JP2003328106A - 防食皮膜の形成方法 - Google Patents
防食皮膜の形成方法Info
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 合金としては十分な硬度を有するにも係わら
ず、この合金層を成層するために溶射装置に供給される
金属線は柔らかく作業性も良くすることを課題とする。 【解決手段】銅、マグネシウムを含む合金を心材2、そ
の周囲を純アルミ又はアルミ亜鉛合金からなる金属群の
中から選ばれる一種の層3で被覆してなるワイヤー1を
溶射材料として、鉄などの金属部材の素地4表面に、ア
ーク溶射を行うことによりアルミ合金層6を形成するこ
とを特徴とする。
ず、この合金層を成層するために溶射装置に供給される
金属線は柔らかく作業性も良くすることを課題とする。 【解決手段】銅、マグネシウムを含む合金を心材2、そ
の周囲を純アルミ又はアルミ亜鉛合金からなる金属群の
中から選ばれる一種の層3で被覆してなるワイヤー1を
溶射材料として、鉄などの金属部材の素地4表面に、ア
ーク溶射を行うことによりアルミ合金層6を形成するこ
とを特徴とする。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ダクタイル鋳鉄
部材など金属部材表面に防食皮膜を形成する方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】長期間、地中埋設されるような金属製の
配管類、例えば配水管として使用されるダクタイル鋳鉄
管のような金属部材は、通常、素地を防食層で保護する
ことが行われる。 【0003】従来、このような鉄系金属の防食方法とし
て、素地金属に亜鉛をアーク溶射し、犠牲陽極作用を発
揮させて耐食性を向上させることが広く行われている。
アーク溶射は、メッキのような大掛かりな設備を要せ
ず、比較的生産効率も高く、管内面の付着させない部分
のマスキングも不要という利点がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、亜鉛は、自然
電位が低いため、消耗が激しい。従って、電食により亜
鉛による金属層が消耗し尽くしてしまえば防食効果は早
期に消失する。 【0005】もっとも、層厚を厚くすれば、それだけ消
耗する時間を長くすることができるが、亜鉛による金属
溶射の場合は、溶射膜に空隙が含まれるので、受口、挿
し口で接合するいわゆるスリップオンタイプの管継手の
場合、気密性水密性が損なわれる可能性がある。 【0006】また、亜鉛の消耗速度を緩和するため、A
l-15%Zn合金や、アルミ−亜鉛擬合金を用いて防
食皮膜を形成することが行われているが、これら合金、
擬合金によって形成される皮膜の硬さは、鉄よりかなり
柔らかいため、容易に傷がつき、傷がつくとその部分が
選択的に腐食するといった問題があった。 【0007】そこで、防食層を硬くするには、硬い合金
材料を用いれば良く、例えばAlにCuやMg、Mnを
添加した合金の優れた耐食性は良く知られており、その
強度や硬度にも定評がある。 【0008】しかし、これら合金は硬度が高いので、ア
ーク溶射する際に供給される合金の金属線が硬く曲げ難
くて、長時間の連続溶射作業に備え金属線をコイル状に
小さく纏めたり、アーク溶射装置へ送りこむために自由
に屈曲することが出来ず、取り扱いが非常に厄介とな
る。 【0009】この発明は、上記問題を解消し、合金とし
ては十分な硬度を有するにも係わらず、溶射装置に供給
される金属線は柔らかく作業性も良くすることを課題と
してなされたものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、この発明は、銅、マグネシウムからなる合金を心
材、その周囲を純アルミ又はアルミ亜鉛合金からなる金
属群の中から選ばれる一種の層で被覆してなるワイヤー
を溶射材料として、鉄などの金属部材の素地表面に、ア
ーク溶射を行うことによりアルミ合金層を形成すること
を特徴とする。 【0011】この方法によれば、溶射膜の材料となる金
属線は、二種の軟質金属の同心構造とされた金属線であ
