JP2003328222A - 失透性の改良された人工毛髪用繊維及びその製造方法 - Google Patents
失透性の改良された人工毛髪用繊維及びその製造方法Info
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Abstract
髪繊維において、高温多湿環境下での長期保存時や温水
処理でも失透しない品質の優れた繊維を提供すること。 【解決手段】 アクリロニトリルを35重量%以上含有
するアクリル系共重合体を主成分とし、繊維製造段階で
予め染料及び/又は顔料により着色されたアクリル系繊
維であって、単糸繊度が25〜75dtexで、且つ繊
維の80℃における動的粘弾性のtanδ値が0.3以
下である人工毛髪繊維。該繊維は、紡糸後水洗、乾燥及
び1.5倍以上の熱延伸後、125〜180℃の乾熱又
は湿熱で弛緩熱処理し、更に前熱処理より5℃以上高い
温度で且つ緊張状態で熱処理する事で得られる。
Description
ース、ブレード、エクステンションヘアー、人形用頭飾
等に用いられるアクリル系人工毛髪用繊維に関し、従来
のアクリル系毛髪用繊維に比べ、耐失透性に優れた新規
な人工毛髪用繊維及びその製造方法に関するものであ
る。
飾等に用いられる人工毛髪用繊維として、アクリル系繊
維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエ
ステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維等があ
るが、中でもアクリル系繊維は、触感、艶及びボリュー
ム感が人毛に良く似ており、且つ櫛通りが良いといった
長所を有している為、毛髪用繊維として非常に優れた特
性を具備している。この人毛ライクな特徴を生かして従
来から頭飾製品に幅広く利用されて来たが、一方で、人
工毛髪用に適した太い繊度のアクリル系繊維は、非常に
失透し易いという欠点が有る。さらに、頭飾用途の場合
には人毛に近づけるべく艶消し操作や色付け操作を施す
のが一般的で、例えば特公昭56−44164号や特開
昭56−309号、特開昭56−311号に記載されて
いる酢酸セルロースや酸化チタン、水酸化アルミニウム
等の金属化合物を添加して艶消し操作を行った場合は、
その添加剤の親水性などの影響で、繊維の凝固時にボイ
ドが形成され易い。又後染め加工による方法で繊維を着
色した場合は、染色時の沸騰水中で再びボイドが再発
し、その後の乾燥過程である程度ボイドは消失するもの
の、完全には消失しきれない。その結果長期に亘って高
温多湿下の環境に暴露された場合や、80℃程度の比較
的緩やかな温水処理であっても失透を引き起こし易く、
結果透明感が失われ、色相が変化するという問題があ
り、未だ十分満足のゆく繊維が得られていないのが現状
である。
失透し易かったアクリル系の人工毛髪用繊維の失透性の
問題を解決し、高温多湿環境下での長期保存時や80℃
程度の温水処理でも失透しない品質の優れた繊維を提供
するものである。
改良の為、鋭意検討の結果、アクリル系繊維の製造段階
で予め繊維を着色化し、更には、特定の熱処理を施す事
で動的粘弾性のtanδ値の小さい繊維を得る事が出
来、本発明に到達した。
重量%以上含有するアクリル系共重合体を主成分とし、
繊維製造段階で予め染料及び/又は顔料で着色されたア
クリル系合成繊維であって、単糸繊度が25〜75dt
exで、且つ80℃に於ける繊維の動的粘弾性のtan
δ値が0.3以下である人工毛髪用繊維に関する。
アクリル系共重合体100重量部に対して0.05〜5
重量部の割合で含有されている事が好ましく、あるいは
グリシジルメタクリレートの重合体又はその共重合体が
アクリル系共重合体100重量部に対し、0.2〜20
重量部の割合で含有されているのが好ましい。
量%以上含有するアクリル系共重合体を主成分とする樹
脂組成物を、染料及び/又は顔料により着色したもの
を、湿式紡糸し、水洗、乾燥し、その後、1.5倍以上
の熱延伸を施し、そして125〜180℃の乾熱又は湿
熱で弛緩熱処理後、前弛緩熱処理温度より5℃以上高い
