒に再吸収されてしまい、吸蔵還元型NOx触媒から
効率よく排出することができないという問題がある。
開示されているように、吸蔵還元型NOx触媒に吸収さ
れたSOxを放出させるときには、リッチ空燃比の排気
ガスをNOx吸収時とは逆方向に吸蔵還元型NOx触媒に
流す技術が提案されている。このように排気ガスの流れ
を逆にしてSOxの放出を行う逆流機能を備えている
と、吸蔵還元型NOx触媒から放出されたSOxは、吸蔵
還元型NOx触媒内での移動距離が少なく直ちに吸蔵還
元型NOx触媒の外に排出されるようになるので、放出
されたSOxが吸蔵還元型NOx触媒に再吸収されること
を防止することができる。
燃機関の排気浄化装置の場合には、吸蔵還元型NOx触
媒をバイパスさせるバイパス通路を設け、吸蔵還元型N
Ox触媒に連なる排気通路と前記バイパス通路との合流
部分にそれぞれ流路切替弁を設け、さらに、吸蔵還元型
NOx触媒とこれよりも内燃機関に近い側の前記流路切
替弁との間を排気ポンプの吸い込み口に接続し、排気ポ
ンプの吐出口をバイパス通路に接続し、吸蔵還元型NO
x触媒からSOxを放出させるときには、内燃機関の排
気の全量がバイパス通路に流れるように前記2つの流路
切替弁の弁位置を切り替えるとともに、排気ポンプを運
転することによって、通常のNOx吸収時とは逆方向に
吸蔵還元型NOx触媒を流れる排気の流れを発生させて
いる。
き内燃機関の排気浄化装置では、排気ポンプや複数の流
路切替弁が必要であり、部品点数が多くなって、コスト
アップになった。また、部品点数が多くなると、それだ
け保守点検に手間がかかることになる。
いて逆流を伴うSOx放出処理は、SOx放出の際のSO
xの移動距離を短くすることによってSOxの再吸収を回
避することに着眼した処理方法ではあるが、その一方
で、この処理方法を採用すると、排気ガスが吸蔵還元型
NOx触媒に至るまでの距離が長くなるため、その長い
経路を流通してくる間の排気ガスの温度低下が大きく、
SOx放出時の温度条件の観点からすると必ずしもSOx
放出に最良の方法と言えない場合もある。
付き内燃機関の排気浄化装置を簡単な構造とし、部品点
数を少なくしてコストダウンを図れるようにした技術を
既に提案した(特願平11−011025)。
化手段を有し、この排気浄化手段よりも上流の排気通路
に4つのポートを備えた流れ方向切替手段を設け、この
流れ方向切替手段の第1ポートには内燃機関に接続され
た第1排気通路を接続し、第2ポートには大気に接続さ
れた第2排気通路を接続し、第3ポートには排気浄化手
段の一方側に接続された第3排気通路を接続し、第4ポ
ートには排気浄化手段の他方側に接続された第4排気通
路を接続し、流れ方向切替手段は、第1ポートと第3ポ
ートとを接続するとともに第2ポートと第4ポートとを
接続して排気浄化手段に第1の方向に排気ガスを流す第
1の位置と、第1ポートと第4ポートとを接続するとと
もに第2ポートと第3ポートとを接続して排気浄化手段
に第1の方向と逆の第2の方向に排気ガスを流す第2の
位置とに切り替え可能に構成したものである。
持つ触媒の床温度制御を排気管の長さを利用して行うこ
とができるように、排気ガスを流す第1の方向とその第
1の方向とは逆の第2の方向との排気通路の長さを異な
らせている。即ち、排気ガスを排気管に流すと放熱現象
により排気ガス温度が低下し、排気通路の長さが長くな
るほど温度降下は大きい。一方、排気浄化手段に用いる
NOx触媒のNOx浄化率は触媒温度と相関があり、N
Oxを吸収する最適な温度ウインドウを有しており、こ
のNOx吸収温度ウインドウから外れるとNOx吸収能
力が大幅に低下する。したがって、流れ方向切替手段に
よって排気ガスの流れ方向を切り替えることにより、N
Oxの吸収及び放出制御やSOxの放出制御等を効率的
に行うことができる。
は、排気ガスの流れ方向を切り替えるために流れ方向切
替手段の弁体を作動させると、排気ガスの流れが第1の
方向から第2の方向へ、あるいは第2の方向から第1の
方向へ切り替わる途中で、一時的に排気浄化手段をバイ
パスする流れが生じ、浄化されない排気ガスが車外に排
出される問題が生じていた。
一つは、排気ガスの流れ方向切替手段の作動中に、排気
浄化手段をバイパスする排気ガスの流れが生じたとして
もこれを浄化して排出することができる内燃機関の排気
浄化装置を提供することにある。また、本発明が解決し
ようとする課題の他の一つは、排気ガスの流れ方向切替
手段の切替制御において、排気浄化手段のSOx被毒が
生じないように排気ガスの流れを制御することができる
内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。また、
本発明が解決しようとする課題のさらに他の一つは、流
れ方向切替手段を浄化率が低い触媒活性温度範囲外で切
り替えるようにすることで、排気浄化手段をバイパスす
る排気ガスの流れができるだけ生じないようにし、全体
として排気浄化性能を向上させることができる内燃機関
の排気浄化装置を提供することにある。
するために、以下の手段を採用した。本発明の第1の手
段は、内燃機関の排気通路に排気浄化手段を有し、この
排気浄化手段よりも上流の排気通路に4つのポートを備
えた流れ方向切替手段が設けられ、該流れ方向切替手段
の第1ポートには内燃機関に接続された第1排気通路が
接続され、第2ポートには大気に接続された第2排気通
路が接続され、第3ポートには前記排気浄化手段の一方
側に接続された第3排気通路が接続され、第4ポートに
は前記排気浄化手段の他方側に接続された第4排気通路
が接続されており、前記流れ方向切替手段は、前記第1
ポートと前記第3ポートとを接続するとともに前記第2
ポートと前記第4ポートとを接続して前記排気浄化手段
に第1の方向に排気ガスを流す第1の位置と、前記第1
ポートと前記第4ポートとを接続するとともに前記第2
ポートと前記第3ポートとを接続して前記排気浄化手段
に第1の方向と逆の第2の方向に排気ガスを流す第2の
