JP2004183022A - ターゲット装置及びスパッタリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】寿命の長いスパッタリング装置を提供する。
【解決手段】本発明のターゲット装置20は、ターゲット部22と電極部25とを有しており、電極部25には循環路が形成されているが、ターゲット部22には循環路が形成されていない。従って、スパッタリングによって多数の成膜対象物の成膜を連続して行う場合、成膜を重ねる毎にターゲット部22の板厚が薄くなるが、循環路が形成されていない分スパッタリング可能な板厚が大きいので、従来に比べて同じターゲット部22を長く使用することができる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のターゲット装置20は、ターゲット部22と電極部25とを有しており、電極部25には循環路が形成されているが、ターゲット部22には循環路が形成されていない。従って、スパッタリングによって多数の成膜対象物の成膜を連続して行う場合、成膜を重ねる毎にターゲット部22の板厚が薄くなるが、循環路が形成されていない分スパッタリング可能な板厚が大きいので、従来に比べて同じターゲット部22を長く使用することができる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスパッタリングに用いられるターゲット装置の技術分野に関し、特にターゲット材料を冷却可能なターゲット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5の符号120は従来技術のターゲット装置を示している。ターゲット装置120は電極部125とターゲット部122とを有している。電極部125とターゲット部122はそれぞれ板状にされており、ターゲット部122はその一面が電極部125の一面に密着された状態で、電極部125に取り付けられている。このターゲット装置120を用いてスパッタリングを行うには、ターゲット装置120をスパッタリングガス雰囲気中に配置する。
【0003】
該スパッタリングガス雰囲気中に成膜対象物である基板を配置しておき、電極部125に電圧を印加すると、スパッタリングガスのイオンがターゲット部122に衝突し、ターゲット部122がスパッタリングされ、基板表面に薄膜が形成される。ターゲット部122がスパッタリングされるときには、スパッタリングガスのイオンが衝突することによって、ターゲット部122が加熱される。
【0004】
一般に、ターゲット部122の電極部125に密着した面には溝126が形成されており、ターゲット部122がスパッタリングされる際に、この溝126の内周面と電極部125の表面とで囲まれた空間に冷却媒体が流せば、ターゲット部122が冷却媒体によって冷却されるので、ターゲット部122を所定温度に維持することができる。
【0005】
しかし、多数の基板の成膜を連続して行う場合、ターゲット部122がスパッタリングによって徐々に掘られるので、溝126が露出する前にスパッタリングを終了する必要がある。このように、従来のターゲット装置120ではターゲット部122に溝126が形成されている分、スパッタリング可能な板厚が小さく、ターゲット装置120の寿命が短いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の要求に応じるために創作されたものであり、その目的は、ターゲットの寿命の長いターゲット装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、板状のターゲット部と、ターゲット部の片面であるターゲット側密着面に一面が密着された電極部とを有し、スパッタリング装置本体に装着された状態で、前記電極部に電圧が印加されると、前記ターゲット部がスパッタリングされるように構成されたターゲット装置であって、前記ターゲット部は、前記電極部から着脱可能に構成され、前記電極部は循環路を有し、スパッタリング中に前記スパッタリング装置本体から前記循環路に冷却媒体が供給されるように構成されたターゲット装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のターゲット装置であって、前記電極部の前記ターゲット側密着面に密着された面には溝が形成され、前記循環路は、前記溝の内周面と前記ターゲット側密着面とで囲まれた空間で構成されたターゲット装置である。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のターゲット装置であって、前記循環路は、前記電極部内に設けられたターゲット装置である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のターゲット装置であって、前記電極部は銅を主成分とする導電性材料で構成され、前記ターゲット部は前記電極部を構成する導電性材料とは異なる材料で構成されたターゲット装置である。