るので、コイル状に纏めたり屈曲させつつ供給するのが
可能で作業性が良く、しかもアーク溶射時には、両者が
同時に溶融して同時に金属表面に溶射されるので均一混
合した合金となり、きわめて強度の優れ防食皮膜を形成
し得るのである。 【0012】 【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を説
明する。図1はこの発明の防食皮膜の形成方法に使用さ
れる溶射材料となる線状材の要部分解斜視図である。 【0013】図1において、1は線状材を示し、2は線
状材1の心材を示す。心材2は、銅、マグネシウムから
なる金属粉又は合金とされ、線状材1全体を100質量
%(以下単に%と表示する。)としたとき、銅3〜5
%、マグネシウム0.5〜2.0%とした配合とされる
が、銅3〜5%、マグネシウム0.5〜2.0%にマン
ガン0.5〜1.5%を添加した配合としても良い。マ
ンガンは組織を微細化する効果があり、溶射される金属
膜が緻密化される。 【0014】3は、心材2をくるむ被覆材を示し、純ア
ルミ又はアルミ亜鉛合金とされ、純アルミかアルミに1
5%の亜鉛を添加した合金が使用され、図示のように合
金で作られた帯状板材で長尺の心材2の外周をくるむよ
うに巻き付けられ、あるいは図示は省略するが、さらに
延伸などの手段により所定の太さのワイヤーなどに加工
される。 【0015】そして、図2に示すように、鋳鉄管などの
ような金属部材4表面にアーク溶射装置5を用い、線状
材1のアーク溶射を行う。すると、線状材1は、心材2
と被覆材3とが同時に溶融しその状態で金属部材4表面
に溶射されるので、溶融金属は均一に混合して合金化さ
れ、Al−5Cu−1Mg合金やAl−5Cu−1Mg
−1Mn合金、Al−15Zn−5Cu−1Mg合金、
Al−15Zn−5Cu−1Mg−1Mn合金などのア
ルミ合金層6が形成される。 【0016】そして、これを常温で放置しておくと、時
効硬化し、ブリネル硬さで200HB程度の、鉄地と同
等かそれ以上の硬い皮膜が得られる。従って、この皮膜
により、鋳鉄管などの金属部材4は、腐食から有効に保
護されるのである。 【0017】 【発明の実施例】次に、この発明の実施例を説明する。
ダクタイル鋳鉄よりなる多数の短冊状の試験片を用意
し、それぞれの外表面を研磨し、油汚れや軽いさびを落
とした。 【0018】次いで、全体を100%としたとき銅3〜
5%、マグネシウム0.5〜2.0%とした合金、又は
銅3〜5%、マグネシウム0.5〜2.0%、マンガン
0.5〜1.5%とした合金を心材2とし、外周を純ア
ルミかアルミに15%の鉛を添加した合金よりなる帯状
板材で全体量が100%となるように調整し、長尺の心
材2の外周をくるむように巻き付けた線状材1を用いて
アーク溶射を行い、表1左欄に示すような金属組成の溶
射膜を形成した。 【0019】それぞれの溶射膜の自然電位、塩水噴霧試
験1ヶ月後の外観状況、マイクロビッカース硬さを測定
した所、表1に示す結果となった。 【0020】 【表1】 表1の「自然電位」は、「飽和甘汞電極電位」を意味
し、水道水中に1週間浸漬した後に測定した値である。
表1より明かなように、1ヶ月の塩水噴霧試験後に「さ
び発生なし」の評価となったものは、実施例四種と、比
較例では、純アルミを用いた比較例とAl−15Zn合
金を用いた比較例の2例だけであった。 【0021】これら、試験片に成層された実施例の耐食
皮膜の自然電位は、比較例の純アルミやAl−15Zn
に比べて貴になり、ダクタイル鋳鉄管の電位に近づく。
一方、マイクロビッカース硬さは、実施例は比較例の純
アルミやAl−15Znに比べて3〜4倍で、鉄素地以
上の硬度を有する。 【0022】従って、実施例は、犠牲陽極作用による防
食作用というより、合金層自体の耐食性と高い硬度によ
り防食効果が発揮されていると考えられる。また、アル
ミニウムに銅を添加すると耐食性が低下すると一般に言
われているが、5%程度までの添加では塩水噴霧試験に
おいても「純Al」や「Al−15Zn」と同様、良好
な耐食性を示した。 【0023】但し、Cuの添加量が5%を越え、10%
程度になると比較例の欄の「Al−10Cu−1Mg」