位置と、前記第1ポートと前記第2ポートとを接続して
前記排気浄化手段をバイパスして排気ガスを流す第3の
位置とに切り替え可能な排気浄化装置であり、前記流れ
方向切替手段が前記第1の位置と第2の位置をとること
で内燃機関から排気浄化手段までの距離が異なる排気通
路を有し、前記排気浄化手段の触媒温度により前記流れ
方向切替手段が作動するものにおいて、前記排気通路に
三元触媒が設けられ、前記第1の位置から前記第2の位
置へ前記流れ方向切替手段が作動するときには内燃機関
の排気空燃比がストイキに制御されることを特徴とす
る。
向切替手段を切り替えて第1の位置あるいは第2の位置
のいずれか一方を選択することによって、排気ガスを排
気浄化手段に順方向に流したり、逆方向に流したりする
ことができる。流れ方向切替手段の作動時に、排気浄化
手段をバイパスする第3の位置に切り替えられたときに
は、内燃機関の排気空燃比がストイキに制御されること
で三元触媒が機能し、排気ガスが浄化されて排出され
る。したがって、排気ガスの流れ方向切替手段の作動中
に、排気浄化手段をバイパスする排気ガスの流れが生じ
たとしてもこれを浄化して排出することができる。三元
触媒については、排気浄化手段の上流側あるいは下流側
のいずれの排気通路にも設けることができる。
前記内燃機関の排気空燃比がリーンでSOxを吸収する
SOx吸収機能を有し、前記第1の位置から前記第2の
位置へ前記流れ方向切替手段が作動するときには内燃機
関の排気空燃比をストイキに制御し、前記第3の位置に
前記流れ方向切替手段を作動させた後に第2の位置に切
り替えることを特徴とする。
持たせたものにおいては、内燃機関の排気空燃比がスト
イキ時に三元触媒よりSOxが放出されるため、流れ方
向切替手段の作動を排気バイパス位置である第3の位置
で一時的に停止させ、SOx放出が完了してから、流れ
方向切替手段を第2の位置に切り替えるように制御され
る。これにより、排気浄化手段のSOx被毒を効果的に
防止できる。
通路に排気浄化手段を有し、この排気浄化手段よりも上
流の排気通路に4つのポートを備えた流れ方向切替手段
が設けられ、該流れ方向切替手段の第1ポートには内燃
機関に接続された第1排気通路が接続され、第2ポート
には大気に接続された第2排気通路が接続され、第3ポ
ートには前記排気浄化手段の一方側に接続された第3排
気通路が接続され、第4ポートには前記排気浄化手段の
他方側に接続された第4排気通路が接続されており、前
記流れ方向切替手段は、前記第1ポートと前記第3ポー
トとを接続するとともに前記第2ポートと前記第4ポー
トとを接続して前記排気浄化手段に第1の方向に排気ガ
スを流す第1の位置と、前記第1ポートと前記第4ポー
トとを接続するとともに前記第2ポートと前記第3ポー
トとを接続して前記排気浄化手段に第1の方向と逆の第
2の方向に排気ガスを流す第2の位置と、前記第1ポー
トと前記第2ポートとを接続して前記排気浄化手段をバ
イパスして排気ガスを流す第3の位置とに切り替え可能
な排気浄化装置であり、前記流れ方向切替手段の第1の
位置と第2の位置をとることで内燃機関から排気浄化手
段までの距離が異なる排気通路を有し、前記排気浄化手
段の触媒温度により前記流れ方向切替手段が作動するも
のにおいて、排気浄化手段の触媒温度が排気浄化率の高
い温度ウインドウ内にあるときには、前記切替弁の作動
を禁止することを特徴とする。
の切り替え制御に工夫を凝らすことにより、排気浄化手
段をバイパスする排気ガスの流れができるだけ生じない
ようにし、これにより必要最低限の排気浄化手段で排気
ガスを効率的に浄化できる。排気浄化手段が例えばNO
x触媒である場合、触媒活性温度内であれば、排気ガス
の流れ方向切替手段は作動させず、その切替手段を第1
の位置又は第2の位置の何れかに保持した状態とする。
そして、触媒温度が触媒活性温度(温度ウインドウ)以
上あるいは以下になったときに初めて流れ方向切替手段
の切り替え制御を行う。これにより、排気浄化手段をバ
イパスする排気ガスの流れが存在する問題を、流れ方向
切替手段の切り替え制御のみの簡便な方法で対処するこ
とができる。即ち、流れ方向切替手段をそもそも浄化率
が低い触媒活性温度範囲外で切り替えるようにしている
ため、全体として排気浄化性能が向上する。
気浄化装置の実施の形態について、図面を参照して説明
する。 〔第1の実施の形態〕図1は、本発明に係る内燃機関の
排気浄化装置を、リーン空燃比で燃焼可能なガソリンエ
ンジン(いわゆるリーンバーンガソリンエンジン)に適
用した場合の実施の形態における概略構成を示す図であ
る。
であり、吸気管2及び吸気マニホルド3を介して各気筒
に吸気が供給される。吸気管2には、図示しないアクセ
ルペダルと連動して吸気管2内の吸気通路を開閉するス
ロットル弁4が設けられ、このスロットル弁4には、ス
ロットル弁4の開度に対応した出力信号をエンジンコン
トロール用電子制御ユニット(ECU)100に出力す
るスロットルポジションセンサ5が取り付けられてい
る。
流側には、吸気管2内を流れる吸入空気量(吸入空気質
量)Qに対応した出力信号をECU100に出力するエ
アフロメータ6が取り付けられている。
は燃料噴射弁7から燃料(ガソリン)が噴射される。燃
料噴射弁7の開弁時期及び開弁期間は、エンジン1の運
転状態に応じてECU100によって制御される。
スは、排気マニホールド8及び排気管(第1排気通路)
9を介して排気される。排気管9の途中には三元触媒4
0が設けられている。この三元触媒40は、エンジン1
の排気空燃比がストイキのときに、排気ガス中のNOx
やSOx、HC、CO等を浄化する機能を有するもので
ある。
替弁(流れ方向切替手段)20の第1ポートに接続され
ている。排気切替弁20の第2ポートは排気ガスを大気
に排出する排気管(第2排気通路)10に接続され、排
気切替弁20の第3ポートは排気管(第3排気通路)1
1を介して触媒コンバータ(排気浄化手段)30の入口
30aに接続され、排気切替弁20の第4ポートは排気
管(第4排気通路)12を介して触媒コンバータ(排気
