JP2003328676A - ケーシングチューブ - Google Patents

ケーシングチューブ

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JP2003328676A
JP2003328676A JP2002132330A JP2002132330A JP2003328676A JP 2003328676 A JP2003328676 A JP 2003328676A JP 2002132330 A JP2002132330 A JP 2002132330A JP 2002132330 A JP2002132330 A JP 2002132330A JP 2003328676 A JP2003328676 A JP 2003328676A
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casing
casing tube
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circumferential direction
casing elements
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Application number
JP2002132330A
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English (en)
Inventor
Shinji Kurimoto
真司 栗本
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Nippon Sharyo Ltd
Original Assignee
Nippon Sharyo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組合せ部を軸方向に沿って固定するための固
定金具を不要にした分割可能なケーシングチューブを提
供すること。 【解決手段】 上下端にジョイント部13,14が形成
され、軸方向に継ぎ足して使用するものであり、縦分割
された複数のケーシング要素2を円周方向に組み合わせ
てなるケーシングチューブ1において、ケーシング要素
2の円周方向両端に形成された組合せ部11,12が、
そのケーシング要素2同士を結合させて円筒形状に組み
合わせるものであって、そのケーシング要素2が円筒形
状に組み合わされた場合にほぼ円周全体にかかる外側か
らの力によって互いに円周方向に押しつけ合うようにし
たもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オールケーシング
工法の回転圧入掘削などに使用されるものであって、縦
分割したケーシング要素を組み立てて使用するケーシン
グチューブに関する。
【0002】
【従来の技術】基礎杭を構築する場合の杭打ちにはオー
ルケーシング工法が多用されている。これにはチュービ
ング装置が使用され、把持したケーシングチューブを回
転させつつ地中に押し込み、ケーシングチューブ内の土
砂をハンマーグラブなどによって除去して基礎杭穴を形
成する。そして、更に鉄筋を挿入するなど所定の手当を
行った後にケーシング内にコンクリートを打設しなが
ら、ケーシングチューブを徐々に引抜いて場所打杭を造
成するものである。その場合に使用されるケーシングチ
ューブは、一体物としては輸送制限により外径が3m位
までのものが限度であったため、それ以上に大径のケー
シングチューブを使用する場合には分割した状態で施工
現場まで運び、そこで溶接して円筒形状に組み立てる必
要があった。
【0003】しかし、それでは工事現場に広い作業場所
が必要であることに加えて溶接の手間や信頼性の面で難
点があり、かつ溶接一体物であることから再使用が困難
であるという問題点があった。そこで、こうした問題に
対処するため、特開平6−257369号公報には図1
0及び図11に示す縦方向に2分割して組み立て・分解
を可能にしたケーシングチューブが提案されている。こ
のケーシングチューブ60は、縦方向に2分割したケー
シング要素の内側と外側との一対の分割合わせ面61,
62を、複数のナット71及びロックピン72で着脱自
在にしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしがら、こうした
ケーシングチューブ60のように、軸方向に沿って幾つ
もの固定金具を取り付けたのでは、ケーシング要素から
一体物のケーシングチューブ1を組み立てるのに作業が
非常に煩雑で手間のかかるものであった。これは、外力
によるケーシングチューブの分解をナット71及びロッ
クピン72で防いでいるため、小さいものを使用すれば
強度を確保するのに十分な数が必要になり、取り付け箇
