JP2005002598A - 既製杭の継構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、簡単に接合出来、回転力の必要な場合は回転力を伝達し、且つ分解可能な既製杭の継構造を提供することを可能にすることを目的としている。
【解決手段】上杭10のオス継手1と下杭11のメス継手2とを嵌合させたときに、オス継手1の円周溝1aとメス継手2の円周溝2aとが合わされて環状溝3が形成され、該環状溝3に連通する窓部6から複数個の小片5を順次差し込んで円周状に連結して一体化したキーを形成してオス継手1とメス継手2とを一体化し、窓部6を着脱可能な蓋体7により閉塞したことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】上杭10のオス継手1と下杭11のメス継手2とを嵌合させたときに、オス継手1の円周溝1aとメス継手2の円周溝2aとが合わされて環状溝3が形成され、該環状溝3に連通する窓部6から複数個の小片5を順次差し込んで円周状に連結して一体化したキーを形成してオス継手1とメス継手2とを一体化し、窓部6を着脱可能な蓋体7により閉塞したことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既製杭に用いられる無溶接の継構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、杭は施工現場において下杭と上杭とを溶接により接合することが広く行われていた。また、その施工においては回転圧入する場合もある。これに対して溶接を用いない所謂、無溶接継手というものも実用化されている。例えば、杭端部に設けられた上下フランジを締め付ける内リングを外リングにより締め付けて接合する構造がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、杭端部に設けられたオス継手の本体部外周面に設けた円周溝と、杭端部に設けられたメス継手の本体部内周面に設けた円周溝とが合わされて環状溝が形成され、その環状溝に弾性的に拡縮径可能な円環状の止めリングや線状キーを嵌入してオス継手とメス継手とを一体化するものもある(例えば、特許文献2、3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−76435号公報
【特許文献2】
特開平9−143986号公報
【特許文献3】
特開2002−220828号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例において、溶接継手に関して言えば、現場において様々な条件のもとに溶接を行うことは品質管理上困難が伴い、良質な溶接部を得ようとすると熟練した溶接技能者が時間をかけて溶接する必要があった。また、最近では高度な熟練を有する溶接技能者が少なくなっているという問題もある。
【0006】
また、建築物は寿命に応じて立て替えられる。その時点で既設の基礎杭を引き抜き、新たな杭を施工するが、従来の溶接継ぎ手方式では、杭を引き抜くにあたり、溶接部を溶断しなければならず、大掛かりな作業となり熟練作業者が必要であった。
【0007】
一方、無溶接継手について言えば、前記特許文献1の技術では、内外のリングを接続する際に作業者がリングを保持している必要があり、且つリングを嵌合させるために油圧ジャッキが必要で、連結作業に人手と時間がかかるという問題があった。
【0008】
また、前記特許文献2の技術では、弾性的に拡縮径可能な円周欠損を有する円環状の止めリングを継手が形成する溝の中に収納することにより一種のキーとなし、杭を接合しようとするものであるが、止めリングが一度溝にはまってキーを形成した後は、継手を再度分離することが不可能となってしまう。
【0009】
また、前記特許文献3の技術では、ネジ継手の緩み防止装置として棒状のキーを叩き込んだり、円周に欠損を有するリング状のバネをキーとして用いるものであるが、一度キーを入れてしまうと継手を再度分離することが不可能となってしまうという問題があった。
【0010】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、簡単に接合出来、回転力の必要な場合は回転力を伝達し、且つ分解可能な既製杭の継構造を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る既製杭の継構造は、杭端部に設けられたオス継手と、杭端部に設けられたメス継手とを嵌合させてなる杭の継構造において、前記オス継手の本体部外周面に設けた円周溝と、前記メス継手の本体部内周面に設けた円周溝とが合わされて環状溝が形成されてなるとともに、前記メス継手の円周溝に連通して設けた少なくとも1箇所の穴から前記環状溝の曲率に合う曲率を有する複数個の小片を順次差込んで該小片を円周状に連結させて一体化したキーを形成することにより前記オス継手と前記メス継手とを一体化したことを特徴とする。
【0012】
本発明は、オス継手とメス継手とを嵌合させたときに形成される環状溝の中に該メス継手の本体部内周面に設けた円周溝に連通して設けた少なくとも1箇所の穴から小片を順次差し込み、一体化したキーを形成することにより、オス継手とメス継手とを接合する。尚、前記穴からは小片が脱落しないように前記穴を蓋体により閉塞するか、固定するなどして脱落しないようにして、一体化したキーとする。
