JP2003328119A - スパッタカソード - Google Patents

スパッタカソード

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JP2003328119A
JP2003328119A JP2002138428A JP2002138428A JP2003328119A JP 2003328119 A JP2003328119 A JP 2003328119A JP 2002138428 A JP2002138428 A JP 2002138428A JP 2002138428 A JP2002138428 A JP 2002138428A JP 2003328119 A JP2003328119 A JP 2003328119A
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target
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magnetic circuit
plate
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JP2002138428A
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Hideyuki Odagi
秀幸 小田木
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Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターゲットの交換作業の簡素化を図り、ま
た、大型ターゲットの運搬、保管、交換等を容易に行う
ことができるスパッタカソードを提供すること。 【解決手段】 表面にターゲット22を固定したバッキ
ングプレート23を支持するカソード本体24に対し、
バッキングプレート23の裏面側と磁気回路部25との
間を気密に遮蔽する仕切板34を設けることにより、バ
ッキングプレート23とカソード本体24との間に気密
性確保のための密封部材が不要となり、したがって、カ
ソード本体に対するバッキングプレート23の取り付け
用ボルト部材30の本数の低減が図られ、もって、ター
ゲット22の交換作業の簡易化が図られる。また、ター
ゲット22の分割も可能となり、これにより、ターゲッ
トが大型であってもこれを分割して、運搬、保管、交換
等を容易に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜用スパッタ装
置に用いられるスパッタカソードに関し、更に詳しく
は、カソード本体にターゲット(バッキングプレート)
と磁気回路部との間を気密に遮蔽する仕切板を設けるこ
とにより、ターゲットの交換作業を簡易化することがで
きるスパッタカソードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体ウェーハや液晶パネル
等の被処理基板表面に薄膜を形成する装置としてスパッ
タ装置が知られている。スパッタ装置には種々の方式が
あり、例えばマグネトロンスパッタ装置は、電場と磁場
とを直交するように配置し、ターゲット近くでの加速電
子による電離効率を上げて成膜速度を高めたものであ
る。ターゲットは、被処理基板に対向して配置されたス
パッタカソードに設けられている。このスパッタカソー
ドの構成の一例を、図8〜図10を参照して以下に説明
する。
【0003】ここで、図8Aは従来のスパッタカソード
の全体斜視図、図8Bはそのターゲットとカソード本体
との関係を示す分解斜視図、図9は図8Aにおける断面
P部の詳細図、図10は図8Aにおける断面Q部の詳細
図である。
【0004】従来のスパッタカソード1は略直方形状を
呈しており、長方形状のターゲット2を表面に固定した
バッキングプレート3が、複数本のボルト部材10を介
してカソード本体4に取り付けられている。カソード本
体4の中央部には、両面が開放された空所4aが形成さ
れており、この空所4a内にはターゲット2上に所定の
分布磁場を形成するための磁気回路部5が配置されてい
る。本従来例における磁気回路部5は、ヨークプレート
11上に配列された中央部永久磁石5Aとこれを囲む外
周部永久磁石5Bとで構成されている。
【0005】カソード本体4は、真空チャンバのカソー
ド取付フランジ9に対して絶縁板6を介して複数本のボ
ルト部材12により取り付けられている。カソード取付