所が多くなってそれだけ手間がかかるからである。
【0005】その一方、固定金具の取付箇所を減らすに
は剛性の高い大型の固定金具を使用すればよいが、大型
にすることによる問題もあった。すなわち、ケーシング
チューブ自体が大きいものなので固定金具を大型にすれ
ば、固定金具自体が重量物になって取り扱いに苦慮する
ことになるからである。また、大型にした固定金具に合
わせてケーシングチューブの肉厚を厚くする必要もあ
り、その際、内径及び外形とも円形である必要があるこ
とから組合せ部だけでなく、全体を厚肉にすることによ
るケーシングチューブの重量増の問題が生じることにな
る。
【0006】そこで本発明は、かかる従来の課題を解決
すべく、組合せ部を軸方向に沿って固定するための固定
金具を不要にした分割可能なケーシングチューブを提供
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上下端にジョ
イント部が形成され、軸方向に継ぎ足して使用するもの
であり、縦分割された複数のケーシング要素を円周方向
に組み合わせてなるケーシングチューブにおいて、前記
ケーシング要素の円周方向両端に形成された組合せ部
が、そのケーシング要素同士を結合させて円筒形状に組
み合わせるものであって、そのケーシング要素が円筒形
状に組み合わされた場合にほぼ円周全体にかかる外側か
らの力によって互いに円周方向に押しつけ合うようにし
たものであることを特徴とする。
【0008】よって本発明によれば、簡単な組合せ部の
はめ合わせによってケーシングチューブを組み立てるこ
とができ、組合せ部を軸方向に沿って固定する固定金具
を無くしたことにより作業性を向上させることができ
た。すなわち、このケーシングチューブでは、固定金具
で組合せ部を固定しなくても、例えばチュービング装置
のチャック機構によって把持する場合など、外側からの
力により生じる円周応力によって組合せ部が互いに押し
つけ合うので円筒形状を保つことができる。
【0009】前記組合せ部の実施態様としては、例えば
円周方向にはまり合う一方の凹部と他方の凸部からなる
もの、又は円周方向に略直交する当接面を有して互いに
径方向にはまり合う凹凸が形成されたものであることが
好ましい。これによれば、凹部と凸部、或いは互いの凹
凸部分同士がはまり合ってケーシング要素を組み合わせ
たケーシングチューブを構成し、その状態でチュービン
グ装置のチャック機構によって把持されるなどすると、
円周応力によって凹部と凸部とが押しつけ合い、または
まり合った凹凸部分では当接面同士が押しつけ合って円
筒形状を保つこととなる。
【0010】また、本発明のケーシングチューブは、前
記複数のケーシング要素が円周方向に等分割したもので
あることを特徴とする。よって本発明によれば、同一形
状のケーシング要素を製造すればよく、生産コストを抑
えることができる。
【0011】また、本発明のケーシングチューブは、前
記ケーシング要素同士を組み合わせた状態で、前記ジョ
イントの一部を構成する固定ピースによって当該組合せ
部同士を固定するようにしたものであることを特徴とす
る。よって本発明によれば、組合せ部を軸方向に沿って
固定する固定金具を用いなくても組合せ部をはめ合わせ
て組み立てるだけでケーシングチューブとして機能させ
ることができるが、円周応力が作用しないような状態で
力がかかると分解してしまため、固定ピースによって簡
易的にケーシング要素同士を固定することによってクレ
ーンによる吊り上げなどを可能にすることができる。
【0012】更に、本発明に係るケーシングチューブの
取り扱い方法は、縦分割された複数のケーシング要素
が、その円周方向両端に形成された組合せ部として、当
該ケーシング要素同士を結合させて円筒形状に組み合わ
せ、そのケーシング要素が円筒形状に組み合わされた状
態でほぼ円周全体にかかる外側からの力によって互いに
円周方向に押しつけ合うようにしたものを有するもので
ある場合に、前記ケーシング要素同士の組合せ部がはま
り合った連結部分を跨いで仮止め部材を配置させ、その
仮止め部材をジョイントに形成されたネジ孔にネジ止め
することにより、ケーシング要素同士が分離しないよう
に連結するようにしたことを特徴とする。
【0013】よって本発明によれば、ケーシング要素同
士を組合せ部のはめ合わせによって簡単に組み立てるこ
とができるケーシングチューブについて、ケーシング要
素同士の連結部分について一切固定部材を無いることな
く、単に仮止め部材を取り付けるだけで分解させずにク
レーンで吊り上げること等が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るケーシングチ
ューブの一実施形態について、図面を参照しながら以下
に説明する。図1は、本実施形態のケーシングチューブ
を示した軸方向端面図であり、図2はその側面図であ