【0013】
また、前記穴を蓋体により閉塞した場合には、その穴を着脱可能な蓋体により閉塞して環状溝内に土砂等が入るのを防止出来る。また、杭を引き抜くにあたり蓋体を取り外した穴から小片を取り外してキーを除去し、オス継手とメス継手との接合を解除することが出来る。
【0014】
また、前記オス継手と前記メス継手に互いに係合する凹凸部を設けて嵌合させた場合には、オス継手とメス継手との凹凸部を係合させて嵌合することにより、回転トルクを伝達出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る既製杭の継構造の一実施形態を具体的に説明する。先ず、図1及び図2を用いて本発明に係る既製杭の継構造の第1実施形態の構成について説明する。図1は本発明に係る既製杭の継構造の第1実施形態の構成を示す縦断面説明図、図2(a)は本発明に係る既製杭の継構造の第1実施形態の構成を示す分解横断面図、図2(b)は第1実施形態においてメス継手の本体部内周面に設けた円周溝に連通して設けた穴の蓋体を除去した様子を示す正面図である。
【0016】
図1において、上杭10の下端部にオス継手1が溶接等により接合されており、下杭11の上端部にメス継手2が溶接等により接合されている。オス継手1の本体部外周面には円周溝1aが形成されており、メス継手2の本体部内周面には円周溝2aが形成されている。
【0017】
そして、オス継手1とメス継手2とを嵌合させたときに、オス継手1の本体部外周面に設けられた円周溝1aと、メス継手2の本体部内周面に設けられた円周溝2aとが同一位置に合わされて断面矩形状の環状溝3が形成される。4a,4bは端版であり、それぞれの継手部分に溶接されている。
【0018】
図2に示すように、メス継手2には、該メス継手2の本体部内周面に設けた円周溝2aに連通する穴となる窓部6が形成されており、この窓部6から環状溝3の中に、該環状溝3の曲率に合う曲率を有する複数個の小片5を順次差し込んで該環状溝3に沿って円周方向に押しやって該複数個の小片5を円周状に連結した後、窓部6を着脱可能な蓋体7により閉塞することにより継手内部に複数の小片5を一体化したキーを形成することが出来、これによりオス継手1とメス継手2とを接合することが出来る。
【0019】
図2に示すように、本実施形態では、最終的に窓部6に位置する小片5に貫通孔5aが設けられ、更に蓋体7にも貫通孔7aが設けられ、オス継手1にタップ孔1bが設けられている。そして、蓋体7の外側からボルト9を貫通孔7a,5aに挿通してタップ孔1bに螺合締着することにより蓋体7と小片5をオス継手1に固定する。蓋体7と小片5は図2に示すように2つに分けて構成しても良いし、あらかじめ一つの部品に一体化して製作しても良い。これによりオス継手1とメス継手2とを一体化して上下杭11,12を接合することが出来る。
【0020】
尚、本実施形態では、窓部6を1箇所とした一例について説明するが、必要に応じて複数箇所の窓部6を設けることが出来る。これにより、1箇所に窓部6を設けた場合よりも容易に且つ短時間で小片5を環状溝3内に挿入することが出来、オス継手1とメス継手2とを短時間で接合することが可能となる。
【0021】
既設建築物の基礎として施工されていた杭を引き抜く場合や、万一、施工上の不都合等で杭の接合をとりやめる場合は、先ず、ボルト9を外して蓋体7を取り外し、窓部6から露出した小片5を環状溝3に沿って順次押し出して取り出すことにより、オス継手1とメス継手2との接合を解除することが出来る。
【0022】
小片5は、環状溝3に相当する円周を等分した形状で製作され、通常の使用状態では4等分〜10等分を目安にすれば良い。窓部6は小片5を容易に滑り込ませることが出来るように小片5の円弧長よりも若干長い円弧長とすれば良い。
【0023】
図3は図1の変形例であり、オス継手1とメス継手2との軸方向に当接する面に互いに係合する凹凸部8a,8bを設けて嵌合するように構成したものである。このように、オス継手1とメス継手2との凹凸部8a,8bを係合させて嵌合することにより、回転トルクを伝達出来る。他の構成は図1及び図2に示したと同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
【0024】
次に図4を用いて本発明に係る既製杭の継構造の第2実施形態の構成について説明する。図4(a)は本発明に係る既製杭の継構造の第2実施形態の構成を示す縦断面説明図、図4(b)は本発明に係る既製杭の継構造の第2実施形態の構成を示す横断面説明図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】
図3に示した実施形態では、オス継手1とメス継手2との軸方向に当接する面に互いに係合する凹凸部8a,8bを形成して嵌合させた一例であるが、本実施形態では、図4に示すように、オス継手1とメス継手2との径方向に対向する面に互いに係合する凹凸部8a,8bを形成して嵌合させたものである。
【0026】