温度で且つ緊張状態で更に熱処理する事を特徴とする人
工毛髪用繊維の製造方法に関する。その好ましい実施態
様としては、アクリル系共重合体が溶解された紡糸原液
中に、染料及び/又は顔料を添加して着色する上記製造
方法に関する。
は、アクリロニトリルを35重量%以上とアクリロニト
リルと共重合可能なビニル系単量体を含む共重合体であ
る。ここで共重合可能な単量体としては、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、臭化ビリル、臭化ビニリデン;アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、又はそれらのモノ又はジアルキ
ル置換体;スチレン若しくはスチレンのα,β置換体;
ビニルアセテート;ビニルピロリドン、ビニルピリジン
若しくはそれらのアルキル置換体;アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、パラスチレンスルホン酸、2・ア
クリルアミド−2−メチルプロピルスルホン酸、パラメ
タクリロイルオキシベンゼンスルホン酸、メタクリロイ
ルオキシプロピルスルホン酸若しくはこれらの金属塩若
しくはアミン塩等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
重合体は、アクリロニトリルを35重量%以上含有して
いる事が必要である。アクリロニトリルが35重量%未
満では繊維の耐熱性が低い為に、目的とする失透性の優
れたものが得られない。
し、更に紡糸後の熱処理工程で特定の条件で熱処理を施
す事で、繊維の動的粘弾性のtanδ値の小さい繊維を
得る所にある。
く事で、ボイドの再発の原因となる染色加工工程が不要
となり、又着色剤の存在による光散乱作用の影響等によ
り、高温多湿環境下での長期保存時や温水処理時でも色
相変化の少ない繊維が得られる。
剤は、紡糸原液に用いられる溶剤に可溶な染料を用いて
も良く、カーボン等の無機顔料や他の有機顔料を用いて
もよく、またそれらを組み合わせて使用しても良い。そ
の中でも、光散乱作用の大きい無機又は有機顔料を用い
るのが好ましい。顔料を用いる場合は、アクリル系共重
合体100重量部に対して0.05〜5重量部の割合で
含有させるのが好ましい。
手段としては、アクリル系共重合体に直接染料又は顔料
を添加してもよいし、共重合体を溶解した紡糸原液に添
加してもよいし、送液の工程で混合しても良い。また湿
式紡糸で糸条を形成後、浴槽内で着色しても良いが、よ
り安定した色相を得る為には、後述するように紡糸原液
に着色剤を添加して着色するのが好ましい。
値(E″)を繊維の粘性値(E′)で割った数値の事
で、tanδで表される。このtanδ値が大きくなる
程アクリル系重合体の分子鎖が動き易くなる事を意味
し、この数値が大きい程、温水又は沸騰水処理した時に
失透を引き起こし易くなると考えられる。
コー電子製SSC/5200)を使い、振動数0.05
Hz,荷重2g±1g,昇温速度2℃/minの条件下
により測定されるものである。
nδが0.3を越えると繊維が失透し易く、それ以下で
は極めて失透しにくくなる事が見い出された。動的粘弾
性のtanδが0.3以下の繊維は、後述する特定の熱
処理を施す事によって得られるが、他の方法で得られた
ものであっても構わない。
〜75dtexである。繊度が25dtex未満である
と軟らか過ぎて腰がなく、頭飾製品として好ましくな
く、一方、75dtexを超えると繊維が剛直となり、
繊維の触感を著しく低下させる。適切な繊度を有する事
が重要で、好ましくは、30〜70dtexが良い。
ート重合体又はその共重合体を、上記アクリル系共重合
体100重量部に対して、0.2〜20重量部の割合で
含有させるのが、失透防止の面で好ましい。0.2重量
%未満では失透改良効果が少なく、20重量%を超える
と、頭髪用繊維としての性能が薄れるばかりでなく、コ
ストも高くなり、好ましくない。これらグリシジルメタ
クリレート重合体又はその共重合体は、紡糸原液に添加
するのが好ましいが、それに限定されるものではない。
ここで、グリシジルメタクリレートの共重合体を用いる