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のターゲット装置と、スパッタリング装置本体とを有するスパッタリング装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下で図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1の符号1は本発明のスパッタリング装置の一例を示している。このスパッタリング装置1は本発明の一例のターゲット装置20と、スパッタリング装置本体10とを有している。
【0009】
スパッタリング装置本体10は真空槽11を有しており、ターゲット装置20はその真空槽11内の天井側に配置されている。図2を参照し、ターゲット装置20は電極部25とターゲット部22とを有している。ここでは、電極部25は銅等の導電材料が円板状に成形されて構成されており、ターゲット部22は成膜材料が電極部25よりも小径の円板状に成形されて構成されている。
【0010】
電極部25とターゲット部22の片面をそれぞれ電極側密着面29、ターゲット側密着面27とすると、電極部25とターゲット部22は、電極部側密着面29とターゲット側密着面27とが密着された状態で、互いに固定されている。
【0011】
図3を参照し、電極側密着面29には1本又は2本以上の溝26が形成されている。各溝26はターゲット側密着面27によって蓋をされており、溝26の内周面とターゲット側密着面27とで囲まれた空間で循環路が構成されている。
【0012】
ターゲット部22のターゲット側密着面27と反対側の面は外部に露出されており、その部分が後述するようにスパッタリングされるスパッタ面28となっている。ここでは基板ホルダ70は真空槽11内の底壁側のターゲット装置20の鉛直下方位置に配置されており、ターゲット装置20のスパッタ面28はその基板ホルダ70に向けられている。
【0013】
ターゲット部22の周囲には、ターゲット部22と同じ材料で構成され、ターゲット部22の板厚よりも薄いリング状の無効部分23がターゲット部22と一体成形されている。
上述したようにターゲット部22は電極部25よりも小径であり、ターゲット部22はその中心が電極部25の中心と一致した状態で電極部25に取り付けられているので、無効部分23は電極部25の縁部分と重なり合っている。
【0014】
無効部分23の一方の面と、ターゲット側密着面27とは面一になっており、ターゲット側密着面27は電極部側密着面29と密着しているので、無効部分23の一方の面は電極部側密着面29に密着し、また他方の面はターゲット部22との板厚差の分だけスパッタ面28から電極部25側へ後退し、段差が形成されている。尚、無効部分23のリングは円形にされており、ターゲット部22と、無効部分23とで構成される板21は円板になっている。
【0015】
無効部分23の電極部側密着面29と密着する面には、ターゲット部22の縁にそってリング状の細溝が形成されており、その細溝によってOリング(オーリング)をはめ込むはめ込み部24が形成されている。
【0016】
電極部側密着面29とターゲット側密着面27は、そのはめ込み部24にOリングがはめ込まれた状態で密着されており、電極部側密着面29に形成された溝26はOリングによって取り囲まれている。
【0017】
このOリングは、ターゲット側密着面27と電極部側密着面29の両方に密着しているので、溝26は外部空間から遮断されている。従って、溝26の内周面とターゲット側密着面27とで構成される循環路は外部空間から遮断されている。
【0018】
溝26の両端部には導出入口39がそれぞれ設けられている。真空槽11の外部には冷却媒体タンク31が配置されており、各導出入口39は配管32によって冷却媒体タンク31に気密に接続され、一方を導入口として冷却媒体タンク31から冷却媒体が供給され、他方を導出口として冷却媒体タンク31へ排出されるように構成されている。従って、このターゲット装置20では、循環路に冷却媒体が流れるようになっている。
【0019】
真空槽11に接続された真空排気系19を起動し、真空槽11内に真空雰囲気を形成した後、真空槽11内に成膜対象物である基板7を搬入する。真空排気を続けながら、ガス導入系18から真空槽11内にスパッタリングガスであるアルゴンガスを導入し、真空槽11内に所定圧力の成膜雰囲気を形成する。
【0020】
予め、真空槽11外に配置された電源16に電極部25を気密に接続しておき、真空槽11と基板ホルダ70とを接地電位に置いた状態で電極部25に負の電圧を印加すると、スパッタ面にスパッタリングガスのイオンが衝突し、ターゲット部22がスパッタリングされる。