浄化手段)30の出口30bに接続されている。触媒コ
ンバータ30には吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触
媒と略す)31が収容されている。NOx触媒31につ
いては後で詳述する。
順流位置と図2に示す逆流位置に切り替えることによっ
て、触媒コンバータ30を流れる排気ガスの流れ方向を
変えることができるバルブである。前記弁体が順流位置
に位置しているとき、排気切替弁20は、排気管9と排
気管11とを接続するとともに排気管10と排気管12
とを接続し、この時、排気ガスは、三元触媒40→排気
管9→排気管11→触媒コンバータ30→排気管12→
排気管10の順に流れて、大気に放出される。このよう
に触媒コンバータ30の入口30aから出口30bに向
かって流れる排気ガスの流れを、以下の説明においては
「順流」と称す。
逆流位置に位置しているとき、排気切替弁20は、排気
管9と排気管12とを接続するとともに排気管10と排
気管11とを接続し、この時、排気ガスは、三元触媒4
0→排気管9→排気管12→触媒コンバータ30→排気
管11→排気管10の順に流れて、大気に放出される。
このように触媒コンバータ30の出口30bから入口3
0aに向かって流れる排気ガスの流れを、以下の説明に
おいては「逆流」と称す。
中立位置に位置しているとき、排気切替弁20は、排気
管9と排気管10とを接続し、この時、排気ガスは、三
元触媒40→排気管9→排気管10の順に流れて、大気
に放出される。このように触媒コンバータ30を流れず
にバイパスする排気ガスのながれを、以下の説明では
「ショートパス」と称す。
に駆動されて弁体位置の切り替えが行われるようになっ
ており、アクチュエータ21はECU100により制御
される。この実施の形態では、アクチュエータ21とE
CU100は制御手段を構成する。排気切替弁20の弁
体位置の切り替え制御については後で詳述する。
入口30aの近傍には、排気管11内を流れる排気ガス
の温度に対応した出力信号をECU100に出力する排
気温センサ13が取り付けられている。
なり、双方向バスによって相互に接続されたROM(リ
ードオンメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)、CPU(セントラルプロセッサユニット)、入力
ポート、出力ポートを具備し、エンジン1の空燃比制御
等の基本制御を行うほか、この実施の形態では、触媒コ
ンバータ30のSOx放出処理制御等を行っている。
ポートには、前記エアフロメータ6からの入力信号、排
気温センサ13からの入力信号が入力されるほか、回転
数センサ14からの入力信号が入力される。回転数セン
サ14はエンジン1の回転数に応じた出力信号をECU
100に出力し、この出力信号からECU100はエン
ジン回転数Nを演算する。また、ECU100はエアフ
ロメータ6の出力信号から吸入空気量Qを演算し、エン
ジン負荷Q/N(吸入空気量Q/エンジン回転数N)を
演算する。そして、ECU100は、エンジン回転数N
とエンジン負荷Q/Nからエンジン1の運転状態を判定
し、その運転状態に応じて燃料噴射弁から噴射する燃料
量を制御し、リーン空燃比とストイキまたはリッチ空燃
比に切り替える空燃比制御を行う。この空燃比制御の一
例を挙げれば、暖機運転時および高負荷運転域ではスト
イキまたはリッチ空燃比とし、低中負荷運転域ではリー
ン空燃比とする制御方法がある。
x触媒31、即ち吸蔵還元型NOx触媒は例えばアルミナ
を担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウ
ムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ
金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ
土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類か
ら選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属
とが担持されている。
燃比(以下、排気空燃比と称す)がリーンのときはNO
xを吸収し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸
収したNOxを放出し、N2 に還元する。尚、排気空燃
比とは、ここではNOx触媒31の上流側の排気通路や
エンジン燃焼室、吸気通路等にそれぞれ供給された空気
量の合計と燃料(炭化水素)の合計の比を意味するもの
とする。したがって、NOx触媒31上流の排気通路内
に燃料、還元剤あるいは空気が供給されない場合には、
排気空燃比はエンジン燃焼室内に供給される混合気の空
燃比に一致することになる。
焼が可能ないわゆるリーンバーンガソリンエンジンを内
燃機関として使用しており、エンジン1の運転状態に応
じて混合気の空燃比を制御している。それゆえ、エンジ
ン1がリーン空燃比で運転されている時には排気空燃比
はリーンになり、酸素濃度は高くなる。一方、エンジン
1がストイキまたはリッチ空燃比で運転されている時に
は排気空燃比はストイキまたはリッチになり、排気ガス
中の酸素濃度は大幅に低下するとともに、エンジン1か
ら排出される未燃HC、CO等の成分が増大する。
ズムについては明らかでない部分もあるが、図4に示す
ようなメカニズムで行われると考えられている。このメ
カニズムについて、担体上に白金Pt及びバリウムBa
を担持させた場合を例にとって説明するが、他の貴金
属,アルカリ金属,アルカリ土類,希土類を用いても同
様のメカニズムとなる。
と流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大するため、図
4(A)に示すように、酸素O2 がO2 -又はO2-の形で
白金Ptの表面に付着する。次に、排気ガスに含まれる