「Al−15Zn−10Cu−1Mg」欄の塩水噴霧試
験結果より明かなように耐食性は低下することが判明し
た。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、この発明の防食皮
膜の形成方法によれば、二種の軟質な金属材料を用いて
アーク溶接により金属層を形成しても、両者は同心状の
線状材料とされているので溶射時に両者は均一に混合さ
れやすく、形成される合金膜も両金属が均一に混合した
強度に優れた均質な合金層にできる。 【0025】また、アーク溶射装置に線状材を供給する
までは、線状材は曲げることができるので、扱いも簡単
となり、容易に溶射作業もできる効果を有する。
部材など金属部材表面に防食皮膜を形成する方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】長期間、地中埋設されるような金属製の
配管類、例えば配水管として使用されるダクタイル鋳鉄
管のような金属部材は、通常、素地を防食層で保護する
ことが行われる。 【0003】従来、このような鉄系金属の防食方法とし
て、素地金属に亜鉛をアーク溶射し、犠牲陽極作用を発
揮させて耐食性を向上させることが広く行われている。
アーク溶射は、メッキのような大掛かりな設備を要せ
ず、比較的生産効率も高く、管内面の付着させない部分
のマスキングも不要という利点がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、亜鉛は、自然
電位が低いため、消耗が激しい。従って、電食により亜
鉛による金属層が消耗し尽くしてしまえば防食効果は早
期に消失する。 【0005】もっとも、層厚を厚くすれば、それだけ消
耗する時間を長くすることができるが、亜鉛による金属
溶射の場合は、溶射膜に空隙が含まれるので、受口、挿
し口で接合するいわゆるスリップオンタイプの管継手の
場合、気密性水密性が損なわれる可能性がある。 【0006】また、亜鉛の消耗速度を緩和するため、A
l-15%Zn合金や、アルミ−亜鉛擬合金を用いて防
食皮膜を形成することが行われているが、これら合金、
擬合金によって形成される皮膜の硬さは、鉄よりかなり
柔らかいため、容易に傷がつき、傷がつくとその部分が
選択的に腐食するといった問題があった。 【0007】そこで、防食層を硬くするには、硬い合金
材料を用いれば良く、例えばAlにCuやMg、Mnを
添加した合金の優れた耐食性は良く知られており、その
強度や硬度にも定評がある。 【0008】しかし、これら合金は硬度が高いので、ア
ーク溶射する際に供給される合金の金属線が硬く曲げ難
くて、長時間の連続溶射作業に備え金属線をコイル状に
小さく纏めたり、アーク溶射装置へ送りこむために自由
に屈曲することが出来ず、取り扱いが非常に厄介とな
る。 【0009】この発明は、上記問題を解消し、合金とし
ては十分な硬度を有するにも係わらず、溶射装置に供給
される金属線は柔らかく作業性も良くすることを課題と
してなされたものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、この発明は、銅、マグネシウムからなる合金を心
材、その周囲を純アルミ又はアルミ亜鉛合金からなる金
属群の中から選ばれる一種の層で被覆してなるワイヤー
を溶射材料として、鉄などの金属部材の素地表面に、ア
ーク溶射を行うことによりアルミ合金層を形成すること
を特徴とする。 【0011】この方法によれば、溶射膜の材料となる金
属線は、二種の軟質金属の同心構造とされた金属線であ
るので、コイル状に纏めたり屈曲させつつ供給するのが
可能で作業性が良く、しかもアーク溶射時には、両者が
同時に溶融して同時に金属表面に溶射されるので均一混
合した合金となり、きわめて強度の優れ防食皮膜を形成
し得るのである。 【0012】 【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を説
明する。図1はこの発明の防食皮膜の形成方法に使用さ
れる溶射材料となる線状材の要部分解斜視図である。 【0013】図1において、1は線状材を示し、2は線
状材1の心材を示す。心材2は、銅、マグネシウムから