フランジ9に固定されたカソード本体4およびこれに支
持されるバッキングプレート3は、ターゲット2を外部
へ露出させるための開口7aが設けられたグラウンドシ
ールド7により覆われている。また、図中符号13はバ
ッキングプレート3内を冷却水が循環するための循環通
路、8aおよび8bはそれぞれ循環通路13に密封部材
18を介して接続される冷却水の導入用および導出用配
管である。なお、上述の構成のスパッタカソードを開示
した従来技術として、例えば特開平6−93441号公
報に記載のスパッタカソードがある。
【0006】さて、上述した従来のスパッタカソード1
においては、真空チャンバ内に設置されると、バッキン
グプレート3は真空チャンバの内部と外部とを隔絶する
隔壁として機能する。したがって、スパッタカソード1
の内外を気密に遮蔽するために、カソード本体4とカソ
ード取付フランジ9との間に密封部材15,16を装着
するとともに、カソード本体4とバッキングプレート3
との間に密封部材17を装着している。このため、カソ
ード本体4とカソード取付フランジ9とを結合するボル
ト部材12はもちろん、バッキングプレート3とカソー
ド本体4とを結合するボルト部材10もまた、所定の気
密性(シール性)を確保するために、複数本用意される
必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ターゲット
2は被処理基板の処理枚数に応じて消耗するので、ター
ゲット2を定期的に交換する必要がある。ターゲット2
の交換作業は、これと一体的なバッキングプレート3と
同時に交換する必要があるために、ターゲット2の交換
時は常にこれら複数本のボルト部材10の取り外し/取
り付け作業を伴うことになる。これにより、従来のスパ
ッタカソード1の構成によれば、ターゲット2の交換作
業が非常に煩雑であり、作業時間も長いという問題があ
る。
【0008】また、従来のスパッタカソードの構成で
は、ターゲット2の面積が大きくなると、その運搬、保
管、交換等が容易に行えないという問題がある。
【0009】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、ター
ゲットの交換作業の簡素化を図り、また、大型ターゲッ
トの運搬、保管、交換等を容易に行うことができるスパ
ッタカソードを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するに
当たり、本発明は、表面にターゲットが固定されたバッ
キングプレートと、前記バッキングプレートの裏面側に
対向して配置され前記ターゲット上に所定の分布磁場を
形成する磁気回路部と、前記磁気回路部の外周囲に配置
され前記バッキングプレートを着脱自在に支持するカソ
ード本体とを備えたスパッタカソードにおいて、前記カ
ソード本体に対し、前記バッキングプレートの裏面側と
前記磁気回路部との間を気密に遮蔽する仕切板が設けら
れていることを特徴とするスパッタカソード、によって
解決される。
【0011】本発明のスパッタカソードによれば、カソ
ード本体にはバッキングプレートの裏面側と磁気回路部
との間を気密に遮蔽する仕切板が設けられているので、
バッキングプレートとカソード本体との結合部に密封部
材を配置する必要がなくなる。したがって、例えば、こ
のカソード本体に対してバッキングプレート(ターゲッ
ト)をボルト部材を用いて取り付ける場合には、従来に
比べて少ない本数のボルト部材で済ませることが可能と
なる。これにより、ターゲットの交換作業が簡素化さ
れ、作業時間も短くできる。
【0012】また、本発明のスパッタカソードは、バッ
キングプレートの裏面側と磁気回路部との間を気密に遮
蔽する仕切板を有しているので、ターゲットが大型であ
ってもこれを複数の個片に分割して構成することが可能
となり、これにより、当該ターゲットの運搬、保管、交
換等を容易に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0014】(第1の実施の形態)図1から図3は、本
発明の第1の実施の形態によるスパッタカソードの構成
を示している。本実施の形態のスパッタカソード21
は、図1Aに示すように略直方形状を呈し、マグネトロ
ンスパッタ装置用のスパッタカソードとして適用され
る。なお、図2は図1Aにおける断面R部の詳細図、図
3は図1Aにおける断面S部の詳細図である。
【0015】スパッタカソード21は、表面にターゲッ
ト22が固定されたバッキングプレート23と、バッキ