【0021】
このとき、スパッタリングガスのイオンの衝突により、ターゲット部22が加熱される。ターゲット部22がスパッタリングされる際に、循環路に冷却媒体を流しておけば、ターゲット部22が冷却媒体で冷却されるので、ターゲット部22を所定温度に維持することができる。
【0022】
上述したように、無効部分23の表面とスパッタ面28との間には段差が形成されており、その段差には板状のシールド14が、無効部分23及びターゲット部22に非接触な状態で、無効部分23の表面近傍位置に配置され、無効部分23の表面及び側面はそのシールド14で覆われている。従って、スパッタリングの際に、スパッタリングガスのイオンやスパッタ粒子が回り込みによって電極部25側へ侵入することがなく、電極部25が保護される。
【0023】
シールド14の無効部分23に向けられた面とは反対側の面は、スパッタ面28と略面一にされているので、シールド14がスパッタ面28から飛び出したスパッタ粒子の影にならず、かつスパッタ粒子がシールド14に付着しないようになっている。
【0024】
スパッタ面28は基板ホルダ70に向けられているので、スパッタ面28から飛び出したスパッタ粒子は、基板ホルダ70に配置された基板7表面に到達し、基板7表面に薄膜が形成される。
【0025】
成膜処理が終了した基板7を真空槽11外へ取りだし、未処理の基板を新たに真空槽11内に搬入し、基板ホルダ70に配置し、スパッタリングによる成膜を行う。
【0026】
このようにスパッタリングによる成膜工程を繰り返し、複数枚の基板の成膜を行うと、ターゲット部22がスパッタリングにより掘られて、その板厚が徐々に薄くなる。本発明のターゲット装置20では、ターゲット部22には溝26が形成されていない分、スパッタリング可能な板厚が厚いので、従来のターゲット装置に比べて、同じターゲット部22を長く使用することができる。
【0027】
また、ターゲット部22は無効部分23と共に電極部25から着脱可能になっているので、ターゲット部22の板厚がある一定板厚よりも小さくなったらターゲット部22と無効部分23とを交換すればよい。
【0028】
以上は、電極部側密着面29に溝26が形成され、該溝26の内周面とターゲット側密着面27とで循環路が構成される場合について説明したが本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
図4の符号40は本発明の他の例のターゲット装置を示している。このターゲット装置40の電極部45はその内部に循環路46を有しており、電極部側密着面49には溝が形成されておらず、平坦になっている。このターゲット装置40においても、ターゲット部22に循環路が形成されていない分、スパッタリング可能な板厚が厚いので、従来に比べてターゲット部22を長く使用することができる。
【0030】
以上は、電極部25が銅で構成される場合について説明したが、電極部25を構成する導電材料としては、銅以外にも例えばアルミニウムや、合金等も用いることができる。ターゲット部22及び無効部分23を構成する材料は特に限定されず、その成膜目的に合わせて種々の成膜材料を用いることが可能であり、チタン、タンタル、アルミニウム等種々の材料を用いることができる。
【0031】
以上は、無効部分23にOリングをはめ込むためのはめ込み部24を形成する場合について説明したが、はめ込み部は電極部25側に設けてもよいし、また無効部分23と電極部25の両方に設けてもよく、またはめ込み部の形状も特に限定されない。冷却媒体の種類は特に限定されず、水のような液体や、フロンガスやヘリウムガスのようなガス等を用いることもできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明のターゲット装置は、電極部側に循環路が形成されており、ターゲット部は循環路が形成されていない。従って、従来のターゲット装置に比べ、循環路が無い分だけ、ターゲット部をスパッタリング可能な板厚が大きくなり、結果としてターゲット装置の寿命が長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリング装置の一例を説明する断面図
【図2】本発明のターゲット装置の一例を説明する断面図
【図3】電極部のターゲット部に密着された側の面を説明する平面図
【図4】本発明のターゲット装置の他の例を説明する断面図
【図5】従来技術のターゲット装置を説明する断面図
【符号の説明】
1……スパッタリング装置 10……スパッタリング装置本体 20、40……ターゲット装置 22……ターゲット部 23……無効部分 25、45……電極部 26……溝 27……ターゲット側密着面 28……スパッタ面 29……電極部側密着面 46……循環路
【発明の属する技術分野】