NOは、白金Ptの表面上でO2 -又はO2-と反応し、N
O2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。
1のNOx吸収能力が飽和しない限り、白金Pt上で酸
化されながらNOx触媒31内に吸収されて酸化バリウ
ムBaOと結合し、図4(A)に示すように硝酸イオン
NO3 -の形でNOx触媒31内に拡散する。このように
してNOxがNOx触媒31内に吸収される。
低下した場合は、NO2の生成量が低下し、前記反応と
は逆の反応(NO3 - →NO2)によって、NOx触媒3
1内の硝酸イオンNO3 -は、NO2またはNOの形でN
Ox触媒31から放出される。
元成分が存在すると、これらの成分は白金Pt上の酸素
O2 -又はO2-と反応して酸化され、排気ガス中の酸素を
消費して排気ガス中の酸素濃度を低下させる。また、排
気ガス中の酸素濃度低下によりNOx触媒31から放出
されたNO2 またはNOは、図4(B)に示すように、
HC,COと反応して還元される。このようにして白金
Pt上のNO2 またはNOが存在しなくなると、NOx
触媒31から次から次へとNO2またはNOが放出され
る。
ず白金Pt上の酸素O2 -又はO2-とただちに反応して酸
化せしめられ、次いで白金Pt上の酸素O2 -又はO2-が
消費されてもまだHC,COが残っていれば、このH
C,COによってNOx触媒31から放出されたNOxお
よびエンジンから排出されたNOxがN2に還元せしめら
れる。
NOxがNOx触媒31に吸収され、排気空燃比をストイ
キあるいはリッチにするとNOxがNOx触媒31から短
時間のうちに放出され、N2に還元される。したがっ
て、大気中へのNOxの排出を阻止することができる。
ズムについて説明する。排気ガス中に硫黄酸化物(SO
x)が含まれていると、NOx触媒31は上述のNOxの
吸収と同じメカニズムで排気ガス中のSOxを吸収す
る。即ち、排気空燃比がリーンのときには、酸素O2が
O2 -又はO2-の形でNOx触媒31の白金Ptの表面に
付着しており、流入排気ガス中のSOx(例えばSO2)
は白金Ptの表面上で酸化されてSO3となる。
表面で更に酸化されながらNOx触媒31内に吸収され
て酸化バリウムBaOと結合し、硫酸イオンSO4 2-の
形でNOx触媒31内に拡散し硫酸塩BaSO4を形成す
る。BaSO4は結晶が粗大化し易く、比較的安定し易
いため、一旦生成されると分解放出されにくい。このた
め、時間の経過とともにNOx触媒31中のBaSO4の
生成量が増大するとNOx触媒31の吸収に関与できる
BaOの量が減少してNOxの吸収能力が低下してしま
う。これが即ちSOx被毒である。したがって、NOx触
媒31のNOx吸収能力を高く維持するためには、適宜
のタイミングでNOx触媒31に吸収されたSOxを放出
させる必要がある。
は、NOxを放出させる場合と同様に排気ガスの酸素濃
度を低下させればよいことが分かっており、また、NO
x触媒31の温度が高いほど放出し易いことが分かって
いる。
吸収されたSOxを放出させるには、流入排気空燃比を
ストイキまたはリッチにし、且つ、NOx触媒31から
NOxを放出させる通常のNOx放出・還元処理時よりも
NOx触媒31の温度を高くする必要があることがわか
った。
の吸収状態は、触媒コンバータ30の入口30aに近く
位置しているNOx触媒31の方が、入口30aから遠
くに位置しているNOx触媒31よりもSOx吸収量が多
くなるため、NOx触媒31からSOxを放出させる際に
は、排気空燃比がストイキまたはリッチで且つ高温の排
気ガスを触媒コンバータ30の出口30b側から入口3
0a側に向けて流すと、SOxを短時間で放出すること
ができる。
置については、排気ガスの流れが順流のときのNOx触
媒床温度を確保するため、触媒コンバータ30の入口3
0aが排気切替弁20の近くに位置する配置としてい
る。即ち、排気切替弁20の弁体を順流位置に位置させ
た状態を示す図1と、排気切替弁20の弁体を逆流位置
に位置させた状態を示す図2とからもわかるように、排
気ガスが触媒コンバータ30に流入するまでの流路長さ
は、排気切替弁20の弁体を順流位置にしたときの方
が、弁体を逆流位置にしたときよりも短い。そのため、
排気ガスを排気管に流すと放熱現象により排気ガス温度
が低下し、流路長さが長くなるほど温度降下は大きい。
したがって、排気切替弁20の弁体を順流位置に位置さ
せたときよりも、弁体を逆流位置に位置させたときの方
が触媒コンバータ30に流入するまでの排気ガスの温度
降下が大きい。
のNOx浄化率は触媒温度と相関があり、NOxを吸収
するのに最適な温度ウインドウ(以下NOx吸収ウイン
ドウという)を有しており、このNOx吸収ウインドウ
から外れるとNOx吸収能力が大幅に低下する。また、
NOx触媒31からNOxを放出・還元させるときに
は、NOx触媒31の温度をそれほど高くしなくてもN
Oxを放出させることができるものの、NOx触媒31
からSOxを放出させるときには、前述したようにNO
x触媒31の温度を高温にした方がSOxを効率的に放
出することができる。
と、弁体作動中に排気ガスが図3に示すようにショート
パスして触媒コンバータ30をバイパスするために、排
気空燃比がリーンであるとその排気ガスが三元触媒によ
って浄化されない。
れ方向を順流あるいは逆流とする際に必要な排気切替弁
20の切替操作に基づく弁体作動中に、排気ガスがショ
ートパスする弁体位置(第3の位置)では、排気空燃比
をストイキに制御することとした。この弁体の作動を伴
う排気切替弁20の切換操作については、例えば、NO
x,SOxの吸収時には触媒コンバータ30における排気
ガスの流れを順流にし、NOx,SOxの放出時には触媒
コンバータ30における排気ガスの流れを逆流にすると
き、あるいはNOx触媒31のNOx浄化率が触媒温度
と相関する点を考慮し、触媒温度が温度ウインドーから
外れないように排気ガスの流れ方向を順流又は逆流に切
り替えるとき、などを例示することができる。