ングプレート23の裏面側に対向して配置される磁気回
路部25と、磁気回路部25の外周囲に配置され、バッ
キングプレート23を着脱自在に支持するカソード本体
24とを備えている。
【0016】ターゲット22は、図1Bに示すように長
方形状を呈し、同じく長方形状のバッキングプレート2
3の表面に一体的に固定されている。バッキングプレー
ト23は、カソード本体24に対して着脱自在に取り付
けられている。
【0017】本実施の形態では、バッキングプレート2
3およびカソード本体24に対してそれぞれボルト挿通
孔23hおよびボルト取付孔24hが6箇所ずつ設けら
れている。したがって、これらの孔23h,24hに対
して6本のボルト部材30が装着されることによりバッ
キングプレート23とカソード本体24とが互いに結合
され、ボルト部材30が取り外されることによりバッキ
ングプレート23とカソード本体24とが互いに分離さ
れる。なお、ボルト部材30の本数は6本に限らず、バ
ッキングプレート23の形状、大きさ等に応じて適宜選
択される。
【0018】次に、図2および図3を参照して、カソー
ド本体24の中央部には有底の凹所24aが形成されて
おり、この凹所24a内にはターゲット22上に所定の
分布磁場を形成するための磁気回路部25が配置されて
いる。本実施の形態における磁気回路部25は、ヨーク
プレート31上に配列された中央部永久磁石25Aとこ
れを囲む外周部永久磁石25Bとで構成されているが、
勿論この構成だけに限られない。カソード本体24は、
真空チャンバ内のカソード取付フランジ29に対し、環
状の絶縁板26を介して複数本のボルト部材32を用い
て取り付けられている。
【0019】カソード本体24の凹所24aの底部に相
当する平板部は、本発明に係る仕切板34として構成さ
れている。仕切板34は、本実施の形態ではカソード本
体24と同一の構成材料(例えばSUS304等のオー
ステナイト系ステンレス鋼といった非磁性材料)で一体
的に構成されている。
【0020】仕切板34は、バッキングプレート23の
裏面側と磁気回路部25との間を気密に遮蔽する機能を
有している。これらバッキングプレート23の裏面側と
磁気回路部25との間の気密性は、カソード本体24と
絶縁板26との間に配置される環状の密封部材35、お
よび、絶縁板26とカソード取付フランジ29との間に
配置される環状の密封部材36によって確保される。
【0021】カソード本体24およびこれに支持される
バッキングプレート23は、ターゲット22を外部へ露
出させるための開口27aが形成されたグラウンドシー
ルド27により覆われている。グラウンドシールド27
は、公知のようにターゲット22以外の部分における放
電を抑えるためのもので、カソード取付フランジ29に
対して複数本のボルト部材37によって固定されてい
る。
【0022】図3に示すように、カソード本体24に
は、密封部材39を介して冷却水の導入用および導出用
配管28a(28b)が取り付けられている。配管28
a(28b)は、カソード本体24の内部に形成された
通孔38を介して、バッキングプレート23内部の循環
通路33に接続されている。この循環通路33を冷却水
が循環することにより、ターゲット22およびバッキン
グプレート23の所定の冷却作用が行われる。なお符号
40は、バッキングプレート23とカソード本体24と
の間を液密に区画するための密封部材である。
【0023】以上のように構成される本実施の形態のス
パッタカソード21は、真空チャンバ内に設置される
と、カソード本体24と仕切板34とが真空チャンバの
内部と外部とを隔絶する隔壁として機能する。また、成
膜時は、磁気回路部25によりターゲット22表面近傍
の空間に湾曲した所定の分布磁場が形成され、その磁場
の作用によってターゲット22表面近傍の空間にマグネ
トロン放電による高密度のプラズマが形成されて、プラ
ズマ中のイオンがターゲット22をスパッタする。ター
ゲット表面から飛び出したスパッタ粒子は、対向して配
置される被処理基板の表面に堆積し、これにより被処理
基板の表面に薄膜が形成される。
【0024】被処理基板の処理枚数が増加するに従っ
て、ターゲット22の表面には所定のエロージョン(浸
食)分布が形成される。エロージョンが所定以上に進む
と膜厚分布の変動等が生じ、所望の成膜処理を行えなく
なるので、ターゲット22は定期的に交換される必要が
ある。ターゲット22の交換は、ボルト部材30を取り
外してバッキングプレート22をカソード本体24から
分離することによって行われる。
【0025】そこで、本実施の形態では、カソード本体