なる金属粉又は合金とされ、線状材1全体を100質量
%(以下単に%と表示する。)としたとき、銅3〜5
%、マグネシウム0.5〜2.0%とした配合とされる
が、銅3〜5%、マグネシウム0.5〜2.0%にマン
ガン0.5〜1.5%を添加した配合としても良い。マ
ンガンは組織を微細化する効果があり、溶射される金属
膜が緻密化される。 【0014】3は、心材2をくるむ被覆材を示し、純ア
ルミ又はアルミ亜鉛合金とされ、純アルミかアルミに1
5%の亜鉛を添加した合金が使用され、図示のように合
金で作られた帯状板材で長尺の心材2の外周をくるむよ
うに巻き付けられ、あるいは図示は省略するが、さらに
延伸などの手段により所定の太さのワイヤーなどに加工
される。 【0015】そして、図2に示すように、鋳鉄管などの
ような金属部材4表面にアーク溶射装置5を用い、線状
材1のアーク溶射を行う。すると、線状材1は、心材2
と被覆材3とが同時に溶融しその状態で金属部材4表面
に溶射されるので、溶融金属は均一に混合して合金化さ
れ、Al−5Cu−1Mg合金やAl−5Cu−1Mg
−1Mn合金、Al−15Zn−5Cu−1Mg合金、
Al−15Zn−5Cu−1Mg−1Mn合金などのア
ルミ合金層6が形成される。 【0016】そして、これを常温で放置しておくと、時
効硬化し、ブリネル硬さで200HB程度の、鉄地と同
等かそれ以上の硬い皮膜が得られる。従って、この皮膜
により、鋳鉄管などの金属部材4は、腐食から有効に保
護されるのである。 【0017】 【発明の実施例】次に、この発明の実施例を説明する。
ダクタイル鋳鉄よりなる多数の短冊状の試験片を用意
し、それぞれの外表面を研磨し、油汚れや軽いさびを落
とした。 【0018】次いで、全体を100%としたとき銅3〜
5%、マグネシウム0.5〜2.0%とした合金、又は
銅3〜5%、マグネシウム0.5〜2.0%、マンガン
0.5〜1.5%とした合金を心材2とし、外周を純ア
ルミかアルミに15%の鉛を添加した合金よりなる帯状
板材で全体量が100%となるように調整し、長尺の心
材2の外周をくるむように巻き付けた線状材1を用いて
アーク溶射を行い、表1左欄に示すような金属組成の溶
射膜を形成した。 【0019】それぞれの溶射膜の自然電位、塩水噴霧試
験1ヶ月後の外観状況、マイクロビッカース硬さを測定
した所、表1に示す結果となった。 【0020】 【表1】 表1の「自然電位」は、「飽和甘汞電極電位」を意味
し、水道水中に1週間浸漬した後に測定した値である。
表1より明かなように、1ヶ月の塩水噴霧試験後に「さ
び発生なし」の評価となったものは、実施例四種と、比
較例では、純アルミを用いた比較例とAl−15Zn合
金を用いた比較例の2例だけであった。 【0021】これら、試験片に成層された実施例の耐食
皮膜の自然電位は、比較例の純アルミやAl−15Zn
に比べて貴になり、ダクタイル鋳鉄管の電位に近づく。
一方、マイクロビッカース硬さは、実施例は比較例の純
アルミやAl−15Znに比べて3〜4倍で、鉄素地以
上の硬度を有する。 【0022】従って、実施例は、犠牲陽極作用による防
食作用というより、合金層自体の耐食性と高い硬度によ
り防食効果が発揮されていると考えられる。また、アル
ミニウムに銅を添加すると耐食性が低下すると一般に言
われているが、5%程度までの添加では塩水噴霧試験に
おいても「純Al」や「Al−15Zn」と同様、良好
な耐食性を示した。 【0023】但し、Cuの添加量が5%を越え、10%
程度になると比較例の欄の「Al−10Cu−1Mg」
「Al−15Zn−10Cu−1Mg」欄の塩水噴霧試
験結果より明かなように耐食性は低下することが判明し
た。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、この発明の防食皮
膜の形成方法によれば、二種の軟質な金属材料を用いて
アーク溶接により金属層を形成しても、両者は同心状の
線状材料とされているので溶射時に両者は均一に混合さ
れやすく、形成される合金膜も両金属が均一に混合した
強度に優れた均質な合金層にできる。 【0025】また、アーク溶射装置に線状材を供給する
までは、線状材は曲げることができるので、扱いも簡単