る。特にこれらは図1及び図2ともに(a)に組み立て
状態を示し、(b)には分解した状態を示している。本
実施形態のケーシングチューブ1は、図1(b)に示す
ように円周方向に3等分して縦分割したケーシング要素
2,2,2が組み合わされてなるものである。このケー
シング要素2は全て同じ形で造られたものであり、それ
ぞれ左右両端には互いを一体にするための組合せ部が形
成されている。
【0015】図3及び図4は、こうした隣り合うケーシ
ング要素2同士の連結部分を示した拡大図である。ケー
シング要素2の円周方向両端には、図3(b)に示すよ
うにそれぞれテーパのついた凹部11と凸部12とが形
成されている。そして、この凹部11と凸部12によっ
て隣り合うケーシング要素2同士を組み合わせていくこ
とにより、図1(a)に示すように円筒形状のケーシン
グチューブ1が組み立てられる。しかし、組み合わせた
だけの状態ではクレーンで吊り上げるような場合には外
れて分解してしまうため、本実施形態では更に連結部分
10の上下端に固定ピース3,4が取り付けられる。
【0016】ところでケーシングチューブ1には、図2
(a)に示すようにケーシングチューブ1同士を軸方向
に継ぎ足せるように雄ジョイント13と雌ジョイント1
4とが上下に形成されている。そのため、軸方向に沿っ
て形成されたケーシング要素2の凹部11及び凸部12
は、この雄ジョイント13及び雌ジョイント14を除く
部分に形成されている。そして、ケーシング要素2同士
を組み合わせた場合には、連結部分10において雄ジョ
イント13及び雌ジョイント14に隙間が空くように
し、その隙間に固定ピース3,4を差し込むようにして
いる。従って固定ピース3,4は、雄ジョイント13及
び雌ジョイント14の一部を構成するように形成された
ものである。
【0017】ケーシング要素2の凹部11及び凸部12
は、その上下端に図4(b)に示すようなV字溝11
a,12aを有し、凹部11と凸部12とがはめ合わさ
れた場合に径方向に重なるように形成されている。一
方、固定ピース3は、図4(b)に示すように、雄ジョ
イント13及び雌ジョイント14の一部を構成するボル
ト孔が穿設されたジョイント部3aと、結合した凹部1
1及び凸部12に当てられ、その一致したV字溝11
a,12aにはめ込むことができるV字突起3bが形成
された固定部3cを有するものであり、更にその固定部
3cにはV字突起3bを挟んで2箇所にネジ孔が穿設さ
れている。
【0018】なお、下端に取り付ける雌ジョイント14
側の固定ピース4について詳しく図示していないが、図
2(b)に示すように、固定ピース4のジョイント部4
aが雌ジョイント14の一部を構成するような形状とな
り、固定ピース3と同様にV字突起4b及びネジ孔が穿
設された固定部4cを有している。
【0019】そこで、前述したように組合せ部である凹
部11と凸部12とをケーシング要素2の隣り合うもの
同士はめ合わせて円筒形状にする。この場合、ケーシン
グ要素2を図1(b)に示すように間隔をあけて配置
し、それぞれを同じように中心に向かって移動させるこ
とによって凹部11と凸部12とをはめ合わせて円筒に
することができる。こうしてケーシングチューブ1を形
づくった後、連結部分10上下端に固定ピース3,4が
固定される。固定ピース3は雄ジョイント13に、そし
て固定ピース4は雌ジョイント14の隙間に差し込ま
れ、そのV字突起3b,4bがV字溝11a,12aに
はまり込み、その後、固定部3c,4cが凹部11及び
凸部12にネジ止めされる。
【0020】固定ピース3,4は、図2(a)及び図4
(a)に示すように、ジョイント部3a,4aがそれぞ
れ雄ジョイント13及び雌ジョイント14の一部とな
り、凹部11及び凸部12にネジ止めすることによって
隣り合うケーシング要素2,2同士を外れないように連
結する。そのため、例えば雄ジョイント13のボルト孔
を使ってワイヤーをかけるなどし、ケーシングチューブ
1をクレーンで吊り上げることができる。すなわち、ケ
ーシングチューブ1は各ケーシング要素2,2,2が自
重によって広がろうとするような場合に、固定ピース
3,4によって外れないようになっているからである。
【0021】よって、本実施形態のケーシングチューブ
1によれば、ケーシング要素2を凹部11及び凸部12
ではめ合わせて円筒形状にし、固定ピース3によって分
解しないように連結するだけの簡単な構成としたので、
従来のような軸方向に沿って固定金具を取り付けるよう
な手間がなく、組み立てによる作業性を向上させること
ができた。また、ケーシング要素2同士を強固に固定す
る固定金具を用いることなく、また凹部11及び凸部1
2の構造もケーシング要素2の肉厚を厚くさせるような
ものではないので、ケーシングチューブ1の軽量化を図
ることもできる。更に、製造面においても固定金具用孔