本実施形態においても、オス継手1とメス継手2との凹凸部8a,8bを係合させて嵌合することにより、回転トルクを伝達出来る。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、簡単に接合出来、回転力の必要な場合は回転力を伝達し、且つ分解可能な既製杭の継構造を提供することが出来る。
【0028】
即ち、オス継手とメス継手とを嵌合させたときに形成される環状溝の中に該メス継手の本体部内周面に設けた円周溝に連通して設けた少なくとも1箇所の穴から小片を順次差し込むことにより、キーを形成し、オス継手とメス継手とを接合することが出来る。
【0029】
また、穴を蓋体により閉塞した場合には、その穴を着脱可能な蓋体により閉塞して環状溝内に土砂等が入るのを防止出来る。また、杭を引き抜くにあたり蓋体を取り外した穴から小片を取り外してキーを除去し、オス継手とメス継手との接合を解除することが出来る。
【0030】
また、オス継手とメス継手に互いに係合する凹凸部を設けて嵌合させた場合には、オス継手とメス継手との凹凸部を係合させて嵌合することにより、回転トルクを伝達出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る既製杭の継構造の第1実施形態の構成を示す縦断面説明図である。
【図2】(a)は本発明に係る既製杭の継構造の第1実施形態の構成を示す分解横断面図、(b)は第1実施形態においてメス継手の本体部内周面に設けた円周溝に連通して設けた穴の蓋体を除去した様子を示す正面図である。
【図3】図3は図1の変形例である。
【図4】(a)は本発明に係る既製杭の継構造の第2実施形態の構成を示す縦断面説明図、(b)は本発明に係る既製杭の継構造の第2実施形態の構成を示す横断面説明図である。
【符号の説明】
1…オス継手
1a…円周溝
1b…タップ孔
2…メス継手
2a…円周溝
3…環状溝
4a,4b…端版
5…小片
6…窓部
7…蓋体
8a,8b…凹凸部
9…ボルト
10…上杭
11…下杭
【発明の属する技術分野】
本発明は、既製杭に用いられる無溶接の継構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、杭は施工現場において下杭と上杭とを溶接により接合することが広く行われていた。また、その施工においては回転圧入する場合もある。これに対して溶接を用いない所謂、無溶接継手というものも実用化されている。例えば、杭端部に設けられた上下フランジを締め付ける内リングを外リングにより締め付けて接合する構造がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、杭端部に設けられたオス継手の本体部外周面に設けた円周溝と、杭端部に設けられたメス継手の本体部内周面に設けた円周溝とが合わされて環状溝が形成され、その環状溝に弾性的に拡縮径可能な円環状の止めリングや線状キーを嵌入してオス継手とメス継手とを一体化するものもある(例えば、特許文献2、3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−76435号公報
【特許文献2】
特開平9−143986号公報
【特許文献3】
特開2002−220828号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例において、溶接継手に関して言えば、現場において様々な条件のもとに溶接を行うことは品質管理上困難が伴い、良質な溶接部を得ようとすると熟練した溶接技能者が時間をかけて溶接する必要があった。また、最近では高度な熟練を有する溶接技能者が少なくなっているという問題もある。
【0006】
また、建築物は寿命に応じて立て替えられる。その時点で既設の基礎杭を引き抜き、新たな杭を施工するが、従来の溶接継ぎ手方式では、杭を引き抜くにあたり、溶接部を溶断しなければならず、大掛かりな作業となり熟練作業者が必要であった。
【0007】
一方、無溶接継手について言えば、前記特許文献1の技術では、内外のリングを接続する際に作業者がリングを保持している必要があり、且つリングを嵌合させるために油圧ジャッキが必要で、連結作業に人手と時間がかかるという問題があった。
【0008】
また、前記特許文献2の技術では、弾性的に拡縮径可能な円周欠損を有する円環状の止めリングを継手が形成する溝の中に収納することにより一種のキーとなし、杭を接合しようとするものであるが、止めリングが一度溝にはまってキーを形成した後は、継手を再度分離することが不可能となってしまう。
【0009】
また、前記特許文献3の技術では、ネジ継手の緩み防止装置として棒状のキーを叩き込んだり、円周に欠損を有するリング状のバネをキーとして用いるものであるが、一度キーを入れてしまうと継手を再度分離することが不可能となってしまうという問題があった。
【0010】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、簡単に接合出来、回転力の必要な場合は回転力を伝達し、且つ分解可能な既製杭の継構造を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る既製杭の継構造は、杭端部に設けられたオス継手と、杭端部に設けられたメス継手とを嵌合させてなる杭の継構造において、前記オス継手の本体部外周面に設けた円周溝と、前記メス継手の本体部内周面に設けた円周溝とが合わされて環状溝が形成されてなるとともに、前記メス継手の円周溝に連通して設けた少なくとも1箇所の穴から前記環状溝の曲率に合う曲率を有する複数個の小片を順次差込んで該小片を円周状に連結させて一体化したキーを形成することにより前記オス継手と前記メス継手とを一体化したことを特徴とする。