24に対して、バッキングプレート23の裏面(ターゲ
ット22の固定面とは反対側の面)側と磁気回路部25
との間を気密に遮蔽する仕切板34が設けられているの
で、図9および図10を参照して説明した従来のスパッ
タカソードの構成において必要とされていたバッキング
プレートとカソード本体との間を密封する密封部材は不
要になり、その結果、バッキングプレート23とカソー
ド本体24との間の取り付けを、従来よりも少ない本数
のボルト部材30によって行うことが可能となる。より
具体的には、従来では20本必要とされていたボルト部
材の本数を、本実施の形態では6本で十分となる(図1
Bおよび図8B参照)。
【0026】したがって本実施の形態によれば、バッキ
ングプレート23とカソード本体24とを結合するボル
ト部材30の本数が従来よりも少ないために、ターゲッ
ト22の交換作業が簡素化され、また、その作業時間も
大幅に短縮することができる。これにより、装置の生産
性の向上が図られる。
【0027】(第2の実施の形態)図4は、本発明の第
2の実施の形態を示しており、本発明のスパッタカソー
ドを構成するターゲット42、バッキングプレート43
およびカソード本体44の関係を示す分解斜視図であ
る。ターゲット42とバッキングプレート43とからな
る構成体は、複数に分割された個片の集合体で構成され
ている。特に本実施の形態では、上記構成体が、ターゲ
ット42Aとバッキングプレート43Aとでなる個片4
6Aと、ターゲット42Bとバッキングプレート43B
とでなる個片46Bといった2つの分割片の集合体で構
成されている。これらの個片46A,46Bは、カソー
ド本体44に着脱自在に取り付けられている。
【0028】本実施の形態では、バッキングプレート4
3(43A,43B)およびカソード本体44に対し、
それぞれボルト挿通孔43hおよびボルト取付孔44h
が複数箇所ずつ設けられている。したがって、これらの
孔43h,44hに対して計10本のボルト部材30が
装着されることによりバッキングプレート43A,43
Bとカソード本体44とが互いに結合され、ボルト部材
30が取り外されることによりバッキングプレート43
A,43Bとカソード本体44とが互いに分離される。
【0029】なお、ボルト部材30の本数は勿論、上記
に限られず、バッキングプレート43の形状、大きさ等
に応じて適宜選択される。また、図中符号48は、カソ
ード本体44に形成される冷却水導入・導出用の通孔で
ある。
【0030】カソード本体44の上面を形成する平面部
は、本発明に係る仕切板45を構成している。仕切板4
5は、カソード本体44と同一の材料(例えばSUS3
04等のオーステナイト系ステンレス鋼といった非磁性
材料)で一体的に形成され、バッキングプレート43
A,43Bの裏面(ターゲット42A,42Bの固定面
とは反対側の面)側と、カソード本体44の内部の磁気
回路部(図示略)との間を気密に遮蔽している。
【0031】バッキングプレート43Aとバッキングプ
レート43Bとは、カソード本体44(仕切板45)上
に取り付けられたときに互いに整列して、見かけ上、一
枚の長方形状のバッキングプレート43を構成する。同
様に、ターゲット42Aとターゲット42Bとは、カソ
ード本体44(仕切板45)上に取り付けられたときに
互いに整列して、見かけ上、一枚の長方形状のターゲッ
ト42を構成する。
【0032】なお、これらターゲット42A,42B、
バッキングプレート43A,43Bおよびカソード本体
44以外の構成要素(磁気回路部、グラウンドシールド
等)については、上述の第1の実施の形態と同様な構成
を有しているので、その詳細な説明は省略するものとす
る。
【0033】以上のように構成される本実施の形態によ
れば、カソード本体44に上記構成の仕切板45が設け
られているので、上述の第1の実施の形態と同様に、従
来よりも少ない本数のボルト部材30によってバッキン
グプレート43とカソード本体44との間の取り付けを
行うことができる。これにより、ターゲット42の交換
作業が簡素化され、また、その作業時間も大幅に短縮す
ることができる。
【0034】また、本実施の形態によれば、カソード本
体44に上記構成の仕切板45が設けられているので、
ターゲット42およびバッキングプレート43からなる
構成体を図示するように例えばこれらの長辺方向と垂直
な分割線を境に分割された2つの個片46Aおよび46
Bで構成することが可能となる。これにより、ターゲッ
ト42が大型なものであってもこれを複数に分割して、