本発明はスパッタリングに用いられるターゲット装置の技術分野に関し、特にターゲット材料を冷却可能なターゲット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5の符号120は従来技術のターゲット装置を示している。ターゲット装置120は電極部125とターゲット部122とを有している。電極部125とターゲット部122はそれぞれ板状にされており、ターゲット部122はその一面が電極部125の一面に密着された状態で、電極部125に取り付けられている。このターゲット装置120を用いてスパッタリングを行うには、ターゲット装置120をスパッタリングガス雰囲気中に配置する。
【0003】
該スパッタリングガス雰囲気中に成膜対象物である基板を配置しておき、電極部125に電圧を印加すると、スパッタリングガスのイオンがターゲット部122に衝突し、ターゲット部122がスパッタリングされ、基板表面に薄膜が形成される。ターゲット部122がスパッタリングされるときには、スパッタリングガスのイオンが衝突することによって、ターゲット部122が加熱される。
【0004】
一般に、ターゲット部122の電極部125に密着した面には溝126が形成されており、ターゲット部122がスパッタリングされる際に、この溝126の内周面と電極部125の表面とで囲まれた空間に冷却媒体が流せば、ターゲット部122が冷却媒体によって冷却されるので、ターゲット部122を所定温度に維持することができる。
【0005】
しかし、多数の基板の成膜を連続して行う場合、ターゲット部122がスパッタリングによって徐々に掘られるので、溝126が露出する前にスパッタリングを終了する必要がある。このように、従来のターゲット装置120ではターゲット部122に溝126が形成されている分、スパッタリング可能な板厚が小さく、ターゲット装置120の寿命が短いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の要求に応じるために創作されたものであり、その目的は、ターゲットの寿命の長いターゲット装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、板状のターゲット部と、ターゲット部の片面であるターゲット側密着面に一面が密着された電極部とを有し、スパッタリング装置本体に装着された状態で、前記電極部に電圧が印加されると、前記ターゲット部がスパッタリングされるように構成されたターゲット装置であって、前記ターゲット部は、前記電極部から着脱可能に構成され、前記電極部は循環路を有し、スパッタリング中に前記スパッタリング装置本体から前記循環路に冷却媒体が供給されるように構成されたターゲット装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のターゲット装置であって、前記電極部の前記ターゲット側密着面に密着された面には溝が形成され、前記循環路は、前記溝の内周面と前記ターゲット側密着面とで囲まれた空間で構成されたターゲット装置である。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のターゲット装置であって、前記循環路は、前記電極部内に設けられたターゲット装置である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のターゲット装置であって、前記電極部は銅を主成分とする導電性材料で構成され、前記ターゲット部は前記電極部を構成する導電性材料とは異なる材料で構成されたターゲット装置である。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のターゲット装置と、スパッタリング装置本体とを有するスパッタリング装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下で図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1の符号1は本発明のスパッタリング装置の一例を示している。このスパッタリング装置1は本発明の一例のターゲット装置20と、スパッタリング装置本体10とを有している。
【0009】
スパッタリング装置本体10は真空槽11を有しており、ターゲット装置20はその真空槽11内の天井側に配置されている。図2を参照し、ターゲット装置20は電極部25とターゲット部22とを有している。ここでは、電極部25は銅等の導電材料が円板状に成形されて構成されており、ターゲット部22は成膜材料が電極部25よりも小径の円板状に成形されて構成されている。
【0010】
電極部25とターゲット部22の片面をそれぞれ電極側密着面29、ターゲット側密着面27とすると、電極部25とターゲット部22は、電極部側密着面29とターゲット側密着面27とが密着された状態で、互いに固定されている。