【0012】
本発明は、オス継手とメス継手とを嵌合させたときに形成される環状溝の中に該メス継手の本体部内周面に設けた円周溝に連通して設けた少なくとも1箇所の穴から小片を順次差し込み、一体化したキーを形成することにより、オス継手とメス継手とを接合する。尚、前記穴からは小片が脱落しないように前記穴を蓋体により閉塞するか、固定するなどして脱落しないようにして、一体化したキーとする。
【0013】
また、前記穴を蓋体により閉塞した場合には、その穴を着脱可能な蓋体により閉塞して環状溝内に土砂等が入るのを防止出来る。また、杭を引き抜くにあたり蓋体を取り外した穴から小片を取り外してキーを除去し、オス継手とメス継手との接合を解除することが出来る。
【0014】
また、前記オス継手と前記メス継手に互いに係合する凹凸部を設けて嵌合させた場合には、オス継手とメス継手との凹凸部を係合させて嵌合することにより、回転トルクを伝達出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る既製杭の継構造の一実施形態を具体的に説明する。先ず、図1及び図2を用いて本発明に係る既製杭の継構造の第1実施形態の構成について説明する。図1は本発明に係る既製杭の継構造の第1実施形態の構成を示す縦断面説明図、図2(a)は本発明に係る既製杭の継構造の第1実施形態の構成を示す分解横断面図、図2(b)は第1実施形態においてメス継手の本体部内周面に設けた円周溝に連通して設けた穴の蓋体を除去した様子を示す正面図である。
【0016】
図1において、上杭10の下端部にオス継手1が溶接等により接合されており、下杭11の上端部にメス継手2が溶接等により接合されている。オス継手1の本体部外周面には円周溝1aが形成されており、メス継手2の本体部内周面には円周溝2aが形成されている。
【0017】
そして、オス継手1とメス継手2とを嵌合させたときに、オス継手1の本体部外周面に設けられた円周溝1aと、メス継手2の本体部内周面に設けられた円周溝2aとが同一位置に合わされて断面矩形状の環状溝3が形成される。4a,4bは端版であり、それぞれの継手部分に溶接されている。
【0018】
図2に示すように、メス継手2には、該メス継手2の本体部内周面に設けた円周溝2aに連通する穴となる窓部6が形成されており、この窓部6から環状溝3の中に、該環状溝3の曲率に合う曲率を有する複数個の小片5を順次差し込んで該環状溝3に沿って円周方向に押しやって該複数個の小片5を円周状に連結した後、窓部6を着脱可能な蓋体7により閉塞することにより継手内部に複数の小片5を一体化したキーを形成することが出来、これによりオス継手1とメス継手2とを接合することが出来る。
【0019】
図2に示すように、本実施形態では、最終的に窓部6に位置する小片5に貫通孔5aが設けられ、更に蓋体7にも貫通孔7aが設けられ、オス継手1にタップ孔1bが設けられている。そして、蓋体7の外側からボルト9を貫通孔7a,5aに挿通してタップ孔1bに螺合締着することにより蓋体7と小片5をオス継手1に固定する。蓋体7と小片5は図2に示すように2つに分けて構成しても良いし、あらかじめ一つの部品に一体化して製作しても良い。これによりオス継手1とメス継手2とを一体化して上下杭11,12を接合することが出来る。
【0020】
尚、本実施形態では、窓部6を1箇所とした一例について説明するが、必要に応じて複数箇所の窓部6を設けることが出来る。これにより、1箇所に窓部6を設けた場合よりも容易に且つ短時間で小片5を環状溝3内に挿入することが出来、オス継手1とメス継手2とを短時間で接合することが可能となる。
【0021】
既設建築物の基礎として施工されていた杭を引き抜く場合や、万一、施工上の不都合等で杭の接合をとりやめる場合は、先ず、ボルト9を外して蓋体7を取り外し、窓部6から露出した小片5を環状溝3に沿って順次押し出して取り出すことにより、オス継手1とメス継手2との接合を解除することが出来る。
【0022】
小片5は、環状溝3に相当する円周を等分した形状で製作され、通常の使用状態では4等分〜10等分を目安にすれば良い。窓部6は小片5を容易に滑り込ませることが出来るように小片5の円弧長よりも若干長い円弧長とすれば良い。
【0023】
図3は図1の変形例であり、オス継手1とメス継手2との軸方向に当接する面に互いに係合する凹凸部8a,8bを設けて嵌合するように構成したものである。このように、オス継手1とメス継手2との凹凸部8a,8bを係合させて嵌合することにより、回転トルクを伝達出来る。他の構成は図1及び図2に示したと同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
【0024】
次に図4を用いて本発明に係る既製杭の継構造の第2実施形態の構成について説明する。図4(a)は本発明に係る既製杭の継構造の第2実施形態の構成を示す縦断面説明図、図4(b)は本発明に係る既製杭の継構造の第2実施形態の構成を示す横断面説明図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】