の作動について、NOxあるいはSOx放出時に排気ガ
スを逆流させる制御を例にとり説明する。前述したよう
に、エンジン1はリーンバーンガソリンエンジンであ
り、エンジン1の運転状態に応じて空燃比がECU10
0により制御され、エンジン1がリーン空燃比で運転さ
れている時には排気空燃比はリーンになって、酸素濃度
は高くなり、エンジン1がストイキまたはリッチ空燃比
で運転されている時には排気空燃比はストイキまたはリ
ッチになり、排気ガス中の酸素濃度は大幅に低下すると
ともに、エンジン1から排出される未燃HC、CO等の
成分が増大する。
されているときには、排気切替弁20の弁体が図1に示
す順流位置に保持されるように、ECU100によって
アクチュエータ21の作動を制御する。これにより、エ
ンジン1の排気ガスは、三元触媒40→排気管9→排気
管11→触媒コンバータ30→排気管12→排気管10
の順に流れて、大気に放出されるようになり、触媒コン
バータ30では入口30aから出口30bに向かって流
れる順流となる。この時、排気ガス中のNOx及びSOx
が触媒コンバータ30のNOx触媒31に吸収される。
またこの時、排気空燃比がリーンであるため三元触媒4
0はほとんど機能しない。
空燃比で運転されているときには、排気切替弁20の弁
体が図2に示す逆流位置に保持されるように、ECU1
00によってアクチュエータ21の作動を制御する。こ
れにより、エンジン1の排気ガスは、三元触媒40→排
気管9→排気管12→触媒コンバータ30→排気管11
→排気管10の順に流れて、大気に放出されるようにな
り、触媒コンバータ30では出口30bから入口30a
に向かって流れる逆流となる。また、エンジン1をスト
イキまたはリッチ空燃比で運転している時には、NOx
触媒31からSOxが放出され易い排気ガス温度となる
ように、ECU100によってエンジン1の運転制御が
なされるようにしておく。
イキまたはリッチ空燃比の高温の排気ガスが、NOx,
SOx吸収時とは逆の方向に通過するようになり、NOx
触媒31からNOxが放出され、さらに排気ガス中の未
燃HC,CO等によりN2に還元浄化される。また、排
気ガスが触媒コンバータ30を逆流することによって、
NOx触媒31に吸収されているSOxを短時間のうちに
NOx触媒31から放出させることができる。
空燃比運転が長時間続いた時には、エンジン1を強制的
にストイキまたはリッチ空燃比で運転されるように制御
して上述のようにNOx,SOxの放出処理を行い、触媒
コンバータ30がNOxやSOxで飽和しないようにす
る。このようなエンジン1の空燃比制御方法を以下の説
明ではリーン・リッチスパイク制御と称す。尚、リーン
・リッチスパイク制御について具体的に数値を挙げて説
明すると、エンジン1の「リーン空燃比運転」が数十秒
(例えば40〜60秒)続くと、「ストイキまたはリッ
チ空燃比運転」が数秒(例えば2〜3秒)続き、この
「リーン空燃比運転」と「ストイキまたはリッチ空燃比
運転」が交互に実行されるといった具合である。
置から逆流位置にあるいは逆流位置から順流位置に切り
替わる途中では、図3に示すように排気ガスが排気管9
から排気管10へとショートパスして触媒コンバータ3
0をバイパスする。このとき、ショートパスする排気ガ
スがリーンであると、三元触媒40は機能せず、排気ガ
スは浄化されない。したがって、排気切替弁20の弁体
作動中においては、エンジン1の運転制御により、排気
空燃比を強制的にストイキに制御して三元触媒40を機
能させ、ショートパスする排気ガスを三元触媒40によ
り浄化してから大気に放出させる。
により、排気空燃比を強制的にストイキに制御するとき
にECU100が実行する制御手順を示すフローチャー
トである。まず、ステップS1では、ECU100はバ
ルブ作動時期か否かを判定する。この判定については、
どのような条件を満たしたときに排気ガスの流れ方向を
切り替えるか否か、排気浄化の全体システムや排気浄化
手段の特性によって決定されるが、例えばECU100
がエンジン1の運転時間を積算し、その積算値が所定量
に達した場合にSOx放出処理必要と判定したり、EC
U100がNOx触媒31に吸収されたSOx量を積算
し、積算値が所定量に達した時にSOx放出必要と判定
するなどを例示することができる。また、リーン空燃比
で燃焼可能なリーンバーンガソリンエンジンの場合に
は、エンジンの運転状態によってリーン空燃比による燃
焼とリッチ空燃比による燃焼に切り替えられるので、こ
のエンジンの運転状態応じて排気切換弁20を切替制御
する場合なども例示することができる。
ないことを判定したらリターンしてスタートへ戻る。バ
ルブ作動時期であることを判定した場合には、ステップ
S2においてエンジン1の排気空燃比を強制的にストイ
キに制御する。エンジン1の排気空燃比をストイキに制
御したら、次にステップS3において、アクチュエータ
21の作動制御により排気切替弁20の弁体(バルブ)
を順流位置から逆流位置へ切り替える。
ップS4に移行する。ステップS4では、ECU100
はエンジン1の運転状態に応じた空燃比に、あるいは強
制的にリーン・リッチスパイク運転等に制御する。ステ
ップS4へ移行後はリターンしてスタートへ戻る。
の排気空燃比を強制的にストイキに制御することは、N
Ox触媒31のNOx浄化率が触媒温度と相関する点を
考慮し、触媒温度が温度ウインドーから外れないように
排気ガスの流れ方向を順流又は逆流に切り替えるときに
おいても同様である。
れる方向が第1の方向となり、逆流に流れる方向が第2
の方向となる。また、排気管9、排気管11、排気管1
2、排気管10、排気切替弁20、アクチュエータ2
1、ECU100等は排気ガスの逆流手段を構成してい
る。また、SOx除去に必要な排気ガスの空燃比(リー
ン又はリッチ)と排気ガス温度(高温)をエンジン1の
運転制御によって得ているので、この実施の形態ではエ
ンジン1の運転制御を行うための各センサーを含むEC
U100が制御手段を構成している。