ターゲット42の運搬、保管、交換等を容易に行うこと
が可能となる。
【0035】(第3の実施の形態)図5および図6は、
本発明の第3の実施の形態を示している。なお、図6
は、図5において断面T部の詳細図である。本実施の形
態のスパッタカソード51は、表面にターゲット52が
固定されたバッキングプレート53と、バッキングプレ
ート53の裏面側に対向して配置される磁気回路部55
と、磁気回路部55の外周囲に配置され、バッキングプ
レート53を着脱自在に支持するカソード本体54とを
備えている。
【0036】ターゲット52は、図5Bに示すように幅
広の長方形状を呈し、同じく長方形状のバッキングプレ
ート53の表面側に一体的に固定されている。本実施の
形態では、ターゲット52およびバッキングプレート5
3はともに、これらの長辺方向に平行な分割線でほぼ2
等分されたターゲット52A,52Bおよびバッキング
プレート53A,53Bで構成される。また、ターゲッ
ト52とバッキングプレート53とからなる構成体が、
ターゲット52Aとバッキングプレート53Aとでなる
個片50Aと、ターゲット52Bとバッキングプレート
53Bとでなる個片50Bといった2つの分割片の集合
体で構成されている。これらの個片50A,50Bは、
カソード本体54に着脱自在に取り付けられている。
【0037】本実施の形態では、バッキングプレート5
3A,53Bおよびカソード本体54に対し、それぞれ
ボルト挿通孔53hおよびボルト取付孔54hが複数箇
所ずつ設けられている。したがって、これらの孔53
h、54hに対して計12本のボルト部材30が装着さ
れることによりバッキングプレート53A,53Bとカ
ソード本体54とが互いに結合され、ボルト部材30が
取り外されることによりバッキングプレート53A,5
3Bとカソード本体54とが互いに分離される。なお、
ボルト部材30の本数はもちろん上記に限られず、バッ
キングプレート53の形状、大きさ等に応じて適宜選択
される。
【0038】バッキングプレート53Aとバッキングプ
レート53Bとは、カソード本体54上に取り付けられ
たときに互いに整列して、見かけ上、一枚の長方形状の
バッキングプレート53を構成する。同様に、ターゲッ
ト52Aとターゲット52Bとは、カソード本体54上
に取り付けられたときに互いに整列して、見かけ上、一
枚の長方形状のターゲット52を構成する。
【0039】次に、図6を参照して、カソード本体54
の中央部には有底の凹所54aが形成されており、この
凹所54a内にはターゲット52上に所定の分布磁場を
形成するための磁気回路部55が配置されている。本実
施の形態における磁気回路部55は、ヨークプレート6
1上に配列された中央部永久磁石55Aとこれを囲む外
周部永久磁石55Bとで構成されているが、勿論この構
成だけに限られない。カソード本体54は、真空チャン
バ内のカソード取付フランジ59に対し、環状の絶縁板
56を介して複数本のボルト部材62を用いて取り付け
られている。
【0040】磁気回路部55は、図6において矢印Aで
示すように、カソード本体54の凹所54aの内部にお
いてターゲット52の短辺方向に平行に移動可能に構成
されることによって、ターゲット52A(個片50A)
およびターゲット52B(個片50B)の直下部に配置
可能となっている。
【0041】カソード本体54の凹所54aの底部に相
当する平板部は、本発明に係る仕切板64として構成さ
れている。仕切板64は、上述の各実施の形態と同様、
カソード本体54と同一の材料(例えばSUS304等
のオーステナイト系ステンレス鋼といった非磁性材料)
で一体的に構成されている。
【0042】仕切板64は、バッキングプレート53の
裏面側と磁気回路部55との間を気密に遮蔽する機能を
有している。これらバッキングプレート53の裏面側と
磁気回路部55との間の気密性は、カソード本体54と
絶縁板56との間に配置される環状の密封部材65、お
よび、絶縁板56とカソード取付フランジ59との間に
配置される環状の密封部材56によって確保されてい
る。
【0043】カソード本体54およびこれに支持される
バッキングプレート53は、ターゲット52を外部へ露
出させるための開口57aが設けられたグラウンドシー
ルド57により覆われている。グラウンドシールド57
は、カソード取付フランジ59に対して複数本のボルト
部材によって固定されている。
【0044】なお、バッキングプレート53A,53B
の内部には、それぞれ冷却水が循環するための循環通路
63,63が形成されており、これらの循環通路63,