加工を必要としないため加工コストの低減が図れ、軽量
な部品であることからその取り扱いも容易となる。
【0022】次に、本発明に係るケーシングチューブ
は、こうした構造の他にも例えば図5に示す組合せ部を
有するケーシング要素5によって構成したものであって
もよい。なお、ケーシングチューブについて全体を図示
しないが、前記実施形態と同様に円周方向に3等分して
縦分割したケーシング要素5が組み合わされてなるもの
である。
【0023】このケーシング要素5には、その円周方向
両端に同じ形状の凹凸部15,16が組合せ部として形
成され、それぞれ円周方向に直交する当接面15a,1
5b/16a,16bを有している。凹凸部15,16
は上下端に形成されたジョイント17を除く部分に形成
され、本形態のケーシングチューブでもジョイント17
の一部を構成する固定ピース6を使用し、ケーシング要
素5同士が連結部分20で分離しないように固定するよ
にしている。
【0024】ケーシング要素5の凹凸部15,16に
は、はめ合わされた場合に突き当てられる当接面15
a,16b/16a,15bを横切るようにて連続する
V字溝15c,15dとV字溝16c,16dがそれぞ
れ形成されている。一方、固定ピース6は、図6(b)
に示すように、ジョイント17の一部を構成するボルト
孔が穿設されたジョイント部6aと、結合した凹凸部1
5,16に当てられ、そのV字溝15c,16c/15
d,16dにはめ込むV字突起6b,6bが形成された
固定部6cとを有するものであり、その固定部6cには
2箇所にネジ孔が穿設されている。
【0025】そこで、凹凸部15,16によってケーシ
ング要素5同士を組み合わせて円筒形状にし、連結部分
20の上下端を固定ピース6を固定する。固定ピース6
は、ジョイント17の隙間に差し込まれ、V字突起6
b,6bがV字溝15c,16c/15d,16dには
め込まれてその固定部3cが凹凸部15,16にネジ止
めされる。従って、図6(a)に示すようにジョイント
部6aがジョイント17の一部となり、ネジ止めするこ
とによって隣り合うケーシング要素5同士を外れないよ
うに連結する。
【0026】よって、本実施形態のケーシングチューブ
によっても、凹凸部15,16によりケーシング要素5
を組み合わせて円筒形状とし、固定ピース6によって分
解しないように連結しただけの簡単な構成としたので、
組み立てによる作業性を向上させたものとすることがで
きた。また、また、ケーシング要素5同士を強固に固定
する固定金具を用いることなく、また凹凸部15,16
の構造もケーシング要素5,5,5の肉厚を厚くさせる
ようなものではないので、ケーシングチューブ1の軽量
化を図ることもできる。
【0027】ところで、図10及び図11に示す従来例
のケーシングチューブでは、縦分割したケーシング要素
を複数のボルト及びピンで連結しているのに対し、例え
ば図1乃至図4に示すケーシングチューブ1では、固定
ピース3を介してネジ止めするだけの極めて簡単な構造
となっている。これは、ケーシング要素2同士を連結す
る組合せ部が、凹部11及び凸部12のようにある程度
位置決めできるはめ合わせに形状になっていれば、ケー
シングチューブ1の使用形態から必ずしも強固に連結す
る必要がないからである。本発明は、そうした点に着目
してなされたものであるが、更にその組合せ部を特定す
るための要件について説明する。
【0028】先ず、図2(a)に示すケーシングチュー
ブ1は、例えば軸方向長さが3m程度のものであるが、
オールケーシング工法などに使用される場合には地盤に
対して数十メートルの深さまで打ち込まれたりする。そ
のためには数本のケーシングチューブ1,1…が予め連
結され、チュービング装置によって打ち込まれる際に、
更にそうしたものが順次継ぎ足されていく。
【0029】ケーシングチューブ1同士の連結は、図7
に示すようにジョイント13,14がはめ合わされてボ
ルト締めされる。その際、各ケーシングチューブ1は、
連結部分10の位置が上下で重ならないようにする。従
って、このときケーシング要素2自身が、上下に連結さ
れたケーシングチューブ1のケーシング要素2同士を連
結する固定部材として機能することになる。そのため、
ケーシングチューブ1が軸方向に重ねて連結された後
は、各ケーシングチューブ1のケーシング要素2同士が
分離してしまうようなことはなくなる。
【0030】次に、ケーシングチューブ1は、オールケ
ーシング工法などに使用される際、チュービング装置で
はチャック機構によって外側から中心に向けて押さえ付
けられるようにして把持される。このときケーシングチ
ューブ1には、ほぼ均等にかかるバランスのとれた半径
方向の力によって円周応力が働くこととなる。そのため
連結部分10にも円周応力が作用して、はまり合った凹
部11と凸部12とが互いに押し付け合うこととなる。
また、図5及び図6に示した実施形態では、はまり合っ