場合、その共重合成分は特に限定されないが、メタアク
リル酸やメチルメタクリル酸等が挙げられる。
は、アクリル系重合体を溶解する溶剤で溶解された紡糸
原液に対し、攪拌混合によって混合しても良いし、送液
の工程で静止型ラインミキサーにて混合しても良い。ま
た湿式紡糸で糸条を形成後、浴槽内で着色しても良い
が、より安定した色相を得る為には、紡糸原液に着色剤
を添加して着色するのが好ましい。
ついて説明する。
は、通常知られているビニル系単量体の重合方法であれ
ば何れでも良い。例えば、懸濁重合法や溶液重合法、乳
化重合法等を挙げる事が出来る。
クリル系共重合体を主成分としその他の樹脂成分や添加
剤を混合した樹脂組成物を溶解して紡糸原液を調整す
る。ここで、紡糸原液に使用される溶剤としては、例え
ば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル等を使
う事が出来る。
れば高い程、凝固時のボイド形成が少なくなり好ましい
が、通常その濃度は25〜35重量%が現実的である。
して使用しても良いが、通常は光沢を調整して人毛光沢
に近づける為、艶消し剤を添加する。使用する艶消し剤
としては、酸化チタン及び水酸化アルミ、酸化アルミ、
酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属化合
物や酢酸セルロース等のセルロース誘導体等を用いる事
が出来る。又必要に応じて失透を損なわない他の添加剤
を添加しても差しつかえない。他の添加剤としては、例
えば、着色安定剤、光安定剤、難燃剤、防錆剤、制電
剤、抗菌剤等を挙げる事が出来る。
色化する手段のひとつとして、この紡糸原液中に、染料
又は顔料を添加して着色するのが好ましく、染料又は顔
料は攪拌混合によって混合しても良いし、送液の工程で
静止型ラインミキサーにて混合しても良い。
の湿式法により紡糸される。紡糸口金より凝固浴中に導
き糸条を形成させ、次いで一般的な条件で、水洗、延
伸、乾燥する。
される。具体的には、1.5倍以上の熱延伸を施し、そ
して125〜180℃の乾熱又は湿熱で弛緩熱処理後、
前弛緩熱処理温度より5℃以上高い温度で且つ緊張状態
で更に熱処理する。
を施す事により、動的粘弾性の小さい繊維が得られる。
特に、125〜180℃の乾熱又は湿熱雰囲気下で通常
の弛緩熱処理を施した後、更に前弛緩熱処理より5℃以
上高い温度で、しかも緊張状態で2段熱処理するという
工程が重要である。一方、熱処理温度が125℃未満の
ものや1段階の弛緩熱処理のみの場合は、動的粘弾性の
tanδ値も大きく、耐失透性の優れた繊維は得られ
ず、目的とする繊維は得難い。又熱処理温度が180℃
を超えると、繊維の融着等の問題が発生する為好ましく
ない。
するが、本発明は何らこれらに限定されるものではな
い。実施例の記載に先立ち、失透性の評価方法について
説明する。失透性評価は高温多湿環境下を想定したヒュ
ーミディティーテストと80℃温水処理テストの2通り
を行った。
較例で得られた繊維を用いて、長さ10cm、重さ5g
の繊維束を作成し、50℃、湿度80%の条件下で加熱
加湿器(TABAI製ヒューミディティーキャビネッ
ト)内で2ヶ月間吊るし、処理前の繊維と比較して視覚
的観点から5名の判定者による官能的評価を行い、以下
の基準で変色度合いを評価した。 5級:全く変色なく、極めて良好 4級:殆ど変色なく良好 3級:僅かに変色が認められるが合格レベル 2級:未処理品と比べて変色あり 1級:変色度合いが極めて著しい (温水処理テスト)実施例や比較例で得られた繊維を用
いて、長さ10cm、重さ5gの繊維束を作成し、80
℃の温水ポット中に30分間浸漬し、50℃で2時間乾
燥後、処理前の繊維束と比較して視覚的観点から5名の
判定者による官能的評価を行い、上記基準に従いランク
付けした。
%、塩化ビニリデン47重量%、スチレンスルホン酸ソ
ーダー1重量%からなるアクリル系共重合体を、アセト
ンに樹脂濃度で28重量%になるよう溶解し、次いでこ
の紡糸原液に、アクリル系共重合体100重量部に対
し、ポリグリシジルメタクリレート1重量部、及び0.