63に対して冷却水の導入用および導出用配管58a,
58bがそれぞれ接続されている。
【0045】以上のように構成される本実施の形態のス
パッタカソード51は、真空チャンバ内に設置される
と、カソード本体54と仕切板64とが真空チャンバの
内部と外部とを隔絶する隔壁として機能する。また、成
膜時は、磁気回路部55がターゲット52A(または5
2B)の直下部に配置され、上述の第1の実施の形態と
同様な作用で、対向する図示しない被処理基板に対して
所定の成膜処理を行う。
【0046】本実施の形態によれば、カソード本体54
に対して、バッキングプレート53の裏面(ターゲット
52の固定面とは反対側の面)側と磁気回路部55との
間を気密に遮蔽する仕切板64が設けられているので、
上述の第1の実施の形態と同様に、従来よりも少ない本
数のボルト部材30によってバッキングプレート53と
カソード本体54との間の取り付けを行うことができ
る。これにより、ターゲット52の交換作業が簡素化さ
れ、また、その作業時間も大幅に短縮することができ
る。
【0047】また、本実施の形態によれば、カソード本
体54に上記構成の仕切板64が設けられているので、
ターゲット52およびバッキングプレート53からなる
構成体を、図示するように例えばこれらの長辺方向と平
行な分割線を境に分割された2つの個片50Aおよび5
0Bで構成することが可能となる。これにより、大型の
ターゲット52を複数に分割して、ターゲット52の運
搬、保管、交換等を容易に行うことが可能となる。
【0048】さらに、磁気回路部55が、ターゲット5
2Aおよびターゲット52Bの直下部を選択的に配置さ
れて被処理基板に対する成膜処理を行うようにしている
ので、大型ターゲット52の有効利用を図ることがで
き、ターゲット52の交換サイクルを長くして装置の生
産性を高めることができる。
【0049】なお、ターゲット52Aおよびターゲット
52Bをそれぞれ異種の材料で構成するようにすれば、
被処理基板に対して異種材料の多層膜を形成することが
可能となる。
【0050】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、
本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。
【0051】例えば以上の各実施の形態では、本発明に
係る仕切板をカソード本体と分離不可能に一体的に構成
した例についてそれぞれ説明したが、これに限らず、例
えば図7に示すように、これらカソード本体74と仕切
板76とを分離可能に構成するようにしてもよい。
【0052】この場合、カソード本体74と仕切板76
との間に環状の密封部材77を配置し、仕切板76によ
ってバッキングプレート23の裏面側と磁気回路部25
との間の気密性を確保するために、カソード本体74と
仕切板76とを複数本のボルト部材78によって結合す
ればよい。なお、図において上述の第1の実施の形態と
対応する部分については同一の符号を付しており、その
詳細な説明は省略する。
【0053】また、以上の第2,第3の実施の形態で
は、ターゲットを等分に2分割した構成例についてそれ
ぞれ説明したが、ターゲットを不等分に分割してもよ
く、また、3以上の個片に分割することも勿論可能であ
る。この場合、分割線の方向は特に限定されず、分割線
を互いに直交させてもよい。
【0054】更に、以上の各実施の形態では、カソード
本体に対するターゲットの取り付けを複数本のボルト部
材を用いて行うようにしたが、本発明によって両者間に
厳密なる気密性が要求されなくなるので、ボルト等の締
結手段を用いるより更に簡素な方法で両者を互いに固定
することが可能となる。例えば、両者間の結合部に螺合
関係をもたせて固定したり、バヨネット結合等の係合作
用等によって両者間を固定する等である。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のスパッタカ
ソードによれば、カソード本体に対して、バッキングプ
レートの裏面側と磁気回路部との間を気密に遮蔽する仕
切板を設けたので、ターゲットの交換作業を簡易化で
き、作業時間の短縮化を図ることができる。
【0056】また、本発明によれば、カソード本体に対
して、バッキングプレートの裏面側と磁気回路部との間
を気密に遮蔽する仕切板を設けたので、大型ターゲット
を複数に分割してカソード本体へ取り付けることがで
き、これにより、大型カソードの運搬、保管、交換等を