【0011】
図3を参照し、電極側密着面29には1本又は2本以上の溝26が形成されている。各溝26はターゲット側密着面27によって蓋をされており、溝26の内周面とターゲット側密着面27とで囲まれた空間で循環路が構成されている。
【0012】
ターゲット部22のターゲット側密着面27と反対側の面は外部に露出されており、その部分が後述するようにスパッタリングされるスパッタ面28となっている。ここでは基板ホルダ70は真空槽11内の底壁側のターゲット装置20の鉛直下方位置に配置されており、ターゲット装置20のスパッタ面28はその基板ホルダ70に向けられている。
【0013】
ターゲット部22の周囲には、ターゲット部22と同じ材料で構成され、ターゲット部22の板厚よりも薄いリング状の無効部分23がターゲット部22と一体成形されている。
上述したようにターゲット部22は電極部25よりも小径であり、ターゲット部22はその中心が電極部25の中心と一致した状態で電極部25に取り付けられているので、無効部分23は電極部25の縁部分と重なり合っている。
【0014】
無効部分23の一方の面と、ターゲット側密着面27とは面一になっており、ターゲット側密着面27は電極部側密着面29と密着しているので、無効部分23の一方の面は電極部側密着面29に密着し、また他方の面はターゲット部22との板厚差の分だけスパッタ面28から電極部25側へ後退し、段差が形成されている。尚、無効部分23のリングは円形にされており、ターゲット部22と、無効部分23とで構成される板21は円板になっている。
【0015】
無効部分23の電極部側密着面29と密着する面には、ターゲット部22の縁にそってリング状の細溝が形成されており、その細溝によってOリング(オーリング)をはめ込むはめ込み部24が形成されている。
【0016】
電極部側密着面29とターゲット側密着面27は、そのはめ込み部24にOリングがはめ込まれた状態で密着されており、電極部側密着面29に形成された溝26はOリングによって取り囲まれている。
【0017】
このOリングは、ターゲット側密着面27と電極部側密着面29の両方に密着しているので、溝26は外部空間から遮断されている。従って、溝26の内周面とターゲット側密着面27とで構成される循環路は外部空間から遮断されている。
【0018】
溝26の両端部には導出入口39がそれぞれ設けられている。真空槽11の外部には冷却媒体タンク31が配置されており、各導出入口39は配管32によって冷却媒体タンク31に気密に接続され、一方を導入口として冷却媒体タンク31から冷却媒体が供給され、他方を導出口として冷却媒体タンク31へ排出されるように構成されている。従って、このターゲット装置20では、循環路に冷却媒体が流れるようになっている。
【0019】
真空槽11に接続された真空排気系19を起動し、真空槽11内に真空雰囲気を形成した後、真空槽11内に成膜対象物である基板7を搬入する。真空排気を続けながら、ガス導入系18から真空槽11内にスパッタリングガスであるアルゴンガスを導入し、真空槽11内に所定圧力の成膜雰囲気を形成する。
【0020】
予め、真空槽11外に配置された電源16に電極部25を気密に接続しておき、真空槽11と基板ホルダ70とを接地電位に置いた状態で電極部25に負の電圧を印加すると、スパッタ面にスパッタリングガスのイオンが衝突し、ターゲット部22がスパッタリングされる。
【0021】
このとき、スパッタリングガスのイオンの衝突により、ターゲット部22が加熱される。ターゲット部22がスパッタリングされる際に、循環路に冷却媒体を流しておけば、ターゲット部22が冷却媒体で冷却されるので、ターゲット部22を所定温度に維持することができる。
【0022】
上述したように、無効部分23の表面とスパッタ面28との間には段差が形成されており、その段差には板状のシールド14が、無効部分23及びターゲット部22に非接触な状態で、無効部分23の表面近傍位置に配置され、無効部分23の表面及び側面はそのシールド14で覆われている。従って、スパッタリングの際に、スパッタリングガスのイオンやスパッタ粒子が回り込みによって電極部25側へ侵入することがなく、電極部25が保護される。
【0023】
シールド14の無効部分23に向けられた面とは反対側の面は、スパッタ面28と略面一にされているので、シールド14がスパッタ面28から飛び出したスパッタ粒子の影にならず、かつスパッタ粒子がシールド14に付着しないようになっている。
【0024】
スパッタ面28は基板ホルダ70に向けられているので、スパッタ面28から飛び出したスパッタ粒子は、基板ホルダ70に配置された基板7表面に到達し、基板7表面に薄膜が形成される。
【0025】
成膜処理が終了した基板7を真空槽11外へ取りだし、未処理の基板を新たに真空槽11内に搬入し、基板ホルダ70に配置し、スパッタリングによる成膜を行う。