23重量部の液体タイプのイエロー染料(Cathil
on Yellow RLH)及び0.03重量部の液
体タイプのレッド染料(Cathilon Red T
-BLH)及び0.04重量部の液体タイプのブルー染
料(Cathilon BlueT-BLH)を添加、
混合して紡糸原液を作成した。この紡糸原液をノズル孔
径0.4mm、孔数100ホールズのノズルを用いて、2
0重量%のアセトン水溶液中へ押出し、水洗しながら
1.6倍に延伸し、ゲル膨潤糸条を得た。次いで120
℃の乾燥温度で乾燥させた後、2.5倍で熱延伸後、1
50℃の乾熱雰囲気下で0.9倍の弛緩熱処理を行い、
更に160℃の乾熱雰囲下で、且つ緊張状態で2段熱処
理を行った。
糸繊度は45dtexであった。又この繊維の80℃に
於ける動的粘弾性のtanδ値は0.26であった。
艶消し剤である酢酸セルロースをアクリル系共重合体1
00重量部に対して1重量部の割合で添加混合した紡糸
原液を作成し、以降実施例1と同様の方法で繊維を作成
した。
のtanδ値は0.26であった。
%、塩化ビニリデン47重量%、スチレンスルホン酸ソ
ーダー1重量%からなるアクリル系共重合体を、アセト
ンに樹脂濃度で28重量%になるよう溶解し、次いでこ
の紡糸原液に、アクリル系共重合体100重量部に対
し、ポリグリシジルメタクリレート1重量部、及び酢酸
セルロース1重量部及び0.3重量部のカーボンブラッ
ク及び0.3重量部の液体タイプのイエロー染料(Ca
thilonYellow RLH)及び0.1重量部
の液体タイプのレッド染料(CathilonRed
T-BLH)を添加、混合して紡糸原液を作成した。こ
の紡糸原液をノズル孔径0.4mm、孔数100ホールズ
のノズルを用いて、20重量%のアセトン水溶液中へ押
出し、水洗しながら1.6倍に延伸し、ゲル膨潤糸条を
得た。次いで120℃の乾燥温度で乾燥させた後2.5
倍で熱延伸後、150℃の乾熱雰囲気下で0.9倍の弛
緩熱処理を行い、更に160℃の乾熱雰囲下で、且つ緊
張状態で2段熱処理を行った。
糸繊度は45dtexであった。又この繊維の80℃に
於ける動的粘弾性値のtanδ値は0.26であった。
%、塩化ビニル47重量%、スチレンスルホン酸ソーダ
ー1重量%からなるアクリル系共重合体を、アセトンに
樹脂濃度で28重量%になるよう溶解し、次いでこの紡
糸原液に、アクリル系共重合体100重量部に対し、ポ
リグリシジルメタクリレート1重量部、及び酢酸セルロ
ース1重量部及び0.3重量部のカーボンブラックと
0.2重量部の不溶性モノアゾ系有機顔料(C.I.Pi
gmentYellow128、C.I.Pigment
Red208:Ciba-Geigy社製)を添加、混
合して紡糸原液を作成した。
100ホールズのノズルを用いて、20重量%のアセト
ン水溶液中へ押出し、水洗しながら1.6倍に延伸し、
ゲル膨潤糸条を得た。次いで120℃の乾燥温度で乾燥
させた後2.5倍で熱延伸後、150℃の乾熱雰囲気下
で0.9倍の弛緩熱処理を行い、更に160℃の乾熱雰
囲下で、且つ緊張状態で2段熱処理を行った。
糸繊度は45dtexであった。又この繊維の80℃に
於ける動的粘弾性値のtanδ値は0.26であった。
%、塩化ビニリデン41重量%、スチレンスルホン酸ソ
ーダー1重量%よりなるアクリル系共重合体を、DMF
(N,Nジメチルホルムアミド)に樹脂濃度で26重量
%になるよう溶解し、次いでこの紡糸原液に、実施例3
と同様の方法及び割合で酢酸セルロース及び着色剤を添
加、混合して紡糸原液を作成した。この紡糸原液をノズ
ル孔径0.35mm、孔数100ホールズのノズルを用い
て50重量%のDMF水溶液中に押出し、水洗しながら
2倍に延伸し、ゲル膨潤糸条を得た。次いで120℃の
乾燥温度で乾燥させた後2倍で熱延伸後、165℃の飽