た凹凸部15,16の当接面15a,16b/16a,
15bが押しつけ合うこととなる。
【0031】従って、ケーシングチューブ1は、地盤に
打ち込まれる際にはチュービング装置のチャック力によ
ってケーシング要素2自身が円筒形状を保とうとする。
更に、こうしたことは打ち込まれた地中でも同様なこと
がいえる。すなわち、打ち込まれたケーシングチューブ
1には外側の地盤から全周にわたり中心方向に力が作用
するめ、均一にかかる半径方向の力によって円周応力が
作用し、凹部11及び凸部12が円周方向に強く押しつ
け合ってケーシング要素2が円筒形状を保とうとするか
らである。
【0032】以上のことから、ケーシング要素2は、組
み合わせたもの同士を特に強固に固定しなくても使用に
際して支障はなく、従来例のようにケーシング要素を軸
方向に沿って固定する固定金具は、分割可能なケーシン
グチューブ1を構成する必須要件ではないと考えられ
る。そして、このようなことからケーシング要素の組合
せ部は、円筒形状に組むことができるはめ合わせが可能
な形状であって、円筒形状を保つように円周応力による
押しつけ合いができるようになっていればよいと考えら
れる。図4に示す凹部11と凸部12や図6に示す凹凸
部15,16からなる組合せ部は、まさにこうした点に
鑑みて構成されたものである。
【0033】なお、前記実施形態では、例えばケーシン
グ要素2同士を固定する固定ピース3が示されている
が、これは組み合わせたケーシング要素2を分解させな
いでケーシングチューブ1を吊り上げることができるよ
うにしたためである。このことから固定ピースは、従来
の固定金具のように強固なものである必要はなく、簡易
的なものとして構成されている。一方、固定ピースがケ
ーシングチューブの吊り上げのためだけに必要であるな
らば、例えば吊り上げる時に仮止め部材を用いるように
すれば固定ピースに関しても省略することができる。但
し、固定ピース3を用いれば凹部11と凸部12とをガ
タ無く結合することができるので、施工中に組合せ部か
ら地下水が侵入するのを防ぐという効果を奏する(図5
及び図6に示す例に付いても同様)。
【0034】そこで次に、前記実施形態の変形例とし
て、固定部材を用いることなく仮止めして使用するケー
シングチューブについて説明する。図8は、ケーシング
要素の連結部分30を示した図であり、(a)に組み立
て状態を示し、(b)には分解した状態を示している。
また、図9は、仮止めしたケーシングチューブを示した
図である。ケーシング要素7は、図1に示すものと同様
に円周方向に3等分して縦分割したものである。ケーシ
ング要素7の両端には、図4に示すものと同様に一方に
凹部11が形成され、他方にはこれにはまり合う凸部1
2が形成されている。そして、凹部11側のジョイント
18が凹部11にまで延長して形成され、はめ合わされ
たときに凸部12側のジョイント18に突き当てられる
ようになっている。
【0035】そこで、凹部11及び凸部12によってケ
ーシング要素7の隣り合うもの同士組み合わせ、図9に
示すようにケーシングチューブ8を組み立てる。そのま
ま吊ったのでは分解してしまうので、図8(a)に示す
ようにジョイント18,18に形成されたボルト孔18
a,18aに重なる位置にボルト孔19a,19aが同
じように穿設された仮止め板19を当て、重ねられたボ
ルト孔18a,19aに不図示のボルトを螺設して仮止
めする。これによってケーシングチューブ8を吊り上げ
てもケーシング要素7,7,7同士が外れることはなく
なる。
【0036】ケーシングチューブ8,8同士を図7に示
すように連結させる場合には、下のに位置するケーシン
グチューブ8の仮止め板19を外しておき、それに吊っ
たケーシングチューブ8を重ねていけばよい。下のケー
シングチューブ8は、そのまま置かれた状態では分解す
ることはなく、また更にその下のケーシングチューブ8
に連結されているのであれば、雌のジョイントが固定さ
れているのでやはり分解することはない。そのため、下
のケーシングチューブ8は、雄のジョイント部分から仮
止め板19を外しても円筒形状を保っており、そこへ仮
止めして吊ったケーシングチューブ8を継ぎ足せばよ
い。
【0037】そして、雌のジョイントを下のケーシング
チューブ8に固定しつつ仮止め板19を外せば、下のケ
ーシング要素7,7,7によって当該ケーシングチュー
ブ8のケーシング要素7,7,7同士が固定され、次に
雄のジョイント部分について仮止め板19を外しても分
解することはない。一方、チュービング装置によって地
盤に打ち込む場合には、前述したように円周応力によっ
て凹部11及び凸部12が押しつけ合い円筒形状を保と
うとするため、ケーシングチューブとして十分に機能す
る。
【0038】以上、ケーシングチューブの一実施形態に
ついて説明したが、本発明はこれに限定されることな