容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは本発明の第1の実施の形態によるスパッタ
カソード全体の外観斜視図であり、Bは当該スパッタカ
ソードを構成するターゲット(バッキングプレート)お
よびカソード本体の分解斜視図である。
【図2】図1Aにおける断面R部の詳細を示す断面図で
ある。
【図3】図1Aにおける断面S部の詳細を示す断面図で
ある。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるスパッタカソ
ードを構成するターゲット(バッキングプレート)およ
びカソード本体の分解斜視図である。
【図5】Aは本発明の第3の実施の形態によるスパッタ
カソード全体の外観斜視図であり、Bは当該スパッタカ
ソードを構成するターゲット(バッキングプレート)お
よびカソード本体の分解斜視図である。
【図6】図5Aにおける断面T部の詳細を示す断面図で
ある。
【図7】本発明の第1の実施の形態によるスパッタカソ
ードの構成の変形例を示す要部の断面図である。
【図8】Aは従来のスパッタカソード全体の外観斜視図
であり、Bは当該スパッタカソードを構成するターゲッ
ト(バッキングプレート)およびカソード本体の分解斜
視図である。
【図9】図8Aにおける断面P部の詳細を示す断面図で
ある。
【図10】図8Aにおける断面Q部の詳細を示す断面図
である。
【符号の説明】
21 スパッタカソード 22 ターゲット 23 バッキングプレート 24 カソード本体 25 磁気回路部 30 ボルト部材 34 仕切板 35,36 密封部材 42 ターゲット 43 バッキングプレート 44 カソード本体 45 仕切板 46A,46B 個片 50A,50B 個片 51 スパッタカソード 52 ターゲット 53 バッキングプレート 54 カソード本体 55 磁気回路部 64 仕切板 65,66 密封部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にターゲットが固定されたバッキン
    グプレートと、前記バッキングプレートの裏面側に対向
    して配置され前記ターゲット上に所定の分布磁場を形成
    する磁気回路部と、前記磁気回路部の外周囲に配置され
    前記バッキングプレートを着脱自在に支持するカソード
    本体とを備えたスパッタカソードにおいて、 前記カソード本体に対し、前記バッキングプレートの裏
    面側と前記磁気回路部との間を気密に遮蔽する仕切板が
    設けられていることを特徴とするスパッタカソード。
  2. 【請求項2】 前記仕切板と前記カソード本体とが、真
    空チャンバの内部と外部とを隔絶する隔壁として設けら
    れることを特徴とする請求項1に記載のスパッタカソー
    ド。
  3. 【請求項3】 前記仕切板が、前記カソード本体と同一
    の構成材料で一体的に形成されてなることを特徴とする
    請求項2に記載のスパッタカソード。
  4. 【請求項4】 前記バッキングプレートが、前記仕切板
    に対して複数本のボルト部材を用いて取り付けられてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のスパッタカソー
    ド。
  5. 【請求項5】 前記ターゲットと前記バッキングプレー
    トとからなる構成体が、複数に分割された個片の集合体
    からなり、前記各個片がそれぞれ前記仕切板に対して着
    脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1
    に記載のスパッタカソード。
  6. 【請求項6】 前記構成体が長方形状を呈し、当該構成
    体を分割する分割線が、前記構成体の長辺と垂直に形成
    されることを特徴とする請求項5に記載のスパッタカソ
    ード。
  7. 【請求項7】 前記構成体が長方形状を呈し、当該構成
    体を分割する分割線が、前記構成体の長辺と平行に形成
    されることを特徴とする請求項5に記載のスパッタカソ
    ード。
  8. 【請求項8】 前記ターゲットと前記バッキングプレー
    トとからなる構成体が複数に分割された個片の集合体か
    らなり、前記磁気回路部が、前記個片の直下部を選択的
    に移動可能とされることを特徴とする請求項1に記載の
    スパッタカソード。
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