和水蒸気雰囲気下で0.85倍の弛緩熱処理を行い、更
に180℃の飽和水蒸気雰囲下で、且つ緊張状態で2段
熱処理を行った。
し、単糸繊度は55dtexであった。又この繊維の8
0℃に於ける動的粘弾性値のtanδ値は0.19であ
った。
%、塩化ビニル29重量%、スチレンスルホン酸ソーダ
ー1重量%よりなるアクリル系共重合体をDMAc(ジ
メチルアセトアミド)に樹脂濃度で27重量%になるよ
う溶解し、次いでこの紡糸原液に、実施例1と同様の方
法及び割合で着色剤を添加し、更に酢酸セルロース1重
量部を添加、混合して紡糸原液を作成した。この原液を
ノズル孔径0.35mm、孔数100ホールズのノズルを
用いて55重量%のDMAc水溶液中に押出し、水洗し
ながら2倍に延伸し、ゲル膨潤糸条を得た。次いで12
0℃の乾燥温度で乾燥させた後2倍で熱延伸後、125
℃の加圧水蒸気雰囲気下で0.75倍の弛緩熱処理を行
い、更に125℃の加圧水蒸気雰囲下で、且つ緊張状態
で2段熱処理を行った。
し、単糸繊度は60dtexであった。又この繊維の8
0℃に於ける動的粘弾性値のtanδ値は0.13であ
った。
%、塩化ビニリデン47重量%、スチレンスルホン酸ソ
ーダー1重量%からなるアクリル系共重合体を、アセト
ンに樹脂濃度で28重量%になるよう溶解し、紡糸原液
を作成した。この紡糸原液を用いて、実施例1と同様の
方法で、ノズル孔径0.4mm、孔数100ホールズのノ
ズルを用いて、20重量%のアセトン水溶液中へ押出
し、水洗しながら1.6倍に延伸し、ゲル膨潤糸条を得
た。次いで120℃の乾燥温度で乾燥させた後2.5倍
で熱延伸後、150℃の乾熱雰囲気下で0.9倍の弛緩
熱処理を行った。次いでこの繊維を下記方法で紡糸後に
後染め加工により着色した。
ilon Yellow 2RL0.55%owf、M
axilon Red GRL0.25%owf、Ma
xilon Blue GRL0.30%owf:何れ
もCiba−Geigy社製)と助剤として、酢酸及び
酢酸ナトリウム及び陰イオン系分散剤2%owf(Le
venolWX:花王社製)、促染剤0.4%owf
(ラウリル硫酸ナトリウム)を用い、浴比1:25で1
時間常圧沸騰させ、水洗、乾燥後、こげ茶色の色相を有
する繊維を得た。
で、動的粘弾性値のtanδ値は0.35であった。
%、塩化ビニリデン41重量%、スチレンスルホン酸ソ
ーダー1重量%よりなるアクリル系共重合体を、DMF
(N,Nジメチルホルムアミド)に樹脂濃度で26重量
%になるよう溶解し、次いでこの紡糸原液に、酢酸セル
ロースをアクリル系共重合体100重量部に対して1重
量部の割合で添加、混合して紡糸原液を作成した。この
紡糸原液をノズル孔径0.35mm、孔数100ホールズ
のノズルを用いて50重量%のDMF水溶液中に押出
し、水洗しながら2倍に延伸し、ゲル膨潤糸条を得た。
次いで120℃の乾燥温度で乾燥させた後2倍で熱延伸
後、160℃の飽和水蒸気雰囲気下で0.85倍の弛緩
熱処理を行った。次いでこの繊維を比較例1と同様の処
方、方法で紡糸後に後染め加工により着色し、試料を作
成した。
し、単糸繊度は55dtexであった。又この繊維の8
0℃に於ける動的粘弾性値のtanδ値は0.32であ
った。
%、塩化ビニリデン47重量%、スチレンスルホン酸ソ
ーダー1重量%からなるアクリル系共重合体を、アセト
ンに樹脂濃度で28重量%になるよう溶解し、次いでこ
の紡糸原液に、アクリル系共重合体100重量部に対し
て、酢酸セルロース1重量部及び0.23重量部の液体
タイプのイエロー染料(Cathilon Yello
w RLH)及び0.03重量部の液体タイプのレッド
染料(Cathilon Red T-BLH)及び
0.04重量部の液体タイプのブルー染料(Cathi
lon Blue T-BLH)を添加、混合して紡糸