を触媒コンバータ30の上流側に設けた例を示したが、
三元触媒40を触媒コンバータ30の下流側に設けても
よい。三元触媒40を触媒コンバータ30の下流側に設
ける例としては、排気管10の途中に設ける例を挙げる
ことができる。
機関の排気浄化装置の第2の実施の形態について、図7
のフロー図を参照して説明する。
形態で示した三元触媒40に、Sトラップ材の機能を持
たせた場合における制御例を示したものである。この場
合の三元触媒40は、流入排気ガスの空燃比がリーンの
ときにSOxを吸収し、酸素濃度の低いストイキ又はリ
ッチ空燃比のときに吸収したSOxを放出する。
を持たせると、図1に示すように排気切替弁20の弁体
を順流位置にしたとき(即ち、NOx吸収時)には、三
元触媒40が触媒コンバータ30よりも上流に位置する
ことになるので、排気ガス中のSOxは三元触媒40に
吸着され、触媒コンバータ30へのSOxの流入を阻止
することができ、NOx触媒31のSOx被毒を阻止する
ことができる。しかし、エンジン1の排気空燃比をスト
イキに制御すると、三元触媒40からSOxが放出され
るため、NOx触媒31のSOx被毒の問題が生じる。
0は次のように排気切替弁20の弁体位置の切り替え制
御を行う。まず、ステップS11において、ECU10
0はバルブ作動時期か否かを判定する。バルブ作動時期
でないことを判定したらリターンしてスタートへ戻る。
バルブ作動時期であることを判定した場合には、ステッ
プS12に進み、エンジン1の排気空燃比を強制的にス
トイキに制御するとともに、アクチュエータ21の作動
制御により排気切替弁20の弁体(バルブ)を順流位置
から逆流位置へ切り替える途中で、バルブをバイパス位
置(第3の位置)に位置させる。
元触媒40からSOxが放出されるが、バルブがバイパ
ス位置にあるため、SOxを含む排気ガスはNOx触媒
31をバイパスして大気に放出される。これによりNO
x触媒31のSOx被毒が防止される。
イパス位置に位置させた状態でステップS13へ移行す
る。このステップS13では、三元触媒40のSOx放
出が完了したか否かを判定し、SOx放出未完了と判定
した場合はステップS12へ戻る。SOx放出完了と判
定した場合はステップS14へ進み、目的とするバルブ
切替位置(逆流位置)へ切り替えてバルブの切替制御を
完了する。
制御を完了するとステップS15へ移行する。ステップ
S15では、ECU100はエンジン1をその運転状態
に応じた空燃比に、あるいは強制的にリーン・リッチス
パイク運転等に制御する。ステップS15移行後はリタ
ーンしてスタートへ戻る。
位置から順流位置へ切り替える場合においても同様に実
行される。また、このようにエンジン1の排気空燃比を
強制的にストイキに制御するとき、バルブの作動を一旦
排気バイパス位置で停止させることは、NOx触媒31
のNOx浄化率が触媒温度と相関する点を考慮し、触媒
温度が温度ウインドーから外れないように排気ガスの投
げれ方向を順流又は逆流に切り替えるときにおいても同
様に実行される。
31からのNOx,SOxの放出処理を同時に行っている
が、エンジンの排気ガス、特にガソリンエンジンの排気
ガスに含まれるSOx量は極めて僅かであるため、NOx
の放出処理と同一の頻度でSOxの放出処理を行う必要
はない。そこで、NOxの放出処理を行う場合には、ス
トイキまたはリッチ空燃比の運転域であっても排気ガス
温度が比較的に低いエンジン1の運転状態の時には、排
気ガスを触媒コンバータ30にNOx吸収時と同じ順流
で流してNOx触媒31からNOxを放出・還元させるよ
うにし、一方、ストイキまたはリッチ空燃比の運転域で
あって且つ排気ガス温度が上昇して高温になるエンジン
1の運転状態(加速時や高負荷運転時など)のとき、即
ち排気ガスの状態がSOx放出に有利なストイキまたは
リッチ空燃比且つ高温になった時にのみ、排気切替弁2
0の弁体を逆流位置に切り替えて、触媒コンバータ30
を流れる排気ガスの流れを逆流にし、SOxの放出処理
を行うように制御してもよい。
1のSOx放出処理が必要か否かを判定し、SOx放出処
理の必要なしと判定されたときには排気切替弁20の弁
体を順流位置に保持して触媒コンバータ30を流れる排
気ガスの流れを順流にし、必要があると判定されたとき
に排気切替弁20の弁体を逆流位置に切り替え、触媒コ
ンバータ30を流れる排気ガスの流れを逆流にし、且
つ、ECU100が、SOxの放出に最適な目標空燃比
や目標触媒温度を算出し、さらに還元剤添加装置を備え
た場合には目標還元剤量を算出し、これら目標値となる
ようにエンジン1や還元剤添加装置等を制御して、SO
xの放出処理を行うようにしてもよい。
機関の排気浄化装置の第3の実施の形態について、図8
〜図11を参照して説明する。
関の排気浄化装置の概略構成を示す図である。同図に示
す例では、排気通路に三元触媒が設けられていない点を
除けば、先の第1及び第2の実施形態と基本的に同じで
ある。
ーンガソリンエンジンであり、吸気管2及び吸気マニホ
ールド3を介して各気筒に吸気が供給され、各気筒に連
なる各吸気通路に燃料噴射弁7から燃料が噴射され、各
気筒から排出される排気ガスは排気マニホールド8及び
排気管9を介して排気され、吸気管2にはスロットルポ
ジションセンサ5を備えたスロットル弁4とエアフロメ
ータ6が設置され、排気管11には排気温センサ13が
設置され、エンジン1には回転数センサ14が設置さ
れ、スロットルポジションセンサ5、エアフロメータ
6、排気温センサ13、回転数センサ14の各出力信号
がECU100に出力され、ECU100からの出力信
号に基づいて燃料噴射弁7が作動制御される構成であ
る。
排気切替弁(流れ方向切替手段)20の第1ポートに接
続されている。排気切替弁20の第2ポートは排気ガス
を大気に排出する排気管(第2排気通路)10に接続さ
れ、排気切替弁20の第3ポートは排気管(第3排気通
路)11を介して触媒コンバータ(排気浄化手段)30
の入口30aに接続され、排気切替弁20の第4ポート