となり、容易に溶射作業もできる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法に使用される線状材の要部分解
斜視図である。 【図2】この発明の方法の実施状態を示す側面図であ
る。 【符号の説明】 1…線状材 2…心材 3…被覆材 4…金属部材(ダクタイル鋳鉄管) 5…アーク溶射装置 6…アルミ合金層
斜視図である。 【図2】この発明の方法の実施状態を示す側面図であ
る。 【符号の説明】 1…線状材 2…心材 3…被覆材 4…金属部材(ダクタイル鋳鉄管) 5…アーク溶射装置 6…アルミ合金層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 田中 進一郎
兵庫県尼崎市大浜町2丁目26番地 株式会
社クボタ武庫川製造所内
Fターム(参考) 3H024 EC02 ED08 EE03
4K031 AA01 AB02 AB09 CA02 DA03
EA08
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 銅、マグネシウムからなる合金を心材、
その周囲を純アルミ又はアルミ亜鉛合金からなる金属群
の中から選ばれる一種の層で被覆してなるワイヤーを溶
射材料として、鉄などの金属部材の素地表面に、アーク
溶射を行うことによりアルミ合金層を形成することを特
徴とする防食皮膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002134777A JP2003328106A (ja) | 2002-05-10 | 2002-05-10 | 防食皮膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002134777A JP2003328106A (ja) | 2002-05-10 | 2002-05-10 | 防食皮膜の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017095736A (ja) * | 2015-11-18 | 2017-06-01 | 株式会社栗本鐵工所 | 擬合金被覆部材、擬合金被覆用アルミニウム合金及び擬合金被覆用アルミニウム合金線 |
CN114318324A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-04-12 | 东风汽车集团股份有限公司 | 一种用于镁合金车轮冷喷涂的喷涂粉末及其喷涂工艺和评价方法 |
EP3041971B2 (fr) † | 2013-09-02 | 2022-07-27 | Saint-Gobain Pam Canalisation | Revetement exterieur pour element de tuyauterie enterre a base de fer, element de tuyauterie revetu et procede de depot du revetement |
-
2002
- 2002-05-10 JP JP2002134777A patent/JP2003328106A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
EP3041971B2 (fr) † | 2013-09-02 | 2022-07-27 | Saint-Gobain Pam Canalisation | Revetement exterieur pour element de tuyauterie enterre a base de fer, element de tuyauterie revetu et procede de depot du revetement |
JP2017095736A (ja) * | 2015-11-18 | 2017-06-01 | 株式会社栗本鐵工所 | 擬合金被覆部材、擬合金被覆用アルミニウム合金及び擬合金被覆用アルミニウム合金線 |
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