【0026】
このようにスパッタリングによる成膜工程を繰り返し、複数枚の基板の成膜を行うと、ターゲット部22がスパッタリングにより掘られて、その板厚が徐々に薄くなる。本発明のターゲット装置20では、ターゲット部22には溝26が形成されていない分、スパッタリング可能な板厚が厚いので、従来のターゲット装置に比べて、同じターゲット部22を長く使用することができる。
【0027】
また、ターゲット部22は無効部分23と共に電極部25から着脱可能になっているので、ターゲット部22の板厚がある一定板厚よりも小さくなったらターゲット部22と無効部分23とを交換すればよい。
【0028】
以上は、電極部側密着面29に溝26が形成され、該溝26の内周面とターゲット側密着面27とで循環路が構成される場合について説明したが本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
図4の符号40は本発明の他の例のターゲット装置を示している。このターゲット装置40の電極部45はその内部に循環路46を有しており、電極部側密着面49には溝が形成されておらず、平坦になっている。このターゲット装置40においても、ターゲット部22に循環路が形成されていない分、スパッタリング可能な板厚が厚いので、従来に比べてターゲット部22を長く使用することができる。
【0030】
以上は、電極部25が銅で構成される場合について説明したが、電極部25を構成する導電材料としては、銅以外にも例えばアルミニウムや、合金等も用いることができる。ターゲット部22及び無効部分23を構成する材料は特に限定されず、その成膜目的に合わせて種々の成膜材料を用いることが可能であり、チタン、タンタル、アルミニウム等種々の材料を用いることができる。
【0031】
以上は、無効部分23にOリングをはめ込むためのはめ込み部24を形成する場合について説明したが、はめ込み部は電極部25側に設けてもよいし、また無効部分23と電極部25の両方に設けてもよく、またはめ込み部の形状も特に限定されない。冷却媒体の種類は特に限定されず、水のような液体や、フロンガスやヘリウムガスのようなガス等を用いることもできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明のターゲット装置は、電極部側に循環路が形成されており、ターゲット部は循環路が形成されていない。従って、従来のターゲット装置に比べ、循環路が無い分だけ、ターゲット部をスパッタリング可能な板厚が大きくなり、結果としてターゲット装置の寿命が長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリング装置の一例を説明する断面図
【図2】本発明のターゲット装置の一例を説明する断面図
【図3】電極部のターゲット部に密着された側の面を説明する平面図
【図4】本発明のターゲット装置の他の例を説明する断面図
【図5】従来技術のターゲット装置を説明する断面図
【符号の説明】
1……スパッタリング装置 10……スパッタリング装置本体 20、40……ターゲット装置 22……ターゲット部 23……無効部分 25、45……電極部 26……溝 27……ターゲット側密着面 28……スパッタ面 29……電極部側密着面 46……循環路
Claims (5)
- 板状のターゲット部と、ターゲット部の片面であるターゲット側密着面に一面が密着された電極部とを有し、スパッタリング装置本体に装着された状態で、前記電極部に電圧が印加されると、前記ターゲット部がスパッタリングされるように構成されたターゲット装置であって、
前記ターゲット部は、前記電極部から着脱可能に構成され、
前記電極部は循環路を有し、スパッタリング中に前記スパッタリング装置本体から前記循環路に冷却媒体が供給されるように構成されたターゲット装置。 - 前記電極部の前記ターゲット側密着面に密着された面には溝が形成され、
前記循環路は、前記溝の内周面と前記ターゲット側密着面とで囲まれた空間で構成された請求項1記載のターゲット装置。 - 前記循環路は、前記電極部内に設けられた請求項1記載のターゲット装置。
- 前記電極部は銅を主成分とする導電性材料で構成され、前記ターゲット部は前記電極部を構成する導電性材料とは異なる材料で構成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のターゲット装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のターゲット装置と、スパッタリング装置本体とを有するスパッタリング装置。
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-
2002
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