は排気管(第4排気通路)12を介して触媒コンバータ
(排気浄化手段)30の出口30bに接続されている。
触媒コンバータ30には吸蔵還元型NOx触媒31が収
容されている。
順流位置(第1の位置)と図9に示す逆流位置(第2の
位置)に切り替えることによって、触媒コンバータ30
を流れる排気ガスの流れ方向を変えることができるバル
ブである。前記弁体が順流位置に位置しているとき、排
気切替弁20は、排気管9と排気管11とを接続すると
ともに排気管10と排気管12とを接続し、この時、排
気ガスは、排気管9→排気管11→触媒コンバータ30
→排気管12→排気管10の順に流れて、大気に放出さ
れる。
逆流位置に位置しているとき、排気切替弁20は、排気
管9と排気管12とを接続するとともに排気管10と排
気管11とを接続し、この時、排気ガスは、排気管9→
排気管12→触媒コンバータ30→排気管11→排気管
10の順に流れて、大気に放出される。
(図3参照)に位置しているとき、排気切替弁20は、
排気管9と排気管10とを接続し、この時、排気ガス
は、排気管9→排気管10の順に流れて、大気に放出さ
れる。
置についても、排気ガスの流れが順流のときのNOx触
媒床温度を確保するため、触媒コンバータ30の入口3
0aが排気切替弁20の近くに位置する配置としてい
る。即ち、排気ガスが触媒コンバータ30に流入するま
での流路長さは、排気切替弁20の弁体を順流位置にし
たときの方が、弁体を逆流位置にしたときよりも短い。
そのため、排気ガスを排気管に流すと放熱現象により排
気ガス温度が低下し、流路長さが長くなるほど温度降下
は大きい。したがって、排気切替弁20の弁体を順流位
置に位置させたときよりも、弁体を逆流位置に位置させ
たときの方が触媒コンバータ30に流入するまでの排気
ガスの温度降下が大きい。
のNOx浄化率は触媒温度と相関があり、NOxを吸収
するのに最適な温度ウインドウを有しており、このNO
x吸収温度ウインドウから外れるとNOx吸収能力が大
幅に低下する。また、NOx触媒31からNOxを放出
・還元させるときには、NOx触媒31の温度をそれほ
ど高くしなくてもNOxを放出させることができる。
ウインドウは、図10に示すように250℃〜550℃
程度であるが、高い浄化率が得られるのは400℃前後
である。通常、このNOx触媒の床温度を制御するの
に、触媒の温度が400℃付近になるように制御するよ
うにしていたが、排気切替弁20の弁体を作動させる
と、弁体作動中に排気ガスがショートパスして触媒コン
バータ30を一時的にバイパスするために、排気ガスが
浄化されないで車外に排出される問題が生じる。
は、排気切替弁20を積極的に切り替える一方、排気ガ
スのバイパス時にエンジンの排気空燃比をストイキに制
御する考え方を採用しているが、排気ガスがバイパスす
る問題を可能な限り少なくするためには、排気切替弁2
0の切替制御をできるだけ行わないようにすることも有
効である。
31の温度が触媒活性温度内であれば、排気切替弁20
の弁体を作動させず、触媒活性温度以上、あるいは触媒
活性温度以下になったときに切替制御を行うようにし
た。この触媒活性温度については、触媒の種類によって
も左右されるが、概ね250℃〜550℃の範囲であ
る。この温度範囲は、最高の活性が得られる400℃付
近におけるNOx吸蔵能力(単位時間に吸収できるNO
x量)の半分以下の能力とするのが好ましい。
度が触媒活性温度内であれば、排気切替弁20の弁体を
作動させず、触媒活性温度以上、あるいは触媒活性温度
以下になったときにECU100が排気切替弁20の弁
体作動を実行する制御手順を示すフローチャートであ
る。
00はNOx触媒31の触媒床温度が550℃以上か、
又は250℃以下かの判定を行う。ここで、触媒床温度
が550℃以上であることを判定した場合にはステップ
S22に移行し、250℃以下であることを判定した場
合には排気切替弁20の弁体位置を現状維持とし、リタ
ーンしてスタートへ戻る。
℃以上か否かを判定し、550℃以上の場合はステップ
S23へ移行し、550℃以下の場合はステップS25
へ移行する。ステップS23では、排気切替弁20の弁
体が順流位置(第1の位置)にあるか否かを判定し、順
流位置にあるときはステップS24へ移行し、排気切替
弁20の弁体を逆流位置(第2の位置)へ切り替えた後
リターンしてスタートへ戻る。排気ガスが逆流するとき
の方が排気通路の長さが長く温度降下が大きいため、触
媒床温度を低下させることができる。ステップS23に
おいて、排気切替弁20の弁体が逆流位置にあると判定
した場合は、リターンしてスタートへ戻る。
きに移行するステップS25では、排気切替弁20の弁
体が順流位置にあるか否かを判定する。順流位置にある
ときは現状維持とし、リターンしてスタートへ戻る。こ
のステップS25において、排気切替弁20の弁体が逆
流位置にあることを判定した場合には、ステップS26
へ移行し、排気切替弁20の弁体を順流位置へ切り替え
る制御を実行した後、スタートへ戻る。
NOx触媒31の触媒活性温度内であれば、排気ガスの
流れ方向を切り替える排気切替弁20の弁体は作動させ
ず、その排気切替弁20の弁体を順流位置又は逆流位置
の何れかに保持した状態とする。そして、触媒温度が触
媒活性温度以上あるいは以下になったときに初めて流れ
方向切替手段の切り替え制御を行う。これにより、排気
浄化手段をバイパスする排気ガスの流れが存在する問題
を、排気切替弁20の切り替え制御のみの簡便な方法で
対処することができる。即ち、排気切替弁20をそもそ
も浄化率が低い触媒活性温度範囲外で切り替えるように
しているため、全体として排気浄化性能を向上させるこ
とができる。
気浄化装置によれば、流れ方向切替手段の作動時に、排
気浄化手段をバイパスする位置に流れ方向切替手段が排
切り替えられたときには、内燃機関の排気空燃比をスト
イキに制御することで、三元触媒を機能させ、排気ガス
を浄化してから排出させることができる。したがって、