く、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能であ
る。例えば前記実施形態では、組合せ部の構成として図
3や図6に示す形態の2種類を挙げて説明したが、ケー
シング要素を円筒形状に組み合わせることができて、円
周応力による押しつけ合いができるようなものであれ
ば、こうしたものに限定されない。
【0039】
【発明の効果】本発明は、ケーシング要素の円周方向両
端に形成された組合せ部が、そのケーシング要素同士を
結合させて円筒形状に組み合わせるものであって、その
ケーシング要素が円筒形状に組み合わされた場合にほぼ
円周全体にかかる外側からの力によって互いに円周方向
に押しつけ合うようにしたので、組合せ部を軸方向に沿
って固定するための固定金具を不要にした分割可能なケ
ーシングチューブを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ケーシングチューブの一実施形態を示した軸方
向端面図である。
【図2】ケーシングチューブの一実施形態を示した側面
図である。
【図3】ケーシングチューブの連結部分を示した平面図
である。
【図4】ケーシングチューブの連結部分を示した斜視図
である。
【図5】ケーシングチューブの連結部分を示した平面図
である。
【図6】ケーシングチューブの連結部分を示した斜視図
である。
【図7】ケーシングチューブをつなげた状態を示した図
である。
【図8】固定部材を用いないケーシングチューブの連結
部分を示した斜視図である。
【図9】ケーシング要素同士を仮止めしたケーシングチ
ューブを示した側面図である。
【図10】従来のケーシングチューブを示した側面図で
ある。
【図11】従来のケーシングチューブを示した断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ケーシングチューブ 2 ケーシング要素 3 固定ピース 4 固定ピース 11 凹部 12 凸部 13 雄ジョイント 14 雌ジョイント

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下端にジョイント部が形成され、軸方
    向に継ぎ足して使用するものであり、縦分割された複数
    のケーシング要素を円周方向に組み合わせてなるケーシ
    ングチューブにおいて、 前記ケーシング要素の円周方向両端に形成された組合せ
    部が、そのケーシング要素同士を結合させて円筒形状に
    組み合わせるものであって、そのケーシング要素が円筒
    形状に組み合わされた場合にほぼ円周全体にかかる外側
    からの力によって互いに円周方向に押しつけ合うように
    したものであることを特徴とするケーシングチューブ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するケーシングチューブ
    において、 前記ケーシング要素の組合せ部は、円周方向にはまり合
    う一方の凹部と他方の凸部からなるもの、又は円周方向
    に略直交する当接面を有して互いに径方向にはまり合う
    凹凸が形成されたものであることを特徴とするケーシン
    グチューブ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載するケーシ
    ングチューブにおいて、 前記複数のケーシング要素は、円周方向に等分割したも
    のであることを特徴とするケーシングチューブ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3に記載するケーシ
    ングチューブにおいて、 前記ケーシング要素同士を組み合わせた状態で、前記ジ
    ョイントの一部を構成する固定ピースによって当該組合
    せ部同士を固定するようにしたものであることを特徴と
    するケーシングチューブ。
  5. 【請求項5】 縦分割された複数のケーシング要素が、
    その円周方向両端に形成された組合せ部として、当該ケ
    ーシング要素同士を結合させて円筒形状に組み合わせ、
    そのケーシング要素が円筒形状に組み合わされた状態で
    ほぼ円周全体にかかる外側からの力によって互いに円周
    方向に押しつけ合うようにしたものを有するものである
    場合に、 前記ケーシング要素同士の組合せ部がはまり合った連結
    部分を跨いで仮止め部材を配置させ、その仮止め部材を
    ジョイントに形成されたネジ孔にネジ止めすることによ
    り、ケーシング要素同士が分離しないように連結するよ
    うにしたことを特徴とするケーシングチューブの取り扱
    い方法。
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