原液を作成した。この紡糸原液をノズル孔径0.4mm、
孔数100ホールズのノズルを用いて、20重量%のア
セトン水溶液中へ押出し、水洗しながら1.6倍に延伸
し、ゲル膨潤糸条を得た。次いで120℃の乾燥温度で
乾燥させた後2.5倍で熱延伸後、120℃の乾熱雰囲
気下で0.95倍の弛緩熱処理を行った。
糸繊度は45dtexであった。又この繊維の80℃に
於ける動的粘弾性値のtanδ値は0.42であった。
1に示す。
紡糸後特定の熱処理を施すことによって、動的粘弾性の
tanδ値が0.3以下の繊維が得られること、そして
この繊維は、高温多湿下を想定したヒューミディティ−
テスト後や80℃温水処理後の変色度合が少なく、耐失
透性に優れる事が判る。一方、比較例1〜3に示した様
に、後染め加工により着色したものや、動的粘弾性のt
anδ値が0.3を超える繊維に於いては、ヒューミデ
ィティ−テスト後及び80℃温水処理後の変色度合が大
きく、失透性が劣る結果となった。
なアクリル系本来の特徴を保持しながら、耐失透性に優
れた繊維であり、かつら、ヘアーピース、ブレード、エ
クステンションヘアー、人形用頭飾等として広範囲に利
用する事が出来る。
Claims (5)
- 【請求項1】 アクリロニトリルを35重量%以上含有
するアクリル系共重合体を主成分とし、繊維製造段階で
予め染料及び/又は顔料で着色されたアクリル系合成繊
維であって、単糸繊度が25〜75dtexで、且つ8
0℃に於ける繊維の動的粘弾性のtanδ値が0.3以
下である人工毛髪用繊維。 - 【請求項2】 顔料が、アクリル系共重合体100重量
部に対して、0.05〜5重量部の割合で含有されてい
る請求項1記載の人工毛髪用繊維。 - 【請求項3】 グリシジルメタクリレートの重合体又は
その共重合体が、アクリル系共重合体100重量部に対
して、0.2〜20重量部の割合で含有されている、請
求項1又は2記載の人工毛髪用繊維。 - 【請求項4】 アクリロニトリルを35重量%以上含有
するアクリル系共重合体を主成分とする樹脂組成物を染
料及び/又は顔料により着色したものを、湿式紡糸し、
水洗、乾燥処理し、その後、1.5倍以上の熱延伸を施
し、そして125〜180℃の乾熱又は湿熱で弛緩熱処
理後、前弛緩熱処理温度より5℃以上高い温度で且つ緊
張状態で更に熱処理する事を特徴とする人工毛髪用繊維
の製造方法。 - 【請求項5】 アクリル系共重合体が溶解された紡糸原
液中に、染料及び/又は顔料を添加して着色する、請求
項4記載の人工毛髪用繊維の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2002127884A JP4128024B2 (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | 失透性の改良された人工毛髪用繊維及びその製造方法 |
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JP2002127884A JP4128024B2 (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | 失透性の改良された人工毛髪用繊維及びその製造方法 |
Publications (2)
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JP2003328222A true JP2003328222A (ja) | 2003-11-19 |
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JP (1) | JP4128024B2 (ja) |
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