排気ガスの流れ方向切替手段の作動中に、排気浄化手段
をバイパスする排気ガスの流れが生じたとしてもこれを
浄化して排出することができる。
浄化装置によれば、三元触媒にSOx吸収機能を持たせ
たものにおいては、内燃機関の排気空燃比がストイキ時
に三元触媒よりSOxが放出されるため、流れ方向切替
手段の作動を排気バイパス位置で一時的に停止させ、S
Ox放出が完了してから、流れ方向切替手段を切り替え
るようにすることで、排気浄化手段のSOx被毒を効果
的に防止できる。
浄化装置によれば、排気浄化手段の触媒が触媒活性温度
内であれば、排気ガスの流れ方向切替手段は作動させ
ず、その切替手段を順流位置又は逆流位置の何れかに保
持した状態とする。そして、触媒温度が触媒活性温度以
上あるいは以下になったときに初めて流れ方向切替手段
の切り替え制御を行うことで、排気浄化手段をバイパス
する排気ガスの流れが存在する問題を、流れ方向切替手
段の切り替え制御のみの簡便な方法で対処することがで
きる。即ち、流れ方向切替手段をそもそも浄化率が低い
触媒活性温度範囲外で切り替えるようにすることで、全
体として排気浄化性能を向上させることができる。
実施の形態における概略構成図であり、排気切替弁を順
流位置に位置させたときを示す図である。
気切替弁を逆流位置に位置させたときの要部を示す図で
ある。
気切替弁を中立位置に位置させたときの要部を示す図で
ある。
を説明する図である。
を示す図である。
手順を示すフローチャートである。
実施の形態における制御手順を示すフローチャートであ
る。
実施の形態における概略構成図であり、排気切替弁を順
流位置に位置させたときを示す図である。
気切替弁を逆流位置に位置させたときの要部を示す図で
ある。
性に基づく触媒活性温度範囲を示す図である。
の実施の形態における制御手順を示すフローチャートで
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】 内燃機関の排気通路に排気浄化手段を有
し、この排気浄化手段よりも上流の排気通路に4つのポ
ートを備えた流れ方向切替手段が設けられ、該流れ方向
切替手段の第1ポートには内燃機関に接続された第1排
気通路が接続され、第2ポートには大気に接続された第
2排気通路が接続され、第3ポートには前記排気浄化手
段の一方側に接続された第3排気通路が接続され、第4
ポートには前記排気浄化手段の他方側に接続された第4
排気通路が接続されており、前記流れ方向切替手段は、
前記第1ポートと前記第3ポートとを接続するとともに
前記第2ポートと前記第4ポートとを接続して前記排気
浄化手段に第1の方向に排気ガスを流す第1の位置と、
前記第1ポートと前記第4ポートとを接続するとともに
前記第2ポートと前記第3ポートとを接続して前記排気
浄化手段に第1の方向と逆の第2の方向に排気ガスを流
す第2の位置と、前記第1ポートと前記第2ポートとを
接続して前記排気浄化手段をバイパスして排気ガスを流
す第3の位置とに切り替え可能な排気浄化装置であり、
前記流れ方向切替手段が前記第1の位置と第2の位置を
とることで内燃機関から排気浄化手段までの距離が異な
る排気通路を有し、前記排気浄化手段の触媒温度により
前記流れ方向切替手段が作動するものにおいて、前記排
気通路に三元触媒が設けられ、前記第1の位置から前記
第2の位置へ前記流れ方向切替手段が作動するときには
内燃機関の排気空燃比がストイキに制御されることを特
徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 【請求項2】 前記三元触媒は前記内燃機関の排気空燃
比がリーンでSOxを吸収するSOx吸収機能を有し、
前記第1の位置から前記第2の位置へ前記流れ方向切替
手段が作動するときには内燃機関の排気空燃比をストイ
キに制御し、前記第3の位置に前記流れ方向切り替え手
段を作動させた後に第2の位置に切り替えることを特徴
とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 【請求項3】 内燃機関の排気通路に排気浄化手段を有
し、この排気浄化手段よりも上流の排気通路に4つのポ
ートを備えた流れ方向切替手段が設けられ、該流れ方向
切替手段の第1ポートには内燃機関に接続された第1排
気通路が接続され、第2ポートには大気に接続された第
2排気通路が接続され、第3ポートには前記排気浄化手
段の一方側に接続された第3排気通路が接続され、第4
ポートには前記排気浄化手段の他方側に接続された第4
排気通路が接続されており、前記流れ方向切替手段は、
前記第1ポートと前記第3ポートとを接続するとともに
前記第2ポートと前記第4ポートとを接続して前記排気
浄化手段に第1の方向に排気ガスを流す第1の位置と、
前記第1ポートと前記第4ポートとを接続するとともに
前記第2ポートと前記第3ポートとを接続して前記排気
浄化手段に第1の方向と逆の第2の方向に排気ガスを流
す第2の位置と、前記第1ポートと前記第2ポートとを
接続して前記排気浄化手段をバイパスして排気ガスを流
す第3の位置とに切り替え可能な排気浄化装置であり、
前記流れ方向切替手段の第1の位置と第2の位置をとる
ことで内燃機関から排気浄化手段までの距離が異なる排
気通路を有し、前記排気浄化手段の触媒温度により前記
流れ方向切替手段が作動するものにおいて、排気浄化手
段が排気浄化率の高い温度ウインドウ内にあるときに
は、前記流れ方向切り替え手段の作動を禁止することを
特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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- 1999-07-12 JP JP19815399A patent/JP3565096B2/ja not_active Expired - Fee Related
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