図3に示した実施形態では、オス継手1とメス継手2との軸方向に当接する面に互いに係合する凹凸部8a,8bを形成して嵌合させた一例であるが、本実施形態では、図4に示すように、オス継手1とメス継手2との径方向に対向する面に互いに係合する凹凸部8a,8bを形成して嵌合させたものである。
【0026】
本実施形態においても、オス継手1とメス継手2との凹凸部8a,8bを係合させて嵌合することにより、回転トルクを伝達出来る。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、簡単に接合出来、回転力の必要な場合は回転力を伝達し、且つ分解可能な既製杭の継構造を提供することが出来る。
【0028】
即ち、オス継手とメス継手とを嵌合させたときに形成される環状溝の中に該メス継手の本体部内周面に設けた円周溝に連通して設けた少なくとも1箇所の穴から小片を順次差し込むことにより、キーを形成し、オス継手とメス継手とを接合することが出来る。
【0029】
また、穴を蓋体により閉塞した場合には、その穴を着脱可能な蓋体により閉塞して環状溝内に土砂等が入るのを防止出来る。また、杭を引き抜くにあたり蓋体を取り外した穴から小片を取り外してキーを除去し、オス継手とメス継手との接合を解除することが出来る。
【0030】
また、オス継手とメス継手に互いに係合する凹凸部を設けて嵌合させた場合には、オス継手とメス継手との凹凸部を係合させて嵌合することにより、回転トルクを伝達出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る既製杭の継構造の第1実施形態の構成を示す縦断面説明図である。
【図2】(a)は本発明に係る既製杭の継構造の第1実施形態の構成を示す分解横断面図、(b)は第1実施形態においてメス継手の本体部内周面に設けた円周溝に連通して設けた穴の蓋体を除去した様子を示す正面図である。
【図3】図3は図1の変形例である。
【図4】(a)は本発明に係る既製杭の継構造の第2実施形態の構成を示す縦断面説明図、(b)は本発明に係る既製杭の継構造の第2実施形態の構成を示す横断面説明図である。
【符号の説明】
1…オス継手
1a…円周溝
1b…タップ孔
2…メス継手
2a…円周溝
3…環状溝
4a,4b…端版
5…小片
6…窓部
7…蓋体
8a,8b…凹凸部
9…ボルト
10…上杭
11…下杭
Claims (3)
- 杭端部に設けられたオス継手と、杭端部に設けられたメス継手とを嵌合させてなる杭の継構造において、前記オス継手の本体部外周面に設けた円周溝と、前記メス継手の本体部内周面に設けた円周溝とが合わされて環状溝が形成されてなるとともに、前記メス継手の円周溝に連通して設けた少なくとも1箇所の穴から前記環状溝の曲率に合う曲率を有する複数個の小片を順次差込んで該小片を円周状に連結させて一体化したキーを形成することにより前記オス継手と前記メス継手とを一体化したことを特徴とする既製杭の継構造。
- 前記穴を蓋体により閉塞したことを特徴とする請求項1に記載の既製杭の継構造。
- 前記オス継手と前記メス継手に互いに係合する凹凸部を設けて嵌合させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の既製杭の継構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003164865A JP2005002598A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 既製杭の継構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003164865A JP2005002598A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 既製杭の継構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005002598A true JP2005002598A (ja) | 2005-01-06 |
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ID=34091520
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JP2003164865A Pending JP2005002598A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 既製杭の継構造 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2005002598A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009052297A (ja) * | 2007-08-27 | 2009-03-12 | Mitani Sekisan Co Ltd | 既製杭の連結方法、連結構造 |
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